(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20241118BHJP
A47B 9/00 20060101ALI20241118BHJP
A47B 13/02 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
A47B13/00 A
A47B9/00 Z
A47B13/02
A47B13/00 Z
(21)【出願番号】P 2020180752
(22)【出願日】2020-10-28
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】田中 敦
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3131420(JP,U)
【文献】登録実用新案第3043052(JP,U)
【文献】特開2007-037926(JP,A)
【文献】特開2020-069378(JP,A)
【文献】特開2010-142429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 9/00ー9/20
A47B 13/00ー13/16
A47B 17/00ー17/06
A47B 21/00ー21/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向に離間すると共に高さ方向に伸縮可能な一対の伸縮脚と、
前記一対の伸縮脚のそれぞれの上端部に
固定された第1支持部と、
前記一対の伸縮脚のそれぞれの前記第1支持部の間を連結する連結部材と、
前記連結部材に固定されると共に、前記第1支持部と幅方向で異なる位置に設けられた第2支持部と、
前記第1支持部に対し傾動不能に取り付けられた固定天板と、
前記第2支持部に対し傾動可能に取り付けられた傾動天板と、を備える、ことを特徴とする天板付き什器。
【請求項2】
前記第2支持部は、
前記連結部材から奥行方向の手前側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる手前側支持部と、
前記連結部材から奥行方向の奥側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる奥側支持部と、を備える、ことを特徴とする
請求項1に記載の天板付き什器。
【請求項3】
前記手前側支持部は、前記傾動天板の傾動の回転中心となる枢軸を備え、
前記奥側支持部は、前記枢軸を中心とする前記傾動天板の傾動に応じて伸縮可能な伸縮部を備える、ことを特徴とする
請求項2に記載の天板付き什器。
【請求項4】
前記伸縮部は、
前記傾動天板の奥側を上側に向かって押し上げるガススプリングと、
前記ガススプリングの伸長に応じて伸長すると共に前記傾動天板の奥側を下側に向かって付勢する引張ばねと、を備える、ことを特徴とする
請求項3に記載の天板付き什器。
【請求項5】
幅方向に離間すると共に高さ方向に伸縮可能な一対の伸縮脚と、
前記一対の伸縮脚のそれぞれの上端部に固定された第1支持部と、
前記一対の伸縮脚のそれぞれの前記第1支持部の間を連結する連結部材と、
前記連結部材に固定されると共に、前記第1支持部と幅方向で異なる位置に設けられた第2支持部と、
前記第1支持部に対し傾動不能に取り付けられた固定天板と、
前記第2支持部に対し傾動可能に取り付けられた傾動天板と、を備え、
前記第2支持部は、
前記連結部材から奥行方向の手前側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる手前側支持部と、
前記連結部材から奥行方向の奥側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる奥側支持部と、を備え、
前記手前側支持部は、前記傾動天板の傾動の回転中心となる枢軸を備え、
前記奥側支持部は、前記枢軸を中心とする前記傾動天板の傾動に応じて伸縮可能な伸縮部を備え、
前記伸縮部は、
前記傾動天板の奥側を上側に向かって押し上げるガススプリングと、
前記ガススプリングの伸長に応じて伸長すると共に前記傾動天板の奥側を下側に向かって付勢する引張ばねと、を備える、ことを特徴とする天板付き什器。
【請求項6】
前記手前側支持部は、前記連結部材の奥行方向の手前側を向く面に設けられ、
前記奥側支持部は、前記連結部材の奥行方向の奥側を向く面に設けられている、ことを特徴とする
請求項2~5のいずれか一項に記載の天板付き什器。
【請求項7】
前記傾動天板は、前記一対の伸縮脚の少なくとも一方の上端部に重なる姿勢に変位可能であり、
前記第1支持部には、前記傾動天板が前記上端部に重なる領域のうち、少なくとも幅方向の外側の領域において、前記傾動天板の下面に対して離間する空間部が形成されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の天板付き什器。
【請求項8】
前記固定天板は、
前記傾動天板に対し隙間をあけて、前記傾動天板より奥行方向の奥側に配置された第1部分と、
前記第1部分から奥行方向の手前側に延出し、前記傾動天板に対し隙間をあけて、前記傾動天板の幅方向の少なくとも一方側に配置された第2部分と、を備える、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板付き什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ベースに支持されたチルト天板と、このチルト天板を前記ベースとともに電動力により昇降動作させる電動昇降機構と、前記チルト天板を前記ベースに対し手動力とガススプリングの反発力を利用してチルト動作させる手動チルト機構とを具備してなるテーブルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記テーブルは、左右対をなす昇降可能な脚体に、左右対をなすベースが支持されており、チルト天板の左右両端部が、支軸を介して左右のベースに傾動可能に支持されている。このように、左右の脚体にベースを設けて支軸を支持すると、例えば、脚体の昇降動作が左右でバラついたり、脚体が左右方向にブレたときに、支軸に対しモーメント荷重が作用する。このモーメント荷重が繰り返し作用して疲労が蓄積すると、支軸が変形したり、軸受フレームが変形するなどして、チルト天板の傾動機能が妨げられる虞がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、天板の傾動機能を長期的に維持することができる天板付き什器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る天板付き什器は、幅方向に離間すると共に高さ方向に伸縮可能な一対の伸縮脚と、前記一対の伸縮脚のそれぞれの上端部に設けられた第1支持部と、前記第1支持部と幅方向で異なる位置に設けられた第2支持部と、前記第1支持部に対し傾動不能に取り付けられた固定天板と、前記第2支持部に対し傾動可能に取り付けられた傾動天板と、を備える。
【0007】
本態様によれば、一対の伸縮脚のそれぞれの上端部の第1支持部に取り付けられた固定天板によって、一対の伸縮脚の幅方向のブレを抑制することができる。また、第1支持部と幅方向で異なる位置に第2支持部が設けられ、この第2支持部に傾動天板が取り付けられているので、仮に一対の伸縮脚の昇降動作が左右でバラついた場合であっても、第2支持部にはモーメント荷重が伸縮脚から直接作用しない。したがって、傾動天板は、強度上の問題が発生しにくく、長期的に傾動機能を維持することができる。また、傾動しない固定天板には、飲み物や照明器具等の物品を置くことができるので使い勝手もよくなる。
【0008】
上記一態様の天板付き什器において、前記一対の伸縮脚のそれぞれの前記第1支持部の間を連結する連結部材を備え、前記第2支持部は、前記連結部材に設けられていてもよい。
本態様によれば、固定天板は、一対の伸縮脚の上端部のそれぞれに設けられた第1支持部に取り付けられている。また、傾動天板は、連結部材に設けられた第2支持部に取り付けられている。固定天板は、一対の伸縮脚のそれぞれと第1支持部を介して固定されていることから、伸縮脚同士の間で高さや傾きに不整合がわずかでも生じた場合、固定天板と各第1支持部の間に当該不整合に応じた応力が生じ得る。一方、傾動天板は、第1支持部同士を連結する連結部材に第2支持部を介して固定されていることから、伸縮脚同士の間で高さや傾きに不整合がわずかでも生じても、連結部材が当該不整合に応じて変位し、第2支持部も連結部材の変位に応じて変位するので、傾動天板と第2支持部との間に不整合に応じた応力が生じてしまうことを抑制できる。このため、傾動可能に傾動天板を支持する第2支持部への負荷が過大となってしまうことを防止できる。
【0009】
上記一態様の天板付き什器において、前記第2支持部は、前記連結部材から奥行方向の手前側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる手前側支持部と、前記連結部材から奥行方向の奥側に延出し、前記傾動天板に取り付けられる奥側支持部と、を備えてもよい。
本態様によれば、連結部材に傾動天板の手前側と奥側のそれぞれを支持する要素を個別に設けることによって、傾動天板を堅牢に支持できる。
【0010】
上記一態様の天板付き什器において、前記手前側支持部は、前記傾動天板の傾動の回転中心となる枢軸を備え、前記奥側支持部は、前記枢軸を中心とする前記傾動天板の傾動に応じて伸縮可能な伸縮部を備えてもよい。
本態様によれば、手前側支持部に枢軸を設けることで、傾動天板の通常使用時に、傾動天板の手前側端部に腕を乗せた使用者が感知するガタが小さくなる。また、傾動天板の奥側端部の変位量は手前側端部に比べ相対的に大きくなるが、奥側支持部に伸縮部を設けることで、傾動天板の奥側端部がどの高さにあっても安定的に傾動天板を支持できる。
【0011】
上記一態様の天板付き什器において、前記伸縮部は、前記傾動天板の奥側を上側に向かって押し上げるガススプリングと、前記ガススプリングの伸長に応じて伸長すると共に前記傾動天板の奥側を下側に向かって付勢する引張ばねと、を備えてもよい。
本態様によれば、伸縮部にガススプリングを設けることで、傾動天板の傾動をアシストすることができる。また、伸縮部に引張ばねを設けることで、引張ばねのテンションによって傾動天板の傾動時のガタを軽減できる。さらに、伸縮部に引張ばねを設けることで、傾動天板の水平状態(初期位置)への復帰時の操作力を軽減できる。
【0012】
上記一態様の天板付き什器において、前記手前側支持部は、前記連結部材の奥行方向の手前側を向く面に設けられ、前記奥側支持部は、前記連結部材の奥行方向の奥側を向く面に設けられていてもよい。
本態様によれば、手前側支持部と奥側支持部の連結部材における配置位置が異なることにより、両支持部の動作時の干渉を避けることができる。
【0013】
上記一態様の天板付き什器において、前記傾動天板は、前記一対の伸縮脚の少なくとも一方の上端部に重なる姿勢に変位可能であり、前記第1支持部には、前記傾動天板が前記上端部に重なる領域のうち、少なくとも幅方向の外側の領域において、前記傾動天板の下面に対して離間する空間部が形成されていてもよい。
本態様によれば、傾動天板の幅方向外側の端部に使用者が手を掛けた場合であっても、使用者の指が、伸縮脚の上端部と傾動天板との間に挟まれることを防止できる。
【0014】
上記一態様の天板付き什器において、前記固定天板は、前記傾動天板に対し隙間をあけて、前記傾動天板より奥行方向の奥側に配置された第1部分と、前記第1部分から奥行方向の手前側に延出し、前記傾動天板に対し隙間をあけて、前記傾動天板の幅方向の少なくとも一方側に配置された第2部分と、を備えてもよい。
本態様によれば、例えば、固定天板の第1部分に照明器具、固定天板の第2部分に飲み物などを載置できる。本態様では、傾動天板のみが部分的に傾動するため、固定天板に飲み物や照明器具等の物品を載置することで、傾動天板の傾動に合わせて、固定天板に載置した物品を載置し直す必要はない。
【発明の効果】
【0015】
上記各態様によれば、天板の傾動機能を長期的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態に係る天板付き什器の斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る傾動天板が傾動した状態の天板付き什器の斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る天板付き什器の分解斜視図である。
【
図4】一実施形態に係る天板付き什器の正面図である。
【
図5】一実施形態に係る天板付き什器の底面図である。
【
図6】一実施形態に係る天板付き什器の左側面図である。
【
図8】一実施例に係る天板付き什器の斜視図である。
【
図9】一実施例に係るブース部の分解斜視図である。
【
図10】一実施例に係る天板付き什器を底面側から視た斜視図である。
【
図11】一変形例に係る天板付き什器の斜視図である。
【
図12】一変形例に係る天板付き什器の左側面図である。
【
図13】一変形例に係る天板付き什器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る天板付き什器1の斜視図である。
図1に示す天板付き什器1は、一対の伸縮脚2と、支持構造体3と、天板4と、を備えている。天板4は、支持構造体3に対して傾動不能な固定天板4Aと、支持構造体3に対して傾動可能な傾動天板4Bと、を備えている。
【0018】
一対の伸縮脚2は、互いに離間している。以下、一対の伸縮脚2が離間する方向を幅方向(矢印LHが左側)と称する。また、一対の伸縮脚2が伸縮する方向を高さ方向(矢印UPが上側)と称する。また、幅方向及び高さ方向と直交する方向を奥行方向(矢印FRが手前側)と称する。
【0019】
一対の伸縮脚2は、高さ方向に伸縮可能な構成となっている。一対の伸縮脚2は、複数の筒体が入れ子状(テレスコピック状)になっており、内部に伸縮機構(例えば、シリンダ機構、ラックピニオン機構、ボールねじ機構等)を収容している。一対の伸縮脚2の下端部には、接地部21が設けられている。
【0020】
接地部21は、伸縮脚2の下端部から奥行方向の両側に延びている。接地部21は、伸縮脚2に対して奥行方向の手前側の床面に接地する第1端部21aと、伸縮脚2に対して奥行方向の奥側の床面に接地する第2端部21bと、を有している。第1端部21a及び第2端部21bは、図示しないねじによって高さを調節可能なアジャスター付きパッドとなっている。
【0021】
一対の伸縮脚2の上端部2aには、支持構造体3が支持されている。支持構造体3には、固定天板4Aと、傾動天板4Bと、が支持されている。固定天板4Aは、傾動天板4Bに対し隙間をあけて、傾動天板4Bより奥行方向の奥側に配置された第1部分41と、第1部分41から奥行方向の手前側に延出し、傾動天板4Bに対し隙間をあけて、傾動天板4Bの幅方向の一方側(右側)に配置された第2部分42と、を備えている。
【0022】
天板4は、固定天板4A及び傾動天板4Bを含め、全体として幅方向に延びる平面視矩形状に形成されている。傾動天板4Bは、平面視矩形状に形成されると共に、天板4における奥行方向の手前側、且つ、幅方向の他方側(左側)に配置されている。固定天板4Aは、傾動天板4Bの奥行方向の奥側及び幅方向の右側を囲うように、平面視L字状に形成されている。
【0023】
傾動天板4Bには、例えば、ノートパソコンなどを載置することができる。固定天板4Aの第1部分41には、例えば、照明器具などを載置することができる。また、固定天板4Aの第2部分42には、例えば、飲み物やメモ帳、筆記具、携帯電話などを載置することができる。
【0024】
図2は、一実施形態に係る傾動天板4Bが傾動した状態の天板付き什器1の斜視図である。
図2に示すように、天板付き什器1は、傾動天板4Bのみが部分的に傾動するため、固定天板4Aに飲み物や照明器具等の物品を載置した場合、傾動天板4Bの傾動に合わせて、固定天板4Aに載置した物品を載置し直す必要はない。
【0025】
図3は、一実施形態に係る天板付き什器1の分解斜視図である。
図4は、一実施形態に係る天板付き什器1の正面図である。
図5は、一実施形態に係る天板付き什器1の底面図である。
図6は、一実施形態に係る天板付き什器1の左側面図である。
図7は、
図5に示すVII-VII断面図である。
図3に示すように、支持構造体3は、固定天板4Aが傾動不能に取り付けられた第1支持部30Aと、傾動天板4Bが傾動可能に取り付けられた第2支持部30Bと、を備えている。
【0026】
支持構造体3は、平面視で矩形の枠状に形成されている。支持構造体3は、一対の伸縮脚2のそれぞれの上端部2aに設けられた天板支持部材31、及び、天板支持部材31の間を連結する連結部材32を含んでいる。天板支持部材31は、奥行方向に延びると共に、幅方向の間隔をあけて一対で設けられている。連結部材32は、幅方向に延びる共に、奥行方向に間隔をあけて一対で設けられている。
【0027】
天板支持部材31は、伸縮脚2の上端部2aに対して奥行方向の両側に延びている。連結部材32は、一対の天板支持部材31の奥行方向の手前側の端部同士を幅方向に接続すると共に、一対の天板支持部材31の奥行方向の奥側の端部同士を幅方向に接続している。つまり、天板支持部材31(第1支持部30A)が伸縮脚2から奥行方向の両側に延びて、連結部材32は各天板支持部材31において奥行方向の同じ位置に連結されている。
【0028】
天板支持部材31は、伸縮脚2の上端部2aの直上に配置された下部31aと、下部31aの幅方向の内側の領域に平面視で重なると共に、奥行方向の両側に延びた上部31bと、を備えている。下部31a及び上部31bにおける伸縮脚2の上端部2aと平面視で重なる領域には、伸縮脚2の上端部2aに固定するための複数の第1固定孔31cが形成されている。
【0029】
天板支持部材31の上部31bの奥行方向の両側の端部には、固定天板4Aを固定するための一対の第2固定孔31dが形成されている。第2固定孔31dには、固定天板4Aが傾動不能に取り付けられる。つまり、天板支持部材31は、第1支持部30Aを形成している。なお、本実施形態では、幅方向の左側に配置された天板支持部材31の奥行方向手前側の端部に配置された第2固定孔31dは、傾動天板4Bが重なるため使用しない。
【0030】
固定天板4Aは、幅方向の左側に配置された天板支持部材31の奥行方向の奥側の端部、奥行方向の奥側に配置された連結部材32、幅方向の右側に配置された天板支持部材31、及び、奥行方向の手前側に配置された連結部材32の幅方向の右側の端部に支持されている。
【0031】
傾動天板4Bは、幅方向の左側に配置された天板支持部材31における奥行方向の奥側の端部を除く部分に水平状態(初期位置)で重なると共に、奥行方向の手前側に配置された連結部材32の複数の第2支持部30Bに傾動可能に取り付けられている。この傾動天板4Bは、一対の伸縮脚2の一方側(左側)の上端部2aに重なる姿勢に変位可能とされている。
【0032】
図4に示すように、第1支持部30Aには、傾動天板4Bが上端部2aに重なる領域のうち、少なくとも幅方向の外側の領域において、傾動天板4Bの下面に対して離間する空間部31fが形成されている。空間部31fは、上述した天板支持部材31の下部31a及び上部31bの段差によって形成される空間である。
【0033】
空間部31fは、傾動天板4Bの幅方向の左側の端部に使用者が手を掛けた場合の指挟みを防止する。天板支持部材31の上部31bは、例えば、傾動天板4Bの幅方向の左側の端部から60mm程内側に配置されているとよい。また、天板支持部材31の下部31aは、例えば、傾動天板4Bの下面に対して25mm程下側に配置されているとよい。
【0034】
図3に示すように、第2支持部30Bは、幅方向において第1支持部30A(天板支持部材31)と異なる位置に配置されている。具体的に、第2支持部30Bは、幅方向において第1支持部30A(天板支持部材31)同士の間に配置されている。第2支持部30Bは、連結部材32における第1支持部30Aと離間した位置に設けられている。第2支持部30Bは、第1支持部30Aから分離していればよく、後述のように伸縮脚2同士の間で高さや傾きに不整合がわずかでも生じた場合に、第1支持部30Aから負荷などを直接受けなければよい。つまり、第2支持部30Bは、第1支持部30Aと分離していれば、接触していても構わない。さらに、第2支持部30Bは、一対の伸縮脚2の上端部2aに対し、幅方向の外側に配置されていても構わない。第2支持部30Bは、連結部材32から奥行方向の手前側に延出し、傾動天板4Bに取り付けられる手前側支持部33と、連結部材32から奥行方向の奥側に延出し、傾動天板4Bに取り付けられる奥側支持部34と、を備える。
【0035】
手前側支持部33は、連結部材32の奥行方向の手前側を向く面に、幅方向において間隔をあけて一対で設けられている。奥側支持部34は、連結部材32の奥行方向の奥側を向く面に、幅方向において一対の手前側支持部33の中間部に設けられている。手前側支持部33は、一対の伸縮脚2よりも奥行方向の手前側に位置し、傾動天板4Bの奥行方向における中間部より手前側を支持している。
【0036】
手前側支持部33は、連結部材32の奥行方向の手前側を向く面に固定されたアーム本体33aと、アーム本体33aに対して幅方向に延びる軸回りに傾動可能に取り付けられたアーム先端33bと、を備えている。アーム本体33aには、連結部材32に固定するための複数の本体側固定孔33cが形成されている。アーム本体33aは、連結部材32から奥行方向の手前側に延出している。
【0037】
アーム先端33bには、
図5に示すように、傾動天板4Bの下面に固定するための複数の先端側固定孔33dが形成されている。
図7に示すように、アーム先端33bは、アーム本体33aに設けられた枢軸33eに対し、水平姿勢から下側に向かって傾動可能に連結されている。枢軸33eは、アーム本体33aから幅方向両側に延びている。アーム先端33bは、幅方向両側に延びた枢軸33eに係合する一対の軸受孔を備えている。
【0038】
枢軸33eは、一対の伸縮脚2よりも奥行方向の手前側に位置すると共に、傾動天板4Bの奥行方向の手前側を傾動可能に軸支している。手前側支持部33は、一対の伸縮脚2よりも奥行方向の手前側にアーム状に延出している。接地部21は、天板付き什器1の倒伏防止のために、奥行方向において手前側支持部33のアーム先端33bよりも手前側に位置する第1端部21aを備えている。また、接地部21は、傾動天板4Bの奥行方向における奥側の端部よりも奥側に位置する第2端部21bを備えている。
【0039】
奥側支持部34は、枢軸33eを中心とする傾動天板4Bの傾動に応じて伸縮するガススプリング34c(伸縮部)を備えている。ガススプリング34cは、傾動天板4Bの奥側を上側に向かって押し上げて、傾動天板4Bの傾動をアシストする。また、奥側支持部34は、
図5に示すように、ガススプリング34cの伸長に応じて伸長する引張ばね34d(伸縮部)を備えている。引張ばね34dは、傾動天板4Bの奥側を下側に向かって付勢し、傾動時における傾動天板4Bの振動を防止する共に、水平姿勢への復帰時の戻りをアシストする。
【0040】
奥側支持部34は、連結部材32の奥行方向の奥側を向く面に固定された第1固定部34aと、傾動天板4Bに固定された第2固定部34bと、を備えている。第1固定部34aには、連結部材32に固定するための複数の固定孔34eが形成されている。第2固定部34bには、傾動天板4Bに固定するための複数の固定孔34fが形成されている。
【0041】
第1固定部34aは、ガススプリング34cの長手方向の一端部を、幅方向に延びる軸回りに回転可能に支持している。第2固定部34bは、ガススプリング34cの長手方向の他端部を、幅方向に延びる軸回りに回転可能に支持している。引張ばね34dは、第1固定部34aと第2固定部34bとの間に架設され、ガススプリング34cと平行に延びている。
【0042】
図5に示すように、固定天板4Aの下面には、電気系統支持部材5が設けられている。電気系統支持部材5には、一対の伸縮脚2の駆動部22を制御する制御ユニット6や、制御ユニット6に接続された各種ケーブルなどが支持されている。電気系統支持部材5は、固定天板4Aの下面において、幅方向に間隔をあけて一対で設けられている。
【0043】
電気系統支持部材5は、固定天板4Aの下面において、一対の伸縮脚2及び奥行方向の奥側に配置された連結部材32よりも、奥行方向の奥側に位置している。電気系統支持部材5は、固定天板4Aの第1部分41に取り付けられている。
図7に示すように、傾動天板4Bと第1部分41との間には隙間があるが、当該隙間からは連結部材32のみが見え、電気系統支持部材5は見えないようになっている。
【0044】
電気系統支持部材5は、
図6に示すように、固定天板4Aの下面において、奥行方向の奥側に向けて開口する奥側開口部50を備えている。電気系統支持部材5は、
図7に示すように、クランク状に折れ曲がっており、天板4の下面に連結された被連結部51と、被連結部から垂設された垂設部52と、垂設部52から奥行方向の奥側に延設された延設部53と、を備えている。
【0045】
被連結部51には、
図5に示すように、固定天板4Aに連結するための複数の連結孔51aが形成されている。垂設部52は、
図7に示すように、連結部材32の下端よりも下側まで延びている。延設部53は、幅方向に延びる突起部53aと、固定天板4Aの下面に向かって斜め上方に反り上がった先端部53bと、を備えている。
【0046】
図5に示すように、電気系統支持部材5の幅方向の両側は開放されており、ケーブルなどが延出可能とされている。制御ユニット6から延出したケーブルは、電気系統支持部材5の幅方向の両側から延び、天板支持部材31の下面に形成されたケーブル案内溝31iを通って伸縮脚2の上端部2aから内部に進入し、伸縮脚2の内部の駆動部22に接続されている。
【0047】
制御ユニット6を操作する操作部61は、固定天板4Aの下面における奥行方向の手前側の端部に配置されている。操作部61は、制御ユニット6と無線接続されていてもよいし、有線接続されていてもよい。また、この操作部61には、ガススプリング34cのロックを解除するボタンが設けられていてもよい。なお、ガススプリング34cのロックを解除するボタンは、傾動天板4Bの下面における奥行方向の手前側の端部に配置された取手部43に設けられていてもよい。
【0048】
上記構成の天板付き什器1によれば、
図3に示すように、一対の伸縮脚2のそれぞれの上端部2aの第1支持部30Aに取り付けられた固定天板4Aによって、一対の伸縮脚2の幅方向のブレを抑制することができる。また、第1支持部30Aと幅方向で異なる位置に第2支持部30Bが設けられ、この第2支持部30Bに傾動天板4Bが取り付けられているため、仮に一対の伸縮脚2の昇降動作が左右でバラついた場合であっても、第2支持部30Bにはモーメント荷重は伸縮脚2から直接作用しない。したがって、傾動天板4Bは、強度上の問題が発生しにくく、長期的に傾動機能を維持することができる。また、
図2に示すように、傾動しない固定天板4Aに、例えば、飲み物や照明器具等の物品を置くことができるので使い勝手もよくなる。
【0049】
このように、本実施形態の天板付き什器1によれば、幅方向に離間すると共に高さ方向に伸縮可能な一対の伸縮脚2と、一対の伸縮脚2のそれぞれの上端部2aに設けられた第1支持部30Aと、第1支持部30Aと幅方向で異なる位置に設けられた第2支持部30Bと、第1支持部30Aに対し傾動不能に取り付けられた固定天板4Aと、第2支持部30Bに対し傾動可能に取り付けられた傾動天板4Bと、を備える、という構成を採用することによって、傾動天板4Bの傾動機能を長期的に維持することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、一対の伸縮脚2のそれぞれの第1支持部30Aの間を連結する連結部材32を備え、第2支持部30Bは、連結部材32に設けられている。この構成によれば、固定天板4Aは、一対の伸縮脚2の上端部2aのそれぞれに設けられた第1支持部30Aに取り付けられている。また、傾動天板4Bは、連結部材32に設けられた第2支持部30Bに取り付けられている。固定天板4Aは、一対の伸縮脚2のそれぞれと第1支持部30Aを介して固定されていることから、伸縮脚2同士の間で高さや傾きに不整合がわずかでも生じた場合、固定天板4Aと各第1支持部30Aの間に当該不整合に応じた応力が生じ得る。一方、傾動天板4Bは、第1支持部30A同士を連結する連結部材32に第2支持部30Bを介して固定されていることから、伸縮脚2同士の間で高さや傾きに不整合がわずかでも生じても、連結部材32が当該不整合に応じて変位し、第2支持部30Bも連結部材32の変位に応じて変位するので、傾動天板4Bと第2支持部30Bとの間に不整合に応じた応力が生じてしまうことを抑制できる。このため、傾動可能に傾動天板4Bを支持する第2支持部30Bへの負荷が過大となってしまうことを防止できる。
【0051】
また、本実施形態においては、
図3に示すように、第2支持部30Bは、連結部材32から奥行方向の手前側に延出し、傾動天板4Bに取り付けられる手前側支持部33と、連結部材32から奥行方向の奥側に延出し、傾動天板4Bに取り付けられる奥側支持部34と、を備える。この構成によれば、連結部材32に傾動天板4Bの手前側と奥側のそれぞれを支持する要素を個別に設けることによって、傾動天板4Bを堅牢に支持できる。
【0052】
また、本実施形態においては、
図7に示すように、手前側支持部33は、傾動天板4Bの傾動の回転中心となる枢軸33eを備え、奥側支持部34は、枢軸33eを中心とする傾動天板4Bの傾動に応じて伸縮可能な伸縮部(ガススプリング34c及び引張ばね34d)を備える。この構成によれば、手前側支持部33に枢軸33eを設けることで、傾動天板4Bの通常使用時に、傾動天板4Bの手前側端部に腕を乗せた使用者が感知するガタが小さくなる。また、傾動天板4Bの奥側端部の変位量は手前側端部に比べ相対的に大きくなるが、奥側支持部34に伸縮部を設けることで、傾動天板4Bの奥側端部がどの高さにあっても安定的に傾動天板4Bを支持できる。
【0053】
また、本実施形態においては、伸縮部は、傾動天板4Bの奥側を上側に向かって押し上げるガススプリング34cと、ガススプリング34cの伸長に応じて伸長すると共に傾動天板4Bの奥側を下側に向かって付勢する引張ばね34dと、を備える。この構成によれば、伸縮部にガススプリング34cを設けることで、傾動天板4Bの傾動をアシストすることができる。また、伸縮部に引張ばね34dを設けることで、引張ばね34dのテンションによって傾動天板4Bの傾動時のガタを軽減できる。さらに、伸縮部に引張ばね34dを設けることで、傾動天板4Bの水平状態(初期位置)への復帰時の操作力を軽減できる。
【0054】
また、本実施形態においては、
図3及び
図5に示すように、手前側支持部33は、連結部材32の奥行方向の手前側を向く面に設けられ、奥側支持部34は、連結部材32の奥行方向の奥側を向く面に設けられている。この構成によれば、手前側支持部33と奥側支持部34の連結部材32における配置位置が異なることにより、両支持部の動作時の干渉を避けることができる。
【0055】
また、本実施形態においては、
図3に示すように、傾動天板4Bは、一対の伸縮脚2の少なくとも一方の上端部2aに重なる姿勢に変位可能であり、第1支持部30Aには、
図4に示すように、傾動天板4Bが上端部2aに重なる領域のうち、少なくとも幅方向の外側の領域において、傾動天板4Bの下面に対して離間する空間部31fが形成されている。この構成によれば、傾動天板4Bの幅方向外側の端部に使用者が手を掛けた場合であっても、使用者の指が、伸縮脚2の上端部2aと傾動天板4Bとの間に挟まれることを防止できる。
【0056】
また、本実施形態においては、
図1及び
図2に示すように、固定天板4Aは、傾動天板4Bに対し隙間をあけて、傾動天板4Bより奥行方向の奥側に配置された第1部分41と、第1部分41から奥行方向の手前側に延出し、傾動天板4Bに対し隙間をあけて、傾動天板4Bの幅方向の少なくとも一方側に配置された第2部分42と、を備える。この構成によれば、例えば、固定天板4Aの第1部分41に照明器具、固定天板4Aの第2部分42に飲み物などを載置できる。天板付き什器1では、傾動天板4Bのみが部分的に傾動するため、固定天板4Aに飲み物や照明器具等の物品を載置することで、傾動天板4Bの傾動に合わせて、固定天板4Aに載置した物品を載置し直す必要はない。
【0057】
次に、本実施形態の一実施例について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0058】
図8は、一実施例に係る天板付き什器1の斜視図である。
図8に示す天板付き什器1は、一対の伸縮脚2によって、天板4と共に昇降可能なブース部7を備えている。ブース部7は、固定天板4Aの第1部分41に取り付けられている。ブース部7は、少なくとも、第1部分41の幅方向の両側、第1部分41の奥行方向の奥側、及び第1部分41の高さ方向の上側を囲っている。
【0059】
図9は、一実施例に係るブース部7の分解斜視図である。
図9に示すように、ブース部7は、第1部分41の幅方向の両側を囲う一対のサイドパネル71,72と、第1部分41の奥行方向の奥側を囲うバックパネル73と、第1部分41の高さ方向の上側を囲うルーフパネル74と、に分離可能とされている。
【0060】
サイドパネル71は、天板4の幅方向の左側に配置され、高さ方向に延びる側壁部71aと、側壁部71aの上端から幅方向の右側に折れ曲がった屈曲部71bと、を備えている。もう一方のサイドパネル72は、天板4の幅方向の右側に配置され、高さ方向に延びる側壁部72aと、側壁部72aの上端から幅方向の左側に折れ曲がった屈曲部72bと、を備えている。
【0061】
ルーフパネル74は、幅方向に延びる矩形板状に形成されている。ルーフパネル74には、一対の強度部材75が幅方向に貫通して設けられている。一対の強度部材75は、例えば、断面視U字状の金属材である。ルーフパネル74の幅方向の両側には、一対の強度部材75が突出した凸部75a,75bが形成されている。
【0062】
サイドパネル72の屈曲部72bには、ルーフパネル74の凸部75aが挿し込み可能な凹部72dが形成されている。また、屈曲部72bには、凹部72dに差し込まれた凸部75aを固定するための固定孔72cが形成されている。また、サイドパネル71の屈曲部71bにも、ルーフパネル74の凸部75bが挿し込み可能な凹部71dが形成されている。また、屈曲部71bにも、凹部71dに差し込まれた凸部75bを固定するための固定孔71cが形成されている。
【0063】
バックパネル73には、高さ方向に延びる溝部73aが、幅方向に間隔をあけて複数形成されている。バックパネル73は、溝部73aの下側に、取付プレート73bを備えている。
サイドパネル71,72は、固定天板4Aの幅方向の両端部に取り付られた第1取付部材81に取り付けられている。バックパネル73は、固定天板4Aの奥行方向の奥側の端部に取り付けられた第2取付部材82に取り付けられている。
【0064】
図10は、一実施例に係る天板付き什器1を底面側から視た斜視図である。
図10に示すように、第1取付部材81は、固定天板4Aの下面に固定された固定部81aと、サイドパネル71(サイドパネル72)に連結される連結部81bと、を備えている。連結部81bには、高さ方向に間隔をあけて複数の連結孔81cが形成されている。
【0065】
また、第2取付部材82は、固定天板4Aの下面に固定された固定部82aと、サイドパネル71(サイドパネル72)に連結される連結部81bと、を備えている。連結部81bには、高さ方向に間隔をあけて複数の連結孔81cが形成されている。なお、第2取付部材82の固定部82aの方が、第1取付部材81の固定部81aよりも固定天板4Aの下面に接触する長さが長くなっている。
【0066】
上記一実施例によれば、ブース部7の高さを可動式とすることができる。なお、バックパネル73とルーフパネル74との間に隙間を設けて、外部の光をブース部7の内部に採光する構成であっても構わない。また、サイドパネル71、および72とバックパネル73とを切り離したうえで、バックパネル73の上端部とルーフパネル74の下端部とが連結されていても構わない。また、サイドパネル71および72、バックパネル73、そしてルーフパネル74とがすべて連結されていても構わない。
【0067】
次に、本実施形態の一変形について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0068】
図11は、一変形例に係る天板付き什器1の斜視図である。
図11に示す天板付き什器1は、固定天板4Aが、傾動天板4Bの幅方向の両側に配置された一対の第2部分42を備えている。すなわち、固定天板4Aは、平面視でコの字状に形成されている。この構成よれば、傾動天板4Bの幅方向の両側に、物品を載置できるため利便性が高まる。なお、この天板付き什器1に、
図8に示すブース部7を取り付ける場合には、ルーフパネル74だけを幅方向に長いものに取り換えるだけでよい。
【0069】
図12は、一変形例に係る天板付き什器1の左側面図である。
図12に示す天板付き什器1は、側面視でU字状の天板支持部材31を備えている。天板支持部材31は、伸縮脚2の上端部2aから奥行方向の両側に延びる梁部31gと、梁部31gの奥行方向の両端部から上側に延びる一対の突部31hと、を備えている。
【0070】
天板支持部材31は、一対の突部31hによって天板4を支持している。この側面視U字状の天板支持部材31は、傾動天板4Bの下面に空間部31fを形成している。空間部31fは、傾動天板4Bが上端部2aに重なる領域の全てを、傾動天板4Bの下面に対して離間させている。
【0071】
図12に示す固定天板4Aの縁部4A1及び傾動天板4Bの縁部4B1は、平面視で上面側よりも下面側が内側に位置するように傾斜している。この構成によれば、固定天板4Aと傾動天板4Bとの隙間から指が抜きやすくなる。
【0072】
図13は、一変形例に係る天板付き什器1の正面図である。
図13に示す天板付き什器1は、床面への接地部21を有する支持構造体3と、支持構造体3に支持される天板4と、を備えている。
図13に示す支持構造体3は、水平方向の第1方向(幅方向)に離間して一対で設けられ、接地部21を有する伸縮脚2を含んでいる。
【0073】
支持構造体3は、さらに、伸縮脚2同士が第1方向に近接、および離間する方向に変位することを規制する規制部材90と、伸縮脚2のそれぞれの上端部2aに設けられた天板支持部100と、を備えている。規制部材90は、第1方向に延びるビーム(梁材)であって、伸縮脚2の昇降しない部分(外筒)を接続している。
【0074】
天板支持部100は、一方の伸縮脚2の上端部2aに設けられた第1支持部30Aと、第1支持部30Aから第1方向に沿って他方の伸縮脚2の側に離間した部位に配置される第2支持部30Bと、を備えている。第2支持部30Bは、第1支持部30Aから第1方向に延びるアーム101に片持ち支持されている。
【0075】
そして、天板4は、第1支持部30Aに傾動不能に取り付けられた固定天板4Aと、第2支持部30Bに傾動可能に取り付けられた傾動天板4Bと、を備えている。この構成においても、第2支持部30Bに伸縮脚2からモーメント荷重が直接作用しないので、傾動天板4Bの傾動機能を長期的に維持することができる。
【0076】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0077】
また、上述した実施形態に係る天板付き什器1の一部又は全部は、以下のように付記することができる。
【0078】
(付記1-1)
幅方向に離間すると共に高さ方向に伸縮可能な一対の伸縮脚と、
前記一対の伸縮脚の上端部に支持された支持構造体と、
前記支持構造体に対し幅方向に延びる軸回りに傾動可能に取り付けられた傾動天板と、
前記支持構造体に対し傾動不能に取り付けられると共に、前記傾動天板に対し隙間をあけて前記傾動天板より奥行方向の奥側に配置された第1部分を少なくとも備える固定天板と、
前記固定天板に取り付けられ、少なくとも、前記第1部分の幅方向の両側、前記第1部分の奥行方向の奥側、及び前記第1部分の高さ方向の上側を囲うブース部と、を備える、ことを特徴とする天板付き什器。
【0079】
(付記1-2)
前記ブース部は、
前記第1部分の幅方向の両側を囲う一対のサイドパネルと、
前記第1部分の奥行方向の奥側を囲うバックパネルと、
前記第1部分の高さ方向の上側を囲うルーフパネルと、に分離可能である、ことを特徴とする付記1-1に記載の天板付き什器。
【0080】
(付記1-3)
前記ルーフパネルは、幅方向の両側に突出する凸部を有し、
前記一対のサイドパネルは、前記凸部が挿し込み可能な凹部を有する、ことを特徴とする付記1-2に記載の天板付き什器。
【0081】
(付記2-1)
床面への接地部を有する支持構造体と、
前記支持構造体に支持される天板と、を備える天板付き什器において、
前記支持構造体は、
水平方向の第1方向に離間して一対で設けられ、前記接地部を有する伸縮脚と、
前記伸縮脚のそれぞれの上端部に設けられた天板支持部と、
前記伸縮脚同士が前記第1方向に近接、および離間する方向に変位することを規制する規制部材と、を備え、
前記天板支持部は、
一方の前記伸縮脚の上端部に設けられた第1支持部と、
前記第1支持部から前記第1方向に沿って他方の前記伸縮脚の側に離間した部位に配置される第2支持部と、を備え、
前記天板は、
前記第1支持部に傾動不能に取り付けられた固定天板と、
前記第2支持部に傾動可能に取り付けられた傾動天板と、を備える、ことを特徴とする天板付き什器。
【0082】
(付記2-2)
前記規制部材は、前記第1支持部同士を前記第1方向に連結する連結部材であり、前記第2支持部は、前記連結部材に設けられている、ことを特徴とする前記2-1に記載の天板付き什器。
【符号の説明】
【0083】
1 天板付き什器
2 伸縮脚
2a 上端部
3 支持構造体
4 天板
4A 固定天板
4B 傾動天板
5 電気系統支持部材
21 接地部
21a 第1端部
21b 第2端部
30A 第1支持部
30B 第2支持部
31 天板支持部材
31f 空間部
32 連結部材
33 手前側支持部
33e 枢軸
34 奥側支持部
34c ガススプリング(伸縮部)
34d 引張ばね(伸縮部)
41 第1部分
42 第2部分
50 奥側開口部
51 被連結部
52 垂設部
53 延設部