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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】電波反射板
(51)【国際特許分類】
   H01Q 15/14 20060101AFI20241118BHJP
   H01Q 3/46 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01Q15/14 Z
H01Q3/46
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021060857
(22)【出願日】2021-03-31
(65)【公開番号】P2022156916
(43)【公開日】2022-10-14
【審査請求日】2024-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】沖田 光隆
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大一
(72)【発明者】
【氏名】新木 盛右
(72)【発明者】
【氏名】天野 良晃
(72)【発明者】
【氏名】松野 宏己
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036767(JP,A)
【文献】特開2013-130466(JP,A)
【文献】国際公開第2015/095217(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107819202(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107275793(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 15/14
H01Q 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、前記第2方向に平行に延伸する第1接続電極及び第3接続電極と、第1方向に平行に延伸する第2接続電極及び第4接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第3接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記複数のパッチエリアのそれぞれに含まれる前記パッチ電極と、前記第1接続電極と、前記第2接続電極と、第3接続電極と、第4接続電極とがなす電極形状は、前記複数のパッチエリアそれぞれの内部の一点を回転中心とする、回転対称性を有し、
前記複数のパッチエリアのうち、第1パッチエリアと、第1パッチエリアと第2方向で隣り合う第2パッチエリア、第1パッチエリアと第1方向で隣り合う第3パッチエリア、第2パッチエリアと第1方向で隣り合い、第3パッチエリアと第2方向で隣り合う第4パッチエリアは、前記第1パッチエリア、前記第2パッチエリア、前記第3パッチエリア、及び前記第4パッチエリア全体の交点を回転中心とする、電波反射板。
【請求項2】
前記第1接続電極及び前記第3接続電極、又は、前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、フローティング状態である、請求項1に記載の電波反射板。
【請求項3】
前記第2接続電極及び前記第4接続電極それぞれの前記第2方向での長さは、前記第1接続電極及び前記第3接続電極それぞれの前記第1方向での長さより長い、請求項1に記載の電波反射板。
【請求項4】
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、第2方向に平行な方向に延伸する第1接続電極及び第3接続電極と、第1方向に平行な方向に延伸する第2接続電極及び第4接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第3接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記パッチ電極の中心点を通り、前記第2方向に沿って延伸する第1仮想線とし、前記中心点を通り、前記第1方向に沿って延伸する第2仮想線とし、
少なくとも、前記第1接続電極及び前記第3接続電極が前記第1仮想線と重畳しない、又は、前記第2接続電極及び前記第4接続電極が前記第2仮想線と重畳しない、のうちの一方を満たす、電波反射板。
【請求項5】
前記第1接続電極及び前記第3接続電極、又は、前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、フローティング状態である、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項6】
前記第1接続電極及び前記第3接続電極が前記第1仮想線と重畳しない、及び、前記第2接続電極及び前記第4接続電極が前記第2仮想線と重畳しない、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項7】
前記パッチ電極は、前記第1方向に平行な方向に延伸する第1辺及び第3辺と、前記第2方向に平行な方向に延伸する第2辺及び第4辺と、を有し、
前記第1接続電極は、前記第1辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第2接続電極は、前記第2辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第3接続電極は、前記第3辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第4接続電極は、前記第4辺の中央からずれた位置から延伸する、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項8】
前記第1接続電極及び前記第3接続電極が前記第1仮想線と重畳し、及び、前記第2接続電極及び前記第4接続電極が前記第2仮想線と重畳しない、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項9】
前記パッチ電極は、前記第1方向に平行な方向に延伸する第1辺及び第3辺と、前記第2方向に平行な方向に延伸する第2辺及び第4辺と、を有し、
前記第1接続電極は、前記第1辺の中央から延伸し、
前記第2接続電極は、前記第2辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第3接続電極は、前記第3辺の中央から延伸し、
前記第4接続電極は、前記第4辺の中央からずれた位置から延伸する、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項10】
前記第1接続電極及び前記第3接続電極が前記第1仮想線と重畳せず、及び、前記第2接続電極及び前記第4接続電極が前記第2仮想線と重畳する、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項11】
前記パッチ電極は、前記第1方向に平行な方向に延伸する第1辺及び第3辺と、前記第2方向に平行な方向に延伸する第2辺及び第4辺と、を有し、
前記第1接続電極は、前記第1辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第2接続電極は、前記第2辺の中央から延伸し、
前記第3接続電極は、前記第3辺の中央からずれた位置から延伸し、
前記第4接続電極は、前記第4辺の中央から延伸する、請求項4に記載の電波反射板。
【請求項12】
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、前記パッチ電極の頂点から延伸する第1接続電極及び第2接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、前記パッチ電極の対角線の1つを含む仮想線に重畳する、電波反射板。
【請求項13】
前記複数のパッチエリアは、第1パッチエリアと、前記第1パッチエリアと前記第2方向で隣り合う第2パッチエリアと、を有し、
前記第1パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記パッチ電極の第1対角線を含む第1仮想線に重畳し、
前記第2パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記パッチ電極の第2対角線を含む第2仮想線に重畳し、
前記第1パッチエリアの前記第2接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極、又は、前記第1パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極は、一体形成される、請求項12に記載の電波反射板。
【請求項14】
前記複数のパッチエリアは、第1パッチエリアと、前記第1パッチエリアと前記第2方向で隣り合う第2パッチエリアと、を有し、
前記第1パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記第1方向と45°を成す第3方向に平行な方向に延伸し、
前記第2パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記第3方向と直交する第4方向に延伸し、
前記第1パッチエリアの前記第2接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極、又は、前記第1パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極は、一体形成される、請求項12に記載の電波反射板。
【請求項15】
前記パッチ電極の対角線の別の1つを含む仮想線に重畳する、第1ダミー電極及び第2ダミー電極と、をさらに備える、請求項12に記載の電波反射板。
【請求項16】
前記第1パッチエリア及び前記第2パッチエリアは、それぞれ、第1ダミー電極及び第2ダミー電極を有し、
前記第1パッチエリアの前記第1ダミー電極及び前記第2ダミー電極は、前記第2仮想線に重畳し、
前記第2パッチエリアの前記第1ダミー電極及び前記第2ダミー電極は、前記第1仮想線に重畳し、
前記第1パッチエリアの前記第2ダミー電極及び前記第2パッチエリアの前記第1ダミー電極、又は、前記第1パッチエリアの前記第1ダミー電極及び前記第2パッチエリアの前記第1ダミー電極は、一体形成される、請求項13に記載の電波反射板。
【請求項17】
前記複数のパッチエリアは、第1パッチエリアと、前記第1パッチエリアと前記第1方向と45°を成す第3方向に平行な方向で隣り合う第2パッチエリアと、前記第1パッチエリアと前記第3方向と直交する第4方向に平行な方向で隣り合う第3パッチエリアと、を有し、
前記第1パッチエリア及び前記第2パッチエリアそれぞれの前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、前記パッチ電極の第1対角線を含む第1仮想線に重畳し、
前記第1パッチエリアの前記第2接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極、又は、前記第1パッチエリアの前記第1接続電極及び前記第2パッチエリアの前記第1接続電極は、一体形成され、
前記第1パッチエリア及び前記第3パッチエリアは、それぞれ、第1ダミー電極及び第2ダミー電極を有し、
前記第1パッチエリア及び前記第3パッチエリアそれぞれの前記第1ダミー電極及び前記第2ダミー電極は、前記パッチ電極の第2対角線を含む第2仮想線に重畳し、
前記第1パッチエリアの前記第2ダミー電極及び前記第2パッチエリアの前記第1ダミー電極、又は、前記第1パッチエリアの前記第1ダミー電極及び前記第2パッチエリアの前記第1ダミー電極は、一体形成される、請求項12に記載の電波反射板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電波反射板に関する。
【0002】
電気的に指向性を制御できるフェーズドアレイアンテナに使用する移相器として、液晶を利用した移相器の開発が行われている。フェーズドアレイアンテナでは、対応する移相器から高周波信号が伝送される複数のアンテナ素子は、1次元(又は2次元)に並べられている。上記のようなフェーズドアレイアンテナにおいて、隣り合うアンテナ素子に入力する高周波信号の位相差が一定となるよう、液晶の誘電率を調整する必要がある。
【0003】
また、フェーズドアレイアンテナと同様に液晶を利用して電波の反射方向を制御できる電波反射板の検討も行われている。この電波反射板において、反射電極を有する反射制御部が1次元(又は2次元)に並べられている。電波反射板においても、反射される電波の位相差が隣り合う反射制御部間で一定となるよう、液晶の誘電率を調整する必要がある。
【0004】
高周波は水平方向に振動する水平偏波と、垂直方向に振動する垂直偏波に分離することができる。反射電極が非対称性の場合、水平偏波の反射特性と垂直偏波の反射特性が異なってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-103201号公報
【文献】特表2019-530387号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施形態は、水平偏波及び垂直偏波を共に対称に反射することが可能な電波反射板を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る電波反射板は、
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、前記第2方向に平行に延伸する第1接続電極及び第3接続電極と、第1方向に平行に延伸する第2接続電極及び第4接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第3接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記複数のパッチエリアのそれぞれに含まれる前記パッチ電極と、前記第1接続電極と、前記第2接続電極と、第3接続電極と、第4接続電極とがなす電極形状は、前記複数のパッチエリアそれぞれの内部の一点を回転中心とする、回転対称性を有し、
前記複数のパッチエリアのうち、第1パッチエリアと、第1パッチエリアと第2方向で隣り合う第2パッチエリア、第1パッチエリアと第1方向で隣り合う第3パッチエリア、第2パッチエリアと第1方向で隣り合い、第3パッチエリアと第2方向で隣り合う第4パッチエリアは、前記第1パッチエリア、前記第2パッチエリア、前記第3パッチエリア、及び前記第4パッチエリア全体の交点を回転中心とする。
【0008】
また、一実施形態に係る電波反射板は、
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、第2方向に平行な方向に延伸する第1接続電極及び第3接続電極と、第1方向に平行な方向に延伸する第2接続電極及び第4接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第3接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記第2接続電極及び前記第4接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、
前記パッチ電極の中心点を通り、前記第2方向に沿って延伸する第1仮想線とし、前記中心点を通り、前記第1方向に沿って延伸する第2仮想線とし、
少なくとも、前記第1接続電極及び前記第3接続電極が前記第1仮想線と重畳しない、又は、前記第2接続電極及び前記第4接続電極が前記第2仮想線と重畳しない、のうちの一方を満たす。
【0009】
一実施形態に係る電波反射板は、
第1基材と、第1方向及び第2方向それぞれに沿って、等間隔にマトリクス状に配置される複数の正方形のパッチ電極を含む複数のパッチエリアと、を有する第1基板と、
第2基材と、前記複数のパッチ電極に対向する共通電極と、を有する第2基板と、
前記第1基板及び前記第2基板との間に挟持される液晶層と、
を備える電波反射板であり、
前記複数のパッチエリアは、それぞれ、前記パッチ電極と、前記パッチ電極の頂点から延伸する第1接続電極及び第2接続電極と、を有し、
前記第1接続電極及び前記第2接続電極は、一直線状に配置され、互いに逆方向に延伸し、前記パッチ電極の対角線の1つを含む仮想線に重畳する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態の電波反射板を示す断面図である。
図2図2は、図1に示した電波反射板を示す平面図である。
図3図3は、パッチ電極を示す拡大平面図である。
図4図4は、電波反射板の一部を示す拡大断面図である。
図5図5は、本実施形態の電波反射板の駆動方法において、期間毎にパッチ電極に印加する電圧の変化を示すタイミングチャートである。
図6図6は、本実施形態の電波反射板を示す平面図である。
図7図7は、電波反射板の部分拡大断面図である。
図8図8は、スイッチング素子を示す平面図である。
図9図9は、本実施形態の電波反射板を示す平面図である。
図10図10は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図11図11は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図12図12は、パッチエリアPA11を、反時計回りに90°回転させた状態を示す図である。
図13図13は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図14図14は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図15図15は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図16図16は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図17図17は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図18図18は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。
図19図19は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。
図20図20は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。
図21図21は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。
図22図22は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
以下、図面を参照しながら一実施形態に係る電波反射板について詳細に説明する。
【0012】
本実施形態においては、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向Zは、互いに直交しているが、90度以外の角度で交差していてもよい。第3方向Zの矢印の先端に向かう方向を上又は上方と定義し、第3方向Zの矢印の先端に向かう方向とは反対側の方向を下又は下方と定義する。
【0013】
また、「第1部材の上方の第2部材」及び「第1部材の下方の第2部材」とした場合、第2部材は、第1部材に接していてもよく、又は第1部材から離れて位置していてもよい。後者の場合、第1部材と第2部材との間に、第3の部材が介在していてもよい。一方、「第1部材の上の第2部材」及び「第1部材の下の第2部材」とした場合、第2部材は第1部材に接している。
【0014】
また、第3方向Zの矢印の先端側に電波反射板を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向X及び第2方向Yで規定されるX-Y平面に向かって見ることを平面視という。第1方向X及び第3方向Zによって規定されるX-Z平面、あるいは第2方向Y及び第3方向Zによって規定されるY-Z平面における電波反射板の断面を見ることを断面視という。
【0015】
図1は、本実施形態の電波反射板を示す断面図である。電波反射板REは、電波を反射させることができ、電波のための中継装置として機能している。
【0016】
図1に示すように、電波反射板REは、第1基板SUB1と、第2基板SUB2と、液晶層LCと、を備えている。第1基板SUB1は、電気絶縁性の基材BA1と、複数のパッチ電極PEと、配向膜AL1と、有している。基材BA1は、平板状に形成され、互いに直交する第1方向X及び第2方向Yを含むX-Y平面に沿って延伸している。配向膜AL1は、複数のパッチ電極PEを覆っている。
【0017】
第2基板SUB2は、第1基板SUB1に所定の隙間を空けて対向配置されている。第2基板SUB2は、電気絶縁性の基材BA2と、共通電極CEと、配向膜AL2と、を有している。基材BA2は、平板状に形成され、X-Y平面に沿って延伸している。共通電極CEは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに直交する第3方向Zに平行な方向にて複数のパッチ電極PEと対向している。配向膜AL2は、共通電極CEを覆っている。本実施形態において、配向膜AL1及び配向膜AL2は、それぞれ水平配向膜である。
【0018】
第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、それぞれの周縁部に配置されたシール材SALにより接合されている。液晶層LCは、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及びシール材SALで囲まれた空間に設けられている。液晶層LCは、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に保持されている。液晶層LCは、一方で複数のパッチ電極PEと対向し、他方で共通電極CEと対向している。
【0019】
ここで、液晶層LCの厚み(セルギャップ)をdlとする。厚みdlは、通常の液晶表示パネルの液晶層の厚みより大きい。本実施形態において、厚みdlは50μmである。但し、電波の反射位相を十分に調整できるのであれば、厚みdlは、50μm未満であってもよい。又は、電波の反射角を大きくするため、厚みdlは、50μmを超えてもよい。電波反射板REの液晶層LCに使用する液晶材料は、通常の液晶表示パネルに使用する液晶材料と異なっている。なお、上述した電波の反射位相に関しては後述する。
【0020】
共通電極CEにはコモン電圧が印加され、共通電極CEの電位は固定される。本実施形態において、コモン電圧は接地電圧、例えば0Vである。パッチ電極PEにも電圧が印加される。本実施形態において、パッチ電極PEは、交流駆動される。液晶層LCは、いわゆる縦電界により駆動される。パッチ電極PEと共通電極CEとの間に印加される電圧が液晶層LCに作用することで、液晶層LCの誘電率は変化する。
【0021】
液晶層LCの誘電率が変わると、液晶層LCにおける電波の伝搬速度も変わる。そのため、液晶層LCに作用させる電圧を調整することで、電波の反射位相を調整することができる。これにより、電波の反射方向を調整することができる。
【0022】
本実施形態において、液晶層LCに作用させる電圧の絶対値は、10V以下である。10Vで液晶層LCの誘電率が飽和状態となるためである。ただし、液晶層LCの誘電率によっては、その飽和状態となる電圧は異なってくるため、液晶層LCに作用させる電圧の絶対値は、10Vを超えてもよい。例えば、液晶の応答速度の向上が求められる場合、10Vを超える電圧を液晶層LCに作用させた後、10V以下の電圧を液晶層LCに作用させてもよい。
【0023】
第1基板SUB1は、第2基板SUB2と対向する側とは反対側に入射面Saを有している。なお、図1中、入射波w1は電波反射板REに入射される電波であり、反射波w2は電波反射板REで反射された電波である。
【0024】
図2は、図1に示した電波反射板を示す平面図である。図2に示す電波反射板REでは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿ってマトリクス状に配置された、複数のパッチエリアPAを有している。複数のパッチエリアPAのそれぞれは、パッチ電極PEを有している。複数のパッチ電極PEは、第1方向X及び第2方向Yのそれぞれに沿って間隔を置いてマトリクス状に配置されている。X-Y平面において、複数のパッチ電極PEは、同一形状及び同一サイズを有している。
【0025】
複数のパッチ電極PEは、第1方向Xに沿って等間隔に並べられ、第2方向Yに沿って等間隔に並べられている。複数のパッチ電極PEは、第2方向Yに沿って延伸し第1方向Xに沿って並べられた複数のパッチ電極群GPに含まれている。図2では、複数のパッチ電極群GPは、例えば、第1パッチ電極群GP1から第8パッチ電極群GP8までを有している。
【0026】
第1パッチ電極群GP1は複数の第1パッチ電極PE1を有し、第2パッチ電極群GP2は複数の第2パッチ電極PE2を有し、第3パッチ電極群GP3は複数の第3パッチ電極PE3を有し、第4パッチ電極群GP4は複数の第4パッチ電極PE4を有し、第5パッチ電極群GP5は複数の第5パッチ電極PE5を有し、第6パッチ電極群GP6は複数の第6パッチ電極PE6を有し、第7パッチ電極群GP7は複数の第7パッチ電極PE7を有し、第8パッチ電極群GP8は複数の第8パッチ電極PE8を有している。例えば、第2パッチ電極PE2は、第1方向Xに沿った方向において、第1パッチ電極PE1と第3パッチ電極PE3との間に位置している。
【0027】
各々のパッチ電極群GPは、第2方向Yに沿って並べられ互いに電気的に接続された複数のパッチ電極PEを含んでいる。本実施形態において、各々のパッチ電極群GPの複数のパッチ電極PEは、接続配線CLにより電気的に接続されている。なお、第1基板SUB1は、第2方向Yに沿って延伸し、第1方向Xに沿って並べられた複数の接続配線CLを有している。接続配線CLは、第1基板SUB1のうち第2基板SUB2と対向していない領域まで延伸している。なお、本実施形態と異なり、複数の接続配線CLは、複数のパッチ電極PEと一対一で接続されてもよい。
【0028】
本実施形態において、第2方向Yに沿って並んだ複数のパッチ電極PEと、接続配線CLとは、同一の導体で一体に形成されている。なお、複数のパッチ電極PEと、接続配線CLとは、互いに異なる導体で形成されてもよい。パッチ電極PE、接続配線CL、及び上記共通電極CEは、金属、又は金属に準ずる導体で形成されている。例えば、パッチ電極PE、接続配線CL、及び上記共通電極CEは、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)等の透明な導電材料で形成されてもよい。接続配線CLは、図示しないアウターリードボンディング(OLB)のパッドに接続されてもよい。1つのパッチエリアPAは、1つのパッチ電極PE、及び、隣り合うパッチ電極PEを接続する接続配線CLの一部を有している。
【0029】
接続配線CLは細線であり、接続配線CLの幅は後述する長さPxと比べて十分に小さい。接続配線CLの幅は、数μm乃至数十μmであり、μmオーダーである。なお、接続配線CLの幅が長大きすぎると、電波の周波数成分の感度が変わってしまうため望ましくない。
【0030】
シール材SALは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが対向する領域の周縁部に配置されている。
【0031】
図2には、第1方向Xに沿った方向及び第2方向Yに沿った方向にそれぞれ8個のパッチ電極PEが並べられた例を示したが、本実施形態はこれに限定されない。パッチ電極PEの個数は、種々変形可能である。例示すると、パッチ電極PEは、第1方向Xに沿った方向に100個並べられ、第2方向Yに沿った方向に複数個(例えば100個)配置されていてもよい。電波反射板RE(第1基板SUB1)の第1方向Xに沿った方向の長さは、例えば40cm以上80cm以下である。
【0032】
図3は、パッチ電極を示す拡大平面図である。図3に示すように、パッチ電極PEは、正方形の形状を有している。パッチ電極PEの形状は得に限定されるものではないが、正方形や真円が望ましい。パッチ電極PEの外形に注目すると、縦横のアスペクト比が1:1となる形状が望ましい。横偏波及び縦偏波に対応するためには90°の回転対称構造が望ましいためである。
【0033】
パッチ電極PEは、第1方向Xに沿った方向に長さPxを有し、第2方向Yに沿った方向に長さPyを有している。長さPx及び長さPyは、入射波w1の周波数帯に応じて調整した方が望ましい。次に、上記入射波w1の周波数帯と、長さPx及び長さPyとについて、望ましい関係を例示する。
2.4GHz: Px=Py=35mm
5.0GHz: Px=Py=16.8mm
28GHz: Px=Py=3.0mm
【0034】
図4は、電波反射板の一部を示す拡大断面図である。図4に示すように、液晶層LCの厚みdl(セルギャップ)は、複数のスペーサSSにより保持されている。本実施形態において、スペーサSSは、柱状スペーサであり、第2基板SUB2に形成され、第1基板SUB1側に突出している。
【0035】
スペーサSSの幅は10μm以上20μm以下である。パッチ電極PEの長さPx及び長さPyがmmオーダーであるのに対し、スペーサSSのスペーサSSの第1方向Xの断面径はμmオーダーである。そのため、パッチ電極PEと対向する領域にスペーサSSを存在させる必要がある。また、パッチ電極PEと対向する領域のうち、複数のスペーサSSが存在する領域の割合は1%程度である。そのため、上記領域にスペーサSSが存在しても、スペーサSSが反射波w2に及ぼす影響は僅かである。なお、スペーサSSは、第1基板SUB1に形成され、第2基板SUB2側に突出してもよい。又は、スペーサSSは球状スペーサであってもよい。
【0036】
電波反射板REは、複数の反射制御部RHを備えている。各々の反射制御部RHは、複数のパッチ電極PEのうち1つのパッチ電極PEと、共通電極CEのうち上記1つのパッチ電極PEと対向した部分と、液晶層LCのうち上記1つのパッチ電極PEと対向した領域と、を有している。各々の反射制御部RHは、パッチ電極PEに印加される電圧に応じて入射面Sa側から入射される電波(入射波w1)の位相を調整し、電波を入射面Sa側に反射させ、反射波w2とするように機能する。各々の反射制御部RHにおいて、反射波w2は、パッチ電極PEで反射した電波と共通電極CEで反射した電波との合成波である。
【0037】
第1方向Xに沿った方向において、パッチ電極PEは等間隔に並べられている。隣り合うパッチ電極PE間の長さ(ピッチ)をdkとする。長さdkは、1つのパッチ電極PEの幾何学中心から、隣のパッチ電極PEの幾何学中心までの距離に相当している。本実施形態において、反射波w2を第1反射方向d1において同位相とするものとして説明する。図4のX-Z平面において、第1反射方向d1は、第3方向Zとの間に第1角度θ1を成す方向である。第1反射方向d1は、X-Z平面に平行である。図4中θ1aはθ1と等しい(θ1=θ1a)。
【0038】
複数の反射制御部RHで反射される電波が第1反射方向d1で位相を揃えるには、直線状の二点鎖線上で電波の位相が揃っていればよいことになる。例えば、点Q1bでの反射波w2の位相と、点Q2aでの反射波w2の位相とが、揃っていればよい。第1パッチ電極PE1の点Q1aから点Q1bまでの物理的な直線距離はdk×sinθ1である。そのため、第1反射制御部RH1と第2反射制御部RH2とに注目すると、第2反射制御部RH2からの反射波w2の位相を第1反射制御部RH1からの反射波w2の位相より、位相量δ1だけ遅らせればよい。ここで、位相量δ1は次の式で表される。
δ1=dk×sinθ1×2π/λ
【0039】
図5は、本実施形態の電波反射板の駆動方法において、期間毎にパッチ電極に印加する電圧の変化を示すタイミングチャートである。図5では、電波反射板REの駆動期間のうち、第1期間Pd1から第5期間Pd5までを示している。
【0040】
図4及び図5に示すように、電波反射板REの駆動が開始されると、第1期間Pd1に、複数の反射制御部RHにて反射される電波が第1反射方向d1において同位相となるように、複数のパッチ電極PEに電圧Vが印加される。例えば、第1パッチ電極PE1に第1電圧V1が印加され、第2パッチ電極PE2に第2電圧V2が印加され、第3パッチ電極PE3に第3電圧V3が印加される。
【0041】
第1期間Pd1に続く第2期間Pd2に、複数の反射制御部RHにて反射される電波が第1反射方向d1において同位相に保持されるように、複数のパッチ電極PEに電圧が印加される。例えば、第1パッチ電極PE1に第2電圧V2が印加され、第2パッチ電極に第3電圧V3が印加され、第3パッチ電極PE3に第4電圧V4が印加される。
それぞれの期間Pdに、各々のパッチ電極群GPの複数のパッチ電極PEに接続配線CLを介して同一の電圧が印加される。
【0042】
第1期間Pd1及び第2期間Pd2のそれぞれにおいて、共通電極CEの電位を基準とすると、各々のパッチ電極PEに印加される電圧の極性は、定期的に反転される。例えば、パッチ電極PEは60Hzの駆動周波数で駆動される。パッチ電極PEは交流駆動されるため、長期間、液晶層LCに固定電圧が印加されることはない。焼き付きの発生を抑制できるため、第1反射方向d1に対する反射波w2の方向のずれを抑制することができる。
【0043】
さらに、本実施形態において、各々のパッチ電極PEにおいて、第2期間Pd2に印加される電圧の絶対値は、第1期間Pd1に印加される電圧の絶対値と異なる。焼き付きの発生を十分に抑制できるため、第1反射方向d1に対する反射波w2の方向のずれを抑制することができる。
【0044】
期間Pdが別の期間Pdに変わっても、1つの反射制御部RHにて第1反射方向d1に反射される電波と、隣の反射制御部RHにて第1反射方向d1に反射される電波との位相量δ1は維持されている。本実施形態において、位相量δ1は60°である。
【0045】
図5に示す例では、第6パッチ電極PE6には、第1期間Pd1に第6電圧V6が印加される。第1反射制御部RH1にて第1反射方向d1に反射される電波と、第6パッチ電極PE6を 有する第6反射制御部にて第1反射方向d1に反射される電波と、の間に300°の位相差を与えている。
【0046】
第1反射制御部RH1にて第1反射方向d1に反射される電波と、第7パッチ電極PE7を有する第7反射制御部にて第1反射方向d1に反射される電波と、の間に360°の位相差を与えるため、第1期間Pd1に、第7パッチ電極PE7には第7電圧を印加してもよい。しかし本実施形態において、第1期間Pd1に、第7パッチ電極PE7には第1電圧V1が印加される。周期的な電圧印加パターンにより、電圧Vの種類を抑えつつ、多数のパッチ電極PEを駆動することができる。
【0047】
図6は、本実施形態の電波反射板を示す平面図である。図6に示した例では、図1に示した例と比較して、パッチ電極PEを制御するスイッチング素子が設けられているという点で異なっている。
図6に示すように、第1基板SUB1は、接続配線CLに代えて、複数の信号線SL、複数の走査線GL、複数のスイッチング素子SW、駆動回路DRV、及び複数のリード線LDを有している。
【0048】
複数の信号線SLは、第2方向Yに沿って延伸し、第1方向Xに沿った方向に配置されている。複数の走査線GLは、第1方向Xに沿って延伸し第2方向Yに沿った方向に配置されている。複数の走査線GLは、駆動回路DRVに接続されている。スイッチング素子SWは、1つの信号線SLと1つの走査線GLとの交差部近傍に設けられている。複数のリード線LDは、駆動回路DRVに接続されている。信号線SL及びリード線LDは、それぞれアウターリードボンディング(OLB)のパッドに接続されてもよい。
【0049】
図7は、電波反射板の部分拡大断面図である。図7に示すように、電波反射板REの基材BA1の上に走査線GLが設けられている。走査線GLはゲート電極GEを有している。基材BA1及び走査線GLの上に、絶縁層GIが形成されている。絶縁層GI上に半導体層SMCが設けられている。半導体層SMCは、ゲート電極GEに重畳し、第1領域R1と、第2領域R2と、を有している。第1領域R1及び第2領域R2において、一方がソース領域であり、他方がドレイン領域である。
【0050】
ゲート電極GE、半導体層SMC等は、薄膜トランジスタ(TFT)としてのスイッチング素子SWを構成している。スイッチング素子SWは、ボトムゲート型薄膜トランジスタであってもよく、トップゲート型薄膜トランジスタであってもよい。
【0051】
半導体層SMCの第1領域R1に接してソース電極SE、第2領域R2に接してドレイン電極DEが設けられている。ソース電極SEは、信号線SLと一体形成されていてもよい。
絶縁層GI、半導体層SMC、ソース電極SE、及びドレイン電極DEの上に、絶縁層ILI1が形成されている。
【0052】
絶縁層ILI1上にパッチ電極PEが形成されている。パッチ電極PEは、絶縁層ILI1に形成されたコンタクトホールCHを通りドレイン電極DEに接続されている。配向膜AL1は、絶縁層ILI2及びパッチ電極PEの上に形成されている。
【0053】
図8はスイッチング素子を示す平面図である。図8において、半導体層SMCの記載は省略している。
第1方向Xに沿って延伸する走査線GL、及び、第2方向Yに沿って延伸する信号線SLは、それぞれ、交差する領域の幅が広い。走査線GLの当該幅が広い領域がゲート電極GE、信号線SLの当該幅が広い領域がソース電極SEである。
【0054】
図6から図8までに示すように、複数のパッチ電極PEをアクティブマトリクス駆動により個別に駆動することができる。そのため、複数のパッチ電極PEを独立して駆動することができる。例えば、電波反射板REが反射する反射波w2の方向を、Y-Z平面に平行な方向とすることができる。
【0055】
図9は、本実施形態の電波反射板を示す平面図である。電波反射板REは、任意の4つのパッチエリアPA11、PA12、PA21、及びPA22を有している。パッチエリアPA11、PA12、PA21、及びPA22は、それぞれ、パッチ電極PE11、PE12、PE21、及びPE22を有している。
パッチエリアPA11とパッチエリアPA12は、第2方向Yで隣り合う。パッチエリアPA11とパッチエリアPA21は、第1方向Xで隣り合う。パッチエリアPA12とパッチエリアPA22は、第1方向Xで隣り合い、パッチエリアPA21とパッチエリアPA22は、第2方向Yで隣り合う。
【0056】
パッチ電極PEそれぞれにおいて、第1方向Xに沿って延伸する辺をE1及びE3とし、第2方向Yに沿って延伸する辺をE2及びE4とする。辺E1、辺E2、辺E3、及び辺E4の長さは等しい。
辺E1及び辺E2の交点を点P1、辺E2及び辺E3の交点を点P2、辺E3及び辺E4の交点を点P3、辺E4及び辺E1の交点を点P4とする。点P1、点P2、点P3、及び点P4は、正方形状のパッチ電極PEの角あるいは頂点ともいえる。
【0057】
本実施形態では、第1方向Xに沿って隣り合うパッチ電極PEを接続する電極を、接続電極HEとする。第2方向Yに沿って隣り合うパッチ電極PEを接続する電極を、接続電極VEとする。
パッチエリアPA11は、パッチ電極PE11を有している。パッチ電極PE11は、第1方向Xに平行な方向に延伸する、接続電極HE01及びHE12と接続されている。パッチ電極PE11は、第2方向Yに平行な方向に沿って延伸する、接続電極VE11及びVE12と接続されている。
他のパッチエリアPAのパッチ電極PEにおいても、パッチ電極PE11と同様に、隣り合うパッチ電極と接続されている。
図9において、接続電極VEの第1方向Xに沿った長さ(幅)j1は、接続電極HEの第2方向Yに沿った長さ(幅)j2と等しい。すなわちj1=j2を満たす。
【0058】
接続電極VE01は、辺E1から第2方向Yと逆方向に延伸する。接続電極VE01は、点P1及び点P4から等距離の位置に配置されている。
接続電極VE12は、辺E3から第2方向Yに沿って延伸する。接続電極VE12は、点P2及び点P3から等距離の位置に配置されている。
つまり、接続電極VE01が配置される位置は、辺E1の中央である。接続電極VE12が配置される位置は、辺E3の中央である。接続電極VE01及びVE12は、第2方向Yに平行な方向に沿って一直線に配置され、パッチ電極PE11の中心点C11に対して線対称に配置されている。
【0059】
接続電極HE01は、辺E2から第1方向Xと逆方向に延伸する。接続電極HE01は、点P1及び点P2から等距離の位置に配置されている。
接続電極HE12は、辺E4から第1方向Xに沿って延伸する。接続電極HE12は、点P3及び点P4から等距離の位置に配置されている。
つまり、接続電極HE01が配置される位置は、辺E2の中央である。接続電極HE12が配置される位置は、辺E4の中央である。接続電極HE01及びHE12は、第1方向Xに平行な方向に沿って一直線に配置され、パッチ電極PE11の中心点C11に対して線対称に配置されている。
【0060】
本実施形態において、1つのパッチエリアPAに含まれるパッチ電極PE、接続電極VE、及び接続電極HEがなす電極形状は、当該パッチエリアPAの中心点C11を回転中心とする、回転対称性を有する。
4つのパッチエリアPA11、PA12、PA21、及びPA22では、当該4つのパッチエリアPA全体が、回転対称性を有しているといえる。この場合、回転中心は、当該4つのパッチエリアPAの交点Tである。
【0061】
1つのパッチエリアにおいて、入射面Saから見た電極形状は、水平偏波方向と垂直偏波方向で略等しく作用する形状であることが望ましい。電極形状がそれぞれの方向で異なって作用すると、水平偏波と垂直偏波の反射特性が異なってしまうからである。
本実施形態の電波反射板REにおいて、パッチ電極PE、接続電極VE、及び接続電極HEがなす電極形状は、回転対称性を有しているので、水平偏波方向と垂直偏波方向で略等しく作用する。これにより電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
【0062】
図2と同様に、電波反射板REをパッチ電極群GPごとに制御する場合は、接続電極VEは、パッチ電極PEと同一の導体で一体に形成されていてもよいし、互いに異なる導体で形成されてもよい。接続電極HEは、パッチ電極PEと接続せず、ダミー電極であってもよい。すなわち、接続電極HEは、フローティング状態であってもよい。
図6に示すように、電波反射板REをアクティブマトリクス駆動する場合は、接続電極HEは走査線GL、接続電極VEは信号線SLであってもよい。
【0063】
なお接続電極HEではなく、接続電極VEをダミー電極としてもよい。その場合は、接続電極HEを介して、パッチ電極PEに電圧を印加すればよい。つまり接続電極HE及び接続電極VEの一方を電圧が印加される電極として用い、他方をダミー電極として用いればよい。
【0064】
図10は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図10に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、接続電極VE及びHEの幅が異なるという点で異なっている。
【0065】
図10に示す電波反射板REでは、接続電極HEの幅j2は、接続電極VEの幅j1より大きい。すなわちj2>j1である。
このような場合でも、1つのパッチエリアPAに含まれる電極形状は、回転対称性を有する。
図10に示す4つのパッチエリアPA11、PA12、PA21、及びPA22全体においても、全体として回転対称性を有している。
【0066】
図10に示す電波反射板REにおいても、パッチ電極PE、接続電極VE、及び接続電極HEがなす電極形状は、回転対称性を有しているので、水平偏波方向と垂直偏波方向で略等しく作用する。これにより電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
【0067】
本開示において、第2方向Yの逆方向に沿って延伸する接続電極VEを、第1接続電極とし、第1方向Xの逆方向に沿って延伸する接続電極HEを、第2接続電極とし、第2方向Yに沿って延伸する接続電極VEを、第3接続電極とし、第1方向Xに沿って延伸する接続電極HEを、第4接続電極とする。
第1接続電極及び第3接続電極は、第2方向Yと平行な方向に延伸している。第2接続電極及び第4接続電極は、第1方向Xと平行な方向に延伸している。
【0068】
本開示において、例えば、パッチエリアPA11を第1パッチエリア、パッチエリアPA11と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA12を第2パッチエリア、パッチエリアPA11と第1方向Xで隣り合うパッチエリアPA21を第3パッチエリア、パッチエリアPA12と第1方向Xで隣り合い、パッチエリアPA21と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA22を第4パッチエリアとする。
【0069】
本開示において、パッチ電極PEにおいて、第1方向Xに沿って延伸する辺E1及びE3を、それぞれ、第1辺及び第3辺とし、第2方向Yに沿って延伸する辺E2及びE4を、それぞれ、第2辺及び第4辺とする。
辺E1及び辺E2の交点である点P1、辺E2及び辺E3の交点である点P2、辺E3及び辺E4の交点である点P3、辺E4及び辺E1の交点である点P4を、それぞれ、第1点、第2点、第3点、及び第4点とする。
【0070】
<構成例1>
図11は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図11に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、接続電極VE及び接続電極HEが辺の中央からずれた位置に配置されているという点で異なっている。
中心点C11を通り、第1方向Xに沿って延伸する仮想線Lhは、辺E2及び辺E4の中央を通る仮想線である。中心点C11を通り、第2方向Yに沿って延伸する仮想線Lvは、辺E1及び辺E3の中央を通る仮想線である。
【0071】
接続電極VE01は、辺E1から延伸している。しかし接続電極VE01は、図9とは異なり、辺E1の中央には配置されていない。接続電極VE01は、点P1及び点P4から等距離の位置に配置されておらず、点P4より点P1に近い位置に配置されている。
接続電極VE12は、辺E3から延伸している。しかし接続電極VE12は、図9とは異なり、辺E3の中央には配置されていない。接続電極VE12は、点P2及び点P3から等距離の位置に配置されておらず、点P3よりは点P2に近い位置に配置されている。
【0072】
接続電極HE01は、辺E2から延伸している。しかし接続電極HE01は、図9とは異なり、辺E2の中央には配置されていない。接続電極HE01は、点P1及び点P2から等距離の位置に配置されておらず、点P2よりは点P1に近い位置に配置されている。
接続電極HE12は、辺E4から延伸している。しかし接続電極HE12は、図9とは異なり、辺E4の中央には配置されていない。接続電極HE12は、点P3及び点P4から等距離の位置に配置されておらず、点P3よりは点P4に近い位置に配置されている。
【0073】
接続電極VE01及びVE12は、第2方向Yに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE01及びVE12は、仮想線Lvと重畳せず、ずれた位置に配置される。
接続電極HE01及びHE12は、第1方向Xに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極HE01及びHE12は、仮想線Lhと重畳せず、ずれた位置に配置される。
【0074】
図2と同様に、電波反射板REをパッチ電極群GPごとに制御する場合は、接続電極VEは、パッチ電極PEと同一の導体で一体に形成されていてもよいし、互いに異なる導体で形成されてもよい。接続電極HEは、パッチ電極PEと接続せず、ダミー電極であってもよい。すなわち、接続電極HEは、フローティング状態であってもよい。
図6に示すように、電波反射板REをアクティブマトリクス駆動する場合は、接続電極HEは走査線GL、接続電極VEは信号線SLであってもよい。
【0075】
なお接続電極HEではなく、接続電極VEをダミー電極としてもよい。その場合は、接続電極HEを介して、パッチ電極PEに電圧を印加すればよい。つまり接続電極HE及び接続電極VEの一方を電圧が印加される電極として用い、他方をダミー電極として用いればよい。
【0076】
本構成例においては、1つのパッチエリアPAに含まれるパッチ電極PE、接続電極VE、及び接続電極HEがなす電極形状が、回転対称性を有していない。
4つのパッチエリアPA11、PA12、PA21、及びPA22全体についても、回転対称性を有していない。しかしながら、1つのパッチエリアPAに含まれる上記電極形状も、上記4つのパッチエリアPA全体も、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。
【0077】
図12は、パッチエリアPA11を、反時計回りに90°回転させた状態を示す図である。回転前後で、パッチ電極PE、接続電極VE、及び接続電極HEを含む電極形状は、同一ではない。しかしながら、回転後の電極形状についても、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。よって入射波w1に対して、水平偏波方向と垂直偏波方向で略等しく作用するという点では同様である。図12に示す構成例においても、電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
【0078】
図13は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図13に示した構成例では、図11に示した構成例と比較して、接続電極HEの位置が異なっている。
図13に示す電波反射板REでは、接続電極HE01は、辺E2の中央には配置されていない。接続電極HE01は、点P1及び点P2から等距離の位置に配置されておらず、点P1よりは点P2に近い位置に配置されている。
接続電極HE12は、辺E4の中央には配置されていない。接続電極HE12は、点P3及び点P4から等距離の位置に配置されておらず、点P4よりは点P3に近い位置に配置されている。
【0079】
図13においても、図11と同様に、接続電極VE01及びVE12は、第2方向Yに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE01及びVE12は、仮想線Lvと重畳せず、ずれた位置に配置される。
接続電極HE01及びHE12は、第1方向Xに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極HE01及びHE12は、仮想線Lhと重畳せず、ずれた位置に配置される。
【0080】
図13に示す構成例においては、1つのパッチエリアPAに含まれる上記電極形状も、上記4つのパッチエリアPA全体も、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。よって電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
本構成例についても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0081】
本開示において、パッチ電極PEの中心点C(例えば中心点C11)を通り、第2方向Yに沿って延伸する仮想線Lvを、第1仮想線とする。中心点Cを通り、第1方向Xに沿って延伸する仮想線Lhを、第2仮想線とする。
【0082】
<構成例2>
図14は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図14に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、接続電極VE及び接続電極HEの一方が辺の中央からずれた位置に配置されているという点で異なっている。
図14に示す電波反射板REでは、接続電極VEの位置は、図9と同様である。すなわち、接続電極VE01及びVE12は、第2方向Yに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線であって、仮想線Lvと重畳する。
【0083】
接続電極HE01は、辺E2の中央には配置されていない。接続電極HE01は、仮想線Lhとは重畳せず、ずれた位置に配置されている。接続電極HE01は、点P1及び点P2から等距離の位置に配置されておらず、点P1よりは点P2に近い位置に配置されている。
接続電極HE12は、辺E4の中央には配置されていない。接続電極HE12は、仮想線Lhとは重畳せず、ずれた位置に配置されている。接続電極HE12は、点P3及び点P4から等距離の位置に配置されておらず、点P4よりは点P3に近い位置に配置されている。
すなわち、接続電極HE01及びHE12は、第1方向Xに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線であって、仮想線Lhとずれた位置に配置される。
【0084】
ただし、接続電極HE01及びHE12の位置は上記に限定されず、それぞれ辺E2及び辺E4の中央に配置されていなければよい。接続電極HE01が点P2よりは点P1に近い位置、接続電極HE12が点P3よりは点P4に近い位置に配置されていてもよい。
【0085】
図15は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図15に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、接続電極VE及び接続電極HEの一方が辺の中央からずれた位置に配置されているという点で異なっている。
図15に示す電波反射板REでは、接続電極HEの位置は、図9と同様である。すなわち、接続電極HE01及びHE12は、第1方向Xに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線であって、仮想線Lhと重畳する。
【0086】
接続電極VE01は、辺E1の中央には配置されていない。接続電極VE01は、仮想線Lvとは重畳せず、ずれた位置に配置されている。接続電極VE01は、点P1及び点P4から等距離の位置に配置されておらず、点P1よりは点P4に近い位置に配置されている。
接続電極VE12は、辺E3の中央には配置されていない。接続電極VE12は、仮想線Lvとは重畳せず、ずれた位置に配置されている。接続電極VE12は、点P2及び点P3から等距離の位置に配置されておらず、点P2よりは点P3に近い位置に配置されている。
すなわち、接続電極VE01及びVE12は、第2方向Yに平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線であって、仮想線Lvとずれた位置に配置される。
【0087】
ただし、接続電極VE01及びVE12の位置は上記に限定されず、それぞれ辺E1及び辺E2の中央に配置されていなければよい。接続電極VE01が点P4よりは点P1に近い位置、接続電極VE12が点P3よりは点P2に近い位置に配置されていてもよい。
【0088】
図14及び図15に示す構成例において、図2と同様に、電波反射板REをパッチ電極群GPごとに制御する場合は、接続電極VEは、パッチ電極PEと同一の導体で一体に形成されていてもよいし、互いに異なる導体で形成されてもよい。接続電極HEは、パッチ電極PEと接続せず、ダミー電極であってもよい。すなわち、接続電極HEは、フローティング状態であってもよい。
図6に示すように、電波反射板REをアクティブマトリクス駆動する場合は、接続電極HEは走査線GL、接続電極VEは信号線SLであってもよい。
【0089】
なお接続電極HEではなく、接続電極VEをダミー電極としてもよい。その場合は、接続電極HEを介して、パッチ電極PEに電圧を印加すればよい。つまり接続電極HE及び接続電極VEの一方を電圧が印加される電極として用い、他方をダミー電極として用いればよい。
【0090】
図14及び図15に示す構成例においては、パッチエリアPAは、回転対称性を有さない。しかしながら、回転後の電極形状についても、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。よって図14及び図15に示す構成例においても、電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
本構成例についても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0091】
<構成例3>
図16は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図16に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、隣り合うパッチ電極PEを接続する電極が斜め方向に延伸しているという点で異なっている。
図16に示す例において、X-Y平面において、第1方向Xから時計回りに45°傾く方向を、方向D1とする。X-Y平面において、方向D1から時計回りに180°傾く方向を、方向D2とする。方向D1及び方向D2は、互いに平行な方向であり、一方は他方の逆方向である。
方向D1と直交する方向をD3とし、方向D3と時計回りに180°傾く方向をD4とする。方向D3及び方向D4は、互いに平行な方向であり、一方は他方の逆方向である。方向D1及びD3は、90°で交差している。
【0092】
図16に示す電波反射板REでは、隣り合うパッチ電極PEを接続する接続電極は、パッチ電極PEの点P(P1、P2、P3、P4)から延伸する。当該接続電極は、方向D1もしくは方向D2、又は方向D3もしくは方向D4に沿って延伸している。
【0093】
パッチエリアPA11は、パッチ電極PE11と、接続電極LE01と、接続電極LE12とを有している。接続電極LE01は、辺E1及び辺E2の交点である点P1から、方向D2に沿って延伸している。接続電極LE12は、辺E3及び辺E4の交点である点P3から、方向D1に沿って延伸している。接続電極LE01及び接続電極LE12は、方向D1と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。
パッチ電極PEの対角線のうち、方向D1(方向D2)と平行である対角線Gmaを含む仮想線をGm、方向D3(方向D4)と平行である対角線Ghaを含む仮想線Ghとする。接続電極LE01及び接続電極LE12は、仮想線Ghと重畳している。
【0094】
パッチエリアPA11と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA12は、パッチ電極PE12と、接続電極ME12と、接続電極ME23とを有している。接続電極ME12は、辺E1及び辺E4の交点である点P4から、方向D3に沿って延伸している。接続電極ME23は、辺E2及び辺E3の交点である点P2から、方向D4に沿って延伸している。接続電極ME12及び接続電極ME23は、方向D3と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極LE01及び接続電極LE12は、仮想線Gmと重畳している。
接続電極LE12及び接続電極ME12は、一体形成され、接続電極KE12を構成する。
【0095】
パッチエリアPA11を含み、第1方向Xに沿って配置されるパッチエリアPAの行(第1行とする)は、パッチエリアPA11と同様の構成を有している。パッチエリアPA12を含み、第1方向Xに沿って配置されるパッチエリアPAの行(第2行とする)は、パッチエリアPA12と同様の構成を有している。
パッチエリアPA13は、パッチエリアPA11と同様の構成を有している。図示しないが、パッチエリアPA13と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA14は、パッチエリアPA12と同様の構成を有している。本構成例の電波反射板REでは、第1行及び第2行が交互に配置されている。
【0096】
図16に示す電波反射板REにおいては、1つのパッチエリアPAに含まれるパッチ電極PE、接続電極LE、及び接続電極MEがなす電極形状は、当該パッチエリアPAの中心点を回転中心とする、回転対称性を有する。
図16に示す構成例においては、1つのパッチエリアPAに含まれる上記電極形状も、上記4つのパッチエリアPA全体も、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。よって電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
【0097】
図17は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図17に示した構成例では、図16に示した構成例と比較して、斜め方向に延伸している接続電極と対称に、ダミー電極が配置されているという点で異なっている。
【0098】
図17に示す電波反射板REでは、図16と同様に、隣り合うパッチ電極PEを接続する接続電極は、パッチ電極PEの点P(P1、P2、P3、P4)から延伸する。当該接続電極は、方向D1もしくは方向D2、又は方向D3もしくは方向D4に沿って延伸している。
接続電極が延伸する点と反対側の点からは、ダミー電極が延伸する。当該ダミー電極は、接続電極に対して、線対称に配置されている。ダミー電極は、上述の通り、パッチ電極PEと接続せず、フローティング状態であってもよい。
【0099】
パッチエリアPA11は、パッチ電極PE11と、接続電極LE01と、接続電極LE12と、ダミー電極DR01と、ダミー電極DR12とを有している。
接続電極LE01は、点P1から、方向D2に沿って延伸している。接続電極LE12は、点P3から、方向D1に沿って延伸している。接続電極LE01及び接続電極LE12は、方向D1と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極LE01及び接続電極LE12は、仮想線Ghと重畳している。
【0100】
ダミー電極DR01は、点P4から、方向D3に沿って延伸している。ダミー電極DR12は、点P2から、方向D4に沿って延伸している。ダミー電極DR01及びダミー電極DR12は、方向D3と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DR01及びダミー電極DR12は、仮想線Gmと重畳している。
【0101】
接続電極LE01及びダミー電極DR01は、仮想線Lhに対して線対称に位置している。接続電極LE01及びダミー電極DR12は、仮想線Lvに対して線対称に位置している。
【0102】
パッチエリアPA11と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA12は、パッチ電極PE12と、接続電極ME12と、接続電極ME23と、ダミー電極DL12と、ダミー電極DL23とを有している。
接続電極ME12は、辺E1及び辺E4の交点である点P4から、方向D3に沿って延伸している。接続電極ME23は、辺E2及び辺E3の交点である点P2から、方向D4に沿って延伸している。接続電極ME12及び接続電極ME23は、方向D3と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極ME12及び接続電極ME23は、仮想線Gmと重畳している。
【0103】
ダミー電極DL12は、点P1から、方向D2に沿って延伸している。ダミー電極DL23は、点P3から、方向D1に沿って延伸している。ダミー電極DL12及びダミー電極DL23は、方向D1と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DL12及びダミー電極DL23は、仮想線Ghと重畳している。
【0104】
パッチエリアPA12の接続電極ME12は、パッチエリアPA11の接続電極LE12と一体形成され、接続電極QE12を構成する。
パッチエリアPA12のダミー電極DL12は、パッチエリアPA11のダミー電極DR12と一体形成されていてもよいし、別々に離間して形成されていてもよい。一体形成されていた場合には、ダミー電極DL12及びダミー電極DR12は、ダミー電極DK12を構成する。
【0105】
パッチエリアPA12と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA13は、パッチ電極PE13と、接続電極LE23と、接続電極LE34と、ダミー電極DL23と、ダミー電極DR34とを有している。パッチエリアPA13は、パッチエリアPA11と同様の構成を有している。
接続電極LE23は、点P1から、方向D2に沿って延伸している。接続電極LE34は、点P3から、方向D1に沿って延伸している。接続電極LE23及び接続電極LE34は、方向D1と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極LE23及び接続電極LE34は、仮想線Ghと重畳している。
【0106】
ダミー電極DR23は、点P4から、方向D3に沿って延伸している。ダミー電極DR34は、点P2から、方向D4に沿って延伸している。ダミー電極DR23及びダミー電極DR34は、方向D3と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DR23及びダミー電極DR34は、仮想線Gmと重畳している。
【0107】
パッチエリアPA13の接続電極LE23は、パッチエリアPA13の接続電極ME23と一体形成され、接続電極KE23を構成する。
パッチエリアPA13のダミー電極DR23は、パッチエリアPA12のダミー電極DL23と一体形成されていてもよいし、別々に離間して形成されていてもよい。一体形成されていた場合には、ダミー電極DR23及びダミー電極DL23は、ダミー電極DQ23を構成する。
【0108】
パッチエリアPA11と第1方向Xで隣り合うパッチエリアPA21は、パッチエリアPA11と同様の構成を有している。パッチエリアPA21は、パッチ電極PE21と、接続電極LE01と、接続電極LE12と、ダミー電極DR01と、ダミー電極DR12とを有している。
接続電極LE01は、点P1から、方向D2に沿って延伸している。接続電極LE12は、点P3から、方向D1に沿って延伸している。接続電極LE01及び接続電極LE12は、方向D1と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極LE01及び接続電極LE12は、仮想線Ghと重畳している。
【0109】
ダミー電極DR01は、点P4から、方向D3に沿って延伸している。ダミー電極DR12は、点P2から、方向D4に沿って延伸している。ダミー電極DR01及びダミー電極DR12は、方向D3と平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DR01及びダミー電極DR12は、仮想線Gmと重畳している。
【0110】
パッチエリアPA21と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA22は、パッチエリアPA12と同様の構成を有している。ただしパッチエリアPA12のパッチ電極PE12は、パッチエリアPA21のパッチ電極PE22と読み替えるものとする。
【0111】
図17に示す電波反射板REにおいては、1つのパッチエリアPAに含まれるパッチ電極PE、接続電極LE、接続電極ME、ダミー電極DL、及びダミー電極DRがなす電極形状は、当該パッチエリアPAの中心点を回転中心とする、回転対称性を有する。
4つのパッチエリアPA(PA11、PA12、PA21、及びPA22)についても、当該4つのパッチエリアPA全体の交点Tを回転中心とする回転対称性を有している。
【0112】
図17に示す構成例においては、1つのパッチエリアPAに含まれる上記電極形状も、上記4つのパッチエリアPA全体も、水平偏波方向と垂直偏波方向で対称性を有している。よって電波反射板REの反射特性を向上させることが可能である。
【0113】
図16及び図17において、図2と同様に、電波反射板REをパッチ電極群GPごとに制御する場合は、接続電極LE及びREは、パッチ電極PEと同一の導体で一体に形成されていてもよいし、互いに異なる導体で形成されてもよい。図17において、ダミー電極DL及びDRは、は、フローティング状態であってもよい。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0114】
本開示において、第1方向Xから時計回りに45°傾く方向D1、及び、方向D1と直交する方向D3を、それぞれ、第3方向及び第4方向と呼ぶこともある。対角線Gha及びGmaを、それぞれ、第1対角線及び第2対角線と呼ぶこともある。仮想線Gh及びGmを、それぞれ、第1仮想線及び第2仮想線と呼ぶこともある。
【0115】
図16及び図17において、パッチ電極PEから方向D1と平行な方向に延伸する接続電極LEのうち、一方を第1接続電極、他方を第2接続電極とする。パッチ電極PEから方向D3と平行な方向に延伸する接続電極MEのうち、一方を第1接続電極、他方を第2接続電極とする。
【0116】
図16及び図17において、例えば、パッチ電極PE11の頂点である点P1から方向D2に沿って延伸する接続電極LE01を、パッチエリアPA11の第1接続電極とする。パッチ電極PE11の頂点である点P3から方向D1に沿って延伸する接続電極LE12を、パッチエリアPA11の第2接続電極とする。パッチエリアPA11と第2方向Yで隣り合うパッチエリアPA12において、パッチ電極PE12の頂点である点P4から方向D3に沿って延伸する接続電極ME12を、パッチエリアPA12の第1接続電極とする。パッチ電極PE12の頂点である点P2から方向D4に沿って延伸する接続電極ME23を、パッチエリアPA12の第2接続電極とする。
【0117】
<構成例4>
図18は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す平面図である。図17に示した構成例では、図9に示した構成例と比較して、パッチ電極が斜め方向に沿って配列されているという点で異なっている。
図18は、本構成例の電波反射板REを示す平面図である。電波反射板REには、複数の正方形のパッチ電極PEが、上述した方向D1及び方向D3に沿ってマトリクス状に配置されている。パッチ電極PEの対角線のうち、第1方向Xと平行な対角線Gxaを含む仮想線をGxとし、第2方向Yと平行な対角線Gyaを含む仮想線をGyとする。
【0118】
図18に示す電波反射板REは、パッチエリアPA11、PA12、PA21、PA22、PA31、及びPA32を備えている。パッチエリアPA11及びPA31は、第1方向Xに沿って、隣り合って配置される。パッチエリアPA12及び32は、第1方向Xに沿って、隣り合って配置される。
パッチエリアPA11及びPA12は、第2方向Yに沿って、隣り合って配置される。パッチエリアPA21及びPA22は、第2方向Yに沿って、隣り合って配置される。パッチエリアPA31及びPA32は、第2方向Yに沿って、隣り合って配置される。
【0119】
パッチエリアPA11、PA22、及びPA32は、方向D1(又は方向D2)に沿って、隣り合って配置されている。パッチエリアPA21及びPA31は、方向D1(又は方向D2)に沿って、隣り合って配置されている。
パッチエリアPA11及びPA21は、方向D3(又は方向D4)に沿って、隣り合って配置されている。パッチエリアPA12,PA22、及びPA31は、方向D3(又は方向D4)に沿って、隣り合って配置されている。
【0120】
パッチエリアPA11は、パッチ電極PE11と、接続電極VE01aと、接続電極VE12aと、ダミー電極DH01aと、ダミー電極DH12aとを有している。接続電極VE01aは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸している。接続電極VE12aは、点P2から第2方向Yに沿って延伸しており、パッチエリアPA12のパッチ電極PE12と接続されている。接続電極VE01a及び接続電極VE12aは、第2方向Yと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE01a及び接続電極VE12aは、仮想線Gyと重畳している。
【0121】
ダミー電極DH01aは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、パッチエリアPA31に達していてもよい。ダミー電極DH01a及びダミー電極DH12aは、第1方向Xと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DH01a及びダミー電極DH12aは、仮想線Gxと重畳している。
【0122】
パッチエリアPA12は、パッチ電極PE12と、接続電極VE12aと、接続電極VE23aと、ダミー電極DH01aと、ダミー電極DH12aとを有している。
接続電極VE12aは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸している。接続電極VE23aは、点P2から第2方向Yに沿って延伸している。接続電極VE12a及び接続電極VE23aは、第2方向Yと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE12a及び接続電極VE23aは、仮想線Gyと重畳している。
【0123】
ダミー電極DH01aは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、パッチエリアPA32に達していてもよい。
【0124】
パッチエリアPA21は、パッチ電極PE21と、接続電極VE01bと、接続電極VE12bと、ダミー電極DH01bと、ダミー電極DH12bとを有している。
接続電極VE01bは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸している。接続電極VE12bは、点P2から第2方向Yに沿って延伸しており、パッチ電極PE22と接続されている。接続電極VE01b及び接続電極VE12bは、第2方向Yと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE01b及び接続電極VE12bは、仮想線Gyと重畳している。
【0125】
ダミー電極DH01bは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12bは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。ダミー電極DH01b及びダミー電極DH12bは、第1方向Xと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DH01b及びダミー電極DH12bは、仮想線Gxと重畳している。
【0126】
パッチエリアPA22は、パッチ電極PE22と、接続電極VE12bと、接続電極VE12bと、ダミー電極DH01bと、ダミー電極DH12bとを有している。
接続電極VE12bは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸しており、パッチ電極PE21と接続されている。接続電極VE23bは、点P2から第2方向Yに沿って延伸している。接続電極VE12b及び接続電極VE23bは、第2方向Yと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。接続電極VE12b及び接続電極VE23bは、仮想線Gyと重畳している。
【0127】
ダミー電極DH01bは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12bは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。
【0128】
パッチエリアPA31は、パッチ電極PE31と、接続電極VE01aと、接続電極VE12aと、ダミー電極DH12aと、ダミー電極DH23aとを有している。
接続電極VE01aは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸している。接続電極VE12aは、点P2から第2方向Yに沿って延伸しており、パッチエリアPA32のパッチ電極PE32と接続されている。
【0129】
ダミー電極DH12aは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、パッチエリアPA11に達していてもよい。ダミー電極DH23aは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。ダミー電極DH12a及びダミー電極DH23aは、第1方向Xと平行な方向に延伸する、一直線の電極又は配線である。ダミー電極DH12a及びダミー電極DH23aは、仮想線Gxと重畳している。
【0130】
パッチエリアPA32は、パッチ電極PE32と、接続電極VE12aと、接続電極VE23aと、ダミー電極DH12aと、ダミー電極DH23aとを有している。
接続電極VE12aは、点P4から第2方向Yと平行な方向に沿って延伸しており、パッチエリアPA31のパッチ電極PE31と接続されている。接続電極VE23aは、点P2から第2方向Yに沿って延伸している。
【0131】
ダミー電極DH12aは、点P1から第1方向Xと平行な方向に沿って延伸している。ダミー電極DH12aは、パッチエリアPA12に達していてもよい。ダミー電極DH23aは、点P3から第1方向Xに沿って延伸している。
【0132】
接続電極VE(VE01a、VE12a、VE23a、VE01b、VE12b、VE23b)、及びダミー電極DH(DH01a、DH12a、DH23a、DH01b、DH12b)は、断面視で、絶縁層を介して離間していることが望ましい。
【0133】
本構成例において、パッチエリアPAは、第1方向X及び第2方向Yと45°を成す方向D1、方向D2、方向D3、及び方向D4に沿って配置されている。パッチエリアPAに含まれるパッチ電極PEにおいても、同様に、第1方向X及び第2方向Yと45°を成す方向に沿って配置される。
図18は、複数のパッチエリアPAの一部を例示するものである。図17に示す電波反射板REでは、6つのパッチエリアPAを示しているが、パッチエリアPAの数はこれに限定されない。
【0134】
図18において、図2と同様に、電波反射板REをパッチ電極群GPごとに制御する場合は、接続電極VEは、パッチ電極PEと同一の導体で一体に形成されていてもよいし、互いに異なる導体で形成されてもよい。ダミー電極DHは、フローティング状態であってもよい。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0135】
本開示において、図18に示される、方向D1及び方向D3を、それぞれ、第1方向及び第2方向と呼ぶ。この場合、第1方向X及び第2方向Yを、それぞれ第3方向及び第4方向と呼ぶ。
対角線Gya及びGxaを、それぞれ、第1対角線及び第2対角線と呼ぶ。仮想線Gy及びGxを、それぞれ、第1仮想線及び第2仮想線と呼ぶ。
【0136】
図18において、例えば、パッチエリアPA12、PA11、及びPA32を、それぞれ、第1パッチエリア、第2パッチエリア、及び第3パッチエリアとする。パッチエリアPA12(第1パッチエリア)及びパッチエリアPA11(第2パッチエリア)は、方向D1(第1方向)と平行な方向で隣り合う。パッチエリアPA12(第1パッチエリア)及びパッチエリアPA32(第3パッチエリア)は、方向D3(第2方向)と平行な方向で隣り合う。
【0137】
図18において、パッチエリアPA12の接続電極VE12a及びVE23aを、第1パッチエリアの第1接続電極及び第2接続電極と呼ぶ。パッチエリアPA11の接続電極VE01a及びVE12aを、第1パッチエリアの第1接続電極及び第2接続電極と呼ぶ。パッチエリアPA12の接続電極VE12a及びパッチエリアPA11の接続電極VE12aは、一体形成されている。
【0138】
図18において、パッチエリアPA12のダミー電極DH01a及びDH12aを、第1パッチエリアの第1ダミー電極及び第2ダミー電極と呼ぶ。パッチエリアPA32のダミー電極DH12a及びDH23aを、第3パッチエリアの第1ダミー電極及び第2ダミー電極と呼ぶ。パッチエリアPA12のダミー電極DH12a及びパッチエリアPA32のダミー電極DH12aは、一体形成されている。
【0139】
<構成例5>
図19は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。図19に示した構成例では、図1に示した構成例と比較して、パッチ電極とダミー電極が絶縁層を介して離間しているという点で異なっている。
図19(A)は、図9のパッチエリアPA11を示す平面図である。図19(B)は、図19(A)の線A1-A2に沿った電波反射板REの断面図である。
【0140】
図19(B)に示す電波反射板REでは、基材BA1上に、接続電極HE01及びHE02が設けられている。接続電極HE01及びHE02を覆って、絶縁層INSが設けられている。絶縁層INSは、無機絶縁材料又は有機絶縁材料で形成されていればよい。絶縁層INS上に、パッチ電極PEが設けられている。
接続電極HEがダミー電極である場合は、接続電極HEはフローティング状態であればよい。
【0141】
図17に示す電波反射板REでは、ダミー電極DR(DR01、DR12、DR23)、及びダミー電極DL(DL01、DL12、DL23)を、図19(B)に示す接続電極HE(HE01、HE12)に読み替えて置き換えればよい。
図18に示す電波反射板REでは、ダミー電極DHを、図19(B)に示す接続電極HEに読み替えて置き換えればよい。
【0142】
図20は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。図20に示した構成例では、図19に示した構成例と比較して、ダミー電極同士が一体形成されているという点で異なっている。
図20に示す電波反射板REでは、ダミー電極である接続電極HE01及びHE12は、一体形成され1つの接続電極HEを構成している。接続電極HEは、隣接して配置されるパッチエリアPAに設けられる別の接続電極HEと接続されていてもよい。
【0143】
図21は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。図21に示した構成例では、図20に示した構成例と比較して、ダミー電極がパッチ電極より上方に設けられているという点で異なっている。
図21に示す電波反射板REでは、基材BA1上に、パッチ電極PEが設けられている。なお基材BA1及びパッチ電極PEとの間に、図示しない絶縁層が設けられていてもよい。パッチ電極PEを覆って、絶縁層INSが設けられている。絶縁層INS上に、接続電極HE01及びHE02が設けられている。
【0144】
図22は、実施形態における電波反射板の他の構成例を示す図である。図22に示した構成例では、図20に示した構成例と比較して、ダミー電極がパッチ電極と同層に設けられているという点で異なっている。
図22(A)は、パッチエリアPA11の平面図、図22(B)は、図22(A)の線B1-B2に沿った電波反射板REの断面図である。図22(A)及び図22(B)に示す電波反射板REでは、基材BA1上に絶縁層INSが設けられている。絶縁層INS上に、パッチ電極PE、ダミー電極である接続電極HE01及びHE12が設けられている。パッチ電極PE及び接続電極HE(HE01及びHE12)は,X-Y平面上で離間して設けられており、接続されていない。接続電極HEは、フローティング状態である。
本構成例においても、実施形態と同様の効果を奏する。
【0145】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0146】
C…中心点、D1…方向、D2…方向、D3…方向、D4…方向、DH…ダミー電極、DL…ダミー電極、DR…ダミー電極、E1…辺、E2…辺、E3…辺、E4…辺、Gh…仮想線、Gha…対角線、Gm…仮想線、Gma…対角線、Gx…仮想線、Gxa…対角線、Gy…仮想線、Gya…対角線、HE…接続電極、LE…接続電極、Lh…仮想線、Lv…仮想線、P…点、PA…パッチエリア、PE…パッチ電極、RE…電波反射板、ME…接続電極、VE…接続電極。
図1
図2
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