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  • 特許-煙感知器及び煙感知システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】煙感知器及び煙感知システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/107 20060101AFI20241118BHJP
   G08B 17/103 20060101ALI20241118BHJP
   G08B 17/00 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
G08B17/107 A
G08B17/103 A
G08B17/00 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020201084
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2022088940
(43)【公開日】2022-06-15
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】米山 顕司
【審査官】横田 有光
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-103799(JP,A)
【文献】特表2019-505930(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0020617(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 17/00-17/12
G01N 21/00-21/01
21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
煙が導入される検煙部内の光を受光素子が受光し、その受光素子が受光する光の量に基づいて煙を検出する煙感知器であって、
煙を検知するために、感知器外部の監視対象の空間から外光を前記検煙部内に導入する外光導入手段を備え、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられることを特徴とする煙感知器。
【請求項2】
前記受光素子が受光する前記検煙部内で煙によって散乱する光の量に基づいてか、或いは、前記受光素子が受光する前記検煙部内で煙によって減衰する光の量に基づいて、煙が検出されることを特徴とする請求項1に記載の煙感知器。
【請求項3】
前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別され、
外光が導入されていると判別されるときに、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられ、
外光が導入されていないと判別されるときに、前記受光素子が受光する光の光源として、前記検煙部内に光を発光するものとして設けられる発光素子の光が用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の煙感知器。
【請求項4】
前記検煙部内に外光が導入されているか否かの判別結果に対応して、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられるものとするか、或いは、前記発光素子の光が用いられるものとするかの切り替えが行われる際に、煙の検出感度の切り替えも行われることを特徴とする請求項3に記載の煙感知器。
【請求項5】
前記受光素子が受光する光の量に基づいてか、或いは、前記受光素子とは別に設けられる受光素子が受光する光の量に基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されることを特徴とする請求項3又は4に記載の煙感知器。
【請求項6】
前記受光素子とは別に設けられる受光素子は、感知器内部又は感知器外面に設けられ、感知器内部又は感知器外部の光を受光することを特徴とする請求項5に記載の煙感知器。
【請求項7】
時間管理手段によって、前記検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別されることを特徴とする請求項3又は4に記載の煙感知器。
【請求項8】
監視対象の空間に設けられる光センサが受光する光の量に基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されることを特徴とする請求項3又は4に記載の煙感知器。
【請求項9】
監視対象の空間に設けられる照明のスイッチのオン・オフに基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されることを特徴とする請求項3又は4に記載の煙感知器。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の煙感知器を有することを特徴とする煙感知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光電式の煙感知器及び煙感知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光電式の煙感知器は、煙が導入される検煙部内で受光素子が光を受光し、その受光量に基づいて煙を検出するように構成される(光電式のうち、散乱光式と称される、煙によって散乱する光を受光する方式のものとして、例えば、特許文献1参照)。主に火災感知器として用いられ、監視対象の建築物内等に、1台が単独で動作するものとして、或いは、複数台が協働して動作するシステムを構成するものとして設けられる。具体的な用例は、例えば、住宅用火災警報器や自動火災報知設備の火災感知器等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-3640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の煙感知器においては、電源として、外部電源が用いられるものもあるし、内蔵の電池電源が用いられるものもある。
【0005】
いずれの場合も、電力消費量は少ない方が好ましいが、内蔵の電池電源が用いられるものにおいては、従来、電池寿命を長くするために、発光素子の発光間隔を長くする等の方法が採用されている。
【0006】
しかしながら、発光素子の発光間隔を長くすると、煙の検出にかかる時間が長くなるという問題がある。
【0007】
この発明は、前記の事情に鑑み、電力消費量を低減することができる煙感知器を得ることを目的とする。また、そのようにすることができる煙感知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、煙が導入される検煙部内の光を受光素子が受光し、その受光素子が受光する光の量に基づいて煙を検出する煙感知器であって、煙を検出するために、感知器外部の監視対象の空間から外光を前記検煙部内に導入する外光導入手段を備え、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられることを特徴とする煙感知器、である。
【0009】
この発明においては、前記受光素子が受光する前記検煙部内で煙によって散乱する光の量に基づいてか、或いは、前記受光素子が受光する前記検煙部内で煙によって減衰する光の量に基づいて、煙が検出されるものとすることができる。また、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別され、外光が導入されていると判別されるときに、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられ、外光が導入されていないと判別されるときに、前記受光素子が受光する光の光源として、前記検煙部内に光を発光するものとして設けられる発光素子の光が用いられるものとすることができる。また、前記検煙部内に外光が導入されているか否かの判別結果に対応して、前記受光素子が受光する光の光源として、前記外光導入手段によって導入される外光が用いられるものとするか、或いは、前記発光素子の光が用いられるものとするかの切り替えが行われる際に、煙の検出感度の切り替えも行われるものとすることができる。また、前記受光素子が受光する光の量に基づいてか、或いは、前記受光素子とは別に設けられる受光素子が受光する光の量に基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されるものとすることができる。また、前記受光素子とは別に設けられる受光素子は、感知器内部又は感知器外面に設けられ、感知器内部又は感知器外部の光を受光するものとすることができる。また、時間管理手段によって、前記検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別されるものとすることができる。また、監視対象の空間に設けられる光センサが受光する光の量に基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されるものとすることができる。また、監視対象の空間に設けられる照明のスイッチのオン・オフに基づいて、前記検煙部内に外光が導入されているか否かが判別されるものとすることができる。
【0010】
さらに、この発明は、前記の煙感知器を有することを特徴とする煙感知システム、である。
【発明の効果】
【0011】
この発明においては、外光が検煙部内に導入されていれば、その外光を光源とする光を受光素子が受光して煙を検出することができる。そのため、外光が検煙部内に導入されている間は、発光素子の発光を停止させたり、発光間隔を長くしたりして、発光素子による電力消費を抑えることができる。
【0012】
したがって、この発明によれば、電力消費量を低減することができる煙感知器が得られる。また、そのようにすることができる煙感知システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明の煙感知器の実施形態の一例を示したものであり、感知器全体の上面図である。
図2】同上の感知器全体の側面図である。
図3図1のA-A線部矢視拡大断面図である。
図4図4のB-B線部矢視断面である。
図5】他の例を示した、図3に相当する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の煙感知器及び煙感知システムの実施形態について、図面に基づいて説明する。なお、この発明の煙感知器及び煙感知システムは、建築物内等を監視対象として設けられる火災感知器及びそのシステムとして用いることができるものであり、具体的には、例えば、住宅用火災警報器及びそのシステムや、自動火災報知設備の火災感知器及びそのシステム等として用いることができるものである。
【0015】
[基本構成]
図1乃至4に示したように、煙感知器1は、その筐体2を形成する、光学台3と光学台カバー8を有する。筐体2内には、光学台3の台板部3aの前面側に検煙部4が設けられており、反対の背面側に回路基板5が収納される基板収納部6が設けられている。検煙部4は、光学台3の台板部3a上に周方向に環状の配置で立設される複数の遮光壁7によって周りが囲まれると共に、光学台カバー8によって前面が覆われ、かつ光学台3の台板部3aによって背面が覆われる空間部として設けられる。複数の遮光壁7の各壁の間には、筐体2の外部と検煙部4内を迷路状に連通させる煙流路9が形成されている。それら煙流入路9を介して、筐体2の外部の煙が検煙部4内に導入される。筐体2の内部には、検煙部4内の煙を検出するためのものとして、検煙部4内に光を発光する発光素子10と、検煙部4内の光を受光する受光素子11が設けられている。
【0016】
煙感知器1は、散乱光式であり、受光素子11が発光素子10からの直接光は受光しない一方、煙による散乱光は受光する配置で設けられており、受光素子11が煙による散乱光を受光することにより、検煙部4内の煙を検出する。
【0017】
[外光導入手段]
そして、図3及び4に示したように、煙感知器1は、感知器外部、すなわち筐体2外部の光を検煙部4内に導入する外光導入手段(例えば、後記で説明するピンホール12等)を備えており、受光素子11が受光する光の光源として、外光導入手段によって検煙部4内に導入される光が用いられるように構成される。
【0018】
したがって、煙感知器1においては、検煙部4内に外光が導入されていれば、発光素子10が発光していなくても、その外光由来の煙による散乱光を受光素子11が受光して、検煙部4内の煙を検出することができる。そのため、検煙部4内に外光が導入されている間は、発光素子10の発光を停止させたり、発光の間隔を長くしたりして、発光素子10による電力消費を抑えることができる。すなわち、電力消費量を低減することができる。
【0019】
[外光導入手段の具体例]
・ピンホール
煙感知器1は、前記の外光導入手段の一例として、筐体2の構造部分を検煙部4内に向けて貫通して設けられるピンホール12を備えている。このピンホール12を介して、筐体2外部から検煙部4内に外光が導入される。
【0020】
ピンホール12の開口形状については、例えば、円形状とすることができる。その大きさについては、検煙部4内の空間の大きさ、受光素子11が火災判定する受光量、非火災とする受光量等により決定される。
【0021】
ここで、ピンホール12は、図示の例の場合、筐体2の一方の外側部と検煙部4内との間の遮光壁7等の構造部分を横方向に検煙部4内(具体的には、後記で説明する受光素子13)に向けて貫通して設けられるものとしており、筐体2の一方の外側部から検煙部4内を横方向に進行する1つの外光の導入経路が形成されるものとしている。さらに、その導入される外光によって、検煙部4内において、符号12Aで示したような、発光素子10の光軸10Aに近接すると共に、その光軸10Aと平行、かつ平面視で重なる直線が光軸となる光束が形成されるものとしている。すなわち、発光素子10の光軸に沿って、その近接位置を通過する光軸の光束が形成されるものとしている。これにより、無煙時に光が受光素子11に入射しないように構成された光トラップを共有することができる。なお、遮光壁7の外周に防虫網が設けられている場合には、防虫網にも筐体2のピンホール12と対応する位置に穴が設けられ、煙感知器1のピンホール12を形成する。
【0022】
・外光導入手段の別例
ピンホール12より形成される外光の導入経路については、筐体2内の配置構造等に応じて、適宜、その数、位置、方向を変更してもよい。例えば、外光の導入経路を1つとするのに代えて、複数としてもよい。その場合、検煙部4内を別々の経路で通過して一箇所に集中するものとしてもよい。また、検煙部4内を縦方向に進行するものとしてもよい。さらに、外光導入手段自体、変更してもよく、ピンホール12に代えて、或いは加えて、例えば、光ファイバ、ミラー、レンズ等の各種導光部材を用いたものとしてもよい。
【0023】
[外光導入の判別]
煙感知器1においては、検煙部4内に外光が導入さているか否かが判別される。そして、外光が導入されていると判別されるときに、前記のように、受光素子11が受光する光の光源として、その導入されている外光が用いられる。一方、外光が導入されていないと判別されるときには、受光素子11が受光する光の光源として、発光素子10が検煙部4内に発光する光が用いられる。
【0024】
つまり、煙感知器1は、検煙部4内に外光が導入されているか否かの判別結果に応じて、受光素子11が受光する光の光源として、検煙部4内に導入されている外光が用いられるモード(以下「外光モード」ともいう)で動作するか、或いは、発光素子10が検煙部4内に発光する光が用いられるモード(以下「発光素子モード」ともいう)で動作するように構成されている。
【0025】
・外光検出用の受光素子(別の受光素子の一例)
煙感知器1は、検煙部4内に外光が導入されているか否かを判別するために用いられる手段の一例として、前記の受光素子11とは別に設けられる受光素子13(別の受光素子の一例)を備えている。受光素子13は、検煙部4内に導入される外光の検出手段として用いられ、受光素子13が受光する光の量に基づいて、検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別される。具体的には、受光素子13が受光する光の量を外光検出用に設定される閾値と比較することによって行われ、比較の結果、その光の量が閾値を上回っているときに、外光が導入されていると判別され、その光の量が閾値を上回っていないときに、外光が導入されていないと判別される。
【0026】
受光素子13は、ピンホール12によって導入される外光の導入経路上の位置に設けられるものとしており、導入される外光を直接受光するものとしている。具体的には、筐体2内部の検煙部4を間に外光の導入側とは検煙部4を介して反対側の遮光壁7の、導入される外光の導入経路上の位置に設けられるものとしている。
【0027】
受光素子13の位置については、検煙部4内に外光が導入されているか否かを判別するのに用いることのできる位置であれば、筐体2内部の他の位置としてもよいし、外光を直接、受光する位置とするのに代えて、ミラー等によって反射した光を受光する位置としてもよい。さらに、図示は省略するが、筐体2内部の位置とするのに代えて、筐体2外面上の位置としてもよく、筐体2外部で外光を受光するものとしてもよい。この場合、煙感知器1の周囲の明るさにより、検煙部4内に火災判定に十分な光量が入射されていると判断している。
【0028】
・時間管理手段
検煙部4内に外光が導入されているか否かを判別するために用いられる手段としては、タイマ等の時間管理手段とすることもできる。すなわち、その判別が時間管理によって行われるものとすることもできる。具体的には、監視対象の建築物内等がオフィス等である場合、例えば、午前9時から午後5時までの、室内の照明が点灯している可能性が高い時間帯は、検煙部4内に外光が導入されていると判別され、一方、午後5時から翌日の午前9時までの、室内の照明が消灯している可能性が高い時間帯は、検煙部4内に外光が導入されていないと判別されるものとすること等が考えられる。
【0029】
・動作モードの切り替え
外光モードで動作するものとするか、発光素子モードで動作するものとするかの切り替えは、発光素子10の動作を制御することにより行われる。具体的には、例えば、外光モードで動作するものとするときには、発光素子10を発光停止にするか、長い発光間隔で発光させるように制御し、発光素子モードで動作するものとするときには、発光素子10を継続して発光させるか、短い発光間隔で発光させるように制御することにより行われるものとすることができる。
【0030】
・煙の検出感度の切り替え
煙感知器1においては、検煙部4内の煙による散乱光を受光素子11が受光することにより煙が検出されるが、その検出は、具体的には、受光素子11が受光する光の量を煙感知用に設定される閾値と比較して、その光の量が受光する光の量が閾値を上回るか否かによって行われる。この煙検出用の閾値を外光モードと発光素子モードとで異なるものとし、前記の光源の動作モードの切り替えの際に、煙検出用の閾値を切り替えが併せて行われるものとしてもよい。すなわち、外光モードでと発光素子モードとで異なる煙の検出感度が設定されるものとし、動作モードの切り替えの際に各動作モードに対応する煙の検出感度への切り替えが併せて行われるものとしてもよい。
【0031】
[予備的検出、確定的検出]
外光モードで動作中に煙が検出されたときと、発光素子モードで動作中に煙が検出されたときのいずれにおいても、その検出を確定的なものとして、煙感知(火災感知)の発報まで行われるものとしてもよいが、外光モードで動作中の煙の検出については、火災感知の発報までは行わない予備的なものとすることができる。そして、その予備的な検出がされたときに、発光素子モードへの切り替えが行われ、それでも煙が検出されるときに、その検出を確定的なものとし、煙感知の発報まで行われるものとすることができる。
【0032】
[減光式の煙感知器への適用]
この発明は、煙によって減衰する光を受光して煙を検出する減光式の煙感知器を構成することができる。
【0033】
図5に示した煙感知器1’は、減光式とする場合の一例を示したものである。なお、煙感知器1’において、前記の煙感知器1と同様の構成部分については、同一図面符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
煙感知器1’は、発光素子10の光軸10Aとピンホール12の光軸12Aの両方の光軸上に位置して、発光素子10が発光する光を直接受光すると共に、ピンホール12によって検煙部4内に導入される外光を直接受光するものとして設けられる受光素子11’を備えている。
【0035】
受光素子11’は、検煙部4内の煙を検出するために光を受光するものとして用いられると共に、検煙部4内に外光が導入されているか否かを判別するために光を受光するものとして用いられる。すなわち、煙の検出と外光導入の判別の両方に兼用される。
【0036】
いずれも、受光素子11’が受光する光の量に基づいて行われるが、具体的には、その受光する光の量を所定の閾値と比較することによって行われる。例えば、検煙部4内に外光が導入されているか否かの判別については、その光の量が閾値を上回っているときに、外光が導入されているものとされ、その光の量が閾値を下回っているときに、外光が導入されていないものされる。また、検煙部4内の煙の検出については、その光の量が閾値を下回っているときに、煙が検出されたものとされ、その光の量が閾値を上回っているときに、煙が検出されていないものとされる。
【0037】
煙検出用の閾値と外光導入の判別用の閾値は、同じ値とすることもできるし、外光導入の判別用の閾値の方を高くしていれば、異なる値とすることもできる。
【0038】
閾値を同じ値とする場合、外光モードで動作している際に、受光素子11’が受光する光の量が閾値を下回ったときは、煙が検出されたものとはせずに、外光が導入されていないものと判別して、発光素子モードへの切り替えのみが行われるものとすることができる。そして、発光素子モードへ切り替えても、受光素子11’が受光する光の量が閾値を下回っているときに、煙の検出がされたものとすることができる。
【0039】
閾値を異なる値とする場合は、外光導入の判別用の閾値の方を高くしていれば、外光モードで動作している際に、受光素子11’が受光する光の量が閾値を下回ったときは、発光素子モードへの切り替えのみが行われることになる。すなわち、閾値を同じ値とする場合と同様に動作するものとすることができる。
【0040】
煙感知器1’は、減光式のものであり、前記のように動作するものであるが、煙感知器1と同様、外光モードで動作している間は、発光素子10による電力消費を抑えることができる。すなわち、煙感知器1と同様、電力消費量を低減することができる。
【0041】
[煙感知システム]
煙感知器1、1’は、具体的には、住宅用火災警報器のように、1台が単独で動作するものとして用いることができるものであるが、無線連動式の住宅用火災警報器や自動火災報知設備の火災感知器のように、複数台が協働したり、他の機器と協働したりして動作する煙感知システムを構成するものとして用いることができるものでもある。
【0042】
煙感知システムを構成するものとする場合、特に自動火災報知設備を構成するものとする場合、煙感知器1、1’が備える外光導入の有無を判別するために用いられる手段に代わって、煙感知器1、1’とは別に設けられる機器が用いられて、煙感知器1の検煙部4内への外光導入の判別、動作モードの切り替え制御が行われるものとすることができる。
【0043】
・光センサ、照明のスイッチ、時間管理手段
例えば、自動火災報知設備を、監視対象の建築物内等に煙感知器1、1’とは別に設けられる、その建築物内等の空間中の光、すなわち煙感知器1、1’の感知器外部の光を受光する光センサを有するものとし、その光センサが受光する光の量に基づいて、煙感知器1、1’の検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別され、動作モードの切り替え制御が行われるものとしてもよい。
【0044】
また、自動火災報知設備を、監視対象の建築物内等に設けられる照明のスイッチのオン・オフを検出する検出手段を有するものとし、その検出手段が検出する照明のスイッチのオン・オフに基づいて、煙感知器1、1’の検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別され、動作モードの切り替え制御が行われるものとしてもよい。
【0045】
さらに、自動火災報知設備が有する受信機を時間管理手段を備えるものとし、その受信機が備える時間管理手段による時間管理によって、煙感知器1、1’の検煙部4内に外光が導入されているか否かが判別され、動作モードの切り替え制御が行われるものとしてもよい。
【0046】
以上、この発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれるものである。例えば、上記の実施形態における各構成は、各変更例を含めて、技術的に矛盾が生じない範囲で適宜、組み合わせることができるものである。
【符号の説明】
【0047】
1、1’:煙感知器 2:筐体 3:光学台 3a:台板部
4:検煙部 5:回路基板 6:基板収納部 7:遮光壁
8:光学台カバー 9:煙流路 10:発光素子 10A:光軸
11、11’:受光素子 12:ピンホール 12A:光軸 13:受光素子
図1
図2
図3
図4
図5