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特許7589211画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20241118BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20241118BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241118BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04N1/00 E
B41J29/00 T
B41J29/00 Z
B41J29/38 201
B41J29/38 203
B41J29/38 801
G03G21/00 386
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022170943
(22)【出願日】2022-10-25
(62)【分割の表示】P 2021086998の分割
【原出願日】2013-11-01
(65)【公開番号】P2023015125
(43)【公開日】2023-01-31
【審査請求日】2022-11-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】舘 大樹
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-197923(JP,A)
【文献】特開2010-170233(JP,A)
【文献】特開平11-088647(JP,A)
【文献】特許第2768979(JP,B2)
【文献】特開2008-021118(JP,A)
【文献】特開2006-135774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00 - 1/64
B41J 29/00
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像処理装置であって、
印刷手段と、
前記画像処理装置によって実行された処理に関する履歴情報を記憶する記憶手段と、 前記画像処理装置にログインしたログインユーザに関連付けて設定された表示言語で、前記履歴情報を含む操作画面を表示する表示手段と、
前記ログインユーザによる印刷指示がトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる手動レポート印刷と、前記ログインユーザによる指示に基づいて設定された条件が満たされることがトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる自動レポート印刷とを実行可能な実行手段と、
前記履歴情報を含む前記操作画面を前記表示手段が表示している状態で前記レポートの前記印刷指示を受け付ける受付手段を有し、
前記実行手段は、前記受付手段が前記印刷指示を受け付けたことをトリガーとして、前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語で前記手動レポート印刷を実行し、 前記実行手段は、前記設定された条件であって、タイミングに関する条件が満たされたことをトリガーとして、前記条件が満たされた時に前記ログインユーザが前記画像処理装置にログインしていても、前記ログインユーザに関連付けて設定された言語とは独立して設定された表示言語で前記自動レポート印刷を実行することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記履歴情報は、前記印刷手段によって画像が印刷された用紙の枚数を示す情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記受付手段としての、前記印刷指示を受け付けるためのボタンと、前記履歴情報とを前記操作画面に表示することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語は、前記画像処理装置に管理者権限でログインしたログインユーザによる指示に基づいて設定されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ログインユーザに関連付けて設定された言語とは独立して設定された表示言語は、管理者用の表示言語であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
印刷手段を有する画像処理装置の制御方法であって、
前記画像処理装置によって実行された処理に関する履歴情報を記憶する記憶工程と、 前記画像処理装置にログインしたログインユーザに関連付けて設定された表示言語で、前記履歴情報を含む操作画面を表示する表示工程と、
前記ログインユーザによる印刷指示がトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる手動レポート印刷と、前記ログインユーザによる指示に基づいて設定された条件が満たされることがトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる自動レポート印刷とを実行可能な実行工程と、
前記履歴情報を含む前記操作画面を前記表示工程で表示している状態で前記レポートの前記印刷指示を受け付ける受付工程を有し、
前記実行工程では、前記受付工程が前記印刷指示を受け付けたことをトリガーとして、前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語で前記手動レポート印刷を実行し、 前記実行工程では、前記設定された条件であって、タイミングに関する条件が満たされたことをトリガーとして、前記条件が満たされた時に前記ログインユーザが前記画像処理装置にログインしていても、前記ログインユーザに関連付けて設定された言語とは独立して設定された表示言語で前記自動レポート印刷を実行することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項7】
前記履歴情報は、前記印刷手段によって画像が印刷された用紙の枚数を示す情報であることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項8】
前記表示工程では、前記受付工程で用いられ、前記印刷指示を受け付けるためのボタンと、前記履歴情報とを前記操作画面に表示することを特徴とする請求項6または7に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項9】
前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語は、前記画像処理装置に管理者権限でログインしたログインユーザによる指示に基づいて設定されることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
前記ログインユーザに関連付けて設定された言語とは独立して設定された表示言語は、管理者用の表示言語であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像処理装置の制御方法。
【請求項11】
請求項6に記載された画像処理装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の設定情報や履歴情報等を印刷するレポート印刷機能を備える画像処理装置、画像処理装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置として、画像処理装置の設定情報や履歴情報等を印刷するレポート印刷機能を備えるものが知られている。このレポート印刷機能には、ユーザの指示によってレポート印刷を行う手動レポート印刷と、画像処理装置に設定された条件に合致した場合に印刷を行う自動レポート印刷とがある。手動レポート印刷の出力物(印刷物)は、主に印刷指示を行ったユーザに利用される。一方、自動レポート印刷の出力物は、主に画像処理装置の管理者による装置状態の管理や使用状況の確認等に利用される。
【0003】
ところで、画像処理装置として、利用するユーザに応じて機能を最適化するパーソナライズ機能が搭載されているものが知られている。このような画像処理装置では、例えば、利用するユーザは、操作部画面に表示する言語を変更することが可能となっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-7958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、通常、レポート印刷機能による出力物では、画像処理装置に予め設定された言語で印刷が行われる。そのため、ユーザが手動レポート印刷を行ったときに画像処理装置のパーソナライズ機能により操作部画面に表示された言語と、レポート印刷機能に対して設定されている言語とが異なる場合がある。この場合、手動レポート印刷を行ったユーザに理解できない又は欲しない言語で出力物が作成されてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、画像処理装置であって、印刷手段と、前記画像処理装置によって実行された処理に関する履歴情報を記憶する記憶手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザに関連付けて設定された表示言語で、前記履歴情報を含む操作画面を表示する表示手段と、前記ログインユーザによる印刷指示がトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる手動レポート印刷と、前記ログインユーザによる指示に基づいて設定された条件が満たされることがトリガーであり、前記履歴情報が含まれるレポートを前記印刷手段に印刷させる自動レポート印刷とを実行可能な実行手段と、前記履歴情報を含む前記操作画面を前記表示手段が表示している状態で前記レポートの前記印刷指示を受け付ける受付手段を有し、前記実行手段は、前記受付手段が前記印刷指示を受け付けたことをトリガーとして、前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語で前記手動レポート印刷を実行し、前記実行手段は、前記設定された条件であって、タイミングに関する条件が満たされたことをトリガーとして、前記条件が満たされた時に前記ログインユーザが前記画像処理装置にログインしていても、前記ログインユーザに関連付けて設定された言語とは独立して設定された表示言語で前記自動レポート印刷を実行することを特徴とする画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像処理装置は、印刷手段と、前記画像処理装置によって実行された処理に関する履歴情報を記憶する記憶手段と、前記画像処理装置にログインしたログインユーザに関連付けて設定された表示言語で、前記履歴情報を含む操作画面を表示する表示手段と、前記履歴情報が含まれるレポートであって、前記ログインユーザに関連付けて設定された表示言語レポート前記印刷手段に印刷させる印刷制御手段と、前記履歴情報を含む前記操作画面を前記表示手段が表示している状態で前記レポートの印刷指示を受け付ける受付手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、レポート印刷をログインユーザに関連付けられた表示言語で実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像処理システムの全体構成図である。
図2図1の画像処理システムを構成するMFPのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図2のMFPの操作部が有するタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。
図4図2のMFPの表示言語管理テーブルの一例を示す図である。
図5図2のMFPで手動レポート印刷を行う際に操作部のタッチパネルに表示される操作画面の一例と、手動レポート印刷の出力物の例を示す図である。
図6図2のMFPで自動レポート印刷の1つである通信管理レポートの自動印刷の設定を行うときに操作部のタッチパネルに表示される操作画面の一例と、通信管理レポートの出力物の一例を示す図である。
図7図2のMFPで自動レポート印刷の1つである送信結果レポートの印刷設定を行うときに操作部のタッチパネルに表示される操作画面の一例と、送信結果レポートの出力物の一例を示す図である。
図8図2のMFPのレポート管理テーブルを示す図である。
図9図2のMFPの操作部が有するタッチパネルに表示する言語をユーザ毎に決定する処理のフローチャートである。
図10図2のMFPにおける第1実施形態に係るレポート印刷処理のフローチャートである。
図11図2のMFPでユーザが明示的に送信結果レポートを印刷させる設定を行うときに操作部のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。
図12図2のMFPにおける第2実施形態に係るレポート印刷処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る画像処理システムの全体構成図である。この画像処理システムは、LAN100により通信可能に接続された複合機(以下「MFP」と記す)101と、ファイルサーバ102とを含む。MFP101は、公衆電話回線網110に接続されている。
【0013】
なお、MFP101は画像処理装置の一例であり、ファイルサーバ102はファイル管理装置の一例である。また、LAN100は、有線LANであるか無線LANであるかを問わず、LAN100には、その他の装置、例えば、MFP101に印刷等を指示する不図示のクライアントコンピュータ(以下「クライアントPC」と記す)等も接続される。
【0014】
MFP101は、ファイルサーバ102内のフォルダを宛先として、SMBやFTPを用いて、画像データの送信(ファイル送信)を行うことができる。なお、ファイルサーバ102以外にも、上述した不図示のクライアントPC内のフォルダを宛先とすることもできる。また、MFP101は、不図示のメールサーバを介して画像データを電子メールで送信(メール送信)することもできる。MFP101は、公衆電話回線網110に接続されているため、不図示のファクシミリとの間で通信(画像データの送受信)を行うことができる。
【0015】
図2は、MFP101のハードウェア構成を示すブロック図である。MFP101は、制御部210、操作部220、プリンタ部221、スキャナ部222及びモデム部223を有する。制御部210は、CPU211、ROM212、RAM213、HDD214、操作部I/F215、プリンタI/F216、スキャナI/F217、モデムI/F218及びネットワークI/F219を有する。
【0016】
制御部210は、MFP101の全体的な動作を制御する。CPU211は、ROM212に格納された制御プログラムを読み出して、RAM213のワークエリアに展開し、実行することで、印刷制御や読取制御、送信制御等の各種制御を行う。RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD214は、画像データや各種のプログラム、MFP101の各種の設定情報、履歴情報及び結果情報を記憶する。
【0017】
なお、MFP101の設定情報とは、具体的には、ユーザ毎に設定可能なタッチパネル(後述)での表示言語の設定情報や、自動レポート印刷を行うときの言語情報等である。また、MFP101の履歴情報とは、ファクシミリ送受信の履歴情報や、送信(ファイル送信及びメール送信)や印刷等の所定のジョブを行ったときの結果情報等である。
【0018】
操作部I/F215は、操作部220とCPU211(制御部210)とを接続する。操作部220は、例えば、タッチパネル機能を有する液晶表示装置であるタッチパネルやキーボード(ハードボタン)等を含む。プリンタI/F216は、プリンタ部221とCPU211(制御部210)とを接続する。プリンタ部221で印刷される画像データは、プリンタI/F216を通じて制御部210からプリンタ部221へ転送され、プリンタ部221において用紙(シート)等の記録媒体上に印刷される。
【0019】
スキャナI/F217は、スキャナ部222と制御部210とを接続する。スキャナ部222は、原稿上の画像を読み取って画像データ(画像ファイル)を生成し、スキャナI/F217を通じて制御部210に入力する。MFP101は、スキャナ部222で生成された画像データ(画像ファイル)を送信することができる。
【0020】
モデムI/F218は、モデム部223と制御部210とを接続する。モデム部223は、MFP101(制御部210)を公衆電話回線網110に接続する。モデム部223は、公衆電話回線網110上の不図示のファクシミリとの間で画像データの送受信を実行する。ネットワークI/F219は、MFP101(制御部210)をLAN100に接続する。ネットワークI/F219は、LAN100上の外部装置(ファイルサーバ102、クライアントPC等)に画像データや情報を送信し、逆に、LAN100上の外部装置から各種情報を受信する。
【0021】
図3は、操作部220が有するタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。図3の操作画面300は、MFP101のシステム管理者が使用する表示言語(以下「管理者用の表示言語」という)を登録する際に、システム管理者がその権限でMFP101にログインし、操作部220を操作することでタッチパネルに表示させることができる。
【0022】
なお、図3の操作画面は、管理者用の表示言語の設定前には、ログインするユーザに関わらず、MFP101に予め設定されたデフォルトの表示言語によって、操作部220が有するタッチパネルに表示される。また、後述するようにユーザに応じてタッチパネルでの表示言語を異ならせるパーソナライズ機能がオフに設定されている場合、ログインするユーザが自身の表示言語を登録していない場合、ゲストユーザが装置にログインした場合等も、デフォルトの表示言語が用いられる。
【0023】
操作画面300には、複数の言語がリスト形式で列記されてなる言語情報欄301が表示されており、言語情報欄301に表示された言語が設定可能な表示言語である。システム管理者は、言語情報欄301に表示されている言語リストから所望の言語を管理者用の表示言語(装置言語)として選択することができる。言語情報欄301に表示された言語の中から所望の言語をタッチして選択し、OKボタンを押下することで管理者用の表示言語の設定が終了し、こうして設定された管理者用の表示言語の設定情報は、HDD214に保存される。管理者用の表示言語が設定された後には、システム管理者がMFP101にログインしたときには、操作画面300には、設定された管理者用の表示言語でタッチパネルに各種の表示がなされる。
【0024】
図4は、MFP101の表示言語管理テーブルの一例を示す図である。図4に示す表示言語管理テーブル400は、ユーザ名401と表示言語402との組み合わせで構成されており、HDD214に記憶されている。ユーザ名401は、表示言語管理テーブル400で管理されているユーザ情報であり、例えば、ユーザの氏、氏名或いはニックネーム、IDナンバー等である。表示言語402は、ユーザ名401にある各ユーザに関連付けられた表示言語情報である。
【0025】
例えば、ユーザAがMFP101を利用するときにはタッチパネルには日本語での表示がなされ、ユーザBがMFP101を利用するときにタッチパネルには英語での表示がなされる。その詳細については、図9のフローチャートを参照して後述する。
【0026】
図5(a)は、手動レポート印刷を行う際に操作部220のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。ここでは、手動レポート印刷では、印刷されたシート枚数のカウント結果が印刷されるものとするが、これに限られず、他のレポート(例えば、後述する通信管理レポートや送信結果レポート等)を手動で印刷して出力することができる構成とすることができる。
【0027】
タッチパネルには、出力されるレポートに印刷される情報501と、レポート印刷の実行を指示するレポートプリントボタン502が表示されている。情報501は、ここでは、コピー(白黒)やプリント(白黒)等の処理内容と、各処理内容で処理されたシート枚数からなるが、これらに限られず、その他の情報を含んでいてもよい。ユーザは、情報501の内容を確認し、レポートプリントボタン502を押下(タッチ)することで、手動レポート印刷の指示を行う。図5(b)に、ユーザがレポートプリントボタン502を押下することで得られる出力物(カウントレポート)の一例を示す。
【0028】
図6(a)は、自動レポート印刷の1つである通信管理レポートの自動印刷の設定を行うときに操作部220のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。MFP101は、外部装置(ファイルサーバ102やクライアントPC、ファクシミリ等)との通信履歴を管理しており、通信履歴はHDD214に記憶される。CPU211は、通信履歴を更新する度に通信履歴の合計数を1だけインクリメントし、その合計数が100になると自動レポート印刷を実行すると共に、合計数を0(ゼロ)にリセットする。
【0029】
図6(a)に表示されている「100通信で自動プリント」は、通信履歴を管理する通信管理レポートをどのタイミングで自動出力するのかという条件を表しており、通信履歴の合計数がこの条件(100通信)に合致したときに、自動レポート印刷が実行される。タッチパネルには、自動レポート印刷の実行/不実行(ON/OFF)を切り替えるスイッチ601が表示される。スイッチ601がONに設定されている場合、通信履歴が100件に達すると、MFP101が管理している通信履歴を印刷した通信管理レポートが自動的に出力される。図6(b)に、通信管理レポートの出力物の一例を示す。
【0030】
図7(a)は、自動レポート印刷の1つである送信結果レポートの印刷設定を行うときに操作部220のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。図7(a)の操作画面に示されるエラー時のみボタン701は、送信結果がエラーの場合に自動レポート印刷を行うことを設定するためのスイッチである。よって、エラー時のみボタン701が選択されている場合には、外部装置(ファイルサーバ102やクライアントPC、ファクシミリ等)への画像データの送信が失敗した場合にのみ、その結果を示す送信結果レポートが自動印刷される。図7(b)に、エラーが発生した場合の送信結果レポートの出力物の一例を示す。
【0031】
ONボタン702は、送信結果を問わずに必ず自動レポート印刷を行うことを設定するためのスイッチである。ONボタン702が選択されている場合、外部装置への画像データの送信の成否に関係なく、必ず、その結果を示す送信結果レポートが自動印刷される。図7(c)に、送信が正常に完了した場合の送信結果レポートの出力物の一例を示す。OFFボタン703は、送信結果レポートの自動印刷を行わないことを設定するためのスイッチである。
【0032】
図8は、MFP101のレポート管理テーブル800を示す図である。レポート管理テーブル800は、レポート名欄801、自動レポート欄802、結果レポート欄803で構成されており、HDD214に記憶されている。
【0033】
レポート名欄801には、例えば、図5乃至図7を参照して説明したカウントレポート、通信管理レポート、送信結果レポート等の各種のレポートの名称が格納される。自動レポート欄802には、自動レポート印刷機能のON/OFFの設定が格納される。結果レポート欄803は、対応するレポート名のレポートが結果レポートであるか否か、つまり、画像データの送信ジョブ等が行われた場合に、その処理毎に結果を示すレポートを印刷して出力するか否かの設定(ON/OFF)が格納される。送信結果レポートの場合には、更に、図7(a)に示す「エラー時のみ」、「ON」又は「OFF」の選択結果が格納されており、図8の「ON-ON」の右側の「ON」はこの設定を示している。
【0034】
MFP101のCPU211は、手動で又は自動でレポート印刷指示を受けると、レポート管理テーブル800の情報を参照し、受け付けたレポート印刷指示が自動レポート印刷か否か、また、結果レポートであるか否かを判断する。
【0035】
図9は、操作部220のタッチパネルに表示する言語をユーザ毎に決定する処理のフローチャートである。図9のフローチャートに示す各処理は、CPU211がHDD214に記憶された制御プログラムをRAM213のワークエリアに展開、実行することにより実現される。
【0036】
ステップS901において、CPU211は、ユーザからの認証情報の入力を受け付ける。続くステップS902において、CPU211は、ステップS901で入力された認証情報に基づき、MFP101を利用するユーザを認証し、特定する。例えば、各ユーザは、MFP101の利用時には自身のIDカードをMFP101に備えられたIDカードリーダ(図1,2に不図示)に読み取らせる。MFP101のCPU211は、IDカードリーダが読み取ったIDカードの情報を表示言語管理テーブル400に照らし合わせてユーザを識別する。但し、ユーザ認証の方法は、これに限定されるものではなく、ユーザを識別可能な方法であればどのような方法であってもよい。
【0037】
次に、ステップS903において、CPU211は、ステップS902で認証したユーザに対して設定された言語(表示言語)を表示言語管理テーブル400(図4参照)から取得する。例えば、ユーザAであると認証された場合には日本語が、ユーザBであると認証された場合には英語がそれぞれ取得される。なお、システム管理者がログインした場合には、図3を参照して説明した操作画面300で設定された管理者用の表示言語が取得される。
【0038】
続いて、ステップS904において、CPU211は、操作部220のタッチパネルに表示する情報の表示言語にステップS903で取得した言語を設定する。この設定は、HDD214に記憶される。その後、ステップS905において、CPU211は、操作部220のタッチパネルに、ステップS904で設定した言語でメイン画面(メインメニュー)を表示し、その後、本処理は終了となる。
【0039】
図10は、MFP101における第1実施形態に係るレポート印刷処理のフローチャートである。図10のフローチャートに示す各処理は、CPU211がHDD214に記憶された制御プログラムをRAM213のワークエリアに展開、実行することにより実現される。
【0040】
図10の処理は、MFP101がレポート印刷の指示を受けることに応じて開始され、先ずステップS1001において、CPU211は、印刷指示を受けたレポートが自動レポートであるか否かをレポート管理テーブル800(図8参照)に基づいて判断する。自動レポート印刷である場合(S1001でYES)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する自動レポート欄802がONとなっている場合、CPU211は、処理をステップS1002へ進める。一方、自動レポート印刷ではない場合(S1001でNO)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する自動レポート欄802がOFFとなっている場合、CPU211は、処理をステップS1005へ進める。
【0041】
ステップS1002において、CPU211は、印刷指示を受けたレポートが結果レポートであるか否かをレポート管理テーブル800に基づいて判断する。結果レポートである場合(S1002でYES)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する結果レポート欄803がONとなっている場合、CPU211は処理をステップ1003へ進める。一方、結果レポートではない場合(S1002でNO)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する結果レポート欄803がOFFとなっている場合、CPU211は処理をステップ1006へ進める。
【0042】
ステップS1003において、CPU211は、図8を参照して、図7(a)の送信結果レポートの印刷設定に従って処理を分岐させる。送信結果レポートが「ON」に設定されている場合、CPU211は処理をステップS1005へ進める。送信結果レポートが「エラー時のみ」に設定されている場合、CPU211は処理をステップS1004へ進める。送信結果レポートが「OFF」に設定されている場合、CPU211は、送信結果レポートを印刷せずに、処理を終了させる。
【0043】
ステップS1004において、CPU211は、送信エラーが発生したか否かを判断する。CPU211は、実際に送信エラーが発生している場合(S1004でYES)、処理をステップS1005へ進め、送信エラーが発生していない場合(S1004でNO)、送信結果レポートを印刷せずに、処理を終了させる。
【0044】
ステップS1005において、CPU211は、レポート印字言語を図9のステップS904でHDD214に記憶した操作部220の表示言語から取得する。例えば、ユーザAの場合には日本語が、ユーザBの場合には英語がレポート印字言語として取得される。ステップS1006では、CPU211は、レポート印字言語として、図3の操作画面300で設定された管理者用の表示言語をHDD214から取得する。
【0045】
ステップS1005,S1006が終了すると、処理はステップS1007へ進められ、ステップS1007において、CPU211は、ステップS1005,S1006で取得した言語で印刷指示を受けたレポートの印字内容を作成する。続くステップS1008において、CPU211は、ステップS1007で作成したレポートをプリンタ部221で印刷し、出力する。これにより本処理は終了となる。
【0046】
なお、図8のレポート管理テーブル800にある送信結果レポートでは、自動レポート欄802がON、結果レポート欄803がON、且つ、図7(a)の送信結果レポートの印刷設定がONとなっている。この場合、図10のフローチャートに従えば、送信結果レポートは、操作部220の表示言語で印刷されることになる。これは、送信結果レポートは、送信ジョブを行ったユーザの利用に供されることが多いことを考慮したものである。
【0047】
しかしながら、このような構成に限らず、図3の操作画面300で設定された管理者用の表示言語で、送信結果レポートを印刷し、出力することも可能である。その場合、ステップS1003の判断において、図7(a)の送信結果レポートの印刷設定がONになっている場合には、ステップS1003ではなくステップS1006へ進む構成とすればよい。
【0048】
上記説明の通り、本実施形態によれば、MFP101のユーザは、手動レポート印刷と自動レポート印刷のいずれの場合でも、ユーザ及びシステム管理者が欲する言語で所望のレポート印刷を行うことができる。
【0049】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態についての説明では、画像処理システムのハードウェア構成等の上述した第1実施形態と同様の構成についての詳細な説明は省略する。
【0050】
第2実施形態では、図7(a)でOFF(OFFボタン703)又はエラー時のみ(エラー時のみボタン701)が選択されている場合であっても、送信ジョブの実行前にユーザが明示的に送信結果レポートを印刷することを選択した場合には、操作部220の表示言語で結果レポートを印刷し、出力するようにする。また、図7(a)でON(ONボタン702)が選択されている場合に、送信ジョブの実行前にユーザが明示的に送信結果レポートを印刷することを選択した場合には、操作部220の表示言語と管理者用の表示言語の各言語で送信結果レポートを印刷する。
【0051】
図11は、ユーザが明示的に送信結果レポートを印刷させる設定を行うときに操作部220のタッチパネルに表示される操作画面の一例を示す図である。図11に示す操作画面は、ユーザが明示的に結果レポート印刷を指示するときに、例えば、操作部220のタッチパネルの不図示のメニュー画面に表示されている不図示のオプションボタンを押下することにより、タッチパネルに表示させることができる。
【0052】
送信結果レポートボタン1101は、送信ジョブ(ファイル送信やメール送信)を実行したときの送信結果レポートの印刷をユーザが明示的に指定するボタンである。送信結果レポートボタン1101が押下(選択)されると、図7(a)の印刷設定でOFF又はエラー時のみが選択されていても、送信結果レポートが操作部220の表示言語で印刷される。また、図7(a)でONが選択されている場合には、送信結果レポートが通常通りに操作部220の表示言語で印刷される(図10のS1003でONの場合)と共に、管理者用の表示言語でも送信結果レポートが印刷される。
【0053】
図12は、MFP101における第2実施形態に係るレポート印刷処理のフローチャートである。図12のフローチャートに示す各処理は、CPU211がHDD214に記憶された制御プログラムをRAM213のワークエリアに展開、実行することにより実現される。
【0054】
図12の処理は、MFP101がレポート印刷の指示を受けることに応じて開始され、先ずステップS1201において、CPU211は、印刷指示を受けたレポートが自動レポートであるか否かをレポート管理テーブル800(図8参照)に基づいて判断する。自動レポート印刷である場合(S1201でYES)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する自動レポート欄802がONとなっている場合、CPU211は、処理をステップS1202へ進める。一方、自動レポート印刷ではない場合(S1201でNO)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する自動レポート欄802がOFFとなっている場合、CPU211は、処理をステップS1208へ進める。
【0055】
ステップS1202において、CPU211は、印刷指示を受けたレポートが結果レポートであるか否かをレポート管理テーブル800に基づいて判断する。結果レポートである場合(S1202でYES)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する結果レポート欄803がONとなっている場合、CPU211は、処理をステップ1203へ進める。一方、結果レポートではない場合(S1202でNO)、つまり、印刷指示を受けたレポート名に対応する結果レポート欄803がOFFとなっている場合、CPU211は、処理をステップ1210へ進める。
【0056】
ステップS1203において、CPU211は、図11に示した送信結果レポートボタン1101が選択されているか否か(オプションの送信結果レポートが有効か否か)を判断する。送信結果レポートボタン1101が選択されている場合(S1203でYES)、CPU211は、処理をステップ1204へ進める。送信結果レポートボタン1101が選択されていない場合(S1203でNO)、CPU211は、処理をステップ1205へ進める。
【0057】
ステップS1204において、CPU211は、図7(a)の送信設定を図8のレポート管理テーブルから取得し、取得した情報に応じて処理を分岐させる。CPU211は、図7(a)の送信設定が「エラー時のみ」又は「OFF」の場合には、処理をステップS1208へ進め、図7(a)の送信設定が「ON」の場合には、処理をステップS1209へ進める。
【0058】
ステップS1205において、CPU211は、図7(a)の送信設定が「ON」に設定されているか否かを判断する。CPU211は、図7(a)の送信設定が「ON」の場合(S1205でYES)、処理をステップS1208へ進め、図7(a)の送信設定が「ON」ではない場合(S1205でNO)、処理をステップS1206へ進める。ステップS1206において、CPU211は、図7(a)の送信設定が「OFF」に設定されているか否かを判断する。CPU211は、図7(a)の送信設定が「OFF」の場合(S1206でYES)、処理を終了させ、図7(a)の送信設定が「OFF」ではない場合、つまり「エラー時のみ」に設定されている場合(S1206でNO)、処理をステップS1207へ進める。ステップS1207において、CPU211は、送信エラーが発生したか否かを判断する。CPU211は、実際に送信エラーが発生している場合(S1207でYES)、処理をステップS1208へ進め、送信エラーが発生していない場合(S1207でNO)、処理を終了させる。
【0059】
ステップS1208において、CPU211は、レポート印字言語を図9のステップS904でHDD214に記憶した操作部220の表示言語から取得する。例えば、ユーザAの場合には日本語が、ユーザBの場合には英語がレポート印字言語として取得される。ステップS1209において、CPU211は、レポート印字言語として、図9のステップS904でHDD214に記憶した操作部220の表示言語を取得すると共に、図3の操作画面300で設定された管理者用の表示言語をHDD214から取得する。ステップS1210において、CPU211は、レポート印字言語として、図3の操作画面300で設定された管理者用の表示言語をHDD214から取得する。
【0060】
ステップS1208,S1209,S1210が終了すると、処理はステップS1211へ進められ、ステップS1211において、CPU211は、ステップS1208,S1209,S1210のそれぞれで取得した言語で印刷指示を受けたレポートの印字内容を作成する。続くステップS1212において、CPU211は、ステップS1211で作成したレポートをプリンタ部221で印刷し、出力する。これにより本処理は終了となる。
【0061】
なお、ステップS1209により操作部220の表示言語及び管理者用の表示言語を取得している場合には、操作部220の表示言語で書かれた送信結果レポート及び管理者用の表示言語で書かれた送信結果レポートが印刷され、出力される。このとき、各言語の送信結果レポートが別々の用紙に印刷され、2枚の用紙が出力されるようにしてもよいし、1枚の用紙に各言語の送信結果レポートを纏めて印刷して、1枚の用紙が出力されるようにしてもよい。
【0062】
以上の通り、本実施形態によれば、ユーザは、送信ジョブの実行前に明示的に送信結果レポートを印刷することを選択して、操作部220の表示言語での送信結果レポートの印刷を行うことができ、これにより送信ジョブを行うユーザにとっての利便性を向上させることができる。また、操作部220の表示言語及び管理者用の表示言語の双方で書かれた送信結果レポートを印刷することができ、これにより送信ジョブを行うユーザとシステム管理者の利便性を向上させることができる。
【0063】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0064】
上記実施形態では、MFP101は、1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213またはHDD214)を用いて、図9及び図10のフローチャートに示す各処理を実行するとした。しかし、これに限られず、例えば、複数のCPUがそれぞれ1又は複数のメモリを用いて協働して動作することにより、図9及び図10のフローチャートに示す各処理が実行されるようにしてもよい。
【0065】
本発明は以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0066】
101 MFP
211 CPU
213 RAM
214 HDD
220 操作部
221 プリンタ部
図1
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