(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
F24F1/0007 401E
F24F1/0007 401D
(21)【出願番号】P 2023534672
(86)(22)【出願日】2022-08-31
(86)【国際出願番号】 CN2022116157
(87)【国際公開番号】W WO2023040663
(87)【国際公開日】2023-03-23
【審査請求日】2023-06-07
(31)【優先権主張番号】202122252366.6
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122252054.5
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122252181.5
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202122252304.5
(32)【優先日】2021-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517383858
【氏名又は名称】海信(広東)空調有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hisense (Guangdong) Air Conditioning Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No 8 Hisense Road, Advanced Manufacturing Jiangsha Demonstration Park, Jiangmen City, Guangdong Province, PRC
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ,シャンシュ
(72)【発明者】
【氏名】チュー,ジェングオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,チーウェン
(72)【発明者】
【氏名】シャン,イ
(72)【発明者】
【氏名】リン,ジン
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210197606(CN,U)
【文献】特開平10-038313(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機であって、
室外機と、
前記室外機に接続される室内機と、を備え、
前記室内機は、
箱体と、
蓋体と、
取付キャビティ内に設けられる電気制御ボックスと、
前記電気制御ボックス内に取り付けられる回路基板と、を含み、
前記箱体は、
箱体本体と、
前記箱体本体の一方側に設けられる第1取付溝と、
前記第1取付溝の一方側に設けられるバッフルプレートと、を含み、
前記蓋体は、
前記箱体本体に被せられる蓋体本体と、
前記蓋体本体の一方側に設けられる第2取付溝であって、前記第1取付溝は、前記第2取付溝と共に前記取付キャビティを形成し、前記バッフルプレートは、前記第2取付溝に挿入される、第2取付溝と、
前記蓋体本体の前記バッフルプレートに近い側に設けられ、前記第2取付溝に連通する第1出線口であって、前記バッフルプレートは前記第1出線口を遮蔽し、前記バッフルプレートは前記第2取付溝の一方の側壁と予め設定された距離を有して、出線隙間を形成する、第1出線口と、を含む、
空気調和機。
【請求項2】
前記蓋体は、さらに、
前記蓋体本体の一方側に設けられる第2出線口と、
前記蓋体本体の一方側に設けられる第3出線口であって、前記第2出線口および前記第3出線口は、前記第2取付溝に連通し、前記第2出線口と前記第3出線口は、前記取付キャビティ内の導線を通すために用いられ、前記蓋体本体の長手方向に沿って間隔を置いて設けられる、第3出線口と、を含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記箱体は、さらに、
前記箱体本体の対向する両側に配置される複数の第1突起を含み、
前記蓋体は、さらに、
前記蓋体本体の対向する両側に配置される複数の固定孔であって、前記箱体本体と前記蓋体本体を固定するように前記複数の第1突起は前記複数の固定孔に
挿入される、複数の固定孔を含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記箱体は、さらに、
前記箱体本体の対向する両側に配置される複数の第1スナップを含み、
前記蓋体は、さらに、
前記蓋体本体の対向する両側に設けられる複数の第1係合孔であって、前記箱体本体と前記蓋体本体を脱着可能に接続するように前記複数の第1スナップと前記複数の第1係合孔とが係合される、複数の第1係合孔を含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記室内機は、さらに、
前記第1取付溝上に被せて設けられる板体を含み、
前記板体は、
板体本体と、
前記板体本体の対向する両側に配置され、複数の第2係合孔を含む複数の折り曲げ部であって、前記複数の折り曲げ部が位置する平面は、前記板体本体と略垂直である、複数の折り曲げ部と、を含み、
前記箱体は、さらに、
前記箱体本体の対向する両側に配置される複数の第2スナップであって、前記箱体本体と前記板体本体を脱着可能に接続するように前記複数の第2スナップは前記第2係合孔に係合される、複数の第2スナップを含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記板体は、さらに、
前記板体本体の一方側に配置される第1挿着溝を含み、
前記蓋体は、さらに、
前記蓋体本体の一方側に配置される第1挿着ブロックであって、前記箱体本体と前記蓋体本体を固定するように前記第1挿着ブロックは第1挿着溝に挿着される、第1挿着ブロックを含む、
請求項5に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記電気制御ボックスは、
電気制御ボックス本体と、
前記電気制御ボックス本体の一方側に配置される第3取付溝と、
前記第3取付溝の対向する両側に配置され、前記第3取付溝に連通される複数の変形孔と、
前記第3取付溝の対向する両側に配置される複数の弾性片と、
前記複数の弾性片の前記第3取付溝の溝底に近い端に配置される複数の第3スナップであって、前記複数の変形孔を通して前記電気制御ボックス本体の外部に置き、前記回路基板の対向する両側に係設される、複数の第3スナップと、
前記第3スナップの一方側に配置され、前記回路基板に当接される当接部と、を含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項8】
前記第3スナップは、
傾斜して設けられる第1ガイド面と、
前記第1ガイド面に接続され、水平に設けられ、前記第3取付溝の溝底と前記第1ガイド面との間に位置し、前記回路基板に当接する第1当接面であって、前記当接部は、前記第1当接面上に設けられる、第1当接面とを含む、
請求項7に記載の空気調和機。
【請求項9】
前記電気制御ボックスは、さらに、
前記第3取付溝の一方側に設けられる第2挿着溝を含み、
前記回路基板は、
回路基板本体と、
前記回路基板本体の一方側に設けられ、前記第2挿着溝に挿着される第2挿着ブロックと、を含む、
請求項7に記載の空気調和機。
【請求項10】
前記電気制御ボックスは、さらに、
前記電気制御ボックス本体の対向する両側に配置される複数の係止部であって、前記電気制御ボックスを前記取付キャビティ内に固定するように前記第2取付溝の側壁に係止する、複数の係止部を含む、
請求項7に記載の空気調和機。
【請求項11】
前記室内機は、さらに、
ベースと、
前記ベースの一方側に設けられ、キャビティを形成し、第1開口を有するスリーブであって、前記第1開口は前記スリーブの前記ベースから離れる側に設けられ、前記第1開口は、前記キャビティに連通し、前記空気調和機の室内機の電線は、前記スリーブ内に
挿入される、スリーブと、を含む、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項12】
前記スリーブは、さらに、
前記第1開口の側壁に接続され、取付孔を有する延在部であって、前記取付孔の中心線は、前記スリーブの長手方向に沿って延び
る、延在部を含む、
請求項11に記載の空気調和機。
【請求項13】
前記スリーブは、
前記ベースの一方側に貼り付けて設けられる第1側板と、
前記第1側板に平行である第2側板であって、前記第1開口は、前記第2側板に位置する、第2側板と、
第1側が前記第1側板に接続され、第2側が前記第2側板に接続される第3側板と、
第1側が前記第1側板に接続され、第2側が前記第2側板に接続される第4側板と、を含み、
前記ベースの一方側には係合孔を有し、前記第1側板は、前記係合孔に係合される第4スナップを含み、前記第4スナップは弾性を有し、これにより、前記スリーブは前記ベースの一方側に固定される、
請求項11に記載の空気調和機。
【請求項14】
前記ベースの一方側にはガイド溝を有し、前記第1側板は前記ガイド溝に摺動接続されたガイドリブを含み、これにより、前記スリーブは前記ベース上に位置決めされる、
請求項13に記載の空気調和機。
【請求項15】
前記ベースは、
ベース本体と、
前記ベース本体の一方側に配置される第1ガイドポストと、を含み、
前記第1側板は、
第1ガイド孔であって、前記スリーブが前記ベース本体上に位置決めされるように前記第1ガイドポストは前記第1ガイド孔に
挿入される、第1ガイド孔を含む、
請求項13に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年9月16日に出願された出願番号が202122252366.6である中国特許出願、2021年9月16日に出願された出願番号が202122252054.5である中国特許出願、2021年9月16日に出願された出願番号が202122252181.5である中国特許出願、2021年9月16日に出願された出願番号が202122252304.5である中国特許出願を基礎出願とする優先権を主張し、その開示内容の全ては参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本開示は、空気調和の技術分野に関し、特に空気調和機に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の進歩と人々の生活水準の向上に伴い、空気調和機が徐々に人々の生活を取り巻いており、人々の仕事と生活の中でよく使用される用品になった。
【0004】
セパレート型空気調和機は、室内機と室外機とを含む。室内機と室外機はそれぞれ室内と室外に取り付けられ、両者は対応する管路と電線で接続される。
【発明の概要】
【0005】
室外機及び室内機を備える空気調和機が提供される。前記室内機は、前記室外機に接続される。前記室内機は、箱体、蓋体、電気制御ボックス、及び回路基板を含む。前記箱体は、箱体本体、第1取付溝、及びバッフルプレートを含む。前記第1取付溝は、箱体本体の一方側に設けられる。前記バッフルプレートは、前記第1取付溝の一方側に設けられる。前記蓋体は、蓋体本体、第2取付溝、及び第1出線口を含む。前記蓋体本体は、前記箱体本体に被せられる。前記第2取付溝は、前記蓋体本体の一方側に設けられ、前記第1取付溝は、第2取付溝と共に取付キャビティを形成し、前記バッフルプレートは、前記第2取付溝に挿入される。前記第1出線口は、前記蓋体本体の前記バッフルプレートに近い側に設けられ、前記第1出線口は前記第2取付溝に連通し、前記バッフルプレートは前記第1出線口を遮蔽し、前記バッフルプレートは前記第2取付溝の一方の側壁と予め設定された距離を有して、出線隙間を形成する。前記電気制御ボックスは、前記取付キャビティ内に設けられる。前記回路基板は、前記電気制御ボックス内に取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】幾つかの実施例に係る空気調和機の概略図である。
【0007】
【
図2】幾つかの実施例に係る室内機の構造図である。
【0008】
【
図3】幾つかの実施例に係る筐体の配線の概略図である。
【0009】
【
図4】幾つかの実施例に係る筐体、電気制御ボックス及び回路基板の分解構造図である。
【0010】
【0011】
【
図6】幾つかの実施例に係る箱体、電気制御ボックス、及び回路基板の構造図である。
【0012】
【
図7】幾つかの実施例に係る電気制御ボックス、及び回路基板の取付構造図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【
図11】幾つかの実施例に係るスリーブの構造図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【
図14】幾つかの実施例に係るスリーブとベースの構造図である。
【0020】
【0021】
【
図16】幾つかの実施例に係る他の室内機の構造図である。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【
図20】幾つかの実施例に係るベース、ブラケット、及びディスプレイアセンブリの取付構造図である。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【
図26】幾つかの実施例に係るブラケットの構造図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図29】幾つかの実施例に係るディスプレイアセンブリの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して、本開示の幾つかの実施例における技術案に対して明確かつ完全な説明を行う。無論、ここに記載された実施例はあくまで本開示の実施例の一部のみであり、全ての実施例ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が得る他のすべての実施例は、本開示の保護範囲に含まれるものとする。
【0036】
文脈上別途の解釈を要しない限り、本明細書及び特許請求の範囲において、用語「含む(comprise)」及びその他の形態、例えば、第三人称の単数形である「含む(comprises)」及び現在分詞の形式である「含む(comprising)」は、開放、包括的な意味、即ち「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。明細書の説明において、用語「一つの実施例(one embodiment)」、「幾つかの実施例(some embodiments)」、「例示的な実施例(exemplary embodiments)」、「例(example)」、「特定の例(specific example)」、又は「一部の例(some examples)」などは、その実施例又は例に関連する特定の特徴、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを示すことが意図される。上記の用語の概略的な表現は、必ずしも同じ実施例又は例を指すわけではない。さらに、記載された特定の特徴、構造、材料、又は特性は、任意の適切な態様で、任意の1つ又は複数の実施例又は例に含まれ得る。
【0037】
以下において、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的だけに用いられ、相対的な重要性を明示又は暗示するもの、或いは示される技術的特徴の数を暗黙に示すものと理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を明示的又は暗黙的に含み得る。本開示の実施例の説明において、特に説明がない限り、「複数」は2つ以上を意味する。
【0038】
幾つかの実施例を説明する時、「結合」と「接続」及びそれらに由来する表現を使用する場合がある。例えば、幾つかの実施例を説明する際に、2つ又は2つ以上の構成要素がお互いに直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「接続」という用語を使用する場合がある。又は、幾つかの実施例を説明する時、2つ又は2つ以上の構成要素が直接的な物理的又は電気的接触を有することを示すように、「結合」という用語を使用する場合がある。しかしながら、「結合」又は「通信可能にカップリングされた(communicatively coupled)」という用語は、2つ又は2つ以上の構成要素が互いに直接接触していないが、依然として互いに協働又は相互作用することも意味し得る。ここに開示された実施例は、必ずしも本明細書の内容に限定されるものではない。
【0039】
本明細書において、「…に適用する」又は「…ように配置される」は、追加のタスク又はステップを実行するように適用又は構成される装置を排除しない開放的且つ包括的な言語を意味する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「約」、「おおよそ」、又は「近似」は、記載された値、及び特定値の許容可能な偏差範囲内の平均値を含み、ここで、前記許容可能な偏差範囲は、当業者によって検討されている測定及び特定量の測定に関連する誤差(即ち、測定システムの制限性)を考慮して決定される。
【0041】
本明細書で使用されるように、「平行」、「垂直」、「等しい」は、記載されている状況及び記載されている状況に近似している状況を含み、この近似している状況の範囲は許容可能な偏差範囲内にあり、ここで、前記許容可能な偏差範囲は、当業者が検討している測定及び特定量の測定に関連する誤差(すなわち、測定システムの限界)を考慮して決定される。例えば、「平行」は真の平行と略平行を含み、ここで略平行の許容可能な偏差範囲は例えば5°以内の偏差であり、「垂直」は真の垂直と略垂直を含み、略垂直の許容可能な偏差範囲は、例えば5°以内の偏差であってもよい。「等しい」とは、絶対的に等しいものとほぼ等しいものを含み、ここで、ほぼ等しい許容可能な偏差範囲内では、例えば、等しい両者の間の差は、いずれかの一方の5%以下である。
【0042】
本開示のいくつかの実施例は、空気調和機を提供する。
【0043】
図1に示すように、空気調和機1000は、室内機10と室外機20とを備える。室内機10と室外機20とは、冷媒を伝送するために、管路を介して接続される。室内機10は、室内熱交換器400と室内ファン600とを含む。室外機20は、圧縮機201、四方弁202、室外熱交換器203、室外ファン204、膨張弁205を含む。順に接続された圧縮機201、室外熱交換器203、膨張弁205及び室内熱交換器400は冷媒回路を形成し、冷媒は前記冷媒回路を循環して流れ、室外熱交換器203と室内熱交換器400を通じてそれぞれ空気と熱交換し、これにより、空調器1000の冷房モード又は暖房モードを実現する。
【0044】
圧縮機201は、低圧冷媒が圧縮されて高圧冷媒を形成するために冷媒を圧縮するように構成される。
【0045】
室外熱交換器203は、室外空気と室外熱交換器203内に伝送される冷媒とを熱交換するように構成される。例えば、室外熱交換器203は、圧縮機201によって圧縮された冷媒が室外熱交換器203を介して室外空気に熱を放出して凝縮するように、空気調和機1000の冷房モードで凝縮器として動作する。室外熱交換器203は、減圧後の冷媒が室外熱交換器203を介して室外空気の熱を吸収して蒸発するように、空気調和器1000の暖房モードで蒸発器として動作する。
【0046】
いくつかの実施例において、室外熱交換器203は、熱交換フィンをさらに含み、これにより、室外空気と室外熱交換器203内に伝送される冷媒との接触面積を拡大して、室外空気と冷媒との間の熱交換効率を高める。
【0047】
室外ファン204は、室外機20の室外吸気口を介して室外機20内に室外空気を吸入し、室外熱交換器203と熱交換した室外空気を室外機20の室外送気口を介して送出するように構成される。室外ファン204は、室外空気の流れに動力を供給する。
【0048】
膨張弁205は、室外熱交換器203と室内熱交換器400との間に接続され、室外熱交換器203と室内熱交換器400とを流れる冷媒の圧力は、膨張弁205の開度の大きさによって調節され、これにより、室外熱交換器203と室内熱交換器400との間を流れる冷媒の流量は調節される。室外熱交換器203と室内熱交換器400との間を流れる冷媒の流量と圧力は、室外熱交換器203と室内熱交換器400の熱交換性能に影響を与える。膨張弁205は、電子弁であってもよい。膨張弁205の開度は、膨張弁205を流れる冷媒の流量と圧力を制御するように調節可能である。
【0049】
四方弁202は前記冷媒回路内に接続され、四方弁202は冷媒回路における冷媒の流れを切り替えて空調機1000に冷房モードまたは暖房モードを実行させるように構成される。
【0050】
室内熱交換器400は、室内空気と室内熱交換器400内に伝送される冷媒とを熱交換するように構成される。例えば、室内熱交換器400は、室外熱交換器203を介して放熱された冷媒が室内熱交換器400を介して室内空気の熱を吸収して蒸発するように、空気調和器1000の冷房モードで蒸発器として動作する。室内熱交換器400は、室外熱交換器203を介して吸熱された冷媒が室内熱交換器400を介して室内空気に熱を放出して凝縮するように、空気調和器1000の暖房モードで凝縮器として動作する。
【0051】
いくつかの実施例において、室内熱交換器400は、熱交換フィンをさらに含み、これにより、室内空気と室内熱交換器400内に伝送される冷媒との接触面積を拡大し、室内空気と冷媒との間の熱交換効率を高める。
【0052】
室内ファン600は、室内機10の室内吸気口を介して室内機10内に室内空気を吸入し、室内熱交換器400と熱交換した室内空気を室内機10の室内送気口を介して送出するように構成される。室内ファン600は、室内空気の流れに動力を供給する。
【0053】
通常、室内機には電気制御素子を集積するための回路基板が設置されており、回路基板を水蒸気による浸食や衝突から保護するために、一般的に電気制御ボックスで回路基板を包み込み、保護の役割を果たす。また、回路基板と電気制御ボックスとの間の電気絶縁性を確保するために、電気制御ボックスは一般的にプラスチック材質で製作されるが、プラスチック製電気制御ボックスの耐火性は悪く、回路基板が短絡によって発火した後、プラスチック製電気制御ボックスは直火で焼損して変形し、また火炎はプラスチック製電気制御ボックスから室内機の内部に広がり、室内機の他の素子を焼損し、さらに火災を引き起こすこともある。
【0054】
電気制御ボックスの防火性を高めるために、火災防止のための筐体により電気制御ボックスを包み込んでもよい。筐体は火炎の更なる広がりを防止するためにより強い耐火性能を有します。しかし、回路基板は導線を介して室内機の他の素子と接続する必要があるため、筐体には、導線が通されるための複数の出線口が開設される必要があり、回路基板が発火した後に火炎が出線口から逃げやすくなり、筐体の防火作用を低下させる。
【0055】
上述の問題を解決するために、本開示のいくつかの実施例は空気調和機を提供する。
図2~
図6に示すように、室内機10は、筐体1、電気制御ボックス2及び回路基板3をさらに含む。筐体1は、箱体11及び蓋体12を含む。箱体11は、箱体本体117及び第1取付溝111を含む。第1取付溝111は、筐体本体117の一方側に設けられる。蓋体12は、蓋体本体128及び第2取付溝121を含む。第2取付溝121は、蓋体本体128の一方側に設けられる。蓋体本体128は、第1取付溝111と第2取付溝121とが共に取付キャビティを形成するように、箱体本体117に被せられる。蓋体12は、第1出線口122をさらに含み、第1出線口122は、蓋体本体128の一方側(例えば、上方側)に設けられ、第1出線口122は第2取付溝121に連通する。箱体11は、バッフルプレート112をさらに含み、バッフルプレート112は、第1取付溝111の第1出線口122に近い側(例えば、上方側)に設けられる。バッフルプレート112は、第2取付溝121に挿入され、第1出線口122を遮蔽し、第2取付溝121の上側壁との間に予め設定された距離を有して、出線隙間を形成する。電気制御ボックス2は、取付キャビティ内に設けられる。回路基板3は、電気制御ボックス2内に取り付けられる。
【0056】
バッフルプレート112は第2取付溝121内に挿入し、第1出線口122を遮蔽し、導線がバッフルプレート112を先に迂回した後に順次に出線隙間及び第1出線口122を通すよう、第2取付溝121の上側壁との間に出線隙間を形成する。電気制御ボックス2が発火した後にバッフルプレート112は第1出線口122からの火炎の漏出を効果的に遮蔽し、火炎が筐体1の外部に漏れるのを防止し、筐体1の防火作用を高めることができ、これにより、室内機10の内部素子が焼損されないように保護される。
【0057】
いくつかの実施例において、蓋体12は、蓋体本体128の一方側(例えば前側)に設けられる第2出線口123および蓋体本体128の一方側(例えば前側)に設けられる第3出線口124をさらに含み、第2出線口123および第3出線口124は、第2取付溝121に連通する。第2出線口123と第3出線口124は、蓋体本体128の長手方向(例えば、上下方向)に沿って間隔を置いて設けられ、筐体1内部の他の導線を通すための通線空間を提供する。第2出線口123及び第3出線口124は、蓋体12の前側に開設されることにより、上方からの火炎の漏出を効果的に防止し、筐体1の防火作用を高めることができる。
【0058】
いくつかの実施例において、箱体11は、複数の第1突起113をさらに含み、複数の第1突起113は、箱体本体117の対向する両側(例えば、前、後両側)に配置される。蓋体12は、複数の固定孔125をさらに含み、複数の固定孔125は、蓋体本体128の対向する両側に配置され、複数の第1突起113の位置に対応する。複数の第1突起113は複数の固定孔125に穿設され、複数の固定孔125は複数の第1突起113に嵌合して固定される。箱体11が蓋体12に装着されると、第1突起113が固定孔125内に嵌め込まれ、蓋体12と蓋体11との接続が強固になる。
【0059】
いくつかの実施例において、箱体11は、複数の第1スナップ114をさらに含み、複数の第1スナップ114は、箱体本体117の対向する両側(例えば、前側または後側)に配置される。蓋体12は、複数の第1スナップ114に係合する複数の第1係合孔126をさらに含み、複数の第1係合孔126は、蓋体本体128の対向する両側に設けられる。第1スナップ114は、箱体本体117の後側頂部に位置し、第1係合孔126は、箱体本体128の後側頂部にも位置し、箱体11が蓋体12に装着された後、第1スナップ114と第1係合孔126は互いに係合して安定した接続を実現する。第1スナップ114は弾性パドルであり、弾性パドルと箱体11の後側面との間に予め定められた距離(例えば4mm)を隔てており、弾性パドルを押圧することにより第1スナップ114と第1係合孔126との係合を解除することができ、それにより箱体11と蓋体12との間の取り外しを実現することができ、取り外し可能性が強く、後期のメインテナンスを容易にすることができる。
【0060】
いくつかの実施例において、箱体11は、複数の弾性ストッパ片115をさらに含み、複数の弾性ストッパ片115は、第1取付溝111の対向する2つの側壁(例えば、前、後の両側壁)に位置する。箱体11が蓋体12に装着された後、蓋体12の前、後両側の弾性ストッパ片115が蓋体12の前、後両側にそれぞれ当接し、蓋体12の前、後両側が外方に開くのを防止し、それによって蓋体1の防火作用を高める。
【0061】
いくつかの実施例において、室内機10は、ベース4をさらに含み、箱体11の一端(例えば、下端)がベース4内に挿入され且つベース4の一方側に近接し、例えば、箱体11がベース4の右側に近接して、これにより、筐体1の室内機10における占有空間を減少させ、さらに室内機10の空間利用率を向上させる。蓋体12は、ベース4の一方側(例えば、上側)に設けられる。
【0062】
筐体1は、板体5をさらに含み、板体5は、第1取付溝111上に被せて設けられ、且つ第1取付溝111の一方側(例えば、下側)に位置する。板体5は、板体本体53と、複数の折り曲げ部51とを含む。複数の折り曲げ部51は、板体本体53の対向する両側(例えば、前、後両側)に配置され、複数の折り曲げ部51が位置する平面は、板体本体53と略垂直である。各折り曲げ部51は第2係合孔511を含み、箱体11は複数の第2スナップ116をさらに含み、複数の第2スナップ116は、箱体本体117の下側に近い対向する両側(例えば前、後両側)に配置され、第2係合孔511に係合する。板体5が箱体11に装着された後、第2スナップ116は第2係合孔511に係合することにより、安定した接続を実現し、板体5と箱体11との間の取り外し可能性が強く、後期のメインテナンスを容易にする。
【0063】
いくつかの実施例において、板体5は、第1挿着溝52をさらに含み、第1挿着溝52は、板体本体53の一方側(例えば、上側)に配置される。蓋体12は、第1挿着ブロック127をさらに含み、第1挿着ブロック127は、蓋体本体128の一方側(下側)に配置され、第1挿着溝52に挿着される。板体5が箱体11に装着される前に、まず第1挿着ブロック127を第1挿着溝52内に挿入して蓋体12と板体5を一体的に接続させ、その後、蓋体12と板体5を一緒に前から後へ箱体11に嵌め込んで、第1スナップ114と第1係合孔126を係合させ、第2スナップ116と第2係合孔511を係合させて、蓋体12、板体5、及び箱体11の三者の装着を実現し、装着効率が高く、かつ筐体1の内部密封性を向上させる。
【0064】
なお、第1スナップ114及び第2スナップ116は、傾斜したガイド面及び垂直した当接面を有し、ガイド面が係合孔を円滑にスライドさせた後に、当接面が係合孔に当接して係合孔を逆方向にスライドしにくくするために用いられる。
【0065】
図2、
図7~
図10に示すように、電気制御ボックス2は、電気制御ボックス本体28と、第3取付溝21と、複数の変形孔22と、複数の弾性片23と、複数の第3スナップ24と、複数の当接部25とを含み、第3取付溝21は、電気制御ボックス本体28の一方側(例えば、右側)に配置され、複数の変形孔22は、第3取付溝21の対向する両側(例えば、前、後両側)に配置され、複数の変形孔22は、第3取付溝21に連通し、複数の弾性片23は、第3取付溝21の対向する両側(例えば、前、後両側)に配置され、複数の第3スナップ24は、各弾性片23の第3取付溝21の溝底に近い端に配置され、第3スナップ24は、変形孔22を通して電気制御ボックス本体28の外部に置いてもよい。回路基板3は第3取付溝21の溝底に配置され、2つの弾性片23上の第3スナップ24は回路基板3の対向する両側(例えば前、後両側)にそれぞれ係設される。当接部25は第3スナップ24の一方側に配置され、当接部25の少なくとも一部は回路基板3の外側に位置する。
【0066】
回路基板3が第3取付溝21から引き抜くと、回路基板3は、前、後両側の弾性片23を引き張って変形させて相対的に接近させ、この時、第3スナップ24上の当接部25が回路基板3の側壁に当接し、2つの当接部25が回路基板3の前、後両側にそれぞれ当接することで弾性片23のさらなる変形を規制して、さらに回路基板3の引き抜きを規制し、これにより、弾性片23及び第3スナップ24を保護し、回路基板3が強制的に誤って取り外されたときに弾性片23が破断するのを防止する。
【0067】
いくつかの実施例において、
図10に示すように、第3スナップ24は、接続された第1ガイド面241と、第1当接面242を含み、第1ガイド面241は、傾斜して設けられ、第1当接面242は、水平に設けられる。第1当接面242は、第3取付溝21の溝底と第1ガイド面241との間に位置し、第1当接面242は回路基板3の右側面に当接し、当接部25は第1当接面242に設けられる。回路基板3が右から左に第3取付溝21に装着されると、回路基板3の前、後両側は両側の第3スナップ24の第1ガイド面241にそれぞれ当接し、第3スナップ24は弾性片を動かして変形孔22において外部に変形させ、回路基板3が第1ガイド面241をスライドした後、第1当接面242は回路基板3の右側面に当接して回路基板3の右への移動を規制し、これにより、回路基板3を第3取付溝21の溝底に係設することを実現する。
【0068】
いくつかの実施例において、当接部25の延在方向は直線方向である。このように、当接部25は、当接部25の回路基板3に対する誤取外の防止効果を高めるために、回路基板3との接触面積を増大させる。無論、当接部25の延在方向は、弧や曲線であってもよい。
【0069】
2つの弾性片23は、それぞれ、電気制御ボックス2の上側に近接して設けられ、電気制御ボックス2は、第2挿着溝26をさらに含み、第2挿着溝26は、第3取付溝21の一方の側面(例えば下側面)に設けられる。回路基板3は、回路基板本体32及び第2挿着ブロック31を含み、第2挿着ブロック31は、回路基板本体32の一方側(例えば下側)に設けられ、第2挿着溝26に挿着される。回路基板3が第3取付溝21に装着されている過程において、まず第2挿着ブロック31を第2挿着溝26に挿入し、その後、回路基板3の上側は電気制御ボックス2の下側を中心に回転し、第3スナップ24は回路基板3の右側面の上端に係設して、これにより、回路基板3を第3取付溝21の溝底に安定させ、接続安定性を向上させる。
【0070】
いくつかの実施例において、電気制御ボックス2は弾性片23と一体成形され、全体的な構造強度が大きく、回路基板3を第3取付溝21の溝底に安定させるのに有利である。
【0071】
電気制御ボックス2は第1取付溝111に取り付けられ、第3取付溝21の開口は蓋体12に向けられており、電気制御ボックス2はさらに複数の係止部27を含み、複数の係止部27は電気制御ボックス本体28の対向する両側(例えば前、後両側)に配置され、複数の係止部27は第2取付溝121の側壁に係止する。電気制御ボックス2は、使用中における電気制御ボックス2の変位を防止するために、複数の係止部27を介して取付キャビティに固定される。
【0072】
図11~
図15に示すように、室内機10は、スリーブ6をさらに含む。スリーブ6はベース4の一方側に設けられ、中空状を呈し、スリーブ6の中空部分はキャビティを形成し、スリーブ6の両端(例えば、上、下両端)は開口し、それぞれ第1開口621と第2開口622であり、第1開口621と第2開口622はキャビティに連通する。第1開口621は、スリーブ6のベース4から離れる側に設けられ、例えば、スリーブ6の上端に形成される。第1開口621は、キャビティに連通する。室内機10の電線は、スリーブ6内に穿設される。
【0073】
電線がスリーブ6の下端から通する場合、スリーブ6の下端は電線に対して効果的に拘束作用を形成し、電線の脱出を制限することができ、電線引張試験を行う際、電線が室内機10のカバーに接触することを回避することもできる。電線がスリーブ6の上端から通すると、第1開口621は電線の通線空間を提供し、且つ第1開口621はスリーブ6の材料コストを低減することができる。
【0074】
いくつかの実施例において、スリーブ6は、互いに平行な第1側板61、第2側板62、第3側板63及び第4側板64を含み、第1側板61の前側と第2側板62の前側は第3側板63を介して接続され、第1側板61の後側と第2側板62の後側は第4側板64を介して接続され、第1側板61、第2側板62、第3側板63及び第4側板64は通線キャビティを形成するように囲む。第1側板61はベース4に近接しており、第1開口621は第2側板62に開口している。例えば、第1側板61は、ベース4の一方側に貼り付けて設けられ、空間利用率を高める。
【0075】
いくつかの実施例において、第1開口621の前、後両側はそれぞれ第3側板63及び第4側板64を貫通しており、これにより、第1開口621の面積を増大させることができ、それにより電線の通線空間を増大させ、通線操作を容易にすることができる。
【0076】
いくつかの実施例において、ベース4はベース本体43及び第1ガイドポスト41を含み、第1ガイドポスト41はベース本体43の一方側に配置され、第1側板61は第1ガイド孔611を含み、第1ガイドポスト41は第1ガイド孔611に穿設される。スリーブ6がベース4に装着されている過程において、第1ガイドポスト41を介して第1ガイド孔611に穿設されることにより位置決めの役割を果たす。
【0077】
いくつかの実施例において、
図13に示すように、ベース本体43の一方側には係合孔を有し、第1側板61は、係合孔に係合する第4スナップ612を含む。第4スナップ612は弾性を有する。第4スナップ612は、スリーブ6がベース4の一方側に固定されるように係合孔に係合し、位置決め及び固定の役割を果たし、スリーブ6の取り付けの利便性及び正確性を高める。
【0078】
いくつかの実施例において、ベース本体43の一方側にはガイド溝を有し、第1側板61はガイド溝に摺動接続されたガイドリブ613を含む。スリーブ6がベース4に装着されている過程において、スリーブ6とベース4との取付位置は、ガイドリブ613とガイド溝との摺動接続によりさらに位置決めされる。
【0079】
第1側板61は平面を有し、第3側板63及び第4側板64は弧面を有する。平面を有する第1側板61は、ベース4の側壁に良好に貼り合わせることができ、スリーブ6とベース4との間の隙間を小さくして室内機10内部の空間使用率を高めることができる。弧面を有する第3側板63及び第4側板64は、室内機10の内部アセンブリの構造適合性に基づいて設計される。
【0080】
スリーブ6は、延在部65をさらに含み、延在部65は、第1開口621の側壁に接続され、ネジ締結具を取り付けるための取付孔651を有し、取付孔651の中心線は、スリーブ6の長手方向(例えば、上、下方向)に沿って延びる。図11に示すように、延在部65は、折り曲げられた板材である。
【0081】
図16~
図29に示すように、室内機10は、カバー7、ブラケット8、及びディスプレイアセンブリ9をさらに含む。ベース4は、カバー7内に設けられ、取付フレーム42を含み、取付フレーム42は、ベース本体43の一方側に設けられる。取付フレーム42が位置する平面は、カバー7の長手方向と略垂直である。ブラケット8は取付フレーム42に設けられ、ブラケット8はブラケット本体86、第1係合フック81、第2係合フック82及び第2ガイド孔83を含み、第1係合フック81、第2係合フック82及び第2ガイド孔83は、ブラケット本体86に設けられる。取付フレーム42は、取付フレーム本体424及び第1係合溝421を含み、第1係合溝421は、取付フレーム本体424の一方側(例えば、上側)に設けられ、第1係合溝421は、第1係合フック81に係合される。第2係合フック82は、取付フレーム本体424の一方側に係設され、第2係合フック82の延在方向はカバー7の長手方向と略平行である。取付フレーム42は、第2ガイドポスト422をさらに含み、第2ガイドポスト422は、第2ガイド孔83に穿設される。ディスプレイアセンブリ9は、ブラケット本体86の一方側(例えば前側)に設けられる。
【0082】
このように、ディスプレイアセンブリ9は、ブラケット8を介してベース4に着脱可能に取り付けられる。ブラケット8の第2ガイド孔83と取付フレーム42の第2ガイドポスト422との嵌合及び位置決め、及びブラケット8の第1係合フック81と取付フレーム42の第1係合溝421との係合を介して、ブラケット8の第2係合フック82は、取付フレーム42の一方側に係合されて、これにより、ブラケット8と取付フレーム42との間の上下、左右及び前後方向の固定を実現し、着脱が容易になり、ブラケット8と取付フレーム42との接続安定性を向上させ、さらにディスプレイアセンブリ9をベース4に強固に固定させる。
【0083】
いくつかの実施例では、第1係合フック81は、ブラケット本体86に接続される接続部811と、接続部811の一方側(例えば下側)に設けられるフック部812とを含む。フック部812は、第1係合溝421に係合される。接続部811とフック部812は、一体成形構造であってもよく、全体の構造強度が大きい。接続部811は、フック部812が第1係合溝421内にスムーズに配置され且つ第1係合溝421の側壁に係合するように、板状やブロック状などを呈し、接続部811の長さが第1係合溝421の側壁から取付フレーム42の側縁までの長さに適合してもよい。
【0084】
カバー7はカバー本体72と押さえリブ71とを含み、押さえリブ71はカバー本体72の一方側に設けられる。押さえリブ71は、接続部811の一方側(例えば上側)に当接する。押さえリブ71は板状やブロック状などを呈してもよく、押さえリブ71は接続部811の上側に当接して接続部811を取付フレーム42の表面に貼り付けて設けられることができ、フック部812と第1係合溝421との間の分離を回避し、それにより、ディスプレイアセンブリ9を取付フレーム42に強固に固定させ、ディスプレイアセンブリ9のカバー7内への取付安定性を高める。
【0085】
図24~
図28に示すように、フック部812は、第2ガイド面8121及び第2当接面8122を含み、第2ガイド面8121は傾斜して設けられ、第2当接面8122は垂直して設けられる。第2ガイド面8121は取付ブラケット42の上側に当接し、第2ガイド面8121はブラケット8と取付ブラケット42との取付をガイドするために用いられる。第2当接面8122は、フック部812が第1カード溝421に係合するように、第1係合溝421の側壁に当接する。ブラケット8が取付フレーム42に取り付けられると、ブラケット8は取付フレーム42に対して前方に移動し、第2ガイド面8121は取付フレーム42の表面をスライドしてから第1係合溝421内に置いてもよく、このときに第2当接面8122も第1係合溝421内に置き、第2当接面8122は第1係合溝421の側壁に当接してブラケット8の後方への移動を規制し、第1係合フック81を第1係合溝421内に係止させることで、ブラケット8を取付フレーム42に安定して取り付けることができる。第2係合フック82の構成は、第1係合フック81の構成と同様であり、ここではこれ以上説明されない。
【0086】
いくつかの実施例において、
図24~
図27に示すように、ブラケット8は、取付板84をさらに含み、取付板84は、ブラケット本体86の一方側に設けられ、ディスプレイアセンブリ9を固定するために用いられる。第1係合フック81、第2係合フック82及び第2ガイドポスト422は、取付板84の一方側(例えば後側)に設けられる。ディスプレイアセンブリ9は、ボルト接続、接着、またはスナップ接続を用いて取付板84に固定することで、ディスプレイアセンブリ9とブラケット8とが一体的に連結して取付フレーム42に取り付けられ、ブラケット8と取付フレーム42とを取り外すれば取外されてよく、操作が簡便であり、ディスプレイアセンブリ9の損傷を回避することができる。
【0087】
取付板84は、取付板本体844と、複数の支持部841と、第4取付溝842とを含み、複数(例えば2つ)の支持部841は、取付板本体844の前側面の対向する両側(例えば上、下両側)に設けられる。第4取付溝842は、取付板本体844の一方側に位置している。2つの支持部841と取付板本体844の前側面は第4取付溝842を形成するように囲み、ディスプレイアセンブリ9は第4取付溝842内に嵌設される。ディスプレイアセンブリ9の表面を支持部841により覆い、これにより、ディスプレイアセンブリ9とカバー7との衝突を防止し、また2つの支持部841が互いにディスプレイアセンブリ9をクランプして、ディスプレイアセンブリ9を取付フレーム42に強固に固定させる。
【0088】
図24、
図25、
図27及び
図29に示すように、支持部841は、複数の第2係合溝843を有し、例えば、支持部841は2つの第2係合溝843を有する。ディスプレイアセンブリ9は、ディスプレイアセンブリ本体92、及び複数の第2突起91を含み、複数(例えば2つ)の第2突起91は、ディスプレイアセンブリ本体92の対向する両側(例えば上、下両側)に配置され、2つの第2突起91は、2つの第2係合溝843に係合される。ディスプレイアセンブリ9とブラケット8との取り付け時に、ディスプレイアセンブリ9は第4取付溝842の溝底に垂直な方向に沿って第4取付溝842内に挿入され、2つの第2突起91はそれぞれ2つの第2係合溝843に係合されて、ディスプレイアセンブリ9を第4取付溝842内に係合させるように設けられ、ディスプレイアセンブリ9をメンテナンスする際にディスプレイアセンブリ9をブラケット8から取り外すことが便利になる。
【0089】
いくつかの実施例において、ブラケット8は、取付板84の一方側(例えば、後側)に設けられた制限リブ85をさらに含み、制限リブ85は、カバー7の長手方向に沿って延びる。取付フレーム42は、制限リブ85に係合される制限溝423を有する。制限リブ85が制限溝423に係合されてブラケット8の取付フレーム42上の移動を規制し、第1係合フック81が第1係合溝421に係合されて、第2係合フック82が取付フレーム42の一方側に係合されるのを確保することにより、ブラケット8が取付フレーム42に強固に固定される。
【0090】
いくつかの実施例において、第1係合フック81及び第2係合フック82は弾性部材であり、例えばプラスチック部材や弾性金属部材などであり、ブラケット8は、取付ブラケット42に取り付けられる際に、ブラケット8が取付ブラケット42にスムーズに取り付けられることを確保するために、第1係合フック81と第2係合フック82が適切に伸縮して位置が調整されてもよい。ブラケット8はプラスチック部材であり、射出成形プロセスによって一体部材を形成してもよく、ブラケット8全体の構造強度を向上させ、ブラケット8の使用寿命を高める。
【0091】
本願の開示範囲は上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、本願の趣旨を逸脱することなく実施形態のいくつかの要素に対して変更又は置換することができることを、当業者は理解するであろう。本願の保護範囲は、特許請求の範囲に記載された範囲を準拠するものとする。
【符号の説明】
【0092】
1.筐体、
11.箱体、117.箱体本体、111.第1取付溝、112.バッフルプレート、113.第1突起、114.第1スナップ、115.弾性ストッパ片、116.第2スナップ、
12.蓋体、128.蓋体本体、121.第2取付溝、122.第1出線口、123.第2出線口、124.第3出線口、125.固定孔、126.第1係合孔、127.第1挿着ブロック、
5.板体、53.板体本体、51.折り曲げ部、511.第2係合孔、52.第1挿着溝、
2.電気制御ボックス、28.電気制御ボックス本体、21.第3取付溝、22.変形孔、23.弾性片、24.第3スナップ、241.第1ガイド面、242.第1当接面、25.当接部、26.第2挿着溝、27.係止部、
3.回路基板、32.回路基板本体、31.第2挿着ブロック、
6.スリーブ、61.第1側板、611.第1ガイド孔、612.第4スナップ、613.ガイドリブ、62.第2側板、621.第1開口、63.第3側板、64.第4側板、65.延在部、651.取付孔、
7.カバー、72.カバー本体、71.押さえリブ、
4.ベース、43.ベース本体、41.第1ガイドポスト、42.取付フレーム、424.取付フレーム本体、421.第1係合溝、422.第2ガイドポスト、423.制限溝、
8.ブラケット、86.ブラケット本体、81.第1係合フック、811.接続部、812.フック部、8121.第2ガイド面、8122.第2当接面、82.第2係合フック、83.第2ガイド孔、84.取付板、844.取付板本体、841.支持部、842.第4取付溝、843.第2係合溝、85.制限リブ、
9.ディスプレイアセンブリ、92.ディスプレイアセンブリ本体、91.第2突起。