(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】POSシステム、精算装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
G07G1/12 321E
G07G1/12 321K
(21)【出願番号】P 2023163746
(22)【出願日】2023-09-26
(62)【分割の表示】P 2021145662の分割
【原出願日】2017-02-14
【審査請求日】2023-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2016256485
(32)【優先日】2016-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 敬行
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特許第6945217(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムであって、
前記精算装置は、
前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有し、
動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替え可能なモード変更手段を備え、
前記登録装置は、前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付けるキーを備え、
前記モード変更手段は、前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える
とともに、所定の時間帯になった場合に、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、
ことを特徴とするPOSシステム。
【請求項2】
店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムに含まれる精算装置であって、
前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有し、
動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替え可能なモード変更手段を備え、
前記モード変更手段は、前記登録装置の具備されるキーであって前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える
とともに、所定の時間帯になった場合に、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、
ことを特徴とする精算装置。
【請求項3】
店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムに含まれる精算装置としてのコンピュータに、
前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードで動作させるステップと、
動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替えるステップと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記切り替えるステップでは、前記登録装置の具備されるキーであって前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える
とともに、所定の時間帯になった場合に、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSシステム、精算装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の登録が行われる登録装置と、登録装置により登録された商品について精算を行う精算装置とが分離して構成されるPOSシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなPOSシステムでは、店員が登録装置により顧客の買上商品の登録を行い、顧客が自分の買上商品についての精算を精算装置にて行うことができる。これにより、例えば、商品代金の受領業務が無人化されることによる省力化や、買上商品の登録から精算終了までの時間の短縮が図られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、登録装置を操作する店員がいない場合には、対応する精算装置は利用されない。そのため、精算装置を利用できない時間帯ができることがあり、精算装置を常に有効活用できているわけではない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムにおいて、精算装置を有効活用することができるPOSシステム、精算装置、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムであって、前記精算装置は、前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有し、動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替え可能なモード変更手段を備え、前記登録装置は、前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付けるキーを備え、前記モード変更手段は、前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、ことを特徴とするPOSシステムである。
【0007】
また、上記のPOSシステムにおいて、前記精算装置は、コード情報を読み取る読取部をさらに備え、前記モード変更手段は、前記読取部が商品に付されたコード情報を読み取った場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替えるようにしてもよい。
【0008】
また、上記のPOSシステムにおいて、前記モード変更手段は、前記精算装置に対応する前記登録装置が非稼働である場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替えるようにしてもよい。
【0009】
また、上記のPOSシステムにおいて、前記モード変更手段は、フルセルフモードで動作している場合であっても、セミセルフモードで用いる情報を読みとるとセミセルフモードとして動作するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様は、店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムに含まれる精算装置であって、前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有し、動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替え可能なモード変更手段を備え、前記モード変更手段は、前記登録装置の具備されるキーであって前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、ことを特徴とする精算装置である。
【0011】
また、本発明の一態様は、店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置と精算装置と、を備えるPOSシステムに含まれる精算装置としてのコンピュータに、前記登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードで動作させるステップと、動作モードを前記セミセルフモードと前記フルセルフモードとのいずれかに切り替えるステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記切り替えるステップでは、前記登録装置の具備されるキーであって前記精算装置の動作モードを切り替える操作を受け付ける前記キーの操作に基づいて、前記セミセルフモードから前記フルセルフモードに切り替える、プログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、登録装置と精算装置とを備えるPOSシステムにおいて、精算装置を有効活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態におけるPOSシステムの構成例を示す図である。
【
図2】本発明の実施形態における登録装置の構成例を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態における精算装置の構成例を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態における登録装置と精算装置の外観例を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態における精算装置の外観例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態における精算装置に表示される画面の一例である。
【
図7】本発明の実施形態における精算装置に表示される画面の一例である。
【
図8】本発明の実施形態における精算装置の処理遷移例について説明するフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態における精算装置の処理遷移例について説明するフローチャートである。
【
図10】動作モード切り替えボタンを表示した場合の登録画面の一例を示した図である。
【
図11】セミセルフモードで動作しているときの精算装置が表示する、支払い方法を選択させる画面の例を示した図である。
【
図12】セミセルフモードで動作しているときの精算装置が表示する、預かり金額等を表示する画面を示した図である。
【
図13】前面側と背面側に表示部および操作部をそれぞれ設けた精算装置の外観例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るPOS(Point Of Sales)システムの構成例を示している。同図に示すPOSシステムは、ストアコントローラ10と、登録装置20と、3台の精算装置30とを含んで構成されている。ストアコントローラ10と、登録装置20と、3台の精算装置30とは、有線または無線接続のLAN(Local Area Network)11で相互に通信が可能なように接続されている。
【0015】
なお、同図に示したPOSシステムの構成は一例である。例えば、POSシステムの構成として、2台以上の登録装置20を含む構成としてもよいし、2台以下または4台以上の精算装置30を含む構成としてもよい。また、POSシステムの構成として、ストアコントローラ10を含まない構成としてもよい。なお、POSシステムの構成として、ストアコントローラ10を含まない構成とする場合には、他の装置(例えば、登録装置20、2以上の登録装置20がある場合には代表する1台の登録装置20)に、ストアコントローラ10としての機能を兼用させてもよい。
【0016】
ストアコントローラ10は、POSシステムを制御するコンピュータであり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。ストアコントローラ10は、登録装置20及び各精算装置30に、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラ10は、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、CD-ROM等の媒体)から取得し、登録装置20及び各精算装置30に適宜送信する。
【0017】
登録装置20は、購入対象の商品を登録する登録処理を実行する。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。また、登録装置20は、登録された商品に関する情報(以下、登録データという)を生成し、記憶する。
【0018】
登録データは、当該登録データを識別するための登録データ識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、登録データは、当該登録データを生成した登録装置20(すなわち、当該登録データに係る商品を登録した登録装置20)を識別するための登録装置識別情報を更に含むものであってもよい。
【0019】
登録データは、精算装置30において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー(プリペイドカードのチャージ残高を含む)、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0020】
なお、本実施の形態では、複数の精算装置30が存在するが、複数のうちのいずれか1台が、登録装置20において生成された登録データを用いて精算処理を実行する。複数の精算装置30のうちから、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様としては、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様がある。すなわち、店員が、精算装置30を指定する操作を登録装置20に対して行うことによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。なお、登録装置20において、各精算装置30の稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、登録装置20において、店員が精算装置30を指定する際に、各精算装置30の稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0021】
店員が一の精算装置30を指定した場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された登録データが、指定された精算装置30に送信される。すなわち、登録装置20は、登録処理に続いて精算装置30が指定された場合には、指定された精算装置30に対し、当該登録処理に基づく登録データを送信する。なお、本実施の形態では、登録装置20は、直接、精算装置30に登録データを送信するが、ストアコントローラ10を経由して、精算装置30に登録データを送信してもよい。
【0022】
精算装置30は、店員が登録装置において顧客が買い上げる買上商品を登録し、顧客が精算装置において登録された商品を精算するセミセルフモードと、顧客が精算装置において買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有する。精算装置30は、セミセルフモード時には、顧客の操作に応じて、登録装置において登録された商品の精算処理を実行する。すなわち、精算装置30は、登録装置20から受信した登録データに基づいて、精算処理を実行する。また、精算装置30は、セミセルフモード時に精算処理を終了した場合には、登録装置20に精算処理の終了を通知する。一方、精算装置30は、フルセルフモード時には、顧客の操作に応じて、購入対象の商品を登録する登録処理を実行し、その後、登録された商品の精算処理を実行する。
【0023】
次に、
図2~
図5を参照して、登録装置20及び精算装置30の構成例について説明する。
図2は、登録装置20の構成例を示すブロック図である。
図3は、精算装置30の構成例を示すブロック図である。
図4は、登録装置20と精算装置30との外観例を示す斜視図である。
図5は、精算装置30の外観例を示す斜視図である。
【0024】
登録装置20は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、スキャナ部204と、表示部(店員用)205と、表示部(客用)205aと、操作部206と、通信部207と、ブザー208と、印刷部209とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0025】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、登録装置20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0026】
RAM203は、随時読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録処理後に生成された登録データや、精算処理を実行させる精算装置30に関する情報を記憶する。また、RAM203は、精算装置30から受信した稼働情報などを記憶してもよい。
スキャナ部204は、商品に付されているバーコード(商品コード)を光学的に読み取る。
【0027】
表示部(店員用)205は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、店員用の種々の情報を表示する。例えば、表示部(店員用)205は、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタンを配置した商品登録画面などを表示する。
【0028】
表示部(客用)205aは、顧客用の種々の情報を表示する。例えば、表示部(客用)205aは、登録した商品の価格等を表示する。表示部(客用)205aは、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であってもよい。
【0029】
操作部206は、登録装置20を動作させるための各種の操作ボタン(小計キー、現計キー、置数キー、訂正キー、及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部206は、操作ボタン(プリセットキー)が操作されることにより、そのプリセットキーに予め設定登録されている商品情報(商品コード等)について、操作入力を受け付ける。
【0030】
通信部207は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー208は、店員が操作を確認することが必要な場合などに、ブザー音を発生させる。
印刷部209は、必要に応じて媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部209は、店員が指定した精算装置30を案内する情報を印刷してもよい。
【0031】
図4においては、スキャナ部204、表示部(店員用)205、操作部206、印刷部209の外観構成を示している。
【0032】
精算装置30は、
図3に示すように、CPU301と、ROM302と、RAM303と、スキャナ部304と、表示部305と、操作部306と、通信部307と、ブザー308と、印刷部309と、決済部310と、サインポール311と、人感知センサ312と、秤接続部313とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0033】
CPU301は、中央演算処理装置であり、ROM302に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、精算装置30の動作を制御する。
ROM302は、読み出し専用メモリであって、プログラムをはじめとしてCPU301が利用する各種の情報を記憶する。
【0034】
RAM303は、随時読み出し書き込みメモリであって、種々の情報を記憶する。例えば、RAM303は、ストアコントローラ10から取得した商品マスタや、登録装置20から取得した登録データを記憶する。
スキャナ部304は、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード)や、会員カード等に付されているバーコード(会員コード)を光学的に読み取る。
【0035】
表示部305は、タッチパネル(例えば、液晶タッチパネル)であり、種々の情報を表示する。例えば、表示部305は、合計金額などが表示される精算画面を表示する。
【0036】
操作部306は、精算装置30を動作させるための各種の操作ボタン(訂正キー及びプリセットキー等)を備える。例えば、操作部306は、操作ボタン(訂正キー)が操作されることにより、操作入力の訂正を受け付ける。
【0037】
通信部307は、LAN11を介して、他の装置と通信する。
ブザー308は、エラー等が発生した場合、エラーを報知するブザー音を発生させる。
印刷部309は、媒体を印刷して発行する。例えば、印刷部309は、精算処理(すなわち商品の買上金額の決済)が終了した場合、精算結果を示し顧客が持ち帰るべきレシートを印刷して発行する。
【0038】
決済部310は、釣銭釣札機、クレジットカードリーダ、電子マネーリーダ等と、それらの制御部とを備えて構成されていて、決済部310を用いて、現金、クレジット、電子マネー等により決済処理が行われる。決済部310は、釣銭釣札機によって、現金により決済を実行し、決済を実行した結果(例えば、決済が成立したか否かを示す情報)を、バスを介してCPU301に出力する。釣銭釣札機は、紙幣の投入及び排出をする紙幣投入口、硬貨を投入するための硬貨投入口、釣銭を排出する釣銭排出口を備えている。なお、以降の説明にあたり、紙幣投入口と硬貨投入口とについて一括して貨幣投入口と呼ぶ場合がある。
また、決済部310は、クレジットにより決済を実行し、決済を実行した結果を、ポート及びバスを介してCPU301に出力する。また、決済部310は、電子マネーにより決済を実行し、決済を実行した結果を、バスを介してCPU301に出力する。
【0039】
サインポール311は、複数色の表示灯を有し、それらの表示灯を点灯や点滅させることで、精算装置30が店員により指定された装置であることを示す情報を報知したり、操作可能である旨を報知したりする。
人感知センサ312は、精算装置30の正面の所定圏内に人物(顧客)がいることを検知するセンサである。
【0040】
秤接続部313は、秤50と接続して通信する。秤50は、フルセルフモード時に、顧客が購入する商品を登録する際に不正を防ぐために使用される、商品の重さを計量するための秤である。
【0041】
図5においては、スキャナ部304、表示部305、決済部310、及びサインポール311などの外観構成を示している。
【0042】
図6及び
図7は、精算装置30に表示される画面の一例である。精算装置30は、セミセルフモード時には、登録装置20において登録された商品の精算処理を実行する。すなわち、精算装置30がセミセルフモードのときは、店員が登録装置20において商品を登録し、顧客が精算装置30を操作して登録装置20において登録された商品の精算をする。また、精算装置30は、フルセルフモード時には、商品の登録処理及び登録された商品の精算処理を実行する。すなわち、精算装置30がフルセルフモードのときは、顧客が精算装置30を操作して商品の登録及び登録された商品の精算をする。
【0043】
精算装置30は、通常時には、セミセルフモードで動作する。そして、精算装置30のCPU301(モード変更手段)は、動作モードをセミセルフモードとフルセルフモードとのいずれかに切り替え可能である。例えば、CPU301は、所定の条件が満たされた場合に、動作モードをセミセルフモードからフルセルフモードに切り替える。所定の条件は、例えば、スキャナ部304が商品に付されたコード情報を読み取ったことである。この場合には、CPU301は、スキャナ部304が商品に付されたコード情報を読み取った場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替える。そして、CPU301は、精算処理が完了すると、動作モードをセミセルフモードに切り替える。或いは、CPU301は、登録装置20から登録データを受信した場合に、動作モードをセミセルフモードに切り替えてもよい。或いは、CPU301は、所定の操作が行われた場合に、動作モードをセミセルフモードに切り替えてもよい。
【0044】
また、所定の条件の他の例は、所定の時間帯になったことである。この場合には、CPU301は、所定の時間帯(時刻)になった場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替え、当該時間帯を過ぎると、動作モードをセミセルフモードに切り替える。また、所定の条件の他の例は、精算装置30に対応する設定がされた登録装置20が非稼働であることである。この場合には、CPU301は、対応する登録装置20が非稼働である場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替え、当該登録装置が稼働すると動作モードをセミセルフモードに切り替える。精算装置30には、対応する登録装置20が予め設定されており、精算装置30は、対応する登録装置20から登録データを受信する。なお、CPU301は、対応する登録装置20またはストアコントローラ10から当該登録装置20の稼働状態を取得する。或いは、CPU301は、登録データを所定時間以上受信していない場合に、対応する登録装置20が非稼働であると判定し、登録データを受信した場合に、対応する登録装置20が稼働していると判定してもよい。
【0045】
精算装置30は、セミセルフモード時には、まず、
図6に示すような精算画面600を表示部305に表示する。本図に示す精算画面600には、登録装置20において登録された商品の買上点数「2点」601と、その合計金額「¥276」602と、支払い方法の選択を促すメッセージ「現金、クレジットがご使用になれます。右側のボタンを押して、お支払い方法をお選びください」603と、現金での支払いを選択する現金ボタン604と、クレジットでの支払いを選択するクレジットボタン605とが表示されている。顧客は、現金ボタン604またはクレジットボタン605を押下して支払い方法を選択し、商品を精算する。
【0046】
また、精算装置30は、フルセルフモード時には、まず、
図7に示すような登録開始画面700を表示部305に表示する。登録開始画面700には、商品の登録を促すメッセージ「ボタンを選択し、登録をスタートしてください」701と、レジ袋を用いて登録するレジ袋スタートボタン702と、マイバッグを用いて登録するマイバッグスタートボタン703とが表示されている。顧客は、レジ袋スタートボタン702またはマイバッグスタートボタン703を押下し、その後、商品を登録する。精算装置30は、商品の登録が完了すると、精算画面600を表示部305に表示して精算処理を実行する。
【0047】
また、精算装置30は、現在の動作モードがセミフルモードであるかフルセルフモードであるかを表示部305に表示してもよい。これにより、精算装置30がいずれの動作モードで動作しているかを知ることができる。
【0048】
また、精算装置30は、動作モードに応じてサインポール311を異なる色で点灯させてもよい。例えば、精算装置30は、セミセルフモード時にはサインポール311を緑色で点灯させ、フルセルフモード時にはサインポール311を赤色で点灯させる。これにより、サインポール311の色により、精算装置30の動作モードを確認することができる。よって、精算装置30の表示部305を確認する手間が省け、また、遠目からでも精算装置30の動作モードを知ることができる。
【0049】
続いて、
図8及び
図9のフローチャートを参照して、本実施形態の精算装置30の処理遷移例について説明する。初期状態として、精算装置30は待機状態である。待機状態は、顧客の操作が開始されるのを待機している状態である。待機状態において、精算装置30の表示部305には、待機画面が表示されている。ここで、顧客が操作を開始したことに応じて、精算装置30は
図8に示す処理を実行する。
【0050】
(ステップS101)CPU301は、動作モードがセミセルフモードであるか否かを判定する。セミセルフモードであるとCPU301が判定した場合には、ステップS102の処理に進む。また、フルセルフモードであるとCPU301が判定した場合には、ステップS111の処理に進む。
【0051】
(ステップS102)CPU301は、予め登録装置20から受信してRAM303に記憶してある登録データを読み出し、読み出した登録データに基づいて精算画面600を表示部305に表示する。その後、ステップS103の処理に進む。
(ステップS103)CPU301は、読み出した登録データに基づいて精算処理を実行する。そして、CPU301は、通信部307を介して、精算処理が終了した旨を示した精算終了情報を登録データの送信元の登録装置20に送信する。その後、処理を終了する。
【0052】
(ステップS111)CPU301は、登録開始画面700を表示部305に表示し、登録の操作が行われることに応じて、商品を登録する登録処理を実行する。顧客は、買上商品の登録を終了すると小計キーを操作する。CPU301は、小計キーが入力を受け付けると、登録処理を終了する。その後、ステップS112の処理に進む。
(ステップS112)CPU301は、ステップS111において登録された商品の精算処理を実行する。その後、処理を終了する。
【0053】
また、精算装置30は、セミセルフモード時の待機状態のときに、
図9に示す処理を実行する。
(ステップS201)CPU301は、上述した所定の条件を満たしたか否かを判定する。所定の条件を満たしたとCPU301が判定した場合には、ステップS202の処理に進む。また、所定の条件を満たしていないとCPU301が判定した場合には、ステップS201の処理を再度実行する。
【0054】
(ステップS202)CPU301は、秤50が秤接続部313に接続されているか否かを判定する。秤50が接続されているとCPU301が判定した場合には、ステップS204の処理に進む。また、秤50が接続されていないとCPU301が判定した場合には、ステップS203の処理に進む。
【0055】
(ステップS203)CPU301は、サインポール311を点滅させるとともに、通信部307を介して登録装置20に秤50が接続されていない旨を通知するアラートを送信して、秤50が接続されていないことを示すエラーを出力する。登録装置20は、アラートを受信すると、秤50が接続されていない旨を表示する。その後、ステップS201の処理に戻る。
【0056】
(ステップS204)CPU301は、登録装置20から受信した登録データを全て精算したか否かを判定する。登録データを全て精算したとCPU301が判定した場合には、ステップS205の処理に進む。また、CPU301は、精算していない登録データがあるとCPU301が判定した場合には、ステップS204の処理を再度実行する。
【0057】
(ステップS205)CPU301は、動作モードをフルセルフモードに切り替える。
その後、処理を終了する。
【0058】
なお、精算装置30は、フルセルフモード時の待機状態のときに、上述した所定の条件を満たさなくなった場合に、動作モードをフルセルフモードからセミセルフモードに切り替えてもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のPOSシステムは、店員によって顧客が買い上げる買上商品の登録をする登録装置20と精算装置30とを備えるPOSシステムであって、精算装置30は、登録装置において登録された商品を顧客が精算するセミセルフモードと、顧客が買上商品を登録して精算するフルセルフモードとの2つの動作モードを有し、動作モードをセミセルフモードとフルセルフモードとのいずれかに切り替え可能なモード変更手段、を備える。
【0060】
上記構成によれば、精算装置を、顧客が商品の登録及び精算をするフルセルフ精算機として利用することができる。よって、登録装置を操作する店員がいない場合であっても、精算装置を利用することができるため、精算装置を有効活用することができる。
【0061】
また、本実施形態におけるPOSシステムにおいて、精算装置30は、コード情報を読み取るスキャナ部304をさらに備え、モード変更手段は、スキャナ部304が商品に付されたコード情報を読み取った場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替える。上記構成によれば、商品に付されたコード情報をスキャナ部304で読み取る登録操作を行うことにより精算装置30をフルセルフモードにすることができるため、簡単に精算装置30をフルセルフモードに移行させることができる。
【0062】
また、本実施形態におけるPOSシステムにおいて、モード変更手段は、所定の時刻になった場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替える。上記構成によれば、所定の時刻になると自動的に精算装置30がフルセルフモードになるため、簡単に精算装置30をフルセルフモードに移行させることができる。
【0063】
また、本実施形態におけるPOSシステムにおいて、モード変更手段は、精算装置30に対応する登録装置20が非稼働である場合に、動作モードをフルセルフモードに切り替える。上記構成によれば、登録装置20が非稼働になると、精算装置30がフルセルフモードになるため、登録装置20を操作する店員がいない(登録装置20が無人である)場合に精算装置30を利用することができ、精算装置30を有効活用することができる。
【0064】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0065】
例えば、上述した実施形態では、精算装置30は、所定の条件を満たした場合に、動作モードをセミセルフモードにしているが、動作モードの切り替え方法はこれに限られない。例えば、精算装置30は、スキャナ部304が店員の所有する店員カードに付されたバーコード(店員コード)を読み取った場合に、動作モードを切り替えてもよい。或いは、精算装置30は、登録装置20またはストアコントローラ10からの指示で動作モードを切り替えてもよい。
【0066】
例えば、登録装置20からの指示で動作モードを切り替える場合、登録装置20の登録画面上に、精算装置30の動作モードを切り替える指示を受け付ける動作モード切り替えボタンを表示するようにしてもよい。
【0067】
図10は、動作モード切り替えボタンを表示した場合の登録画面の一例を示した図である。登録装置20は、
図10に示すような登録画面を表示部(店員用)205に表示する。
図10に示した登録画面には、商品情報(商品コード等)に関連付けられているプリセットボタン(「いちご」「りんご」等と表示したボタン)の他に、精算処理を実行させる精算装置30(つまり登録データを送信する精算装置30)を指定するための精算機指定ボタン501(「精算機1」「精算機2」「精算機3」と表示したボタン)や、お会計券を印刷するためのお会計券ボタン503や、未精算一覧画面を表示するための未精算一覧ボタン502や、精算装置30の動作モードを切り替えるための動作モード切り替えボタン504などが配置されている。
【0068】
なお、上述した例では、POSシステム1において、精算装置30は3台であるため、精算機指定ボタン501として、3台の夫々に対応する、精算機1、精算機2、精算機3の3つのボタンを配置している。
【0069】
また、図示する例では、各精算機指定ボタン501において、夫々に対応する精算機に関するステータス(状態や動作モード等)を表示している。具体的には、各ボタンに、夫々に対応する精算機に関するステータスをバッジで表示している。例えば、図示する場合、精算機1のボタンには「フルセルフ」がバッジで表示され、精算機2のボタンには「オフライン」がバッジで表示され、精算機3のボタンには「セミセルフ」がバッジで表示されている。「オフライン」とは、当該ボタンに対応する精算装置30がオフライン状態であるか、当該ボタンに対応する精算装置30の電源が投入されていない状態であることを示している。
【0070】
なお、バッジの表示位置は、
図10に示した表示位置(バッジの一部がボタンの表示領域外(上側)に表示されるような表示位置)に限るものではなく、バッジの全部がボタンの表示領域内に収まるような表示位置であってもよい。またステータスの表示は、バッジによるものに限るものではなく、ボタン内にステータスを示した文言(テキスト)を表示するテキスト表示領域を設け、当該表示領域にステータスを表示するようにしてもよい。
また、ボタンの色をステータスに応じて変化させるようにしてもよい。
【0071】
また、動作モード切り替えボタン504を操作することで、登録装置20から精算装置30の動作モードを切り替えることができる。操作方法としては、動作モード切り替えボタン504を押下して選択状態にした後に、動作モードを切り替える精算装置30の精算機指定ボタン501を押下することで、押下した精算機指定ボタン501に対応する精算装置30の動作モードを切り替えることができる。
【0072】
例えば、動作モード切り替えボタン504を押下して選択状態にした後に、精算機1の精算機指定ボタン501を押下すると、登録装置20は、精算機1に対応する精算装置30に対して、動作モード切り替え指示メッセージを送信する。精算機2や精算機3に対応する精算装置30の動作モードを切り替える場合も同様である。このように、登録装置20は、各精算装置30の動作モードを切り替える操作を受け付けた場合、受け付けた操作に基づいて各精算装置30に対して動作モード切り替え指示メッセージを送信する。
【0073】
また、動作モード切り替え指示メッセージを受信した精算装置30は、動作モードを切り替える。例えば、精算装置30は、動作モード「フルセルフ」で動作しているときに動作モード切り替え指示メッセージを受信した場合、動作モードを「セミセルフ」に切り替える。また、例えば、精算装置30は、動作モード「セミセルフ」で動作しているときに動作モード切り替え指示メッセージを受信した場合、動作モードを「フルセルフ」に切り替える。これにより、登録装置20は、各精算装置30の動作モードを切り替える操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて各精算装置30の動作モードを切り替えることができる。
【0074】
なお、登録装置20から精算装置30の動作モードを切り替える方法と同様に、ストアコントローラ10から精算装置30の動作モードを切り替えることができるようにしてもよい。
【0075】
また、例えば、精算装置30は、単位時間当たりに精算した人数に応じて、動作モードを切り替えてもよい。例えば、精算装置30は、人数が所定の閾値以上である場合にはセミセルフモードで動作し、人数が所定の閾値より小さい場合にはフルセルフモードで動作する。また、精算装置30は、前日や先週の同じ曜日の各時間帯における精算した人数に応じて、動作モードを切り替えてもよい。例えば、精算装置30は、人数が所定の閾値以上である時間帯にはセミセルフモードで動作し、人数が所定の閾値より小さい時間帯にはフルセルフモードで動作する。
【0076】
また、例えば、精算装置30は、店員のシフト情報に基づいて動作モードを切り替えてもよい。例えば、精算装置30は、シフトの入っている店員が所定の閾値以上である時間帯にはセミセルフモードで動作し、シフトの入っている店員が所定の閾値より少ない時間帯にはフルセルフモードで動作する。
【0077】
また、例えば、精算装置30は、秤50が接続されたか否かにより動作モードを切り替えてもよい。例えば、精算装置30は、秤50が接続されていない場合にはセミセルフモードで動作し、秤50が接続されている場合にはフルセルフモードで動作する。
【0078】
また、例えば、精算装置30は、スキャナ部304のON/OFFにより動作モードを切り替えてもよい。例えば、精算装置30は、スキャナ部304がONの場合にはフルセルフモードで動作し、スキャナ部304がOFFの場合にはセミセルフモードで動作する。
【0079】
また、例えば、精算装置30は、セミセルフモードからログアウトした時間から一定時間経過すると動作モードをフルセルフモードにしてもよい。同様に、精算装置30は、フルセルフモードからログアウトした時間から一定時間経過すると動作モードをセミセルフモードにしてもよい。
【0080】
また、精算装置30は、フルセルフモード時には商品を計量させる計量モードで秤50を動作させ、セミセルフモード時には秤50を非計量モード(商品を計量しない)にしてもよい。
【0081】
また、上述した実施形態では、セミセルフモード時に、精算処理を実行させるべき精算装置30を指定する態様として、精算処理を実行させる精算装置30を、店員が登録装置20にて指定する態様について説明したが、これに限らず、例えば、顧客に手渡しされる精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を、店員が登録装置20にて発行し、店員から手渡しされたお会計券を、顧客が1つの精算装置30に読み取らせる態様であってもよい。すなわち、顧客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置30に読み取らせることによって、複数の精算装置30のうちから精算処理を実行させる精算装置30を指定する。
【0082】
お会計券には、登録データ識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードのいずれかの形式で印刷されている。精算装置30においてお会計券が読み取られた場合には、LAN11を介して、登録装置20において生成された登録データ(当該お会計券に対応する登録データ)が、当該お会計券を読み取った精算装置30に送信される。
【0083】
すなわち、精算装置30は、お会計券を読み取った場合には、当該お会計券に対応する登録データ(お会計券から得られる登録データ識別情報によって識別される登録データ)を、当該お会計券に対応する登録装置20(お会計券から得られる登録装置識別情報によって識別される登録装置20)に要求し(要求情報を送信)、登録データを要求された登録装置20は、要求された登録データを、要求元の精算装置30に送信する。なお、精算装置30は、ストアコントローラ10を経由して、登録装置20に登録データを要求してもよい。また、登録装置20は、ストアコントローラ10を経由して、精算装置30に登録データを送信してもよい。なお、登録装置20は、登録データ識別情報及び登録装置識別情報が、1次元コードまたは2次元コードで印刷されたお会計券に代えて、登録データが2次元コードで印刷されたお会計券を発行してもよい。精算装置30は、登録データが2次元コードで印刷されたお会計券を読み取った場合には、当該お会計券から、直接、登録データを取得する。
【0084】
また、例えば、精算装置30は、フルセルフモードで動作している場合であっても、お会計券を読み取った場合、セミセルフモードで動作するようにしてもよい。
【0085】
また、例えば、精算装置30は、動作モードを切り替えた後に呼戻しや保留を行い、切り替える前の動作モードで処理を行った精算処理に戻る場合、一時的に切り替える前の動作モードに戻すようにしてもよい。また、例えば、精算装置30は、動作モードを切り替えた後に呼戻しや保留を行い、切り替える前の動作モードで処理を行った精算処理に戻る場合、一時的に切り替える前の動作モードに戻すか否かのポップアップ画面を表示させるようにしてもよい。
【0086】
次に、セミセルフモードで動作しているときの精算装置30の精算画面について説明する。
図11は、セミセルフモードで動作しているときの精算装置が表示する、支払い方法を選択させる画面の例を示した図である。精算装置30は、登録データを読み出した場合、
図11に示すように、支払い方法を選択させる画面を表示する。図示する例では、支払い方法を選択させるための画面には、買上金額、操作キー「現金」、「クレジット」、及び「電子マネーA」~「電子マネーD」等が表示されている。
【0087】
図11に示した支払い方法を選択させるための画面において、支払い方法として「現金」が選択された場合、精算装置30は、預り金額等を表示する画面を表示する。
図12は、セミセルフモードで動作しているときの精算装置が表示する、預かり金額等を表示する画面を示した図である。図示する例では、硬貨投入口312の位置を示すガイダンス「硬貨」、及び紙幣投入口313の位置を示すガイダンス「紙幣」が点滅する画像と、模擬紙幣が紙幣投入口313に投入される画像と。お買上金額と、お預り金額とが表示されている。これにより、顧客は、紙幣投入口313の位置を容易に把握することができる。また、顧客は、お買い上げ金額と、お預り金額とを把握することができる。
【0088】
図12に示した画面を表示しているときに、顧客により現金が投入されると、精算装置30は精算処理を行い、精算処理が完了したときには処理を終了する。なお、
図11に示した支払い方法を選択させるための画面において、支払い方法として「現金」以外が選択された場合においても、精算装置30は、支払い方法として「現金」が選択された場合と同様に、精算処理を行う。なお、セミセルフモードで動作しているときの精算装置30が表示する画面は、
図11や
図12に示した例に限らず、どのような画面であってもよい。
【0089】
また、精算装置30は、サインポール311の態様を動作モードによって異ならせることで、動作モードを報知するようにしてもよい。例えば、精算装置30は、セミセルフモードで動作しているときはサインポール311を青色で点灯させ、フルセルフモードで動作しているときはサインポール311を緑色で点灯させるようにしてもよい。また、例えば、精算装置30は、セミセルフモードで動作しているときはサインポール311を青色で連続点灯させ、フルセルフモードで動作しているときはサインポール311を青色で点滅点灯させるようにしてもよい。なお、動作モードに応じたサインポール311の態様は上記に限らず、精算装置30の動作モードを判別することができる態様であればどのような態様であってもよい。
【0090】
また、精算装置30の前面側と背面側に表示部305をそれぞれ設け、顧客側に現金決済可能な決済部310を向けた対面型の精算装置30としてもよい。なお、スキャナ部304は、前面側と背面側にそれぞれ設けてもよく、1つのスキャナ部304を共通で使用してもよい。例えば、スキャナ部304を回転させることができる構成とし、回転させることによりスキャナ部304を前面側と背面側に任意に移動させることができるようにしてもよい。また、例えば、精算装置30の本体とスキャナ部304とを接続するケーブルを長くすることで、前面側と背面側の両方で使用できるようにしてもよい。
【0091】
図13は、本実施形態において前面側と背面側に表示部305および操作部306をそれぞれ設けた精算装置30の外観例を示した図である。図示する例では、前面側を客側とし、背面側を店員側として精算装置30を使用している。
【0092】
図13(A)は、セミセルフモードとして動作しているときの例を示している。店員が、背面側に設けられた表示部305および操作部306や、スキャナ部304を用いて買上商品の登録を行った後、客が決済部310を操作して精算処理を行っている。
【0093】
図13(B)は、フルセルフモードとして動作しているときの例を示している。図示する例では、客が、前面側に設けられた表示部305および操作部306や、スキャナ部304を用いて買上商品の登録を行って決済部310を操作して精算処理を行っている。
【0094】
このように、精算装置30の前面側と背面側に表示部305および操作部306をそれぞれ設けることにより、店員が買上商品の登録を行って客が精算処理を行うセミセルフモードと、客が買上商品の登録を行って精算処理を行うフルセルフモードとして精算装置30を動作させることができる。
【0095】
なお、操作部306に切り替えキーを設け、切り替えキーを押下することでセミセルフモードとフルセルフモードの動作を切り替えることができるようにしてもよい。また、精算装置30は、フルセルフモードで動作しているときは、背面側(店員側)の表示部305には、フルセルフモードで動作している旨を示す表示を行うようにしてもよい。
【0096】
なお、精算装置30の動作モードとして、セミセルフモードとフルセルフモードとを切り替える方法は、切り替えキーの押下に限らず、どのような方法を用いてもよい。例えば、スキャナ部304を回転させることができる構成とし、回転させることによりスキャナ部304を前面側(客側)に移動させた場合には、精算装置30はフルセルフモードとして動作し、回転させることによりスキャナ部304を背面側(店員側)に移動させた場合には、精算装置30はセミセルフモードとして動作するようにしてもよい。また、精算装置30に決済端末(電子マネー、クレジット端末)を設けて回転させることができる構成とし、回転させることにより決済端末を前面側(客側)に移動させた場合には、精算装置30はフルセルフモードとして動作し、回転させることにより決済端末を背面側(店員側)に移動させた場合には、精算装置30はセミセルフモードとして動作するようにしてもよい。
【0097】
また、例えば、精算装置30の前面側と背面側にスキャナ部304をそれぞれ設け、前面側(客側)のスキャナ部304が使用された場合には、精算装置30はフルセルフモードとして動作し、背面側(店員側)のスキャナ部304が使用された場合には、精算装置30はセミセルフモードとして動作するようにしてもよい。
【0098】
また、例えばコンビニエンスストアで買上商品の登録を行う場合、最初にスキャナ部304で店員バーコードを読み取ってから買上商品の登録を行うことが多い。よって、スキャナ部304で店員バーコードを読み取ることで、フルセルフモードから、セミセルフモードに切り替えるようにしてもよい。また、精算装置30は、精算処理が完了したとき(例えば、精算処理が完了した直後、または精算処理が完了してから所定時間経過後)に、セミセルフモードからフルセルフモードに切り替えるようにしてもよい。このように、自動的にフルセルフモードに切り替えることで、効率よく精算できるようになる。
【0099】
また、精算装置30が登録処理や精算処理を行っているときにはセミセルフモードとフルセルフモードとを切り替えることが出来ないようにし、待機中のときだけセミセルフモードとフルセルフモードとを切り替えることができるようにしてもよい。
【0100】
また、精算装置30にログインしている店員数が所定人数以下(以上)になると自動的にモードが変更になるようにしてもよい。具体的には、精算装置30の台数よりも店員数が少ないとき(例えば、精算装置30が2台で店員数が1人の場合や、精算装置30が3台で店員数が1人もしくは2人の場合)は、確実に1台以上の精算装置30には店員がつかなくなるため、空いてしまう精算装置30をフルセルフモードに切り替えるようにしてもよい。また、精算装置30の台数と店員数が同じ、もしくは店員数が多いとき(例えば、精算装置30が2台で店員が2人以上の場合や、精算装置30が3台で店員が3人以上の場合)は、確実に精算装置30に店員がつくことができるため、精算装置30をセミセルフモードに切り替えるようにしてもよい。
【0101】
また、セミセルフモードとフルセルフモードとを切り替える方法として、音声で「モード切り替え」などと入力すると切り替わるようにしてもよい。例えば、精算装置30に音声入力装置を設けてもよく、外部端末(例えば、上位サーバ、店員が持つ携帯端末など)で音声を入力するようにしてもよい。
【0102】
また、背面側(店員側)の表示部305あるいは操作部306に切り替えキーを設けた場合において、切り替えキーの操作によってセミセルフモードからフルセルフへモードに切り替わった後に、再びセミセルフモードへ切り替える際には、フルセルフモードでの精算処理が完了していない場合、切り替えキーの実行を禁止するようにしてもよい。
【0103】
また、背面側(店員側)と前面側(客側)との両方に表示部305を設けた場合において、フルセルフモードに切り替えた場合、買上商品の登録が完了した後、所定時間経過後に精算処理が完了しない場合に、背面側(店員側)の表示部305にエラーを表示するようにしてもよい。
【0104】
また、精算装置30がセミセルフモードとして動作している場合、店員側で公共料金の支払い処理を行うときに、客側で別の商品を登録できるようにしてもよい。なお公共料金の支払い処理に限らず、店員側で予約販売、チケット発行、切手販売、タバコなど、通常商品とは異なり、決済方法が制限されている(現金のみ販売可)ために別会計になる可能性のあるものについて支払い処理を行っている場合においても、客側で別の商品を登録できるようにしてもよい。これにより、買上商品の登録処理に要する時間を大幅に短縮することができる。このとき、店員側で登録した商品と、顧客側で登録した商品とを区別して表示するようにしてもよい。これにより、客が誤登録や不正登録していたとしても気づきやすくできる。
【0105】
なお、公共料金等のように決済方法に制限がなくても、惣菜や中華まん、ドーナツ、コーヒーなど店員だけが取り出し可能な商品の場合においても、店員側でこれらの登録処理を行っているときに、客側で別の商品を登録できるようにしてもよい。この場合においても、買上商品の登録をオーバーラップでき、買上商品の登録処理に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0106】
また、スキャナ部304を店員側と客側に備え、店員側と客側の両方で買上商品の登録を行うことができるようにしてもよい。この場合においても、買上商品の登録をオーバーラップでき、買上商品の登録処理に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0107】
また、精算装置30がフルセルフモードで動作しているときに、タバコ、中華まん、ドーナツ、コーヒーなど、店員が取り出すしかない商品について、客が表示部305を操作して登録する、媒体上のバーコードをスキャナ部304で読み取ることで登録する、無線タグなどで登録した場合、店員がいるセミセルフモードの精算装置30に、どの精算装置30であるかを示す情報(例えば精算装置30の番号など)を併せて報知するようにしてもよい。なお、店員が取り出す必要がある商品かという情報と、どの精算装置30であるかを示す情報を併せて報知する際には、登録された商品名を併せて報知するようにしてもよい。報知の方法は、例えば、ポップアップ表示、音声、振動、レシート出力などで報知するようにしてもよい。そして、店員はその報知をもとにセミセルフモードでの客の対応などが終わった後に、報知された商品を持ってフルセルフモードで動作している精算装置30に向かうようにしてもよい。これにより、フルセルフモードで動作している精算装置30に向かう前に商品を取ることができるため、二度手間を省くことができる。
【0108】
また、精算装置30がフルセルフモードで動作しているときに、タバコ、中華まんなど、店員が取り出すしかない商品について、客が表示部305を操作して登録する、媒体上のバーコードをスキャナ部304で読み取ることで登録する、無線タグなどで登録した場合、店員がいるセミセルフモードの精算装置30にその旨を報知するようにしてもよい。このときに、当該商品が置かれた棚などの収納場所について報知するようにしてもよい。報知の方法は、例えば、収納場所のランプ等が点灯、点滅、「音声で○○が選択されました」と出力するようにしてもよい。これにより、より簡単に店員が商品を選択することができる。なお、セミセルフモードで動作しているときにおいても、当該商品が置かれた棚などの収納場所について報知するようにしてもよい。
【0109】
また、精算装置30の前面と背面とに決済部310を設け、セミセルフモードとフルセルフモードの他に、店員が買上商品の登録と精算処理とを行う通常モードで精算装置30が動作するようにしてもよい。精算装置30は、通常モードで動作するときにおいても、セミセルフモードで動作するときと同様に、上述した処理を行うことができるようにしてもよい。
【0110】
また、1日のレジの集計(締め処理)を行うとき、セミセルフモードで動作する対面型の精算装置30を備えるPOSシステムでは、なるべく客側で多くの操作を行うようにして、客に迷惑にならないようにしたい、または客に、金種枚数情報などの店員が操作する画面をなるべく見せたくない、ということが想定される。一方で、決済部310(釣銭釣札機)側で操作する際必ず表示させておきたい項目(例えば、金種枚数の表示やその確認ボタン、最後の締め処理開始ボタンなど)もある。そこで、ある一連の処理の中でも一定のところまでは背面側(店員側)の表示部305に表示させ、それ以降のものは前面側(客側)に表示させる処理を行うことで、なるべく必要な処理を背面側(店員側)で行い、必要最小限の処理を前面側(客側)で行うことが可能となる。なお、前面側(客側)の表示部305に表示されている場合、背面側(店員側)の表示部305に同じ画面をミラーリングして表示していてもよい。
【0111】
同様の例として、決済部310(釣銭釣札機)のエラー処理やレシート用紙切れなどのエラー報知に対する顧客にあまり見せたくないエラー処理のガイダンス(例えば、○○へ連絡してくださいといった情報表示、紙幣や硬貨のつまり、特定金種が不足しているなどの情報)を背面側(店員側)の表示部305に表示させ、背面側(店員側)で必要な処理を行うまで、前面側(客側)の表示部305には単にエラー処理対応中です、などと表示されるようにしてもよい。さらに、不足紙幣・硬貨棒金の補充、過剰紙幣の取り出しの場合にも、エラー処理のガイダンスを背面側(店員側)の表示部305に表示させ、背面側(店員側)で必要な処理を行うまで、前面側(客側)の表示部305には単にエラー処理対応中です、などと表示されるようにしてもよい。
【0112】
また、特に深夜のコンビニでは、店員の人数が少ないことが多いうえに、品出しや陳列などレジ業務以外の業務を多く行っており、客が精算を欲していても気づかないこともある。そこで、客が精算装置30を操作してフルセルフモードで買上商品の登録を開始すると、フルセルフモードで買上商品の登録中である旨を報知する(例えば、ランプがつく、所定の音声が鳴る、店員のもつ携帯端末などに何番レジで客がフルセルフ精算中かを表示する)ようにしてもよい。そして、報知に気づいた店員はレジに向かい、客が登録途中であってもフルセルフモードからセミセルフモードに切り替え、未登録の買上商品の登録を引き続いて行うようにし、客には現金投入などを先に行っていただくようにしてもよい。
これにより、精算業務が効率化し、また、客の満足度を高めることができる。
【0113】
なお、上述の登録装置20及び精算装置30などとしての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述の登録装置20及び精算装置30などとしての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。
【0114】
また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0115】
10 ストアコントローラ、11 LAN、20 登録装置、30 精算装置、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 スキャナ部、205 表示部(店員用)、205a 表示部(客用)、206 操作部、207 通信部、208 ブザー、209 印刷部、301 CPU、302 ROM、303 RAM、304 スキャナ部、305 表示部、306 操作部、307 通信部、308 ブザー、309 印刷部、310 決済部、311 サインポール、312 人感知センサ、313 秤接続部