IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 田邉 愛美の特許一覧

<>
  • 特許-化粧品組成物、化粧品、および石鹸 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】化粧品組成物、化粧品、および石鹸
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9741 20170101AFI20241118BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
A61K8/9741
A61Q19/10
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2024067302
(22)【出願日】2024-04-18
【審査請求日】2024-04-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年7月2日ウェブサイトで公開(https://ambition.shop ̄pro.jp/?pid=16104060)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年3月23日、24日新潟県上越市の商業施設フルサットで販売
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年2月10日柏崎日報にて公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和6年1月25日、26日東京都虎ノ門ヒルズフォーラムにて開催された展示会「ヒットをねらえ!地域のおすすめセレクション2024」にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524150580
【氏名又は名称】田邉 愛美
(74)【代理人】
【識別番号】100159178
【弁理士】
【氏名又は名称】榛葉 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】田邉 愛美
【審査官】佐々木 典子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-088856(JP,A)
【文献】国際公開第2005/082328(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0239816(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102643726(CN,A)
【文献】特開2006-249285(JP,A)
【文献】特開2011-195493(JP,A)
【文献】特開2003-095911(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
C11D 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スギナの胞子茎から分離した胞子であるツクシの胞子由来成分を有効成分とし、
前記ツクシの胞子由来成分は、前記胞子茎から分離した胞子から得られる成分であり、前記胞子茎自体または前記胞子茎の抽出物を含まない、化粧品組成物。
【請求項2】
前記ツクシの胞子由来成分は、ツクシの胞子から抽出した抽出物、または、ツクシの胞子の破砕物である、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化粧品組成物を含有する、化粧品。
【請求項4】
化粧品100gあたり0.5g以上のツクシの胞子から得た前記ツクシの胞子由来成分を含有する、請求項3に記載の化粧品。
【請求項5】
請求項1または2に記載の化粧品組成物を含有する、石鹸。
【請求項6】
馬油をさらに含有する、請求項に記載の石鹸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品組成物、化粧品、および石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、化粧品を使用する消費者において、環境に対する意識が高まっているとともに、安全性や肌への影響を鑑み、自然素材由来の成分を配合した化粧品のニーズが高まっている。このような状況に鑑み、たとえば、特許文献1では、生ゴマ油とココナッツ油とを有効成分として有する天然植物性固形石鹸が提案されている。また、特許文献2では、サラシア属植物の抽出エキス及び/又はその微粉砕物を含む石鹸が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】登録実用新案第3187672号
【文献】特開2012-255109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2で使用する自然素材は、日本にほとんど自生しておらず、日本で自生する身近な植物を用いた、安全かつ肌によい化粧品が望まれていた。
発明者は、山野に自生するツクシ(ヨモギの胞子茎、以下、「ツクシ」と言う。)を採取した後に、ツクシの胞子が付いた手を石鹸で洗ったところ、肌に、今までに感じたことがない、つるつる、すべすべとした肌となった経験から、本発明を創作した。
【0005】
本発明は、身近で採取することができる植物のツクシを用いて、肌の状態を改善することができる化粧品組成物、化粧品および石鹸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る化粧品組成物は、スギナの胞子茎であるツクシの胞子由来成分を有効成分とし、前記ツクシの胞子由来成分は、前記胞子茎から分離した胞子から得られる成分であり、前記胞子茎自体または前記胞子茎の抽出物を含まない
上記化粧品組成物において、前記ツクシの胞子由来成分は、ツクシの胞子から抽出した抽出物、または、ツクシの胞子の破砕物である構成とすることができる。
本発明に係る化粧品は、上記化粧品組成物を含有する。
上記化粧品組成物において、化粧品100gあたり、0.5g以上のツクシの胞子から得た前記ツクシの胞子由来成分を含有する構成とすることができる。
本発明に係る石鹸は、上記化粧品組成物を含有することを特徴とする。
上記石鹸において、馬油をさらに含有する構成とすることができる。

【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、身近で採取することができる植物であるツクシを用いて、肌の状態を改善することができる化粧品組成物、化粧品および石鹸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ツクシの胞子の成分分析の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施形態を説明する。本発明は、ツクシの胞子由来成分を有効成分として含有する化粧品組成物、並びに、当該化粧品組成物を含有する化粧品および石鹸に関し、以下においては、ツクシの胞子由来成分として、ツクシの胞子から抽出した抽出物を有効成分として含有する石鹸を例示して、本発明を説明する。
【0010】
シダ植物であるスギナ(Equisetum arvense)は胞子で繁殖する。スギナの茎のうち、胞子をつけ、胞子を散布するために特化した茎が「ツクシ」である。「ツクシ」はスギナの胞子茎(又は胞子穂、胞子体)と呼ばれることもある。通常スギナと呼ばれているものは、ツクシがその役割を終えた後に生えてくる葉緑素を持つ緑色の栄養茎と葉のことである。従って、スギナの葉には通常のシダ植物の葉裏にある胞子嚢はない。
【0011】
本発明は、ツクシの胞子由来成分を有効成分として含有することを特徴とする。本実施形態では、ツクシの胞子由来成分として、ツクシの胞子そのものを用いる構成とすることもできるし、ツクシの胞子を破砕した破砕物を用いる構成とすることができる。また、ツクシの胞子由来成分を、ツクシの胞子から抽出した抽出物とすることもできる。なお、ツクシの胞子の破砕物を用いる場合の、ツクシの胞子の破砕方法は、特に限定されず、超音波破砕、酵素処理破砕、凍結融解による破砕、機械的破砕などの方法を用いることができる。さらに、ツクシの胞子の抽出物を用いる場合のツクシの胞子の抽出方法も、特に限定されず、水のみ、有機溶媒のみ、または、水と有機溶媒との混合溶液を用いて、常温または加熱下で抽出することができる。
【0012】
ツクシの胞子は、野山などに自生しているツクシから採取することができる。しかしながら、ツクシの胞子は、春にしか採取することができず、また、ツクシ(胞子茎)8000本から200g程度しか採取できないため、希少な素材であると言える。このようにツクシの胞子は希少な素材であるため、ツクシの胞子を効率的に収集するために、以下の方法でツクシを収集することが好ましい。
【0013】
すなわち、まず、野山に自生するツクシを摘み取った後に、1日~数日間乾燥させ、その後、ツクシの胞子茎を小さく振ることで、ツクシの胞子を自然落下させて収集する。この際に、ツクシの胞子以外のごみも落下する場合があるので、ツクシの胞子をふるいにかけて、胞子だけを収集することが好ましい。なお、ツクシの胞子は軽く、ふるいをかける際に舞い散るおそれがあるため、大きめの袋の中でふるいをかけることが好ましい。
【0014】
また、本実施形態に係る石鹸は、ツクシの胞子由来成分を有効成分として含有していれば、石鹸において一般的に含有することができる他の成分を含有することができる。また、本実施形態では、石鹸を例示しているが、石鹸以外の化粧品において、当該化粧品において一般的に含有することができる他の成分を含有することができる。たとえば、本実施形態に係る石鹸では、ツクシの胞子由来成分のほか、石鹸の主成分となる馬油およびパーム硬化油などの油脂、水酸化ナトリウムや塩化ナトリウムなどのアルカリ、グラニュー糖、トレハロース、ヒアルロン酸などの添加物を含むことができる。なお、油脂やアルカリは、上記に限定されず、石鹸において公知に使用されている油脂やアルカリを添加する構成とすることもできる。
【0015】
さらに、添加物として、上記の他に、石鹸などに通常使用される以下のような添加剤を含有させることも可能である。たとえば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール;環状シリコーン、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサンなどのシリコーン油;パルミチン酸2-エチルヘキシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピルなどのエステル油;エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール;グリセリン、ジグリセリン、プロパンジオール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール;ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルカノールアミド等の非イオン性界面活性剤;脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヒドロキシアルキルヒドロキシエチルサルコシンなどの両性界面活性剤;アルキルエーテル硫酸エステル塩、アミドエーテル硫酸エステル塩などの陰イオン性界面活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーなどの水溶性高分子;アミノ酸(DL-アラニン、アスパラギン酸ナトリウム、セリン、プロリンなど)、ペプチドおよびタンパク質(加水分解シルク、加水分解エラスチン、加水分解コラーゲン、ホエイなど)、糖(グルコース、スクロース、トレハロース等)、ムコ多糖(ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸など)などの保湿剤;コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのpH調整剤;イソプロピルメチルフェノール、グリセリンモノ2-エチルヘキシルエーテル、ヒノキチオールなどの殺菌剤;エチレンジアミン四酢酸四ナトリウムなどのキレート剤;アスコルビン酸、トコフェロールなどの抗酸化剤;パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、フェノキシエタノールなどの防腐剤;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、オキシベンゾン、サリチル酸ホモメンチルなどの紫外線吸収剤;アシタバ抽出物、ブドウ葉抽出物、タチジャコウソウ抽出物などの動植物由来の天然エキス;ベニバナ色素、β-カロテン等の色素;酸化亜鉛、酸化チタンなどの顔料;メントール、ダマスクバラ花油、ラベンダーエキスなどの香料が挙げられる。なお、 上記添加剤は、目的に応じて、1種または2種以上を含有させることができる。
【0016】
以下に、本実施形態に係る石鹸の製造方法の一例について説明する。本実施形態に係る石鹸は、以下に説明する点以外は、通常の固形石鹸の製造方法と同様の方法で製造することができる。
【0017】
まず、ツクシの胞子由来成分として、ツクシの胞子の抽出物を得るため、ツクシの胞子を抽出する工程を行う。抽出方法は、特に限定されず、浸漬抽出など公知の方法を用いることができる。一例として、ツクシの胞子を、水溶性溶媒に浸漬し、5~80℃で、より好ましくは20~30℃で、数時間から数十日抽出することで、ツクシの胞子の抽出物を得ることができる。
【0018】
なお、抽出に用いるツクシの胞子は、ツクシから採取した胞子そのままであってもよいが、胞子を破砕した破砕物を用いる構成とすることもできる。また、ツクシの胞子は、加熱乾燥または凍結乾燥したのを用いてもよい。抽出溶媒も特に限定されないが、精製水、または、精製水と有機溶媒とを混合した水溶性溶媒を用いることができる。水溶性溶媒に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,2-ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリンなどが例示され、これらは1種または2種以上を混合したものを用いることができる。
【0019】
そして、抽出したツクシの胞子の抽出物を、一般的に石鹸に用いられる材料に添加することで、本実施形態に係る石鹸を製造することができる。本実施形態では、一例として、以下の方法により石鹸を製造する。
【0020】
本実施形態では、馬油およびパーム硬化油などの油脂と、グリセリンと、精製水との混合液に、水酸化ナトリウムおよび塩化ナトリウムを添加し、常温または加熱下にて攪拌することで鹸化させる。さらに、予め用意したつくしの胞子の抽出物と、トレハロース、ヒアルロン酸、グラニュー糖などの添加剤とを鹸化した材料に添加し混合した後に、乾燥させて、石鹸素地として調整する。そして、石鹸素地をロールミルなどで混成した後、プロッダーで棒状に押し出し、型打ち機で成形し、固形石鹸とすることができる。さらに、成形した固形石鹸を自然乾燥させた後に、磨き作業、および、検査(異物検査およびpH値検査)を行い、出荷できる状態とする。
【0021】
本実施形態に係る石鹸において、ツクシの胞子由来成分の含有量は、特に限定されないが、石鹸100g当たり10g以上のツクシの胞子から得たツクシの胞子由来成分を含有することが好ましく、石鹸100g当たり15g以上のツクシの胞子から得た胞子由来成分を含有することがより好ましい。試作段階において、10g以上のツクシの胞子から得たツクシの胞子由来成分を含む場合に、本実施形態に係る石鹸で洗った場合の肌の改善効果をより得られたためである。なお、化粧水などの化粧品においても、同様に、化粧品100g当たり10g以上、より好ましくは化粧品100g当たり15g以上のツクシの胞子から得たツクシの胞子由来成分を含有することが好ましい。なお、ツクシ1本あたりの胞子の量は0.25g程度であり、本実施形態にかかる石鹸では、石鹸1個を80gとした場合に、56本分のツクシの胞子を含むこととなる。
【実施例
【0022】
(ツクシ胞子由来成分含有石鹸の製造)
STEP1:ツクシの胞子そのままを、エタノールおよび精製水の混合液に浸漬し、常温(20~30℃)において1日抽出し、抽出液をツクシの胞子の抽出物として得た。
STEP2:馬油およびパーム硬化油およびグリセリンの混合液に、水酸化ナトリウムおよび塩化ナトリウムを添加し、常温で攪拌し鹸化させた。
STEP3:さらに、STEP1で得たつくしの胞子の抽出液と、トレハロース、ヒアルロン酸、グラニュー糖とを添加し混合し、乾燥させ、石鹸素地を得た。なお、ツクシの胞子の抽出液の添加量は、石鹸100g当たりツクシの胞子17.5gから抽出した抽出液が添加されるように調製した。
STEP4:STEP3で作成した石鹸素地を、ロールミルで混成した後、プロッダーで棒状に押し出し、型打ち機で成形し、1個80gの固形石鹸とした。
【0023】
(ツクシの胞子の成分分析)
ツクシの胞子について、第三機関である食品分析センターに成分分析をしてもらった。図1は、ツクシの胞子の成分分析結果を示す図である。本成分分析では、図1に示すように、カリウム、総アスコルビン酸(総ビタミンC)、総トコフェロール(ビタミンE)、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、および、β-カロテンの含有量について分析を行った。
【0024】
分析の結果、図1に示すように、総トコフェロール(ビタミンE)が24.5mg/100gと高い数値で含まれており、特に、α-トコフェロールの含有量が24・3mg/100gと高い含有量であることが分かった。α-トコフェロールは、抗酸化作用および血行促進作用があることが知られており、肌の老化を防ぐとともに、ニキビや赤みなどの肌荒れを予防する効果が期待される。さらに、β-カロテンも4.47mg/100gと高い数値で含まれていることが分かった。β-カロテンは、コラーゲンの生成に関与し皮膚や粘膜を強化する機能を有しており、肌にうるおいやハリを与える効果も期待される。
【0025】
なお、本実施例では、上述した成分のみについて分析を行ったが、本実施形態に係る石鹸を用いて洗顔や手を洗った場合に、つやつや、すべすべという肌の改善がみられたことから、上述の成分分析結果で分析していない成分が、肌の改善に関与している可能性が高いことが示唆された。たとえば、ツクシ自体には、ケイ素が高い割合で含まれていることが知られており、ツクシの胞子にもケイ素が高い割合で含まれていることが予想される。ケイ素は、肌にうるおいを与え、ハリや弾力のある肌を維持する効果があり、このような複数の成分が関連して、本願発明の効果を奏することができているものと考えられる。
【0026】
(官能評価)
上記製造方法で使用した固形石鹸について、モニター試験を行った。具体的には、以下の要領において、モニター試験を行った。
被験者:健康な成人女性50名
使用期間:3週間
使用方法:1日1回、本実施形態に係る石鹸を用いて洗顔を行ってもらう
【0027】
このように、成人女性50名に本実施形態に係る石鹸を3週間使用してもらい、使用後の肌についての感想を聞いた。その結果、75%の人が肌のハリやうるおいが改善し、アンチエイジング効果が期待できるとの回答があった。また、使用2日目で、リフトアップと、ほうれい線が薄くなったと回答したモニターもいた。
【0028】
(ツクシ胞子そのものを含む石鹸)
また、発明者は、シクシの胞子そのものを含む石鹸を作製し、手の甲のみを洗ってみた。すると、手の甲のみが透き通るような白さとなり、肌のキメが整った状態となったとの感想が得られた。
【0029】
以上のように、本実施形態に係る石鹸は、スギナの胞子茎であるツクシの胞子由来成分を有効成分とすることで、肌の改善効果が得られることがわかった。特に、肌にハリやツヤを出すアンチエイジング効果とともに、肌をつるつる、すべすべにすることができる。また、本実施形態では、ツクシの胞子茎を含まない、ツクシの胞子のみから得た、ツクシの胞子由来成分を有効成分と有することで、α-トコフェロールやβ-カロテンなどを高濃度で含有するとともに、上記以外の未知の肌を改善する可能性も高い、ツクシの胞子に特有の効果が期待できる。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施形態例について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態の記載に限定されるものではない。上記実施形態例には様々な変更・改良を加えることが可能であり、そのような変更または改良を加えた形態のものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0031】
たとえば、上述した実施形態では、固形の石鹸を例示したが、この構成に限定されず、ツクシの胞子由来成分を有効成分として含有するものであれば、石鹸を液状の状態で提供することもできる。また、上述した実施形態では、石鹸を例示して本発明を説明したが、本発明は石鹸に限定されず、乳液、クリーム、化粧水、美容液、ジェル、パック、メークアップ化粧料(たとえば、アイシャドウ、ファンデーション、口紅)などの化粧品に適用することもできる。
【要約】
【課題】身近で採取することができる植物であるツクシを用いて、肌の状態を改善することができる化粧品組成物、化粧品および石鹸を提供する。
【解決手段】スギナの胞子茎であるツクシの胞子由来成分を有効成分とする、化粧品組成物。
【選択図】図1
図1