IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 倉敷紡績株式会社の特許一覧

特許7589256繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法
<>
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図1
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図2
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図3
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図4
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図5
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図6
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図7
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図8
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図9
  • 特許-繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/52 20060101AFI20241118BHJP
   B29K 101/12 20060101ALN20241118BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20241118BHJP
【FI】
B29C70/52
B29K101:12
B29K105:08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022555471
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 JP2021036641
(87)【国際公開番号】W WO2022075265
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】P 2020168947
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】横田 克彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 忠玄
(72)【発明者】
【氏名】平石 陽一
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-131466(JP,A)
【文献】特開2018-149769(JP,A)
【文献】特開平10-067052(JP,A)
【文献】国際公開第2020/136926(WO,A1)
【文献】特開平9-150463(JP,A)
【文献】大野 秋夫 ほか,セミプレグを用いた革新的CFRTP成形加工技術の開発,日本製鋼所技報,No. 66,日本,日本製鋼所,2015年10月,p. 130-134
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/52
B29K 101/12
B29K 105/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維シートを線状又はロッド状に成形した繊維補強樹脂引抜成形体であって、
前記繊維シートは、連続繊維群が開繊され一方向に並列状に配列された一方向連続繊維とマトリックスとなる熱可塑性樹脂とを含むセミプレグシートであり、前記繊維シートにおいて、前記熱可塑性樹脂は、前記一方向連続繊維の表面に熱可塑性粉体樹脂を付着させ熱融着させたものであり、
前記繊維補強樹脂引抜成形体は、前記繊維シートが引抜成形され、その内部は前記繊維シートが無定形に折り畳まれた状態であり、前記繊維シート内及び折り畳まれた前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填され一体化されていることを特徴とする繊維補強樹脂引抜成形体。
【請求項2】
前記繊維補強樹脂引抜成形体は、繊維の割合が25~70体積%、前記熱可塑性樹脂の割合30~75体積%である請求項1に記載の繊維補強樹脂引抜成形体。
【請求項3】
前記繊維シートは、前記一方向連続繊維と交錯する方向の架橋繊維を含み、かつ前記熱可塑性樹脂は前記一方向連続繊維と前記架橋繊維とを一体化している請求項1又は2に記載の繊維補強樹脂引抜成形体。
【請求項4】
前記繊維シートを構成する繊維は、炭素繊維、ガラス繊維及び弾性率が380cN/dtex以上の高弾性率繊維から選ばれる少なくとも一つである請求項1~のいずれか1項に記載の繊維補強樹脂引抜成形体。
【請求項5】
前記繊維シートの単位面積あたりの質量は10~500g/m2である請求項1~のいずれか1項に記載の繊維補強樹脂引抜成形体。
【請求項6】
繊維シートを使用した線状又はロッド状の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法であって、
前記繊維シートは、連続繊維群が開繊され一方向に並列状に配列された一方向連続繊維とマトリックスとなる熱可塑性樹脂とを含むセミプレグシートであり、前記繊維シートにおいて、前記熱可塑性樹脂は、前記一方向連続繊維の表面に熱可塑性粉体樹脂を付着させ熱融着させたものであり、
前記繊維シートを収束して引抜成形金型の加熱部に供給し、
前記加熱部で前記熱可塑性樹脂の融点または樹脂流動温度以上に加熱しながら、前記繊維シートを圧縮し、
前記引抜成形金型の成形部で成形し、
前記引抜成形金型の冷却部で冷却して前記繊維補強樹脂引抜成形体とし、
前記繊維補強樹脂引抜成形体を前記引抜成形金型から引き抜くことを含み、
前記繊維補強樹脂引抜成形体は、その内部は前記繊維シートが無定形に折り畳まれた状態であり、前記繊維シート内及び折り畳まれた前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填され一体化されていることを特徴とする繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法。
【請求項7】
前記繊維シートは、折畳み状態、巻回状態、及び短冊状シート積層された状態から選ばれる少なくとも一つの状態で収束して前記加熱部に供給する請求項6に記載の繊維強化樹脂引抜成形体の製造方法。
【請求項8】
前記加熱部の入口直径(D1)/前記加熱部の出口直径(D2)は1.5倍以上である請求項又は7に記載の繊維強化樹脂引抜成形体の製造方法。
【請求項9】
前記供給から引き抜きまで連続工程である請求項8のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂引抜成形体の製造方法。
【請求項10】
き抜かれた前記繊維補強樹脂引抜成形体は、巻き取り又は所定の長さにカットする請求項のいずれか1項に記載の繊維強化樹脂引抜成形体の製造方法。
【請求項11】
複数の前記短冊状シートを、前記引抜成形金型の長さ方向にずらして供給する、請求項7に記載の繊維強化樹脂引抜成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セミプレグシートを用いた繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂材料からなる線状物は様々な分野・用途で利用されているが、より高い強度や衝撃性を持つ繊維強化樹脂複合材の需要が高まっている。特に炭素繊維は各種のマトリックス樹脂と複合化され線状物が開発されている。
熱硬化性樹脂を用いた線状物は加工性が容易であるが、成形速度の遅さや脆性・二次加工性が難しいといった点が問題とされている。一方、熱可塑性樹脂は成形速度が速くまた靭性があり・二次加工性が容易であるため、熱可塑性樹脂を用いた繊維強化樹脂製線状物が注目されている。
しかし、熱可塑性樹脂は粘度が高く繊維束に樹脂が含浸しにくい。そのため、線状物の成形と樹脂の含浸の技術がいくつか提案されている。特許文献1には、シート状に配列させた補強用繊維に熱可塑性樹脂を含浸したプリプレグシートを分配器で分け、ロッド状に成形することが提案されている。特許文献2には、シート状炭素繊維プリプレグを端部より捲回することが提案されており、また炭素繊維束の外周をフィラメントワインディングマシンによって炭素繊維を巻き付けることが提案されている。特許文献3には、繊維束を拘束材で結束し、熱可塑性樹脂溶液にディップして線材とすることが提案されている。特許文献4には、一方向織物の端部を折り込んで棒状に成形することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-50434号公報
【文献】特開平7-23679号公報
【文献】特開2016-172870号公報
【文献】特開2007-1299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記従来技術は、液状にできる熱可塑樹脂を直接ロービングに含浸させる方法は、液状にできる樹脂は限定されていることが課題となっている。また、プリプレグシートを用いた方法では、プリプレグシート自体が硬いため、シートを熱して柔らかくする工程、もしくはシートを小幅でスリットして短冊状にして多層積層する工程が必要となる。また、プリプレグシート自体のコストが高く、更にスリットする工程も必要なため、コストと製造速度(生産性)が課題となっていた。
【0005】
本発明は、前記従来技術の問題を解決するため、取り扱い性及び柔軟性の良いセミプレグシートを用いて、成形加工性に優れ、連続的な成形体の成形が可能な繊維補強樹脂引抜成形体及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の繊維補強樹脂引抜成形体は、繊維シートを成形した繊維補強樹脂引抜成形体であって、前記繊維シートは、少なくとも繊維表面にマトリックスとなる熱可塑性粉体樹脂を融着させたセミプレグシートであり、前記繊維補強樹脂引抜成形体は、前記繊維シートが引抜成形され、前記繊維シート内及び前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填し一体化されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法は、繊維シートを使用した繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法であって、前記繊維シートは、少なくとも繊維表面にマトリックスとなる熱可塑性粉体樹脂を融着させたセミプレグシートであり、
前記繊維シートを収束して引抜成形金型の加熱部に供給し、
前記加熱部で前記熱可塑性樹脂の融点または樹脂流動温度以上に加熱しながら、前記繊維シートを圧縮し、
前記引抜成形金型の成形部で成形し、
前記引抜成形金型の冷却部で冷却して引抜成形体とし、
前記引抜成形体を引き抜くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の繊維補強樹脂引抜成形体は、前記繊維シートが収束され引抜成形され、前記繊維シート内及び前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填し一体化されている。また、取り扱い性及び柔軟性の良いセミプレグシートを用いて、成形加工性に優れ、連続的な成形体の成形が可能な繊維補強樹脂引抜成形体その製造方法を提供できる。すなわち、本発明による繊維強化樹脂製引抜成形体は、柔軟性が高い未含浸及び/又は半含浸のセミプレグシートを用いることで、引抜成形性が良く、連続的な引抜成形体の成形が可能となる。また、本発明の製造方法は、汎用性のある成形方法であり、様々な形状の成形体を成形できる。さらに、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする引抜成形体は、二次加工性が良く、曲線状の線状物やリベット等の部品への加工も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1Aは本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の模式的斜視図、図1Bは同模式的断面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法を示す模式的工程図である。
図3図3Aは、本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法において繊維シートを折り畳んで供給する模式的説明図、図3Bは同、巻回して供給する模式的説明図、図3Cは同、短冊状に切断された繊維シートを複数積層して供給する模式的説明図である。
図4図4は本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の成形に使用する繊維シートの模式的斜視図である。
図5図5図4に示した繊維シートの幅方向に沿った模式的断面図である。
図6図6図4に示した繊維シートの製造方法を示す模式的工程図である。
図7図7は本発明の実施例1で得られた繊維補強樹脂引抜成形体を上面から見た外観写真である。
図8図8図7に示した繊維補強樹脂引抜成形体の断面拡大写真である。
図9図9Aは本発明の実施例2で得られた繊維補強樹脂引抜成形体を上面から見た外観写真、図9Bは本発明の実施例2で得られた繊維補強樹脂引抜成形体を正面から見た外観写真である。
図10図10図9に示した繊維補強樹脂引抜成形体の断面拡大写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、繊維シートを使用した繊維補強樹脂引抜成形体である。前記繊維シートは、少なくとも繊維表面に前記引抜成形体のマトリックスとなる熱可塑性粉体樹脂を融着させたセミプレグシートである。本発明の繊維補強樹脂引抜成形体は、前記繊維シートが収束状態で引抜成形され、前記繊維シート内及び前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填し一体化されている。前記繊維シートは、セミプレグシートであればよく、一方向連続繊維シート、多方向繊維シート、織物、編物等を使用できる。なお、ここで言う充填とは、熱可塑性樹脂が繊維シート内に含浸し、繊維シートと繊維シートの間に満ちることを言う。
【0011】
前記繊維補強樹脂引抜成形体の内部は、繊維シートが無定形に折り畳まれた状態であるのが好ましい。繊維シートを収束させてダイスから抜いて成形すると、成形体の内部は、繊維シートが無定形に折り畳まれた状態となり、前記繊維シート内及び前記繊維シート間に前記熱可塑性樹脂が充填されて中実成形体となり、これによりボイドも少なくなる。前記繊維補強樹脂引抜成形体の内部が、繊維シートが無定形に折り畳まれた状態であると、方向性のない均一な応力の成形体となる。
【0012】
前記繊維補強樹脂引抜成形体は、表面に引抜痕がある。また、前記繊維シートを構成する少なくとも一部の繊維が表面に存在する。繊維シートを収束させてダイスで引抜いて成形すると、成形体の表面には引抜痕が残り、引抜成形したかどうかの判別ができる。
【0013】
本発明で使用する繊維シートの繊維体積の割合(Vf)は、25~70体積%、熱可塑性樹脂の割合は30~75体積%が好ましく、より好ましくは繊維(Vf)30~60体積%、樹脂の割合は40~70体積%である。これにより、繊維シートの樹脂成分を、そのまま成形体のマトリックス樹脂成分にすることができ、成形体を製造する際に、新たな樹脂の追加は不要である。
【0014】
本発明の繊維補強樹脂引抜成形体は、連続物又はこれを所定の長さにカットされている。断面直径又は厚さは0.2~15mmが好ましく、より好ましくは1~10mmである。断面形状は、丸型、角型、C型、H型、L型等、任意の形状にできる。この成形体は、線状、ロッド状、プレート状(板状)等にできる。
【0015】
本発明で使用する繊維シートは、一方向連続繊維と交錯する方向の架橋繊維を含み、かつ前記熱可塑性樹脂は前記一方向連続繊維と前記架橋繊維とを一体化しているのが好ましい。繊維シートを構成する繊維の主成分は、開繊され一方向に並列状に配列された一方向連続繊維である。繊維の副成分は、一方向連続繊維と交錯する方向に配列された架橋繊維であることが好ましい。熱可塑性樹脂は、粉体で、一方向連続繊維及び架橋繊維の上から付着させ、一方向連続繊維の少なくとも表面で熱融着させ、かつ一方向連続繊維と架橋繊維とを一体化していることが好ましい。このシートは、一方向連続繊維と架橋繊維が、熱融着した熱可塑性樹脂により一体化しているため、取り扱い性が良好で、収束、引抜、及び加熱成形する際の操作性が良い。
【0016】
前記繊維シートは、一方向連続繊維の表面に前記引抜成形体のマトリックスとなる熱可塑性粉体樹脂を付着させ熱融着させたセミプレグシートが好ましい。このセミプレグシートは、成形により、表面の熱可塑性樹脂が繊維シート内及び繊維シート間に充填する。これにより、賦形性(成形性)に優れ、ボイドを低減させた成形体が得られる。
【0017】
一方向連続繊維と架橋繊維の合計を100質量%としたとき、一方向連続繊維は75~99質量%が好ましく、より好ましくは80~97質量%、さらに好ましくは85~97質量%である。また、架橋繊維は1~25質量%が好ましく、より好ましくは3~20質量%、さらに好ましくは3~15質量%である。前記の範囲であれば、一体性が高く、幅方向の引張強度の高い繊維シートとなる。架橋繊維の平均長さは、1mm以上が好ましく、さらに好ましくは5mm以上である。架橋繊維の平均長さの上限は1000mm以下が好ましく、より好ましくは500mm以下である。架橋繊維の平均長さが前記の範囲であれば、幅方向の強度が高く、取り扱い性に優れた繊維シートとなる。
【0018】
繊維シートの単位面積あたりの質量は10~500g/m2が好ましく、より好ましくは20~400g/m2であり、さらに好ましくは30~300g/m2である。前記の範囲であると、繊維シートを収束し引抜成形するのに取り扱いやすい。
本発明で使用する繊維シートは、一方向連続繊維に対して他方向に配置されている補助糸を含んでもよい。補助糸は、繊維シートの配向性を一定に保つものである。補助糸としては、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。
【0019】
前記繊維シートの繊維は、炭素繊維、ガラス繊維及び弾性率が好ましくは380cN/dtex以上の高弾性率繊維から選ばれる少なくとも一つが好ましい。前記高弾性率繊維としては、例えばアラミド繊維、とくにパラ系アラミド繊維(弾性率:380~980cN/dtex)、ポリアリレート繊維(弾性率:600~741cN/dtex)、ヘテロ環ポリマー(PBO,弾性率:1060~2200cN/dtex)繊維、高分子量ポリエチレン繊維(弾性率:883~1413cN/dtex)、ポリビニルアルコール繊維(PVA,強度:14~18cN/dtex)などがある。これらの繊維は樹脂強化繊維として有用である。とくに炭素繊維は有用である。
【0020】
繊維シートの1枚の厚みは0.01~2.0mmが好ましく、より好ましくは0.02~1mmであり、さらに好ましくは0.05~0.5mmである。前記の範囲であると、繊維シートを収束し引抜成形するのに取り扱いやすい。
【0021】
前記熱可塑性樹脂は、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アクリル系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、及びポリエーテルエーテルケトン系樹脂などが使用可能であるが、これらに限定されない。
熱可塑性樹脂は粉体状態であり、粉体は粉や粒などの集まったものである。また、粉体はドライパウダーが好ましい。
【0022】
次に、本発明の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法について説明する。少なくとも繊維表面に前記引抜成形体のマトリックスとなる熱可塑性粉体樹脂を融着させたセミプレグシートを使用し、次の工程を含む。
(1)前記繊維シートを収束して引抜成形金型の加熱部に供給する供給工程
(2)前記引抜成形金型の加熱部で前記熱可塑性樹脂の融点または樹脂流動温度以上に加熱しながら、前記繊維シートを引き抜き力で圧縮する加熱圧縮工程
(3)前記引抜成形金型の成形部で成形する成形工程
(4)前記引抜成形金型の冷却部で冷却して引抜成形体とする冷却工程
(5)前記引抜成形体を前記引抜成形金型から引き抜く引抜工程
【0023】
前記供給工程においては、1枚もしくは2枚以上の繊維シートを使用する。繊維シートは、折畳み状態、巻回状態、及び短冊状シートが積層された状態から選ばれる少なくとも一つの収束状態で加熱部に供給するのが好ましい。これにより、平面状の繊維シートをロッド状などの立体的成形体に近づけることができる。特に短冊状の繊維シートを積層して供給する場合は、短冊状シートを長さ方向にずらせて供給すると、長さに制限のないエンドレスの引抜成形体が得られる。また、繊維シートの収束手段はガイド等を使用できる。また、繊維シートを収束させる時に繊維の配向方向を任意の角度にすることができる。なお、ここで言う収束とは、繊維シートを集約または束ねさせて、成形可能な状態にすることを言う。例えば、折畳み、巻回、短冊状シートの積層である。
巻回したシートを使用する場合は、巻回したシートにさらに巻回しても良い。巻回は任意の角度で可能である。繊維シートは積層してもよく、0°,45°,90°と任意の角度で積層可能である。通常は、0°の長手方向(一方向)の繊維シートを基本とする。0°とは、繊維シートの一方向連続繊維の長手方向と、引抜成形の引き抜き方向(成形体の長手方向)とが同方向であることを意味する。セミプレグシート挿入量は、成形物の目標径と単位長さ当たりの質量によって変更できる。
【0024】
前記加熱圧縮工程において、繊維シートの加熱は、例えば樹脂溶融温度以上の温度で、引抜速度は10mm~20m/min、が好ましい。温度と引抜速度の2つの条件により樹脂の溶融、繊維間への含浸と成形を制御できる。加熱部の内部空間の形状は、繊維シートの進行方向に向かって径が小さくなるテーパー状、ラッパ状等とするのが好ましい。すなわち、加熱部の入口直径(D1)は目標直径より大きく、加熱部の出口直径(D2)及び成形部の直径(D3)は目標直径の大きさと同一とするのが好ましい。なお、引抜成形金型はダイスともいう。
加熱部の出口直径(D2)及び成形部の直径(D3)は、一例として1~15mmである。加熱部の入口直径(D1)/加熱部の出口直径(D2)は1.5倍以上が好ましく、より好ましくは2倍以上であり、さらに好ましくは2.5倍以上である。D1/D2の上限はないが、実用的には10倍以下が好ましく、より好ましくは8倍以下である。前記倍率分、原料の繊維シートは引き抜き力で圧縮され、言い換えると、進行方向へ引き抜かれながら圧縮される。前記圧縮により、成形体内部のボイドは少なく、密度の高い成形体が得られる。冷却部の金型の直径(D4)は、加熱部の金型の出口直径(D2)と同一とするのが好ましい。
【0025】
供給工程から引抜工程まで連続工程とするのが好ましい。連続工程であれば製造効率が良く、製造コストを低くできる。
冷却工程後に得られる長尺の繊維補強樹脂引抜成形体は、巻き取り可能な細さであれば、連続的に巻き取ることができ、又は所定の長さにカットすることもできる。
【0026】
本発明の引抜成形体の製造方法は、セミプレグシートをダイレクト成形する点に特徴がある。本発明で使用する繊維シート(セミプレグシート)は、プリプレグシートとは異なり、柔軟性があるため賦形性が優れており、加熱部への挿入が可能である。すなわち、プリプレグは硬度があるため、折畳み構造が取れない。また、フィルムスタック等のセミプレグシートは賦形性の点から好ましくない。繊維束を拘束材で結束し、熱可塑性樹脂溶液にディップして線材とする特許文献3に開示の線材の製造方法においては、熱可塑性樹脂の選択について制限があるが、これに対して本発明は、樹脂を付着させた繊維シートを使用するため、一般的な成形に使用されている熱可塑性樹脂であれば限定されず、ほぼ全ての樹脂が使用可能である。また本発明で使用する繊維シートは、熱可塑性樹脂粉体を繊維シート表面に落下させ溶着固化させているので、成形最中の樹脂の加熱溶融及びその後の冷却も効率よくでき、成形性も成形速度も高い成形加工といえる。
【0027】
以下図面を用いて説明する。以下の図面において、同一符号は同一物を示す。図1Aは本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体30の模式的斜視図、図1Bは同模式的断面図である。この繊維補強樹脂引抜成形体30はロッド状成形体であり、断面は繊維シートが無定形に折り畳まれた状態である。また、前記繊維シート内及び前記繊維シート間に熱可塑性樹脂が充填し一体化されている。図1Bにおいて、31は熱可塑性樹脂であり、繊維シート内に含浸され、繊維シート間にも充填されて一体化している。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法を示す模式的工程図である。成形金型37は、繊維シートの進行方向に沿って加熱部と成形部と冷却部とをこの順で備えた引抜成形金型である。繊維シート32は、ガイド33を通過させ、収束して成形金型37の加熱部34に供給する。加熱部34において前記繊維シート32を、前記繊維シート32の少なくとも表面に存在する熱可塑性樹脂の融点または樹脂流動温度以上に加熱する。樹脂流動温度は、樹脂の流動が開始する温度である。加熱部34では、繊維シートを、前記進行方向へ引き抜きながら圧縮し、加熱部34の内腔の形状に成形する。次いで、成形部35内に引き込み、成形部35の内腔の形状に賦形し、成形部35内にて、その形状に安定化する。次いで、冷却部36で冷却して形状を固定する。成形部35の金型温度は、例えば、熱可塑性樹脂の融点または樹脂流動温度以上とする。冷却部36の冷却手段は、水冷とするのが効率的である。得られた成形体は引抜ローラー38a,38bにより成形金型37から引き抜かれ、成形体が細い場合は巻き取りあるいはブレード39で所定長さの繊維補強樹脂成形体40にカットする。
【0029】
図3A-Cは、各々、本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法で使用する繊維シートの前記加熱部への供給時の形態の一例を示し、図3Aは折り畳んだ状態の繊維シート41、図3Bは巻回した状態の繊維シート42、図3Cは短冊状繊維シートを積層した状態の繊維シート43である。繊維シート42は斜めに巻回してもよい。短冊状繊維シートを積層した状態の繊維シート43は、長さ方向にずらせて配置でき、これによりエンドレスの長尺成形体が得られる。
【0030】
図4は本発明の一実施形態の繊維補強樹脂引抜成形体の製造方法で使用する繊維シートの一例である炭素繊維シート1の模式的斜視図、図5図4に示した、炭素繊維シート1の幅方向に沿った模式的断面図である。開繊された一方向炭素繊維2の表面には架橋繊維3が様々な方向に配置している。また一方向炭素繊維2の表面付近に樹脂4が溶融固化して付着しており、樹脂4は一方向炭素繊維2の内部には含浸していないか又は一部含浸している程度である。樹脂4は架橋繊維3を一方向炭素繊維2の表面に接着固定している。図5に示すように、一方向炭素繊維2の表面には架橋繊維3a,3bが存在する。架橋繊維3aは全部が一方向炭素繊維2の表面にある。架橋繊維3bは一部が一方向炭素繊維2の表面にあり、一部は内部に入って炭素繊維と交錯した状態である。樹脂4は架橋繊維3を一方向炭素繊維2の表面に接着固定している。また、樹脂4が付着している部分と、樹脂が付着していない部分5がある。樹脂が付着していない部分5は、炭素繊維シート1を加熱し、引抜成形する際に、繊維シート内部の空気がこの部分から抜ける通路となり、表面の樹脂が繊維シート内全体に含浸しやすくなる。これにより樹脂4は繊維強化樹脂成形体のマトリックス樹脂となる。
【0031】
図6は本発明の一実施形態の炭素繊維シートの製造方法を示す模式的工程図である。多数個の供給ボビン7から炭素繊維フィラメント群(トウ)8を引き出し、開繊ロール21a-21jの間を通過させることで、開繊させる(ロール開繊工程23)。ロール開繊に代えて、エアー開繊としてもよい。開繊ロールは固定又は回転してもよく、幅方向に振動してもよい。
開繊工程の後、開繊されたトウをニップロール9a,9b間でニップし、この間に設置した複数のブリッジロール12a-12bの間を通過させ、トウの張力を例えば15,000本あたり(1個の供給ボビンから供給される炭素繊維フィラメント群に相当)2.5~30Nの範囲でかけることで、架橋繊維を発生させる(架橋繊維発生工程24)。ブリッジロールは回転してもよく、幅方向に振動してもよい。ブリッジロールは、例えば表面が梨地、凹凸、または鏡面の複数ロールであり、炭素繊維フィラメント群の屈曲、固定、回転、振動又はこれらの組み合わせにより架橋繊維を発生させる。13a-13gはガイドロールである。
【0032】
その後、粉体供給ホッパー14からドライパウダー樹脂15を開繊シートの表面に振りかけ、圧力フリー状態で加熱装置16内に供給し加熱し、ドライパウダー樹脂15を溶融し、ガイドロール13e-13g間で冷却する。その後、開繊シートの裏面にも粉体供給ホッパー17からドライパウダー樹脂18を振りかけ、圧力フリー状態で加熱装置19内に供給し加熱し、ドライパウダー樹脂18を溶融し、冷却し、巻き上げロール20に巻き上げられる(粉体樹脂付与工程25)。ドライパウダー樹脂15、18は、例えばポリプロピレン樹脂(融点:150~165℃)とし、加熱装置16,19内の各温度は例えば樹脂の融点又は樹脂流動温度の+5~60℃、滞留時間は例えば各4秒とする。これにより、炭素繊維開繊シートは幅方向の強度が高くなり、構成炭素繊維がバラバラになることはなく、シートとして扱えるようになる。
【0033】
粉体樹脂の付与は、粉体塗布法、静電塗装法、吹付法、流動浸漬法などが採用できる。炭素繊維シート表面に粉体樹脂を落下させる粉体塗布法が好ましい。例えばドライパウダー状の粉体樹脂を開繊シートに振りかける。
【0034】
本発明の利点をまとめると次のようになる。
(1)繊維シートは、プリプレグシートではなく、セミプレグシートであるためダイレクト成形が可能である。すなわち、本発明では、加熱部による加熱前の予備加熱を行う必要がない。
(2)繊維シートは、プリプレグシートではなく、セミプレグシートであるため、賦形性、成形性が優れている。
(3)繊維シートでは、熱可塑性樹脂がパウダー状で繊維に熱融着しているため、樹脂の繊維間への含浸性が良い。すなわち、フィルムと異なり、成形時に繊維シート内の空気抜けが優れていて、ボイドが発生しにくい。また、熱可塑性樹脂が使用されるので、高サイクル成形ができる。
(4)繊維シートの繊維が、例えば炭素繊維のように連続繊維である(短繊維ではない)。このため、薄くて強度の高い成形体が得られる。
(5)本発明ではセミプレグシートを用いるため、下記プリプレグシート(例1)又は(例2)を用いる場合よりも、低コスト化が可能であり、引抜成形体の成形を短時間ですることができる。引抜成形体の製造に必要な時間の比較は、具体的には下記の通りである。プリプレグシートの作製時間は、セミプレグシートの作製時間よりも長い。
[プリプレグシート(例1)]
プリプレグシートの作製時間+成形時間(予備加熱、加熱、賦形時間及び熱硬化時間を含む。)
[プリプレグシート(例2)]
プリプレグシートの作製時間+プリプレグシートの短冊状化のための時間+成形時間(加熱、賦形及び熱硬化時間を含む。)
[セミプレグシート]
セミプレグシートの作製時間+成形時間(加熱および賦形時間含む。)
以上のとおり、セミプレグシートの使用は引抜成形体の製造を高速化できる。
【実施例
【0035】
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)炭素繊維未開繊トウ
炭素繊維未開繊トウは三菱ケミカル社製、品番:PYROFILE TR 50S15L、形状:レギュラートウ フィラメント15K(15,000本)、単繊維直径7μmを使用した。この炭素繊維未開繊トウの炭素繊維にはエポキシ系化合物がサイジング剤として付着されている。
(2)未開繊トウの開繊手段
図6の開繊手段を使用して開繊した。開繊工程において、炭素繊維フィラメント群(トウ)の張力は15,000本あたり15Nとした。このようにして炭素繊維フィラメント構成本数15K、開繊幅500mm、厚み0.08mmの開繊シートとした。架橋繊維は3.3質量%であった。
(3)セミプレグシート
ドライパウダー樹脂としてポリカーボネート(PC)樹脂粉体(帝人社製LN2520粉砕品、融点240℃)を使用した。ドライパウダー樹脂の平均粒子径は320μmであった。この樹脂粉体は、炭素繊維1m2に対して平均片面26.7g、両面で53.4g付与した。加熱装置16,19内の温度は各250℃、滞留時間は各20秒とした。得られた繊維シートの質量は133.4g/m2、繊維体積(Vf)は32体積%、ポリカーボネート樹脂50体積%であった。
(4)引抜成形加工
図2に示す引抜加工装置を使用して引抜成形体を成形した。
・前記セミプレグシートをロールから2~3m引き延ばして切断し、セミプレグシートの幅が350mmとなるようにカットし、次いで、任意に折り畳んで成形金型の加熱部に供給した。
・加熱、圧縮、成形されたセミプレグシートは、加熱状態の成形部を通過させ、その形状を安定化させた。
・成形されたセミプレグシートを、冷却部36で冷却して固定した。
・成形体は引抜ローラー38a,38bを通過した後、長さ150mmごとに切断した。
【0036】
(実施例2)
セミプレグシートとして、ポリアミド(PA6)樹脂粉体(宇部興産社製P101F、融点225℃)を使用した。ドライパウダー樹脂の平均粒子径は320μmであった。この樹脂粉体は、炭素繊維1m2に対して平均片面24.9g、両面で49.8g付与した。加熱装置16,19内の温度は各290℃、滞留時間は各20秒とした。得られた繊維シートの質量は129.8g/m2、繊維体積(Vf)は47体積%、PA6樹脂50体積%であった。このセミプレグシートの幅が400mmとなるようにカットし、表1に示す以外は実施例1と同様に引抜成形体の成形を実施した。条件と結果は表1~2にまとめて示す。
【0037】
【表1】
【0038】
(評価)
(1)実施例1で得られた成形体ロッドの外観写真を図7に示し、同断面写真は図8に示す。実施例2で得られた成形体ロッドの外観写真は図9に示し、同断面写真は図10に示す。成形体の断面観察は、オリンパス社製のマイクロスコープDSX500を用いて行った。実施例1~2で得られた成形体ロッドの外観は問題なく、良質な成形体であることが確認できた。断面形状は、シート形状の名残が見えたが、ボイドも少なく良好な含浸・成形ができた。また、成形体の内部は、繊維シートが無定形に折り畳まれた状態であった。さらに、成形体ロッドの表面には引抜痕があり、繊維シートを構成する少なくとも一部の繊維が表面に存在していた。
(2)物性評価
・状態調節:温度23℃、相対湿度50%の条件で48時間以上置いた後、3点曲げ試験を行った。3点曲げ試験は、JIS K7074に準拠して行い、最大応力を測定した。装置は精密万能試験機AG-50k NXD plus、島津製作所社製を使用した。ここで、JIS K7074-1988では試験片として平板を用いることを前提とした算出式で曲げ弾性率が算出されるため、丸棒断面積と平板断面積が等しいものとして、丸棒断面積を平板断面積に換算して、弾性率を算出した。
測定結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2から明らかなとおり、実施例1~2の成形体は良好な最大応力と弾性率を有していた。
以上から、セミプレグシートを用いて含浸および成形を同時に行う方法でも、ロッド・ワイヤーのような線状物を作製することができた。本発明で使用するセミプレグシートは実質的に樹脂含浸をしておらず、パウダー状の樹脂が表面に溶着固定されているシートであるため、極めて柔軟性が高く、プリプレグシートのような成形前の熱処理などの処理が不要となる。そのため、本発明で使用するセミプレグシートは取扱いに優れ、加熱温度と引抜速度、及び好ましくは成形金型の径で制御が可能となる。
【0041】
(実施例3)
セミプレグシートのドライパウダー樹脂としてポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂(融点278℃)を使用し、炭素繊維の比率(Vf)を45体積%とした以外は実施例1と同様に引抜成形体の成形を実施した。得られたロッドは直径6mm、長さ150mmであった。このロッドを鉄(SS400)、アルミ(ジュラルミン)と比較した物性データを表3に示す。尚、表3中の曲げ強度および曲げ弾性率は、JIS K7074に準拠して測定または算出された値であり、曲げ強度は上記表2中の最大応力と同義である。
【0042】
【表3】
【0043】
表3から明らかなとおり、実施例3で得られたロッドは、軽く、曲げ強度が高いことが明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の繊維補強樹脂引抜成形体は、ロッド、シャフト、フレーム、プレート、ケーブル等として使用でき、断面形状は、丸型、角型、H型、L型等、任意の形状にできる。これにより、本発明は、航空、宇宙、自動車、スポーツ、三次元プリンタ、産業用途、建築部材、風車、自転車、鉄道、船舶、などの用途等において広く応用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 炭素繊維シート
2 一方向炭素繊維
3,3a,3b 架橋繊維
4 樹脂
5 樹脂が付着していない部分
6 開繊装置
7 供給ボビン
8 炭素繊維フィラメント群(炭素繊維未開繊トウ)
9a,9b ニップロール
12a-12b ブリッジロール
13a-13g ガイドロール
14,17 粉体供給ホッパー
15,18 ドライパウダー樹脂
16,19 加熱装置
20 巻き上げロール
21a-21j 開繊ロール
23 ロール開繊工程
24 架橋繊維発生工程
25 粉体樹脂付与工程
30,40 繊維補強樹脂引抜成形体
31 熱可塑性樹脂の含浸一体化断面
32,41-43 繊維シート
33 ガイド
34 加熱部
35 成形部
36 冷却部
37 成形金型
38a,38b 引抜ローラー
39 ブレード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10