(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】太さが異なる2つの管セグメントの間の接続部を形成する方法、および相応に製作された接続部
(51)【国際特許分類】
F03D 13/20 20160101AFI20241118BHJP
E04H 12/08 20060101ALI20241118BHJP
E04H 12/00 20060101ALI20241118BHJP
E04H 12/12 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
F03D13/20
E04H12/08
E04H12/00 B
E04H12/12
(21)【出願番号】P 2021546227
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2020050177
(87)【国際公開番号】W WO2020160857
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】102019103070.6
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521154291
【氏名又は名称】エル・ヴェー・エー リニューワブルズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】RWE Renewables GmbH
【住所又は居所原語表記】RWE Platz 4, 45141 Essen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル バルトミン
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/070868(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/20
E04H 12/08
E04H 12/00
E04H 12/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塔状構造物の太さが異なる2つの管セグメント(1、2、21、22)の間の接続部(3、20)を形成する方法であって、
- 太い方の管セグメント(1、31)の一端が細い方の管セグメント(2、32)の一端に部分的に押し被され、
- 前記管セグメント(1、2、21、22)は互いから一定距離に位置付けられて、前記管セグメント(1、2、21、22)の間に環状隙間(5、27)を形成し、
- 前記管セグメント(1、2、21、22)の長手方向(L)および/または半径方向(R)に延在する分離層(4、14)が前記2つの管セグメント(1、2、21、22)の間の前記環状隙間(5、27)に設けられ、
- 前記分離層(4、14)に隣接して、および前記分離層(4、14)の少なくとも片側に隣接して、注型材料(9、30)が前記環状隙間(5、27)に少なくとも部分的に注入され、
- 前記注型材料(9、30)が硬化すると、前記注型材料(9、30)は、前記分離層(4、14)の一方の側において前記管セグメント(1、2、21、22)の一方のみと、および/または前記注型材料(9、30)のもう一方の側においてもう一方の管セグメント(1、2、21、22)のみと、堅固な接続部(3、20)を形成し、
- 前記注型材料(9、30)の前記硬化後、前記管セグメント(1、2、21、22)は、特に、硬化した前記注型材料(9、30)によって形成された、対応付けられた個別の接続要素(10、11、21、22)と共に、前記分離層(4、14)に沿って再び分離される、
方法。
【請求項2】
前記管セグメント(1、2、21、22)を前記分離層(4、14)に沿って分離した後、分離された前記管セグメント(1、2、21、22)は、既に硬化している前記注型材料(9、30)から形成された、少なくとも分離している、前記接続要素(10、11、31、32)が前記管セグメント(1、2、21、22)の長手方向(L)への形状嵌合接続および/または圧力嵌め接続を形成するように、再接続される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
- 管セグメント(1、2、21、22)として、鋼製の管セグメントまたは鉄筋コンクリート製の管セグメントが使用される、および/または、
- 円筒状または円錐状の管セグメント(1、2、21、22)が少なくとも前記環状隙間(5、27)の領域における管セグメント(1、2、21、22)として使用される、および/または、
- 洋上構造物の管セグメント(1、2、21、22)が管セグメント(1、2、21、22)として使用される、および/または、
- 風力タービン(W)の塔セグメントが管セグメント(1、2、21、22)として使用される、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記管セグメント(1、2、21、22)は互いに同心円状に位置付けられ、前記管セグメント(1、2、21、22)の間に環状隙間(5、27)を形成する、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
- ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルム、が分離層(4、14)として使用される、および/または、
- 前記分離層(4、14)は、例えばアルミニウム、鉄、または鋼の形態の、金属によって、および/または炭素繊維織物および/またはガラス繊維織物および/または繊維強化複合材料によって、少なくとも部分的に形成される、および/または、
- 前記少なくとも1つの接続要素(10、11、31、32)の製作後、前記分離層(4、14)は、ベントナイトマット製の、膨張性分離層に置き換えられる、または膨張性分離層によって補完される、
請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
- 前記分離層(4、14)は、前記環状隙間(5、27)内に少なくとも部分的に円筒状に配置され、
- 前記分離層(4、14)の少なくとも前記円筒部分は、前記
細い方の管セグメント(2、32)に対して、および/または前記
太い方の管セグメント(1、31)に対して、少なくともほぼ同心円状に延在する、
請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記環状隙間(5、27)を前記管セグメント(1、2、21、22)の長手方向(L)に少なくともほぼ閉じる分離層(4、14)が前記2つの管セグメント(1、2、21、22)の間の前記環状隙間(5、27)に設けられる、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
- 前記分離層(4、14)は、前記管セグメント(1、2、21、22)の前記長手方向(L)に対して少なくとも部分的に円錐状に、および/または半径方向(R)斜めに、形成され、
- 好ましくは、前記分離層(4)は、前記管状隙間(5)の外縁より前記環状隙間(5)に対応付けられた前記
細い方の管セグメント(1、2)の端部により近い前記環状隙間(5)の内縁に前記管セグメント(1、2)の長手方向(L)に、および/または、前記環状隙間(5)の前記内縁より前記環状隙間(5)に対応付けられた前記
太い方の管セグメント(1、2)の前記端部により近い前記環状隙間(5)の前記外縁に前記管セグメント(1、2)の長手方向(L)に、少なくとも円錐断面状に設けられる、
請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
- 前記
太い方の管セグメント(1、21)が加熱されているとき、および/または前記
細い方の管セグメント(2、32)が冷却されているとき、注型材料(9、30)が前記環状隙間(5、27)に少なくとも部分的に注入される、および/または、前記注型材料(9、30)の硬化後、前記管セグメント(1、2、21、22)の一方が他方に再び差し込まれる、および/または、
- 前記
太い方の管セグメント(1、21)が加熱されているとき、および/または前記
細い方の管セグメント(2、22)が冷却されているとき、硬化した接続要素(10、11、31、32)は、前記分離層(4、14)に沿って互いから分離される、
請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
- 冷却される前記
太い方の管セグメント(1、21)および/または
細い方の管セグメント(2、22)は、20℃未満の温度に冷却される、および/または、
- 加熱される前記
太い方の管セグメント(1、21)および/または
細い方の管セグメント(2、22)は、20℃超の温度に加熱される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
- 前記
太い方の管セグメント(1、21)および/または
細い方の管セグメント(2、22)は、少なくとも1つのスラストリブ(12、33)を前記環状隙間(5、27)の前記領域に有し、
- 前記少なくとも1つのスラストリブ(12、33)は、少なくともほぼ周方向に設けられ、
- 前記少なくとも1つのスラストリブ(12、33)は、少なくともほぼ環状に設けられる、
請求項1~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
- 前記注型材料(9、30)として、グラウトおよび/または注型用モルタルが使用され、
- 膨張性グラウトとして公知の物質である、硬化中に膨張するグラウトが使用され、
- アルカリシリカ反応性骨材入り、ベントナイト、カルシウムサルフォアルミネートセメント、および/またはアルミン酸塩が追加された、グラウトが使用される、
請求項1~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項2~12の何れか一項に記載の方法を使用した前記塔状構造物の太さが異なる2つの管セグメント(1、2、21、22)の接続部(3、20)であって、
前記太い方
の管セグメント(1、21)と
前記細い方
の管セグメント(2、22)の重なり合う端部間に環状隙間(5、27)が存在する、接続部(3、20)において、
1つの接続要素(11、32)が前記環状隙間(5、27)において前記
細い方の管セグメント(1、31)の外周面に堅固に接続されることと、異なる接続要素(10、31)が前記環状隙間(5、27)において前記
太い方の管セグメント(2、22)の内周面に堅固に接続されることと、硬化した注型材料(9、30)によって前記接続要素(10、11、31、32)のうちの少なくとも1つが形成されることと、少なくとも前記2つの接続要素(10、11、31、32)は、前記管セグメント(1、2、21、22)を前記管セグメント(1、2、21、22)の長手方向(L)に形状嵌合および/または圧力嵌め形式で接続することと、を特徴とする接続部(3、20)。
【請求項14】
前記接続部(3、20)を製作するために、分離層(4、14)が前記接続要素(10、11、31、32)の間に設けられることと、前記分離層(4、14)は、ポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルム、であることと、を特徴とする、請求項13に記載の接続部。
【請求項15】
前記環状隙間(5、27)内の前記接続要素(10、11、31、32)は、少なくとも部分的に、少なくともほぼ円筒状および/または少なくともほぼ円錐状に設計されることを特徴とする、請求項13または14に記載の接続部。
【請求項16】
前記管セグメント(1、2、21、22)は、少なくとも前記環状隙間(5、27)の前記領域において円筒状または円錐状に設計されること、および/または、前記管セグメント(1、2、21、22)は洋上構造物の管セグメント(1、2、21、22)であること、および/または前記管セグメント(1、2、21、22)は風力タービン(W)の、特に洋上風力タービンの、塔セグメントであること、を特徴とする、請求項13~15の何れか一項に記載の接続部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは塔状構造物の、特に風力タービンの、太さが異なる2つの管セグメントの間の接続部を形成する方法に関する。更に、本発明は、好ましくは塔状構造物の、特に風力タービンの、太さが異なる2つの管セグメントの接続部であって、太い方の外側管セグメントと細い方の内側管セグメントとが重なり合う両端部間に環状隙間がある接続部に関する。
【背景技術】
【0002】
太さが異なる2つの管セグメントを互いに接続可能なさまざまな方法が公知である。現時点における理解によると、これら管セグメントの太さはかなりの差があるので、これら管セグメントの対応する端部の一方を他方に少なくとも部分的に差し込むことができる。このような管セグメント同士の接続のために、例えば、差し込み接続部が公知である。これら差し込み接続部の接合は、一方の管セグメントの一端がもう一方の管セグメントの一端に取り付けられるように行われている。対応する両管端が互いに対して円錐状に対応して形成されている場合は、これにより、圧力嵌めおよび形状嵌合接続がもたらされる。必要であれば、これら管セグメントの端部間に封止剤を注入できる。あるいは、これら管セグメントの重なり合う端部同士を互いに溶接することも、ボルトによって互いに接続することもできる。ただし、これらの接続は、相対的に複雑で製作に費用がかかる。塔状構造物に通常使用される大径の管セグメントの場合は、特にそうである。ボルト止め、溶接、または鋼同士の摩擦係合、による接続の場合、想定された理想形状からの管セグメントの微細な逸脱でさえ、接続部を著しく弱め得る。これが、この接続部を精確に計算することが困難であり得る理由である。
【0003】
特に、風力タービン、特に洋上風力タービン、の建設には、グラウト接続も使用されている。グラウト接続は、極めて容易且つ迅速に、高い原価効率で行えるからである。この種の接続部のための保守要件も御し易い。グラウト接続部の製作の場合、太さが異なる両管セグメントの対応する端部の一方が他方に差し込まれるので、管セグメント間に環状隙間が形成される。その後、この隙間に注型材料、特にグラウト、が注入される。グラウトの硬化後、2つの管端が互いに堅固に接続される。ただし、環状隙間への注型材料の注入は、現場で行う必要があり、比較的面倒である。加えて、現場でのグラウト注入中、接続不良が発生し得る。これは、後で検出し難いので、もはや手直しもできない。他方、寸法精度に対する諸要件は、ボルト止め、溶接、または摩擦係合ほど高くない。
【0004】
上記の諸欠点に対処するために、2つの相互に離隔した金属製円周リングを円筒状の各管セグメントに設けることが提案されている。これら金属製リングの対応する内側は円錐状に削り取られているので、これら管セグメントの一方を他方に管セグメントの長手方向に差し込むと、これら金属リングの対応する円錐状内面が互いに形状嵌合する。これは、例えば、特許文献1に記載されている。ただし、特に、円錐状内面の製作において許容され得る公差は極めて小さいので、これらリングを設けることは依然として極めて複雑であり、したがって費用がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第2 910 682(A2)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明の目的は、太さが異なる管セグメント同士を、何れの場合も、より容易且つ確実に、高い原価効率で接続できるように、冒頭で言及し、より詳細に説明した種類の方法および接続部を設計し、更に発展させることである。
【0007】
この目的は、請求項1によると、好ましくは塔状構造物の、特に風力タービンの、太さが異なる2つの管セグメントの間の接続部を形成する方法によって達成される。本方法においては、
- 太い方の管セグメントの一端が細い方の管セグメントの一端に部分的に押し被され、
- これら管セグメントは互いから一定距離に位置付けられて、管セグメント間に環状隙間を形成し、
- これら管セグメントの長手方向および/または半径方向に延在する分離層が2つの管セグメントの間の環状隙間に設けられ、
- この分離層に、および分離層の少なくとも片側に、隣接して、注型材料が環状隙間に少なくとも部分的に注入され、
- 注型材料が硬化すると、注型材料は、分離層の一方の側において一方の管セグメントのみとの、および/または注型材料のもう一方の側においてもう一方の管セグメントのみとの、堅固な接続を形成し、
- 注型材料の硬化後、これら管セグメントは、硬化した注型材料によって特に形成された、対応付けられた個別の接続要素と共に、分離層に沿って再び分離される。
【0008】
前記目的は、更に、請求項13の前提部分に記載の接続部によって達成される。この接続部においては、1つの接続要素が環状隙間内で内側管セグメントの外周側に堅固に接続され、異なる接続要素が環状隙間内で外側管セグメントの内周側に堅固に接続され、これら接続要素のうちの少なくとも一方が硬化した注型材料によって形成され、少なくとも2つの接続要素が管セグメント同士をこれら管セグメントの長手方向に形状嵌合および/または圧力嵌めで接続する。
【0009】
したがって、本発明が認識しているのは、管セグメント間の環状隙間に少なくとも1つの注型材料を注入することによって、この注型材料が分離層の片側に供給されて、接続部を極めて有効且つ確実に事前製作できることである。これら接続要素は、少なくとも1つの分離層によって分離されている。ただし、環状隙間内の分離層の両側に注型材料が注入されると、特に好都合である。この場合、注型材料は少なくとも1つの分離層によって分離された少なくとも2つの領域に分割されるので、注型材料の各部分は、硬化中、異なる接続要素を環状隙間内に形成する。これら接続要素を、その後、分離層に沿って分離できる。単一の接続要素が注型材料から形成される場合、この接続要素は、異なる別の接続要素から分離層によって分離される。
【0010】
その後、事前製作された接続部を現場で容易に接合できる。すなわち、据え付け現場において2つの管セグメントの一方を他方に単に差し込み戻すことによって、接合できる。この場合、両接続要素は、管セグメントの長手方向に形状嵌合および/または圧力嵌め接続を形成する。この2つの接続要素は、環状隙間への事前の、少なくとも部分的な、注入によって、それぞれ対応付けられた管セグメントに堅固に接続されている。したがって、両管セグメントは、当該接続要素に永続的に接続されている。両接続要素および両管セグメントがそれぞれ異なる材料から形成されている場合でも、両接続要素および両管セグメントは、好ましくは少なくとも実質的に互いに接合される、または互いに堅固に接着される。
【0011】
接続部を事前製作するために、2つの管セグメントの間に環状隙間が形成されるように、この2つの管セグメントは、対応付けられた端部の一方が他方に上から差し込まれる。この環状隙間内に少なくとも1つの分離層が設けられる。この分離層は、長手方向および/または半径方向に延在し、ひいては環状隙間を少なくとも2つの異なる部分に分割する。この2つの部分は、少なくとも1つの分離層のそれぞれ異なる側にある。その後、これら2つの異なる領域のうちの少なくとも一方の領域に、少なくとも部分的に注型材料が充填される。ただし、この少なくとも2つの異なる領域の各々に注型材料が充填されることが好ましい。この注型材料は、その後、環状隙間内で硬化する。この場合、注型材料は、少なくとも1つの個別の接続要素を、または、好ましくは少なくとも2つの個別の接続要素を、形成する。分離層の両側の接続要素は、分離層によって互いに分離されているが、それぞれ対応付けられた管セグメントに堅固に接続される。この分離層の結果として、少なくとも1つの注型材料の硬化後、これら管セグメントを再び互いから引き抜くことができる。この少なくとも2つの接続要素は、その後、少なくとも1つの分離層に沿って、再び互いから分離可能である。その後、対応する両管セグメントの一方を他方に再び差し込むことによって、形状嵌合および/または圧力嵌め接続部を形成できる。
【0012】
原則として、複数の分離層を環状隙間内に設けることができる。これら分離層は、その後、必要であれば、注型材料を硬化させるための2より多い数の分離領域をもたらす、および/または2より多い数の接続要素をもたらす。ただし、これはおそらく極めて特殊なケースにのみ発生する。その理由は、接続部およびその製作は、できる限り簡単且つ原価効率よく行われる必要があるからである。これに対して、特に好適であるのは、少なくとも1つの分離層が環状隙間に周方向に設けられることである。これは、本方法を簡素化し、少なくとも1つの、少なくともほぼ一様な、周方向の接続要素の形成を簡単な方法で可能にする。
【0013】
リングセグメントの材料を考慮に入れて、対応する管セグメントとの十分に強い接続を硬化中に形成する注型材料は、当業者には公知である、または当業者は簡単な試験によって決定できる。
【0014】
加えて、記載の接続部の諸利点は、塔状構造物のために、特に風力タービンのために、特に洋上風力タービンのために、特に適切である。このような構造物においては、大径の管セグメントが複数使用され、対応する接続部は原価効率が良くなければならず、高荷重を確実に吸収できる必要もある。
【0015】
理解を容易にするために、および不要な繰り返しを避けるために、以下においては、方法および接続部が一緒に説明されており、方法および接続部が何れの場合も必ずしも詳細に区別されていない。ただし、当業者にとっては、方法および接続部に関してどの特徴が特に好適であるかは文脈から分かるであろう。
【0016】
本方法の第1の特に好適な実施形態の場合、分離層に沿った管セグメントの分離後、分離された管セグメント同士が再接続されるので、既に硬化している注型材料から形成された、少なくとも分離している、両接続要素が管セグメントの長手方向に形状嵌合および/または圧力嵌め接続を形成する。硬化した注型材料によって一方の接続要素のみが形成されている場合でも、各接続要素は形状嵌合および/または圧力嵌め接続を管セグメントの長手方向に形成する。この接続は、2つの管セグメントを最終的に規定どおりに接合するために、塔状構造物の据え付け現場において簡単に行うことができる。この場合、特に好適であるのは、環状隙間を形成するために、および少なくとも1つの注型材料をそこで硬化させるために、一方が他方に差し込まれていた管セグメントと同じ管セグメントの一方が他方に再び差し込まれる場合である。少なくとも1つの注型材料を硬化させたときと同じように、これら管セグメントが長手方向軸線を中心に回転されると、更に好都合である。これにより、対応する接続要素も、最大可能な程度まで互いに対応するように設計されることが保証される。
【0017】
塔状構造物の建設のために、および対応する接続部の用意のためにも、特に好都合であるのは、鋼製の管セグメント、または特に鉄筋コンクリート製の管セグメント、が管セグメントとして使用されることである。これが意味するのは、高い塔を製造でき、高荷重を接続部において確実に吸収できることである。塔状構造物の接続および製作を簡素化するために、円筒状または円錐状の管セグメントを管セグメントとして少なくとも環状隙間の領域に使用することも得策である。これは、より複雑な構造物に比べ、コストも節減する。洋上構造物の管セグメントが管セグメントとして使用される場合、および/または、風力タービンの、特に洋上風力タービンの、塔セグメントが管セグメントとして使用される場合、この接続部は、上記理由により、特別の利点も複数有する。
【0018】
代わりに、または加えて、本方法および本接続部が簡素化されるのは、これら管セグメントが互いに対して同心円状に位置付けられ、環状隙間が管セグメント間に形成される場合である。これは、必要に応じて、塔状構造物からの力の等しい吸収および放散も促す。
【0019】
少なくとも1つの注型材料の硬化後、両管セグメントの互いからの容易な分離を可能にするために、および互いへの、および/または別の接続要素への、過度な付着を回避するために、得策であるのは、フィルム、好ましくはプラスチックフィルム、特にポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルム、を分離層として使用することである。
【0020】
環状隙間内への分離層の特に容易且つ迅速な配置が保証されるのは、分離層の少なくとも1つの領域が環状隙間内に少なくとも部分的に円筒状に配置される場合である。この場合、分離層の片側の、または好ましくは分離層の両側の、残っている少なくとも1つの自由空間への少なくとも1つの注型材料の導入も極めて容易且つ迅速に行える。これが特に該当するのは、分離層の少なくとも円筒部分が内側管セグメントに対して、および/または外側管セグメントに対して、少なくともほぼ同心円状に延在する場合である。こうして作成された接続要素は、その後、形状嵌合接続を形成しないか、または僅かに形成するのみである。ただし、膨張性の注型材料、すなわち、硬化後も依然として膨張する注型材料、が使用される場合は、管セグメントの長手方向への圧力嵌め接続を得ることができる。この圧力嵌め接続は、大きな力を吸収できる。
【0021】
代わりに、または加えて、2つの管セグメントの間の環状隙間に設けられた分離層、またはこの分離層の領域、が管セグメントの長手方向に環状隙間を少なくともほぼ閉じるように、分離層を環状隙間内に設けることもできる。この場合、分離層の片側の少なくとも1つの自由空間への、または好ましくは分離層の両側に残っている自由空間への、少なくとも1つの注型材料の導入も特に容易且つ迅速に行うことができる。
【0022】
分離層の少なくとも局所的な円筒状配置の代わりに、またはこれに加えて、管セグメントの長手方向に対して、少なくとも部分的に円錐状に、および/または半径方向斜めに、分離層を形成することもできる。これにより、円錐状の、またはそれぞれ形作られた、接続要素を簡単に形成できるので、管セグメントの長手方向への管セグメント間の明白な形状嵌合接続がもたらされる。これが特に当てはまるのは、分離層が、環状隙間の外縁より環状隙間に対応付けられた内側管セグメントの端部により近い環状隙間の内縁に管セグメントの長手方向に、および/または、環状隙間の内縁より環状隙間に対応付けられた外側管セグメントの端部により近い環状隙間の外縁に管セグメントの長手方向に、少なくとも円錐断面状に設けられる場合である。これにより、上側の外側管セグメントの少なくとも1つの接続要素が下側の内側管セグメントの少なくとも1つの接続要素に内側で形状嵌合式に重なることを保証できる。あるいは、上側の内側管セグメントの少なくとも1つの接続要素が下側の外側管セグメントの少なくとも1つの接続要素に内側で形状嵌合式に重なることを保証できる。
【0023】
管セグメント間の接続部の高い圧力嵌め接続を保証するために、外側管セグメントが加熱されているときに、および/または内側管セグメントが冷却されているときに、注型材料を環状隙間に少なくとも部分的に注入できる、および/または、注型材料の硬化後、外側管セグメントが加熱されているときに、および/または内側管セグメントが冷却されているときに、管セグメントの一方を他方に再び差し込むことができる。長手方向への熱膨張の結果として、両管セグメントの接続要素は、接続された状態で、互いに押し当てられる。
【0024】
少なくとも1つの注型材料の硬化後、これら管セグメントの互いからの分離をより容易にするために、外側管セグメントが加熱されているときに、および/または内側管セグメントが冷却されているときに、環状隙間を分離層に沿って互いから分離させることができる。この場合、対応する管セグメントの加熱または冷却は、長手方向への熱膨張をもたらすので、結果として少なくとも2つの対応する接続要素の間に間隙が形成される、または少なくとも対応する間隙が形成される。
【0025】
このコンテキストにおいて、特に好都合であり得るのは、冷却される外側管セグメントおよび/または内側管セグメントが20℃未満、好ましくは15℃未満、特に10℃未満、の温度に冷却される、および/または加熱される外側管セグメントおよび/または内側管セグメントが20℃超、好ましくは30℃超、特に40℃超、の温度に加熱される、場合である。
【0026】
外側管セグメントおよび/または内側管セグメントが少なくとも1つのスラストリブを環状隙間の領域に有すると、この接続部を補強でき、耐久性を高めることができる。この場合、特に好都合であり、実現が簡単であるのは、少なくとも1つのスラストリブが少なくともほぼ周方向に設けられる場合である。鉛直方向への大きな力を吸収して一様に放散できるように、少なくとも1つのスラストリブが少なくともほぼ環状に設けられると、更に得策である。
【0027】
注型材料として各種材料を使用できる。注型材料は、例えば、アルミン酸三カルシウム(3CaO・SiO2)および/またはケイ酸二カルシウム(ビーライト)(2CaO・SiO2)を少なくとも25重量%有し得ると好都合である。これに拘らず、特に適しているのは、注型材料が1立方メートル当たり少なくとも200kg(kg/m3)のセメント含有量、および/または、例えばグレイワッケ、燧石、オパール、および/またはドロマイトの形態の、アルカリシリカ反応性骨材、および/または、例えばモンモリロナイトの形態の、ベントナイトの含有量が少なくとも2重量%である場合である。ただし、注型用モルタルおよび/またはグラウトは、特に信頼性および耐久性があるばかりか、注入が容易である。グラウトは、例えば、グラウトされた高強度コンクリート、高強度の注型用モルタル、またはさまざまな組成で公知のセメント懸濁液である。グラウトされたコンクリートまたは注型用モルタルは、骨材、特に、砂礫、花崗岩、グレイワッケ、および/または燧石などの微粒子骨材、の追加によって特徴付けられる。セメント懸濁液は、一般に、EN197による水でコーティングされたポルトランドセメントをベースとする。あるいは、特殊なモルタルが使用される。キューブ圧縮強度は、一般には1平方ミリメートル当たり20N(N/mm2)より大きいが、通常は1平方ミリメートル当たり40N(N/mm2)より大きい。この場合、圧力嵌め接続部を補強するために、膨張性注型材料、膨張性注型材料として公知の物質、特に硬化中に膨張するグラウト、膨張性グラウトとして公知の物質、を必要に応じて使用できる。アルカリシリカ反応性骨材で製造されたグラウト、またはベントナイトの追加、が特に好適である。ただし、カルシウムサルフォアルミネートセメントまたはアルミン酸塩も使用できる。
【0028】
本接続部の第1の特に好適な実施形態の場合、分離層は、接続部を製作するための接続要素の間に設けられる。したがって、接続部が最終的に接合される前に、分離層を除去する必要はない。ただし、これも依然として該当し得る。分離層は、封止材として、および/または力を接続部の周囲に一様に分散させるために、使用可能である。フィルム、好ましくはプラスチックフィルム、特にポリ塩化ビニル(PVC)および/またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製フィルム、の形態の少なくとも1つの分離層の使用は、特に簡単で好都合である。ただし、分離層を、例えばアルミニウム、鉄、または鋼の形態の、金属で、および/または炭素繊維織物および/またはガラス繊維織物および/または繊維強化複合材料で、少なくとも部分的に形成することもできる。更なる一実施形態において、接続を確立するために使用される分離層を、その後に接続部が設置される前に、風化作用の影響下で洋上で膨張する分離層に置き換える、またはこの分離層で補完する、ことができる。特に、ベントナイト、好ましくはベントナイトマット、製の分離層がここで考えられる。
【0029】
代わりに、または加えて、環状隙間内の各接続要素および/または接続要素間の分離層を、少なくとも部分的に、少なくともほぼ円筒状に、および/または少なくともほぼ円錐状に、設計できる。これにより、接続部の容易な接合が可能になり、同時に大きな力を吸収できる接続部の提供も可能になる。
【0030】
他の全ての点では、各管セグメントを、少なくとも環状隙間の領域において、円筒状または円錐状に設計できる。したがって、円筒状管セグメントがより高い原価効率で簡単に設けられる一方で、円錐状管セグメントは、必要に応じて、より大きな力を伝達できる。代わりに、または加えて、これら管セグメントを洋上構造物の管セグメントとすることができる。その理由は、接続部の諸利点が特に効力を発揮するからである。対応する洋上構造物は、例えば、オイルまたはガスプラットフォームとすることができる。対応するコスト圧力および時間圧力の故に、これら管セグメントが風力タービンの、特に洋上風力タービンの、塔セグメントまたは基礎セグメントとして設計されていると、対応する塔の据え付け時に特に好都合である。
【0031】
以下においては、複数の例示的実施形態を単に示している図面によって、本発明をより詳細に説明する。図面には以下が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図2A】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図2B】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図2C】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図2D】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図2E】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図2F】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3A】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3B】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3C】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3D】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3E】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【
図3F】本発明による第1の接続部を形成するための本発明による第1の方法の方法ステップの略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、洋上風力タービンWを示す。風力タービンWは、海底Mに埋め込まれた金属管の形態の基礎杭Pによって形成されたモノパイル基礎Fを備える。基礎杭Pは海面Sより上方に突出し、そこで、接続部を介して、風力タービンWの塔Tに接続されている。塔Tは、風力タービンWのナセルGとロータOとを担持している。本風力タービンWにおいて、塔Tの下方部分は円筒状の管セグメント1として設計されており、基礎杭Pの上方部分は円筒状の管セグメント2として設計されている。両管セグメント1、2は、鋼管として設計されている。加えて、上側の管セグメント1の直径は下側の管セグメント2の直径より大きいので、上側の管セグメント1の下端を下側の管セグメント2の上端に押し被せることができる。
【0034】
図2A~
図2Fは、2つの管セグメント1、2の間に接続部3を形成する方法をステップごとに示す。最初に、
図2Aに示されているように、細い方の管セグメント2の端部に、長手方向Lに延在する分離層4がプラスチックフィルムの形態で設けられる。次に、
図2Bに示されているように、互いに対応付けられた2つの管セグメント1、2の端部の一方が他方に、管セグメント1、2の長手方向Lに、部分的に押し込まれる。これらは、円形の横断面を有する同心の管セグメント1、2である。これにより、環状隙間5が半径方向Rに形成される。次のステップにおいて、
図2Cに示されているように、分離層4が少なくとも部分的に円錐形状になるように、分離層4がもう一方の管セグメント1の端部に接続される。これにより、分離層4は、環状隙間5の2つの領域6、7を互いから分離する。下方に開口している領域6は、リング8、またはグラウトシールとして公知のものなどのシール、によって封止され、分離層4に、および分離層4の両側に、隣接して、注型材料9が2つの領域6、7に少なくとも部分的に注入される。注型材料9は、その後、環状隙間5内で硬化する。この場合、注型材料9は、2つの個別の接続要素10、11を形成する。これら接続要素10、11は、
図2Dに示されているように、それぞれ対応付けられた管セグメント1、2に堅固に接続される。この接続部3を強化するために、何れの場合も、複数のスラストリブ12が細い方の内側管セグメント2の外面と太い方の外側管セグメント1の内面とに設けられる。これらスラストリブ12は、それぞれの管セグメント1、2の内面または外面を環状に取り囲む。ただし、管セグメント1、2および対応付けられた接続要素10、11は、
図2Eに示されているように、管セグメント1、2を長手方向Lに互いから引き離すことによって、分離層4に沿って互いから再び分離可能である。
【0035】
今や、管セグメント1、2は、洋上風力タービンWの据え付け場所に別々に移動可能であり、そこで、洋上風力タービンWの接続部3を接合するために、
図2Fに示されているように、再び前のように一方を他方に差し込むことができる。このために、注型材料9から接続要素10、11を形成した際と同じ管セグメント1、2が使用され、注型材料9から接続要素10、11を形成した際と同じように管セグメント1、2が再び互いに向かい合わされるので、極めて精確な規定の接続部3が得られる。2つの管セグメント1、2は、2つの接続要素10、11を介して、管セグメント1、2の長手方向Lに形状嵌合式に保持される。接続部3の圧力嵌め接続によって、上側の管セグメント1、2の死過重の結果として、捩れが防止される。
【0036】
接続される管セグメント1、2の向きを逆にすることもできる。細い方の管セグメント2を上側の管セグメントにし、太い方の管セグメント1を下側の管セグメントにする場合でも、接続部3を同じ方法で確立できる。長手方向Lにおける管セグメント1、2の配置は、接続部3が最終的に接合されるときにのみ、互いに逆にする必要がある。代わりに、または加えて、接続される管セグメント1、2の向きを、分離層4および/または少なくとも1つの注型材料9の挿入前に、逆にすることもできる。したがって、細い方の管セグメント2を太い方の管セグメント1に上方から差し込めるようになる。
【0037】
図3A~
図3Fは、太さが異なる2つの管セグメント21、22の間に一代替接続部20を形成する方法をステップごとに示す。最初に、細い方の管22の端部に、リング23を取り外し可能に固締する。リング23は、
図3Aに示されているように、長手方向Lに延在するプラスチックフィルムの形態の分離層24を周方向に保持する。下の方でも、別のリング25がプラスチックフィルムに保持される。今や、
図3Bに示されているように、互いに対応付けられた2つの管セグメント21、22の端部の一方が他方に、管セグメント21、22の長手方向Lに、部分的に押し込まれる。これらは、円形の横断面を有する同心の管セグメント21、22である。
【0038】
これにより、
図3Cに示されているように、環状隙間が半径方向Rに形成される。分離層24は、円筒部分26を環状隙間27内に形成する。2つのリング23、25は、円筒部分26において分離層24が両管セグメント21、22から離れていることを保証する。加えて、リング23、25は、環状隙間27を上方および下方で閉じるので、分離層24の両側の領域28、29が閉じられ、領域28、29に注型材料30を充填できる。注型材料30は、その後、環状隙間27内で硬化する。この場合、注型材料30は、2つの別個の接続要素31、32を形成する。接続要素31、32は、
図3Dに示されているように、それぞれ対応付けられた管セグメント21、22に堅固に接続される。この接続部20を強化するために、何れの場合も、複数のスラストリブ33が細い方の内側管セグメント22の外面と太い方の外側管セグメント21の内面とに設けられる。これらスラストリブ33は、それぞれの管セグメント21、22の内面または外面を環状に取り囲む。ただし、管セグメント21、22および対応付けられた接続要素31、32は、
図3Eに示されているように、管セグメント21、22を長手方向Lに互いから引き離すことによって、分離層24に沿って再び互いから分離可能である。
【0039】
今や、管セグメント21、22は、洋上風力タービンWの据え付け場所に別々に移動可能であり、そこで、
図3Fに示されているように、洋上風力タービンWの接続部20を接合するために、再び前のように一方を他方に差し込むことができる。このために、注型材料30から接続要素31、32を形成した際と同じ管セグメント21、22が使用され、注型材料30から接続要素31、32を形成した際と同じように管セグメント21、22が再び互いに向かい合わされるので、極めて精確な規定の接続部20が得られる。管セグメント21、22は、特に圧力嵌め接続の結果として、長手方向Lに互いに押し当てられて保持される。これは、膨張性注型材料30によってもたらされる。注型材料30は、根本的な硬化の後で一定時間にわたって膨張する。したがって、接続部20の接合後、接続要素31、32は膨張する。対応する接続要素31、32は、膨張の結果として、接合状態において互いに一層押し当てられるので、強い圧力嵌め接続に至る。
【0040】
接続部の製作において、および/または管セグメント1、2のその後の据え付けにおいて、細い方の管セグメント2を太い方の管セグメント1に上から差し込むか、またはこの逆に差し込むかは、基本的に二次的な重要度である。
【符号の説明】
【0041】
1、2 管セグメント
3 接続部
4 分離層
5 環状隙間
6、7 領域
8 リング
9 注型材料
10、11 接続要素
12 スラストリブ
20 接続部
21、22 管セグメント
23 リング
24 分離層
25 リング
26 円筒部分
27 環状隙間
28、29 領域
30 注型材料
31、32 接続要素
33 スラストリブ
F 基礎
G ナセル
L 長手方向
M 海底
O ロータ
P 基礎杭
R 半径方向
S 海面
T 塔
W 風力タービン