(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】地上設置機器、および、ケーブル固定方法
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20241118BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H05K7/00 M
H05K7/00 P
H02G3/22
(21)【出願番号】P 2022020737
(22)【出願日】2022-02-14
【審査請求日】2024-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】日比野 貴郁
(72)【発明者】
【氏名】阿部 将
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-106087(JP,U)
【文献】特開2006-179636(JP,A)
【文献】特開2010-129595(JP,A)
【文献】特開昭62-202593(JP,A)
【文献】実開昭56-094085(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0128224(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H02G 3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造で
あり、
ケーブルを固定する際に、前記機器と前記固定具の間に前記ケーブルサポートを圧縮する圧縮量を規定する隙間ができるように、前記固定具の寸法が設定される、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項2】
請求項1に記載の地上設置機器であって、
前記固定具は、
非金属により形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項3】
請求項2に記載の地上設置機器であって、
前記固定具は、
渦電流損を低減する非磁性材、ゴム、または、プラスチックにより形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項4】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造で
あり、
前記固定具は、
一方向に延びており、第1部位と、前記第1部位の幅方向中央部で前記第1部位に対して垂直な第2部位と、を含み、
前記第1部位および前記第2部位には、前記ケーブルサポートを圧縮した状態で固定することに用いるボルト孔が形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項5】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造で
あり、
前記固定具は、
一方向に延びており、第1部位と、前記第1部位の幅方向中央部で前記第1部位に対して垂直な第2部位と、を含み、
前記第2部位を挟んだ前記第1部位の一側には、ケーブルを固定する際に、ケーブルを挿入する開口が形成されており、
前記第1部位の一側および前記第2部位には、前記ケーブルサポートを圧縮した状態で固定することに用いるボルト孔が形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項6】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造で
あり、
前記固定具は、
一方向に延びており、第1部位と、前記第1部位の幅方向一端部で前記第1部位に対して垂直な第2部位と、を含み、
前記第2部位には、前記ケーブルサポートを圧縮した状態で固定することに用いるボルト孔が形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項7】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備え、
前記固定具は、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造で
あり、
前記固定具は、
一方向に延びており、第1部位と、前記第1部位の幅方向一端部で前記第1部位に対して垂直な第2部位と、を含み、
前記第1部位には、ケーブルを固定する際に、ケーブルを挿入する開口が形成されており、
前記第1部位および前記第2部位には、前記ケーブルサポートを圧縮した状態で固定することに用いるボルト孔が形成されている、
ことを特徴とする地上設置機器。
【請求項8】
機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、
回転させて配置することで、前記ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造であり、前記ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、
を備える地上設置機器に関するケーブル固定方法であって、
(1)前記ケーブルサポートの挿入孔を塞ぐ前記固定具を作業者が取り出し、
(2)前記ケーブルサポートの挿入孔にケーブルを作業者が挿入し、
(3)前記ケーブルサポートを前記固定具で圧縮させた状態で前記固定具を作業者が固定する、
ことを特徴とするケーブル固定方法。
【請求項9】
請求項8に記載のケーブル固定方法であって、
ケーブルを固定する際に、前記機器と前記固定具の間に前記ケーブルサポートを圧縮する圧縮量を規定する隙間ができるように、前記固定具の寸法が設定されており、
作業者は、前記固定具が前記機器に当接するまで前記ケーブルサポートを圧縮させた状態で前記固定具を固定する、
ことを特徴とするケーブル固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は地上設置機器に関するもので、詳細には変圧器、開閉器、断路器等を同一の箱に収納した機器に関するものである。また、該地上設置機器におけるケーブル固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地上設置機器は外箱に変圧器や開閉器、断路器等を収納した機器で道路脇などに設置される地中配電用の機器のため、接続する電力ケーブルを地下から引込む必要がある。そのため、機器の下部に設けている外箱及び変圧器タンク部を支持しているベースにはケーブルを引込むための開口部が必要である。
【0003】
例えば、変圧器タンクには引込んだケーブルを保持するための固定受けが設けられており、ケーブルサポートを挟み固定金具をボルト締めすることでケーブルが保持される。また、ケーブルサポート及び固定金具については、小動物の侵入や湿気の流入を防ぐよう開口範囲を少なくする役割を持たせているが、ケーブルを通すための開口部は必要不可欠である。従って、ケーブルが挿入、取付けされていない状態では地下から流入した湿気が滞留し得る。また、ケーブル固定作業においては作業効率を考慮し、部品点数は極力少なくし、簡素な構造としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来構造ではケーブル挿入、取付けされていない状態において湿気の流入を防ぐことは出来ていない。そのため、流入した湿気は地上設置機器内で滞留し機器内が多湿環境となり、例えば外箱や変圧器タンク塗装面に対し、悪影響を及ぼしている。
【0006】
そこで、本発明は、ケーブル挿入、取付されていない状態であっても、湿気の流入を防ぐことができる地上設置機器、および、この地上設置機器に関するケーブル固定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記の態様の地上設置機器が提供される。地上設置機器は、ケーブルサポートと、固定具と、を備える。ケーブルサポートには、機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されている。固定具は、ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する。固定具は、回転させて配置することで、ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造である。
【0008】
本発明によれば、下記の態様のケーブル固定方法が提供される。この方法は、機器に接続されるケーブルが挿入される挿入孔が形成されたケーブルサポートと、回転させて配置することで、ケーブルサポートの挿入孔を開閉する構造であり、ケーブルサポートの挿入孔に挿入されるケーブルを固定する固定具と、を備える地上設置機器に関するケーブル固定方法である。この方法では、(1)作業者がケーブルサポートの挿入孔を塞ぐ固定具を取り出し、(2)作業者がケーブルサポートの挿入孔にケーブルを挿入し、(3)作業者がケーブルサポートを固定具で圧縮させた状態で固定具を固定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ケーブル挿入部からの機器内部への湿気の流入を防ぐことができる。また、例えば、機器の塗装面における湿気による錆び及びブリスタの発生といった悪影響を防ぐことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】地上設置機器の一例であり、該地上設置機器を示す斜視図である。
【
図2】
図1においてA断面を上方から見た場合の図である。
【
図3】ケーブルサポートおよび固定具を上部から見た場合の図である。
【
図5】ケーブルを挿入している状態で、ケーブルサポートおよび固定具の上方から見た場合の図である。
【
図7】ケーブルを挿入していない状態で、ケーブルサポートおよび固定具の上方から見た場合の図である。
【
図8】
図7のC-C断面に係る図であり、湿気流入の防止を説明するための図である。
【
図9】第1実施形態で用いる固定具の構造の一例を示す図である。
【
図10】第1実施形態で用いる固定具によるケーブルサポートの挿入孔の開閉について説明するための図である。
【
図11】第2実施形態で用いる固定具の構造の一例を示す図である。
【
図12】第2実施形態で用いる固定具によるケーブルサポートの挿入孔の開閉について説明するための図である。
【
図13】第3実施形態で用いる固定具の構造の一例を示す図である。
【
図14】第3実施形態で用いる固定具によるケーブルサポートの挿入孔の開閉について説明するための図である。
【
図15】第4実施形態で用いる固定具の構造の一例を示す図である。
【
図16】第4実施形態で用いる固定具によるケーブルサポートの挿入孔の開閉について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
先ず、従来構造に係る
図1-
図4を参照しながら、地上設置機器の全体的な構造について説明する。
図1は、地上設置機器の一例であり、該地上設置機器を示す斜視図である。
図2は、
図1においてA断面を上方から見た場合の図である。
図3は、ケーブルサポートおよび固定具を上部から見た場合の図である。
図4は、
図3におけるB-B断面に係る図である。
【0012】
図1に示すように、地上設置機器は、箱状の外観を有しており、その内部に、変圧器、開閉器、断路器等の機器を収納可能に構成されている。地上設置機器は、開閉扉101と、側板102と、ベース部103と、天板104と、を備える。開閉扉101は、地上設置機器の端部(この例では、正面右側の端部)を中心として回転することができるように設けられている。なお、開閉扉101は、ヒンジなどを用いて取り付けられる。側板102は、地上設置機器の側壁を形成しており、ベース部103と天板104の間で固定されている。ベース部103は、地上設置機器の基部を形成し、収納される機器などを支持する。天板104は、側板102に固定され、地上設置機器の上壁を形成する。
【0013】
図2に示すように、地上設置機器の内部には、機器の一例として、変圧器105が収納される。また、支持部材106、および、フレーム107が設けられる。なお、この例では、支持部材106は、後述するケーブルサポート201を支持する構成である。フレーム107は、後述する固定具202pを支持する構成である。
【0014】
支持部材106は、一例として、ベース部103から上方に延びるように複数設けられる。フレーム107は、左右方向に延びる部材であり、一例として、ベース部103に固定される。
【0015】
また、ベース部103には、機器の一例である変圧器105に接続するケーブルを引込むための開口部108が形成されている。
図1-
図4において、開口部108を介して見える地面が、便宜上、ハッチングにより示されている。
【0016】
図3および
図4に示すように、変圧器105には、ケーブルサポート201が接続されており、ケーブルサポート201には、ケーブルを挿入する複数の挿入孔が形成されている。また、ケーブルサポート201は、押圧することで圧縮される部材として形成されている。なお、ケーブルサポート201は、一例として、変圧器105に溶接されて設けられる。
【0017】
フレーム107の上部には、固定具202pが配置される。固定具202pは、一方向に延びており、作業者がケーブルの固定に用いる部材である。作業者は、ケーブルが挿入された状態のケーブルサポート201を固定具202pで押圧した状態で、固定具202pを適宜の部材に固定することにより、ケーブルサポート201に挿入されているケーブルを固定することができる。
【0018】
<第1実施形態>
次に、
図5-
図10を参照しながら、第1実施形態に係る地上設置機器について説明する。なお、上記で説明した内容と同様の説明については省略することがある。第1実施形態では、固定具の構造が上記の説明とは異なる。
【0019】
先ず、
図5から
図8を参照しながら、各実施形態での機器内部への湿気の流入防止構造の概要を説明する。
図5は、ケーブルを挿入している状態で、ケーブルサポートおよび固定具の上方から見た場合の図である。
図6は、
図5におけるD-D断面に係る図である。
図7は、ケーブルを挿入していない状態で、ケーブルサポートおよび固定具の上方から見た場合の図である。
図8は、
図7のC-C断面に係る図であり、湿気流入の防止を説明するための図である。
【0020】
図5および
図6に示すように、ケーブルを挿入する場合では、ケーブルサポート201の挿入孔を固定具202が塞がないように固定具202が配置され、ケーブルの挿入が可能となる。その一方で、
図7および
図8に示すように、ケーブルを挿入しない場合では、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐように、向きが変更された状態の固定具202が配置される。従って、湿気の流入が防止される。
【0021】
なお、
図8に示す矢印Aは、固定具202が塞いでいるために、地下部からの湿気の流入が止まることを模式的に表している。また、
図7において、便宜上、ハッチングにより、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐ固定具202を示している。
【0022】
次に、
図9および
図10を参照しながら、第1実施形態における固定具の構造について具体的に説明する。
図9は、第1実施形態で用いる固定具の構造の一例を示す図である。
図10は、第1実施形態で用いる固定具によるケーブルサポートの挿入孔の開閉について説明するための図である。
【0023】
図9および
図10に示すように、固定具202aは、断面T字状を有しており、水平状の第1部位202a1と、第1部位202a1の幅方向中央部の位置で垂直に立ち上がる第2部位202a2と、を含む構造とされている。また、第1部位202a1には、ケーブルの固定時において、変圧器105との締結固定に用いるボルト孔202a3が形成されており、第2部位202a2には、ケーブルの固定時において、フレーム107との締結固定に用いるボルト孔202a4が形成されている。
【0024】
図10に示すように、第1実施形態によれば、固定具202aを適宜の向きに回転させて配置することにより、ケーブルサポート201の挿入孔の開閉が実現される。そして、ケーブルが挿入されたケーブルサポート201を第1部位202a1で押圧し、ボルト孔(202a3、202a4)を介して固定具202aを締結固定することで、ケーブルサポート201に挿入されたケーブルが固定される。このとき、第1部位202a1のボルト孔202a3を介してボルト締めを行うことで、第1部位202a1でケーブルサポート201を押圧することができる。また、ケーブルを挿入しない場合では、一例として、フレーム107を支持部として固定具202aを支持させ、第1部位202a1でケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐことで、ケーブルサポート201の挿入孔からの地上設置機器上方への湿気の流入を防止することができる。
【0025】
なお、ケーブルサポート201の挿入孔の開閉、および、ケーブルの固定を行うことができればよく、一例として、固定具202aの寸法やボルト孔等の開口の位置や数は、適宜に設定(変更)することができる。
【0026】
また、ケーブルサポート201を塞ぐ固定具202aを支持するように、支持部材106の寸法が設定されてもよい。この場合、支持部材106およびフレーム107が、ケーブルサポート201を塞ぐ固定具202aの支持部となる。なお、支持部材106は、ケーブルの挿入を妨げないように、一例として、上方から見た場合にケーブルサポート201の挿入孔に重ならないように設けられる。
【0027】
また、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐ固定具202aをケーブルサポート201の下部との間で支持する突起や突出物が、支持部として設けられてもよい。ここで、突起や突出物は、一例として、変圧器105から突出するように変圧器105に接続される。また、上記と同様に、ケーブルの挿入を妨げないように、一例として、上方から見た場合にケーブルサポート201の挿入孔に重ならないように設けられる。
【0028】
<第2実施形態>
次に、
図11-
図12を参照しながら、第2実施形態に係る地上設置機器について説明する。なお、上記で説明した内容と同様の説明については省略することがある。第2実施形態では、固定具の構造が上記の説明とは異なる。
【0029】
図11および
図12に示すように、固定具202bは、第1実施形態の場合と同様に、断面T字状を有しており、水平状の第1部位202b1と、第1部位202b1の幅方向中央部の位置で第1部位202b1に対して垂直な第2部位202b2と、を含む構造とされている。ここで、固定具202bは、容易な成型加工を行うことができるように、渦電流損抑制が可能な非磁性材料、ゴム、あるいはプラスチックなどの非金属により形成されており、第2部位202b2を挟んだ第1部位202b1の一側には、ケーブルサポート201の挿入孔に連通する複数の開口202b3(この例では、丸穴)が形成されている。また、第1部位202b1の一側、および、第2部位202b2には、変圧器105との締結固定に用いるボルト孔(202b4、202b5)が形成されている。
【0030】
図12に示すように、第2実施形態によれば、第1部位202b1の開口およびケーブルサポート201の挿入孔にケーブルが挿入された状態で、ケーブルサポート201を第2部位202b2で圧縮しつつ、固定具202bを締結固定することで、ケーブルが固定される。このとき、第2部位202b2のボルト孔202b5を介してボルト締めを行うことで、第2部位202b2でケーブルサポート201を押圧することができる。
【0031】
なお、固定具202bの第1部位202b1に関して、上記の複数の開口202b3が形成されている一側の幅方向の寸法が、ケーブルサポート201の幅方向の寸法よりも短く設定されてもよい。ここで、変圧器105との間の隙間がなくなるまで(すなわち、変圧器105に当接するまで)ケーブルサポート201を圧縮した場合に所定の圧縮量となるように、寸法設定がされてもよい。このようにすることで、圧縮量の規定が可能となり、過度な圧縮を防ぐことができる。
【0032】
<第3実施形態>
次に、
図13-
図14を参照しながら、第3実施形態に係る地上設置機器について説明する。なお、上記で説明した内容と同様の説明については省略することがある。第3実施形態では、固定具の構造が上記の説明とは異なる。
【0033】
図13および
図14に示すように、固定具202cは、断面L字状を有しており、第1部位202c1と、第1部位202c1の幅方向端部の位置で第1部位202c1に対して垂直な第2部位202c2と、を含む構造とされている。また、第2部位202c2には、変圧器105との締結固定に用いるボルト孔202c3が形成されている。なお、第1部位202c1にフレーム107との締結固定するボルト孔が形成されてもよい。また、ボルト孔は、固定具202cがケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐときに、該挿入孔に重ならない位置に形成されればよい。
【0034】
図14に示すように、第3実施形態によれば、固定具202cを適宜の向きに回転させて配置することにより、ケーブルサポート201の挿入孔の開閉が実現される。そして、ケーブルが挿入されたケーブルサポート201を押圧しつつ、ボルト孔を介して締結固定することで、ケーブルサポート201に挿入されたケーブルが固定される。このとき、第2部位202c2のボルト孔202c3を介してボルト締めを行うことで、第2部位202c2でケーブルサポート201を押圧することができる。また、ケーブルを挿入しない場合では、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐことで、ケーブルサポート201の挿入孔から地上設置機器上方への湿気の流入を防止することができる。
【0035】
<第4実施形態>
次に、
図15-
図16を参照しながら、第4実施形態に係る地上設置機器について説明する。なお、上記で説明した内容と同様の説明については省略することがある。第4実施形態では、固定具の構造が上記の説明とは異なる。
【0036】
図15および
図16に示すように、固定具202dは、第3実施形態の場合と同様に、断面L字状を有しており、第1部位202d1と、第1部位202d1の幅方向端部の位置で第1部位202d1に対して垂直な第2部位202d2と、を含む構造とされている。ここで、固定具202dは、容易な成型加工を行うことができるように、渦電流損抑制が可能な非磁性材料、ゴム、あるいはプラスチックなどの非金属により形成されており、第1部位202d1には、ケーブルサポート201の挿入孔に連通する複数の開口202d3(この例では、丸穴)が形成されている。また、第1部位202d1、および、第2部位202d2には、変圧器105との締結固定に用いるボルト孔(202d4、202d5)が形成されている。
【0037】
第4実施形態によれば、固定具202dを適宜の向きに回転させて配置することにより、ケーブルサポート201の挿入孔の開閉が実現される。ケーブルが挿入されたケーブルサポート201を押圧しつつ固定することで、ケーブルサポート201に挿入されたケーブルが固定される。このとき、第2部位202d2のボルト孔202d5を介してボルト締めを行うことで、第2部位202d2でケーブルサポート201を押圧することができる。また、ケーブルを挿入しない場合では、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐことで、ケーブルサポート201の挿入孔から地上設置機器上方への湿気の流入を防止することができる。
【0038】
なお、固定具202dに関して、上記の複数の開口が形成されている部位の幅方向の寸法が、ケーブルサポート201の幅方向の寸法よりも短く設定されてもよい。ここで、変圧器105との間の隙間がなくなるまで(すなわち、変圧器105に当接するまで)ケーブルサポート201を圧縮した場合に所定の圧縮量となるように、寸法設定がされてもよい。このようにすることで、圧縮量の規定が可能となり、過度な圧縮を防ぐことができる。
【0039】
次に、実施形態で説明された固定具を用いたケーブル固定方法の例について説明する。作業者が、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐように、上記の実施形態で説明された固定具202を配置することで、該挿入孔からの湿気の流入が防止される。そして、機器(実施形態の例では、変圧器105)にケーブルを接続する際には、一例として、作業者は、ケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐ固定具202を取り出し、ケーブルサポート201の挿入孔(または、これに加えて向きを回転させた固定具202の開口)にケーブルを挿入し、固定具202でケーブルサポート201を圧縮させた状態で固定具202を固定することで、ケーブルを固定することができる。
【0040】
以上、実施形態について説明されたが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
【0041】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0042】
開閉扉101の配置は、上記の例に限定されず、例えば、作業をし易いように、収納される機器の配置などに応じて適宜に変更されてもよい。また、複数の開閉扉が設けられてもよく、例えば、地上設置機器の正面左側の端部を中心として回転する開閉扉と、地上設置機器の正面右側の端部を中心として回転する開閉扉と、が設けられてもよい。
【0043】
固定具202でケーブルサポート201の挿入孔を塞ぐ場合において、固定具202は、載置されてもよいし、適宜の部材に固定されてもよい。
【0044】
変圧器105は、ボルト孔が形成された固定具202の固定に用いる部材を備えてもよい。この部材は、一例として、ケーブルサポート201が左右方向に位置するように、ケーブルサポート側に突出して設けられる。
【符号の説明】
【0045】
101 開閉扉
102 側板
103 ベース部
104 天板
105 変圧器
106 支持部材
107 フレーム
108 開口部
201 ケーブルサポート
202 固定具