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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/50 20230101AFI20241118BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20241118BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241118BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20241118BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20241118BHJP
【FI】
H04N23/50
G03B5/00 J
H04N23/68
H05K3/36 Z
G03B17/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023066395
(22)【出願日】2023-04-14
(62)【分割の表示】P 2019117500の分割
【原出願日】2019-06-25
(65)【公開番号】P2023100676
(43)【公開日】2023-07-19
【審査請求日】2023-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2018195149
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】戸田 大介
【審査官】殿岡 雅仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-230025(JP,A)
【文献】特開2017-111218(JP,A)
【文献】特開2010-192749(JP,A)
【文献】国際公開第2012/004952(WO,A1)
【文献】特開2013-235073(JP,A)
【文献】特開2007-041418(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102483560(CN,A)
【文献】特開2017-120943(JP,A)
【文献】特開2010-130101(JP,A)
【文献】特開2009-020476(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 - 23/76
H04N 23/90 - 23/959
G03B 5/00 - 5/08
G03B 17/02
H05K 1/00 - 1/14
H05K 3/36
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線アンテナと、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子を保持し、且つ、撮像光学系の光軸と異なる方向に変位可能である可動ユニットと、前記撮像素子から出力された撮像信号が伝送される回路が実装された制御ユニットと、前記可動ユニットと前記制御ユニットとを電気的に接続する第1のフレキシブル基板と、前記可動ユニットと前記制御ユニットとを電気的に接続する第2のフレキシブル基板と、を有する撮像装置であって、
前記第1のフレキシブル基板は、前記可動ユニットに接続される第1の接続部と、前記第1の接続部から、前記光軸方向と異なる第1の方向へ延出する第1の配線部と、前記第1の配線部の端部に配置され前記制御ユニットに接続される第2の接続部とを有し、
前記第2のフレキシブル基板は、前記可動ユニットに接続される第3の接続部と、前記第3の接続部から、前記光軸と異なり且つ前記第1の方向とは反対の第2の方向へ延出する第2の配線部と、前記第2の配線部の端部に配置され前記制御ユニットに接続される第4の接続部とを有し、
前記第1のフレキシブル基板および前記第2のフレキシブル基板のうち、電磁界ノイズの発生が多い方は、前記無線アンテナの配置位置から遠い側に配置されることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1のフレキシブル基板の前記第1の配線部と前記第2のフレキシブル基板の前記第2の配線部とは、互いの長さおよび幅が等しいことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記光軸に平行な方向から見て、前記第1の接続部の一部と前記第3の接続部の一部とは重なっていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記光軸に平行な方向において、前記第1の接続部よりも前記第3の接続部の方が前記制御ユニットから遠く、
前記第1のフレキシブル基板よりも前記第2のフレキシブル基板の方が厚いことを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1のフレキシブル基板は差動伝送配線を有し、
前記第2のフレキシブル基板は電源配線を有することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御ユニットは、前記可動ユニットを前記光軸と異なる方向に変位させることにより、被写体のブレを光学的に補正する機能を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変位可能な可動ユニットと制御ユニットとがフレキシブル基板で接続される撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、固定ユニット(支持ユニット)に変位可能に支持された可動ユニットと制御ユニットとがフレキシブル基板で接続される基板の配線構造を有する撮像装置等の電子機器が知られている。例えば、被写体のブレを光学的に補正する機能を有する撮像装置においては、撮像素子を支持する可動ユニットを、固定ユニットに対し、光軸と直交方向に変位させることで被写体のブレ補正が実現される。
【0003】
可動ユニットには、撮像素子を実装した回路基板が搭載され、この回路基板にはコネクタ等の電気的接続部品も実装されている。可動ユニットを保持する筐体等の固定ユニット側には、可動ユニットを駆動制御する制御ユニットが搭載され、この制御基板にはコネクタ等の電気的接続部品も実装されている。可動ユニット側のコネクタと固定ユニット側のコネクタとはフレキシブルプリント基板によって電気的に接続されている。このフレキシブルプリント基板の持つ可撓性を利用して、固定ユニットと可動ユニットとを電気的に接続しつつ、可動ユニットが制御ユニットによって駆動制御される(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-192749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フレキシブルプリント基板の配線部の一部は、可動ユニットの変位に応じて変形可能となっている。しかし、配線部の変形によって生じる反力は可動ユニットを駆動する際の負荷になる。フレキシブルプリント基板の配置によっては、フレキシブルプリント基板の変形によって生じる反力のバランスが不均一になり、可動ユニットを駆動する際の制御が複雑になるおそれがあるという問題がある。例えば、可動ユニットが、ある方向に変位したとき、変位方向とは直交する方向にも反力が発生すると、変位方向とは直交する方向に関する制御も必要となる。
【0006】
近年、撮像装置の動画の高画素化や、高速連写などの機能向上のため、撮像素子の消費電力、接続信号数は増大する一方である。そのためフレキシブルプリント基板の幅が増大し、さらにフレキシブルプリント基板による負荷が増加し、上記問題が顕在化する傾向にある。
【0007】
なお、負荷低減を図るため、フレキシブルプリント基板の可撓部分の長さを長く形成して単位長さあたりの変形量を小さくすることで、変形によって生じる反力を小さくする対策が考えられる。しかしこの対策では、負荷の均一化に不十分であるだけでなく、フレキシブルプリント基板を収容する空間が大きくなってしまい、撮像装置が大型化するおそれがある。
【0008】
本発明は、可動ユニットが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、無線アンテナと、被写体の光学像を電気信号に変換する撮像素子と、前記撮像素子を保持し、且つ、撮像光学系の光軸と異なる方向に変位可能である可動ユニットと、前記撮像素子から出力された撮像信号が伝送される回路が実装された制御ユニットと、前記可動ユニットと前記制御ユニットとを電気的に接続する第1のフレキシブル基板と、前記可動ユニットと前記制御ユニットとを電気的に接続する第2のフレキシブル基板と、を有する撮像装置であって、前記第1のフレキシブル基板は、前記可動ユニットに接続される第1の接続部と、前記第1の接続部から、前記光軸方向と異なる第1の方向へ延出する第1の配線部と、前記第1の配線部の端部に配置され前記制御ユニットに接続される第2の接続部とを有し、前記第2のフレキシブル基板は、前記可動ユニットに接続される第3の接続部と、前記第3の接続部から、前記光軸と異なり且つ前記第1の方向とは反対の第2の方向へ延出する第2の配線部と、前記第2の配線部の端部に配置され前記制御ユニットに接続される第4の接続部とを有し、前記第1のフレキシブル基板および前記第2のフレキシブル基板のうち、電磁界ノイズの発生が多い方は、前記無線アンテナの配置位置から遠い側に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、可動ユニットが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器の斜視図である。
図2】撮像装置の要部を後方(撮影者側)から見た分解斜視図である。
図3】像ブレ補正ユニットの分解斜視図である。
図4】像ブレ補正ユニットの分解斜視図である。
図5】第3のフレキシブル基板の構成を表す正面図である。
図6】第1、第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニットの背面図である。
図7】可動ユニットが制御基板に取り付けられた状態を後側から見た図である。
図8】可動ユニットが制御基板に取り付けられた状態を後側から見た図である。
図9】像ブレ補正ユニットの斜視図である。
図10】制御基板の内部に展開される配線パターンを表す正面図である。
図11】第1、第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニットの背面図である。
図12】像ブレ補正ユニットの斜視図である。
図13】第1、第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニットの背面図である。
図14】像ブレ補正ユニットの斜視図である。
図15】像ブレ補正ユニットの側面図である。
図16】比較例の像ブレ補正ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る電子機器の斜視図である。本発明が適用される電子機器として、撮像装置10を例示する。撮像装置10の方向に関し、撮影者(ユーザ)から見た方向を基準として上下方向、前方および後方、左右方向を定義する。従って、図1(a)は、撮像装置10を前方(被写体)側から見た斜視図であり、図1(b)は撮像装置10を後方(撮影者側)から見た斜視図である。撮像装置10は、複数の部材から成る筐体としての外装10cに覆われている。撮像装置10の前側には、マウント10aが設けられる。マウント10aには不図示の交換レンズ(撮像光学系)が装着可能である。撮像装置10の上部の左端部には無線アンテナ10bが内蔵されている。マウント10aの中心を通る軸線は撮影光軸Pと略一致する。
【0014】
図2は、撮像装置10の要部を後方(撮影者側)から見た分解斜視図である。図2では、外装10c等を不図示にしている。図2以降の図では、理解容易にするために、本発明の説明に必要な部分を図示し、説明に不要な部分を極力不図示としている。
【0015】
撮像装置10は、制御基板100(制御ユニット)、像ブレ補正ユニット200、シャッタユニット300およびベース部材400を有する。像ブレ補正ユニット200は、シャッタユニット300とともにベース部材400に固定される。ベース部材400と制御基板100は外装10cに固定される。像ブレ補正ユニット200は、シャッタユニット300が組み付け固定されたベース部材400に保持される。すなわち、像ブレ補正ユニット200は、3本のビス600a、600b、600cと3つのコイルばね500a、500b、500cとによって、ベース部材400に対して光軸P(図1(a))方向に変位可能に支持される。作業者は、ビス600a、600b、600cの締め込み量を調整することで、ベース部材400に対する撮像素子230(図3)の撮像面の傾きを調整できる。調整が完了すると、ビス600a、600b、600cは、それらの緩みを防止するため、像ブレ補正ユニット200の固定ユニット200b(支持ユニット)に接着固定される。
【0016】
制御基板100には、撮像信号を制御する制御IC101のほか、コネクタ102、103、104が実装されている。制御基板100にはこの他にもチップ抵抗やセラミックコンデンサ、インダクタ、トランジスタ等、様々な電子部品が実装されている(図示省略)。コネクタ102、103には、像ブレ補正ユニット200から延出するフレキシブルプリント基板である第1のフレキシブル基板270a、第2のフレキシブル基板270bが接続される。これにより、制御基板100と像ブレ補正ユニット200とが電気的に接続される。コネクタ104はシャッタユニット300から延出するフレキシブルプリント基板(不図示)と接続されて制御基板100とシャッタユニット300とを電気的に接続する。
【0017】
図3図4は、像ブレ補正ユニット200の分解斜視図である。像ブレ補正ユニット200は、可動ユニット200aと固定ユニット200bとを有する。可動ユニット200aは撮像素子230を含む。固定ユニット200bはベース部材400に固定される。可動ユニット200aは、光軸Pと直交する平面方向に変位可能に固定ユニット200bに支持される。可動ユニット200aが光軸Pと直交する方向に変位することで像ブレを光学的に補正する機能が実現される。
【0018】
固定ユニット200bは、主として前側ヨーク210と、ベースプレート250と、後側ヨーク260とで構成される。可動ユニット200aは、主としてセンサホルダ220と、第3のフレキシブル基板240とで構成される。第1のフレキシブル基板270aと、第2のフレキシブル基板270bとは、可動ユニット200aと制御基板100とを接続する。第3のフレキシブル基板240はセンサホルダ220と制御基板100とを接続する。第1のフレキシブル基板270a、第2のフレキシブル基板270b、第3のフレキシブル基板240はいずれも、可撓性を有するフレキシブルプリント基板である。
【0019】
撮像素子基板231には撮像素子230が実装されている。撮像素子230は、被写体の光学像を電気信号に変換する。センサホルダ220には、撮像素子230と撮像素子基板231が接着固定されている。センサホルダ220において、撮像素子230よりも前側にローパスフィルタ221が配置されている。ローパスフィルタ221は、赤外線の入射を防止し、色モアレ等の発生を防止する。センサホルダ220には3か所の開口部223a、223b、223cが形成されている。第3のフレキシブル基板240には3つのコイル241a、241b、241cが搭載されている(図3)。開口部223a、223b、223cに対してコイル241a、241b、241cが内部に収容されるように、センサホルダ220に対して後側から第3のフレキシブル基板240が組み込まれて接着固定されている。
【0020】
センサホルダ220には、3か所の球受け部222a、222b、222cが形成されている(図3)。前側ヨーク210には、球受け部222a、222b、222cと対向する位置に球受け部213a、213b、213cが形成されている(図4)。撮像素子230と撮像素子基板231を接着固定した状態のセンサホルダ220と前側ヨーク210とは、対向する球受け部同士の間に球体215a、215b、215cを挟持する。これにより、球体215a、215b、215cが支持される。
【0021】
前側ヨーク210には、不図示の磁石がセンサホルダ220と対向する位置に接着固定されており、センサホルダ220には上記磁石と対向する位置に不図示の強磁性材料(鉄等)の板材が貼り合わされている。前側ヨーク210とセンサホルダ220とを一定距離まで近接させると、センサホルダ220は前側ヨーク210に磁気吸引されて、球体215a、215b、215cを介して、光軸Pと直交する平面方向に変位可能に前側ヨーク210に保持される。
【0022】
前側ヨーク210にはコイル241a、241b、241cと対向する位置に磁石212a、212b、212cが貼り付けられている(図4)。さらに、前側ヨーク210には支柱211a、211b、211cがベースプレート250に向けて立設されている。支柱211a、211b、211cの各一端は、ベースプレート250に圧入されている。センサホルダ220を挟み込むように前側ヨーク210とベースプレート250とが接合される。
【0023】
ベースプレート250には、光軸P方向視で異なる位置に、開口部251a、251b、251cが形成され、これらに磁石261a、261b、261cが組み込まれている。光軸P方向視において、磁石261a、261b、261cは対応するコイル241a、241b、241cとほぼ同じ位置で同じ形状に形成される。しかも、磁石261a、261b、261cは、対応するコイル241a、241b、241cとの中心が一致する位置に配置される。
【0024】
作業者は、開口部251a、251b、251cに対して、磁石261a、261b、261cが内部に収容されるように、ベースプレート250に対して後側から後側ヨーク260を装着する。後側ヨーク260及びベースプレート250はそれぞれ強磁性材料で構成されている。作業者は、磁石261a、261b、261cが貼り合わされた後側ヨーク260をベースプレート250に位置合わせして接触させるだけで互いに磁気吸着させることができ、別途、接着材料を用いることなく2つの部品を接合可能である。
【0025】
ベースプレート250にはさらに、開口部252が形成されている。センサホルダ220を前側ヨーク210とベースプレート250とで挟持すると、開口部252から撮像素子基板231が後側から露出する。撮像素子基板231にはコネクタ232a、232bが実装されている(図4)。第1のフレキシブル基板270aにはコネクタ271aが実装され、第2のフレキシブル基板270bにコネクタ271bが実装されている(図3)。作業者は、これらフレキシブル基板270a、270bを撮像素子基板231に対して後側から開口部252を通過するように組み込み、コネクタ232aとコネクタ271aとを嵌合すると共に、コネクタ232bとコネクタ271bとを嵌合する。コネクタ232a、232bとコネクタ271a、271bとは、互いに嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。
【0026】
フレキシブル基板270a、270bは、いずれも長尺の板状の形状を成し、各々の一端部にコネクタ271a、271bが実装されている。フレキシブル基板270a、270bの配線方向(長手方向)の各他端部にコネクタ273、コネクタ274が実装されている。コネクタ273は、制御基板100に実装されているコネクタ102(図2)と嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。同様にコネクタ274は制御基板100に実装されているコネクタ103(図2)と嵌合形状が適合するプラグコネクタとリセプタクルコネクタの関係になっている。
【0027】
図5は、第3のフレキシブル基板240の正面図である。第3のフレキシブル基板240には、上述のように、コイル241a、241b、241cが接着固定されている。第3のフレキシブル基板240には、コイルの巻き線と電気的に接続するための半田付けランド243a、243b、243c、243d、243e、243fが形成されている。作業者は、コイル241aの巻きはじめと巻き終わりの各端を半田付けランド243a、243bに半田付けする。同様に、作業者は、コイル241bの巻きはじめと巻き終わりの各端を半田付けランド243c、243dに半田付けし、さらに、コイル241cの巻きはじめと巻き終わりの各端を半田付けランド243e、243fに半田付けする。半田付けにより、各コイルはそれぞれ第3のフレキシブル基板240と電気的に接続される。
【0028】
第3のフレキシブル基板240には、コイル241a、241b、241cの巻き線の内側にホール素子242a、242b、242cが実装されている。第3のフレキシブル基板240にはコネクタ端子部244が形成されている。各半田付けランドや各ホール素子からの配線パターンが第3のフレキシブル基板240の内部に展開されて、不図示のコネクタ端子部へ接続されている。コネクタ端子部244が、制御基板100に実装されているコネクタに接続されることで電気的に接続される。
【0029】
このように、前側ヨーク210に設置されている磁石212a、212b、212cと後側ヨーク260に設置されている磁石261a、261b、261cとで形成される磁界環境中にコイル241a、241b、241cが配置されている。これらのコイルに電流を流すことによって、各コイルにローレンツ力を発生させ、その力を推力としてセンサホルダ220を光軸Pと直交する平面方向に変位させることが可能な構成となっている。また、コイル241a、241b、241cの内側に実装されているホール素子242a、242b、242cによって、センサホルダ220が磁石212a、212b、212cに対して相対的に移動することによる磁力の変化が検出される。そしてその検出結果に基づいて、固定ユニット200bに対する可動ユニット200aの光軸Pと直交する平面方向の変位量を検出することができる。
【0030】
次にフレキシブル基板270a、270bの詳細構成について説明する。便宜上、上記した方向の定義によれば、像ブレ補正ユニット200を組み立てた状態において、撮像素子230に対してコイル241cは左下部に位置し、コイル241aは右上部に位置する。制御基板100(図2)において、コネクタ102、104は下部に実装され、コネクタ103は上部に実装されている。制御基板100においてコネクタ102、103、104は後面に実装される。撮像素子基板231においてコネクタ232a、232bは後面に搭載される。
【0031】
左右方向を軸とした回転であるピッチ方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは上下方向へ並進移動する。上下方向を軸とした回転であるヨー方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは左右方向(所定の方向)へ並進移動する。前後方向を軸とした回転であるロール方向の像ブレ補正時には、可動ユニット200aは前後方向に平行な軸線を中心に回転移動する。
【0032】
図6図9を用いて、フレキシブル基板270a、270bの構成を説明する。図6は、フレキシブル基板270a、270bが固定された可動ユニット200aの背面図である。図7図8は、フレキシブル基板270a、270bが固定された可動ユニット200aが制御基板100に取り付けられた状態を後側から見た図である。特に、図7では、フレキシブル基板270a、270bのコネクタ273、274が制御基板100のコネクタ102、103に接続されていない状態を示し、図8では、コネクタ273、274がコネクタ102、103に接続されている状態を示している。図9は、像ブレ補正ユニット200の斜視図である。
【0033】
コネクタ271a、271b(図3)とコネクタ232a、232b(図4)とが接続されることで、フレキシブル基板270a、270bが撮像素子基板231と電気的に接続されると共に、コネクタ271a、271bが可動ユニット200aに固定状態となる。
【0034】
フレキシブル基板270a、270bは、各々、大別すると3つの領域、すなわち、2つの剛体部分(接続部)とこれらの剛体部分同士をつなぐ可撓部分(配線部)とで構成される。上記剛体部分(接続部)は、可撓部分(配線部)にガラスエポキシ樹脂などの絶縁補強材料を熱硬化性接着剤などで貼り合わせることで剛性を持たせており、可撓部分(配線部)表面にコネクタが実装されている。
【0035】
まず、図6に示すように、第1のフレキシブル基板270aは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271a(図3)に近い側から順に、第1の接続部275a、第1の配線部276、第2の接続部278を有する。第1の配線部276は、第1の接続部275aから、撮影光軸Pに直交する下方(第1の方向)へ延出する。コネクタ271aは第1の接続部275aに配置され、コネクタ273は第2の接続部278に配置される。
【0036】
第2のフレキシブル基板270bは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271b(図3)に近い側から順に、第3の接続部275b、第2の配線部277、第4の接続部279を有する。第2の配線部277は、第3の接続部275bから、撮影光軸Pに直交し且つ下方(第1の方向)とは反対の上方(第2の方向)へ延出する。コネクタ271bは第3の接続部275bに配置され、コネクタ274は第4の接続部279に配置される。
【0037】
第1の接続部275a、第3の接続部275b、第2の接続部278および第4の接続部279には、ガラスエポキシ樹脂などの絶縁補強材料を熱硬化性接着剤などで貼り合わせることで剛性を持たせている。これらの接続部における補強材料を貼り合わせている面とは反対の面に基板間接続コネクタ(コネクタ271a、271b、273、274)が実装される。
【0038】
図6に示すように、第1のフレキシブル基板270aの配線方向において、第1の配線部276は、第1の接続部275aと第2の接続部278との間の領域に配置される。第1の配線部276は可撓性を有し、且つコネクタ271aおよびコネクタ273を電気的に接続している。第2のフレキシブル基板270bの配線方向において、第2の配線部277は、第3の接続部275bと第4の接続部279との間の領域に配置される。第2の配線部277は、可撓性を有し、且つコネクタ271bとコネクタ274とを電気的に接続している。
【0039】
図8に示すように、制御基板100の下側の辺(第1の方向の縁)には第1の切欠き107aが形成されている。制御基板100の上側の辺(第2の方向の縁)には、第2の切欠き107bが形成されている。第1のフレキシブル基板270aの第1の配線部276は、第1の切欠き107aを通って配線され、第2のフレキシブル基板270bの第2の配線部277は、第2の切欠き107bを通って配線されている。すなわち、第1の配線部276は、第1の接続部275aから下方に延びた後、後側に湾曲して第1の切欠き107aを通り、上方に延びる。そしてコネクタ273がコネクタ102に嵌っている。一方、第2の配線部277は、第3の接続部275bから上方に延びた後、後側に湾曲して第2の切欠き107bを通り、下方に延びる。そしてコネクタ274がコネクタ103に嵌っている。
【0040】
第2の配線部277と第1の配線部276とで制御基板100の上下の一部を覆い囲うように配線される構成になっている。第2の配線部277と第1の配線部276とは、像ブレ振動のピッチ方向、すなわち可動ユニット200aの並進方向である上下2ルートに分かれて引き出されている。配線部276、277の引き出し方向をこのようにすることによって、可動ユニット200aを右方向へ駆動させるときと左方向へ駆動させるときとで、フレキシブル基板270a、270bの変形によって生じる負荷を均一に近づけることができる。このことを、比較例(図16)と比較して説明する。
【0041】
図16は、比較例の像ブレ補正ユニット800の斜視図である。像ブレ補正ユニット800は、像ブレ補正ユニット200(図9)に対し、フレキシブル基板270a、270bに代えて1つのフレキシブル基板870を有し、撮像素子基板231に代えて撮像素子基板831を有する。フレキシブル基板870は、フレキシブル基板270a、270bが1つにまとめられたものに相当する。フレキシブル基板870は、第1の接続部875、配線部876および接続部878を有する。接続部875には撮像素子基板831のコネクタ(コネクタ232a、232bに相当する)と接続されるコネクタが実装され、接続部878には制御基板100のコネクタ(コネクタ102、103に相当する)と接続されるコネクタが実装されている。像ブレ補正ユニット200(図9)では、第1の配線部276と第2の配線部277とが上下方向において互いに背向する方向へ延出されている。これに対し、比較例では、フレキシブル基板870の配線部876は、撮像素子基板831に接続されるコネクタから、下方の一方向にのみ延出されている。
【0042】
各フレキシブル基板の変形によって生じる負荷と可動ユニット200aの制御について説明する。可動ユニット200aが左へ移動する場合を考える。本実施の形態では、可動ユニット200aが左へ移動する場合、図9に示すように、フレキシブル基板270a、270bがそれぞれ発生させる反力として、右方向への力Fxa、Fxbが発生する。また、上下方向に関しては、第1のフレキシブル基板270aの反力として上方への力Fya、第2のフレキシブル基板270bの反力として下方への力Fybが発生する。
【0043】
ところが、フレキシブル基板270a、270bは、上下2ルートに引き出し方向が分割されているため、力Fyaと力Fybの大きさはほぼ等しくなり、上下方向の負荷のバランスをとることが可能となる。従って、フレキシブル基板270a、270bの負荷は実質的に右方向のみに生じ、その大きさは力Fxaと力Fxbの和となる。上下方向の負荷がほぼゼロとなるので、必要な制御は左右方向の駆動制御のみとなり、制御が簡単になる。
【0044】
これに対し、比較例(図16)では、可動ユニット200aが左へ移動する場合、フレキシブル基板870が発生させる反力として右方向への力Fxが発生する。また、下方向には力Fyが発生する。配線部876の引き出し方向が1方向のみであるため、力Fxと力Fyの合力が可動ユニット200aに作用する。従って、左右方向の駆動制御だけでなく、上下方向の駆動制御も必要となるため、可動ユニット200aの駆動制御が複雑になってしまう。具体的には、可動ユニット200aのコイル241cに電流を流すことによって、コイル241cにローレンツ力を発生させてフレキシブル基板870の反力を打ち消すための上方向の推力Ryを発生させる必要がある。
【0045】
また、可動ユニット200aは、光軸Pから離れた下部の位置においてフレキシブル基板870の力Fxを受けるため、可動ユニット200aには、光軸Pに平行な軸線を中心とする回転モーメントが作用する。そこで、コイル241a、241bに発生させるローレンツ力の大きさを異ならせ、推力Rxa、Rxbの大きさを制御して回転を防止する必要がある。この点でも、可動ユニット200aの駆動制御が複雑になる可能性がある。
【0046】
しかも、比較例では、可動ユニット200aを高精度に制御するために必要な磁石やコイルが大型化し、撮像装置10の大型化を招くおそれもある。また、制御に必要な消費電力も増大するおそれもある。本実施の形態では、フレキシブル基板270a、270bを背向する2ルートに引き出しているので、撮像装置10の小型化、消費電力低減にも寄与する。
【0047】
図6に示すように、第1のフレキシブル基板270aの配線方向において、第1の配線部276と第1の接続部275aとの境界から第1の配線部276と第2の接続部278との境界までの長さが、第1の配線部276の長さL1である。第2のフレキシブル基板270bの配線方向において、第2の配線部277と第3の接続部275bとの境界から第2の配線部277と第4の接続部279との境界までの長さが、第2の配線部277の長さL2である。また、上下方向において、光軸Pから第1の接続部275aと第1の配線部276との境界までの長さをL3、光軸Pから第3の接続部275bと第2の配線部277との境界までの長さをL4とする。左右方向における、第1の配線部276の幅をW1、第2の配線部277の幅をW2とする。
【0048】
フレキシブル基板270a、270bの変形によって生じる負荷のバランスをより均一にするには、長さL1と長さL2とを略同じ長さとし、長さL3と長さL4とを略同じとするのが好ましい。さらに、幅W1と幅W2とを略同じとするのが好ましい。少なくとも、第1のフレキシブル基板270aの第1の配線部276と第2のフレキシブル基板270bの第2の配線部277とは、互いの長さおよび幅が略等しいことが好ましい。このようにすれば、フレキシブル基板270a、270bの変形によって生じる負荷をより均一に近づけることができ、撮像装置10の小型化、消費電力低減に一層寄与する。
【0049】
図8では、可動ユニット200aが変位していない初期状態を示している。この初期状態において、左右方向における第1の配線部276と第1の切欠き107aとの間隔につき、左側の間隔をX1、右側の間隔をX2とする。すなわち、第1の切欠き107aの左右方向の切欠き幅は、第1の配線部276の幅+X1+X2である。一方、第1の切欠き107aの深さ方向の位置と、第1の配線部276の湾曲形状の内側面の最下端との間隔をY1とする。制御基板100の最外形の下端位置と第1の切欠き107aの下端位置との間隔をY2とする。
【0050】
固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第1の配線部276は第1の切欠き107aの左右の縁と上方の縁とに接触することがないように、間隔X1、X2、Y1が設定されている。また、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第1の配線部276が第1の切欠き107aから突出することがなく、従って、制御基板100の最外形の内側に収まるように間隔Y2が設定されている。
【0051】
まず、ヨー方向の像ブレ補正のために可動ユニット200aが左右方向へ並進移動する。間隔X1は、可動ユニット200aの中心が光軸Pに合っているとき(初期状態)からの可動ユニット200aの左方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。間隔X2は、初期状態からの可動ユニット200aの右方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。また、ピッチ方向の像ブレ補正のために、可動ユニット200aは上下方向へ並進移動する。間隔Y1は、初期状態からの可動ユニット200aの上方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。間隔Y2は、初期状態からの可動ユニット200aの下方向への並進移動の最大可動量より大きい値に設定される。
【0052】
第2の切欠き107bと第2の配線部277との位置関係も、第1の切欠き107aと第1の配線部276との位置関係と同様に設定される。従って、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第2の配線部277は第2の切欠き107bの左右の縁と下方の縁とに接触することがない。また、固定ユニット200bに対して可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、第2の配線部277が第2の切欠き107bから突出することがなく、従って、制御基板100の最外形の内側に収まる。
【0053】
次に、撮像装置10の内部で展開される配線パターンについて図6図10を用いて説明する。図10は、制御基板100の内部に展開される配線パターンを表す正面図である。
【0054】
第1のフレキシブル基板270aには、コネクタ271a(図3)から第1の配線部276を介してコネクタ273(図6)まで電気的に接続される高速伝送配線が形成されている。この高速伝送配線は、例えばLVDS(Low Voltage Differential Signal:低電圧差動信号)等の伝送方式を採用した、2本の信号線を1対とする伝送路である。撮像装置10は、この高速伝送配線を使って撮像素子230と制御基板100との間で撮像信号を伝送し、撮像信号の高速伝送に対応している。第1のフレキシブル基板270aには、高速伝送配線以外にもグランド配線や撮像素子230に必要な配線等も配線されている。
【0055】
第2のフレキシブル基板270bには、コネクタ271b(図3)から第2の配線部277を介してコネクタ274(図6)まで電気的に接続される電源配線が形成されている。第2のフレキシブル基板270bには、電源配線以外にもグランド配線や撮像素子230に必要な配線等も配線されている。本実施の形態では、第1の配線部276に配線される高速伝送配線として、差動伝送配線が採用されている。コネクタ273、274は、コネクタ271a、271bと同様に互いに平行な2列の信号端子列を有する構造を有する。
【0056】
フレキシブル基板270a、270bは多層の積層構造を有し、本実施の形態では2層構成とされている。フレキシブル基板270a、270bの、コネクタ271a、271bが実装されている面とは反対側の面にコネクタ273、274が実装されている。高速伝送配線は、コネクタ271aの信号端子列から配線が延出し、コネクタ273の平行な2列の信号端子列の内、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子列と電気的に接続されている。具体的には、高速伝送配線は、コネクタ273の実装面の裏側の面を通過した後、スルーホールを介してコネクタ273の実装面に配線されている伝送路と電気的に接続し、コネクタ271aから見て奥側の端子列に配置される信号端子と接続する。
【0057】
図10に示すように、制御基板100に実装されているコネクタ102の右上に、矩形状のパッケージ外形をなす制御IC101が実装されている。制御IC101には複数の信号端子が形成されており、これら複数の信号端子は、制御基板100と半田で接合されて制御基板100と電気的に接続されている。制御IC101は、撮像素子230から出力された撮像信号が伝送される回路である。制御基板100にはコネクタ102から制御IC101の信号端子の一部まで電気的に接続されている高速伝送配線105として、3対の差動伝送配線が配線されている。高速伝送配線105は、第1のフレキシブル基板270aの内部を配線される高速伝送配線に対してコネクタ273およびコネクタ102を介して電気的に接続されている。高速伝送配線105は第1のフレキシブル基板270aに配線された高速伝送配線と同様の差動伝送路を形成している。制御基板100には高速伝送配線105以外にも様々な信号配線やグランド配線が展開されているが、図10ではそれらの図示が省略されている。
【0058】
一般に、高速伝送路において、同期をとることを必要とする複数の電気信号を伝送する場合、配線による遅延時間の差が十分小さくなるように、複数の電気信号が伝送される配線それぞれの長さが等しくなるように等長配線することが望ましい。また、信号線は極力短く配線し、ノイズ等の影響を受けないように設計するのが望ましい。像ブレ補正ユニット200から、制御基板100に実装される制御IC101までの経路を短くするため、制御基板100のコネクタ102と制御IC101とは極力近くに配置することが好ましい。制御基板100のコネクタ102の左側または右側に制御IC101を配置してもよく、それにより高速伝送配線の配線長をより短くすることが可能となる。
【0059】
また、高速伝送路では、高速伝送配線から電磁界ノイズが発生することがある。第1のフレキシブル基板270aには高速伝送配線が配線されているため、主として、第1の接続部275aに実装されているコネクタ271a、第2の接続部278に実装されているコネクタ273から電磁界ノイズが発生する。電磁界ノイズが発生すると、撮像装置10内にノイズが伝搬し、撮像装置10内に内蔵された無線アンテナ10b(図1(a)、(b))へ影響し、無線性能が低下するおそれがある。
【0060】
ここで、上述したように、無線アンテナ10bは撮像装置10の上部の左端部において外装10cの近傍に配置される。そこで、本実施の形態では、フレキシブル基板270a、270bのうち、電磁界ノイズの発生が多い方である第1のフレキシブル基板270aを、無線アンテナ10bの配置位置から遠い側(右側)に配置している。すなわち、まず、コネクタ102の配置位置を無線アンテナ10bから距離が離れた位置とする。それと共に、第1のフレキシブル基板270aについては、第1の配線部276を制御基板100の下側へ延出させ、さらに後側に湾曲させ、コネクタ273をコネクタ102に接続する構成としている。これにより、無線アンテナ10bへの影響を小さくできる。
【0061】
なお、無線アンテナ10bとの距離を考察する上で、第1のフレキシブル基板270aと第2のフレキシブル基板270bとの位置の比較が困難な場合は、両者の重心位置同士で把握してもよい。あるいは、電磁界ノイズの発生が多い方が第1のフレキシブル基板270aである場合を例として、無線アンテナ10bからの距離を考える場合、組み付け状態において成立すべき条件として次のような条件のうち少なくとも1つを採用してもよい。上記条件には、「コネクタ273がコネクタ274より遠い」、「コネクタ271aがコネクタ271bより遠い」が含まれる。上記条件にはまた、「第1のフレキシブル基板270aは、第2のフレキシブル基板270bと比較して、制御基板100の辺のうち無線アンテナ10bから遠い側の辺を経由して配設される」が含まれる。
【0062】
制御基板100は多層の積層構造を有する。制御基板100には、例えば複数層のコア層の両面にビルドアップ層を積層したビルドアップ基板や、全ての積層において層間ビアによる接続構造が可能なANY-LAYER基板などが採用される。高速伝送配線105は、コネクタ102の信号端子列から制御基板100の表層を配線が延出し、そのまま制御IC101の信号端子の一部に接続されるように構成されている。制御基板100の基板の厚さを比較的薄く形成し且つ、多数の導体層を積層する場合には、隣接する導体層同士のクリアランスがより近接することになる。このような構成を採用する場合、ある層に高速伝送路が配線されると、その配線層に隣接する導体層両面に対して、投影上、高速伝送路と重なる領域に対してグランドプレーンのみを形成する。あるいは導体層の全て、または導体層の一部をエッチング除去する等の措置をとることで、高速伝送路のインピーダンスを適正に管理することができる。
【0063】
これらの措置によれば、導体層の一定量の面積を占有され、基板配線の制約に繋がってしまう。制御IC101は撮像信号を制御するICであり、多くの信号線や電源線が制御IC101の信号端子に接続されるため、制御IC101と重なる領域の配線密度は非常に高密度となる場合が多い。高速伝送配線105を制御基板100の表層を使って配線することによって、高速伝送路のインピーダンスを一定に管理するために所定の措置を要する導体層は1つ内側の内層一層のみで対処可能になるため、基板配線の自由度が高まる。
【0064】
本実施の形態によれば、第1のフレキシブル基板270aの第1の配線部276は、第1の接続部275aから、撮影光軸Pに直交する下方(第1の方向)へ延出する。一方、第2のフレキシブル基板270bの第2の配線部277は、第3の接続部275bから、撮影光軸Pに直交し且つ下方(第1の方向)とは反対の上方(第2の方向)へ延出する。すなわち、第1の配線部276と第2の配線部277とが上下方向において互いに背向する方向へ延出されるので、可動ユニット200aが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることができる。
【0065】
従って、可動ユニット200aの駆動制御の複雑化を抑制し、消費電力も抑制できる。また、フレキシブル基板270a、270bの可撓部分の単位長さあたりの変形量を過剰に小さく設計しなくてもよいので、撮像装置10の小型化に有利である。
【0066】
また、制御基板100の下側の辺、上側の辺にそれぞれ形成された、第1の切欠き107a、第2の切欠き107bを、第1の配線部276、第2の配線部277が通る。そして、可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、配線部276、277が切欠き107a、107bに接触することがないので、可動ユニット200aの変位時に不測の負荷が可動ユニット200aに作用することが回避される。
【0067】
また、可動ユニット200aが最大限変位した場合でも、配線部276、277が切欠き107a、107bから突出することがなく、制御基板100の最外形の内側に収まる。従って、制御基板100と外装10cとの間隔を小さく設計でき、撮像装置10の小型化に寄与する。
【0068】
また、電磁界ノイズの発生が多い第1のフレキシブル基板270aを、第2のフレキシブル基板270bと比し、無線アンテナ10bの配置位置から遠い側に配置したので、無線性能の低下を回避することができる。
【0069】
なお、第1のフレキシブル基板270aと第2のフレキシブル基板270bとが発生させる反力の大きさを略等しくするために、配線部276、277の長さ、幅だけでなく、厚みも含めた曲げ剛性の観点で両者の発生反力を設計してもよい。例えば、フレキシブル基板270a、270bの配線路の厚みを個別に設計し、第2のフレキシブル基板270bについては断面積を一定とした条件で厚みを増し且つ幅を狭め、第1のフレキシブル基板270aと負荷が等しくなるようにしてもよい。そうすれば、第2のフレキシブル基板270bの定格電流値を変化させずに幅を変化させることが可能である。
【0070】
なお、コネクタ103はコネクタ102の左上側に配置されたが(図2)、コネクタ102の右上側に配置してもよい。また、コネクタ102については無線アンテナ10bから遠ざけるために制御基板100の下部に配置した。しかし、無線アンテナ10bの位置によっては、無線アンテナ10bから上下方向または左右方向において遠い位置となるように配置してもよい。従って、コネクタ102、103の位置については種々の変更が可能である。
【0071】
なお、フレキシブル基板270a、270bと第3のフレキシブル基板240とは別体に形成する必要はなく、一体的に構成してもよい。
【0072】
なお、図10では、制御IC101のパッケージ辺に対してほぼ平行に且つ等間隔に信号端子列が配列されているが、パッケージの信号端子配置は図示の構成に限定されない。信号端子列は、制御基板100の表層配線で接続可能な信号配列であればよく、不均一な信号配列であってもよい。また、各基板間の接続部品としてプラグコネクタとリセプタクルコネクタのコネクタを採用することは必須でない。また、フレキシブル基板270a、270bのコネクタ273、274を廃止する代わりにコネクタ端子部を形成し、このコネクタ端子部が適合するコネクタを制御基板100に実装するようにしてもよい。なお、コネクタ232a、232b(図4)、コネクタ271a、271b(図3)は、それぞれ1つとしたが、これに限らない。例えば、フレキシブル基板270a、270bのそれぞれに、複数のコネクタを実装すると共に、撮像素子基板231に、複数のコネクタを実装し、該実装された対応するコネクタ同士を接続してもよい。
【0073】
なお、可動ユニット200aにかかる負荷のバランスを均一にする観点からは、像ブレ補正ユニット200を90°回転した構成で考え、第1の配線部276と第2の配線部277とが左右方向において互いに背向する方向へ延出されてもよい。
【0074】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に対し、主として第1、第2のフレキシブル基板の構成、後側ヨークの構成が異なり、その他の構成は同様である。図11図12を用いて本実施の形態を説明する。第1の実施の形態における撮像装置10と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略する。
【0075】
図11は、第1、第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニット200aの背面図である。図12は、像ブレ補正ユニットの斜視図である。像ブレ補正ユニット200に対応する像ブレ補正ユニット700は、第1のフレキシブル基板270a、第2のフレキシブル基板270bにそれぞれ対応する、第1のフレキシブル基板770a、第2のフレキシブル基板770bを有する。像ブレ補正ユニット700は、後側ヨーク260に対応する後側ヨーク265を有する。後側ヨーク265は、光軸P方向視の外形形状がコの字状に形成された平板形状を成している。
【0076】
第1のフレキシブル基板770aは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271a(図3)に近い側から順に、第1の接続部775a、配線部776、配線部780、第2の接続部782を有する。コネクタ271aは第1の接続部775aに配置され、コネクタ273は第2の接続部782に配置される。第1のフレキシブル基板270aと対比すると、第1の接続部775aが第1の接続部275aに対応し、配線部776および配線部780が第1の配線部276に対応し、第2の接続部782が第2の接続部278に対応する。
【0077】
第2のフレキシブル基板770bは、配線方向(長手方向)においてコネクタ271b(図3)に近い側から順に、第3の接続部775b、配線部777、配線部781、第4の接続部783を有する。第3の接続部775bが第3の接続部275bに対応し、配線部777および配線部781が第2の配線部277に対応し、第4の接続部783が第4の接続部279に対応する。
【0078】
第1のフレキシブル基板770aにおいて、配線部776は、第1の接続部775aから、撮影光軸Pに直交する上方へ延出する。第2のフレキシブル基板770bにおいて、配線部777は、第3の接続部775bから、撮影光軸Pに直交し且つ上方とは反対の下方へ延出する。
【0079】
第1のフレキシブル基板770aには、第1の接続部775aに実装されるコネクタ271aから配線部776及び配線部780を介して第2の接続部782に実装されるコネクタ273まで電気的に接続される配線路が形成されている。また、第2のフレキシブル基板770bには、第3の接続部775bに実装されるコネクタ271bから配線部777及び配線部781を介して第4の接続部783に実装されるコネクタ274まで電気的に接続される配線路が形成されている。
【0080】
第1のフレキシブル基板770aの配線方向における、第1の接続部775aと第2の接続部782との間の配線部の途中位置には、第1の固定部778が形成されている。すなわち、第1の固定部778は配線部776と配線部780との間に設けられ、後側ヨーク265に固定される。一方、第2のフレキシブル基板770bの配線方向における、第3の接続部775bと第4の接続部783との間の配線部の途中位置には、第2の固定部779が形成されている。すなわち、第2の固定部779は、配線部777と配線部781との間に設けられ、後側ヨーク265に固定される。第1の固定部778及び第2の固定部779には、それぞれ後側ヨーク265に対して位置合わせを行うための穴が形成されている。作業者は、治具などを用いて固定部778、779を後側ヨーク265の対応する穴に対して位置合わせした後、後側ヨーク265に固定する。固定部778、779は後側ヨーク265に固定されるので、固定部778、779の位置およびこれらより第2の接続部782側の領域、第4の接続部783側の領域は変位しない。
【0081】
配線部776は、一定量の撓みを形成した状態で第1の固定部778が後側ヨーク265に固定されることで、撓み形状が維持される。同様に、配線部777は、一定量の撓みを形成した状態で第2の固定部779が後側ヨーク265に接続されることで、撓み形状が維持される。配線部776、777に形成される撓み量は、可動ユニット200aが最も光軸Pから離れた位置に変位した場合に、配線部776、777が延びきってしまうことなく、ともに所定の撓み量を維持することができるように設定される。
【0082】
ところで、左右方向において、配線部776と配線部777とは、可動ユニット200aの左右方向の並進移動の最大可動量以上離れている。これにより、像ブレ補正時に両者が互いに干渉して負荷に影響を与えることが回避される。
【0083】
上記のように、配線部776と配線部777とは、可動ユニット200aの並進方向である上下2ルートに分かれて(互いに背向する方向へ)引き出されている。従って、第1の実施の形態と同様に、可動ユニット200aを右方向へ駆動させるときと左方向へ駆動させるときとで、フレキシブル基板770a、770bの変形によって生じる負荷を均一に近づけることができる。また、可動ユニット200aを上方向へ駆動するときと下方向へ駆動するときとで、フレキシブル基板770a、770bの変形によって生じる負荷を均一に近づけることができる。
【0084】
ところで、第1の接続部775aと配線部776との境界から第1の固定部778までの長さL5とする。第3の接続部775bと配線部777との境界から第2の固定部779までの長さをL6とする。光軸Pから第1の接続部775aと配線部776との境界までの長さをL7、光軸Pから第3の接続部775bと配線部777との境界までの長さをL8とする。左右方向における、配線部776の幅をW3と、配線部777の幅をW4とする。
【0085】
フレキシブル基板770a、770bの変形によって生じる負荷のバランスをより均一にするには、長さL5と長さL6とを略同じ長さとし、長さL7と長さL8とを略同じとするのが好ましい。さらに、幅W3と幅W4とを略同じとするのが好ましい。少なくとも、配線部776と配線部777とは、互いの長さおよび幅が略等しいことが好ましい。このようにすれば、フレキシブル基板770a、770bの変形によって生じる負荷をより均一に近づけることができ、撮像装置10の小型化、消費電力低減に一層寄与する。
【0086】
本実施の形態によれば、配線部776と配線部777とが上下方向において互いに背向する方向へ延出される。従って、可動ユニット200aが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることに関し、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0087】
また、配線部776と配線部777が主に撓み、固定部778、779よりも第2の接続部782側の領域、第4の接続部783側の領域はほとんど撓まない。従って、制御基板100の切欠き107a、107bを、可動ユニット200aの最大変位量を考慮した分だけ余裕を持って大きく形成する必要がない。これにより、制御基板100の基板面積を拡大することができる。しかも、第1のフレキシブル基板770aの内部に配線される高速伝送路を等長配線で揃えつつ、配線部780を適宜好適な形状にするのに有利となる。従って、高速伝送路の伝送品質を確保しつつ、制御基板100の部品配置、配線の自由度を向上させることができる。
【0088】
なお、第1の固定部778、第2の固定部779は後側ヨーク265に直接固定するのではなく、別個の保持部材等を介して固定してもよい。その場合、保持部材に円筒形の位置決め形状を設け、固定部778、779に設けられている穴と位置決め形状とを嵌合してもよい。
【0089】
なお、配線部776、777に、例えば配線路と平行な方向に沿ったスリットを形成する等によって、変形によって生じる負荷を低減させてもよい。これは、像ブレ補正ユニット700を高精度に制御する上で有利となる。
【0090】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態では、第2の実施の形態に対し、主として第1、第2のフレキシブル基板の構成が異なり、その他の構成は同様である。図13図14図15を用いて本実施の形態を説明する。第2の実施の形態における撮像装置10と同じ構成要素については、同じ符号を用いて説明を省略する。なお、図13図14図15において一部の符号を省略している。
【0091】
図13は、第1、第2のフレキシブル基板が固定された可動ユニット200aの背面図である。図14は、像ブレ補正ユニットの斜視図である。図15は、図14に示す像ブレ補正ユニットを左方向から見た側面図である。
【0092】
像ブレ補正ユニット900は像ブレ補正ユニット700に対応する。図13に示すように、像ブレ補正ユニット900は、第1のフレキシブル基板770a、第2のフレキシブル基板770bにそれぞれ対応する、第1のフレキシブル基板970a、第2のフレキシブル基板970bを有する。第1のフレキシブル基板770aと対比すると、第1のフレキシブル基板970aの配線部976、第1の接続部975aがそれぞれ、配線部776、第1の接続部775aに対応する。第2のフレキシブル基板770bと対比すると、第2のフレキシブル基板970bの配線部977、第3の接続部975bがそれぞれ、配線部777、第3の接続部775bに対応する。
【0093】
第1の接続部975aにコネクタ271aが配置され、第3の接続部975bにコネクタ271bは配置される。フレキシブル基板970aの第1の接続部975aと、フレキシブル基板970bの第3の接続部975bとは、配線の引き回しにより形状が拡大され、後方(光軸方向)から見たときに重なる場合がある。このように、接続部975a、975bの一部同士が重なる場合は、次に説明するように、撮影光軸Pに平行な方向における両者の配置位置をずらすとよい。
【0094】
本実施の形態では、一例として、コネクタ271aの高さ(厚み)をコネクタ271bよりも高く(厚く)することで、接続部975a、975bの双方の配置を可能としている。従って、光軸方向において、第1の接続部975aよりも第3の接続部975bの方が制御基板100から遠い(可動ユニット200aに近い)。一方、図15に示すように、制御基板100と像ブレ補正ユニット200との間には、障害物990が配置されることがある。図14では、説明の簡略化のため障害物990を不図示としている。障害物990は例えば制御基板100の放熱などの機能を有する部材である。
【0095】
第2のフレキシブル基板970bの配線部977は、湾曲部977Rで湾曲し、第3の接続部975bと障害物990との間を通って制御基板100側へ延びる。第1のフレキシブル基板970aの配線部976は、湾曲部976Rで湾曲し、第1の接続部975aと障害物990との間を通って制御基板100側へ延びる。ここで、第1の接続部975aと障害物990との間隔よりも、第3の接続部975bと障害物990との間隔の方が大きい。配線部977の湾曲部977Rの曲率半径の方が、配線部976の湾曲部976Rの曲率半径よりも大きい。
【0096】
ここで、フレキシブル基板970a、970bの厚みは略同じとするのが好ましいが、フレキシブル基板970bが電源配線であるので、厚みが厚く設計される場合がある。本実施の形態では、第1のフレキシブル基板970aよりも第2のフレキシブル基板970bの方が厚い場合を考える。
【0097】
障害物990と像ブレ補正ユニット200との距離が近い場合は、可動ユニット200aの可動時にフレキシブル基板970a、970bが障害物990に接触しながら可動するおそれがある。また、厚い方のフレキシブル基板970bは、フレキシブル基板970aと比較して変形しにくいため、変位するときのフレキシブル基板970a、970b間の負荷バランスにばらつきが生じやすい。
【0098】
ところが、光軸方向における障害物990に対する距離は、第1の接続部975aよりも第3の接続部975bの方が大きいので、湾曲部977Rの曲率半径を、湾曲部976Rの曲率半径よりも大きく設計することが可能である。これにより、配線部976、977の各変形によって生じる反力を互いに均一に近づけることが可能となる。
【0099】
本実施の形態によれば、可動ユニット200aが変位する際にかかる負荷のバランスを均一に近づけることに関し、第1、第2の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0100】
また、第1の接続部975aの一部と第3の接続部975bの一部とは重なっているので、各接続部975a、975bの面積が大きく設計される場合でも、光軸方向に垂直な方向における配置スペースを確保することができる。
【0101】
また、第1の接続部975aよりも第3の接続部975bの方が制御基板100から遠いので、湾曲部977Rの曲率半径の方が湾曲部976Rの曲率半径よりも大きい。従って、第1のフレキシブル基板970aよりも第2のフレキシブル基板970bの方が厚い場合でも、配線部976、977の各変形によって生じる反力を互いに均一に近づけることができる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、コネクタ271aとコネクタ271bとの高さ(厚み)を異ならせることで、光軸方向における接続部975a、975bの配置位置を異ならせた。しかし、これに限るものではなく、撮像素子基板231に実装されたコネクタ232a、232bの高さ(厚み)を異ならせてもよい。あるいは、コネクタ271a、271bを異ならせると共に、コネクタ232a、232bを異ならせてもよい。
【0103】
なお、負荷バランスをとる観点からは、フレキシブル基板970a、970bのうち厚い方が有する接続部の配置位置を、制御基板100からより遠くするのが好ましい。従って、接続部の配置位置、フレキシブル基板の厚みに関し、本実施の形態で例示した関係と逆にしてもよい。
【0104】
なお、本実施の形態における、接続部の配置位置、フレキシブル基板の厚みの構成については、第1の実施の形態に適用してもよい。
【0105】
なお、本発明は、カメラ等の撮像装置に限らず、変位可能に支持された可動ユニットと制御基板とがフレキシブル基板で接続される各種の電子機器に適用可能である。また、本発明をカメラに適用する場合でも、カメラはレンズ一体型でもよい。
【0106】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0107】
200a 可動ユニット
200b 固定ユニット
270a、270b フレキシブル基板
275a、775a、975a 第1の接続部
275b、775b、975b 第3の接続部
276 第1の配線部
277 第2の配線部
278、782 第2の接続部
279、783 第4の接続部
776、777、780、781、976、977 配線部
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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