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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】車両用バッテリフレーム
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20241118BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20241118BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20241118BHJP
   H01M 10/6569 20140101ALI20241118BHJP
   H01M 10/6568 20140101ALI20241118BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20241118BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20241118BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241118BHJP
   B60K 11/02 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6569
H01M10/6568
H01M10/647
H01M10/6554
B60K1/04 Z
B60K11/02
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021037514
(22)【出願日】2021-03-09
(65)【公開番号】P2022137830
(43)【公開日】2022-09-22
【審査請求日】2023-11-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩元 翔平
(72)【発明者】
【氏名】坂口 眞一郎
(72)【発明者】
【氏名】川副 裕典
(72)【発明者】
【氏名】山本 諭史
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-113410(JP,A)
【文献】特開2012-256468(JP,A)
【文献】特開2020-187969(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170206(US,A1)
【文献】中国実用新案第209813701(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/6569
H01M 10/6568
H01M 10/647
H01M 10/6554
H01M 50/20
B60K 1/04
B60K 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車ボディに取り付けられ、バッテリに接触して前記バッテリを支持する車両用バッテリフレームであって、
前記バッテリが載置される第1の主面を有する板状の底面フレームと、
前記底面フレームの前記第1の主面とは反対側の第2の主面に設けられ、前記底面フレームを補強するボトムメンバと、
前記第2の主面に設けられ、冷媒が流れる流路と、を備え、
前記底面フレームは、前記バッテリが搭載される第1の領域と、前記第1の領域以外の第2の領域と、を含み、
前記流路は、前記第1の領域の前記第2の主面に配置され、
前記ボトムメンバは、前記第2の領域の前記第2の主面に集中配置されている車両用バッテリフレーム。
【請求項2】
少なくとも一部が前記第2の主面から離間している冷却プレートを備え、
前記流路は、前記底面フレームと、前記冷却プレートと、により囲まれ、前記底面フレームに接触する空間である請求項1に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項3】
前記流路は、実質的に、前記第1の領域の全面に形成されている請求項1又は2に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項4】
前記流路は、前記第1の領域において蛇行している請求項1~3のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項5】
前記流路の前記バッテリと対向する部分の平面形状は、前記バッテリの平面形状と実質的に同一である請求項1~4のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項6】
前記ボトムメンバは、アッパプレートと、中空部を介して前記アッパプレートに対面するロアプレートと、前記中空部において前記アッパプレートと前記ロアプレートを繋ぐリブと、を有する中空部材である請求項1~5のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項7】
複数のボトムメンバを備え、
前記複数のボトムメンバは、前記自動車ボディの前後方向に沿って延在しており、
前記流路は、前記ボトムメンバ同士の間に介在している請求項1~6のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項8】
前記第1の主面に設けられ、前記底面フレームの外周部に固定された複数の板状の側面フレームと、
相互に対向する前記側面フレーム同士を繋ぐクロスメンバと、を備え、
前記バッテリは、前記底面フレームと、前記底面フレームに対面する前記自動車ボディの床裏面と、前記複数の側面フレームと、前記クロスメンバと、で囲まれた空間に収納されている請求項1~7のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【請求項9】
前記自動車ボディの床裏に取り付けられている請求項1~7のいずれか一項に記載の車両用バッテリフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリを自動車ボディに支持する車両用バッテリフレームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
バッテリセルから発生した熱を除去するためのコールドプレートを備えるモジュールハウジングが知られている(例えば、特許文献1(図13B))。このコールドプレートは、その内部に液体を流通させることによってバッテリセルを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2020-514991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のモジュールハウジングでは、コールドプレート自体を構成する部品により、冷媒の流路の設計自由度を制限してしまうという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、冷媒の流路の設計自由度を高めることが可能な車両用バッテリフレームを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、底面フレームにおいて、バッテリを搭載する第1の領域以外の第2の領域にボトムメンバを集中配置することにより上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、バッテリを搭載する第1の領域以外の第2の領域にボトムメンバを集中配置することで、第1の領域において冷媒の流路の設計自由度を高めることが可能な車両用バッテリフレームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の車両用バッテリフレームを示す斜視図である。
図2図2は、図1のII-II線に沿う断面図である。
図3図3(a)は底面フレームを示す下面図であり、図3(b)は上部フレームを示す下面図である。
図4図4は、ボトムメンバを示す拡大断面図である。
図5図5は、図1の車両用バッテリフレームを自動車ボディの床裏に取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の車両用バッテリフレームを示す斜視図であり、図2図1のII-II線に沿う断面図であり、図3(a)は底面フレームを示す下面図であり、図3(b)は上部フレームを示す下面図であり、図4はボトムメンバを示す拡大断面図であり、図5図1の車両用バッテリフレームを自動車ボディの床裏に取り付けた状態を示す斜視図である。
【0010】
本実施形態の車両用バッテリフレーム1は、自動車ボディ2の床裏に取り付けられ、バッテリ3に接触してこれを支持している。この車両用バッテリフレーム1には、車両用バッテリフレーム1に冷媒を循環させる冷媒循環器4が接続されている。すなわち、車両用バッテリフレーム1が車両の室外に取り付けられていることで、車両用バッテリフレーム1或いは冷媒等の冷却に走行中の車両周りの風を利用することが可能となる。
【0011】
車両用バッテリフレーム1は、図1に示すように、板状の底面フレーム10と、この底面フレーム10の外周部に固定された複数の板状の側面フレーム11a,11b,11c,11dと、側面フレーム11a~11d上に載置された板状の上部フレームと、を備えている。本実施形態の底面フレーム10及び上部フレーム15は、1つの部材で構成されているが、これに限定されず、相互に接合された2つ以上の部材で構成されていてもよい。また、側面フレーム11a~11dは、4つの部材で構成されているが、これに限定されず、4つ未満又は5つ以上の側面フレームで構成してもよい。これら底面フレーム10、側面フレーム11a~11d、及び上部フレーム15は、特に限定はされないが、アルミニウムの押出成形品で構成することができ、アルミニウムの押出成形品で構成すれば、伝熱性、軽量化、ノイズ遮蔽性に優れたものとなる。
【0012】
図2に示すように、底面フレーム10は、第1の主面103と、これとは反対側の第2の主面104を有する平板部材であって、自動車ボディ2に組付けられた状態において、第1の主面103は上側の面に相当し、第2の主面104は下側の面に相当する。底面フレーム10は、平面視において第1の領域101と第2の領域102とから構成され、第1の領域101には、バッテリ3が搭載されている。バッテリ3(組電池とも称される)は、複数のバッテリモジュール31を含み、それぞれのバッテリモジュール31は、直方体状のモジュールケースに収納されている。図示は省略するが、モジュールケースの内部には、複数の薄型電池(単電池とも称される)が積層した状態で収納されている。なお、バッテリ3は、底面フレーム10に、ウレタン系又はシリコーン系の樹脂材料から成るギャップフィラーを介して載置されていてもよい。
【0013】
第1の領域101以外の第2の領域102には、側面フレーム11a~11d等の車両用バッテリフレーム1の構成部品が設けられている。また、ボトムメンバ12は、第2の領域102にのみ集中的に配置されている。図3(a)の下面図に示すように、本実施形態では、5つのボトムメンバ12が底面フレーム10の中央及び左右端に設けられており、ボトムメンバ12は自動車ボディ2の前後方向に沿って延在している。本実施形態では、ボトムメンバ12を5つ設けているが、これに限定されず、4つ未満又は6つ以上のボトムメンバ12が設けられていてもよい。
【0014】
図4に示すように、ボトムメンバ12は、アッパプレート121と、中空部123を介してこれに対面するロアプレート122と、中空部123においてアッパプレート121とロアプレート122を繋ぐリブ124と、を有する中空の部材である。ボトムメンバ12を、部分的にリブ124を有する中空形状の断面構造とすることで、軽量化を図りつつ一定の強度を確保することができる。
【0015】
図2に示すように、第1の領域101の第2の主面104には、冷却プレート13が設けられている。本実施形態では、冷却プレート13は、第1の領域101にのみ設けられている。この冷却プレート13は、端部に接合部131を有しており、この接合部131を介して底面フレーム10に接合されている。接合部131は、特に限定されないが、溶接により底面フレーム10に接合されていてもよいし、あるいは、ボルト等の留め具によって底面フレーム10に接合されていてもよい。
【0016】
また、冷却プレート13は、接合部131に両側から挟まれた湾曲部132を有している。この湾曲部132は、底面フレーム10から離れる方向に向かって湾曲することで、底面フレーム10から離間している。これにより、底面フレーム10と冷却プレート13との間に底面フレーム10と接触する空間が形成され、この空間が冷媒を流す流路133として使用される。このように、バッテリ3を載置する底面フレーム10に流路133が接触していることで、バッテリ3の冷却効率を高めることができる。また、流路133とバッテリ3との間の部品点数が少ないため、車両用バッテリフレーム1を軽量化することができ、エネルギー密度を向上させることができる。さらに、平板部材からなる底面フレーム10に湾曲部132を有する冷却プレート13を接合することで、底面フレームの剛性を高めることもできる。なお、本実施形態では、冷却プレート13が底面フレーム10と別体である場合を例示したが、これに限定されず、冷却プレート13が底面フレーム10と一体的に形成されていてもよい。
【0017】
本実施形態では、図3(a)に示すように、底面フレーム10の第2の主面104に2本の流路133a,133bが形成されている。これらの流路133a,133bは、いずれもボトムメンバ12の間に介在している。すなわち、バッテリ3が搭載される第1の領域101は、第2の領域102に囲まれるように配置されている。流路133の両側にボトムメンバ12が形成されていることで、底面フレーム10の強度を向上させることができ、ひいては車両用バッテリフレーム1の強度を向上させることができる。
【0018】
また、本実施形態では、流路133が、バッテリ3を搭載する第1の領域101の略全面に形成されているため、全てのバッテリ3を満遍なく冷却することができる。この流路133は、自動車ボディ2の左右方向に延在する複数の主流路134と、主流路134同士を接続する複数の接続流路135と、を有している。
【0019】
主流路134は、バッテリ3の平面形状(略直方体の一面)と実質的に同一の平面形状を有しており、本実施形態では、矩形の平面形状を有している。この主流路134は、バッテリ3と対向しており、当該対向するバッテリ3を主に冷却する。このように、流路133のバッテリ3と対向する部分の形状を、バッテリ3の平面形状と実質的に同一とすることで、バッテリ3の冷却効率を高めることができる。
【0020】
接続流路135は、主流路134の一端と、他の主流路134の他端と、を接続している。このため、流路133は、全体的に、自動車ボディ2の前後方向に沿って延在していると共に、自動車ボディ2の左右方向に沿って交互に屈曲することで蛇行している。このように、流路133を蛇行させることで、本実施形態のように第1の領域101の全面に流路133を形成する場合であっても、流路133の幅を過度に広げる必要がなくなるため、流路133内を流通する冷媒の流速のばらつきを抑えることができる。このため、バッテリ3の冷却ムラを低減することができる。
【0021】
図1に示すように、4つの側面フレーム11a~11dは、底面フレーム10の外周部に、溶接接合などによって固定されている。図2に示すように、側面フレーム11a~11dは、基本的にはいずれも同様の、部分的にリブ111を有する中空形状の断面構造とされている。側面フレーム11a~11dを、部分的にリブ111を有する中空形状の断面構造とすることで、軽量化を図りつつ一定の強度を確保することができる。
【0022】
図1に示すように、側面フレーム11a,11bの間には、溶接接合などによって底面フレーム10に固定された複数のクロスメンバ14が設けられている。このクロスメンバ14は、本実施形態では、相互に対向する側面フレーム11a,11bを繋げており、これにより、車両用バッテリフレーム1の強度を向上させている。バッテリ3は、底面フレーム10と、これに対面する自動車ボディ2の床裏面21と、4つの側面フレーム11a~11dと、クロスメンバ14と、で囲まれた空間に収納される。そして、車両用バッテリフレーム1においては、図1に示すように、クロスメンバ14で仕切られた前方から4つの区画にはバッテリ3が搭載され、クロスメンバ14で仕切られた後方から2つの区画には、それより少量のバッテリモジュール31が並べられたバッテリ3が搭載される。
【0023】
また、上部フレーム15にも、バッテリ3が搭載される。図3(b)の下面図に示すように、この上部フレーム15の下面には、底面フレーム10と同様に、ボトムメンバ151と、冷却プレート152と、が設けられており、冷却プレート152により冷媒が流れる流路152a,152bが形成されている。また、この上部フレーム15においては、ボトムメンバ151は、冷却プレート152の周囲(四方)を囲むように配置されている。
【0024】
本実施形態の車両用バッテリフレーム1は、図5に示すように、自動車ボディ2の床裏面21のフロントフロアパネル23の前部からリヤフロアパネル24に至る範囲の、ほぼ全面にわたって取り付けられる。なお、符号22はダッシュパネル、25はシルをそれぞれ示す。
【0025】
本実施形態の冷媒循環器4は、図1に示すように、冷媒が流れる流路41と、冷媒を流すポンプ42と、冷媒を冷却する冷却器43と、冷媒タンク44とを含む。なお、冷媒タンク44は、冷媒循環器4にとって必須の部品ではない。本実施形態の冷媒循環器4の詳細な構成を図3(a)に示す。冷媒としては、液体冷媒又は気体冷媒を使用できる。液体冷媒としては、エチレングリコールを主成分とする不凍液(ロングライフクーラントLLC)や水などを用いることができる。気体冷媒としては、炭酸ガス、特定フロン、代替フロンなどを用いることができる。代替フロンとしては、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)類やハイドロフルオロカーボン(HFC)類などのフッ素系有機化合物を用いることができる。図1及び図3(a)に示す本実施形態の冷却器43は、不凍液などの液体冷媒を用いた例を示し、自動車に搭載された自動車用空気調和装置の冷房サイクル5の冷媒との間で熱交換することで、不凍液からなる液体冷媒を冷却する。
【0026】
すなわち、図3(a)に示す自動車用空気調和装置の冷房サイクル5は、高温の気相冷媒を圧縮するコンプレッサ53と、コンプレッサ53により圧縮された高温・高圧の気相冷媒をファン52により空冷して凝縮させるコンデンサ51と、コンデンサ51により凝縮された低温の液相冷媒を断熱膨張させて、車室内に導入される空気と熱交換させるエバポレータ54と、を備える。
【0027】
そして、本実施形態では、この自動車用空気調和装置の冷房サイクル5のコンデンサ51により凝縮された低温の液相冷媒を、エバポレータ54の上流側から分岐して冷却器43の冷却熱源として導入する。すなわち、冷却器43の低温側の冷媒入口及び出口をエバポレータ54と並列に接続し、高温側の入口及び出口を流路41に接続している。これにより、底面フレーム10でバッテリ3と熱交換したのちに冷却器43に戻される昇温した液体冷媒を、冷却器43で冷房サイクル5の冷媒と熱交換させて冷却することができる。なお、図3(a)において、符号55は冷媒配管を示し、符号56は三方弁を示し、符号57,58は逆止弁を示す。
【0028】
冷却器43で冷却された液体冷媒は、冷媒タンク44に貯留されたのちポンプ42により吸引され、ポンプ42の下流の流路41から、底面フレーム10に設けられた流路133aに案内される。流路133aに案内された液体冷媒は、流路133aから流路152a、流路152b、流路133bをこの順に案内されたのちに、冷却器43に案内される。なお、流路133a,133b,152a,152bは、底面フレーム10と冷却プレート13とで区画される空間(通孔)であるが、その他の流路41は配管により構成されている。また、本実施形態では、車両用バッテリフレーム1に流通させる冷媒の冷却方法として、自動車用空気調和装置の冷媒と熱交換させる方法を使用しているが、これに限定されない。例えば、車両用バッテリフレーム1に流通させる冷媒の冷却方法として、専用の冷却装置(チラー)を使用してもよい。
【0029】
このように構成された車両用バッテリフレーム1は、図2に示すように、カバー17にて上面を閉塞したのち、複数のブラケット16を用いて、自動車ボディ2の床裏面21に取り付けられる。具体的には、車両用バッテリフレーム1の左右辺は、同図に示すように、シル25のシルインナパネル251またはシルアウタパネル252に取り付けられ、前端辺と後端辺は、フロントフロアパネル又はリヤフロアパネルに直接または間接的に取り付けられる。
【0030】
以上のとおり、本実施形態の車両用バッテリフレーム1によれば、第2の領域102にボトムメンバ12を集中配置することで、第1の領域101において液体冷媒の流路133の設計自由度を高めることが可能となる。特に、流路133の面積(冷却面積)を拡大することが可能となる。また、本実施形態によれば、第2の領域102にボトムメンバ12を集中配置しているので、車両用バッテリフレーム1の強度を一定以上に保つことができる。
【0031】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0032】
例えば、本実施形態では、車両用バッテリフレーム1が室外(床裏)に設けられているが、これに限定されず、室内に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0033】
1…車両用バッテリフレーム
10…底面フレーム
101…第1の領域
102…第2の領域
103…第1の主面
104…第2の主面
11a~11d…側面フレーム
111…リブ
12…ボトムメンバ
121…アッパプレート
122…ロアプレート
123…中空部
124…リブ
13…冷却プレート
131…接合部
132…湾曲部
133,133a,133b…流路
134…主流路
135…接続流路
14…クロスメンバ
15…上部フレーム
16…ブラケット
17…カバー
2…自動車ボディ
21…床裏面
22…ダッシュパネル
23…フロントフロアパネル
24…リヤフロアパネル
25…シル
3…バッテリ
31…バッテリモジュール
311…主面
312…側面
4…冷媒循環器
41…流路
42…ポンプ
43…冷却器
44…冷媒タンク
5…冷房サイクル
51…コンデンサ
52…ファン
53…コンプレッサ
54…エバポレータ
55…冷媒配管
56…三方弁
57,58…逆止弁
図1
図2
図3
図4
図5