(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】様々な異なる事前硬化された複合ストリンガを支持するための方法及びデバイス
(51)【国際特許分類】
B29C 70/54 20060101AFI20241118BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20241118BHJP
B29C 70/42 20060101ALI20241118BHJP
B29K 101/10 20060101ALN20241118BHJP
B29K 105/08 20060101ALN20241118BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/16
B29C70/42
B29K101:10
B29K105:08
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021025886
(22)【出願日】2021-02-22
【審査請求日】2024-02-19
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ナットソン, サミュエル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ケンダル, ジェームス アール.
(72)【発明者】
【氏名】スリヤアラッチ, ラビエンドラ エス.
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0348919(US,A1)
【文献】特開2017-61135(JP,A)
【文献】特開2011-62846(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0219660(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/00-39/24
B29C 39/38-39/44
B29C 41/00-41/36
B29C 41/46-41/52
B29C 43/00-43/34
B29C 43/44-43/48
B29C 43/52-43/58
B29C 70/00-70/88
B29K 101/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前硬化された複合ストリンガ(190)を支持するための形成後の処理デバイス(100)であって、該複合ストリンガ(190)は前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の間で異なる断面積を有するハット部分(191)を備え、該処理デバイス(100)は、
チャネル幅及びチャネル高さを有するチャネル(112)を備える基部(110)であって、
前記チャネル幅が、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の前記ハット部分(191)の幅より大きく、
前記チャネル高さが、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の前記ハット部分(191)の高さより大きい、基部(110)と、
前記チャネル(112)内を前記チャネル(112)の長さに沿って少なくとも部分的に延びる支持構造体(120)であって、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)のうちの対応する1つが前記形成後の処理デバイス(100)によって支持されるときに、前記ハット部分(191)の各々に一致し、前記ハット部分(191)の各々の断面形状を保持するように構成された支持構造体(120)と、
カバー(130)であって、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)のうちの前記対応する1つが、前記形成後の処理デバイス(100)によって支持されつつ、前記カバー(130)と前記基部(110)との間に位置付けられるように、前記基部(110)に取り付けられるよう構成されたカバー(130)と
を備える、形成後の処理デバイス(100)。
【請求項2】
前記支持構造体(120)は、前記ハット部分(191)の各々に一致するときに、変形するように構成された弾性材料から形成されている、請求項1に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項3】
前記支持構造体(120)が、前記チャネル(112)の側壁で前記基部(110)に取り付けられている、請求項2に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項4】
前記支持構造体(120)が、妨害材料又は塑性変形可能な材料を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項5】
前記基部(110)が、前記チャネル(112)と流体結合され、かつ前記チャネル(112)内部の圧力を制御するように構成された開口部(116)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項6】
前記チャネル(112)と共に前記支持構造体(120)の下に位置付けられる可撓性インサート(140)を更に備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項7】
前記カバー(130)が、前記基部(110)に対して密閉されるように構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス(100)。
【請求項8】
ハット部分(191)を備える事前硬化された複合ストリンガ(190)を形成後の処理デバイス(100)に移送すること(720)とであって、前記形成後の処理デバイス(100)が、
チャネル(112)を備える基部(110)と、
前記チャネル(112)内を前記チャネル(112)の長さに沿って少なくとも部分的に延びる支持構造体(120)であって、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の前記ハット部分(191)に一致し、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の前記ハット部分(191)の断面形状を保持する支持構造体(120)と
を備える、事前硬化された複合ストリンガ(190)を移送すること(720)と、
前記形成後の処理デバイス(100)から前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を取り外すこと(740)と、
追加のハット部分(193)を備える追加の事前硬化された複合ストリンガ(199)を、前記形成後の処理デバイス(100)に移送すること(720)と
を含み、
前記形成後の処理デバイス(100)の前記支持構造体(120)が、前記追加の事前硬化された複合ストリンガ(199)の前記追加のハット部分(193)に一致し、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)の前記ハット部分(191)の前記断面形状とは異なる、前記追加の事前硬化された複合ストリンガ(199)の前記追加のハット部分(193)の断面形状を保持する、方法(700)。
【請求項9】
前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を移送すること(720)が、前記形成後の処理デバイス(100)の前記基部(110)に対して、前記形成後の処理デバイス(100)のカバー(130)を位置付けること(726)を含む、請求項8に記載の方法(700)。
【請求項10】
前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を前記形成後の処理デバイス(100)に移送すること(720)が、前記基部(110)の前記チャネル(112)内部の圧力を制御することを含む、請求項8又は9に記載の方法(700)。
【請求項11】
前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を前記形成後の処理デバイス(100)に移送すること(720)が、前記形成後の処理デバイス(100)の前記支持構造体(120)を伸ばすこと(722)を含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の方法(700)。
【請求項12】
前記形成後の処理デバイス(100)が、前記形成後の処理デバイス(100)から前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を取り外す(740)前に、前記事前硬化された複合ストリンガ(190)を収納する(730)ために使用される、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法(700)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
航空機は、曲げ、ねじり、せん断、及び直接的負荷に抵抗するために、ストリンガなどの様々な構成要素を利用する。ストリンガは、通常、樹脂マトリックスに繊維が埋め込まれたテープ又はファブリックなどを使用して、軽量の複合材から形成される。例えば、複合レイアップは、形成ツールで処理され、形状が画定される。成形された構成要素は、次いで、硬化させるために硬化デバイスに移送される。硬化が完了するまで、ストリンガは、その形状を保持するために十分な支持を必要とする。この形状は、ストリンガごとに変わる断面プロファイルに加えて、面内及び/又は面外の曲げによって画定されることが多い。更に、成形されたストリンガは、硬化前に、トリミング、検査、追加部品の設置などの様々な工程にさらされることがある。この未硬化のストリンガに対する支持は、通常、形成ツール又は硬化ツールのどちらか一方によって提供され、これにより、これらのツールのどちらか一方によってスループットが制限され、全体的な処理速度が低下する。
【0002】
必要とされるのは、形成後かつ硬化前に、様々な異なる事前硬化された複合ストリンガを支持するための新たな方法及びデバイスである。
【発明の概要】
【0003】
形成後かつ硬化前に、様々な異なる事前硬化された複合ストリンガを支持するための方法及びデバイスが提供される。形成後の処理デバイスは、異なるストリンガのハット部分を受けるためのチャネルを有する基部を備える。デバイスはまた、チャネル内を少なくとも部分的に延びる支持構造体を備える。支持構造体は、異なるハット部分に一致し、かつこれらのハット部分の形状を保持するように構成される。例えば、支持構造体は、あらゆる形状変化に一致する可撓性材料から作られる。いくつかの例では、支持構造体は、事前硬化された複合ストリンガの各々と共に再成形される妨害材料から作られる。形成後の処理デバイスは、ストリンガのトリミング、検査、ブラダー及びヌードルの設置といった様々な工程がこれらのストリンガ上で実行される間に、異なる事前硬化された複合ストリンガを支持するために使用される。
【0004】
いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガを支持するための形成後の処理デバイスが提供される。複合ストリンガは、事前硬化された複合ストリンガの間で異なる断面を有するハット部分を備える。形成後の処理デバイスは、基部と、支持構造体と、カバーとを備える。基部は、チャネル幅及びチャネル高さを有するチャネルを備える。チャネル幅は、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の幅より大きい。チャネル高さは、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の高さより大きい。支持構造体は、チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延びる。支持構造体は、事前硬化された複合ストリンガのうちの対応する1つが形成後の処理デバイスによって支持されるときに、ハット部分の各々に一致し、ハット部分の各々の断面形状を保持するように構成される。カバーは、形成後の処理デバイスによって支持されつつ、事前硬化された複合ストリンガのうちの対応する1つがカバーと基部との間に位置付けられるように、基部に取り付けられるよう構成される。
【0005】
また、複合ストリンガを製造する方法が提供される。方法は、ハット部分を備える事前硬化された複合ストリンガを形成デバイス上に形成することと、形成デバイスから形成後の処理デバイスまで事前硬化された複合ストリンガを移送することとを含む。形成後の処理デバイスは、チャネルを備える基部と、チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延び、ハット部分に一致し、ハット部分の断面形状を保持する支持構造体とを備える。方法は、事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、ブラダーを事前硬化された複合ストリンガの上に設置することを更に含む。方法は、事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、ブラダーと事前硬化された複合ストリンガとの間及び基部の支持面の平面内の境界面にヌードルを設置することを含む。方法は、事前硬化された複合ストリンガをブラダー及びヌードルと共に、形成後の処理デバイスから硬化デバイスまで移送することと、事前硬化された複合ストリンガを硬化デバイスの上で硬化させることによって、複合ストリンガを形成することとを更に含む。
【0006】
いくつかの例では、方法は、ハット部分を備える事前硬化された複合ストリンガを形成後の処理デバイスに移送することを含む。形成後の処理デバイスは、チャネル,を備える基部と、チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延び、事前硬化された複合ストリンガのハット部分に一致し、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の断面形状保持する支持構造体とを備える。方法は、続けて、形成後の処理デバイスから事前硬化された複合ストリンガを取り外すことと、追加のハット部分を備える追加の事前硬化された複合ストリンガを、形成後の処理デバイスに移送することとを含む。形成後の処理デバイスの支持構造体は、追加の事前硬化された複合ストリンガの追加のハット部分に一致し、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の断面形状とは異なる追加の事前硬化された複合ストリンガの追加のハット部分の断面形状を保持する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】複合ストリンガを製造するプロセスフローチャートである。
【
図1B】本開示の他の例による複合ストリンガを製造するプロセスフローチャートである。
【
図2A】本開示のいくつかの例による、可撓性の支持構造体を備える形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの例による、事前硬化された複合ストリンガのハット部分に一致する可撓性の支持構造体を示す、
図2Aの形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図2C】本開示のいくつかの例による、基部に対して密閉され、事前硬化された複合ストリンガを包囲するカバーを示す、
図2A-2Bの形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図2D】本開示のいくつかの例による、両者がチャネル内に位置付けられた可撓性の支持構造体及び可撓性インサートを含む形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図2E】本開示のいくつかの例による、テーパ型チャネルを示す形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図2F】本開示のいくつかの例による、ブラダーシールを示す形成後の処理デバイスの概略上面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの例による、妨害材料から作られた事前形成された支持構造体を備える形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図3B】本開示のいくつかの例による、事前硬化された複合ストリンガに係合する可撓性の支持構造体を示す、
図3Aの形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図3C】本開示のいくつかの例による、基部に対して密閉され、事前硬化された複合ストリンガを包囲するカバーを示す、
図3A-3Bの形成後の処理デバイスの概略断面図である。
【
図4】本開示のいくつかの例による、複合ストリンガの製造方法に対応するプロセスフローチャートである。
【
図5A】本開示のいくつかの例による、形成基部の処理面に配置され、空洞の上を延びる積層レイアップの概略図である。
【
図5B】本開示のいくつかの例による、形成デバイスによって事前硬化された複合ストリンガに成形された積層レイアップの概略図である。
【
図5C】本開示のいくつかの例による、形成後の処理デバイスによって支持される事前硬化された複合ストリンガの概略図である。
【
図5D】本開示のいくつかの例による、事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスによって支持される間に、事前硬化された複合ストリンガ内に設定されるブラダーの概略図である。
【
図5E】本開示のいくつかの例による、事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスによって支持される間に、ブラダーと事前硬化された複合ストリンガとの間の境界面に設置されるヌードルの概略図である。
【
図5F】本開示のいくつかの例による、形成後の処理デバイスの基部に対して密閉されるカバーの概略図である。
【
図5H】本開示のいくつかの例による、ブラダー及びヌードルと共に硬化デバイスに移送される事前硬化された複合ストリンガの概略図である。
【
図5I】本開示のいくつかの例による、硬化デバイスから取り外される複合ストリンガの概略図である。
【
図5J】本開示のいくつかの例による、形成後の処理デバイスによって支持される追加の事前硬化された複合ストリンガの概略図である。
【
図6】A及びBは、本開示のいくつかの例による、面内曲げを示す形成後の処理デバイスの上面概略図である。
【
図7】本開示のいくつかの例による、形成後の処理デバイスの事前硬化された複合ストリンガを支持する方法に対応するプロセスフローチャートである。
【
図8】航空機の製造及び保守方法に対応するプロセスフローチャートである。
【
図9】本開示のいくつかの例による、航空機の例のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
下記の説明では、提示されている概念の網羅的な理解を提供するために、多数の具体的な詳細事項を明示する。いくつかの例では、提示された概念が、これら詳細の一部又はすべてを含むことなく実践されている。その他の点では、記載の概念を不必要に分かりにくくしないように、周知のプロセス工程については詳細に説明していない。一部の概念は具体例を踏まえて説明されるが、これらの例は限定を意図するものではないと理解されよう。
【0009】
序論
複合ストリンガ及び他の成形された複合構造体は、航空機、陸上車両など、多くの用途に使用される。これらの複合構造体の製造には、トリミング、検査、ブラダーの設置といった、事前硬化され成形された構成要素の様々な取扱及び処理が含まれる。硬化前に、これらの成形された構成要素には、形状を保持するのに十分な支持が必要であるが、これらの事前硬化された構成要素の形状及びサイズの違いのために、困難となりうる。例えば、現代の航空機は何百もの異なる複合ストリンガを使用するが、これらは、異なるサイズ、断面形状、面内曲げ及び/又は面外曲げを有している。これらの複合ストリンガの各タイプに専用の支持体を提供することは、困難で費用がかかり、更に、複合ストリンガの製造に使用されるすでに多数の専用ツールに、この専用の支持体が追加されることになる。
【0010】
図1A-1Bは、複合ストリンガと、様々な工程に使用される対応するツールとを製造する異なる例を示す、2つのプロセスフローチャートである。
図1A-1Bは、主要な構成要素、ツール、及びステップの内容と一般的な概要を提供するために提示される。両方の例において、プロセスは、形成デバイス510で開始し、複合レイアップ502を成形することによって、事前硬化された複合ストリンガ190を形成する。硬化デバイス540は、次いで、事前硬化された複合ストリンガ190を硬化させることによって、複合ストリンガ198を形成する。事前硬化された複合ストリンガ190及び複合ストリンガ198は、形状は概して同一であるが、異なる材料及び機械特性を有している。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190の樹脂は、完全に架橋されていないか、又は複合ストリンガ198の樹脂ほど架橋されていない。よって、事前硬化された複合ストリンガ190は、なおも変形することができ、硬化前に支持を必要とする。
【0011】
形成デバイス510と硬化デバイス540との両方は、特に、複合ストリンガ198の特定の設計を収容するように成形される。したがって、形成工程完了後かつ硬化工程開始前に、事前硬化された複合ストリンガ190を支持するために、形成デバイス510と硬化デバイス540のどちらか一方又は両方を使用することができ、これは
図1Aに示す例に対応している。しかしながら、この手法は、これらのデバイスのコア機能ではない工程のために、形成デバイス510と硬化デバイス540の一方又は両方を占有する。更に、これらの工程の多くと事前硬化された複合ストリンガ190の収納でさえもが、著しい時間を要しうる。結果として、形成デバイス510と硬化デバイス540と一方又は両方のスループットが、これらの中間工程及び事前硬化された複合ストリンガ190に関連する収納によって限定される可能性がある。
【0012】
図1Bを参照すると、形成後の処理デバイス100は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成/成形された後に、事前硬化された複合ストリンガ190を受けるために使用される。形成後の処理デバイス100はまた、硬化工程まで、事前硬化された複合ストリンガ190を支持するためにも使用される。形成後の処理デバイス100は、形成デバイス510及び硬化デバイス540を効果的に軽減し、それらの処理スループットを増加させる。形成後の処理デバイス100は、事前硬化された複合ストリンガ190上で実行される様々な工程に使用され、いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガ190を収納するために使用される。
【0013】
しかしながら、形成後の処理デバイスが各特定の複合ストリンガの形状を収容するために特別かつ恒久的に成形される場合、次に、そのような形成後の処理デバイスの数は、異なるストリンガの数と同一となるだろう。この手法は、スペースとコストの節約の観点からは望ましくなく、多数の追加のツールが必要になることにより、プロセス全体が複雑になりうる。更に、形成後の処理デバイスは、特別かつ恒久的に成形され、設計のバリエーションにより、常に積み重ねることができるわけではなく、収納が複雑になる。供給基盤が形成後の処理デバイスの複雑さに基づき制限されることにも留意すべきである。また、3-D形状により、ストリンガを往復させるための複雑さが増大する。最終的には、3-D形状により、重量が増える可能性があり、保守を含む様々な理由から手動操作が抑制されることになる。
【0014】
複合ストリンガの設計のバリエーション、より具体的には、事前硬化された複合ストリンガ190の異なる例が、
図1C-1Eに示されている。各例では、事前硬化された複合ストリンガ190はフランジ部分196を備え、接触面197が画定される。接触面197は、事前硬化された複合ストリンガ190から形成される複合ストリンガを、他の構成要素(例えば、航空機の複合外板)に連結するために使用される。これらの他の構成要素は、接触面197の形状を画定する。いくつかの例では、接触面197は平面である。代替的には、接触面197、より一般的には、ストリンガ全体が、面外曲げを有している。
【0015】
事前硬化された複合ストリンガ190の各々はまた、ハット部分191を備え、ハット部分191は、相互接続しフランジ部分196の間に配置される。ハット部分191は、接触面197から離れるように延び、ストリンガ空洞192を画定する。ハット部分191は、ハット部分191の高さ(H)によって画定され、ハット部分191の高さ(H)は、接触面197からの最大偏差として画定される。ハット部分191はまた、ハット部分191の幅(W)によって画定され、ハット部分191の幅(W)は、フランジ部分196の間の間隙として画定される。
【0016】
図1Cを参照すると、いくつかの例では、ハット部分191は真っ直ぐな壁によって形成される。代替的には、いくつかの例では、ハット部分191は、例えば、
図1Eに示されるように、連続的に湾曲した壁によって形成される。
図1Dは、ハット部分191が真っ直ぐな壁と湾曲した壁の組み合わせによって形成される例を示す。
図1C-1Eは、これらの図に示される事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100からの異なるタイプの支持を必要とすることを図解している。更に、
図1C-1Eは、事前硬化された複合ストリンガ190が積み重ねられないことを示している。したがって、これらの事前硬化された複合ストリンガに恒久的に剛性のある支持体が使用されている場合、これらの支持体も積み重ねられないことになる。事前硬化された複合ストリンガを区別する目的で、
図1Eに示す例は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199と呼ばれることがある。同一の形成後の処理デバイス100を使用して異なるタイプの事前硬化された複合ストリンガを処理することが、
図4を参照して以下に記載される。
【0017】
記載の方法及びデバイスは、様々な異なる事前硬化された複合ストリンガ(
図1A-1Cに示す事前硬化された複合ストリンガなど)を支持するために使用される。より具体的には、同一の形成後の処理デバイスは、事前硬化された複合ストリンガをそれらのハット部分の異なる断面プロファイルで支持するように構成される。特に、形成後の処理デバイスは、チャネルと、チャネル内を少なくとも部分的に延びる支持構造体とを備える。支持構造体は、事前硬化された複合ストリンガの様々に成形されたハット部分の各々に一致し、支持しつつ、これらのハット部分の形状を保持するように構成される。いくつかの例では、支持構造体は、ハット部分のいかなる形状にも一致する可撓性材料から作られる。代替的には、支持構造体は、妨害材料から作られ、事前硬化された複合ストリンガの各々と共に再成形される。
【0018】
本開示の例の範囲内において、開示された形成後の処理デバイスが、様々な事前硬化された複合ストリンガを支持するために使用される一方で、ストリンガのトリミング、検査、ブラダー及びヌードルの設置などの様々な工程が、これらのストリンガ上で実行される。更に、いくつかの例では、開示された形成後の処理デバイスは、事前硬化された複合ストリンガを収納するために使用される。全体的に、開示された形成後の処理デバイスをプロセスのフロー全体に追加することにより、形成デバイス及び硬化デバイスなどの他のデバイスの処理スループットを増加させることができる。全体的に、開示された形成後の処理デバイスは、これらの形成後の処理デバイスを用いて、形成デバイスと硬化デバイスとの間の間隙をマージすることによって、ストリンガ設置の高速自動化を提供する。
【0019】
開示された方法はまた、位置合わせフィッティングを組み込み、行き止まりのフィッティングのためにストリンガとブラダーの間の適切な位置合わせを確実にする。ブラダーのオフセットにより、硬化中の適切な支持と機能性の提供を支援する。例えば、場合によっては、ブラダーが部品のエッジ内部で終端する。特定の例は、ドア構造、窓構造、及び収束構造(例えば、先の尖った端を有する航空機構造)を含む。
【0020】
空洞はストリンガの形成に使用されるツールであり、ストリンガ及びブラダーの両方を収容することに留意すべきである。ブラダーがストリンガを通過して延びない場合、ブラダーは、干渉する、又はツール内部に許容できないほど大きな間隙を残すことになる。ブラダーは装備段階でストリンガに位置合わせされロックされるため、後の段階での再作業を回避するために、ブラダーが正しい位置にインデックス付けされることが有益である。
【0021】
加えて、いくつかのブラダーは、対応するストリンガへの挿入前に、これらのブラダー周囲に巻かれる材料の1つ又は複数の層を受け取る。いくつかの例では、これらのアセンブリは、ガラスプライを含み、このガラスプライは、ストリンガ内部に腐食保護を追加するために、ストリンガの端に位置合わせされる。他の例では、このアセンブリは、炭素ラップを含み、ストリンガに強度を加える。これらの後の例では、ブラダーラップがストリンガと位置合わせされる。
【0022】
形成後の処理デバイスの例
図2Aは、いくつかの例による、事前硬化された複合ストリンガ190を支持するための形成後の処理デバイス100の概略断面図である。形成後の処理デバイス100は、基部110と、支持構造体120と、オプションで、カバー130とを備える。いくつかの例では、形成後の処理デバイス100は、カバー130を有していないか、又は少なくとも、カバー130を含まずに、いくつかの工程で使用される。
【0023】
基部110は、炭素繊維、アルミニウム、引抜成形されたポリエステル/ガラス溶液などの硬質材料から形成されている。基部110は、支持面114を備え、カバー130が存在するときには、カバー130に面する。支持面114は、カバー130に対して密閉され、いくつかの例では、1つ又は複数の密閉特徴を含む。形成後の処理デバイス100の動作中に、支持面114は、支持面114とカバーとの間でフランジ部分196を圧縮することなどによって、ストリンガ190のフランジ部分196を支持するために使用される。いくつかの例では、支持面114は平面である。概して、支持面114は、ストリンガ190のフランジ部分196の形状に一致する。
【0024】
基部110はまた、基部110を通って部分的に延び、すき間113を有するチャネル112を備える。すき間113は、支持面114の2つの部分を分離する。
図2Aに示すように、チャネル112は、チャネル幅(CW)及びチャネル高さ(CH)を有している。チャネル幅(CW)は、支持面114に平行な方向に(Y軸に沿って)測定される。チャネル高さ(CH)は、支持面114に直角な方向に(Z軸に沿って)測定される。いくつかの例では、チャネル幅(CW)は、基部110の長さに沿って(X軸(例えば、
図2Fを参照))一定である。いくつか例の又は他の例では、チャネル高さ(CH)は、基部110の長さ(X軸)に沿って一定である。いくつかの例では、チャネル幅(CW)は、例えば
図2Aに示すように、チャネル高さ(Z軸)に沿って一定である。このタイプのチャネル112は、真っ直ぐなチャネルとも呼ばれうる。代替的には、チャネル幅(CW)は、例えば
図2Eに示すように、チャネル高さ(Z軸)に沿って異なる。この例では、チャネル幅(CW)はすき間113で最も大きい。このタイプのチャネル112は、テーパ型チャネルと呼ばれることがあり、形成後の処理デバイス100を積み重ねることができるようにする。
【0025】
チャネル112は、形成後の処理デバイス100を使用して、事前硬化された複合ストリンガ190が支持されるときに、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191を収容するために使用される。
図2Bを参照すると、ハット部分191がチャネル112内に突出する一方で、フランジ部分196は支持面114上に静止する。同一の形成後の処理デバイス100が、異なる形状及びサイズのハット部分191を有しうる異なるタイプの事前硬化された複合ストリンガ190を支持するために使用されることに留意すべきである。よって、チャネル幅(CW)は、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の幅より大きく、又は、より具体的には、形成後の処理デバイス100上で処理される、すべての事前硬化された複合ストリンガ190の間で、最も幅広いハット部分191の幅より大きい。本開示の目的のために、ハット部分191の幅は、例えば、ハット部分191がテーパ型又は湾曲した断面を有しているときなどに、最大の幅として画定される。更に、チャネル高さは、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の高さより大きいか、又は、より具体的には、より具体的には、形成後の処理デバイス100上で処理される、すべての事前硬化された複合ストリンガ190の間で、最も高いハット部分191の高さより高い。概して、チャネル112の断面プロファイルは、形成後の処理デバイス100を使用して処理される、ストリンガ190のいずれのハット部分191を収容するのに十分である。
【0026】
図2A-2Cは長方形のチャネル112の断面プロファイルを示しているが、
図2Eに示すテーパ型プロファイル、半円形プロファイルといった、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191を収容可能な任意の断面プロファイルが、本開示の範囲内にある。いくつかの例では、チャネル112の断面プロファイルは、ハット部分191の断面プロファイルに対応し、例えば、両方がテーパ型になっている。
【0027】
図2Aを参照すると、支持構造体120は、チャネル112内をチャネル112の長さに沿って少なくとも部分的に延びる。いくつかの例では、支持構造体120は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100によって支持され、形成後の処理デバイス100を使用して処理されるときに、各ハット部分191に一致し、そのハット部分191の断面形状を保持するように構成される。同一の支持構造体120が異なるタイプ及びプロファイルのハット部分191に使用されることに留意すべきである。支持構造体120は、十分な支持を提供しつつ、これらの異なるタイプ及びプロファイルに一致することができる。
【0028】
いくつかの例では、支持構造体120は、異なるタイプのハット部分191に一致するときに、形状を変えるように構成された弾性材料から形成される。適切な弾性材料のいくつかの例は、限定されないが、ラテックス、シリコーン(例えば、過酸化物又は白金硬化ケイ素など)、及びその他の類似材料を含む。材料の選択に関するいくつかの考慮事項には、重量、洗浄性、耐溶剤性、剛性、引き裂き強度、破損までの伸び、及び硬度が含まれる。
【0029】
いくつかの例では、支持構造体120は、チャネル112の側壁で基部110に取り付けられ、例えば、
図1Aに概略的に示される。これらの例では、支持面114は、露出されたままであり、事前硬化された複合ストリンガ190のフランジ部分196との連結に利用可能である。要するに、フランジ部分196が支持面114上に位置するときに、例えば、支持面114とカバー130との間で圧縮されるときに、支持構造体120は連結されることはない。これらの例が、
図2A-2Bに概略的に示されている。
【0030】
いくつかの例では、支持構造体120は、妨害材料又は塑性変形可能な材料を含む。本開示の目的のため、妨害材料は、ある状態でその形状を変え、別の状況でその形状を保持することができる材料として定義される。より具体的には、支持構造体120は、事前硬化された複合ストリンガ190の1つと共に形成され又は共に成形され、次いで、このストリンガを支持しつつ、このストリンガの形状を保持する。例えば、支持構造体120の形状は、最初は、事前硬化された複合ストリンガ190の形状と異なる。この段階では、事前硬化された複合ストリンガ190がまだ形成されていないことに留意すべきである。支持構造体120と複合レイアップの両方が、形成デバイスに搬入され、これらの様々な例が以下に記載される。事前硬化された複合ストリンガ190が形成されている間に、支持構造体120の形状が調整される。ゆえに、支持構造体120は、事前硬化された複合ストリンガ190と共に形成され又は共に成形される。
【0031】
この形状は、この特定のストリンガを支持しつつ、形成後の処理デバイス100の様々な動作中に、支持構造体120によって保持される。いくつかの例では、同一タイプの複数のストリンガ(例えば、ハット部分の同一の断面形状)を処理しつつ、形状が保持される。異なるタイプのストリンガが支持されるときには、例えば、その他のストリンガと共に形成又は成形することによって、支持構造体120の形状が変化する。これらの例が、
図3A-3Bに概略的に示されている。
【0032】
図3Aを参照すると、いくつかの例では、支持構造体120は、基部110の支持面114の上かつチャネル112の外側に延びる支持フランジ124を備える。チャネル112内に延び、ストリンガ190のハット部分191を支持する支持構造体120の一部に類似して、支持フランジ124は、特に、ストリンガ190のフランジ部分196を支持するように成形される。いくつかの例では、支持フランジ124の形状は、支持面114の形状とは異なる。したがって、同一の形成後の処理デバイス100は、異なる形状のフランジ部分と共にストリンガを支持するように使用されうる。
【0033】
いくつかの例では、支持構造体120は、基部110から取り外し可能である。例えば、支持構造体120は、例えば、支持構造体120が妨害材料から作られるときに、支持構造体120の形状を変えるために、基部110から取り外される。いくつかの例では、異なるタイプの支持構造体120は、同一の基部110と共に使用される。
【0034】
カバー130は、基部110に取り付けられるように構成され、事前硬化された複合ストリンガ190のうちの対応する1つが、形成後の処理デバイス100により支持されつつ、カバー130と基部110との間に位置付けられる。より具体的には、事前硬化された複合ストリンガ190のフランジ部分196が位置付けられ、いくつかの例では、例えば、
図3Cに概略的に示すように、カバー130と支持面114との間で圧縮される。カバー130は、基部110に対して密閉されるように構成される。特に、カバー130は、シール受容部115と係合する真空シール132を備える。
【0035】
いくつかの例では、基部110は、チャネル112と流体結合された開口部116を備え、チャネル112内部かつ支持構造体120の下の圧力を制御するように構成される。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191がチャネル112何に挿入され、支持構造体120に係合するときに、又はより具体的には、ハット部分191が支持構造体120をチャネル112内により深く推すことにより、支持構造体120下の体積を低下させるときに、開口部116が、支持構造体120下の圧力を環境内と同一にするために使用される。
【0036】
いくつかの例では、形成後の処理デバイス100は、例えば
図2Dに示すように、可撓性インサート140を更に備える。可撓性インサート140は、チャネル112と共に支持構造体120の下に位置付けられ、追加の支持体をハット部分191に提供するために使用される。可撓性インサート140により、非常に可撓性があり、例えば、支持構造体120が可撓性インサート140を含まずに使用されるときよりも、ハット部分191のより大きなバリエーションに一致可能である支持構造体120を使用できるようになる。いくつかの例では、可撓性インサート140は、エラストマーゴム(例えば、MOSITES(登録商標)ゴム)、ラテックス、又は類似のものから作られる。
【0037】
図2Fを参照すると、いくつかの例では、形成後の処理デバイス100は、開口部ブラダーシール180と、行き止まりブラダーシール182とを備える。
図5D-Eを参照して以下に更に記載されるブラダー520は、例えば、シリコーン(VITON(登録商標))又は他の類似の材料から作られるチューブであることに留意すべきである。いくつかの例では、ブラダー520の材料は、補強されるか又は層状にされる。処理中に、ブラダー520は、硬化中にオートクレーブ雰囲気に放出され、任意の圧縮/真空バッグ中に周囲雰囲気に放出される。よって、いくつかの例では、ブラダー520の一端は、通気穴を有するフィッティングを備える。
図2Fに示す開口部ブラダーシール180は、ブラダー520が形成後の処理デバイス100の内部にあるときに、このフィッティングに連結し、ブラダー520を放出できるようにする。いくつかの例では、形成後の処理デバイス100は、両端に開口部ブラダーシールを備える。
【0038】
複合ストリンガ製造方法の例
図4は、いくつかの例による、複合ストリンガ198(例えば、
図1Bを参照)を製造する方法400に対応するプロセスフローチャートである。複合ストリンガ198は、複合ストリンガ198を形成するために使用される中間構造体である事前硬化された複合ストリンガ190と区別されるべきである。よって、いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガ190及び複合ストリンガ198は、同一のサイズ及び形状を有している。したがって、
図1C-1Eは、事前硬化された複合ストリンガ190と複合ストリンガ198の両方を表している。いくつかの例では、複合ストリンガ198は、強化複合材料とも呼ばれうる繊維強化複合材料を含む。このタイプの材料は、1つ又は複数の不均一なポリマーベース成分及び1つ又は複数の非ポリマーベース成分(例えば、炭素繊維)を含む。方法400は、
図4及び
図5A-Hを参照して、以下により詳細に記載される。
【0039】
方法400は、例えば、複合レイアップ502を使用して、事前硬化された複合ストリンガ190を形成すること(ブロック410)を含む。この工程は、形成デバイス510(
図5A-5B)を使用して実行されるが、この形成デバイス510は、後の工程(
図5C-5Fに示す)で使用される形成後の処理デバイス100とは異なる。上記のように、形成後の処理デバイス100は、形成デバイス510のスループットを増加させるが、これは、様々な後の工程が形成後の処理デバイス100を使用して実行されるためである。
【0040】
いくつかの例では、複合レイアップ502は、プリプレグと呼ばれうる未硬化の事前に含浸された強化テープ又はファブリックを含む。テープ又はファブリックは、ポリマー、より具体的にはエポキシ又はフェノール樹脂などのマトリックス材料内に埋め込まれた、グラファイト繊維などの繊維を含む。いくつかの例では、テープ又はファブリックは、もたらされる複合ストリンガ198に望まれる設計及び強化の程度に応じて、単方向であるか又は織物である。
【0041】
形成工程(ブロック410)中に、複合レイアップ502は、例えば
図5Aに示されるように、形成デバイス510の上に位置付けられる。いくつかの例では、例えば、支持構造体120が事前硬化された複合ストリンガ190と共に形成されるときに、支持構造体120が、複合レイアップ502と形成デバイス510との間に位置付けられる。これらの例が、ブロック412を参照して以下に更に記載される。形成デバイス510は、形成空洞512と共に形成基部511を備え、事前硬化された複合ストリンガのハット部分191の形状を画定する。
図5Bを参照すると、形成デバイス510はまた、形成ダイ513を備え、形成ダイ513が、複合レイアップ502の一部を形成空洞512内に押し込み、形成空洞512の壁に押し付ける。
【0042】
この工程が完了すると、複合レイアップ502が、事前硬化された複合ストリンガ190に形成される。事前硬化された複合ストリンガ190は、ハット部分191を備え、ハット部分191は、形成ダイ513と形成空洞512の壁との間に配置される。事前硬化された複合ストリンガ190はまた、フランジ部分196を備え、フランジ部分196は、形成空洞512の外側に延び、例えば、形成基部511の形成表面514に一致する。いくつかの例では、形成ダイ513は、特別に構成されたブラダーを備え、フランジ部分196を押す。これらのブラダーは、ハット部分191の形成前に、加圧され、フランジ部分196に接触し、いくつかの例では、異なる圧力レベルに達し、ハット部分191が形成されている間に、複合レイアップ502が形成表面514上を滑ることができる。
【0043】
いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガ190を形成デバイス上で形成することは、形成後の処理デバイス100の支持構造体120を形成すること(ブロック412)を含む。例えば、支持構造体120は、妨害材料を含み、その様々な例及び特徴は上記のとおりである。いくつかの例では、支持構造体120は、事前硬化された複合ストリンガ190とは別個の工程で成形される。代替的には、支持構造体120及び事前硬化された複合ストリンガ190は、同一の全体工程で共に形成され又は共に成形される。例えば、ブロック412により表される工程は、
図4に示すように、ブロック410により表される工程の一部である。要するに、支持構造体120は、複合レイアップ502と共に形成デバイス510内に置かれる。この段階で、支持構造体120の形状は、事前硬化された複合ストリンガ190の形状と異なり、形成デバイス510の上で形成され、形成デバイス510により画定されることになる。例えば、支持構造体120は、以前は、異なる形状を有する別の事前硬化された複合ストリンガを支持するために使用されていた。ブロック410及びブロック412によって表される並行工程の間に、事前硬化された複合ストリンガ190が形成される一方で、支持構造体120もまた、共に形成され又は共に成形される。この支持構造体形成工程(ブロック412)はまた、変形工程とも呼ばれうる。
【0044】
いくつかの例では、方法400はまた、事前硬化された複合ストリンガ190をトリミングすること、例えば、事前硬化された複合ストリンガ190の一部を切断することを含む。例えば、切断には、超音波ナイフが使用される。
【0045】
方法400は、事前硬化された複合ストリンガ190を形成デバイス510から形成後の処理デバイス100まで移送すること(ブロック420)で続行する。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190を形成デバイス510から形成後の処理デバイス100まで移送することが、
図5B-5Cに示される。形成後の処理デバイス100の様々な例は、上記のとおりである。いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガ190は、支持されずに移送される。代替的には、事前硬化された複合ストリンガ190は、支持構造体120と共に移送される。
【0046】
いくつかの例では、移送工程は、基部110のチャネル112内部の圧力を制御することを含む。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191をチャネル112に挿入することにより、例えば、開口部116を通して、チャネル112からの空気の変位が起こりうる。
【0047】
いくつかの例では、移送工程は、形成後の処理デバイス100の支持構造体120を伸ばすこと(ブロック422)を含む。これらの例では、支持構造体120は、ハット部分がチャネル112内に挿入される際に、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の形状に一致する弾性材料から形成される。より具体的には、弾性材料は、ハット部分191の各々に一致するときに変形するように構成される。上記のように、いくつかの例では、ハット部分191は、異なる断面形状を有している。例えば
図2A-2Bに示すように、この支持構造体120の伸び特徴により、異なるサイズのハット部分191で事前硬化された複合ストリンガ190を支持できるようになる。
【0048】
いくつかの例では、移送工程は、形成後の処理デバイスの形状100を調整すること(ブロック424)を含む。
図6A-6Bは、第1の軸601によって画定される旋回点を有する形成後の処理デバイス100の基部110を示す。支持構造体120といった形成後の処理デバイス100の他の構成要素は、簡略化を目的として図示されていない。旋回点により、基部110は、面内曲げを有し、真っ直ぐな、事前硬化された複合ストリンガ(
図6Aに示す構成内)と、面内曲げを有する、事前硬化された複合ストリンガ(
図6Bに示す構成内)との両方を収容できるようになる。
図6A-6Bには旋回点が1つだけしか示されていないが、当業者は、任意の数の旋回点が存在しうると理解するだろう。更に、いくつかの例では、形成後の処理デバイス100には、面外曲げ機能がある。事前硬化された複合ストリンガのある程度の曲げ、特に局所的な曲げは、基部110を曲げることなく、基部110内のチャネル112の側部に収容できることに留意すべきである。
【0049】
いくつかの例では、方法400は、事前硬化された複合ストリンガ190を検査すること(ブロック430)を含む。検査は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、実行される。例えば、検査は、事前硬化された複合ストリンガ190の表面に、しわ、気泡、異物の破片(FOD)、緩い繊維、しわ、及び形状がないかどうかをチェックすることを含む。検査工程が形成デバイス510及び硬化デバイス540から離れて実行されることにより、他の事前硬化された複合ストリンガがこれらのデバイス上で処理され、工程のスループット全体が増加することに留意すべきである。
【0050】
方法400は、例えば
図5Dに概略的に示すように、ブラダー520を事前硬化された複合ストリンガ190の上に設置すること(ブロック440)を含む。ブラダー520は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、設置される。いくつかの例では、ブラダー520は、ブラダーラップ内に巻かれ、その後、ブラダー520が取り外されると、ストリンガの外板内に硬化される。ブラダー520は、硬化工程中に使用され、事前硬化された複合ストリンガ190の内部に支持をもたらす。いくつかの例では、ブラダー520は、シリコーン、ウレタン、又はこれらの任意の組み合わせを含む類似の材料で構成される固体物体である。いくつかの例では、ブラダー520は、事前硬化された複合ストリンガ190に実質的に対応するように成形される。
【0051】
方法400は、例えば
図5Eに概略的に示されるように、ブラダー520と事前硬化された複合ストリンガ190との間の境界面に、かつ基部110の支持面114の平面内に、ヌードル530を設置すること(ブロック450)を含む。この設置工程は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、実行される。ヌードル530はまた、r部充填剤とも呼ばれる。
【0052】
いくつかの例では、方法400は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、事前硬化された複合ストリンガ190を圧縮すること(ブロック460)を含む。例えば、圧縮工程は、例えば
図5Fに概略的に示すように、形成後の処理デバイス100のカバー130を形成後の処理デバイス100の基部110に対して密閉することを含む。いくつかの例では、圧縮工程は、少なくとも事前硬化された複合ストリンガ190のフランジ部分196を形成後の処理デバイス100のカバー130に接触させることを更に含む。
【0053】
いくつかの例では、方法400は、事前硬化された複合ストリンガ190をステージングし(staging)移送することを含む。これらの工程は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に実行される。更に、形成後の処理デバイス100は、事前硬化された複合ストリンガ190に支持を提供しつつ、事前硬化された複合ストリンガ190を支持するために使用される。
【0054】
方法400は、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100から硬化デバイス540まで移送すること(ブロック490)で続行する。例えば、
図5F-5Hは、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100から硬化デバイス540まで移送することを示す。いくつかの例では、事前硬化された複合ストリンガ190は、ブラダー520及び/又はヌードル530と共に移送され、ブラダー520及び/又はヌードル530は、事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100に位置付けられていた間に、事前硬化された複合ストリンガ190上に設置される。
【0055】
方法400は、例えば
図5H-5Iに概略的に示すように、事前硬化された複合ストリンガ190を硬化デバイス540上で硬化させること(ブロック492)により、複合ストリンガ198を形成することを含む。例えば、
図5Hに示す事前硬化された複合ストリンガ190は、熱及び圧力に曝露され、事前硬化された複合ストリンガ190内で樹脂を架橋する。事前硬化された複合ストリンガ190とは異なり、
図5Iに示す複合ストリンガ198は、事前硬化された複合ストリンガ190に必要なレベルの支持を必要とすることはない。よって、複合ストリンガ198には、形成後の処理デバイス100が使用されない。
【0056】
いくつかの例では、方法400の様々な工程は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199で繰り返され(判定ブロック494)、例えばその1つの例が
図1Eに示されている。特に、追加の事前硬化された複合ストリンガ199は、それ以前に同一の形成後の処理デバイス100を使用して処理される事前硬化された複合ストリンガ190と異なる設計を有している。事前硬化された複合ストリンガに対する様々な異なる設計が、
図1C-1Eに示されている。事前硬化された複合ストリンガに対する他の例示的設計も同様に可能である。
【0057】
特に、方法400は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199を追加の形成デバイス上で形成すること(ブロック410)を含む。事前硬化された複合ストリンガの様々な異なる設計にわたって普遍的に使用されうる形成後の処理デバイス100とは異なり、形成デバイスは専用ツールである。いくつかの例では、支持構造体120は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199のこの形成工程中に、再形成又は再成形される。より具体的には、支持構造体120は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199を支持するときには、事前硬化された複合ストリンガ190を支持するときとは異なる形状を有している。
【0058】
方法400は、この追加の事前硬化された複合ストリンガ199を形成デバイスから形成後の処理デバイス100まで移送すること(ブロック420)で続行する。上記のように、追加の事前硬化された複合ストリンガ199は、異なる設計、より具体的には、事前硬化された複合ストリンガ190とは異なる断面プロファイルを有している。
【0059】
いくつかの例では、方法400は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、追加のブラダーを追加の事前硬化された複合ストリンガ199上で設置することで続行する。更に、追加の事前硬化された複合ストリンガ199が形成後の処理デバイス100の上に位置付けられる間に、追加の事前硬化された複合ストリンガ199の上にヌードルが設置される。しかしながら、これらの工程はオプションである。
【0060】
方法400は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199を追加のブラダー及び追加のヌードルと共に、形成後の処理デバイス100から追加の硬化デバイスまで移送すること、並びに追加の硬化デバイスを使用して事前硬化された複合ストリンガ190を硬化させることによって、追加の複合ストリンガを形成することで続行する。
【0061】
図7は、本開示のいくつかの例による、形成後の処理デバイス100を使用して事前硬化された複合ストリンガ190を支持する方法700のプロセスフローチャートである。方法700は、例えば
図5Cに概略的に示すように、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100に移送すること(ブロック720)を含む。事前硬化された複合ストリンガ190の様々な例が、上述されている。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190は、ハット部分191を含み、このハット部分191は、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100に移送すると、支持される。形成後の処理デバイス100は、チャネル112を含む基部110を備える。形成後の処理デバイス100はまた、チャネル112内をチャネル112の長さに沿って少なくとも部分的に延びる支持構造体120を備える。
【0062】
事前硬化された複合ストリンガ190が形成後の処理デバイス100に移送されると、支持構造体120は、例えば
図5Cに概略的に示すように、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191に一致する。より具体的には、支持構造体120は、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の断面形状を保持しつつ、事前硬化された複合ストリンガ190が、形成後の処理デバイス100内に位置付けられる。いくつかの例では、支持構造体120は、可撓性材料から形成され、この共形的な支持を提供する。他の例では、支持構造体120は、新たな事前硬化された複合ストリンガの各々と共に再成形される妨害材料から作られる。
【0063】
いくつかの例では、移送工程(ブロック720)は、例えば
図2A-2Bに概略的に示されるように、形成後の処理デバイス100の支持構造体120を伸ばすこと(ブロック722)を含む。これらの例では、支持構造体120は、ハット部分がチャネル112内に挿入される際に、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の形状に一致する弾性材料から形成される。この支持構造体120の伸び特徴により、異なるサイズのハット部分191で事前硬化された複合ストリンガ190を支持できるようになる。
【0064】
いくつかの例では、移送工程(ブロック720)は、形成後の処理デバイスの形状100を調整すること(ブロック724)を含む。
図6A-6Bは、第1の軸601によって画定される旋回点を有する形成後の処理デバイス100の基部110を示す。支持構造体120といった形成後の処理デバイス100の他の構成要素は、簡略化を目的として図示されていない。旋回点により、基部110は、面内曲げを有し、真っ直ぐな、事前硬化された複合ストリンガ(
図6Aに示す構成内)と、面内曲げを有する、事前硬化された複合ストリンガ(
図6Bに示す構成内)との両方を収容できるようになる。
図6A-6Bには旋回点が1つだけしか示されていないが、当業者は、任意の数の旋回点が存在しうると理解するだろう。更に、いくつかの例では、形成後の処理デバイス100には、面外曲げ機能がある。事前硬化された複合ストリンガのある程度の曲げ、特に局所的な曲げは、基部110を曲げることなく、基部110内のチャネル112の側部に収容できることに留意すべきである。
【0065】
いくつかの例では、移送工程(ブロック720)は、例えば
図5Fに概略的に示されるように、形成後の処理デバイス100のカバー130を形成後の処理デバイス100の基部110に対して位置付けること(ブロック726)を含む。いくつかの例では、カバー130は、基部110に対して密閉される。更に、いくつかの例では、このカバーを位置付ける工程(ブロック726)は、少なくとも事前硬化された複合ストリンガ190のフランジ部分196を圧縮する。
【0066】
いくつかの例では、移送工程(ブロック720)は、基部110のチャネル112内部の圧力を制御すること(ブロック728)を含む。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191をチャネル112に挿入することにより、例えば、開口部116を通して、チャネル112からの空気の変位が起こりうる。
【0067】
いくつかの例では、方法700は、事前硬化された複合ストリンガ190を収納すること(ブロック730)を含む。より具体的には、事前硬化された複合ストリンガ190は、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100から取り外す(ブロック740)前に、形成後の処理デバイス100内に収納される。
【0068】
方法700は、事前硬化された複合ストリンガ190を形成後の処理デバイス100から取り外すこと(ブロック740)で続行する。例えば、事前硬化された複合ストリンガ190は、例えば
図5Hに概略的に示されるように、硬化デバイス540に移送される。代替的には、事前硬化された複合ストリンガ190は、例えば検査のために、他の機器に移送される。
【0069】
方法700は、例えば
図5Jに概略的に示されるように、追加の事前硬化された複合ストリンガ199を形成後の処理デバイス100に移送すること(ブロック720)で続行し、より具体的には、それを繰り返す(判定ブロック794)。追加の事前硬化された複合ストリンガ199は、追加のハット部分193を備え、よって、追加の事前硬化された複合ストリンガ199の追加のハット部分193の断面形状は、
図5Cに示される事前硬化された複合ストリンガ190のハット部分191の断面形状とは異なる。しかしながら、この断面形状の違いに関わらず、形成後の処理デバイス100の支持構造体120は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199の追加のハット部分193に一致する。更に、支持構造体120は、追加の事前硬化された複合ストリンガ199の追加のハット部分193の断面形状を保持する。
【0070】
航空機の実施例
いくつかの例では、上記の方法及びシステムは、航空機上で、より一般的には、航空宇宙産業によって、使用される。特に、これらの方法とシステムは、航空機の製造中、並びに航空機の整備及び保守中に、使用することができる。
【0071】
したがって、上記の装置及び方法は、
図8に示される航空機の製造及び保守方法900、並びに
図9に示す航空機902に適用可能である。製造前段階では、方法900は、航空機902の仕様及び設計904及び材料の調達906を含む。製造段階では、航空機902の、構成要素及びサブアセンブリの製造908、及びシステムインテグレーション910が行われる。その後、航空機902は、認可及び納品912を経て、運航914に供される。顧客による運航中、航空機902は、改造、再構成、改修なども含み、定期的な整備及び保守916が予定される。
【0072】
いくつかの例では、方法900のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータ、例えば顧客によって実施又は実行されうる。本明細書の目的のために、システムインテグレータは、限定しないが、任意の数の航空機製造者及び主要システムの下請業者を含み、第三者は、限定しないが、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含み、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などでありうる。
【0073】
図9に示すように、例示的な方法900によって製造された航空機902は、複数のシステム920、及び内装922を有する機体918を含む。システム920の例は、推進システム924、電気システム926、油圧システム928、及び環境システム930のうちの1つ又は複数を含む。任意の数の他のシステムも含まれうる。ここでは航空宇宙産業の実施例を示しているが、本明細書に記載の実施例の原理は、自動車産業などの他の産業に適用される。
【0074】
本明細書に具現化された装置及び方法は、方法900の1つ又は複数の任意の段階で採用することができる。例えば、製造908に対応する構成要素又はサブアセンブリは、航空機902の運航中に製造される構成要素又はサブアセンブリに類似の方法で製作又は製造される。また、1つ又は複数の装置の実施例、方法の実施例、又はこれらの組み合わせは、例えば、航空機902の組み立てを実質的に効率化するか、又は、航空機902のコストを削減することにより、製造908及びシステムインテグレーション910の段階で利用される。同様に、装置の実施例、方法の実施例、又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数は、航空機902の運航中、例えば、限定しないが、整備及び保守916に利用される。
【0075】
更なる例
更に、説明には、以下の条項による例が含まれる。
【0076】
条項1.事前硬化された複合ストリンガを支持するための形成後の処理デバイスであって、該複合ストリンガは事前硬化された複合ストリンガの間で異なる断面積を有するハット部分を備え、該処理デバイスは、
チャネル幅及びチャネル高さを有するチャネルを備える基部であって、
チャネル幅が、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の幅より大きく、
チャネル高さが、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の高さより大きい、基部と、
チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延びる支持構造体であって、事前硬化された複合ストリンガのうちの対応する1つが形成後の処理デバイスによって支持されるときに、ハット部分の各々に一致し、ハット部分の各々の断面形状を保持するように構成された支持構造体と、
カバーであって、形成後の処理デバイスによって支持されつつ、事前硬化された複合ストリンガのうちの対応する1つがカバーと基部との間に位置付けられるように、基部に取り付けられるよう構成されたカバーと
を備える、形成後の処理デバイス。
【0077】
条項2.支持構造体は、ハット部分の各々に一致するときに、変形するように構成された弾性材料から形成されている、条項1に記載の形成後の処理デバイス。
【0078】
条項3.支持構造体が、チャネルの側壁で基部に取り付けられている、条項2に記載の形成後の処理デバイス。
【0079】
条項4.支持構造体が、妨害材料又は塑性変形可能な材料を含む、条項1から3のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス。
【0080】
条項5.支持構造体が、事前硬化された複合ストリンガのうちの対応する1つとと共同形成される、条項4に記載の形成後の処理デバイス。
【0081】
条項6.支持構造体が、基部の支持面の上及びチャネルの外側に延びる支持フランジを備える、条項4に記載の形成後の処理デバイス。
【0082】
条項7.支持構造体が基部から取り外し可能である、条項4に記載の形成後の処理デバイス。
【0083】
条項8.基部が、チャネルと流体結合され、かつチャネル内部の圧力を制御するように構成された開口部を備える、条項1から7のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス。
【0084】
条項9.チャネルと共に支持構造体の下に位置付けられる可撓性インサートを更に備える、条項1から8のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス。
【0085】
条項10.カバーが、基部に対して密閉されるように構成される、条項1から9のいずれか一項に記載の形成後の処理デバイス。
【0086】
条項11.複合ストリンガを製造する方法であって、
ハット部分を備える事前硬化された複合ストリンガを形成デバイス上に形成することと、
形成デバイスから形成後の処理デバイスまで事前硬化された複合ストリンガを移送することであって、形成後の処理デバイスが、
チャネルを備える基部と、
チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延びる支持構造体であって、ハット部分に一致し、ハット部分の断面形状を保持する支持構造体と
を備える、事前硬化された複合ストリンガを移送することと、
事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、ブラダーを事前硬化された複合ストリンガの上に設置することと、
事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、ブラダーと事前硬化された複合ストリンガとの間及び基部の支持面の平面内の境界面にヌードルを設置することと、
事前硬化された複合ストリンガをブラダー及びヌードルと共に、形成後の処理デバイスから硬化デバイスまで移送することと、
事前硬化された複合ストリンガを硬化デバイスの上で硬化させることによって、複合ストリンガを形成することと
を含む、方法。
【0087】
条項12.事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、事前硬化された複合ストリンガを検査することを更に含む、条項11に記載の方法。
【0088】
条項13.事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、事前硬化された複合ストリンガを圧縮することを更に含む、条項11又は12に記載の方法。
【0089】
条項14.事前硬化された複合ストリンガを圧縮することが、形成後の処理デバイスのカバーを形成後の処理デバイスの基部に対して密閉することを含む、条項13に記載の方法。
【0090】
条項15.事前硬化された複合ストリンガを圧縮することが、事前硬化された複合ストリンガの少なくともフランジ部分を形成後の処理デバイスのカバーと接触させることを更に含む、条項14に記載の方法。
【0091】
条項16.事前硬化された複合ストリンガを形成デバイスの上に形成することが、形成後の処理デバイスの支持構造体を形成することを含む、条項11から15のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
条項17.形成デバイスから形成後の処理デバイスまで事前硬化された複合ストリンガを移送することが、基部のチャネル内部の圧力を制御することを含む、条項11から16のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
条項18.形成デバイスから形成後の処理デバイスまで事前硬化された複合ストリンガを移送することが、形成後の処理デバイスの支持構造体を伸ばすことを含む、条項11から17のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
条項19.追加の事前硬化された複合ストリンガを追加の形成デバイスの上に形成することと、
追加の事前硬化された複合ストリンガを形成デバイスから形成後の処理デバイスまで移送することであって、追加の事前硬化された複合ストリンガが、事前硬化された複合ストリンガとは異なる断面プロファイルを有している、追加の事前硬化された複合ストリンガを移送することと、
追加の事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、追加のブラダーを追加の事前硬化された複合ストリンガの上に設置することと、
追加の事前硬化された複合ストリンガが形成後の処理デバイスの上に位置付けられる間に、追加のヌードルを追加の事前硬化された複合ストリンガの上に設置することと、
追加の事前硬化された複合ストリンガを追加のブラダー及び追加のヌードルと共に、形成後の処理デバイスから追加の硬化デバイスまで移送することと、
追加の硬化デバイスを使用して事前硬化された複合ストリンガを硬化させることにより、追加の複合ストリンガを形成することと
を更に含む、条項11から18のいずれか一項に記載の方法。
【0095】
条項20.支持構造体が、追加の事前硬化された複合ストリンガを支持するときに、事前硬化された複合ストリンガを支持するときとは異なる形状を有している、条項19に記載の方法。
【0096】
条項21.ハット部分を備える事前硬化された複合ストリンガを形成後の処理デバイスに移送することであって、形成後の処理デバイスが、
チャネルを備える基部と、
チャネル内をチャネルの長さに沿って少なくとも部分的に延び、事前硬化された複合ストリンガのハット部分に一致し、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の断面形状保持する支持構造体と
を備える、事前硬化された複合ストリンガを移送すること、
形成後の処理デバイスから事前硬化された複合ストリンガを取り外すことと、
追加のハット部分を備える追加の事前硬化された複合ストリンガを、形成後の処理デバイスに移送することと
を含み、形成後の処理デバイスの支持構造体が、追加の事前硬化された複合ストリンガの追加のハット部分に一致し、事前硬化された複合ストリンガのハット部分の断面形状とは異なる追加の事前硬化された複合ストリンガの追加のハット部分の断面形状を保持する、方法。
【0097】
条項22.事前硬化された複合ストリンガを移送することが、形成後の処理デバイスのカバーを形成後の処理デバイスの基部に対して位置付けることを含む、条項21に記載の方法。
【0098】
条項23.形成後の処理デバイスに事前硬化された複合ストリンガを移送することが、基部のチャネル内部の圧力を制御することを含む、条項21又は22に記載の方法。
【0099】
条項24.形成後の処理デバイスに事前硬化された複合ストリンガを移送することが、形成後の処理デバイスの支持構造体を伸ばすことを含む、条項21から23のいずれか一項に記載の方法。
【0100】
条項25.形成後の処理デバイスが、事前硬化された複合ストリンガを形成後の処理デバイスから取り外す前に、事前硬化された複合ストリンガを収納するために使用される、条項21から24のいずれか一項に記載の方法。
【0101】
結論
前述の概念は、理解の明確化を目的としてやや詳細に説明されているが、付随する特許請求の範囲内である一定の変更及び修正が実践されうることは明白であろう。プロセス、システム、及び装置の実施には、多数の代替的な様態があることに留意されたい。したがって、本明細書の実施例は、例示的なものであって、限定的なものではないとみなすべきである。