(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】通信装置、制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241118BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241118BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241118BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
G06F3/12 353
G06F3/12 305
G06F3/12 332
G06F3/12 334
G06F3/12 336
H04N1/00 350
B41J29/38 202
B41J29/42 F
(21)【出願番号】P 2023121688
(22)【出願日】2023-07-26
(62)【分割の表示】P 2021015972の分割
【原出願日】2016-04-28
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健
(72)【発明者】
【氏名】坂内 宣行
(72)【発明者】
【氏名】堀内 章智
(72)【発明者】
【氏名】宮城 新
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-188521(JP,A)
【文献】特開2016-039559(JP,A)
【文献】特開2016-014917(JP,A)
【文献】特開2009-159544(JP,A)
【文献】特開2010-277339(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶可能且つ円盤状の第1記録媒体を保持可能な第1保持部と、前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体を保持可能な第2保持部を有する印刷装置であって、
前記印刷装置にセットされた記録媒体を前記印刷装置に登録するための登録操作を、ユーザから受け付ける受付手段と、
端末装置から、前記端末装置が前記印刷装置から情報を取得するための要求を、IPP(Internet Printing Protocol)により受信する受信手段と、
前記要求が受信されたことに応じて、前記印刷装置が前記第1保持部を有しており且つ、前記登録操作を受け付け可能であるにもかかわらず前記登録操作によって前記印刷装置に登録されない
記録媒体である前記第1記録媒体に関する第1の情報と、前記登録操作によって前記印刷装置に登録された前記第2記録媒体に関する第2の情報の両方を、前記第1
記録媒体が前記登録操作によって前記印刷装置に登録されないにもかかわらず、IPPにより前記端末装置に送信する送信手段と、
前記第1の情報と前記第2の情報に基づいて前記端末装置において表示された印刷設定画面における印刷設定の選択に基づく情報であり且つ前記端末装置からIPPにより前記印刷装置が受信する情報である印刷設定情報に基づいて、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうち少なくとも一方に、印刷を実行する印刷手段と、
IPPを用いた通信を実行するための所定のプログラムと異なる、非標準系プロトコルを用いた通信を実行するためのプリンタドライバが前記端末装置にインストールされる場合、前記印刷装置が実行可能な機能に関する情報を前記端末装置に送信する機能情報送信手段と、
を有
し、
前記所定のプログラムが前記端末装置において起動される毎に、前記第1の情報及び、前記第2の情報が送信されることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
情報を記憶可能且つ円盤状の第1記録媒体を保持可能な第1保持部と、前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体を保持可能な第2保持部を有する印刷装置であって、
前記第2保持部に保持されている前記第2記録媒体を検知する検知手段と、
端末装置から、前記端末装置が前記印刷装置から情報を取得するための要求を、IPP(Internet Printing Protocol)により受信する受信手段と、
前記要求が受信されたことに応じて、前記第1保持部によって保持されることによって前記印刷装置により印刷される記録媒体に関する第1の情報と、前記検知手段によって検知された前記第2記録媒体に関する第2の情報の両方を、IPPにより前記端末装置に送信する送信手段と、
前記第1の情報と前記第2の情報に基づいて前記端末装置において表示された印刷設定画面における印刷設定の選択に基づく情報であり且つ前記端末装置からIPPにより前記印刷装置が受信する情報である印刷設定情報に基づいて、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうち少なくとも一方に、印刷を実行する印刷手段と、
前記印刷装置で発生したエラーに関するエラー情報を通知するエラー通知手段と、
を有し、
前記エラー通知手段により通知されたエラー情報に関する画面が、前記端末装置に表示され、
前記エラー通知手段は、前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーである場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知せず、前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーでない場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
前記印刷装置で発生したエラーに関するエラー情報を通知するエラー通知手段を更に有し、
前記エラー通知手段により通知されたエラー情報に関する画面が、前記端末装置に表示されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記エラー通知手段は、前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーである場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知せず、前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーでない場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記エラー通知手段は、前記印刷装置で発生したエラーが、前記端末装置に対応しているエラーでない場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知せず、前記印刷装置で発生したエラーが、前記端末装置に対応しているエラーである場合、前記エラー情報を前記端末装置に通知することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記エラー通知手段は、前記印刷装置と前記端末装置との通信が、IPPを用いた通信でない場合、前記印刷装置で発生したエラーの内容に係わらず、前記エラー情報を前記端末装置に通知し、
前記印刷装置と前記端末装置との通信が、IPPを用いた通信である場合、前記印刷装置で発生したエラーの内容に応じて、前記エラー情報を前記端末装置に通知するか否かを決定することを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
前記印刷装置で発生したエラーに関する画面を前記印刷装置が備える表示部に表示させる表示制御手段を更に備えることを特徴とすることを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項8】
前記印刷設定情報には、印刷対象の記録媒体のサイズに関するサイズ情報と、印刷対象の記録媒体のタイプに関するタイプ情報と、印刷対象の記録媒体を供給する供給部に関する供給部情報のうち少なくとも1つが含まれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷手段は、前記印刷設定情報に、所定の内容である前記サイズ情報が含まれ、且つ前記印刷設定情報に、前記タイプ情報と、前記供給部情報のうち、いずれか1つの情報が含まれない場合、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうちであり、且つ前記タイプ情報と前記供給部情報のうち前記印刷設定情報に含まれる情報に対応する記録媒体に、印刷を実行することを特徴とする請求項8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記印刷手段は、前記印刷設定情報に、所定の内容である前記サイズ情報が含まれ、且つ前記印刷設定情報に含まれる前記タイプ情報と前記供給部情報とが対応せず、且つ前記第2保持部に前記第2記録媒体が保持されている場合、前記第2記録媒体に、印刷を実行することを特徴とする請求項8又は9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記印刷手段は、前記印刷設定情報に、所定の内容である前記サイズ情報が含まれ、且つ前記印刷設定情報に含まれる前記タイプ情報と前記供給部情報とが対応せず、且つ前記第1保持部に記録媒体が保持されている場合、前記第1の情報に対応する記録媒体に、印刷を実行することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1の情報と前記第2の情報が送信された場合、前記第1の情報に対応する記録媒体及び前記第2の情報に対応する記録媒体が、前記端末装置における印刷設定のための画面において選択可能に表示され、
前記端末装置から受信する前記印刷設定情報は、前記端末装置における印刷設定のための画面で選択された内容を含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記第1の情報と前記第2の情報とは別にさらに、前記印刷装置に関する情報が前記送信手段により送信され、
前記第1の情報、前記第2の情報及び前記印刷装置に関する情報が送信された場合、前記第1の情報に対応する記録媒体、前記第2の情報に対応する記録媒体、及び前記印刷装置に関する情報に対応する選択肢が、前記端末装置における印刷設定のための画面において選択可能に表示され、
前記端末装置から受信する前記印刷設定情報は、前記端末装置における印刷設定のための画面で選択された内容を含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第1記録媒体は、CD、DVD、及びBlu-ray(登録商標) Discのうちいずれかであることを特徴とする請求項1乃至
13のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記第2記録媒体は、用紙であることを特徴とする請求項1乃至
14のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項16】
前記送信される前記第1の情報は、前記第1の情報に対応する記録媒体を印刷に利用される記録媒体として選択するための表示情報を前記端末装置において表示される印刷設定のための画面に表示するために用いられる情報であり、
前記送信される前記第2の情報は、前記第2の情報に対応する記録媒体を印刷に利用される記録媒体として選択するための表示情報を前記印刷設定のための画面に表示するために用いられる情報であることを特徴とする請求項1乃至
15のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項17】
前記第1保持部に前記第1記録媒体が保持されているか否かにかかわらず、前記第1の情報と前記第2の情報の両方が前記端末装置に送信されることを特徴とする請求項1乃至
16のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項18】
前記印刷手段は、前記端末装置のプリンタドライバからIPP(Internet Printing Protocol)とは異なるプロトコルにより送信された情報に基づき、前記第1保持部によって保持される記録媒体又は前記第2保持部によって保持される記録媒体に対して印刷可能であることを特徴とする請求項1乃至
17のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項19】
請求項1乃至
18のいずれか1項に記載の印刷装置の各手段としてコンピュータを動作させるプログラム。
【請求項20】
情報を記憶可能且つ円盤状の第1記録媒体を保持可能な第1保持部と、前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体を保持可能な第2保持部を有する印刷装置の制御方法であって、
前記印刷装置にセットされた記録媒体を前記印刷装置に登録するための登録操作を、ユーザから受け付ける受付ステップと、
端末装置から、前記端末装置が前記印刷装置から情報を取得するための要求を、IPP(Internet Printing Protocol)により受信する受信ステップと、
前記要求が受信されたことに応じて、前記印刷装置が前記第1保持部を有しており且つ、前記登録操作を受け付け可能であるにもかかわらず前記登録操作によって前記印刷装置に登録されない
記録媒体である前記第1記録媒体に関する第1の情報と、前記登録操作によって前記印刷装置に登録された前記第2記録媒体に関する第2の情報の両方を、前記第1
記録媒体が前記登録操作によって前記印刷装置に登録されないにもかかわらず、IPPにより前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記第1の情報と前記第2の情報に基づいて前記端末装置において表示された印刷設定画面における印刷設定の選択に基づく情報であり且つ前記端末装置からIPPにより前記印刷装置が受信する情報である印刷設定情報に基づいて、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうち少なくとも一方に、印刷を実行する印刷ステップと、
IPPを用いた通信を実行するための所定のプログラムと異なる、非標準系プロトコルを用いた通信を実行するためのプリンタドライバが前記端末装置にインストールされる場合、前記印刷装置が実行可能な機能に関する情報を前記端末装置に送信する機能情報送信ステップと、
を有
し、
前記所定のプログラムが前記端末装置において起動される毎に、前記第1の情報及び、前記第2の情報が送信されることを特徴とする制御方法。
【請求項21】
情報を記憶可能且つ円盤状の第1記録媒体を保持可能な第1保持部と、前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体を保持可能な第2保持部を有する印刷装置の制御方法であって、
前記第2保持部に保持されている前記第2記録媒体を検知する検知ステップと、
端末装置から、前記端末装置が前記印刷装置から情報を取得するための要求を、IPP(Internet Printing Protocol)により受信する受信ステップと、
前記要求が受信されたことに応じて、前記第1保持部によって保持されることによって前記印刷装置により印刷される記録媒体に関する第1の情報と、前記検知ステップによって検知された前記第2記録媒体に関する第2の情報の両方を、IPPにより前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記第1の情報と前記第2の情報に基づいて前記端末装置において表示された印刷設定画面における印刷設定の選択に基づく情報であり且つ前記端末装置からIPPにより前記印刷装置が受信する情報である印刷設定情報に基づいて、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうち少なくとも一方に、印刷を実行する印刷ステップと、
前記印刷装置で発生したエラーに関するエラー情報を通知するエラー通知ステップと、
を有し、
前記通知されたエラー情報に関する画面が、前記端末装置に表示され、
前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーである場合、前記エラー情報が前記端末装置に通知されず、前記印刷装置で発生したエラーが、前記第1の情報に対応する記録媒体を用いた印刷に関するエラーでない場合、前記エラー情報が前記端末装置に通知されることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルコンピュータ等の端末装置において、ユーザに印刷設定情報を入力させ、入力された印刷設定情報に基づいた印刷ジョブを、プリンタ等の通信装置に処理させる通信システムが知られている。
【0003】
このような通信システムでは、端末装置は、通信装置が保持している記録媒体に関する情報(メディア情報)を取得し、取得したメディア情報に応じた内容を、ユーザが選択可能な印刷設定情報として、表示部に表示している。
【0004】
特許文献1には、給紙トレイの記録紙情報を情報処理端末に送信する複合機と、複合機から受信した記録紙情報が反映された印刷指示画面を表示し、印刷指示画面によって利用者から印刷設定の入力を受ける情報処理端末が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、例えば、ディスクメディア等の記録媒体は、通常、印刷直前にユーザによって通信装置にセットされるため、メディア情報の送信の際には通信装置に保持されていない。そのため、特許文献1に記載されているような形態では、メディア情報の送信の際に通信装置に保持されていない記録媒体の情報は、メディア情報として端末装置に送信されないことがある。ひいては、メディア情報の送信の際に通信装置に保持されていない記録媒体の情報に対応する内容を、ユーザが印刷設定情報として選択できないことにより、ユーザの利便性が低下するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記目的を達成するために本発明の通信装置は、情報を記憶可能且つ円盤状の第1記録媒体を保持可能な第1保持部と、前記第1記録媒体と異なる第2記録媒体を保持可能な第2保持部を有する印刷装置であって、前記印刷装置にセットされた記録媒体を前記印刷装置に登録するための登録操作を、ユーザから受け付ける受付手段と、端末装置から、前記端末装置が前記印刷装置から情報を取得するための要求を、IPP(Internet Printing Protocol)により受信する受信手段と、前記要求が受信されたことに応じて、前記印刷装置が前記第1保持部を有しており且つ、前記登録操作を受け付け可能であるにもかかわらず前記登録操作によって前記印刷装置に登録されない記録媒体である前記第1の記録媒体に関する第1の情報と、前記登録操作によって前記印刷装置に登録された前記第2記録媒体に関する第2の情報の両方を、前記第1の記録媒体が前記登録操作によって前記印刷装置に登録されないにもかかわらず、IPPにより前記端末装置に送信する送信手段と、前記第1の情報と前記第2の情報に基づいて前記端末装置において表示された印刷設定画面における印刷設定の選択に基づく情報であり且つ前記端末装置からIPPにより前記印刷装置が受信する情報である印刷設定情報に基づいて、前記第1保持部によって保持される記録媒体及び前記第2保持部によって保持される記録媒体のうち少なくとも一方に、印刷を実行する印刷手段と、IPPを用いた通信を実行するための所定のプログラムと異なる、非標準系プロトコルを用いた通信を実行するためのプリンタドライバが前記端末装置にインストールされる場合、前記印刷装置が実行可能な機能に関する情報を前記端末装置に送信する機能情報送信手段と、を有し、前記所定のプログラムが前記端末装置において起動される毎に、前記第1の情報及び、前記第2の情報が送信されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷設定操作におけるユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態における通信システムの構成図
【
図2】本発明の実施形態におけるメディア情報の登録処理を示すシーケンス図
【
図3】本発明の実施形態におけるメディア情報の登録画面の一例を示す図
【
図4】本発明の実施形態におけるディスクメディアトレイの外観を示す図
【
図5】本発明の実施形態における端末装置が通信装置に印刷を実行させる処理を示すシーケンス図
【
図6】本発明の実施形態における通信装置が実行するメディア情報の通知判定処理を示すフローチャート
【
図7】本発明の実施形態における印刷設定画面の例を示す図
【
図8】本発明の実施形態における通信装置が実行する印刷処理を示すフローチャート
【
図9】本発明の実施形態における通信装置が実行する印刷方法の特定処理において用いられるテーブルの例を示す図
【
図10】本発明の実施形態における許可設定画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に説明する。ただし、本発明については、その趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下に記載する実施形態に対して適宜変更、改良が加えられたものについても本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
【0012】
(第1実施形態)
本実施形態の通信システムに含まれる端末装置及び通信装置について説明する。端末装置として、本実施形態ではパーソナルコンピュータ(PC)を例示しているが、これに限定されない。すなわち、端末装置として、携帯端末、スマートホン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ等、種々のものを適用可能である。また、通信装置として、本実施形態ではインクジェット方式のプリンタを例示しているが、これに限定されず、端末装置に、後述するメディア情報を通知可能な装置であれば良い。そのため、本実施形態の通信装置は、例えば、トナーを用いた電子写真方式や昇華方式など種々の方式のプリンタであっても良い。また、本実施形態では、通信装置として画像形成機能のみを有したものを示すが、これに限らず、原稿上の画像を読取る読取装置をさらに備えて複写機として機能するものや他の機能を加えた複合装置としても良い。また、画像形成処理を行うための記録媒体(被記録媒体又は記録シート)は、画像形成処理が可能なものであれば種々のものを用いることができる。例えば、白色の普通紙や写真用紙、白以外の色紙、フィルム、アルミを貼り合わせたメタリック色の特殊紙や、OHPシートなどを用いることができる。また、通信装置は、所定のサイズに予めカットされたカットシートへの印刷のみではなく、連続シートへの印刷も可能な装置としても良い。また、通信装置は、複数色の記録剤を用いたカラー記録を行うものには限らず、黒色(グレーを含む)のみによるモノクロ記録を行うものとしても良い。また、通信装置が制御する印刷は、可視画像の印刷には限らず、不可視もしくは視認が困難な画像の印刷であっても良いし、配線パターン、部品の製造における物理的パターン、DNAの塩基配列等の種々のものの印刷であっても良い。つまり、通信装置として、記録剤を記録媒体に付与可能なものであれば種々のタイプの装置を利用することができる。
【0013】
まず、本実施形態の通信システムの構成について
図1のブロック図を参照して説明する。また、本実施形態では以下の構成を例に記載するが、特にこの図のとおりに機能を限定するものではない。
【0014】
本実施形態の通信システムは、印刷ジョブを生成する端末装置110と、端末装置から印刷ジョブを受信し、印刷ジョブに応じた印刷を実行する通信装置120を含む。
【0015】
端末装置110は、CPU111、ROM112、RAM113、通信部114、操作部115表示部116を備えている。
【0016】
CPU111は、システム制御部であり、ROM112に格納されたプログラムの実行やハードウェアの起動により、端末装置110の全体を制御する。なお、本実施形態では、CPU111は、通信装置120に印刷を実行させるための印刷ジョブを生成する。
【0017】
ROM112は、CPU111が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込みオペレーティングシステム(以下、OSという。)プログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM112に格納されている各制御プログラムは、ROM112に格納されている組み込みOSの管理下で、例えば、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0018】
RAM113は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されるメモリである。なお、RAM113は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されていても良い。その場合、RAM113は、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、端末装置110の設定情報や端末装置110の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM113に設けられている。また、RAM113は、CPU111の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0019】
通信部114は、通信装置120等の装置と接続して、データ通信を実行するための構成部である。通信部114は、通信装置120と接続する場合、例えば、通信装置120内のアクセスポイント(不図示)に接続する。通信部114と通信装置内のアクセスポイントが接続することで、端末装置110と通信装置120は相互に通信可能となる。なお、通信部114は無線通信で通信装置120とダイレクトに通信しても良いし、端末装置110や通信装置120の外部に存在する外部装置を介して通信しても良い。なお、外部装置とは、端末装置110や通信装置120の外部に存在する外部アクセスポイント(アクセスポイント140等)や、外部サーバ等、通信を中継可能な装置を含む。無線通信方式としては、例えば、Wi-Fi(WirelessFidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。なお、通信部114は、無線通信方式でなく、有線LANやUSB(Universal Serial Bus)等によって他の装置と接続しても良い。また、外部アクセスポイントとしては、例えば、無線LANルーター等の機器などが挙げられる。
【0020】
なお、本実施形態において、端末装置110と通信装置120とが外部アクセスポイント等の外部装置を介さずにダイレクトに接続する方式をダイレクト接続方式という。また、端末装置110と通信装置120とが外部装置を介して接続する方式をインフラストラクチャー接続方式という。本実施形態では、端末装置110は、通信部114を介して、通信装置120に印刷を行わせるための印刷ジョブを送信する。なお、送信されるジョブは、印刷ジョブに限定されず、通信装置120にスキャンを行わせるためスキャンジョブや、通信装置120にコピーを行わせるためコピージョブ、通信装置120の設定を変更するための設定コマンド等であっても良い。
【0021】
操作部115は、ユーザから入力を受け付けるためのインタフェースであり、物理キーボードやボタン、タッチパネル等から構成される。なお、本実施形態では、端末装置110は、印刷ジョブの生成に必要な設定情報の入力を、操作部115を介してユーザから受け付ける。
【0022】
表示部116は、LED(発光ダイオード)やLCD(液晶ディスプレイ)などから構成され、データの表示や通信装置120の状態の通知を行う。なお、端末装置110は、表示部116上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等のキーを備えるソフトキーボードを設置することで、表示部116を介してユーザからの入力を受け付けても良い。すなわち、表示部116と操作部115は、少なくとも一部が一体であってもよく、例えば、画面の出力とユーザからの操作の受け付けが同一の画面において行われるような形態としても良い。
【0023】
通信装置120は、CPU121、ROM122、RAM123、通信部124、印刷部125、給紙部126、ディスクメディア供給部127、操作部128、用紙検知部129、ディスクメディア検知部130、表示部131を備えている。
【0024】
CPU121は、システム制御部であり、ROM112に格納されたプログラムの実行やハードウェアの起動により、端末装置110の全体を制御する。
【0025】
ROM122は、CPU121が実行する制御プログラムやデータテーブル、組み込み、OSプログラム等の固定データを格納する。本実施形態では、ROM122に格納されている各制御プログラムは、ROM122に格納されている組み込みOSの管理下で、例えば、スケジューリングやタスクスイッチ、割り込み処理等のソフトウエア実行制御を行う。
【0026】
RAM123は、SRAMやDRAM等で構成されるメモリである。なお、RAM123は、図示しないデータバックアップ用の1次電池によってデータが保持されていても良い。その場合、RAM123は、プログラム制御変数等の重要なデータを揮発させずに格納することができる。また、端末装置110の設定情報や端末装置110の管理データ等を格納するメモリエリアもRAM113に設けられている。また、RAM123は、CPU121の主メモリとワークメモリとしても用いられる。
【0027】
通信部124は、端末装置110やアクセスポイント140等の装置と接続して、データ通信を実行するための構成部である。通信部124は、通信装置120内部のアクセスポイントとして、端末装置110等の装置と接続するためのアクセスポイントを有している。なお、該アクセスポイントと通信部114とが接続することで、通信部124は、無線通信で端末装置110とダイレクトに通信することができる。なお、通信部124は、端末装置110とダイレクトに通信しても良いし、アクセスポイント140を介して通信しても良い。無線通信方式としては、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)等が挙げられる。なお、通信部124は、無線通信方式でなく、有線LANやUSB等によって他の装置と接続しても良い。また、通信部124は、アクセスポイントとして機能するハードウェアを備えていてもよいし、アクセスポイントとして機能させるためのソフトウエアにより、アクセスポイントとして動作してもよい。本実施形態では、通信装置120は、通信部124を介して、端末装置110から各種ジョブを受信する。
【0028】
印刷部125は、RAM123に保存された情報や端末装置110等から受信した印刷ジョブに基づき、インク等の記録剤を用いて紙やディスクメディア等の被記録媒体上に画像形成する画像形成処理(印刷処理)を実行し、印刷結果を出力する。
【0029】
給紙部126は、印刷のための記録媒体を保持し、CPU121から制御されて印刷部125に対して記録媒体を供給する。なお、本実施形態では、給紙部126は、後述のディスクメディア以外の記録媒体(ここでは、紙)を保持・供給するものとする。また、給紙部126は、ASF(Auto Sheet Feeder)であるものとする。なお、給紙部126は、ASFでなくとも良いし、複数の給紙ユニットから構成されていても良い。
【0030】
ディスクメディア供給部127は、印刷のための記録媒体を保持し、CPU121から制御されて印刷部125に対して記録媒体を供給する。なお、本実施形態では、ディスクメディア供給部127は、円盤状の記録媒体であり、情報を記憶可能なディスクメディアを保持・供給するものとする。なお、ディスクメディアとは、例えば、CD(Compact Disc)やDVD、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等である。
本実施形態では、ディスクメディア供給部127は、ディスクメディアを格納するトレイ(ディスメディアトレイ)を保持しているものとするが、この形態に限定されない。すなわち、ディスメディアトレイを用いず、通信装置120に直接ディスクメディアをセットする構成であってもよい。
【0031】
図4は、ディスメディアトレイの外観を示す図である。ユーザは、ディスクメディアトレイ400上のディスクメディアセット位置401に、印刷対象のディスクメディアをセットして固定する。そして、ユーザは、位置合わせ目印402を使って、ディスクメディア供給部127にディスクメディアトレイ400を挿入する。具体的には、ユーザは、ディスクメディア供給部127に付されている不図示の位置合わせ目印と、位置合わせ目印402とが一致する位置まで、ディスクメディアトレイ400を挿入する。ディスクメディア供給部127にディスクメディアトレイ400が正しく挿入されると、通信装置120は、後述のディスクメディア印刷を実行可能となる。
【0032】
操作部128は、ユーザから入力を受け付けるためのインタフェースであり、物理キーボードやボタン、タッチパネル等から構成される。なお、本実施形態では、通信装置120は、表示部131に表示される画面への情報の入力や印刷の継続の指示等を、操作部128を介してユーザから受け付ける。
【0033】
用紙検知部129は、公知の検知方法を用いて、給紙部126に保持されている紙を検知し、給紙部126に紙が保持されているか否かを判定する。
【0034】
ディスクメディア検知部130は、公知の検知方法を用いて、ディスクメディア検知部130に保持されているディスクメディアを検知し、ディスクメディア検知部130にディスクメディアが保持されているか否かを判定する。
【0035】
表示部131は、LEDやLCDなどから構成され、データの表示や通信装置120の状態の通知を行う。なお、通信装置120は、表示部131上に、数値入力キー、モード設定キー、決定キー、取り消しキー、電源キー等のキーを備えるソフトキーボードを設置することで、表示部131を介してユーザからの入力を受け付けても良い。すなわち、表示部131と操作部128は、少なくとも一部が一体であってもよく、例えば、画面の出力とユーザからの操作の受け付けが同一の画面において行われるような形態としても良い。
【0036】
なお、ユーザは、操作部128や表示部131を介して、通信装置120にメディア情報を登録することができる。メディア情報の登録とは、通信装置120に、いずれのメディア(記録媒体)がセットされているかを登録するための処理である。メディア情報の登録が行われた場合、登録された情報は、RAM123に記憶される。通信装置120は、登録された情報を参照することで、いずれのメディアがセットされているか、すなわち、いずれのメディアを用いた印刷が可能かを認識することができる。
【0037】
なお、ユーザは、操作部128と表示部131を介して、通信装置120がディスクメディア印刷を許可するか否かの設定(許可設定)も行うことができる。当該設定情報も、メディア情報の登録情報と同様にRAM123に記憶される。また、
図2および
図3を用いて後述するように、ユーザは、リモートUI機能を用いることで、操作部128や表示部131を介することなく、端末装置110を介して、メディア情報の登録や許可設定を行うことができる。なお、リモートUI機能とは、通信装置120を操作するための画面を端末装置110に表示させることで、リモートで(遠隔で)通信装置120を操作することを可能とする機能である。
【0038】
また、本実施形態では、通信装置120は、ディスクメディアに対して印刷を行う印刷方法である「ディスクメディア印刷」と、ディスクメディア以外の記録媒体(紙等)に対して印刷を行う印刷方法である「用紙メディア印刷」とを実行可能である。端末装置110は、通信装置120に印刷を実行させる場合に印刷ジョブを送信するが、印刷ジョブには、いずれの印刷方法を用いた印刷を実行させるためのジョブなのかを示す情報が含まれる。この情報は、例えば印刷設定情報である。
【0039】
また、通信装置や端末装置等のネットワーク対応機器が増加することに伴い、ネットワーク上のデバイス同士の通信プロトコルや、デバイスのディスカバリの仕組み、デバイスのインストールの仕組み、印刷サービスの仕様が、標準規格化されている。標準化された通信プロトコル(標準系プロトコル)として、例えば、IPP(Internet Printing Protocol)やWSD(Web Services on Devices)等の通信プロトコルがある。さらに、標準系プロトコル以外の通信プロトコル(非標準系プロトコル)として、例えば、プリンタベンダー独自の通信プロトコルがある。本実施形態では、利用されるプロトコルにより、印刷において端末装置110に表示される画面や、端末装置110及び通信装置120が送受信する情報の形式が異なる。なお、端末装置110が送信する印刷ジョブには、いずれの通信プロトコルが用いられたのかを示す情報が含まれるため、印刷ジョブを受信する通信装置120は、当該情報を参照して、用いられている通信プロトコルを把握することができる。
【0040】
標準系プロトコルを用いた印刷を実行する方法について説明する。まず、端末装置110は、印刷対象の画像・文書データを特定した状態でユーザからの操作を受け付けて、標準系プロトコルを用いて通信装置120によって印刷を実行するための所定のプリンタドライバ(標準系ドライバ)をインストールする。その後、端末装置110は、通信装置120に対して後述するメディア情報の通知要求を行い、メディア情報の取得及び取得したメディア情報に応じた印刷設定画面の表示を行う。その後、端末装置110は、ユーザから印刷設定の入力を受け付け、印刷が指示されると、印刷対象の画像・文書データと、受け付けた印刷設定に基づく印刷ジョブを発行し、標準系プロトコルによって、通信装置120に印刷ジョブを送信する。これにより、標準系プロトコルを用いた印刷が実行される。なお、一旦、標準系ドライバのインストールが行われれば、再度その処理が実行される必要はない。すなわち、次回の印刷において、ユーザは、インストール済みの標準系ドライバを起動させることで、標準系プロトコルを用いた印刷を実行させることができる。なお、本実施形態において、端末装置110は、標準系ドライバが起動される毎に、メディア情報の通知要求を行い、メディア情報の取得及び取得したメディア情報に応じた印刷設定画面の表示を行う。これは、メディア情報は、通信装置120が現在保持しているメディアに対応する情報であり、変化する可能性がある情報であるためである。なお、標準系プロトコル印刷では、通信装置120は、受信した印刷ジョブにメディアサイズ情報として「12cm*12cm」、メディアタイプ情報として「ディスク」、供給部情報として「ディスク」が設定されている場合、ディスクメディア印刷を実行する。また、通信装置120は、受信した印刷ジョブにメディアタイプ情報として、「ディスク」以外の内容が設定されており、供給部情報として「ASF」が設定されている場合に、用紙メディア印刷を実行する。
【0041】
続いて、非標準系プロトコルを用いた印刷を実行する方法について説明する。まず、端末装置110は、印刷対象の画像・文書データを特定した状態でユーザからの操作を受け付けて、非標準系プロトコルを用いて通信装置120によって印刷を実行するための所定のプリンタドライバ(非標準系ドライバ)をインストールする。非標準系ドライバは、プリンタベンダー独自のプリンタドライバであり、通信装置120の機種毎に固有のプリンタドライバである。なお、端末装置110は、非標準系ドライバのインストール時に、通信装置120が実行可能な機能に関する情報(機能情報)を取得する。そして、端末装置110は、通信装置120が実行可能な機能に対応する選択肢を表示可能な印刷設定画面を表示する。その後、端末装置110は、ユーザから印刷設定の入力を受け付け、印刷が指示されると、印刷対象の画像・文書データと、受け付けた印刷設定に基づく印刷ジョブを発行し、非標準系プロトコルによって、通信装置120に印刷ジョブを送信する。これにより、非標準系プロトコルを用いた印刷が実行される。なお、一旦、非標準系ドライバのインストールや通信装置の選択が行われれば、再度それらの処理が実行される必要はない。すなわち、次回の印刷において、ユーザは、インストール済みの非標準系ドライバを起動させることで、非標準系プロトコルを用いた印刷を実行させることができる。なお、本実施形態において、端末装置110は、非標準系ドライバをインストールする場合に、機能情報を取得する。すなわち、端末装置110は、非標準系ドライバの起動毎に、機能情報を取得することはない。これは、機能情報は、上述したように通信装置120が実行可能な機能に関する情報であり、変化する可能性が低い情報であるためである。
【0042】
図2は、本実施形態において、端末装置110が、通信装置120の給紙部126にセットされているメディアの情報を登録する処理(メディア情報の登録処理)を示すシーケンス図である。メディア情報の登録処理によって、通信装置120は、給紙部126にいずれのメディアがセットされているのかを把握することができる。なお、本シーケンス図において各装置が実行する処理は、各装置が備えるCPUが、各装置が備えるメモリに格納された各種プログラムを各装置が備えるRAMに読み出して実行することにより実現される。なお、本シーケンス図は、端末装置110によって、ブラウザアプリケーションが起動され、リモートUI機能が実行されている状態で開始されるものとする。なお、端末装置110は、例えば、ブラウザアプリケーションに、操作対象の通信装置のIPアドレスを入力したり、プリンタドライバによって表示される画面におけるリモートUI機能実行ボタンが押下された場合等に、リモートUI機能を実行可能である。
【0043】
まず、S201にて、ユーザ200は、メディア情報の登録処理を実行するための操作を端末装置110に対して行う。具体的には、メディア情報の登録処理に対応する画面(メディア情報の登録画面)を表示部116に表示するための操作を行う。
【0044】
続いて、S202にて、端末装置110は、受け付けた操作に基づいて、通信装置120に対して、メディア情報の登録画面を表示するための情報を要求する。
【0045】
続いて、S203にて、通信装置120は、ROM122やRAM123等のメモリに保持されている、メディア情報の登録画面を表示するための情報を端末装置110へ送信する。
【0046】
続いて、S204にて、端末装置110は、S203で通信装置120から受信した情報を用いて、メディア情報の登録画面を、ブラウザアプリケーションを介して表示部116に表示する。
【0047】
図3は、メディア情報の登録画面の一例を示す図である。メディア情報の登録画面301には、画面タイトル302や、メディアサイズ303、メディアタイプ304が表示される。メディアサイズ303は、給紙部126にセットされているメディアのサイズを示し、メディアタイプ304は、給紙部126にセットされているメディアの種類(タイプ)を示す。ユーザは、メディアサイズ303設定内容として、例えば、「A4」や「4x6」、「12cm*12cm」、「はがき」、「レター」などのサイズを選択可能である。ユーザは、メディアタイプ304の設定内容として、例えば、「光沢紙」や「マット紙」、「絹目調用紙」、「普通紙」などの種類を選択可能である。ユーザ200は、後述のメディア情報の登録操作によって、メディアサイズ303及びメディアタイプ304に入力されている情報を任意に変更することで、通信装置120に登録するメディアサイズ情報及びメディアタイプ情報を任意に変更することができる。決定ボタン305は、入力が完了した場合に押下されるボタンである。端末装置110は、決定ボタン305が押下された場合、入力されている情報をRAM113に記録する。
図3に示す例では、メディアサイズがA4、メディアタイプが光沢紙として入力されている画面を示している。
【0048】
続いて、S205にて、ユーザ200は、メディア情報の登録画面を確認しながら、メディア情報の登録操作を行う。ユーザ200は、メディアサイズ303及びメディアタイプ304に任意の情報を入力し、入力が完了したら、決定ボタン305を押下する。
【0049】
続いて、S206にて、端末装置110は、メディア情報の登録操作に基づいて生成されたメディア情報を、通信装置120へ通知する。
【0050】
続いて、S207にて、通信装置120は、受け付けたメディア情報を、RAM123等のメモリに保存し、メディア情報を登録する。
【0051】
このように、ユーザ200は、リモートUI機能を用いることで、端末装置110を介した遠隔操作によりメディア情報の登録処理を行うことができる。また、ユーザ200は、リモートUI機能を用いることにより、例えば、操作部や表示部を備えていない通信装置120に対しても、メディア情報を登録することができる。なお、ユーザ200は、メディア情報の登録処理を、リモートUI機能を用いずに、例えば、給紙トレイのセット時等に、通信装置120を直接操作することで実行することも可能である。
【0052】
また、ユーザ200は、リモートUI機能を用いて同様の操作を行うことで、通信装置120に後述のディスクメディア印刷を許可させるか否かを設定することができる。具体的には、S201において、ユーザ200は、ディスクメディア印刷を許可させるか否かを設定するための操作を端末装置110に対して行う。これにより、S204にて、
図10に示すような、ディスクメディア印刷を許可させるか否かを設定するための画面(許可設定画面)が表示部116に表示されるため、S205にて、ユーザ200は任意の設定を入力する。すなわち、ユーザ200は、ディスクメディア印刷を許可するか否かの設定を入力する。そして、S206にて端末装置110は、ユーザ200から受け付けた入力に基づく設定情報を通信装置120に送信する。通信装置120は、受け付けた設定情報に応じて、以後、ディスクメディア印刷を実行するか否かを決定する。これにより、ディスクメディア印刷の許可設定が完了する。なお、上記の設定が、標準系プロトコルを用いたディスクメディア印刷にのみ適用されるような形態としても良い。
【0053】
図5は、本実施形態において、端末装置110が、通信装置120に印刷を実行させる処理を示すシーケンス図である。なお、本シーケンス図において各装置が実行する処理は、各装置が備えるCPUが、各装置が備えるメモリに格納された各種プログラムを各装置が備えるRAMに読み出して実行することにより実現される。なお、以下の説明において、装置間の通信は、標準系プロトコルが用いられて実行されるものとする。
【0054】
なお、
図2の説明において登場する端末装置110と、
図5の説明において登場する端末装置110は、異なる端末装置でもかまわない。すなわち、メディア情報の登録と、印刷ジョブの送信は、異なる端末装置によって行われても良い。なお、本シーケンス図は、ユーザ200が、端末装置110を操作して、通信装置120に印刷させるための画像データを選択した後に開始されるものとする。
【0055】
まず、S501にて、ユーザ200は、表示部116に印刷設定画面を表示させるための操作である印刷設定画面の表示操作を端末装置110に対して行う。
【0056】
続いて、S502にて、端末装置110は、受け付けた印刷設定画面の表示操作に基づいて、通信装置120に対して、メディア情報の通知要求を行う。これは、例えば標準系プロトコルを用いた印刷設定処理においては、ユーザが設定可能な印刷設定情報の選択肢は、通信装置120から受信されるメディア情報に応じたものとなるためである。
【0057】
続いて、S503にて、通信装置120は、受け付けたメディア情報の通知要求に応じて、メディア情報の通知判定を行う。メディア情報の通知判定は、端末装置110に通知するメディア情報を特定するための処理である。
図6を用いて、メディア情報の通知判定について詳細に説明する。
【0058】
図6は、通信装置120が実行するメディア情報の通知判定処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートが示す処理は、CPU121が、ROM122等のメモリに格納された各種プログラムをRAM123に読み出して実行することにより実現される。また、本フローチャートが示す処理は、S503の処理に対応するため、S502の処理が完了された場合に開始される。
【0059】
まず、S601では、CPU121は、端末装置110からメディア情報の通知要求を受け付ける。
【0060】
続いて、S602では、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信するか否かを判定する。この判定は、CPU121は、具体的には例えば、通信装置120がディスクメディア印刷に対応しているか否かを判定することで行われる。通信装置120がディスクメディア印刷に対応しているか否かは、例えば、通信装置120のメカ機構の情報や、仕向け情報、通信装置120の機種情報、上述した許可設定によりディスクメディア印刷が許可されたか否かを示す設定情報等により特定される。CPU121は、通信装置120がディスクメディア印刷を実行可能なメカ構成(例えば、ディスクメディア供給部)や機能を有していたり、ディスクメディア印刷がユーザにより許可されていた場合に、ディスクメディア印刷に対応していると判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信すると判定し、S603の処理を行う。一方、CPU121は、通信装置120がディスクメディア印刷を実行可能なメカ構成や機能を有していなかったり、ディスクメディア印刷がユーザにより許可されていなかった場合に、通信装置120がディスクメディア印刷に対応していないと判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信しないと判定し、S604の処理を行う。なお、CPU121は、通信装置120がディスクメディア印刷を実行可能なメカ構成や機能を有していても、ディスクメディア印刷がユーザにより許可されていなかった場合には、通信装置120がディスクメディア印刷に対応していないと判定する。なお、ディスクメディア情報とは、印刷設定画面701に、ディスクメディア印刷に係る設定内容を選択肢として表示させるための情報である。また、ディスクメディア印刷に係る設定内容とは、本実施形態では、「12cm*12cm」のメディアサイズ情報、「ディスク」のメディアタイプ情報、「ディスク」の供給部情報のうち少なくとも1つである。
【0061】
S603にて、CPU121は、用紙メディア情報とディスクメディア情報を端末装置110に通知する。なお、本実施形態ではこのとき、CPU121は、ディスクメディアがディスクメディア供給部127にセットされているか否かに係わらず、ディスクメディア情報を端末装置110に通知することを決定する。
【0062】
S604にて、CPU121は、用紙メディア情報を端末装置110に通知する。すなわち、CPU121は、ディスクメディア情報を端末装置110に通知しない。
【0063】
S603及びS604が終了すると、CPU121は、S504の処理を行い、S603及びS604で決定された通知内容に従って、メディア情報を端末装置110に通知する。
【0064】
上述したように、例えば標準系プロトコルを用いた印刷設定処理においては、印刷設定画面には、端末装置110に通知されたメディア情報に対応する選択肢が表示される。また、例えば標準系プロトコルを用いた印刷設定処理においては、通常、通信装置は、メディア情報の登録処理において登録された用紙メディア情報、すなわち給紙部にセットされているメディアに関する情報のみを端末装置110に通知する。しかしながら、メディア情報の登録処理において、ディスクメディアに関する情報は登録されない場合がある。これは、メディア情報の登録処理は、通信装置に、現在セットされているメディアを把握させるために実行させる処理であるが、ディスクメディアは、通信装置に予めセットされることが少ないためである。具体的には、メカ構成上の制約等により、通信装置は、ディスクメディア印刷に対応する印刷ジョブを受信してから、ディスクメディアのセットを受け付ける構成となっているためである。このため、例えば標準系プロトコルを用いた印刷設定処理において、通信装置は、端末装置110に通知するメディア情報としてディスクメディア情報を通知できないことがあるというおそれがあった。ひいては、印刷設定画面に、ディスクメディア印刷に係る設定内容が選択肢として表示されず、ディスクメディア印刷を通信装置に実行させることができないことがあるというおそれがあった。
【0065】
そこで、本実施形態の通信装置である通信装置120は、S504の通知処理において、メディア情報の登録処理において登録されている情報だけでなく、ディスクメディア情報も、端末装置110に通知する。これにより、印刷設定画面701に、ディスクメディア印刷に係る設定内容を選択肢として表示させることができる。ひいては、端末装置110は、ディスクメディア印刷に係る印刷ジョブをプリンタ300に実行させることが可能となる。また、CPU121は、ディスクメディア印刷に対応しているか否かに応じて、端末装置110にディスクメディア情報を通知する。例えば、CPU121は、通信装置120がディスクメディア印刷に対応していない場合には、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信しない。これにより、CPU121は、印刷設定画面701において表示される選択肢を減らすことができ、印刷設定時におけるユーザの利便性を向上させることができる。
【0066】
なお、S602の判定は、例えば、給紙部126に用紙がセットされているか否かを判定することで行われても良い。この場合、CPU121は、用紙検知部129を用いて、給紙部126にセットされている用紙を検知する。CPU121は、用紙が検知された場合に、給紙部126に用紙がセットされていると判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信しないと判定し、S604の処理を行う。これは、給紙部126に用紙があるということは、ディスクメディア印刷でなく、用紙メディア印刷が行われる可能性が高いためである。一方、CPU121は、用紙が検知されなかった場合に、給紙部126に用紙がセットされていないと判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信すると判定し、S603の処理を行う。これは、給紙部126に用紙がないということは、用紙メディア印刷と、ディスクメディア印刷のどちらも行われる可能性があるためである。
【0067】
また、S602の判定は、例えば、通信装置120がディスクメディア印刷の準備をしているか否かを判定することで行われても良い。この場合、CPU121は、ディスクメディア検知部130を用いて、ディスクメディア供給部127にディスクメディアがセットされているか否かを検知する。また、ディスクメディア供給部127にディスクメディアやディスクメディアトレイを挿入する挿入口を開閉するためのカバー(開閉部材)が、挿入口を開放する位置である開放位置に位置するか否かを検知する。CPU121は、ディスクメディアがセットされている、又はカバーが開放位置に位置することが検知された場合に、ディスクメディア印刷の準備をしていると判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信すると判定し、S603の処理を行う。これは、通信装置120がディスクメディア印刷の準備をしているということは、ディスクメディアを用いた印刷が行われる可能性が高いためである。一方、CPU121は、ディスクメディアがセットされていない、又はカバーが、挿入口を閉じる位置である閉じ位置に位置することが検知された場合に、ディスクメディア印刷の準備をしていないと判定する。すなわち、CPU121は、端末装置110に、ディスクメディア情報を送信しないと判定し、S604の処理を行う。これは、ディスクメディア印刷の準備をしていないということは、ディスクメディアを用いた印刷が行われる可能性が低いためである。
【0068】
なお、CPU121は、S602において、上述した判定を組み合わせて実行しても構わない。この場合、例えば、CPU121は、組み合わせた全ての判定において、ディスクメディア情報を送信しないと判定した場合に、S604の処理を行う。そして、CPU121は、組み合わせたいずれかの判定において、ディスクメディア情報を送信すると判定した場合に、S604の処理を行う。
【0069】
上述のような形態とすることで、CPU121は、通信装置120の装置構成や設定状態、給紙部126やディスクメディア供給部127の状態に応じて、ディスクメディア情報の通知を制御することができる。
【0070】
なお、CPU121は、端末装置110からメディア情報の通知要求を受け付ける度に、ディスクメディア情報と用紙メディア情報を毎回通知する形態とすることで、S503のメディア情報の通知判定を省略しても良い。この場合、印刷設定画面(701)に毎回ディスクメディア印刷に係る選択肢が表示されることとなり、ユーザがディスクメディア印刷を所望しているにも関わらず、誤判定等によりディスクメディア印刷に係る選択肢が表示されないことを抑制できる。
【0071】
また、上述では、メディア情報の通知要求に応じて送信するメディア情報として、メディア情報の登録処理によって登録された情報を通知する形態を説明したが、この形態に限定されない。CPU121は、例えば、通信装置120が自身にセットされているメディアを検知できる機能等を有している場合は、自身にセットされているメディアを検知し、検知したメディアに関する情報を通知しても良い。この場合においても、CPU121は、端末装置110にディスクメディア情報を送信すると判定した場合は、ディスクメディア供給部127にディスクメディアがセットされているか否かに係わらず、端末装置110にディスクメディア情報を送信する。
【0072】
続いて、S504にて、通信装置120は、S503におけるメディア情報の通知判定の結果に基づいて、メディア情報を端末装置110に通知する。具体的には、通信装置120は、メディア情報の通知判定において、「ディスクメディア情報を送信しない」と判定した場合、給紙部126にセットされたメディアに関するメディア情報(用紙メディア情報)のみを端末装置110に通知する。すなわち、メディア情報の登録処理によって登録された内容に対応する情報のみを端末装置110に通知する。一方、通信装置120は、メディア情報の通知判定において、「ディスクメディア情報を送信する」と判定された場合、用紙メディア情報に加えて、ディスクメディア情報を端末装置110に通知する。
なお、通信装置120は、メディア情報の通知判定において、「ディスクメディア情報を送信する」と判定された場合、ディスクメディア情報のみを端末装置110に通知し、用紙メディア情報を端末装置110に通知しない形態であっても良い。これは、特にディスクメディア供給部127にディスクメディアがセットされていることにより「ディスクメディア情報を送信する」と判定された場合等は、用紙メディア印刷ではなく、ディスクメディア印刷が行われる可能性が高いためである。なお、通信装置120は、S602において、上述した判定を組み合わせて実行し、判定結果に応じて、「ディスクメディア情報を送信しない」、「ディスクメディア情報を送信する」及び「ディスクメディア情報のみを送信する」の3パターンを特定しても良い。具体的には例えば、ディスクメディア供給部127にディスクメディアがセットされていると判定した場合は、「ディスクメディア情報のみ送信する」と判定し、その他の判定は上述と同様に判定する形態としても良い。
そして、CPU121は、「ディスクメディア情報のみ送信する」と判定した場合、S504にて、ディスクメディア情報のみを送信する。
【0073】
続いて、S505にて、端末装置110は、S504にて通知されたメディア情報を利用して、印刷設定画面を表示部116に表示する。
【0074】
図7は、本実施形態の印刷設定画面の例を示す図である。印刷設定画面とは、S507で送信する印刷ジョブに含まれる設定情報を入力するための画面である。通信装置120は、印刷ジョブを受信した場合、印刷ジョブに含まれる設定情報の内容(すなわち、印刷設定画面を介して設定された内容)に基づいて、印刷を実行する。
【0075】
印刷設定画面701は、タイトル702と設定項目703~708を含む。ユーザ200は、設定項目703~708に対応するそれぞれの項目の内容を、操作部115を用いて変更・設定することができる。設定項目703~708の内容の選択肢は、S504にて通知されたメディア情報に対応する。すなわち、メディア情報に用紙メディア情報のみが含まれていた場合、ユーザ200は、設定項目703~708の設定内容として、通信装置120に登録されている内容のみ選択可能である。一方、メディア情報に用紙メディア情報とディスクメディア情報とが含まれていた場合、ユーザ200は、設定項目703~708の設定内容として、通信装置120に登録されている内容及び、ディスクメディア印刷に係る設定内容を選択可能である。
【0076】
メディアサイズ703は、通信装置120に実行させる印刷において利用される記録媒体のサイズの設定内容を示す。ユーザ200は、メディアサイズ703の設定内容として、例えば、「A4」や「4x6」、「12cm*12cm」、「はがき」、「レター」などのサイズを選択可能である。メディアタイプ704は、通信装置120に実行させる印刷において利用される記録媒体の種類の設定内容を示す。メディアタイプ704の設定内容として、例えば、「普通紙」や「写真用紙」、「ディスク」などの種類を選択可能である。なお、メディアサイズ703とメディアタイプ704の選択肢(印刷設定画面の選択肢)は、メディアサイズ303とメディアタイプ304(メディア情報の登録画面の選択肢)の選択肢と異なっていても良い。例えば、メディアタイプ304には、メディアタイプ704よりも多くの詳細な選択肢が表示されても良い。このような場合、通信装置120は、メディアサイズ303やメディアタイプ304として登録された内容を、メディアサイズ703やメディアタイプ704の内容に変換した情報を、メディア情報として端末装置110に通知する。具体的には、通信装置120は、例えば、メディアタイプ304として、「光沢紙」や「マット紙」と登録されたことを示す情報を、「写真用紙」に変換して、端末装置110に通知する。
【0077】
印刷面705は、通信装置120に実行させる印刷が、片面印刷なのか両面印刷なのかを示す。ユーザ200は、印刷面705の設定内容として、片面印刷を示す「片面」と両面印刷を示す「両面」を選択可能である。印刷品位706は、通信装置120に実行させる印刷の仕上がりの設定内容を示す。ユーザ200は、印刷品位706の設定内容として、「標準」や「高品位」などの印字品位を選択可能である。色707は、通信装置120に実行させる印刷がカラー印刷なのかモノクロ印刷なのかを示す。ユーザ200は、色707の設定内容として、「カラー」、「モノクロ」などの色設定を選択可能である。供給部708は、通信装置120に実行させる印刷において利用される記録媒体の供給元を示す。ユーザ200は、供給部708の設定内容として、給紙部126示す「ASF」やディスクメディア供給部127を示す「ディスク」などを選択可能である。なお、給紙部126が複数の給紙ユニットを備えている場合は、ユーザ200は、複数の給紙ユニットそれぞれを選択可能である。また、ユーザ200は、設定項目703~708それぞれにおいて、通信装置120が、後述する方法で自動的に設定値を選択することを示す内容である「自動」を選択可能である。
【0078】
上述したように、例えば、メディア情報の通知判定において、「ディスクメディア情報を送信しない」と決定された場合、メディア情報の登録処理によって登録された内容に対応する情報(用紙メディア情報)のみが端末装置110に通知される。そして、用紙メディア情報に含まれるメディアサイズ情報が「A4」、メディアタイプ情報が「写真紙」であった場合、ユーザ200は、メディアサイズとして「A4」を、メディアタイプとして「写真紙」を、供給部として「ASF」を選択可能となる。なお、上述したように、ユーザ200は、それぞれの項目において、さらに「自動」を選択可能である。一方、例えば、後述するメディア情報の通知判定において、「ディスクメディア情報を送信する」と決定された場合、用紙メディア情報に加えて、ディスクメディア情報が端末装置110に通知される。そのため、この場合、用紙メディア情報が上記の内容であったならば、ユーザ200は、メディアサイズとして「A4」と「12cm*12cm」を、メディアタイプとして「写真紙」と「ディスク」を、供給部として「ASF」と「ディスク」を選択可能となる。なお、上述したように、ユーザ200は、それぞれの項目において、さらに「自動」を選択可能である。
【0079】
なお、印刷設定画面701で設定可能な設定項目及び、それぞれの設定項目において選択可能な内容は、特に限定されない。例えば、通信装置120が両面印刷に対応していない場合は、印刷面705は、「片面」のみ設定可能なため、印刷面705が表示されない構成としても良いし、「片面」のみを選択可能とするような構成としても良い。また、内容の選択肢が「自動」のみである設定項目については、表示されない構成としても良い。
また、印刷設定画面701のレイアウトも特に限定されない。例えば、タイトル702が表示されない構成としても良い。また、例えば、一部の項目が連動して決定される形態としても良い。例えば、メディアタイプとして「ディスク」が選択された場合は、メディアサイズとして「12cm*12cm」が自動で選択されたり、「12cm*12cm」以外の選択肢が選択不可にされる形態としても良い。
【0080】
また、メディアサイズ703及びメディアタイプ704等の設定内容は、S502で通信装置120から取得されたメディア情報に基づいて、端末装置110により自動で決定される構成とすることで、印刷設定画面701に表示されない構成としても良い。これにより、印刷設定情報の入力におけるユーザ操作を簡略化できる。
【0081】
なお、S505は、端末装置110にインストールされている印刷アプリケーションの仕様等によっては、省略されてもよい。すなわち、印刷設定画面701の表示が省略されても良い。これは、例えば、設定項目の内容が固定されるようなユースケースにおいては、ユーザによる設定項目の内容の変更・設定が必要ないためである。
【0082】
続いて、S506では、ユーザ200は、S505で表示された印刷設定画面を介して、印刷設定情報を入力し、印刷の実行を指示する。
【0083】
続いて、S507では、端末装置110は、S506で入力された設定項目703~708の内容に対応する印刷設定情報と、ユーザ200によって選択された画像データとを含む印刷ジョブを通信装置120に送信する。
【0084】
続いて、S508では、通信装置120は、端末装置110から受信した印刷ジョブの内容に従って印刷を実行する。この処理の詳細は、
図8を用いて後述する。
【0085】
なお、本実施形態では、通信装置120は、S504でメディア情報通知を実行しているが、メディア情報通知が行われるタイミングは特に限定されない。例えば、端末装置110と通信装置120とが、通信部114と通信部124を介して最初に接続した時に、メディア情報通知が行われる形態としても良い。
【0086】
図8は、本実施形態において通信装置120が実行する印刷処理を示すフローチャートである。なお、本フローチャートが示す処理は、CPU121が、ROM122等のメモリに格納された各種プログラムをRAM123に読み出して実行することにより実現される。また、本フローチャートが示す処理は、S508の処理に対応するため、S507の処理が完了された場合に開始される。
【0087】
まず、S801では、CPU121は、端末装置110から印刷ジョブを受信する。
【0088】
続いて、S802では、CPU121は、受信した印刷ジョブの解析を行う。本実施形態では、印刷ジョブは、印刷設定画面701を介して設定された設定項目703~708の内容に対応する印刷設定情報と、画像データを含む。そのため、具体的には、CPU121は、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報と、画像データとを取得する。
【0089】
S803では、CPU121は、S802における解析により取得した印刷設定情報に基づいて、印刷ジョブに基づく印刷を実行する際の印刷方法を特定する。例えば、メディアサイズが「A4」、メディアタイプが「写真用紙」の場合は、各項目の内容はディスクメディア印刷の設定に対応していないため、CPU121は、A4の写真用紙に対する用紙メディア印刷を特定する。
【0090】
しかしながら、例えば、端末装置110に搭載されているOSや端末装置110の機種、印刷を指示するアプリケーションによっては、印刷設定情報にいずれかの設定項目に関する情報が含まれない場合がある。また、上述したように、ディスクメディア印刷の実行のためには、メディアサイズが「12cm*12cm」に設定されている必要がある。そして、用紙メディア印刷においても、「12cm*12cm」のサイズの正方形用紙が利用されることがある。すなわち、例えば、印刷設定情報に「12cm*12cm」のメディアサイズ情報が含まれ、メディアタイプ情報や供給部情報が含まれない場合は、ディスクメディア印刷と用紙メディア印刷どちらもが特定され得る。そのため、本実施形態では、印刷設定情報に特定の情報(ここでは、メディアサイズが「12cm*12cm」であることを示す情報)が含まれる場合には、印刷方法の特定処理を実行する。以下、印刷方法の特定処理について、
図9を用いて詳細に説明する。
【0091】
CPU121は、利用する印刷方法と、メディアタイプ情報と、供給部情報とを対応させたテーブル(以下、対応テーブル)を用いて決定する。
【0092】
図9は、印刷設定情報に含まれるメディアサイズ情報が、「12cm*12cm」を示す情報であった場合に用いられる対応テーブルの一例である。本実施形態では、メディアタイプ901の項目として、「なし/自動」、「ディスク」、「普通紙/写真紙」がある。また、本実施形態では、供給部902の項目として、「なし/自動」、ディスクメディア供給部127を示す「ディスク」、給紙部126示す「ASF」がある。なお、「なし」とは、印刷設定情報に、メディアタイプ情報や供給部情報が含まれなかった場合に参照される項目である。CPU121は、取得した印刷設定情報に含まれるメディアタイプ情報と、供給部情報とに基づいて、
図9に示すテーブルに記載された印刷方法を特定する。
【0093】
また、
図9に示すテーブルに記載された印刷方法として、「ディスクメディア印刷」と、「用紙メディア印刷」とがある。ディスクメディア印刷は、ディスクメディアに対して印刷を行う印刷方法であるため、印刷設定は、メディアタイプが「ディスク」、供給部が「ディスク」となる。そのため、例えば、印刷設定情報に含まれるメディアタイプ情報が「ディスク」を示し、供給部情報が「ディスク」を示す場合は、CPU121は、
図9に示すテーブルにおけるパターン907を参照して、印刷方法としてディスクメディア印刷を特定する。また、用紙メディア印刷は、ディスクメディア以外の記録媒体(紙等)に対して印刷を行う印刷方法であるため、印刷設定は、メディアタイプが「普通紙/写真紙」、供給部が「ASF」となる。そのため、例えば、印刷設定情報に含まれるメディアタイプ情報が「普通紙/写真紙」を示し、供給部情報が「ASF」を示す場合は、CPU121は、パターン911を参照して、印刷方法としてディスクメディア印刷を特定する。
【0094】
また、いずれか一方の情報が「なし/自動」である場合には、CPU121は、もう一方の情報に対応する印刷方法を特定する。すなわち、CPU121は、もう一方の情報が「ディスク」を示す情報である場合は、パターン904又はパターン906を参照して、印刷方法としてディスクメディア印刷を特定する。また、CPU121は、もう一方の情報が「普通紙/写真紙」又は「ASF」を示す情報である場合は、パターン905又はパターン909を参照して、印刷方法として用紙メディア印刷を特定する。
【0095】
また、いずれの情報も、「なし/自動」である場合には、CPU121は、パターン903を参照して、印刷方法の判定処理を行うことを特定する。印刷方法の判定処理において、CPU121は、用紙検知部129を用いて、給紙部126に用紙があるかどうかを判定する。CPU121は、給紙部126に用紙があると判定した場合、メディアタイプを、S207で登録した通信装置のメディア情報に応じた内容とし、供給部を「ASF」として決定し、用紙メディア印刷を特定する。一方、CPU121は、給紙部126に用紙がないと判定した場合、印刷方法としてメディアタイプを「ディスク」、供給部を「ディスク」として決定し、印刷方法としてディスクメディア印刷を特定する。なお、ここでは、CPU121は、ディスクメディア検知部130を用いて、ディスクメディア供給部127にディスクメディアがあるかどうかを判定し、判定結果に基づいて印刷方法を特定しても良い。
【0096】
また、メディアタイプを示す情報が「ディスク」を示す情報であり、供給部を示す情報が「ASF」を示す情報である場合は、CPU121は、パターン908を参照して、上述した印刷方法の判定処理を行うことを特定する。メディアタイプを示す情報が「普通紙/写真紙」を示す情報であり、供給部を示す情報が「ディスク」を示す情報である場合も、CPU121は、パターン910を参照して、上述した印刷方法の判定処理を同様に行うことを特定する。これは、メディアタイプを示す情報と供給部を示す情報とが対応していないことから、ディスクメディア印刷と用紙メディア印刷のどちらが採用されるべきかが、一意に特定されないためである。なお、パターン908及びパターン910のように、メディアタイプを示す情報と供給部を示す情報とが対応していない場合は、CPU121は、印刷方法の判定処理を実行せず、エラーとしてジョブを終了しても良い。もしくは、どちらの印刷方法を優先して特定するかを予め設定しておき、当該設定に基づいて印刷方法を特定しても良い。
【0097】
上述のような形態とすることで、端末装置110から受信した印刷設定情報に含まれるメディアサイズ情報が、ディスクメディア印刷と用紙メディア印刷の両方で使用できる内容であっても、メディアタイプ情報及び供給部情報に基づいて、印刷方法を特定できる。
【0098】
また、本実施形態は、上述のような形態とすることで、メディアタイプ情報や供給部情報等、いずれかの設定項目の情報が取得されていなかったり、「自動」が設定されている場合にも、用紙検知部129による検知結果に基づいて、印刷方法を特定できる。
【0099】
また、ユーザの入力ミス等により、設定された内容が対応していない場合にも、用紙検知部129やディスクメディア検知部130による検知結果に基づいて、印刷方法を特定できる。
【0100】
続いて、S804では、CPU121は、S803で特定した印刷方法に基づいて、印刷を行う。具体的には、CPU121は、ディスクメディア印刷を特定した場合は、まず、表示部131に、ディスクメディア供給部127にディスクメディアをセットすることをユーザに促すための画面を表示する。そして、ユーザによってディスクメディアがセットされた場合、ディスクメディア供給部127から供給されるディスクメディアに対し、印刷ジョブに基づく印刷を行う。また、CPU121は、用紙メディア印刷を特定した場合は、給紙部126から供給される記録媒体に対し、印刷ジョブに基づく印刷を行う。
【0101】
続いて、S805では、CPU121は、印刷中にプリンタ300においてエラーが発生したかどうかを判定する。CPU121は、エラーが発生していないと判定した場合、S806に進み、印刷が完了したかどうかを判定し、完了していないと判定した場合は、S805を再度実行し、完了したと判定した場合は、処理を終了する。
【0102】
一方、CPU121は、S805にてエラーが発生したと判定した場合、S807に進み、発生したエラーは、端末装置110が対応していないエラーか否かを判定する。エラー通知の判定処理の詳細は後述する。CPU121は、端末装置110が対応していないエラーであると判定した場合、S808に進む。CPU121は、S808では、通信装置120の表示部131に、印刷中にエラーが発生した旨を示す画面(エラー通知画面)を表示させ、端末装置110の表示部116にはエラー通知画面を表示させない。すなわち、CPU121は、印刷中にエラーが発生した旨を示す情報を端末装置110に送信しない。
【0103】
一方、CPU121は、S807にて、端末装置110が対応していないエラーでないと判定した場合、S809に進み、表示部131と表示部116の両方に、エラー通知画面を表示させる。なお、このとき、CPU121は、表示部116に表示を行わせるために、印刷中にエラーが発生した旨を示す情報を端末装置110に送信する。なお、S808及びS809で表示されるエラー通知画面には、印刷中にエラーが発生した旨だけでなく、例えば、発生しているエラーを解除するための操作方法等が表示されても良い。
【0104】
続いて、CPU121は、S810にて、ユーザから、発生しているエラーを解除するための操作を受け付ける。発生しているエラーを解除するための操作とは、例えば、発生しているエラーがインクなしエラーであれば、インクを交換する操作である。また、発生しているエラーが紙なしエラーやディスクなしエラーであれば、S803で特定された印刷方法に対応する記録媒体を補充する操作である。これによりエラーが解消されれば、CPU121は、エラー発生により中断された印刷を再開し、S805の処理を再度行う。
【0105】
ここで、S807におけるエラー通知の判定処理について詳しく説明する。端末装置110が対応していないエラー(以下、未対応エラー)とは、例えば、ディスクメディア印刷特有のエラーである。これは、装置間の通信が標準系プロトコルで行われる場合、ディスクメディア印刷特有のエラーが端末装置110に通知されても、ディスクメディア印刷特有のエラーに対応する画面を端末装置110が表示することができないためである。なお、ディスクメディア印刷特有のエラーに対応する画面を端末装置110が表示できない理由については後述する。
【0106】
ディスクメディア印刷特有のエラーは、具体的には、「ディスクなしエラー」や、「トレイなしエラー」、「トレイ排出エラー」等である。「ディスクなしエラー」は、ディスクメディア供給部127にディスクメディアがない状態を示す。「トレイなしエラー」は、ディスクメディアトレイがディスクメディア供給部127に挿入されていない状態を示す。「トレイ排出エラー」は、トレイの挿入口のカバーが閉じていることにより、トレイが排出できない状態を示す。なお、ディスクメディア印刷特有でないエラーとしては、例えば、給紙部126にメディアがない状態を示す「紙なしエラー」や、プリンタ300が備えるインクがない状態を示す「インクなしエラー」等がある。
【0107】
CPU121は、S807では、具体的には、まず、現在実行中の印刷における印刷方法がディスクメディア印刷か否かを判定する。CPU121は、この判定を、S803で特定した印刷方法の種類や、受信した印刷設定情報に含まれる各種情報(例えば、供給部情報やメディアタイプ情報)に基づいて行う。CPU121は、現在実行中の印刷における印刷方法がディスクメディア印刷でないと判定した場合、現在発生しているエラーが未対応エラーでないと判定する。一方、CPU121は、現在実行中の印刷における印刷方法がディスクメディア印刷であると判定した場合、現在発生しているエラーが、ディスクメディア印刷特有のエラーか否かを判定する。CPU121は、この判定を、通信装置120のROM122に保持されるエラー一覧情報に基づいて行う。CPU121は、現在発生しているエラーが、ディスクメディア印刷特有のエラーでないと判定した場合、現在発生しているエラーが、未対応エラーでないと判定する。一方、CPU121は、現在発生しているエラーが、ディスクメディア印刷特有のエラーであると判定した場合、現在発生しているエラーが、未対応エラーであると判定する。
【0108】
S807の処理後は、上述したように、CPU121は、S807の判定結果に基づいて、表示部131や表示部116にエラー通知画面を表示させる。
【0109】
発生したエラーが未対応エラーである場合に、表示部116にエラー通知画面を表示させない理由について説明する。
【0110】
表示部116にエラー通知画面を表示させるためには、印刷中に未対応エラーが発生した旨を示す情報を端末装置110に送信する必要がある。しかし、端末装置110は、未対応エラーが発生した旨を通知するための画面の表示に対応していないため、当該情報を受信しても、エラー通知画面を表示させることができない。すなわち、発生したエラーが未対応エラーである場合には、印刷中に未対応エラーが発生した旨を示す情報が無駄に送信されてしまうことになる。そこで、上述のように、発生したエラーが未対応エラーである場合に、表示部116にエラー通知画面を表示させない形態とすることで、未対応エラーが発生した旨を示す情報が無駄に送信されてしまうことを抑制できる。
【0111】
また、例えば、未対応エラーが、ディスクなしエラーである場合には、端末装置110は、搭載されているOSの仕様等によっては、ディスクなしエラーが発生した旨を示す情報を受信した場合、用紙なしエラーが発生したものと認識してしまう場合がある。また、例えば、通信装置120が、ディスクなしエラーと用紙なしエラーとを区別せず、どちらのエラーが発生している場合も、同一のエラー情報(メディアなしエラーが発生した旨を示す情報)を送信する形態であるとする。この場合も、端末装置110は、搭載されているOSの仕様等によっては、ディスクなしエラーが発生しているにもかかわらず用紙なしエラーが発生したものと誤認識してしまう場合がある。
【0112】
なお、ディスクメディア印刷特有のエラーの解除方法は、用紙メディア印刷において生じるエラーの解除方法と異なるため、ディスクメディア印刷特有のエラーの解除方法を示す画面は、用紙メディア印刷において生じるエラーの解除方法を示す画面と異なる。そのため、端末装置110が、ディスクなしエラーが発生しているにもかかわらず、用紙なしエラーが発生したものと誤認識してしまうと、表示部131に表示されるエラー通知画面と、表示部116に表示されるエラー通知画面とが異なってしまう。そこで、上述のように、発生したエラーが未対応エラーである場合に、表示部116にエラー通知画面を表示させない形態とすることで、表示部131にだけ正しい画面が表示されるため、ユーザが混乱してしまうことを抑制できる。
【0113】
また、通常、ディスクメディア供給部には、1枚のディスクメディアしかセットできない。そのため、ディスクメディア印刷が連続して行われる場合、通信装置120は、1枚目のディスクメディアに対する印刷を完了して、2枚目以降のディスクメディアに対する印刷を実行しようとすると、メディアなしエラーが発生したと認識してしまう場合がある。本実施形態では、ディスクメディア印刷中は、エラーが発生しても端末装置110にエラー通知画面を表示させない形態とすることで、ディスクメディア印刷が連続して行われる場合に、メディアなしエラーが通知されてしまうことを抑制できる。なお、上述では、ディスクメディア印刷中においては、通信装置120だけにエラー通知画面を表示させる形態としたが、この形態に限定されない。例えば、メディアなしエラーを通知するためのエラー通知画面については、通信装置120にも表示させない形態としても良い。また、このとき、メディアなしエラーを通知するためのエラー通知画面の代わりに、新たにディスクメディアをセットすることをユーザに促すための画面を表示する形態としても良い。
【0114】
なお、例えば、CPU121は、装置間の通信が、標準系プロトコルによって実行されているか、通信装置120が対応している非標準系プロトコルによって実行されているかに応じて、エラーの通知方法を切り替えても良い。この場合、例えば、S805の後に、CPU121は、装置間の通信が、標準系プロトコルによって実行されているか、通信装置120が対応している非標準系プロトコルによって実行されているかを判定する。CPU121は、装置間の通信が、標準系プロトコルによって実行されていると判定した場合、S807以降の処理を実行する。一方、CPU121は、装置間の通信が、通信装置120が対応している非標準系プロトコルによって実行されていると判定した場合、表示部131と表示部116の両方に、エラー通知画面を表示させる。すなわち、端末装置110に、通信装置120においてエラーが発生したことを通知するための情報を送信する。
これは、装置間の通信が、通信装置120が対応している非標準系プロトコルによって実行されている場合は、端末装置110は、エラー通知情報を認識して、それぞれのエラーに対応する画面を表示可能なためである。すなわち、発生しているエラーが、ディスクメディア印刷特有のエラーであっても、当該エラーの解除方法を示す画面を表示可能なためである。
【0115】
以上のような形態とすることで、端末装置110を介したディスクメディア印刷の利便性を向上させることができる。
【0116】
(その他の実施形態)
なお、本実施形態の通信システムは、端末装置110と通信装置120との間の通信を中継するサーバを含んでもよく、メディア情報の通知判定や印刷方法の特定処理、エラー通知の判定処理を、当該サーバが行っても良い。この場合、サーバは、これらの処理や判定を行うために必要な情報を適宜通信装置120や端末装置110から取得しても良い。
【0117】
なお、上述の実施形態では、メディア情報の通知判定において、ディスクメディア情報を端末装置110に通知するか否かを決定していたが、この形態に限定されない。すなわち、メディア情報の通知判定の対象となるメディア情報は、メディア情報の登録処理において登録できないメディア情報であれば、ディスクメディア情報でなく、他のメディアに関する情報であっても良い。
【0118】
なお、上述の実施形態では、印刷方法の特定処理が、通信装置120側で行われるものとしたが、この形態に限定されない。すなわち、印刷方法の特定処理は、例えば、印刷設定情報がユーザによって入力された場合等に、端末装置110側で行われても良い。この場合、印刷方法の特定処理に用紙検知部129やディスクメディア検知部130による検知結果の情報が必要であれば、端末装置110は、適宜、通信装置120から当該情報を取得する。そして、端末装置110は、印刷方法の特定が完了したら、特定した印刷方法を示す情報を通信装置120に送信する。
【0119】
なお、上述の実施形態では、印刷設定画面701においては、メディア情報、すなわち、通信装置120が保持しているメディアに関する情報に対応する選択肢のみが表示されるものとしたが、この形態に限定されない。例えば、端末装置110は、通信装置120から、通信装置120の機能に関する情報(機能情報)を取得し、メディア情報に対応する選択肢だけでなく、機能情報に対応する選択肢も、印刷設定画面701に表示しても良い。なお、標準系プロトコルを用いた印刷において、端末装置110にインストールされているOSの種類によっては、端末装置110は、印刷設定画面701に機能情報に対応する選択肢を表示できない場合がある。すなわち、端末装置110は、メディア情報に対応する選択肢だけを表示できる場合がある。本実施形態では、印刷設定画面701にディスクメディア印刷に係る選択肢を表示させるための手段として、ディスクメディア印刷に対応する機能情報を送信するのではなく、ディスクメディア印刷に対応するメディア情報を送信する。これにより、上述のような端末装置110にも、ディスクメディア印刷に係る選択肢を表示させることができる。
【0120】
上述した実施形態は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウエア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、プログラムは、1つのコンピュータで実行させても、複数のコンピュータを連動させて実行させるようにしてもよい。また、上記した処理の全てをソフトウエアで実現する必要はなく、処理の一部または全部をASIC等のハードウェアで実現するようにしてもよい。また、CPUも1つのCPUで全ての処理を行うものに限らず、複数のCPUが適宜連携をしながら処理を行うものとしてもよい。
【符号の説明】
【0121】
110 端末装置
120 通信装置