IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特許7589166連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法
<>
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図1
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図2
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図3
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図4
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図5
  • 特許-連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】連続的な管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/54 20060101AFI20241118BHJP
   B29C 70/20 20060101ALI20241118BHJP
   B29C 70/50 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
B29C70/54
B29C70/20
B29C70/50
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021557169
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2020058147
(87)【国際公開番号】W WO2020193543
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】19165790.7
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】プレスティア イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】カンティエリ ファビオ
(72)【発明者】
【氏名】ベルトルド マッシミリアノ
【審査官】岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-502369(JP,A)
【文献】特表2004-505813(JP,A)
【文献】特開平04-082729(JP,A)
【文献】国際公開第2018/210982(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/107119(WO,A1)
【文献】特開昭51-002766(JP,A)
【文献】特開2008-030876(JP,A)
【文献】国際公開第2017/093131(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/198995(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/54
B29C 70/20
B29C 70/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
形成設備であって、
搬送方向に沿って連続的なトウ材料を連続的に供給するための供給経路と、
前記供給経路の下流端に接続された、かつ前記連続的なトウ材料を連続的な管状ロッドへと形成するように適合された形成装置とを備え、前記形成装置が、
管状要素であって、前記連続的なトウ材料が前記管状要素を通過して前記連続的な管状ロッドを形成することを可能にするように適合された管状要素と、
過熱蒸気を発生するように適合された蒸気発生器であって、前記連続的なトウ材料に過熱蒸気を提供するために前記管状要素と流体接続している蒸気発生器とを備え、前記形成装置が、過熱蒸気を前記蒸気発生器から、前記管状要素の長さに沿って配設された幾つかの注入部位に提供するために幾つかの流体導管をさらに備え、かつ前記幾つかの流体導管のうちの2本以上の流体導管が、温度センサーと温度影響因子とを含む温度制御ユニットを備える、形成設備。
【請求項2】
前記二つ以上の温度制御ユニットのうちの一つが、流体導管の端セクションの中で前記注入部位に配設されている、請求項1に記載の形成設備。
【請求項3】
前記温度制御ユニットを備える前記2本以上の流体導管の注入端がノズルを備える、請求項1~2のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項4】
前記温度センサーが、前記ノズルの中に配設されている、請求項3に記載の形成設備。
【請求項5】
前記温度影響因子が、加熱装置である、請求項1~4のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項6】
前記幾つかの流体導管の各流体導管が、温度制御ユニットを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項7】
前記幾つかの流体導管のうちの少なくとも1本の流体導管が、圧力センサーと圧力影響因子とを備える圧力制御ユニットを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項8】
前記圧力影響因子が、前記流体導管中の圧力を低減させる能力を有する圧力調節器である、請求項7に記載の形成設備。
【請求項9】
前記管状要素が、複数の管状要素セグメントを備え、前記複数の管状要素セグメントの各管状要素セグメントが、注入部位を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項10】
前記管状要素が、前記連続的なトウ材料から連続的な中空管状ロッドを形成するためのマンドレルを備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の形成設備。
【請求項11】
連続的な管状ロッドを製造するための製造ラインであって、前記製造ラインが、請求項1~10のいずれか一項に記載の形成設備を備え、かつ前記連続的なトウ材料に可塑剤を塗布するための前記形成設備の上流に配設された可塑剤塗布装置を備える、製造ライン。
【請求項12】
連続的なトウ材料から連続的な管状ロッドを形成する方法であって、
連続的なトウ材料を提供することと、
前記連続的なトウ材料を連続的な管状ロッドへと形成することと、
過熱蒸気を蒸気発生器から蒸気配分システムを介して前記連続的なトウ材料に提供することによって、前記連続的なトウ材料を形成中に加熱することであって、それによって、前記蒸気配分システム中の前記過熱蒸気の温度を前記連続的なトウ材料の形成経路に沿った前記連続的な管状ロッドへの前記過熱蒸気の幾つかの注入部位にて測定し、かつ前記蒸気発生器の下流の前記蒸気配分システムの中に温度影響因子を提供し、前記温度影響因子が、形成中に前記蒸気発生器から前記連続的なトウ材料に送達され前記過熱蒸気の温度を変更する能力を有する、加熱することとを含む、方法。
【請求項13】
前記過熱蒸気を前記連続的なトウ材料に送達する前に、前記蒸気発生器から送達された前記過熱蒸気を加熱または冷却することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記過熱蒸気の圧力を、前記注入部位のうちの少なくとも一つにて測定することと、前記蒸気配分システムの中に圧力影響因子を提供することであって、前記圧力影響因子が、前記連続的なトウ材料に送達された前記過熱蒸気の前記圧力を変更する能力を有する、提供することとを含む、請求項12~13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トウ材料から管状ロッドを形成するための形成設備および形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
可塑剤を使用して中空アセテート管を形成するための周知の装置および方法がある。典型的に可塑剤は、アセテートトウ上に拡散される。次いで、処理されたトウは加熱され、ロッド形状へと形成される。蒸気を用いた熱処理に続く空気による冷却は、そのロッド形状にあるトウ材料を安定化する。飽和蒸気を用いた熱処理は、トウ材料への高い急速な熱伝達を提供する一方で、水滴を生成する場合もある。水滴は材料およびロッド形成プロセスに悪影響を及ぼす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
管状ロッドの形成プロセスを改善する形成設備および形成方法を有することが望ましい。特に、形成されたロッドの品質および一貫性を改善するために、形成プロセスのより良好な制御を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、搬送方向に沿って連続的なトウ材料を連続的に供給するための供給経路と、供給経路の下流端に接続された、かつ連続的なトウ材料を連続的な管状ロッドへと形成するように適合された形成装置とを備える、形成設備が提供されている。形成装置は、連続的な管状ロッドを形成するために、連続的なトウ材料が管状要素を通過することを可能にするように適合された管状要素を備える。形成装置はまた、過熱蒸気を発生するように適合された蒸気発生器を備え、蒸気発生器は、連続的なトウ材料に過熱蒸気を提供するために、管状要素と流体接続している。形成装置は、過熱蒸気を蒸気発生器から、管状要素の長さに沿って配設された幾つかの注入部位に提供するために幾つかの流体導管をさらに備える。幾つかの流体導管のうちの少なくとも1本の流体導管は、温度センサーと温度影響因子とを含む温度制御ユニットを備える。
【0005】
過熱蒸気は蒸気発生器から、幾つかの流体導管を備える配分システムを介して形成装置に提供される。好ましくは、2~10本の流体導管、より好ましくは3~7本の流体導管、例えば5本の流体導管が、本発明の形成設備の配分システムにおいて使用可能である。例えば、流体導管は、パイプ、または管、またはチャネル、またはパイプ、管、チャネルの組み合わせであってもよい。
【0006】
温度制御ユニットは形成設備の中で、蒸気発生器と管状要素中のトウ材料との間に配設されてもよい。好ましくは、温度制御ユニット、特に温度センサーは、トウ材料が過熱蒸気で処理される位置の近くに配設されている。これは有利なことに、トウ材料に作用する蒸気の温度を非常に正確に測定することを可能にする。過熱蒸気の注入部位の近くに温度影響因子が存在すると、トウ材料に作用するべき蒸気の所望の温度に対する、注入部位での過熱蒸気の温度の差は、温度影響因子によって設定される場合があり、または調整される場合がある。温度影響因子は、例えば発生器からトウ材料に送達された過熱蒸気の温度損失を埋め合わるために使用されてもよい。例えば、温度損失は、形成設備に作用する環境的影響、または過熱蒸気が移動しなければならない経路長さによって生じる場合がある。温度影響因子はまた、蒸気発生器によって提供された過熱蒸気を概して加熱または冷却するために使用されてもよい。これによって、発生器は、強く過熱された蒸気、またはそれほど過熱されていない蒸気を生成するように設定されてもよく、過熱蒸気の温度の個別の適合は、過熱蒸気の注入部位に近い個別の流体導管の中で実施される。温度制御ユニットを使用することによって、所望の温度範囲で過熱蒸気を提供する能力を有しない蒸気発生器も使用されてもよい。所望の温度範囲に到達するために必要とされる熱の欠如は、温度制御ユニットによって達成されてもよい。
【0007】
好ましくは、過熱蒸気の温度損失を可能な限り低く保つために、温度制御ユニットは、処理されるトウ材料の可能な限り近くに配設されている。有利なことに、このようにして、測定された温度は、トウ材料に作用する過熱蒸気の実際の温度に正確に対応する。
【0008】
好ましくは、温度制御ユニットは、過熱蒸気の注入部位にて流体導管の端セクションの中に配設されている。
【0009】
好ましくは、温度制御ユニットを備える少なくとも1本の流体導管の注入端は、ノズルを備える。少なくとも1本の流体導管の注入端は、ノズルとして形成されていることが好ましい。ノズルを通して、過熱蒸気は、トウ材料の中に非常に効率的に導入されてもよく、トウ材料全体にわたって拡散されてもよい。特に、繊維質トウ材料を使用する時に、過熱蒸気は、可塑剤分子が液化される場合、トウ材料の繊維の間に可塑剤分子を非常に効果的に押し込む場合がある。
【0010】
温度センサーは、ノズルの中に配設されていることが好ましい。
【0011】
温度影響因子は、過熱蒸気を加熱することができる加熱装置であってもよく、または過熱蒸気を冷却することができる冷却装置であってもよく、または必要に応じて過熱蒸気を加熱または冷却することができる加熱冷却装置であってもよい。
【0012】
温度影響因子は、加熱冷却装置であることが好ましい。次いで、過熱蒸気は、蒸気発生器によって提供された過熱蒸気の温度に応じて、またトウ材料の特定の場所にて、および形成プロセスの特定の状態にて望ましい温度または圧力に応じて、加熱または冷却されてもよい。
【0013】
加熱装置または冷却装置は、電気装置、例えば抵抗ヒーター、インダクター、例えば誘導加熱可能な流体導管またはペルティエ素子であってもよい。加熱装置または冷却装置はまた、流体加熱または流体冷却に基づいてもよい。
【0014】
加熱装置は、流体導管の周りに配設された抵抗ヒーターであることが好ましい。
【0015】
組み合わされた加熱冷却装置は、流体加熱および流体冷却に基づくことが好ましい。例えば、外部の管は流体導管の周りに配設されてもよい。冷却または加熱流体は、外部の管と流体導管の外側との間で流体導管に沿って案内されてもよく、それによって、流体導管と流体導管内部を流れる過熱蒸気とを冷却または加熱する。
【0016】
温度影響因子は、流体導管内部に(例えば流体導管の内壁にて)、または流体導管壁内に、または流体導管の外側に(例えば流体導管の周りに)配設されてもよい。外部温度影響因子を使用する場合、流体導管の材料は、少なくとも外部温度影響因子の領域内で高い熱伝導率を備えることが好ましい。
【0017】
幾つかの流体導管のうちの2本以上の流体導管(例えば3本もしくは4本の流体導管)は、または幾つかの流体導管の各流体導管でさえも、温度制御ユニットを備えてもよい。2本以上の流体導管またはすべての流体導管は、温度制御ユニットを備えることが好ましい。有利なことに、このようにして、形成プロセスは、最適化された結果を達成するために、非常に厳密に制御(例えば変更または適合)されてもよい。
【0018】
形成設備は、異なる可塑剤または異なる硬化剤が提供された時に特に、様々な連続的な材料のロッド形成のために使用されてもよい。厳密な制御は、本発明の形成設備で使用される材料の組み合わせの様々な硬化レジームに形成プロセスを適合することを可能にする。
【0019】
各温度制御ユニットは個別に、かつ他の温度制御ユニットとは独立して動作されることが好ましい。それ故に、温度は、2本以上の流体導管において個別に制御可能であることが好ましい。温度は、温度制御ユニットが提供された各流体導管中で個別に制御可能であることが好ましい。温度制御ユニットは、トウ材料または形成されたロッドの冷却プロセスが厳密に制御され、かつ必要とされる場合は連続的に影響を受けるように、相互に調和されることが好ましい。
【0020】
蒸気発生器から1本または幾つかの流体導管に提供された過熱蒸気の量は、各流体導管に対して制御されることが好ましい。例えば、各流体導管には弁が提供されてもよい。こうした実施形態において、弁は好ましくは個別に制御されてもよい。例えば、蒸気配分システムは、マニホールドの入口端で蒸気発生器に接続された、かつマニホールドの幾つかの出口端で幾つかの流体導管に接続されたマニホールドを備える。弁は、マニホールドの各出口端に近接して配設されてもよい。例えば、弁を提供することによって、加熱効果を高めるために、ある程度の量の過熱蒸気、またはより大きい量の過熱蒸気が、上流に配設された流体導管(トウ材料の搬送経路に対して上流)に提供されてもよく、一方で下流に配設された流体導管には、例えばより小さい量の過熱蒸気が提供されてもよく、またはその逆でもよい。
【0021】
形成設備はまた、管状要素およびトウ材料にそれぞれ提供された過熱蒸気の圧力を制御するための圧力制御ユニットを備えてもよい。圧力および温度は独立したパラメータではないため、過熱蒸気の注入部位に近接した過熱蒸気の温度および圧力が制御される場合、管状ロッドの製造プロセスの制御が改善される場合がある。
【0022】
幾つかの流体導管のうちの少なくとも1本の流体導管は、圧力センサーと圧力影響因子とを備える圧力制御ユニットを備えることが好ましい。
【0023】
圧力制御ユニット、特に圧力センサーは、トウ材料が過熱蒸気で処理される位置に近接して配設されていることが好ましい。これは有利なことに、トウ材料に作用する過熱蒸気の圧力を非常に正確に測定することを可能にする。過熱蒸気の注入部位に近接して存在する圧力影響因子は、注入部位での過熱蒸気の圧力差を、トウ材料に作用する過熱蒸気の所望の圧力に設定または調整することを可能にする。
【0024】
圧力影響因子は、例えば蒸気発生器とトウ材料の間の圧力損失を埋め合わるために使用されてもよい。例えば、圧力損失は、形成設備の蒸気配分システムにおける圧力降下によって生じる場合がある。圧力影響因子はまた、蒸気発生器によって提供された過熱蒸気の圧力を概してさらに加圧または低減するために使用されてもよい。これによって、蒸気発生器は過熱蒸気を生成するように、例えば平均値などの予め設定された値に設定されてもよい。過熱蒸気の圧力の個別の適合は、蒸気の注入部位に近接した個別の流体導管で実施されることが好ましい。圧力制御ユニットを使用することによって、所望の圧力範囲で過熱蒸気を提供する能力を有しない蒸気発生器も使用される場合がある。その時、所望の圧力範囲が、圧力制御ユニットによって達成される場合がある。
【0025】
圧力センサーは、圧力影響因子の上流に配設されていることが好ましい。これによって、圧力センサーの測定された圧力値は、圧力影響因子を起動するために直接使用されてもよい。
【0026】
圧力影響因子は、圧力増加器、または圧力低減器、または圧力増加低減器であってもよい。
【0027】
圧力影響因子は好ましくは、流体導管中の圧力を低減するように適合された、かつ圧力を低減する能力を有する(より好ましくは圧力を低減または増加するように適合された、かつ圧力を低減または増加する能力を有する)圧力調節器である。
【0028】
圧力調節器は、例えば流体導管中の過熱蒸気の通過を制限する制限器であってもよい。
【0029】
圧力調節器は、例えば流体導管中に配設された起動可能なプロペラであってもよい。圧力低減器として働くプロペラは、流体導管を通る過熱蒸気の流れを減速させる場合がある。圧力増加器として働くプロペラは、流体導管を通過する過熱蒸気の流れを加速する場合がある。プロペラはまた、流体導管を通過する過熱蒸気の速度を変えるために使用されてもよい。
【0030】
圧力調節器のうちの少なくとも一つは、流体導管中に配設されたプロペラを備えるか、または流体導管中に配設されたプロペラであることが好ましい。
【0031】
圧力影響因子はまた、例えば流体導管中に配設された弁であってもよい。
【0032】
少なくとも2本の流体導管には、同一のタイプの圧力影響因子が提供されていることが好ましい。
【0033】
幾つかの流体導管のうちの2本以上の流体導管(例えば3本もしくは4本の流体導管)は、または好ましくは幾つかの流体導管の各流体導管でさえも、圧力制御ユニットを備えてもよい。2本以上の流体導管が、またはすべての流体導管でさえも圧力制御ユニットを備える場合、形成プロセスは非常に厳密に制御される場合がある。特に、形成プロセスは、最適化された結果を達成するように変更または適合されてもよい。
【0034】
形成装置の管状要素は、複数の管状要素セグメントを備えてもよい。複数の管状要素セグメントの各管状要素セグメントは、注入部位を備えることが好ましい。それ故に、各管状要素セグメントは、管状要素セグメントを通るトウ材料に過熱蒸気を提供するために、少なくとも1本の流体導管に接続されてもよい。管状要素セグメントごとに1本の流体導管が提供されてもよい。
【0035】
中実ロッドまたは中空ロッドである管状ロッドは、形成設備の形成装置を用いて製造されてもよい。中空ロッドを製造するために、管状要素は、連続的なトウ材料から連続的な中空管状ロッドを形成するための内側コアまたはマンドレルを備える。マンドレルは、管状要素内部に、または一つの、幾つかの、もしくはすべての管状要素セグメント内部に、同心円状に配設されていることが好ましい。
【0036】
形成されたロッドは、可塑剤を硬化し、かつその管状ロッド形状でロッドを固定するために冷却されることが好ましい。冷却は、空気を管状ロッドに提供することによって達成されてもよい。冷却は、トウ材料から形成されたロッドに提供された加圧空気を使用することによって実施されることが好ましい。
【0037】
従って、形成設備は、連続管状ロッドに加圧空気を提供して連続管状ロッドを冷却するために、例えば加圧空気発生器などの加圧空気源を備えてもよい。冷却は加熱後に実施されること、すなわち加熱プロセスの下流で実施されることが好ましい。冷却は管状要素の中で、または管状要素の下流で実施されてもよい。例えば、加圧された空気は、幾つかの流体導管のうちの1本を介して管状ロッドに提供されてもよく、例えば最も下流に配設された流体導管を介して、最も下流に配設された注入部位に提供されてもよい。管状要素が幾つかの管状要素セグメントを備える場合、一つの管状要素セグメント、例えば最も下流に配設された管状要素セグメントは、冷却空気、例えば加圧空気を、より上流に配設された管状要素セグメントの中に形成されたロッドに提供するために、流体導管に接続されてもよい。冷却空気は、可塑剤の硬化を加速し、それ故に連続的なロッドをそのロッド形態で素早く安定化させる場合がある。
【0038】
冷却は加圧空気を使用して記載されてきたが、加圧空気は加熱にも使用されることができることと、冷却または加熱に適した他のガスも使用されてもよいこととが理解される。特に、別の方法として、または追加的に、ガス圧縮機を使用して圧縮された圧縮ガス(例えば加圧二酸化炭素または窒素)を使用することが可能である。
【0039】
本発明によると、マンドレルは管状要素内に、または一つもしくは幾つかの管状要素セグメント内に提供されてもよい。形成されたロッド内に内部形状を作り出すために(例えば、いわゆる中空アセテート管(すなわちHAT)を作製するために)、マンドレルを使用することができる。一部の実施形態において、マンドレルは円形断面を備えるが、例えば三角形、正方形、星形、またはその他のような多角形の形態、例えばハート形、クラブ形、または菱形などのタイプまたはアイコンの形態、またはその他の円形、楕円形、または半円形の形態の他の断面も可能である。加えて、マンドレルの断面は連続的であってもよい。別の方法として、マンドレルの断面は、マンドレルの長さにわたって変化してもよい。マンドレルは、過熱蒸気が提供されたすべての管状要素セグメントを横切って、または加熱される管状要素の長さを横切って延びることが好ましい。これは有利なことに、トウが依然として高温である間に、トウを所望の形態にするのを補助する。マンドレルは、冷却のために加圧空気が提供されている管状要素セグメントのうちの少なくとも一つの中に延びることが好ましい。これは有利なことに、トウを望ましい形態へと落ち着かせることを可能にする。マンドレルは、冷却のための加圧空気が提供されている少なくとも一つの管状要素セグメントの中に延びないことが好ましい。これは有利なことに、マンドレルからのトウの取り外しを容易にする。
【0040】
本発明の他の実施形態において、管状要素または管状要素セグメントのうちの少なくとも一つは、管状要素内または管状要素セグメント内に位置する形成された内側管を備え、これによって、管状要素セグメントを通過するトウは、形成された内側管の内表面に沿って通過する。それ故に、形成された内側管は、形成中にその形態をトウの外側上に付与してもよい。例えば、形成された内側管は円形断面を備えるが、例えば三角形、正方形、星形、またはその他のような多角形の形態、例えばハート形、クラブ形、または菱形などのタイプまたはアイコンの形態、またはその他の円形、楕円形、または半円形の形態の他の断面も可能である。特に有利なことに、形成された内側管は、形成されたトウの外周に沿って数多くの溝を作り出す。
【0041】
加えて、形成された内側管の内表面の断面は、連続的であってもよい。別の方法として、形成された内側管の断面は、形成された内側管の長さにわたって変化してもよい。変化する断面は、例えば形成されたトウの外周に沿ってらせん状の溝を作り出してもよい。
【0042】
形成設備は主制御システムを備えることが好ましい。主制御システムは、連続的なロッドの形成プロセスを制御する。例えば、温度制御ユニット(複数可)からのデータ、入手可能な場合は圧力制御ユニット(複数可)からのデータ、入手可能な場合は弁からのデータ、および好ましくは最終的な形成ロッドからのデータも、主制御システムで受信される。最終的に形成されたロッドからのデータは、例えばラインスキャンカメラから得られたロッド径であってもよい。主制御システムにおいて、データは分析されてもよく、また所望の結果からの逸脱が検出される場合、形成パラメータは調整されてもよい。その結果、主制御ユニットは、温度制御ユニット、圧力制御ユニット、弁、または形成設備のさらなる要素、例えば蒸気配分システムもしくは可塑剤アプリケータに命令を与えてもよい。主制御ユニットは、ロッド形成プロセスにおける製造ラインのさらなる装置(例えば連続的なロッドを個別のセグメントへと切断するための切断装置など)を制御するために使用されてもよい。主制御システムを介して、形成パラメータ(トウ材料に印加される圧力、加熱、または冷却など)は、制御、調整、記録されてもよい。
【0043】
過熱蒸気は、蒸気配分システムを介して形成装置の管状要素に提供されるが、加圧空気をトウ材料に提供するために、同一の配分システムを使用してもよく、または別個の配分システムを使用してもよい。
【0044】
好ましくは、過熱蒸気だけでなく、加圧流体も、幾つかの注入部位(例えば管状要素の長さにわたって配設された注入部位)を介してトウ材料に提供される。
【0045】
形成設備の中の蒸気発生器とともに、配分システムおよび配分システムの流体導管は、過熱蒸気をトウ材料に案内するために使用され、また温度制御ユニット(複数可)および圧力制御ユニット(複数可)は、過熱蒸気の温度および圧力を制御するために使用される。
【0046】
加えて、形成設備の中で使用されるガス圧縮機、配分システムおよび配分システムの流体導管は、加圧空気をトウ材料に案内するために使用され、次いで温度制御ユニット(複数可)および圧力制御ユニット(複数可)は、加圧空気の温度および圧力を制御するために使用されてもよい。
【0047】
蒸気発生器だけでなく、形成設備で使用されるガス圧縮機も、両方の流体圧縮機は、同一の配分システムに接続されてもよい。過熱蒸気および加圧空気は、配分システム中の同一の流体導管を通して案内されてもよく、または異なる流体導管を通して案内されてもよい。その結果、圧力制御ユニットおよび温度制御ユニットは、過熱蒸気および加圧空気の圧力および温度を制御してもよい。
【0048】
過熱蒸気および加圧された空気は、同一の配分システム中の異なる流体導管を通して案内されることが好ましい。過熱蒸気は、管状要素の、より上流に配設された注入部位につながる流体導管を通して案内されることが好ましい。加圧ガスは、管状要素の、より下流に配設された注入部位につながる流体導管を通して案内されることが好ましい。過熱蒸気は、管状要素の、二つ~三つの最も上流に配設された注入部位に提供されていることが好ましい。加圧空気は、管状要素の、少なくとも最も下流に配設された注入部位に提供されていることが好ましい。
【0049】
本発明はまた、連続的なトウ材料から連続的な管状ロッドを形成するための方法に言及する。方法は、連続的なトウ材料を提供することと、連続的なトウ材料を連続的な管状ロッドへと形成することと、過熱蒸気を蒸気発生器から蒸気配分システムを介して連続的な管状ロッドに提供することによって、形成中に連続的なトウ材料を加熱することとを含む。方法は、連続管状ロッドへの過熱蒸気の注入部位での蒸気配分システム中の過熱蒸気の温度を測定する工程と、蒸気発生器の下流の蒸気配分システムの中に温度影響因子を提供する工程とをさらに含む。温度影響因子は、形成中に蒸気発生器から連続的なトウ材料に送達された過熱蒸気の温度を変化させる能力を有し、かつ変化させるように適合されている。
【0050】
方法は、過熱蒸気を連続的なトウ材料に送達する前に、蒸気発生器から送達された過熱蒸気を加熱または冷却することを含むことが好ましい。
【0051】
方法は、連続的なトウ材料の形成経路に沿って、幾つかの注入部位にて、過熱蒸気の温度を測定することを含むことが好ましい。
【0052】
方法は、注入部位のうちの少なくとも一つにて過熱蒸気の圧力を測定することと、過熱蒸気の配分システムの中に圧力影響因子を提供することとをさらに含むことが好ましい。圧力影響因子は、過熱蒸気の圧力を変化させる能力を有し、かつ変化させるように適合されている。圧力影響因子は、流体導管中の圧力を低減または増加してもよい。圧力影響因子は、連続的なトウ材料に送達された過熱蒸気の圧力を低減させることができることが好ましい。
【0053】
方法は、連続的な管状ロッドを形成する前に、可塑剤を連続的なトウ材料に塗布する工程をさらに含んでもよい。材料をロッドへと形成する前に、可塑剤をトウ材料に塗布することは、ロッド材料に影響を及ぼす。例えば、可塑剤は、トウ材料の形成特性を改善する場合があり、最終的なロッドの安定性を高める場合があり、または形成されたロッドの引き出し抵抗またはこれらの効果の組み合わせに影響を及ぼす場合がある。
【0054】
方法は、連続的な管状ロッドを個別のセグメントへと切断する工程をさらに含んでもよい。個別のセグメントは、エアロゾル発生物品のセグメントの最終的な長さを有してもよい。個別のセグメントはまた、複数の長さの最終長さを有してもよく、またエアロゾル発生物品の製造プロセスにおけるさらなるプロセス工程において、それらの最終長さに切断されてもよい。
【0055】
連続的なトウ材料はセルロースアセテートであることが好ましい。
【0056】
連続的な管状ロッドは、連続的な中空アセテート管(HAT)であることが好ましい。
【0057】
本発明はまた、連続的な管状ロッドを製造するための製造ラインに言及する。製造ラインは、本発明による、かつ本明細書に記載の通りの形成設備を備える。製造ラインは、形成設備の上流に配設された可塑剤塗布装置をさらに備える。可塑剤塗布装置は、連続的なトウ材料に可塑剤を塗布するために提供されている。製造ラインは、連続的な管状ロッドを個別のロッドセグメントへと切断するために、形成装置の下流に配設された切断装置をさらに備えてもよい。
【0058】
本発明を実施形態に関してさらに記述し、それらの実施形態を以下の図面によって図示する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1図1は、温度制御ユニットを有する形成装置の概略図である。
図2図2は、幾つかの管状要素セグメントを備える形成装置の斜視図を示す。
図3図3は、管状要素セグメント内に形成された内側管を有する形成装置を示す。
図4図4は、温度制御ユニットと圧力制御ユニットを有する形成装置の概略図である。
図5図5は、連続的なロッドの製造ラインを概略的に示す。
図6図6は、例えば図5に示す製造ラインで使用される形成装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
図1において、連続的な材料1、例えば可塑剤(例えばトリアセチン)で含浸されたトウ材料が、搬送方向100に沿って案内される。連続的な材料は、管状要素(図示せず)を通して案内され、それによって過熱蒸気で処理される。
【0061】
過熱蒸気は、蒸気発生器2の中で発生され、蒸気配分システムを介してトウ材料1に案内される。過熱蒸気は、トウ材料が通過し、かつそれによってロッドへと形成される管状要素に案内される。過熱蒸気の流れ方向は、矢印200によって示されている。
【0062】
典型的に蒸気配分システムは、蒸気発生器2から複数の個別のパイプ20に過熱蒸気を配分するマニホールドを備える。図1において、蒸気配分システムの単一の端部分が、1本のパイプ20の形態の流体導管として示されている。パイプ20は、過熱蒸気をトウ材料1に集中させるノズル21で終了する。蒸気配分システムのこの端部分には、温度制御ユニット3が提供されている。温度制御ユニット3は、例えばパイプ20を包囲する抵抗発熱体などの発熱体30を備える。温度制御ユニット3はまた、ノズル21の中に配設された温度センサー31を備える。温度制御ユニット3はまた、温度センサー31から、および発熱体30からデータを取り出すための、ならびに過熱蒸気をより高い温度に、またより高い圧力にも加熱するために必要な時に発熱体30に加熱電力を提供するための、データ制御システムおよび電力システムを備えてもよい。パイプ20は、過熱蒸気の熱だけでなく発熱体30によって提供された熱にも耐える材料で作製されている。
【0063】
蒸気配分システムおよび温度制御は、温度制御システム3が提供された1本のパイプ20によって図1に示されている一方で、蒸気配分システムは、それぞれ独自の個別に制御された温度制御ユニットが提供されてもよい幾つかの個別のパイプを備えることが好ましい。
【0064】
温度制御ユニット3用のデータ制御システムおよび電力システムはまた、形成設備の制御のために提供された主制御システム、および場合によってはロッド製造プロセスで使用されるさらなる装置に組み込まれてもよい。
【0065】
一部の実施形態において、発熱体30は、冷却要素であってもよく、または発熱体と冷却要素の組み合わせであってもよい。これによって、過熱蒸気は、冷却されてもよく、または蒸気発生器2から送達された過熱蒸気の温度、および連続的な材料を処理するために必要とされる過熱蒸気の温度に応じて、加熱または冷却されてもよい。
【0066】
図2において、形成装置は、連続的な材料の供給方向に沿って順番に配置された、複数の分離された要素(5本の管状要素セグメント410)によって実現された管状要素41を備える。
【0067】
少なくとも、分離された要素セグメント410のうちの第一のセグメント(最も上流に配設されたセグメント)につながるパイプ20には、温度制御ユニット3(図示せず)が提供されている。分離された要素セグメント410のうちの第一のセグメントおよび第二のセグメントにつながるパイプには、温度制御ユニット3が提供されていることが好ましい。それ故に、少なくとも2本の最も上流に配設されたパイプ20は、発熱体30によって提供された熱に耐える材料で作製されている。
【0068】
好ましくは、分離された要素セグメント410のうちの最後のセグメント(最も下流に配設されたセグメント)は、例えば加圧空気を要素セグメント410の内部に案内することによって、連続的なロッドを冷却するために使用される。加圧された冷却空気を最後の要素セグメント410に導くパイプ20は、発熱体を有するパイプの耐熱性を必要とせず、それ故に発熱体が提供されたパイプよりも耐熱性の低い材料で作製されてもよい。
【0069】
図3において、トウ材料の搬送方向で見た時の管状要素セグメント410のうちの最後のセグメントは、管状要素セグメント410内に位置する形成された内側管44を備えることが示されている。管状要素セグメント410を通過するトウは、形成された内側管44の内表面に沿って通る。それ故に、形成された内側管は、形成中にその形態をトウの外側上に付与する。好ましくは、形成された内側管は、実質的に円形断面を備える。特に有利なことに、形成された内側管44は、例えば空気が溝に沿って通過するために、形成されたトウの外周に沿って数多くの溝を作り出す。管状要素41のすべての管状要素セグメント410は、内側管44を備えることが好ましい。トウ材料を加熱するための過熱蒸気が提供されている、上流に配設された要素セグメント410には、内側管44が提供されていることが最も好ましい。
【0070】
図4は、形成設備の別の実施例を、簡略化した様態で示す。図1と同一または類似の特徴には、同一または類似の参照符号が使用されている。
【0071】
形成設備は、蒸気発生器2および蒸気配分システムを備え、配分システムの1本のパイプ20のみが示されている。パイプ20には、蒸気配分システムのパイプ端セクションの中に提供された温度制御ユニット3が提供されている。
【0072】
パイプ20には、圧力制御ユニット5が追加的に提供されている。圧力制御ユニット5は、過熱蒸気の圧力を測定するための圧力センサー51を備える。圧力センサーは、発熱体30の上流に配設されている。圧力制御ユニット5はまた、圧力影響因子50、52を備える。示された実施形態における圧力影響因子は、二つのプロペラ50および圧力調節器52、例えば弁から成る。
【0073】
プロペラ50のうちの一つは、パイプの中で圧力センサー51の上流に配設されている。第二のプロペラ50は、過熱蒸気の流れ方向200で見た時、発熱体30の下流に配設されているが、圧力調節器52の上流に配設されている。過熱蒸気の速度を測定するために、速度センサーが第二のプロペラの位置に配設されていることが好ましい。圧力調節器がノズル21のすぐ上流に配設されていて、ここで過熱蒸気が管状要素41の中に導入されるため、圧力調節器によって、トウ材料に印加される過熱蒸気の圧力は非常に正確に制御および調整される場合がある。特に、過熱蒸気の加熱に起因して生じる可能性がある、いかなる圧力上昇も、圧力調節器52によって均一化される場合がある。
【0074】
様々なセンサーおよびアクチュエータが、過熱蒸気の温度、速度、および圧力を測定してもよく、かつこれらに対して作用してもよい。
【0075】
図1の形成設備の実施形態についてすでに述べたように、また図4に示す形成設備も、幾つかのパイプを備えてもよく、2本以上のパイプには、それら自身の個別に制御される温度制御ユニット3およびそれら自身の個別に制御される圧力制御ユニット5が提供されてもよい。
【0076】
温度制御ユニット3および圧力制御ユニット5は、過熱蒸気が蒸気発生器2を離れた後で、かつ基本的に1本または幾つかのパイプ20の出口で、過熱蒸気の温度、圧力、および速度を調整することを可能にする。注入ノズルならびに温度制御ユニット3および圧力制御ユニット5の一連の提供は、温度プロファイルおよび圧力プロファイルを(好ましくは独立して)、ロッド形成プロセスにおける異なる印加点で連続的に得ることを可能にする。
【0077】
これはまた、例えば加圧空気の印加によって、冷却のために1本以上の下流に配設されたパイプが使用される場合にも当てはまる。トウ材料に、またはすでに形成されているが完全には安定化されていないロッドに印加される加圧空気の温度および圧力を測定することによって、制御された硬化および形態安定化が達成されてもよい。これは有利なことに、冷却プロセスで温度および圧力が逐次的に制御される場合に当てはまる。
【0078】
図5は、好ましくはエアロゾル発生物品用の連続的なロッドまたは連続的なロッド構成要素を製造するための製造ラインを示す。セグメントへと切断される、セルロースアセテートの中空ロッドが製造されることが好ましい。これらのセグメントは、加熱非燃焼式エアロゾル発生物品で使用されてもよい。
【0079】
製造ラインは、連続的な材料、例えばセルロースアセテートトウ材料を、搬送方向または供給方向100に沿って搬送するための搬送装置10を備える。
【0080】
製造ラインに沿って、準備ユニット7が配設されている。トウ材料は、搬送装置10によって準備ユニット7に供給される。準備ユニット7は、例えばトリアセチンなどの硬化流体または可塑剤で湿らせた、トウ材料の連続的な流れを形成するように適合されている。図5の実施形態において、可塑剤ユニットは、準備ユニット7の一部である。可塑剤ユニットは当業界で周知である。可塑剤ユニットはまた、準備ユニット7の上流に位置してもよい。準備ユニット7の下流に、製造ラインは、準備ユニット7に対して直列に配設された形成設備4を含む。形成設備4は、トウ材料の流れを受容するように、かつ材料の硬化を引き起こして、トウ材料を連続的な軸方向に剛直なロッドへと変形するように適合されている。
【0081】
有利なことに、製造ラインは、ロッドをラッピングペーパーの中に包むためのラッピングユニット8をさらに含む。さらに、製造ラインは、切断ユニット9、好ましくは周知のタイプの回転切断ヘッドを備えてもよい。切断ユニット9は、形成設備4およびラッピングユニット9の下流に配設されていて、ロッドをロッドセグメントへと切断するように適合されている。ロッドが切断されるセグメントの望ましい長さは、例えば適切な測定装置(図示せず)の助けを借りて得られる。
【0082】
適切なラッピングユニット8、搬送装置10、および切断ユニット9は当業界で周知であり、さらに記述しない。
【0083】
製造ラインは、形成設備4から信号を受信し、かつ形成設備4に信号を送信するように適合された主制御システム500を含む。主制御システム500を用いて、例えば温度制御ユニットの加熱または非加熱、または圧力調節器(存在する場合)を制御してもよい。主制御システム500はまた、製造ライン、例えば準備ユニット7および搬送装置10のさらなるユニットも制御することが好ましい。また、ラッピングユニット8および切断ユニット9は、主制御システム500によって制御されてもよい。
【0084】
形成設備4を図6の拡大図に示す。形成設備4は、硬化材料で飽和されたトウ材料を受容するように適合された管状要素41を備える。搬送装置10の搬送方向だけでなく、形成設備4の管状要素41の中へのトウ材料の供給方向も、矢印100で図示されている。
【0085】
管状要素41は、トウ材料を概して円筒状のロッド(例えば完全なロッドまたは中空ロッド)へと変形するために成形するように、かつロッドを供給方向100で製造ラインのさらなる構成要素に前進させるように適合されている。
【0086】
管状要素41は、トウ材料が通ることができる穴45を画定する。好ましくは、穴45は内表面451を備える。内表面451は、実質的に円筒状のロッド様の形状の連続的なトウ材料を形成するためにトウ材料を圧縮する。内表面451は、例えば図3に記載の通りの形成された内側管44の内表面であってもよい。
【0087】
管状要素41は、管状要素内部に配設されたマンドレルを備えてもよい。次いで、連続的なトウ材料は、マンドレルの周りに沿って、かつ内表面451内に案内され、それ故にトウ材料の中空管を形成する。
【0088】
形成設備4は、加圧された過熱蒸気を管状要素41の内部の中に注入するために、二つの円形ノズル21と流体接続している蒸気発生器2をさらに備える。過熱蒸気はトウ材料に存在する可塑剤を硬化し、かつこれを実質的に剛直なロッドへと変形する。
【0089】
図6の実施形態において、管状要素41は、連続材料に作用する過熱加圧蒸気のための二つの注入部位を備える単一の連続的な管状要素である。管状要素41に沿って配設された3~5個の注入部位で、過熱蒸気または加圧された空気も注入するために、3個以上(例えば3~5個)のノズル21が存在することが好ましい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6