(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
A63F7/02 315A
(21)【出願番号】P 2019016654
(22)【出願日】2019-02-01
【審査請求日】2021-11-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100126620
【氏名又は名称】石井 豪
(72)【発明者】
【氏名】関谷 徹
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】星 和輝
(72)【発明者】
【氏名】小林 竜也
(72)【発明者】
【氏名】中西 洋平
【合議体】
【審判長】▲吉▼川 康史
【審判官】稲荷 宗良
【審判官】澤田 真治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-29475(JP,A)
【文献】特開2015-228959(JP,A)
【文献】特開2018-183477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能な遊技領域と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域
である第1進入領域及び第2進入領域と、
前記
第1進入領域
又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき、所定の抽選を行う抽選手段と、
遊技状態を、予め定められた複数の遊技状態のいずれかとする遊技状態制御手段と、
前記抽選の結果を報知する変動演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、
前記抽選手段は、
前記遊技領域に設けられた大入賞口を開放する特別遊技の実行が対応付けられた大当たり、前記特別遊技と異なる遊技であって前記大入賞口を開放する小当たり遊技の実行が対応付けられた小当たり、又は、前記大当たり及び前記小当たりのいずれでもないハズレのいずれかを抽選により決定可能であり、
前記複数の遊技状態として、少なくとも第1遊技状態及び第2遊技状態を備えた遊技機であって、
前記抽選により決定可能な小当たりには、
特定当選態様を含む複数種類の当選態様が設けられており、前記抽選により小当たりが決定された場合には、いずれかの当選態様が決定され、
前記第1進入領域への遊技球の進入に基づいて前記抽選が行われた場合に前記特定当選態様の小当たりが決定される割合と、前記第2進入領域への遊技球の進入に基づいて前記抽選が行われた場合に前記特定当選態様の小当たりが決定される割合とが異なり、
前記遊技状態制御手段は、
遊技状態が前記第1遊技状態である場合に、複数種類の当選態様の中の
前記特定当選態様の小当たりの決定に基づいては成立するものの、
前記特定当選態様と異なる他の当選態様の小当たりの決定に基づいては成立しない所定条件の成立を契機として、遊技状態を前記第2遊技状態に変更することが可能であり、
前記演出実行手段は、
前記小当たりの決定の際、所定時点から前記所定条件が成立するまでにおける前記抽選の回数に対応する変動時間が定められた変動パターンにより、当該小当たりの決定に基づく変動演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、始動入賞口が設けられ、始動入賞口への遊技球の入球に基づいて大当たりや小当たりの抽選のための乱数を取得し保留として記憶するとともに、予め定められた始動条件の成立を契機として記憶されている保留を読み出し、この読み出された保留に係る乱数に基づいて大当たりや小当たりの抽選を行って、大当たりや小当たりに当選した場合に、遊技者に付与可能な遊技利益として大入賞口を開放する特別遊技や小当たり遊技を実行するものが知られている。
また、近年では、複数の始動入賞口のうち特定の始動入賞口へ遊技球が入球した場合に行われる抽選において小当たりの当選確率を高く設定することにより、小当たり遊技の実行に基づく大入賞口の開放が頻繁に行われるようにするとともに、所定の遊技状態が設定された場合には、特定の始動入賞口への遊技球の入球を狙う遊技操作を遊技者に行わせることで、当該所定の遊技状態において、小当たり遊技の実行に基づく大入賞口の開放中に遊技球を大入賞口へ入球させることで賞球を獲得しつつ大当たりの当選(特別遊技の実行)を目指すといった遊技性を有する遊技機が考案されている(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-189222号公報
【文献】特開2015-043820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような遊技機においては、特定の遊技状態において予め定められた回数の大当たりの抽選が行われることにより、上述の所定の遊技状態が設定されることが一般的となっている。すると、予め定められた回数の大当たりの抽選が行われない限り、所定の遊技状態が設定されないため、所定の遊技状態が設定されるまでのプロセスが単調となり、所定の遊技状態の設定に対する遊技者の興趣を低下させてしまうとの問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、所定の遊技状態の設定に関し新たな手法を提供し、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
【0007】
(1)本発明は、遊技球が流下可能な遊技領域と、前記遊技領域に設けられ、遊技球が進入可能な進入領域である第1進入領域及び第2進入領域と、前記第1進入領域又は前記第2進入領域への遊技球の進入に基づき、所定の抽選を行う抽選手段と、遊技状態を、予め定められた複数の遊技状態のいずれかとする遊技状態制御手段と、前記抽選の結果を報知する変動演出を実行可能な演出実行手段と、を備え、前記抽選手段は、前記遊技領域に設けられた大入賞口を開放する特別遊技の実行が対応付けられた大当たり、前記特別遊技と異なる遊技であって前記大入賞口を開放する小当たり遊技の実行が対応付けられた小当たり、又は、前記大当たり及び前記小当たりのいずれでもないハズレのいずれかを抽選により決定可能であり、前記複数の遊技状態として、少なくとも第1遊技状態及び第2遊技状態を備えた遊技機であって、前記抽選により決定可能な小当たりには、特定当選態様を含む複数種類の当選態様が設けられており、前記抽選により小当たりが決定された場合には、いずれかの当選態様が決定され、前記第1進入領域への遊技球の進入に基づいて前記抽選が行われた場合に前記特定当選態様の小当たりが決定される割合と、前記第2進入領域への遊技球の進入に基づいて前記抽選が行われた場合に前記特定当選態様の小当たりが決定される割合とが異なり、前記遊技状態制御手段は、遊技状態が前記第1遊技状態である場合に、複数種類の当選態様の中の前記特定当選態様の小当たりの決定に基づいては成立するものの、前記特定当選態様と異なる他の当選態様の小当たりの決定に基づいては成立しない所定条件の成立を契機として、遊技状態を前記第2遊技状態に変更することが可能であり、前記演出実行手段は、前記小当たりの決定の際、所定時点から前記所定条件が成立するまでにおける前記抽選の回数に対応する変動時間が定められた変動パターンにより、当該小当たりの決定に基づく変動演出を実行可能であることを特徴とする。
ここで、小当たりの決定に基づく所定条件としては、たとえば、小当たりの決定回数が所定回数に到達すること、所定の態様で小当たりが決定されること、小当たりの決定に基づいて定められたハズレの決定回数が所定回数に達すること等が挙げられる。
【0008】
本発明に係る遊技機によれば、抽選手段による決定の回数によらずに、小当たりの決定に基づく所定条件の成立を契機として第1遊技状態が第2遊技状態に変更されるため、第2遊技状態の設定に関し新たな手法を提供することができ、遊技者の興趣を高めることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、所定の遊技状態の設定に関し新たな手法を提供し、遊技者の興趣が低下してしまうのを防止可能な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。
【
図4】パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図5】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図6】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図7】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図8】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図9】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図10】パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。
【
図11】パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。
【
図12】パチンコ機のリーチグループ決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図13】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図14】パチンコ機のリーチモード決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図15】パチンコ機の変動パターン抽選テーブルの説明図である。
【
図16】パチンコ機の変動時間決定テーブルの説明図である。
【
図17】パチンコ機の特図停止表示時間決定テーブルの説明図である。
【
図18】パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。
【
図19】パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。
【
図20】パチンコ機の終了条件設定テーブルの説明図である。
【
図21】パチンコ機の高確率非時短遊技状態の設定の具体例のタイムチャートである。
【
図22】パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。
【
図23】パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。
【
図24】パチンコ機の普図停止表示時間決定テーブルの説明図である。
【
図25】パチンコ機の特別第1始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。
【
図26】パチンコ機の各遊技状態への移行を示した状態遷移図である。
【
図27】パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図28】パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図29】パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図30】パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図31】パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図32】パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。
【
図33】パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図34】パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図35】パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動処理の概略を示すフローチャートである。
【
図36】パチンコ機の主制御基板における変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図37】パチンコ機の主制御基板における変動演出パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図38】パチンコ機の主制御基板における変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図39】パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図40】パチンコ機の主制御基板における条件設定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図41】パチンコ機の主制御基板における条件成立判定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図42】パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図43】パチンコ機の主制御基板における小当たり遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図44】パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。
【
図45】パチンコ機の主制御基板における遊技状態設定処理の概略を示すフローチャートである。
【
図46】パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図47】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。
【
図48】パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。
【
図49】パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。
【
図50】パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。
【
図51】パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。
【
図52】パチンコ機の小当たり遊技中設定示唆演出の態様の一例を示す図である。
【
図53】パチンコ機の小当たり遊技中設定示唆演出決定テーブルの説明図である。
【
図54】パチンコ機の小当たり遊技中設定示唆演出決定テーブルの説明図である。
【
図55】パチンコ機の選択テーブルの説明図である。
【
図56】パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。
【
図57】パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。
【
図58】パチンコ機の副制御基板における設定値コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図59】パチンコ機の副制御基板における所定時当選コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図60】パチンコ機の副制御基板における変動用コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【
図61】パチンコ機の副制御基板における高確率非時短遊技状態コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置Rが各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
また、本形態に係るパチンコ機Pには、第1始動入賞口15として、後述する可動片15dが設けられていない通常第1始動入賞口15a、及び、可動片15dが設けられている特別第1始動入賞口15bの2つが設けられている。
【0020】
一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では3個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
通常第1始動入賞口15aは、
図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。また、特別第1始動入賞口15bは、
図3に示すように、通常第1始動入賞口15aの左上方(第1遊技領域12aのほぼ中央)に設けられている。そして、通常第1始動入賞口15a及び特別第1始動入賞口15bへは、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球は入球できないようになっている。
これに対して、第2始動入賞口16は、
図3に示すように、遊技領域12の中央から右上方の位置(第2遊技領域12bの上部)に設けられている。そして、第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみが入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
【0022】
また、特別第1始動入賞口15bには、
図3に示すように、開閉可能な可動片15d(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片15dが閉じているときには特別第1始動入賞口15bが閉状態となっており、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球は不可能である。これに対して、可動片15dが開くと、特別第1始動入賞口15bが開状態となるとともに、この可動片15dが遊技球を特別第1始動入賞口15bへ向けて案内するガイド部材として機能することにより、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球が可能となる。
また、この可動片15dの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して特別第1始動入賞口15bを開閉する一対の羽根部材(
図3参照)や、遊技盤11と水平な軸を中心に前後方向に回動して特別第1始動入賞口15bを開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして特別第1始動入賞口15bを開閉するシャッター部材により構成してもよい。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16が上述のような構成や設置位置となっていることから、遊技球が第1遊技領域12aに進入するような発射強度で発射装置を操作すれば(すなわち、第1遊技領域12aへ遊技球が進入するように遊技球を打ち出せば)、通常第1始動入賞口15a及び特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球可能となっており、遊技球が第2遊技領域12bに進入するような発射強度で発射装置を操作すれば(すなわち、第2遊技領域12bへ遊技球が進入するように遊技球を打ち出せば)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球可能となっている。
【0023】
そして、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では、通常第1始動入賞口15a又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合には3個、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球した場合には1個)の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種別に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技や小当たり遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片15bが設けられている始動入賞口(特別第1始動入賞口15b)と可動片15bが設けられていない始動入賞口(通常第1始動入賞口15a、第2始動入賞口16)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0024】
ゲート20は、
図3に示すように、特別第1始動入賞口15bの上方(第1遊技領域12aの上部)に設けられている。このゲート20は、第1遊技領域12aを流下する遊技球のみが通過可能であり、第2遊技領域12bを流下する遊技球は通過できないようになっている。
ゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該普通図柄の抽選の結果が当たりであった場合、上述の特別第1始動入賞口15bに設けられた可動片15dが所定時間開かれるようになっている。
【0025】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技又は小当たり遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球のみ入球可能であり、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
また、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
【0026】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0027】
演出表示装置21は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられている。この表示部21aにおいては、背景画像の表示が行われるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
【0028】
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(
図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
【0029】
また、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0030】
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0031】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0032】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0033】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0034】
主制御基板100は、後述する設定値やパチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、遊技者にとって有利な特別遊技や小当たり遊技等を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0035】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、通常第1始動入賞口15aへ遊技球が入球したことを検出する通常第1始動入賞口検出センサ15eと、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球したことを検出する特別第1始動入賞口検出センサ15fと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0036】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド15cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで特別第1始動入賞口15bや大入賞口18の開閉制御が行われ、また、各表示装置の表示制御が行われるようになっている。
【0037】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、出玉に関する設定として、設定値1から設定値6までの複数段階が定められており、この設定値の違いにより、後述する大当たりの当選確率が異なるようになっている。たとえば、設定値1よりも設定値6の方が、大当たりの当選確率が大きくなるように設定されており、大当たりの当選確率が高ければ、賞球を獲得できる可能性も高くなるので、設定値を変更することにより、そのパチンコ機Pにおいて想定される賞球の払い出し量が変化する。また、後述する大当たりの当選確率を定めた大当たり決定乱数判定テーブル110は、設定値1~6のそれぞれに対応して設けられており、設定値が変更されたときには、設定値ごとに設けられた大当たり決定乱数判定テーブル110がまるごと変更されることとなる。
主制御基板100には、特に図示していないが、上述の設定値の変更に用いられるRAMクリアスイッチ及び設定スイッチが設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、前扉3が開放されており、かつRAMクリアスイッチ及び設定スイッチの両方をオンにした状態で電源を投入すると、設定値を変更可能な設定変更状態へ移行する。そして、この設定変更状態中において、RAMクリアスイッチを操作することにより設定値を変更できるようになっている。
【0038】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0039】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0040】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御が行われる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御が行われる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0041】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0042】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
【0043】
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
【0044】
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
【0045】
また、本形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0046】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御が行われる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御が行われる。
【0047】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)等に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0048】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。さらに、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
【0049】
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。この画像制御基板の画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
【0050】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
【0051】
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
【0052】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、を組み合わせたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、低確率時短遊技状態という)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)、又は、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率非時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
【0053】
ここで、低確率遊技状態及び高確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、高確率遊技状態においては、大当たりの抽選によって大当たりに当選確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定されている。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
【0054】
また、非時短遊技状態及び時短遊技状態は、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球の難易度がそれぞれ異なるように設定された遊技状態であり、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも、可動片15dが開いた状態に維持されやすい(すなわち、特別第1始動入賞口15bが開状態となりやすい)ように設定されている。すなわち、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中のほうが、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすくなっている。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
【0055】
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16に入球すると、遊技者に遊技利益が対応付けられた特別図柄を決定する大当たりの抽選が行われる。
そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかに設定される。すなわち、当該特別遊技の終了後は、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態のいずれかへ移行する。
また、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定された場合、後述する所定の条件(第2の条件)の成立に基づき、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態が設定されることにより高確率非時短遊技状態へ移行する。
また、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定された場合、100回の大当たりの抽選の結果がすべて大当たり以外となると、時短遊技状態が終了して非時短遊技状態が設定されることにより通常遊技状態へ移行するようになっている。
【0056】
また、上述の大当たりの抽選によって小当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球可能な小当たり遊技が実行される。そして、この小当たり遊技において、遊技球が大入賞口18へ入球すると、上述のように所定個数(15個)の遊技球が払い出される。
【0057】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、主に、ゲート20の通過、特別第1始動入賞口15bへの入球、通常第1始動入賞口15aへの入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、主に、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
そして、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中は、遊技球がゲート20を通過し、また、遊技球が特別第1始動入賞口15b又は通常第1始動入賞口15aへ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、遊技球が大入賞口18へ入球し、また、遊技球が第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率非時短遊技状態中、特別遊技中及び小当たり遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われ、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨の表示が行われる。
【0058】
大当たりの抽選は、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a、特別第1始動入賞口15b)又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、並びに、上述の変動演出のパターン(以下、変動演出パターンという)を決定するための変動モード番号、変動パターン番号の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0059】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0060】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
【0061】
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」という場合があり、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」という場合がある。
【0062】
また、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0063】
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりの抽選の結果を判定するためのものであって、大別して、設定中の設定値が「1」である場合に参照される設定値1用テーブル、設定中の設定値が「2」である場合に参照される設定値2用テーブル、設定中の設定値が「3」である場合に参照される設定値3用テーブル、設定中の設定値が「4」である場合に参照される設定値4用テーブル、設定中の設定値が「5」である場合に参照される設定値5用テーブル、及び、設定中の設定値が「6」である場合に参照される設定値6用テーブルを備えている。
また、
図5~
図10に示すように、上述の各テーブルにはそれぞれ、低確率遊技状態において第1特図乱数(すなわち、第1始動入賞口15への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照されるテーブルA、高確率遊技状態において第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照されるテーブルB、低確率遊技状態において第2特図乱数(すなわち、第2始動入賞口16への遊技球の入球を契機に取得された大当たり乱数)に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照されるテーブルC、及び、高確率遊技状態において第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選の結果を判定する場合に参照されるテーブルDが設けられている。
【0064】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、パチンコ機Pに設定されている設定値、遊技球が入球した始動入賞口の種別(取得された特図乱数の種別)、及び、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態(低確率遊技状態又は高確率遊技状態)に応じて、上述のいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0065】
たとえば、
図5(a)に示すように、設定値1用テーブルAによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~3388であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、3389~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、設定値1用テーブルAにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/30となる。
【0066】
また、
図5(b)に示すように、設定値1用テーブルBによれば、大当たり乱数が1000~2309であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が2310~4493であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、4494~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この設定値1用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/50、小当たりの当選確率はおよそ1/30となる。
【0067】
また、
図5(c)に示すように、設定値1用テーブルCによれば、大当たり乱数が1000~1204であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が1205~44894であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、44895~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この設定値1用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/319、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0068】
また、
図5(d)に示すように、設定値1用テーブルDによれば、大当たり乱数が1000~2309であった場合に大当たりと判定され、大当たり乱数が2310~45999であった場合に小当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、46000~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この設定値1用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/50、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0069】
また、詳細な説明は割愛するが、設定値2用テーブルA~D、設定値3用テーブルA~D、設定値4用テーブルA~D、設定値5用テーブルA~D、設定値6用テーブルA~Dにおいても、設定値1用テーブルA~Dと同様に、大当たり乱数に応じて大当たりの抽選結果が定められている(
図6~
図10参照)。
【0070】
また、
図6(a)~(d)に示すように、設定値2用テーブルAにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値2用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/48、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値2用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/315、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5、設定値2用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/48、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0071】
また、
図7(a)~(d)に示すように、設定値3用テーブルAにおける大当たりの当選確率はおよそ1/310、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値3用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/46、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値3用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/310、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5、設定値3用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/46、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0072】
また、
図8(a)~(d)に示すように、設定値4用テーブルAにおける大当たりの当選確率はおよそ1/306、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値4用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/44、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値4用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/306、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5、設定値4用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/44、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0073】
また、
図9(a)~(d)に示すように、設定値5用テーブルAにおける大当たりの当選確率はおよそ1/300、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値5用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/42、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値5用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/300、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5、設定値5用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/42、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0074】
また、
図10(a)~(d)に示すように、設定値6用テーブルAにおける大当たりの当確率はおよそ1/295、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値6用テーブルBにおける大当たりの当選確率はおよそ1/40、小当たりの当選確率はおよそ1/30、設定値6用テーブルCにおける大当たりの当選確率はおよそ1/295、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5、設定値6用テーブルDにおける大当たりの当選確率はおよそ1/40、小当たりの当選確率はおよそ1/1.5となる。
【0075】
このように、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、いずれの設定値の設定中であっても、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たりの当選確率が高くなるように設定されている。また、いずれの設定値の設定中であっても、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われる場合に比べて、小当たりの当選確率が高くなるように設定されている。
【0076】
特別図柄乱数判定テーブル111は、上述の如く、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図11(a)~(d)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1特別図柄乱数判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2特別図柄乱数判定テーブル111bと、第1特図乱数によって小当たりに当選した場合に参照される第3特別図柄乱数判定テーブル111cと、第2特図乱数によって小当たりに当選した場合に参照される第4特別図柄乱数判定テーブル111dと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たり又は小当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口、及び、大当たりの抽選の結果に応じた特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0077】
本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した(すなわち、大当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として8種類の図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)が設けられており、小当たりに当選した(すなわち、小当たりとの判定結果が得られた)場合に決定される特別図柄(以下、小当たり図柄という)として8種類の図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8)が設けられており、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の図柄(Z1、Z2)が設けられている。
【0078】
図11(a)に示すように、第1特別図柄乱数判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が70~139であった場合に大当たり図柄X2が決定され、特別図柄乱数が140~179であった場合に大当たり図柄X3が決定され、特別図柄乱数が180~199であった場合に大当たり図柄X4が決定される。すなわち、この第1特別図柄乱数判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は35%、大当たり図柄X2が決定される確率は35%、大当たり図柄X3が決定される確率は20%、大当たり図柄X4が決定される確率は10%となっている。
【0079】
また、
図11(b)に示すように、第2特別図柄乱数判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~69であった場合に大当たり図柄X5が決定され、特別図柄乱数が70~119であった場合に大当たり図柄X6が決定され、特別図柄乱数が120~159であった場合に大当たり図柄X7が決定され、特別図柄乱数が160~199であった場合に大当たり図柄X8が決定される。すなわち、この第2特別図柄乱数判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X5が決定される確率は35%、大当たり図柄X6が決定される確率は25%、大当たり図柄X7が決定される確率は20%、大当たり図柄X8が決定される確率は20%となっている。
【0080】
また、
図11(c)に示すように、第3特別図柄乱数判定テーブル111cによれば、特別図柄乱数が0~19であった場合に小当たり図柄Y1が決定され、特別図柄乱数が20~79であった場合に小当たり図柄Y2が決定され、特別図柄乱数が80~139であった場合に小当たり図柄Y3が決定され、特別図柄乱数が140~199であった場合に小当たり図柄Y4が決定される。すなわち、この第3特別図柄乱数判定テーブル111cにおいては、小当たり図柄Y1が決定される確率は10%、小当たり図柄Y2が決定される確率は30%、小当たり図柄Y3が決定される確率は30%、小当たり図柄Y4が決定される確率は30%となっている。
【0081】
また、
図11(d)に示すように、第4特別図柄乱数判定テーブル111dによれば、特別図柄乱数が0~139であった場合に小当たり図柄Y5が決定され、特別図柄乱数が140~159であった場合に小当たり図柄Y6が決定され、特別図柄乱数が160~179であった場合に小当たり図柄Y7が決定され、特別図柄乱数が180~199であった場合に小当たり図柄Y8が決定される。すなわち、この第4特別図柄乱数判定テーブル111dにおいては、小当たり図柄Y5が決定される確率は70%、小当たり図柄Y6が決定される確率は10%、小当たり図柄Y7が決定される確率は10%、小当たり図柄Y8が決定される確率は10%となっている。
【0082】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Z2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たり又は小当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0083】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113及び変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号の決定に用いられるテーブルである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動演出パターンを決定するための変動モード番号及び変動パターン番号が決定されるとともに、決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成される。そして、この決定された変動モード番号及び変動パターン番号に基づいて、後述する特別図柄の変動表示の変動時間(変動演出の変動時間)が決定される。また、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、演出表示装置21の表示部21aに表示する画像等)を決定する。このように、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、変動演出(特別図柄の変動表示)の変動時間及び態様の決定に用いられるコマンドである。
【0084】
そして、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するために用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、変動モード番号及び変動パターン番号を決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態、取得された特図乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数、すなわち、各乱数の取得の契機となった遊技球が入球した始動入賞口の種別)、及び、保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)ごとに複数設けられている(
図12(a)~(f)参照)。
【0085】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行った時点の遊技状態、特図乱数の種別、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0086】
具体的には、通常遊技状態中における第1特図乱数(第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0又は1であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図保留数が2以上であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される。また、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第1特図保留数がいかなる個数であっても)、第3判定テーブル112cが選択される。また、高確率非時短遊技状態中における第1特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図保留数が0以上であった場合には、第4判定テーブル112dが選択される。また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中における第2特図乱数(第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得された乱数)に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には(すなわち、第2特図保留数がいかなる個数であっても)、第5判定テーブル112eが選択される。また、高確率非時短遊技状態中における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第2特図保留数が0以上であった場合には、第6判定テーブル112fが選択される。
【0087】
そして、
図12(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図12(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0~8999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~9899であった場合に「第4グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図12(c)に示すように、第3判定テーブル112cによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
また、
図12(d)に示すように、第4判定テーブル112dによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に(すなわち、リーチグループ決定乱数がいかなる値であっても)「第7グループ」が決定される。
また、
図12(e)に示すように、第5判定テーブル112eによれば、リーチグループ決定乱数が0~10006であった場合に「第6グループ」が決定される。
また、
図12(f)に示すように、第6判定テーブル112fによれば、リーチグループ決定乱数が0~7999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が8000~8999であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000~10006であった場合に「第5グループ」が決定される。
【0088】
また、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たり又は小当たりであった場合には参照されない。
【0089】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブル(
図13参照)と、大当たりの抽選の結果が大当たり又は小当たりであった場合に参照される当たり用判定テーブル(
図14参照)と、を備えている。
ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている(
図13(a)~(g)参照)。
【0090】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0091】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択され、「第5グループ」が決定された場合に第5グループ用判定テーブル113eが選択され、「第6グループ」が決定された場合に第6グループ用判定テーブル113fが選択され、「第7グループ」が決定された場合に第7グループ用判定テーブル113gが選択される(
図13(a)~(g)参照)。
【0092】
そして、
図13(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図13(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」の変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図13(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに第3変動テーブル114cが選択される。
また、
図13(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに第4変動テーブル114dが選択される。
また、
図13(e)に示すように、第5グループ用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0~1799であった場合に、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1800~2038であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに第5変動テーブル114eが選択される。
また、
図13(f)に示すように、第6グループ用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0~1199であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第1変動テーブル114aが選択される。また、リーチモード決定乱数が1200~2038であった場合に、「05H」という変動モード番号が決定されるとともに第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図13(g)に示すように、第7グループ用判定テーブル113gによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに第6変動テーブル114fが選択される。
【0093】
また、当たり用判定テーブルは、大当たり又は小当たりの当選時(すなわち、大当たり又は小当たりの抽選時)の遊技状態、取得された特図乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数)、及び、大当たり又は小当たりとなった場合に決定された特別図柄の種別(大当たり図柄、小当たり図柄)ごとに複数設けられている(
図14(a)~(i)参照)。
【0094】
そして、大当たり又は小当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、取得された特図乱数の種別、及び、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態に対応する当たり用判定テーブルが選択され、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0095】
具体的には、通常遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第1当たり用判定テーブル113hが選択される。また、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第2当たり用判定テーブル113iが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定された場合に、第3当たり用判定テーブル113jが選択される。また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X5、X6、X7又はX8が決定された場合に、第4当たり用判定テーブル113kが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し大当たり図柄X5、X6、X7又はX8が決定された場合に、第5当たり用判定テーブル113lが選択される。また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合に、第6当たり用判定テーブル113mが選択される。また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合に、第7当たり用判定テーブル113nが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第1特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y1、Y2、Y3又はY4が決定された場合に、第8当たり用判定テーブル113oが選択される。また、高確率非時短遊技状態中に第2特図乱数に基づいて小当たりに当選し小当たり図柄Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合に、第9当たり用判定テーブル113pが選択される。
【0096】
そして、
図14(a)に示すように、第1当たり用判定テーブル113hによれば、リーチモード決定乱数が0~199であった場合に、「11H」という変動モード番号が決定されるとともに第30変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が200~1299であった場合に、「12H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300~2038であった場合に、「13H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114iが選択される。
また、
図14(b)に示すように、第2当たり用判定テーブル113iによれば、リーチモード決定乱数が0~999であった場合に、「12H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1000~2038であった場合に、「13H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114iが選択される。
また、
図14(c)に示すように、第3当たり用判定テーブル113jによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「14H」という変動モード番号が決定されるとともに第33変動テーブル114jが選択される。
また、
図14(d)に示すように、第4当たり用判定テーブル113kによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「15H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。
また、
図14(e)に示すように、第5当たり用判定テーブル113lによれば、リーチモード決定乱数が0~999であった場合に、「12H」という変動モード番号が決定されるとともに第31変動テーブル114hが選択される。また、リーチモード決定乱数が1000~2038であった場合に、「13H」という変動モード番号が決定されるとともに第32変動テーブル114iが選択される。
また、
図14(f)に示すように、第6当たり用判定テーブル113mによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「20H」という変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図14(g)に示すように、第7当たり用判定テーブル113nによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「15H」という変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図14(h)に示すように、第8当たり用判定テーブル113oによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「20H」という変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
また、
図14(i)に示すように、第9当たり用判定テーブル113pによれば、リーチモード決定乱数が0~2038であった場合に、「20H」という変動モード番号が決定されるとともに第50変動テーブル114kが選択される。
【0097】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態、取得された乱数の種別及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルが設けられているが、遊技球が入球した始動入賞口の種別を考慮せずに、大当たり又は小当たりの当選時の遊技状態及び特別図柄の種別ごとに、当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0098】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図15(a)~(k)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c、第4変動テーブル114d、第5変動テーブル114e及び第6変動テーブル114f、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114g、第31変動テーブル114h、第32変動テーブル114i及び第33変動テーブル114j、並びに、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合に決定される第50変動テーブル114kについて説明する。
【0099】
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図15(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に(すなわち、変動パターン乱数がいかなる値であっても)「00H」という変動パターン番号が決定される。また、
図15(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0~234であった場合に「05H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が235~249であった場合に「06H」という変動パターン番号が決定される。
【0100】
また、
図15(g)に示すように、第30変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定される。また、
図15(i)に示すように、第32変動テーブル114iによれば、変動パターン乱数が0~89であった場合に「A6H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が90~249であった場合に「A7H」という変動パターン番号が決定される。
また、
図15(k)に示すように、第50変動テーブル114kによれば、変動パターン乱数が0~249であった場合に「B0H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターンテーブル114によっても、変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図15参照)。
【0101】
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時(すなわち、後述する特別図柄の変動表示の開始時(変動演出の開始時))に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態、取得された乱数の種別(第1特図乱数、第2特図乱数)や保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを決定するためのものであり、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が定められるようになっている。ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0102】
次に、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)や特別図柄の停止表示の時間の決定、特別遊技の制御、遊技状態の設定等について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特図停止表示時間決定テーブル116、特別電動役物作動テーブル117、及び、遊技状態設定テーブル118、終了条件設定テーブル119等を備えている。
【0103】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間(すなわち、特別図柄の変動表示の変動時間)を決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図16(a)及び(b)参照)。
【0104】
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出全体の変動時間(特別図柄の変動表示全体の変動時間)に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「07H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「60秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「07H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「120秒(=60秒+60秒)」が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
【0105】
なお、
図16(a)に示すように、「00H」、「04H」、「10H」、「14H」及び「20H」の変動モード番号には「0秒」の前半変動時間が定められており、この変動モード番号が決定された場合には、決定された変動パターンに対応する後半変動時間の間、変動演出が実行されるようになっている。
【0106】
また、「05H」、「15H」の変動モード番号には「590秒」の前半変動時間が定められている。この変動モード番号が決定された場合には、他の変動モード番号が決定された場合と比較して極めて長い時間(590秒)にわたり変動演出(特別図柄の変動表示)が実行されることとなる。「05H」、「15H」の変動モード番号が決定されるのは、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選により、大当たりの当選、小当たりの当選又はハズレが決定された場合、すなわち、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に、第2遊技領域12bへの遊技球の打ち出しが行われ第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合である(
図12~
図14参照)。なお、上述のように、これらの遊技状態中は第1遊技領域12aへの遊技球の打ち出しが指示されており、この指示に従って第1遊技領域12aへ遊技球を打ち出していれば第2始動入賞口16へ遊技球は入球しないため、「05H」、「15H」の変動モード番号が決定されることはない。
【0107】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが生成され、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0108】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0109】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別遊技が実行されておらず、かつ、第1特別図柄表示装置30及び第2特別図柄表示装置31により特別図柄の変動表示が行われていない場合に、第1特図乱数及び第2特図乱数に基づく大当たりの抽選が可能となっている。
また、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中であって、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能であり、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中であって、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が行われていない場合には、第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が可能となっている。
すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示とが、同時に行われる。そして、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示が終了したときに、第1特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第1特別図柄表示装置30により開始され、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示が終了したときに、第2特図乱数が記憶されていれば、次の特別図柄の変動表示が第2特別図柄表示装置31により開始される。
【0110】
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1特別図柄表示装置30による特別図柄の変動表示中に、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)であったとき(すなわち、実行中の変動表示に関し、当該変動表示の契機となる大当たりの抽選で大当たりに当選していたとき)には、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たり又は小当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。同様に、第2特別図柄表示装置31による特別図柄の変動表示中に、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合において、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄(X5、X6、X7、X8)であったときには、新たに行われた大当たりの抽選の結果として大当たり又は小当たりの当選を得ることができず、当該抽選の結果は強制的にハズレとなるように設定されている。
したがって、たとえば、第2特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第2特別図柄表示装置31において当該大当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示が行われているときに、新たに第1特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果はハズレとなる。また、第1特図乱数に基づいて大当たりに当選し、第1特別図柄表示装置30において当該大当たりの当選に基づく特別図柄の変動表示が行われているときに、新たに第2特図乱数に基づいて大当たりの抽選が行われた場合には、当該抽選の結果はハズレとなる。
【0111】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y5、Y6、Y7、Y8)が変動表示中であった場合には、この小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z2)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
また、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X5、X6、X7、X8)又は小当たり図柄(Y5、Y6、Y7、Y8)が変動表示中であった場合には、この大当たり図柄又は小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z2)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
また、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)又は小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4)が停止表示されたときに、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄(Z2)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0112】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X5、X6、X7、X8)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30において小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4)が変動表示中であった場合には、この小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z1)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
また、第2特別図柄表示装置31において小当たり図柄(Y5、Y6、Y7、Y8)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)又は小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4)が変動表示中であった場合には、この大当たり図柄又は小当たり図柄は強制的にハズレ図柄(Z1)に変更された(書き換えられた)上で、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
また、第2特別図柄表示装置31において大当たり図柄(X5、X6、X7、X8)又は小当たり図柄(Y5、Y6、Y7、Y8)が停止表示されたときに、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄(Z1)が変動表示中であった場合には、このハズレ図柄が強制的に停止されるようになっている。
【0113】
これに対して、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31のいずれか一方においてハズレ図柄(Z1、Z2)が停止表示されたときに、いずれか他方において大当たり図柄(X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)、小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8)又はハズレ図柄(Z1、Z2)が変動表示中であった場合には、この大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の変動表示は停止せず、継続して変動表示が行われるようになっている。
【0114】
特図停止表示時間決定テーブル116は、特別図柄の変動表示が停止した後、当該特別図柄(大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄)を停止表示する時間である特図停止表示時間(いわゆる特別図柄の確定時間)を決定するためのものである。
この特図停止表示時間決定テーブル116においては、
図17に示すように、特別図柄の種別ごとに特図停止表示時間が定められている。そして、上述の大当たりの抽選により特別図柄が決定されると、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、決定された特別図柄の種別に対応する特図停止表示時間が決定される。
【0115】
図17に示すように、特図停止表示時間決定テーブル116によれば、大当たり図柄X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7又はX8が決定された場合には「0.5秒」の特図停止表示時間が決定される。また、小当たり図柄Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7又はY8が決定された場合にも「0.5秒」の特図停止表示時間が決定されるようになっている。また、ハズレ図柄Z1又はZ2が決定された場合には「0.6秒」の特図停止表示時間が決定されるようになっている。
【0116】
そして、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、特別図柄の変動表示(変動演出)が開始されてから、上述の変動時間が経過すると、この特別図柄の変動表示が停止(変動演出が終了)する。その後、上述のように決定された特図停止表示時間が経過すると、停止した特別図柄が、大当たり図柄であった場合には特別遊技が開始され、小当たり図柄であった場合には小当たり遊技が開始され、ハズレ図柄であった場合には次の特別図柄の変動表示(変動演出)を開始可能となる。
【0117】
なお、特図停止表示時間は、大当たり図柄の種別、小当たり図柄の種別、ハズレ図柄の種別ごとに定めてもよいし、特別図柄の種別のみならず、決定された変動モード番号や変動パターン番号ごとに定めてもよい。
【0118】
特別電動役物作動テーブル117は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技と、小当たりに当選した場合に実行される小当たり遊技とを制御するためのものであり、特別遊技の実行中又は小当たり遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、
図18(a)~(d)に示すように、特別電動役物作動テーブル117として、大当たり図柄X1、X2、X3、X5、X6又はX7が決定された場合に参照される第1作動テーブル117aと、大当たり図柄X4又はX8が決定された場合に参照される第2作動テーブル117bと、小当たり図柄Y1又はY5が決定された場合に参照される第3作動テーブル117cと、小当たり図柄Y2、Y3、Y4、Y6、Y7又はY8が決定された場合に参照される第4作動テーブル117dと、が設けられている。
【0119】
具体的には、大当たり図柄X1、X2、X3、X5、X6又はX7が決定されると、
図18(a)に示すように、第1作動テーブル117aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル117aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が5回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は1.0秒に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0120】
また、大当たり図柄X4又はX8が決定されると、
図18(b)に示すように、第2作動テーブル117bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル117bによれば、第1作動テーブル117aと同態様のラウンド遊技が10回実行され、また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル117aと同様の内容に設定されている。
この特別遊技においては、遊技者は、大当たり図柄X1、X2、X3、X5、X6又はX7が決定された場合の特別遊技よりも多い個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0121】
また、小当たり図柄Y1又はY5が決定されると、
図18(c)に示すように、第3作動テーブル117cを参照して小当たり遊技が実行される。この第3作動テーブル117cによれば、大入賞口18の2.9秒の開放が、0.2秒おきに連続して2回行われる。また、この小当たり遊技中に大入賞口18に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
この小当たり遊技においては、遊技者は、大当たり図柄X1、X2、X3、X5、X6又はX7が決定された場合の特別遊技よりも少ない個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0122】
また、小当たり図柄Y2、Y3、Y4、Y6、Y7又はY8が決定されると、
図18(d)に示すように、第4作動テーブル117dを参照して小当たり遊技が実行される。この第4作動テーブル117cによれば、大入賞口18の0.1秒の開放が1回行われる。また、この小当たり遊技中に大入賞口18に10個の遊技球が入球すると、当該小当たり遊技は終了となる。
この小当たり遊技においては、上述の如く、0.1秒の開放が1回のみ行われることから、大入賞口18へ遊技球を入球させることはほぼ不可能であり、賞球を獲得することもほぼ不可能となっている。
【0123】
遊技状態設定テーブル118は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。なお、本明細書では、遊技状態が設定されることを「遊技状態が移行する」、「遊技状態の移行」等という場合もある。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種別により決定されるようになっている。また、本形態に係るパチンコ機Pには、
図19に示すように、遊技状態設定テーブル118として、大当たり図柄X1又はX5が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル118aと、大当たり図柄X2、X3、X4、X6、X7又はX8が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル118bと、が設けられている。
【0124】
図19(a)に示すように、第1状態設定テーブル118aによれば、大当たり図柄X1又はX5が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が低確率遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態に設定される。すなわち、低確率時短遊技状態が設定される。また、この時短遊技状態の最大継続回数(以下、時短回数という)は100回に設定される。
そして、低確率時短遊技状態が設定された場合には、大当たりの抽選の結果が最大100回導出されるまで継続するようになっており、低確率時短遊技状態において100回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
また、低確率時短遊技状態中に大当たりに当選した場合には低確率時短遊技状態が終了し、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。
【0125】
また、
図19(b)に示すように、第2状態設定テーブル118bによれば、大当たり図柄X2、X3、X4、X6、X7又はX8が決定されると、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、時短遊技状態に設定される。すなわち、高確率時短遊技状態が設定される。また、この高確率遊技状態の最大継続回数(以下、高確回数という)は10000回に設定されるとともに、時短回数は10000回に設定される。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態が設定された場合には、高確率遊技状態は、大当たりの抽選の結果が最大10000回導出するまで継続するものの、時短遊技状態は、大当たりの抽選の結果が10000回導出されるという第1の条件が成立するか又は小当たりの当選回数が所定の終了回数に達するという第2の条件が成立した状態となるまで継続するようになっている。
具体的には、高確率時短遊技状態において上述の第2の条件が成立した状態となると(すなわち、小当たりの当選回数が所定の終了回数に達すると)、時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が高確率非時短遊技状態に変更される。そして、高確率非時短遊技状態は、高確率時短遊技状態が設定されてからの10000回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、高確率遊技状態が低確率遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
また、高確率時短遊技状態において、上述の第2の条件が成立した状態とならず、かつ大当たりに当選することなく、10000回の抽選の結果がすべて大当たり以外となると、高確率遊技状態が低確率遊技状態に変更され、かつ時短遊技状態が非時短遊技状態に変更されることにより、遊技状態が通常遊技状態に変更される。
また、高確率時短遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選した場合にはこれらの遊技状態が終了し、当該大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後、再度、大当たり図柄に応じた遊技状態が設定される。
【0126】
なお、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率遊技状態における大当たりの当選確率がおよそ1/50~1/40となっているため、高確率時短遊技状態が設定されると、実質的には大当たりに再度当選するまで、高確率時短遊技状態又は高確率非時短遊技状態が継続することとなる。
【0127】
終了条件設定テーブル119は、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了して高確率非時短遊技状態が設定されることとなる小当たりの当選回数、すなわち、上述の終了回数(上述の第2の条件に関する内容)を定めたものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種別によって終了回数が決定されるようになっている。
具体的には、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選すると、この大当たりの当選時に決定された大当たり図柄に基づいて終了回数が決定される。そして、このように決定された終了回数に基づいて、高確率時短遊技状態において時短遊技状態の終了が制御されることとなる。
【0128】
図20に示すように、終了条件設定テーブル120によれば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X1が決定された場合、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X5が決定された場合には、終了回数として5回が決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X2が決定された場合、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X6が決定された場合には、終了回数として3回が決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X3が決定された場合、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X7が決定された場合には、終了回数として1回が決定される。
また、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X4が決定された場合、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たり図柄X8が決定された場合には、終了回数として0回が決定される。
【0129】
(小当たりの当選回数のカウント、高確率非時短遊技状態の設定の処理の概要)
上述のように、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選すると終了回数が決定され、当該当選に基づく特別遊技の終了後から小当たりの当選回数のカウントが開始される。
この小当たりの当選回数のカウントは、通常遊技状態が設定されない限りは(低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態が設定されている限りは)、上述のように決定された終了回数に達し第2の条件が成立した状態となるまで、継続して行われる。
すなわち、上述のように終了回数が決定された後、通常遊技状態が設定されるか又は小当たりの当選回数が終了回数に達するまで、継続して小当たりの当選回数がカウントされる。そして、小当たりの当選回数が終了回数に達することなく通常遊技状態が設定された場合(すなわち、低確率時短遊技状態において大当たりに当選することなく大当たりの抽選の結果が100回導出された場合)、又は、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合には、小当たりの当選回数のカウントが終了する。その後、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選し終了回数が決定されると、当該当選に基づく特別遊技の終了後から改めて、小当たりの当選回数のカウントが開始される。
【0130】
また、第2の条件が成立した状態は、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態が設定されるまでの間、維持される(持ち越される)ようになっている。
これにより、低確率時短遊技状態中に第2の条件が成立した状態となった場合には、その後、通常遊技状態が設定されるよりも前に(低確率時短遊技状態において大当たりに当選することなく100回の大当たりの抽選の結果が導出される前に)高確率時短遊技状態が設定されると、この時点で第2の条件が成立した状態となっているため、時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される。すなわち、高確率時短遊技状態における遊技が行われることなく、高確率非時短遊技状態となる。
これに対して、低確率時短遊技状態中に第2の条件が成立した状態となったものの、その後、高確率時短遊技状態が設定されることなく通常遊技状態が設定されると、第2の条件が成立した状態は解除される。したがって、この状態のまま、その後に高確率時短遊技状態が設定されても高確率非時短遊技状態が設定されることはなく、高確率非時短遊技状態が設定されるためには、再度、小当たりの当選回数が終了回数に達し第2の条件が成立した状態となることを要することとなる。
なお、高確率時短遊技状態中に第2の条件が成立した状態となった場合には、この時点で、時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される。
【0131】
以下、高確率非時短遊技状態の設定の処理について、具体例を挙げて説明する。
(具体例1)
たとえば、
図21(a)~(c)に示すように、通常遊技状態において大当たりに当選し大当たり図柄X2が決定され、当該当選に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されたものとする(
図19参照)。なお、上述のように、終了回数は3回に決定される(
図20参照)。
この場合には、設定された高確率時短遊技状態中に小当たりに3回当選すると、第2の条件が成立した状態となり、時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される(
図21(a)参照)。
【0132】
これに対して、設定された高確率時短遊技状態において、小当たりに3回当選する前に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態が設定された場合には、上述したように、先の高確率時短遊技状態中に引き続き、この低確率時短遊技状態中も継続して小当たりの当選回数がカウントされる(
図21(b)~(c)参照)。なお、この後に、通常遊技状態が設定されることなく、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態が繰り返し設定された場合も、同様に継続して小当たりの当選回数がカウントされる。
そして、設定中の低確率時短遊技状態において、先の高確率時短遊技状態中からの小当たりの当選回数が3回に達すると、第2の条件が成立した状態となる(
図21(b)参照)。
上述したように、この第2の条件が成立した状態は通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態が設定されるまで維持されるため、設定中の低確率時短遊技状態において大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されると、この時点で、時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される(
図21(b)参照)。一方、設定中の低確率時短遊技状態が終了し(大当たりに当選することなく、大当たりの抽選の結果が100回導出され)通常遊技状態が設定された場合には、第2の条件が成立した状態は解除されるため(
図21(c)参照)、再度、上述のように小当たりの当選回数が終了回数に達した場合に、高確率非時短遊技状態の設定が可能となる。
【0133】
(具体例2)
たとえば、
図21(d)に示すように、通常遊技状態において大当たりに当選し大当たり図柄X4が決定され、当該当選に基づく特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定されたものとする(
図19参照)。なお、上述のように、終了回数は0回に決定される(
図20参照)。
この場合には、決定された終了回数が0回であることから、小当たりに一度も当選することなく、小当たりの当選回数が終了回数に達し第2の条件が成立した状態となる(
図21(d)参照)。したがって、高確率時短遊技状態が設定された時点で、上述の第2の条件が成立した状態となっており、時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される(
図21(d)参照)。すなわち、この場合には、高確率時短遊技状態における遊技が行われることなく、高確率非時短遊技状態となる。
【0134】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、小当たりの当選に基づいて達成し得る所定の条件(第2の条件)の成立により、高確率時短遊技状態における時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される(高確率非時短遊技状態へ移行する)ようになっている。これにより、高確率非時短遊技状態の設定に関し新たな手法を提供することができ、高確率非時短遊技状態の設定に対する遊技者の興趣を高めることができる。
【0135】
なお、本形態では、大当たりの抽選によって決定された大当たり図柄の種別に応じて、常に同一の終了回数が決定されるようになっていたが、大当たり図柄が決定された際に、大当たり図柄の種別に応じた複数種類の終了回数の中から所定の抽選によりいずれかの終了回数を決定するようにしてもよい。
このようにすることで、同一の大当たり図柄が決定された場合であっても、異なる終了回数の決定が可能となるため、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。
また、本形態では、大当たり図柄の種別に応じて終了回数が決定されるようになっていたが、大当たり図柄が決定された際に、いずれの大当たり図柄が決定された場合であっても(大当たり図柄の種別によることなく)、複数種類の終了回数の中から所定の抽選によりいずれかの終了回数を決定するようにしてもよい。また、大当たりに当選した際には、常に同一の終了回数を決定するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の同様の効果を奏することとなる。
【0136】
また、本形態では、小当たりの当選回数が終了回数に達することで第2の条件を満たすようになっていたが、所定の小当たり図柄の決定回数が終了回数に達することで第2の条件を満たすようにしてもよい。
具体的には、第2の条件として、たとえば、小当たり図柄Y2又はY6の決定回数が所定の終了回数に達すること、小当たり図柄Y3又はY7の決定回数が所定の終了回数に達すること、小当たり図柄Y5又はY8の決定回数が所定の終了回数に達すること等を定めてもよい。また、大当たりの抽選により決定された大当たり図柄の種別に応じて、上述のいずれかの内容が決定されるようにしてもよい。
このようにすることで、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0137】
また、本形態では、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選した際に終了回数が決定され、小当たりの当選回数のカウントは、通常遊技状態が設定されるか又は終了回数に達するまで継続して行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、大当たりに当選するごとに新たな終了回数を決定するとともに、小当たりの当選回数のカウントは、通常遊技状態が設定されるか、終了回数に達するか又は次に大当たりに当選するまで継続して行うようにしてもよい。
このようにすることで、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0138】
また、本形態では、第2の条件が成立した状態は、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態が設定されるまで維持されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、第2の条件が成立した状態は、通常遊技状態が設定された場合にも解除されることなく、高確率非時短遊技状態が設定されるまで維持されるようにしてもよい。このようにした場合には、一旦、第2の条件が成立した状態となれば、高確率非時短遊技状態が設定されるまでこの状態が維持されるため、通常遊技状態が設定されてしまった場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のために第2の条件が成立した状態を目指す必要が無いため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、一旦、第2の条件が成立した後は、この状態はパチンコ機Pの電源がオフとなるまで維持されるようにしてもよい。このようにした場合には、一旦、第2の条件が成立した状態となれば、その後は、高確率非時短遊技状態の設定のために第2の条件が成立した状態を目指す必要が無いため、遊技者の興趣を高めることができる。
【0139】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを作動させて当該可動片15dを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、所定時間の間、可動片15dが開き、特別第1始動入賞口15bが開状態となるため、特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル121に基づいて、行われる。
【0140】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の普通図柄の抽選が行われると、普通図柄の変動パターン(普通図柄の変動時間)が決定されるとともに、後述する普通図柄の変動表示が停止した後、上述の普通図柄の抽選により決定される普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)を停止表示する時間である普図停止表示時間が決定される。
普通図柄の変動パターン及び普図停止表示時間の決定は、メインROM102に格納されている普通図柄変動パターン決定テーブル122、普図停止表示時間決定テーブル123に基づいて行われる。
【0141】
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の個数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0142】
当たり決定乱数判定テーブル121は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図22(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態又は高確率非時短遊技状態)において参照される非時短判定テーブル121aと、時短遊技状態(すなわち、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態)において参照される時短判定テーブル121bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル121aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル121aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル121bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル121bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0143】
図22(a)に示すように、非時短判定テーブル121aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル120aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
図22(b)に示すように、時短判定テーブル121bによれば、当たり決定乱数が1~65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル120bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、普通図柄の抽選により当たりとなる確率は、非時短遊技状態中よりも時短遊技状態中の方が高くなるように設定されている。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0144】
普通図柄変動パターン決定テーブル122は、普通図柄の変動パターン、すなわち、普通図柄の変動時間が対応付けられた普通図柄変動パターン番号を決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル122に基づいて、普通図柄変動パターン番号が決定される。
図23に示すように、普通図柄変動パターン決定テーブル122によれば、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、変動時間5秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C0H」という普通図柄変動パターン番号が決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、変動時間0.5秒の普通図柄の変動パターンが対応付けられた「C1H」という普通図柄変動パターン番号が決定される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、設定されている遊技状態ごとに常に同一の普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン)が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、たとえば、普通図柄の抽選の実行時点の普図保留数や、遊技球がゲート20を通過した際に取得する所定の乱数に基づいて、異なる普通図柄変動パターン番号が決定されるようにしてもよい。
【0145】
普図停止表示時間決定テーブル123は、上述の普図停止表示時間を決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普図停止表示時間決定テーブル123を参照して、決定された普通図柄(当たり図柄、ハズレ図柄)に対応する普図停止表示時間が決定される。
図24に示すように、普図停止表示時間決定テーブル123によれば、決定された普通図柄が当たり図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選により当たりとなった場合)には0.5秒の普図停止表示時間が決定される。また、決定された普通図柄がハズレ図柄であった場合(すなわち、普通図柄の抽選によりハズレとなった場合)には0.6秒の普図停止表示時間が決定される。
なお、普図停止表示時間は、普通図柄の種類のみならず、決定された普通図柄変動パターン番号ごとに決定されるようにしてもよい。
【0146】
そして、普通図柄変動パターン番号(普通図柄の変動パターン、普通図柄の変動時間)及び普図停止表示時間が決定されると、決定された普通図柄変動パターン番号に対応する変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、特別第1始動入賞口15bの可動片15dの開閉制御が行われる。これに対して、普通図柄の抽選によりハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯し、決定された普図停止表示時間が経過した後、次の普通図柄の抽選が可能となる。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という場合がある。
【0147】
また、本形態に係るパチンコ機Pには、特別第1始動入賞口15bに設けられた可動片15dの作動を制御するために参照される特別第1始動入賞口開放制御テーブル124を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、普通図柄表示装置32が点灯し決定された普図停止表示時間が経過すると、特別第1始動入賞口開放制御テーブル124に定められた内容に基づいて、特別第1始動入賞口15bの可動片15dの開閉制御が行われるようになっている。
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図25に示すように、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド15cが0.2秒(=0.2秒×1回)通電され、特別第1始動入賞口15bの可動片15dが0.2秒開放される。
また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、普図停止表示時間が経過した後に、始動入賞口ソレノイド15cが5.8秒(=2.9秒×2回)通電され、特別第1始動入賞口15bの可動片15dが5.8秒開放される。なお、1回目の可動片15dの開放が終了してから2回目の可動片15dの開放が開始されるまでに当該可動片15dが閉鎖する時間(インターバル時間)は0.5秒に設定されている。
【0148】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、特別第1始動入賞口15bを開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、特別第1始動入賞口15bが開状態に維持されやすいため、非時短遊技状態よりも特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすくなっている。
【0149】
(本形態に係るパチンコ機Pの遊技性)
本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述の如く、通常遊技状態(低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、低確率時短遊技状態(低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、高確率時短遊技状態(高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)、又は、高確率非時短遊技状態(高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態)のいずれかの遊技状態が設定されて、遊技が進行するようになっている。
【0150】
ここで、遊技者が遊技を開始する時点では、通常遊技状態が設定されていることが多い。この通常遊技状態中は、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、遊技球は、第1始動入賞口15(通常第1始動入賞口15a又は特別第1始動入賞口15b)へのみ入球する可能性があり、第2始動入賞口16へ入球することはない。すると、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定される(
図11(a)参照)。そして、大当たり図柄X1が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が低確率時短遊技状態に設定され、大当たり図柄X2、X3又はX4が決定された場合には、当該決定に基づいて実行される特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される(
図19、
図26参照)。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中に指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図26参照)。
【0151】
低確率時短遊技状態中は、大当たりの当選確率は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、特別第1始動入賞口15bが開状態へ維持されやすくなっており、特別第1始動入賞口15bへ遊技球が入球しやすいため、通常遊技状態中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できる。また、高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中よりも、大当たりの当選確率が高く、かつ特別第1始動入賞口15bが開状態へ維持されやすくなっており、通常遊技状態中よりも遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えつつ、容易に大当たりの当選を獲得できる。
この低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中は、通常遊技状態中と同様に、上述の如く、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しが指示されている。そのため、これに従って遊技球を打ち出している限りにおいては、第1始動入賞口15へのみ遊技球が入球する可能性があり、通常遊技状態中と同様に、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X1、X2、X3又はX4が決定される(
図11(a)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中も指示通り左打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図26参照)。
【0152】
さらに、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述のように、高確率時短遊技状態において第2の条件が成立した状態となると、高確率非時短遊技状態へ移行する(
図26参照)。
この高確率非時短遊技状態中は、特別第1始動入賞口15bが開状態へ維持される難易度は通常遊技状態中と変わらないものの、通常遊技状態中よりも、大当たりの当選確率が高くなっている。また、高確率非時短遊技状態中は、上述の如く、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)が指示されており、これに従って遊技球を打ち出していると、遊技球は、第2始動入賞口16に入球する可能性がある。第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では、小当たりに当選する確率が極めて高く設定されており(
図5(c)及び(d)、
図6(c)及び(d)、
図7(c)及び(d)、
図8(c)及び(d)、
図9(c)及び(d)、
図10(c)及び(d)参照)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すれば高確率で小当たりに当選し、小当たり遊技が実行される。小当たり図柄Y5に基づく小当たり遊技中は、遊技球が入球しやすい態様で大入賞口18が開放されるため、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出していれば、開放中の大入賞口18へ遊技球が入球し、当該入球に基づき所定個数の賞球を獲得することができる。
すなわち、高確率非時短遊技状態中は、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すことにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得しながら、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりの当選を目指すことができるようになっており、高確率非時短遊技状態は、通常遊技状態、低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態と比べて遊技者にとって有利な遊技状態である。なお、大当たりに当選することなく高確率非時短遊技状態が継続すればする程、小当たり遊技が実行される回数が増えるため、遊技球が徐々に増加するようになっている。
【0153】
また、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりの抽選が行われ、大当たりに当選した場合には、大当たり図柄X5、X6、X7又はX8が決定される(
図11(b)参照)。したがって、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、高確率非時短遊技状態中に指示通り右打ちを行っていれば、大当たりに当選することにより、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態へ移行することとなる(
図26参照)。
【0154】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態、低確率時短遊技状態、高確率時短遊技状態及び高確率非時短遊技状態の各遊技状態において、遊技者に対する指示通りに第1遊技領域12a又は第2遊技領域12bのいずれかへ向けて遊技球を打ち出すことで、大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態への移行が可能となっている。そして、運良く、連続して大当たり図柄X6、X7又はX8が決定されると、特別遊技中に獲得可能な賞球に加え、高確率時短遊技状態から移行可能な高確率非時短遊技状態中の小当たり遊技でも賞球を獲得でき、大当たりの当選確率も高いことから、早いスピードで多くの出玉を得ることができることとなる。
【0155】
ところで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選では小当たりに当選する確率が高く設定されているため(
図5(c)及び(d)、
図6(c)及び(d)、
図7(c)及び(d)、
図8(c)及び(d)、
図9(c)及び(d)、
図10(c)及び(d)参照)、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中及び高確率時短遊技状態中に遊技者に対する左打ちの指示に従わず、第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出し第2始動入賞口16へ遊技球を入球させて、小当たりの当選により実行される小当たり遊技で賞球を獲得するという遊技方法により遊技が行われる可能性がある。
しかし、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させた場合には、大当たりの抽選の結果が大当たりの当選、小当たりの当選及びハズレのいずれであっても、特別図柄の変動時間が約600秒と極めて長い時間に設定されるようになっている。したがって、1時間あたりに約6回程度しか特別図柄が停止表示されず、時間効率の極めて悪い遊技となり、多くの賞球を獲得することは極めて困難となる。これにより、上述のような遊技が行われることを抑止することができる。
【0156】
また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し及び第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを併用し、第1始動入賞口15への遊技球の入球により大当たりの当選を目指しつつ、第2始動入賞口16への遊技球の入球により小当たりの当選を目指すという遊技方法により遊技が行われる可能性もある。
【0157】
ここで、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることにより大当たりに当選してしまった場合、大当たり図柄の変動表示(第2特別図柄表示装置31における変動表示)中も、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選は次々と行われる。しかし、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づき大当たりに当選しているため、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果は全てハズレとなる。すると、遊技者は、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて大当たりに当選していることを認識できないまま、第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出すものの、上述のように第1始動入賞口15へ遊技球が入球しても大当たりの抽選の結果は全てハズレとなるため、打ち出した遊技球は全て無駄となり、遊技者にとっては極めて不利な状況となる。
【0158】
また、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2始動入賞口16へ遊技球を入球させることにより小当たりに当選した場合、上述と同様に、小当たり図柄の変動表示(第2特別図柄表示装置31における変動表示)中も、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選は次々と行われる。しかし、当該抽選において大当たりに当選しない限り、上述の小当たり図柄の変動表示は継続するようになっており、当該抽選において大当たりに当選した場合には、変動表示中の小当たり図柄はハズレ図柄に書き換えられて強制的に停止表示されるようになっている。したがって、これらの遊技状態中に小当たりに当選しても、第1始動入賞口15へ遊技球が入球して大当たりの抽選が行われる限りは、小当たり遊技が実行されることはない。
【0159】
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中に第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出すメリットが少なく、上述のような遊技方法による遊技が行われるのを抑止できるようになっている。
【0160】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技、特別遊技及び小当たり遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図27のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0161】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。本形態に係るパチンコ機Pでは、たとえば、終了回数に達するまで(第2の条件が成立した状態となるまで)の小当たりの当選回数をカウントするための第2条件成立カウンタの値をリセットしたり、第2の条件が成立した状態である旨を示す第2条件成立フラグをオフにしたりする。また、電源投入時に設定変更状態へ移行した場合には、この設定変更状態が終了した時点(遊技を進行可能な遊技可能状態へ移行した時点)で、設定中の設定値を示す設定値コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、設定中の設定値を副制御基板300へ伝達することができる。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0162】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数であるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0163】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図28のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0164】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0165】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、通常第1始動入賞口検出センサ15e、特別第1始動入賞口検出センサ15f、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技、特別遊技、小当たり遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0166】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0167】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、通常第1始動入賞口検出センサ15e、特別第1始動入賞口検出センサ15f、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、特別第1始動入賞口15bの可動片15dを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0168】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0169】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が通常第1始動入賞口15a又は特別第1始動入賞口15bを通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0170】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0171】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
【0172】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、通常第1始動入賞口検出センサ15e又は特別第1始動入賞口検出センサ15fからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、通常第1始動入賞口検出センサ15e及び特別第1始動入賞口検出センサ15fのいずれからの検出信号も入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、通常第1始動入賞口検出センサ15e又は特別第1始動入賞口検出センサ15fのいずれかからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0173】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0174】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0175】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0176】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ509に進む。
ステップ509において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が保留として記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0177】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0178】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0179】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0180】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0181】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ609に進む。
ステップ609において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が保留として記憶された時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0182】
次に、上述したステップ509及びステップ609の事前判定処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ509の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ609の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、設定中の設定値、現時点の遊技状態及び遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))に対応するいずれかを取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ651に進む。
【0183】
ステップ651において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果が大当たりであった場合には、第1特別図柄乱数判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果が大当たりであった場合には、第2特別図柄乱数判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(大当たり図柄の種別)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果が小当たりであった場合には、第3特別図柄乱数判定テーブル111cを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(小当たり図柄の種別)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果が小当たりであった場合には、第4特別図柄乱数判定テーブル111dを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別(小当たり図柄の種別)を判定する。
一方、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はZ1(ハズレ図柄)であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ650における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はZ2(ハズレ図柄)であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。また、この特別図柄判定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を判定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ652に進む。
【0184】
ステップ652において、メインCPU101は、上述のステップ651で判定された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ655に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、上述のステップ652で判定された特別図柄の種別(大当たり図柄又は小当たり図柄)、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。そして、次のステップ654に進む。
【0185】
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ653で確認した現時点の遊技状態、特別図柄の種別、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)を取得する。そして、ステップ659に進む。
また、上述のステップ652で大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合に進むステップ655において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ656に進む。
【0186】
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ655で確認した現時点の遊技状態、保留数、及び、遊技球が入球した始動入賞口の種別に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を取得する。そして、次のステップ657に進む。
ステップ657において、メインCPU101は、記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ656で取得されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を判定し、当該グループの種別をメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ658に進む。
【0187】
ステップ658において、メインCPU101は、上述のステップ657で判定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を取得する。そして、次のステップ659に進む。
ステップ659において、メインCPU101は、上述のステップ654で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ658で取得されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を判定する変動モード番号判定処理を実行する。そして、次のステップ660に進む。
【0188】
ステップ660において、メインCPU101は、上述のステップ659で判定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ661に進む。
ステップ661において、メインCPU101は、上述のステップ660で取得された変動パターン抽選テーブル114と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を判定する変動パターン番号判定処理を実行する。そして、次のステップ662に進む。
【0189】
ステップ662において、メインCPU101は、上述のステップ650で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり、小当たり又はハズレ)、上述のステップ651で判定された特別図柄の種別、上述のステップ659で判定された変動モード番号、及び、上述のステップ661で判定された変動パターン番号を含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動モード番号及び変動パターン番号が、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
【0190】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「01」と、後述する小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「03」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動処理(ステップ701)、特別遊技制御処理(ステップ702)、小当たり遊技制御処理(ステップ703)又は特別遊技終了処理(ステップ704)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0191】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動処理について、
図35のフローチャートを参照して説明する。
ステップ750において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ751に進む。
ステップ751において、メインCPU101は、変動開始処理を実行する。そして、次のステップ752に進む。
【0192】
ステップ752において、メインCPU101は、変動停止処理を実行する。そして、次のステップ753に進む。
ステップ753において、メインCPU101は、停止後処理を実行する。そして、特別図柄変動処理を終了する。
【0193】
次に、上述したステップ751の変動開始処理について、
図36のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ813に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ801に進む。
【0194】
ステップ801において、メインCPU101は、第2特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第2特図という)の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、ステップ813に進む。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ803に進む。
【0195】
ステップ803において、メインCPU101は、設定中の設定値、現時点の遊技状態及び第2特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第2始動入賞口16)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ804に進む。
ステップ804において、メインCPU101は、第2特図の種別を決定する第2特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ803における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2特別図柄乱数判定テーブル111b(
図11(b)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X5、X6、X7、X8)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果が小当たりであった場合には、第4特別図柄乱数判定テーブル111d(
図11(d)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、小当たり図柄(Y5、Y6、Y7、Y8)を決定する。また、上述のステップ803における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z2)を決定する。そして、決定した第2特図に対応するデータを、メインRAM103の第2特図一時記憶領域に記憶する。また、この第2特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第2特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ805に進む。
【0196】
ステップ805において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された第2特図の種別が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、後述する第1特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1特図乱数に基づいて決定された特別図柄(以下、第1特図という)と第2特図とが同時に変動表示可能となっている。そして、上述の如く、第2特図の変動表示の開始時には、決定された第2特図の種別(すなわち、停止表示される第2特図の種別)が第2特図一時記憶領域に記憶される。同様に、第1特図の変動表示の開始時には、決定された第1特図の種別(すなわち、停止表示される第1特図の種別)が第1特図一時記憶領域に記憶される。すなわち、第1特図一時記憶領域には、第1特別図柄表示装置30において変動表示中の第1特図の種別が記憶され、第2特図一時記憶領域には、第2特別図柄表示装置31において変動表示中の第2特図の種別が記憶される。
したがって、このステップ806においては、第2図柄として決定された大当たり図柄の変動表示を開始する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定することとなる。
そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ808に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ807に進む。
【0197】
ステップ807において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第1特図の変動表示中に、第2特図の変動表示が開始される場合において、この第2特図として大当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
なお、上述のように、第2特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第2特図の種別を決定する際に、第1特別図柄表示装置30において、第1特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第2特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されている第2特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。具体的には、上述のステップ804で決定された第2特図の種別(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ807で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第2特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
【0198】
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ802で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31で第2特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第2特図乱数に基づいて上述の第2特図の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
【0199】
ステップ811において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、遊技状態を時短遊技状態に設定するための時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ812に進む。
【0200】
ステップ812において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。ここでは、メインCPU101は、遊技状態が高確率遊技状態に設定するための高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。
なお、上述のステップ811及びステップ812の処理が実行されたことにより、遊技状態が通常遊技状態となった場合(すなわち、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグがいずれもオフとなった場合)、又は高確率非時短遊技状態となった場合(すなわち、高確遊技フラグがオン、時短遊技フラグがオフとなった場合)には、メインCPU101は、第2条件成立フラグをオフにするとともに、第2条件成立カウンタの値をリセットする。
そして、次のステップ813に進む。
【0201】
ステップ813において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、変動開始処理を終了する。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ814に進む。
ステップ814において、メインCPU101は、第1特図の変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中であると判定した場合、変動開始処理を終了する。一方、変動表示中でないと判定した場合、次のステップ815に進む。
【0202】
ステップ815において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ816に進む。
ステップ816において、メインCPU101は、設定中の設定値、現時点の遊技状態及び第1特図乱数(すなわち、始動入賞口の種別が第1始動入賞口15)に対応する大当たり乱数判定テーブル110を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ817に進む。
【0203】
ステップ817において、メインCPU101は、第1特図の種別を決定する第1特図決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ816における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1特別図柄乱数判定テーブル111a(
図11(a)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄(X1、X2、X3、X4)を決定する。また、上述のステップ816における抽選の結果が小当たりであった場合には、第3特別図柄乱数判定テーブル111c(
図11(c)参照)を選択し、当該テーブルと、上述のステップ815で処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、小当たり図柄(Y1、Y2、Y3、Y4)を決定する。また、上述のステップ815における抽選の結果がハズレであった場合には、ハズレ図柄(Z1)を決定する。そして、決定した第1特図に対応するデータを、メインRAM103の第1特図一時記憶領域に記憶する。また、この第1特図決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、第1特図を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ818に進む。
ステップ818において、メインCPU101は、上述のステップ817で決定された第1特図の種別が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ819に進む。
【0204】
ステップ819において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶されたデータが大当たり図柄に係るものであるか否かを判定する。すなわち、メインCPU101は、第1図柄として決定された大当たり図柄の変動表示を開始する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定する。そして、上述のデータが大当たり図柄に係るものでない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ821に進む。一方、上述のデータが大当たり図柄に係るものであると判定した場合、次のステップ820に進む。
ステップ820において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄に係るデータを、ハズレ図柄に係るデータに書き換える。すなわち、大当たり図柄が決定された第2特図の変動表示中に、第1特図の変動表示が開始される場合において、この第1特図として大当たり図柄が決定された場合には、この大当たり図柄が強制的にハズレ図柄に書き換えられる。
なお、第1特図の種別を決定した後に、決定された大当たり図柄を強制的にハズレ図柄に書き換えるのではなく、第1特図の種別を決定する際に、第2特別図柄表示装置31において、第2特図として決定された大当たり図柄が変動表示されているか否かを判定し、大当たり図柄が変動表示されていると判定した場合には、第1特図の種別として必ずハズレ図柄が決定されるようにしてもよい。
そして、次のステップ821に進む。
【0205】
ステップ821において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶されている第1特図の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
具体的には、上述のステップ817で決定された第1特図の種別(大当たり図柄、小当たり図柄、又は、ハズレ図柄)、又は、上述のステップ820で強制的な書き換えが行われた場合にはハズレ図柄が記憶される。これにより、第1特図の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ822に進む。
ステップ822において、メインCPU101は、上述のステップ815で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンを決定する変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ823に進む。
【0206】
ステップ823において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30で第1特図の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の第1図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御される。
そして、次のステップ824に進む。
【0207】
ステップ824において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。そして、次のステップ825に進む。
ステップ825において、メインCPU101は、高確回数更新処理を実行する。
なお、上述のステップ824及びステップ825の処理が実行されたことにより、遊技状態が通常遊技状態となった場合(すなわち、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグがいずれもオフとなった場合)、又は高確率非時短遊技状態となった場合(すなわち、高確遊技フラグがオン、時短遊技フラグがオフとなった場合)には、メインCPU101は、第2条件成立フラグをオフにするとともに、第2条件成立カウンタの値をリセットする。
そして、変動開始処理を終了する。
【0208】
なお、本形態に係るパチンコ機Pの変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数のいずれもが記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではない。たとえば、第2特図乱数に優先して第1特図乱数が処理されるようにしてもよいし、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
【0209】
次に、上述したステップ809及びステップ822の変動演出パターン決定処理について、
図37のフローチャートを参照して説明する。なお、いずれのステップの変動演出パターンも同様の処理となっているため、ここでは、ステップ809の変動演出パターン決定処理を中心に説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ804(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ817)で決定された大当たり図柄又は小当たり図柄、現時点の遊技状態、及び、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別(すなわち、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数がいずれの始動入賞口への入球により取得されたものであるか)を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0210】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄又は小当たり図柄、遊技状態、及び、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、当該抽選の判定に係る始動入賞口の種別を確認するとともに、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0211】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した始動入賞口の種別、遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0212】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(当たり用判定テーブル)又は上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0213】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を選択する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で選択された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ802(ステップ822の変動演出パターン決定処理においては上述のステップ815)で所定の処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0214】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号及び変動パターン番号とに基づいて、変動演出の変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)を決定する。すなわち、第2特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ809の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第2特図の変動時間となり、第1特図に基づいた変動演出パターン決定処理(ステップ822の変動演出パターン決定処理)が行われている場合には、決定された変動時間は第1特図の変動時間となる。そして、第2特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第2特図変動時間タイマカウンタにセットし、第1特図の変動時間を決定した場合には、この変動時間を第1特図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、所定の一時記憶領域に記憶された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、所定の一時記憶領域に記憶された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0215】
次に、上述したステップ752の変動停止処理について、
図38のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30において第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、上述のステップ910で第1特図変動時間タイマカウンタにセットされた第1特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、ステップ1006に進む。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
【0216】
ステップ1002において、メインCPU101は、第1特図一時記憶領域に記憶された第1特図を、第1特別図柄表示装置30に停止表示するための停止表示データをセットし、第1特図の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、第1特図が停止表示されたことを示す第1特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
【0217】
ステップ1004において、メインCPU101は、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、上述のステップ817で決定された特別図柄の種類に応じた第1特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第1特図停止表示時間という)を決定する。そして、次のステップ1005に進む。
ステップ1005において、メインCPU101は、上述のステップ1004で決定された第1特図停止表示時間を第1停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1006に進む。
【0218】
ステップ1006において、メインCPU101は、第2特別図柄表示装置31において第2特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中でないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、変動表示中であると判定した場合、次のステップ1007に進む。
ステップ1007において、メインCPU101は、上述のステップ910で第2特図変動時間タイマカウンタにセットされた第2特図の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、経過していないと判定した場合、変動停止処理を終了する。一方、経過したと判定した場合、次のステップ1008に進む。
【0219】
ステップ1008において、メインCPU101は、第2特図一時記憶領域に記憶された第2特図を、第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、第2図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1009に進む。
ステップ1009において、メインCPU101は、第2特図が停止表示されたことを示す第2特図停止表示コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1010に進む。
【0220】
ステップ1010において、メインCPU101は、特図停止表示時間決定テーブル116を参照して、上述のステップ804で決定された特別図柄の種類に応じた第2特図を停止表示する特図停止表示時間(以下、第2特図停止表示時間という)を決定する。そして、次のステップ1011に進む。
ステップ1011において、メインCPU101は、上述のステップ1010で決定された第2特図停止表示時間を第2停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、変動停止処理を終了する。
【0221】
次に、上述したステップ753の停止後処理について、
図39のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、上述のステップ1005で第1停止表示時間タイマカウンタにセットされた第1特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第1特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。一方、第1特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、ステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1011で第2停止表示時間タイマカウンタにセットされた第2特図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、第2特図停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、第2特図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0222】
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄(第1特図又は第2特図)が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、小当たり図柄又はハズレ図柄である)と判定して場合、ステップ1111に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、すなわち、停止表示された特別図柄とは異なる、もう一方の特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、停止表示された第1特図が大当たり図柄であった場合には、第2特図が変動表示中であるか否かを判定し、停止表示された第2特図が大当たり図柄であった場合には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1107に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1104に進む。
【0223】
ステップ1104において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1106に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1105に進む。
【0224】
ステップ1105において、メインCPU101は、変動表示中の小当たり図柄に係るデータ(すなわち、第1特図一時記憶領域に記憶された小当たり図柄に係るデータ、又は、第2特図一時記憶領域に記憶された小当たり図柄に係るデータ)をハズレ図柄に係るデータに書き換える。そして、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する。具体的には、変動表示中の特別図柄がハズレ図柄であった場合には、第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、また、上述のステップ1105で書き換えが行われた場合には、書き換えられた第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、変動時間が経過していなくても対応する特別図柄表示装置に停止表示させる。すなわち、第1特図が変動表示中であった場合には、この第1特図の変動時間が経過していなくても、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。また、第2特図が変動表示中であった場合には、この第2特図の変動時間が経過していなくても、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。そして、ステップ1107に進む。
【0225】
ステップ1107において、メインCPU101は、第2の条件の成立を判定するための終了回数を決定する条件設定処理を実行する。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをオフにする。なお、高確遊技フラグ、時短遊技フラグがオフであったときには、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1109に進む。
【0226】
ステップ1109において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。また、停止表示された大当たり図柄の種類に対応する特別電動役物作動テーブル117に基づいて、オープニング時間が経過した後に実行される特別遊技中のラウンド数を取得し、メインRAM103に設けられたラウンド数記憶領域にセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0227】
また、上述のステップ1102で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、停止表示された特別図柄が小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、小当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1119に進む。一方、小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄があるか否か、具体的には、停止表示された第1特図が小当たり図柄であった場合には、第2特図が変動表示中であるか否かを判定し、停止表示された第2特図が小当たり図柄であった場合には、第1特図が変動表示中であるか否かを判定する。そして、変動表示中の特別図柄がないと判定した場合、ステップ1116に進む。一方、変動表示中の特別図柄があると判定した場合、次のステップ1113に進む。
【0228】
ステップ1113において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄及び小当たり図柄のいずれでもない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1115に進む。一方、大当たり図柄又は小当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1114に進む。
ステップ1114において、メインCPU101は、変動表示中の大当たり図柄又は小当たり図柄に係るデータ(すなわち、第1特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄あるいは小当たり図柄に係るデータ、又は、第2特図一時記憶領域に記憶された大当たり図柄あるいは小当たり図柄に係るデータ)をハズレ図柄に係るデータに書き換える。そして、次のステップ1115に進む。
【0229】
ステップ1115において、メインCPU101は、変動表示中の特別図柄を強制的に停止表示する。具体的には、変動表示中の特別図柄がハズレ図柄であった場合には、第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、また、上述のステップ1114で書き換えが行われた場合には、書き換えられた第1特図一時記憶領域又は第2特図一時記憶領域に記憶されているハズレ図柄を、変動時間が経過していなくても対応する特別図柄表示装置に停止表示させる。すなわち、第1特図が変動表示中であった場合には、この第1特図の変動時間が経過していなくても、第1特別図柄表示装置30においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。また、第2特図が変動表示中であった場合には、この第2特図の変動時間が経過していなくても、第2特別図柄表示装置31においてハズレ図柄が強制的に停止表示する。そして、ステップ1116に進む。
ステップ1116において、メインCPU101は、第2の条件の成立を判定する条件成立判定処理を実行する。そして、次のステップ1117に進む。
【0230】
ステップ1117において、メインCPU101は、小当たり遊技の開始時に設定されるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1118に進む。
ステップ1118において、メインCPU101は、特図関連制御処理において小当たり遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
【0231】
また、上述のステップ1111で小当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1119において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。この遊技状態コマンドには、高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報等が含まれている。そして、停止後処理を終了する。
【0232】
次に、上述したステップ1107の条件設定処理について、
図40のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1130において、メインCPU101は、通常遊技状態中(すなわち、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグがいずれもオフであるとき)又は高確率非時短遊技状態中(すなわち、高確遊技フラグがオン、時短遊技フラグがオフであるとき)の大当たりの当選であるか否かを判定する。そして、通常遊技状態中及び高確率非時短遊技状態中の大当たりの当選でない(すなわち、低確率時短遊技状態中又は高確率時短遊技状態中の大当たりの当選である)と判定した場合、条件設定処理を終了する。一方、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中の大当たりの当選であると判定した場合、次のステップ1131に進む。
ステップ1131において、メインCPU101は、ステップ804又はステップ817で決定された大当たり図柄の種別、及び、終了条件設定テーブル120に基づいて、終了回数を決定し、決定された終了回数を第2条件成立カウンタにセットする。具体的には、大当たり図柄X1又はX5が決定された場合には、終了回数として5回が決定され、大当たり図柄X2又はX6が決定された場合には、終了回数として3回が決定され、大当たり図柄X3又はX7が決定された場合には、終了回数として1回が決定され、大当たり図柄X4又はX8が決定された場合には、終了回数として0回が決定される。そして、次のステップ1132に進む。
【0233】
ステップ1132において、メインCPU101は、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりの当選した旨を示す所定時当選コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、条件設定処理を終了する。
【0234】
次に、上述したステップ1116の条件成立判定処理について、
図41のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1150において、メインCPU101は、第2条件成立フラグがオフであるか否かを判定する。そして、第2条件成立フラグがオフでない(すなわち、オンである)と判定した場合、条件成立判定処理を終了する。一方、第2条件成立フラグがオフであると判定した場合、次のステップ1151に進む。
ステップ1151において、メインCPU101は、設定中の遊技状態が高確率時短遊技状態(すなわち、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグがいずれもオン)又は低確率時短遊技状態(すなわち、高確遊技フラグがオフ、時短遊技フラグがオン)であるか否かを判定する。そして、高確率時短遊技状態及び低確率時短遊技状態のいずれでもないと判定した場合、条件成立判定処理を終了する。一方、高確率時短遊技状態又は低確率時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1152へ進む。
【0235】
ステップ1152において、メインCPU101は、第2条件成立カウンタの値が「1」以上であった場合に当該カウンタの値を1デクリメントする。第2条件成立カウンタの値が「0」であった場合には、ここではメインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1153に進む。
ステップ1153において、メインCPU101は、第2条件成立カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、第2条件成立カウンタの値が「0」でないと判定した場合、条件成立処理を終了する。一方、第2条件成立カウンタの値が「0」であると判定した場合、次のステップ1154に進む。
【0236】
ステップ1154において、メインCPU101は、設定中の遊技状態が高確率時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、高確率時短遊技状態でない(すなわち、低確率時短遊技状態である)と判定した場合、ステップ1156に進む。一方、高確率時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ1155に進む。
ステップ1155において、メインCPU101は、時短遊技フラグをオフにする。これにより、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し、小当たり遊技の終了後に高確率非時短遊技状態が設定される。また、メインCPU101は、高確率非時短遊技状態の設定を示す高確率非時短遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される旨が副制御基板300に伝達される。そして、条件成立判定処理を終了する。
【0237】
また、上述のステップ1154で高確率時短遊技状態でないと判定した場合に進むステップ1156において、メインCPU101は、第2条件成立フラグをオンにする。そして、条件成立判定処理を終了する。
【0238】
次に、上述したステップ702の特別遊技制御処理について、
図42のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1109でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0239】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル117に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0240】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0241】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、ラウンド遊技の終了を示すラウンド遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、ラウンド数記憶領域に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0242】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0243】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
【0244】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0245】
次に、上述したステップ703の小当たり遊技制御処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1250において、メインCPU101は、実行フェーズデータが小当たり遊技制御処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1251に進む。
ステップ1251において、メインCPU101は、上述のステップ1117でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1252に進む。
【0246】
ステップ1252において、メインCPU101は、この小当たり遊技制御処理において大入賞口18の開閉が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1256に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1253に進む。
ステップ1253において、メインCPU101は、特別電動役物作動テーブル117における第3作動テーブル117c又は第4作動テーブル117dに基づいて、大入賞口18の開閉を行う小当たり遊技実行処理を行う。そして、次のステップ1254に進む。
【0247】
ステップ1254において、メインCPU101は、大入賞口18の開閉が終了したか否かを判定する。そして、大入賞口18の開閉が終了していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、大入賞口18の開閉が終了したと判定した場合、次のステップ1255に進む。
ステップ1255において、メインCPU101は、小当たり遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0248】
また、上述のステップ1252でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1256において、メインCPU101は、上述のステップ1255でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、小当たり遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1257に進む。
ステップ1257において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、小当たり遊技制御処理を終了する。
【0249】
次に、上述したステップ704の特別遊技終了処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1310において、メインCPU101は、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する遊技状態設定処理を実行する。そして、次のステップ1302に進む。
【0250】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、この遊技状態指定コマンドに、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種類の情報も含まれるようになっている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0251】
次に、上述したステップ1301の遊技状態設定処理について、
図45のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1350において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の処理領域に記憶)を確認し、当該大当たり図柄がX2、X3、X4、X6、X7又はX8であるか否かを判定する。そして、X2、X3、X4、X6、X7及びX8にいずれでもない(すなわち、X1又はX5である)と判定した場合、ステップ1355に進む。一方、X2、X3、X4、X6、X7又はX8であると判定した場合、次のステップ1351に進む。
ステップ1351において、メインCPU101は、第2条件成立フラグがオンであるか否かを判定する。そして、第2条件フラグがオンでないと判定した場合、ステップ1354に進む。一方、第2条件フラグがオンであると判定した場合、次のステップ1352に進む。
【0252】
ステップ1352において、メインCPU101は、高確遊技フラグをオンにするとともに、時短遊技フラグをオフにし、高確回数に「10000」をセットする。これにより、高確率非時短遊技状態がセットされる。そして、次のステップ1353に進む。
ステップ1353において、メインCPU101は、第2条件成立フラグをオフにする。そして、遊技状態設定処理を終了する。
また、上述のステップ1351で第2条件成立フラグがオンでないと判定した場合に進むステップ1354において、メインCPU101は、第2状態設定テーブル118bに基づいて、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンにするとともに、高確回数及び時短回数に「10000」をセットする。これにより、高確率時短遊技状態がセットされる。そして、遊技状態設定処理を終了する。
【0253】
また、上述のステップ1350で大当たり図柄がX2、X3、X4、X6、X7及びX8のいずれでもないと判定した場合に進むステップ1355において、メインCPU101は、第1状態設定テーブル118aに基づいて、高確遊技フラグをオフにするとともに、時短遊技フラグをオンにし、時短回数に「100」をセットする。これにより、低確率時短遊技状態がセットされる。そして、遊技状態設定処理を終了する。
【0254】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図46のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0255】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図47のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0256】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
【0257】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル121(非時短判定テーブル121a又は時短判定テーブル121bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル121aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル121bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
【0258】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでないと判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
【0259】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普図保留数の値を確認する。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄変動パターン決定テーブル122を参照して、上述のステップ1508で確認した現時点の遊技状態に応じた普通図柄変動パターン番号を決定するとともに、普通図柄の変動時間(変動パターン)を決定し、この決定された普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1510に進む。
【0260】
ステップ1510において、メインCPU101は、普図停止表示時間決定テーブル123を参照して、上述のステップ1505の判定結果に基づく普通図柄の種類(当たり図柄、ハズレ図柄)に応じた普図停止表示時間を決定し、この決定された普図停止表示時間をメインRAM103に設けられた所定の一時記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1512に進む。
【0261】
ステップ1512において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1513に進む。
ステップ1513において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0262】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図48のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1509で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0263】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、上述のステップ1510で決定され、一時記憶領域に記憶された普図停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0264】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0265】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図49のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた普図停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該普図停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該普図停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0266】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0267】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0268】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図50のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片15dが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド15cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片15dが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片15dが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0269】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、特別第1始動入賞口開放制御テーブル124を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド15cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0270】
また、上述のステップ1801で可動片15dが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片15dの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド15cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0271】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0272】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技及び小当たり遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、及び、小当たり遊技中に実行され設定中の設定値を示唆する小当たり遊技中設定示唆演出について説明する。
【0273】
(変動演出の概要)
この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
【0274】
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、第1特図と第2特図とが同時に変動表示可能となっているため、第1特図と第2特図とが同時に変動表示される場合には、演出表示装置21においても、第1特図に対応する変動演出と第2特図に対応する変動演出とが同時に行われるようになっている。
そして、
図51に示すように、通常遊技状態、低確率時短遊技状態及び高確率時短遊技状態においては、演出表示装置21における表示部21aの中央部分で第1特図に対応する変動演出が実行され、表示部21aの右下隅で第2特図に対応する変動演出が実行されるようになっており、また、高確率非時短遊技状態においては、演出表示装置21における表示部21aの中央部分で第2特図に対応する変動演出が実行され、表示部21aの右下隅で第1特図に対応する変動演出が実行されるようになっている。
【0275】
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、各遊技状態に応じた背景画像が表示されるようになっている。具体的には、特に図示していないが、通常遊技状態においては第1背景画像が表示され、低確率時短遊技状態においては第2背景画像が表示され、高確率時短遊技状態においては第3背景画像が表示され、高確率非時短遊技状態においては第4背景画像が表示されるようになっている。
これにより、第1背景画像が表示されているときには、通常遊技状態が設定されている旨を認識することができる。また、第2背景画像が表示されているときには、低確率時短遊技状態が設定されている旨を認識することができる。また、第3背景画像が表示されているときには、高確率時短遊技状態が設定されている旨を認識することができる。また、第4背景画像が表示されているときには、高確率非時短遊技状態が設定されている旨を認識することができる。
【0276】
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出中に実行される所定の演出(大当たりの当選の期待度を示唆する予告演出、発展演出等)を遊技者に注目させるべく、この所定の演出の実行に応じて、表示部21aにおける第1特図や第2特図の変動演出の表示位置や演出図柄50の大きさを変更したり、変動演出を非表示にしたりするといった制御も行われるようになっている。
【0277】
(変動演出の基本態様)
次に、変動演出の基本態様について具体的に説明する。なおここでは、特に言及する場合を除き、演出表示装置21における表示部21aの中央部分で実行される変動演出(すなわち、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において実行される第1特図に対応する変動演出、高確率非時短遊技状態において実行される第2特図に対応する変動演出)を具体例として、上述の説明を行う。
本形態における変動演出は、演出図柄50によるリーチ表示(先に停止表示される2つの演出図柄50が同一の図柄(態様)となる表示)がなされないリーチなし変動パターンと、演出図柄50によるリーチ表示がなされるリーチ変動パターンとに大別される。
【0278】
そして、この変動演出では、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図51(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示されるが(
図51(c)~(e)参照)、リーチなし変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示され(特に表示しておらず)、リーチ変動パターンでは、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(
図51(d)参照)。
【0279】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図51(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
【0280】
また、特に図示していないが、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0281】
また、大当たりの抽選の結果が小当たりであった場合には、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合と同様に、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはないようになっている。ただし、小当たりの場合には、特に図示していないが、ハズレの場合には停止表示されることのない特定の演出図柄50の組み合わせ(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が特定の偶数の図柄となる組み合わせ(「228」、「288」等))が停止表示され、これにより、大当たりの抽選の結果が小当たりであることが報知される。
なお、小当たりであった場合の停止表示の態様は、上述の内容に限定されるものではなく、たとえば、小当たりを示す特定の態様(たとえば、第1停止図柄、第2停止図柄及び第3停止図柄が特殊な図柄(ベル図柄等)で停止する態様)で演出図柄50が停止表示されるようにしてもよい。
【0282】
また、特に図示していないが、リーチ表示がなされた場合には、その後、演出表示装置21に所定の発展演出画像(たとえば、演出図柄50が次々と破壊されていくような動画等)が表示されるリーチ発展演出が実行されることもある。このようなリーチ発展演出は、大当たりに当選した場合に実行される可能性が高く設定されているため、遊技者の期待感を高めることとなる。
【0283】
また、変動演出においては、演出図柄50の変動表示の他、演出図柄50とは異なるカットイン画像を表示することで、大当たりの当選に対する期待感を高めるカットイン演出や、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行うことで、大当たりの当選に対する期待感を高めるボタン操作演出、可動可能な役物演出装置が所定態様で作動することで、大当たりの当選に対する期待感を高める役物作動演出等を実行可能としてもよい。
さらに、上述の各演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよいし、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
【0284】
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。副制御基板300のサブCPU301は、主制御基板100から送信された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信することにより、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、所定の数値範囲内(たとえば、0~249)で変動演出乱数(演出乱数)を取得する。そして、選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び取得された変動演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分(演出図柄50の変動表示が開始されてから第2停止図柄が停止表示されるまで)の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分(第2停止図柄が停止表示されてから第3停止図柄が停止表示されるまで)の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が、演出表示装置21において実行されることとなる。
【0285】
なお、演出表示装置21における表示部21aの右下隅で実行される変動演出(すなわち、通常遊技状態、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態において実行される第2特図に対応する変動演出、高確率非時短遊技状態において実行される第1特図に対応する変動演出)では、1の演出図柄50による変動表示が行われるようになっている(
図51参照)。
【0286】
(小当たり遊技中設定示唆演出の概要)
小当たり遊技中設定示唆演出は、小当たり遊技中に実行され設定中の設定値を示唆するものである。
本形態における小当たり遊技中設定示唆演出は、高確率時短遊技状態において小当たりの当選回数が終了回数に達した場合に、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に実行可能となっている。
【0287】
また、小当たり遊技中設定示唆演出には、第1設定示唆パターン及び第2設定示唆パターンが設けられている。
第1設定示唆パターンは、小当たり遊技中において、小当たり遊技が実行されている旨を報知する小当たり遊技中画像(本形態では、「MINI BONUS GET!!」という文字画像)が表示されるとともに、設定中の設定値が偶数又は奇数のいずれであるのかを示唆する第1設定示唆画像が表示される態様である。
また、第1設定示唆画像には、演出表示装置21の表示部21aにおける左端上部から右端上部へ向けて流れ星が流れていくという第1設定示唆画像A(
図52(b)参照)、及び、演出表示装置21の表示部21aにおける右端上部から左端上部へ向けて流れ星が流れていくという第1設定示唆画像B(
図52(c)参照)が設けられている。
【0288】
そして、奇数の設定値(すなわち、「1」、「3」、「5」)が設定されている場合に第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出が実行されるときには、第1設定示唆画像Bよりも第1設定示唆画像Aが表示される割合が高くなるように設定されている。これに対して、偶数の設定値(すなわち、「2」、「4」、「6」)が設定されている場合に第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出が実行されるときには、第1設定示唆画像Aよりも第1設定示唆画像Bが表示される割合が高くなるように設定されている。
これにより、第1設定示唆画像Aが表示された場合には、設定されている設定値が奇数である可能性が高い旨を遊技者に認識させることができ、また、第1設定示唆画像Bが表示された場合には、設定されている設定値が偶数である可能性が高い旨を遊技者に認識させることができる。
【0289】
第2設定示唆パターンは、小当たり遊技の終了時において、小当たり遊技が終了する旨を報知する小当たり遊技終了画像(本形態では、「END」という文字画像)が表示されるとともに、所定の設定値が設定されている旨を示唆する第2設定示唆画像が表示される態様である。
また、第2設定示唆画像は、キャラクターA(
図52(d)参照)が付された第2設定示唆画像A、キャラクターB(特に図示しておらず)が付された第2設定示唆画像B、及び、キャラクターC(特に図示しておらず)が付された第3設定示唆画像Cが設けられている。
【0290】
そして、第2設定示唆画像Aが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は「2」~「6」の設定値が設定されている場合にのみ実行され、第2設定示唆画像Bが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は「3」~「6」の設定値が設定されている場合にのみ実行され、第2設定示唆画像Cが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は「5」又は「6」の設定値が設定されている場合にのみ実行されるように設定されている。
これにより、第2設定示唆画像Aが表示された場合には、設定されている設定値が「2」~「6」である旨(すなわち、設定中の設定値が「2」~「6」のいずれかに確定する旨)を遊技者に認識させることができ、また、第2設定示唆画像Bが表示された場合には、設定されている設定値が「3」~「6」である旨(すなわち、設定中の設定値が「3」~「6」のいずれかに確定する旨)を遊技者に認識させることができ、また、第2設定示唆画像Cが表示された場合には、設定されている設定値が「5」又は「6」である旨(すなわち、設定中の設定値が「5」又は「6」のいずれかに確定する旨)を遊技者に認識させることができる。
【0291】
(小当たり遊技中設定示唆演出に関する決定の概要)
次に、上述の小当たり遊技中設定示唆演出の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、
図53及び
図54に示すように、小当たり遊技中設定示唆演出の実行の可否、及び、小当たり遊技中設定示唆演出を実行する場合の態様を決定するための小当たり遊技中設定示唆演出決定テーブル125が記憶されている。
【0292】
本形態に係るパチンコ機Pには、小当たり遊技中設定示唆演出決定テーブル125として、第1設定示唆パターンの実行の可否、及び、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出を実行する場合の態様(表示する設定示唆画像(第1設定示唆画像A、第1設定示唆画像B))を決定するための第1設定示唆パターン決定テーブル、並びに、第2設定示唆パターンの実行の可否、及び、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出を実行する場合の態様(表示する設定示唆画像(第2設定示唆画像A、第2設定示唆画像B、第3設定示唆画像C))を決定するための第2設定示唆パターン決定テーブルが設けられている。
【0293】
第1設定示唆パターン決定テーブルには、
図53に示すように、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行割合がそれぞれ異なるように設定された第1テーブルA、第1テーブルB及び第1テーブルCが設けられている。
また、第2設定示唆パターン決定テーブルには、
図54に示すように、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行割合がそれぞれ異なるように設定された第2テーブルA、第2テーブルB及び第2テーブルCが設けられている。
【0294】
副制御基板300のサブCPU301は、高確率時短遊技状態において小当たりの当選回数が終了回数に達すると、第1設定示唆パターン決定テーブルの中からいずれかのテーブルを選択し、かつ第2設定示唆パターン決定テーブルの中からいずれかのテーブルを選択するとともに、0~249の範囲から1の設定示唆演出乱数を取得し、選択された第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターン決定テーブルと、取得した設定示唆演出乱数と、設定中の設定値とに基づいて、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行可否及び態様、並びに、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行可否及び態様を決定する。
【0295】
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述を決定する際に選択される第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターン決定テーブルは、小当たりの当選回数のカウントが開始された時点(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点)から、高確率時短遊技状態において小当たりの当選回数が終了回数に達した時点までの変動回数(すなわち、大当たりの抽選回数、以下、到達変動回数という)に応じて定められている。
具体的には、
図55に示すように、到達変動回数ごとに、選択される第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターン決定テーブルを定めた選択テーブル126が設けられている。そして、高確率時短遊技状態において小当たりの当選回数が終了回数に達した時点で、この選択テーブル126に基づいて、到達変動回数に応じた第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターン決定テーブルがそれぞれ選択される。
【0296】
図55に示すように、選択テーブル126によれば、到達変動回数が1~100回の範囲内であった場合(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が1~100回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合)には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルAが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルAが選択される。
また、到達変動回数が101~200回の範囲内であった場合(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が101~200回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合)には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルBが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルAが選択される。
また、到達変動回数が201~300回の範囲内であった場合(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が201~300回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合)には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルBが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルBが選択される。
また、到達変動回数が301~400回の範囲内であった場合(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が301~400回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合)には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルCが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルBが選択される。
また、到達変動回数が401回以上であった場合(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が401回以上であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合)には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルCが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルCが選択される。
【0297】
そして、上述のように選択された第1設定示唆パターン決定テーブルに基づいて第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行可否及び態様が決定され、上述のように選択された第2設定示唆パターンテーブルに基づいて第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行可否及び態様が決定される。
【0298】
図53(a)に示すように、第1テーブルAによれば、設定中の設定値が「1」~「6」のいずれであっても、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行(実行されない旨)が決定される。
また、
図53(b)~(c)に示すように、第1テーブルB及び第1テーブルCによれば、設定中の設定値が「1」、「3」又は「5」であった場合にはいずれも、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行、第1設定示唆画像Aが表示される第1設定示唆パターンでの小当たり遊技中設定示唆演出の実行、又は、第1設定示唆画像Bが表示される第1設定示唆パターンでの小当たり遊技中設定示唆演出の実行のいずれかが決定される。
また、設定中の設定値が「2」、「4」又は「6」であった場合にはいずれも、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行、第1設定示唆画像Aが表示される第1設定示唆パターンでの小当たり遊技中設定示唆演出の実行、又は、第1設定示唆画像Bが表示される第1設定示唆パターンでの小当たり遊技中設定示唆演出の実行のいずれかが決定される。
【0299】
なお、
図53において、設定値と上述の内容とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
第1テーブルAでは、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行は決定されないものの、第1テーブルB及び第1テーブルCでは、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行は決定され、この決定割合は、第1テーブルBよりも第1テーブルCの方が高くなっている。
また、第1テーブルB及び第1テーブルCはいずれも、設定中の設定値が「1」、「3」又は「5」であった場合には、第1設定示唆画像Bが表示される第1設定示唆パターンの決定割合よりも第1設定示唆画像Aが表示される第1設定示唆パターンの決定割合の方が高く、設定中の設定値が「2」、「4」又は「6」であった場合には、第1設定示唆画像Aが表示される第1設定示唆パターンの決定割合よりも第1設定示唆画像Bが表示される第1設定示唆パターンの決定割合の方が高くなっている。
【0300】
また、
図54(a)に示すように、第2テーブルAによれば、設定中の設定値が「1」~「6」のいずれであっても、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行が決定される。
また、
図54(b)~(c)に示すように、第2テーブルB及び第2テーブルCによれば、設定中の設定値が「1」であった場合には、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行が決定される。また、設定中の設定値が「2」であった場合には、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行、又は、第2設定示唆画像Aが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行のいずれかが決定される。また、設定中の設定値が「3」又は「4」であった場合には、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行、第2設定示唆画像Aが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆の実行、又は、第2設定示唆画像Bが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆の実行のいずれかが決定される。また、設定中の設定値が「5」又は「6」であった場合には、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の非実行、第2設定示唆画像Aが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆の実行、第2設定示唆画像Bが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆の実行、又は、第2設定示唆画像Cが表示される第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆の実行のいずれかが決定される。
【0301】
なお、
図54において、設定値と上述の内容とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
第2テーブルAでは、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行は決定されないものの、第2テーブルB及び第2テーブルCでは、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出の実行は決定され、この決定割合は、第2テーブルBよりも第2テーブルCの方が高くなっている。
【0302】
以上より、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が1~100回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出、及び、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出のいずれも実行されない(
図53(a)、
図54(a)、
図55参照)。
【0303】
また、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が101~200回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は相対的に低い割合で実行されるものの、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は実行されない(
図53(b)、
図54(a)、
図55参照)。
【0304】
また、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が201~300回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は相対的に低い割合で実行され、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出も相対的に低い割合で実行される(
図53(b)、
図54(b)、
図55参照)。
【0305】
また、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が301~400回であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は相対的に高い割合で実行され、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出も相対的に低い割合で実行される(
図53(c)、
図54(b)、
図55参照)。
【0306】
また、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点からの変動回数が401回以上であったときに、小当たりの当選回数が終了回数に達した場合、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中には、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出は相対的に高い割合で実行され、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技中設定示唆演出も相対的に高い割合で実行される(
図53(c)、
図54(c)、
図55参照)。
【0307】
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点から、小当たりの当選に基づいて高確率時短遊技状態における時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定された時点までの変動回数に応じた態様により、小当たり遊技中設定示唆演出が実行されるようになっている。すなわち、上述の変動回数に応じて、当該小当たりの当選に基づく小当たり遊技中に実行される小当たり遊技中設定示唆演出の実行態様が異なるようになっている。具体的には、上述の変動回数が多くなれば多くなる程、上述の小当たり遊技中に小当たり遊技中設定示唆演出に実行される割合が高くなるようになっている。
これにより、高確率非時短遊技状態が設定されるまでの期間に応じてバリエーションに富んだ演出を実行可能となるため、演出効果を向上させるとともに、遊技者の興趣を高めることができる。
【0308】
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図56に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。たとえば、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点から、小当たりの当選に基づいて高確率時短遊技状態における時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定された時点までの変動回数(到達変動回数)をカウントするための到達変動回数カウンタの値をリセットする。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(変動演出乱数、設定示唆演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0309】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図57に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図57に示すタイマ割込処理を開始する。
【0310】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0311】
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0312】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、設定値コマンドを受信した場合に実行される設定値コマンド受信処理について、
図58のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、設定値コマンドは、主制御基板100において、初期化処理のステップ100で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した設定値コマンドに含まれる設定値の情報をサブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。そして、設定値コマンド受信処理を終了する。
【0313】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、所定時当選コマンドを受信した場合に実行される所定時当選コマンド受信処理について、
図59のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、所定時当選コマンドは、主制御基板100において、条件設定処理のステップ1132で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、到達変動回数カウンタのカウント値をリセットする。そして、所定時当選コマンド受信処理を終了する。
【0314】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動用コマンド受信処理について、
図60のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、到達変動回数カウンタの値を1インクリメントする。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2402に進む。
【0315】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2401で取得した変動演出乱数、遊技状態等に応じた変動演出決定テーブル、受信した変動モードコマンドに対応する変動モード番号、及び、受信した変動パターンコマンドに対応する変動パターン番号に基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、上述のステップ2402で決定された変動演出の態様に対応する変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、変動用コマンド受信処理を終了する。
【0316】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、高確率非時短遊技状態コマンドを受信した場合に実行される高確率非時短遊技状態コマンド受信処理について、
図61のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、高確率非時短遊技状態コマンドは、主制御基板100において、条件成立判定処理のステップ1155で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2500において、サブCPU301は、到達変動回数カウンタの値を確認する。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている設定値を確認する。そして、次のステップ2502に進む。
【0317】
ステップ2502において、サブCPU301は、選択テーブル126に基づいて、上述のステップ2500で確認した到達変動回数カウンタの値に対応する第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターンテーブルを選択する。具体的には、到達変動回数カウンタの値が1~100であった場合には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルAが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルAが選択される。また、到達変動回数カウンタの値が101~200であった場合には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルBが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルAが選択される。また、到達変動回数カウンタの値が201~300であった場合には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルBが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルBが選択される。また、到達変動回数カウンタの値が301~400であった場合には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルCが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルBが選択される。また、到達変動回数カウンタの値が400~であった場合には、第1設定示唆パターン決定テーブルとして第1テーブルCが選択され、第2設定示唆パターン決定テーブルとして第2テーブルCが選択される。そして、次のステップ2503に進む。
【0318】
ステップ2503において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された設定示唆演出乱数を取得する。そして、次のステップ2504に進む。
ステップ2504において、サブCPU301は、上述のステップ2501で確認した設定値、上述のステップ2502で選択した第1設定示唆パターン決定テーブル及び第2設定示唆パターン決定テーブル、並びに、上述のステップ2503で取得した設定示唆演出乱数に基づいて、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の実行可否、実行する場合の態様を決定するとともに、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の実行可否、実行する場合の態様を決定する。そして、次のステップ2505に進む。
【0319】
ステップ2505において、サブCPU301は、上述のステップ2504で第1設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の実行又は第2設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の実行が決定されたか否かを判定する。そして、いずれの実行も決定されていないと判定した場合、高確率非時短遊技状態コマンド受信処理を終了する。一方、いずれかの実行が決定されたと判定した場合、次のステップ2506に進む。
ステップ2506において、サブCPU301は、上述のステップ2504で決定された第1設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の態様、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出の態様に対応する小当たり遊技中設定示唆演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた小当たり遊技中設定示唆演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した小当たり遊技中設定示唆演出実行コマンドに基づいて、第1設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出、第2設定示唆パターンによる小当たり遊技設定示唆演出を実行する制御が行われることとなる。そして、高確率非時短遊技状態コマンド受信処理を終了する。
【0320】
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定されることとなる第2の条件として、小当たりの当選回数が所定の終了回数に達することが定められているが、第2の条件の内容はこれに限定されるものではない。
【0321】
たとえば、第2の条件としては、小当たりの当選回数ではなく、大当たりの抽選の回数や大当たりの抽選によりハズレとなった回数等が所定の終了回数に達することを定めてもよい。
具体的には、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選し、当該当選に基づく特別遊技の終了後に低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態が設定された場合、この設定後における最初の小当たりの当選に基づき、所定の終了回数を決定するように設定する。そして、この決定後に行われた大当たりの抽選によりハズレとなった回数が、上述の小当たりの当選に基づいて決定された終了回数に達すると、第2の条件が成立した状態となり、これに基づいて高確率非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、終了回数は、上述の小当たりの抽選において決定された小当たり図柄の種別に応じて決定されるようにしてもよい。また、終了回数は、常に同一の回数が決定されるようにしてもよいし、複数種類の回数の中から所定の抽選によりいずれかの回数が決定されるようにしてもよい。
【0322】
より具体的には、たとえば、上述のように遊技状態が設定された後の最初の小当たりの当選時において、小当たり図柄X2又はX6が決定された場合には終了回数として15回、小当たり図柄X3又はX7が決定された場合には終了回数として10回、小当たり図柄X4又はX8が決定された場合には終了回数として0回が決定されるように設定し、この決定後、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態の設定中(通常遊技状態が設定されるまでの間)に行われた大当たりの抽選によりハズレとなった回数が上述のように決定された終了回数に達すると、第2の条件が成立した状態となるように設定してもよい。ここで、終了回数として0回が決定された場合には、この時点で第2の条件が成立した状態となる。
このようにした場合には、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。なお、上述の回数をカウントする期間や第2の条件が成立した状態を維持する期間については、上述の実施の形態と同様の内容としてもよい。
【0323】
また、たとえば、第2の条件としては、予め定められた複数種類の小当たり図柄が決定されること、予め定められた順番で小当たり図柄が決定されること等、小当たり図柄の決定態様が所定の態様となるという内容を定めてもよい。
具体的には、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選した場合、当該大当たりの当選に基づき、第2の条件が成立した状態となる小当たり図柄の決定態様である終了態様を決定するように設定する。そして、この決定後において小当たり図柄の決定態様が上述の終了態様となると、第2の条件が成立した状態となり、これに基づいて高確率非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、終了態様は、上述の大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種別に応じて決定されるようにしてもよい。また、終了態様は、常に同一の態様が決定されるようにしてもよいし、複数種類の態様の中から所定の抽選によりいずれかの態様が決定されるようにしてもよい。
より具体的には、たとえば、大当たり図柄X1又はX5が決定された場合には、終了態様として小当たり図柄Y2、Y3及びY4の決定、大当たり図柄X2又はX6が決定された場合には、終了態様として小当たり図柄Y2及びY3の決定、大当たり図柄X3又はX7が決定された場合には、終了態様として小当たり図柄Y2及びY4の決定、大当たり図柄X4又はX8が決定された場合には、終了態様として小当たり図柄Y3及びY4の決定を設定し、この終了態様が決定された後、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態の設定中(通常遊技状態が設定されるまでの間)に、小当たり図柄の決定態様が上述のように決定された終了態様となると、第2の条件が成立した状態となるように設定してもよい。
このようにした場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。なお、小当たり図柄の決定態様が上述の終了態様になったものと判断する期間や第2の条件が成立した状態を維持する期間については、上述の実施の形態と同様の内容としてもよい。
【0324】
また、たとえば、大当たり図柄X1又はX5が決定された場合には、終了態様としてY2→Y3→Y4という順での小当たり図柄の決定、大当たり図柄X2又はX6が決定された場合には、終了態様としてY2→Y4→Y3という順での小当たり図柄の決定、大当たり図柄X3又はX7が決定された場合には、終了態様としてY3→Y3→Y4という順での小当たり図柄の決定、大当たり図柄X4又はX8が決定された場合には、終了態様としてY2又はY3→Y2又はY3という順での小当たり図柄の決定を設定し、この終了態様が決定された後、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態の設定中(通常遊技状態が設定されるまでの間)に、小当たり図柄の決定態様が上述のように決定された終了態様となると、第2の条件が成立した状態となるように設定してもよい。
このようにした場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。なお、小当たり図柄の決定態様が上述の終了態様になったものと判断する期間や第2の条件が成立した状態を維持する期間については、上述の実施の形態と同様の内容としてもよい。
【0325】
また、たとえば、第2の条件としては、大当たりの抽選においてハズレとなった場合の態様が所定の態様となるという内容を定めてもよい。
具体的には、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に決定されるハズレ図柄、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合に決定されるハズレ図柄をそれぞれ複数種類ずつ設けるとともに、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中に大当たりに当選した場合、当該大当たりの当選に基づき、第2の条件が成立した状態となるハズレの態様である終了態様を決定するように設定する。そして、この決定後において、ハズレの態様が上述の終了態様となると、第2の条件が成立した状態となり、これに基づいて高確率非時短遊技状態が設定されるようにしてもよい。
また、終了態様は、上述の大当たりの当選時に決定された大当たり図柄の種別に応じて決定されるようにしてもよい。また、終了態様は、常に同一の態様が決定されるようにしてもよいし、複数種類の態様の中から所定の抽選によりいずれかの態様が決定されるようにしてもよい。
【0326】
より具体的には、たとえば、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合にハズレ図柄Z1又はZ3が決定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合にハズレ図柄Z2又はZ4が決定されるように設定する。そして、大当たり図柄X1又はX5が決定された場合には、終了態様としてハズレ図柄Z1又はZ2が10回決定されること、大当たり図柄X2又はX6が決定された場合には、終了態様としてハズレ図柄Z3又はZ4が10回決定されること、大当たり図柄X3又はX7が決定された場合には、終了態様としてハズレ図柄Z1又はZ2が5回決定されること、大当たり図柄X4又はX8が決定された場合には、終了態様としてハズレ図柄Z3又はZ4が5回決定されることを設定し、この終了態様が決定された後、低確率時短遊技状態又は高確率時短遊技状態の設定中(通常遊技状態が設定されるまでの間)に、ハズレの態様が上述のように決定された終了態様となると、第2の条件が成立した状態となるように設定してもよい。
なお、ハズレの態様に基づく内容による第2の条件としては、上述の小当たりの態様と同様に、ハズレ図柄の決定回数やハズレ図柄の決定順番等、種々の内容を設定することができる。
このようにした場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。なお、ハズレの態様が上述の終了態様になったものと判断する期間や第2の条件が成立した状態を維持する期間については、上述の実施の形態と同様の内容としてもよい。
【0327】
また、上述の実施の形態では、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定されることとなる条件として、第1の条件及び第2の条件が定められていたが、これに限定されるものではなく、これらの条件以外に1又は複数の他の条件を定めるようにしてもよい。また、他の条件としては、矛盾が生じない範囲で、上述したような種々の内容を定めることができる。
このようにした場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態では、通常遊技状態が設定されない限りは、第2の条件を満たしさえすれば(すなわち、特別遊技の終了後からの小当たりの当選回数が、決定された終了回数に達しさえすれば)、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定されるようになっていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、特別遊技の終了後から行われた大当たりの抽選の回数が所定回数(たとえば、100回)以内に第2の条件を満たした場合にのみ、時短遊技状態を終了し高確率非時短遊技状態を設定するようにしてもよい。また、特別遊技の終了後から行われた大当たりの抽選の回数が所定回数を超えた後に第2の条件を満たした場合にも、時短遊技状態を終了し高確率非時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
このようにした場合にも、高確率非時短遊技状態の設定のバリエーションが豊富となり、より遊技者の興趣を高めることができる。
【0328】
また、上述の実施の形態では、小当たり図柄が停止表示された時点で、第2の条件が成立していれば時短遊技状態を終了し高確率非時短遊技状態を設定するようになっていたが、時短遊技状態を終了するタイミングとしてはこれに限定されるものではない。
たとえば、小当たり図柄の変動表示が開始されてから当該小当り図柄の停止表示が行われるまでのいずれかのタイミングで、時短遊技状態を終了し高確率非時短遊技状態を設定するようにしてもよいし、小当たり図柄の停止表示に基づく小当たり遊技が開始されてから当該小当り遊技が終了するまでのいずれかのタイミングで、時短遊技状態を終了し高確率非時短遊技状態を設定するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15として、可動片15dが設けられた特別第1始動入賞口15bを備え、時短遊技状態中は、特別第1始動入賞口15bが開状態に維持されやすくなることにより特別第1始動入賞口15bへの遊技球の入球が容易となるように設定されていたが、これに限定されるものではない。
たとえば、第2始動入賞口16として、可動片が設けられた特別第2始動入賞口を備え、時短遊技状態中は、特別第2始動入賞口が開状態に維持されやすくすることにより特別第2始動入賞口への遊技球の入球が容易となるようにしてもよい。
このようにした場合でも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0329】
また、上述の実施の形態では、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果として、小当たりの当選が設けられていたが、これに限定されるものではなく、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づく大当たりの抽選の結果としては、小当たりの当選を設けず、大当たりの当選及びハズレのみとしてもよい。
このようにした場合でも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0330】
また、上述の実施の形態では、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定された際に実行される小当たり遊技中設定示唆演出(小当たりの当選に基づく演出)が、到達変動回数に応じた態様により実行されるようなっていたが、到達変動回数に応じた態様により実行される演出としては、これに限定されるものではない。
たとえば、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される際の小当たりの当選に基づく変動演出中に、設定中の設定値を示唆可能な変動中設定示唆演出を実行可能に設定し、この変動中設定示唆演出を、上述の到達変動回数に応じた態様により実行するようにしてもよい。
具体的には、変動中設定示唆演出の態様として、所定の画像が表示される第1態様、他の画像が表示される第2態様を設け、上述の到達変動回数が所定回数未満であった場合には第2態様よりも第1態様の実行割合が高くなるように設定し、上述の到達変動回数が所定回数以上であった場合には第1態様よりも第2態様の実行割合が高くなるように設定してもよい。
【0331】
また、たとえば、高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定される際の小当たりの当選に基づく変動演出自体を、上述の到達変動回数に応じた態様により実行するようにしてもよい。
具体的には、小当たりの当選に基づく変動演出の態様として、特殊な第1発展演出画像が表示される第1態様、特殊な第2発展演出画像が表示される第2態様を設け、上述の到達変動回数が所定回数未満であった場合には第1態様及び第2態様のいずれも実行されず、上述の到達変動回数が所定回数以上特定回数未満であった場合には第1態様は実行されるものの第2態様は実行されず、上述の到達変動回数が所定回数以上特定回数未満であった場合には第1態様及び第2態様のいずれも実行されるように設定してもよい。
【0332】
なお、小当たりの当選に基づく変動演出を到達変動回数に応じた態様により実行する場合には、上述のように副制御基板300において変動演出の態様を上述の到達変動回数に応じて決定してもよいし、主制御基板100において変動モード番号や変動パターン番号により定まる変動時間を上述の到達変動回数に応じて決定するようにしてもよい。具体的には、小当たりの当選に基づく変動時間のパターンとして30秒及び40秒を設け、30秒の変動時間に基づく変動演出は特殊な第1カットイン画像が表示される態様により実行され、40秒の変動時間に基づく変動演出は特殊な第2カットイン画像が表示される態様により実行されるように設定する。そして、上述の到達変動回数が所定回数未満であった場合には主制御基板100において30秒の変動時間のみが決定され(すなわち、第1カットイン画像が表示される態様のみが決定され)、上述の到達変動回数が所定回数以上であった場合には主制御基板100において40秒の変動時間のみが決定される(すなわち、第2カットイン画像が表示される態様のみが決定される)ようにしてもよい。
以上のようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0333】
また、たとえば、高確率非時短遊技状態が設定されたのが、変動回数のカウントの開始時点から50回目、100回目等の特定回数であった場合には、他の回数で高確率非時短遊技状態が設定された場合には実行されることのない特殊な演出が実行されるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0334】
また、カウントが開始されてから(すなわち、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了してから)高確率時短遊技状態において時短遊技状態が終了し高確率非時短遊技状態が設定されるまでの変動回数ではなく、カウントが開始されてから低確率時短遊技状態において第2の条件が成立した状態となるまでの変動回数に応じた態様により、小当たりの当選に基づく演出を実行するようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0335】
また、カウントが開始されてから高確率非時短遊技状態が設定されるまでの変動回数を蓄積し、この蓄積された回数に応じた態様により、小当たりの当選に基づく演出を実行するようにしてもよい。
このようにした場合には、遊技期間の長さに応じて、小当たりの当選に基づく演出の態様が異なるようになるため、遊技者に長い期間にわたって遊技を行わせることができる。
【0336】
また、到達変動回数のカウントを開始するタイミングとしては、通常遊技状態中又は高確率非時短遊技状態中における大当たりの当選に基づく特別遊技が終了した時点に限定されるものではなく、通常遊技状態が設定された時点等としてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0337】
また、設定中の設定値を示唆する演出の態様としては、いずれの設定値が設定されている場合であっても実行されるものの、設定値に応じて実行割合が異なるように設定され、実行された頻度により設定されている設定値を示唆するような態様を設けてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
【0338】
上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
また、上述の実施の形態及び変形例は、設定値を設定できないパチンコ機にも応用することができる。
【0339】
なお、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。また、上述の実施の形態における第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16は、本発明の進入領域に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ803、ステップ816の処理を実行するメインCPU101は、本発明の抽選手段に相当する。また、上述の実施の形態におけるステップ1155、遊技状態設定処理を実行するメインCPU101は、本発明の遊技状態制御手段に相当する。また、上述の実施の形態における高確率時短遊技状態は、本発明の第1遊技状態に相当する。また、上述の実施の形態における高確率非時短遊技状態は、本発明の第2遊技状態に相当する。
【符号の説明】
【0340】
P パチンコ機
15a 通常第1始動入賞口(15 第1始動入賞口)
15b 特別第1始動入賞口(15 第1始動入賞口)
16 第2始動入賞口
18 大入賞口
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM