(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】回転式成形機用の充填ユニット、および最適化された回転式成形機を用意する方法
(51)【国際特許分類】
B30B 11/08 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
B30B11/08 A
(21)【出願番号】P 2023524636
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 EP2021079413
(87)【国際公開番号】W WO2022084538
(87)【国際公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】102020127990.6
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521077576
【氏名又は名称】シンテゴンテクノロジー ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Syntegon Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Stuttgarter Strasse 130, 71332 Waiblingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブリンツ
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ヴェアナー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン グラース
(72)【発明者】
【氏名】マティアス メッシンガー
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-520809(JP,A)
【文献】実公昭46-026855(JP,Y1)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0139756(KR,A)
【文献】特開2009-285662(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転式成形機(12)用の充填ユニット(10)であって、前記充填ユニット(10)は:
充填車(14)を備え、前記充填車(14)は、調量すべき媒体を前記回転式成形機(12)のダイディスク(18)のダイ孔(16)内に充填すべく、形成されており;
前記充填車(14)は、羽根車(20)として形成されており、前記調量すべき媒体を、回転する運動により前記充填車(14)の羽根(22)を用いて搬送すべく、形成されており;
調量車(24)を備え、前記調量車(24)は、調量すべき媒体の量を前記ダイディスク(18)のそれぞれの前記ダイ孔(16)内
に調量すべく、形成されており、
前記調量車(24)は、羽根車(26)として形成されており、前記調量すべき媒体の前記量を、回転する運動により前記調量車(24)の羽根(28)でもって前記ダイディスク(18)の前記ダイ孔(16)を掠めること
で調量し、かつ余剰の媒体を除去すべく、形成されており;
供給車(30)を備え、前記供給車(30)は、前記調量すべき媒体を前記充填車(14)に供給すべく、形成されており、
前記供給車(30)は、羽根車(32)として形成されており、前記充填車(14)に供給すべき前記媒体を、回転する運動により前記供給車(30)の羽根(34)を用いて搬送すべく、形成されており;
少なくとも1つの媒体供給ユニット(36)を備え、前記媒体供給ユニット(36)は、前記媒体を前記充填車(14)および/または前記供給車(30)に供給すべく、形成されており、
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、それぞれ1つの搬送面(40)を有し、前記搬送面(40)によりそれぞれの前記羽根車(20,26,32)は、前記媒体を搬送する、
充填ユニット(10)において、
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、それぞれの前記羽根(22,28,34)の搬送面(40)の形態が可変であるように形成されており、羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、三角形の横断面または少なくとも部分的に丸み付けられた横断面を有し、
前記搬送面(40)の前記形態は、
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)の、そのそれぞれの延在軸線(38)回りの回転により変更可能であり、
または羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)の、それぞれの前記羽根車(20,26,32)の回動軸線(42)から延在する半径方向(45)に関する可変の傾きにより変更可能であり、
または羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)の可変の湾曲により変更可能である、
ことを特徴とする、回転式成形機(12)用の充填ユニット(10)。
【請求項2】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、それぞれの前記羽根車(20,26,32)の前記回動軸線(42)に対して平行に移動可能に構成されていることを特徴とする、請求項1記載の充填ユニット(10)。
【請求項3】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、そのそれぞれの延在軸線(38)の少なくとも一部領域に沿って
、不変の横断面を有することを特徴とする、請求項1または2記載の充填ユニット(10)。
【請求項4】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、交換可能に形成され
ていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項5】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)は、それぞれ、羽根(22,28,34)を有し、前記羽根(22,28,34)は、そのそれぞれの延在軸線(38)に沿って異なる横断面を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項6】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、それぞれの前記延在軸線(38)の延長線が、それぞれの前記羽根車(20,26,32)の回動軸線(42)に対して離間して延びるように配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項7】
前記充填ユニット(10)は、前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の回動方向および/または回動速度を変えることができるように形成されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項8】
前記充填ユニット(10)は、前記供給車(30)が、前記調量すべき媒体の搬送経路内に
、旋回運
動により進入するように切り換え可能、あるいは前記搬送経路から退出するように切り換え可能であるように形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項9】
前記媒体供給ユニット(36)は、搬送分岐器を有し、前記搬送分岐器により前記調量すべき媒体は、選択的に前記供給車(30)または前記充填車(14)に供給され得ることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項10】
前記充填ユニット(10)は、少なくとも1つの電気モータ(50
)を備え、羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)は、直接的に、または少なくとも1つの歯車(48)を介して、前記電気モータ(50
)により駆動され、かつ/または前記羽根(22,28,34)の回転位置、および/またはそれぞれの前記羽根車(20,26,32)の前記回動軸線(42)から延在する半径方向(45)に関する前記羽根(22,28,34)の前記傾きは、直接的に、または少なくとも1つの歯車(46)を介して、前記電気モータ(50
)により変えられることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項11】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、180°
超回動可能に形成されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項12】
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の前記羽根(22,28,34)は、少なくとも1つのコーナと、丸み付けられた区間とを有する横断面を有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)。
【請求項13】
最適化された回転式成形機を用意する方法であって:
第1の回転式成形機(12)であって、調整可能な充填ユニット(10)を有し、調整可能な前記充填ユニット(10)は、少なくとも1つの調整可能なコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備える、第1の回転式成形機(12)を用意し;
その都度異なる設定の前記コンフィグレーションパラメータを有する前記第1の回転式成形機(12)により複数のタブレットを製造し;
製造した前記タブレットの間で好ましい特性を有するタブレットを識別すべく、製造した前記タブレットを所望の特
性に関して分析し;
好ましい特性を有する前記タブレットが製造された前記コンフィグレーションパラメータの前記設定を識別し;
少なくとも1つの第2の回転式成形機であって、最適化された充填ユニットを有し、最適化された前記充填ユニットは、好ましい特性を有する前記タブレットが製造された固定にプリセットされたコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備える、第2の回転式成形機を用意する、
ステップを備え、調整可能な前記充填ユニットは、請求項1から12までのいずれか1項記載の充填ユニット(10)である、
方法。
【請求項14】
調整可能な前記コンフィグレーションパラメータは、
羽根車(20,26,32)として形成される前記充填車(14)、前記調量車(24)および/または前記供給車(30)の回動方向または回動速度であり、
または前記羽根(22,28,34)の前記搬送面(40)の前記形態であり、前記搬送面(40)の前記形態は、前記羽根(22,28,34)の、そのそれぞれの延在軸線(38)回りの回転により、またはそれぞれの前記羽根車(20,26,32)の前記回動軸線(42)から延在する半径方向(45)に関する前記羽根(22,28,34)の傾きにより、または前記羽根(22,28,34)の前記湾曲を変えることにより変更可能であり、
または前記調量すべき媒体の搬送経路内へ進入または搬送経路から退出するような前記供給車(30)の切り換えである、
ことを特徴とする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
タブレットを前記第1の回転式成形機(12)により製造するステップにおいて、複数のコンフィグレーションパラメータのための前記設定を同時に変更することを特徴とする、請求項13または14記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部の特徴を備える回転式成形機用の充填ユニット、および互いに並列の関係にある独立請求項の特徴を備える最適化された回転式成形機を用意する方法に関する。
【0002】
回転式成形機は、医薬品産業、工業もしくは化学産業において、または食品産業において、粉体状の材料からタブレットまたはプレス成形体を大量に製造するために使用される。
【0003】
回転式成形機は、回転駆動されるダイディスクを有し、ダイディスクは、ダイディスク内に配置される複数のダイ孔を有し、複数のダイ孔は、円軌道上を運動する。典型的には、下パンチおよび上パンチが設けられており、下パンチおよび上パンチは、ダイディスクとともに円軌道上を運動し、この公転中、昇降運動する。下パンチおよび上パンチは、この場合、その上側あるいは下側のパンチ端部でもって、ダイディスク内に配置されるダイ孔内に嵌入し、これにより、ダイ孔内に取り込まれた粉体材料を圧縮してタブレットを形成することができるように形成されている。
【0004】
圧縮成形すべき粉体は、ダイ孔にホッパを介して、回転する羽根車を備える付設された充填ユニットにより供給される。この種の充填ユニットは、例えば欧州特許出願公開第3406436号明細書および独国実用新案第202007002707号明細書に示される。
【0005】
羽根車により、ホッパからダイ孔内への粉体流は、不変の充填、ひいては各個々のタブレットの一定の重量を達成するために、補助される。
【0006】
この場合、羽根車は、円形のハブを有する平らなまたは円い羽根形態であるものが多い。粉体の流れ挙動あるいは特性は、例えば羽根の潜入深さと、羽根形態とにより影響される(例えば長方形の横断面を有する平らな羽根または円い横断面を有する円柱状の羽根)。
【0007】
平らな羽根プロフィールは、自由流動性の、粘度の高くない混合物に好適であり、材料の凝集力が極めて低いままである限り、ダイ孔の良好な充填を保証する。
【0008】
より高い凝集力(微細成分、湿度、表面構造)を有する粉体材料のためには、円く成形された羽根が、より小さい接触面を有し、粉体床を圧縮する代わりに、より良好に粉体床を切り分けて進む。
【0009】
粉体の流れ挙動/特性に応じて、充填ユニットは、適合された調量挙動を得るために、対応する羽根車を装備し、それゆえ手動で組み替えられ得る。
【0010】
本発明の課題は、上述の欠点を取り除いた回転式成形機用の充填ユニット、および最適化された回転式成形機を用意する方法を提供することにある。
【0011】
上記課題は、請求項1の特徴を備える本発明に係る回転式成形機用の充填ユニットにより解決される。本発明に係る充填ユニットは:
充填車を備え、充填車は、調量すべき媒体、特に粉体を回転式成形機のダイディスクのダイ孔内に充填すべく、形成されている。充填車は、羽根車として形成されている。充填車は、羽根を有し、調量すべき媒体を、回転する運動により充填車の羽根を用いて搬送すべく、形成されている。換言すれば、羽根車として形成される充填車の羽根は、充填車の中心回りに円軌道上を運動する。
【0012】
充填ユニットは、さらに調量車を備え、調量車は、調量すべき媒体の量をダイディスクのそれぞれのダイ孔内に正確に調量すべく、形成されている。調量車は、羽根車として形成されている。調量車は、羽根を有し、調量すべき媒体の量を、回転する運動により調量車の羽根でもってダイディスクのダイ孔を掠めることで、正確に調量すべく、形成されている。このとき、余剰の媒体は、ダイディスクのダイ孔を掠めることで除去される。換言すれば、羽根車として形成される調量車の羽根は、調量車の中心回りに円軌道上を運動し、その際、ダイ孔を掠める。
【0013】
充填車は、つまり、粉体をダイディスクのダイ孔内へ動かす。典型的には、ダイ孔の下側は、その際、対応する下パンチにより閉鎖されている。ダイ孔が調量車に到達する前に、下パンチは、正確に規定されたダイ孔の大きさを規定すべく、正確に予定された位置に僅かに持ち上げられ得る。続いて、上方にダイ孔からはみ出した粉体成分は、調量車により「削ぎ取られる」、つまり除去される。
【0014】
充填ユニットは、供給車を備えていてもよく、供給車は、調量すべき媒体を充填車に供給すべく、形成されている。供給車は、羽根車として形成されている。供給車は、羽根を有し、充填車に供給すべき媒体を、回転する運動により供給車の羽根を用いて搬送すべく、形成されている。換言すれば、羽根車として形成される供給車の羽根は、供給車の中心回りに円軌道上を運動する。その際、供給車の羽根は、調量すべき媒体を充填車に搬送する。
【0015】
充填ユニットは、さらに少なくとも1つの媒体供給ユニットを備え、媒体供給ユニットは、媒体を充填車に供給すべく、形成されている。代替的または補足的に、媒体供給ユニットは、媒体を供給車に供給してもよい。媒体は、媒体供給ユニットを介して充填ユニット内に達する。媒体供給ユニットは、例えばホッパ、パイプまたはチューブを有していてもよい。
【0016】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、それぞれの羽根の搬送面の形態が可変であるように形成されている。
【0017】
羽根の搬送面は、羽根の面であって、その面を用いてそれぞれの羽根車が媒体を搬送するようになっている面により、形成される。搬送面は、つまり、充填ユニットの運転中、媒体と接触し、それぞれの回転運動により搬送または調量すべく、形成され、かつ構成されている羽根の一部である。
【0018】
搬送面の形態を変えることは、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根の、そのそれぞれの延在軸線回りの回転により実現されてもよい。羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、このために、そのそれぞれの延在軸線回りに回転可能に形成されていてもよい。この場合、羽根は、そのそれぞれの延在軸線回りの回転により少なくとも2つの回転位置に移行可能であることができ、少なくとも2つの回転位置において、羽根は、それぞれ異なって形作られた搬送面を形成する。調量すべき媒体は、羽根の回転位置次第で、それぞれ異なって形作られた搬送面により搬送され得る。
【0019】
異なる回転位置への羽根の回転/回動により、異なって形作られた搬送面が実現され得る。羽根の回転/回動は、例えば歯車機構、スライド機構、クランク機構、ボーデンケーブル、ピストンドライブにより、かつ/またはカム制御されて実現され得る。
【0020】
羽根は、特に第1の側に弓形、特に半円の形態の搬送面を有していることができ、特に、反対側には、平坦な搬送面が設けられていることができる。180度の単純な回転により、搬送面は、而して、円形の横断面を有する羽根の形態と、例えば正方形の横断面を有する羽根との間で往復切り換え可能である。
【0021】
羽根は、特に三角形の横断面を有していてもよい。特に羽根の横断面は、二等辺三角形、特に正三角形に相当していてもよい。この場合、羽根は、回転により、三角形の横断面の1つのコーナが下を向いている、ひいては羽根のエッジ状の下側を形成している位置へと移行され得る。而して「シャープなエッジ状の」下側が実現され得る。羽根は、三角形の横断面の1つのコーナが上を向いているように回転されてもよい。この場合は、横断面の三角形の辺の一辺が、羽根の下側を形成している。これにより、羽根の異なる下側の間で、かつ1つの所望の設定が選択され得る。当然、三角形の横断面を有する羽根の搬送面も、羽根の回転により変えることができる。ここでも、平坦に形成されている搬送面と、エッジ状に構成されている搬送面との間で選択が可能である。
【0022】
羽根は、特に長方形、特に正方形の横断面を有していてもよい。長方形の横断面の場合、互いに反対側に位置する2つの辺は、短く構成され、他の、互いに反対側に位置する2つの辺は、長く構成されていることができる。長方形の横断面の2つの長辺は、その際、長方形の横断面の2つの短辺に対して、羽根の、それぞれより大きな側面を形成している。而して、羽根の回転により、より大きな面積を有する搬送面と、より小さな面積を有する搬送面との間で選択が可能である。
【0023】
搬送面の形態は、それぞれの羽根車の回動軸線から延在する半径方向に関する羽根の可変の傾きにより変更可能であってもよい。
【0024】
換言すれば、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、羽根のそれぞれの延在軸線(あるいはその延長線)と、それぞれの羽根車の、回動軸線から延在する半径方向とにより画定される角度を変えることができるように形成されていてもよい。羽根の傾きは、同じく歯車機構により実現されてもよい。羽根の傾きを変更する解決手段としての一種の「ボーデンケーブル」も可能である。
【0025】
搬送面の形態は、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根の可変の湾曲により変更可能であってもよい。本願の意味での湾曲とは、真っ直ぐな延びからの、少なくとも一部区間の、特に弧状の逸脱を意味している。特に湾曲は、それぞれの羽根車の回動軸線から延在する半径方向からの、少なくとも一部区間の、特に弧状の逸脱であってもよい。羽根は、可変の湾曲を有する少なくとも1つの区間を有していることができる。
【0026】
羽根の可変の湾曲は、例えばバイメタル、ボーデンケーブルおよび/またはプルもしくはプッシュ要素により実現されてもよい。同じく考え得るのは、可変の湾曲が、羽根の1つの区間または複数の区間に沿ってのみ実現されていてもよいことである。特に可変の湾曲は、羽根の全長に沿って実現されてもよい。
【0027】
羽根の搬送面の形態を変化させることで、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車は、個々の羽根車が交換される必要なく、それぞれ異なる流れ挙動/特性を有する異なる媒体に適合され得る。これにより、それぞれの羽根車の取り外しは、不要である。羽根の搬送面の形態は、それぞれの羽根車がこのために取り外される必要なく、それぞれの羽根車の組み付けられた状態で変えられ得る/変更され得る。
【0028】
而して考え得るのは、羽根の搬送面の形態を回転式成形機の運転中に変え得る/調整し得ることである。
【0029】
搬送面の形態を、タブレットの製造プロセス中に、あるいはそれぞれの羽根車が、調量すべき媒体を充填ユニットを通して搬送する間に、変え得ることが可能である。しかし、タブレットの製造プロセス、あるいは調量すべき媒体の、充填ユニットによる搬送が、短時間休止(中断)され、その後、搬送面の形態が、変更され、続いて、タブレットの製造プロセス、あるいは調量すべき媒体の、充填ユニットによる搬送が、再開されるようにしてもよい。両ケースとも、それぞれの羽根車あるいは充填ユニットの分解は、不要である。
【0030】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、それぞれの羽根車の回動軸線に対して平行に移動可能であるように構成されていてもよい。換言すれば、羽根は、高さ調節可能に形成されている。而して、例えば、その横断面が円形とは異なる羽根の、そのそれぞれの延在軸線回りの回転時、羽根の下側のエッジは、一定の高さあるいは一定のレベルに維持され得る。而して、間隙が、羽根車と、充填ユニットの、羽根車の下に配置される要素との間に生じないことが、保証され得る。換言すれば、羽根の高さ適合により、媒体がそれぞれの羽根車により搬送される間、搬送すべきすべての媒体が羽根により捕捉され、搬送されることが、保証され得る。
【0031】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、三角形の横断面または少なくとも部分的に丸み付けられた横断面を有している。当然、別の幾何学的な形態を有する横断面も可能である。而して、例えば四角形、特に正方形の横断面が可能である。
【0032】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、そのそれぞれの延在軸線の一部領域に沿って不変の横断面を有していてもよい。特に横断面は、それぞれの延在軸線全体に沿って同じであってもよい。しかし、それぞれの延在軸線に沿った横断面の面積が、それぞれの回動軸線から半径方向で大きくまたは小さくなるか、あるいは延在軸線に沿って変化、特に均一に変化することも可能である。
【0033】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根の数は、それぞれの羽根車毎に変わってもよく、偶数および/または奇数であってもよい。
【0034】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、交換可能に形成されていてもよい。特に羽根は、個々の羽根車の交換要素として形成されていてもよい。而して羽根は、迅速かつ簡単に、別の羽根、特に、別の横断面を有する羽根に交換され得る。而して、例えば羽根が損傷してしまったとき、対応する羽根は、羽根車全体が置換される必要なく、交換され得る。さらにこの交換性は、搬送面の異なる形態の数を拡張する。
【0035】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車は、それぞれ、羽根を有し、羽根は、そのそれぞれの延在軸線に沿って異なる横断面を有していてもよい。換言すれば、充填車、調量車および/または供給車は、それぞれ、それぞれ異なって形作られた羽根を有していてもよい。而して、例えば充填車は、三角形の横断面を有する羽根を有し、調量車は、円い横断面を有する羽根を有し、供給車は、四角形の横断面を有する羽根を有していてもよい。
【0036】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、それぞれの延在軸線の延長線が、それぞれの羽根車の回動軸線に対して離間して延びるように配置されていてもよい。それぞれの延在軸線の延長線は、つまり、回動軸線を中心とする円の接線をなし、この円は、ゼロとは異なる半径を有している。換言すれば、羽根は、それぞれの羽根車の中心から出発する半径方向に関して傾斜して配置されている。換言すれば、それぞれの延在軸線の延長線と、それぞれの羽根車の中心から出発する半径方向とは、ゼロとは異なる、特にゼロ~90度、特にゼロ~45度、特に0~20度にある角度を画定する。
【0037】
充填ユニットは、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の回動方向および/または回動速度を変えることができるように形成されていてもよい。回動方向および/または回動速度は、タブレット製造前にそれぞれの媒体(あるいは粉体)に応じて予め調整され得る。しかし、回動方向および/または回動速度は、タブレット製造中に、つまり、媒体の搬送中(あるいはそれぞれの羽根車の回転中)に変え得ることも可能である。特に回動方向は、回動速度とは独立して変えることが可能である。
【0038】
充填ユニットは、供給車が、調量すべき媒体の搬送経路内に進入するように切り換え可能、あるいは搬送経路から退出するように切り換え可能であるように形成されていてもよい。このことは、特に供給車の旋回運動により行われ得る。特に、この場合、供給車は、羽根車として形成される調量車の回動軸線回りに旋回され得る。このために、対応する旋回装置が設けられていてもよい。供給車は、特に第2の媒体供給ユニットによりバイパスあるいは迂回されてもよい。媒体供給ユニットは、媒体供給ユニットの移動により、調量すべき媒体の搬送経路が供給車を通るか否か、選択され得るように、移動可能に形成されていてもよいことが、同じく可能である。
【0039】
調量すべき媒体の搬送経路とは、ここでは、充填ユニットを通してダイ孔内へと至る媒体の路を意味している。
【0040】
媒体供給ユニットは、搬送分岐器を有していてもよい。この搬送分岐器により、調量すべき媒体は、選択的に供給車または充填車に供給され得る。これにより、供給車の取り外し、または供給車の、搬送路から退出するような切り換え/旋回の必要なしに、媒体の搬送路が供給車を経由するか否か、選択され得る。
【0041】
充填ユニットは、少なくとも1つの電気モータを備えていてもよい。この場合、電気モータは、直接的に、または間接的に例えば少なくとも1つの歯車および/または歯付きベルトを介して、羽根車として形成される充填車、調量車または供給車を駆動することができる。同じく考え得るのは、複数の羽根車がこの電気モータにより駆動されることである。しかし、各羽根車が、別々の電気モータにより駆動されることも、同じく可能である。
【0042】
代替的または補足的に、電気モータは、直接的に、または間接的に例えば少なくとも1つの歯車および/または歯付きベルトを介して、羽根の回転位置および/または傾き、もしくは羽根のそれぞれの延在軸線と、それぞれの羽根車の、回動軸線から延在する半径方向とにより画定される角度を変えることができる。羽根の回転位置と、それぞれの羽根車の回動軸線から延在する半径方向に関する羽根の傾きとを、同じ電気モータにより変えることが可能である。しかし、羽根の回転位置および傾きを変えるために、それぞれ1つの別々の電気モータが設けられていてもよいことも、可能である。
【0043】
特に、複数の電気モータが、1つの電気モータ群を形成し、1つの交換要素として形成されていてもよい。而して、複数の電気モータは、1つの要素として迅速かつ簡単に別の電気モータ群に(例えば損傷時)交換され得る。同じく考え得るのは、電気モータのトルクを羽根車に伝達する複数の歯車が、1つの歯車群として形成されていてもよく、同じく1つの交換要素として形成されていてもよいことである。
【0044】
特に電気モータは、サーボモータまたは圧縮空気モータの形態で構成されていてもよい。特に、すべての電気モータは、サーボモータまたは圧縮空気モータの形態で構成されていてもよい。同じく考え得るのは、電気モータに対して代替的または付加的に、空気圧式および/または液圧式の駆動部が設けられていてもよいことである。別の駆動形態および手動の駆動(「手による」)も可能である。
【0045】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、180°超、特に360°回動可能に形成されていてもよい。換言すれば、羽根は、少なくとも90°超、特に180°、特に270°、特に少なくとも360°、自由回転可能に構成されていてもよい。羽根は、つまり、提示の角度範囲内で様々な回動位置に移行され得る。特に羽根は、そのそれぞれの延在軸線回りに回転可能に形成されている。
【0046】
大きな回動角度、例えば少なくとも180°により、羽根プロフィール(羽根の横断面)の異なる(複数の)側を、調量すべき媒体をダイディスク上で搬送するために使用する可能性が得られる。
【0047】
羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の羽根は、少なくとも1つのコーナと、丸み付けられた区間とを有する横断面を有していてもよい。羽根は、例えば滴形に形成される横断面を有していてもよい。
【0048】
羽根のこの種の横断面の場合、特に大きな回動角度、例えば少なくとも180°の回動角度との関連で、特にダイディスクと協働して調量のために使用され得るそれぞれの羽根の搬送面(プロフィール区間)のそれぞれ異なる形態の増大された数が生じる。
【0049】
上記課題は、加えて、互いに並列の関係にある独立請求項の特徴を備える、最適化された回転式成形機を用意する本発明に係る方法により解決される。本発明に係る方法は:
調整可能な充填ユニットを有する第1の回転式成形機を用意するステップを備える。その際、調整可能な充填ユニットは、少なくとも1つの調整可能なコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備えている。本願の意味でのコンフィグレーションパラメータとは、充填ユニット(あるいは回転式成形機)内での媒体の搬送および/または製造されるタブレットの特性(例えばタブレット品質)に影響を及ぼす変数を意味している。
【0050】
その都度異なる設定のコンフィグレーションパラメータを有する第1の回転式成形機により複数のタブレットを製造するステップを備える。その際、例えばタブレットの複数のバッチが製造されることができ、各バッチは、コンフィグレーションパラメータのそれぞれ異なる設定により製造され得る。
【0051】
これにより、調整可能な充填ユニットを有する第1の回転式成形機により、コンフィグレーションパラメータに関する異なる設定を、最適な設定を見出すために、試行することができる。対応する、コンフィグレーションパラメータに関する要素の置換および/または交換は、不要である。
【0052】
製造したタブレットの間で好ましい特性を有するタブレット(あるいはタブレットのバッチ)を識別すべく、製造したタブレットを所望の特性に関して分析するステップを備える。これは、特にタブレットの品質特徴(例えば、特に良好な強度、重量、破壊強度、ウェブ高さ)であり得る。
【0053】
好ましい特性を有するタブレット(あるいはバッチ)が製造されたコンフィグレーションパラメータの設定を識別するステップを備える。
【0054】
最適化された充填ユニットを有する少なくとも1つの第2の回転式成形機を用意するステップを備える。その際、最適化された充填ユニットは、好ましい特性を有するタブレット(あるいはタブレットバッチ)が製造された固定にプリセットされたコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備えている。
【0055】
換言すれば、最適なコンフィグレーションパラメータを、調整可能な充填ユニットを有する第1の回転式成形機により識別することができた後、このコンフィグレーションパラメータを第2の回転式成形機に転用する。このコンフィグレーションパラメータは、この場合、第2の回転式成形機上では、もはや調整不能である。同じく考え得るのは、第1の回転式成形機が、このように最適化された充填ユニットを有して構成されることである。換言すれば、調整可能な充填ユニットを有する第1の回転式成形機は、最適化された充填ユニットを有する回転式成形機へと組み替えられてもよい。
【0056】
第2の回転式成形機の要素が、既に最適なコンフィグレーションパラメータを有し、もはや調整される必要がないことで、これらの要素は、より単純に構成され得る。調整可能性のために必要とされる付加的な要素/部材は、省略され得る。これにより、対応する要素は、製造に際してより安価になる。第2の回転式成形機は、これにより、より安価に、かつより小型に構成され得る。加えて第2の回転式成形機の要素は、より頑強に、かつより長寿命に構成され得る。
【0057】
回転式成形機を用いたタブレットの製造時、ある程度の立ち上がり時間が必要である。而して、例えば、調量すべき媒体が搬送路全体に一様に行き渡るまでには、若干の時間がかかる。このことは、あるバッチの最初のタブレットが、同じバッチの残余のタブレットとは異なる特性を有している可能性があることを意味している。それゆえ、最適なコンフィグレーションパラメータを識別するには、あるバッチの最初のタブレットは、製造したタブレットの分析の際に考慮しないことが可能である。しかし、あるバッチの最初のタブレットと残余のタブレットとの間のタブレット特性の偏差が、このバッチ内のタブレットの高い数に基づいて無視することができる程、多数のタブレットをこのバッチが有していることも可能である。
【0058】
第1の回転式成形機の調整可能な充填ユニットは、上記構成による充填ユニットである。
【0059】
調整可能なコンフィグレーションパラメータは、羽根車として形成される充填車、調量車および/または供給車の回動方向または回動速度であり得る。
【0060】
同じく考え得るのは、調整可能なコンフィグレーションパラメータが、速度、前圧、主圧、秤量供給、潜入深さあるいはダイ内におけるプレス成形体のポジションであってもよいことである。
【0061】
調量すべき媒体の搬送経路内へ進入あるいは搬送経路から退出するような供給車の切り換えは、同じくコンフィグレーションパラメータであり得る。換言すれば、コンフィグレーションパラメータは、調量すべき媒体の搬送経路の内または外での供給車の配置であり得る。
【0062】
調整可能なコンフィグレーションパラメータは、羽根の搬送面の形態または羽根の傾きであり得る。この場合、羽根の搬送面の形態は、羽根の、そのそれぞれの延在軸線回りの回転により変更され得る。羽根の傾きとは、羽根のそれぞれの延在軸線(あるいはその延長線)と、それぞれの羽根車の、回動軸線から延在する半径方向とにより画定される角度を意味している。
【0063】
タブレットを第1の回転式成形機により製造するステップにおいて、複数のコンフィグレーションパラメータを同時に変更してもよい。考え得るのは、同じ要素で複数のコンフィグレーションパラメータを調整してもよいことである。しかし、同じく考え得るのは、複数の要素で複数のコンフィグレーションパラメータを調整してもよいこと、特に、1つの要素で1つのコンフィグレーションパラメータをそれぞれ調整してもよいことである。
【0064】
本発明のさらなる特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言と、図面を基にした実施例の以下の説明とから看取可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】充填ユニットを有する回転式成形機の側面図である。
【
図2】
図1に示すダイディスクを備える充填ユニットの平面図である。
【
図3】充填ユニットの別の一実施例の斜視図である。
【
図4】充填ユニットの別の一実施例の斜視図である。
【
図5】充填ユニットの別の一実施例の斜視図である。
【
図6】別の視点から見た
図5に示す充填ユニットの部分斜視図である。
【
図7】羽根車として形成される充填車、調量車および供給車の、歯車を含めた斜視図である。
【
図12】最適化された回転式成形機を用意する方法のフローチャートである。
【0066】
以下の説明および図面において、対応する構成部材および要素には、同じ符号を付した。見やすくするために、すべての図面にすべての符号を付すことはしない。
【0067】
図1は、充填ユニット10を有する回転式成形機12の側面図を示している。ここでは、調量すべき媒体、つまり、タブレットに圧縮成形すべき粉体は、ホッパ13を介して回転式成形機12内に達する。タブレットのプレス成形後、タブレットは、排出シュート15を介して回転式成形機12外に搬送される。
【0068】
図2は、
図1に示す、ダイディスク18を備える充填ユニット10の平面図を示している。ダイディスク18は、円軌道上に配置される複数のダイ孔16を有し、ダイ孔16内には、タブレットに圧縮成形すべき媒体が、充填ユニット10により調量充填される。
【0069】
図3は、充填ユニット10の別の一実施例の斜視図を示している。調量すべき媒体は、媒体供給ユニット36を介して充填車14に供給される。ここでは、媒体供給ユニット36は、真っ直ぐに延びるパイプとして形成されている。
【0070】
充填車14は、羽根22を有する羽根車20として構成されている。充填車14は、調量すべき媒体をダイディスク18のダイ孔16内に搬送する。このことは、充填車14の、その回動軸線42(破線により略示)回りの回転により行われる。
【0071】
ダイディスク18のダイ孔16内の調量すべき媒体の量は、調量車24により正確に調量される。調量車は、羽根28を有する羽根車26として形成されている。このことは、調量車24の、その回動軸線42(破線により略示)回りの回転により行われる。このとき、調量車24の羽根28がダイ孔16を掠め、その結果、余剰の媒体が除去され、正確に規定された量の媒体がダイ孔16内に残留する。
【0072】
ダイ孔16内に残された量の媒体は、続いてタブレットに圧縮成形される。このことは、例えば下パンチおよび/または上パンチにより実現されることができ、下パンチおよび/または上パンチは、互いに相対的に動かされる(図示せず)。
【0073】
図4は、充填ユニット10の別の一実施例の斜視図を示している。図示の充填ユニット10は、
図3に示す実施例と同様、充填車14と、調量車24とを備えている。ここでは、ダイ孔16を有するダイディスク18は、図示していない。本実施例において、充填ユニット10は、加えて供給車30を備えている。
【0074】
媒体供給ユニット36は、調量すべき媒体を供給車30に供給する。供給車30は、羽根34を有する羽根車32として形成されている。調量すべき媒体は、供給車30により充填車14に供給される。このことは、供給車30の、その回動軸線42(破線により略示)回りの回転により行われる。
【0075】
ここでは、供給車30は、旋回装置33上に配置されている。旋回装置33は、ひいては供給車30も、旋回軸線35回りに旋回され得る。ここでは、旋回軸線35と、調量車24の回動軸線42とは、同一である。而して供給車30は、媒体の搬送経路外に旋回され、あるいは媒体の搬送経路内に旋回され得る。
【0076】
媒体の図示の搬送経路は、媒体を供給車30に供給する媒体供給ユニット36を介して延びている。供給車30は、媒体をその回動軸線42回りの回動により充填車14に搬送する。充填車14は、ダイ孔16(図示せず)に、その回動軸線42(図示せず)回りの回動により充填する。続いて、ダイ孔16内に装填された媒体は、調量車24の羽根28が掠めることで正確に調量充填される。このことは、同じく、調量車24の、その回動軸線42回りの回動により引き起こされる。
【0077】
供給車30が旋回軸線35回りに搬送経路外に旋回されると、媒体の搬送経路は、この場合、媒体を直接的に充填車14に供給する媒体供給ユニット36を介して延びている。続いて、媒体は、充填車によりダイ孔内に充填され、続いて、調量車24により正確に調量充填される(上記参照)。
【0078】
旋回装置33に対して代替的または付加的に、媒体供給ユニット36は、搬送分岐器(図示せず)を有していてもよく、搬送分岐器は、媒体を選択的に、直接的に供給車30に供給するか、または充填車14に供給する。而して、供給車30を含む搬送経路と、供給車30を含まない搬送経路との間で、このために供給車30を搬送経路外に旋回させる必要なく、選択が可能である。
【0079】
図5は、充填ユニット10の別の一実施例の斜視図を示している。ここでは、充填車14、供給車30および調量車24は、カバー51により覆われていて、描写されていない。
【0080】
ここでは、6つの電気モータ50を図示してあり、電気モータ50は、サーボモータ52の形態で形成されている。この場合、それぞれ2つのサーボモータ52が、互いに対向するように配置されている。各サーボモータ52は、個別に、かつ残余のサーボモータ52とは独立して制御あるいは運転され得る。これらのサーボモータ52は、1つのサーボモータ群として形成されていてもよく、サーボモータ群は、1つの交換要素として形成されている。而して、例えば
図5で見て3つの上側のサーボモータ52が、1つの交換要素を形成し、かつ
図5で見て3つの下側のサーボモータ52が、1つの別の交換要素を形成してもよい。而して、例えば故障の際には、サーボモータ52は、迅速かつ簡単に交換され得る。
【0081】
図6は、
図5に示す充填ユニット10を別の視点から見た部分斜視図を示している。ここでは、カバー51は、図示されておらず、その結果、
図5では覆われて見えなかった充填車14、供給車30および調量車24が、看取可能である。
【0082】
充填車14と、供給車30と、調量車24とは、歯車46,48によりサーボモータ52に連結されている。歯車46,48により、それぞれのサーボモータ52のトルクが、充填車14、供給車30あるいは調量車24に伝達され得る。伝達されるトルクは、こうして羽根車20,26,32として形成される充填車14、供給車30および/または調量車24の回動のために利用され、かつ/または対応する羽根車20,26,32の羽根22,28,34の回転位置、傾きおよび/または湾曲を調節するために利用され得る。
【0083】
図7は、充填車14、調量車24および供給車30の、歯車46,48を含めた斜視図を示している。6つのサーボモータ52は、破線により略示してある。ここでは、
図7で見て上側に配置される3つのサーボモータ52のトルクは、それぞれ、第1の歯車46に伝達される。第1の歯車46は、第2の歯車46と噛み合い、第2の歯車46は、第3の歯車46と噛み合う。第3の歯車46は、充填車14、調量車24あるいは供給車30上に配置されている。相応に、3つの残余の(
図7で見て下側に配置されるサーボモータ52)サーボモータ52のトルクは、それぞれ、第1の歯車48に伝達される。第1の歯車48は、第2の歯車48と噛み合い、第2の歯車48は、第3の歯車48と噛み合う。第3の歯車48は、充填車14、調量車24あるいは供給車30上に配置されている。而して、それぞれのサーボモータ52のトルクは、充填車14、調量車24あるいは供給車30に伝達される。
【0084】
図8は、
図7に示す羽根車20,26,32の斜視図を示している。図示の羽根車20,26,32は、充填車14、供給車30または調量車24であり得る。
【0085】
羽根車20,26,32は、回動軸線42を有し、回動軸線42回りに羽根車20,26,32は、回転可能である。羽根車20,26,32は、10枚の羽根22,28,34を有している。ここでは、羽根22,28,34は、半径方向45に沿って延在している。半径方向45は、回動軸線42から、かつ回動軸線42に対して垂直に半径方向外方に延在している。羽根22,28,34は、延在軸線38を有し、延在軸線38は、羽根22,28,34の長手方向軸線に相当する。
【0086】
羽根22,28,34は、ここでは、三角形の横断面を有し、図示の位置では、三角形の1つのコーナは、それぞれの羽根22,28,34の下側のエッジをなしている。
【0087】
羽根車20,26,32は、上側の歯車46と、下側の歯車48とを有し、羽根車20,26,32と、両歯車46,48とは、それぞれ同じ回動軸線42を有し、つまり、互いに同軸に配置されている。羽根車20,26,32は、下側の歯車48を介して回転可能に構成されている。このことは、例えば、下側の歯車48と、羽根車20,26,32とが相対回動不能に互いに連結されていることにより実現され得る。
【0088】
羽根車20,26,32が回転される際、羽根車20,26,32は、回動軸線42回りに回動し、個々の羽根22,28,34間に存在する媒体をそれぞれの搬送面40により搬送する。
【0089】
上側の歯車46を介して、羽根22,28,34は、そのそれぞれの延在軸線38回りに回転され得る。同じく考え得るのは、歯車46を介して、羽根22,28,34の高さ(回動軸線42に対して平行な移動)、傾きおよび/または湾曲が変更可能であってもよいことである。このために必要とされる要素、例えば対応する機械装置および/または電気装置の形態の要素は、羽根車20,26,32の本体49内に配置されていてもよい。
【0090】
下側の歯車48は、上側の歯車46と、羽根車20,26,32との間に配置されている。当然、考え得るのは、上側の歯車46が、下側の歯車48と、羽根車20,26,32との間に配置されていること、あるいは上側の歯車46の機能と、下側の歯車48の機能とが交換されていることである。
【0091】
図9は、羽根車20,26,32の別の一実施例の斜視図を示している。ここでは、羽根車20,26,32は、四角形(正方形)の横断面を有する真っ直ぐに延びる羽根22,28,34を有している。
【0092】
図10は、羽根車20,26,32の別の一実施例の斜視図を示している。ここでは、傾斜した羽根22,28,34を有する羽根車20,26,32を示してある。羽根22,28,34のそれぞれの延在軸線38の延長線(破線で略示)は、この場合、羽根車20,26,32の、「x」とマーキングし、符号47を付した中心と交わらない。それぞれの延在軸線38あるいはその延長線は、つまり、中心47に対して離間して配置されている。
【0093】
傾きが可変である羽根車20,26,32の場合、羽根22,28,34は、それぞれの羽根22,28,34の延在軸線38(あるいはその延長線)と、半径方向45との間の角度を変えることができるように調節可能である。而して、例えば羽根54は、スケッチで示したその第1の配置56から、破線により略示した第2の配置58に移行され得る。明瞭に看取可能であるように、第1の配置56にある羽根54と、半径方向45との間の角度は、第2の配置58にある羽根54と、半径方向45との間の角度とは異なっている(より大きい)。傾きを変えるのは、ここでは双方向矢印により略示してある。
【0094】
図11は、羽根車20,26,32の別の一実施例の斜視図を示している。羽根車20,26,32の本実施例は、湾曲を有する羽根22,28,34を有している。羽根22,28,34は、それぞれ、第1の区間60を有し、第1の区間60では、羽根22,28,34は、半径方向45に沿って(つまり、真っ直ぐに半径方向外方に)延在している。第1の区間60には、第2の区間62が接続し、第2の区間62は、半径方向45に関して湾曲されて構成されている。第2の区間62には、第3の区間64が接続し、第3の区間64は、他方、(第1の区間60に類似して)真っ直ぐに構成されている。
【0095】
羽根車20,26,32の羽根22,28,34の可能な可変の湾曲は、(
図10に類似して)双方向矢印と、羽根70の第1の配置66および第2の配置68(破線で略示)とにより略示してある。ここでは、湾曲を変えることで、同じく羽根車20,26,32の外径も変更される。半径方向45に関する羽根22,28,34のより強い湾曲は、羽根車20,26,32の外径を小さくする。半径方向45に関する羽根22,28,34のより弱い(より小さい)湾曲は、羽根車20,26,32の外径を大きくする。
【0096】
図12は、最適化された回転式成形機を用意する方法のフローチャートを示している。このフローチャートにおいて、第1の回転式成形機12であって、調整可能な充填ユニット10を有し、調整可能な充填ユニット10は、少なくとも1つの調整可能なコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備える、第1の回転式成形機12を用意する方法ステップには、符号72を付した。
【0097】
それに続く方法ステップであって、その都度異なる設定のコンフィグレーションパラメータを有する第1の回転式成形機12により複数のタブレットを製造する方法ステップには、符号74を付した。
【0098】
この方法ステップ74は、任意の回数、任意の数の異なるコンフィグレーションパラメータにより実施され得る。
【0099】
タブレットを製造した後、製造したタブレットの間で好ましい特性を有するタブレットを識別すべく、製造したタブレットを所望の特性、特に品質特徴に関して分析する方法ステップが続く。この方法ステップには、
図12において符号76を付した。
【0100】
好ましい特性を有するタブレットが製造されたコンフィグレーションパラメータの設定を識別する方法ステップには、符号78を付してある。
【0101】
最終の方法ステップであって、少なくとも1つの第2の回転式成形機であって、最適化された充填ユニットを有し、最適化された充填ユニットは、好ましい特性を有するタブレットが製造された固定にプリセットされたコンフィグレーションパラメータを有する少なくとも1つの要素を備える、第2の回転式成形機を用意する方法ステップには、符号80を付してある。同じく考え得るのは、第2の回転式成形機を用意することに代えてまたは加えて、第1の回転式成形機を、最適化された充填ユニットを有する回転式成形機に組み替えてもよいことである。
【0102】
図12に示すフローチャートは、特に個々の方法ステップ72,74,76,78および80相互の時間的な順序を説明するものである。その際、方法ステップ72,74,76,78および80は、フローチャートの図示の順序で相前後して実施される。
【0103】
しかし、ある方法ステップを、次の方法ステップを実施する前に、任意の回数繰り返すことも可能である。