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特許7589369レーザー及び該レーザーを含むレーザーレーダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】レーザー及び該レーザーを含むレーザーレーダー
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/042 20060101AFI20241118BHJP
   H01S 5/42 20060101ALI20241118BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20241118BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01S5/042 612
H01S5/42
H01S5/042 630
H01L33/00 J
G01S7/484
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2023560178
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-03-21
(86)【国際出願番号】 CN2021135749
(87)【国際公開番号】W WO2022206001
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】202110357077.4
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519434972
【氏名又は名称】上海禾賽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hesai Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.2 Building,No.468 XinLai Road,Jiading District,Shanghai,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李維
(72)【発明者】
【氏名】陳杰
(72)【発明者】
【氏名】肖勇
(72)【発明者】
【氏名】向少卿
【審査官】佐藤 美紗子
(56)【参考文献】
【文献】中国特許第111313227(CN,B)
【文献】中国特許第110137802(CN,B)
【文献】特開2002-141604(JP,A)
【文献】特開2009-277781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00-5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットは複数の発光点を含み、前記複数の発光ユニットの各カソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ、ワイヤボンディング用の結線パッドを含む結線ユニットを有し、前記結線ユニットはそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続され、
少なくとも1つの発光ユニットの複数の発光点は、第1グループの発光点及び第2グループの発光点を含み、前記第1グループの発光点は前記第2グループの発光点よりも密に配置されており、前記第2グループの発光点よりも遠距離にある物体を探知するように構成され、
前記複数の発光ユニットによって共有されていないカソード又はアノードと前記結線パッドは、同じ金属層の一部を形成し、前記複数の発光ユニットによって共有されているアノード又はカソードと前記結線パッドは、前記発光ユニットの2つの反対側に配置された金属層によって形成される、レーザーレーダーのためのレーザー。
【請求項2】
前記複数の発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードは絶縁層を介して分離され、共有されるカソード又はアノードは第1金属層を介して接続される、請求項1に記載のレーザー。
【請求項3】
前記複数の発光ユニットは、同時に駆動されて発光することができるか、又は順次に駆動されて発光することができるように構成される、請求項1に記載のレーザー。
【請求項4】
前記複数の発光ユニットが順次に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは異なる電圧源に接続される、請求項3に記載のレーザー。
【請求項5】
前記複数の発光ユニットが同時に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは同じ電圧源又は異なる電圧源に接続される、請求項3に記載のレーザー。
【請求項6】
前記レーザーは2つの前記発光ユニットを含み、前記2つの発光ユニットはカソードが共有され、各発光ユニットは1つの結線ユニットを含む、請求項1に記載のレーザー。
【請求項7】
各発光ユニットは第2金属層をさらに含み、前記第2金属層は、前記発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードを覆い、かつ各発光点の発光のための開口を有する、請求項1に記載のレーザー。
【請求項8】
請求項1からのいずれか1項に記載のレーザーを複数含む送信ユニットであって、各レーザーが、探知ビームを送信するように構成される複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットが複数の発光点を含み、前記複数の発光ユニットの各カソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ結線ユニットを有し、前記結線ユニットがそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続される送信ユニットと、
複数の探知器を含み、目標物で反射された前記探知ビームのエコービームを受信し、前記エコービームを電気信号に変換するように構成される受信ユニットと、を含む、レーザーレーダー。
【請求項9】
前記レーザーレーダーの送信ユニットと受信ユニットは複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルは対応する1つの発光ユニット及び1つの探知器を含む、請求項に記載のレーザーレーダー。
【請求項10】
単一のレーザーの複数の発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは、同一の探知器で受信される、請求項又はに記載のレーザーレーダー。
【請求項11】
前記複数のレーザーは鉛直方向に沿って複数列に分布しており、複数列のレーザーは、複数のレーザーにおける各発光ユニットから送信された探知ビームの主光線方向が互いにずれるように、互いにインターレースされる、請求項又はに記載のレーザーレーダー。
【請求項12】
前記複数列のレーザーは鉛直方向に全体的に互いにインターレースされるか、又は各列のレーザーの中央部分のみに互いにインターレースされる、請求項11に記載のレーザーレーダー。
【請求項13】
前記レーザーレーダーの垂直分解能は0.4°よりも小さい、請求項12に記載のレーザーレーダー。
【請求項14】
前記送信ユニットは、前記レーザーの複数の発光ユニットに異なる駆動電圧を提供するように構成される駆動回路をさらに含む、請求項又はに記載のレーザーレーダー。
【請求項15】
前記送信ユニットはスイッチ素子をさらに含み、前記スイッチ素子は第1側、第2側及び制御側を含み、前記制御側は駆動信号に基づいて前記スイッチ素子のオン/オフを制御することができ、前記第1側は前記発光ユニットの共有されるカソード又はアノードに電気的に接続され、第2側は接地される、請求項14に記載のレーザーレーダー。
【請求項16】
前記送信ユニットは、探知ビームを送信するように各発光ユニットを順次に駆動するように構成される、請求項又はに記載のレーザーレーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー探知の分野に関し、特に、レーザーレーダーに使用可能なレーザー及び該レーザーを含むレーザーレーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレーザーレーダーでは、発光ユニットと探知器との比率が1:1であり、各発光ユニットと探知器は一対一で対応して設けられる。現在、レーザーレーダーの垂直角分解能がますます高くなり、発光ユニットの密度を向上させる必要があるが、送信側のプリント回路基板の面積が制限され、キャパシタ、スイッチなどの素子の面積が一定であるため、上記解決手段は素子の面積により制限され、制限されたプリント回路基板の面積で発光ユニットの密度を向上させることが困難であり、レーザーレーダーの垂直角分解能を高めることが困難になる。
【0003】
垂直共振器型面発光レーザーVCSELは複数のキャビティを含み、各キャビティは1つの発光点を構成し、複数の発光点は1つのエリアアレイを構成し、VCSELはより効率的で、帯域幅がより狭く、温度ドリフトがより小さいため、より小さいパワーを送信することで同様な測距能力を達成することができ、また、アイセーフに対しても非常に有利である。
【0004】
代表的なVCSEL設計は図1に示すとおりであり、面積はL*Lであり、発光領域(図中の黒塗り丸で覆われる領域)及びワイヤボンディング領域(図中の斜線領域)を含み、ここで、各黒塗り丸は1つの発光点に対応し、ワイヤボンディング領域は駆動電圧に電気的に接続するためのものである。
【0005】
VCSELの基板はGaAsであり、一般的には、底部のN極(カソード)、頂部のP極(アノード)が相互接続金属層を介して回路基板00にボンディング接続されることによって製造される。同一のダイ(DIE)上の複数のVCSELはN極が共有される。レーザーレーダーは、順番に発光することを可能にするために、各発光ユニットがアドレス指定可能であることを必要とし、同時に発光する必要があっても、大きな角度差をなるべく維持すべきであり、このように光学的クロストークを最大限に避けることができる。代表的なレーザー駆動回路は図2に示すとおりであり、ここで、カソードを共有する形態でレーザーLASER1、LASER2、…………、LASERnを駆動し、すべてのレーザーのアノードはVLASER電源を共有する。各レーザー(LASER1-LASERn)のカソードはそれぞれ1つのスイッチ素子(Q1-Qn)及びスイッチ駆動(DRV1-DRVn)に接続され、スイッチ素子はGaNであってもよく、DRV1-DRVnはGaN駆動であり、スイッチ素子のストローブによりレーザーの発光を制御する。各レーザーは1つの放電キャパシタ(図2に示すC1……Cn)を備え、かつ各レーザー及び対応する放電キャパシタのいずれにも、放電キャパシタを充電するための給電スイッチ(図示せず)が設けられる。給電スイッチがオンになると、給電電源VLASERはキャパシタCを充電し、一定時間経過した後に、給電スイッチがオフになり(通電不能になり、キャパシタCの充電回路がオフになる)、GaNスイッチの駆動信号がGaNスイッチをオンにするのに十分であるようになった後に、キャパシタCとレーザーLASER1、GaNスイッチ及びグラウンドとの間に放電回路が形成され、レーザーLASER1を発光させる。このような構造の駆動回路について、各レーザーに個別のGaNスイッチを配置する必要があり、回路構造が複雑であり、コストが高い。
【0006】
背景技術部分の内容は、開示者が知っている技術に過ぎず、当該分野の従来技術を当然表すものではない。
【発明の概要】
【0007】
従来技術の少なくとも1つの欠陥に鑑みて、本発明は、複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットは複数の発光点を含み、前記複数の発光ユニットの各カソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ結線ユニットを有し、前記結線ユニットはそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続される、レーザーレーダーのためのレーザーを提供する。本発明の実施例によれば、レーザーは複数の発光ユニットを有するが、レーザーの面積が増加せず、レーザーレーダーに用いられる場合に、複数の発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは同一の探知器で受信されるため、レーザーレーダーの垂直角分解能及び点群密度を向上させることができる。
【0008】
本発明の一態様によれば、前記複数の発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードは絶縁層を介して分離され、共有されるカソード又はアノードは第1金属層を介して接続される。
【0009】
本発明の一態様によれば、前記複数の発光ユニットは、同時に駆動されて発光することができるか、又は順次に駆動されて発光することができるように構成される。
【0010】
本発明の一態様によれば、前記複数の発光ユニットが順次に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは異なる電圧源に接続される。
【0011】
本発明の一態様によれば、前記複数の発光ユニットが同時に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは同じ電圧源又は異なる電圧源に接続される。
【0012】
本発明の一態様によれば、前記レーザーは2つの前記発光ユニットを含み、前記2つの発光ユニットはカソードが共有され、各発光ユニットは1つの結線ユニットを含む。
【0013】
本発明の一態様によれば、各発光ユニットは第2金属層をさらに含み、前記第2金属層は、前記発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードを覆い、かつ各発光点の発光のための開口を有する。
【0014】
本発明の一態様によれば、前記結線ユニットは前記第2金属層の一部、又は前記第2金属層に設けられた結線パッドである。
【0015】
本発明は、
複数の以上で記述したレーザーを含む送信ユニットであって、各レーザーが、探知ビームを送信するように構成される複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットが複数の発光点を含み、前記複数の発光ユニットの各カソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ結線ユニットを有し、前記結線ユニットがそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続される送信ユニットと、
複数の探知器を含み、目標物で反射された前記探知ビームのエコービームを受信し、前記エコービームを電気信号に変換するように構成される受信ユニットと、を含む、レーザーレーダーをさらに提供する。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記レーザーレーダーの送信ユニットと受信ユニットは複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルは対応する1つの発光ユニット及び1つの探知器を含む。
【0017】
本発明の一態様によれば、前記同一のレーザーの複数の発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは、同一の探知器で受信される。
【0018】
本発明の一態様によれば、前記複数のレーザーは鉛直方向に沿って複数列に分布しており、複数列のレーザーは、複数のレーザーにおける各発光ユニットから送信された探知ビームの主光線方向が互いにずれるように、互いにインターレースされる。
【0019】
本発明の一態様によれば、前記複数列のレーザーは鉛直方向に全体的に互いにインターレースされるか、又は各列のレーザーの中央部分のみに互いにインターレースされる。
【0020】
本発明の一態様によれば、前記レーザーレーダーの垂直角分解能は0.4°よりも小さい。
【0021】
本発明の一態様によれば、前記送信ユニットは、前記レーザーの複数の発光ユニットに異なる駆動電圧を提供するように構成される駆動回路をさらに含む。
【0022】
本発明の一態様によれば、前記送信ユニットはスイッチ素子をさらに含み、前記スイッチ素子は第1側、第2側及び制御側を含み、前記制御側は駆動信号に基づいて前記スイッチ素子のオン/オフを制御することができ、前記第1側は前記発光ユニットの共有されるカソード又はアノードに電気的に接続され、第2側は接地される。
【0023】
本発明の一態様によれば、前記送信ユニットは、探知ビームを送信するように各発光ユニットを順次に駆動するように構成される。
【0024】
本発明の実施例によるレーザーレーダーは複数の発光ユニットを有するレーザーを含み、複数の発光ユニットを有するレーザーは面積が増加せず、かつ複数の発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは同一の探知器で受信され、レーザーレーダーの垂直角分解能及び点群密度を向上させることができる。同時に、同じ面積で発光ユニットの数が倍になることによって、駆動回路において異なる駆動電圧により駆動される複数の発光ユニットはスイッチ素子を共有し、スイッチ素子及びその駆動を節約し、コストを低減し、高密度発光ユニットを駆動する送信回路を実現する。また、本発明の実施例のレーザーによれば、各発光ユニットが1つの結線ユニットを有することにより、発光ユニットにより多くの発光点を配置することができ、かつ結線ユニットを減らし、接続線をより少なくし、発光ユニットの発光を遮りにくくなり、発光ユニットの発光効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の一部を構成する図面は、本開示をさらに理解するために提供されるものであり、本開示の例示的な実施例及びその説明は、本開示を不当に限定するものではなく、本開示を解釈するためのものである。図面の説明を次に記載する。
図1】代表的なVCSELを示す。
図2】代表的なレーザーの駆動回路を示す。
図3】本発明の一実施例によるレーザーの平面図を示す。
図4図3のレーザーの断面図を示す。
図5】本発明の一実施例による発光ユニットの平面図を示す。
図6】本発明の一実施例によるレーザーレーダーを示す。
図7】本発明の一実施例による送信ユニット及び受信ユニットの配置形態を模式的に示す。
図8】本発明の一実施例による送信ユニットのレーザーの配置形態を示す。
図9A】本発明の実施例による送信ユニットと従来の送信ユニットとの対比図を示す。
図9B】本発明の実施例による送信ユニットと従来の送信ユニットとの対比図を示す。
図10A】本発明の実施例によるレーザーの2つの配列形態を示す。
図10B】本発明の実施例によるレーザーの2つの配列形態を示す。
図11】本発明の一実施例による送信ユニットの駆動回路を示す。
図12】本発明の一実施例による駆動回路の概念図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下において、いくつかの例示的な実施例のみを簡単に説明する。当業者であれば認識できるように、本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく、説明された実施例を様々な異なる方式で修正することが可能である。従って、図面と説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものであると考えられる。
【0027】
本開示の説明では、理解すべきところとして、用語の「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」等で示す方位又は位置関係は、図面に基づくものであり、本開示を容易に説明し記述を簡略化するためのものに過ぎず、記載される装置又は素子は必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成、操作されたりすることを明示又は暗示することがないので、本開示を限定するものと理解してはならない。また、用語の「第1」、「第2」は、説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を指示又は暗示したり、示される技術的特徴の数を暗示的に示したりするものと理解してはならない。従って、「第1」、「第2」と限定される特徴は1つ又は複数の前記特徴を明示的又は暗示的に含むことができる。本発明の説明では、明確且つ具体的に限定しない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0028】
本発明の説明では、説明すべきところとして、明確に規定、限定しない限り、用語の「取り付ける」、「連結する」、「接続する」を広義的に理解すべきことであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体的に接続してもよく、さらに、機械的に接続してもよく、電気的に接続してもよく、又は互いに通信可能であってもよく、さらに、直接接続してもよく、中間媒介を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよく、又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解することができる。
【0029】
本発明において、明確に規定、限定しない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるというのは、第1と第2特徴が直接接触する場合を含んでもよいし、第1と第2特徴が直接接触せず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上方にある場合を含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを意味する。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるというのは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下方にある場合を含むか、又は単に第1特徴の水平高さが第2特徴より小さいことを意味する。
【0030】
以下の開示では、本発明の異なる構造を実現するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、以下において、特定の例の部材及び配置について説明する。当然ながら、それらは例に過ぎず、本発明を限定する意図がない。また、本発明は、異なる例において参照数字及び/又は参照アルファベットを重複することができ、このような重複は、簡略化及び明瞭化のためのものであり、それ自体は、検討される種々の実施形態及び/又は配置の間の関係を示すものではない。また、本発明は種々の特定のプロセス及び材料の例を提供するが、当業者であれば、他のプロセスの適用及び/又は他の材料の使用に想到することができる。
【0031】
以下において、図面を参照しながら本発明の好ましい実施例を説明する。ここに記載の好ましい実施例は本発明を説明及び解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定する意図がないことを理解すべきである。
【0032】
レーザー面積を著しく増加させることなくレーザーの発光密度を増大させることで、レーザーレーダーに用いられる場合に、レーザーレーダーの垂直角分解能及び点群密度を向上させることを可能にするために、本発明はレーザーを提供する。該レーザーは複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットは複数の発光点を含み、複数の発光ユニットのカソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ結線ユニットを有し、前記結線ユニットはそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続される。このようにして、同じサイズで発光ユニットの数の顕著な増加を実現し、レーザーレーダーの垂直角分解能及び点群密度を向上させることができる。
【0033】
図3は本発明の一実施例によるレーザーの平面図を示し、図4図3のレーザーの断面図を示し、以下において、図3及び図4を参照しながらレーザーの具体的な構造を詳細に説明する。
【0034】
図3に示すように、レーザー10は発光ユニット11と12を含み、各発光ユニットは、図3中の円形の発光点111と121で示すように、複数の発光点を含む。前記発光ユニット11と12は、複数の発光点を有するVCSEL発光ユニットのような、同じタイプの発光ユニットであってもよい。図3は、レーザー10は2つの発光ユニット11と12を含むことを模式的に示すが、本発明はこれに限定されず、レーザー10は3つ又はより多くの発光ユニットを含んでもよい。明瞭化のために、以下は2つの発光ユニット11と12を例として説明する。
【0035】
好ましくは、レーザー10がレーザーレーダーに用いられる場合に、近距離目標の測定と遠距離目標の測定を同時に両立させるために、発光ユニット11と12の複数の発光点をグループ化することができる。図3に示すように、発光ユニット11の複数の発光点111について、そのうち右側にある比較的密な発光点111(破線で囲まれた)は遠距離目標の探知のためのものであり、左側にある比較的疎で、数の少ない発光点111(破線で囲まれた)は近距離目標の探知のためのものである。あるいは、代替的に、左側の発光点111は右側の発光点111と類似する密集配列形態を採用してもよい。発光ユニット12の複数の発光点121についてもそのとおりである。
【0036】
図4はレーザー10の内部構造をより明確に示す。図4に示すように、発光ユニット11と12はカソードが共有され、即ち、発光ユニット11と12のカソードは同一のカソード金属層13によって実現され(あるいは、代替的に、発光ユニット11と12のそれぞれのカソードは金属層を介して電気的に接続される)、発光ユニット11と12の共有されていないアノードが互いに分離される。発光ユニット11について、アノード113は例えば環状の金属電極であり、各発光点111を囲んで配置され、中央部の開口はレーザー光を送信する(図4中の矢印に示すように)ための発光経路である。カソード金属層13とアノード113との間に駆動電圧を印加すると、発光ユニット11の発光点111はレーザー光を送信する。類似的に、発光ユニット12について、そのアノード123は同様に環状の金属電極であってもよく、各発光点121を囲んで配置され、中央部の開口はレーザー光を送信する。
【0037】
図3に示すように、各発光ユニットは結線ユニットをさらに含み、例えば、発光ユニット11と12はそれぞれ結線ユニット115と125を含み、結線ユニット115は発光ユニット11の共有されていないアノード113に電気的に接続され、結線ユニット125は発光ユニット12の共有されていないアノード123に電気的に接続される。各発光ユニット11について、そのカソード金属層13は例えばスイッチ素子を介して接地され、結線ユニット115は、駆動電圧源に接続されることで、レーザービームを送信するように発光ユニット11の各発光点を駆動するためのものである。前記結線ユニットは例えば結線パッドの形式であってもよい。
【0038】
また、本発明の好ましい一実施例によれば、隣接する発光ユニットの間には、共有されていないアノード又はカソードが絶縁層を介して分離される。図4に示すように、発光ユニット11と12はカソードが共有されるが、アノードが共有されず、発光ユニット11と12の間には、アノード113と123が絶縁層116を介して分離されることによって、別々の制御及び駆動を実現する。
【0039】
図3及び図4の実施例では、カソードが共有されるが、アノードが共有されていない複数の発光ユニットを例として説明するが、本発明はこれに限定されず、本発明では、複数の発光ユニットのアノードが共有されるが、カソードが共有されていないように実施されてもよく、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0040】
本発明の好ましい一実施例によれば、各発光ユニット内には第2金属層がさらに含まれ、前記第2金属層は、前記発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードを覆い、かつ各発光点に対応する開口を有する。図5は発光ユニット11の平面図を示す。図4及び図5に示すように、発光ユニット11は第2金属層117を含み、第2金属層117は例えば発光ユニット11のアノード113の上方を覆い、第2金属層117は一体の金属層であってもよく、それに各発光点に対応する開口を有し(図5中の空白部で示すように)、各発光点から送信されたレーザービームの光通過経路として用いられる。発光ユニット11と12の間には、第2金属層117と127が相互に分離されることによって、別々の制御及び駆動を実現する。本発明の一実施例によれば、前記結線ユニット115は前記第2金属層117の一部で構成されてもよく、又は前記第2金属層117に設けられた結線パッドで構成されてもよい。
【0041】
本発明は発光ユニットの具体的な数を限定しないが、好ましくは、レーザー10は2つの発光ユニット11と12を含み、前記2つの発光ユニットはカソードが共有され、各発光ユニットは1つの結線ユニットを含む。
【0042】
本発明の実施例によれば、レーザー10に含まれる複数の発光ユニットは同時に駆動されて発光してもよく、又は順次に駆動されて発光してもよく、複数の発光ユニットが順次に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは異なる電圧源に接続され、複数の発光ユニットが同時に駆動されて発光する場合に、複数の発光ユニットの結線ユニットは同じ電圧源又は異なる電圧源に接続される。
【0043】
以上で複数の発光ユニットを含むレーザーを説明したが、各発光ユニットは1つの結線ユニット(PAD)を有し、結線ユニットは例えばアノードパッドであり、金属ワイヤボンディングにより電源HVに接続され、複数の発光ユニットはカソードパッドを共有し、レーザー全体が占める面積が変化せず、各発光ユニットが1つの結線ユニットのみを有するため、発光ユニットにより多くの発光点を配置することができ、かつ結線ユニットを減らし、接続線をより少なくし、発光ユニットの発光を遮りにくくなり、発光ユニットの発光効率を向上させる。
【0044】
図6は本発明の一実施例によるレーザーレーダー20を示し、レーザーレーダー20は送信ユニット21及び受信ユニット22を含み、ここで、送信ユニット21は複数の以上で記述したレーザー10を含み、ここで、各レーザーは、探知ビームLを送信するように構成される複数の発光ユニットを含み、各発光ユニットは複数の発光点を含み、ここで、前記複数の発光ユニットの各カソード又はアノードが共有され、各発光ユニットにそれぞれ結線ユニットを有し、前記結線ユニットはそれぞれ、対応する各発光ユニットの共有されていないアノード又はカソードに電気的に接続される。受信ユニット22は、複数の探知器を含み、目標物OBJで反射された前記探知ビームLのエコービームL’を受信し、前記エコービームL’を電気信号に変換するように構成される。
【0045】
本発明の好ましい一実施例によれば、レーザーレーダー20の送信ユニット21と受信ユニット22は複数の探知チャネルを構成し、各探知チャネルは対応する1つの発光ユニット11又は12、及び1つの探知器221を含む。図7に示すように、送信ユニット21がレーザー10及びレーザー10’を含むことを模式的に示し、ここで、レーザー10は探知器221に対応し、レーザー10’は探知器221’に対応し、即ち、2つの発光ユニット11と12は探知器221に対応し、それぞれ2つの探知チャネルを構成し、同様に、2つの発光ユニット11’と12’も探知器221’に対応し、それぞれ2つの探知チャネルを構成する。図7に示すように、レーザー10は2つの発光ユニット11と12を含み、レーザー10’は2つの発光ユニット11’と12’を含み、各レーザーの2つの発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは同一の探知器で受信され、例えば、発光ユニット11’と12’から送信された探知ビームにより生成されたエコービームは探知器221’で受信される。より多くの探知チャネルについても同様であり、ここで詳細な説明を省略する。また、図7では、レーザーと探知器との両者の対応関係を示すためのものに過ぎず、その実際の位置を示すものではない。
【0046】
図7では、レーザー10とレーザー10’は一列に配列される。複数のレーザーを鉛直方向に沿って複数列に分布するようなことも考えられ、図8に示すように、複数列のレーザーは、複数のレーザーにおける各発光ユニットから送信された探知ビームの主光線方向が互いにずれるように、互いにインターレースされる。図8に示すように、レーザー10-1、10-2は一列に配列され、レーザー10-3と10-4は一列に配列される。各レーザーについて、例えば2つの発光ユニットを含み、各発光ユニットはそれぞれ探知ビームを送信し、好ましくは、各発光ユニットの探知ビームの主光線方向が互いにずれて、重なり合いを回避し、本発明において、探知ビームの主光線方向とは探知ビームの中心光線の方向を指し、図8では紙面に垂直な方向である。当業者に容易に理解されるように、図8において、線10-1-1と10-1-2はレーザー10-1の2つの発光ユニットの探知ビームの主光線方向の図中における高さ位置を表すためのものであり、線10-2-1と10-2-2はレーザー10-2の2つの発光ユニットの探知ビームの主光線方向の図中における高さ位置を表すためのものであり、線10-3-1と10-3-2はレーザー10-3の2つの発光ユニットの探知ビームの主光線方向の図中における高さ位置を表すためのものであり、線10-4-1と10-4-2はレーザー10-4の2つの発光ユニットの探知ビームの主光線方向の図中における高さ位置を表すためのものである。図8中の各発光ユニットの探知ビームの主光線方向の高さ位置によると、探知ビームの主光線方向は鉛直方向に互いにずれている。以下に記載の図9Aと9Bについてもそのとおりである。
【0047】
図8に示す配置形態を採用することによって、2列のレーザーがインターレースされ、レーザーレーダーの垂直角分解能を大幅に向上させることができ、図9A図9Bを参照しながら以下のように詳細に説明する。
【0048】
図9A図8のレーザーの配置形態に対応し、図9Bは従来のレーザーレーダーにおけるレーザーの配置形態に対応する。垂直角分解能はarctan(L/H)として表すことができ、ここで、Lはレーザーの鉛直方向のピッチであり、Hは焦点距離であり、図9Aと9Bは破線枠の面積が同じであり、図9Bに示す代表的な複数のレーザーの配列については、レーザー間のピッチがLであり、焦点距離がfである場合に、破線枠の面積内に垂直分解能はarctan(L/f)であり、一方で、図9Aに示す各レーザーが2つの発光ユニットを有し、2列のレーザーがインターレースされ、同じ面積内に発光ユニットの数が1つから4つに変化する場合については、その垂直分解能はarctan(L/4f)であり、分解能は4倍向上される。図中では2列で合計4つのレーザーがインターレースされることのみが示されるが、毎列にはN個のレーザーがインターレースされてもよく、さらに3列、4列又はより多くの列のレーザーがインターレースされてもよい。単一のレーザーは鉛直方向に3つ又はより多くのカソード共有(又はアノード共有)発光ユニットを含んでもよく、共同で1つの探知器に対応し、垂直分解能をさらに向上させ、探知器素子の密度の制限による垂直分解能の向上の問題を効果的に解決する。好ましくは、前記レーザーレーダーの垂直角分解能は0.4°よりも小さい。
【0049】
図10A図10Bは本発明の実施例によるレーザーの2つの配列形態を示す。図10Aにおいて、2列のレーザーは鉛直方向に全体的に互いにインターレースされ、各列にN個のレーザーを有し(鉛直方向に直線に沿って配列する)、2列のレーザーは全て左右に暗号化されてインターレースされる。又は、代替的に、図10Bに示すように、2列のレーザーは鉛直方向にインターレースされ、各列にN個のレーザーを有し(鉛直方向に直線に沿って配列する)、一部のレーザーは左右に暗号化されてインターレースされ、例えば、中央領域のレーザーは暗号化され、上端及び下端に近いレーザーは暗号化されていない。
【0050】
本発明の実施例によれば、レーザー10に含まれる複数の発光ユニットは同時に駆動されて発光してもよく、又は順次に駆動されて発光してもよく、複数の発光ユニットが順次に駆動されて発光する場合に、前記複数の発光ユニットの結線ユニットは異なる電圧源に接続され、複数の発光ユニットが同時に駆動されて発光する場合に、複数の発光ユニットの結線ユニットは同じ電圧源又は異なる電圧源に接続される。
【0051】
探知ビームを送信するようにレーザーを駆動するために、前記送信ユニット21は、前記レーザーの複数の発光ユニットに異なる駆動電圧を提供するように構成される駆動回路をさらに含む。前記駆動回路は、例えば、異なる駆動電圧により駆動される複数の発光ユニットがスイッチ素子を共有するように実現することができ、駆動回路には駆動電圧HV1、HV2、HV3、HV4が設けられる。図11の記載を参照すると、図11は、図7中の発光ユニット11、12、11’及び12’のような4つの発光ユニットを示し、ここで、発光ユニット11、12はレーザー10に属し、発光ユニット11’、12’はレーザー10’に属する。図11に示すように、レーザー10と10’はカソード共有の接続方式を採用し、各発光ユニットの結線ユニットはそれぞれHV1-HV4のうちの任意の2つに接続され、例えば、レーザー10において、発光ユニット11の結線ユニットはHV1に接続され、発光ユニット12の結線ユニットはHV2に接続され、レーザー10’において、発光ユニット11’の結線ユニットはHV3に接続され、発光ユニット12’の結線ユニットはHV4に接続される。他のレーザーの発光ユニットはそれぞれHV1、HV2、HV3及びHV4に接続されてもよい。
【0052】
前記送信ユニット21はスイッチ素子Q1をさらに含み、前記スイッチ素子Q1はGaNスイッチであってもよく、NMOSチューブであってもよい。NMOSチューブを例として、スイッチ素子Q1は第1側(ドレインD)、第2側(ソースS)及び制御側(ゲートG)を含み、前記制御側は駆動信号DRV1に基づいて前記スイッチ素子のオン/オフを制御することができ、前記第1側は各前記レーザーの共有されるカソードに電気的に接続され、第2側は接地される。スイッチ素子Q1がオンになると、レーザー10と10’の発光ユニット11、12、11’及び12’は回路を形成し、駆動電圧HV1、HV2、HV3、HV4は探知ビームを送信するように対応する発光ユニットを駆動する。
【0053】
図12は駆動回路によってその1つの駆動電圧HVnを確立する過程を示す。ここで、VHは発光ユニットの発光に必要な駆動電圧であり、VLはゼロ電位又は低電位であり、この電圧下で、発光ユニットは発光しない。VH、VLは通常、スイッチ電源から生成された定電圧電源であり、スイッチSnはスイッチ素子又はマルチチャネル選択素子MUXであってもよい。まず、HVスイッチを制御して回路を切り替え、HV1切替スイッチはVHに接続され、HV2、HV3、HV4切替スイッチはVLに接続され、給電電源VHはキャパシタC1を充電し、一定時間経過した後に、スイッチSnがオフになり、次に、駆動パルスを送信するようにスイッチ駆動(DRV1)をコントローラによって制御することによって、スイッチQ1をオンにし、キャパシタC1と発光ユニット11、スイッチQ1及びグラウンドとの間に放電回路が形成され、この際に、発光ユニット11は発光する。図11と12に示す駆動回路を採用することによって、スイッチ素子の数を減少することができるとともに、PCBが占める面積を減らす。
【0054】
図11と12に示す駆動回路の具体的な接続は実際の状況に応じて調整可能である。例えば、発光ユニット11と12については、発光ユニット11と12が同時に発光するように制御する場合に、発光ユニット11と12をHV1に同時に接続するか、又は発光ユニット11をHV1に接続し、発光ユニット12をHV2に接続することができ、スイッチS1とS2をVHに切り替え、スイッチS3とS4をVLに切り替えるように制御し、スイッチ素子Q1をオンにすることによって、発光ユニット11と12は同時に発光する。発光ユニット11と12が順次に発光するように制御する場合に、発光ユニット11をHV1に接続し、発光ユニット12をHV2に接続することができ、スイッチS1をVLからVHに切り替え、スイッチ素子Q1をオンにすることによって、発光ユニット11を発光させ、その後、スイッチS2をVLからVHに切り替え、スイッチS1をVHからVLに切り替え、スイッチ素子Q1をオンにすることによって、発光ユニット12を発光させるようにすることができ、発光ユニット11と12の順次発光を実現する。
【0055】
駆動電圧HV1、HV2、HV3、HV4の確立、及びスイッチ素子Q1のオン/オフを制御することによって、探知ビームを送信するように各レーザーの発光ユニットを順次に駆動することができる。好ましくは、1つのレーザーにおける2つ又は複数の発光ユニットは順次に探知ビームを送信する。
【0056】
以上で記述したレーザーレーダーは複数の発光ユニットを有するレーザーを含み、複数の発光ユニットを有するレーザーは面積が増加せず、かつ複数の発光ユニットから送信された探知ビームにより生成されたエコービームは同一の探知器で受信され、レーザーレーダーの垂直角分解能及び点群密度を向上させることができる。同時に、同じ面積で発光ユニットの数が倍になることによって、駆動回路において異なる駆動電圧により駆動される複数の発光ユニットはスイッチ素子を共有し、スイッチ素子及びその駆動を節約し、コストを低減し、高密度発光ユニットを駆動する送信回路を実現する。
【0057】
最後に説明すべきこととして、以上の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、前記実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴に対して同等な置換を行うことができる。本発明の精神や原則内で行われるいかなる修正や、同等な置換、改善等も、全て本発明の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12