(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20241118BHJP
【FI】
G06Q50/34
(21)【出願番号】P 2024063878
(22)【出願日】2024-04-11
【審査請求日】2024-06-26
(31)【優先権主張番号】P 2024012782
(32)【優先日】2024-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 哉太
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】森田 深志
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第02/101673(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0140605(US,A1)
【文献】米国特許第06443841(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定する配当倍率設定部と、
前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む
投票コンテンツを生成する投票コンテンツ生成部と、
前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付ける投票受付部と、
前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与する価値付与部と
を具備する情報処理システム。
【請求項2】
前記作成ユーザからの指示に応じて前記作成額を設定する作成額設定部
をさらに具備する請求項1の情報処理システム。
【請求項3】
前記投票受付部は、前記作成額に対応する投票範囲内において前記投票ユーザからの指示に応じた可変値を前記投票額として、前記投票コンテンツに対する投票を受付け、
前記価値付与部は、前記作成額と、前記投票範囲に対する前記投票額の比率とに応じて、前記付与額を設定する
請求項1の情報処理システム。
【請求項4】
前記投票範囲の一部を前記投票額とする投票の可否を、前記作成ユーザからの指示に応じて設定する投票可否設定部をさらに具備し、
前記投票受付部は、
前記投票範囲の一部を前記投票額とする投票が前記投票可否設定部により許可された場合に、前記投票範囲の一部を前記投票額とする投票を受付け、
前記投票範囲の一部を前記投票額とする投票が前記投票可否設定部により許可されない場合に、前記投票範囲の全部を前記投票額とする投票を受付ける
請求項3の情報処理システム。
【請求項5】
前記投票受付部は、前記投票額の合計値が前記投票範囲内の数値となる範囲で、複数の前記投票ユーザからの投票を受付ける
請求項3または請求項4の情報処理システム。
【請求項6】
前記投票受付部は、
生成済の第1投票コンテンツ
との間で投票対象イベントが共通し、かつ、前記第1投票コンテンツとの間で評価条件が関連する第2投票コンテンツの作成の指示を、前記第1投票コンテンツに対する投票として受付ける
請求項1の情報処理システム。
【請求項7】
前記投票受付部は、
前記第2投票コンテンツの生成に関する作成額を、前記第1投票コンテンツの投票に関する投票額として、前記第1投票コンテンツに対する投票を受付ける
請求項6の情報処理システム。
【請求項8】
前記投票コンテンツ生成部は、
前記作成ユーザ以外の1以上のユーザによる価値媒体の使用と引換えに、前記作成額の追加を受付け、
前記価値付与部は、前記作成ユーザおよび前記1以上のユーザ、または、前記投票ユーザに、前記付与額の価値媒体を付与する
請求項1の情報処理システム。
【請求項9】
前記作成ユーザからの指示に応じて生成された前記投票コンテンツの公開範囲を、前記作成ユーザからの指示に応じて設定する公開範囲設定部
をさらに具備する請求項1の情報処理システム。
【請求項10】
前記作成ユーザに関する作成者情報の公開の可否を、前記作成ユーザからの指示に応じて設定する公開可否設定部をさらに具備し、
前記投票コンテンツは、
前記作成者情報の公開が前記公開可否設定部により許可された場合に、前記作成者情報を含み、
前記作成者情報の公開が前記公開可否設定部により許可されない場合に、前記作成者情報を含まない
請求項1の情報処理システム。
【請求項11】
作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定することと、
前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む
投票コンテンツを生成することと、
前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付けることと、
前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与することと、
を含むコンピュータシステムにより実現される情報処理方法。
【請求項12】
作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定する配当倍率設定部、
前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む
投票コンテンツを生成する投票コンテンツ生成部、
前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付ける投票受付部、および、
前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与する価値付与部、
としてコンピュータシステムを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンテンツの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスポーツの試合等のイベントに関する結果をユーザが予想し、予想が的中したユーザに配当を付与する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、試合の結果を予想した投票をユーザから受付け、予想が的中したユーザに対して、所定の配当倍率に応じた配当が付与される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、投票対象となるコンテンツ(以下「投票コンテンツ」という)を個々のユーザからの指示に応じて生成する技術が想定される。しかし、投票コンテンツにおける配当倍率が所定のルールにより自動的に設定される構成では、投票コンテンツの作成者と投票者との間の駆引きによる興趣性を充分に確保できない可能性がある。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、投票コンテンツに関する興趣性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る情報処理システムは、投票コンテンツを作成する作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定する配当倍率設定部と、前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む前記投票コンテンツを生成する投票コンテンツ生成部と、前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付ける投票受付部と、前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与する価値付与部とを具備する。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る情報処理方法は、投票コンテンツを作成する作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定することと、前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む前記投票コンテンツを生成することと、前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付けることと、前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与することと、を含む。
【0007】
本開示のひとつの態様に係るプログラムは、投票コンテンツを作成する作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定する配当倍率設定部、前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む前記投票コンテンツを生成する投票コンテンツ生成部、前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付ける投票受付部、および、前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与する価値付与部、としてコンピュータシステムを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態における通信システムのブロック図である。
【
図4】情報処理システムの構成を例示するブロック図である。
【
図8】情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図14】第2実施形態における確認画面の模式図である。
【
図15】第3実施形態における投票画面の模式図である。
【
図16】第3実施形態における作成額と投票額と付与額との関係の説明図である。
【
図17】第4実施形態における作成画面の模式図である。
【
図18】第4実施形態における投票コンテンツ情報の模式図である。
【
図19】第4実施形態における情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図20】第4実施形態における投票画面の模式図である。
【
図21】第5実施形態における作成額と投票額と付与額との関係の説明図である。
【
図23】第6実施形態において制御装置が実行する処理のフローチャートである。
【
図24】第6実施形態における確認画面の模式図である。
【
図26】第7実施形態における投票画面の模式図である。
【
図27】第7実施形態における追加処理のフローチャートである。
【
図28】第7実施形態における投票処理の一部のフローチャートである。
【
図29】第8実施形態における情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図30】第9実施形態における情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
【
図31】第9実施形態における投票コンテンツの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に例示される形態は、本開示にとって必須ではない種々の限定を含む。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る通信システム100のブロック図である。
図1に例示される通り、通信システム100は、情報処理システム10と管理システム20と複数の端末装置30(30a,30b)とを具備する。情報処理システム10は、例えばインターネット等の通信網200を介して管理システム20および各端末装置30と通信する。
【0011】
複数の端末装置30の各々は、ユーザU(Ua,Ub)が使用する情報装置である。例えばスマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、携帯電話機、またはパーソナルコンピュータ等の携帯型または据置型の情報装置が、端末装置30として利用される。なお、例えば遊技施設または商業施設等の施設に設置された業務用のゲーム機が、端末装置30として利用されてもよい。
【0012】
図1に例示される通り、各端末装置30は、表示装置31と操作装置32とを具備する。表示装置31は、各種の画像を表示する。表示装置31は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。操作装置32は、ユーザUからの指示を受付ける入力機器である。操作装置32は、例えば、ユーザUが操作する操作子、または、ユーザUによる接触を検知するタッチパネルである。なお、ユーザUの音声を受付ける音声入力装置が操作装置32として利用されてもよい。
【0013】
複数のユーザUの各々はポイントを保有する。ポイントは、各種のサービスに利用される価値媒体である。例えば各ユーザUは、自身が保有するポイントを消費することで所望の商品または役務を獲得できる。また、ポイントは、別種の価値媒体(例えば電子通貨)に交換されてもよい。
【0014】
情報処理システム10は、投票コンテンツBを管理するためのコンピュータシステムである。投票コンテンツBは、特定のイベント(以下「投票対象イベント」という)を対象とした投票を受付けるためのコンテンツである。第1実施形態においては、現実に開催されるサッカーの試合を投票対象イベントとして例示する。投票対象イベントの開始前に投票コンテンツBの作成および投票が実行される。投票コンテンツBに対する投票は、「ベット」とも表現される。
【0015】
第1実施形態の複数の端末装置30は、端末装置30aと端末装置30bとを含む。端末装置30aは作成ユーザUaにより使用される。作成ユーザUaは、複数のユーザUのうち投票コンテンツBを作成するユーザUである。具体的には、作成ユーザUaは、自身が保有する特定の数量(以下「作成額Pa」という)のポイントの使用と引換えに投票コンテンツBを作成する。すなわち、作成額Paは、投票コンテンツBの作成のための対価として使用されるポイントの数量である。
【0016】
端末装置30bは投票ユーザUbにより使用される。投票ユーザUbは、複数のユーザUのうち投票コンテンツBに投票するユーザUである。具体的には、投票ユーザUbは、自身が保有する特定の数量(以下「投票額Pb」という)のポイントの使用と引換えに投票コンテンツBに投票する。すなわち、投票額Pbは、投票コンテンツBに対する投票のための対価として使用されるポイントの数量である。
【0017】
なお、複数のユーザUの各々は、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbの何れにもなり得る。また、実際には複数の作成ユーザUaと複数の投票ユーザUbとが存在するが、以下の説明では便宜的に、ひとりの作成ユーザUaとひとりの投票ユーザUbとに着目する。
【0018】
図2は、投票コンテンツBの表示例である。端末装置30aを利用して作成ユーザUaが作成した投票コンテンツBが、投票ユーザUbが使用する端末装置30bの表示装置31に表示される。
【0019】
投票コンテンツBは、対象イベント情報Eと作成者情報Nと投票条件Zbと配当倍率Rと投票額Pbと投票ボタンObとを含む。対象イベント情報Eは、投票対象イベントを識別するための情報である。具体的には、対象イベント情報Eは、投票対象イベントの名称(例えば対戦チームの名称)および開催日時等の情報を含む。作成者情報Nは、投票コンテンツBを作成した作成ユーザUaに関する情報である。具体的には、作成者情報Nは、作成ユーザUaの名前(例えばアカウント名)を含む。投票額Pbは、前述の通り、投票ユーザUbが投票コンテンツBに投票するために必要なポイントの数量である。
【0020】
投票ボタンObは、投票ユーザUbによる投票を受付けるソフトウェアボタンである。投票ユーザUbは、端末装置30bの操作装置32を利用して投票ボタンObを操作することで、投票コンテンツBに投票できる。第1実施形態においては、投票ボタンObに投票額Pbが表示される。なお、投票ボタンObと投票額Pbとは別個に表示されてもよい。
【0021】
投票コンテンツBには評価条件Zが設定される。評価条件Zは、投票対象イベントにおいて成立し得る条件である。1個の投票コンテンツBについて1個以上の評価条件Zが設定される。評価条件Zは、例えば、投票対象イベントの結果(勝敗)、対戦チームの得点または得点差、得点を獲得した選手名、試合におけるシュートの総回数、試合におけるセットプレイ(例えばコーナーキックまたはゴールキック)の回数、試合中に審判が警告のために提示するカード(例えばイエローカードまたはレッドカード)の総数等、投票対象イベントにおいて確定する各種の事項に関する条件が、評価条件Zとして設定される。
【0022】
投票対象イベントにおける評価条件Zの成否に応じて、投票コンテンツBの作成ユーザUaおよび投票ユーザUbの何れか(以下「勝者」という)に、特定の数量(以下「付与額Pw」という)のポイントが報酬として付与される。
【0023】
評価条件Zは、作成条件Zaと投票条件Zbとを含む。作成条件Zaは、作成ユーザUaが勝者となるための条件である。
図2の例示の通り、投票コンテンツBには投票条件Zbが表示される。投票条件Zbは、投票ユーザUbが勝者となるための条件である。したがって、作成条件Zaが成立した場合には作成ユーザUaに付与額Pwのポイントが付与され、投票条件Zbが成立した場合には投票ユーザUbに付与額Pwのポイントが付与される。以上の説明から理解される通り、評価条件Zは、付与額Pwの付与対象を選定するための条件である。
【0024】
作成条件Zaと投票条件Zbとは相互に排他的な関係にある。すなわち、作成条件Zaおよび投票条件Zbは同時には成立しない。例えば、
図2の例示のように「ABCチーム」と「XYZチーム」との試合を投票対象イベントとする投票コンテンツBを想定すると、作成条件Zaが「ABCチームが勝利する」という条件である場合、投票条件Zbは「XYZチームが勝利する」(またはABCチームが敗北する)という条件である。なお、作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れも成立しない場合があってもよい。例えば、前述の例示において、試合結果が引分けである場合には、作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れも成立しない。
【0025】
以上の説明から理解される通り、投票ユーザUbは、投票対象イベントにおける投票条件Zbの成立を予想して投票コンテンツBに投票し、予想が的中した場合(すなわち投票条件Zbが成立した場合)に付与額Pwのポイントを獲得できる。すなわち、投票コンテンツBは、作成ユーザUaと投票ユーザUbとの間で投票対象イベントにおける評価条件Z(作成条件Zaおよび投票条件Zb)の成否を予想し合うためのコンテンツである。
【0026】
配当倍率Rは、付与額Pwを算定するための基礎となる数値(オッズ)である。具体的には、例えば1を上回る正数が配当倍率Rとして設定される。配当倍率Rは、作成ユーザUaからの指示に応じて設定される。
【0027】
作成額Paと投票額Pbと付与額Pwとの関係について以下に説明する。投票コンテンツBについては、配当倍率Rのほかに目標倍率Qが設定される。目標倍率Qは、投票額Pbと付与額Pwと配当倍率Rとを算定するための基礎となる数値(オッズ)である。例えば1を上回る正数が目標倍率Qとして設定される。
【0028】
以下の数式(1)で表現される通り、作成額Paと目標倍率Qとの乗算値が付与額Pwとして勝者に付与される。
Pw=Q・Pa (1)
【0029】
他方、以下の数式(2)で表現される通り、作成ユーザUaが使用する作成額Paと、投票ユーザUbが使用する投票額Pbとの合計値が、付与額Pwとして勝者に付与される。
Pw=Pa+Pb (2)
数式(2)から理解される通り、投票額Pbは、付与額Pwと作成額Paとの差分(Pb=Pw-Pa)である。すなわち、付与額Pwに対する作成額Paの不足分が、投票額Pbとして投票ユーザUbにより負担される。
【0030】
数式(1)および数式(2)から、投票額Pbは以下の数式(3)で表現される。
Pb=(Q-1)・Pa (3)
【0031】
配当倍率Rは、投票額Pbに対する付与額Pwの比率である。したがって、配当倍率Rは、以下の数式(4)で表現される。
R=Pw/Pb=Q・Pa/(Q-1)・Pa=Q/(Q-1) (4)
以上の説明の通り、投票額Pbと付与額Pwと配当倍率Rとは、作成額Paと目標倍率Qとに応じて算定される。
【0032】
図1の管理システム20は、投票対象イベントに関する情報を管理するサーバシステムである。具体的には、管理システム20は、投票対象イベントの候補となる複数のイベント(以下「候補イベント」という)の各々について開催情報Mを管理する。開催情報Mは、例えば候補イベントの開催前および開催後に管理システム20から情報処理システム10に送信される。なお、管理システム20の機能は情報処理システム10に搭載されてもよい。
【0033】
図3は、開催情報Mの模式図である。
図3に例示される通り、各候補イベントの開催情報Mは、当該候補イベントに関する複数の情報を含む。具体的には、開催情報Mは、識別情報Eidと詳細情報M1と日時情報M2と状況情報M3とを含む。識別情報Eidは、候補イベントを識別するための符号列である。
【0034】
詳細情報M1は、候補イベントの内容に関する情報である。具体的には、詳細情報M1は、例えば候補イベントの名称および対戦チームの名称等を含む。日時情報M2は、候補イベントの開始日時および終了日時を表す。
【0035】
状況情報M3は、候補イベントの状況に関する情報である。具体的には、候補イベントの結果または対戦チームの成績等、評価条件Z(作成条件Zaおよび投票条件Zb)の成否を判定するための各種の情報が状況情報M3に含まれる。状況情報M3は、候補イベントの開催前においては未定を表す情報に設定され、候補イベントの開催後においては当該候補イベントの結果を反映した情報に更新される。状況情報M3は、例えば、候補イベントの管理者が手動により入力した情報である。
【0036】
図4は、情報処理システム10の構成を例示するブロック図である。
図4に例示される通り、情報処理システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、情報処理システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0037】
制御装置11は、情報処理システム10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
【0038】
通信装置13は、通信網200を介して管理システム20および各端末装置30と通信する。なお、情報処理システム10とは別体の通信装置13が、情報処理システム10に対して有線または無線により接続されてもよい。
【0039】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと、制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。記憶装置12は、複数種の記録媒体の組合せで構成されてもよい。また、情報処理システム10に対して着脱される可搬型の記録媒体、または例えば通信網200を介して制御装置11が書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置12として利用されてもよい。
【0040】
第1実施形態の記憶装置12には、投票コンテンツ情報C(
図5)と登録情報D1(
図6)と条件情報D2(
図7)とが記憶される。
【0041】
図5は、投票コンテンツ情報Cの模式図である。作成ユーザUaにより作成された投票コンテンツB毎に投票コンテンツ情報Cが記憶される。投票コンテンツ情報Cは、投票コンテンツBを規定する情報である。具体的には、投票コンテンツ情報Cは、投票コンテンツBの識別情報Bidと、投票対象イベントの識別情報Eidと、作成ユーザUaの識別情報Uidと、投票ユーザUbの識別情報Uidと、投票コンテンツBの内容に関する複数の情報とを含む。投票コンテンツBの内容に関する複数の情報は、作成額Paと投票額Pbと目標倍率Qと配当倍率Rと評価条件Z(作成条件Zaおよび投票条件Zb)と投票期限Tとを含む。なお、投票ユーザUbの識別情報Uidは、投票コンテンツBに対する投票が発生した段階で投票コンテンツ情報Cに登録される。
【0042】
識別情報Bidは、投票コンテンツBを識別するための符号列である。識別情報Eidは、投票対象イベントを識別するための符号列である。投票期限Tは、投票コンテンツBに対する投票が有効に受付けられる期限日時である。例えば投票対象イベントの開始日時が投票期限Tとして設定される。
【0043】
図6は、登録情報D1の模式図である。通信システム100を利用する複数のユーザUの各々について登録情報D1が記憶装置12に記憶される。登録情報D1は、識別情報Uidと作成者情報Nと保有ポイント数Pとを含む。識別情報Uidは、各ユーザUを識別するための符号列である。作成者情報Nは、前述の通り、例えばユーザUの名前等、各ユーザUに関連する情報である。保有ポイント数Pは、ユーザUが保有するポイントの数量である。
【0044】
図7は、条件情報D2の模式図である。条件情報D2は、評価条件Zの設定に利用される情報である。具体的には、条件情報D2は、評価条件Zを区分した複数の条件カテゴリの各々について複数の詳細条件が設定されたデータテーブルである。各条件カテゴリは、評価条件Zの内容に関する種別である。1個の条件カテゴリに属する各詳細条件は、当該条件カテゴリについて成立し得る具体的な条件である。
図7から理解される通り、条件カテゴリと詳細条件との組合せにより、1個の評価条件Z(作成条件Zaおよび投票条件Zb)が規定される。
【0045】
図8は、情報処理システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、投票コンテンツBの作成および投票を制御するための複数の機能(表示制御部41,情報設定部42,投票コンテンツ生成部43,投票受付部44,価値付与部45)を実現する。
【0046】
表示制御部41は、各端末装置30の表示装置31に画像を表示させる。具体的には、表示制御部41は、端末装置30が各種の画像を表示するためのデータを通信装置13から端末装置30に送信することで、端末装置30の表示装置31に当該画像を表示させる。例えば、表示制御部41は、画像を表す画像データを端末装置30に送信する。なお、表示制御部41は、画像を表示させる命令を表すデータを通信装置13から端末装置30に送信することで、当該画像を表示装置31に表示させてもよい。例えば、表示制御部41は、端末装置30に記憶された複数の画像の何れかを指示するデータ、または画像に関する制御パラメータを指示するデータを、端末装置30に送信する。
【0047】
情報設定部42は、投票コンテンツBに関する各種の情報を設定する。具体的には、情報設定部42は、端末装置30aに対する作成ユーザUaからの指示に応じて、投票コンテンツBを規定する情報を設定する。第1実施形態の情報設定部42は、作成額設定部421と投票額設定部422と配当倍率設定部423とを含む。
【0048】
作成額設定部421は、端末装置30aに対する作成ユーザUaからの指示に応じて作成額Paを設定する。投票額設定部422は、端末装置30aに対する作成ユーザUaからの指示に応じて投票額Pbを設定する。配当倍率設定部423は、端末装置30aに対する作成ユーザUaからの指示に応じて配当倍率Rを設定する。
【0049】
投票コンテンツ生成部43は、投票コンテンツBを生成する。具体的には、投票コンテンツ生成部43は、作成ユーザUaからの指示に応じた投票コンテンツ情報Cを生成して記憶装置12に格納する。すなわち、投票コンテンツBの生成は、具体的には記憶装置12に対する投票コンテンツ情報Cの登録である。第1実施形態の投票コンテンツ生成部43は、作成ユーザUaによる作成額Paのポイントの使用と引換えに投票コンテンツBを生成する。
【0050】
投票受付部44は、投票コンテンツBに対する投票ユーザUbからの投票を受付ける。具体的には、投票受付部44は、投票ユーザUbによる投票額Pbのポイントの使用と引換えに、投票コンテンツBに対する投票ユーザUbからの投票を受付ける。
【0051】
価値付与部45は、評価条件Zの成否に応じた勝者(作成ユーザUaまたは投票ユーザUb)に付与額Pwのポイントを付与する。すなわち、価値付与部45は、作成条件Zaが成立した場合には作成ユーザUaに付与額Pwのポイントを付与し、投票条件Zbが成立した場合には投票ユーザUbに付与額Pwのポイントを付与する。具体的には、価値付与部45は、勝者の登録情報D1に含まれる保有ポイント数Pに付与額Pwを加算する。
【0052】
図9は、投票コンテンツBを生成するための処理(以下「生成処理」という)のフローチャートである。投票コンテンツBの作成の指示を作成ユーザUaから受付けると、端末装置30aは、情報処理システム10に開始要求を送信する(Sa1)。開始要求は、作成ユーザUaの識別情報Uidを含む。通信装置13が開始要求を受信すると(Sb1)、情報処理システム10の制御装置11は、要求元の端末装置30aの表示装置31に作成画面Gaを表示させる(Sb2,Sa2)。具体的には、作成画面Gaの画像データを情報処理システム10から端末装置30aに送信することで、表示装置31に作成画面Gaが表示される。なお、制御装置11は、作成画面Gaを表示させるための命令を表すデータを端末装置30aに送信してもよい。
【0053】
図10は、作成画面Gaの模式図である。作成画面Gaは、作成ユーザUaが投票コンテンツBの作成時に参照する画像である。作成画面Gaは、作成ユーザUaからの指示を受付ける複数の操作領域Oa1(Oa11~Oa14)と作成ボタンOa2とを含む。
【0054】
作成ユーザUaは、端末装置30の操作装置32を操作することで、作成画面Ga内の所望の操作領域Oa1(Oa11~Oa14)を操作可能である。端末装置30aは、操作装置32に対する作成ユーザUaからの操作を受付け(Sa3)、当該操作に応じて作成画面Gaを更新する(Sa4)。
【0055】
図10の操作領域Oa11は、投票対象イベントの選択を作成ユーザUaから受付けるための領域である。例えば、作成ユーザUaが操作領域Oa11を操作すると、各開催情報Mが指定する複数の候補イベントのリストが表示装置31に表示される。作成ユーザUaは、複数の候補イベントの何れかを投票対象イベントとして選択可能である。
【0056】
操作領域Oa12は、作成条件Zaの指示を作成ユーザUaから受付けるための領域である。
図10においては2個の操作領域Oa12が図示されているが、操作領域Oa12の個数は任意である。作成ユーザUaからの指示に応じて操作領域Oa12が追加または削除されてもよい。操作領域Oa12は、領域Oa121と領域Oa122とを含む。
【0057】
領域Oa121は、作成条件Zaに関する条件カテゴリの選択を作成ユーザUaから受付けるための領域である。例えば、作成ユーザUaが領域Oa121を操作すると、
図7の条件情報D2に登録された複数の条件カテゴリのリストが表示装置31に表示される。作成ユーザUaは、領域Oa121に表示された複数の条件カテゴリの何れかを選択可能である。
【0058】
領域Oa122は、作成ユーザUaが選択した条件カテゴリに属する詳細条件の選択を作成ユーザUaから受付けるための領域である。例えば、作成ユーザUaが領域Oa122を操作すると、選択済の条件カテゴリについて条件情報D2に登録された複数の詳細条件のリストが、表示装置31に表示される。作成ユーザUaは、領域Oa122に表示された複数の詳細条件の何れかを選択可能である。
【0059】
前述の通り、作成ユーザUaが選択した条件カテゴリと詳細条件との組合せにより、1個の作成条件Zaが特定される。例えば、
図10の例示においては、条件カテゴリ「勝利チーム」と詳細条件「ABCチーム」との組合せにより、「ABCチームが勝利する」という作成条件Zaが設定される。また、条件カテゴリ「得点差」と詳細条件「3点以下」との組合せにより、「得点差が3点以下である」という作成条件Zaが設定される。
【0060】
以上の説明から理解される通り、作成ユーザUaは、投票対象イベントにおける作成条件Zaの成立を予想して投票コンテンツBを作成し、予想が的中した場合(すなわち作成条件Zaが成立した場合)に付与額Pwのポイントを獲得できる。
【0061】
操作領域Oa13は、作成額Paの指示を作成ユーザUaから受付けるための領域である。具体的には、作成ユーザUaは、操作領域Oa13を選択した状態で操作装置32を操作することで、作成額Paの数値を操作領域Oa13に入力可能である。なお、作成額Paに関する複数の候補値の何れかが作成ユーザUaにより選択されてもよい。
【0062】
操作領域Oa14は、目標倍率Qの指示を作成ユーザUaから受付けるための領域である。具体的には、作成ユーザUaは、操作領域Oa14を選択した状態で操作装置32を操作することで、目標倍率Qの数値を操作領域Oa14に入力可能である。なお、目標倍率Qに関する複数の候補値の何れかが作成ユーザUaにより選択されてもよい。
【0063】
作成ボタンOa2は、作成画面Gaに対する入力内容を作成ユーザUaが決定するための操作ボタンである。
図9に例示される通り、作成ボタンOa2が操作されるまで(Sa5:NO)、作成ユーザUaからの操作の受付(Sa3)と作成画面Gaの更新(Sa4)とが反復される。
【0064】
作成ユーザUaは、各操作領域Oa1(Oa11~Oa14)に所望の情報を入力した段階で作成ボタンOa2を操作する。作成ボタンOa2が操作されると(Sa5:YES)、端末装置30aは、情報処理システム10に生成指示を送信する(Sa6)。生成指示は、作成画面Gaに対する作成ユーザUaからの指示を表す情報である。具体的には、生成指示は、投票対象イベントの識別情報Eidと作成条件Zaと作成額Paと目標倍率Qとを含む。
【0065】
通信装置13が生成指示を受信すると(Sb3)、情報処理システム10の制御装置11は、生成指示に含まれる情報(識別情報Eid,作成条件Za,作成額Pa,目標倍率Q)を利用して投票コンテンツBを生成する(Sb4~Sb8)。
【0066】
制御装置11(作成額設定部421)は、投票コンテンツBの作成額Paを、作成ユーザUaから指示された数値に設定する(Sb4)。制御装置11(投票額設定部422)は、作成ユーザUaから指示された作成額Paおよび目標倍率Qに応じて投票コンテンツBの投票額Pbを設定する(Sb5)。具体的には、制御装置11は、前述の数式(3)の演算により投票額Pbを算定する。以上の説明から理解される通り、情報設定部42(作成額設定部421および投票額設定部422)は、作成ユーザUaからの指示に応じて作成額Paおよび投票額Pbを設定する。
【0067】
制御装置11(配当倍率設定部423)は、投票コンテンツBの配当倍率Rを設定する(Sb6)。具体的には、制御装置11は、作成ユーザUaから指示された目標倍率Qに応じて配当倍率Rを設定する。例えば、制御装置11は、前述の数式(4)の演算により配当倍率Rを算定する。以上の説明から理解される通り、配当倍率設定部423は、作成ユーザUaからの指示に応じて配当倍率Rを設定する。
【0068】
制御装置11(情報設定部42)は、評価条件Zを設定する(Sb7)。具体的には、制御装置11は、作成ユーザUaから指示された作成条件Zaに応じて投票条件Zbを設定する。前述の通り、作成条件Zaに対して排他的な関係にある条件が、投票条件Zbとして設定される。
【0069】
例えば、条件情報D2において詳細条件が択一的である条件カテゴリが作成条件Zaにおいて指定された場合、当該条件カテゴリと、作成条件Zaにて指定された詳細条件とは別の詳細条件との組合せが、投票条件Zbとして設定される。例えば、「勝利チーム」の条件カテゴリに着目すると、作成条件Zaが「ABCチームが勝利する」という条件である場合には、「XYZチームが勝利する」という条件が投票条件Zbとして設定される。また、例えば、詳細条件が数値範囲である条件カテゴリが作成条件Zaにおいて指定された場合、当該条件カテゴリと、作成条件Zaにて指定された数値範囲以外の数値範囲との組合せが、投票条件Zbとして設定される。例えば、「得点差」の条件カテゴリに着目すると、作成条件Zaが「得点差が3点以下である」という条件である場合には、「得点差が4点以上である」という条件が投票条件Zbとして設定される。
【0070】
なお、作成ユーザUaが作成画面Gaにおいて複数の作成条件Zaを指示した場合、相異なる作成条件Zaに対応する同数の投票条件Zbが設定される。すなわち、作成条件Zaと投票条件Zbとの複数組(すなわち複数の評価条件Z)が1個の投票コンテンツBについて設定される。
【0071】
制御装置11(投票コンテンツ生成部43)は、投票コンテンツBを生成する(Sb8)。具体的には、制御装置11は、作成ユーザUaからの指示に応じた情報を含む投票コンテンツ情報Cを生成して記憶装置12に格納する。例えば、
図5を参照して前述した通り、投票コンテンツ情報Cは、投票コンテンツBの識別情報Bidと、投票対象イベントの識別情報Eidと、作成ユーザUaの識別情報Uidと、投票コンテンツBの内容に関する複数の情報(作成額Pa,投票額Pb,目標倍率Q,配当倍率R,評価条件Z,投票期限T)とを含む。評価条件Zは、前述の通り、作成ユーザUaが指示した作成条件Zaと、作成条件Zaに応じて設定された投票条件Zbとを含む。
【0072】
投票コンテンツ情報Cに含まれる情報のうち、投票コンテンツBの識別情報Bidは、例えば制御装置11が所定の規則により一意に設定する符号列である。識別情報Eidは、端末装置30aから受信した生成指示(Sb3)に含まれる情報である。作成ユーザUaの識別情報Uidは、端末装置30aから受信した開始要求(Sb1)に含まれる情報である。作成額Paと投票額Pbと目標倍率Qと配当倍率Rとは、前述の通り、作成ユーザUaからの指示に応じて設定された情報である。投票期限Tは、例えば投票対象イベントの開催情報Mに含まれる日時情報M2が表す開始日時に設定される。投票コンテンツBの作成の段階においては、投票コンテンツ情報Cのうち投票ユーザUbの識別情報Uidは、未定を表す情報に設定される。
【0073】
以上に例示した生成処理が反復されることで複数の投票コンテンツBが生成される。具体的には、相異なる投票対象イベントに対応する複数の投票コンテンツB、または、共通の投票対象イベントについて内容(例えば作成額Pa,投票額Pb,目標倍率Q,配当倍率R,評価条件Z)が相違する複数の投票コンテンツBが生成される。
【0074】
図11は、投票コンテンツBに対する投票のための処理(以下「投票処理」という)のフローチャートである。操作装置32に対する所定の操作を投票ユーザUbから受付けると、端末装置30bは情報処理システム10に開始要求を送信する(Sc1)。通信装置13が開始要求を受信すると(Sd1)、制御装置11は、要求元の端末装置30bの表示装置31に投票画面Gbを表示させる(Sd2,Sc2)。具体的には、投票画面Gbの画像データを情報処理システム10から端末装置30bに送信することで、表示装置31に投票画面Gbが表示される。なお、制御装置11は、投票画面Gbを表示させるための命令を表すデータを端末装置30bに送信してもよい。
【0075】
図12は、投票画面Gbの模式図である。投票画面Gbは、生成済の複数の投票コンテンツBが投票ユーザUbによる投票の候補として配列されたリストである。情報処理システム10の制御装置11は、記憶装置12に記憶された複数の投票コンテンツ情報Cを端末装置30bに送信することで、表示装置31に投票画面Gbを表示させる。例えば、投票期限Tが到来しておらず、かつ、現時点において投票されていない投票コンテンツBが、投票画面Gbに表示される。
【0076】
投票画面Gbには、投票対象イベントが相違する複数の投票コンテンツB、および、投票対象イベントは共通するが内容が相違する複数の投票コンテンツBが含まれる。
図2を参照して前述した通り、投票コンテンツBは、対象イベント情報Eと作成者情報Nと投票条件Zbと配当倍率Rと投票額Pbと投票ボタンObとを含む。投票ユーザUbは、投票画面Gbの各投票コンテンツBを参照することで、自身が投票すべき所望の投票コンテンツBを検討する。例えば、投票ユーザUbは、投票条件Zb、配当倍率Rおよび投票額Pb等の情報を考慮して、所望の投票コンテンツBを検討する。
【0077】
投票画面Gbから所望の投票コンテンツBを探索すると、投票ユーザUbは、操作装置32を利用して投票ボタンObを操作する。各投票コンテンツBに対応する投票ボタンObの操作は、当該投票コンテンツBの選択を意味する。投票コンテンツBの選択を投票ユーザUbから受付けると(Sc3)、端末装置30bは、情報処理システム10に投票指示を送信する(Sc4)。投票指示は、投票ユーザUbが選択した投票コンテンツBの識別情報Bidと、投票ユーザUbの識別情報Uidとを含む。
【0078】
情報処理システム10の制御装置11(投票受付部44)は、通信装置13により投票指示を受信する(Sd3)。すなわち、制御装置11は、投票コンテンツBに対する投票ユーザUbからの投票を受付ける。制御装置11(投票受付部44)は、投票ユーザUbによる投票を投票コンテンツBに反映させる(Sd4)。具体的には、制御装置11は、記憶装置12に記憶された複数の投票コンテンツ情報Cのうち、投票ユーザUbが選択した投票コンテンツBの投票コンテンツ情報Cに、投票指示に含まれる投票ユーザUbの識別情報Uidを登録する。以上の処理により、投票ユーザUbによる投票が受付けられる。
【0079】
また、投票ユーザUbによる投票を受付けると、制御装置11は、投票コンテンツBの作成ユーザUaの保有ポイント数Pから作成額Paを減算し(Sd5)、投票ユーザUbの保有ポイント数Pから投票額Pbを減算する(Sd6)。すなわち、投票コンテンツBの作成と投票とが成立することで、作成ユーザUaによる作成額Paの使用と、投票ユーザUbによる投票額Pbの使用とが確定する。なお、作成額Paおよび投票額Pbを精算する処理(Sd5,Sd6)の時期は任意に変更されてよい。例えば、投票コンテンツBの生成の段階において作成額Paの精算(Sd5)が実行されてもよい。具体的には、前述の生成処理(
図9)における作成額Paの設定(Sb4)後に、当該作成額Paが作成ユーザUaの保有ポイント数Pから減算されてもよい。
【0080】
図13は、投票コンテンツBの勝者に報酬を付与する処理(以下「報酬処理」という)のフローチャートである。開催情報Mの日時情報M2が示す終了日時が経過した投票対象イベントについて報酬処理が実行される。報酬処理は、投票コンテンツB毎に実行される。
【0081】
報酬処理が開始されると、制御装置11は、投票コンテンツBの投票対象イベントに関する開催情報Mを管理システム20から取得する(Se1)。制御装置11は、開催情報Mの状況情報M3を参照することで、投票コンテンツBの評価条件Zが成立したか否かを判定する(Se2)。具体的には、制御装置11は、作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れが成立したかを判定する。
【0082】
制御装置11は、評価条件Zの成否に応じて、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbについて勝敗を決定する(Se3)。具体的には、制御装置11は、作成条件Zaが成立した場合には、作成ユーザUaを勝者に決定するとともに投票ユーザUbを敗者に決定する。他方、投票条件Zbが成立した場合、制御装置11は、投票ユーザUbを勝者に決定するとともに作成ユーザUaを敗者に決定する。
【0083】
なお、制御装置11は、作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れも成立しないと判定する場合もある。例えば、荒天等の事情により投票対象イベントが中止された場合には、作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れも成立しない。作成条件Zaおよび投票条件Zbの何れも成立しない場合には、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbについて勝敗は決定されない。
【0084】
また、投票コンテンツBについて複数の評価条件Zが設定された場合、制御装置11は、全部の作成条件Zaが成立した場合に作成ユーザUaを勝者に決定し、全部の投票条件Zbが成立した場合に投票ユーザUbを勝者に決定する。複数の作成条件Zaの一部と複数の投票条件Zbの一部とが成立した場合には、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbについて勝敗は決定されない。
【0085】
制御装置11(価値付与部45)は、投票コンテンツBの勝者にポイントを付与する(Se4,Se5)。具体的には、制御装置11は、前述の数式(1)または数式(2)の演算により付与額Pwを算定する(Se4)。すなわち、作成額Paまたは投票額Pbと、配当倍率Rとに応じて付与額Pwが算定される。制御装置11は、勝者の保有ポイント数Pに付与額Pwを加算する(Se5)。なお、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbは、端末装置30を利用することで、投票コンテンツBの結果と自身の保有ポイント数Pの増減とを確認することが可能である。
【0086】
なお、作成ユーザUaおよび投票ユーザUbについて勝敗が決定されない場合、制御装置11(価値付与部45)は、作成ユーザUaに対する作成額Paの返還と、投票ユーザUbに対する投票額Pbの返還とを実行する。すなわち、作成ユーザUaの保有ポイント数Pに作成額Paが加算され、投票ユーザUbの保有ポイント数Pに投票額Pbが加算される。
【0087】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、作成ユーザUaからの指示に応じて設定された配当倍率Rを含む投票コンテンツBが生成され、配当倍率Rに応じた付与額Pwのポイントが、評価条件Zの成否に応じて作成ユーザUaまたは投票ユーザUbに付与される。したがって、配当倍率Rが所定のルールにより自動的に設定される構成と比較して、投票コンテンツBの作成ユーザUaと投票ユーザUbとの間の駆引きによる興趣性を向上できる。例えば、投票ユーザUbによる投票の意欲を増進する内容の投票コンテンツBを検討する興趣性が作成ユーザUaに付与され、付与額Pwのポイントの獲得できる可能性が高い投票コンテンツBを探索する興趣性が投票ユーザUbに付与される。
【0088】
第1実施形態においては特に、配当倍率Rに加えて投票コンテンツBの作成額Paも作成ユーザUaからの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザUaが配当倍率Rのみを設定できる形態と比較して、作成ユーザUaによる意図に沿った投票コンテンツBを生成できる。
【0089】
[第2実施形態]
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各実施形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明と同様の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0090】
第2実施形態の制御装置11(表示制御部41)は、作成画面Gaに加えて確認画面Gcを作成ユーザUaの端末装置30aに表示させる。確認画面Gcは、自身が作成する投票コンテンツBの内容を作成ユーザUaが確認するための画像である。作成ユーザUaによる作成ボタンOa2の操作を受付けた場合(Sa5:YES)に、端末装置30aの表示装置31に確認画面Gcが表示される。
【0091】
図14は、確認画面Gcの模式図である。
図14に例示される通り、確認画面Gcは、投票コンテンツBと確認メッセージOc1と変更ボタンOc2と確定ボタンOc3とを含む。確認画面Gcの投票コンテンツBは、作成画面Gaに対して作成ユーザUaから現時点までに付与された指示が反映された暫定的なコンテンツである。具体的には、投票コンテンツBは、対象イベント情報Eと作成者情報Nと投票条件Zbと配当倍率Rと投票額Pbとを含む。
【0092】
作成ユーザUaは、投票ユーザUbに提示される自身の投票コンテンツBを確認画面Gcにより確認できる。例えば、作成画面Gaにおいて作成ユーザUaは目標倍率Qを指示するのに対し、投票コンテンツBに実際に表示されるのは、目標倍率Qに対応する配当倍率Rである。作成ユーザUaは、作成画面Gaにおいて自身が指示した目標倍率Qに対応する配当倍率Rを、確認画面Gcにより確認できる。また、作成画面Gaにおいて作成ユーザUaは作成額Paを指示するのに対し、投票コンテンツBに実際に表示されるのは、作成額Paに対応する投票額Pbである。作成ユーザUaは、作成画面Gaにおいて自身が指示した作成額Paに対応する投票額Pbを、確認画面Gcにより確認できる。
【0093】
また、作成画面Gaにおいて、作成ユーザUaは付与額Pwを直接的には確認できない。
図14の確認メッセージOc1は、付与額Pwを作成ユーザUaに通知するメッセージである。作成ユーザUaは、自身が指示した作成額Paと目標倍率Q(配当倍率R)とに対応する付与額Pwを、確認画面Gcにより確認できる。
【0094】
作成ユーザUaは、投票コンテンツBにおける齟齬の有無を確認画面Gcにより確認する。投票コンテンツBに作成ユーザUaの認識との齟齬がある場合、作成ユーザUaは変更ボタンOc2を操作する。変更ボタンOc2が操作された場合、表示装置31による表示は確認画面Gcから作成画面Gaに遷移する。すなわち、作成ユーザUaは現時点の投票コンテンツBを変更できる。
【0095】
他方、投票コンテンツBに齟齬がない場合、作成ユーザUaは確定ボタンOc3を操作する。確定ボタンOc3が操作された場合、端末装置30aは、情報処理システム10に生成指示を送信する(Sa6)。情報処理システム10の制御装置11は、第1実施形態と同様に、生成指示に応じて投票コンテンツBを生成する(Sb3~Sb8)。
【0096】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第2実施形態においては特に、投票コンテンツBの確定前に確認画面Gcが表示される。したがって、投票コンテンツBにおける内容的な齟齬の有無を作成ユーザUaが確認できる。以上の構成によれば、作成ユーザUaの認識から乖離した投票コンテンツBが作成される可能性を低減できる。したがって、制御装置11の処理負荷および記憶装置12の使用量を削減できる。
【0097】
[第3実施形態]
第1実施形態においては、作成額Paと目標倍率Qとに応じた投票額Pb(数式(3))の全額を投票ユーザUbが使用する場合を想定した。第3実施形態においては、作成額Paに対応する特定の範囲(以下「投票範囲」という)の一部に相当するポイントを、投票ユーザUbが投票額Pbとして使用可能である。
【0098】
投票範囲は、作成額Paに応じた数値を最大値Pmaxとする数値範囲である。具体的には、作成額Paと目標倍率Qとに応じて最大値Pmaxが設定される。例えば最大値Pmaxは、以下の数式(5)で表現される。
Pmax=(Q-1)・Pa (5)
数式(5)から理解される通り、第3実施形態における投票範囲の最大値Pmaxは、第1実施形態における投票額Pbに相当する。すなわち、作成額Paと目標倍率Qとの乗算値である付与額Pwに対する作成額Paの不足分が、最大値Pmaxである。
【0099】
図15は、第3実施形態における投票画面Gbの模式図である。
図15に例示される通り、第3実施形態の投票画面Gbには、第1実施形態の投票額Pbに代えて投票範囲の最大値Pmaxが表示される。具体的には、「(最大値Pmax)以下」という投票範囲が投票ボタンObに表示される。
【0100】
所望の投票コンテンツBに対応する投票ボタンObを投票ユーザUbが操作すると、表示装置31は、投票額入力画面Gdを表示する。投票額入力画面Gdは、投票ユーザUbが投票額Pbを指示するための画面である。投票ユーザUbは、操作装置32を操作することで、投票範囲内の数値を投票額Pbとして投票額入力画面Gdに入力することが可能である。具体的には、投票ユーザUbは、投票範囲の最大値Pmaxを投票額Pbとして指定するほか、最大値Pmaxを下回る正数を投票額Pbとして指定可能である。投票額Pbが入力されると、端末装置30bは、情報処理システム10に投票指示を送信する(Sc4)。投票指示は、投票ユーザUbが投票額入力画面Gdに入力した投票額Pbを含む。
【0101】
情報処理システム10の制御装置11(投票受付部44)は、通信装置13により投票指示を受信する(Sd3)。以上の説明から理解される通り、第3実施形態の制御装置11は、作成額Paに対応する投票範囲内において投票ユーザUbからの指示に応じた可変値を投票額Pbとして、投票コンテンツBに対する投票を受付ける。
【0102】
図16は、第3実施形態における作成額Paと投票額Pbと付与額Pwとの関係の説明図である。
図16においては、作成額Paが1000であり目標倍率Qが3である投票コンテンツBが想定されている。初期的な付与額Pwは3000(Pw=Q・Pa)である。したがって、前述の数式(5)の通り、投票範囲の最大値Pmaxは2000である。なお、配当倍率Rは1.5である。
【0103】
図16の例示の通り、最大値Pmaxを下回る500を投票額Pbとして投票ユーザUbが投票コンテンツBに投票した場合を想定する。最大値Pmaxに対する投票額Pbの比率α(α=Pb/Pmax)は1/4である。以上の状態において、制御装置11(作成額設定部421)は、初期的な作成額Paに対して比率αを乗算した数値(α・Pa)を、更新後の作成額Paとして設定する。具体的には、
図16の状況における更新後の作成額Paは250(=1000×1/4)である。
【0104】
第3実施形態の制御装置11(価値付与部45)は、投票額Pbと更新後の作成額Paとの合計により付与額Pwを算定する(Se4)。例えば、
図16の状況における更新後の付与額Pwは750である。以上の通り、第3実施形態における制御装置11は、作成ユーザUaからの指示に応じた作成額Paと、投票範囲に対する投票額Pbの比率αとに応じて、勝者に付与される付与額Pwを設定する。なお、目標倍率Qおよび配当倍率Rは、作成額Paの更新の前後で変化しない。
【0105】
前述の通り、更新後の作成額Paは、投票コンテンツBの初期的な作成額Paの一部である。したがって、制御装置11は、初期的な作成額Paと更新後の作成額Paとの差分を作成ユーザUaに返却する。具体的には、制御装置11は、報酬処理の終了後に、初期的な作成額Paと更新後の作成額Paとの差分を作成ユーザUaの保有ポイント数Pに加算する。
【0106】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第3実施形態においては特に、投票範囲内において投票ユーザUbからの指示に応じた可変値を投票額Pbとして、投票コンテンツBに対する投票を受付ける。すなわち、投票ユーザUbは、投票範囲の全部に相当する投票額Pbを使用するほか、投票範囲の一部に相当する投票額Pbを使用することも可能である。したがって、例えば投票範囲の全部を投票額Pbとした投票のみが許容される形態と比較して、投票ユーザUbが投票額Pbを決定する自由度が増加し、結果的に投票コンテンツBに対する投票を促進できる。なお、第2実施形態の構成は、第3実施形態にも同様に適用される。
【0107】
[第4実施形態]
図17は、第4実施形態における作成画面Gaの模式図である。
図17に例示される通り、第4実施形態の作成画面Gaは、第1実施形態と同様の要素(Oa11~Oa14,Oa2)に加えて操作領域Oa15を含む。操作領域Oa15は、投票範囲の一部を投票額Pbとする投票(以下「部分投票」という)を、作成ユーザUaが許可するか否かを指定するためのチェックボックスである。作成ユーザUaは、端末装置30aの操作装置32を利用して操作領域Oa15を操作することで、部分投票の可否(許可/禁止)を選択可能である。
【0108】
図18は、第4実施形態における投票コンテンツ情報Cの模式図である。第4実施形態の投票コンテンツ情報Cは、
図5に例示した第1実施形態と同様の要素に加えて設定情報Aを含む。設定情報Aは、部分投票の可否を示す情報(例えばフラグ)である。
【0109】
図19は、第4実施形態における情報処理システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。第4実施形態の制御装置11は、第1実施形態と同様の要素(表示制御部41,情報設定部42,投票コンテンツ生成部43,投票受付部44,価値付与部45)に加えて投票可否設定部46としても機能する。なお、投票可否設定部46は、情報設定部42を構成する要素として把握されてもよい。
【0110】
投票可否設定部46は、作成画面Gaに対する作成ユーザUaからの指示に応じて部分投票の可否(許可/禁止)を設定する。具体的には、投票可否設定部46は、作成ユーザUaからの指示に応じて設定情報Aを設定する。
【0111】
図20は、第4実施形態における投票画面Gbの模式図である。第4実施形態の投票画面Gbには、投票コンテンツByと投票コンテンツBnとを含む複数の投票コンテンツBが表示される。各投票コンテンツByは、部分投票が許可された投票コンテンツBであり、各投票コンテンツBnは、部分投票が禁止された投票コンテンツBである。
【0112】
設定情報Aが部分投票の許可を示す投票コンテンツByにおいては投票範囲が表示される。具体的には、「(最大値Pmax)以下」という投票範囲が表示される。投票コンテンツByを選択した投票ユーザUbは、第3実施形態の例示の通り、投票範囲内の所望の投票額Pbの使用と引換えに投票コンテンツByに投票する。したがって、情報処理システム10の制御装置11(投票受付部44)は、投票範囲の一部または全部を投票額Pbとする投票を受付ける。
【0113】
他方、設定情報Aが部分投票の禁止を示す投票コンテンツBnにおいては固定の投票額Pbが表示される。投票コンテンツBnを選択した投票ユーザUbは、投票額Pbの使用と引換えに投票コンテンツBnに投票する。したがって、情報処理システム10の制御装置11(投票受付部44)は、投票額Pbを使用する投票を受付ける。すなわち、制御装置11は、投票範囲の全部を投票額Pbとする投票のみを受付ける。
【0114】
第4実施形態においても第1実施形態および第3実施形態と同様の効果が実現される。第4実施形態においては特に、作成ユーザUaからの指示に応じて部分投票の可否が設定される。したがって、作成ユーザUaの意図に沿った投票コンテンツBを生成できる。例えば、投票範囲の一部を投票額Pbとする投票を許可することで投票コンテンツBに対する投票を促進することを優先するか、固定の投票額Pbを使用する投票のみを許容することで目標の付与額Pwの確保を優先するかを、作成ユーザUaが選択できる。
【0115】
[第5実施形態]
第3実施形態においては、投票コンテンツBについてひとりの投票ユーザUbが部分投票を実行する場合を想定した。第5実施形態においては、投票コンテンツBの投票範囲内において複数の投票ユーザUbが部分投票を実行可能である。
【0116】
図21は、第5実施形態における作成額Paと投票額Pbと付与額Pwとの関係の説明図である。第5実施形態の制御装置11(投票受付部44)は、投票額Pbの合計値ΣPbが投票範囲内の数値となる範囲で、複数の投票ユーザUbからの投票を受付ける。
図21においては、第3実施形態と同様に作成額Paが1000であり目標倍率Qが3である(したがって、初期的な付与額Pwは3000である)投票コンテンツBについて、投票ユーザUb1が投票額Pb1を500として投票し、投票ユーザUb2が投票額Pb2を1000として投票した場合が想定されている。1以上の投票ユーザUbが使用する投票額Pbが投票範囲の最大値Pmaxに到達すると、制御装置11(投票受付部44)は、投票コンテンツBに対するそれ以上の投票を受付けない。
【0117】
第3実施形態と同様に、制御装置11(作成額設定部421)は、初期的な作成額Paに対して比率αを乗算した数値(α・Pa)を、更新後の作成額Paとして設定する。第5実施形態における比率αは、投票範囲の最大値Pmaxに対する投票額Pbの合計値ΣPbの比率(α=ΣPb/Pmax)である。
図21における合計値ΣPbは1500(ΣPb=Pb1+Pb2)である。
【0118】
また、第5実施形態の制御装置11(価値付与部45)は、投票額Pbの合計値ΣPbと更新後の作成額Paとの合計により付与額Pwを算定する(Se4)。また、第3実施形態と同様に、制御装置11は、初期的な作成額Paと更新後の作成額Paとの差分を作成ユーザUaに返却する。
【0119】
第5実施形態においても第1実施形態および第3実施形態と同様の効果が実現される。第5実施形態においては特に、投票範囲の一部を投票額Pbとする投票を受付けることで投票コンテンツBに対する投票を促進でき、かつ、複数の投票ユーザUbからの投票を受付けることで目標の付与額Pw(Pw=Q・Pa)を確保し易いという利点がある。すなわち、投票コンテンツBに対する投票の促進と目標の付与額Pwの確保とを両立できる。目標の付与額Pwが確保されることで、多数の作成ユーザUaによる投票コンテンツBの作成を促進する効果も期待できる。
【0120】
[第6実施形態]
図22は、第6実施形態の説明図である。
図22においては、作成ユーザUa1からの指示に応じて過去に投票コンテンツB1が生成された状況において、他の作成ユーザUa2により投票コンテンツB2の生成が指示された場合が想定されている。なお、投票コンテンツB1は「第1投票コンテンツ」の一例であり、投票コンテンツB2は「第2投票コンテンツ」の一例である。
【0121】
投票コンテンツB2の条件(例えば投票対象イベント、投票額Pb、および配当倍率R)が、例えば、既存の投票コンテンツB1の条件と同一である場合がある。また、投票コンテンツB2の作成条件Zaが、既存の投票コンテンツB1の投票条件Zbと同一である場合がある。以上の場合に、第6実施形態においては、作成ユーザUa2による投票コンテンツB2の作成の指示が、投票コンテンツB1に対する投票として受付けられる。すなわち、作成ユーザUa2は、投票コンテンツB1に投票する投票ユーザUbと看做される。作成ユーザUa1と投票ユーザUb(作成ユーザUa2)と間で投票対象イベントに関するベットが成立する。
【0122】
図23は、第6実施形態の制御装置11が実行する処理のフローチャートである。端末装置30aから送信された生成指示を通信装置13が受信すること(Sb3)を契機として、
図23の処理が開始される。前述の通り、生成指示は、作成ユーザUa2による投票コンテンツB2の作成の指示を表す情報である。具体的には、生成指示は、投票対象イベントの識別情報Eidと作成条件Zaと作成額Paと目標倍率Qとを含む。
【0123】
図23の処理が開始されると、制御装置11(投票受付部44)は、記憶装置12に記憶された複数の投票コンテンツBのなかに、今回の生成指示が示す投票コンテンツB2に対して所定の関係(以下「対応関係」という)にある投票コンテンツB1が存在するか否かを判定する(Sf1)。対応関係は、例えば、投票コンテンツB1と投票コンテンツB2との間で投票対象イベント、投票額Pbおよび配当倍率Rが共通し、かつ、投票コンテンツB2の作成条件Zaと投票コンテンツB1の投票条件Zbとが共通する関係である。
【0124】
投票コンテンツB2と対応関係にある既存の投票コンテンツB1が存在する場合(Sf1:YES)、制御装置11(投票受付部44)は、投票コンテンツB2の生成指示を、投票コンテンツB1に対する投票指示として受付ける(Sf2)。すなわち、投票コンテンツB2の生成を指示した作成ユーザUa2は、投票コンテンツB1に投票する投票ユーザUbと看做される。具体的には、制御装置11は、投票コンテンツB2について作成ユーザUa2が指示した作成額Paを、投票コンテンツB1の投票に関する投票額Pbとして設定する(Sf3)。そして、制御装置11は、投票コンテンツB1の作成ユーザUaの保有ポイント数Pから作成額Paを減算し(Sf4)、投票ユーザUbの保有ポイント数Pから投票額Pbを減算する(Sf5)。すなわち、作成ユーザUa1による作成額Paの使用と、投票ユーザUb(作成ユーザUa2)による投票額Pbの使用とが確定する。
【0125】
他方、投票コンテンツB2と対応関係にある投票コンテンツB1が存在しない場合(Sf1:NO)、制御装置11(投票コンテン生成部)は、作成ユーザUa2からの指示に応じた投票コンテンツB2を、既存の複数の投票コンテンツBとは別個に生成する(Sb3~Sb8)。
【0126】
第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第6実施形態においては特に、投票コンテンツB2に関する作成の指示が、既存の投票コンテンツB1に対する投票として受付けられる。すなわち、投票コンテンツB2の作成ユーザUa2を投票コンテンツB1の投票ユーザUbと看做すことで、投票コンテンツB1の作成-投票が成立する。したがって、同内容の多数の投票コンテンツBが乱立する可能性を低減できる。また、投票コンテンツBに対する投票の機会が増加するから、生成済の投票コンテンツBが誰にも投票されない可能性が低減され、結果的に投票コンテンツBの作成を促進できる。
【0127】
また、第6実施形態においては、投票コンテンツB2の生成に関する作成額Paが、投票コンテンツB1の投票額Pbと看做される。したがって、投票コンテンツB2の作成ユーザUa2は、作成額Paの変更等の手続を必要とすることなく、投票コンテンツB2の作成に使用する予定であった作成額Paを投票コンテンツB1の投票に流用できる。
【0128】
さらに、第6実施形態においては、投票コンテンツB1の投票対象イベントと投票コンテンツB2の投票対象イベントとが共通し、かつ、投票コンテンツB1の投票条件Zbと投票コンテンツB2の作成条件Zaとが共通する場合に、投票コンテンツB2の生成指示が投票コンテンツB1に対する投票と看做される。したがって、ひとつの投票対象イベントについて評価条件Zが関連する多数の投票コンテンツBが過度に乱立する可能性を低減できる。また、投票コンテンツB2の作成を意図した作成ユーザUa2は、投票コンテンツB2に対する投票により、投票コンテンツB2の作成において想定した目的を達成できる。なお、第2実施形態から第5実施形態の構成は、第6実施形態にも同様に適用される。
【0129】
なお、以上の説明においては、投票コンテンツB1と投票コンテンツB2との間で条件(例えば投票対象イベント、評価条件Z、投票額Pb、および配当倍率R)が共通する関係を対応関係として例示したが、投票コンテンツB1と投票コンテンツB2との間の対応関係は、以上の例示に限定されない。
【0130】
例えば、対応関係は、投票コンテンツB2の条件が投票コンテンツB1の条件と比較して勝者にとって有利である関係でもよい。例えば、投票コンテンツB2の配当倍率Rが投票コンテンツB1の配当倍率Rを上回る関係、または、投票コンテンツB2の作成条件Zaが投票コンテンツB1の投票条件Zbを包含する関係が、対応関係として例示される。投票コンテンツB2の作成条件Zaが投票コンテンツB1の投票条件Zbを包含する関係とは、例えば、投票コンテンツB2の作成条件Zaが「得点差が3点以下である」という条件であり、かつ、投票コンテンツB1の投票条件Zbが「得点差が5点以下である」という条件である関係である。以上の例示の通り、投票コンテンツB1と投票コンテンツB2との対応関係の一例は、投票コンテンツB1の評価条件Zと投票コンテンツB2の評価条件Zとが相互に関連することである。また、対応関係の一例は、前述の例示の通り、投票コンテンツB2の条件が投票コンテンツB1よりも不利になる要素がない関係である。
【0131】
また、投票コンテンツB1と投票コンテンツB2との間に対応関係が成立する場合に、作成ユーザUa2による了承を条件として、投票コンテンツB2の作成指示を投票コンテンツB1の投票と看做してもよい。例えば、制御装置11(表示制御部41)は、投票コンテンツB2と対応関係にある既存の投票コンテンツB1が存在する場合(Sf1:YES)、作成ユーザUa2の端末装置30aの表示装置31に
図24の確認画面Geを表示させる。
【0132】
確認画面Geは、作成ユーザUa2の作成指示を既存の投票コンテンツB1の投票と看做すか否かを作成ユーザUa2に選択させる画面であり、肯定ボタンOe1と否定ボタンOe2とを含む。作成ユーザUa2は、操作装置32を操作することで肯定ボタンOe1および否定ボタンOe2の何れかを選択可能である。肯定ボタンOe1の操作を受付けた場合、制御装置11(投票受付部44)は、投票コンテンツB2の生成指示を、投票コンテンツB1に対する投票指示として受付ける。他方、否定ボタンOe2の操作を受付けた場合、制御装置11(投票コンテン生成部)は、作成ユーザUa2からの指示に応じた投票コンテンツB2を、過去の生成済の投票コンテンツBとは別個に生成する。
【0133】
[第7実施形態]
図25は、第7実施形態の説明図である。
図25においては、作成ユーザUa1からの指示に応じて過去に投票コンテンツB1(作成額Pa)が生成された状況が想定されている。特定のユーザU(以下「補助ユーザUc」という)は、既存の投票コンテンツB1について作成額Paの追加の指示(以下「追加指示」という)を付与することが可能である。追加指示は、作成額Paに追加すべきポイントの数量(以下「追加額Pc」という)の指定を含む。投票コンテンツB1の作成額Paは、補助ユーザUcからの追加指示に応じて、初期的な作成額Paと追加額Pcとの合計値(Pa+Pc)に更新される。すなわち、補助ユーザUcは、作成ユーザUaによる投票コンテンツBの作成を補助するユーザUである。なお、複数のユーザUの各々は、作成ユーザUa、投票ユーザUbおよび補助ユーザUcの何れにもなり得る。
【0134】
図26は、第7実施形態における投票画面Gbの模式図である。第7実施形態の投票画面Gbには、投票コンテンツB毎に投票ボタンObと追加ボタンOb1が表示される。投票ユーザUbは、第1実施形態と同様に、所望の投票コンテンツBの投票ボタンObを操作する。
【0135】
また、補助ユーザUcは、投票画面Gbから所望の投票コンテンツBを探索し、操作装置32を利用して当該投票コンテンツBの追加ボタンOb1を操作する。追加ボタンOb1の操作を受付けると、表示装置31は、追加額入力画面Gfを表示装置31に表示する。追加額入力画面Gfは、補助ユーザUcが追加額Pcを指示するための画面である。補助ユーザUcは、所定の範囲内の数値を追加額Pcとして追加額入力画面Gfに入力することが可能である。
【0136】
図27は、既存の投票コンテンツBに関する作成額Paを追加する処理(以下「追加処理」という)のフローチャートである。前述の投票処理(
図11)と同様の手順により、補助ユーザUcの端末装置30cの表示装置31に
図26の投票画面Gbが表示される(Sg1,Sg2,Sh1,Sh2)。
【0137】
投票画面Gbから所望の投票コンテンツBを探索すると、補助ユーザUcは、操作装置32を利用して追加ボタンOb1を操作し、追加額入力画面Gfに所望の追加額Pcを入力する。追加額Pcの指示を補助ユーザUcから受付けると(Sg3)、端末装置30cは、情報処理システム10に追加指示を送信する(Sg4)。追加指示は、補助ユーザUcが選択した投票コンテンツBの識別情報Bidと、補助ユーザUcの識別情報Uidと、補助ユーザUcが指示した追加額Pcとを含む。
【0138】
情報処理システム10の制御装置11(投票コンテンツ生成部43)は、通信装置13により追加指示を受信する(Sh3)。すなわち、制御装置11は、投票コンテンツBに関する作成額Paの追加を受付ける。具体的には、制御装置11は、投票コンテンツ情報Cに登録された作成額Paを、当該作成額Paと追加額Pcとの加算値に更新し(Sh4)、補助ユーザUcの識別情報Uidを投票コンテンツ情報Cに追加する(Sh5)。
【0139】
図28は、第7実施形態における投票処理の一部のフローチャートである。投票ユーザUbによる投票を受付けると(Sd3,Sd4)、情報処理システム10の制御装置11は、第1実施形態と同様に、作成ユーザUaの保有ポイント数Pから作成額Paを減算する処理(Sd5)と、投票ユーザUbの保有ポイント数Pから投票額Pbを減算する処理(Sd6)とを実行する。第7実施形態の制御装置11は、さらに、補助ユーザUcの保有ポイント数Pから追加額Pcを減算する(Sd7)。以上の説明から理解される通り、制御装置11(投票コンテンツ生成部43)は、補助ユーザUcによる追加額Pcのポイントの使用と引換えに、作成額Paの追加(追加額Pc)を受付ける。初期的な作成額Paに追加額Pcが追加された状態は、投票コンテンツBを作成ユーザUaと補助ユーザUcとが共有している状態とも表現される。
【0140】
また、報酬処理(
図13)において作成条件Zaが成立した場合(Se2)、制御装置11は、作成ユーザUaおよび補助ユーザUcを勝者に決定し、投票ユーザUbを敗者に決定する(Se3)。したがって、制御装置11(価値付与部45)は、作成ユーザUaおよび補助ユーザUcに付与額Pwのポイントを付与する(Se4,Se5)。他方、報酬処理において投票条件Zbが成立した場合(Se2)、制御装置11は、投票ユーザUbを勝者に決定し、作成ユーザUaおよび補助ユーザUcを敗者に決定する(Se3)。すなわち、第7実施形態においては、作成ユーザUaおよび補助ユーザUcの組、または、投票ユーザUbに対して、付与額Pwのポイントが付与される。
【0141】
具体的には、制御装置11は、作成額Paと追加額Pcとの比率(βa,βc)に応じて付与額Pwを按分した数量を、作成ユーザUaおよび補助ユーザUcの各々の保有ポイント数Pに加算する。例えば、付与額Pwに比率βaを乗算した数量が、作成ユーザUaの保有ポイント数Pに加算される。比率βaは、作成額Paと追加額Pcとの合計値に対する作成額Paの比率(βa=Pa/(Pa+Pc))である。他方、付与額Pwに比率βcを乗算した数量が、補助ユーザUcの保有ポイント数Pに加算される。比率βcは、作成額Paと追加額Pcとの合計値に対する追加額Pcの比率(βc=Pc/(Pa+Pc))である。
【0142】
第7実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第7実施形態においては特に、作成ユーザUa以外の補助ユーザUcからの指示に応じて投票コンテンツBの作成額Paが追加される。したがって、投票コンテンツBを独自に生成することのみが各ユーザUに許容される形態と比較して、投票コンテンツBを各ユーザUが作成する作業の負荷を軽減できる。また、作成ユーザUaが作成した既存の投票コンテンツBについて作成額Paが追加されるから、過度に多数の投票コンテンツBが乱立する可能性を低減できる。
【0143】
なお、以上の説明においては、ひとりの補助ユーザUcが1回だけ追加額Pcを使用する形態を例示したが、複数の補助ユーザUcが追加額Pcを使用してもよいし、ひとりの補助ユーザUcが複数回にわたり追加額Pcを使用してもよい。また、第2実施形態から第6実施形態の構成は、第7実施形態にも同様に適用される。
【0144】
[第8実施形態]
図29は、第8実施形態における情報処理システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。第8実施形態の制御装置11は、第1実施形態と同様の要素(表示制御部41,情報設定部42,投票コンテンツ生成部43,投票受付部44,価値付与部45)に加えて公開範囲設定部47としても機能する。なお、公開範囲設定部47は、情報設定部42を構成する要素として把握されてもよい。
【0145】
公開範囲設定部47は、投票コンテンツBの公開範囲を設定する。公開範囲は、投票コンテンツBが投票の対象として提示されるユーザUの条件である。具体的には、公開範囲設定部47は、作成ユーザUaからの指示に応じて投票コンテンツBの公開範囲を設定する。
【0146】
例えば、
(1) 作成ユーザUaが事前に連絡先として登録したユーザU、
(2) 作成ユーザUaとの間でSNS(Social networking service)の交流関係(例えばフォロー関係またはフォロワー関係)にあるユーザU、
(3) 作成ユーザUaが指定した属性のユーザU、
(4) 無制限に公開
を含む複数の選択肢から、作成ユーザUaは公開範囲を選択可能である。なお、ユーザUの属性としては、例えば、年齢、年代、性別、国籍、居住地、職業、出身地または趣味等が例示される。
【0147】
投票処理(
図11)において、情報処理システム10の制御装置11(表示制御部41)は、記憶装置12に記憶された複数の投票コンテンツBのうち、投票ユーザUbを公開範囲に含む投票コンテンツBのリストを、投票画面Gbとして端末装置30bの表示装置31に表示させる(Sd2)。すなわち、各投票コンテンツBが投票候補として提示されるユーザUは、当該投票コンテンツBについて設定された公開範囲内のユーザUに制限される。
【0148】
第8実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第8実施形態においては特に、投票コンテンツBの公開範囲が作成ユーザUaからの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザUaの意図に沿った態様により投票コンテンツBを利用できる。なお、第2実施形態から第7実施形態の構成は、第8実施形態にも同様に適用される。
【0149】
[第9実施形態]
図30は、第9実施形態における情報処理システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。第9実施形態の制御装置11は、第1実施形態と同様の要素(表示制御部41,情報設定部42,投票コンテンツ生成部43,投票受付部44,価値付与部45)に加えて公開可否設定部48としても機能する。なお、公開可否設定部48は、情報設定部42を構成する要素として把握されてもよい。
【0150】
図2を参照して前述した通り、第1実施形態における投票コンテンツBは、作成ユーザUaに関する作成者情報Nを含む。
図30の公開可否設定部48は、作成者情報Nの公開の可否を作成ユーザUaからの指示に応じて設定する。作成ユーザUaは、作成画面Gaにおいて、作成者情報Nの効果を許可するか否かを指示可能である。
【0151】
投票処理(
図11)において、情報処理システム10の制御装置11(表示制御部41)は、作成者情報Nの公開が許可された投票コンテンツBについては作成者情報Nを含む画像を表示装置31に表示させる。他方、制御装置11は、作成者情報Nの公開が許可されない投票コンテンツBについては、
図31に例示される通り、作成者情報Nを含まない画像を表示させる。
【0152】
第9実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第9実施形態においては特に、投票コンテンツBにおける作成者情報Nの公開の可否が、作成ユーザUaからの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザUaの個人情報(作成者情報N)が過度に広範囲に公開されることを抑制できる。なお、第2実施形態から第8実施形態の構成は、第9実施形態にも同様に適用される。
【0153】
なお、以上の説明においては、投票コンテンツBにおける作成者情報Nの表示の有無を作成ユーザUaからの指示に応じて切替える形態を例示したが、投票コンテンツ情報Cにおける作成者情報Nの有無を、作成ユーザUaからの指示に応じて切替えてもよい。例えば、制御装置11(投票コンテンツ生成部43)は、作成者情報Nの公開が許可された場合に、作成者情報Nを含む投票コンテンツ情報Cを生成し、作成者情報Nの公開が許可されない場合、作成者情報Nを含まない投票コンテンツ情報Cを生成する。
【0154】
以上の例示の通り、第9実施形態は、表示装置31における作成者情報Nの表示の有無が制御される構成として包括的に表現され、作成者情報Nの表示の有無を制御するための構成および方法は任意である。
【0155】
[変形例]
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0156】
(1)前述の各形態においては、投票対象イベントの開始前に投票コンテンツBが生成および投票される形態を例示したが、投票コンテンツBの生成または投票の時期は、投票対象イベントの開始前に限定されない。例えば、投票対象イベントの開始から終了までの期間内に投票コンテンツBが生成または投票されてもよい。以上の形態によれば、投票対象イベントの途中経過を参照しながら、作成ユーザUaは投票コンテンツBを作成し、投票ユーザUbは投票コンテンツBに投票できる。
【0157】
(2)前述の各形態においては、投票対象イベントの開始日時が投票期限Tとして設定される形態を例示したが、投票期限Tを設定する構成または方法は、以上の例示に限定されない。例えば、端末装置30aの操作装置32に対する作成ユーザUaからの指示に応じて、投票期限Tが可変に設定されてもよい。
【0158】
(3)前述の各形態においては、評価条件Zが作成条件Zaと投票条件Zbとを含む形態を例示したが、作成条件Zaと投票条件Zbとの区別は省略されてもよい。すなわち、評価条件Zは1個の条件で構成されてもよい。制御装置11は、例えば、評価条件Zが成立した場合に投票ユーザUbを勝者として付与額Pwのポイントを付与し、評価条件Zが成立しない場合には作成ユーザUaを勝者として付与額Pwのポイントを付与する。なお、評価条件Zの成否と投票コンテンツBの勝敗との関係は、以上の例示に限定されない。例えば、評価条件Zが成立した場合に作成ユーザUaに付与額Pwのポイントが付与され、評価条件Zが成立しない場合に投票ユーザUbに付与額Pwのポイントが付与されてもよい。
【0159】
(4)前述の各形態においては、投票コンテンツBにおいて指定される複数の評価条件ZがAND条件である形態を例示したが、複数の評価条件Zの関係は以上の例示に限定されない。例えば、投票コンテンツBの複数の評価条件ZはOR条件でもよい。評価条件Z毎にAND条件およびOR条件の何れかが指定されてもよい。
【0160】
(5)前述の各形態においては、複数の作成条件Zaの一部と複数の投票条件Zbの一部とが成立した場合に、作成ユーザUaに作成額Paが返還され、投票ユーザUbに投票額Pbが返還される形態を例示した。しかし、複数の作成条件Zaの一部と複数の投票条件Zbの一部とが成立した場合に、作成ユーザUaと投票ユーザUbとの間で付与額Pwを按分してもよい。
【0161】
例えば、各作成条件Zaおよび各投票条件Zbについて、各条件の成立の可能性に応じた評価値が設定される。例えば、成立の可能性が低い条件ほど、評価値は大きい数値に設定される。制御装置11は、複数の作成条件Zaのうち実際に成立した一部の作成条件Zaに関する評価値の合計値Xaと、複数の投票条件Zbのうち実際に成立した一部の投票条件Zbに関する評価値の合計値Xbとを算定する。制御装置11(価値付与部45)は、合計値Xaと合計値Xbとの比率に応じた加重値ωaおよび加重値ωbを設定する。加重値ωaは、合計値Xaと合計値Xbとの加算値に対する合計値Xaの比率(ωa=Xa/(Xa+Xb)であり、加重値ωbは、合計値Xaと合計値Xbとの加算値に対する合計値Xbの比率(ωb=Xb/(Xa+Xb)である。
【0162】
制御装置11(価値付与部45)は、加重値ωaと加重値ωbとに応じて付与額Pwを按分する。具体的には、制御装置11は、加重値ωaと付与額Pwとの乗算値ωa・Pwを作成ユーザUaに付与し、加重値ωbと付与額Pwとの乗算値ωb・Pwを投票ユーザUbに付与する。すなわち、複数の作成条件Zaのうち実際に成立した一部の作成条件Zaに応じた数量(ωa・Pw)のポイントが作成ユーザUaに付与され、複数の投票条件Zbのうち実際に成立した一部の投票条件Zbに応じた数量(ωb・Pw)のポイントが投票ユーザUbに付与される。以上の形態によれば、成立の可能性が低い条件が投票対象イベントにおいて成立するほど、当該条件の成立を予想したユーザUに付与されるポイントが増加する。
【0163】
(6)前述の形態においては、作成額Paと投票額Pbとの合計値の全部が付与額Pwとして勝者に付与される形態を例示したが、作成額Paと投票額Pbとの合計値の一部が付与額Pwとして勝者に付与されてもよい。例えば、作成額Paと投票額Pbとの合計値のうち所定の比率の数量は、情報処理システム10の管理者に手数料として還元されてもよい。作成額Paまたは投票額Pbの一部の数量が、手数料として情報処理システム10の管理者に還元されてもよい。
【0164】
(7)前述の各形態においては、作成画面Gaに作成額Paおよび目標倍率Qが表示される形態を例示したが、さらに投票額Pbおよび配当倍率Rも作成画面Gaに表示されてよい。例えば、
図32に例示される通り、作成額Paおよび投票額Pbと、目標倍率Qおよび配当倍率Rとが、作成画面Gaに表示される。作成ユーザUaは、操作装置32を操作することで、作成額Pa、投票額Pb、目標倍率Qまたは配当倍率の各数値を指示することが可能である。
【0165】
前述の通り、作成額Paと投票額Pbとは相互に連動する。したがって、作成額Paおよび投票額Pbの一方が作成ユーザUaにより変更されると、作成額Paおよび投票額Pbの他方も連動して変更される。また、目標倍率Qと配当倍率Rとは相互に連動する。したがって、目標倍率Qおよび配当倍率Rの一方が作成ユーザUaにより変更されると、目標倍率Qおよび配当倍率Rの他方も連動して変更される。
図32の作成画面Gaを参照することで、作成ユーザUaは、作成額Paと投票額Pbとの関係、または、目標倍率Qと配当倍率Rとの関係を随時に確認しながら、作成画面Gaを操作することが可能である。
【0166】
(8)前述の各形態においては、作成画面Gaにおいて作成ユーザUaが作成条件Zaを指示する形態を例示したが、作成画面Gaにおいて作成ユーザUaが投票条件Zbを指示する形態も想定される。例えば、
図33に例示される作成画面Gaが端末装置30aの表示装置31に表示される。
【0167】
図33の作成画面Gaは、第1実施形態と同様の要素(Oa11~Oa14,Oa2)に加えて操作領域Oa16を含む。操作領域Oa16は、投票条件Zbの指示を作成ユーザUaから受付けるための領域である。具体的には、操作領域Oa16は、投票条件Zbに関する条件カテゴリの選択を受付ける領域Oa161と、当該条件カテゴリに属する詳細条件の選択を受付ける領域Oa162とを含む。作成ユーザUaは、操作領域Oa12の操作により作成条件Zaを指示できるほか、操作領域Oa16の操作により投票条件Zbを指示できる。なお、作成条件Zaおよび投票条件Zbの一方を作成ユーザUaが指示した場合に、作成条件Zaおよび投票条件Zbの他方が当該指示に応じた内容に自動的に更新されてもよい。
【0168】
なお、作成画面Gaにおいて作成ユーザUaが投票条件Zbのみを指示する形態も想定される。例えば、
図33の作成画面Gaにおいて作成条件Zaの受付のための操作領域Oa12は省略されてもよい。
【0169】
(9)前述の各形態においては、作成ユーザUaからの指示に応じて作成額Paが設定される形態を例示したが、作成ユーザUaからの指示が作成額Paに反映される構成は必須ではない。例えば、作成額Paは、作成ユーザUaからの指示とは無関係に事前に設定された固定値でもよい。
【0170】
(10)前述の各形態においては、作成ユーザUaからの指示に応じて配当倍率R(または目標倍率Q)が設定される形態を例示したが、作成ユーザUaからの指示が配当倍率Rに反映される構成は必須ではない。具体的には、配当倍率R(または目標倍率Q)は、作成ユーザUaからの指示とは無関係に事前に設定された固定値でもよい。例えば、制御装置11(配当倍率設定部423)は、投票コンテンツBに対する投票の状況(例えば投票数または投票額Pbの合計)に応じて配当倍率Rを設定してもよい。例えば、投票数が多い(または投票額Pbの合計が多い)ほど、配当倍率Rは小さい数値に設定される。
【0171】
(11)前述の各形態に係る情報処理システム10の機能は、制御装置11を構成する1以上のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網200を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0172】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0173】
[付記1]
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様(付記1)に係る情報処理システム(100)は、投票コンテンツ(B)を作成する作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて配当倍率(R)を設定する配当倍率設定部(423)と、前記作成ユーザ(Ua)による作成額(Pa)の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件(Z)と、前記配当倍率(R)とを含む前記投票コンテンツ(B)を生成する投票コンテンツ生成部(43)と、前記投票コンテンツ(B)に投票する投票ユーザ(Ub)による投票額(Pb)の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツ(B)に対する前記投票ユーザ(Ub)からの投票を受付ける投票受付部(44)と、前記作成額(Pa)または前記投票額(Pb)と、前記配当倍率(R)とに応じた付与額(Pw)の価値媒体を、前記評価条件(Z)の成否に応じて前記作成ユーザ(Ua)または前記投票ユーザ(Ub)に付与する価値付与部(45)とを具備する。
【0174】
以上の態様においては、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定された配当倍率(R)を含む投票コンテンツ(B)が生成され、配当倍率(R)に応じた付与額(Pw)の価値媒体が、評価条件(Z)の成否に応じて作成ユーザ(Ua)または投票ユーザ(Ub)に付与される。したがって、配当倍率(R)が所定のルールにより自動的に設定される構成と比較して、投票コンテンツ(B)の作成ユーザ(Ua)と投票ユーザ(Ub)との間の駆引きによる興趣性を向上できる。
【0175】
「作成ユーザ(Ua)」および「投票ユーザ(Ub)」は、情報処理システム(100)が提供するサービスを享受する一般のユーザ(U)である。多数のユーザ(U)のうち投票コンテンツ(B)の作成を所望するユーザ(U)が、作成額(Pa)の価値媒体の使用と引換えに投票コンテンツ(B)を作成できる。また、多数のユーザ(U)のうち投票コンテンツ(B)に対する投票を所望するユーザ(U)が、投票額(Pb)の価値媒体の使用と引換えに投票コンテンツ(B)に投票できる。
【0176】
「投票コンテンツ(B)」は、投票の対象となる任意のコンテンツである。例えば、投票コンテンツ(B)は、複数のユーザ(U)の間で発生し得る価値媒体の授受を規定する情報(例えば評価条件(Z)または投票倍率等の条件)である。また、「投票」は、投票コンテンツ(B)に対する関与を意味する。例えば、投票コンテンツ(B)により規定される価値媒体の授受(受取または受取)を受諾する意思表示が「投票」に相当する。
【0177】
「投票対象イベント」は、投票コンテンツ(B)が対象とする任意のイベントである。例えばスポーツ等に関するスポーツイベント、eスポーツ等のゲームイベント、選挙等の社会的なイベント、映画または音楽等の娯楽に関するイベント、将棋またはチェス等のゲームイベント等、例えば目的または参加者の如何を問わない任意のイベントが「投票対象イベント」として例示される。また、複数のイベントの集合が「投票対象イベント」とされてもよい。例えば、相異なる日時に実施される複数の試合を含むリーグ戦の全体が「投票対象イベント」として例示される。
【0178】
「評価条件(Z)」は、投票対象イベントに関する任意の条件である。例えばスポーツイベントまたはゲームイベントにおける結果(例えば勝敗)、選挙等の社会的なイベントにおける勝敗、映画または音楽等のイベントにおける受賞者または興行成績が、「評価条件(Z)」として例示される。なお、「評価条件(Z)」は、投票対象イベントの最終的な結果に関する条件に限定されない。例えば、投票対象イベントの進行の過程に関する条件も「評価条件(Z)」として想定される。例えば、スポーツイベントにおける特定の状況(例えばサッカーにおけるペナルティキックまたは野球におけるホームラン)の発生回数も、評価条件(Z)として例示される。また、各種のスポーツイベントにおける出場選手または最優秀選手(MVP)等、出場者に関する条件も「評価条件(Z)」として例示される。なお、「評価条件(Z)」は、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定されてもよいし、事前に固定的に設定されてもよい。
【0179】
「配当倍率(R)」は、価値媒体の数量(付与額(Pw))を決定するためのパラメータである。「配当倍率(R)」は、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定される。例えば、作成ユーザ(Ua)が配当倍率(R)の数値を直接的に指示する形態、配当倍率(R)の複数の候補値の何れかを作成ユーザ(Ua)が選択する形態、または、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じた各種のパラメータに対する所定の演算により配当倍率(R)が設定される形態が想定される。
【0180】
「価値媒体」は、複数のユーザ(U)の間で授受される価値である。例えば商品または役務と交換可能な任意の種類の価値が「価値媒体」として例示される。商品または役務と直接的に交換可能な価値のほか、例えば割引等の特典の享受のために消費される価値、または、他の種類の価値媒体に交換可能な価値も「価値媒体」に包含される。「価値媒体」は、投票コンテンツ(B)の生成または投票に専用されてもよいし、投票コンテンツ(B)以外の用途に汎用されてもよい。
【0181】
「価値媒体」の典型例は、各種のサービスに利用されるポイントである。また、物理通貨または電子通貨等の通貨(金銭)も「価値媒体」として例示される。
【0182】
「作成額(Pa)の価値媒体の使用と引換えに」とは、価値媒体の作成額(Pa)の使用が要求されることを意味する。なお、価値媒体(作成額(Pa))が実際に使用される時期(例えば作成ユーザ(Ua)の管理口座から作成額(Pa)が引出される時期)は、投票コンテンツ(B)の生成前および生成後の何れでもよいし、投票ユーザ(Ub)による投票前および投票後の何れでもよい。また、投票コンテンツ(B)の生成のための条件は、「作成額(Pa)の価値媒体の使用」に限定されない。例えば、作成額(Pa)の価値媒体の使用に加えて他の条件が成立することを条件として、投票コンテンツ(B)が生成されてもよい。
【0183】
「投票額(Pb)の価値媒体の使用と引換えに」とは、価値媒体の投票額(Pb)の使用が要求されることを意味する。なお、価値媒体(投票額(Pb))が実際に使用される時期(例えば投票ユーザ(Ub)の管理口座から投票額(Pb)が引出される時期)は、投票コンテンツ(B)の生成前および生成後の何れでもよいし、投票ユーザ(Ub)による投票前および投票後の何れでもよい。また、投票コンテンツ(B)の投票のための条件は、「投票額(Pb)の価値媒体の使用」に限定されない。例えば、投票額(Pb)の価値媒体の使用に加えて他の条件が成立することを条件として、投票コンテンツ(B)に対する投票が発生してもよい。
【0184】
「作成額(Pa)」、「投票額(Pb)」および「付与額(Pw)」は、価値媒体の数量である。例えば、投票コンテンツ(B)の生成のために要求される価値媒体の数量である。例えば、「投票額(Pb)」は、投票コンテンツ(B)に対する投票のために要求される価値媒体の数量である。
【0185】
「評価条件(Z)の成否に応じて」とは、価値媒体の付与が評価条件(Z)の成否に依存することを意味する。例えば、評価条件(Z)が成立した場合に作成ユーザ(Ua)および投票ユーザ(Ub)の一方に価値媒体が付与され、評価条件(Z)が成立しない場合に作成ユーザ(Ua)および投票ユーザ(Ub)の他方に価値媒体が付与される形態が想定される。また、評価条件(Z)の成否に応じて、作成ユーザ(Ua)および投票ユーザ(Ub)の各々に付与される価値媒体の比率が変化する形態も想定される。
【0186】
[付記2]
付記1の具体例(付記2)において、前記作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて前記作成額(Pa)を設定する作成額設定部(421)をさらに具備する。以上の態様においては、配当倍率(R)に加えて投票コンテンツ(B)の作成額(Pa)も作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザ(Ua)が配当倍率(R)のみを設定できる形態と比較して、作成ユーザ(Ua)による意図に沿った投票コンテンツ(B)を生成できる。
【0187】
[付記3]
付記1または付記2の具体例(付記3)において、前記投票受付部(44)は、前記作成額(Pa)に対応する投票範囲内において前記投票ユーザ(Ub)からの指示に応じた可変値を前記投票額(Pb)として、前記投票コンテンツ(B)に対する投票を受付け、前記価値付与部(45)は、前記作成額(Pa)と、前記投票範囲に対する前記投票額(Pb)の比率とに応じて、前記付与額(Pw)を設定する。以上の態様において、投票範囲内において投票ユーザ(Ub)からの指示に応じた可変値を投票額(Pb)として、投票コンテンツ(B)に対する投票を受付ける。すなわち、投票ユーザ(Ub)は、投票範囲の全部に相当する投票額(Pb)を使用するほか、投票範囲の一部に相当する投票額(Pb)を使用することも可能である。したがって、例えば投票範囲の全部を投票額(Pb)とした投票のみが許容される形態と比較して、投票ユーザ(Ub)が投票額(Pb)を決定する自由度が増加し、結果的に投票コンテンツ(B)に対する投票を促進できる。
【0188】
「投票範囲」は、投票額(Pb)がとり得る数値の範囲である。具体的には、投票範囲の最大値(Pmax)が作成額(Pa)に応じて設定される。例えば、作成額(Pa)と配当倍率(R)との乗算値から作成額(Pa)を減算した数値が、「投票範囲」の最大値(Pmax)として設定される。
【0189】
[付記4]
付記3の具体例(付記4)において、前記投票範囲の一部を前記投票額(Pb)とする投票の可否を、前記作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定する投票可否設定部(46)をさらに具備し、前記投票受付部(44)は、前記投票範囲の一部を前記投票額(Pb)とする投票が前記投票可否設定部(46)により許可された場合に、前記投票範囲の一部を前記投票額(Pb)とする投票を受付け、前記投票範囲の一部を前記投票額(Pb)とする投票が前記投票可否設定部(46)により許可されない場合に、前記投票範囲の全部を前記投票額(Pb)とする投票を受付ける。以上の態様においては、投票範囲の一部を投票額(Pb)とする投票の可否が、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザ(Ua)の意図に沿った投票コンテンツ(B)を生成できる。例えば、投票範囲の一部を投票額(Pb)とする投票を許可することで投票コンテンツ(B)に対する投票を促進することを優先するか、投票範囲の全部を投票額(Pb)とする投票のみを許容することで目標の付与額(Pw)の確保を優先するかを、作成ユーザ(Ua)が選択できる。
【0190】
[付記5]
付記3または付記4の具体例(付記5)において、前記投票受付部(44)は、前記投票額(Pb)の合計値が前記投票範囲内の数値となる範囲で、複数の前記投票ユーザ(Ub)からの投票を受付ける。以上の態様によれば、投票範囲の一部を投票額(Pb)とする投票を受付けることで投票コンテンツ(B)に対する投票を促進でき、かつ、複数の投票ユーザ(Ub)からの投票を受付けることで目標の付与額(Pw)を確保し易いという利点がある。すなわち、投票コンテンツ(B)に対する投票の促進と目標の付与額(Pw)の確保とを両立できる。
【0191】
[付記6]
付記1から付記5の何れかの具体例(付記6)において、前記投票受付部(44)は、生成済の第1投票コンテンツ(B)に対して所定の関係にある第2投票コンテンツ(B)の作成の指示を、前記第1投票コンテンツ(B)に対する投票として受付ける。以上の態様によれば、第2投票コンテンツ(B)の作成の指示が、第1投票コンテンツ(B)に対する投票として受付けられる。すなわち、第2投票コンテンツ(B)の作成ユーザ(Ua)を第1投票コンテンツ(B)の投票ユーザ(Ub)と看做すことで、投票コンテンツ(B)の作成-投票が成立する。したがって、過度に多数の投票コンテンツ(B)が乱立する可能性を低減できる。
【0192】
「所定の関係」とは、投票コンテンツ(B)の内容に関する関係である。例えば、第1投票コンテンツ(B)と第2投票コンテンツ(B)との間における、投票対象イベント、評価条件(Z)または配当倍率(R)等に関する関係が「所定の関係」として例示される。
【0193】
[付記7]
付記6の具体例(付記7)において、前記投票受付部(44)は、前記第2投票コンテンツ(B)の生成に関する作成額(Pa)を、前記第1投票コンテンツ(B)の投票に関する投票額(Pb)として、前記第1投票コンテンツ(B)に対する投票を受付ける。以上の態様によれば、第2投票コンテンツ(B)の生成に関する作成額(Pa)が、第1投票コンテンツ(B)の投票額(Pb)と看做される。したがって、第2投票コンテンツ(B)を作成するユーザ(U)は、作成額(Pa)の変更等の手続を必要とすることなく、第2投票コンテンツ(B)の作成に使用する予定であった作成額(Pa)を第1投票コンテンツ(B)の投票に流用できる。
【0194】
[付記8]
付記6または付記7の具体例(付記8)において、前記所定の関係は、前記第1投票コンテンツ(B)の投票対象イベントと前記第2投票コンテンツ(B)の投票対象イベントとが共通し、かつ、前記第1投票コンテンツ(B)の評価条件(Z)と前記第2投票コンテンツ(B)の評価条件(Z)とが関連することを含む。以上の態様によれば、ひとつの投票対象イベントについて評価条件(Z)が関連する多数の投票コンテンツ(B)が過度に乱立する可能性を低減できる。また、第2投票コンテンツ(B)の作成を意図したユーザ(U)は、第1投票コンテンツ(B)に対する投票により、第2投票コンテンツ(B)の作成において想定した目的を達成できる。
【0195】
評価条件(Z)が「関連する」とは、第1投票コンテンツ(B)の評価条件(Z)と第2投票コンテンツ(B)の評価条件(Z)との間に所定の関係が成立することを意味する。評価条件(Z)に関する「所定の関係」は、第1投票コンテンツ(B)における評価条件(Z)の内容と、第2投票コンテンツ(B)における評価条件(Z)の内容との間に成立し得る任意の関係である。例えば、「所定の関係」の典型例は、第1投票コンテンツ(B)と第2投票コンテンツ(B)との間で評価条件(Z)が共通する関係、または、第1投票コンテンツ(B)および第2投票コンテンツ(B)の一方の評価条件(Z)が他方の評価条件(Z)を包含する関係である。
【0196】
[付記9]
付記1から付記8の何れかの具体例(付記9)において、前記投票コンテンツ生成部(43)は、前記作成ユーザ(Ua)以外の1以上のユーザ(Uc)による価値媒体の使用と引換えに、前記作成額(Pa)の追加を受付け、前記価値付与部(45)は、前記作成ユーザ(Ua)および前記1以上のユーザ(Uc)、または、前記投票ユーザ(Ub)に、前記付与額(Pw)の価値媒体を付与する。以上の態様によれば、作成ユーザ(Ua)以外の1以上のユーザ(Uc)からの指示に応じて作成額(Pa)が追加される。したがって、投票コンテンツ(B)を独自に生成することのみが各ユーザ(U)に許容される形態と比較して、投票コンテンツ(B)を各ユーザ(U)が作成する作業の負荷を軽減できる。また、作成ユーザ(Ua)が作成した既存の投票コンテンツ(B)について作成額(Pa)が追加されるから、過度に多数の投票コンテンツ(B)が乱立する可能性を低減できる。
【0197】
[付記10]
付記1から付記9の何れかの具体例(付記10)において、前記作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて生成された前記投票コンテンツ(B)の公開範囲を、前記作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定する公開範囲設定部(47)をさらに具備する。以上の態様によれば、投票コンテンツ(B)の公開範囲が作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定される。したがって、作成ユーザ(Ua)の意図に沿った態様により投票コンテンツ(B)を利用できる。
【0198】
投票コンテンツ(B)の「公開範囲」は、投票コンテンツ(B)が公開される範囲である。投票ユーザ(Ub)は投票コンテンツ(B)の確認後に投票するから、「公開範囲」は、投票コンテンツ(B)に対する投票が許容されるユーザ(U)の条件とも表現される。「公開範囲」は、例えば作成ユーザ(Ua)との関係により作成ユーザ(Ua)から指示される。例えば、作成ユーザ(Ua)との間で交流関係(例えばSNSにおけるフレンド関係、フォロー関係またはフォロワー関係)が成立しているユーザ(U)が「公開範囲」として指定される。また、例えば年齢または居住地等の属性に関する条件が、公開範囲として指定されてもよい。
【0199】
[付記11]
付記1から付記10の何れかの具体例(付記11)において、前記作成ユーザ(Ua)に関する作成者情報(N)の公開の可否を、前記作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定する公開可否設定部(48)をさらに具備し、前記投票コンテンツ(B)は、前記作成者情報(N)の公開が前記公開可否設定部(48)により許可された場合に、前記作成者情報(N)を含み、前記作成者情報(N)の公開が前記公開可否設定部(48)により許可されない場合に、前記作成者情報(N)を含まない。以上の態様によれば、投票コンテンツ(B)における作成者情報(N)の公開の可否を、作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて設定できる。したがって、作成者情報(N)が過度に広範囲に公開されることを抑制できる。
【0200】
[付記12]
本開示のひとつの態様(付記12)に係る情報処理方法は、投票コンテンツ(B)を作成する作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて配当倍率(R)を設定することと、前記作成ユーザ(Ua)による作成額(Pa)の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件(Z)と、前記配当倍率(R)とを含む前記投票コンテンツ(B)を生成することと、前記投票コンテンツ(B)に投票する投票ユーザ(Ub)による投票額(Pb)の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツ(B)に対する前記投票ユーザ(Ub)からの投票を受付けることと、前記作成額(Pa)または前記投票額(Pb)と、前記配当倍率(R)とに応じた付与額(Pw)の価値媒体を、前記評価条件(Z)の成否に応じて前記作成ユーザ(Ua)または前記投票ユーザ(Ub)に付与することと、を含む。
【0201】
[付記13]
本開示のひとつの態様(付記13)に係るプログラムは、投票コンテンツ(B)を作成する作成ユーザ(Ua)からの指示に応じて配当倍率(R)を設定する配当倍率設定部(423)、前記作成ユーザ(Ua)による作成額(Pa)の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件(Z)と、前記配当倍率(R)とを含む前記投票コンテンツ(B)を生成する投票コンテンツ生成部(43)、前記投票コンテンツ(B)に投票する投票ユーザ(Ub)による投票額(Pb)の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツ(B)に対する前記投票ユーザ(Ub)からの投票を受付ける投票受付部(44)、および、前記作成額(Pa)または前記投票額(Pb)と、前記配当倍率(R)とに応じた付与額(Pw)の価値媒体を、前記評価条件(Z)の成否に応じて前記作成ユーザ(Ua)または前記投票ユーザ(Ub)に付与する価値付与部(45)、としてコンピュータシステムを機能させる。
【符号の説明】
【0202】
100…通信システム、200…通信網、10…情報処理システム、11…制御装置、12…記憶装置、13…通信装置、20…管理システム、30(30a,30b,30c)…端末装置、31…表示装置、32…操作装置、41…表示制御部、42…情報設定部、421…作成額設定部、422…投票額設定部、423…配当倍率設定部、43…投票コンテンツ生成部、44…投票受付部、45…価値付与部、46…投票可否設定部、47…公開範囲設定部、48…公開可否設定部。
【要約】
【課題】投票コンテンツに関する興趣性を向上する。
【解決手段】情報処理システムは、投票コンテンツを作成する作成ユーザからの指示に応じて配当倍率を設定する配当倍率設定部と、前記作成ユーザによる作成額の価値媒体の使用と引換えに、投票対象イベントにおいて成立し得る評価条件と、前記配当倍率とを含む前記投票コンテンツを生成する投票コンテンツ生成部と、前記投票コンテンツに投票する投票ユーザによる投票額の価値媒体の使用と引換えに、前記投票コンテンツに対する前記投票ユーザからの投票を受付ける投票受付部と、前記作成額または前記投票額と、前記配当倍率とに応じた付与額の価値媒体を、前記評価条件の成否に応じて前記作成ユーザまたは前記投票ユーザに付与する価値付与部とを具備する。
【選択図】
図8