IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 極東開発工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-荷受台昇降装置 図1
  • 特許-荷受台昇降装置 図2
  • 特許-荷受台昇降装置 図3
  • 特許-荷受台昇降装置 図4
  • 特許-荷受台昇降装置 図5
  • 特許-荷受台昇降装置 図6
  • 特許-荷受台昇降装置 図7
  • 特許-荷受台昇降装置 図8
  • 特許-荷受台昇降装置 図9
  • 特許-荷受台昇降装置 図10
  • 特許-荷受台昇降装置 図11
  • 特許-荷受台昇降装置 図12
  • 特許-荷受台昇降装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】荷受台昇降装置
(51)【国際特許分類】
   B60P 1/44 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
B60P1/44 E
B60P1/44 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021019954
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122609
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2023-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】清藤 英樹
(72)【発明者】
【氏名】山元 敦生
(72)【発明者】
【氏名】石井 貴之
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-116969(JP,A)
【文献】米国特許第04147261(US,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0331085(KR,Y1)
【文献】特開2011-105218(JP,A)
【文献】特開2012-254657(JP,A)
【文献】特開2006-123620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物車両の荷箱の下に格納可能である荷受台昇降装置であって、
前記荷箱へ出し入れする荷物を載置可能な荷受台と、
前記荷受台を昇降可能に連結する前後方向に長い左右一対のアームを有する平行リンク機構と、
前記左右一対のアームを昇降駆動する駆動機構と、
前記各アームは、左右一対の板状のアーム部と、前記左右一対のアーム部を左右方向で連結し、かつ、該アーム部の前後方向略全長に亘る長さに構成された連結板と、を備え、
前記左右一対のアーム部の前後方向一端部に該一端部と前記荷受台とに貫通して連結するためのピンが挿通するボス部を備え、該ボス部に前記連結板の一端部を連結し、
前記左右一対のアーム部の前後方向他端部に第2のボス部を備え、前記連結板の他端部が前記第2のボス部に前後方向で重なる位置まで延びていることを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記連結板の他端部は、前記第2のボス部に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記駆動機構は、前記アームを昇降駆動するためのシリンダを含み、前記連結板は、前記左右一対のアーム部の上側同士を連結するように設けられ、前記連結板と前記左右一対のアーム部とで形成される空間に、前記シリンダの少なくとも一部が収容されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷受台昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物車両の荷箱の下に格納可能である荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記荷受台昇降装置は、荷台を搭載した車両の車枠の後端の下部に固定された基部ユニットと、荷受台用の荷受台と、この荷受台を基部ユニットに対して昇降させる昇降部と、該昇降部を昇降させる駆動源である左右一対のリフトシリンダと、を備えている。このように構成された荷受台昇降装置は、走行時等には折り畳んで車枠の下部に格納(収容)可能に構成され、荷台への荷物の積み下ろし作業時に、荷受台を荷台の床面の高さと地面の高さとの間で昇降させて荷物の荷台への積み下ろしを行うことができるように構成されている。
【0003】
前記昇降部は、左右一対のアームを有する平行リンク機構から構成されている。また、荷受台は、床下に格納した格納時において、荷受台をバンパ(後部の突入防止装置)として機能するように兼用構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-123620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
荷受台は、アームに連結されているため、後方から他物が衝突したときに荷受台に作用する衝突荷重がアームを介して車体に伝達される。しかし、アームの強度は、荷受台を昇降させるときの撓みに耐えられるように設計されているものの、衝突荷重を耐えることができる強度まで考慮されておらず、衝突荷重の大きさによってはアームの変形が発生する恐れがあり、改善の余地があった。尚、このような問題は、荷受台をバンパとして機能するように兼用する場合に限らない。
【0006】
そこで本発明は、衝突荷重によるアームの変形を抑制できる荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の荷受台昇降装置は、貨物車両の荷箱の下に格納可能である荷受台昇降装置であって、前記荷箱へ出し入れする荷物を載置可能な荷受台と、前記荷受台を昇降可能に連結する前後方向に長い左右一対のアームを有する平行リンク機構と、前記左右一対のアームを昇降駆動する駆動機構と、前記各アームは、左右一対の板状のアーム部と、前記左右一対のアーム部を左右方向で連結し、かつ、該アーム部の前後方向略全長に亘る長さに構成された連結板と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明によれば、アームが、左右一対の板状のアーム部と、左右一対のアーム部を左右方向で連結し、かつ、アーム部の前後方向略全長に亘る長さに構成された連結板と、を備えているので、アームの強度アップを図ることができ、車両後方からの荷受台への衝突荷重によるアームの変形を抑制することができる。
【0009】
また、本発明の荷受台昇降装置は、前記左右一対のアーム部の前後方向両端部のうちの少なくとも一端部に該一端部と前記荷受台とに貫通して連結するためのピンが挿通するボス部を備え、該ボス部に前記連結板の一端部を連結していてもよい。
【0010】
本発明によれば、少なくとも一端部のボス部に連結板の一端部を連結することによって、特に後方からの荷受台への衝突荷重をボス部を介してピンに伝達できるので、アームの変形を抑制しやすい。
【0011】
また、本発明の荷受台昇降装置は、前記駆動機構が、前記アームを昇降駆動するためのシリンダを含み、前記連結板は、前記左右一対のアーム部の上側同士を連結するように設けられ、前記連結板と前記左右一対のアーム部とで形成される空間に、前記シリンダの少なくとも一部が収容されていてもよい。
【0012】
本発明によれば、連結板を、左右一対のアーム部の上側同士を連結するように設けることによって、連結板と左右一対のアーム部とで空間を形成することができ、その空間にシリンダの少なくとも一部を収容することで、荷受台昇降装置の小型化を図ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、各アームが、左右一対の板状のアーム部と、左右一対のアーム部を左右方向で連結する連結板と、を備えることによって、衝突荷重によるアームの変形を抑制できる荷受台昇降装置の提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置が貨物車両に取り付けられた状態を示す側面図である。
図2】同荷受台昇降装置を示し、斜め上方から見た斜視図である。
図3】同荷受台昇降装置の格納状態を示す側面図である。
図4】同荷受台昇降装置の可動部分をスライドさせた状態を示す側面図である。
図5】同荷受台昇降装置の一部を接地させた状態を示す側面図である。
図6】同荷受台昇降装置の荷受台を展開させた状態を示す側面図であって、荷受台が接地した状態を実線で示し、荷受台を上昇させた状態を二点鎖線で示す。
図7】同荷受台昇降装置を構成する左右一対の上アームの平面図である。
図8】同上アームの側面図である。
図9】同上アーム内にシリンダを入れた状態を示す縦断面図である。
図10】他の形態の連結板を備えた上アームの側面図である。
図11】他の形態の連結板を備えた上アームの側面図である。
図12】(a),(b),(c)は長方形状の上アームに備える連結板の位置をそれぞれ異ならせた側面図を示す。
図13】一方の上アームの端部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る荷受台昇降装置1は、図1に示すように、貨物車両Vにおける荷箱Bの後部下方に設けられる。なお、荷箱Bは、搬入口を閉じた状態で閉塞空間となる箱状のものであっても、例えば上部が常時開放された荷台であってもよい。本実施形態の荷受台昇降装置1につき、図2に斜視図、図3に側面図を示す。図示の状態は、貨物車両Vにおける荷箱Bの後部下方に荷受台昇降装置1が格納された状態、すなわち貨物車両Vが走行可能な状態を表している。一方、図4図6は、荷受台昇降装置1のうち可動側支持部材13を、図3のスライド前端位置(前方位置)から荷箱Bの後方へスライドさせ、所定のスライド後端位置(後方位置)に到達させた後、荷受台19を展開および昇降させて荷物の積み降ろし作業をする使用状態を示す側面図である。図1に示すように、貨物車両Vの車体2上には荷箱Bが搭載されている。車体2の後端下方には、いわゆる床下格納式の荷受台昇降装置1が格納されている。
【0016】
なお、以下の説明において、貨物車両Vの前後に対応する方向を前後方向、貨物車両Vの車幅に対応する方向を車幅方向(又は左右方向)、前後方向と車幅方向とに直交する方向を上下方向と称する。
【0017】
図4図6において、荷受台昇降装置1の車幅方向に左右一対設けられている固定側支持部材3は、それぞれ、車両前後方向に水平に延びるスライドレール4と、これを車体2に架装するための複数(本実施形態では3個)の取付ブラケット5と、左右一対のスライドレール4の前端部を連結する角パイプからなる連結部材6(図2参照)とによって構成されている。スライドレール4と各取付ブラケット5とは、ボルト・ナット7により締結されている。スライドレール4には支持板8が前後方向に摺動可能に装着されている。
【0018】
左右一対の支持板8は、車幅方向に水平に延びる角パイプからなるクロスメンバ9を貫通させ、これらは互いに一体に溶接されている。支持板8より車幅方向の外側には、2個の支持ブラケット10,11が、クロスメンバ9と一体に溶接されている。これらの支持ブラケット10,11も、左右一対設けられている。
【0019】
左右一対の支持板8の下部は、チャンネル材からなる連結部材12により連結されている(図2参照)。支持板8、クロスメンバ9および支持ブラケット10,11および連結部材12は、固定側支持部材3に対して車両前後方向にスライド可能な可動側支持部材13を構成している。
【0020】
図1に示すように、支持ブラケット10には補助リンク14が、それの上部に車幅方向に貫通するピンP1を介して一定範囲で回動可能に取り付けられている。前記補助リンク14の上下方向中央部に、上アーム(請求範囲のアームに相当する)15が、それの基端部に車幅方向に貫通するピンP2を介して回動可能に取り付けられ、前記補助リンク14の下部に、上アーム15を昇降駆動するためのリフトシリンダ(請求範囲のシリンダに相当し、上アーム15を駆動する駆動機構)16が、それの基端部に車幅方向に貫通するピンP3を介して回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ16の先端は上アーム15の所定位置に車幅方向にピンP4を介して接続されており、リフトシリンダ16の伸縮作動により上アーム15にトルクを付与する。また、支持ブラケット11には、下アーム17が、それの基端部に車幅方向に貫通するピンP5を介して回動可能に取り付けられている。リフトシリンダ16は、例えば単動式の油圧シリンダからなる。
【0021】
上アーム15および下アーム17の先端部には、車幅方向に挿通されるピンP6,P7により荷受台19が水平に取り付けられており、上アーム15および下アーム17は、それらの支点および作用点を結ぶ四角形が平行四辺形となる平行リンク機構を構成し、リフトシリンダ16の伸縮作動により、その先端側を昇降作動させる。補助リンク14、上アーム15、リフトシリンダ16および下アーム17は、左右一対設けられて、平行4連リンク機構を構成し、荷受台19を昇降させるアーム式の昇降機構18を構成している。
【0022】
各上アーム15は、図7図9に示すように、荷受台19を昇降可能に連結する前後方向に長い左右一対の板状のアーム部15A,15Aと、左右一対のアーム部15A,15Aを左右方向で連結し、かつ、アーム部15A,15Aの前後方向略全長に亘る長さに構成された1枚の連結板15Bと、を備えている。連結板15Bは、それら左右方向両端面がアーム部15A,15Aの内面にそれぞれ当接した状態で溶接等により連結されている。各アーム部15Aは、荷受台昇降装置1の格納姿勢において基端部側(前端側)ほど上方に位置する傾斜板部15aと先端側(後端側)ほど上下方向の高さ(幅)が小さくなる先端板部15bと、傾斜板部15aと先端板部15bとの間に位置し、上下方向の高さ(幅)が最も大きい中間部15cと、先端板部15bの先端から斜め上方に延びる延出板部15dと、を備えている。前記のように、上アーム15が、左右一対の板状のアーム部15A,15Aと、左右一対のアーム部15A,15Aを左右方向で連結し、かつ、アーム部15A,15Aの前後方向略全長に亘る長さに構成された連結板15Bと、を備えているので、上アーム15の強度アップを図ることができ、車両後方からの衝突荷重によるアームの変形を抑制することができる。
【0023】
各傾斜板部15aは、基端側(前端側)にピンP2が貫通する円形の貫通孔K2が形成されている。また、各傾斜板部15aの外面には、貫通孔K2の周囲を覆って傾斜板部15aの強度を高めるためのプレート30が傾斜板部15aに溶接されている。プレート30には、ピンP2が貫通する貫通孔(傾斜板部15aの貫通孔K2と同じ大きさの孔)30Aが形成されている。
【0024】
各先端板部15bの先端側(後端側)には、左右一対のアーム部15A,15Aを連結するための円筒状の連結パイプ31が貫通する円形の貫通孔31Kが形成されている。また、各先端板部15bには、前記貫通孔31Kよりも基端側(前端側)位置にピンP4が貫通する貫通孔K4が形成され、該貫通孔K4には、ボス部32が内嵌固定されている。
【0025】
延出板部15dには、円筒状のボス部33を貫通する貫通孔K6が形成され、ボス部33の両端に内嵌されたブッシュ34,34を介してピンP6が軸支されている。ボス部33に挿通する前記ピンP6によりアーム部15A,15Aの一端部(先端部)と荷受台19とが貫通されて両者が連結される。
【0026】
連結板15Bは、アーム部15A,15A間を塞ぐ左右幅を有し、連結板15Bの前後方向一端部(先端部)が前記ボス部33の下端に溶接等により連結され、前後方向他端部(基端部)が貫通孔K2の下端まで延びる長さを有している。連結板15Bは、貫通孔K2の下端から先端側へ向かって真っすぐ延びる第1直線部151と、第1直線部151の先端から緩やかに斜め上方へ向かうように湾曲した湾曲部152と、湾曲部152の先端からボス部33の下端まで延びる第2直線部153と、を備えている。このように第1直線部151と第2直線部153とを湾曲部152で連結することによって、連結板15B自体の強度低下を抑制することができる。また、前記のように、ボス部33に連結板15Bの一端部を連結することによって、特に後方から荷受台19への衝突荷重をボス部33を介してピンP6に伝達できるので、上アーム15の変形を抑制しやすい。
【0027】
また、連結板15Bは、左右一対のアーム部15A,15Aの上側同士を連結するように設けられ、連結板15Bと左右一対のアーム部15A,15Aとで形成される空間Sに、前記リフトシリンダ16の少なくとも一部(図1では、ほとんどの部分)が収容されている(図9参照)。このように、連結板15Bを、左右一対のアーム部15A,15Aの上側同士を連結するように設けることによって、連結板15Bと左右一対のアーム部15A,15Aとで空間Sを形成することができ、その空間Sにリフトシリンダ16の少なくとも一部が収容することで、荷受台昇降装置1の小型化を図ることができる。尚、連結板15Bの基端部側の上面に上アーム15の反時計回りの揺動角度を規制するためのストッパー35(図1図2参照)を備えている。このストッパー35が、支持ブラケット10に当接することにより、上アーム15の反時計回りの揺動が阻止される(図1図2参照)。
【0028】
荷受台19は、上アーム15および下アーム17の先端に水平に取り付けられたメインプレート(基部荷受台)191と、これに対して折り畳み・展開可能に接続されたサブプレート(先部荷受台)192と、メインプレート191とサブプレート192とを連結する連結部193とを備えている。連結部193は、一端部がメインプレート191の先端部に回動可能に連結されるとともに、他端部がサブプレート192の基端部に回動可能に連結されたヒンジ(図示せず)を有する。
【0029】
以上の構成により、図1図3に示すように、格納時にはメインプレート191上にサブプレート192が折り畳まれる。また、図4図6に示すように、使用時にはサブプレート192が展開されることで、荷受台19には、メインプレート191の上面からサブプレート192の上面へ連続した荷受面19a(図6参照)が構成される。この荷受面19aには荷箱Bに対して積み降ろしされる荷物が載置される。
【0030】
このように荷受面19aが構成された状態でリフトシリンダ16を伸縮駆動させると、荷受台19を、荷箱Bの床面(図示しない)と荷受面19aとが略同一の高さ位置となる上昇位置(図6に2点鎖線で示す上側の位置)と、地面に接地した接地位置(図6に実線で示す下側の位置)との間で昇降させることができる。これにより、荷箱Bの後方において荷受台19を昇降させることで、貨物車両Vの荷箱Bに対して荷物を積み降ろすことができる。
【0031】
前述の左右一対の支持板8のそれぞれには、後方へ突出するようにローラ取付板20が取り付けられ、その後端にガイドローラ21が回転自在に取り付けられている。このガイドローラ21に、サブプレート192の先端を乗せることができる。
【0032】
次に、荷受台昇降装置1を前方位置と後方位置との間でスライド(前後移動)させるスライドシリンダ(前後駆動装置)22について説明する。図2は、スライドシリンダ22が最収縮した状態に対応している。図4図6は、スライドシリンダ22が最伸長した状態に対応している。
【0033】
スライドシリンダ22は、図2に示すように、車幅方向において左右のスライドレール4の間に配置された左右一対のシリンダ23,23にて構成されている。各シリンダ23は、例えば複動式の油圧シリンダからなる。左右のシリンダ23,23は、その前後両端部が互いに前後逆向きに配置され、前後位置にて一体的に連結されている。
【0034】
以上の構成により、図1図3に示す状態で格納されている荷受台19を使用する場合には、スライドシリンダ22を伸長作動により後方へスライドさせ、後方位置まで後退させる。次に、リフトシリンダ16を収縮作動させると、上アーム15および下アーム17が下方回動し、メインプレート191が着地する。このときサブプレート192はその先端がガイドローラ21に乗っているため、サブプレート192は連結部193を中心に、図5の時計回り方向に回動する。
【0035】
次に、サブプレート192を手で起こしてメインプレート191の後方に水平に倒伏させる。このようして荷受台19が水平に展開される。この状態で、リフトシリンダ16を伸長作動させると、荷受台19を水平に維持したまま、図6の上側に2点鎖線で示す上昇位置まで荷受台19を上昇させることができる。また、上昇位置からリフトシリンダ16を収縮作動させれば、荷受台19を元の位置まで下降させることができる。
【0036】
なお、下アーム17が着地してからさらにリフトシリンダ16を収縮作動させると、補助リンク14の作用により荷受台19はその先端(後端)を下げるようにチルト作動して、図6の下側に示すように地面に沿う。これにより、例えば、図示しないキャスタ付きのカート(荷物)を荷受台19の後方から前方へ移動させることでカートを荷受面19a上に容易に積み降ろしすることができる。
【0037】
荷受台19を格納するには、下アーム17が着地して荷受台19が水平である状態からサブプレート192を起立させ、さらに、ガイドローラ21に立てかける。次に、上アーム15および下アーム17を上昇させ、サブプレート192を自重によりメインプレート191上に畳み込む。そして、スライドシリンダ22を収縮作動させ、前方位置まで可動側支持部材13、昇降機構18および荷受台19を引き込み、図1図3の格納状態とする。
【0038】
図2に示すように、クロスメンバ9の長手方向の一端部には、荷受台昇降装置1(具体的にはリフトシリンダ16及びスライドシリンダ22)の駆動を制御する制御装置を備えたパワーユニット23が取り付けられている。また、クロスメンバ9の長手方向の他端部には、荷受台19を昇降またはスライドさせるための操作指令を制御装置に出力するためのスイッチボックス25が取り付けられている。
【0039】
なお、本発明に係る荷受台昇降装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の用紙を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0040】
前記実施形態では、連結板15Bの一端をボス部33の下端に当接した状態で溶接等により連結板15Bとボス部33とを連結したが、図10及び図11に示すように構成してもよい。図10では、連結板15Bの一端(後端)をボス部33の上下方向略中央部の外周部に当接した状態で溶接等により連結板15Bとボス部33とを連結し、かつ、連結板15Bの他端(前端)を貫通孔K2の上下方向略中央部の外周部に位置する状態で溶接等により連結板15Bをアーム部15A,15A間に連結してもよい。この連結板15Bは、連結板15Bの他端(前端)から一端側(後端側)に所定の第1角度を持って斜め下方へ真っ直ぐ延びる第1直線部154と、第1直線部154の一端から折り曲げ部155を介して第1角度よりも小さな第2角度で斜め下方へ向かう第2直線部156と、第2直線部156の一端から折り曲げ部157を介して斜め上方へ真っ直ぐ延びる第3直線部158と、を備えている。また、図11では、連結板15Bの一端(後端)をボス部33から下方に離間した位置に配置し、かつ、連結板15Bの他端(前端)を貫通孔K2の下方に離間した位置に配置するように、連結板15Bを設けてもよい。この連結板15Bは、連結板15Bの他端(前端)から一端側に向かうように斜め下方へ真っ直ぐ延びる第1直線部160と、第1直線部160の一端(後端)から湾曲状に折曲がった折り曲げ部161を介して斜め上方斜めに向かうように一端側へ真っ直ぐ延びる第2直線部162と、を備えている。尚、第1直線部160は、第2直線部162よりも長手方向に長い寸法に設定されている。第1直線部160の他端(前端)は、図11の側面視でプレート30にかかる部分にある。また、図示していないが、プレート30を、後端側のボス部33に設けて、第2直線部162の一端(後端)がプレート30に重なり合うようにしてもよい。
【0041】
また、前記実施形態では、上アーム15の一端部(後端部)にのみボス部33を備えたが、図12(a),(b),(c)に示すように、上アーム15のアーム部15Aの他端部(前端部)にもボス部36を備えていてもよい。図12(a),(b),(c)では、アーム部15Aを左右方向視において長方形状に構成し、連結板15Bを左右方向視において前後方向に直線状に延びる直線板から構成しており、アーム部15A及び連結板15Bの形状も自由に変更可能である。図12(a)では、連結板15Bの両端を、ボス部33,36の上下方向中央部の外周面において互いに対向する内側面33N,36Nにそれぞれ当接し、その当接状態で溶接等により連結板15Bの両端とボス部33,36の内側面33N,36Nとを連結している。図12(b)では、連結板15Bの両端部を、ボス部33,36の上下方向下端面33D,36Dにそれぞれ当接し、その当接状態で溶接等により連結板15Bの両端部とボス部33,36の下端面33D,36Dとを連結している。図12(c)では、連結板15Bの両端部を、ボス部33,36の上下方向下端面33D,36Dから下方に離間した位置になるように連結板15Bを配置し、その配置状態で溶接等により連結板15Bを左右一対のアーム部15A,15Aに連結している。
【0042】
また、図13に示すように、左右の上アーム15,15(図13では一方の一端のみ図示している)の左右のアーム部15A,15Aの端部それぞれに、内側に突出するボス部36,36(前記プレート30,30でもよい)を、連結板15Bの端部(図13では前端部)に接するように設けてもよい。尚、前記接する部分を溶接してもよい。
【0043】
また、前記実施形態では、4つのアーム15,15,17,17からなる平行4連リンク機構を示したが、2つのアームからなる平行2連リンク機構であってもよい。
【0044】
また、前記実施形態では、リフトシリンダ16を油圧シリンダから構成したが、エアシリンダ又は電動シリンダであってもよい。
【0045】
また、前記実施形態では、連結板15Bには、孔を形成していなかったが、1個又は複数個の孔を連結板15Bに形成してもよい。その孔は、軽量化を図るため、又はリフトシリンダ16の油圧ホースを通すため、あるいは雨水が連結板15B上に貯まることを防止するために形成される。
【符号の説明】
【0046】
1…荷受台昇降装置、2…車体、3…固定側支持部材、4…スライドレール、5…取付ブラケット、6…連結部材、7…ボルト・ナット、8…支持板、9…クロスメンバ、10,11…支持ブラケット、12…連結部材、13…可動側支持部材、14…補助リンク、15…上アーム、15A…アーム部、15B…連結板、15a…傾斜板部、15b…先端板部、15c…中間部、15d…延出板部、16…リフトシリンダ(駆動機構)、17…下アーム、18…昇降機構、19…荷受台、19a…荷受面、20…ローラ取付板、21…ガイドローラ、22…スライドシリンダ(前後駆動装置)、22…スライドシリンダ、23…シリンダ、24…パワーユニット、25…スイッチボックス、30…プレート、30A…貫通孔、31…連結パイプ、31K…貫通孔、32,33,36…ボス部、33D,36D…下端面、33N,36N…内側面、34…ブッシュ、35…ストッパー、151…第1直線部、152…湾曲部、153…第2直線部、154…第1直線部、155…折り曲げ部、156…第2直線部、157…折り曲げ部、158…第3直線部、160…第1直線部、161…折り曲げ部、162…第2直線部、191…メインプレート(基部荷受台)、191…メインプレート、192…サブプレート(先部荷受台)、193…連結部、B…荷箱、K2,K4,K6…貫通孔、P1~P7…ピン、S…空間、V…貨物車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13