(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
E02F9/00 H
(21)【出願番号】P 2021171951
(22)【出願日】2021-10-20
【審査請求日】2023-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西羅 友佑
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-028742(JP,A)
【文献】特開2014-066038(JP,A)
【文献】特開平09-209385(JP,A)
【文献】特開2005-042867(JP,A)
【文献】特開2001-295810(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0709926(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0033933(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体と、
前記機体に揺動可能に装着された支持部材と、
前記支持部材に揺動可能に装着された揺動部材と、
一端側が前記支持部材に枢支され、中途部が前記支持部材に沿って配置され、他端側が前記揺動部材に枢支されており、伸縮することで前記揺動部材を前記支持部材に対して揺動させる油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに備えられるシリンダチューブのボトム側において前記シリンダチューブの長手方向及び前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に直交する方向の両側に配置されて前記支持部材に固定され且つ前記シリンダチューブのボトム側を枢支する一対のブラケットと、
一端部が前
記シリンダチューブの側面又は前記シリンダチューブの側方に配置される油圧機器に接続された油圧ホースと、
前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に沿って見たときに、前記油圧ホースが、前記シリンダチューブの径方向の外方位置から
前記シリンダチューブと前記支持部材との間であって前記シリンダチューブと重畳する位置へ前記シリンダチューブに沿って配策され
た後、前記一対のブラケット間を通って配策されるように前記油圧ホースを湾曲させる棒材で形成されたホースガイドと、
を備え
、
前記ホースガイドは、前記シリンダチューブ側から前記油圧ホースを越えて前記シリンダチューブの配置側とは反対側へ延びる延伸部位と、前記油圧ホースの前記シリンダチューブの配置側とは反対側に位置するように前記延伸部位から延びる規制部位であって前記油圧ホースの前記湾曲を行うべく前記油圧ホースに当接する規制部位と、前記規制部位の下端から前記油圧ホースの下方を前記シリンダチューブ側に延びる延出部位とを有し、
前記延出部位と前記油圧ホースとの間に隙間が形成されている作業機。
【請求項2】
前記シリンダチューブと前記油圧ホースとの間に配置されて前記シリンダチューブに取り付けられるガイドステーを備え、
前記ホースガイドは、前記ガイドステーに固定される第1部位と、前記第1部位から、前記
対向方向に沿う方向視において前記シリンダチューブにおける前記ボトム側とは反対側から前記ボトム側に向かうにつれて前記シリンダチューブに近づく方向に延びる第2部位と、前記第2部位から前記油圧ホースを越えて前記シリンダチューブの配置側とは反対側へ延びる
前記延伸部位である第3部位と、前記油圧ホースの前記シリンダチューブの配置側とは反対側に位置するように前記第3部位から延びる
前記規制部位である第4部位とを有
する請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記第3部位は、前記シリンダチューブの長手方向において、前記第2部位に接続される一端部に対して前記第4部位に接続される他端部が
、前記
第2部位が延びる方向において位置ずれしている請求項2に記載の作業機。
【請求項4】
前記シリンダチューブが機体前後方向に沿って配置された状態で、前記油圧ホースの前記一端部が前記シリンダチューブの側方に配置され、且つ前記第3部位が前記油圧ホースの上方に位置すると共に前記第4部位が前記第3部位における前記シリンダチューブから遠い側の端部から下方に延出しており、
前記シリンダチューブの側方から後方に向けて配策される前記油圧ホースが、前記第3部位と前記第4部位によって下方且つ前記シリンダチューブの径方向内方に湾曲されて、前記シリンダチューブの側方から該シリンダチューブの下方へ配策される請求項2または3に記載の作業機。
【請求項5】
前記油圧ホースと共に前記シリンダチューブの径方向の外方位置から前記シリンダチューブと重畳する位置へ前記シリンダチューブに沿って配策される、前記油圧ホースよりも可撓性が高い他の油圧ホースを備え、
前記第3部位と前記油圧ホースとの間に前記他の油圧ホースが配策されている請求項4に記載の作業機。
【請求項6】
機体と、
前記機体に揺動可能に装着された支持部材と、
前記支持部材に揺動可能に装着された揺動部材と、
一端側が前記支持部材に枢支され、中途部が前記支持部材に沿って配置され、他端側が前記揺動部材に枢支されており、伸縮することで前記揺動部材を前記支持部材に対して揺動させる油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに備えられるシリンダチューブのボトム側において前記シリンダチューブの長手方向及び前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に直交する方向の両側に配置されて前記支持部材に固定され且つ前記シリンダチューブのボトム側を枢支する一対のブラケットと、
一端部が前記シリンダチューブの側面又は前記シリンダチューブの側方に配置される油圧機器に接続された油圧ホースと、
前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に沿って見たときに、前記油圧ホースが、前記シリンダチューブの径方向の外方位置から前記シリンダチューブと前記支持部材との間であって前記シリンダチューブと重畳する位置へ前記シリンダチューブに沿って配策された後、前記一対のブラケット間を通って配策されるように前記油圧ホースを湾曲させる棒材で形成されたホースガイドと、
前記シリンダチューブと前記油圧ホースとの間に配置されて前記シリンダチューブに取り付けられるガイドステーと、
を備え、
前記ホースガイドは、前記ガイドステーに固定される第1部位と、前記第1部位から、前記対向方向に沿う方向視において前記シリンダチューブにおける前記ボトム側とは反対側から前記ボトム側に向かうにつれて前記シリンダチューブに近づく方向に延びる第2部位と、前記第2部位から前記油圧ホースを越えて前記シリンダチューブの配置側とは反対側へ延びる第3部位と、前記油圧ホースの前記シリンダチューブの配置側とは反対側に位置するように前記第3部位から延びる第4部位とを有し、
前記第4部位によって前記油圧ホースの前記湾曲を行うものであり、
さらに、前記ホースガイドは、前記第4部位の下端から前記油圧ホースの下方を前記シリンダチューブ側に延びる第5部位を有し、
前記第5部位と前記油圧ホースとの間に隙間が形成されてい
る作業機。
【請求項7】
前記第5部位の前記シリンダチューブ側の端部と前記第3部位の前記シリンダチューブ側の端部との間は、前記油圧ホースを前記第5部位と前記第3部位との間に挿入可能な開放部とされている請求項6に記載の作業機。
【請求項8】
前記油圧シリンダを伸縮させる作動油のリーク時に、上下方向に揺動可能な前記揺動部材の下方揺動を規制する前記油圧機器としてのホールディングバルブを備え、
前記ホールディングバルブは、前記シリンダチューブの長手方向の中央付近に装着されると共に、油圧配管を介して前記シリンダチューブの一端側の油室に接続され、
前記油圧ホースは、当該油圧ホースの前記一端部が前記ホールディングバルブに接続されることで前記シリンダチューブに対して接続され、
前記ホースガイドは、前記ホールディングバルブと前記シリンダチューブの他端側との間で前記油圧ホースを湾曲させる請求項1~
7のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項9】
前記シリンダチューブが機体前後方向に沿って配置される状態において、
前記油圧配管は、前記シリンダチューブの一側面に接続される第1配管部と、前記第1配管部から下方に延出される第2配管部と、前記第2配管部から前記ホールディングバルブの下部に向けて延出されて該下部に接続される第3配管部とを有しており、
前記ホールディングバルブは、当該ホールディングバルブの上端が前記シリンダチューブの上端より低い位置に位置するように前記シリンダチューブの前記一側面に配置される請求項
8に記載の作業機。
【請求項10】
前記機体に上下方向に延伸する軸心回りに回動可能に支持されたスイングブラケットと、
前記スイングブラケットに上下方向に揺動可能に支持された前記支持部材としてのブームと、
前記ブームの先端部に枢支されて上下方向に揺動可能な前記揺動部材としてのアームと、
伸縮することで前記アームを揺動させる前記油圧シリンダとしてのアームシリンダと、
を備え、
前記アームシリンダは、前記ブームの上面側に配置されていて、前記シリンダチューブのボトム側が前記ブームの上面側に設けられた前記一対のブラケットに枢支され、前記アームシリンダのピストンロッドの先端側が前記アームの基部に枢支されている請求項
1~9のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
特許文献1に開示された作業機は、機体に装着された揺動可能な揺動部材であるアームを有している。アームは、機体に支持されたブームの先端側に枢支され、油圧シリンダによって揺動される。油圧シリンダは、ブームの前部の上面側に配置されており、油圧シリンダのシリンダチューブの後端側が、ブームの上面に設けられた機体幅方向一対のブラケット間で枢支されている。シリンダチューブに接続される油圧ホースはシリンダチューブに沿って配策される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、油圧ホースにおけるシリンダチューブに接続される一端部がシリンダチューブの長手方向の中央付近に配置されていると、油圧ホースの前記一端部とブラケットとの間の距離が短いので、油圧ホースを、シリンダチューブの側方から該シリンダチューブの下方に配策すると共に一対のブラケット間を通過させて後方に配策する場合、油圧ホースが十分に湾曲されず、ブラケットに接触する虞がある。
【0005】
本発明は、前記問題点に鑑み、シリンダチューブに接続される油圧ホースの配策を良好に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機は、機体と、前記機体に揺動可能に装着された支持部材と、前記支持部材に揺動可能に装着された揺動部材と、一端側が前記支持部材に枢支され、中途部が前記支持部材に沿って配置され、他端側が前記揺動部材に枢支されており、伸縮することで前記揺動部材を前記支持部材に対して揺動させる油圧シリンダと、前記油圧シリンダに備えられるシリンダチューブのボトム側において前記シリンダチューブの長手方向及び前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に直交する方向の両側に配置されて前記支持部材に固定され且つ前記シリンダチューブのボトム側を枢支する一対のブラケットと、一端部が前記シリンダチューブの側面又は前記シリンダチューブの側方に配置される油圧機器に接続された油圧ホースと、前記シリンダチューブと前記支持部材との対向方向に沿って見たときに、前記油圧ホースが、前記シリンダチューブの径方向の外方位置から前記シリンダチューブと前記支持部材との間であって前記シリンダチューブと重畳する位置へ前記シリンダチューブに沿って配策された後、前記一対のブラケット間を通って配策されるように前記油圧ホースを湾曲させる棒材で形成されたホースガイドと、を備え、前記ホースガイドは、前記シリンダチューブ側から前記油圧ホースを越えて前記シリンダチューブの配置側とは反対側へ延びる延伸部位と、前記油圧ホースの前記シリンダチューブの配置側とは反対側に位置するように前記延伸部位から延びる規制部位であって前記油圧ホースの前記湾曲を行うべく前記油圧ホースに当接する規制部位と、前記規制部位の下端から前記油圧ホースの下方を前記シリンダチューブ側に延びる延出部位とを有し、前記延出部位と前記油圧ホースとの間に隙間が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記の作業機によれば、油圧ホースを湾曲させるホースガイドを棒材で形成することにより形状を自由に設定でき、一端部が油圧シリンダに備えられるシリンダチューブの側面又はシリンダチューブの側方に配置される油圧機器に接続された油圧ホースを、シリンダチューブの径方向の外方位置からシリンダチューブと重畳する位置へシリンダチューブに沿って配策されるように湾曲させて良好に配策することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】ホースガイド、ホールディングバルブの設置部分の側面図である。
【
図4】ホースガイド、ホールディングバルブの設置部分の平面図である。
【
図5】ホースガイド、ホールディングバルブの設置部分の斜視図である。
【
図9】取付ブラケットの取付け状態の背面図である。
【
図10】ホースガイドの設置部分の側面拡大図である。
【
図11】ホースガイドの設置部分の平面拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の概略側面図である。本実施形態では、作業機1として旋回作業機であるバックホーが例示されている。
図1に示すように、作業機1は、走行体1Aと、走行体1Aに装備された作業装置4とを備えている。走行体1Aは、走行装置3と、走行装置3に搭載された機体(旋回台)2とを有している。機体2には、オペレータが着座する運転席6及び運転席6を包囲するキャビン5が搭載されている。
【0010】
本実施形態においては、運転席6に着座したオペレータの前側(
図1の矢印K1方向)を前方、オペレータの後側(
図1の矢印K2方向)を後方、運転者の左側(
図1の手前側)を左方、オペレータの右側(
図1の奥側)を右方として説明する。また、
図1の矢印K3方向を前後方向(機体前後方向)として説明すると共に、前後方向K3に直交する方向である水平方向を機体幅方向(機体2の幅方向)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方(機体幅方向の外方)として説明する。つまり、機体外方とは、機体幅方向であって機体2の幅方向の中心から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方(機体幅方向の内方)として説明する。つまり、機体内方とは、機体幅方向であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
【0011】
図1に示すように、走行装置3は、機体2を走行可能に支持する装置である。走行装置3は、油圧モータあるいは電動モータ等で構成される走行モータ11によって駆動される。なお、本実施形態ではクローラ式の走行装置3を用いているが、これに限らず、ホイール式等の走行装置を用いてもよい。
図1に示すように、走行装置3の前部には、ドーザ装置7が装着されている。ドーザ装置7は、ブレード(排土板)7Aと、ブレード7Aの背面側に固定されたドーザアーム7Bと、ドーザアーム7Bを上下動させる図示しないドーザシリンダ(油圧シリンダ)とを有している。ドーザアーム7Bは、後部が走行装置3のフレームに枢支されていて上下動可能とされている。ドーザシリンダは、ドーザアーム7Bの中途部と走行装置3のフレームとにわたって設けられ、伸長することによりドーザアーム7Bが上げ操作され、収縮することによりドーザアーム7Bが下げ操作される。
【0012】
機体2は、底部を構成する鋼板等から形成された旋回基板9を有する。旋回基板9は、走行装置3上に旋回ベアリング8を介して上下方向に延伸する軸心(旋回軸心X1)回りに旋回可能に支持されている。機体2の後部には、ウエイト10が設けられている。また、機体2の後部には、原動機E1が搭載されている。原動機E1は、例えば、ディーゼルエンジンである。なお、原動機E1は、ガソリンエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。
【0013】
機体2の前部に支持ブラケット20が設けられている。支持ブラケット20は、機体2から前方に突出状に設けられている。支持ブラケット20の前部(機体2から突出した部分)には、スイングブラケット21が上下方向に延伸する軸心であるスイング軸心回りに揺動可能に取り付けられている。詳しくは、スイングブラケット21は、基部(後部)がスイング軸心を中心として水平方向(機体幅方向)に回動可能である。スイングブラケット21は、スイングシリンダ(油圧アクチュエータ)の伸縮によって揺動可能とされている。
【0014】
図1に示すように、作業装置4は、ブーム装置30と、アーム装置40と、作業具装置50とを有している。
図1に示すように、ブーム装置30は、上下方向に揺動可能なブーム(支持部材)31と、ブーム31を上下揺動させるブームシリンダ(油圧シリンダ)32とを有している。ブーム31は、ブーム基部31Aと、ブーム先端部31Bと、ブーム本体部31Cとを含
む。ブーム基部31Aは、スイングブラケット21にブーム支軸(横軸)35を介して枢支される。詳しくは、ブーム基部31Aは、スイングブラケット21の上部に機体幅方向に延伸する軸心を有するブーム支軸35を介して揺動可能(回動自在)に支持される。つまり、ブーム31は、ブーム支軸35回りに上下方向に揺動(上下揺動)する。ブーム先端部31Bには、後述するアーム(揺動部材)41の基部が枢支される。
【0015】
ブーム本体部31Cは、ブーム基部31Aとブーム先端部31Bとの間の部分であって、ブーム31の長手方向(ブーム長手方向)の中途部で屈曲している。ブーム本体部31Cは、屈曲部分31Ceとブーム基部31Aとの間の部分である第1部位31Caと、屈曲部分31Ceとブーム先端部11Bとの間の部分である第2部位31Cbとを有する。ブーム本体部31Cにおける屈曲部分31Ceの下面側(正面側)には下部ブラケット18が設けられている。ブーム本体部31Cの第2部位31Cbの後部の上面側(背面側)には上部ブラケット19が設けられている。上部ブラケット19は、
図2に示すように、機体幅方向一対のブラケット19Aを有している。
【0016】
図1、
図2に示すように、ブームシリンダ32は、該ブームシリンダ32の長手方向に伸縮可能な複動形の油圧シリンダによって構成されている。ブームシリンダ32は、スイングブラケット21とブーム31とにわたって設けられ、作動油の給排によって伸縮することによりブーム31を揺動させる。ブームシリンダ32は、ブーム31の正面側(ブーム31の機体前方側)に配置されている。本実施形態では、ブームシリンダ32は、ブーム本体部31Cの第1部位31Caの正面側(下方)に配置され、長手方向の一端側がスイングブラケット21の前部に機体幅方向の軸心を有するシリンダ支軸13を介して枢支されており、長手方向の他端側が下部ブラケット18にシリンダ支軸14を介して枢支されている。したがって、ブームシリンダ32が伸長することによりブーム31が上方揺動し、ブームシリンダ32が収縮することによりブーム31が下方揺動する。
【0017】
図1、
図2に示すように、ブームシリンダ32は、シリンダ本体であるシリンダチューブ32Aと、シリンダチューブ32Aに対して突出及び縮退するピストンロッド32Bとを有している。シリンダチューブ32Aは円筒体に形成されている。ピストンロッド32Bは、シリンダチューブ32A内に長手方向に摺動可能に収容されたピストン(図示省略)に連結されている。本実施形態では、シリンダチューブ32Aのボトム側(ピストンロッド32Bが突出しない側)がスイングブラケット21に枢支され、ピストンロッド32Bの先端側が下部ブラケット18に枢支されている。ブームシリンダ32は、シリンダチューブ32Aのボトム側の油室に作動油が供給されると伸長し、シリンダチューブ32Aのロッド側(ピストンロッド32Bが突出する側)の油室に作動油が供給されると収縮する。
【0018】
図1に示すように、アーム装置40は、上下方向に揺動可能なアーム(揺動部材)41と、アーム41を上下揺動させるアームシリンダ(油圧シリンダ)42とを有している。アーム41の基端部は、アーム枢軸(横軸)43を介してブーム先端部31Bに機体幅方向に延伸する軸心回りに回動可能に枢支されている。したがって、アーム41は、ブーム先端部31Bにアーム枢軸43回りに上下方向に揺動可能(上下揺動可能)に支持されている。
【0019】
アームシリンダ42は、長手方向(シリンダ長手方向)16に伸縮可能な複動形の油圧シリンダによって構成されている。アームシリンダ42は、一端側がブーム31に枢支され、中途部がブーム31に沿って配置され、他端側がアーム41に枢支されており、伸縮することでアーム41をブーム31に対して揺動させる。詳しくは、アームシリンダ42は、ブーム31の第2部位31Cbの上面側(ブーム31の前部の上面側)に配置されていて、アーム41の基部とブーム31の中途部(上部ブラケット19)とにわたって設けられており、作動油の給排によって伸縮することによりアーム41を揺動させる。
【0020】
アームシリンダ42は、シリンダ本体であるシリンダチューブ42Aと、シリンダチューブ42Aに対して突出及び縮退するピストンロッド42Bとを有している。
図2、
図3、
図4、
図5に示すように、シリンダチューブ42Aの後部(ボトム側(ピストンロッド42Bが突出しない側))には、取付部45が設けられている。取付部45
は、上部ブラケット19の一対のブラケット19Aの間に配置され、機体幅方向の軸心を有するシリンダ支軸(第1シリンダ支軸)46を介して上部ブラケット19(一対のブラケット19A)に枢支されている。ピストンロッド42Bの先端側は、機体幅方向の軸心を有するシリンダ支軸(第2シリンダ支軸)47を介してアーム41の基部に設けられたブラケット44に枢支されている。アームシリンダ42が伸長することによりアーム41が下方揺動し、アームシリンダ42が収縮することによりアーム41が上方揺動する。また、アームシリンダ42は、シリンダチューブ42Aのボトム側の油室に作動油が供給されると伸長し、シリンダチューブ42Aのロッド側(ピストンロッド42Bが突出する側)の油室に作動油が供給されると収縮する。
【0021】
作業具装置50は、作業具としてのバケット(揺動部材)51と、作業具シリンダとしてのバケットシリンダ(油圧シリンダ)52とを有している。バケット51は、バケット支軸(枢軸)54を介してアーム41の先端部に揺動自在に支持されている。バケットシリンダ52は、長手方向に伸縮可能な複動形の油圧シリンダによって構成され、バケット51とアーム41の先端部との間に設けたリンク機構53とアーム41の基部とにわたって設けられており、伸縮することによりバケット51を揺動させる。
【0022】
図1~
図5に示すように、アームシリンダ42のシリンダチューブ42Aの一側面(右側面)には、ホールディングバルブ(油圧機器)61が取り付けられている。ホールディングバルブ61は、作動油のリーク時にアーム41の下方揺動を規制するバルブである。
このホールディングバルブ61について、
図6に示す油圧回路を参照して説明する。
図6は、ホールディングバルブ61、アーム制御弁62及びアームシリンダ42との関係を示す油圧回路を示している。油圧回路は一例を示しており、
図6に示す構成に限定されることはない。
【0023】
ホールディングバルブ61は、
図6に示すように、アームシリンダ42を制御する(アームシリンダ42に対して作動油の方向を切り替える)アーム制御弁62からアームシリンダ42のシリンダチューブ42Aのボトム側42Aaの油室42Acに至る油圧管路の途中に設けられていて、作動油のリーク時に、アーム41の下方揺動を規制する。詳しくは、ホールディングバルブ61は、アーム制御弁62とホールディングバルブ61との間の管路63が破損等して作動油がリークしても、アーム41を緩やかに下降させる、或いはアーム41を下降させないように、アーム41の下方揺動を規制し、アーム41の落下を防止するバルブである。
【0024】
図6に示すように、ホールディングバルブ61は、アーム制御弁62に接続されるポンプポートAと、バルブボディ61A内にパイロット圧を導入するパイロットポートPLと、作動油を貯留する作動油タンクTに管路60を介して連通するドレンポートDRと、アームシリンダ42のシリンダチューブ42Aのロッド側42Abの油室42Adに対して作動油の給排を行う給排ポート(第1給排ポート)64に管路65を介して接続されるシリンダポートBとを備えている。
【0025】
アーム制御弁62は、例えば、中立位置62aと第1位置62bと第2位置62cとに切り替え可能な4ポート3位置切替弁(方向切替弁)により構成されている。また、アーム制御弁62は、パイロット圧によって切り替えられるパイロット操作切替弁によって構成されている。また、アーム制御弁62は、パイロット圧が作用しないときにはバネによって中立位置62aに保持され、パイロット圧によって第1位置62b又は第2位置62cに切り替えられる。
【0026】
アーム制御弁62は、作動油タンクT内の作動油を吸い込んで吐出する油圧ポンプPに管路66を介して接続されると共に、管路67を介して作動油タンクTに接続されている。また、アーム制御弁62は、管路63を介してホールディングバルブ61のポンプポートAに接続されると共に、アームシリンダ42のシリンダチューブ42Aのボトム側42Aaの油室42Acに対して作動油の給排を行う給排ポート(第2給排ポート)68に管路69を介して接続されている。アーム制御弁62、油圧ポンプP及び作動油タンクTは、機体2に搭載される。
【0027】
アーム制御弁62は、アーム41(アームシリンダ42)を操作する操作装置70にパ
イロット油路71a及びパイロット油路71bを介して接続されている。パイロット油路71aは、アーム制御弁62の一方の受け圧部72aに接続され、パイロット油路71bは、アーム制御弁62の他方の受け圧部72bに接続されている。操作装置70は、該操作装置70を操作していないときには、バネ等により中立位置に復帰する。また、操作装置70は、例えば、運転席6の周囲に配置される。
【0028】
ホールディングバルブ61は、バルブボディ61A内に、チェック弁72と、切替弁73とを有している。
チェック弁72は管路74を介してポンプポートAに接続されると共に、管路75を介してシリンダポートBに接続され、さらに、管路76を介して切替弁73にも接続されている。管路75は中途部で管路77を介して切替弁73に接続されている。また、チェック弁72は、ポペット72Aと、ポペット72Aを閉じる方向に付勢するバネ72Bとを有している。
【0029】
切替弁73は、第1位置73aと第2位置73bとを有する3ポート2位置切替弁で構成され、バネ73cの付勢力によって第1位置73aに切り替えられ、受け圧部73dに作用するパイロット圧によって第2位置73bに切り替えられる。切替弁73は管路78を介してドレンポートDRに接続され、受け圧部73dは、パイロット油路79を介してパイロットポートPLに接続されている。
【0030】
パイロットポートPLは、パイロット油路80を介してパイロット油路71a及びパイロット油路71bに接続されている。切替弁73は、操作装置70が中立位置にあるときにはバネ73cの付勢力によって第1位置73aにあり、操作装置70が操作されると、パイロット圧により第2位置73bに切り換えられる。
前記構成の油圧回路にあっては、アーム制御弁62は、中立位置62aではアームシリンダ42に対する作動油の給排は行わない。つまり、アームシリンダ42及びアーム41は作動されない。操作装置70を操作してアーム制御弁62を第1位置62bに切り替えると、切替弁73が第2位置73bに切り替えられると共に、油圧ポンプPからの作動油がポンプポートAからチェック弁72に供給される。そして、作動油はチェック弁72を介して管路75に流れ、さらにシリンダポートBから管路65を介してシリンダチューブ42Aのロッド側42Abに供給される。また、シリンダチューブ42Aのボトム側42Aaの作動油が管路69を介して作動油タンクTにドレンされる。
【0031】
これにより、アームシリンダ42が収縮してアーム41が上方揺動する。
また、操作装置70を操作してアーム制御弁62を第2位置62cに切り換えると、切替弁73は第2位置73bに切り替えられると共に、油圧ポンプPからの作動油がシリンダチューブ42Aのボトム側42Aaに供給される。すると、シリンダチューブ42Aのロッド側42Abの作動油が管路65、シリンダポートB、管路75を経て、チェック弁72に至り、チェック弁72、管路74、ポンプポートA、管路63、管路67を経て作動油タンクTにドレンされる。
【0032】
これにより、アームシリンダ42が伸長してアーム41が下方揺動する。
一方、ホールディングバルブ61のポンプポートAとアーム制御弁62との間の管路63が破損等して作動油がリークすると、チェック弁72の機能によって、アーム41を下方揺動させているときにはアーム41は緩やかに下降し、操作装置70が中立位置であるときにはアーム41は下降しない。即ち、ホールディングバルブ61は、作動油のリーク時にアーム41が下方揺動するのを規制する。
【0033】
図4、
図7に示すように、シリンダチューブ42Aには取付ブラケット81が取り付けられている。この取付ブラケット81にホールディングバルブ61が取り付けられている。
図7、
図8に示すように、取付ブラケット81は、板材によって形成されている。取付ブラケット81は、シリンダチューブ42Aに取り付けられたベースステー82と、ベースステー82に取り付けられたバルブブラケット83とを有している。ベースステー82は、ステー本体84、ガイドステー85、ブラケットステー86、及び配管ステー87を有している。
【0034】
ステー本体84は、シリンダ長手方向16(前後方向K3)に長く形成され、シリンダチューブ42Aの下面側(ブームの第2部位31Cbに面する側)に配置されている。ステー本体84の前部は、シリンダチューブ42Aに設けられたボス88にボルト89によって固定され、ステー本体84の後部は、シリンダチューブ42Aに設けられたボス90にボルト91によって固定されている。
【0035】
図9に示すように、ガイドステー85は、ステー本体84の後部の左端から上方に一体的に延出されている。詳しくは、ガイドステー85は、ステー本体84から上方に向かうにつれて左方に移行する傾斜方向に延出されている。ガイドステー85がボス90にボルト固定されることで、ステー本体84の後部がシリンダチューブ42Aに取り付けられる。
【0036】
ブラケットステー86は、板面が前後方向K3を向く状態でガイドステー85の前方側に配置されて、ステー本体84及びガイドステー85に固定されている。ブラケットステー86は、ガイドステー85よりも左方に突出している。
図7、
図8に示すように、配管ステー87は、ステー本体84の前部に固定されている。配管ステー87は、前壁87aと、前壁87aの後方に配置された後壁87bと、前壁87aと後壁87bとの左端同士を連結する側壁87cとを有している。
【0037】
図7、
図8に示すように、バルブブラケット83は、ブラケットステー86に取り付けられる取付ステー92と、ホールディングバルブ61が取り付けられる取付プレート93とを有している。取付ステー92は、ブラケットステー86の前面に重ね合わされて該ブラケットステー86にボルト94によって固定される取付壁92aと、取付壁92aの右端から前方に延出された支持壁92bとを有している。取付プレート93は、板面が機体幅方向を向くように配置されていて、後部がブラケットステー86の支持壁92bの右面に重ね合わされてボルト95によって固定されている。支持壁92bにおけるボルト95が挿通される挿通孔92cは、前後方向K3に長い(シリンダ長手方向16に長い)長穴に形成されていて、取付プレート93は、支持壁92bに前後方向K3(シリンダ長手方向16)に位置調整可能に取り付けられている。取付プレート93の左側面にホールディングバルブ61が配置されている。ホールディングバルブ61は、バルブボディ61Aを貫通すると共に取付プレート93に形成されたネジ穴97(内周に雌ネジが切られた穴)にねじ込まれるボルト98によって取付プレート93に固定される。
【0038】
図7に示すように、ホールディングバルブ61(バルブボディ61A)の左面側(シリンダチューブ42A側とは反対側)には、ポンプポートAと、パイロットポートPLと、ドレンポートDRとが設けられている。ポンプポートAは、ホールディングバルブ61の後部の下部に設けられている。パイロットポートPLとドレンポートDRとは、ホールディングバルブ61の上部に前後方向K3に並べて設けられている。パイロットポートPLは、ドレンポートDRの前方に位置している。
【0039】
図3、
図5に示すように、ホールディングバルブ61の下部の前面側には、シリンダポートBが設けられている。また、シリンダチューブ42Aのロッド側42Ab(一端側)の一側面(右側面)の上下方向中途部(上下方向中央付近)には、第1給排ポート64が設けられている。第1給排ポート64とシリンダポートBとを接続する管路65は、第1給排ポート64に接続された継ぎ手(第1継ぎ手)99と、第1継ぎ手99に接続された油圧配管100と、油圧配管100をシリンダポートBに接続する継ぎ手(第2継ぎ手)101とを有して構成されている。詳しくは、第1継ぎ手99は、第1給排ポート64に接続されたエルボ99Aと、エルボ99Aに油圧配管100を接続する配管継手99Bとを有している。油圧配管100は、鋼管で形成されていて、前部が配管継手99Bに接続される第1配管部100aと、第1配管部100aの後端部から下方に延出される第2配管部100bと、第2配管部100bの下端部からホールディングバルブ61の下部に向けて延出される第3配管部100cとを有している。第3配管部100cの後端側は、配管ホルダ102によって配管ステー87に支持されている。配管ホルダ102は、第3配管部100cの後端側が接続され且つ第3配管部100cに連通する油路を有するホルダ本体102aと、ホルダ本体102aに下部が固定されたプレート部材102bとを有している。プレート部材102bの上部は、配管ステー87の側壁87cにボルト103によって取り付けられている。第2継ぎ手101は、配管ホルダ102とシリンダポートBとの間に配置されていて、ホルダ本体102aとシリンダポートBとを接続している。
【0040】
以上のように、ホールディングバルブ61は、シリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に装着されて、油圧配管100を介してシリンダチューブ42Aのロッド側42Abの油室42Ad(一端側の油室)に接続されている。
油圧配管100の第3配管部100cは、第1配管部100aよりも下方に配置され、第3配管部100cはホールディングバルブ61の下部に接続されているので、シリンダチューブ42Aに対するホールディングバルブ61の取付位置を下げることができる。これにより、ホールディングバルブ61を、当該ホールディングバルブ61の上端がシリンダチューブ42Aの上端より低い位置に位置するようにシリンダチューブ42Aの一側面に配置することができ、作業時に、ホールディングバルブ61がシリンダチューブ42Aの上方の障害物(例えば、建屋の天井)に干渉するのを防止できる。
【0041】
本実施形態にあっては、ホールディングバルブ61は、バルブブラケット83に取り付けられていて該バルブブラケット83に支持されていると共に、油圧配管100、第2継ぎ手101及び配管ホルダ102を介して配管ステー87に支持されているので、ホールディングバルブ61を両持ち支持によって確りと支持することができる。
図3、
図5に示すように、ポンプポートAには、第1アダプタ(エルボ)104が接続されている。第1アダプタ104には、継ぎ手(第1ホース継ぎ手)105を介して油圧ホース96(第1油圧ホース96A)の一端部96Aaが接続されている。したがって、シリンダチューブ42Aが機体前後方向K3に沿って配置された状態で、油圧ホース96の一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの側方且つシリンダ長手方向16の中央付近に配置されている。また、第1油圧ホース96Aは、当該第1油圧ホース96Aの一端部96Aaがホールディングバルブ61に接続されることでシリンダチューブ42Aに対して接続され、シリンダチューブ42Aに対して接続される一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に配置されている。第1ホース継ぎ手105は、ねじ結合によって第1アダプタ104に接続される。
【0042】
第1油圧ホース96Aは、ポンプポートAに後方(シリンダチューブ42Aのボトム側42Aa)から接続され、一端部96Aaからアームシリンダ42のシリンダチューブ42Aに沿って後方へ配策されている。第1油圧ホース96Aは、アームシリンダ42を伸縮させるための作動油を流通させる油圧ホースであり、かなりの剛性を有している。
図3、
図5に示すように、パイロットポートPLには、第2アダプタ(エルボ)106が接続されている。第2アダプタ106には、継ぎ手(第2ホース継ぎ手)107を介して、第1油圧ホース96Aとは異なる他の油圧ホース96(第2油圧ホース96B)の一端側が接続されている。第2ホース継ぎ手107は、ねじ結合によって第2アダプタ106に接続される。第2油圧ホース96Bは、第2アダプタ106に後方(シリンダチューブ42Aのボトム側42Aa)から接続され、一端部からアームシリンダ42のシリンダチューブ42Aに沿って後方へ配策されている。第2油圧ホース96Bは、パイロット油を流通させるための油圧ホースであり、第1油圧ホース96Aよりも細径に形成されていて、第1油圧ホース96Aよりも可撓性が高い。
【0043】
図3、
図5に示すように、ドレンポートDRには、第3アダプタ(エルボ)108が接続されている。第3アダプタ108には、継ぎ手(第3ホース継ぎ手)109を介して、第1油圧ホース96Aとは異なる他の油圧ホース96(第3油圧ホース96C)の一端部が接続されている。第3ホース継ぎ手109は、ねじ結合によって第3アダプタ108に接続される。第3油圧ホース96Cは、第3アダプタ108に後方(シリンダチューブ42Aのボトム側)から接続され、一端部からアームシリンダ42のシリンダチューブ42Aに沿って後方へ配策されている。第3油圧ホース96Cは、第1油圧ホース96Aよりも細径に形成されていて、第1油圧ホース96Aよりも可撓性が高い。
【0044】
図3、
図4、
図5に示すように、ホールディングバルブ61には、複数の油圧ホース96(第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B、第3油圧ホース96C)の一端部が接続されており、複数の油圧ホース96は、シリンダチューブ42Aの左側方(シリンダチューブ42Aの径方向外方側)から下方且つシリンダチューブ42Aの径方向内方に湾曲されて、シリンダチューブ42Aの(ボトム側42Aaの)下方へ配策される。その後、複数の油圧ホース96は、一対のブラケット19Aの間を通って、ブーム31の上面に沿って後方へ配策される。さらに、
図2に示すように、複数の油圧ホース96の他端部は、ブーム31の第1部位31Caの上面の長手方向中途部に設けられたホースコネクタ110に接続されている。
【0045】
図2に示すように、第1油圧ホース96Aはホースコネクタ110を介して第4油圧ホースDに接続され、第2油圧ホース96Bはホースコネクタ110を介して第5油圧ホースEに接続され、第3油圧ホース96Cはホースコネクタ110を介して第6油圧ホース96Fに接続されている。第4油圧ホース96D、第5油圧ホース96E及び第6油圧ホース96Fは、ブーム31の上面からスイングブラケット21を通って機体2内へ配策されている。第4油圧ホース96Dは、アーム制御弁62に接続されている。第5油圧ホース96Eは、コントロールバルブに接続されている。コントロールバルブは、アーム制御弁62を含む複数の制御弁を連結して構成される。第6油圧ホース96Fは、作動油タンクTに接続されている。
【0046】
第1アダプタ104、第1ホース継ぎ手105、第1油圧ホース96A、ホースコネクタ110及び第4油圧ホース96D等で管路63が構成される。
第2アダプタ106、第2ホース継ぎ手107、第2油圧ホース96B、ホースコネクタ110及び第5油圧ホース96E等でパイロット油路80が構成される。
第3アダプタ108、第3ホース継ぎ手109、第3油圧ホース96C、ホースコネクタ110及び第6油圧ホース96F等で管路60が構成される。
【0047】
図3、
図4、
図5に示すように、シリンダチューブ42Aには、油圧ホース96を湾曲させるホースガイド111が取り付けられている。
図4に示すように、ホースガイド111は、シリンダチューブ42Aとブーム31との対向方向に沿って見たときに、油圧ホース96が、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように、該油圧ホース96を湾曲させる。言い換えると、ホースガイド111は、シリンダチューブ42Aを径方向の一方向からみたときに、油圧ホース96が、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように、油圧ホース96を湾曲させる。
【0048】
詳しくは、ホースガイド111は、
図4に示すように、平面視において、シリンダチューブ42Aの側方(シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置)から後方に向けて配策される油圧ホース96が、シリンダチューブ42Aの側方位置から該シリンダチューブ42Aの下方位置(シリンダチューブ42Aと重畳する位置)へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように、油圧ホース96を下方且つシリンダチューブ42Aの径方向内方に湾曲させる。油圧ホース96は、シリンダチューブ42Aの下方側へ配策された後、一対のブラケット19Aの間を通り、ブーム31の上面に沿って後方に配策される。
【0049】
また、ホースガイド111は、ホールディングバルブ61とシリンダチューブ42Aのボトム側42Aaの端部(他端側)との間に配置され、ホールディングバルブ61とシリンダチューブ42Aのボトム側42Aaの端部との間で油圧ホース96を湾曲させる。言い換えると、ホースガイド111は、ホールディングバルブ61とブラケット19Aとの間で油圧ホース96を湾曲させる。
【0050】
図7、
図8に示すように、ホースガイド111は、棒材(丸棒)で形成(棒材を折曲して形成)されていて、シリンダチューブ42Aと油圧ホース96との間に配置されたガイドステー85に固定されている。したがって、ホースガイド111は、取付ブラケット81を介してシリンダチューブ42Aに取り付けられる。
図10、
図11、
図12に示すように、ホースガイド111は、第1部位111a、第2部位111b、第3部位
(延伸部位)111c、第4部位
(規制部位)111d及び第5部位
(延出部位)111eを有している。
【0051】
図7に示すように、第1部位111aは、ガイドステー85の後端に沿って直線状に形成されていて、ガイドステー85の後端の上部に固定されている。
図11に示すように、第2部位111bは、油圧ホース96の右方(シリンダチューブ42Aと油圧ホース96との間)に配置され、第1部位111aの下端から配策一方向112に延びている。配策一方向112は、油圧ホース96の配策方向であって、油圧ホース96の一端部96Aaから後方に向かう方向(油圧ホース96の一端部96Aaから他端部に向かう配策方向)である。
【0052】
図11に示すように、第3部位111cは、第2部位111bの後端から油圧ホース96を越えてシリンダチューブ42Aの配置側とは反対側(左方)へ延びている。また、
図12に示すように、第3部位111cは、油圧ホース96の上方に配置されている。さらに、第3部位111cは、
図11に示す平面視において、左方に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に形成されていて、シリンダチューブ42Aの長手方向16において、第2部位111bに接続される一端部11caに対して第4部位111dに接続される他端部11cbが配策一方向112に位置ずれしている。
【0053】
図12に示すように、第4部位111dは、第3部位111cの左端(第3部位111cにおけるシリンダチューブ42Aから遠い側の端部)から下方に延出しており、油圧ホース96の左方(油圧ホース96のシリンダチューブ42Aの配置側とは反対側)に位置している。
図12に示すように、第5部位111eは、第4部位111dの下端から油圧ホース96の下方を右方(シリンダチューブ42A側)に延びている。詳しくは、第5部位111eは、
図11に示すように、第4部位111dの下端から右方に向かうにつれて前方に移行する傾斜方向に延びている。
【0054】
図12に示すように、第5部位111eと第1油圧ホース96Aとは相互に離間している。つまり、第5部位111eと第1油圧ホース96Aとの間には隙間113が形成されている。また、第5部位111eのリンダチューブ42A側の端部と、第3部位111cのシリンダチューブ42A側の端部との間は、油圧ホース96(第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B、第3油圧ホース96C)を第5部位111eと第3部位111cとの間に挿入可能な開放部114とされている。
【0055】
ホースガイド111は、第4部位111dによって、油圧ホース96(第1油圧ホース96A)を、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように湾曲する。本実施形態では、第3部位111c及び第4部位111dによって油圧ホース96が下方且つシリンダチューブ42Aに引き寄せられるように湾曲される。詳しくは、第3部位111cによって油圧ホース96(第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B、第3油圧ホース96C)が下方に引き下げられ(押し下げられ)、第4部位111dによって油圧ホース96(第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B、第3油圧ホース96C)がシリンダチューブ42A側に引き寄せられる。
【0056】
図3、
図4に示すように、複数の油圧ホース96(第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B、第3油圧ホース96C)は、シリンダチューブ42Aの側方からホースガイド111の第5部位111eと第3部位111cとの間を通ってシリンダチューブ42Aの下方(シリンダチューブ42Aとブーム31との間)に配策されている。言い換えると、シリンダチューブ42Aの側方から後方に向けて配策される油圧ホース96が、第3部位111cと第4部位111dによって、下方且つシリンダチューブ42Aの径方向内方に湾曲されて、シリンダチューブ42Aの下方へ配策されている。
【0057】
図12に示すように、第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cは、ホースガイド111の第5部位111eと第3部位111cとの間の上部に機体幅方向に並べて配置されている。第1油圧ホース96Aは、第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cの下側に配置されている。言い換えると、第3部位111cと第1油圧ホース96Aとの間に第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cが配策されている。
【0058】
第1油圧ホース96A、第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cは、第3部位
111cによって下方に引き下げられると共に第4部位111dによってシリンダチューブ42Aの径方向内方に引き寄せられて湾曲されるので、油圧ホース96を、ブラケット19Aと干渉させずに一対のブラケット19Aの間を通るように配策することができる。また、第1油圧ホース96Aは剛性が高いので、第1油圧ホース96Aによって第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cを押し上げる形で油圧ホース96が保持される。これにより、第5部位111eと第1油圧ホース96Aとの間の隙間113が維持される。
【0059】
本実施形態にあっては、ホールディングバルブ61の高さを低くするために、シリンダチューブ42Aの一端部(前端部)の油室42Adとホールディングバルブ61とを、前部よりも後部が低い油圧配管100で接続している。このため、ホールディングバルブ61がシリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に配置されることとなり、ホールディングバルブ61とシリンダチューブ42Aの他端部(後端部)との距離(ホールディングバルブ61とブラケット19Aとの距離)が短い。それ故、油圧ホース96は、シリンダチューブ42Aの中央付近とシリンダチューブ42Aの他端部との間の短い距離の範囲内でホースガイド111によって湾曲されるので、曲がり度のきつい湾曲状態となる。そこで、ホースガイド111の第1部位111aと第3部位111cとの間に、第1部位111aの下端から配策一方向112に延びる第2部位111bを設けることにより、第3部位111c及び第4部位111dの位置(油圧ホース96の湾曲部分)を、後方にずらせて油圧ホース96のホールディングバルブ61に対する接続部分から遠ざけることができる。これにより、油圧ホース96の急な曲がりを緩和することができる。
【0060】
また、第3部位111cは、
図11に示すように、平面視において、左方に向かうにつれて後方に移行する傾斜状に形成されている。言い換えると、シリンダチューブ42Aの長手方向16において、第2部位111bに接続される一端部111caに対して第4部位111dに接続される他端部111cbを配策一方向112に位置ずれさせている。これによっても、第3部位111c及び第4部位111dの位置(油圧ホース96の湾曲部分)を油圧ホース96のホールディングバルブ61に対する接続部分から遠ざけることができ、油圧ホース96の急な曲がりを緩和することができる。
【0061】
また、第5部位111eを設けることにより、油圧ホース96の損傷を回避することができる。詳しくは、例えば、第5部位111eが設けられていないとすると、第4部位111dの下端と油圧ホース96とがエッジ当たりすることが懸念される。しかしながら、第5部位111eを設けることにより、第4部位111dの下端と油圧ホース96とがエッジ当たりすることがなく、油圧ホース96が損傷するのを回避することができる。
【0062】
また、例えば、第5部位111eが第1油圧ホース96Aの下端に当接するように形成されているとすると、つまり、第1油圧ホース96Aが第4部位111dと第5部位111eとに当接していると、第1アダプタ104と第1ホース継ぎ手105とのねじ結合部が緩み、オイル漏れが生じる虞がある。詳しくは、第1油圧ホース96Aは、内部を流通する作動油によって大きく圧がかかったり、該圧が緩和されたりすることによって膨張収縮するが、第1油圧ホース96Aが第4部位111d及び第5部位111eに当接していると、第1油圧ホース96Aの膨張収縮によって、第1アダプタ104と第1ホース継ぎ手105とのねじ結合部が緩む方向に第1油圧ホース96Aを回転させる力が該第1油圧ホース96Aに作用する。これに対し、本実施形態では、第1油圧ホース96Aと第5部位111eとの間に隙間113があり、且つ第1油圧ホース96Aは自己の剛性によって上方移動しようとするために、第1油圧ホース96Aと第5部位111eとの間の隙間113が保持されるので、第1油圧ホース96Aの膨張収縮によって、第1アダプタ104と第1ホース継ぎ手105とのねじ結合部が緩む方向に第1油圧ホース96Aを回転させる力が第1油圧ホース96Aに作用するのを防止することができる。
【0063】
また、ホースガイド111に第1油圧ホース96Aを通した状態、即ち、第1油圧ホース96Aを湾曲させた状態で、第1ホース継ぎ手105を介して第1油圧ホース96Aを第1アダプタ104に接続する場合、剛性のある第1油圧ホース96Aを湾曲させた状態で、第1ホース継ぎ手105を締め付けるのは困難であり、第1アダプタ104と第1ホ
ース継ぎ手105との結合が適正に行えないことが考えられる。そこで、本実施形態では、第5部位111eのリンダチューブ42A側の端部と、第3部位111cのシリンダチューブ42A側の端部との間に油圧ホース96を第5部位111eと第3部位111cとの間に挿入可能な開放部114を設けることにより、この問題を解消している。詳しくは、先ず、第1油圧ホース96Aをホースガイド111の第5部位111eと第3部位111cとの間に通さない状態(第1油圧ホース96Aを無理に曲げない状態)で、第1ホース継ぎ手105を第1アダプタ104に接続する(第1油圧ホース96Aを第1アダプタ104に接続する)。そして、第1油圧ホース96Aの第1アダプタ104に対する接続が終わった後に、開放部114を介して第1油圧ホース96Aを、第5部位111eと第3部位111cとの間に挿入して第1油圧ホース96Aを湾曲させる。これにより、第1アダプタ104に対して第1油圧ホース96Aを適正に結合した状態で該第1油圧ホース96Aを湾曲することができる。第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cについても、同じように、ホールディングバルブ61に対する接続を行った後に、開放部114を介して、第5部位111eと第3部位111cとの間に、第2油圧ホース96B及び第3油圧ホース96Cを挿入するようにしてもよい。
【0064】
本実施形態にあっては、アームシリンダ(油圧シリンダ)42に備えられるシリンダチューブ42Aの側方に配置される油圧機器としてホールディングバルブ61を例示したが、油圧機器はホールディングバルブ61以外のものであってもよい。また、第1油圧ホース96Aは、ホールディングバルブ61ではなく、シリンダチューブ42Aの側面に接続されるものであってもよい。
【0065】
また、シリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近にホールディングバルブ61を配置し、このホールディングバルブ61に接続される油圧ホース96をガイドするのに、上記ホースガイド111を適用したが、これに限定されることはない。例えば、シリンダチューブ42Aにホールディングバルブ61が装着されない場合であっても、シリンダチューブ42Aに対して接続される油圧ホース96の一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近にある場合(例えば、シリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近にコネクタが設けられ、該コネクタとシリンダチューブ42Aの油室とが配管を介して接続されるものにおいて、コネクタに油圧ホース96の一端部96Aaが接続される場合)は、該油圧ホース96をガイドするのに本実施形態のホースガイド111を適用することができる。
【0066】
また、本実施形態では、ホースガイド111をアームシリンダ42に設けた場合について説明したが、ホースガイド111を、他の油圧シリンダ(ブームシリンダ32、バケットシリンダ52、ドーザシリンダ等)にも適用してもよい。
本実施形態にあっては、作業機1は、機体2と、機体2に揺動可能に装着された支持部材(ブーム)31と、支持部材31に揺動可能に装着された揺動部材(アーム)41と、一端側が支持部材31に枢支され、中途部が支持部材31に沿って配置され、他端側が揺動部材41に枢支されており、伸縮することで揺動部材41を支持部材31に対して揺動させる油圧シリンダ(アームシリンダ)42と、一端部96Aaが油圧シリンダ42に備えられるシリンダチューブ42Aの側面又はシリンダチューブ42Aの側方に配置される油圧機器(ホールディングバルブ)61に接続された油圧ホース(第1油圧ホース)96Aと、シリンダチューブ42Aと支持部材31との対向方向に沿って見たときに、油圧ホース96Aが、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように油圧ホース96Aを湾曲させる棒材で形成されたホースガイド111と、を備えている。
【0067】
この構成によれば、油圧ホース96Aを湾曲させるホースガイド111を棒材で形成することにより形状を自由に設定でき、一端部96Aaが油圧シリンダ42に備えられるシリンダチューブ42Aの側面又はシリンダチューブ42Aの側方に配置される油圧機器61に接続された油圧ホース96Aを、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策されるように湾曲させて良好に配策することができる。
【0068】
また、シリンダチューブ42Aと油圧ホース96Aとの間に配置されてシリンダチューブ42Aに取り付けられるガイドステー85を備え、ホースガイド111は、ガイドステー85に固定される第1部位111aと、第1部位111aから、油圧ホース96Aの一端部96Aaから他端部に向かう配策一方向112に延びる第2部位111bと、第2部位111bから油圧ホース96Aを越えてシリンダチューブ42Aの配置側とは反対側へ延びる第3部位111cと、油圧ホース96Aのシリンダチューブ42Aの配置側とは反対側に位置するように第3部位111cから延びる第4部位111dとを有し、第4部位111dによって油圧ホース96Aの湾曲を行う。
【0069】
この構成によれば、油圧ホース96Aの湾曲を行う第4部位111dの位置を、第2部位111bによって油圧ホース96Aの一端部96Aaから遠ざかる方向にずらすことができ、油圧ホース96Aの急な湾曲の緩和を図ることができる。
また、第3部位111cは、シリンダチューブ42Aの長手方向16において、第2部位111bに接続される一端部111caに対して第4部位111dに接続される他端部111cbが配策一方向112に位置ずれしている。
【0070】
この構成によっても、第4部位111dの位置を、油圧ホース96の一端部96Aaから遠ざかる方向にずらすことができ、油圧ホース96Aの急な湾曲の緩和を図ることができる。
また、シリンダチューブ42Aが機体前後方向K3に沿って配置された状態で、油圧ホース96Aの一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの側方に配置され、且つ第3部位111cが油圧ホース96Aの上方に位置すると共に第4部位111dが第3部位111cにおけるシリンダチューブ42Aから遠い側の端部から下方に延出しており、シリンダチューブ42Aの側方から後方に向けて配策される油圧ホース96Aが、第3部位111cと第4部位111dによって下方且つシリンダチューブ42Aの径方向内方に湾曲されて、シリンダチューブ42Aの側方から該シリンダチューブ42Aの下方へ配策される。
【0071】
この構成によれば、油圧ホース96Aを第3部位111cと第4部位111dによって下方且つシリンダチューブ42Aの径方向内方に湾曲することができ、油圧ホース96Aをシリンダチューブ42Aの側方から該シリンダチューブ42Aの下方へ配策することができる。
また、油圧ホース96Aと共にシリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へシリンダチューブ42Aに沿って配策される、油圧ホース96Aよりも可撓性が高い他の油圧ホース96B、96Cを備え、第3部位111cと油圧ホース96Aとの間に他の油圧ホース96B、96Cが配策されている。
【0072】
この構成によれば、油圧ホース96Aと共に他の油圧ホース96B、96Cの配策も良好に行える。
また、ホースガイド111は、第4部位111dの下端から油圧ホース96Aの下方をシリンダチューブ42A側に延びる第5部位111eを有し、第5部位111eと油圧ホース96Aとの間に隙間113が形成されている。
【0073】
この構成によれば、ねじの緩み方向に油圧ホース96Aを回転させる力が、油圧ホース96Aにかかるのを防止することができ、油圧ホース96Aの接続部分の緩みを防止することができる。
また、第5部位111eのシリンダチューブ42A側の端部と第3部位111cのシリンダチューブ42A側の端部との間は、油圧ホース96Aを第5部位111eと第3部位111cとの間に挿入可能な開放部114とされている。
【0074】
この構成によれば、油圧ホース96Aを接続してから油圧ホース96Aを第5部位111eと第3部位111cとの間に挿入することができる。これにより、油圧ホース96Aを湾曲させた状態で油圧ホース96Aの接続を行わなくてもよいという効果を奏する。
また、シリンダチューブ42Aの後端側の機体幅方向両側に配置され且つ該シリンダチューブ42Aの後端側を枢支する一対のブラケット19Aを備え、油圧ホース96Aは、シリンダチューブ42Aの径方向の外方位置からシリンダチューブ42Aと重畳する位置へ配策された後、一対のブラケット19A間を通って後方に配策される。
【0075】
この構成によれば、ホースガイド111によって、油圧ホース96Aとブラケット19Aとの干渉を避けて油圧ホース96Aを配策することができる。
また、油圧シリンダ42を伸縮させる作動油のリーク時に、上下方向に揺動可能な揺動部材41の下方揺動を規制する油圧機器としてのホールディングバルブ61を備え、ホールディングバルブ61は、シリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に装着されると共に、油圧配管100を介してシリンダチューブ42Aの一端側の油室42Adに接続され、油圧ホース96Aは、当該油圧ホース96Aの一端部96Aaがホールディングバルブ61に接続されることでシリンダチューブ42Aに対して接続され、ホースガイド111は、ホールディングバルブ61とシリンダチューブ42Aの他端側との間で油圧ホース96Aを湾曲させる。
【0076】
この構成によれば、シリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近にホールディングバルブ61が装着された場合において、一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に配置される油圧ホース96Aを十分に湾曲させて配策することができる。
また、シリンダチューブ42Aが機体前後方向K3に沿って配置される状態において、油圧配管100は、シリンダチューブ42Aの一側面に接続される第1配管部100aと、第1配管部100aから下方に延出される第2配管部100bと、第2配管部100bからホールディングバルブ61の下部に向けて延出されて該下部に接続される第3配管部100cとを有しており、ホールディングバルブ61は、当該ホールディングバルブ61の上端がシリンダチューブ42Aの上端より低い位置に位置するようにシリンダチューブ42Aの一側面に配置される。
【0077】
この構成によれば、ホールディングバルブ61が上方の障害物に当接するのを防止することができる。
また、機体2に上下方向に延伸する軸心回りに回動可能に支持されたスイングブラケット21と、スイングブラケット21に上下方向に揺動可能に支持された支持部材としてのブーム31と、ブーム31の先端部に枢支されて上下方向に揺動可能な揺動部材としてのアーム41と、伸縮することでアーム41を揺動させる油圧シリンダとしてのアームシリンダ42と、を備え、アームシリンダ42は、ブーム31の上面側に配置されていて、シリンダチューブ42Aのボトム側42Aaがブーム31の上面側に設けられた一対のブラケット19Aに枢支され、アームシリンダ42のピストンロッド42Bの先端側がアーム41の基部に枢支されている。
【0078】
この構成によれば、アームシリンダ42のシリンダチューブ42Aに対して接続される一端部96Aaがシリンダチューブ42Aの長手方向16の中央付近に配置される油圧ホース96Aを良好に配策することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0079】
2 機体
16 長手方向
19A ブラケット
21 スイングブラケット
31 支持部材(ブーム)
41 揺動部材(アーム)
42 油圧シリンダ(アームシリンダ)
42A シリンダチューブ
42Aa ボトム側
42Ad 油室
42B ピストンロッド
61 油圧機器(ホールディングバルブ)
85 ガイドステー
96Aa 一端部
96A 油圧ホース(第1油圧ホース)
96Aa 一端部
96B 他の油圧ホース(第2油圧ホース)
96C 他の油圧ホース(第3油圧ホース)
100 油圧配管
100a 第1配管部
100b 第2配管部
100c 第3配管部
111 ホースガイド
111a 第1部位
111b 第2部位
111c 第3部位
111ca 一端部
111cb 他端部
111d 第4部位
111e 第5部位
112 配策一方向
113 隙間
114 開放部
K3 機体前後方向