(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】配送管理装置、配送管理システム、配送管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241118BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20241118BHJP
【FI】
B65G61/00 550
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2022187516
(22)【出願日】2022-11-24
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】松本 麻希
(72)【発明者】
【氏名】井沼 孝慈
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/146576(WO,A1)
【文献】特開2018-206400(JP,A)
【文献】特開2022-010398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 10/083
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人機により荷物が配送される配送位置に前記無人機が待機可能である待機可能時間を算出する待機可能時間算出部と、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっている場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定する、
配送管理装置
。
【請求項2】
無人機により荷物が配送される配送位置に前記無人機が待機可能である待機可能時間を算出する待機可能時間算出部と、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、
を備え、
前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっている場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定する、
配送管理システム
。
【請求項3】
請求項
2に記載の配送管理システムにおいて、
前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定する、
配送管理システム。
【請求項4】
請求項
3に記載の配送管理システムにおいて、
受取予定者に通知を行う通知部を備え、
前記通知部は、前記無人機が前記配送位置に到着しており、かつ、前記配送位置から前記所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、前記無人機が前記配送位置に到着していることを通知する、
配送管理システム。
【請求項5】
請求項
4に記載の配送管理システムにおいて
、
前記通知部は、前記無人機が前記配送位置に到着しており、かつ、前記配送位置から前記所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間を通知する、
配送管理システム。
【請求項6】
請求項
5に記載の配送管理システムにおいて、
前記待機可能時間算出部は、前記無人機の電池の残量に基づいて、前記無人機が前記配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する、
配送管理システム。
【請求項7】
請求項
5に記載の配送管理システムにおいて、
前記待機可能時間算出部は、前記無人機の帰還予定時刻に基づいて、前記無人機が前記配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する、
配送管理システム。
【請求項8】
請求項
2~請求項
7のうち何れか一項に記載の配送管理システムにおいて
、
前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっていない場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させずに前記無人機の帰還を判定する、
配送管理システム。
【請求項9】
請求項
2~請求項
7のうち何れか一項に記載の配送管理システムにおいて
、
前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっていない場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させずに別の配送位置に荷物を配送させると判定する、
配送管理システム。
【請求項10】
1又は複数のコンピュータが、
無人機により荷物が配送される配送位置に前記無人機が待機可能である待機可能時間を算出することと、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっている場合に、前記待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定することと、
を実行する、
配送管理方法
。
【請求項11】
1又は複数のコンピュータに、
無人機により荷物が配送される配送位置に前記無人機が待機可能である待機可能時間を算出することと、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、
前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっている場合に、前記待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定することと、
を実行させる、
プログラム
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送管理装置、配送管理システム、配送管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に示すように、例えばドローンなどの無人機により荷物を配送するシステムのうち、無人機により配送される荷物の受取予定者に直接的に荷物が配送されずに、所謂、置き配を行うシステムが開示されている。詳しくは、このようなシステムにおいては、受取予定者の配送位置において無人機から荷物が離脱された結果、受取予定者の配送位置に荷物が投下されることにより、荷物の配送が完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなシステムでは、置き配された荷物が盗難されるおそれがあった。更には、置き配された荷物が存在することにより、受取予定者の不在が他人により認識できる状態となってしまうおそれがあった。このため、荷物の配送についてセキュリティの更なる向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する配送管理装置は、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0006】
上記課題を解決する配送管理システムは、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0007】
上記課題を解決する配送管理方法は、1又は複数のコンピュータが、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定することと、を実行する。
【0008】
上記課題を解決するプログラムは、1又は複数のコンピュータに、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の配送管理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態のユーザ情報データベースを示す図である。
【
図3】第1実施形態の配送管理データベースを示す図である。
【
図4】第1実施形態の無人機が実行する配送制御処理を示すフローチャートである。
【
図5】第1実施形態の配送管理システムにおける制御内容を示す図である。
【
図6】第1実施形態の配送管理システムにおける制御内容を示す図である。
【
図7】第1実施形態の配送管理システムにおける制御内容を示す図である。
【
図8】第1実施形態の配送管理システムにおける制御内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[第1実施形態]
配送管理装置、配送管理システム、配送管理方法及びプログラムの一実施形態を説明する。配送管理システムは、配送位置に荷物を配送するためのシステムである。特に、荷物の配送としては、所謂、置き配が含まれる。置き配とは、配送位置において非対面で荷物を配送するサービスである。配送位置は、荷物が配送される位置であり、例えば荷物の配送先の住所というように配送領域内の位置であってもよい。つまり、配送位置は、荷物の配送先の住所に対応する位置であってもよい。
【0012】
<配送管理システム1の構成>
図1に示すように、配送管理システム1は、配送管理サーバ10と、携帯端末装置20と、無人機30とを備える。配送管理サーバ10、携帯端末装置20及び無人機30は、ネットワーク15を介して通信可能に接続されている。以降、各装置間の通信について、ネットワーク15を介することの説明を省略する。
【0013】
<配送管理サーバ10の構成>
配送管理サーバ10は、荷物の配送に関する情報を管理するサーバである。配送管理サーバ10は、配送サービスの管理者により管理される。配送管理サーバ10は、1又は複数のコンピュータから構成される。
【0014】
配送管理サーバ10は、サーバ制御部11、サーバ記憶部12及びサーバ通信部13を備える。サーバ制御部11は、配送管理サーバ10を制御するように構成される。サーバ制御部11は、演算装置及び主記憶媒体を含む。演算装置は、OS(Operating System)及び各種プログラムをサーバ記憶部12等から主記憶媒体にロードし、主記憶媒体から取り出した命令を実行する。演算装置は、1つ又は複数の回路(circuitry)である。回路は、CPU、GPU(Graphic Processing Unit)、又はNPU(Neural network Processing Unit)等であってもよい。サーバ記憶部12は、副記憶媒体であって、荷物の配送を管理するための各種情報を記憶する。
【0015】
サーバ通信部13は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。サーバ通信部13は、携帯端末装置20及び無人機30との間でデータを送受信する。配送管理サーバ10は、管理者等が入力操作を行うための操作部を備えてもよく、情報を表示する表示部を備えてもよい。
【0016】
<携帯端末装置20の構成>
携帯端末装置20は、荷物を受け取る予定の受取予定者により携帯可能な情報処理装置である。携帯端末装置20は、1又は複数のコンピュータから構成される。携帯端末装置20は、スマートフォン(多機能電話端末)、フィーチャーフォン、タブレット端末、ウェアラブルコンピュータ、又はこれらの装置以外の画像を表示可能な装置である。
【0017】
携帯端末装置20は、端末制御部21、端末記憶部22、端末通信部23、端末入力部24、端末表示部25及びスピーカ26を備える。端末制御部21は、携帯端末装置20を制御するように構成される。端末制御部21は、演算装置及び主記憶媒体を含む。端末制御部21は、サーバ制御部11と同じような構成であり、演算装置及び主記憶媒体の説明を省略する。
【0018】
端末記憶部22は、副記憶媒体であって、受取予定者に関する各種情報を記憶する。端末記憶部22は、配送に関する通知を受信可能な通知プログラムを記憶していてもよい。通知プログラムは、配送サービスの提供を受けるための専用のプログラムであってもよい。通知プログラムは、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを利用するプログラムであってもよい。通知プログラムは、通知メールを受信可能なメールソフトであってもよい。
【0019】
端末通信部23は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。端末通信部23は、配送管理サーバ10及び無人機30との間でデータを送受信する。
【0020】
端末入力部24は、受取予定者の操作に応じて情報を入力するように構成される。端末入力部24は、操作ボタン等のポインティングデバイスであってもよい。端末入力部24は、端末表示部25と一体化されたタッチパネルであってもよい。端末表示部25は、端末制御部21の出力指示に応じて各種画像を表示する。スピーカ26は、端末制御部21の出力指示に応じて各種音声を出力する。
【0021】
<無人機30の構成>
無人機30は、人が搭乗せずに荷物を配送する装置である。無人機30は、人が搭乗せずに空中を飛行する航空機であってもよく、無人飛行体又はドローンともいう。無人機30は、配送サービスの管理者又はその他の無人機30の所有者によって管理される装置であってもよい。無人機30は、1又は複数のコンピュータから構成される。
【0022】
無人機30は、無人機制御装置31を備える。無人機制御装置31は、無人機制御部32、無人機記憶部33及び無人機通信部34を備える。無人機制御部32は、無人機30を制御するように構成される。無人機制御部32は、演算装置及び主記憶媒体を含む。無人機制御部32は、サーバ制御部11と同じような構成であり、演算装置及び主記憶媒体の説明を省略する。無人機記憶部33は、副記憶媒体であって、荷物を配送するための各種情報を記憶する。
【0023】
無人機通信部34は、ハードウェア、ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。無人機通信部34は、配送管理サーバ10及び携帯端末装置20との間でデータを送受信する。
【0024】
無人機30は、駆動部35及び電池36を備える。駆動部35は、駆動源と回転翼とを含む。駆動源は、電池36から供給される電力によって駆動するように構成される。駆動源は、電動モータであってもよい。回転翼は、駆動源からの動力によって動作するように構成される。電池36は、少なくとも駆動部35のエネルギー源であり、無人機30のエネルギー源であってもよい。電池36は、充電が可能な二次電池であってもよい。
【0025】
駆動部35は、燃料を消費して駆動するエンジンであってもよい。この場合には、電池36に代えて駆動部35に燃料を供給する燃料供給部が設けられる。また、無人機30は、複数の種類の駆動源を搭載したハイブリッド式の駆動部35を備えていてもよい。
【0026】
無人機30は、荷物保持部37を備えてもよい。荷物保持部37は、配送位置まで荷物を保持するように構成される。荷物保持部37は、配送位置において荷物を離脱することにより荷物を配送する。荷物保持部37は、電池36から供給される電力によって駆動するように構成される。
【0027】
荷物保持部37は、リール又はウィンチ、及びケーブル(ワイヤ)を備えてもよい。フックは、荷物の切り離しが可能である。フックは、ケーブルの先端に設けられていてもよい。フックは、ケーブルが緩むことで張力が小さくなると荷物を離脱してもよい。フックは、通電又は非通電によって荷物を離脱してもよい。荷物保持部37は、荷物を支持する支持アームと支持アームの駆動機構とを備えてもよい。
【0028】
無人機30は、センサユニット38を備えてもよい。センサユニット38は、現在位置を検出するGPSセンサを備えてもよい。センサユニット38は、測距センサを備えてもよい。測距センサは、飛行時間(Time of Flight)を測定検出するToFセンサであってもよい。測距センサは、LiDAR、レーダ、又は超音波センサであってもよい。LiDARの測距センサは、レーザー光をパルス状に対象物に照射するとともに、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測する。測距センサは、時間差に基づき、対象物までの距離、対象物の位置、又は対象物の形状を計測する。レーダは、ミリ波等の電波を対象物に照射するとともに、対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を計測する。超音波センサは、超音波を対象物に照射する。センサユニット38は、風向風速センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、赤外線センサ、地磁気センサ、高度センサ、変位センサ、及び温度センサのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0029】
無人機30は、1つ又は複数の撮像装置39を備えてもよい。撮像装置39は、撮像を行うように構成される。撮像装置39の一例は、可視光カメラである。また、撮像装置39の一例は、全方位カメラである。
【0030】
このように、無人機30は、センサユニット38が検出した情報を取得して無人機30の位置情報を認識可能である。無人機30は、撮像装置39から取得した撮像データを画像処理することによって、障害物、及び荷物の配達位置等を認識可能である。
【0031】
<無人機30の機能>
ここで、無人機30の機能について説明する。
無人機制御部32は、各種プログラムを実行することで各種の機能部として機能する。つまり、無人機30は、各種の機能部を備える。無人機30は、配送管理装置の一例に相当する。
【0032】
無人機制御部32は、位置情報取得部32Aを備える。位置情報取得部32Aは、携帯端末装置20との通信により携帯端末装置20の位置情報を取得する。これにより、位置情報取得部32Aは、受取予定者の位置情報を取得するように構成される。
【0033】
位置情報取得部32Aは、配送管理サーバ10との通信により携帯端末装置20の位置情報を取得してもよい。この場合、配送管理サーバ10において、サーバ制御部11は、携帯端末装置20との通信により携帯端末装置20の位置情報を取得し、携帯端末装置20の位置情報を無人機30に送信してもよい。
【0034】
無人機制御部32は、判定部32Bを備える。判定部32Bは、受取予定者の位置情報に基づいて、無人機30から荷物を離脱させるか否かを判定するように構成される。判定部32Bは、無人機30から荷物を離脱させずに、無人機30を帰還させるか否かも判定する。判定部32Bは、無人機30から荷物を離脱させずに、別の配送位置に荷物を配送させるか否かも判定する。別の配送位置としては、例えば、近隣住民の家及び近くの寄合所の少なくとも何れかであってもよい。別の配送位置は、受取予定者により設定可能であってもよい。
【0035】
無人機制御部32は、待機可能時間算出部32Cを備える。待機可能時間算出部32Cは、待機可能時間を算出するように構成される。待機可能時間は、無人機30が配送位置に待機可能な時間である。
【0036】
無人機制御部32は、通知部32Dを備える。通知部32Dは、携帯端末装置20に通知を行う。これにより、通知部32Dは、受取予定者に通知を行う。特に、通知部32Dは、無人機30が配送位置に到着していることと待機可能時間とを通知する。
【0037】
<データベース>
次に、
図2及び
図3を参照して、サーバ記憶部12に記憶されるデータベースについて説明する。
【0038】
図2に示すように、サーバ記憶部12は、ユーザ情報データベース40を記憶する。ユーザ情報データベース40は、1又は複数のユーザ情報40Aを含む。ユーザは、配送管理システム1を利用するユーザであり、受取予定者であってもよい。
【0039】
ユーザ情報40Aは、ユーザID、住所情報、端末ID及び通知先情報を含む。ユーザ情報40Aにおいて、ユーザIDには、住所情報、端末ID及び通知先情報が対応付けられている。
【0040】
ユーザIDは、ユーザを識別可能な識別情報であり、受取予定者を識別可能な識別情報である。住所情報は、ユーザの住所を示す情報であり、配送位置を示す情報である。端末IDは、ユーザが携帯する携帯端末装置20を識別可能な識別情報である。端末IDは、携帯端末装置20の位置情報を取得するときに参照される。通知先情報は、ユーザへの通知先を示す情報であり、ユーザのメールアドレスであってもよく、携帯端末装置20に関連付けられたデバイストークンであってもよい。
【0041】
図3に示すように、サーバ記憶部12は、配送管理データベース41を記憶する。配送管理データベース41は、1又は複数の配送データ41Aを含む。
配送データ41Aは、配送番号、ユーザID、配送位置、配送拠点、無人機ID、配送日、配送時刻範囲、配送設定情報、帰還予定時刻及び配送状態を含む。配送データ41Aにおいて、配送番号には、ユーザID、配送位置、配送拠点、無人機ID、配送日、配送時刻範囲、配送設定情報、帰還予定時刻及び配送状態が対応付けられている。
【0042】
配送番号は、荷物の配送に対して割り振られる識別情報である。配送位置は、荷物を配送する位置であり、荷物を配送する住所であってもよい。配送拠点は、荷物を配送するための拠点の位置であり、拠点の住所であってもよい。無人機IDは、荷物を配送する無人機30を識別可能な情報である。
【0043】
配送日は、荷物を配送する予定の日を示す情報である。配送時刻範囲は、荷物を配送する予定の配送時刻の範囲を示す情報である。配送時刻の範囲は、最早配送時刻から最遅配送時刻までの範囲である。最早配送時刻は、配送時刻範囲のうち最も早い時刻である。最遅配送時刻は、配送時刻範囲のうち最も遅い時刻である。
【0044】
配送設定情報は、配送に関する設定情報である。配送設定情報は、受取予定者によって設定可能である。配送設定情報は、再配送を示す情報と、別の配送位置への配送を示す情報と、別の配送位置とを含んでもよい。
【0045】
帰還予定時刻は、配送位置から配送拠点に帰還する予定の時刻である。帰還予定時刻は、配送位置を基準とした時刻であるが、配送拠点を基準とした時刻であってもよい。帰還予定時刻は、配送位置を基準とした時刻である場合、配送位置から配送拠点までの経路に応じた時刻を示し、別の配送位置を経由するか否かによって異なる時刻となる。配送状態は、荷物の配送に関する状態を示す情報であり、荷物の配送前であるか、荷物の配送中であるか、荷物の配送が完了したかを示す情報であってもよい。
【0046】
配送管理サーバ10において、サーバ制御部11は、これらのデータベースを参照することにより、各種の情報を取得可能である。また、無人機30において、無人機制御部32は、配送管理サーバ10との通信により、各種の情報を取得可能である。これにより、無人機制御部32は、これらのデータベースに基づいて、荷物の配送を行う。
【0047】
<配送制御処理>
ここで、
図4を参照して無人機30において実行される配送制御処理について説明する。配送制御処理は、無人機30により荷物の配送が開始された後に、無人機制御部32によって所定周期毎に実行される処理である。
【0048】
また、荷物の配送が開始される前において、無人機制御部32は、配送対象である各種情報を配送管理サーバ10から受信する。特に、無人機制御部32は、配送管理データベース41において、配送対象である配送番号に対応する各種情報を配送管理サーバ10から受信する。無人機制御部32は、ユーザ情報データベース40において、配送対象であるユーザIDに対応する各種情報を配送管理サーバ10から受信する。
【0049】
図4に示すように、ステップS10において、無人機制御部32は、配送位置移動制御処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、配送位置に向かって移動するように駆動部35を制御する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS11に処理を移行する。
【0050】
ステップS11において、無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着したか否かを判定する。この処理において、無人機制御部32は、センサユニット38からの信号に基づいて、無人機30の現在位置を取得し、無人機30の現在位置が配送位置であるか否かを判定する。無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着していないと判定した場合、ステップS10に処理を移行する。これにより、無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着するまで、配送位置への移動を継続して実行する。一方、無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着したと判定した場合、ステップS12に処理を移行する。
【0051】
ステップS12において、無人機制御部32は、配送設定情報取得処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、無人機記憶部33から配送設定情報を取得する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS13に処理を移行する。
【0052】
ステップS13において、無人機制御部32は、待機可能時間算出処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、待機可能時間を算出する。特に、無人機制御部32は、無人機30の電池36の残量に基づいて、待機可能時間を算出する。また、無人機制御部32は、無人機30の帰還予定時刻に基づいて、待機可能時間を算出する。このような処理を実行する無人機制御部32が待機可能時間算出部32Cとして機能する。
【0053】
具体的な一例として、無人機制御部32は、電池36から電池36の残量を取得する。無人機制御部32は、再配送を示す情報が配送設定情報として設定されているときには、配送位置から配送拠点までの距離を移動距離として算出する。一方、無人機制御部32は、別の配送位置への配送を示す情報が配送設定情報として設定されているときには、配送位置から別の配送位置を経由して配送拠点までの距離を移動距離として算出する。
【0054】
そして、無人機制御部32は、単位距離に対応する消費電力と移動距離との乗算結果により移動距離に対応する消費電力を算出する。無人機制御部32は、電池36の残量と移動距離に対応する消費電力との差分から、待機中に消費可能である消費電力を算出する。これにより、無人機制御部32は、待機中に消費可能である消費電力から、単位時間に対応する消費電力を割った結果により、電池36の残量に基づく待機可能時間を算出する。
【0055】
続いて、無人機制御部32は、帰還予定時刻と現在時刻との差分から、帰還予定時刻に基づく待機可能時間を算出する。そして、無人機制御部32は、電池36の残量に基づく待機可能時間と、帰還予定時刻に基づく待機可能時間とを比較し、短い時間を待機可能時間として決定する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS14に処理を移行する。
【0056】
ステップS14において、無人機制御部32は、旋回制御処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、配送位置の上空において無人機30が旋回するように駆動部35を制御する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS15に処理を移行する。
【0057】
ステップS15において、無人機制御部32は、位置情報取得処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、端末IDに対応する携帯端末装置20との通信により携帯端末装置20の位置情報を取得することで、受取予定者の位置情報を取得する。このような処理を実行する無人機制御部32が位置情報取得部32Aの一例に相当する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS16に処理を移行する。
【0058】
ステップS16において、無人機制御部32は、位置情報解析処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報を解析する。詳しくは、無人機制御部32は、配送位置と受取予定者の位置情報とに基づいて、受取予定者が配送位置に到着する到着予測時間を予測してもよい。到着予測時間は、受取予定者が配送位置に到着する最速の時間であってもよい。
【0059】
また、無人機制御部32は、複数回に亘って取得された複数の受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者の移動方向及び受取予定者の移動速度を予測してもよい。更に、無人機制御部32は、受取予定者の移動速度に基づいて、受取予定者が移動しているか否かを予測してもよい。更に、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報と、受取予定者の移動方向と、受取予定者の移動速度とに基づいて、受取予定者の移動手段を予測してもよい。受取予定者の移動手段は、徒歩、自転車、バイク、自動車を含んでもよく、バス及び電車などの公共交通機関などを含んでもよい。そして、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報と、受取予定者の移動手段とに基づいて、受取予定者が配送位置に到着する到着予測時間を予測してもよい。また、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報と、受取予定者の移動方向と、受取予定者の移動速度とに基づいて、受取予定者が配送位置に移動しているか否かを予測してもよい。また、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報と、受取予定者の移動方向と、受取予定者の移動速度とに基づいて、受取予定者が配送位置に到着する到着予測時間を予測してもよい。
【0060】
具体的な一例をあげると、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報が道路上であり、かつ、受取予定者の移動方向が道路沿いであり、受取予定者の移動速度が徒歩に対応する速度範囲である場合に、受取予定者の移動手段を徒歩として予測してもよい。無人機制御部32は、受取予定者の位置情報が線路上であり、かつ、受取予定者の移動方向が線路沿いであり、受取予定者の移動速度が電車移動に対応する速度範囲である場合に、受取予定者の移動手段を電車として予測してもよい。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS17に処理を移行する。
【0061】
ステップS17において、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報が所定距離の範囲内であるか否かを判定する。所定距離は、例えば5mなど、荷物を保持する無人機30が受取予定者により視認可能な距離であってもよい。また、所定距離は、例えば徒歩1分圏内に相当する距離など、無人機30から荷物が離脱されてから、荷物が受取予定者により受け取られるまでの時間が極端に長くならない程度の距離であってもよい。これにより、無人機30の移動に伴う安全性を確保できるとともに、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0062】
無人機制御部32は、受取予定者の位置情報が所定距離の範囲内であると判定した場合、ステップS17に処理を移行する。一方、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報が所定距離の範囲内ではないと判定した場合、ステップS24に処理を移行する。
【0063】
ステップS18において、無人機制御部32は、不在通知条件が成立したか否かを判定する。不在通知条件は、不在通知を実行していないときに成立してもよい。不在通知条件は、以前の不在通知から予め定めた時間が経過したときに成立してもよい。つまり、不在通知条件は、予め定めた時間の経過毎に成立してもよい。予め定めた時間は、例えば15分であってもよい。無人機制御部32は、不在通知条件が成立していないと判定した場合、ステップS19を実行することなく、ステップS20に処理を移行する。一方、無人機制御部32は、不在通知条件が成立した場合、ステップS19に処理を移行する。
【0064】
ステップS19において、無人機制御部32は、不在通知処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、通信先情報に基づいて、無人機30が配送位置に到着していること、及び、待機可能時間を携帯端末装置20に通知する。このように、無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着しており、かつ、配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、無人機30が配送位置に到着していること、及び、待機可能時間を受取予定者に通知する。このような処理を実行する無人機制御部32が通知部32Dの一例に相当する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS20に処理を移行する。
【0065】
ステップS20において、無人機制御部32は、待機可能時間が経過したか否かを判定する。この処理において、無人機制御部32は、待機可能時間が経過していないと判定した場合、ステップS14に処理を移行する。これにより、無人機制御部32は、待機可能時間が経過する前であって、かつ、受取予定者の位置情報が、配送位置から所定距離の範囲外であるときに、配送位置の上空を継続して旋回するように駆動部35を制御する。一方、無人機制御部32は、待機可能時間が経過したと判定した場合、ステップS21に処理を移行する。
【0066】
ステップS21において、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報の解析結果に基づいて、受取予定者の配送位置への移動が検知されたか否かを判定する。無人機制御部32は、受取予定者の配送位置への移動が検知されたと判定した場合、ステップS24に処理を移行する。一方、無人機制御部32は、受取予定者の配送位置への移動が検知されていないと判定した場合、ステップS22に処理を移行する。
【0067】
ステップS22において、無人機制御部32は、設定対応制御処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、配送設定情報に対応するように駆動部35を制御する。具体的な一例として、無人機制御部32は、再配送を示す情報が配送設定情報として設定されているときには、配送拠点に帰還するように駆動部35を制御する。このように、無人機制御部32は、受取予定者が配送位置に向かっていない場合に、待機可能時間が経過したときに、配送位置において無人機30から荷物を離脱させずに、無人機30の帰還を判定する。
【0068】
一方、無人機制御部32は、別の配送位置への配送を示す情報が配送設定情報として設定されているときには、別の配送位置に移動するように駆動部35を制御する。そして、無人機制御部32は、別の配送位置において荷物を離脱することにより、別の配送位置に荷物を配送する。続いて、無人機制御部32は、配送拠点に帰還するように駆動部35を制御する。このように、無人機制御部32は、受取予定者が配送位置に向かっていない場合に、待機可能時間が経過したときに、配送位置において無人機30から荷物を離脱させずに、別の配送位置に荷物を配送させると判定する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS23に処理を移行する。
【0069】
ステップS23において、無人機制御部32は、対応制御通知処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、通信先情報に基づいて、待機可能時間が経過して、配送設定情報に対応するように制御したことを携帯端末装置20に通知する。
【0070】
具体的な一例として、無人機制御部32は、配送拠点に帰還するように制御したときには、配送拠点への帰還を通知する。一方、無人機制御部32は、別の配送位置に移動するように制御したときには、別の配送位置への配送を通知する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、配送制御処理を終了する。
【0071】
ステップS24において、無人機制御部32は、離脱位置移動制御処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、配送位置において無人機30が離脱位置まで移動した後、地上に着陸せずにホバリングするように駆動部35を制御する。離脱位置は、配送位置において荷物を離脱する位置であり、配送位置における上空ではなく地上に近い位置である。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS25に処理を移行する。
【0072】
ステップS25において、無人機制御部32は、荷物離脱処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、荷物を離脱させるように荷物保持部37を制御する。これにより、無人機30は、配送位置の離脱位置において荷物を離脱する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS26に処理を移行する。
【0073】
ステップS26において、無人機制御部32は、配送通知処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、通信先情報に基づいて、配送位置に荷物を配送したことを携帯端末装置20に通知する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、ステップS27に処理を移行する。
【0074】
ステップS27において、無人機制御部32は、帰還制御処理を実行する。この処理において、無人機制御部32は、配送拠点に帰還するように駆動部35を制御する。この処理が終了した場合、無人機制御部32は、配送制御処理を終了する。
【0075】
このように、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、無人機30から荷物を離脱させるか否かを判定する。特に、無人機制御部32は、配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときに、無人機30から荷物を離脱させると判定する。また、受取予定者が配送位置に向かっている場合に、待機可能時間が経過したときに、無人機30から荷物を離脱させると判定する。このような処理を実行する無人機制御部32が判定部32Bの一例に相当する。
【0076】
<第1実施形態の作用>
第1実施形態の作用について説明する。
図5に示すように、符号T10に示すタイミングで、無人機30が配送位置に到着する。この場合、待機可能時間としての第1時間t1に亘って配送位置に待機可能である。つまり、符号T11に示すタイミングまで、無人機30は、配送位置に待機可能である。符号T11に示すタイミングは、符号T10に示すタイミングから第1時間t1が経過した後のタイミングである。
【0077】
このような場合、無人機30は、符号T10に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が第1位置であると判定する。第1位置は、配送位置から所定距離内の位置である。無人機30は、受取予定者が所定距離内に位置すると判定した場合、離脱位置への移動を開始する。
【0078】
そして、無人機30は、符号T12に示すタイミングで、離脱位置において荷物を離脱する。続いて、無人機30は、受取予定者が携帯する携帯端末装置20に配送通知を行う。その後、無人機30は、配送拠点に帰還する。
【0079】
一方、受取予定者は、符号T12に示すタイミングにおいて、携帯端末装置20を介して配送通知を認識可能となる。そして、受取予定者は、符号T13に示すタイミングにおいて配送位置に到着し、荷物を受け取る。符号T13に示すタイミングは、符号T10に示すタイミングから第2時間t2が経過した後のタイミングである。符号T13に示すタイミングは、符号T12に示すタイミングよりも後のタイミングであるが、符号T12に示すタイミングよりも前のタイミングであってもよく、符号T12に示すタイミングと同じタイミングであってもよい。
【0080】
次に、
図6に示すように、無人機30は、符号T10に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が第2位置であると判定した場合、離脱位置への移動を開始しない。第2位置は、配送位置から所定距離外の位置である。その後、無人機30は、符号T14に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が所定範囲内であると判定した場合、離脱位置への移動を開始する。符号T14に示すタイミングは、符号T10に示すタイミングから第3時間t3が経過した後のタイミングである。
【0081】
そして、無人機30は、符号T15に示すタイミングで、離脱位置において荷物を離脱する。続いて、無人機30は、受取予定者が携帯する携帯端末装置20に配送通知を行う。その後、無人機30は、配送拠点に帰還する。
【0082】
一方、受取予定者は、符号T15に示すタイミングにおいて、携帯端末装置20を介して配送通知を認識可能となる。そして、受取予定者は、符号T16に示すタイミングにおいて配送位置に到着し、荷物を受け取る。
【0083】
次に、
図7に示すように、無人機30は、符号T10に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が第3位置であると判定した場合、離脱位置への移動を開始しない。第3位置は、配送位置から所定距離外の位置である。その後、無人機30は、符号T11に示すタイミングまで受取予定者の位置情報が所定範囲外であると判定した場合、離脱位置への移動を開始しない。無人機30は、符号T11に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が所定範囲外であり、かつ、受取予定者が配送位置に向かっていると判定した場合、離脱位置への移動を開始する。
【0084】
そして、無人機30は、符号T17に示すタイミングで、離脱位置において荷物を離脱する。続いて、無人機30は、受取予定者が携帯する携帯端末装置20に配送通知を行う。その後、無人機30は、配送拠点に帰還する。
【0085】
一方、受取予定者は、符号T17に示すタイミングにおいて、携帯端末装置20を介して配送通知を認識可能となる。その後、受取予定者は、符号T16に示すタイミングにおいて配送位置に到着し、荷物を受け取る。
【0086】
最後に、
図8に示すように、無人機30は、符号T11に示すタイミングで、受取予定者の位置情報が所定範囲外であり、かつ、受取予定者が配送位置に向かっていないと判定した場合、離脱位置への移動を開始しない。そして、無人機30は、配送設定情報に対応するように、配送拠点に帰還する、又は、別の配送位置に荷物を配送する。
【0087】
<第1実施形態の効果>
第1実施形態の効果について説明する。
(1)無人機制御部32は、無人機30により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する。無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、無人機30から荷物を離脱させるか否かを判定する。このため、配送位置に対する受取予定者の位置情報を考慮して、無人機30から荷物を離脱させることができる。これにより、荷物の盗難を抑制することができることに加えて、受取予定者の不在が他者から認識され難くなる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0088】
(2)特に、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときに、無人機30から荷物を離脱させると判定する。このため、受取予定者が配送位置に到着するまでに必要な時間が短くなった場合に、無人機30から荷物を離脱させることができる。これにより、配送位置において荷物が離脱してから受取予定者により受け取られるまでの時間を短くすることができる。このように、荷物の盗難を抑制することができることに加えて、受取予定者の不在が他者から認識され難くなる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0089】
(3)無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着しており、かつ、配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、無人機30が配送位置に到着していることを通知する。このため、配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときであっても、無人機30が配送位置に到着していることを受取予定者に認識させることができる。このように、配送位置への移動を受取予定者に促すことにより、配送位置において荷物が離脱してから受取予定者により受け取られるまでの時間を短くすることができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0090】
(4)無人機制御部32は、無人機30が配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する。無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着しており、かつ、配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、待機可能時間を通知する。このため、配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときであっても、無人機30の待機可能時間を受取予定者に認識させることができる。このように、配送位置への移動を受取予定者に促すことにより、配送位置において荷物が離脱してから受取予定者により受け取られるまでの時間を短くしつつも、待機可能時間の範囲内に受取予定者が配送位置に到着する可能性を高めることができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0091】
(5)無人機制御部32は、無人機30の電池36の残量に基づいて、無人機30が配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する。このため、無人機30の電池36の残量を考慮した待機可能時間を算出することができる。これにより、電池36の残量を考慮して無人機30を配送位置に待機させることができるとともに、無人機30の電池36の残量を考慮した待機可能時間を受取予定者に認識させることができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0092】
(6)無人機制御部32は、無人機30の帰還予定時刻に基づいて、無人機30が配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する。このため、無人機30の帰還予定時刻を考慮した待機可能時間を算出することができる。これにより、帰還予定時刻を考慮して無人機30を配送位置に待機させることができるとともに、無人機30の帰還予定時刻を考慮した待機可能時間を受取予定者に認識させることができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0093】
(7)無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が配送位置に向かっている場合に、待機可能時間となったときに、無人機30から荷物を離脱させると判定する。このため、配送位置において無人機30が待機可能時間まで待機していたときであっても、受取予定者が配送位置に向かっている場合であれば、長い時間に亘って荷物が放置される可能性が低くなる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させつつも、配送位置において荷物を受け取る機会を受取予定者に提供することができる。
【0094】
(8)無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が配送位置に向かっていない場合に、待機可能時間となったときに、無人機30から荷物を離脱させずに無人機30の帰還を判定する。このため、配送位置において無人機30が待機可能時間まで待機していたときに受取予定者が配送位置に向かっていなければ、長い時間に亘って荷物が放置される可能性が高くなる。このような場合に、無人機30を帰還させることにより、荷物を回収することができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0095】
(9)無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が配送位置に向かっていない場合に、待機可能時間となったときに、無人機30から荷物を離脱させずに別の配送位置に荷物を配送させると判定する。このため、配送位置において無人機30が待機可能時間まで待機していたときに受取予定者が配送位置に向かっていなければ、長い時間に亘って荷物が放置される可能性が高くなる。このような場合に、別の配送位置に荷物を配送させることができる。したがって、荷物の配送についてセキュリティを向上させることができる。
【0096】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0097】
・無人機制御部32は、受取予定者の移動方向が配送位置自体に向かっていなくても、受取予定者の移動経路が配送位置に繋がる経路であれば、受取予定者が配送位置に向かっていると判定してもよい。詳しくは、無人機制御部32は、受取予定者の移動方向が、配送位置とは異なる方向であるが、配送位置に向かうための公共交通機関の路線に沿った方向であれば、受取予定者が配送位置に向かっていると判定してもよい。
【0098】
・無人機制御部32は、待機可能時間となれば、受取予定者が配送位置に向かっているか否かに関係なく、無人機30から荷物を離脱させると判定してもよい。無人機制御部32は、待機可能時間となれば、受取予定者が配送位置に向かっているか否かに関係なく、無人機30を帰還させてもよい。無人機制御部32は、待機可能時間となれば、受取予定者が配送位置に向かっているか否かに関係なく、別の配送位置に荷物を配送させてもよい。
【0099】
・無人機制御部32は、無人機30から荷物を離脱させない場合に、配送拠点に帰還することと、別の配送位置に荷物を配送することとのうち少なくとも何れかを行わなくてもよい。
【0100】
・無人機制御部32は、無人機30の電池36の残量と無人機30の帰還予定時刻とのうち少なくとも何れかに基づいて、待機可能時間を算出できればよい。無人機制御部32は、予め定めた時間を待機可能時間として算出してもよい。
【0101】
・無人機制御部32は、例えば配送位置に到着した時刻など基準時刻からの経過時間を待機可能時間として算出してよく、基準時刻に関係なく絶対的な時刻を待機可能時間として算出してよい。
【0102】
・無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着した場合に、配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときにも、無人機30が配送位置に到着していることを携帯端末装置20に通知してもよい。無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着した場合に、配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときにも、待機可能時間を携帯端末装置20に通知してもよい。
【0103】
・無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着していることと、待機可能時間との少なくとも何れかを携帯端末装置20に通知してもよい。無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着する前に、無人機30が配送位置に到着する予定の予定到着時間を携帯端末装置20に通知してもよい。無人機制御部32は、無人機30が配送位置に到着する前に、待機可能時間を算出し、待機可能時間を携帯端末装置20に通知してもよい。
【0104】
・無人機制御部32は、受取予定者が配送位置に到着する到着時間が所定時間の範囲内であるときに、無人機30から荷物を離脱させると判定してもよい。また、無人機制御部32は、受取予定者の位置情報に基づいて、配送位置までの距離が所定距離の範囲内であり、かつ、配送位置までの時間が条件を成立したときに、無人機30から荷物を離脱させると判定してもよい。
【0105】
・無人機制御部32は、受取予定者の位置情報以外に、受取予定者の行動履歴に基づいて、受取予定者が配送位置に到着する到着予測時刻を予測してもよい。受取予定者の行動履歴は、例えば、受取予定者の移動経路及び受取予定者の移動先が時刻に対応付けられた履歴であってもよい。
【0106】
・無人機制御部32は、荷物を離脱させた後であっても、受取予定者の位置情報に基づいて受取予定者が配送位置に到着したか否かを判定し、受取予定者が配送位置に到着するまで継続して配送位置に待機していてもよい。この場合、無人機制御部32は、撮像装置39から取得した撮像データに基づいて、受取予定者以外で荷物を受け取る人がいないか監視していてもよい。無人機制御部32は、受取予定者以外で荷物を受け取る人がいた場合に、受取予定者以外で荷物を受け取る人を撮像するとともに、警告音を出力してもよい。
【0107】
・無人機30は、無人で道路を走行する無人走行機であってもよい。このような場合、無人機30は、配送位置において離脱位置に荷物を置くことにより、離脱位置において荷物を離脱してもよい。また、無人機30は、人が搭乗せずに飛行し、かつ、人が搭乗せずに道路を走行してもよい。無人機30は、配送位置まで飛行し、配送位置において地上に着陸してから離脱位置まで移動してもよい。
【0108】
・携帯端末装置20は、少なくとも受取予定者の位置情報を識別可能にするための端末装置であればよい。具体的な一例をあげると、配送管理システム1は、携帯端末装置20の代わりに、受取予定者が所有する自動車に搭載されているナビゲーション装置を備えてもよい。
【0109】
・無人機30が配送制御装置の一例として採用されたが、これに限らず、例えば、無人機制御装置31が配送制御装置の一例として採用されてもよい。つまり、配送制御装置は、駆動部35、電池36、荷物保持部37、センサユニット38及び撮像装置39のうち少なくとも何れかを備えなくてもよい。
【0110】
・配送管理サーバ10は、配送制御装置の一例として採用されてもよい。この場合、配送管理サーバ10において、サーバ制御部11は、無人機制御部32と同じような機能を備えてもよい。詳しくは、サーバ制御部11は、位置情報取得部32A、判定部32B、待機可能時間算出部32C及び通知部32Dのうち少なくとも何れかを備えてもよい。そして、サーバ制御部11は、制御内容を無人機30に送信することにより、無人機30を制御してもよい。具体的な一例をあげると、サーバ制御部11は、無人機30から荷物を離脱させるか否かを判定し、判定結果を無人機30に送信してもよい。サーバ制御部11は、無人機30から送信された電池36の残量を受信することにより、無人機30の電池36の残量を取得してもよい。サーバ制御部11は、待機可能時間を算出するように構成されてもよい。サーバ制御部11は、携帯端末装置20に各種の通知を行ってもよい。
【0111】
・配送管理システム1は、配送管理サーバ10、携帯端末装置20及び無人機30に加えて、管理者装置を備えていてもよい。管理者装置は、配送管理システム1を管理する管理者、又は無人機30を管理する管理者が用いる装置である。管理者装置は、携帯端末装置20とほぼ同様な構成であってもよい。管理者は、管理者装置を用いて無人機30が荷物を置く作業を監視するようにしてもよい。
【0112】
・配送管理システム1としては、無人機制御部32と同じような機能を、サーバ制御部11と無人機制御部32との何れかに備えるように構成してもよい。
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【0113】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0114】
(A) 配送管理装置は、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0115】
(B) 配送管理システムは、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定する判定部と、を備える。
【0116】
(C) (B)に記載の配送管理システムにおいて、前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機により荷物が配送される配送位置から所定距離の範囲内に受取予定者が位置するときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定する。
【0117】
(D) (B)又は(C)に記載の配送管理システムは、受取予定者に通知を行う通知部を備え、前記通知部は、前記無人機が前記配送位置に到着しており、かつ、前記配送位置から前記所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、前記無人機が前記配送位置に到着していることを通知する。
【0118】
(E) (D)に記載の配送管理システムは、前記無人機が前記配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する待機可能時間算出部を備え、前記通知部は、前記無人機が前記配送位置に到着しており、かつ、前記配送位置から所定距離の範囲外に受取予定者が位置するときに、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間を通知する。
【0119】
(F) (E)に記載の配送管理システムにおいて、前記待機可能時間算出部は、前記無人機の電池の残量に基づいて、前記無人機が前記配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する。
【0120】
(G) (E)又は(F)に記載の配送管理システムにおいて、前記待機可能時間算出部は、前記無人機の帰還予定時刻に基づいて、前記無人機が前記配送位置に待機可能である待機可能時間を算出する。
【0121】
(H) (E)~(G)のうち何れかに記載の配送管理システムにおいて、前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっている場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させると判定する。
【0122】
(I) (E)~(H)のうち何れか一つに記載の配送管理システムにおいて、前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっていない場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させずに前記無人機の帰還を判定する。
【0123】
(J) (E)~(I)のうち何れか一つに記載の配送管理システムにおいて、前記判定部は、前記位置情報取得部が取得した受取予定者の位置情報に基づいて、受取予定者が前記配送位置に向かっていない場合に、前記待機可能時間算出部が算出した待機可能時間となったときに、前記無人機から荷物を離脱させずに別の配送位置に荷物を配送させると判定する。
【0124】
(K) 配送管理方法は、1又は複数のコンピュータが、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定することと、を実行する。
【0125】
(L) プログラムは、1又は複数のコンピュータに、無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報を取得することと、前記無人機により配送される荷物の受取予定者の位置情報に基づいて、前記無人機から荷物を離脱させるか否かを判定することと、を実行させる。
【符号の説明】
【0126】
1…配送管理システム、10…配送管理サーバ、11…サーバ制御部、20…携帯端末装置、21…端末制御部、30…無人機、31…無人機制御装置、32…無人機制御部、32A…位置情報取得部、32B…判定部、32C…待機可能時間算出部、32D…通知部。