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特許7589243柔軟性ポーチに収容される生物製剤物質の凍結、保管、および解凍における使用のための保管ユニット、ならびに、そのような保管ユニットのための保護システムを組み立てる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】柔軟性ポーチに収容される生物製剤物質の凍結、保管、および解凍における使用のための保管ユニット、ならびに、そのような保管ユニットのための保護システムを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/14 20230101AFI20241118BHJP
   A61J 1/10 20060101ALI20241118BHJP
   A61J 3/00 20060101ALI20241118BHJP
   B65D 30/16 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
A61J1/14 524
A61J1/10 335Z
A61J3/00 301
B65D30/16 G
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022529115
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020060103
(87)【国際公開番号】W WO2021101778
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-10-16
(31)【優先権主張番号】16/686,554
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521140984
【氏名又は名称】ザルトリウス・ステディム・ノース・アメリカ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Sartorius Stedim North America Inc.
【住所又は居所原語表記】565 Johnson Avenue, Bohemia, New York 11716, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マーク・サンチェス
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0125628(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0125757(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0128707(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0125754(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/16
A61J 1/14
A61J 3/00
A61J 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性ポーチに収容される生物製剤物質の凍結、保管、および解凍に使用するための保管ユニット(10)であって、前記保管ユニットは、
2つの板(12A、12B)を備える、前記柔軟性ポーチを保護するための保護体(12)であって、長手方向軸(A')、および、前記保護体(12)の2つの長手方向側部(121、122)における2つの周縁部分(8a、8b)をさらに備える、保護体(12)と、
保持保定装置(HR; HR')であって、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)に係合される位置決め部材(PM)を含む、保持保定装置(HR; HR')と
を備え、
前記2つの板(12A、12B)はそれぞれ、
前記柔軟性ポーチを被覆するための被覆部分(8)であって、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)を分離する、被覆部分(8)を備え、
前記2つの板(12A、12B)は、前記柔軟性ポーチを拘束するために前記柔軟性ポーチを挟むことができ、前記保護体(12)は、保護体平面(P)に沿って、前記柔軟性ポーチの空状態において平面で延び、
前記保護体(12)は、前記2つの板(12A、12B)を、前記保護体平面(P)に属する横方向において移動、伸長、および収縮させるために、前記保持保定装置の2つの別々の保護部によって画定される隙間において、前記保持保定装置(HR; HR')に対して変位可能であり、
前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)のそれぞれの長手方向端部(81、83)におけるより大きいクリアランス範囲(X2)と比較して、前記保護体のその中央部における収縮ストロークのためのより小さいクリアランス範囲(X1)を有するために、前記位置決め部材(PM)の全部または一部が、前記保護体の前記2つの板の間に挟まれる前記柔軟性ポーチの充填に起因して、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)の内向きの移動を局所的に停止するための停止部を形成する、保管ユニット。
【請求項2】
前記位置決め部材(PM)は、長手方向に分配され、
1つまたは複数の中間部(82)における、および、
任意選択で、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)のそれぞれの長手方向端部(81、83)における、
前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)との前記位置決め部材(PM)の係合に起因する、停止する効果によって、前記保護体(12)の前記長手方向側部(121、122)の収縮ストロークを制限するようにそれぞれ構成され、
前記より小さいクリアランス範囲(X1)は、前記保護体の前記2つの長手方向側部(121、122)の収縮ストロークが、前記保護体の前記2つの板の間に挟まれる前記柔軟性ポーチの充填に起因して、前記1つまたは複数の中間部(82)においてと比べ、それぞれの前記端部(81、83)において、より限定されないように、前記1つまたは複数の中間部(82)における前記位置決め部材(PM)の前記係合のために提供される、請求項1に記載の保管ユニット。
【請求項3】
前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)は、前記2つの板(12A、12B)が、前記保護体(12)を形成するための所定の重ねられた構成において、少なくとも前記2つの周縁部分(8a、8b)において相互に留め付けられると、前記2つの板(12A、12B)の間の位置におけるずれを防止するための留め付け組立体の一部である、請求項1または2に記載の保管ユニット。
【請求項4】
いくつかの保護体貫通スロット(51、52、53)が、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)の各々に設けられ、長手方向に分配され、
前記2つの保護部は、前記保護体(12)の下方で延びる第1のフレーム(3)と、前記保護体(12)の上方で延びる第2のフレーム(4)とである、2つの部品から成り、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームのうちの一方は、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームのうちの他方の受入調整部材と直接的に接触するために、前記保護体貫通スロット(51、52、53)を介して挿入される複数の挿入ピン(E)を備える、請求項1に記載の保管ユニット。
【請求項5】
前記2つの保護部は、前記保護体(12)の下方で延びる第1のフレーム(3)と、前記保護体(12)の上方で延びる第2のフレーム(4)とである、2つの部品から成り、前記2つの部品は、剛性または半剛性であり、前記位置決め部材(PM)を担持するかまたは一体的に備える環状プラスチック外殻の相補的な半体である、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管ユニット。
【請求項6】
前記2つの部品は、
前記保護体(12)の対応する被覆部分(8)を全体的に被覆するように、および、前記2つの周縁部分(8a、8b)を挟むように、それぞれ構成される2つの部品、または、
前記2つの周縁部分(8a、8b)を挟むように構成される、同じ環状の形の2つの部品
から選択される、請求項4または5に記載の保管ユニット。
【請求項7】
それぞれの前記端部(81、83)は、前記位置決め部材(PM)のうちの4つの位置決め部材によって交差させられる4つの端部を含み、
前記1つまたは複数の中間部(82)は、前記位置決め部材(PM)のうちの位置決め部材の対によって拘束される2つの中間部を備え、前記2つの中間部の各々は、前記4つの位置決め部材とは別である、前記対の一方の位置決め部材によって交差させられ、前記2つの中間部は、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)において分配される、請求項2に記載の保管ユニット。
【請求項8】
前記位置決め部材(PM)は、前記被覆部分(8)の周りに分配され、前記位置決め部材(PM)の各々は、前記保護体貫通スロット(51、52、53)を通じて延びる不動部材として構成され、それぞれの前記端部(81、83)として2つのステップで制限されることができる前記保護体(12)の前記2つの長手方向側部(121、122)の前記収縮ストロークは、前記保護体貫通スロット(51、52、53)の横方向の大きさにおける差に起因して、前記1つまたは複数の中間部(82)が阻止された後に所定位置で阻止される、請求項2または7に記載の保管ユニット。
【請求項9】
前記位置決め部材(PM)は前記被覆部分(8)の周りに分配され、前記位置決め部材(PM)の各々は、前記保護体貫通スロット(51、52、53)を通じて延びる不動部材として構成され、それぞれの前記端部(81、83)として2つのステップで制限させることができる前記保護体(12)の前記2つの長手方向側部(121、122)の前記収縮ストロークは、前記位置決め部材(PM)の横方向の大きさにおける差に起因して、前記1つまたは複数の中間部(82)が阻止された後に所定位置で阻止される、請求項2または7に記載の保管ユニット。
【請求項10】
いくつかの保護体貫通スロット(51、52、53)が、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)の各々に設けられ、長手方向に分配され、
前記保護体(12)の前記2つの板(12A、12B)の間に挟まれる前記柔軟性ポーチの充填状態において、前記被覆部分(8)が、前記2つの中間部のうちの一方から前記2つの中間部の他方へと延びる狭窄線によって分離される2つの膨らみを形成するように、前記保護体(12)の前記2つの長手方向側部(121、122)の収縮ストロークを制限するために、位置決め部材の前記対は、前記保護体の2つの対応する貫通スロットに係合させられる、請求項7に記載の保管ユニット。
【請求項11】
いくつかの保護体貫通スロット(51、52、53)が、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)の各々に設けられ、長手方向に分配され、
前記柔軟性ポーチを充填するとき、追加の位置決め部材の前記対は、前記保護体貫通スロットのうちの4つの対応する保護体貫通スロットに分配されている前記4つの位置決め部材のいずれかとの当接係合の前に、前記保護体貫通スロットのうちの2つの対応する保護体貫通スロットにおいて当接係合している、請求項7に記載の保管ユニット。
【請求項12】
前記4つの端部(81、83)は、同じ所与の周縁部分の中央領域と比較して、前記2つの周縁部分(8a、8b)のうちの1つの所与の周縁部分の中で内向きにずらされた位置をそれぞれ有し、前記2つの中間部(82)のうちの一方は、前記中央領域に含まれる、請求項7に記載の保管ユニット。
【請求項13】
前記保護体(12)は、約華氏25度または-4℃において脆性ではない耐凍結性のポリエステルまたは共ポリエステルの材料から作られ、前記材料は、好ましくはPETまたはTRITANである、請求項1から12のいずれか一項に記載の保管ユニット。
【請求項14】
生物製剤組成を収容するための凍結/解凍収容システムであって、
請求項1に記載の保管ユニット(10)と、
前記2つの板(12A、12B)の間に挟まれる柔軟性ポーチ(2)であって、生物製剤組成を好ましくは収容し、前記保護体(12)の材料より柔軟である、柔軟性ポーチ(2)と
を備える凍結/解凍収容システム。
【請求項15】
前記2つの板(12A、12B)は、前記2つの周縁部分(8a、8b)の間で延びる前記被覆部分(8)によって前記柔軟性ポーチ(2)を拘束する、請求項14に記載の凍結/解凍収容システム。
【請求項16】
前記2つの板(12A、12B)は、前記2つの周縁部分(8a、8b)のうちの一方に少なくとも部分的に含まれる周囲側において、前記柔軟性ポーチに接続されるホースを保持するための組立体を備え、
前記システムは、ホースを保持するための前記組立体によって保持される部分を少なくとも備える少なくとも1つのホースを備え、
前記より小さいクリアランス範囲(X2)を有するために関与する1つまたは複数の保護体貫通スロット(51、52、53)が、前記柔軟性ポーチ(2)と、ホースを保持するための前記組立体との間に配置される、請求項14または15に記載の凍結/解凍収容システム。
【請求項17】
請求項14に記載の凍結/解凍収容システムであり、前記凍結/解凍収容システムの前記柔軟性ポーチ(2)に収容される前記生物製剤組成を保管し、前記生物製剤組成の凍結および解凍に耐えるための保護システムを組み立てる方法であって、
柔軟性ポーチ(2)を、保護体(12)の2つの板(12A、12B)の間で、前記柔軟性ポーチ(2)を被覆するための前記2つの板(12A、12B)において分配される被覆部分(8)によって選択的に挟むステップであって、前記保護体(12)は、前記柔軟性ポーチ(2)を保護するように構成され、前記2つの板(12A、12B)を備え、前記保護体(12)は、長手方向軸(A')、および、前記保護体(12)の2つの長手方向側部(121、122)における2つの周縁部分(8a、8b)をさらに備え、前記被覆部分(8)は、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)を分離し、前記保護体(12)は、保護体平面(P)に沿って、少なくとも前記柔軟性ポーチ(2)の空状態において平面で延びる、ステップと、
前記柔軟性ポーチ(2)に収容される生物製剤物質の凍結、保管、および解凍における使用のための保管ユニット(10)を、保持保定装置(HR、HR')の2つの別々の保護部の間に前記保護体(12)を配置することで形成するステップであって、前記保持保定装置は、前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)に係合される位置決め部材(PM)を含み、前記保持保定装置(HR、HR')の前記2つの別々の保護部は、前記2つの保護部の間に挟まれ、前記2つの保護部によって画定される隙間に配置される前記保護体(12)を有するために、好ましくは前記位置決め部材(PM)によって、相互係止される、ステップと、
前記柔軟性ポーチ(2)の充填状態において、前記柔軟性ポーチ(2)を前記2つの板(12A、12B)によって拘束し、前記保護体(12)を、前記保護体平面(P)に属する横方向に拡張および収縮する前記2つの板(12A、12B)の移動によって、前記隙間において変位させるステップであって、前記位置決め部材(PM)は、長手方向に分配され、
1つまたは複数の中間部(82)における、および、
前記2つの反対の周縁部分のそれぞれの長手方向端部(81、83)における、
前記2つの反対の周縁部分(8a、8b)との前記位置決め部材(PM)の係合に起因する、保定効果によって、前記保護体(12)の前記長手方向側部(121、122)の収縮ストロークを制限する、ステップと
を含み、
より小さいクリアランス範囲(X1)が、前記保護体の前記2つの長手方向側部(121、122)の収縮ストロークが、前記保護体(12)の前記2つの板(12A、12B)の間に挟まれる前記柔軟性ポーチ(2)の充填に起因して、前記1つまたは複数の中間部(82)においてと比べ、それぞれの前記端部(81、83)において、より限定されないように、前記1つまたは複数の中間部(82)における前記位置決め部材の前記係合のために提供される、方法。
【請求項18】
前記柔軟性ポーチ(2)が、前記柔軟性ポーチを液体状態における前記生物製剤組成で満たすときに膨張させられ、前記被覆部分(8)は、第1の位置決め部材と、前記第1の位置決め部材と相互作用する第1の保護体貫通スロット(52)との間の第1の相対変位に起因して、前記柔軟性ポーチの2つの反対の端より大きく前記柔軟性ポーチの中央を拘束し、前記第1の保護体貫通スロット(52)は、前記周縁部分(8a、8b)の各々における中間位置に設けられ、
前記第1の相対変位は、第2の位置決め部材と、前記第2の位置決め部材と相互作用する第2の保護体貫通スロット(51、53)との間の第2の相対変位より小さく、前記第2の保護体貫通スロット(51、53)の各々は、前記周縁部分の前記長手方向端部のうちの1つに設けられる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記位置決め部材には、
第1のクリアランス範囲(X1)の中の側方位置において、前記2つの周縁部分(8a、8b)の2つの中間部(82)を前記保持保定装置(HR、HR')に取り付けるように構成される相互係止部材を有する第1の相互係止組立体であって、前記第1のクリアランス範囲(X1)は、前記長手方向軸(A')に対して垂直で前記保護体平面(P)と平行な方向において測定される、第1の相互係止組立体と、
前記位置決め部材(PM)の一部であり、第2のクリアランス範囲(X2)の中で調整可能である調整可能位置において、前記2つの周縁部分(8a、8b)において分配される4つのそれぞれの端部(81、83)を前記保持保定装置(HR、HR')に取り付けるように構成される相互係止部材を有する第2の相互係止組立体であって、前記第2のクリアランス範囲(X2)は、前記長手方向軸(A')に対して垂直で前記保護体平面(P)と平行な方向において測定される、第2の相互係止組立体と
が設けられ、
前記保護体(12)の前記2つの板(12A、12B)の間に挟まれる前記柔軟性ポーチ(2)の前記充填状態において、それぞれの前記端部(81、83)は、前記2つの中間部(82)より大きく内向きに移動することができるように、前記第1のクリアランス範囲(X1)は、前記第2のクリアランス範囲(X2)より小さい、請求項17または18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、生物製剤流体を収容するように特別に設計された柔軟性ポーチの保護に関し、より広義には、生物製剤流体を収容するためのシステムに関する。本発明は、そのようなシステム内の生物製剤流体を凍結および解凍するように適合されているシステムを製造する/組み立てるための方法にも関する。生物製剤流体は、例えば、培地、細胞培養物、緩衝液、人工栄養液、血液分画、血液由来成分、もしくは医薬液、または、より広義には、医療分野で使用されるように特別に設計された流体といった、バイオテクノロジに由来する流体を意味する。当然ながら、流体は、(典型的には、0℃よりはるかに低い温度で)凍結した後に固体に、または部分的に固体になり得る。
【背景技術】
【0002】
生物製剤流体を収容するために柔軟性ポーチを使用することが知られている。柔軟性ポーチは、小さな機械的応力に損傷なく耐えることができる。したがって、漏れの危険性が低減されている。さらに、柔軟性ポーチは、内部に生物製剤流体がないときに平坦に折り畳める、または保管できるため、有利である。したがって、柔軟性ポーチは小さな体積を占める。
【0003】
柔軟性ポーチは、一回の使用のために、および、1リットルから500リットルの間である生物製剤流体の体積を収容するように、概して設計される。
【0004】
しかしながら、明確には、例えばいくつかの工場エリアの間で、または、流体の提供者からその流体を使用するクライアントまで、流体で満たされた柔軟性ポーチの発送について、そして保管についても、柔軟性ポーチは、漏れの危険性は小さいが、保護されなければならない。
【0005】
文献EP-2322442は、柔軟性ポーチのための容器を開示している。容器は、剛性であって、共通の縁に沿って連結されて、単一の部品の容器を形成する下方部および上方部を備える。容器は、柔軟性ポーチの体積よりはるかにより影響力のある体積を有する。実際、容器は、上方部および下方部の内部壁である、柔軟性ポーチのための位置決め手段を備える。この位置決め手段は、容器の全体積より小さい柔軟性ポーチのための体積を定める。
【0006】
結果として、容器は実用的でない体積を有する。さらに、柔軟性ポーチは、位置決め手段によって保持されていない場合、特に発送の間、容器内で動かされる可能性がある。したがって、漏れの危険性が増加する。
【0007】
以下、バッグまたはポーチと呼ばれる一回の使用のポリマ容器は、液体の状態での生物製剤の保管にうまく使用されている。現在、エチレン酢酸ビニール(EVA)または低密度ポリエチレン(LDPE)から作られたバッグは、周囲温度または低温(2~8℃)においての生物学的バルクの保管および発送に適していることが分かっている。しかしながら、現在検討されているようなバッグによる凍結用途には問題が存在する。低温において、プラスチック材料の物理的特性は、外部の力、つまり、裂けることなく衝撃を吸収するバッグの能力を低減させ得る脆性をもたらすだけの変化をする可能性がある。また、氷の体積拡張が、バッグ、ポート、配管、またはコネクタの破損をもたらす相当の機械的応力を引き起こす可能性がある。現在市販されている保護なしのバッグが、凍結された製品を適切に保護しないことは、よく知られている。
【0008】
バッグの破損に関連する問題を排除するために、Sartorius Stedim Biotechは、柔軟性ポーチを半剛性の保護外殻と組み合わせたCelsius(商標)FFTの概念(FFTは「Flexible Freeze and Thaw(柔軟な凍結および解凍)」を表す)を開発した。保護外殻の貢献は、処理条件または取扱条件から生じる応力の吸収において支配的である。
【0009】
米国特許出願公開第2018/125757号の文献は保護体を提供しており、それによって、柔軟性ポーチは、保護体の2つの板によって、拘束する効果を伴って挟まれる。凍結/解凍保護システムが、このような保護体によって包まれる一回の使用の柔軟な容器と、保護外殻とを組み合わせることで、得られ得る。しかしながら、均一の流体の分布は、柔軟な容器の充填状態において、中央に相当の膨らみ(大きな膨出)が形成されるため、困難である可能性がある。したがって、凍結状態において、氷拡張は比較的著しく、より多くの時間が、ポーチの内部容積の中央におけるこの大きな質量を凍結させるために必要とされることになる。
【0010】
WO2015/200218の文献は、一回の使用の容器(柔軟な容器)と外殻との組み合わせを開示しており、タフティング連結が、容器の空洞を複数の領域へと分割するために設けられている。これは、相当の膨らみを有する危険性を制限するために興味のあることであり、それによって、液体質量の集中が柔軟な容器の中央部分において防止される。このような設計は、特には、容器の設計がより複雑となり、一回の使用の容器のコストを増加させてしまうため、幅広く使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】EP-2322442
【文献】米国特許出願公開第2018/125757号
【文献】WO2015/200218
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、柔軟性ポーチの設計の柔軟性を保ちながら、柔軟性ポーチ(典型的には、充填状態で膨張する2Dポーチ)の中央領域における液体質量の集中を制限するのに効率的である堅牢な凍結/解凍の封じ込めおよび保護システムを得るための保管ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的ために、本発明の実施形態は、柔軟性ポーチに収容される生物製剤物質(例えば、任意の適切な生物製剤組成)の凍結、保管、および解凍における使用のための保管ユニットであって、その保管ユニットは、
- 2つの板を備える、柔軟性ポーチを保護するための保護体であって、長手方向軸、および、保護体の2つの長手方向側部における2つの周縁部分をさらに備える、保護体と、
- 保持保定装置であって、2つの反対の周縁部分に係合される位置決め部材を含む、保持保定装置と
を備え、2つの板はそれぞれ、
- 柔軟性ポーチを被覆するための被覆部分であって、2つの反対の周縁部分を分離する被覆部分を備え、
2つの板は、柔軟性ポーチを拘束するために柔軟性ポーチを挟むことができ、保護体は、保護体平面に沿って、柔軟性ポーチの空状態において平面で延び、
保護体は、2つの板を、保護体平面に属する横方向において移動、伸長、および収縮させるために(収縮は、ポーチを充填するときに起こる)、保持保定装置の2つの別々の保護部によって画定される隙間において典型的には変位可能であり、
2つの反対の周縁部分のそれぞれの長手方向端部におけるより大きいクリアランス範囲と比較して、保護体のその中央部における収縮ストロークのためのより小さいクリアランス範囲を有するために、位置決め部材の全部または一部が停止部を形成する、保管ユニットを提供する。
【0014】
典型的には、停止部は、保護体の2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチの充填に起因して、2つの周縁部分の内向きの移動を局所的に停止するように作用する。
【0015】
いくつかの実施形態では、位置決め部材は、長手方向に分配され、
- 1つまたは複数の中間部における、および、
- 2つの反対の周縁部分のそれぞれの長手方向端部における、
2つの反対の周縁部分との位置決め部材の係合に起因する、停止する効果によって、保護体の長手方向側部の収縮ストロークを制限するようにそれぞれ構成され、
より小さいクリアランス範囲は、保護体の2つの長手方向側部の収縮ストロークが、保護体の2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチの充填に起因して、1つまたは複数の中間部においてと比べ、それぞれの端部においてより限定されないように、1つまたは複数の中間部における位置決め部材の係合のために提供される。
【0016】
このような配置であれば、より容易な凍結ステップが、ポーチの設計を必ずしも変更することなく得られ、これは、一方では、知られている設計を用いることにおける自信を高め、凍結したポーチを取り扱うときの自信を高める(保護体および外殻、または同様の保持保定装置によって、良好に保護される)。
【0017】
より大まかには、板周辺は、調整された低減(収縮ストローク)で変化することができ、この低減は、収縮ストロークの制御のために、このような寸法の減少を防止または制限するいくつかの位置決め部材の長手方向の位置に依存して異なることが理解される。有利には、大きいストロークまたはより大きいストロークは、被覆部分の中央部が検討されている限り許容されない。対照的に、中間の長手方向位置に配置される特定の位置決め部材は、保護本体の長手方向側部が、保護体の角または前端/後端の近くの部分まで内向きに移動させられるのを防止するように作用する。
【0018】
保持保定装置と保護体との関連は、ポーチを充填するときの拡張を制御するために、および、凍結過程による追加のポーチ拡張を制御するためにも、興味のあることである。保護体がポーチを直接的に拘束するため、拘束の効果は、調整された拘束効果が提供され、ポーチの中央領域における過剰な液体の蓄積を防止するように、位置決め部材の異なる分配を介して有利に調節することができる。
【0019】
典型的には、保護体は、柔軟性ポーチの2つの主要な反対の面を被覆するように装着され、保護体と、保護体によって被覆される柔軟性ポーチとから成る組立体が、柔軟性ポーチの前縁および後縁から等しい距離に設けられ、中央部分の所定の長手方向の大きさと同じ長手方向の大きさの2つの他の相補的な部分を分離する被覆部中央部分において(したがって、所定の大きさは、被覆部分が柔軟性ポートと同じ長さを有するため、柔軟性ポーチの長手方向の大きさの3分の1に実質的に等しい)、より大きな膨らみなしで、2つの保護部によって画定される内部空洞を満たすことができるように、拡張状態において体積で展開するように適合される拡張案内要素として作用する。
【0020】
保護体は、2つの板を互いに固定するための取り付け装置を備え得る。
【0021】
いくつかの選択肢では、2つの反対の周縁部分は、2つの板が、保護体を形成するための所定の重ねられた構成において、少なくとも2つの周縁部分において相互に留め付けられると、2つの板の間の位置におけるずれを防止するための留め付け組立体の一部である。より大まかには、保護体には、2つの板を互いに固定するための取り付け装置が設けられ得る。ある変形では、このような取り付け装置は板の外側に設けられ得る。
【0022】
柔軟性ポーチの高さは、保護体による収容効果、および、収縮ストロークの規制による保護体の中央領域におけるベルト効果のため、ポーチのいずれかの他の寸法の20%を典型的には超えることができない。より大まかには、中央における収縮の制限は、ベルトが中央において容器を留め付けているかのように、ポーチの中心において成長する膨出/膨らみを制限することになる。この拘束の下で、保管されている液体は、短手側または前側/後側へと分散されることになる。
【0023】
好ましくは、2つの板は、柔軟性ポーチの収容効果および2D設計のため、板によって挟まれるポーチの最大充填状態においてであっても、保護体平面と概して平行に延びるとして見なすことができる。典型的には、保護体(被覆部分と相補的である)の周囲の周縁が、保護体平面を定めることができる。この周囲の周縁は、環状であり、好ましくは4つの主要な側部を伴う(概して矩形である)。
【0024】
任意選択で、いくつかの保護体貫通スロットは、2つの反対の周縁部分の各々に設けられ、長手方向に分配される。
【0025】
取り付け装置は、保護体貫通スロットのうちの一部と相互作用してもよい、または、保護体貫通スロットに対して交互の場所で分配されてもよい。
【0026】
いくつかの選択肢では、2つの反対の周縁部分には、保持保定装置の保護部と相互係止することができるレリーフ(中空部および/または突出部)が設けられる。このような保護部は、上方保護部および下方保護部であり得る。下方保護部および上方保護部のうちの少なくとも一方には、2つの反対の周縁部分のうちの周縁部分を被覆するために、保護体の第1の側と平行な第1の細長い区域が設けられてもよい。第2の細長い区域が、他方の周縁部分を被覆するために設けられてもよい。
【0027】
いくつかの選択肢では、保護部は、第1の細長い区域と第2の細長い区域とを含むフレームであり、好ましくは環状の形のフレームである。他の選択肢では、第1の区域および第2の区域は、保持保定装置の上方組立体(または下方組立体のそれぞれ)において、別々の被覆部材に属する。
【0028】
より一般には、保護体のための隙間は、フレームの対を形成する2つの部品によって、一体品のフレームといくつかの部品を含む組立体とによって画定され、または、保持保定装置の上方組立体と保持保定装置の下方組立体とにおいて分配されるいくつかの部品によって、画定され得る。したがって、保護部は、いくつかの選択肢において、1つ、2つ、またはいくつかの部品から成り得る。
【0029】
本発明のユニットの様々な実施形態において、以下の構成(dispositions)のうちの1つまたは複数も、任意選択で請求され得る。
- 保護体は、保護体周辺において収縮の輪郭を有するために、位置決め部材によって直接的に係合され、保護体の中央領域において係合される位置決め部材の直接的な係合により、周縁部分において、低減がほとんどない、または収縮がより小さい。
- 2つの保護部が2つの部品から成る。
- 2つの保護部は、保護体の下方で典型的には延びる第1のフレームと、保護体の上方で典型的には延びる第2のフレームとである。
- 第1のフレームおよび第2のフレームのうちの一方は、第1のフレームおよび第2のフレームのうちの他方の受入調整部材と直接的に接触するために、保護体貫通スロットを介して挿入される複数の挿入ピン/挿入要素を備える。
- 2つの部品は、剛性または半剛性である環状プラスチック外殻の相補的な半体である。
- プラスチック外殻は、位置決め部材を担持する、または一体的に含む。
- 位置決め部材の全部または一部は、外殻の一体部であり得る。
- 2つの部品は2つの周縁部分を挟むように構成される。
- 2つの部品は、保護体の対応する被覆部分を全体で被覆するようにそれぞれ構成される2つの部品、または、同じ環状の形の2つの部品(2つの周縁部分を挟むように構成される)のいずれかである。
- それぞれの端部は、位置決め部材のうちの4つの位置決め部材によって交差させられる4つの端部を含む。
- 1つまたは複数の中間部は、追加の位置決め部材の対によって拘束される2つの中間部を備える。
- 2つの中間部の各々は、4つの位置決め部材とは別である前記対の追加の位置決め部材によって交差させられ、2つの中間部は、2つの反対の周縁部分において分配される。
- 位置決め部材は被覆部分の周りに分配され、位置決め部材の各々は、保護体貫通スロットを通じて延びる不動部材として構成され、それぞれの端部として2つのステップで制限させることができる保護体の2つの長手方向側部の収縮ストロークは、保護体貫通スロットの横方向の大きさにおける差に起因して、1つまたは複数の中間部が阻止された後に所定位置で阻止される。
- 位置決め部材は被覆部分の周りに分配される。
- 位置決め部材の各々は、不動部材として(つまり、柔軟性ポーチの局所的な拡張を移動可能に収容するために変形する保護体の板についての不動の基準として)構成される。
- 各々の不動部材は、保護体貫通スロットを通じて延び、それぞれの端部として2つのステップで制限させることができる保護体の2つの長手方向側部の収縮ストロークは、位置決め部材の横方向の大きさにおける差に起因して、1つまたは複数の中間部が阻止された後に所定位置で阻止される。
- 保護体の2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチの充填状態において、被覆部分が、2つの中間部のうちの一方から2つの中間部の他方へと延びる狭窄線によって分離される2つの膨らみを形成するように、保護体の2つの長手方向側部の収縮ストロークを制限するために、追加の位置決め部材の対は、保護体の2つの対応する貫通スロットに係合させられる。
- 柔軟性ポーチを充填するとき、追加の位置決め部材の対は、保護体の4つの対応する貫通スロットに分配されている4つの位置決め部材のいずれかとの当接係合の前に、貫通スロットのうちの2つの対応する貫通スロットにおいて当接係合している。
- 4つの端部は、同じ所与の周縁部分の中央領域と比較して、2つの周縁部分のうちの1つの所与の周縁部分の中で内向きにずらされた位置をそれぞれ有し、2つの中間部のうちの一方は中央領域に含まれる。
- 保護体は、約華氏25度または-4℃において脆性ではない耐凍結性のポリエステルまたは共ポリエステルの材料から作られる。
- 保護体の材料はPETである。
- 保護体の材料はTRITAN(つまり、透明な非晶質熱可塑性材料であり、典型的には、3つの単量体を組み合わせることで作られるTRITAN(商標)と呼ばれる共ポリエステル化合物であり、この材料のある配合は添加物を含まないが、他のものは約10%以下の添加物を含む)である。
- 保護体の材料は、以下の単量体、すなわち、テレフタル酸ジメチル、2.2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールおよび1.4シクロヘキサンジメタノールを組み合わせることで作られる非晶質共ポリエステルである。
- 保持保定装置の2つの別々の保護部は、2つの保護部の間に挟まれ、2つの保護部によって画定される隙間に配置される保護体を有するために、位置決め部材によって相互係止される。
- 中間部のうちの1つは、ホース(ポーチのホースであり得る)を保持するための組立体に好ましくは隣接する周縁部分の外部領域によって、貫通スロットに挿入される位置決め部材の不動表面に内向きに当接する。
- 保護体の2つの反対の側部は、平行であり、板同士の端の接合に形成される保護体の端縁同士の間で延びる。
- 位置決め部材の各々は、2つの周縁部分のうちの一方に形成される少なくとも1つの切込みを通じて延びることで、2つの反対の周縁部分のうちの一方を通じて延びるように係合される。
- 保護体平面は、矩形で分配され、外殻の2つの保護部とそれぞれ接触して分配される4つの周縁部分と交差し、4つの周縁部分は被覆部分の周りに配置され、2つの反対の周縁部分はこのグループの一部である。
【0030】
他の態様によれば、本発明の実施形態は、生物製剤組成を収容するための凍結/解凍収容システムであって、
- 前述されているものなどの保管ユニットと、
- 2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチであって、生物製剤組成を好ましくは収容し、保護体の材料より柔軟である柔軟性ポーチと
を備える凍結/解凍収容システムを提供する。
【0031】
好ましい選択肢において、2つの板は、2つの周縁部分の間で延びる被覆部分によって柔軟性ポーチを拘束し、柔軟性ポーチは、ポーチが位置決め部材と干渉することがないように、被覆部分と接触している2つの外側部を有する(保護体は2つの板から成るだけであり、保護効果は、ポーチへの板の直接的な接触によって得られる)。
【0032】
具体的な特徴によれば、2つの板は、2つの周縁部分のうちの一方に少なくとも部分的に含まれる周囲側において、柔軟性ポーチに接続されるホースを保持するための組立体を備える。
【0033】
任意選択で、システムは、ホースを保持するための組立体によって保持される部分を少なくとも備える少なくとも1つのホースを備え、より小さいクリアランス範囲を有するために関与さする1つまたは複数の保護体貫通スロットが、柔軟性ポーチと、ホースを保持するための組立体との間に配置される。
【0034】
他の態様によれば、実施形態は、凍結/解凍収容システムの柔軟性ポーチに収容される生物製剤組成を保管し、生物製剤組成の凍結および解凍に耐えるための保護システムである、先に提唱された凍結/解凍収容システムを組み立てる方法であって、
- 柔軟性ポーチを、保護体の2つの板の間で、柔軟性ポーチを被覆するための2つの板において分配される被覆部分によって選択的に挟むステップであって、保護体は、柔軟性ポーチを保護するように構成され、2つの板を備え、保護体は、長手方向軸、および、保護体の2つの長手方向側部における2つの周縁部分をさらに備え、被覆部分は、2つの反対の周縁部分を分離し、保護体は、保護体平面に沿って、少なくとも柔軟性ポーチの空状態において平面で延びる、ステップと、
- 柔軟性ポーチに収容される生物製剤物質の凍結、保管、および解凍における使用のための保管ユニットを、保持保定装置の2つの別々の保護部の間に保護体を配置することで形成するステップであって、保持保定装置は、2つの反対の周縁部分に係合される位置決め部材を含み、保持保定装置の2つの別々の保護部は、2つの保護部の間に挟まれ、2つの保護部によって画定される隙間に配置される保護体を有するために、好ましくは位置決め部材によって、相互係止される、ステップと、
- 柔軟性ポーチの充填状態において、柔軟性ポーチを2つの板によって拘束し、保護体を、保護体平面に属する横方向に拡張および収縮する2つの板の移動によって、隙間において変位させるステップであって、位置決め部材は、長手方向に分配され、
- 1つまたは複数の中間部における、および、
- 2つの反対の周縁部分のそれぞれの長手方向端部における、
2つの反対の周縁部分との位置決め部材の係合に起因する、保定効果によって、保護体の長手方向側部の収縮ストロークを制限する、ステップと
を含み、
より小さいクリアランス範囲が、保護体の2つの長手方向側部の収縮ストロークが、保護体の2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチの充填に起因して、1つまたは複数の中間部においてと比べ、それぞれの端部においてより限定されないように、1つまたは複数の中間部における位置決め部材の係合のために提供される、方法を提供する。
【0035】
いくつかの選択肢では、柔軟性ポーチが、柔軟性ポーチを液体状態における生物製剤組成で満たすときに膨張させられ、各々の被覆部分は、第1の位置決め部材と、第1の位置決め部材と相互作用する第1の保護体貫通スロットとの間の第1の相対変位に起因して、柔軟性ポーチの2つの反対の端より大きく柔軟性ポーチの中央を拘束し、第1の保護体貫通スロットは、周縁部分の各々における中間位置に設けられ、
第1の相対変位は、第2の位置決め部材と、第2の位置決め部材と相互作用する第2の保護体貫通スロットとの間の第2の相対変位より小さく、第2の保護体貫通スロットの各々は、周縁部分の長手方向端部のうちの1つに設けられる。
【0036】
いくつかの実施形態では、位置決め部材には、
- 第1のクリアランス範囲の中の側方位置において、2つの周縁部分の2つの中間部を保持保定装置に取り付けるように構成される相互係止部材を有する第1の相互係止組立体であって、第1のクリアランス範囲は、長手方向軸に対して垂直で保護体平面と平行な方向において測定される、第1の相互係止組立体と、
- 位置決め部材の一部であり、第2のクリアランス範囲の中で調整可能である調整可能位置において、2つの周縁部分において分配される4つのそれぞれの端部を保持保定装置に取り付けるように構成される相互係止部材を有する第2の相互係止組立体であって、第2のクリアランス範囲は、長手方向軸に対して垂直で保護体平面と平行な方向において測定される、第2の相互係止組立体と
が設けられ、
保護体の2つの板の間に挟まれる柔軟性ポーチの充填状態において、それぞれの端部は、2つの中間部より大きく内向きに移動することができるように、第1のクリアランス範囲は第2のクリアランス範囲より小さい。
【0037】
典型的には、第2のクリアランス範囲は、板によって挟まれたポーチの充填状態において、ポーチに収容された水性液体の凍結のため(つまり、凍結するときの水の拡張のため)、それぞれの端部をなおも内向きへ移動させるのに十分であり得る。
【0038】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例を用いて提供される、以下に続く説明の間に当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】保護体が分解されている構成における、本発明の一実施形態による生物製剤流体を収容するためのシステムの斜視図である。
図2】凍結/解凍システムを形成するために、2つの別々の保護部が組み立てられる準備ができている、組立てられた図1のシステムの斜視図である。
図3】棚に保管されている、各々が図2に示されている種類のものである、いくつかの凍結/解凍システムを示す図である。
図4】細い切込みと、保護体の収縮方向に沿ってより広い延在の切込みとが設けられている保護体の上板を示す、保護体の上面図である。
図5】保護体と、システムの底を形成する外殻保護部との間の協働を示すために、外殻保護部が取り外された状態での、第1の実施形態による凍結/解凍システムの上面図である。
図6図5からの詳細図である。
図7A】保護体および外殻部を示していない、図5のシステムの内部の液体で満たされた柔軟性ポーチの上面図である。
図7B】保護体および外殻部を示していない、図5のシステムの内部の液体で満たされた柔軟性ポーチの側面図である。
図8】本発明の例示の実施形態における完成した凍結/解凍システムを示す斜視図である。
図9】システムの隅または角の近くのみにおいて保護体の拡張を許容するために、位置決め部材が大きさにおいて変化している第2の実施形態を示す、図5と同様の上面図である。
図10】互いに積み重ねられている2つの第2のシステムの断面図である。
図11図5の凍結/解凍システムの詳細の斜視図である。
図12】外殻と、保護体の切込みまたは貫通スロットとに属する、相補的な形の剛性または半剛性の位置決め部材同士の間で、凍結/解凍システムにおける任意選択の協働を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
様々な図において、同じ符号が、同一または同様の要素を指定するために使用されている。
【0041】
図1図12において、鉛直方向、長手方向、および横方向は、棚において水平方向で保管されている凍結/解凍収容システムに基づかれている。長手方向に対して垂直な方向は横方向である。凍結/解凍収容システム1の高さに応じている1つの方向は、具体的には図1図2および図8において、方向Zによって反映されている鉛直方向である。
【0042】
図1に示されているように、柔軟性ポーチ2が、保護体12の2つの板12A、12Bによって直接的に保護され得る。柔軟性ポーチ2は、典型的には、2つの長手方向側部LS1、LS2によって画定され、その2つの主要な外面において所定の折り目のない実質的な矩形を有する2D式のポーチである。ポーチ2は、非充填状態において実質的に平面で延びる。ポーチ2は2つの主要な壁W1、W2を有し得る。これらの壁W1、W2は、生物製剤流体を収容するための内部容積を画定するために、溶接されたシールまたは周囲シールJにおいて互いに直接的に溶接され得る。より大まかには、柔軟性ポーチ2は、生物製剤物質を収容するための任意の適切な物質のものとでき、冷凍用バッグを形成する。
【0043】
柔軟性ポーチ2は、ここでは水平面である主平面XYにおいて延びている。ポーチ2は、ここでは2つの長手方向側部LS1、LS2である長い側部と平行な長手方向軸Aを有する。
【0044】
図2および図8では、ポーチ2が保管ユニット10に収納され得ることが見て取れる。保管ユニット10は、保護体12と、2つの保護部31、32から作られる保護外殻HRとを備える。任意選択で、ポーチ2は、Celsius(登録商標)FFT式のものとでき、したがって、2つのフレーム3、4によって包囲されるように適合された無菌で一回の使用の使い捨てのできる容器、または同様に熱成形された外殻である。
【0045】
保管ユニット10は、凍結/解凍収容システム1の一部であり、柔軟性ポーチ2と、柔軟性ポーチ2に接続された少なくとも1つのホース16とを備える。図2および図8を参照すると、ポーチ2およびホース16は、保管ユニット10の上部10aを形成する2つの重ねられた部品と、保管ユニット10の底部10bを形成する2つの他の重ねられた部品との間に挟まれることは、理解される。外殻部31または32と板12Aまたは12Bとによって形成される重ねられた部品の各々のグループは、保護体12の2つの板12A、12Bによって柔軟性ポーチ2を包むステップの後、典型的には得られる。別の言い方をすれば、保護体12が最初に組み立てることができ、次に、2つの保護部31、32が外殻HRを形成するために組み立てられる。
【0046】
保護体12および柔軟性ポーチ2は、長手方向Xと横方向Yとを備える。保護体12および柔軟性ポーチ2は、長手方向側部と横方向側部とをそれぞれ備える。保護体12の長手方向軸A'は、保護体の各々の板12A、12Bについての2つの対称的な半体を分離する中央鉛直平面に配置され得る。
【0047】
柔軟性ポーチ2は、明確には、最大で100リットルの生物製剤流体を収容することができるように設計される。しかしながら、柔軟性ポーチ2は、例えば5リットル、10リットル、20リットル、または50リットルといった異なる最大容積の能力を有してもよい。ポーチ2は、長手方向側部LS1、LS2に対して横に延びる前端(横方向側部にある)に結合された1つまたは複数の管を任意選択で備える。より大まかには、ポーチ2は、1つのホース/管、または、ポーチ2の有用部の周囲に接続される任意の適切な数の管16を備え得る。この有用部は、ここでは、2つの主要な壁W1、W2によって形成されている。
【0048】
図1を参照すると、2つのホースまたは管16は、典型的には柔軟性ポーチ2の前縁2Aに接続される。長手方向における前縁2Aと反対の長手方向の端における柔軟性ポーチ2の後縁2Bが、前縁2Aと実質的に平行に延び得る。管16は曲げられ、ポーチ2の長手方向側部LS1、LS2の長さより大きい長さを有し得るが、任意の大きさのホースが使用できる。各々のホース16は、
- ポーチ2より柔軟性のないプラスチック材料から作られた保護体12、および、
- 保護外殻HR
のうちの少なくとも1つに設けられた周囲の支持体への取り付けによって、保護体平面と一致する位置において維持され得る。
【0049】
各々のホース16には、典型的には他の生物製剤装置への接続といった、流体接続のためのコネクタ17が設けられる。したがって、コネクタ17は、柔軟性ポーチ2を、例えばタンクといった他の要素に流体接続することを可能にする。保護体12の長手方向の後側部120bは、2つのコネクタ17の間で延び得る。
【0050】
図2および図8を参照すると、コネクタ17と管16とが、保護外殻10を形成する2つの保護部によって挟まれないように、保護外殻10は、保護体平面Pに沿って延びる隙間を画定するように配置される。このような隙間は、本明細書では鉛直に、Z軸に沿っての保護体12の拡張を可能にするのにも適する。
【0051】
柔軟性ポーチ2は充填動作の間に膨張することができ、これは、ポーチ平面で検討されているような2つの主要な壁W1、W2の周辺が、収縮ストロークとしても知られる、様々な側部の内向きの移動によって縮小することを意味する。ここで、図8に示されているようなシステム1の水平の構成では、4つのポーチの側部が、鉛直方向の拡張(Z軸に沿う)のため、内向きに変位させられ得る。
【0052】
図1を参照すると、ポーチ拡張は、2つの板12A、12Bの材料のより低い柔軟性のため、保護体12によって制限および制御される。保護体は、約華氏25度または-4℃において脆性ではない耐凍結性のポリエステルまたは共ポリエステルの材料から作られる。この材料は、例えば、PETまたはTRITAN(商標)式の堅牢な共ポリエステルである。
【0053】
保護外殻HRは、環状の形のフレーム3、4を組み立てることで得ることができる。フレーム3、4は2つの部品であり、ここでは、保護体12の上方および下方に分配される別々の保護部をそれぞれ形成する。
【0054】
図1に示されているように、柔軟性ポーチ2は、典型的には柔軟性ポーチ2のための取っ手を形成することができる貫通孔2Cを、ここでは横方向側部のうちの1つに沿って備える。主に、貫通孔2Cは、各々のフレーム3、4が2つの板12A、12Bのうちの一方の対応する外面を被覆するように、2つのフレーム3、4または同様の保護部を互いに取り付けるために使用され得る。しかし、板12A、12Bに設けられた他の孔が、同じ目的のために使用されてもよい。
【0055】
より大まかには、取り付け装置は、フレーム3、4を組み立てられた状態で維持するように構成されている1つまたは複数の交差部材を備える。このような交差部材は、2つのフレームの間の保持効果で係合させられ、取り付け手段は、外殻フレーム3、4の鉛直方向の分離を防止するために、交差部材が保護体を通じて移動またはスライドできない係止状態とできる。典型的には、複数の貫通孔は保護体12に設けられてもよく、このような孔は、少なくとも1つの取り付け/交差部材が保護部またはフレーム3、4を互いに取り付けるために配置され得るのに通る自由空間をそれぞれ提供する。したがって、システム1が補強され、これは、例えば発送に関して特に関係する。フレーム3、4は、フレーム側部に沿って、保護体12の対応する貫通孔とそれぞれ一直線に分配される孔を有してもよい。
【0056】
ある変形では、保護外殻HRは、異なる構造を有する保持保定装置によって置き換えられる。例えば、保持保定装置の3つ以上の部品が、保護体の基準平面が変更されないことを確保するために使用されてもよい。保護体12の上方および下方に分配されている別の保護部はそれぞれ、対応する周縁部分と接触している1つまたは複数の区域(可及的に長手方向の細長い区域)を含み得る。
【0057】
挟むことは、保持保定装置に含まれる位置決め部材が、板12Aまたは12Bに形成された縁または当接面に係合されるときに停止部として作用することができれば、いくつかの選択肢では開口または貫通スロットなしで得ることができる。
【0058】
2つの板12A、12Bが、保護体12が最小の体積しか占めないように、柔軟性ポーチ2の形を拘束するのに十分な剛性であることは、理解される。これは、保管または発送にとって特に有利である。例えば、図3に示されているように、装置または棚100は、大きな空間を失うことなく生物製剤流体を収容するために、複数の凍結/解凍システム1を保持することができる(隙間dは、ここでは図示の目的のために誇張されており、間隔は、外殻HRの小さい高さhと典型的には合致する)。装置100は、棚に保管された5つのシステム1を任意選択で保持することができる。
【0059】
より大まかには、柔軟性ポーチ2は、このような種類の装置100に保管されるとき、同時に、凍結、解凍、充填、または空にされ得る。柔軟性ポーチ2が保管されるとき、生物製剤流体は凍結または解凍され得る。柔軟性ポーチ2が発送されるとき、ほとんどの場合では、生物製剤流体は、例えば良好に凍結され得るとしても解凍される。
【0060】
しかしながら、2つの板12A、12Bは、中心領域またはその近くで、周辺の領域より大きい厚さを保護体12に局所的に持たせることができるだけの柔軟性でもある(少なくとも被覆部分8において)。保護体12は長手方向側部121、122と横方向側部120a、120bとを備える。したがって、生物製剤流体が凍結させられるとき、柔軟性ポーチ2の収容する領域または有用部、つまり、周囲シールJに対する内側領域は、若干湾曲させられ得る。したがって、保護体12の長手方向(X)における寸法が若干減少する。この場合、生物製剤流体は、2つの板12A、12Bによって若干拘束される。
【0061】
好ましい実施形態によれば、板寸法の低減(XY平面で検討されるとき)は、収縮ストロークのプロフィールで得られ、このような低減は、収縮ストロークの制御のために、このような寸法の減少を局所的に防止または制限するいくつかの位置決め部材の長手方向の位置に依存して、異なるように調整される。
【0062】
図3は水平での保管のための解決策を示しているが、ポーチ2が、保管ユニット10のおかげで、鉛直に、または、任意の適切な方向に沿って保管され得ることは、理解される。スライド構造が、保管の目的のために鉛直に延び得る環状のフレームまたは同様の保持手段によって担持される保護されたポーチ(凍結状態にある)を有するために、使用されてもよい。
【0063】
保護体の具体的な構造および特徴
図1図2図4図6、および図11を参照すると、板12A、12Bは、好ましくは追加の部品なしで、保護体12を定めることができる。具体的には図1図2に示されているように、保護体12は、保護体12の2つの長手方向側部121、122において、ポーチ2および2つの反対の周縁部分8a、8bを被覆するための被覆部分8を有し得る。ポーチ2の非充填状態において、保護体12は保護体平面Pに沿って平坦に延びる。保護体12は透明とでき、例えば、ポーチ2も透明である。保護体は、板12A、12Bが比較的小さい柔軟性のシートと比較され得るように、薄い本体であり、板は同じ材料から作られる。各々の板12A、12Bの厚さeは、フレーム3、4の最小厚さより小さい。板12A、12Bは、大まかな曲げを有し得るが、容易には折ることができない(柔軟性は実質的にPET程の小ささである)。
【0064】
板12A、12Bは、主要な壁W1、W2に重なり、好ましくは全体を被覆するとき、強固な層をそれぞれ形成する。熱成形の前の各々の板12A、12Bの厚さeは、約1.27mmであり、したがって、板のプラスチック材料が、1.10g/cm3より大きく、好ましくは1.15g/cm3より大きい密度を有するという仮定で(典型的には、1.5または1.6g/cm3を上回ることはない)、2mmより小さくできる。板材料は、例えば、典型的には52~59MPaといった範囲50~60MPaにおいて、典型的には45から75MPaの間である破断における引張強度を有し得る(標準試験ASTM D638)。
【0065】
保護体12は、単一の部品からそれぞれ作られる2つの実質的に平面の板12A、12Bを備える。平面の板12A、12Bは、主平面XYと平行な平面でも延びる。鉛直軸Zに関して、板12Aは下面を形成し、板12Bは上面を形成する。好ましい実施形態では、2つの板12A、12Bは同一であり、主平面XYに関して対称的に互いを向いている。
【0066】
図示されている実施形態は、被覆部分8によって2つの主要な壁W1、W2全体を被覆する保護体12を示しているが、他の大きさが被覆部分8のために使用されてもよい。例えば、保護体12は、ポーチの縁2A、2Bからある距離において、各々の壁W1、W2の横方向のバンド部分だけを被覆してもよい。加えて、1つまたは複数の相補的な保護体が、壁W1、W2の端部のうちの少なくとも1つを被覆するために使用されてもよい。
【0067】
図1を参照すると、保護体12には、2つの板12A、12Bを互いに固定するための取り付け装置も設けられている。板12A、12Bは、図1図2において明確に見られる取り付けシステム18によって互いに取り外し可能に固定され得る。
【0068】
任意選択で、取り付けシステム18は複数のスナップボタン20を備え得る。2つの板12A、12Bのうちの一方は、1つのスナップボタン20の第1の要素20Aを備え、他方の板は、1つのスナップボタン20の相補的な第2の要素20Bを備える。第2の要素20B(可能性として雄要素)は、鉛直軸Zと平行な方向において、第1の要素20A(可能性として雌要素)と係合する。
【0069】
代替で、取り付けシステム18は取り外しできないシステムであり、これは、2つの板12A、12Bが互いに固定されると、2つの板12A、12Bを互いから取り外すことがもはやできないことを意味する。
【0070】
図1図2の非限定的な実施形態において、保護体12は、横方向側部120a、120bと2つの周縁部分8a、8bとに(典型的には、被覆部分8と長手方向側部121、122との間に)スナップボタン20を備える。したがって、2つの板12A、12Bの各々には、2つの板12A、12Bの横方向の端において対称的に配置されるこれらのスナップボタン20の相補的な部材が設けられている。保護体12は、後側部120bにおいてよりも前側部120aにおいてより多くのスナップボタン20を備え得る。典型的には、2つの反対の周縁部分8a、8bは、少なくとも2つの板12A、12Bが周縁部分8a、8bにおいて相互に留め付けられると、2つの板12A、12Bの間の位置におけるずれを防止するように提供されている留め付け組立体の一部として見なされ得る。
【0071】
図5および図8において見られるように、2つの板12A、12Bは、互いに固定されるとき、柔軟性ポーチ2を挟む。保護体12の下面を形成する平面の板12Aは、鉛直軸Zに関して、柔軟性ポーチ2の下面を押す。同様に、保護体12の上面を形成する平面の板12Bは、鉛直軸Zに関して、柔軟性ポーチ2の上面を押す。2つの板12A、12Bは、柔軟性ポーチ2の寸法と実質的に同一である平面の寸法を有する。
【0072】
凍結/解凍システム1は、ここでは2つの留め具11、13である留め具が任意選択で設けられてもよい。各々の留め具11、13は、柔軟性ポーチ2の前縁2Aと、長い側部または同様の長手方向の縁との間の角の近くに位置付けられている。各々の留め具11、13は、真っ直ぐな角度において1つのホース16をそれぞれ挟み付ける。したがって、各々の板12A、12Bは、その前縁と、長手方向軸Aと平行な隣接する縁との間の各々の角に位置付けられた切欠きを備え得る。これらの切欠きは、留め具11、13によって占められ得る自由空間を作り出す。
【0073】
したがって、図1図2に示されている実施形態では、2つの板12A、12Bの各々は、以下、前角と呼ばれる1つの角において2つの切欠きをそれぞれ伴う実質的な矩形を有する。
【0074】
図1においてより具体的に示されているように、長手方向における後縁2Bと貫通孔2Cの一部分とは、2つの板12A、12Bによって挟まれない。柔軟性ポーチ2のこの部分は平坦であり、生物製剤流体を含まない。実際、長手方向における後縁2Bは、互いに溶接される2枚の膜を備える。したがって、柔軟性ポーチ2の一部における生物製剤流体が、2つの板12A、12Bによって保護される。
【0075】
2つの板12A、12Bは柔軟性ポーチ2より剛性がある。結果として、2つの板12A、12Bは、柔軟性ポーチ2を挟むとき、柔軟性ポーチ2を拘束する。したがって、保護体12と柔軟性ポーチ2とは実質的に平面である(および、非充填状態において厳格に平面であり得る)。このような概して平坦な構成および収容効果があれば、保護体12は、保護外殻HRの外側の限度を超えて膨らむことができない。
【0076】
収容効果は、2つの板12A、12Bが主平面XYに対して柔軟性ポーチ2を挟むときに得られる。しかし、保護体12が、周囲側において、柔軟性ポーチ2にアクセスするための少なくとも1つの開口Oを備えるように、ポーチを完全に包んでいないことは、理解される。より大まかには、保護体12は、周囲側に少なくとも1つの開口を備える。図1図2に示されているように、開口Oは、柔軟性ポーチ2の内部および外部を流体的に接続するために、1つのホース16に装着される少なくとも1つのポート24を受け入れることができる。したがって、ここでは前縁の部分がアクセス可能である。
【0077】
さらに、保護体12は、2つの管16を保持するための組立体22を任意選択で備える。2つの板12A、12Bは、それらの周囲側において、管16を保持するための組立体22を形成する相補的な部分(例えば、Z方向に沿う相補的な形)を備える。
【0078】
管16の各々は、ポートによって柔軟性ポーチ2に接続される。2つの前のポート24が提供され得る。例えば、1つのポート24は柔軟性ポーチ2についての入口を形成し、他方のポート24は柔軟性ポーチ2の出口を形成する。2つの管16を保持するための組立体22は、長手方向X(つまり、軸A'と典型的には一致するポーチ長手方向軸A)に対して対称的に配置される。各々の対称的な部分は、1つのホース16を保持することができる。
【0079】
ここで図1図6を参照すると、2つの板12A、12Bは、例えば2つの板の周囲側に規則正しく配置される貫通孔25も備え得ることが見て取れる。貫通孔25は、ポーチ2と干渉しない保護体貫通スロット51、52、53を形成するために、保護体12の組み立て状態において、周縁部分8a、8bと一致し、周縁部分8a、8bにおいて延びる。より大まかには、保護体貫通スロット51、52、53、または任意の種類のレリーフが、長手方向側部121、122の内向きの変位を防止または制限することによって拡張を規制するように適合された相補的な要素と協働するために、周縁部分8a、8bのうちの1つまたは複数に設けられる。このような要素は、典型的には、周縁部分8aまたは8bに含まれる外側縁に当接することで、柔軟性ポーチ2の充填の終わりに長手方向側部区域の最終的な位置を決定することに関わるため、位置決め部材PMを形成している。
【0080】
ここで、板12A、12Bは、図1に示されているように同じ厚さeを有し、厚さeは、ポーチとの接触のための板接触部(ここでは、被覆部分8を形成する)において一定の厚さである。このような厚さeは、貫通スロット51、52、53が設けられる領域において周縁部分8a、8bに存在してもよい。ある変形では、周縁部分8a、8bは、少なくとも1つの追加の強固な層によって補強されてもよい。
【0081】
2つの反対の周縁部分8a、8bの長さは、ここでは実質的に同じである。このような長さは、例えば250mmより大きく、または、好ましくは350mmより大きくでき、優れた堅牢性を有しつつ、好ましくはこれらの周縁部分8a、8bのすべてにおいて、少なくとも1つの周縁部分において規則正しく分配された少なくとも3つの貫通スロット(51、52、53; 52'、54)を提供することは、興味のあることである。この長さは、ポーチ2を充填する前、ポーチ2の全長Lの75%超に対応することができる。
【0082】
保持保定装置の全部または一部を形成する外殻
図2図3図5図6、および図8を参照すると、保管ユニットには外殻HRが設けられている。この保護外殻HRは、半剛性のプラスチック材料または剛性の材料から作られ得る。HDPE外殻が好まれ得る。HDPE外殻は、ある選択肢ではあらかじめ組み立てられ得る。環状の形が、外殻部同士またはフレーム3、4の間で(方向Zに対して横に)延びる板12A、12Bの拡張の視覚的検査を可能にするために、任意選択で提供される。
【0083】
図8を参照すると、環状の形の各々のフレーム3、4は、開口に関して、周囲内側縁114および周囲外側縁116を有する。ここで、周囲内側縁114と周囲外側縁116とは、主平面(XY)と平行な同じ平面に属さない。これらの周囲内側縁114と周囲外側縁116との間において、各々のフレーム3、4は、2つの縁を繋げ、柔軟性ポーチ2に対する各々のフレーム3、4の外面の長手方向縁および横方向縁に規則正しく配置される複数の構造補強体118を典型的には備える。
【0084】
保護体12の周辺の近くでの2つのフレーム3、4の間の離散した相互係止の領域のため、および、それぞれの内部凹所がフレーム3、4の各々に設けられるため(具体的には図10参照)、保護体12は、特に平面XYにおいて、外殻HRのフレーム3および4によって画定される隙間においてずらすことができる。外殻HRのこの配置は、保護体平面Pに属する横方向において、2つの板12A、12Bを移動、拡張、および収縮させることができる。
【0085】
ここで、図2に示されているように、保持保定装置は、外殻HRに設けられた位置決め部材PMにより、外殻HRの組み立て状態において得られる。位置決め部材PMは、好ましくは規則正しい長手方向の間隔で、同じく長手方向で分配された貫通スロット51、52、53と協働するために、長手方向で分配される。外殻HRを形成するために使用される各々の保護部またはフレーム3、4は、周縁部分8a、8bと接触するように適合された、ここでは環状の形の隣接面PFを有する。
【0086】
図10を参照すると、組み立て状態において、外殻HRは最大高さhc(方向Zに沿って測定される)の空洞Cを画定し、最大高さhcは、典型的には、薄い保護体12によって被覆されるポーチ2を受け入れるのに十分である。1つまたは2つの通路CHが、典型的には保護体12によって被覆されないポーチ2の管状コネクタ24を案内および維持するために、外殻HRの2つの前角FCの間の中間の位置において典型的には延びる。周辺からの間隔に伴って高さの増加する空洞Cに対応する、外殻HRによって形成されるアーチ形の筐体は、充填による拡張と両立でき、良好な保護にとっても興味のあることである一方で、鉛直方向の嵩張りを最小限にする。
【0087】
位置決め部材PMは、このような隣接面PFから鉛直に突出する(Z方向に沿って)突出部として構成された挿入要素E(図2参照)を備え得る。保管ユニット10の組み立て状態において、外殻HRの第1の保護部またはフレーム3は、貫通スロット51、52、53において係合される間、他の/第2の保護部またはフレーム4の対向する隣接面に設けられた対応する空洞へと挿入される第1の数の挿入要素Eを備える。挿入要素の各々は、位置決め部材PMに属し、当接接触によって、保護体12のY方向に沿っての内向き移動を制限または防止するのに適する。
【0088】
同様に、外殻HRの第2の保護部またはフレーム4は、貫通スロット51、52、53において係合される間、第1の保護部またはフレーム3の対向する隣接面に設けられた対応する空洞へと挿入される第2の数の挿入要素E(可能性として、第1の数に等しい、または等しくない)を有する。
【0089】
所与の最終的な位置が、柔軟性ポーチ2の充填の終わりに、保護体12のそれぞれの長手方向側部の区域/領域において得られることを確保することは、興味のあることである。このような位置があらかじめわかっているため(所定位置)、ポーチの拡張は、保護体12の周縁部分8a、8bへの制限/保定の効果を介して、位置決め部材PMによって間接的に制御され得る。
【0090】
フレーム3、4は、ここでは下の外殻フレーム3に積み重ねられる板12A、12Bの対の積み重ねの構成のために良好に適合されており、この外殻フレームの相互係止またはピン(位置決め部材PMを形成する)は、平面XYにおける保護体の収縮を制御するために、スロットを形成する板の切込みを通過する。任意選択で、同じ保護体スロット51、52、53、または52'、54は、保護体12を保持および保定するために使用される2つの部品またはフレーム3、4に分配されたピンの対によって横断させられてもよい。
【0091】
図11を参照すると、保護体12は、2つの板12A、12Bの少なくとも一部分を挟み付けるための少なくとも1つの組立体120を備える。組立体120は、2つのフレーム3、4によってそれぞれ担持される2つの相補的な実体120A、120Bを備える。2つのフレーム3、4は、互いに固定されるとき、図12に示されているように、保護体12の一部分の鉛直方向の移動を防止するのに十分な近さとなる。フレーム3、4は、収縮変位を阻止することなくこのような部分を挟み付けることができる。
【0092】
さらに、図2および図11に示されているように、柔軟性ポーチ2に対する各々のフレーム3、4の内面は、2つのフレーム3、4の横方向側部に沿って規則正しく配置された複数の実体122を備える。具体的に図11に示されているように、これらの規則正しい実体122は、管16を保持するための組立体22、および、取っ手システム32を形成する貫通孔と相補的であり得る。したがって、保護体12が2つのフレーム3、4によって包囲されるとき、管16を保持するための組立体22と板12A、12Bの他方の部品との間に自由空間はない。
【0093】
さらに、図12において見て取れるように、鉛直軸Zに関して、下方のフレーム3の各々の実体122は、凹所124と、上面における突出部126とを備える。これらの凹所124および突出部126は、上方のフレーム4の同一の実体によって担持されたものと相補的である。これらの組立体は、2つのフレーム3、4を互いに位置決めさせることができる。
【0094】
ある選択肢では、このような種類の組立体または任意の適切な相互係止手段が、部材Eまたは同様の位置決め部材を形成するために使用でき、その一部は、停止部41、41'を形成するために使用される。少なくとも2つの停止部41、41'は、保護体周縁部分の内向きの変位を停止するための停止効果の分配を得るために使用でき、このような停止効果は、周縁部分8a、8bの同じ中央領域/中間部82にとって興味のあることである。
【0095】
図示されている実施形態が、2つのフレーム3、4に設けられた挿入要素E、または、少なくとも周縁部分8a、8bを被覆する同様の保護部を示しているが、第1のフレーム3および第2のフレーム4のうちの一方が、第1のフレーム3および第2のフレーム4の他方の受入調整部材と直接的に接触するように、保護体貫通スロット51、52、53を介して挿入される複数の挿入ピンまたは同様の挿入要素Eを含み得ることは、理解される。
【0096】
他の要素E'は、充填の前に、保護体12を外殻HRの隙間に正確に位置決めする目的のために、保定する効果なしで、保護体12の周囲部に交差して伸びてもよい。このような要素E'は、それぞれの前角FCに、および/または、それぞれの後角RCに、および/または、外殻HRの前縁および後縁に沿って、設けられてもよい。
【0097】
外殻HRは、概して矩形の外側周辺のため、4つの角位置FC、RCをそれぞれ有する2つのフレーム3、4から成り得る。ここでは不動部材としてここでは構成されている位置決め部材PMは、典型的には、外殻HRの中央部から離れるように延びることで、4つの角位置FC、RCのうちの1つに隣接して位置付けられる位置決め部材42の第1のグループを典型的には備える。位置決め部材PMは、第1のグループに対して相補的である位置決め部材41の第2のグループも備える。
【0098】
位置決め部材PMのうちの全部または一部は、停止部と保持保定装置HRまたはHR'との間にストロークの制限を提供するための停止部である。停止部は、2つの膨出または膨らみB1、B2を分離するベルト効果を作り出すことに関係している。停止部は、この周縁部分8aまたは8bの中心またはその近くで、それぞれの周縁部分と交差する位置決め部材41のものであり得る。
【0099】
保持保定装置HRまたはHR'は、長手方向側部121、122の各々に分配される少なくとも3つの位置決め部材PMを備えてもよい。図2図5、および図8は、角FC、RCから離れて配置され、保管ユニット10の中央横断平面(ここでは、方向Yに沿う)によって分離される位置決め部材41に対応する典型的には2つの中心停止部によって、対応する周縁部分8aまたは8bと協働するための4つの位置決め部材PMを伴う配置を示している。図4図5を参照すると、中心停止部41は、周縁部分の中間部82の対応する保護体貫通スロット52と協働するように構成される。2つの他の位置決め部材42は、周縁部分の端部81または83にそれぞれ配置される貫通スロット51または53と協働する。
【0100】
外殻HRの各々のフレーム3または4は、他のフレーム4または3の対向する隣接面PFと接触するかまたは近くにある(2mm、3mm、または4mmより小さい距離)隣接面PFを有し得る一方で、外殻HRの高さは、例えば約65mmといった、典型的には40mmまたは50mmより大きい。外殻HRの幅(方向Yに沿う)は、例えば約554mmといった、典型的には200mmまたは250mmより大きくなり得る。割合e/hが、典型的には1:100以下または1:200以下であることが理解される。
【0101】
他にも、図7Bに見て取れるように、保持保定装置HR'は、変形によれば、充填状態において柔軟性ポーチ2より薄く作られてもよい。システム1の高さ全体を被覆することが望ましい場合、2つの追加的な外殻の品物がこのようなフレーム状の保持保定装置HR'と協働してもよい。挟み付け、または任意の適切な圧縮/押し付け機構が、板12A、12Bを相互に留め付けさせるために使用されてもよい。任意選択で、外部装置または外殻による留め付け部材の案内が、周縁部分8a、8bの中間部の制限された案内ストロークにより、中央領域における拡張を同様に制限するために、保護体の収縮においてストロークを制限するために使用され得る。ある選択肢では、外部装置は、スライドを形成することができ、可能性として、図3に示されているような棚に属する不動部を形成する。
【0102】
ある選択肢では、保持保定装置HR'は、支持組立体または支持フレームに対して取り外し可能または変位可能である保護部を有し得る。可及的には、このような外部支持組立体は、保護体12との直接的な接触のない金属とできる一方で、保護部は、プラスチック材料から作られる部品、または、プラスチック部品を含む部品であり得る。このような構成であれば、外部支持組立体は、保護体12によって保護されたポーチ2を輸送するとき、保護体12に留め付けられたままである保護部を受け入れるために、棚のラックまたは同様の部品を形成することができる。
【0103】
ポーチ拡張を制御するための実施形態の詳細
ここで図4図6、および図9を参照すると、保管ユニット10の保持保定装置は、保護体12の2つの中間部82のみにおいて停止部として作用する1つまたは複数の位置決め部材41または41'を有する。保護体貫通スロット52または52'は、内向きの変位の相当のストロークが中間部82について許容されないような停止部41、41'の位置に対する位置(ここでは、Y方向に沿って、できるだけ小さい幅)を有する。結果として、ストロークが、ここでは端部81、83における、角により近い領域において許容されるため、収容された保護体12によって被覆されたポーチ2は、その中央において単一の膨出または膨らみを形成することはできない。
【0104】
ここでは、図6において距離X1(局所的な収縮ストロークを表している)によって反映されているクリアランスなしまたは小さいクリアランスが、スロット当接外側縁BEと、中間部82のスロット52と係合する突出するピンまたは同様の位置決め部材41との間で画定される。このような配置は、位置決め部材PMのうちの1つ、2つ、3つ、または少なくとも4つについて提供でき、したがって、X1<X2であるため、停止部(先停止部)を形成する。したがって、ポーチの角および保護体の角は、充填動作の間に内向きに移動し続けることができるが、中間部82は停止部41、41'によって阻止される。角における収縮ストローク(X2)は、中央における収縮ストロークよりも長くなり、少なくとも、膨出/膨らみを維持しない場合と同じ液体容量を保管することを可能とする。
【0105】
この実施形態が、柔軟性ポーチ2と、フレーム3、4の間、または積み重ね構成に属する同様の外殻部の間に配置される保護体12との積み重ねの配置を示しているが、可能性として、保護体12のそれぞれの側部に係合/留め付けされる横または曲げの位置決め部材PM(板より剛性がある)を用いる他の構成が使用されてもよい。
【0106】
2つの板12A、12Bがポーチ2の充填の間に移動することができ、周縁部分8a、8bが保護体平面において内向きに収縮することができることは、理解される。2つの反対の周縁部分8a、8bのそれぞれの長手方向端部81、83におけるより大きいクリアランス範囲と比較して、保護体12のその中央部分TP2における収縮ストロークのためのより小さいクリアランス範囲(X1)を有するために、位置決め部材41、41'の一部が停止部として有利に作用する。より大きい拘束効果をポーチ2の中心において得ることができる。これは、ポーチ2に収容された生物製剤物質の凍結動作/解凍動作を管理することにとって、興味のあることである。
【0107】
図7Bにおける破線は、周縁部分8a、8bの各々の領域において相当のストロークを同様に許容するときに通常得られる一種の膨出を示している。したがって、解凍させるのが難しくなり得る蓄積した質量(影響力のある厚さの質量)を制限するために、保護体の中央部の変位を制限または防止することは、興味のあることである。
【0108】
保管ユニット10の保持保定装置は、図6において距離X2に予て反映されている大きなクリアランスを有するために、貫通スロット51、53、54と協働する停止部41、41'とは別に、1つまたは複数の位置決め部材42、42'を有し得る。変形では、保護体12の境界の外側に配置された位置決め部材E'が、板材料が端部81、83において内向きに変位させられるときの案内効果のために設けられてもよい。
【0109】
図7Aを参照すると、ポーチ2は、保管ユニット10によって制御される拡張を有し得る。ポーチの長手方向側部LS1およびLS2は、この制御のため変形することができる。実際、停止部または同様の位置決め部材41、41'による当接は、システム1の組み立て状態において中間部82同士の間で横方向に延びるポーチ中央区域MSにおける変形を制限することになる。それぞれの保護体長手方向側部121、122の長手方向の輪郭は、例えば、図7Aに示されている例から明らかなように、外部から見たときに若干湾曲または凸状とされている。ここでは中央区域MSを被覆する保護体12の中央部分TP2が、図7Bでは示されていないが、図5に示されている(非充填状態)。充填状態では、窪みが、中央部分TP2および中央区域MSにおいてそれぞれ得られ、このような窪みは、例えば図8図9において明らかである。中央部分TP2は、被覆部分8の約3分の1をそれぞれ覆う2つの相補的な部分TP1およびTP3の間で長手方向に延びる。
【0110】
各々の4つの側部における収縮は、生物製剤流体で満たされるポーチについて、XY平面(ここでは、保護体平面Pに対応する)におけるポーチの外周または周辺の大きさの低減を引き起こし、そのため、ポーチの初期の幅wは、典型的には実証されている以下の関係(好ましくは、実証されている2つの関係)のうちの少なくとも1つによって、幅w'に達するように減少させられる。
1.5≦X2-X1≦25(in mm)
2(X2-X1)/(w-w')≦1
同様に、ポーチの初期の長さLは、長さL'に達するまで減少させられる。
【0111】
図7Aにおいて少し誇張されて図示されているように、ポーチ2の中央区域MSにおいて充填状態で測定されたポーチ2の中央の幅は、ポーチの初期の幅w以下であり、厳格に幅w'より大きくなり得る。ポーチ2および保護体12の拡張が、中間部82においてより、それぞれの端部81、83においてより限定されず、そのため、ポーチの厚さは、局所的な幅が、大きいまま、初期の幅wと同じ大きさのまま、または、初期の幅wとほとんど同じ大きさのままとなるように、増加することができないことが理解される。
【0112】
図7Bを参照すると、破線は、前述のような差別化された位置決め部材-周縁部分の協働を用いていない場合の大きな拡張の通常の膨らみまたは膨出を示している。長手方向軸AまたはA'に沿って検討されるときに柔軟性ポーチ2の中心の3分の1を実質的に被覆する部分である中央部分TP2において、制限された収縮ストロークを有する場合、このような膨出より低い拡張の2つの膨らみB1およびB2が典型的には得られる。
【0113】
ここで、図5図6、および図9を参照すると、湾曲した輪郭は、2つの長手方向側部121、122の異なる長手方向位置において許容される収縮ストロークの輪郭を反映している。実際、周縁部分8a、8bは、1つまたは複数の中間部82が阻止された後にそれぞれの端部81、83が所定位置で阻止されるため、少なくとも2つのステップにおいて制限させることができる。
【0114】
図5図6(第1の実施形態)では、これは、スロット51、53より細いスロット52による、スロットの横方向の大きさの違いによるためであったが、図9に示されている保管ユニット10は、他方の位置決め部材42'の細い大きさと比較して、先停止部を形成するためにより大きい横方向の大きさの部材41'によって、位置決め部材の横方向の大きさにおける差を使用する。
【0115】
図9の実施形態では、スロット52"と54とが同一の幅を有し得ることが見て取れる。ここでは、破線は、保護体12の周囲部におけるずれの輪郭を反映している。変位における違いは、位置決め部材41'および42'の使用によって制御されるような収縮ストロークの輪郭に対応する。したがって、保護体の角は、中間部82と比べて、少なくとも4mmまたは5mmはより大きく(より内向きに)移動することができる。
【0116】
保管ユニットは、流体(生物製剤流体)を収容するように意図された柔軟性ポーチを挟むために、典型的には2つの板から作られる保護体を備え、さらに、ここでは、柔軟性ポーチおよび保護体によって形成された組立体を保持するための外殻または同様の手段を形成する2つの剛性の品物である、2つの部品を備える。図2の中央に示された組立体は、まだ流体で満たされていない。保管ユニット1
【0117】
より一般には、柔軟性ポーチ2を挟むように装着された保護体12は、剛性であり、保管ユニット1の外側周辺を画定する任意の適切な保持保定装置の単一の空所に受け入れられ得る。板12A、12Bによって挟まれたポーチ2の充填のレベルに応じて、保護体12は、最大厚さの1つまたは複数の領域を備え得る。この厚さの変化を収容するために、保持保定装置は環状の形であり得る。1つまたは複数の膨らみ/膨出B1、B2は、中間部82における拡張制御および先停止効果により形成でき、そのため、中央区域MSは、保護体12の相補的な区域と比較してはるかにより移動しにくくなる。
【0118】
システム1は、単純な概念の柔軟性ポーチ2に収容された生物製剤物質を凍結、保管、および解凍するために、良好に適合される。前述されたような保管ユニット10は、拡張制御が行われない場合に流体の厚さが最大に達する1つまたは複数の領域において拡張が規制されるように、制御および規制された拡張でポーチ2を充填することにとって、興味のあることである。主要な壁W1、W2によって画定された内部容積または空所は、これらの壁W1、W2の中央領域における自由な拡張の防止を伴って拡張される。特に、拡張は、図7Aに示されているように、2つの中間部82を結合する1つまたは複数のベルト線BLに沿って制限され得る。
【0119】
中間部82における小さい収縮ストロークまたは存在しない収縮ストロークによる、このようなベルト線BLに沿っての窪みは、典型的には少なくとも1つの凹所を作り出す。したがって、充填され、保管ユニット10の収容構成におけるようなポーチ2では、少なくとも1つの凹所が、ベルト線BL(少なくとも1つの凹所を交差する線)の前後にそれぞれ形成される2つの膨らみB1、B2の間において、充填されたポーチ2に作り出される。当然ながら、このような効果は、膨らみB1、B2が形成される2つの反対の領域の間の流体連通を防止しない。これは、流体の概して等しい分配を可能にする。2つ以上の領域が膨らみ形成で作り出されるため、ポーチ2の容量を減らすことなく、より均一な厚さの分配が得られる。別の言い方をすれば、各々の領域の減少した厚さは、ポーチ2における任意の1つの点における厚さを減少させることで、「膨出」が形成されない。
【0120】
ポーチ2および保管ユニット10は、生物製剤流体を凍結させるために、約-70℃以下の温度に曝され得る。外殻HRの環状の形は、冷たい空気がシステム1同士の間で(積み重ねられている場合であっても)循環して流れる凹んだ領域を提供することは、興味のあることである。しかし、他の形および構造が、凍結の間に過度に著しい突出の形成を排除または低減するために、制御された拡張のための保持保定装置を形成するために使用されてもよい。外殻が被覆部分8を被覆/接触することへのある選択肢では、これは、外殻HRの半体または保護部3、4の分離を容易にもする。
【0121】
本発明は、好ましい実施形態との関連で記載されている。しかしながら、これらの実施形態は例のためだけであり、本発明はその例に限定されない。
【0122】
当然ながら、本発明のポーチ2は、4つの側部を有するポーチ、および/または、幅より大きいポーチに何らかの形で限定されることはない。ポーチ2は、2つの概して平行な側部が設けられ、板12A、12Bの対、または、2つの平坦部を含む同様の保護体によって被覆される他の形を有してもよい。各々の板12Aまたは12Bは、一体の要素として示されるが、ポーチの拡張を規制することができる2つ以上の平坦な収容の品物を組み合わせるために任意選択が利用可能であるが、収縮ストロークの調整のために多かれ少なかれ変位可能である。
【0123】
図示されているような好ましい実施形態では、位置決め部材PMは、2つの保護部またはフレーム3、4(ここでは、環状の形の2つの保護の品物)によって形成される外殻HRの一体部である。当然ながら、位置決め部材PMは、例えば、外殻HRのスロットに挿入されるスライド部材といった、外殻HRとは別の部材であってもよく、保護体貫通スロット51、52、53において、位置決め部材を形成することもできる。変形では、保護体貫通スロット51、52、53は、周縁部分8aまたは8bにおいて局所的に、内向きの移動を防止する位置決め部材PMを受け入れるために、それぞれの板に含まれる少なくとも1つの空所または中空部によって置き換えられてもよい。
【0124】
より大まかには、収縮ストロークのためのクリアランスの変化は、外殻なしで当接部材によって、または、外殻に装着されてもされなくても、外殻HRとは別に作られた当接部材によって、得られてもよい。
【0125】
ある選択肢では、保護体12の切込み、スロット、または空所は、初期状態では同じ横方向の大きさのものであり得るが、それらのうちの一部は、位置決め部材の作用により変形または屈曲させることができる。結果として、変形、屈曲などがされる切込み、スロット、または空所のための増加したクリアランスを有することが許容される。これらの変形された切込み、スロット、または空所は、より小さいクリアランスが中間部において許容されるように、保護体12の角の近くで延びる。
【0126】
他のバリエーションおよび変形が、添付の特許請求の範囲によって定められる本発明の範囲内において容易に行われ得ることは、当業者によって理解されるものであり、そのため、本発明は、以下の特許請求の範囲によって限定されることが意図されているにすぎない。
【0127】
以下の特許請求の範囲における符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える」という動詞およびその活用の使用は、請求項において定められるものを除いて、任意の他の要素の存在を排除しないことは、明らかである。要素に先行する「1つ(a、an)」という言葉は、複数のこのような要素の存在を排除しない。
【符号の説明】
【0128】
1 凍結/解凍収容システム
2 柔軟性ポーチ
2A 前縁
2B 後縁
2C 貫通孔
3、4 フレーム
8 被覆部分
8a、8b 周縁部分
10 保管ユニット、保護外殻
10a 上部
10b 底部
11、13 留め具
12 保護体
12A、12B 板
16 ホース、管
17 コネクタ
18 取り付けシステム
20 スナップボタン
20A 第1の要素
20B 第2の要素
22 組立体
24 ポート、管状コネクタ
25 貫通孔
31、32 保護部
32 取っ手システム
41、41'、42、42' 位置決め部材、停止部
51、52、52'、52"、53、54 保護体貫通スロット
81、83 周縁部分の端部、長手方向端部
82 周縁部分の中間部
100 装置、棚
114 周囲内側縁
116 周囲外側縁
118 構造補強体
120 組立体
120a 横方向側部
120b 横方向側部、長手方向の後側部
120A、120B 相補的な実体
121、122 長手方向側部
124 凹所
126 突出部
A ポーチ2の長手方向軸
A' 保護体12の長手方向軸
B1、B2 膨出、膨らみ
BE スロット当接外側縁
BL ベルト線
C 空洞
CH 通路
d 隙間
e 板12A、12Bの厚さ
E 挿入要素
E' 位置決め部材
FC 前角
h 外殻HRの高さ
hc 空洞Cの最大高さ
HR、HR' 保護外殻、保持保定装置
J 溶接されたシール、周囲シール
L ポーチの初期の長さ
L、L' ポーチの収縮後の長さ
LS1、LS2 長手方向側部
MS ポーチ中央区域
O 開口
P 保護体平面
PF 隣接面
PM 位置決め部材
RC 後角
TP1、TP3 相補的な部分
TP2 中央部分
w ポーチの初期の幅
w' ポーチの収縮後の幅
W1、W2 壁
X 長手方向、長手方向軸
X1 距離、クリアランス、下方クリアランス範囲
X2 距離、クリアランス、収縮ストローク
Y 横方向
Z 鉛直軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12