(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機
(51)【国際特許分類】
H01R 43/05 20060101AFI20241118BHJP
H01R 43/052 20060101ALI20241118BHJP
H01R 43/01 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01R43/05
H01R43/052
H01R43/01 Z
(21)【出願番号】P 2024126164
(22)【出願日】2024-08-01
【審査請求日】2024-08-01
(31)【優先権主張番号】202311360751.X
(32)【優先日】2023-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524286683
【氏名又は名称】太倉科世通汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】蒋 強
(72)【発明者】
【氏名】郭 王成
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202997278(CN,U)
【文献】特開2014-164868(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199788(WO,A1)
【文献】中国実用新案第210754455(CN,U)
【文献】特開2016-187821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 43/00-43/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機であって、フレーム(1)と支持板(2)とを備え、前記フレーム(1)上に前記支持板(2)が取り付けられ、前記支持板(2)上に異線径のワイヤーハーネスを矯正するための矯正機構(3)及び異線径のワイヤーハーネスのシース剥き・切断用のワイヤーハーネス処理機構(4)が取り付けられ、前記フレーム(1)上に移送機構、端子を供給するための端子用振動式ボウル(5)と端子フィーダが取り付けられ、前記フレーム(1)内に端子とワイヤーハーネスを圧着するための圧着機構(7)が取り付けられ、
前記矯正機構(3)は、取付ブラケット(8)を備え、前記取付ブラケット(8)の両端に第1ワイヤチューブ(16)及び第2ワイヤチューブ(17)がそれぞれ取り付けられ、前記取付ブラケット(8)の底側の軸受に4つの多角形軸(9)が取り付けられ、前記多角形軸(9)上に伝達ギヤ(10)が取り付けられ、且つ前記取付ブラケット(8)の同じ端にある2つの前記伝達ギヤ(10)が噛合し、前記多角形軸(9)の底端の外側にブッシュ(11)が摺動可能に被嵌され、前記ブッシュ(11)上に矯正輪(12)が取り付けられ、前記矯正輪(12)上に内径の異なる複数の電線収容溝(13)が穿設され、前記取付ブラケット(8)上に第1モータ(14)が取り付けられ、前記第1モータ(14)の出力端に駆動ギヤ(15)が取り付けられ、前記駆動ギヤ(15)は2つの前記伝達ギヤ(10)と噛合し、4つの前記ブッシュ(11)の底側は、いずれも昇降板(19)の軸受に連結され、前記昇降板(19)の底側に第1空気圧シリンダ(18)が取り付けられ、前記第1空気圧シリンダ(18)の伸縮端は前記昇降板(19)を貫通して前記取付ブラケット(8)に連結され、
前記ワイヤーハーネス処理機構(4)は、固定枠(20)を備え、前記固定枠(20)上に第1スライドレールが水平となるよう取り付けられ、摺動枠(21)が前記第1スライドレール上に摺動自在に取り付けられ、前記摺動枠(21)の側壁に第2スライドレールが垂設され、前記第2スライドレール上に2つの調整座部(22)が取り付けられ、2つの前記調整座部(22)が同じ速度で互いに逆方向へ移動し、前記調整座部(22)内にガイドロット(23)が水平となるよう取り付けられ、前記ガイドロット(23)上にU字状受け部(24)が摺動自在に取り付けられ、前記U字状受け部(24)内にツールホルダ(25)が摺動可能に取り付けられ、前記ツールホルダ(25)上にVノッチを有するシースストリッパー(26)が取り付けられ、2つの前記シースストリッパー(26)は交差配置され、前記固定枠(20)上に第2空気圧シリンダ(27)が水平となるよう取り付けられ、前記第2空気圧シリンダ(27)の伸縮端は前記摺動枠(21)に連結され、前記摺動枠(21)の頂側に取付軸を介して第3空気圧シリンダ(28)に回転自在に取り付けられ、前記摺動枠(21)の側壁に前記取付軸を介してT字板(29)及びL字板(30)が回転自在に取り付けられ、前記T字板(29)の頂端は前記第3空気圧シリンダ(28)の伸縮端に回転自在に連結され、前記T字板(29)の底端に第1ガイドプーリー(31)が取り付けられ、前記L字板(30)の頂端に第1ガイド溝(32)が穿設され、前記第1ガイドプーリー(31)は前記第1ガイド溝(32)内に位置し、前記T字板(29)及び前記L字板(30)の両方に第2ガイド溝(33)が穿設され、2つの前記調整座部(22)の第2ガイドプーリー(34)は2つの前記第2ガイド溝(33)内にそれぞれ位置し、前記調整座部(22)の1つに第2モータ(35)が取り付けられ、前記第2モータ(35)の出力端に前記U字状受け部(24)と螺着するねじ棒が取り付けられ、前記U字状受け部(24)の側辺にL字状の誘導板(40)が取り付けられ、前記摺動枠(21)の頂側にガイド枠(37)が取り付けられ、前記ガイド枠(37)の底側の第3スライドレール上にスライダ(38)が取り付けられ、前記スライダ(38)の底側に前記誘導板(40)を貫通する多角形の摺動ピン(39)が取り付けられ、前記調整座部(22)の側壁には、第4スライドレールが垂設され、前記ツールホルダ(25)は前記第4スライドレールに摺動可能に取り付けられ、前記U字状受け部(24)の側壁に傾斜した第3ガイド溝(41)が穿設され、前記ツールホルダ(25)の両側壁に前記第3ガイド溝(41)内に位置するガイドポスト(42)が取り付けられる
ことを特徴とする、自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機。
【請求項2】
前記移送機構は、第4空気圧シリンダ(45)を備え、前記第4空気圧シリンダ(45)の伸縮端に並進プレートが取り付けられ、前記並進プレート上に第3モータ(46)が取り付けられ、前記第3モータ(46)の伸縮端に回転板(43)が取り付けられ、前記回転板(43)上に空気圧クランプジョー(44)が取り付けられることを特徴とする、請求項1に記載の自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機。
【請求項3】
前記圧着機構(7)は、作業テーブル(47)を備え、前記作業テーブル(47)上に支持軸(49)を通じて回転アーム(48)が回転自在に取り付けられ、前記作業テーブル(47)上に第5空気圧シリンダ(53)が取り付けられ、前記第5空気圧シリンダ(53)の伸縮端は前記取付軸を介して前記回転アーム(48)に回転自在に連結され、前記回転アーム(48)の側壁にクランプ爪(50)及びカシメ爪(51)が取り付けられ、前記クランプ爪(50)及び前記カシメ爪(51)の底端にローラ(52)が取り付けられ、前記回転アーム(48)の底側に第6空気圧シリンダ(54)が垂設され、前記第6空気圧シリンダ(54)の伸縮端に等脚台形ブロック(55)が取り付けられ、前記等脚台形ブロック(55)の側壁は前記クランプ爪(50)及び前記カシメ爪(51)の前記ローラ(52)とそれぞれ接触することを特徴とする、請求項2に記載の自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用ワイヤーハーネス加工の技術分野に関し、特に、自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスは、エレクトロニクス、家電、コンピュータ、自動車、鉄道、自動制御、信号などの先進製造業、サービス業に必要不可欠な部品であり、自動車用ワイヤーハーネスの加工過程で電線を端子とそれぞれ圧着してから圧着後のワイヤーハーネスの端子を介して自動車上のコネクタに差し込んで接続する。
【0003】
ワイヤーハーネスの圧着工程では、ワイヤーハーネスを矯正する必要があり、矯正しないと後続のシース剥き、切断及び端子圧着工程で水平搬送ができず、異なるワイヤーハーネスの線径が異なるため、従来の圧着機では異線径のワイヤーハーネスを矯正できず、異線径のワイヤーハーネスの外部シース及び内部の導体の直径も異なるため、異なるワイヤーハーネスのシースを切断する時、事前にカッターの位置を手作業で調整する必要があり、調整していない場合、切断時、内部導体の損傷或いはシースが完全に切断できずに分離できなくなる状況が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ワイヤーハーネスの圧着工程では、ワイヤーハーネスを矯正する必要があり、矯正しないと後続のシース剥き、切断及び端子圧着工程で水平搬送ができず、異なるワイヤーハーネスの線径が異なるため、従来の圧着機では異線径のワイヤーハーネスを矯正できず、異線径のワイヤーハーネスの外部シース及び内部の導体の直径も異なるため、異なるワイヤーハーネスのシースを切断する時、事前にカッターの位置を手作業で調整する必要があり、調整していない場合、切断時、内部導体の損傷或いはシースが完全に切断できずに分離できなくなる状況が発生しやすいという技術的課題、を解決する自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、次の通りの技術的手段を採用する。
【0006】
自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機であって、フレームと支持板とを備え、前記フレーム上に支持板が取り付けられ、前記支持板上に異線径のワイヤーハーネスを矯正するための矯正機構及び異線径のワイヤーハーネスのシース剥き・切断用のワイヤーハーネス処理機構が取り付けられ、前記フレーム上に移送機構、端子を供給するための端子用振動式ボウルと端子フィーダが取り付けられ、前記フレーム内に端子とワイヤーハーネスを圧着するための圧着機構が取り付けられる。
【0007】
好ましくは、前記矯正機構は、取付ブラケットを備え、前記取付ブラケットの両端に第1ワイヤチューブ及び第2ワイヤチューブがそれぞれ取り付けられ、前記取付ブラケットの底側の軸受に4つの多角形軸が取り付けられ、前記多角形軸上に伝達ギヤが取り付けられ、且つ取付ブラケットの同じ端にある2つの伝達ギヤが噛合し、前記多角形軸の底端の外側にブッシュが摺動可能に被嵌され、ブッシュ上に矯正輪が取り付けられ、前記矯正輪上に内径の異なる複数の電線収容溝が穿設される。
【0008】
好ましくは、前記取付ブラケット上に第1モータが取り付けられ、前記第1モータの出力端に駆動ギヤが取り付けられ、駆動ギヤは2つの伝達ギヤと噛合する。
【0009】
好ましくは、4つの前記ブッシュの底側は、いずれも昇降板の軸受に連結され、前記昇降板の底側に第1空気圧シリンダが取り付けられ、第1空気圧シリンダの伸縮端は昇降板を貫通して取付ブラケットに連結される。
【0010】
好ましくは、前記ワイヤーハーネス処理機構は、固定枠を備え、前記固定枠上に第1スライドレールが水平となるよう取り付けられ、摺動枠が第1スライドレール上に摺動自在に取り付けられ、前記摺動枠の側壁に第2スライドレールが垂設され、第2スライドレール上に2つの調整座部が取り付けられ、2つの調整座部が同じ速度で互いに逆方向へ移動し、前記調整座部内にガイドロットが水平となるよう取り付けられ、前記ガイドロット上にU字状受け部が摺動自在に取り付けられ、前記U字状受け部内にツールホルダが摺動可能に取り付けられ、ツールホルダ上にVノッチを有するシースストリッパーが取り付けられ、2つのシースストリッパーは交差配置される。
【0011】
好ましくは、前記固定枠上に第2空気圧シリンダが水平となるよう取り付けられ、第2空気圧シリンダの伸縮端は摺動枠に連結され、前記摺動枠の頂側に取付軸を介して第3空気圧シリンダに回転自在に取り付けられ、前記摺動枠の側壁に取付軸を介してT字板及びL字板が回転自在に取り付けられ、T字板の頂端は第3空気圧シリンダの伸縮端に回転自在に連結され、前記T字板の底端に第1ガイドプーリーが取り付けられ、前記L字板の頂端に第1ガイド溝が穿設され、第1ガイドプーリーは第1ガイド溝内に位置し、前記T字板及びL字板の両方に第2ガイド溝が穿設され、2つの調整座部の第2ガイドプーリーは2つの第2ガイド溝内にそれぞれ位置する。
【0012】
好ましくは、前記調整座部の1つに第2モータが取り付けられ、前記第2モータの出力端にU字状受け部と螺着するねじ棒が取り付けられ、前記U字状受け部の側辺にL字状の誘導板が取り付けられ、前記摺動枠の頂側にガイド枠が取り付けられ、ガイド枠の底側の第3スライドレール上にスライダが取り付けられ、前記スライダの底側に誘導板を貫通する多角形の摺動ピンが取り付けられる。
【0013】
好ましくは、前記調整座部の側壁には、第4スライドレールが垂設され、ツールホルダは第4スライドレールに摺動可能に取り付けられ、前記U字状受け部の側壁に傾斜した第3ガイド溝が穿設され、前記ツールホルダの両側壁に第3ガイド溝内に位置するガイドポストが取り付けられる。
【0014】
好ましくは、前記移送機構は、第4空気圧シリンダを備え、前記第4空気圧シリンダの伸縮端に並進プレートが取り付けられ、前記並進プレート上に第3モータが取り付けられ、前記第3モータの伸縮端に回転板が取り付けられ、回転板上に空気圧クランプジョーが取り付けられる。
【0015】
好ましくは、前記圧着機構は、作業テーブルを備え、前記作業テーブル上に支持軸を通じて回転アームが回転自在に取り付けられ、前記作業テーブル上に第5空気圧シリンダが取り付けられ、第5空気圧シリンダの伸縮端は取付軸を介して回転アームに回転自在に連結され、前記回転アームの側壁にクランプ爪及びカシメ爪が取り付けられ、クランプ爪及びカシメ爪の底端にローラが取り付けられ、前記回転アームの底側に第6空気圧シリンダが垂設され、前記第6空気圧シリンダの伸縮端に等脚台形ブロックが取り付けられ、等脚台形ブロックの側壁はクランプ爪及びカシメ爪のローラとそれぞれ接触する。
【発明の効果】
【0016】
第1空気圧シリンダの動作により昇降板を昇降させて、ブッシュを多角形軸に沿って昇降させ、矯正輪の位置を調整し、内径の異なる電線収容溝を第1ワイヤチューブ及び第2ワイヤチューブと面一となるようにさせ、このとき電線を第1ワイヤチューブ、矯正輪及び第2ワイヤチューブに通し、第1モータの動作により駆動ギヤを回転駆動し、歯車間の噛合伝達により、伝達ギヤを回転させることで、ブッシュ及び矯正輪の回転を実現し、このとき、矯正機構により異線径の電線の矯正及び搬送が完了する。
【0017】
線径の異なりに応じて、第2モータの動作により、ねじ棒を回転駆動して、螺着するU字状受け部を並進させ、このとき多角形の摺動ピンと誘導板との協働により、2つのU字状受け部は同時にガイドロットに沿って移動し、多角形の摺動ピンはスライダを介してガイド枠の第3ガイドレールに沿って移動し、U字状受け部が並進したとき、第3ガイド溝はガイドポストに作用し、ツールホルダを第4スライドレールに沿った移動させ、2つのシースストリッパー間の距離を調整することで、その後のシースストリッパーによる切断の際、電線内の導体に切り傷が入るのを防ぎ、その後のシース剥きが正常に進むようにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図4】本発明のワイヤーハーネス処理機構の概略構成図である。
【
図5】本発明のワイヤーハーネス処理機構の側面図である。
【
図6】本発明のツールホルダ取付の概略構成図である。
【
図8】本発明の圧着機構の第1の概略構成図である。
【
図9】本発明の圧着機構の第2の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例態中の図面を参照して、本発明の実施例中の技術的手段を詳細に説明するが、説明する実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例でないことは言うまでもない。本発明中の実施例に基づいて、当業者が創造性の活動をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0020】
具体例を以下に挙げる。
【0021】
図1~
図9を参照すると、自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機であって、フレーム1と支持板2とを備え、フレーム1上に支持板2が取り付けられ、支持板2上に異線径のワイヤーハーネスを矯正するための矯正機構3及び異線径のワイヤーハーネスのシース剥き・切断用のワイヤーハーネス処理機構4が取り付けられ、フレーム1上に移送機構、端子を供給するための端子用振動式ボウル5と端子フィーダ6が取り付けられ、フレーム1内に端子とワイヤーハーネスを圧着するための圧着機構7が取り付けられる。
【0022】
矯正機構3は、取付ブラケット8を備え、取付ブラケット8の両端に第1ワイヤチューブ16及び第2ワイヤチューブ17がそれぞれ取り付けられ、取付ブラケット8の底側の軸受に4つの多角形軸9が取り付けられ、多角形軸9上に伝達ギヤ10が取り付けられ、且つ取付ブラケット8の同じ端にある2つの伝達ギヤ10が噛合し、多角形軸9の底端の外側にブッシュ11が摺動可能に被嵌され、ブッシュ11上に矯正輪12が取り付けられ、矯正輪12上に内径の異なる複数の電線収容溝13が穿設され、取付ブラケット8上に第1モータ14が取り付けられ、第1モータ14の出力端に駆動ギヤ15が取り付けられ、駆動ギヤ15は2つの伝達ギヤ10と噛合し、4つのブッシュ11の底側は、いずれも昇降板19の軸受に連結され、昇降板19の底側に第1空気圧シリンダ18が取り付けられ、第1空気圧シリンダ18の伸縮端は昇降板19を貫通して取付ブラケット8に連結される。第1空気圧シリンダ18の動作により、昇降板19を昇降させて、ブッシュ11及び矯正輪12を多角形軸9上で移動させ、多角形軸9上の異線径の電線収容溝13をそれぞれ第1ワイヤチューブ16及び第2ワイヤチューブ1に対応し、且つ第1モータ14の動作により駆動ギヤ15を回転駆動し、歯車間の噛合伝達により、伝達ギヤ10を回転させることで、ブッシュ11及び矯正輪12の回転を実現し、矯正輪12を通過する電線を矯正及び搬送する。
【0023】
ワイヤーハーネス処理機構4は、固定枠20を備え、固定枠20上に第1スライドレールが水平となるよう取り付けられ、摺動枠21が第1スライドレール上に摺動自在に取り付けられ、摺動枠21の側壁に第2スライドレールが垂設され、第2スライドレール上に2つの調整座部22が取り付けられ、2つの調整座部22が同じ速度で互いに逆方向へ移動し、調整座部22内にガイドロット23が水平となるよう取り付けられ、ガイドロット23上にU字状受け部24が摺動自在に取り付けられ、U字状受け部24内にツールホルダ25が摺動可能に取り付けられ、ツールホルダ25上にVノッチを有するシースストリッパー26が取り付けられ、2つのシースストリッパー26は交差配置され、固定枠20上に第2空気圧シリンダ27が水平となるよう取り付けられ、第2空気圧シリンダ27の伸縮端は摺動枠21に連結され、摺動枠21の頂側に取付軸を介して第3空気圧シリンダ28に回転自在に取り付けられ、摺動枠21の側壁に取付軸を介してT字板29及びL字板30が回転自在に取り付けられ、T字板29の頂端は第3空気圧シリンダ28の伸縮端に回転自在に連結され、T字板29の底端に第1ガイドプーリー31が取り付けられ、L字板30の頂端に第1ガイド溝32が穿設され、第1ガイドプーリー31は第1ガイド溝32内に位置し、T字板29及びL字板30の両方に第2ガイド溝33が穿設され、2つの調整座部22の第2ガイドプーリー34は2つの第2ガイド溝33内にそれぞれ位置する。第3空気圧シリンダ28によりT字板29を回転させ、第1ガイドプーリー31と第1ガイド溝32が協働してガイドすることにより、L字板30を回転させ、このとき、第2ガイド溝33と第2ガイドプーリー34が協働し、調整座部22を第2スライドレールに沿って移動させ、第3空気圧シリンダ28の伸縮端の動きに従い電線シースの歯入れ及び切断作業がそれぞれ完了し、歯入れ後、第2空気圧シリンダ27の動作により摺動枠21を並進させ、並進するシースストリッパー26により電線端部のシースを剥き、端子と圧着する電線の一端のシースを剥き、端子と圧着しない電線の他端のシースは、電線内部の導体を保護するため、切り込まれるだけで、剥がされない。
【0024】
調整座部22の1つに第2モータ35が取り付けられ、第2モータ35の出力端にU字状受け部24と螺着するねじ棒36が取り付けられ、U字状受け部24の側辺にL字状の誘導板40が取り付けられ、摺動枠21の頂側にガイド枠37が取り付けられ、ガイド枠37の底側の第3スライドレール上にスライダ38が取り付けられ、スライダ38の底側に誘導板40を貫通する多角形の摺動ピン39が取り付けられ、調整座部22の側壁には、第4スライドレールが垂設され、ツールホルダ25は第4スライドレールに摺動可能に取り付けられ、U字状受け部24の側壁に傾斜した第3ガイド溝41が穿設され、ツールホルダ25の両側壁に第3ガイド溝41内に位置するガイドポスト42が取り付けられる。第2モータ35の動作により、ねじ棒36を回転駆動して、螺着するU字状受け部24を並進させ、このとき多角形の摺動ピン39と誘導板40との協働により、2つのU字状受け部24は同時にガイドロット23に沿って移動し、多角形の摺動ピン39はスライダ38を介してガイド枠37の第3ガイドレールに沿って移動し、U字状受け部24が並進したとき、第3ガイド溝41はガイドポスト42に作用し、ツールホルダ25を第4スライドレールに沿った移動させ、2つのシースストリッパーの位置を調整することで、2つのシースストリッパー26間の距離の調整が容易となる。
【0025】
移送機構は、第4空気圧シリンダ45を備え、第4空気圧シリンダ45の伸縮端に並進プレートが取り付けられ、並進プレート上に第3モータ46が取り付けられ、第3モータ46の伸縮端に回転板43が取り付けられ、回転板43上に空気圧クランプジョー44が取り付けられる。移送機構の第4空気圧シリンダ45により並進プレートを移動させ、ワイヤーハーネス処理機構4と圧着機構7との間の電線の搬送が容易になり、切断・シース剥き後の電線は空気圧クランプジョー44によりクランプされて圧着機構7内に移して端子の圧着が完了し、圧着後、電線は圧着機構7から移出され、第3モータ46により回転板43及び空気圧クランプジョー44を駆動してアンロード部位まで回転させ、空気圧クランプジョー44は圧着後の電線を解放してアンロードを実現する。
【0026】
圧着機構7は、作業テーブル47を備え、作業テーブル47上に支持軸49を通じて回転アーム48が回転自在に取り付けられ、作業テーブル47上に第5空気圧シリンダ53が取り付けられ、第5空気圧シリンダ53の伸縮端は取付軸を介して回転アーム48に回転自在に連結され、回転アーム48の側壁にクランプ爪50及びカシメ爪51が取り付けられ、クランプ爪50及びカシメ爪51の底端にローラ52が取り付けられ、回転アーム48の底側に第6空気圧シリンダ54が垂設され、第6空気圧シリンダ54の伸縮端に等脚台形ブロック55が取り付けられ、等脚台形ブロック55の側壁はクランプ爪50及びカシメ爪51のローラ52とそれぞれ接触する。第5空気圧シリンダ53により、支持軸49を中心として回転アーム48を回転させ、第6空気圧シリンダ54の伸縮により等脚台形ブロック55を昇降させて、クランプ爪50及びカシメ爪51のローラ52と協働して、クランプ爪50及びカシメ爪51が端子を挟持及び圧着し、クランプ爪50及びカシメ爪51は端子フィーダ6の下方まで回転した時端子がロードされ、その後クランプ爪50及びカシメ爪51が電線に位置合わせするまで回転した時、移送機構は電線をクランプ爪50及びカシメ爪51の端子に挿入して圧着が完了する。
【0027】
第1空気圧シリンダ18の動作により昇降板19を昇降させて、ブッシュ11を多角形軸9に沿って昇降させ、矯正輪12の位置を調整し、内径の異なる電線収容溝13を第1ワイヤチューブ16及び第2ワイヤチューブ17と面一となるようにさせ、このとき電線を第1ワイヤチューブ16、矯正輪12及び第2ワイヤチューブ17に通し、第1モータ14の動作により駆動ギヤ15を回転駆動し、歯車間の噛合伝達により、伝達ギヤ10を回転させることで、ブッシュ11及び矯正輪12の回転を実現し、矯正機構3を通過した電線を矯正及び搬送し、電線がワイヤーハーネス処理機構4に入り、シース剥き・切断される。このとき、第2モータ35の動作により、ねじ棒36を回転駆動して、螺着するU字状受け部24を並進させ、このとき多角形の摺動ピン39と誘導板40との協働により、2つのU字状受け部24は同時にガイドロット23に沿って移動し、多角形の摺動ピン39はスライダ38を介してガイド枠37の第3ガイドレールに沿って移動し、U字状受け部24が並進したとき、第3ガイド溝41はガイドポスト42に作用し、ツールホルダ25を第4スライドレールに沿って移動させ、2つのシースストリッパー26間の距離を調整する。まず電線が第2ワイヤチューブ17を経由して移出され、第3空気圧シリンダ28によりT字板29を回転させ、第1ガイドプーリー31と第1ガイド溝32が協働してガイドすることにより、L字板30を回転させ、このとき、第2ガイド溝33と第2ガイドプーリー34が協働し、調整座部22を第2スライドレールに沿って移動させ、第3空気圧シリンダ28の伸縮端の動きに従い電線シースの歯入れ及び切断作業がそれぞれ完了し、歯入れ後、第2空気圧シリンダ27の動作により摺動枠21を並進させ、並進するシースストリッパー26により電線端部のシースを剥き、移送機構の第4空気圧シリンダ45により並進プレートを移動させ、このとき、空気圧クランプジョー44をシース剥きの電線に移動させ、空気圧クランプジョー44で電線をクランプし、その後第4空気圧シリンダ45が縮むことで、電線を圧着機構7に挿入した時、ワイヤーハーネス処理機構4により電線を切断し、末端のシースに切り込むがシースを剥かず、端子用振動式ボウル5の動作により端子を振動して端子フィーダ6に送り、端子フィーダ6を介して供給し、第5空気圧シリンダ53により、支持軸49を中心として回転アーム48を回転させ、第6空気圧シリンダ54の伸縮により等脚台形ブロック55を昇降させて、クランプ爪50及びカシメ爪51のローラ52と協働して、クランプ爪50及びカシメ爪51が端子を挟持及び圧着し、クランプ爪50及びカシメ爪51は端子フィーダ6の下方まで回転した時端子がロードされ、その後クランプ爪50及びカシメ爪51が電線に位置合わせするまで回転した時、移送機構は電線をクランプ爪50及びカシメ爪51の端子に挿入して圧着が完了し、次にクランプ爪50及びカシメ爪51が緩められ、移送機構が電線をフレーム1から移出し、その後第3モータ46により回転板43及び空気圧クランプジョー44を駆動してアンロード部位に回転させ、空気圧クランプジョー44が圧着後の電線を解放する。
【0028】
第1空気圧シリンダ18の動作により昇降板19を昇降させて、ブッシュ11を多角形軸9に沿って昇降させ、矯正輪12の位置を調整し、内径の異なる電線収容溝13を第1ワイヤチューブ16及び第2ワイヤチューブ17と面一となるようにさせ、このとき電線を第1ワイヤチューブ16、矯正輪12及び第2ワイヤチューブ17に通し、第1モータ14の動作により駆動ギヤ15を回転駆動し、歯車間の噛合伝達により、伝達ギヤ10を回転させることで、ブッシュ11及び矯正輪12の回転を実現し、このとき、矯正機構3により異線径の電線の矯正及び搬送が完了する。
【0029】
線径の異なりに応じて、第2モータ35の動作により、ねじ棒36を回転駆動して、螺着するU字状受け部24を並進させ、このとき多角形の摺動ピン39と誘導板40との協働により、2つのU字状受け部24は同時にガイドロット23に沿って移動し、多角形の摺動ピン39はスライダ38を介してガイド枠37の第3ガイドレールに沿って移動し、U字状受け部24が並進したとき、第3ガイド溝41はガイドポスト42に作用し、ツールホルダ25を第4スライドレールに沿った移動させ、2つのシースストリッパー26間の距離を調整することで、その後のシースストリッパー26による切断の際、電線内の導体に切れ傷が入るのを防ぎ、その後のシース剥きが正常に進むようにする。
【0030】
本発明では好ましい実施形態を前述の通り開示したが、本発明の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明に開示された技術的範囲内で、本発明の技術的手段及び発明の技術的思想に基づき均等物による置換又は変更を行うことができ、かかる置換や変更は本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
1 フレーム
10 伝達ギヤ
11 ブッシュ
12 矯正輪
13 電線収容溝
14 第1モータ
15 駆動ギヤ
16 第1ワイヤチューブ
17 第2ワイヤチューブ
18 第1空気圧シリンダ
19 昇降板
2 支持板
20 固定枠
21 摺動枠
22 調整座部
23 ガイドロット
24 U字状受け部
25 ツールホルダ
26 シースストリッパー
27 第2空気圧シリンダ
28 第3空気圧シリンダ
29 T字板
3 矯正機構
30 L字板
31 第1ガイドプーリー
32 第1ガイド溝
33 第2ガイド溝
34 第2ガイドプーリー
35 第2モータ
36 ねじ棒
37 ガイド枠
38 スライダ
39 多角形の摺動ピン
4 ワイヤーハーネス処理機構
40 誘導板
41 第3ガイド溝
42 ガイドポスト
43 回転板
44 空気圧クランプジョー
45 第4空気圧シリンダ
46 第3モータ
47 作業テーブル
48 回転アーム
49 支持軸
5 端子用振動式ボウル
50 クランプ爪
51 カシメ爪
52 ローラ
53 第5空気圧シリンダ
54 第6空気圧シリンダ
55 等脚台形ブロック
6 端子フィーダ
7 圧着機構
8 取付ブラケット
9 多角形軸
【要約】
【課題】自動車用ワイヤーハーネス接続用の全自動ワイヤーハーネス圧着機を提供することを課題とする。
【解決手段】フレームと支持板とを備え、前記フレーム上に支持板が取り付けられ、前記支持板上に異線径のワイヤーハーネスを矯正するための矯正機構及び異線径のワイヤーハーネスのシース剥き・切断用のワイヤーハーネス処理機構が取り付けられ、前記フレーム上に移送機構、端子を供給するための端子用振動式ボウルと端子フィーダが取り付けられ、前記フレーム内に端子とワイヤーハーネスを圧着するための圧着機構が取り付けられる。第1空気圧シリンダの動作により昇降板を昇降させて、ブッシュを多角形軸に沿って昇降させ、矯正輪の位置を調整し、このとき電線を第1ワイヤチューブ、矯正輪及び第2ワイヤチューブに通し、第1モータの動作により駆動ギヤを回転駆動し、歯車間の噛合伝達により、伝達ギヤを回転させることで、ブッシュ及び矯正輪の回転を実現し、このとき、矯正機構により異線径の電線の矯正及び搬送が完了する。
【選択図】
図1