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特許7588917情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20241118BHJP
【FI】
G06Q50/34
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2024078067
(22)【出願日】2024-05-13
【審査請求日】2024-06-26
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506113602
【氏名又は名称】株式会社コナミデジタルエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平井 純貴
(72)【発明者】
【氏名】田村 哉太
(72)【発明者】
【氏名】森田 深志
【審査官】日比野 可奈子
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-012352(JP,A)
【文献】特開2021-114330(JP,A)
【文献】特開2023-049432(JP,A)
【文献】特開2009-230639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部とを具備し、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から複数回にわたり受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当管理部は、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記選択対象の変更回数に応じて前記調整値を制御する
情報処理システム。
【請求項2】
前記選択受付部は、前記変更回数が上限回数に到達するまで、前記選択対象の変更を反復的に受付ける
請求項の情報処理システム。
【請求項3】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部とを具備し、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当管理部は、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記変更後の選択肢に関連する情報に応じて、前記変更後の選択肢に対応する前記第1倍率の算定に適用される前記調整値を制御する
情報処理システム。
【請求項4】
前記変更後の選択肢に関連する情報は、価値媒体の使用量の総額に対する、当該選択肢に対応する条件が成立した場合に付与される配当の総額の比率である還元率を含む
請求項の情報処理システム。
【請求項5】
前記複数の選択肢の各々は、当該選択肢の内容に関する相異なる段階に対応し、
前記変更後の選択肢に関連する情報は、前記変更前の選択肢と前記変更後の選択肢との間の段階差を含む
請求項の情報処理システム。
【請求項6】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部とを具備し、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記利用者は、前記選択対象を変更するか否かを指示可能であり、
前記選択対象を変更しないことが指示された場合における前記第1倍率の数値は、前記選択対象を変更することが指示された場合における前記第1倍率の数値を上回る
情報処理システム。
【請求項7】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部と、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与する配当管理部とを具備し、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回り、
前記配当管理部は、前記利用者による所定額の支払により、前記第2数量に対する前記第1数量の低下を抑制する
情報処理システム。
【請求項8】
情報処理システムが、
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付け
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する
情報処理方法であって、
前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者から複数回にわたり受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当の付与においては、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記選択対象の変更回数に応じて前記調整値を制御する
情報処理方法。
【請求項9】
情報処理システムが、
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付け
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する
情報処理方法であって、
前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当の付与においては、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記変更後の選択肢に関連する情報に応じて、前記変更後の選択肢に対応する前記第1倍率の算定に適用される前記調整値を制御する
情報処理方法。
【請求項10】
情報処理システムが、
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付け
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する
情報処理方法であって、
前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記利用者は、前記選択対象を変更するか否かを指示可能であり、
前記選択対象を変更しないことが指示された場合における前記第1倍率の数値は、前記選択対象を変更することが指示された場合における前記第1倍率の数値を上回る
情報処理方法。
【請求項11】
情報処理システムが、
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付け
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与する
情報処理方法であって、
前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回り、
前記配当の付与においては、前記利用者による所定額の支払により、前記第2数量に対する前記第1数量の低下を抑制する
情報処理方法。
【請求項12】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部、および、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部、
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から複数回にわたり受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当管理部は、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記選択対象の変更回数に応じて前記調整値を制御する
プログラム。
【請求項13】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部、および、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部、
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記配当管理部は、前記第2倍率を調整値に応じて調整することで前記第1倍率を算定し、前記変更後の選択肢に関連する情報に応じて、前記変更後の選択肢に対応する前記第1倍率の算定に適用される前記調整値を制御する
プログラム。
【請求項14】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部、および、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、少なくとも、前記利用者による価値媒体の使用量と、前記利用者が選択した選択肢に対応する配当倍率とに応じた数量の配当を、前記利用者付与する配当管理部、
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合における前記配当倍率である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合における前記配当倍率である第2倍率を下回り、
前記利用者は、前記選択対象を変更するか否かを指示可能であり、
前記選択対象を変更しないことが指示された場合における前記第1倍率の数値は、前記選択対象を変更することが指示された場合における前記第1倍率の数値を上回る
プログラム。
【請求項15】
相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部、および、
前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与する配当管理部、
としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、
前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、
前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回り、
前記配当管理部は、前記利用者による所定額の支払により、前記第2数量に対する前記第1数量の低下を抑制する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の選択肢の何れかを選択した利用者に配当を付与する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のイベントに関する結果を利用者が予想し、予想が的中した利用者に配当を付与する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、複数のキャラクタが参加するレースの順位をプレイヤが予測し、配当倍率とベット数とに応じた賞がプレイヤに付与される構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-45311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術においては、利用者が自身の予想を入力すると、以降は予想を変更できない。したがって、例えばイベントの進行の状況によっては、利用者による興味が早々に低下する場合がある。他方、予想の変更を無制限に許容すると、予想が的中した利用者に配当を付与するというサービスの基本的な趣旨が成立し難くなる。以上の事情を考慮して、本開示のひとつの態様は、利用者による予想の過度な変更を抑制しながら、利用者による興味を長期間にわたり維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様に係る情報処理システムは、相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部と、前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与する配当管理部とを具備し、前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回る。
【0006】
本開示のひとつの態様に係る情報処理方法は、相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付けることと、前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与することとを含み、前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回る。
【0007】
本開示のひとつの態様に係るプログラムは、相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部、および、前記複数の選択肢のうち前記利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、前記利用者に配当を付与する配当管理部、としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、前記選択受付部は、選択対象の変更を前記利用者から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢が選択された場合に、前記第2選択肢に対応する条件の成立により前記利用者に付与される配当の第2数量を下回る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態における通信システムのブロック図である。
図2】端末装置の構成を例示するブロック図である。
図3】投票画面の模式図である。
図4】情報処理システムの構成を例示するブロック図である。
図5】投票コンテンツ情報の模式図である。
図6】利用者情報の模式図である。
図7】情報処理システムの機能的な構成を例示するブロック図である。
図8】投票受付処理のフローチャートである。
図9】投票受付処理のフローチャートである。
図10】投票受付処理のフローチャートである。
図11】投票対象リストの模式図である。
図12】投票画面の模式図である。
図13】配当付与処理のフローチャートである。
図14】第2実施形態における利用者情報の模式図である。
図15】第3実施形態における各選択肢の還元率に関する説明図である。
図16】第3実施形態における参照テーブルの模式図である。
図17】第4実施形態における複数の選択肢の模式図である。
図18】第5実施形態における投票画面の模式図である。
図19】第5実施形態における投票画面の模式図である。
図20】第5実施形態における投票情報の模式図である。
図21】第6実施形態における利用者情報の模式図である。
図22】第7実施形態におけるサブスクリプション契約の各プランの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照しながら本開示の実施の形態を説明する。以下に例示される形態は、本開示にとって必須ではない種々の限定を含む。したがって、本開示の範囲は、以下に例示する形態には限定されない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本開示の第1実施形態に係る通信システム100のブロック図である。図1に例示される通り、通信システム100は、情報処理システム10と管理システム20と端末装置30とを具備する。情報処理システム10は、例えばインターネット等の通信網200を介して管理システム20および端末装置30と通信する。なお、実際には複数の端末装置30が存在するが、以下の説明においては便宜的に1個の端末装置30に着目する。
【0011】
端末装置30は、利用者Uが使用する情報装置である。例えばスマートフォン、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、携帯電話機、またはパーソナルコンピュータ等の携帯型または据置型の情報装置が、端末装置30として利用される。なお、例えば遊技施設または商業施設等の施設に設置された業務用のゲーム機が、端末装置30として利用されてもよい。
【0012】
各利用者Uはポイントを保有する。ポイントは、各種のサービスに利用される価値媒体である。例えば各利用者Uは、自身が保有するポイントを消費することで所望の商品または役務を獲得できる。また、ポイントは、別種の価値媒体(例えば電子通貨)に交換されてもよい。
【0013】
図2は、端末装置30の構成を例示するブロック図である。図2に例示される通り、端末装置30は、制御装置31と記憶装置32と通信装置33と表示装置34と操作装置35とを具備する。なお、端末装置30は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0014】
制御装置31は、端末装置30の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置31は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
【0015】
記憶装置32は、制御装置31が実行するプログラムと、制御装置31が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置32は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。記憶装置32は、複数種の記録媒体の組合せで構成されてもよい。また、端末装置30に対して着脱される可搬型の記録媒体、または例えば通信網200を介して制御装置31が書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置32として利用されてもよい。
【0016】
通信装置33は、通信網200を介して情報処理システム10および管理システム20と通信する。なお、端末装置30とは別体の通信装置33が、端末装置30に対して有線または無線により接続されてもよい。
【0017】
表示装置34は、制御装置31による制御のもとで画像を表示する。表示装置34は、例えば液晶パネルまたは有機EL(Electroluminescence)パネル等の表示パネルで構成される。操作装置35は、利用者Uからの指示を受付ける入力機器である。操作装置35は、例えば、利用者Uが操作する操作子、または、利用者Uによる接触を検知するタッチパネルである。なお、利用者Uの音声を受付ける音声入力装置が操作装置35として利用されてもよい。
【0018】
情報処理システム10は、投票コンテンツBを管理するためのコンピュータシステムである。投票コンテンツBは、特定のイベント(以下「目標イベント」という)を対象とした投票を受付けるためのコンテンツである。以下の説明においては、現実に開催されるサッカーの試合を目標イベントとして例示する。第1実施形態の投票コンテンツBは、目標イベントの開始前の投票だけでなく目標イベントの進行に並行したリアルタイムの投票が可能なライブベッティングのためのコンテンツである。
【0019】
図3は、投票コンテンツBの表示例(投票画面Ga)である。端末装置30の表示装置34に投票コンテンツBが表示される。図3に例示される通り、投票コンテンツBは、目標イベント情報Eと複数の選択肢M(M1~M5)と複数の配当倍率Dと操作領域Ga1と取消ボタンGa2と決定ボタンGa3とを含む。なお、選択肢Mの個数は投票コンテンツB毎に相違し得る。
【0020】
目標イベント情報Eは、投票コンテンツBが対象とする目標イベントを識別するための情報である。例えば、目標イベント情報Eは、目標イベントの名称(例えば対戦チームの名称)および開催日時等の情報を含む。また、目標イベント情報Eは、投票コンテンツBに対する利用者Uからの投票を受付ける期間(以下「投票受付期間」という)を含む。投票受付期間の終点は、例えば目標イベントが終了する時刻である。
【0021】
投票コンテンツBは、目標イベントに関する相異なる条件(以下「判定条件C」という)に対応する複数の選択肢M(M1~M5)を含む。各選択肢Mに対応する判定条件Cは、目標イベントにおいて成立する可能性がある事柄である。具体的には、投票コンテンツBの複数の選択肢Mは、目標イベントにおける同種の事柄(例えば勝敗または得点差等)について択一的に成立し得る相異なる判定条件Cに対応する。
【0022】
例えば、図3においては、目標イベントにおける勝敗と得点差とに関する判定条件Cに対応する5個の選択肢Mが例示されている。具体的には、選択肢M1は「ABCチームが3点差以上で勝利」という判定条件Cに対応し、選択肢M2は「ABCチームが1-2点差で勝利」という判定条件Cに対応する。選択肢M3は「引分け(得点差なし)」という判定条件Cに対応する。また、選択肢M4は「XYZチームが1-2点差で勝利」という判定条件Cに対応し、選択肢M5は「XYZチームが3点差以上で勝利」という判定条件Cに対応する。すなわち、投票コンテンツBの複数の選択肢Mのうち何れか1個の選択肢Mに対応する判定条件Cが、目標イベントにおいて択一的に成立する。
【0023】
利用者Uは、操作装置35を操作することで、投票コンテンツBの複数の選択肢Mの何れかを選択可能である。具体的には、利用者Uは、目標イベントにおいて成立する可能性が高いと予想される選択肢Mを選択する。選択肢Mの選択が投票コンテンツBに対する投票に相当する。投票コンテンツBの複数の選択肢Mのうち、利用者Uが選択した選択肢Mに対応する判定条件Cが目標イベントにおいて成立した場合に、利用者Uには配当が付与される。すなわち、目標イベントに関する予想が的中した利用者Uに配当が付与される。
【0024】
利用者Uは、自身が保有するポイントのうち特定の数量(以下「使用量Qb」という)の使用と引換えに投票コンテンツBに投票する。すなわち、使用量Qbは、投票コンテンツBに対する投票のための対価として使用されるポイントの数量である。使用量Qbのポイントと引換えに投票コンテンツBに投票する行為は、「ベット」とも表現される。
【0025】
操作領域Ga1は、使用量Qbの指示を利用者Uから受付けるための入力欄である。具体的には、利用者Uは、操作領域Ga1を選択した状態で操作装置35を操作することで、使用量Qbの数値を操作領域Ga1に入力可能である。なお、使用量Qbに関する複数の候補値の何れかが利用者Uにより選択されてもよい。
【0026】
投票コンテンツBは、相異なる選択肢Mに対応する複数の配当倍率Dを含む。各選択肢Mに対応する配当倍率Dは、目標イベントにおいて当該選択肢Mが成立した場合に利用者Uに付与される配当の数量(以下「配当量Qw」という)を決定するためのパラメータである。具体的には、配当量Qwは、配当倍率Dと使用量Qbとに応じて算定される。例えば、配当倍率Dと使用量Qbとの乗算値に相当する配当量Qwのポイントが、配当として利用者Uに付与される(Qw=D×Qb)。したがって、配当倍率Dまたは使用量Qbが大きいほど、利用者Uに付与される配当量Qwは大きい数値となる。基本的には、目標イベントにおいて成立する可能性が高い判定条件Cに対応する選択肢Mについては、配当倍率Dが小さい数値に設定される傾向がある。
【0027】
取消ボタンGa2は、投票コンテンツBに対する投票の取消を受付けるソフトウェアボタンである。決定ボタンGa3は、投票コンテンツBにおける選択肢Mの確定(すなわち投票)を受付けるソフトウェアボタンである。
【0028】
図1の管理システム20は、目標イベントに関する情報を管理するサーバシステムである。具体的には、管理システム20は、複数の目標イベントの各々について開催情報Hを管理する。開催情報Hは、目標イベントの進行に関する情報である。具体的には、開催情報Hは、投票コンテンツBの各選択肢Mに対応する判定条件Cについて成否を判定するために必要な情報である。例えば、開催情報Hは、目標イベントにおける勝敗または得点差等の結果に関する情報を含む。開催情報Hは、目標イベントの進行に並行して、当該目標イベントの状況を反映した内容に随時に更新される。開催情報Hは、例えば、目標イベントの運営者による手動の指示に応じて更新される。
【0029】
開催情報Hは、例えば目標イベントの開催前および終了後に管理システム20から情報処理システム10に送信される。なお、管理システム20の機能は情報処理システム10に搭載されてもよい。
【0030】
図4は、情報処理システム10の構成を例示するブロック図である。図4に例示される通り、情報処理システム10は、制御装置11と記憶装置12と通信装置13とを具備する。なお、情報処理システム10は、単体の装置として実現されるほか、相互に別体で構成された複数の装置でも実現される。
【0031】
制御装置11は、情報処理システム10の各要素を制御する単数または複数のプロセッサで構成される。例えば、制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、SPU(Sound Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の1種類以上のプロセッサにより構成される。
【0032】
通信装置13は、通信網200を介して管理システム20および端末装置30と通信する。なお、情報処理システム10とは別体の通信装置13が、情報処理システム10に対して有線または無線により接続されてもよい。
【0033】
記憶装置12は、制御装置11が実行するプログラムと、制御装置11が使用する各種のデータとを記憶する単数または複数のメモリである。記憶装置12は、例えば磁気記録媒体または半導体記録媒体等の公知の記録媒体で構成される。記憶装置12は、複数種の記録媒体の組合せで構成されてもよい。また、情報処理システム10に対して着脱される可搬型の記録媒体、または例えば通信網200を介して制御装置11が書込または読出を実行可能な記録媒体(例えばクラウドストレージ)が、記憶装置12として利用されてもよい。第1実施形態の記憶装置12は、投票コンテンツ情報Xと利用者情報Yとを記憶する。
【0034】
図5は、投票コンテンツ情報Xの模式図である。投票コンテンツ情報Xは、投票コンテンツBを規定する情報であり、投票コンテンツB毎に記憶装置12に記憶される。図5に例示される通り、投票コンテンツ情報Xは、目標イベント情報Eを含む。目標イベント情報Eは、前述の通り、目標イベントを識別するための情報である。
【0035】
また、投票コンテンツ情報Xは、投票コンテンツBの複数の選択肢M(M1~M5)の各々について判定条件Cと基礎倍率D0とを含む。判定条件Cは、前述の通り、目標イベントにおいて成立する可能性がある条件である。
【0036】
基礎倍率D0は、配当倍率Dの初期値または基準値である。基礎倍率D0は、選択肢M毎(判定条件C毎)に相異なる数値に設定される。例えば、投票コンテンツBの相異なる選択肢Mに対応する複数の判定条件Cのうち、目標イベントにおいて成立の可能性が高い判定条件Cに対応する基礎倍率D0ほど、小さい数値に設定される。
【0037】
利用者Uが投票コンテンツBに対して最初に投票する段階において、各選択肢Mの配当倍率Dは基礎倍率D0に設定される。すなわち、基礎倍率D0は、配当倍率Dの初期値である。
【0038】
投票コンテンツBに対する最初の投票後において、利用者Uは、投票コンテンツBにおける選択対象を変更することが可能である。すなわち、利用者Uは、投票コンテンツBにおける選択対象を、選択済の選択肢Mから他の選択肢Mに変更できる。利用者Uが選択対象を変更する段階において、各選択肢Mの配当倍率Dは、当該選択肢Mの基礎倍率D0を下回る数値に設定される。すなわち、利用者Uは、配当倍率Dの低下と引換えに、投票コンテンツBにおける選択対象を変更できる。
【0039】
図6は、利用者情報Yの模式図である。利用者情報Yは、投票コンテンツBに対する利用者Uの投票の状況に関する情報であり、利用者U毎に記憶装置12に記憶される。図6に例示される通り、利用者情報Yは、保有ポイント数Qと投票情報Vとを含む。保有ポイント数Qは、利用者Uが保有するポイントの数量である。
【0040】
利用者Uが投票した投票コンテンツB毎に投票情報Vが利用者情報Yに登録される。投票情報Vは、予想選択肢Mと配当倍率Dと使用量Qbとを含む。予想選択肢Mは、投票コンテンツBの複数の選択肢Mのうち利用者Uが選択した選択肢Mである。配当倍率Dは、予想選択肢Mについて設定された倍率である。使用量Qbは、前述の通り、投票コンテンツBにおける予想選択肢Mの選択のために利用者Uが使用するポイントの数量である。
【0041】
図7は、情報処理システム10の機能的な構成を例示するブロック図である。制御装置11は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、投票コンテンツBに対する利用者Uの投票と利用者Uに対する配当の付与とを管理するための複数の機能(表示制御部41,選択受付部42,配当管理部43)を実現する。
【0042】
表示制御部41は、端末装置30の表示装置34に画像を表示させる。具体的には、表示制御部41は、端末装置30が画像を表示するためのデータを通信装置13から端末装置30に送信することで、端末装置30の表示装置34に当該画像を表示させる。例えば、表示制御部41は、画像を表す画像データを端末装置30に送信する。なお、表示制御部41は、画像を表示させる命令を表すデータを通信装置13から端末装置30に送信することで、当該画像を表示装置34に表示させてもよい。例えば、表示制御部41は、端末装置30に記憶された複数の画像の何れかを指示するデータ、または画像に関する制御パラメータを指示するデータを、端末装置30に送信する。
【0043】
選択受付部42は、投票コンテンツBの複数の選択肢Mの何れか(すなわち予想選択肢M)の選択を利用者Uから受付ける。第1実施形態の選択受付部42は、投票コンテンツBにおける選択肢Mの最初の選択を利用者Uから受付けるほか、選択対象の変更を利用者Uから受付可能である。
【0044】
配当管理部43は、投票コンテンツBの投票に対して利用者Uに付与される配当を管理する。具体的には、配当管理部43は、投票コンテンツBの複数の選択肢Mのうち利用者Uが選択した予想選択肢Mに対応する判定条件Cが成立した場合に、配当量Qwの配当を利用者Uに付与する。すなわち、投票コンテンツBに投票した複数の利用者Uのうち、目標イベントにおいて判定条件Cが成立した選択肢Mに投票した利用者Uに配当が付与される。
【0045】
配当管理部43は、利用者Uが指示したポイントの使用量Qbと、利用者Uが選択した予想選択肢Mに対応する配当倍率Dとに応じて配当量Qwを算定する。具体的には、配当管理部43は、使用量Qbと配当倍率Dとの乗算値を配当量Qwとして算定する。配当管理部43は、配当量Qwを利用者Uの保有ポイント数Qに加算する。保有ポイント数Qに対する配当量Qwの加算が、利用者Uに対する配当の付与に相当する。
【0046】
図8から図10は、投票コンテンツBに関する投票を利用者Uから受付ける投票受付処理のフローチャートである。投票開始の指示を利用者Uから受付けると、端末装置30の制御装置31は、開始要求を通信装置33から情報処理システム10に送信する(Sa11)。通信装置13が開始要求を受信すると(Sb11)、情報処理システム10の制御装置11(表示制御部41)は、要求元の端末装置30の表示装置34に投票対象リストG0を表示させる(Sb12,Sa12)。
【0047】
図11は、投票対象リストG0の模式図である。投票対象リストG0は、利用者Uが投票可能な複数の投票コンテンツBのリストである。例えば、投票コンテンツ情報Xが記憶装置12に記憶された複数の投票コンテンツBのうち、現在時刻が投票受付期間を含む投票コンテンツBが、投票対象リストG0に表示される。共通の目標イベントに対応する複数の投票コンテンツBと、相異なる目標イベントに対応する複数の投票コンテンツBとが、投票対象リストG0により利用者Uに提示される。
【0048】
投票対象リストG0においては、複数の投票コンテンツBの各々について、目標イベント情報Eと投票状況G01とが表示される。各投票コンテンツBの投票状況G01は、利用者Uが当該投票コンテンツBに対して投票済であるか未投票であるかを表す。例えば、複数の投票コンテンツBのうち利用者情報Yに投票情報Vが登録された投票コンテンツBについては「投票済」の投票状況G01が表示され、記憶装置12に投票情報Vが記憶されていない投票コンテンツBについては「未投票」の投票状況G01が表示される。
【0049】
利用者Uは、端末装置30の操作装置35を操作することで、投票対象リストG0の複数の投票コンテンツBのうち所望の1個の投票コンテンツBを選択可能である。投票済および未投票の何れの投票コンテンツBでも利用者Uは選択できる。端末装置30の制御装置31は、操作装置35に対する利用者Uからの操作を受付ける(Sa13)。制御装置31は、投票指示を通信装置33から情報処理システム10に送信する(Sa14)。投票指示は、利用者Uが選択した投票コンテンツBの指定を含む。
【0050】
情報処理システム10の制御装置11は、通信装置13により投票指示を受信する(Sb13)。すなわち、制御装置11は、利用者Uによる投票コンテンツBの選択を受付ける。制御装置11は、利用者Uが選択した投票コンテンツBが未投票の投票コンテンツBであるか否かを判定する(Sb14)。具体的には、利用者Uが選択した投票コンテンツBについて投票情報Vが記憶装置12に記憶されているか否かが判定される。
【0051】
投票コンテンツBが未投票である場合(Sb14:YES)、制御装置11(表示制御部41)は、図9に例示される通り、利用者Uが投票対象リストG0から選択した投票コンテンツBについて、図3の投票画面Gaを端末装置30の表示装置34に表示させる(Sb21,Sa21)。投票画面Gaは、未投票の投票コンテンツBについて利用者Uから最初の投票を受付けるための画面である。
【0052】
投票画面Gaは、前述の通り、目標イベント情報Eと複数の選択肢Mと複数の配当倍率Dと操作領域Ga1と取消ボタンGa2と決定ボタンGa3とを含む。目標イベント情報Eと選択肢Mと配当倍率Dとは、投票コンテンツ情報Xを利用して表示される。投票画面Gaの投票コンテンツBは、利用者Uの未投票の投票コンテンツBである。したがって、投票コンテンツ情報Xにおいて各選択肢Mに対応する基礎倍率D0が、当該選択肢Mの配当倍率Dとして投票画面Gaに表示される。
【0053】
利用者Uは、端末装置30の操作装置35を操作することで、投票コンテンツBの複数の選択肢Mの何れか(予想選択肢M)を選択可能である。また、利用者Uは、端末装置30の操作装置35を操作することで、所望の使用量Qbを操作領域Ga1に入力可能である。端末装置30の制御装置31は、操作装置35に対する利用者Uからの操作(予想選択肢Mの選択および使用量Qbの入力)を受付ける(Sa22)。
【0054】
利用者Uが取消ボタンGa2を操作した場合、表示装置34が表示する画面は、投票画面Gaから図11の投票対象リストG0に遷移する。また、投票画面Gaの決定ボタンGa3を利用者Uが操作した場合、制御装置31は、予想選択肢Mと使用量Qbとを含む投票指示を、通信装置33から情報処理システム10に送信する(Sa23)。
【0055】
情報処理システム10の制御装置11(選択受付部42)は、通信装置13により投票指示を受信する(Sb22)。投票指示の受信は、予想選択肢Mの選択および使用量Qbの入力を利用者Uから受付ける処理に相当する。すなわち、制御装置11(選択受付部42)は、複数の選択肢Mの何れか(予想選択肢M)の選択と使用量Qbの入力とを、利用者Uから受付ける。
【0056】
制御装置11は、利用者Uから受付けた指示に応じた投票情報Vを記憶装置12に登録する(Sb23)。投票情報Vは、前述の通り、利用者Uが選択した予想選択肢Mと、当該選択肢Mに対応する配当倍率D(基礎倍率D0)と、利用者Uが入力した使用量Qbとを含む。未投票の投票コンテンツBが選択された場合の動作は以上の通りである。
【0057】
以上の手順による選択肢Mの選択後に、目標イベントに関する状況の変更または利用者Uの心情の変化等の各種の事情により、利用者Uが投票コンテンツBにおける選択対象の変更を所望する場合がある。第1実施形態においては、以下に詳述する通り、選択対象の変更を利用者Uから受付可能である。投票済の投票コンテンツBに関する選択対象の変更を所望する利用者Uは、図11の投票対象リストG0から当該投票コンテンツBを選択する。
【0058】
投票対象リストG0から利用者Uが選択した投票コンテンツBが投票済である場合(Sb14:NO)、投票コンテンツBにおける選択対象の変更を利用者Uが希望していると推定される。投票コンテンツBが投票済である場合、制御装置11(表示制御部41)は、図10に例示される通り、利用者Uが投票対象リストG0から選択した投票コンテンツBについて、図12の投票画面Gbを端末装置30の表示装置34に表示させる(Sb31,Sa31)。投票画面Gbは、投票済の投票コンテンツBについて利用者Uから選択対象の変更を受付けるための画面である。
【0059】
図12に例示される通り、投票画面Gbは、投票画面Gaと同様に、目標イベント情報Eと複数の選択肢M(M1~M5)とを含む。投票コンテンツ情報Xが表す複数の選択肢Mが投票画面Gbに表示される。
【0060】
利用者Uは、端末装置30の操作装置35を操作することで、複数の選択肢Mのうち所望の選択肢Mを変更後の予想選択肢Mとして選択可能である。すなわち、利用者Uは、投票コンテンツBについて過去に選択した選択肢Mとは別個の選択肢Mを選択可能である。以上の説明の通り、利用者Uは、投票コンテンツBにおける選択対象を変更可能である。端末装置30の制御装置31は、操作装置35に対する利用者Uからの操作(予想選択肢Mの選択)を受付ける(Sa32)。
【0061】
図12に例示される通り、投票画面Gbには、複数の選択肢Mの各々について基礎倍率D0と配当倍率Dとが表示される。各選択肢Mの基礎倍率D0は、当該選択肢Mについて投票コンテンツ情報Xに登録された数値である。基礎倍率D0は「第2倍率」の一例であり、投票画面Gbの配当倍率Dは「第1倍率」の一例である。投票画面Gbの基礎倍率D0は、投票コンテンツBに対する最初の投票時に投票画面Gaに表示されていた配当倍率Dに相当する。
【0062】
各選択肢Mの配当倍率Dは、利用者Uが選択対象を変更した場合に配当量Qwの算定に適用される数値である。各選択肢Mの配当倍率Dは、当該選択肢Mの基礎倍率D0を下回る数値に設定される。情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、各選択肢Mの基礎倍率D0を調整値Zに応じて調整することで、当該選択肢Mの配当倍率Dを算定する。調整値Zは1未満の正数である。具体的には、制御装置11は、以下の数式(1)により配当倍率Dを算定する。
D=D0×(1-Z) (1)
【0063】
例えば、調整値Zが0.1である場合を想定する。基礎倍率D0が1.80倍に設定された選択肢M1について、変更後の配当倍率Dは1.62倍(=1.80×(1-0.1))に設定される。同様に、基礎倍率D0が1.30倍に設定された選択肢M2について、変更後の配当倍率Dは1.17倍(=1.3×(1-0.1))に設定される。
【0064】
数式(1)から理解される通り、調整値Zは、基礎倍率D0に対する減少率である。以上の説明の通り、第1実施形態においては、利用者Uが変更前に選択した選択肢Mに対応する配当倍率D(基礎倍率D0)を調整値Zに応じて調整することで、変更後の選択肢Mに対応する配当倍率Dが算定される。したがって、選択対象の変更前の配当倍率Dと変更後の配当倍率Dとの関係を、調整値Zに応じて簡便に制御できる。
【0065】
いま、投票コンテンツBにおける選択対象を、利用者Uが選択肢Maから他の選択肢Mbに変更した場合を想定する。選択肢Maは、投票コンテンツBの複数の選択肢Mから利用者Uが最初に選択した選択肢Mである。他方、選択肢Mbは、選択肢Ma以外の選択肢Mである。選択対象が選択肢Maから選択肢Mbに変更された場合の配当倍率Dは、選択対象の変更によらず利用者Uが選択肢Mbを選択した場合における配当倍率D(基礎倍率D0)を下回る。変更後の選択肢Mbに対応する配当倍率Dは「第1倍率」の一例であり、選択対象の変更によらず選択された場合の選択肢Mbの配当倍率D(基礎倍率D0)は「第2倍率」の一例である。
【0066】
なお、投票画面Gbにおける各選択肢Mの配当倍率Dは、前述の通り、利用者Uが選択対象を変更する場合に配当量Qwの算定に適用される数値である。したがって、選択済の選択肢Mと同じ選択肢Mが投票画面Gbにおいて選択された場合(すなわち、実質的には選択対象が変更されない場合)には、配当倍率Dは変更されなくてよい。また、投票画面Gbにおいて、選択済の選択肢Mと同じ選択肢Mの選択を受付けない形態も想定される。例えば、投票画面Gbにおいて、選択済の選択肢Mと同じ選択肢Mはグレーアウト表示されてもよい。
【0067】
図12の投票画面Gbは、以上に例示した要素に加えて、留意事項Gb1と使用量Qbと取消ボタンGb2と変更ボタンGb3とを含む。留意事項Gb1は、選択対象の変更により配当倍率Dが低下することを利用者Uに報知するメッセージである。使用量Qbは、投票画面Gaにおける最初の投票時に利用者Uが入力した数量である。第1実施形態において、選択対象の変更の段階では、利用者Uは使用量Qbを変更できない。ただし、選択対象の変更とともに使用量Qbも変更可能な形態も想定される。
【0068】
取消ボタンGb2は、選択対象の変更の取消を受付けるソフトウェアボタンである。利用者Uが取消ボタンGb2を操作した場合、表示装置34が表示する画面は、投票画面Gbから投票対象リストG0に遷移する。決定ボタンGa3は、選択肢Mの変更の確定(すなわち再投票)を受付けるソフトウェアボタンである。利用者Uが変更ボタンGb3を操作した場合、端末装置30の制御装置31は、変更後の予想選択肢Mを含む変更指示を、通信装置33から情報処理システム10に送信する(Sa33)。
【0069】
情報処理システム10の制御装置11(選択受付部42)は、通信装置13により変更指示を受信する(Sb32)。変更指示の受信は、予想選択肢Mの変更を利用者Uから受付ける処理に相当する。制御装置11は、利用者Uから受付けた変更指示に応じて利用者Uの投票情報Vを更新する(Sb33)。具体的には、投票情報Vに登録された予想選択肢Mを、変更指示により指示された変更後の予想選択肢Mに変更し、投票情報Vに登録された配当倍率Dを、調整値Zに応じた調整後の数値(数式(1))に更新する。投票情報Vに登録された使用量Qbは変更されない。
【0070】
図13は、利用者Uに配当を付与する処理(以下「配当付与処理」という)のフローチャートである。目標イベントの終了を契機として当該目標イベントに関する配当付与処理が実行される。配当付与処理は、目標イベントに関する投票コンテンツB毎に実行される。
【0071】
配当付与処理が開始されると、情報処理システム10の制御装置11は、目標イベントに関する開催情報Hを管理システム20から取得する(Sc1)。制御装置11は、開催情報Hを参照することで、投票コンテンツBの複数の選択肢Mのうち判定条件Cが成立した選択肢Mを特定する(Sc2)。制御装置11は、判定条件Cが成立した選択肢Mを予想選択肢Mとして選択した利用者Uを特定する(Sc3)。すなわち、目標イベントに関する予想が的中した利用者Uが特定される。
【0072】
制御装置11は、投票情報Vに登録された使用量Qbと配当倍率Dとに応じて配当量Qwを算定する(Sc4)。具体的には、使用量Qbと配当倍率Dとの乗算値が配当量Qwとして算定される。配当量Qwの算定は、利用者U毎に実行される。
【0073】
前述の通り、判定条件Cが成立した予想選択肢Mが、投票コンテンツBに対する最初の投票により選択された選択肢Mである場合には、基礎倍率D0が配当倍率Dとして適用されることで配当量Qwが算定される。他方、判定条件Cが成立した予想選択肢Mが、選択対象の変更後の選択肢Mである場合、配当量Qwの算定に適用される配当倍率Dは基礎倍率D0を下回る。したがって、利用者Uが選択対象の変更により選択した選択肢Mが的中した場合の配当量Qwは、利用者Uが最初に選択した選択肢Mが的中した場合の配当量Qwを下回る。
【0074】
すなわち、選択対象が選択肢Maから選択肢Mbに変更された場合を想定すると、選択肢Mbに対応する判定条件Cの成立により利用者Uに付与される配当量Qw(第1数量)は、選択対象の変更によらず選択された選択肢Mbに対応する判定条件Cの成立により利用者Uに付与される配当量Qw(第2配当量)を下回る。
【0075】
制御装置11(配当管理部43)は、予想が的中した利用者Uの保有ポイント数Qに配当量Qwを加算する(Sc5)。すなわち、制御装置11は、複数の選択肢Mのうち利用者Uが選択した選択肢Mに対応する判定条件Cが成立した場合に、当該利用者Uに配当を付与する。
【0076】
以上に説明した通り、第1実施形態においては、選択対象の変更が利用者Uから受付けられる。したがって、選択肢Mの1回の選択により選択対象が確定して以降は選択対象を変更できない形態と比較して、選択肢Mの選択後における長期間にわたり目標イベントに対する利用者Uの興味を維持できる。また、選択対象が変更された場合における配当量Qwが、選択対象が変更されない場合における配当量Qwを下回る。すなわち、利用者Uは、配当量Qwの減少と引換えに選択対象を変更できる。したがって、利用者Uによる選択対象の過度な変更を抑制できる。
【0077】
第1実施形態においては特に、選択対象が変更された場合の配当倍率D(第1倍率)が、選択対象が変更されない場合の配当倍率D(第2倍率)を下回る。したがって、例えば、選択対象が変更された場合の配当量Qwと選択対象が変更されない場合の配当量Qwとの相違を、利用者Uが把握し易い。
【0078】
[第2実施形態]
第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各実施形態において機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明と同様の符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0079】
第1実施形態においては、投票コンテンツBにおける選択対象の1回の変更を想定した。第2実施形態における情報処理システム10の制御装置11(選択受付部42)は、投票コンテンツBにおける選択対象の変更を複数回にわたり受付可能である。すなわち、投票済の投票コンテンツBについて、利用者Uは選択対象を反復的に変更できる。
【0080】
図14は、第2実施形態における利用者情報Yの模式図である。図14に例示される通り、第2実施形態の投票情報Vは、第1実施形態と同様の要素(予想選択肢M,配当倍率D、使用量Qb)に加えて変更回数Nを含む。変更回数Nは、投票コンテンツBにおける選択対象を利用者Uが変更した回数である。利用者Uによる選択対象の変更毎に変更回数Nが1ずつ増加する。具体的には、制御装置11(配当管理部43)は、変更指示に応じた投票情報Vの更新(Sb33)において変更回数Nに1を加算する。
【0081】
制御装置11(配当管理部43)は、選択対象が変更された場合の配当倍率Dの算定に適用される調整値Zを、選択対象の変更回数Nに応じて制御する。具体的には、制御装置11は、変更回数Nと所定の基準値Z0との乗算値を、調整値Zとして算定する(Z=N×Z0)。したがって、変更回数Nが増加するほど調整値Zも増加する。基準値Z0は1未満の所定の正数である。
【0082】
選択対象の変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは、前述の数式(1)の演算により算定される。したがって、基礎倍率D0が変化しない場合でも、変更回数Nが増加するほど配当倍率Dは減少する。例えば、基準値Z0が0.1に設定された形態において、基礎倍率D0が3.60倍である選択肢Mに選択対象が順次に変更された場合を想定する。最初の投票時における配当倍率Dは3.60倍(=D0)である。他方、第1回目の変更時(N=1)に算定される配当倍率Dは、3.24倍(=3.60×0.9)である。また、第2回目の変更時(N=2)に算定される配当倍率Dは、2.88倍(=3.60×0.8)である。
【0083】
第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第2実施形態においては、選択対象の変更回数Nに応じて調整値Zが制御されるから、選択対象に関する各回の変更後の配当倍率Dと、選択対象が変更されない場合の配当倍率Dとの関係を、変更回数Nに応じて調整できる。例えば、変更回数Nの増加に連動して調整値Zが増加する前述の構成によれば、変更回数Nが増加するほど配当倍率Dが減少する。したがって、利用者Uによる選択対象の過度な変更を抑制できるという前述の効果は特に顕著である。
【0084】
なお、以上の説明においては、変更回数Nに比例して調整値Zが増加する形態を例示したが、変更回数Nと調整値Zとの関係は以上の例示に限定されない。例えば、変更回数Nの増加に連動して調整値Zの増加率が減少してもよい。調整値Zの増加率は、変更回数Nが単位量(=1)だけ変化した場合における調整値Zの変化量である。以上の構成によれば、変更回数Nが増加するほど配当倍率Dの減少が抑制される。したがって、配当倍率Dの過度な減少を抑制できる。
【0085】
また、変更回数Nの増加に連動して調整値Zの増加率が増加してもよい。以上の構成によれば、変更回数Nが増加するほど配当倍率Dの減少が促進される。したがって、利用者Uによる選択対象の変更を有効に抑制できる。
【0086】
[第3実施形態]
図15には、投票コンテンツBの複数の選択肢M(M1,M2,M3)の各々について、基礎倍率D0と使用小計σ(σ1,σ2,σ3)と配当総額Σw(Σw1,Σw2,Σw3)とが例示されている。各選択肢Mの使用小計σは、当該選択肢Mに対する使用量Qbの合計値である。すなわち、使用小計σは、投票コンテンツBの1個の選択肢Mを選択した利用者Uの全員について使用量Qbを合計した数値である。
【0087】
図15の使用総額Σbは、投票コンテンツBの全部の選択肢Mについて使用小計σを合計した数値である。すなわち、使用総額Σbは、投票コンテンツBの投票のために複数の利用者Uが使用したポイント(使用量Qb)の総額である。すなわち、使用総額Σbは、投票コンテンツBの運営者の収入に相当する。
【0088】
他方、各選択肢Mの配当総額Σwは、当該選択肢Mに対応する判定条件Cが成立した場合に付与される配当量Qwの合計値である。すなわち、配当総額Σwは、投票コンテンツBに関する予想が的中した利用者Uの全員に付与される配当量Qwを合計した数値である。配当総額Σwは、投票コンテンツBの運営者の支出に相当する。
【0089】
図15の還元率R(R1,R2,R3)は、使用総額Σbに対する配当総額Σwの比率である(R=Σw/Σb)。したがって、還元率Rが小さいほど運営者は収益を確保し易い。具体的には、使用総額Σbが大きいほど、または、配当総額Σwが小さいほど、運営者の収益は増加する。以上の事情を考慮して、第3実施形態における情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、還元率Rに応じて調整値Zを制御する。
【0090】
第3実施形態における調整値Zの設定には、図16の参照テーブルTが利用される。参照テーブルTは、還元率Rと調整値Zとの対応が登録されたデータテーブルである。参照テーブルTにおいては、還元率Rの数値範囲を区分した複数の範囲の各々について、調整値Zの相異なる数値が対応付けられる。例えば、参照テーブルTにおいては、還元率Rが大きいほど調整値Zが増加するように、還元率Rの各範囲と調整値Zの各数値とが対応付けられる。なお、還元率Rと調整値Zとの関係を記述した演算式が、還元率Rに応じた調整値Zの設定に利用されてもよい。
【0091】
情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、投票コンテンツBの複数の選択肢Mの各々について、当該選択肢Mの還元率Rに応じて調整値Zを設定する。具体的には、制御装置11は、各選択肢Mの調整値Zを、当該選択肢Mの還元率Rについて参照テーブルTに登録された数値に設定する。
【0092】
選択対象の変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは、還元率Rに応じて設定された調整値Zを適用した前述の数式(1)の演算により算定される。例えば、図15における選択肢M1については還元率Rが91.0%であるから、選択肢M1の調整値Zは0.125(90%≦R<100%)である。したがって、利用者Uが選択対象を選択肢M1(D0=1.30)に変更した場合の配当倍率Dは、以下の通り1.1375倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=1.30×(1-0.125)=1.1375
【0093】
他方、図15における選択肢M2については還元率Rが72.0%であるから、選択肢M2の調整値Zは0.075(70%≦R<80%)である。したがって、利用者Uが選択対象を選択肢M2(D0=3.60)に変更した場合の配当倍率Dは、以下の通り3.33倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=3.60×(1-0.075)=3.33
【0094】
以上の例示の通り、選択対象の変更後の選択肢Mに対応する還元率Rが大きいほど、選択対象の変更に起因した配当倍率Dの減少は大きい。したがって、還元率Rが大きい選択肢Mへの変更は抑制される。前述の通り、還元率Rが大きいほど運営者による収益の確保が困難となる。したがって、第3実施形態によれば、還元率Rが大きい選択肢Mへの変更が抑制される結果、投票コンテンツBの運営者の利益を確保し易いという利点がある。
【0095】
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第2実施形態の構成は、第3実施形態にも同様に適用される。また、以上の説明においては、還元率Rが大きいほど調整値Zが増加する形態を例示したが、還元率Rが大きいほど調整値Zが減少する形態も想定される。すなわち、選択対象の変更後の選択肢Mに対応する還元率Rが小さいほど、選択対象の変更に起因した配当倍率Dの減少は大きい。
【0096】
[第4実施形態]
図17は、投票コンテンツBの複数の選択肢M(M1~M7)を例示する模式図である。図17から理解される通り、複数の選択肢Mは、各選択肢Mの判定条件Cの内容に関する相異なる段階に対応する。したがって、複数の選択肢Mは、判定条件Cの内容に関する順番で配列される。各選択肢Mには、判定条件Cの内容に関する順番で番号(以下「段階番号K」という)が付与される。
【0097】
例えば、引分け(得点差なし)を判定条件Cとする選択肢M4の上位側に、「ABCチームの勝利」を判定条件Cとする選択肢M1~M3が位置し、選択肢M4の下位側に、「XYZチームの勝利」を判定条件Cとする選択肢M5~M7が位置する。また、選択肢M4の上位側に位置する3個の選択肢M1~M3は、得点差に応じた順番で配列する。同様に、選択肢M4の下位側に位置する3個の選択肢M5~M7は、得点差に応じた順番で配列する。
【0098】
利用者Uによる選択対象を選択肢Maから選択肢Mbに変更する場合を想定する。第4実施形態における情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、変更前の選択肢Maの段階と変更後の選択肢Mbの段階との差異(以下「段階差δ」という)に応じて調整値Zを設定する。段階差δは、変更前の選択肢Maの段階番号Kと変更後の選択肢Mbの段階番号Kとの差分である。すなわち、段階差δは、選択対象の変更の前後における各選択肢Mの内容的な変化の度合に相当する。
【0099】
情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、選択対象の変更後の選択肢Mについて、変更前の選択肢Mとの段階差δに応じて調整値Zを制御する。具体的には、制御装置11は、段階差δと基準値Z0との乗算値を、調整値Zとして算定する(Z=δ×Z0)。したがって、段階差δが増加するほど調整値Zも増加する。例えば、目標イベントにおける勝利者を変化させるような選択対象の変更(例えば図17の選択肢M1から選択肢M7への変更)については、調整値Zが大きい数値に設定される。
【0100】
変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは、段階差δに応じて設定された調整値Zを適用した前述の数式(1)の演算により算定される。以上の通り、第4実施形態においては、変更の前後の選択肢Mにおける段階差δに応じて調整値Zが制御される。したがって、内容的な相違が大きい選択肢Mの間で選択対象が変更される場合と、内容的な相違が小さい選択肢Mの間で選択対象が変更される場合とで、配当倍率Dの低下の度合を相違させることが可能である。
【0101】
例えば、基準値Z0が0.1に設定された形態を想定する。図17における選択肢M6から選択肢M7への変更が指示された場合(δ=1)、調整値Zは0.1(=1×0.1)である。したがって、変更後の選択肢M7の配当倍率Dは、以下の通り9.9倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=11.0×(1-0.1)=9.9
【0102】
他方、図17における選択肢M1から選択肢M7への変更が指示された場合(δ=6)、調整値Zは0.6(=6×0.1)である。したがって、変更後の選択肢M7の配当倍率Dは、以下の通り4.4倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=11.0×(1-0.6)=4.4
【0103】
以上の例示の通り、第4実施形態においては、選択対象の変更の前後における各選択肢Mの内容的な変化が大きいほど、変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dが小さい数値に設定される。すなわち、内容的な変化が大きい選択対象の変更のためには、利用者Uは、配当倍率Dの大幅な低下を容認する必要がある。したがって、判定条件Cの内容を大幅に変化させる選択肢Mの変更を抑制できる。
【0104】
第4実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。なお、第2実施形態または第3実施形態の構成は、第4実施形態にも同様に適用される。
【0105】
第3実施形態における還元率Rと第4実施形態における段階差δとは、変更後の選択肢Mに関連する情報(以下「関連情報」という)として包括的に表現される。第3実施形態は、関連情報が還元率Rを含む形態であり、第4実施形態は、関連情報が段階差δを含む形態である。なお、関連情報が還元率Rおよび段階差δの双方を含んでもよい。また、還元率Rおよび段階差δ以外の情報が、関連情報に含まれてもよい。
【0106】
以上の例示から理解される通り、第3実施形態または第4実施形態の制御装置11(配当管理部43)は、変更後の選択肢Mに対応する配当倍率Dの算定に適用される調整値Zを、変更後の選択肢の関連情報に応じて制御する。以上の態様においては、変更後の選択肢Mの関連情報に応じて調整値Zが制御されるから、利用者Uは、選択肢Mの関連情報を考慮しながら、選択対象の変更の適否および変更後の選択肢Mを決定できる。
【0107】
[第5実施形態]
図18および図19は、第5実施形態における投票画面Gb(投票コンテンツB)の模式図である。図18および図19に例示される通り、第5実施形態の投票画面Gbは、第1実施形態の投票画面Gbと同様の要素に加えて操作領域Gb4を含む。
【0108】
操作領域Gb4は、選択対象を変更するか否かの指示を利用者Uから受付けるための領域である。利用者Uは、操作装置35を操作することで、操作領域Gb4におけるチェックの有無を変更できる。
【0109】
具体的には、今回の選択対象の変更を最後として以降は選択対象を変更しない(すなわち今回の変更により選択対象を確定する)と判断した利用者Uは、図19に例示される通り、操作装置35を操作することで操作領域Gb4にチェックを付与する。操作領域Gb4に対するチェックの付与は、以降において選択対象を変更しないこと(以下「変更禁止」という)の指示を意味する。他方、今回の変更後においても選択対象をさらに変更する可能性があると判断した利用者Uは、図18に例示される通り、操作装置35を操作することで操作領域Gb4のチェックを解除する。操作領域Gb4のチェックの解除は、以降においても選択対象の変更が許可されること(以下「変更許可」という)の指示を意味する。以上の例示の通り、第5実施形態において、利用者Uは、以降において選択対象を変更するか否か(変更許可/変更禁止)を指示可能である。
【0110】
図20は、第5実施形態における投票情報Vの模式図である。図20に例示される通り、第5実施形態の投票情報Vは、第1実施形態と同様の要素(予想選択肢M,配当倍率D、使用量Qb)に加えて変更情報Vaを含む。
【0111】
変更情報Vaは、利用者Uによる選択対象の変更の可否を表す情報(例えばフラグ)である。操作領域Gb4にチェックが付与された場合、制御装置11は、変更禁止を表す数値に変更情報Vaを設定する。他方、操作領域Gb4のチェックが解除された場合、制御装置11は、変更許可を表す数値に変更情報Vaを設定する。
【0112】
変更情報Vaが変更許可を表す場合、制御装置11(選択受付部42)は、第1実施形態と同様に、選択対象の変更の指示を利用者Uから有効に受付ける。他方、変更情報Vaが変更禁止を表す場合、制御装置11(選択受付部42)は、選択対象の変更の指示を利用者Uから受付けない。
【0113】
制御装置11(配当管理部43)は、選択対象の変更の可否に応じて、変更後の選択肢Mの配当倍率Dを制御する。例えば、制御装置11は、変更禁止が指示された場合における調整値Zを、変更許可が指示された場合における調整値Zを下回る数値に設定する。具体的には、制御装置11は、変更許可が指示された場合には調整値Zを数値ZHに設定し、変更禁止が指示された場合には、調整値Zを、数値ZHを下回る数値ZLに設定する。
【0114】
選択対象の変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは、調整値Zを適用した数式(1)の演算により算定される。したがって、変更禁止が指示された場合(Z=ZL)における配当倍率Dの数値は、変更許可が指示された場合(Z=ZH)における配当倍率Dの数値を上回る。
【0115】
例えば、変更許可が指示された場合における調整値Zの数値ZHは0.1に設定される。したがって、投票画面Gbに表示される各選択肢Mの変更後の配当倍率Dは、図18に例示される通り、前掲の図12と同様の数値に設定される。例えば、基礎倍率D0が8.0倍である選択肢M4の変更後の配当倍率Dは、以下の通り7.20倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=8.0×(1-0.1)=7.20
【0116】
他方、変更禁止が指示された場合における調整値Zの数値ZLは、数値ZHを下回る0.05に設定される。したがって、投票画面Gbに表示される各選択肢Mの変更後の配当倍率Dは、図19に例示される通り、図18の各数値を上回る数値に設定される。例えば、基礎倍率D0が8.0倍である選択肢M4の変更後の配当倍率Dは、以下の通り7.60倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=8.0×(1-0.05)=7.60
【0117】
以上の例示の通り、変更禁止の場合における各選択肢Mの変更後の配当倍率D(図19)は、変更許可の場合における配当倍率D(図18)を上回る。すなわち、以降において選択対象を変更しないことを利用者Uが指示した結果、選択対象の変更に起因した配当倍率Dの低下を抑制できる。
【0118】
第5実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第5実施形態においては、変更禁止が指示された場合における各選択肢Mの配当倍率Dが、変更許可が指示された場合における各選択肢Mの配当倍率Dを上回る。したがって、利用者Uは、選択対象を変更しないこと(変更禁止)を指示することで、多数の配当を獲得し易い。すなわち、利用者Uは、選択対象を変更する権利の放棄により、獲得可能な配当の増加を目指すことが可能である。以上の構成によれば、利用者Uによる選択対象の過度な変更を抑制できる。なお、第2実施形態から第4実施形態の構成は、第5実施形態にも同様に適用される。
【0119】
[第6実施形態]
図21は、第6実施形態における利用者情報Yの模式図である。図21に例示される通り、第6実施形態の利用者情報Yは、第1実施形態と同様の要素に加えて支払情報Pを含む。支払情報Pは、投票コンテンツBのサービスに対する利用者Uによる支払の有無(支払済/無課金)を表す情報である。利用者Uは、投票コンテンツBのサービスを無課金により利用可能であるが、所定額の支払によりサービスを有利に展開できる。具体的には、利用者Uは、所定額を月次で支払うサブスクリプション契約への加入が可能である。支払情報Pは、利用者Uが加入したサブスクリプション契約による支払の有無を表す。サブスクリプション契約のための支払には、例えば電子通貨等の通貨(金銭)のほかポイントが利用される。
【0120】
制御装置11(配当管理部43)は、支払情報Pが表す支払の有無に応じて、変更後の選択肢Mの配当倍率Dを制御する。具体的には、情報処理システム10の制御装置11(配当管理部43)は、支払情報Pが支払済を表す場合における調整値Zを、支払情報Pが無課金を表す場合における調整値Zを下回る数値に設定する。具体的には、制御装置11は、支払情報Pが無課金を表す場合には調整値Zを数値ZHに設定し、支払情報Pが支払済を表す場合には、調整値Zを、数値ZHを下回る数値ZLに設定する。
【0121】
選択対象の変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは、調整値Zを適用した数式(1)の演算により算定される。したがって、利用者Uが所定額を支払済である場合(Z=ZL)における各選択肢Mの配当倍率Dは、利用者Uが無課金である場合(Z=ZH)における各選択肢Mの配当倍率Dを上回る。すなわち、制御装置11(配当管理部43)は、利用者Uによる所定額の支払により、基礎倍率D0に対する配当倍率Dの低下を抑制する。
【0122】
例えば、無課金の場合における調整値Zの数値ZHは0.1に設定される。したがって、例えば基礎倍率D0が8.0倍である選択肢Mの変更後の配当倍率Dは、以下の通り7.20倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=8.0×(1-0.1)=7.20
【0123】
他方、利用者Uが所定額を支払済である場合における調整値Zの数値ZLは、数値ZHを下回る0.05に設定される。例えば基礎倍率D0が8.0倍である選択肢Mの変更後の配当倍率Dは、以下の通り7.60倍と算定される。
D=D0×(1-Z)=8.0×(1-0.05)=7.60
【0124】
第6実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第6実施形態においては、利用者Uによる所定額の支払により、基礎倍率D0に対する配当倍率Dの低下が抑制される。したがって、利用者Uは、所定額の支払(例えばサブスクリプション契約への加入)により多数の配当を獲得し易い。すなわち、第6実施形態によれば、多数の配当の獲得を目指す利用者Uに対し、所定額を支払う効果的な誘因を付与できる。
【0125】
[第7実施形態]
第7実施形態においては、第6実施形態と同様に、利用者Uがサブスクリプション契約に加入することで投票コンテンツBのサービスを有利に展開できる。第7実施形態においてはさらに、利用者Uは、複数のプランの何れかを選択してサブスクリプション契約に加入できる。複数のプランの各々においては、投票コンテンツBのサービスにおいて利用者Uが享受可能な特典が相違する。利用者Uによる支払額Paはプラン毎に相違する。
【0126】
第7実施形態の利用者情報Yは、第6実施形態と同様に支払情報Pを含む。第7実施形態における支払情報Pは、利用者Uが加入したプランと、当該プランに対応する支払額Paとを含む。
【0127】
図22は、第7実施形態における各プランの説明図である。利用者Uは、複数のプラン(A,B,C,D)の何れかを選択することが可能である。加入に必要な支払額Paはプラン毎に相違する。図22に例示される通り、利用者Uが加入可能な複数のプランの各々について、補正値αと制限回数Laと使用制限値Lbとが設定される。
【0128】
補正値αは、調整値Zを調整するためのパラメータであり、例えば1未満の正数に設定される。制御装置11(配当管理部43)は、配当倍率Dの算定に適用される調整値Zを、以下の数式(2)により算定する。
Z=N×Z0×(1-α) (2)
数式(2)から理解される通り、補正値αは、基準値Z0に対する減少率である。すなわち、補正値αが大きいほど調整値Zは小さい数値に設定される。前掲の数式(1)の通り、調整値Zが小さいほど、変更後の選択肢Mに関する配当倍率Dは大きい。すなわち、補正値αが大きいほど変更後の配当倍率Dが大きく、多数の配当の獲得を目指す利用者Uにとって有利である。以上の説明の通り、第7実施形態において、利用者Uは、選択対象の変更時における配当倍率Dの低下を抑制できる特典(以下「倍率特典」という)を享受できる。他方、利用者Uが無課金である場合、調整値Zは変更回数Nと基準値Z0との乗算値(Z=N×Z0)に設定される。すなわち、無課金の利用者Uは倍率特典を享受できない(α=0)。
【0129】
図22に例示される通り、複数のプランのうち支払額Paが高額であるプランほど、補正値αは大きい数値に設定される。すなわち、利用者Uは、高額なプランに加入することで配当倍率Dの低下を抑制できる。したがって、第7実施形態によれば、多数の配当の獲得を目指す利用者Uに対し、支払額Paが高額なプランに加入する誘因を付与できる。
【0130】
図22の制限回数Laは、利用者Uが選択対象を変更できる回数の上限(以下「上限回数」という)を規定する数値である。具体的には、所定の単位期間(例えば1ヶ月)内における選択対象の変更回数Nは、基準値N0に制限回数Laを加算した数値を上限回数とする範囲内に制限される。基準値N0は、所定の自然数である。
【0131】
制御装置11(配当管理部43)は、変更回数Nが上限回数に到達するまで、選択対象の変更の指示を利用者Uから反復的に受付ける。変更回数Nが上限回数に到達すると、制御装置11(配当管理部43)は、以降は選択対象の変更の指示を受付けない。以上の構成によれば、選択対象の変更が過度に頻繁に反復される可能性を低減できる。
【0132】
無課金の利用者Uについては、基準値N0が上限回数に設定される(La=0)。すなわち、無課金の利用者Uは、変更回数Nが基準値N0に到達するまで選択対象の変更を反復可能である。他方、支払額Paの支払済の利用者Uについては、基準値N0に制限回数Laが加算される。すなわち、支払済の利用者Uは、無課金の利用者Uよりも多い回数にわたり、選択対象の変更を反復可能である。
【0133】
支払額Paが高額であるプランほど、制限回数Laは大きい数値に設定される。したがって、利用者Uが高額なプランに加入することで、倍率特典を享受できる回数が増加する。最上位のプランDに加入した場合、制限回数Laは無制限である。すなわち、プランDに加入した利用者Uは、倍率特典を何度でも享受できる。
【0134】
なお、以上の説明においては、変更回数Nが上限回数に到達した場合に以後における選択対象の変更が禁止される形態を例示した。しかし、変更回数Nが上限回数に到達した場合に、倍率特典の利用が制限されるだけで、選択対象の変更自体は継続的に受付けられる形態も想定される。すなわち、変更回数Nが上限回数に到達した場合、選択対象の変更がさらに指示されると、制御装置11は、調整値Zを一律に基準値Z0に設定する。
【0135】
図22の使用制限値Lbは、利用者Uが倍率特典を享受できる使用量Qbの総額の上限値である。制御装置11(配当管理部43)は、利用者Uが指示した使用量Qbの総額が使用制限値Lbに到達するまで、補正値αを適用した調整値Zの制御を実行する。他方、使用量Qbの総額が使用制限値Lbに到達すると、制御装置11は、調整値Zを変更回数Nと基準値Z0との乗算値に設定する。使用量Qbの総額が使用制限値Lbに到達しても、倍率特典の利用が制限されるだけであり、投票コンテンツBに対する投票自体(さらに選択対象の変更)は継続的に可能である。以上の説明の通り、利用者Uが倍率特典を享受できる期間は、使用量Qbの総額が使用制限値Lbに到達するまでの期間に制限される。
【0136】
図22に例示される通り、支払額Paが高額であるプランほど、使用制限値Lbは大きい数値に設定される。したがって、利用者Uが高額なプランに加入することで、倍率特典を享受できる機会が増加する。
【0137】
第7実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。また、第7実施形態においては、利用者Uによる所定額の支払により基礎倍率D0に対する配当倍率Dの低下が抑制され、かつ、配当倍率Dの低下が抑制される度合が支払額Paに応じて変化する。したがって、支払額Paが高額であるほど、利用者Uは多数の配当を獲得し易い。すなわち、第7実施形態によれば、多数の配当の獲得を目指す利用者Uに対し、より高額なプランに加入する効果的な誘因を付与できる。
【0138】
[変形例]
以上に例示した形態は多様に変形され得る。前述の形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を、相互に矛盾しない範囲で併合してもよい。
【0139】
(1)前述の各形態においては、目標イベントの進行に並行したリアルタイムの投票が可能なライブベッティングを例示したが、投票コンテンツBは、目標イベントの開始前に限定して投票が可能なプレマッチベッティングのためのコンテンツでもよい。プレマッチベッティングの投票コンテンツBについては、目標イベントの開始が予定される時刻を投票受付期間の終点として、利用者Uによる投票が受付けられる。
【0140】
(2)配当倍率Dの算定の方法は、前述の各形態における例示に限定されない。例えば、選択対象を複数回にわたり変更した場合に、各回の調整値Zが累積される形態も想定される。
【0141】
例えば、第3実施形態(図15図16)において、選択対象を選択肢M2から選択肢M1に変更した場合の配当倍率Dは、1.1375倍(1.30×(1-0.125))である。また、選択対象を選択肢M1から選択肢M2に変更した場合の配当倍率Dは、3.33倍(=3.60×(1-0.075))である。
【0142】
選択対象が選択肢M2から選択肢M1に変更され、さらに選択肢M1から選択肢M2に変更された場合を想定する。以上の場合において、制御装置11(配当管理部43)は、選択対象を選択肢M1から選択肢M2に変更する場合の調整値Zを、選択肢M2から選択肢M1への変更時の調整値Z(0.125)と、選択肢M1から選択肢M2への変更時の調整値Z(0.075)との加算値に設定してもよい。以上の例示の場合、調整値Zは0.200に設定される。したがって、変更後の選択肢M2に関する配当倍率Dは、2.88倍(=3.60×(1-0.200))に設定される。
【0143】
(3)前述の各形態においては、説明の便宜のために基礎倍率D0を固定値と仮定したが、基礎倍率D0は、投票受付期間内において経時的に変化してもよい。基礎倍率D0を変化させる方式は任意であるが、例えばパリミチュエル方式またはブックメーカー方式が基礎倍率D0の設定に利用される。パリミチュエル方式は、使用総額Σbのうち所定比率の数量を運営者の収益として差引き、予想が的中した利用者Uに対して残余の数量が配分されるように、各選択肢Mの基礎倍率D0を自動的に変化させる方式である。他方、ブックメーカー方式は、運営者(ブックメーカー)が各選択肢Mの基礎倍率D0を手動により変化させる方式である。
【0144】
制御装置11(配当管理部43)は、投票受付期間内の経過時間に応じて基礎倍率D0を変化させてもよい。例えば、目標イベントの進行に並行して投票可能なライブベッティングにおいては、目標イベントの進行とともに結果の予想が容易化する。したがって、投票受付期間内の時間の経過とともに基礎倍率D0が減少する形態が想定される。また、同様の理由により、投票受付期間内の時間の経過とともに調整値Zを増加させてもよい。調整値Zの増加により、選択対象の変更後の配当倍率Dは経時的に減少する。なお、投票受付期間内における時間の経過は、例えば目標イベントの開始からの経過時間、または、目標イベントにおいて経時的に変化する数値(例えば野球の試合におけるイニング数)により管理される。
【0145】
(4)前述の各形態においては、選択対象の変更時の配当倍率Dが、選択対象の変更によらない投票時の配当倍率Dを下回る形態を例示したが、配当倍率Dの下限値が設定されてもよい。例えば、前掲の数式(1)により算定される配当倍率Dが所定の下限値(例えば1.10倍)を下回る場合、制御装置11(配当管理部43)は、当該下限値を配当倍率Dとして採用してもよい。以上の構成によれば、配当倍率Dが下限値を下回ることを回避できる。
【0146】
(5)第2実施形態においては、調整値Z(さらには配当倍率D)を変更回数Nに応じて調整する形態を例示した。以上の形態においては、変更回数Nが増加するほど調整値Zも増加する。第2実施形態において、変更回数Nに上限値が設定されてもよい。例えば、変更回数Nが上限値に到達した場合、制御装置11(配当管理部43)は、変更回数Nを当該上限値に設定する。すなわち、選択対象が変更された場合でも、変更回数Nは上限値に維持される。以上の形態によれば、選択対象の変更が反復された場合の配当倍率Dが過度に小さい数値に設定される可能性を低減できる。
【0147】
(6)第4実施形態においては、変更前の選択肢Mと変更後の選択肢Mとの段階差δに応じて変更後の配当倍率Dを設定したが、変更の前後における選択肢Mの関係を配当倍率Dに反映させるための構成は、以上の例示に限定されない。例えば、変更前の選択肢Mと変更後の選択肢Mとの関係が所定の条件を充足するか否かに応じて、調整値Z(さらには配当倍率D)を相違させてもよい。例えば、図17に例示した複数の選択肢Mにおいて、制御装置11(配当管理部43)は、目標イベントにおける勝利者が変化するような選択対象の変更が指示された場合に調整値Zを数値ZHに設定し、勝利者が変化しない選択対象の変更が指示された場合には、調整値Zを、数値ZHを下回る数値ZLに設定する。
【0148】
(7)前述の各形態においては、選択対象が選択肢Maから選択肢Mbに変更された場合における配当倍率Dが、選択対象の変更によらずに選択肢Mbが選択された場合における配当倍率Dを下回る形態を例示したが、利用者Uに付与される配当量Qwを選択対象の変更の有無に応じて相違させるための形態は、以上の例示に限定されない。
【0149】
例えば、選択対象の変更の有無に応じて配当量Qwの減額/維持を切替える構成も想定される。具体的には、制御装置11(配当管理部43)は、選択対象が選択肢Maから選択肢Mbに変更された場合に、利用者Uに付与される配当量Qwから所定値を減算する。他方、制御装置11(配当管理部43)は、選択対象の変更によらずに選択肢Mbが選択された場合には、所定値を減算せずに配当量Qwを利用者Uに付与する。以上の構成において、選択対象の変更の有無に応じて配当倍率Dを相違させる構成は必須ではない。
【0150】
なお、配当量Qwの減額値は、例えば変更回数Nに応じて設定されてよい。例えば、配当量Qwの減額値は変更回数Nに比例してもよい。例えば、選択対象の変更が1回であれば500ポイントが配当量Qwから減額され、選択対象の変更が2回であれば1000ポイントが配当量Qwから減額される。
【0151】
以上の通り、選択対象が選択肢Mbに変更された場合に利用者Uに付与される配当量Qwが、選択対象の変更によらず最初から選択肢Mbを選択した場合に利用者Uに付与される配当量Qwを、結果的に下回ればよく、双方の場合において配当量Qwを相違させるための具体的な構成は任意である。
【0152】
(8)前述の各形態においては、基礎倍率D0に対する減少率を調整値Zとして例示したが、基礎倍率D0に対する配当倍率Dの比率が、調整値Zとして配当倍率Dの算定に適用されてもよい。具体的には、前掲の数式(1)における(1-Z)の数値が、調整値Zとして利用されてもよい。基礎倍率D0に対する減少率を調整値Zとした前述の各形態においては、調整値Zが小さいほど配当倍率Dは大きい数値に設定される。他方、基礎倍率D0に対する配当倍率Dの比率を調整値Zとした形態においては、調整値Zが大きいほど配当倍率Dは大きい数値に設定される。以上の通り、調整値Zと配当倍率Dとの関係(調整値Zに応じた配当倍率Dの増加/減少)は、本開示において任意である。
【0153】
(9)前述の各形態に係る情報処理システム10の機能は、制御装置11を構成する1以上のプロセッサと、記憶装置12に記憶されたプログラムとの協働により実現される。以上の形態に係るプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体も包含される。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体も除外されない。また、配信装置が通信網200を介してプログラムを配信する構成では、当該配信装置においてプログラムを記憶する記録媒体が、前述の非一過性の記録媒体に相当する。
【0154】
(10)本願における「第n」(nは自然数)という記載は、各要素を表記上において区別するための形式的かつ便宜的な標識(ラベル)としてのみ使用され、如何なる実質的な意味も持たない。したがって、「第n」という表記を根拠として、各要素の位置または製造の順番等が限定的に解釈される余地はない。
【0155】
[付記]
以上の記載から、例えば以下のように本開示の好適な態様が把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の符号を便宜的に括弧書で併記するが、本開示を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0156】
[付記1]
以上の課題を解決するために、本開示のひとつの態様(付記1)に係る情報処理システム(100)は、相異なる条件(C)に対応する複数の選択肢(M)の何れかの選択を利用者(U)から受付ける選択受付部(42)と、前記複数の選択肢(M)のうち前記利用者(U)が選択した選択肢(M)に対応する条件(C)が成立した場合に、前記利用者(U)に配当を付与する配当管理部(43)とを具備し、前記選択受付部(42)は、選択対象の変更を前記利用者(U)から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢(M)が選択された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第2数量を下回る。
【0157】
以上の態様においては、選択対象の変更が受付けられる。したがって、選択肢(M)の1回の選択により選択対象が確定して以降は選択対象を変更できない形態と比較して、選択肢(M)の選択後における長期間にわたり利用者(U)による興味を維持できる。また、選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合における配当の第1数量が、選択対象の変更によらず第2選択肢(M)が選択された場合における配当の第2数量を下回る。すなわち、利用者(U)は、配当の減少と引換えに選択対象を変更できる。したがって、選択対象の過度な変更を抑制できる。
【0158】
「条件(C)」は、実際に成立するか否かが不確定である事柄である。例えば、特定のイベント(以下「対象イベント」という)において成立する可能性がある事柄が「条件(C)」として例示される。「対象イベント」は、例えばサッカーまたは野球等のスポーツに関するスポーツイベント、eスポーツ等のゲームイベント、選挙等の社会的なイベント、映画または音楽等の娯楽に関するイベント、将棋またはチェス等のゲームイベント等、例えば目的または参加者の如何を問わない任意のイベントである。
【0159】
利用者(U)は、複数の選択肢(M)のうち、成立が予想される条件(C)に対応する選択肢(M)を選択する。実際に成立した条件(C)に対応する選択肢(M)を選択した利用者(U)に対して配当が付与される。したがって、本開示における「条件(C)」は、例えば、利用者(U)に対して配当が付与されるために成立が必要な事柄とも表現される。なお、複数の条件(C)の相互関係は、択一的に成立し得る関係でもよいし、一部が並列に成立し得る関係でもよい。
【0160】
「配当」は、利用者(U)に付与される価値である。「配当」は、例えば数量が観念される要素である。具体的には、「配当」は、実際に成立した条件(C)に対応する選択肢(M)を利用者(U)が選択したこと(すなわち利用者(U)による予想の的中)に対する報酬として利用者(U)に付与される。
【0161】
「配当」は、価値媒体の形態で利用者(U)に付与される。「価値媒体」は、価値が設定された媒体である。「価値媒体」は、例えば、商品または役務と交換可能な価値、割引等の特典の享受のために消費される価値、または、他種の価値媒体に交換可能な価値である。例えば、各種のサービスに利用されるポイント、または、物理通貨または電子通貨等の通貨(金銭)が、「価値媒体」として例示される。
【0162】
「選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合」とは、選択済の第1選択肢(M)からの変更先として第2選択肢(M)が選択された場合を意味する。「選択対象の変更によらず第2選択肢(M)が選択された場合」とは、選択済の選択肢(M)からの変更ではなく、利用者(U)による初期的な選択により第2選択肢(M)が選択された場合を意味する。以上の通り、本開示においては、例えば、選択済の第1選択肢(M)からの変更により第2選択肢(M)が選択された場合と、初期的に第2選択肢(M)が選択された場合とで、第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により利用者(U)に付与される配当の数量(Qw)が相違する。換言すると、選択肢(M)の変更の結果として配当の数量(Qw)が減少する。
【0163】
なお、選択対象が変更された場合における配当の数量(Qw)と、選択対象が変更されない場合における配当の数量(Qw)とを相違させるための方法は任意である。例えば、利用者(U)による価値媒体の使用量(Qb)(例えばベット額)と、利用者(U)が選択した選択肢(M)に対応する配当倍率(D)(例えばオッズ)とに応じて配当の数量(Qw)が算定される形態においては、例えば選択肢(M)の変更の有無に応じて配当倍率(D)を相違させる形態が想定される。また、選択肢(M)の変更の有無に応じて配当の数量(Qw)を直接的に変更する形態も想定される。
【0164】
[付記2]
態様1の具体例(態様2)において、前記配当管理部(43)は、少なくとも、前記利用者(U)による価値媒体の使用量(Qb)と、前記利用者(U)が選択した選択肢(M)に対応する配当倍率(D)とに応じて、前記配当の数量(Qw)を算定し、前記選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合における前記配当倍率(D)である第1倍率は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢(M)が選択された場合における前記配当倍率(D)である第2倍率を下回る。以上の態様においては、選択対象が変更された場合の配当倍率(D)(第1倍率)が、選択対象が変更されない場合の配当倍率(D)(第2倍率)を下回る。したがって、例えば、選択対象が変更された場合の配当の数量(Qw)と選択対象が変更されない場合の配当の数量(Qw)との相違を、利用者(U)が把握し易い。
【0165】
「使用量(Qb)」は、利用者(U)が使用した価値媒体の数量である。例えば、利用者(U)が選択肢(M)の選択のための対価として使用した価値媒体の数量が「使用量(Qb)」である。価値媒体の「使用」は、価値媒体の「消費」とも表現される。また、「配当倍率(D)」は、配当の数量(Qw)を決定するためのパラメータである。
【0166】
[付記3]
態様2の具体例(態様3)において、前記配当管理部(43)は、前記第2倍率を調整値(Z)に応じて調整することで前記第1倍率を算定する。以上の態様においては、利用者(U)が変更前に選択した選択肢(M)に対応する第2倍率を調整値(Z)に応じて調整することで、変更後の選択肢(M)に対応する第1倍率が算定される。したがって、第1倍率と第2倍率との関係を調整値(Z)に応じて簡便に制御できる。
【0167】
「調整値(Z)」は、第2倍率を調整するためのパラメータである。調整値(Z)に応じた第2倍率の調整により第1倍率が算定される。したがって、調整値(Z)は、第2倍率と第1倍率との関係を規定するパラメータとも表現される。例えば、第2倍率に対する第1倍率の減少率、または、第2倍率に対する第1倍率の比率が、調整値(Z)として例示される。第2倍率は、配当倍率(D)の基準値または初期値とも表現される。
【0168】
[付記4]
態様3の具体例(態様4)において、前記選択受付部(42)は、前記選択対象の変更を複数回にわたり受付可能であり、前記配当管理部(43)は、前記選択対象の変更回数(N)に応じて前記調整値(Z)を制御する。以上の態様においては、選択対象の変更回数(N)に応じて調整値(Z)が制御されるから、各回の変更における配当倍率(D)(第1倍率)と、選択対象が変更されない場合の配当倍率(D)(第2倍率)との関係を変更回数(N)に応じて調整できる。
【0169】
変更回数(N)に応じた調整値(Z)の制御は、変更回数(N)の増加に連動して調整値(Z)を変化させる処理である。変更回数(N)と調整値(Z)との関係は任意である。例えば、変更回数(N)に比例して調整値(Z)を変化させる形態が例示される。また、例えば変更回数(N)の増加毎に調整値(Z)を所定の変化量ずつ変化させる形態も想定される。調整値(Z)の変化量は、変更回数(N)の増加毎に変化(例えば増加または減少)してもよい。
【0170】
[付記5]
態様3または態様4の具体例(態様5)において、前記配当管理部(43)は、前記変更後の選択肢(M)に関連する情報に応じて、前記変更後の選択肢(M)に対応する前記第1倍率の算定に適用される前記調整値(Z)を制御する。以上の態様においては、変更後の選択肢(M)に関連する情報に応じて調整値(Z)が制御されるから、利用者(U)は、選択肢(M)に関連する情報を考慮しながら、選択対象の変更の適否または変更後の選択肢(M)を決定できる。
【0171】
[付記6]
態様5の具体例(態様6)において、前記変更後の選択肢(M)に関連する情報は、価値媒体の使用量(Qb)の総額に対する、当該選択肢(M)に対応する条件(C)が成立した場合に付与される配当の総額の比率である還元率(R)を含む。以上の態様においては、調整値(Z)が還元率(R)に応じて制御されるから、利用者(U)に配当を付与するサービスを運営する運営者の利益を確保し易い。
【0172】
還元率(R)は、利用者(U)が使用した価値媒体の総額に対する、条件(C)の成否に応じて利用者(U)に付与される配当の総額の割合である。したがって、還元率(R)が低いほど運営者は収益を確保し易い。以上の事情のもとで、第2倍率に対する第1倍率の減少率を調整値(Z)として想定した場合、還元率(R)が低いほど、調整値(Z)が減少する形態が例示される。
【0173】
なお、還元率(R)と調整値(Z)との関係は任意である。例えば、還元率(R)に連動して調整値(Z)が連続的に変化する形態が想定される。また、還元率(R)の数値域を区分した範囲毎に調整値(Z)が対応付けられ、還元率(R)の数値に対して調整値(Z)が段階的に変化する形態が想定される。なお、還元率(R)の範囲のなかには、還元率(R)が変化しても調整値(Z)が変化しない区間が存在してもよい。
【0174】
利用者(U)が使用した価値媒体の総額(使用総額)と、利用者(U)に付与される配当の総額(配当総額)との大小は任意である。すなわち、基本的には、使用総額が配当総額を上回る場合(還元率(R)<1)が想定されるが、使用総額が配当総額を下回る場合(還元率(R)>1)、または使用総額と配当総額とが相等しい形態(還元率(R)=1)もあり得る。
【0175】
[付記7]
態様5または態様6の具体例(態様7)において、前記複数の選択肢(M)の各々は、当該選択肢(M)の内容に関する相異なる段階に対応し、前記変更後の選択肢(M)に関連する情報は、前記変更前の選択肢(M)と前記変更後の選択肢(M)との間の段階差(δ)を含む。以上の態様においては、変更の前後の選択肢(M)における段階差(δ)に応じて調整値(Z)が制御される。したがって、内容的な相違が大きい選択肢(M)の間で選択対象が変更される場合と、内容的な相違が小さい選択肢(M)の間で選択対象が変更される場合とで、選択対象の変更に起因した配当倍率(D)の変化の度合を相違させることが可能である。
【0176】
選択肢(M)の内容に関する「段階」とは、各選択肢(M)の内容による区分を意味する。複数の選択肢(M)は、各選択肢(M)の段階に順番で配列される。すなわち、各選択肢(M)の「段階」は、複数の選択肢(M)を順番に配列するための内容的な区分である。
【0177】
段階差(δ)と調整値(Z)との関係は任意である。例えば、段階差(δ)の増加に連動して調整値(Z)が増加または減少する形態が想定される。ただし、段階差(δ)の範囲のなかには、段階差(δ)が変化しても調整値(Z)が変化しない区間が存在してもよい。
【0178】
[付記8]
態様2から態様7の何れかの具体例(態様8)において、前記利用者(U)は、前記選択対象を変更するか否かを指示可能であり、前記選択対象を変更しないことが指示された場合における前記第1倍率の数値は、前記選択対象を変更することが指示された場合における前記第1倍率の数値を上回る。以上の態様においては、選択対象を変更しないことが指示された場合における各選択肢(M)の第1倍率が、選択対象を変更することが指示された場合における各選択肢(M)の第1倍率を上回る。したがって、利用者(U)は、選択対象を変更しないことを指示することで、多数の配当を獲得し易い。すなわち、利用者(U)は、選択対象を変更する権利の放棄により、獲得可能な配当の増加を目指すことが可能である。
【0179】
「選択対象を変更しないこと」は、選択対象を変更する権利を利用者(U)が放棄し、選択対象を変更できない状態に遷移することを意味する。すなわち、「選択対象を変更しないこと」は、選択肢(M)の選択を確定することに相当する。
【0180】
[付記9]
態様1から態様8の何れかの具体例(態様9)において、前記配当管理部(43)は、前記利用者(U)による所定額の支払により、前記第2数量に対する前記第1数量の低下を抑制する。以上の態様によれば、所定額の支払により第2数量に対する第1数量の低下が緩和される。したがって、多数の配当の獲得を目指す利用者(U)に、所定額を支払う効果的な誘因を付与できる。
【0181】
[付記10]
態様1から態様9の何れかの具体例(態様10)において、前記選択受付部(42)は、前記変更回数(N)が上限回数に到達するまで、前記選択対象の変更を反復的に受付ける。以上の態様によれば、選択対象の変更が過度に頻繁に反復される可能性を低減できる。
【0182】
[付記11]
本開示のひとつの態様(態様11)に係る情報処理方法は、相異なる条件(C)に対応する複数の選択肢(M)の何れかの選択を利用者(U)から受付けることと、前記複数の選択肢(M)のうち前記利用者(U)が選択した選択肢(M)に対応する条件(C)が成立した場合に、前記利用者(U)に配当を付与することとを含み、前記選択の受付においては、選択対象の変更を前記利用者(U)から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢(M)が選択された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第2数量を下回る。
【0183】
[付記12]
本開示のひとつの態様(態様12)に係るプログラムは、相異なる条件(C)に対応する複数の選択肢(M)の何れかの選択を利用者(U)から受付ける選択受付部(42)、および、前記複数の選択肢(M)のうち前記利用者(U)が選択した選択肢(M)に対応する条件(C)が成立した場合に、前記利用者(U)に配当を付与する配当管理部(43)、としてコンピュータシステムを機能させるプログラムであって、前記選択受付部(42)は、選択対象の変更を前記利用者(U)から受付可能であり、前記選択対象が第1選択肢(M)から第2選択肢(M)に変更された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第1数量は、前記選択対象の変更によらず前記第2選択肢(M)が選択された場合に、前記第2選択肢(M)に対応する条件(C)の成立により前記利用者(U)に付与される配当の第2数量を下回る。
【符号の説明】
【0184】
100…通信システム、200…通信網、10…情報処理システム、11…制御装置、12…記憶装置、13…通信装置、20…管理システム、30…端末装置、31…制御装置、32…記憶装置、33…通信装置、34…表示装置、35…操作装置、41…表示制御部、42…選択受付部、43…配当管理部。
【要約】
【課題】投票コンテンツについて、利用者による予想の過度な変更を抑制しながら、利用者による興味を長期間にわたり維持することを目的とする。
【解決手段】情報処理システムは、相異なる条件に対応する複数の選択肢の何れかの選択を利用者から受付ける選択受付部42と、複数の選択肢のうち利用者が選択した選択肢に対応する条件が成立した場合に、利用者に配当を付与する配当管理部43とを含む。選択受付部42は、選択対象の変更を利用者から受付可能である。選択対象が第1選択肢から第2選択肢に変更された場合に、第2選択肢に対応する条件の成立により利用者に付与される配当の第1数量は、選択対象の変更によらず第2選択肢が選択された場合に、第2選択肢に対応する条件の成立により利用者に付与される配当の第2数量を下回る。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22