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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】解体分別支援システム、装置および方法
(51)【国際特許分類】
   G21F 9/30 20060101AFI20241118BHJP
   G01T 1/167 20060101ALI20241118BHJP
   G21C 17/00 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
G21F9/30 535A
G01T1/167 D
G01T1/167 C
G21C17/00 500
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021070932
(22)【出願日】2021-04-20
(65)【公開番号】P2022165549
(43)【公開日】2022-11-01
【審査請求日】2024-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】507250427
【氏名又は名称】日立GEニュークリア・エナジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】杉本 洋平
(72)【発明者】
【氏名】関 洋
(72)【発明者】
【氏名】上田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】浅野 隆
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-230223(JP,A)
【文献】特開2003-066186(JP,A)
【文献】米国特許第05936863(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21F 9/30
G21C 17/00
G01D 1/00
G01T 1/167
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多重系で構成される原子力プラントに対する解体分別支援システムにおいて、
当該解体分別支援システムの利用者が利用する操作端末装置と、
前記原子力プラントのプラント設計情報を記憶する記憶部と、
前記原子力プラントを構成する任意の多重系に属する第1系統の設備に対する切断位置を示す切断情報を生成する切断計画部と、
前記切断情報に従って切断された切断片のそれぞれについての放射能の計測結果を用いて、当該切断片の放射能を示す放射能確認情報を生成する放射能確認部と、
前記プラント設計情報と、前記放射能確認情報により特定される切断された各切断片の放射能濃度とを対応付け、前記多重系に属する放射能分布の予測に利用可能な設計情報-放射能対応関係情報を生成する切断片特定部と、
前記第1系統の設備における放射能分布を示す放射能分布情報を生成する放射能分布予測部と、
前記切断計画部は、前記放射能分布情報に基づいて、前記第1系統と同じ多重系に属する第2系統の設備における切断情報を生成し、前記操作端末装置に対して生成された前記切断情報を出力する解体分別支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の解体分別支援システムにおいて、
前記放射能分布情報に含まれる放射能濃度予測値に基づいて、前記原子力プラントの全体に対する放射能分布を特定する放射能分布評価部をさらに有する解体分別支援システム。
【請求項3】
請求項1に記載の解体分別支援システムにおいて、
前記切断計画部は、前記第1系統の3Dモデルと前記放射能分布に基づいて、前記切断情報を作成し、
前記3Dモデルは、3D-CADのオブジェクトまたは三次元点群である解体分別支援システム。
【請求項4】
請求項1に記載の解体分別支援システムにおいて、
前記放射能分布は、単位面積当り、または、単位体積当り、または単位重量当りの放射能密度の平均値および標準偏差である解体分別支援システム。
【請求項5】
請求項1に記載の解体分別支援システムにおいて、
前記放射能分布予測部は、設備名、系統名、部品名、形状、位置、材質の少なくとも1つをパラメータとして、設備汚染面の単位面積当たりの放射能密度、または、設備の単位体積または単位重量当りの放射能濃度を予測する解体分別支援システム。
【請求項6】
多重系で構成される原子力プラントに対する解体分別支援装置において、
前記原子力プラントのプラント設計情報を記憶する記憶部と、
前記原子力プラントを構成する任意の多重系に属する第1系統の設備に対する切断位置を示す切断情報を生成する切断計画部と、
前記切断情報に従って切断された切断片のそれぞれについての放射能の計測結果を用いて、当該切断片の放射能を示す放射能確認情報を生成する放射能確認部と、
前記プラント設計情報と、前記放射能確認情報により特定される切断された各切断片の放射能濃度とを対応付け、前記多重系に属する放射能分布の予測に利用可能な設計情報-放射能対応関係情報を生成する切断片特定部と、
前記第1系統の設備における放射能分布を示す放射能分布情報を生成する放射能分布予測部と、
前記切断計画部は、前記放射能分布情報に基づいて、前記第1系統と同じ多重系に属する第2系統の設備における切断情報を生成する解体分別支援装置。
【請求項7】
請求項6に記載の解体分別支援装置において、
前記放射能分布情報に含まれる放射能濃度予測値に基づいて、前記原子力プラントの全体に対する放射能分布を特定する放射能分布評価部をさらに有する解体分別支援装置。
【請求項8】
請求項6に記載の解体分別支援装置において、
前記切断計画部は、前記第1系統の3Dモデルと前記放射能分布に基づいて、前記切断情報を作成し、
前記3Dモデルは、3D-CADのオブジェクトまたは三次元点群である解体分別支援装置。
【請求項9】
請求項6に記載の解体分別支援装置において、
前記放射能分布は、単位面積当り、または、単位体積当り、または単位重量当りの放射能密度の平均値および標準偏差である解体分別支援装置。
【請求項10】
請求項6に記載の解体分別支援装置において、
前記放射能分布予測部は、設備名、系統名、部品名、形状、位置、材質の少なくとも1つをパラメータとして、設備汚染面の単位面積当たりの放射能密度、または、設備の単位体積または単位重量当りの放射能濃度を予測する解体分別支援装置。
【請求項11】
多重系で構成される原子力プラントに対する解体分別支援装置を用いた解体分別支援方法において、
記憶部に、前記原子力プラントのプラント設計情報を記憶しておき、
切断計画部により、前記原子力プラントを構成する任意の多重系に属する第1系統の設備に対する切断位置を示す切断情報を生成し、
放射能確認部により、前記切断情報に従って切断された切断片のそれぞれについての放射能の計測結果を用いて、当該切断片の放射能を示す放射能確認情報を生成し、
切断片特定部により、前記プラント設計情報と、前記放射能確認情報により特定される切断された各切断片の放射能濃度とを対応付け、前記多重系に属する放射能分布の予測に利用可能な設計情報-放射能対応関係情報を生成し、
放射能分布予測部により、前記第1系統の設備における放射能分布を示す放射能分布情報を生成し、
前記切断計画部により、前記放射能分布情報に基づいて、前記第1系統と同じ多重系に属する第2系統の設備における切断情報を生成する解体分別支援方法。
【請求項12】
請求項11に記載の解体分別支援方法において、
放射能分布評価部により、前記放射能分布情報に含まれる放射能濃度予測値に基づいて、前記原子力プラントの全体に対する放射能分布を特定する解体分別支援方法。
【請求項13】
請求項11に記載の解体分別支援方法において、
前記切断計画部により、前記第1系統の3Dモデルと前記放射能分布に基づいて、前記切断情報を作成し、
前記3Dモデルは、3D-CADのオブジェクトまたは三次元点群である解体分別支援方法。
【請求項14】
請求項11に記載の解体分別支援方法において、
前記放射能分布は、単位面積当り、または、単位体積当り、または単位重量当りの放射能密度の平均値および標準偏差である解体分別支援方法。
【請求項15】
請求項11に記載の解体分別支援方法において、
前記放射能分布予測部により、設備名、系統名、部品名、形状、位置、材質の少なくとも1つをパラメータとして、設備汚染面の単位面積当たりの放射能密度、または、設備の単位体積または単位重量当りの放射能濃度を予測する解体分別支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力プラントの設備解体や廃棄物の分別処理といった廃止措置の支援を行う技術に関する。なお、原子力プラントは、放射性物質に汚染された設備であり、原子力発電所、再処理施設や原子力船などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントの廃止措置では、放射性物質に汚染された機器や配管などの設備を解体し、汚染度合に応じて処理・処分する。一般的な解体の流れとしては、まず、各設備がどの程度汚染されているか(以降、放射能分布と呼称)を、放射線計測などにより事前評価する。このとき、設備外側から放射線計測となるため、設備内部の汚染面と放射線計測器の間に存在する設備自体が遮蔽体となるため、評価結果の精度は比較的に低くなる。そのため、一般的には、一部の代表的な機器・配管部位を対象として計測を行い、それ以外の部位は計算により補間して放射能を予測する。
【0003】
このようにして事前評価された放射能分布に基づき解体計画を立案し、設備を解体(一次切断)する。そして、すべての一次切断された設備解体片(切断片)は、設備内の汚染面を直接放射線計測して放射能(面積当りの放射能汚染密度または重量当たりの放射能濃度)を精密に計測する。放射性廃棄物を低減するため、必要に応じて汚染レベルを下げる処理を実施する。これは、再切断(二次切断)により取り扱いやすいサイズに加工し、除染を実施した後、再度汚染面の放射能を精密に計測するといった処理である。精密に計測された放射能に応じて定められた方法により保管・処分される。
【0004】
このとき、一次切断された切断片の中に放射能の偏り(ホットスポット)が存在する場合、ホットスポットを除去するために切断片全体を除染するか、二次切断によりホットスポットを切り分けて除染するなど、処理に手間がかかる。必要以上の二次切断・除染・放射能の再計測を無くし、廃止措置に係るコストを低減するためには、放射能分布の事前評価の精度を向上し、切断片の中に放射能の偏りが存在しないように一次切断することが重要である。
【0005】
特許文献1には、同一部位に対して複数の視点から放射線計測を実施することで、高精度に放射能分布を事前評価できる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2013-108815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された技術は、高精度に放射能分布を評価できるが、複数の視点から計測する必要があるため、1箇所あたりの放射線計測時間が増加する。また、放射線計測によりホットスポットを把握するためには、代表箇所の計測だけでは不十分であるため、全設備に対して計測を実施する必要がある。以上により、従来技術でホットスポットを把握するためには、計測時間の大幅な増加が必要となることが課題である。
【0008】
本発明は、原子力プラントの廃止措置において、放射能分布の事前評価の精度を向上し、切断片の中に放射能の偏りが存在しないように設備を解体する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明では、多重系で構成される原子力プラントの解体分別(廃棄)処理を支援するために、多重系の第1系統の切断片の放射能濃度の計測結果を、同じ多重系に属する第2系統の放射能の把握や切断計画の策定に反映させる。つまり、多重系であることを利用している。より具体的として、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0010】
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、多重系で構成される原子力プラントに対する解体分別支援システムにおいて、前記原子力プラントのプラント設計情報を記憶する記憶部と、前記原子力プラントを構成する任意の多重系に属する第1系統の設備に対する切断位置を示す切断情報を生成する切断計画部と、前記切断情報に従って切断された切断片のそれぞれについての放射能の計測結果を用いて、当該切断片の放射能を示す放射能確認情報を生成する放射能確認部と、前記プラント設計情報と、前記放射能確認情報により特定される切断された各切断片の放射能濃度とを対応付け、前記多重系に属する放射能分布の予測に利用可能な設計情報-放射能対応関係情報を生成する切断片特定部と、前記第1系統の設備における放射能分布を示す放射能分布情報を生成する放射能分布予測部と、前記切断計画部は、前記放射能分布情報に基づいて、前記第1系統と同じ多重系に属する第2系統の設備における切断情報を生成する解体分別支援装置と、これと接続するユーザが利用する操作端末装置を備える解体分別支援システムである。
【0011】
また、本発明の他の態様として、解体分別支援装置やこれを用いた解体分別方法も含まれる。さらに、コンピュータを解体分別支援装置として機能させるプログラムやこのプログラムを格納した記憶媒体も、本発明の一態様に含まれる。
【0012】
なお、本発明において、多重系とは、同じ号機での系統に限らず、別号機や別プラントでの同様の機能を有する複数の系統など所定条件を満たす複数の系統を意味する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、原子力プラントの廃止措置において、放射能分布の事前評価の精度を向上することが可能になる。
【0014】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る解体分別支援システムの全体機能構成例を示す構成図である。
図2】本発明の一実施例に係る解体分別支援システムを実装した場合のシステム構成を示すシステム構成図である。
図3】本発明の一実施例に係る解体分別支援装置のハードウェア構成例を示す構成図である。
図4】本発明の一実施例で用いられるプラント設計情報を示す図である。
図5】本発明の一実施例で用いられる放射能分布情報を示す図である。
図6】本発明の一実施例で用いられる切断情報を示す図である。
図7】本発明の一実施例で用いられる放射能確認情報を示す図である。
図8】本発明の一実施例で用いられる放射能確認-切断片対応関係情報を示す図である。
図9】本発明の一実施例で用いられる設計情報-放射能対応関係情報を示す図である。
図10】本発明の一実施例の全体処理フローを示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施例の切断計画処理の詳細を示すフローチャートである。
図12】本発明の一実施例の切断計画の表示画面を示す図である。
図13】本発明の一実施例の切断片特定処理の詳細を示すフローチャートである。
図14】本発明の一実施例の照合候補表示画面を示す図である。
図15】本発明の一実施例の放射能分布予測処理の詳細を示すフローチャートである。
図16】本発明の一実施例の放射能分布予測結果の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施例を、添付図面を参照して説
明する。まず、図1図2および図3を用いて、本実施例の構成について、説明する。
【0017】
図1は、本実施例に係る解体分別支援システム10の全体機能構成例を示す構成図である。また、図2は、図1に示す解体分別支援システム10を実装した場合のシステム構成を示すシステム構成図である。図3は、解体分別支援システム10で主たる処理を実行する解体分別支援装置100のハードウェア構成例を示す構成図である。
【0018】
まず、図1に示すように、解体分別支援システム10は、記憶部110、処理部120、および入出力部130から成る。つまり、解体分別支援システム10は、いわゆるコンピュータシステムで実現できる。
【0019】
記憶部110は、図3を用いて後述するように、メモリ、ハードディスクドライブ等の主記憶装置または補助記憶装置などで構成される。記憶部110は、プラント設計情報111、放射能分布情報112、切断情報113、放射能確認情報114、放射能確認-切断片対応関係情報115、設計情報-放射能対応関係情報116を記憶する。ここで、記憶部110に記憶する各情報について、説明する。
【0020】
まず、図4に、プラント設計情報111を示す。プラント設計情報111は、各設備や部品の設計情報である。図4に示すように、プラント設計情報111は、設備ID,部品ID,施工図などの図面ID、3D-CADモデルや三次元点群といった形状データと対応づいた3DモデルID、エリア名、原子力プラントにおける機能を表す系統名、材質、から構成される。なお、プラント設計情報111は、いわゆるCADデータで実現できる。
【0021】
次に、図5に、放射能分布情報112を示す。放射能分布情報112は、プラント設計情報111に格納された設備毎の放射能濃度の予測値である。図5に示すように、放射能分布情報112は、プラント設計情報111が3Dモデルを有する場合、設備ID、部品ID、詳細領域IDで特定される設備を構成する部品形状毎に放射能濃度の予測値を割り当てても良い。また、放射能分布情報112は、部品形状を一定サイズの直方体(ボクセル)で分割し、ボクセル単位で放射能濃度の予測値を割り当てても良い。なお、放射能濃度予測値は、設備の単位面積または単位体積または単位重量当りの放射能の濃度の予測値を示す。なお、詳細領域IDの代わりに、後述する切断片IDを用いてもよい。
【0022】
次に、図6に、切断情報113を示す。切断情報113は、図6に示すように、設備毎の切断作業の開始日時および完了日時に関する予定と実績の情報、および、各設備の切断形状に関する情報で構成される。切断形状に関する情報は、本実施例では、設備ID、部品ID、切断片IDにより特定される。但し、切断形状に関する情報は、系統毎に切断片の大きさを定める形式でも良いし、3Dモデルで切断形状を表現しても良い。なお、切断片IDの代わりに、詳細領域IDを用いてもよい。
【0023】
次に、図7に、放射能確認情報114を示す。放射能確認情報114は、切断片の放射線計測により確認された、表面汚染密度または放射能濃度を特定する情報である。当該放射能確認情報114は、図7に示すように、表面汚染密度(または放射能濃度)の確認データを一意に特定する汚染密度確認ID、計測日時、計測値、重量、表面積、系統名、設備名、発生エリア名、3D計測IDを有する。
【0024】
ここで、表面汚染密度確認IDは、各切断片の計測1回に対して1つのユニークな文字列を割り当てる。計測日時は、計測を開始した時間または完了した時間の少なくとも一方である。計測値は、汚染密度の計測値である。重量、表面積、系統名、設備名、発生エリア名はそれぞれ計測対象物の情報である。3D計測IDは、放射能確認と並行して、計測対象物に対してレーザスキャナ等による3D計測を行い、得られた三次元点群データを特定する文字列を割り当てる。
【0025】
次に、図8に、放射能確認-切断片対応関係情報115を示す。放射能確認-切断片対応関係情報115は、放射能確認を実施した切断片が設備のどの部位に相当するかを特定する情報であり、切断情報113と放射能確認情報114を対応付ける。放射能確認-切断片対応関係情報115は、図8に示すように、プラント設計情報のID、部位ID、放射能確認情報のIDの組で構成される。
【0026】
次に、図9に、設計情報-放射能対応関係情報116を示す。設計情報-放射能対応関係情報116は、切断された各切断片の放射能濃度と、これに該当する設計情報を対応付けるための情報である。このために、本実施例では、設計情報-放射能対応関係情報116は、プラント設計情報111の系統に関する情報と、放射能確認-切断片対応関係情報115を対応付けている。より具体的には、図9に示すように、系統に関する情報として、設備ID、部品ID、図面ID、3DモデルID、エリア名、系統名を用いる。但し、系統に関する情報は、プラント設計情報111のレコードを特定できればよく、レコードIDなど、上述した例に限定されない。また、設計情報-放射能対応関係情報116は、多重系に含まれる他の系統の放射能分布の予測に利用できる。
【0027】
以上で、記憶部110が記憶する各種情報の説明を終わり、図1に戻り、処理部120について説明する。処理部120は、プログラムによりデータ処理を実行するコンピュータ装置などで構成される。処理部120は、放射能分布予測部121、切断計画部122、放射能確認部123、切断片特定部124、放射能分布評価部125を有する。
【0028】
まず、放射能分布予測部121は、プラント設計情報111と放射能確認情報114を用いて、放射能分布情報112を生成する。なお、放射能分布予測部121および後述する各部の処理の詳細については、図10以降を用いて追って説明する。
【0029】
また、切断計画部122は、プラント設計情報111と放射能分布情報112に基づいて切断情報113を生成する。また、放射能確認部123は、設備の汚染部位に対して実施された放射線計測結果を用いて、放射能濃度を評価することで放射能確認情報114を生成する。
【0030】
また、切断片特定部124は、放射能確認対象の切断片がどの設備や部品から発生したかを特定し、放射能分布予測部121により生成される放射能予測値の精度を向上する。このことに伴い、切断計画部122での切断計画の精度も向上する。このために、切断片特定部124は、プラント設計情報111と放射能確認情報114を用いて、放射能確認-切断片対応関係情報115や設計情報-放射能対応関係情報116を生成する。
【0031】
また、放射能分布評価部125は、放射能予測値に基づいて、原子力プラント全体に対する放射能分布を評価する。
【0032】
最後に、解体分別支援システム10が有する入出力部130は、キーボードやマウスなどの入力装置、モニタ等の出力装置とのインターフェース機能を有する。入出力部130は、出力装置に対して情報を提示する画面表示部131を有する。画面表示部131は、前述のように、記憶部110に格納された各種情報111~116に必要となるユーザ入力情報や、計算結果を出力装置上に表示させる。なお、入出力部130は、入力装置や出力装置そのものであってもよい。
【0033】
次に、本実施例に係る解体分別支援システム10を実装した場合のシステム構成を、図2を用いて、説明する。図2に示すように、解体分別支援システム10は、解体分別支援装置100、操作端末装置200、CADシステム300や解体現場400で利用される各種装置が、ネットワーク500を介して接続されている。
【0034】
解体分別支援装置100は、本実施例の主たる処理を実行する装置である。解体分別支援装置100は、サーバ等のコンピュータで実現され、記憶部110、処理部120および入出力部130を有する。これらの内容は、図1で説明したとおりであるが、そのハードウェア構成の一例は、図3を用いて、後述する。なお、入出力部130は、ネットワーク500を介して、他の装置と接続される。
【0035】
また、操作端末装置200は、本システムのユーザ(利用者)が利用するコンピュータで実現される。このため、操作端末装置200は、入出力部130との情報の授受を行う入力装置や出力装置を有する。なお、本実施例では、操作端末装置200を、解体分別支援装置100と別構成としたが、同一装置で実現してもよい。さらに、操作端末装置200は、複数台設けてもよい。
【0036】
また、CADシステム300は、原子力プラントのプラント設計情報111を記憶する記憶装置301を有するコンピュータで実現される。CADシステム300は、その名のとおり、CAD機能を有してもよいし、原子力プラントの関連情報を記憶するファイルサーバ、データセンターで実現してもよい。なお、CADシステム300の設置は必須ではない。
【0037】
また、解体現場400には、現場作業員が利用するタブレット端末401、三次元計測装置402や放射線測定器403が用いられている。これらは、解体現場400で検知された放射能濃度や切断片の形状などの情報を、他の情報に出力する。このために、これらの各装置は、ネットワーク500との接続機能を備えることが望ましいが、媒体を介するなどオフラインで他の装置に情報を出力してもよい。なお、解体現場400は、原子力プラントの設置場所での、それ以外の解体現場であってもよい。
【0038】
次に、図3を用いて、解体分別支援装置100のハードウェア構成例を説明する。図3に示すように、解体分別支援装置100は、主記憶装置1100-1、補助記憶装置1100-2、処理装置1200およびネットワークI/F1300を有し、これらはバスのような通信路を介して互いに接続される。
【0039】
まず、主記憶装置1100-1および補助記憶装置1100-2は、記憶部110に該当する。主記憶装置1100-1は、いわゆるメモリで実現可能であり、後述する各プログラムが展開される。補助記憶装置1100-2は、ハードディスクドライブ等で実現できる。
【0040】
そして、補助記憶装置1100-2は、前述のプラント設計情報111、放射能分布情報112、切断情報113、放射能確認情報114、放射能確認-切断片対応関係情報115、設計情報-放射能対応関係情報116を記憶する。また、補助記憶装置1100-2は、放射能分布予測プログラム1210、切断計画プログラム1220、放射能確認プログラム1230、切断片特定プログラム1240および放射能分布評価プログラム1250を記憶する。
【0041】
なお、これらのプログラムは、後述する処理装置1200でその処理、演算が実行されるが、その内容は図1図2に示す処理部120の各部と同様の内容である。その対応関係は、以下のとおりである。
放射能分布予測プログラム1210:放射能分布予測部121
切断計画プログラム1220:切断計画部122
放射能確認プログラム1230:放射能確認部123
切断片特定プログラム1240:切断片特定部124
放射能分布評価プログラム1250:放射能分布評価部125
なお、これらプログラムは、ネットワーク500を介して、解体分別支援100に配信されてもよいし、これらを格納した記憶媒体を介して、解体分別支援100にロードしてもよい。
【0042】
次に、処理装置1200は、処理部120に相当し、CPUなどのプロセッサで実現できる。そして、処理装置1200は、主記憶装置1100-1に展開されるプログラムに従って、各種処理を実行する。
【0043】
次に、ネットワークI/F1300は、入出力部130に相当し、ネットワーク500と接続するインターフェース機能を有する。以上で、本実施例の構成についての説明を終了し、以下、その処理の詳細について、説明する。なお、処理の説明においては、図2の各部をその主体として説明する。
【0044】
まず、図10は、本実施例の全体処理フローを示すフローチャートである。ステップS1において、切断計画部122が、記憶部110に記憶されたプラント設計情報111と放射能分布情報112に基づいて切断情報113を生成する。ここでは、原子力プラントにおける多重系に含まれる第1系統についての切断情報113を生成することになる。
【0045】
なお、プラント設計情報111は、CADシステム300のプラント設計情報111を用いてもよいし、本ステップを実行する際、入出力部130を用いてCADシステム300を介して入手してもよい。
【0046】
ここで、ステップS1での切断計画処理の詳細を、図11を用いて説明する。まず、ステップS11では、切断計画部122が、入出力部130介して、ユーザが操作端末装置200に入力した切断を計画したい範囲の選択を受け付ける。例えば、切断計画部122は、操作端末装置200の出力装置に、図12に示す切断計画の表示画面を表示させる。操作端末装置200は、図12に示す表示画面の系統名入力部1001、設備名入力部1002、エリア入力部1003を通して、系統名または設備名またはエリア名の少なくとも一つの入力を受け付ける。この入力に応じて、切断計画部122は、プラント設計情報111から該当する設備名やエリア名をキーとして検索する。そして、切断計画部122は、検索で得られた3DモデルIDに紐づいたCADモデルや点群データを、CAD表示部1007に表示させる。また、切断計画部122は、設備ID、部品IDをキーとして放射能分布情報112に格納された放射能濃度予測値を取得する。そして、切断計画部122は、当該予測値の大きさに応じてCAD表示部1007の該当部分を着色して表示させる。
【0047】
次に、ステップS12では、切断計画部122が、設備の切断位置を決定する。このために、切断計画部122は、図12の表示画面に対するユーザからの入力内容を用いる。この入力としては、切断サイズ指定部1004への指定設備の切断サイズの数字での入力や切断位置手動入力ボタン1005を押下したあと、CAD表示部1007上での切断位置をマウスクリックなどの入力が含まれる。なお、このような入力がされると、切断計画部122が、CAD表示部1007上に、切断位置を示すアイコンが表示させる。
【0048】
次に、ステップS13では、切断計画部122が、指定された切断位置に従って3Dモデルを分解する。そして、切断計画部122は、分解された3Dモデル1つ1つに切断片IDを生成し、切断情報113に記録する。例えば、図12に示すように、ユーザが切断実行ボタン1006を押下すると、切断計画部122は、表示されている切断位置アイコンの位置で3Dモデルを分解し、切断片の3Dモデルおよび切断片IDを生成して記録する。
【0049】
また、切断計画部122は、生成した設備ID単位または部品ID単位または切断片IDの切断作業の開始予定日時と完了予定日時を、公知の工程管理ソフトなどと同じ機能を用いることにより、ユーザからの入力を受け付けることで切断情報113に記録する。
【0050】
以上で、ステップS1(S11~S13)の説明を終わり、ステップS2に遷移する。ステップS2では、切断計画部122が、ステップS1で生成された切断情報113に従って、切断/解体指示を出力する。この処理では、切断計画部122は、入出力部130を介して、操作端末装置200やタブレット端末401に出力してもよいし、図示しない切断/解体機器に出力してもよい。
【0051】
このステップを行うことで、解体現場400では、原子力プラントの解体、切断が実行される。そして、放射線測定器403で放射線計測を実行する。この放射線計測は、設備である原子力プラントの解体、切断前に設備の外面に放射線測定器403を近づけて計測しても良いし、設備を切断した後に設備内部の汚染面に放射線測定器403を近づけて高精度に計測しても良い。
【0052】
そして、タブレット端末401、三次元計測装置402や放射線測定器403から、測定された放射線計測結果が、入出力部130へ送信される。
【0053】
次に、ステップS3において、放射能確認部123が、送信された放射線計測結果を用いて、放射能確認処理を実行する。放射能確認部123は、放射能確認処理として、放射能計算ステップと、放射能濃度計算ステップを実行する。放射能計算ステップでは、放射線計測結果に対して事前に用意する放射能換算係数を乗じることで放射能を計算する。放射能換算係数の導出方法は公知の方法(日本原子力学会が公開している方法など)を用いることができる。
【0054】
また、放射能濃度計算ステップでは、前記放射能を重量計により計測する対象物の重量、または、事前に用意された汚染面の表面積で割ることで、単位重量当たりまたは単位面積当たりの放射能濃度を計算する。
【0055】
なお、放射能確認処理は、タブレット端末401により解体現場400において実行してもよい。この場合、ステップS3では、入出力部130が、タブレット端末401から放射能確認処理の結果を受信する。
【0056】
次に、ステップS4では、放射能確認部123が、入出力部130を介してタブレット端末401などの解体現場の装置や操作端末装置200に対して、ステップS3の結果に応じて切断片の廃棄処理指示を出力する。この結果、解体現場400では、ステップS3で計算された切断片の放射能濃度に応じた、廃棄方法での廃棄が可能になる。
【0057】
また、ステップS5では、切断片特定部124が、放射能確認対象の切断片がどの設備や部品から発生したかを特定し、放射能確認-切断片対応関係情報115および設計情報-放射能対応関係情報116を生成する。このステップS5の切断片特定処理の詳細を、図13を用いて説明する。なお、本ステップでは上述の第1系統についての設計情報-放射能対応関係情報116を生成することになる。
【0058】
まず、ステップS51では、切断片特定部124が、入出力部130を介して、三次元計画結果を受け付ける。
【0059】
このために、解体現場400では、以下のことが実行される。切断作業の際に切断片に対して、二次元コードのような個体識別ラベルを貼り付けておき、放射能確認の際に切断片に貼り付けられた個体識別ラベルを読み込む。この読み込まれた個体識別情報を用いることで、切断片特定部124が、放射能確認-切断片対応関係情報115を生成できる。
【0060】
また、個体識別ラベルは手間がかかるため、設備の系統名、設備名、発生エリア名といった設備の種類を特定するラベルを貼り付けても良い。この場合には、解体現場400では、切断片の3D形状や放射線計測の作業日を用いて切断片ごとの個体識別を行う。そして、この結果を用いて、切断片特定部124が、放射能確認-切断片対応関係情報115を生成する。より具体的には、まず、解体現場400において、放射線計測の際に、レーザスキャナ、LiDAR、ステレオカメラといった三次元計測装置402を用いて切断片の三次元点群を取得する。そして、切断片特定部124が、入出力部130を介してこの結果を受け付ける。
【0061】
また、ステップS52では、切断片特定部124が、ユーザが操作端末装置200を通じて入力する放射線計測対象の設備名または系統名を取得する。そして、切断片特定部124は、これらをプラント設計情報111と照合して、名称が一致する設備IDを取得する。
【0062】
また、ステップS53では、切断片特定部124が、操作端末装置200を通じて入力する放射線計測の日付を取得する。そして、切断片特定部124は、切断情報113の作業完了日と照合して、切断作業が完了している設備IDを取得する。また、切断片特定部124は、ステップS52で取得した設備IDと、当該ステップS53で取得した設備IDを照合して、両者に共通する設備IDを特定する。なお、ステップS52とS53の処理順序は問わない。
【0063】
次に、ステップ54では、切断片特定部124が、前記切断片の三次元点群と形状が一致する3Dモデルを計算する。これには、まず、前記日付照合にて出力された設備IDを用いて、プラント設計情報111から3Dモデルを取得する。次に、取得した各3Dモデルと前記切断片の三次元点群に対して位置合わせ処理を実施する。これは、ICP(Iterative Closest Point)のような公知技術を用いて実現できる。
【0064】
そして、当該三次元点群と3Dモデル間の距離を計算する。これは、Cloud Compareのような公知の三次元点群処理ソフトに実装されている機能を用いて実現できる。すべての3Dモデルと三次元点群の位置合わせおよび距離計算が完了したら、距離が最小となる3Dモデルが有する設備ID、部品ID、切断片IDを抽出し出力する。距離が最小となる3Dモデルが複数存在する場合には、複数の設備ID、部品ID、切断片IDを特定する。
【0065】
次に、ステップS55では、切断片特定部124が、入出力部130を介して、操作端末装置200に、照合候補表示画面を表示させる。照合候補表示画面の一例を図14に示す。図14に示すように、照合候補表示画面は、以下の表示欄を有する。つまり、ステップS54で特定された設備IDを用いて取得する系統名1201、設備名1202、エリア名1203、部品ID1204、切断片ID1205、切断片の三次元点群1206、計測対象物のCADモデル1207を有する。ここで、三次元点群1206は、計測された切断片の三次元点群を表示する。また、CADモデル1207では、照合された設備ID、部品IDに相当する計測対象物について表示する。そして、さらに切断片IDと紐づいたCADモデルの色を変えるなどしてハイライト表示することが可能である。
【0066】
また、本ステップS55では、複数の設備ID,部品ID、切断片IDが照合候補として入力された場合には、切断片特定部124が、同一画面に複数の候補が存在することを明示する。そして、ユーザの操作端末装置200に対するボタン押下などにより候補となるCADモデルを切り替えて1207に表示させることが可能である。
【0067】
次に、ステップS56では、切断片特定部124が、プラント設計情報111の系統に関する情報と、放射能確認-切断片対応関係情報115を対応付ける。このことで、切断片特定部124は、設計情報-放射能対応関係情報116を生成することになる。このために、例えば、切断片特定部124は、操作端末装置200に入力されるユーザからの指示に従って本ステップを実行する。以上で、ステップS5の説明を終わる。
【0068】
次に、ステップS6では、放射能分布予測部121が、放射能分布情報112を生成する。
【0069】
このステップS6の放射能分布予測処理の詳細を、図15を用いて説明する。まず、ステップS61では、放射能分布予測部121が、入出力部130を通して、ユーザが操作端末装置200に対して、放射能分布を予測したい範囲の選択を受け付ける。この選択は、例えば、操作端末装置200における図16に示す放射能分布予測結果の表示画面を用いて行われる。この場合、系統名入力部801や設備名入力部802を通して、系統名または設備名の少なくとも一方の入力を受け付ける。
【0070】
次に、ステップS62では、放射能分布予測部121が、放射能確認情報114に登録されているデータの中から、入力された系統名や設備名と一致するデータ(行)をすべて取得する。
【0071】
そして、ステップS63では、放射能分布予測部121が、取得したデータの中から、汚染密度計測値を抽出し、平均や標準偏差といった統計情報を計算する。そして、放射能分布予測部121は、画面表示部131(入出力部130)を通して、操作端末装置200に、その結果を表示させる。この表示は、例えば、図16に示すように、確率分布表示部803に表面汚染密度の確率分布、平均値、標準偏差を表示する。なお、放射能分布予測部121は、計算した統計情報は、放射能分布情報112に設備ID,部品ID,放射能濃度予測値に記録する。なお、放射能分布情報112は、第1系統と同じ多重系に属する第2系統の情報である。この同じ多重系に属するかは、プラント設計情報111により判断可能である。
【0072】
そして、ステップS7では、放射能分布評価部125が、放射能濃度予測値に基づいて、原子力プラント全体に対する放射能分布を評価する。このことで、放射能分布評価部125は、様々な系統の放射能分布を特定することになる。そして、本実施例では、ステップS7の結果を、次の切断計画処理(ステップS1)に反映することが可能となる。つまり、次のステップS1では、切断計画部122は、第2系統の設備に対する切断情報113を生成することになる。
【0073】
以上で、本実施例の処理についての説明を終了する。なお、本実施例では、便宜上ステップS1から開始しているが、操作端末装置200への指示に応じたステップから開始してもよい。例えば、ステップS6の予測結果を考慮せず、ステップS7の放射能分布評価からその処理を開始行してもよい。
【0074】
以上説明したように、本実施例によれば、原子力プラントの廃止措置において、放射能分布の事前評価の精度を向上し、切断片の中に放射能の偏りが存在しないように設備を解体分別することが可能となる。したがって、切断・放射線計測にかかる工数を削減することができ、廃止措置コストを低減に寄与できる。
【0075】
また、切断片の中に放射能の偏りが存在しないように設備を解体分別することが可能となる。したがって、切断・放射線計測にかかる工数を削減することができ、廃止措置コストを低減に寄与できる。
【符号の説明】
【0076】
10…解体分別支援システム、110…記憶部、111…プラント設計情報、112…放射能分布情報、113…切断情報、114…放射能確認情報、115…放射能確認-切断片対応関係情報、116…設計情報-放射能対応関係情報、120…処理部、121…放射能分布予測部、122…切断計画部、123…放射能確認部、124…切断片特定部、125…放射能分布評価部、130…入出力部、131…画面表示部
図1
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図3
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