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特許7589327太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20241118BHJP
   H01L 31/05 20140101ALI20241118BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023220738
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】202311468056.5
(32)【優先日】2023-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522171073
【氏名又は名称】晶科能源(海▲寧▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100207217
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 智夫
(72)【発明者】
【氏名】陶 武松
(72)【発明者】
【氏名】秦 年年
(72)【発明者】
【氏名】王 路▲闖▼
【審査官】河村 麻梨子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-056563(JP,A)
【文献】特開2014-127552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0204968(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第115588706(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
前記太陽電池の電池セルの裏面には、第1方向に沿って複数列の第1溶接点群及び少なくとも1列の第2溶接点群が分布し、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きく、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離a、及び隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満たし、
前記電池セルの切断端に近接する領域には、1列の前記第2溶接点群が分布し、
隣接する第2溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
太陽電池であって、
前記太陽電池の電池セルの裏面には、第1方向に沿って複数列の第1溶接点群及び少なくとも1列の第2溶接点群が分布し、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きく、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離a、及び隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満たし、
前記電池セルの切断端に近接する領域には、2列の第2溶接点群が分布し、2列の前記第2溶接点群は、それぞれ第3溶接点群及び第4溶接点群であり、前記第4溶接点群は、前記第3溶接点群よりも前記切断端に近接し、
隣接する前記第3溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する前記第1溶接点群と前記第4溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項3】
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点と前記電池セルの切断端又は面取り端との間隔距離は、5mm~12mmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記電池セルの前記面取り端に近接する領域には、2列の第2溶接点群が分布し、2列の前記第2溶接点群は、それぞれ第5溶接点群及び第6溶接点群であり、前記第6溶接点群は、前記第5溶接点群よりも前記面取り端に近接し、
隣接する前記第5溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する前記第1溶接点群と前記第6溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項2に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第3溶接点群における溶接点と前記第4溶接点群における溶接点は、交互に間隔をあけて分布する、ことを特徴とする請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記電池セルは、フルセルを切断してなるN分の一カットセルであり、2≦N≦4である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池。
【請求項7】
太陽電池の製造方法であって、
前記製造方法は、第1方向に沿って、電池セルの裏面のメイングリッド線に複数の溶接点を設けて、配列して分布する複数列の第1溶接点群と少なくとも1列の第2溶接点群を形成することを含み、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点と、それに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きく、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離a、及び隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満たし、
前記電池セルの切断端に近接する領域には、1列の前記第2溶接点群が分布し、
隣接する第2溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項8】
太陽電池の製造方法であって、
前記製造方法は、第1方向に沿って、電池セルの裏面のメイングリッド線に複数の溶接点を設けて、配列して分布する複数列の第1溶接点群と少なくとも1列の第2溶接点群を形成することを含み、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点と、それに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きく、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離a、及び隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満たし、
前記電池セルの切断端に近接する領域には、2列の第2溶接点群が分布し、2列の前記第2溶接点群は、それぞれ第3溶接点群及び第4溶接点群であり、前記第4溶接点群は、前記第3溶接点群よりも前記切断端に近接し、
隣接する前記第3溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する前記第1溶接点群と前記第4溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい、ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項9】
光起電力モジュールであって、
前記光起電力モジュールは、光起電力ガラス、第1接着フィルム、電池ストリング、第2接着フィルム及び光起電力バックプレートを含み、前記電池ストリングは、請求項1~2のいずれか1項に記載の太陽電池又は請求項7~8のいずれか1項に記載の太陽電池の製造方法で製造された太陽電池を複数含み、
前記電池ストリングにおける隣接する前記太陽電池は、溶接ストリップによって接続され、隣接する前記太陽電池において前記溶接ストリップを溶接するための隣接する溶接点のうち、隣接する前記太陽電池の端部における前記第2溶接点群間の間隔距離は、9mm~25mmである、ことを特徴とする光起電力モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、光起電力の技術分野に関し、特に太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
バックコンタクト型電池とは、電池セルにおける両極の金属グリッド線(両極のメイングリッド線及び両極の細グリッド線を含む)とPN接合がいずれも電池セルの裏面に位置し、両極の金属グリッド線が交互に間隔をあけて分布することを指す。このような構造のバックコンタクト型電池は、電池セルの正面(光変換面)に両極の金属グリッド線などの構造による遮蔽がないため、光学損失を減少させることができ、より高い短絡電流Jscを有するとともに、電池セルの裏面に幅の広い両極の金属グリッド線を許容して電池セルの直列抵抗Rsを低下させ、それによりフィルファクタFFを向上させ、且つ、電池セルの前面フィールド及び良好なパッシベーション作用による開放電圧利得を加えて、バックコンタクト型電池の出力パワーを増大させ、さらにバックコンタクト型電池の変換効率が高いため、バックコンタクト型電池は、良好な商業化の将来性を有する。
【0003】
従来のバックコンタクト型電池は、複数の電池セルを含み、電池セル同士は、溶接ストリップによって接続されて電池ストリングが形成され、高効率の出力モジュールを得る。しかしながら、溶接点が電池セルの裏面に設けられ、且つ隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点間の間隔が大きいため、溶接点を接続する溶接ストリップは、溶接、ラミネートの過程においてずれ、又はねじれが発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本願は、太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュールを提供し、電池セルにおける切断端又は面取り端に近接する領域において第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点を外側に移動させることにより、光起電力モジュールの製造の歩留まりを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様によれば、本願は太陽電池を提供し、前記太陽電池の電池セルの裏面には、第1方向に沿って複数列の第1溶接点群及び少なくとも1列の第2溶接点群が分布し、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、
第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。
【0006】
上記技術案では、本願に係る太陽電池は、電池セルにおける切断端又は面取り端に近接する領域において第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点を外側に移動させることにより、隣接する電池セルにおける隣接する溶接点間の距離を短縮することができる。隣接する電池セルの隣接する溶接点が溶接ストリップによって接続される場合、溶接やラミネートの過程において溶接ストリップにずれやねじれなどの現象が発生することを防止することができ、光起電力モジュールの製造の歩留まりが高い。
【0007】
第1態様に合わせて、第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離a、及び隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満たす。
【0008】
第1態様に合わせて、第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点と前記電池セルの切断端又は面取り端との間隔距離は、5mm~12mmである。
【0009】
第1態様に合わせて、前記電池セルの切断端に近接する領域には、1列の前記第2溶接点群が分布し、
隣接する第2溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。
【0010】
第1態様に合わせて、前記電池セルの切断端に近接する領域には、2列の第2溶接点群が分布し、2列の前記第2溶接点群は、それぞれ第3溶接点群及び第4溶接点群であり、前記第4溶接点群は、前記第3溶接点群よりも、前記切断端に近接し、
隣接する前記第3溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する前記第1溶接点群と前記第4溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。
【0011】
第1態様に合わせて、前記電池セルの前記面取り端に近接する領域には、2列の第2溶接点群が分布し、2列の前記第2溶接点群は、それぞれ第5溶接点群及び第6溶接点群であり、前記第6溶接点群は、前記第5溶接点群よりも前記面取り端に近接し、
隣接する前記第5溶接点群と前記第1溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する前記第1溶接点群と前記第6溶接点群とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。
【0012】
第1態様に合わせて、前記第3溶接点群における溶接点と前記第4溶接点群における溶接点は、交互に間隔をあけて分布する。
【0013】
第1態様に合わせて、前記電池セルは、フルセルを切断してなるN分の一カットセルであり、1≦N≦4である。
【0014】
第2態様によれば、本願は、太陽電池の製造方法を提供し、前記製造方法は、第1方向に沿って、電池セルの裏面のメイングリッド線に複数の溶接点を設けて、配列して分布する複数列の第1溶接点群と少なくとも1列の第2溶接点群を形成することを含み、前記第2溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、前記第1溶接点群は、前記電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、第1方向において、前記第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点と、それに隣接する前記第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する前記第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。
【0015】
第3態様によれば、本願は、光起電力モジュールを提供し、前記光起電力モジュールは、光起電力ガラス、第1接着フィルム、電池ストリング、第2接着フィルム及び光起電力バックプレートを含み、前記電池ストリングは、第1態様のいずれか1項に記載の太陽電池又は第2態様に記載の太陽電池の製造方法で製造された太陽電池を複数含み、
前記電池ストリングにおける隣接する前記太陽電池は、溶接ストリップによって接続され、隣接する前記太陽電池において前記溶接ストリップを溶接するための隣接する溶接点のうち、隣接する前記太陽電池の端部における前記第2溶接点群間の間隔距離は、9mm~25mmである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本願に係る光起電力モジュールの構造模式図である。
図2】本願に係る太陽電池の電池セルの構造模式図である。
図3】本願に係る太陽電池の別の電池セルの構造模式図である。
図4】本願に係る太陽電池のさらに別の電池セルの構造模式図である。
図5】本願に係る太陽電池のさらに別の電池セルの構造模式図である。
図6】本願に係る太陽電池の隣接する電池セルの接続模式図である。
図7】本願に係る太陽電池の別の隣接する電池セルの接続模式図である。
図8】本願に係る太陽電池のさらに別の隣接する電池セルの接続模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の技術案をよりよく理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例に対して詳しい説明を行う。
【0018】
説明した実施例は、本願の一部の実施例にすぎず、全ての実施例ではないことを明確にすべきである。本願における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を要しない前提で得たすべての他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0019】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を説明する目的だけのためであり、本願を制限することを意図しない。本願の実施例と添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「一つ」、「前記」及び「当該」は、文脈が明らかに他の意味を示さない限り、複数形も含むことを意図する。
【0020】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、単に、関連オブジェクトの関連関係を記述したものであり、3つの関係が存在しうることを意味し、たとえば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する場合、AとBが同時に存在する場合、Bが単独で存在する場合の3つの場合を表すことができる。なお、本明細書で使用される「/」という文字は、一般的に、前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを表す。
【0021】
なお、本願の実施例で説明される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示す角度で説明され、本願の実施例に対する限定であると理解すべきではない。なお、文脈上、さらに、ある素子が他の素子の「上」又は「下」に接続されると言及する場合、その素子が他の元件のの「上」又は「下」に直接的に接続されてもよいし、仲介素子を介して他の素子の「上」又は「下」に間接的に接続されてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、図1を参照すると、光起電力モジュールの構成は、ラミネート部材及びフレームを含み、ラミネート部材は、光起電力ガラス4、第1接着フィルム5、複数組の電池ストリング、第2接着フィルム6及び光起電力バックプレート7を含み、また、電池ストリングは、直列設置された電池セルを複数含み、電池セルは、フルセル又はフルセルのN分の一のカットセルであり、ただし、1≦N≦4であり、即ち、電池セルは、フルセル、二分の一のカットセル、三分の一のカットセル又は四分の一のカットセルなどであってもよく、実際の需要に応じて電池セルのタイプを選択することができ、ここで限定しない。光起電力ガラス4、第1接着フィルム5、複数組の電池ストリング、第2接着フィルム6及び光起電力バックプレート7は、ラミネート工程を経て、ラミネート部材が得られ、このとき、ラミネート部材は、フレームと組み立てられて光起電力モジュールを形成する。
【0023】
さらに、本願で使用される電池セルは、片面光変換電池セル又は両面光変換電池セルであってもよい。また、片面光変換電池セルとは、正面のみから光を受光して光を電力に変換する電池セルを指し、両面光変換電池セルとは、両面から光を受光して光を電力に変換する電池セルを指し、即ち、電池セルは、正面から太陽光の直接照射を受光して太陽光を電力に変換できるだけでなく、裏面から例えば地面からの反射光又は散乱光などの光を受光することができ、それにより、光起電力モジュールの発電効率を向上させる。他の光変換領域の電池セルを選択してもよく、実際の需要に応じて電池セルの光変換タイプを選択してもよく、ここで限定しない。
【0024】
さらに、電池セルにおける両極の金属グリッド線(両極のメイングリッド線及び両極の細グリッド線を含む)とPN接合は、いずれも電池セルの裏面に位置し、即ち、本願に係る太陽電池には、バックコンタクト電池セルが採用され、バックコンタクト電池セルの両極のメイングリッド線は、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線を含み、複数列の第1メイングリッド線と第2メイングリッド線は、いずれも第1方向に沿って延在し、且つ両者は、第2方向に沿って交互に分布する。
【0025】
なお、本願においては、第1方向とは、電池ストリングの長さ方向、即ち電池ストリングにおける電池セルの直列接続方向を指し、第2方向とは、電池セルの幅方向、即ち複数の電池ストリングの並列接続方向を指す。また、さらに、第2方向に沿って、最初のメイングリッド線は、第1メイングリッド線とし、又は実際の需要に応じて第2メイングリッド線としてもよく、ここで限定しない。
【0026】
電池セルの裏面には、第2方向に沿って延在する第1細グリッド線及び第2細グリッド線をさらに含み、即ち、第1メイングリッド線、第2メイングリッド線、第1細グリッド線及び第2細グリッド線は、いずれも電池セルの裏面に位置する。具体的には、第1細グリッド線と第2細グリッド線は、第1方向に沿って交互に配列される。また、第1細グリッド線は、第1メイングリッド線に接続され、第2細グリッド線は、第2メイングリッド線に接続され、且つ第1細グリッド線は、第1メイングリッド線と、極性が同じであり、第2細グリッド線は、第2メイングリッド線と、極性が同じである。理解できるように、第1メイングリッド線を正極メイングリッド線として選択し、第2メイングリッド線を負極メイングリッド線として選択してもよく、第2メイングリッド線を正極メイングリッド線として選択し、第1メイングリッド線を負極メイングリッド線として選択してもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。このとき、第1細グリッド線と第1メイングリッド線の協働、第2細グリッド線と第2メイングリッド線の協働により、光が変換された電流を第1細グリッド線及び第2細グリッド線を介して第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線に収集することができる。
【0027】
上記両極の金属グリッド線(両極のメイングリッド線と両極の細グリッド線を含む)及びPN接合がいずれも電池セルの裏面に位置するバックコンタクト電池は、電池セルの正面(光変換面)に両極の金属グリッド線などの構造による遮蔽がないため、光学損失を減少させることができ、より高い短絡電流Jscを有し、また、電池セルの裏面に、幅の広い両極の金属グリッド線が許容されて電池セルの直列抵抗Rsを減少させることにより、フィルファクタFFを向上させることができ、かつ、電池セルの前面フィールド及び良好なパッシベーション作用による開放電圧利得を加えて、バックコンタクト型電池の出力パワーを増大させ、さらにバックコンタクト型電池の変換効率が高い。
【0028】
いくつかの実施形態では、本願に係る電池セル同士が溶接ストリップ3と溶接点の組み合わせ接続により電池ストリングを形成し、効率の高い出力モジュールを得ることができる。従来の溶接点の配置方式は、通常、以下の通りである。すなわち、第1方向に沿って延在する第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線が交互に電池セルの裏面に設けられた後、それぞれ第1メイングリッド線と第2メイングリッド線に溶接点の分布位置を特定し、即ちバックコンタクト電池の溶接点もいずれも電池セルの裏面に設けられ、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線における複数の溶接点がいずれも等間隔で分布し、且つ電池セルにおいて隣接する溶接点間の間隔距離は、電池セルの最も外側の溶接点と電池セルの端部の縁との間隔距離に等しく、この間隔距離b=7mm~18mmであり、選択可能に、間隔距離bは、具体的に、7mm、9mm、11mm、13mm、15mm、17mm、18mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。隣接する電池セルが溶接ストリップで接続される必要がある場合、隣接する電池セルの端部における隣接する溶接点間の間隔距離c≧2b=16mm~33mmであり、選択可能に、間隔距離cは、具体的に16mm、18mm、21mm、24mm、27mm、29mm、31mm又は33mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択してもよく、ここで限定しない。理解できるように、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線において等間隔距離の溶接点の設置方式、及び間隔距離c≧2b=16mm~33mmであることによって、隣接する電池セルにおける隣接する溶接点を接続する際に必要な溶接ストリップ3の長さが長くなり、長さが長すぎる溶接ストリップ3は、溶接、ラミネートの過程においてずれ又はねじれが発生しやすい。
【0029】
これに鑑みて、本願は、太陽電池を提供し、図2図8を参照し、太陽電池の電池セルの裏面には、第1方向に沿って複数列の第1溶接点群1及び少なくとも1列の第2溶接点群2が分布し、第2溶接点群2は、電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、第1溶接点群1は、電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布する。また、第1方向において、第2溶接点群2の少なくとも一部の溶接点と隣接する第1溶接点群1における溶接点との間隔距離aは、隣接する第1溶接点群1の溶接点間の間隔距離bよりも大きい。
【0030】
上記技術案では、本願に係る太陽電池は、電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域における第2溶接点群2の少なくとも一部の溶接点を外側へ移動させることにより、隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点間の距離を短縮することができる。隣接する溶接点が溶接ストリップ3によって隣接する電池セルに接続される場合、溶接やラミネートの過程において溶接ストリップ3にずれ、ねじれなどの現象が発生することを防止することができ、光起電力モジュールの製造の歩留まりが高い。
【0031】
理解できるように、従来技術において第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線に等距離に溶接点を設けることに比べ、本願の技術案では、少なくとも一部の溶接点を切断端又は面取り端により近くまで外側に移動させるため、隣接する電池セルが溶接ストリップで接続される必要がある場合、電池セルが隣接する切断端で接続されると、隣接する切断端において隣接する溶接点間の間隔距離が2bよりも小さく、電池セルが面取り端で接続されると、隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点間の間隔も2bよりも小さく、即ち隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点を接続するために必要な溶接ストリップ3の長さが小さくなり、それにより溶接やラミネートの過程において溶接ストリップ3にずれ又はねじれが発生する問題を低減することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1方向において、第2溶接点群2における少なくとも一部の溶接点と隣接する第1溶接点群1における溶接点との間隔距離a、及び隣接する第1溶接点群1の溶接点間の間隔距離bは、a-b=(2mm~6mm)を満足し、即ち、aの値は、9mm~24mmであってもよく、選択可能に、aの値は、具体的に9mm、11mm、13mm、15mm、17mm、19mm、21mm又は24mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。好ましくは、12mm~21mmであり、より好ましくは、15mm~18mmである。
【0033】
選択可能に、a-bの値は、具体的に2mm、3mm、4mm、5mm及び6mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。a-bの値が小さすぎると、溶接点の外側への移動距離が不十分であり、隣接する電池セルの隣接する溶接点間の間隔が依然として大きすぎ、溶接ストリップ3の溶接又はラミネートの需要を満たすことができない。a-bの値が大きすぎると、溶接点の外側への移動距離が大きすぎ、電池セル内において隣接する溶接点間の間隔が大きすぎて、電池セル内の隣接する溶接点を接続する溶接ストリップ3の長さを長くする必要があり、溶接やラミネートの過程においてもずれ、ねじれなどの現象が発生しやすい。好ましくは、a-bの値が3mm~5mmであり、より好ましくは、a-bの値が4mm~4.5mmである。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1方向において、第2溶接点群2の少なくとも一部の溶接点と電池セルの切断端又は面取り端との間隔距離dは、5mm~12mmであり、即ち電池セルの最も外側の溶接点の、電池セル縁からの間隔距離dは、5mm~12mmであり、選択可能に、間隔距離dは、具体的に5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm又は12mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。電池セルの最も外側の溶接点の電池セル縁からの間隔距離が大きすぎると、即ち、溶接点の外側への移動距離が不十分であると、隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点間の間隔が依然として大きすぎて、溶接ストリップ3の溶接又はラミネートの要求を満足することができない。電池セルの最も外側の溶接点の電池セル縁からの間隔距離が小さすぎると、溶接点の外側への移動距離が大きすぎ、即ち、電池セル内の隣接する溶接点間の間隔が大きすぎて、電池セル内の隣接する溶接点を接続する溶接ストリップ3の長さを長くする必要があり、溶接やラミネートの過程においてもずれ、ねじれなどの現象が発生しやすい。
【0035】
いくつかの実施形態では、電池セル縁から上記距離を有する第2溶接点群2は、電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、第1溶接点群1は、電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、即ち第1溶接点群1は、電池セルの中部領域に設けられ、第2溶接点群2は、電池セルの端部領域に設けられている。中部領域には、複数列の第1溶接点群1が設けられ、且つ隣接する第1溶接点群1における溶接点間の間隔距離bが同じであり、端部領域は、面取り端又は切断端に応じて第2溶接点群2の設置数を選択することができる。
【0036】
なお、本願で使用される太陽電池の電池セルがフルセルである場合、電池セルは、2つの面取り端を含み、且つ切断端を備えない。電池セルがN分の一カットセルである場合、電池セルは、少なくとも1つの切断端を含み、例示的に、1つの切断端及び1つの面取り端を含み、又は電池セルの両端がいずれも切断端であり、本願では、電池セルのタイプについて限定されず、実際の需要に応じて選択することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、第2溶接点群2が切断端に設けられることがある。
【0038】
本願の選択可能な技術案として、引き続き図2を参照し、電池セルの切断端に近接する領域には、1列の第2溶接点群2が分布し、そのうち、隣接する第2溶接点群2と第1溶接点群1とにおける溶接点間の間隔距離aは、隣接する第1溶接点群1の溶接点間の間隔距離bよりも大きく、即ち切断端に近接する領域に位置する第2溶接点群2の溶接点は、全て外側に移動した。
【0039】
本願のさらに別の選択可能な技術案として、引き続き図3を参照し、電池セルの切断端に近接する領域には、2列の第2溶接点群2が分布し、2列の第2溶接点群2は、それぞれ第3溶接点群21及び第4溶接点群22であり、第4溶接点群22は、第3溶接点群21よりも切断端に近接し、また、隣接する第3溶接点群21と第1溶接点群1とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する第1溶接点群1の溶接点間の間隔距離と等しく、且つ隣接する第1溶接点群1と第4溶接点群22とにおける溶接点間の間隔距離aは、隣接する第1溶接点群1の溶接点間の間隔距離bよりも大きく、即ち切断端に近接する領域に位置する第2溶接点群2の溶接点は、部分的に外側へ移動した。なお、外側へ移動した溶接点は、第1メイングリッド線に位置する溶接点であってもよく、第2メイングリッド線に位置する溶接点であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。
【0040】
いくつかの実施形態では、第2溶接点群2が面取り端に設けられる場合、面取り端の特殊な構造によって、面取り端は、2列の第2溶接点群2を含み、2列の第2溶接点群2は、それぞれ第5溶接点群25及び第6溶接点群26であり、第6溶接点群26は、第5溶接点群25よりも面取り端に近接する。
【0041】
本願では、面取り端の面取り角度は、40~45°であり、選択可能に、面取り角度は、具体的に40°、41°、42°、43°、44°、45°などであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。理解できるように、面取り角度が上記範囲内にあることにより、隅における応力を最小範囲内にすることができる。好ましくは、面取り端の面取り角度は、41°~44°であり、より好ましくは、面取り端の面取り角度は、42°~43°である。
【0042】
本願の選択可能な技術案として、引き続き図2又は図3を参照し、面取り端は、2つの面取りエリアを含み、第5溶接点群25は、面取りエリアのみに設けられ、面取りエリアに位置する溶接点を除き、第2溶接点群2の残りの溶接点は、全て外側へ移動して第6溶接点群26を形成する。
【0043】
本願のさらに別の選択可能な技術案として、引き続き図4又は図5を参照し、第2溶接点群2の一部の溶接点は、変位して第6溶接点群26を形成し、ここで、外側へ移動した溶接点は、いずれも第1メイングリッド線における溶接点、或いは、いずれも第2メイングリッド線における溶接点であり、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。
【0044】
上記2種の技術案では、隣接する第5溶接点群25と第1溶接点群1とにおける溶接点間の間隔距離は、隣接する第1溶接点群1における溶接点間の間隔距離bに等しく、且つ隣接する第1溶接点群1と第6溶接点群26とにおける溶接点間の間隔距離aは、隣接する第1溶接点群1における溶接点間の間隔距離bよりも大きい。
【0045】
なお、上記第3溶接点群21における溶接点の数と第4溶接点群22における溶接点の数を加算すると、1列の第1溶接点群1の数と等しくなり、第5溶接点群25における溶接点の数と第6溶接点群26における溶接点の数を加算すると、1列の第1溶接点群1の数と等しくなる。
【0046】
製造を実施する過程において、まず第1方向に沿って、電池セルの裏面におけるメイングリッド線に複数の溶接点を設けて、配列して分布する複数列の第1溶接点群1及び少なくとも1列の第2溶接点群2を形成し、そのうち、第2溶接点群2は、電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、第1溶接点群1は、電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布する。また、第1方向において、第2溶接点群2における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する第1溶接点群1における溶接点との間隔距離aは、隣接する第1溶接点群1における溶接点間の間隔距離bよりも大きく、即ち、溶接点間の間隔距離が需要を満足する太陽電池セルを得ることができる。
【0047】
なお、隣接する電池セルが重ね溶接方式で接続されると、隣接する前記太陽電池の端部の隣接する第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離e<2dであり、隣接する電池セルが非重ね溶接方式で接続されると、隣接する前記太陽電池の端部の隣接する第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離e≧2dであり、実際の需要に応じて隣接する電池セルの接続方式を選択することができ、ここで限定しない。
【0048】
図6図7又は図8を参照し、図6図7又は図8は、溶接点が外側へ移動する形態が異なる場合に隣接する電池セルの異なる溶接ストリップの接続形態であり、溶接ストリップが接続された後の隣接する前記太陽電池の端部の隣接する第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離eは、9mm~25mmであり、選択可能に、隣接する電池セルの端部の隣接する第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離eは、具体的に9mm、12mm、15mm、18mm、21mm、24mm及び25mmなどであってもよく、範囲内の他の数値であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。隣接する電池セルの第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離が大きすぎると、溶接点の外側への移動距離が不十分であり、隣接する電池セルの隣接する溶接点間の間隔が依然として大きすぎて、溶接ストリップ3の溶接又はラミネートの需要を満足することができない。隣接する電池セルの第2溶接点群2における溶接点間の間隔距離が小さすぎると、溶接点の外側への移動距離が大きすぎ、電池セル内の隣接する溶接点間の間隔が大きすぎて、電池セル内の隣接する溶接点を接続する溶接ストリップ3の長さを大きくする必要があり、溶接やラミネートの過程においてずれ、ねじれなどの現象が発生しやすい。好ましくは、間隔距離eは、12mm~21mmであってもよく、より好ましくは、間隔距離eは、16mm~17mmであってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、溶接ストリップ3による接続が完了した電池ストリングは、他の素子とラミネートの過程を行うことができ、ラミネートの過程において電池セルが非常に脆弱であるので、圧力を受けると損傷しやすく、光起電力ガラス4及び光起電力バックプレート7が直接に電池セルの上に付着することができないため、第1接着フィルム5及び第2接着フィルム6が仲介として接着作用を果たす必要がある。実際の使用において、第1接着フィルム5及び第2接着フィルム6は、間隔をあけて配列設置された電池ストリングを封止するために用いられ、具体的には、第1接着フィルム5、電池ストリング及び第2接着フィルム6を積層して組合体を得てから、組合体を一定の温度に加熱して、第1接着フィルム5及び第2接着フィルム6を溶融させて電池セルに接着させる。
【0050】
なお、本願で使用される第1接着フィルム5及び第2接着フィルム6は、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)接着フィルム、ポリエチレンオクテン共重合体(POE)接着フィルム又はポリエチレンテレフタレート(PET)接着フィルムであってもよく、PVB接着フィルム、EPE接着フィルム(EVA及びPOEの3層共押出接着フィルム)、EP接着フィルム(EVA及びPOEの2層共押出接着フィルム)、又は他のタイプの接着フィルムであってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。好ましくは、本願で使用される第1接着フィルム5及び第2接着フィルム6は、EVA接着フィルムであり、EVA接着フィルムは、常温で粘性がなく、良好な巻き付け性、透明性及び表面光沢性を有し、化学的性質が安定であり、老化防止及び耐オゾン強度が優れ、毒性がなく、一定の条件で熱プレスすると溶融接着と架橋硬化が発生し、硬化後の接着フィルムは優れた光透過率、接着強度、熱安定性、気密性及び老化防止性能を有し、複数組の電池ストリングを封止する場合、光起電力モジュールの光変換性能に影響を与えない。
【0051】
光起電力ガラス4は、第1接着フィルム5の電池セルから離れる側に設けられ、光起電力ガラス4は、「光電ガラス」とも呼ばれ、良好な光透過性及び高い硬度を有し、第1接着フィルム5に被覆されると、大きな昼夜温度差及び悪天候環境に適応することができ、電池セルに対して保護作用を果たすことができる。本願で使用される光起電力ガラス4は、超白色光起電力エンボスガラス、超白色加工フロートガラス又はTCOガラスなどであってもよく、他のタイプの光起電力ガラス4であってもよく、実際の需要に応じて選択することができ、ここで限定しない。
【0052】
光起電力バックプレート7は、第2接着フィルム6の電池セルから離れる側に設けられ、光起電力バックプレート7は、同様に、電池セルに対して保護作用、支持作用を果たし、良好な耐候性、遮水性、耐食性及び絶縁性などを有し、光起電力モジュールを周囲の光起電力環境から隔離するとともに、電池セルを効果的に保護及び支持することができ、それにより、光起電力モジュールの耐衝撃強度を向上させることができる。本願で使用される光起電力バックプレート7は、ガラス、圧延ガラス又は超白色圧延ガラスであってもよい。
【0053】
ラミネート部材の接着が完了した後、フレームによって組み立てて光起電力モジュールを得ることができ、最後に、光起電力モジュールは、押圧ブロックによってブラケットに固定されて使用される。ブラケットは、光起電力モジュールを支持、固定及び回転させるために設計されて取り付けられる特殊な枠体であり、構造によって固定ブラケットと追跡ブラケットに分けることができ、固定ブラケットは、方向が一定であり、製造コストが低く、追跡ブラケットは、光照射強度に応じて光起電力モジュールを角度回転させることができ、モジュールと太陽の直射光とのなす角を減少させ、より多くの太陽照射を取得し、発電効率を効果的に向上させることができるが、製造コストが高く、また、材質によってアルミニウム合金ブラケット、炭素鋼ブラケット又はステンレス鋼ブラケットなどに分けることができ、実際の需要に応じてブラケットの構造及び材質を選択することができ、ここで限定しない。実際に使用する際に、光起電力ブラケットは、地形、気候及び太陽エネルギー資源の条件に基づいて、光起電力モジュールを一定の向き、配列方式及び間隔で固定することができる。理解できるように、光起電力モジュールは、ブラケットを介して固定されると、太陽光をより良く受光することができる。
【0054】
以下、具体的な実施例を参照しながら本願の技術案を説明する。
サンプルの設置
サンプル1:電池セルの端部の第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点を外側へ2mm~6mm移動させ、最も外側の溶接点と電池セルの端部との距離は、5mm~12mmであり、溶接ストリップを用いて隣接する電池セルにおける隣接する最も外側の溶接点を接続し、溶接ストリップの反り高さを観察する。
【0055】
サンプル2:すべての溶接点は、いずれも等間隔で設けられ、最も外側の溶接点と電池セルの端部との距離は、8mm~16.5mmであり、溶接ストリップを用いて隣接する電池セルにおける隣接する最も外側の溶接点を接続し、溶接ストリップの反り高さを観察する。
【0056】
サンプル1とサンプル2の設置の数は、いずれも100個であり、サンプル1とサンプル2の電池セルと光起電力ガラス、第1接着フィルム、第2接着フィルム及び光起電力バックプレートなどをラミネートなどのステップによって光起電力モジュールに組み立てた後、溶接ストリップのねじれ状況を観察する。
【0057】
試験結果は、以下の通りである。
【表1】
【0058】
上記試験結果からわかるように、本願に係る太陽電池と光起電力モジュールは、電池セルにおいて切断端又は面取り端に近接する領域における第2溶接点群2の少なくとも一部の溶接点を外側へ移動させることによって、隣接する電池セルにおける隣接する溶接点間の距離を短縮することができ、隣接する電池セルの隣接する溶接点が溶接ストリップ3によって接続される場合、本願の溶接ストリップの反り高さが高すぎることの数が従来技術よりも低く、大部分は、2~4mmに集中し、ラミネートの過程を経た後、溶接ストリップにねじれ現象が発生せず、光起電力モジュールの製造の歩留まりが高い。
【0059】
以上、図面に示された実施例に基づいて本発明の構造、特徴及び作用効果を詳細に説明したが、以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明は図面に示された実施範囲に限定されるものではなく、本発明の構想に基づいて行われた変更、又は同等の変形に修正された等価な実施例であり、明細書及び図示に含まれる精神を超えない限り、いずれも本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0060】
1 第1溶接点群、2 第2溶接点群、21 第3溶接点群、22 第4溶接点群、25 第5溶接点群、26 第6溶接点群、3 溶接ストリップ、4 光起電力ガラス、5 第1接着フィルム、6 第2接着フィルム、7 光起電力バックプレート
【要約】
【課題】本願は、太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュールに関する。
【解決手段】太陽電池は、電池セルの裏面には第1方向に沿って複数列の第1溶接点群及び少なくとも1列の第2溶接点群が分布し、第2溶接点群は、電池セルの切断端又は面取り端に近接する領域に分布し、第1溶接点群は、電池セルの切断端又は面取り端から離れる領域に分布し、第1方向において、第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点とそれに隣接する第1溶接点群における溶接点との間隔距離は、隣接する第1溶接点群における溶接点間の間隔距離よりも大きい。本願に係る太陽電池は、電池セルにおける切断端又は面取り端に近接する領域における第2溶接点群における少なくとも一部の溶接点を外側に移動させることによって、隣接する電池セルにおいて隣接する溶接点間の距離を短縮することができ溶接ストリップにずれやねじれなどの現象が発生することを防止できる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8