(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】産業用車両運行情報格納装置
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20241118BHJP
H05K 7/00 20060101ALI20241118BHJP
G06F 1/18 20060101ALI20241118BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
H05K7/00 G
G06F1/18 F
G06F1/16 312L
(21)【出願番号】P 2024028270
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2023569865の分割
【原出願日】2023-07-04
【審査請求日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】10-2022-0104298
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523425566
【氏名又は名称】ディーテグ株式会社
【氏名又は名称原語表記】D-TEG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】3F, 53, Maehwa-ro, Bundang-gu, Seongnam-si,Gyeonggi-do 13505 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100152180
【氏名又は名称】大久保 秀人
(72)【発明者】
【氏名】キム・グンヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ジョンファン
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-1045014(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第113099077(CN,A)
【文献】特開2013-167757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 1/00-15/00
G08G 1/00-99/00
B60R 11/00-11/06,
16/00-16/08,
25/00-99/00
G06F 1/00,
1/16- 1/18
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1印刷回路基板(100)にグラウンドボックス(410)が配置され、前記グラウンドボックス(410)の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール(10)と、
第2印刷回路基板(200)に伝導性クッション(422)が配置され、前記伝導性クッション(422)が前記グラウンドボックス(410)に接触する通信モジュール(20)と、
前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)を接続して、前記本体モジュール(10)から前記通信モジュール(20)に電源を供給するケーブル(300)とを含み、
前記第2印刷回路基板(200)は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定されている
ことを特徴とする、産業用車両運行情報格納装置。
【請求項2】
第1印刷回路基板(100)にグラウンドボックス(410)が配置され、前記グラウンドボックス(410)の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール(10)と、
前記本体モジュール(10)の上面には複数の挿入孔(13)が形成され、当該挿入孔(13)に挿入された後に折り曲げられる挿入部(432)が両端に形成された金属材質の接地プレート(430)と、
第2印刷回路基板(200)に伝導性クッション(422)が配置され、前記伝導性クッション(422)が、第1グラウンドクッション(434)を媒介として前記グラウンドボックス(410)上に配置される前記接地プレート(430)に接触する通信モジュール(20)と、
前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)を接続して、前記本体モジュール(10)から前記通信モジュール(20)に電源を供給するケーブル(300)とを含み、
前記第2印刷回路基板(200)は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定されている
ことを特徴とする、産業用車両運行情報格納装置。
【請求項3】
第1印刷回路基板(100)にグラウンドボックス(410)が配置され、前記グラウンドボックス(410)の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール(10)と、
前記本体モジュール(10)のケース(12)を射出成形する際に挿入されて前記ケース(12)と一体に形成された金属材質の接地プレート(430)
と、
第2印刷回路基板(200)に伝導性クッション(422)が配置され、前記伝導性クッション(422)が、第1グラウンドクッション(434)を媒介として前記グラウンドボックス(410)上に配置される前記接地プレート(430)に接触する通信モジュール(20)と、
前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)を接続して、前記本体モジュール(10)から前記通信モジュール(20)に電源を供給するケーブル(300)とを含み、
前記第2印刷回路基板(200)は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定されている
ことを特徴とする、産業用車両運行情報格納装置。
【請求項4】
前記伝導性クッション(422)は、電気伝導及び弾性の性質を有する
ことを特徴とする、請求項1
~3のいずれか一項に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項5】
前記グラウンドボックス(410)の
高さが所定の値を持つように設定
されている
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項6】
前記本体モジュール(10)及び前記通信モジュール(20)は、
いずれか一方にTソケット(14)が凹状に形成され、
他方にTプラグ(24)が凸状に形成された構成からなり、
前記Tプラグ(24)が前記Tソケット(14)に嵌め込まれた状態で前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)が組み立てられていることで、
前記グラウンドボックス(410)と前記伝導性クッション(422)との間の接触圧力を維持する
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項7】
前記Tプラグ(24)は、T形状の構造物に弾性を有するテンションパート(26)が形成され、前記Tプラグ(24)が前記Tソケット(14)に組み立てられていることで、
前記テンションパート(26)が前記Tソケット(14)に密着して、前記Tプラグ(24)が前記Tソケット(14)から離脱することを防止する
ことを特徴とする、請求項6に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項8】
前記テンションパート(26)にノンスリップ突起(27)が突出するように形成されていることで、
前記ノンスリップ突起(27)が前記Tソケット(14)との接触圧力を高める
ことを特徴とする、請求項7に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項9】
前記本体モジュール(10)及び前記通信モジュール(20)は、
いずれか一方に鉄金属材質のプラグ(31)が突出するように形成され、
他方にソケット(32)が深さ(a)を有するように凹状に形成された構成からなり、
前記ソケット(32)において前記プラグ(31)と対向する面に磁石(33)が配置されていることで、
前記プラグ(31)を前記ソケット(32)に合わせると、前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)が磁力で固定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項10】
前記プラグ(31)と前記ソケット(32)は、側壁が台形状に角度(b)を有するように傾斜して形成されていることで、
前記プラグ(31)を前記ソケット(32)に嵌合させると、前記プラグ(31)と前記ソケット(32)は側壁の傾斜面で接触して、前記本体モジュール(10)と前記通信モジュール(20)との位置が整列される
ことを特徴とする、請求項9に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項11】
本体モジュール(10)の上部両端に凹状の第1リニアレール(18)が形成され、
通信モジュール(20)の下部両端に凸状の第2リニアレール(28)が形成され、
前記第1リニアレール(18)と前記第2リニアレール(28)が平行な姿勢で配置した状態で、前記本体モジュール(10)が前記通信モジュール(20)に嵌め合わされるように前記第1リニアレール(18)と前記第2リニアレール(28)が組み立てられている
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項12】
前記第2印刷回路基板(200)に配置され、片側に係着溝(204)が形成された第2ソケット(202)と、
前記ケーブル(300)の第2プラグ(320)に形成された弾性を有するフック(324)と、をさらに含み、
前記第2ソケット(202)に前記第2プラグ(320)が嵌められていることで、前記フック(324)が前記係着溝(204)に係着され、前記第2ソケット(202)と前記第2プラグ(320)が外れない
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項13】
前記通信モジュール(20)は、上部ケース(330)と下部ケース(340)を含んで構成し、
前記上部ケース(330)の側壁に第1ポケット(332)を形成し、
前記下部ケース(340)の側壁に第2ポケット(342)を形成し、
前記ケーブル(300)は、第2プラグ(320)の上下面及び左右側面を取り囲んで溝(326)を形成し、
前記上部ケース(330)の一部と前記下部ケース(340)の一部は前記溝(326)に挿入され、
前記第1ポケット(332)及び前記第2ポケット(342)に前記溝(326)の谷部分が組み立てられていることで、
前記通信モジュール(20)に対して前記第2プラグ(320)が前後方向、左右方向及び上下方向に動かないように固定される
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項14】
前記第2印刷回路基板(200)は、第1縦の長さ(L1)に対する第1横の長さ(W1)の比率が1:1.67~1.80である
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項15】
前記第2印刷回路基板(200)の第1横の長さ(W1)が前記第1印刷回路基板(100)の第2横の長さ(W2)よりも長い
ことを特徴とする、請求項14に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項16】
前記第2印刷回路基板(200)の第1縦の長さ(L1)が前記第1印刷回路基板(100)の第2縦の長さ(L2)よりも短い
ことを特徴とする、請求項15に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項17】
前記伝導性クッション(422)は、褶曲した突出形状で構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項18】
前記本体モジュール(10)および前記通信モジュール(20)は、 一方にプラグ(31)が突出するように形成され、 他方にソケット(32)が凹んで形成され、 前記ソケット(32)に前記プラグ(31)を強制的に差し込み、接触圧力を維持する
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項19】
前記接地プレート(430)の断面は平面形状であることを特徴とする
ことを特徴とする、請求項2に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項20】
前記第
2印刷回路基板(200)の第1の横長さ(W1)を前記第
1印刷回路基板(100)の第2の横長さ(W2)よりも大きく形成し、前記産業用車両運行情報
格納装置を正面から見たとき、前記通信モジュール(20)が前記本体モジュール(10)よりも長く、前記産業用車両運行情報
格納装置がT字形状で構成される
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項21】
前記グラウンドボックス(410)の上面にパターンが形成されたもの
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項22】
前記溝(326)に挿入される、前記上部ケース(330)の一部と、前記下部ケース(340)の一部が、
前記上部ケース(330)の前記第1ポケット(332)と、前記下部ケース(340)の前記第2ポケット(342)である
ことを特徴とする、請求項13に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【請求項23】
前記第
2印刷回路基板(200)は第1の横長さ(W1)が縦長さ(L1)よりも長い
ことを特徴とする、請求項1に記載の産業用車両運行情報格納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置して車両の速度、車両に加えられる衝撃情報、位置情報及び走行映像データなどの車両運行情報を格納する産業用車両運行情報格納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両運行情報格納装置は、車両を運行しながら発生する車両運行情報を格納する。車両運行情報は、日付、時間、車両の速度、車体に作用する衝撃情報、継続して変更される位置情報、及びカメラを介して撮影される映像データなどを含んで構成することができる。
【0003】
一方、車両運行情報格納装置は、特殊な目的で使用する産業用車両運行情報格納装置と、一般のユーザが使用する一般用車両運行情報格納装置とに区分することができ、市場で「車両用ブラックボックス」という名称で流通されている。
【0004】
産業用車両運行情報格納装置は、無線移動通信と直接接続され、これによって、車両に関する情報を、貨物運送会社又は荷主が、リアルタイムで確認することができ、リアルタイムでユーザが指定した媒体に送信することができ、ソフトウェアをリアルタイムでアップグレードすることができる。
【0005】
無線移動通信は、第3世代(3G)移動通信及びLTE(Long Term Evolution)移動通信などがある。
【0006】
一般用車両運行情報格納装置は、無線移動通信と直接接続できず、携帯電話とBLUETOOTH(登録商標)で接続されるか、インターネット共有器とWi-Fiで接続されて車両運行に関する各種情報を媒体に移したり、ソフトウェアをアップグレードしたりすることができる。
【0007】
上述した媒体は、貨物運送会社のサーバー、メールアドレス、クラウド、外付けハードディスクなどであってもよい。
【0008】
すなわち、産業用車両運行情報格納装置は、無線移動通信に直接接続できる通信モジュールを備えるが、一般用車両運行情報格納装置には、この通信モジュールが備わっていないことが、最も大きな両者の相違点である。
【0009】
そのため、産業用車両運行情報格納装置の製造メーカーは、通信モジュールを備えた産業用車両運行情報格納装置を製造して輸出する。
【0010】
一方、無線移動通信に適用する周波数は国毎に異なり、全ての電子通信機器は、各国別の認証及び当該国内の各通信会社で管理するアンテナIoT無線認証を受けなければならない。
【0011】
従来は、産業用車両運行情報格納装置を製造して輸出しようとするとき、当該国で要求する通信規格を満たすために通信認証を受けなければならないが、このような通信認証を受ける過程で多くの費用及び多くの時間がかかるという問題がある。
【0012】
一方、産業用車両運行情報格納装置は、大型貨物車両、特殊車両などに設置されて使用されるが、このような車両は、乗用車と比較して相対的に振動が激しいことがあり、振動のため、電子機器のソケットに差し込んで接続したケーブルのプラグがソケットから勝手に外れてしまう問題が起き得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】韓国登録特許第10-1542801号
【文献】韓国登録特許第10-2207852号
【文献】韓国登録特許第10-2131603号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明が達成しようとする技術的課題は、本体モジュールと通信モジュールを物理的に分離できるようにし、通信を必要とするユーザは、本体モジュールと通信モジュールを、USBデータ通信及び電源供給が可能なケーブルで接続できるようにし、特定の国のユーザは、当該国の通信規格に合った通信モジュールを選択できる産業用車両運行情報格納装置を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、本体モジュールと通信モジュールを便利かつ強固に組み立てることができるようにし、本体モジュールに通信モジュールを装着したときに通信性能が低下しない産業用車両運行情報格納装置を提供することにある。
【0016】
本発明の更に他の目的は、激しい振動のためプラグがソケットから外れることをより一層強く抑制できる産業用車両運行情報格納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記技術的課題を達成するための本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
第1印刷回路基板100にグラウンドボックス410が配置され、前記グラウンドボックス410の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール10と、
第2印刷回路基板200にグラウンドクリップ420が配置され、前記グラウンドクリップ420が前記グラウンドボックス410に接触する通信モジュール20と、
前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を接続して、前記本体モジュール10から前記通信モジュール20に電源を供給するケーブル300と、
を含んで構成されており、
前記第2印刷回路基板200は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定される、
ことを特徴とする。
【0018】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
第1印刷回路基板100にグラウンドボックス410が配置され、前記グラウンドボックス410の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール10と、
前記本体モジュール10の上面には複数の挿入孔13が形成され、当該挿入孔13に挿入された後に折り曲げられる挿入部432が両端に形成された金属材質の接地プレート430と、
第2印刷回路基板200に伝導性クッション422が配置され、前記伝導性クッション422が、第1グラウンドクッション434を媒介として前記グラウンドボックス410上に配置される前記接地プレート430に接触する通信モジュール20と、
前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を接続して、前記本体モジュール10から前記通信モジュール20に電源を供給するケーブル300とを含み、
前記第2印刷回路基板200は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定されている
ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
第1印刷回路基板100にグラウンドボックス410が配置され、前記グラウンドボックス410の一部が外部に露出するように配置された本体モジュール10と、
前記本体モジュール10のケース12を射出成形する際に、挿入されて前記ケース12と一体に形成された金属材質の接地プレート430と、
第2印刷回路基板200に伝導性クッション422が配置され、前記伝導性クッション422が、第1グラウンドクッション434を媒介として前記グラウンドボックス410上に配置される前記接地プレート430に接触する通信モジュール20と、
前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を接続して、前記本体モジュール10から前記通信モジュール20に電源を供給するケーブル300とを含み、
前記第2印刷回路基板200は、通信チップに特定の国の通信周波数が設定されている
ことを特徴とする。
【0020】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記グラウンドクリップ420は、電気伝導及び弾性の性質を有するものであってもよい。
【0021】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記グラウンドボックス410の高さが17.3mmから18.1mmまでに設定されてもよい。
【0022】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置において、前記本体モジュール10及び前記通信モジュール20は、いずれか一方にTソケット14が凹状に形成され、他方にTプラグ24が凸状に形成され、前記Tプラグ24を前記Tソケット14に嵌め込んで前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を組み立て、前記グラウンドボックス410と前記グラウンドクリップ420との間の接触圧力を維持できる。
【0023】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記Tプラグ24は、T形状の構造物に弾性を有するテンションパート26が形成され、前記Tプラグ24を前記Tソケット14に組み立てたとき、前記テンションパート26が前記Tソケット14に密着して、前記Tプラグ24が前記Tソケット14から離脱することを防止することができる。
【0024】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記テンションパート26にノンスリップ突起27を突出するようにさらに形成し、前記ノンスリップ突起27が前記Tソケット14との接触圧力を高めることができる。
【0025】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置において、前記本体モジュール10及び前記通信モジュール20は、いずれか一方に鉄金属材質のプラグ31が突出するように形成され、他方にソケット32が深さaを有するように凹状に形成され、前記ソケット32において前記プラグ31と対向する面に磁石33が配置され、前記プラグ31を前記ソケット32に合わせると、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20が磁力で固定されてもよい。
【0026】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記プラグ31と前記ソケット32は、側壁が台形状に角度bを有するように傾斜して形成され、前記プラグ31を前記ソケット32に嵌合させると、前記プラグ31と前記ソケット32は側壁の傾斜面で接触して、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20との位置が整列されてもよい。
【0027】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュール10の上部両端に凹状の第1リニアレール18が形成され、通信モジュール20の下部両端に凸状の第2リニアレール28が形成され、前記第1リニアレール18と前記第2リニアレール28が平行な姿勢で配置した状態で、前記本体モジュール10を前記通信モジュール20に嵌めて前記第1リニアレール18と前記第2リニアレール28が組み立てられてもよい。
【0028】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記第2印刷回路基板200に配置され、片側に係着溝204が形成された第2ソケット202と、前記ケーブル300の第2プラグ320に形成された弾性を有するフック324と、をさらに含んで構成することができ、前記第2ソケット202に前記第2プラグ320を嵌めると、前記フック324が前記係着溝204に係着され、前記第2ソケット202と前記第2プラグ320が外れない。
【0029】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記通信モジュール20は、上部ケース330と下部ケース340を含んで構成し、前記上部ケース330の側壁に第1ポケット332を形成し、前記下部ケース340の側壁に第2ポケット342を形成し、前記ケーブル300は、第2プラグ320の上下面及び左右側面を取り囲んで溝326を形成し、前記上部ケース330の一部と前記下部ケース340の一部は前記溝326に挿入され、前記第1ポケット332及び前記第2ポケット342に前記溝326の谷部分が組み立てられ、前記通信モジュール20に対して前記第2プラグ320が前後方向、左右方向及び上下方向に動かないように固定されてもよい。
【0030】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、第2印刷回路基板200は、第1縦の長さL1に対する第1横の長さW1の比率が1:1.67~1.80であってもよい。
【0031】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1が第1印刷回路基板100の第2横の長さW2よりも長くてもよい。
【0032】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、前記第2印刷回路基板200の第1縦の長さL1が前記第1印刷回路基板100の第2縦の長さL2よりも短くてもよい。
【0033】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0034】
上記のようになされた本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュールと通信モジュールを物理的に分離できるように提供し、本体モジュールと通信モジュールは、USBデータ通信及び電源供給が可能なケーブルで接続するようにし、特定の国のユーザは、当該国の通信規格に合った通信モジュールを選択できるようにすることによって、産業用車両運行情報格納装置を特定の国に輸出する際に、当該国で認証された通信モジュールを提供することができ、さらに、事業の準備に時間及び費用を著しく減少させることができる効果がある。
【0035】
したがって、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュールの第1印刷回路基板と通信モジュールの第2印刷回路基板との間に適正な距離を維持するようにし、大きさの比率を変更することによって、本体モジュールに通信モジュールを装着したときに通信性能が良好に実現される効果がある。
【0036】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、プラグをソケットに差し込んで組み立てると、係着溝にフックが係止されることによって、車両から激しい振動エネルギーが伝達されても、プラグがソケットから外れずに結合状態が強固に維持される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置を説明するための図である。
【
図2】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールの第1印刷回路基板と通信モジュールの第2印刷回路基板を説明するための透視図、平面図及び側面図である。
【
図3】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールの第1印刷回路基板と通信モジュールの第2印刷回路基板を説明するための透視図、平面図及び側面図である。
【
図4】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールの第1印刷回路基板と通信モジュールの第2印刷回路基板を説明するための透視図、平面図及び側面図である。
【
図5】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールの構成を説明するための図である。
【
図6】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の例を説明するための図である。
【
図7】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の他の例を説明するための図である。
【
図8】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールのグラウンドユニットの他の例を説明するための図である。
【
図9】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールにケーブルが組み立てられる構成の例を説明するための図である。
【
図10】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の更に他の例を説明するための分解図及び組立状態側面図である。
【
図11】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の更に他の例を説明するための分解図及び組立状態側面図である。
【
図12】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールのグラウンドユニットの更に他の例を説明するための図である。
【
図13】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールとケーブルの組立構成を説明するための図である。
【
図14】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールに接地プレートの構成の他の例を説明するための図である。
【
図15】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置において、通信モジュール単独であるときのアンテナシミュレーション状態及びアンテナ特性を示した図である。
【
図16】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュール、通信モジュール及びケーブルを形状化したシミュレーション状態を示した図であり、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板の離隔距離を置いて構成した例示である。
【
図17】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュール、通信モジュール及びケーブルを形状化したシミュレーション状態を示した図であり、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板の離隔距離を置いて構成した例示である。
【
図18】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュール、通信モジュール及びケーブルを形状化したシミュレーション状態を示した図であり、第1印刷回路基板の第2横の長さW2を
図16及び
図12の第2横の長さW2よりも9mm減らした場合を示した例示であり、これは、第1印刷回路基板のメインアンテナの下端側のグラウンド(ground)の長さを減らすことによって、第1印刷回路基板のメインアンテナのアンテナ効率が上昇することを確認した図である。
【
図19】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュール、通信モジュール及びケーブルを形状化したシミュレーション状態を示した図であり、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を特定の距離で離隔させて配置し、第1印刷回路基板の大きさを設定し、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を伝導性クッションで接続して、メインアンテナとDIVアンテナがいずれも、アンテナ効率性能が
図18よりもさらに改善されることを示した図である。
【
図20】本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュール、通信モジュール及びケーブルを形状化したシミュレーション状態を示した図であり、第2印刷回路基板の第1横の長さW1を
図19の実施例の80mmから92mmへと12mm伸ばした状態を示し、通信モジュールの第1横の長さW1が本体モジュールの第1横の長さW2よりも長くなることによって、アンテナ効率が
図19よりもさらに改善されることを示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照することで明らかになる。
【0039】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。以下で説明される実施例は、本発明の理解を助けるために例示的に示したものであり、本発明は、ここで説明される実施例と異なって多様に変形して実施できることを理解しなければならない。但し、本発明を説明するに当たって、関連する公知機能あるいは構成要素についての詳細な説明が、本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明及び具体的な図示を省略する。また、添付の図面は、発明の理解を助けるために実際の縮尺通りに示したものではなく、一部の構成要素の大きさが誇張されて図示され得る。
【0040】
一方、「第1」、「第2」などの用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しない限り、第1構成要素は第2構成要素と命名することができ、同様に、第2構成要素は第1構成要素と命名することができる。
【0041】
また、後述される用語は、本発明での機能を考慮して設定された用語であって、これは、生産者の意図又は慣例によって変わり得るので、その定義は、本明細書全般にわたる内容に基づいて下されなければならない。
【0042】
明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指す。
【0043】
以下、
図1乃至
図14を参照して、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置について説明する。
図1は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置を説明するための図である。
図2乃至
図4は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールの第1印刷回路基板と通信モジュールの第2印刷回路基板を説明するための透視図、平面図及び側面図である。
図5は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールの構成を説明するための図である。
図6は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の例を説明するための図である。
図7は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールを結合する構成の他の例を説明するための図である。
図8は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールのグラウンドユニットの他の例を説明するための図である。
図9は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールにケーブルが組み立てられる構成の例を説明するための図である。
図12は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における本体モジュールと通信モジュールのグラウンドユニットの更に他の例を説明するための図である。
【0044】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュール10、通信モジュール20及びケーブル300を含んで構成することができる。
【0045】
図15は、通信モジュール20単独であるときのアンテナシミュレーション状態の図面を示したものである。
【0046】
本体モジュール10は、映像を表示するモニタ、機能操作のためのボタン、及び電源を充電するバッテリーが配置され得る。
【0047】
前記第1印刷回路基板100は、回路を構成する電気素子及びメモリ装置を装着するためのスロットが配置され、第1ソケット102が配置され得る。
【0048】
また、第1印刷回路基板100のメモリ装置は車両運行情報が格納され、車両運行情報は、日付、時間、車両の速度、車体に作用する衝撃情報、継続して変更される位置情報、及びカメラを介して撮影される映像データなどを含むことができる。
【0049】
通信モジュール20は、
図1に示したように、前記本体モジュール10と物理的に区別される別個のオブジェクトとして提供される。
【0050】
また、通信モジュール20は、
図2及び
図4に示したように、第2印刷回路基板200を含んでおり、第2印刷回路基板200の底にはグラウンドクリップ420が配置され得る。第2印刷回路基板200は第2ソケット202が配置され得る。
【0051】
また、前記第2印刷回路基板200は通信チップが配置され、その通信チップは、特定の国の通信周波数が設定され得る。特定の国の通信周波数は、例えば、日本は通信周波数が低周波帯域800~960MHzで通信できるように設定され、北米又は欧州は通信周波数が低周波帯域700~960MHzで通信できるように設定され得る。
【0052】
前記グラウンドクリップ420は、本体モジュール10の前記グラウンドボックス410に接触することができ、これによって接地(Ground)接続がなされ得る。
【0053】
前記ケーブル300は、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20とを接続し、前記本体モジュール10から前記通信モジュール20に電源を供給することができ、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20はUSBデータ通信することができる。
【0054】
ケーブル300は、
図1に示したように、一端に第1プラグ310が形成され、他端に第2プラグ320が形成されている。
【0055】
第1プラグ310は、第1印刷回路基板100の第1ソケット102に接続され、第2プラグ320は、第2印刷回路基板200の第2ソケット202に接続される。
【0056】
上述したような本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュール10と通信モジュール20を物理的に分離できるように提供し、本体モジュール10と通信モジュール20とをケーブル300で接続するようにし、特定の国のユーザは、当該国の通信規格に合った通信モジュールを選択することができる。これによって、産業用車両運行情報格納装置の特定の国への輸出を準備する際に、当該国で本体モジュール10に対する認証を受け、通信モジュール20に対して特定の国の各通信会社別のアンテナIoT認証を受けることができる。
【0057】
特に、本体モジュールは、設計の構成の変更がほとんどないといえるが、通信規格は、通信技術の発達又は当該国の政策の変更によって通信周波数の範囲が変更される可能性があるものの、このような通信周波数の変更に能動的に対処することができ、これによって、輸出事業の準備に手順、時間及び費用を著しく減少させることができる効果がある。
【0058】
一方、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
図4及び
図5に示したように、前記グラウンドクリップ420はCクリップの形式が適用され、電気伝導及び弾性の性質を有する。
【0059】
すなわち、本体モジュール10と通信モジュール20を密着させて組み立てたとき、グラウンドクリップ420は弾性の性質を有しているので、グラウンドユニット400のグラウンドボックス410にさらに緊密に密着して、短絡や接触不良により発生し得る問題を排除することができる。
【0060】
一方、前記グラウンドクリップ420は、
図8に示したように、伝導性クッション422で代替されて適用され、伝導性クッション422は、電気伝導及び弾性の性質を有する。これによって、伝導性クッション422は、Cクリップの形式と同様に、グラウンドユニット400のグラウンドボックス410にさらに緊密に密着して、短絡や接触不良により発生し得る問題を排除することができる。
【0061】
以下、グラウンドユニット400に関して、
図4を参照してより詳細に説明する。
【0062】
グラウンドユニット400は、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200を接続して接地するようにする技術であり、これによって、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200との間に発生し得る干渉現象やノイズ現象を著しく改善することができる。
【0063】
グラウンドユニット400は、グラウンドボックス410とグラウンドクリップ420が接触するか、またはグラウンドボックス410と伝導性クッション422が接触することができる。
【0064】
グラウンドボックス410は、伝導性材質で提供され、グラウンドボックス410の上面にはパターン412をさらに形成することができる。パターン412は、電気抵抗の低い材質で形成することができ、これによって、第2印刷回路基板200内の電子が円滑に移動するようにし、ノイズの減少及び接地(Ground)拡張性効果を向上させることができる。
【0065】
グラウンドボックス410は、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200とが離隔するようにし、
図4に示したように、グラウンドボックス410の高さ
を、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200とが離れた距離
(h)とほぼ同じ距離に設定する。
【0066】
一方、接地の構成は、
図12に示したように、接地プレート430をさらに含んで構成することができ、本体モジュール10の上面には複数の挿入孔13が形成され得る。
【0067】
接地プレート430は、金属材質からなり、
図12の(a)に示したように、両側が折り曲げられて挿入部432が形成されている。
【0068】
図12の(b)に示したように、接地プレート430は、挿入部432を本体モジュール10の挿入孔13に挿入された後に折り曲げる。このようにすると、挿入部432は、本体モジュール10の内部の天井に配置される形態で構成され得る。
【0069】
図12の(c)に示したように、前記グラウンドボックス410は第1グラウンドクッション434を媒介として前記接地プレート430に接触することができ、前記グラウンドクリップ420は前記接地プレート430に接触することができる。
【0070】
また、接地プレート430の構成は、
図14を参照して説明する。
図14の(a)は、本体モジュール10の外観を示した透視図であり、
図14の(b)は、本体モジュール10と通信モジュール20が組み立てられた状態を示した断面図である。
【0071】
図14に示したように、接地プレート430は、本体モジュール10を射出成形するときに挿入されて本体モジュール10に一体に構成され、接地プレート430の外側面と内側面は露出し得る。
【0072】
図14の(a)に接地プレート430の外側面が露出したものが表現されており、
図14の(b)に接地プレート430の内側面が本体モジュール10の内側で露出したものが表現されている。
【0073】
これによって、
図14の(b)に示したように、前記グラウンドボックス410は、第1グラウンドクッション434を媒介として前記接地プレート430に接触することができる。
【0074】
また、通信モジュール20のグラウンドクリップ420は前記接地プレート430に接触することができる。
【0075】
したがって、
図12及び
図14に示したように、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200は接地(Ground)接続することができ、このような構成は、車両運行情報格納装置の構成要素を設計する際に接地の構成の多様性を有することができ、特に、印刷回路基板の構成に搭載される各種半導体素子やスイッチなどの配置が変更されても、グラウンド機能を能動的に実現することができる。
【0076】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、グラウンドボックス410の高さを17.3mmから18.1mmまでに設定することができる。
【0077】
第1、第2印刷回路基板100,200は、各種電子素子が装着され、そのため、第1印刷回路基板100から発生するシステムノイズが第2印刷回路基板200の受信感度性能(TIS)に影響を及ぼし、特に、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200が近いほど、接地(Ground)干渉のためアンテナ効率を低下させることがあるため、適正な距離を有することがよい。
【0078】
上述したシステムノイズ(System Noise)は、例えば、電源ノイズ、カメラノイズ、高速データ及びクロックノイズなどがある。
【0079】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、グラウンドボックス410の高さを17.3mm以上に設定することによって、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200は、電気信号が相互に干渉する現象を減少させることができ、これによって、通信性能が良好に実現され得る。
【0080】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、グラウンドボックス410の高さを18.1mm以下に設定することによって、第2印刷回路基板200の通信チップの通信性能が良好に実現され得ると共に、産業用車両運行情報格納装置の外形の大きさが過度に大きくなることを防止することができる。
【0081】
前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を結合する構成は、
図1、
図5及び
図6を参照して説明する。
【0082】
前記本体モジュール10及び前記通信モジュール20は、いずれか一方にTソケット14が凹状に形成され、他方にTプラグ24が凸状に形成され得る。
【0083】
前記Tソケット14と前記Tプラグ24は、
図6に示したように、断面形状がローマ字アルファベットの大文字‘T’形状に形成されたものである。
【0084】
これによって、前記Tプラグ24を前記Tソケット14に嵌め込んで前記本体モジュール10と前記通信モジュール20を容易かつ迅速に組み立てることができ、前記グラウンドボックス410と前記グラウンドクリップ420との間の接触圧力を維持することができる。
【0085】
一方、前記Tプラグ24は、
図5に示したように、T形状の構造物に弾性を有するテンションパート26が形成され、これによって、前記Tプラグ24を前記Tソケット14に組み立てたとき、前記テンションパート26が前記Tソケット14に密着して、前記Tプラグ24が前記Tソケット14から離脱することを防止することができる。
【0086】
一方、前記テンションパート26は、
図6に示したように、ノンスリップ突起27を突出するようにさらに形成することができ、前記ノンスリップ突起27が前記Tソケット14との接触圧力を高めることができる。
【0087】
したがって、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュール10と通信モジュール20を組み立てたとき、強固に組み立てることができる効果がある。
【0088】
一方、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20は、磁石を用いて組立てることができ、これは
図7を参照して説明する。
【0089】
前記本体モジュール10と前記通信モジュール20は、いずれか一方に鉄金属材質のプラグ31が突出するように形成され、他方にソケット32が深さaを有するように凹状に形成され得る。前記ソケット32は、前記プラグ31と対向する面に磁石33が配置され得る。
【0090】
本体モジュール10と通信モジュール20を組立てるために互いに近づけると、前記プラグ31が前記ソケット32に合わせてプラグ31と磁石33がくっつき、これによって、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20が磁力で固定され得る。
【0091】
また、プラグ31はソケット32に嵌合される形態で接続することによって、車両から振動エネルギーが伝達されても、本体モジュール10と通信モジュール20が互いに反対方向に移動することが防止され、組立状態が強固に維持され得る。
【0092】
一方、前記プラグ31と前記ソケット32は、
図7に示したように、側壁が台形状に角度bを有するように傾斜して形成され得る。
【0093】
これによって、前記プラグ31を前記ソケット32に嵌合させると、前記プラグ31と前記ソケット32は側壁の傾斜面で接触して、前記本体モジュール10と前記通信モジュール20との位置が整列され得る。
【0094】
すなわち、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、プラグ31の位置とソケット32の位置を肉眼で確認しなくても、推測する位置に大まかに持っていって組み立てても、正確な位置に整列されながら組み立てられる効果があり、これによって、ユーザの便宜が増大することができる。
【0095】
一方、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
図9に示したように、前記第2印刷回路基板200に第2ソケット202が配置され、第2ソケット202の片側に係着溝204が形成され、前記ケーブル300の第2プラグ320に弾性を有するフック324が形成されている。
【0096】
前記第2ソケット202に前記第2プラグ320を嵌めると、前記フック324が前記係着溝204に係着され、前記第2ソケット202と前記第2プラグ320が勝手に分離されず、接続状態を強固に維持することができ、特に車両から激しい振動エネルギーが伝達されても、第2印刷回路基板200とケーブル300が外れずに安定に接続状態を維持することができる。
【0097】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、
図10及び
図11に示したように、前記本体モジュール10及び前記通信モジュール20に第1、第2リニアレール18,28を形成して組み立てることができる。
【0098】
本体モジュール10は、上部両端に凹状の第1リニアレール18が形成され、本体モジュール10の全体的な形状を側面から見ると、‘T’字形状に見える。
【0099】
通信モジュール20は、下部両端に凸状の第2リニアレール28が形成され、第2リニアレール28の片方の断面形状は‘L’字形状に見える。
【0100】
図10に示したように、前記第1リニアレール18と前記第2リニアレール28が平行な姿勢になるように配置された状態で、前記本体モジュール10を前記通信モジュール20に嵌めると、
図11に示したように第1リニアレール18と第2リニアレール28が組み立てられる。
【0101】
これによって、上述した前記グラウンドボックス410と前記グラウンドクリップ420との間の接触圧力を維持することができる。
【0102】
一方、
図13に示したように、前記通信モジュール20は、上部ケース330と下部ケース340を含んで構成することができる。
【0103】
前記上部ケース330の側壁に第1ポケット332を形成し、前記下部ケース340の側壁に第2ポケット342を形成することができる。
【0104】
前記ケーブル300は、第2プラグ320の上下面及び左右側面を取り囲んで溝326を形成することができる。
【0105】
前記上部ケース330の一部及び前記下部ケース340の一部は前記溝326に挿入される。
【0106】
また、前記第1ポケット332及び前記第2ポケット342に前記溝326の谷部分が組み立てられる。
【0107】
これによって、前記通信モジュール20に対して前記第2プラグ320が前後方向、左右方向及び上下方向に動かないように固定され得る。
【0108】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、第1印刷回路基板100の大きさと第2印刷回路基板200の大きさを変更することができ、これは、
図3を参照して説明する。
【0109】
前記第2印刷回路基板200は、第1縦の長さL1に対する第1横の長さW1の比率が1:1.67~1.80であってもよい。
【0110】
より詳細には、第1縦の長さL1が55mmであるとき、第1横の長さW1を92mmにすることができる。これによって、第2印刷回路基板200の通信チップは、低周波帯域800~960MHzで良好に通信することができる。
【0111】
また、前記第1縦の長さL1が55mmであるとき、第1横の長さW1を99mmにすることができる。これによって、第2印刷回路基板200の通信チップは、低周波帯域700~960MHzで良好に通信することができる。
【0112】
すなわち、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、特定の国で使用する通信周波数を受け入れて良好に通信環境を実現することができる。
【0113】
一方、
図3に示したように、前記第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を前記第1印刷回路基板100の第2横の長さW2よりも長く形成することができる。これによって、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200との間のグラウンド(Ground)の影響及び信号の干渉を著しく減少させることができ、アンテナ性能を良好に維持することができる。これは、
図20に示したように、メインアンテナとDivアンテナの性能の結果から分かる。
【0114】
また、
図3に示したように、前記第2印刷回路基板200の第1縦の長さL1を前記第1印刷回路基板100の第2縦の長さL2よりも短く形成することができる。これによって、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200との間の信号の干渉を著しく減少させることができ、アンテナ性能を良好に維持することができる。
【0115】
以下、
図15乃至
図20を参照して、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールの通信性能を説明する。
図15乃至
図20は、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置における通信モジュールの通信性能を説明するための図である。
図15は、通信モジュールを単独で構成した例である。
図16及び
図17は、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を短い距離で離隔させて構成した例である。
図18は、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を特定の距離で離隔させた後、第1印刷回路基板100の第2横の長さW2を87mmから78mmに短くした状態を示す図であり、第1、第2印刷回路基板の大きさを設定して示したものである。
図19は、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を特定の距離で離隔させて配置し、第1印刷回路基板の大きさを設定し、第1印刷回路基板と第2印刷回路基板を伝導性クッションで接続したことを示した例である。
【0116】
図20は、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を
図19の実施例の80mmから92mmへと12mm伸ばした状態を示したものであり、通信モジュール20の第1横の長さW1が本体モジュール10の第1横の長さW2よりも長くなることによって、メインアンテナとDivアンテナの各効率が
図19よりもさらに改善されることを示したものである。
【0117】
図15は、通信モジュールのみを単独で構成したときの通信特性を示したもので、第2印刷回路基板200にメインアンテナ(Main antenna)とDIVアンテナ(Div Antenna)が配置されている。
図15の(c)から分かるように、メインアンテナ(Main antenna)の特性とDIVアンテナ(Div Antenna)の特性によって低周波帯域のアンテナ間の相互干渉特性があり、およそ0.52dBを示している。
【0118】
図16は、
図16の(a)に示したように、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をケーブル300で接続し、約8mm離隔させた状態であり、このようにすると、
図16の(b)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で各アンテナ効率が多少低く評価される。
【0119】
図17は、
図17の(a)に示したように、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をケーブル300で接続し、約17.7mm離隔させた状態であり、このようにすると、
図17の(b)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で各アンテナ効率が多少低く評価され、
図16に示した例示と比較して通信性能が有意に改善されはしないことを示している。
【0120】
図18は、
図18の(a)に示したように、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をケーブル300で接続し、約17.7mm離隔させた状態であり、第1印刷回路基板100の第2横の長さW2を78mmに設定し、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を80mmに設定したものである。
【0121】
このようにすることで、
図18の(b)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)と比較して、相対的にメインアンテナ(Main antenna)とDIVアンテナ(Div Antenna)の各アンテナ効率(%)が改善され、改善の程度が通信性能を高めることができる。
【0122】
より具体的には、
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)が、周波数が700~960MHzの帯域で22~41%であるのに対し、
図18の(b)に示したアンテナ効率(%)は、周波数が700~960MHzの帯域で28~48%であるから、およそ6~7%のアンテナ効率(%)が改善されたことが分かる。
【0123】
図19は、
図19の(a)に示したように、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をケーブル300で接続し、約17.7mm離隔させた状態であり、第1印刷回路基板100の第2横の長さW2を78mmに設定し、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を80mmに設定したものであり、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をグラウンドユニット400で接続した構成である。
【0124】
このようにすることで、
図19の(b)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)と比較して、相対的にメインアンテナ(Main antenna)とDIVアンテナ(Div Antenna)の各アンテナ効率(%)が改善され、改善の程度が通信性能を高めることができる。
【0125】
より具体的には、
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)が、周波数が700~960MHzの帯域で22~41%であるのに対し、
図19の(b)に示したアンテナ効率(%)は、周波数が700~960MHzの帯域で28~48%であるから、およそ6~7%のアンテナ効率(%)が改善されたことが分かる。
【0126】
また、
図19の(c)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で
図16及び
図17に示したアンテナ間の相互干渉(dB)と比較して干渉特性が著しく改善されることが分かり、具体的には、グラウンドユニット400を備えていないときは、およそ0.52dBであったが、グラウンドユニット400を備えることによって、およそ0.12dBに低下することが分かった。
【0127】
また、
図20の(a)は、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をケーブル300で接続し、約17.7mm離隔させた状態であり、第1印刷回路基板100の第2縦の長さL2を78mmに設定し、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を92mmに設定したものであり、第1印刷回路基板100と第2印刷回路基板200をグラウンドユニット400で接続した構成である。
【0128】
このようにすることで、
図20の(b)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)と比較して、相対的にメインアンテナ(Main antenna)とDIVアンテナ(Div Antenna)の各アンテナ効率(%)が改善され、改善の程度が通信性能を高めることができる。
【0129】
より具体的には、
図16及び
図17に示した各アンテナ効率(%)が、周波数が700~960MHzの帯域で28~48%であるのに対し、
図20の(b)に示したアンテナ効率(%)は、周波数が700~960MHzの帯域で32~48%であるから、およそ14%のアンテナ効率(%)が改善されたことが分かる。
【0130】
また、
図20の(c)に示したように、周波数が700~960MHzの帯域で
図16及び
図17に示したアンテナ間の相互干渉(dB)と比較して干渉特性が著しく改善されることが分かり、具体的には、グラウンドユニット400を備えていないときは、およそ0.52dBであったが、グラウンドユニット400を備えることによって、およそ0.14dBに低下することが分かった。
【0131】
したがって、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、本体モジュール10の第1印刷回路基板100と通信モジュール20の第2印刷回路基板200との間に適正な距離を維持するようにし、大きさの比率を変更することによって、本体モジュール10に通信モジュール20を装着したときに通信性能が良好に実現される効果がある。
【0132】
また、本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、第2印刷回路基板200の第1横の長さW1を第1印刷回路基板100の第2横の長さW2よりも長く形成することによって、正面視で通信モジュール20が本体モジュール10よりもT字状に構成され、このような構成であるとき、メインアンテナとDivアンテナの性能が最も良いといえる。
【0133】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明の属する技術分野における当業者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態で実施できる。
【0134】
したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならず、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導かれるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明の実施例に係る産業用車両運行情報格納装置は、車両に設置して車両の速度、車両に加えられる衝撃情報、位置情報及び走行映像データなどの車両運行情報を格納し、通信モジュールを用いて車両運行情報を指定された媒体に送信することに利用することができる。
【符号の説明】
【0136】
10:本体モジュール
12:ケース
14:Tソケット
16:カメラデバイス
20:通信モジュール
24:Tプラグ
26:テンションパート
27:ノンスリップ突起
31:プラグ
32:ソケット
33:磁石
100:第1印刷回路基板
200:第2印刷回路基板
102:第1ソケット
202:第2ソケット
110:グラウンドプレート
204:係着溝
206:補強突起
300:ケーブル
310:第1プラグ
320:第2プラグ
324:フック
326:溝
400:グラウンドユニット
410:グラウンドボックス
412:パターン
420:グラウンドクリップ
422:伝導性クッション
430:接地プレート