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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】記録装置、制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/42 20060101AFI20241118BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20241118BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
B41J29/42 E
B41J29/46 Z
B41J2/175 301
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2024057614
(22)【出願日】2024-03-29
(62)【分割の表示】P 2023120177の分割
【原出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2024083404
(43)【公開日】2024-06-21
【審査請求日】2024-04-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 和宏
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼谷 慶太
(72)【発明者】
【氏名】中田 武司
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048359(JP,A)
【文献】特開2013-105097(JP,A)
【文献】特開2017-187906(JP,A)
【文献】特開2015-182357(JP,A)
【文献】特開2006-246332(JP,A)
【文献】特開2014-043085(JP,A)
【文献】特開平08-123258(JP,A)
【文献】国際公開第2015/174470(WO,A1)
【文献】パナソニック,Panasonic取扱説明書(基本編)フルカラーデジタル複合機,フルカラーデジタル複合機取扱説明書,パナソニック コミュニケーションズ株式会社,2006年01月31日,P.1,23-24,112
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
B41J 29/46
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部に収容された記録材により記録処理を実行する電子写真方式の記録装置であって、
前記記録装置に関する情報を表示する表示パネルと、
前記表示パネルと異なる位置に設けられた発光部であり、前記記録装置に設けられた発光可能な発光部の態様を制御する発光制御手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、前記収容部に収容された前記記録材の残量状態が第1の状態から前記第1の状態よりも前記記録材が少ない状態である第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光部の態様を、前記発光部を構成する複数の発光体が所定の順序で繰り返し発光する態様から点灯に遷移させ、
前記表示パネルには、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示され、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域の一部が前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域の一部と前記表示パネルの長手方向において重なり、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態である前記記録装置に対して所定のユーザ操作が行われたことに基づいて、前記発光制御手段が、前記発光部の態様を、前記点灯から前記点灯と異なる態様に遷移させ、
前記所定のユーザ操作は、前記記録材の残量状態を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させることに関するユーザ操作である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域が前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域と前記表示パネルの短手方向において重ならないことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記記録材により前記記録処理を実行するジョブの実行指示を受け付けたことに基づいて前記記録処理を実行する記録手段、をさらに備え、
前記記録手段によって前記ジョブの記録処理が完了していない状態で前記記録材の残量状態が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光部の態様を、前記発光部を構成する前記複数の発光体が前記所定の順序で繰り返し発光する態様から前記点灯に遷移させることを特徴とする請求項1又は2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記表示パネルには、前記第2の状態に遷移した前記収容部の前記記録材の色に関する情報と、前記記録材が前記第1の状態から前記第2の状態に遷移したことを示す情報が表示されることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記表示パネルは液晶パネルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記表示パネルは少なくとも文字を表示する表示パネルであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記第1の状態は、前記記録装置において記録を実行可能な状態であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項8】
前記第1の状態は、前記収容部に収容された前記記録材が所定量より多い状態であり、前記第2の状態は前記収容部に収容された前記記録材が前記所定量以下の状態であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項9】
前記第1の状態は、前記収容部に収容された前記記録材が所定量より多い状態であり、前記第2の状態は前記収容部に収容された前記記録材がなくなった状態であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記発光部は複数の発光体を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記発光部は5個未満の発光体を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項12】
前記収容部はカートリッジであることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項13】
前記収容部に収容された前記記録材の残量状態が前記第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光制御手段が、前記発光部の態様を前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に近似した色の点灯に遷移させることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の記録装置。
【請求項14】
記録装置に関する情報を表示する表示パネルを備え、収容部に収容された記録材により記録処理を実行する電子写真方式の記録装置の制御方法であって、
前記表示パネルと異なる位置に設けられた発光部であり、前記記録装置に設けられた発光可能な発光部の態様を制御する発光制御ステップ、
を有し、
前記発光制御ステップは、前記収容部に収容された前記記録材の残量状態が第1の状態から前記第1の状態よりも前記記録材が少ない状態である第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光部の態様を、前記発光部を構成する複数の発光体が所定の順序で繰り返し発光する態様から点灯に遷移させ、
前記表示パネルには、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示され、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域の一部が前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域の一部と前記表示パネルの長手方向において重なり、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態である前記記録装置に対して所定のユーザ操作が行われたことに基づいて、前記発光制御ステップでは、前記発光部の態様を、前記点灯から前記点灯と異なる態様に遷移させ、
前記所定のユーザ操作は、前記記録材の残量状態を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させることに関するユーザ操作である、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
収容部に収容された記録材により記録処理を実行する電子写真方式の記録装置であって、
前記記録装置に関する情報を表示する表示パネルと、
前記表示パネルと異なる位置に設けられた発光部であり、前記記録装置に設けられた発光可能な発光部の態様を制御する発光制御手段と、
を備え、
前記発光制御手段は、前記収容部に収容された前記記録材の残量状態が第1の状態から前記第1の状態よりも前記記録材が少ない状態である第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光部の態様を、前記発光部を構成する複数の発光体が所定の順序で繰り返し発光する態様から点灯に遷移させ、
前記表示パネルには、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示され、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域の、前記表示パネルの長手方向における所定の座標が、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域の、前記表示パネルの長手方向における所定の座標と同じになるように構成され、
前記記録材の残量状態が前記第2の状態である前記記録装置に対して所定のユーザ操作が行われたことに基づいて、前記発光制御手段が、前記発光部の態様を、前記点灯から前記点灯と異なる態様に遷移させ、
前記所定のユーザ操作は、前記記録材の残量状態を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させることに関するユーザ操作である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項16】
前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域の、前記表示パネルの短手方向における所定の座標が、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域の、前記表示パネルの短手方向における所定の座標と同じにならないように構成されることを特徴とする請求項15に記載の記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置、制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録ヘッドからインクを吐出して記録媒体への記録を行うインクジェット方式の記録装置がある。このような記録装置の場合、ユーザは、記録装置の近傍にいるときは記録ヘッドの駆動音や記録媒体が搬送される様子によって記録装置が記録中であることを確認できる。しかし、近年、スマートフォン等の携帯端末より設定や記録開始の指示ができるようになっており、ユーザが記録装置を視認可能な程度の距離内にはいても、記録装置の近傍にはいない場合もある。そこで、特許文献1では、印字ヘッド等を備えた機構部を覆う外筐に記録中であることを表示する複数のLEDを備え、記録中であることを外部から明確に視認し得るようにする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-67454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録装置の状態をユーザが確認する際の利便性向上の要望がさらに高まっている。この要望に対して上記従来技術よりも、記録装置の状態をユーザが容易に認識できる技術が求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、記録装置の状態をユーザがより容易に認識可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る記録装置は、収容部に収容された記録材により記録処理を実行する電子写真方式の記録装置であって、前記記録装置に関する情報を表示する表示パネルと、前記表示パネルと異なる位置に設けられた発光部であり、前記記録装置に設けられた発光可能な発光部の態様を制御する発光制御手段と、を備え、前記発光制御手段は、前記収容部に収容された前記記録材の残量状態が第1の状態から前記第1の状態よりも前記記録材が少ない状態である第2の状態に遷移したことに基づいて、前記発光部の態様を、前記発光部を構成する複数の発光体が所定の順序で繰り返し発光する態様から点灯に遷移させ、前記表示パネルには、前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示され、前記記録材の残量状態が前記第2の状態の場合に前記発光部が点灯している領域の一部が前記第2の状態に遷移した前記記録材の色に関する情報が表示される領域の一部と前記表示パネルの長手方向において重なり、前記記録材の残量状態が前記第2の状態である前記記録装置に対して所定のユーザ操作が行われたことに基づいて、前記発光制御手段が、前記発光部の態様を、前記点灯から前記点灯と異なる態様に遷移させ、前記所定のユーザ操作は、前記記録材の残量状態を前記第2の状態から前記第1の状態に遷移させることに関するユーザ操作である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記録装置の状態をユーザがより容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第一実施形態に係るプリンタの概略構成を説明する図。
図2図1のプリンタのハードウェア構成の一例を示す図。
図3】第一実施形態に係るプリンタの発光制御の処理の一例を示すフローチャート。
図4】第一実施形態に係るインクカートリッジの概略構成を示す図。
図5】第二実施形態に係るプリンタの発光制御の処理の一例を示すフローチャート。
図6】発光体の発光態様を説明する図。
図7図1のプリンタのソフトウェア構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する場合がある。
【0010】
本明細書において、「記録」(「印字」、「印刷」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合に限らない。有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0011】
また、「記録媒体(シート)」とは、一般的な画像形成装置で用いられる記録紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム(OHP)、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、搬送の可能な媒体も含むものである。
【0012】
また、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(印刷)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。インクとは記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0013】
<第一実施形態>
<プリンタの概略構成>
図1は、第一実施形態に係るプリンタ100(インクジェット記録装置)の概略構成を説明する図である。プリンタ100は筐体110を備え、筐体110内にキャリッジHCを含む機構部120が収納されている。なお、プリンタの記録方式は電子写真方式でも構わない。
【0014】
機構部120は、駆動モータ131、駆動力伝達ギヤ132、133、リードスクリュー134、キャリッジHC、ガイドレール136及びプラテン137を含む。
【0015】
駆動モータ131は、キャリッジHCを駆動させる正逆回転可能なモータである。駆動モータ131が回転すると、駆動力伝達ギヤ132、133を介してその回転がリードスクリュー134に伝達される。そして、リードスクリュー134が回転すると、その螺旋溝135に対して係合しているキャリッジHCがその回転に伴い移動する。キャリッジHCがリードスクリュー134の回転に伴い移動する際は、ガイドレール136に支持されて矢印a、b方向を往復移動する。また、キャリッジHCには、記録ヘッド205(図2参照)とインクタンク401(図4参照)とを含む一体型のインクカートリッジ400(以下、カートリッジ400)が搭載されている。なお、インクカートリッジ400は、交換可能な部品であればよく、記録ヘッド205とインクタンクとが一体である必要はない。
【0016】
フォトカプラ139、140は、キャリッジHCのレバー141のこの域での存在を確認して、モータ138の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。記録紙Pの搬送時モータ(不図示)の回転が伝達ギア(不図示)を介してプラテン137に伝えられると、このプラテン137の回転により記録紙PがキャリッジHCの可動方向に略直交する方向に搬送される。
【0017】
筐体110の前面部には、プリンタ100の状態を表示するための発光部が設けられている。本実施形態の場合、発光部150は、記録ヘッド205の可動方向と略平行となるように横一列に並んだ複数の発光体1501~1505を含む。例えば、発光体1501~1505は、それぞれが発光ダイオード(LED)を含んで構成される。本実施形態の場合、発光体1501~1505は、それぞれが赤色(R)・緑色(G)・青色(B)のLEDのチップを含み、各LEDの光量を調節することで任意の色で発光する。しかしながら、単色のLEDやその他の光源で構成される発光体も採用可能である。
【0018】
なお、発光部150を構成する発光体の数や配置、形状等は適宜設計移可能である。例えば、5個未満又は6個以上の発光体を有していてもよいし、例えば、プリンタ100は、プリンタに装着されるインクタンク数以上の発光体を有していても良い。発光体が筐体110の前面において主走査方向の全体にわたって配置されていてもよい。さらに、それぞれの発光体が上下に長い形状を有していてもよい。
【0019】
<ハードウェア構成>
図2は本実施形態のプリンタ100のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU201は、プリンタ100を統括的に制御する。ROM202は、CPU201の制御プログラムやフォント処理のためのフォントデータ等を格納する。RAM203は、各種データを一時格納する。例えば、CPU201は、ROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより、プリンタ100の動作制御及びデータ処理を実行する。
【0020】
発光体1501~1505は、それぞれが赤色(R)・緑色(G)・青色(B)のLEDチップを有する。そして、赤色(R)・緑色(G)・青色(B)のLEDチップのそれぞれがCPU201から送信される制御信号に従った光量で発光することにより、発光体1501~150が種々の色で発光する。
【0021】
記録ヘッド205は、CPU201から送信される制御信号に従って記録媒体としてのシートPへのインク(記録材)の吐出を行う。LF駆動部206は、例えば紙送りモータドライバと紙送りモータ(搬送時モータ)とを含み、CPU201から送信される制御信号に従ってシートP等の記録媒体の搬送を行う。キャリッジ駆動部207は、例えばキャリッジモータドライバとキャリッジモータ(駆動モータ131)とキャリッジ位置検出回路とを含み、CPU201から送信される制御信号によってキャリッジHCの移動を行う。キャリッジ位置検出回路は、例えばリニアエンコーダからの出力信号に基づいてキャリッジHCの主走査方向の位置を検出可能に構成される。外部I/F208は、PC等と接続して記録データ等の受信やステータス信号等の送信を行う。インク残量検知部412は、インクタンク401内のインク411の残量を検知する(図4参照)。
【0022】
<ソフトウェア構成>
図7は、本実施形態のプリンタ100のソフトウェア構成の一例を示す図である。CPU201は、例えばROM202に格納されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより図7に示す各機能部として機能する。
【0023】
発光制御部71は、筐体110に配設された発光体1501~1505の発光状態を制御する。例えば、発光制御部204は、発光体1501~1505を点滅させたり、点灯させたり、消灯させたりする。また例えば、発光制御部204は、発光体1501~1505がそれぞれ有する赤色(R)・緑色(G)・青色(B)の各LEDの光量を調整することで発光体1501~1505の発光色を制御する。
【0024】
吐出制御部72は、記録対象の画像データに基づいて記録ヘッド205にヒートパルス信号を伝達して記録ヘッド205によるインクの吐出を制御する。キャリッジ駆動制御部73は、キャリッジ駆動部207に対して制御信号を送信し、キャリッジHCをシートPの搬送方向と直交する主走査方向の移動制御を行う。LF駆動制御部74は、LF駆動部206に対して制御信号を送信し、シートPの搬送を制御する。画像解析部75は、記録画像の解析を行う。例えば、画像解析部75は記録画像の色情報を取得して解析する。
【0025】
なお、各機能部は例示であって、各機能部の機能を統合したり、一の機能部の機能を分割して複数の機能部を設けたりしてもよい。また、図7は、本実施形態に関係のある構成を示す概略図であり、プリンタ100がその他の機能部を有していてもよい。
【0026】
<カートリッジ>
図4は、カートリッジ400の概略構成を示す断面図である。カートリッジ400は、インクを収容するインクタンク401と、記録ヘッド205を含みインクタンク401を保持するホルダー403を含む。また、インクタンク401は、レバー402と、レバー402に設けられホルダー403に係止されるための係止用爪404と、インク供給路424と、インク残量検知部412と、を含む。
【0027】
インクタンク401は、インク411を保持する吸収体407が収容される液体収容部401Aと、インク411を液体の状態で収容するインク収容部401Bとを有する。そして、液体収容部401A及びインク収容部401Bは、インクタンク401の底面近傍に設けられた通路401Cを介して連通する。詳しくは、記録に伴って液体収容部401Aのインクが消費されるのに応じて、通路401Cを介して気液交換がなされインク収容部401Bのインクが収容部401Aに移る。また、この気液交換に伴い、インクタンク401の上部に設けられた大気連通口408を介して空気が取り入れられる。インクタンク401はさらに、液体収容部401Aの底面に、記録ヘッド205へインクを供給するため供給口406を有している。
【0028】
インク残量検知部412は、例えば液体収容部401Bの底面に設けられ、インクタンク401内のインク411の残量を検知する。例えば、インク残量検知部412は、光学的検知によって、インク残量が所定量以下になったか否かを検知する。なお、インク残量検知部412は、他の公知の方法によってインク残量を検知してもよい。例えば、CPU201が、プリンタ100本体やインクタンク401に設けられたRAMなどの記憶媒体にインクの吐出回数を記憶しておき、この吐出回数に基づいてインク残量を算出してもよい。
【0029】
本実施形態の場合、インク残量検知部412は所定のタイミングでインク残量を検知する。例えば、インク残量検知部412は、記録ヘッド205からのインク吐出によって収容部401内のインク411が消費された場合、ページ毎又はジョブ毎にインク残量を検知する。
【0030】
<発光制御の処理フロー>
図3は、第一実施形態に係るプリンタ100において、筐体110表面に配設した発光体1501~1505を発光させる際のCPU201の判断・処理の流れを示すフローチャートである。例えば、このフローチャートは、CPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行し、図7の発光制御部71として機能することにより実現される。本フローチャートは、例えば、ユーザにより電源が投入され、印刷ジョブが実行されると開始する。なお、印刷ジョブは、例えば外部装置であるパーソナルコンピュータや携帯端末から送信される。また、印刷ジョブは、例えば、印刷データと印刷設定情報を含む。
【0031】
S301で、発光制御部71は、インク残量検知部412の検知結果に基づいて、カートリッジ400のインクタンクのインク残量が所定の量以上あるか否かを確認する。発光制御部71は、インク残量が所定の量以上あるとき(S301OK)はS302に進み、所定の量以下のとき(S301NG)はS308に進む。
【0032】
S302で、発光制御部71は、印刷ジョブに基づく記録が完了したか否かを判定する。発光制御部71は、記録が完了したと判定したとき(S302Yes)はS303に進み、発光体1501~1505を、例えば白色で一斉に発光させ、S311に進む。一方、発光制御部71は、印刷ジョブに基づく記録が完了していないと判定したとき(S302No)はS304に進む。
【0033】
S304で、発光制御部71は、紙詰まり等のエラーが生じているか否かを確認する。そして、発光制御部71は、エラーが生じていたことを確認したとき(S304NG)はS305に進み、最も右寄りに配設されている発光体1505のみをS303での一斉発光と異なる発光色(例えば赤色)に発光させる。一方、発光制御部71は、エラーが生じていないことを確認したとき(S304OK)はS306に進む。
【0034】
S306で、発光制御部71は、記録中であるか否かを判定する。発光制御部71は、記録中であると判定したとき(S306Yes)はS307に進み、発光体1501~1505を、配置の並びに従って順次、繰り返し発光させる。すなわち、発光制御部71は、発光体1501~1505の発光状態を連続的に変化させる。例えば、カートリッジ400が発光体1501側に配置されて記録動作が行われている場合、発光制御部71は発光体1501を発光させる。続いて、カートリッジ400がa方向に移動して記録動作が行われている場合、発光制御部71は発光体1502を発光させる。このように発光制御部71は、カートリッジ400の位置に相当する発光体を発光させる。一方、発光制御部71は、記録中でないと判定したとき(S306No)はそのままS302に戻る。
【0035】
S301からS308へ進んだ場合、発光制御部71は、インク残量が所定量以下のカートリッジ400の位置に相当する位置の発光体(発光体1501~1505のいずれか)を発光させ、その後S309に進む。その際の発光色は、例えば白色など特定の一色でもよいし、インク残量が所定量以下と判定されたそのインク色に近似した色でもよい。インク色に近似した色で発光させたときは、その発光色によっても、どのインクが無くなったかを遠方からユーザに知らせることが可能になる。
【0036】
S309で、発光制御部71は、記録が完了したか否かを判定する。発光制御部71は、記録が完了したと判定したときは(S309Yes)S310に進み、発光体1501~1505を一斉に発光させ、S311に進む。一方発光制御部71は、記録が完了していないと判定したとき(S309No)は、そのままS301に戻る。
【0037】
S311で、発光制御部71は、ユーザにより電源が切断される等の所定の終了条件が充足されるか否かを判定する。発光制御部71は、終了条件が充足されたと判定したとき(S311Yes)は、S312に進み、フローを終了する。一方、発光制御部71は、終了条件が充足されていないと判定したとき(S311No)は、終了条件が充足されたと判定するまでS311の処理を繰り返す。すなわち、終了条件が充足されるまで、発光体1501~1505の発光が継続される。
【0038】
なお、終了条件は適宜設定可能であり、例えば、電源が切断されなくても記録終了から所定の時間経過後をもって終了条件が充足されたとしてもよい。また、例えば、プリンタ100のシートPの排出部にシートPの有無を検出可能なセンサを設け、ユーザがシートPを取り出したことを検知した場合に終了条件が充足されたとしてもよい。センサは周知の構成を採用可能であるが、例えば、光学センサや、シートPに接触してメカニカルに作動するスイッチを使用可能である。
【0039】
なお、S301のインク残量確認に基づく発光制御は、印刷ジョブに基づく記録を開始する前または印刷ジョブに基づく記録が完了した後に実行されてもよい。例えば、印刷ジョブに基づく記録が完了した場合、発光制御部71は、発光体1501~1505を、例えば白色で一斉に発光させ、消灯する。ここでインク残量が所定量以下であると判定された場合、発光制御部71は、インク残量が所定量以下のカートリッジ400の位置に相当する位置の発光体(発光体1501~1505のいずれか)のみを発光(または点滅)させる。この場合、インク残量が所定量以下のカートリッジ400の位置に相当しない位置の発光体は消灯状態が維持される。
【0040】
このように、本実施形態のプリンタ100では、記録中は配置の並びに従って順次繰り返し発光体1501~1505が発光し、記録終了時は発光体1501~1505が一斉に発光する。これにより、ユーザはプリンタ100の状態を容易に認識することができる。特に、記録後に発光体1501~1505が一斉に発光するため、ユーザは記録が正常に終了した状態と電源オフの状態とを容易に区別することができる。また、インクが所定量以下となった場合は、インクが所定量以下となった時用の発光制御が行われるため、ユーザは容易にカートリッジの交換が必要であることを認識できる。したがって、ユーザはプリンタ100に近づくことなく容易にプリンタ100の状態を認識することができる。なお、発光制御部71ではなく、図7に示す他の機能部が図3の処理の一部を行ってもよい。
【0041】
<発光体の発光の態様>
<記録中及び記録終了時>
図6(a)~(d)は、プリンタ100の前面の一例を示す図であって、発光体1501~1505の具体的な発光の態様を説明する図である。プリンタ100は、その前面に発光体1501~1505と液晶パネル601を備える。例えば、記録が実行されている最中においては、カートリッジ400がキャリッジHCにより主走査方向に移動し、このカートリッジ400の移動に合わせて発光体1501~1505が順次発光する(図3のS307、図6の(a)と(b))。そして、記録が完了すると、発光体1501~1505が全点灯する(図3のS303・S310、図6の(c))。これにより、ユーザは記録時と、記録の正常終了時と電源オフ時とを容易に区別することができる。また、記録中及び記録終了時には、液晶パネル601に記録設定内容(カラー/モノクロ、用紙サイズ、片面/両面等)が表示される(図6(a)~(c))。
【0042】
本実施形態の場合、カートリッジ400の移動と発光体1501~1505の発光を以下のように対応させている。すなわち、発光制御部71は、キャリッジ位置検出回路が検出したキャリッジHCの走査上の位置に対応した発光体を発光させる。本実施形態のように発光体の数が5つの場合、発光制御部71は、キャリッジHCの移動範囲を主走査方向に5等分したうちのどの範囲にキャリッジHCの中心があるかにより発光させる発光体を決定する。例えば、キャリッジHCの中心がプリンタ100を前側から見て最も左側の範囲にある場合、発光制御部71は発光体1501を発光させる。同様に、発光制御部71は、キャリッジHCの中心が左からN番目の範囲にある場合は、発光体150N(Nは1~5)を発光させる。
【0043】
このような発光態様により、ユーザは記録中に記録ヘッド205が走査されていることを認識することができる。特に、通知の内容に応じて様々な発光態様で発光体1501~1505が発光する場合、ユーザは発光態様と通知の内容を紐づけて覚えていないと通知の内容を認識することができない。しかし、本実施形態では記録ヘッド205が走査されていることをユーザに認識させることができるので、ユーザは直感的に記録が行われていることを認識することができる。
【0044】
なお、発光体1501~1505を順次発光させるための他の構成も採用可能である。例えば、キャリッジHCの移動範囲ではなくシートPの主走査方向の範囲を発光体の数で等分し、キャリッジHCの走査上の位置に対応する発光体が発光してもよい。なお、発光制御部71は、キャリッジHCの移動範囲を主走査方向に5等分したうちのどの範囲にキャリッジHCの中心があるかにより発光させる発光体を決定しなくてもよい。この場合、発光制御部71は、キャリッジHCの位置とは無関係に一定の周期で発光体150N(Nは1~5)を順次発光させる。
【0045】
<エラー発生時>
記録中にエラーが発生した場合には、エラーが発生していることをユーザに示すために記録中及び記録の正常終了時と異なる態様で発光部150が発光する。本実施形態の場合、エラー発生時には発光体1505が記録中と異なる色で発光する(図6の(d))。例えば、記録中及び記録正常終了時には発光体1501~1505が白色に発光し、エラー発生時には発光体1505が赤色に発光してもよい。つまり、発光制御部71は、発光体1501~1505の少なくとも1つの状態をエラーが発生していない時の状態からエラーが発生しているときの状態に遷移させる。
【0046】
紙詰まり等のエラーが生じているときは、記録が正常に終了したときとも電源オフの状態とも明確に区別可能なようにユーザに通知されるべきである。本実施形態では、発光体の発光態様を異ならせることにより、エラーが発生した場合には、記録中及び記録の正常終了時とは区別してユーザに認識させることができる。
【0047】
また、エラー発生時には、液晶パネル601にエラー内容が表示される(図6の(d))。これにより、ユーザはどのようなエラーが発生したかを認識することができる。なお、エラーが発生した場合、例えば、発生したエラーに対応するQRコード(登録商標)が表示されてもよい。この場合、ユーザがスマートフォン等を用いてQRコード(登録商標)を撮影することで、発生しているエラーに対応するWebページがスマートフォンの画面に表示されてもよい。
【0048】
なお、エラー発生時の発光態様は例示であって、その他の構成も採用可能である。例えば、記録終了時に発光体1501~1505が一斉点灯する場合、エラー発生時には発光体1501~1505が一斉に点滅してもよい。また、例えば、エラーの内容に応じて発光色や発光する発光体が変更されてもよい。例えば、紙ジャム、紙無しおよびインク無しのようなユーザが回復可能なエラーが発生した場合、発光制御部71は、発光体1505のみを赤色で点灯する。一方、プリンタ100の故障等のエラーが発生した場合、発光制御部71は、発光体1501と1505を交互に発光させる。これにより、どのようなエラーが発生したかをユーザが速やかに認識することができる。さらに例えば、記録中には発光体1501~1505が順次発光するが、エラー発生時には発光体1501~1505がランダムに発光してもよい。発光体が不規則に発光することにより、プリンタ100で異常が起きていることをユーザが直感的に認識することができる。
【0049】
また、エラーは発生しているものの記録動作が継続可能であり、その記録動作が終了した場合、プリンタ100は、エラーが発生している旨と記録が終了した旨を同時にユーザに通知する必要がある。このような場合、発光制御部71は、例えば一番右側の発光体1505のみを赤色に発光させ、その他の発光体1501-1504を白色に発行させてもよい。また、例えば、記録の終了を示す白色での一斉発光と、エラーの発生を示す一番右側の発光体1505のみの赤色での発光とを所定時間ごとに交互に繰り返してもよい。このような構成によりエラーが発生している旨と記録が終了した旨を同時にユーザが認識することができる。なお、プリンタ100において発生するエラーの中には記録中でない場合に生じるエラーもある。そのため、記録中でない場合においてS304およびS305が実行されても良い。記録中でない場合に生じるエラーの例としては、例えば、プリンタとアクセスポイントとの無線接続が切断された場合などが挙げられる。また、他の例としては給紙カセットに用紙がない場合などが挙げられる。
【0050】
<インク残量低下時>
本実施形態では、インク残量低下時にも、その発生をユーザに示すために記録中及び記録の正常終了時と異なる態様で発光部150が発光する。本実施形態では、発光体1501~1505の個数が装着されているカートリッジ400の数に対応している。すなわち、5個のカートリッジ400が主走査方向に並んでキャリッジHCに搭載されている。そして、発光体1501~1505及び5個のカートリッジ400の配置に基づいて、発光体1501~1505のそれぞれが5個のカートリッジ400のいずれかに対応付けられている。
【0051】
インク残量検知部412によりカートリッジ400のいずれかのインク残量が所定量以下であると検知されたときは、インク残量が所定量以下のカートリッジ400が装着されている位置に対応する位置に配置された発光体が発光する(図3のS308)。例えば、プリンタ100の前側から見て主走査方向の最も右側に配置されたカートリッジ400のインクが所定量以下であったとする。この場合、発光制御部71は、最も右側に配置された発光体1505の状態をインクが所定量よりも多い時の状態からインクが所定量以下の時の状態に遷移させる。例えば、発光制御部71は、発光体1505の状態を消灯状態から発光状態へ遷移させても良いし、点灯状態から点滅状態へ遷移させても良い。一方、その他のカートリッジ400のインクが所定量より多い場合、発光制御部71は、他の発光体1501-1504の状態としてインクが所定量よりも多い時の状態を維持する。
【0052】
このように発光することにより、遠方のユーザにどのカートリッジ400のインク残量が低下しているかを認識させることができる。また例えば、発光の際は、インク残量が低下しているカートリッジ400のインクの色にと同系統の色で発光体1501~1505が発光してもよい。これにより、どの色のインク残量が低下しているかをユーザが遠方から認識することができる。さらに例えば、カートリッジ400のインク残量が低下している状態で記録が完了した場合、全ての発光体1501~1505が発光するが、インク残量が低下しているカートリッジ400に対応する発光体のみが異なる色で発光してもよい。これにより、記録が終了していること及びインク残量が低下していることをユーザ遠方からが認識することができる。
【0053】
また、別の方法で発行体が発光されても良い。例えば、インク残量検知部412によりカートリッジ400のいずれかのインク残量が所定量以下であると検知された時、発光制御部71は、インク残量が所定量以下のカートリッジ400が装着されている位置に対応する位置に配置された発光体を点滅させる。なお、この場合、発光制御部71は、インク残量が所定量以下ではないカートリッジ400が装着されている位置に対応する位置に配置された発光体を点灯させる。そして、ユーザが、カートリッジを交換するためプリンタ100のカバーを開ける。なお、このカバーは、カートリッジの交換の際にユーザにより開閉される。ここで発光制御部71は、ユーザによりカートリッジが外されたことを検知した場合、外されたカートリッジの位置に対応する位置の発光体を消灯させる。そして、発光制御部71は、ユーザにより新しいカートリッジが装着されたことを検知した場合、カートリッジが装着された位置に対応する発行体を点灯させる。なお、プリンタ100のカバーが開けられた場合、発光制御部71は、カートリッジの交換用に準備をしていることを示す発光制御を行っても良い。また、インク残量低下時の発光制御は、プリンタ100のカバーが開かれた場合に行われても良い。
【0054】
以上説明したように、第一実施形態に係るプリンタ100は、その状況に応じて異なる態様で発光体1501~1505が発光するため、記録装置の状態をユーザがより容易に認識することができる。特に、プリンタ100は、必ずしもプリンタの近傍にはいないユーザに対してもその状態を認識させることができる。例えば、スマホ等により記録の指示を行いプリンタ100の近傍にいないユーザであっても、記録中は記録ヘッド205が走査されていると感じることができ、紙詰まり等のエラーが生じているか否か、インク切れでないか等も認識することができる。さらに、複数のプリンタがネットワーク接続している場合において、ユーザの記録指示に係る記録がどのプリンタで実行されているかをユーザが認識することができる。
【0055】
<第二実施形態>
第二実施形態は、記録画像の色情報に応じた発光色で発光体が発光する点で第一実施形態と異なる。以下、第一実施形態と同様の構成については説明を省略し、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
図5は、第二実施形態に係るプリンタ100における記録中の発光制御を示すフローチャートである。例えば、このフローチャートは、CPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行し、図7の各機能部として機能することにより実現される。本フローチャートは、例えば、ジョブが実行されると開始する。
【0057】
S501で、画像解析部75は、記録画像の1ライン分のデータDIを読み出す。そしてS502で、画像解析部75は読み出したデータDIを解析し、発光制御部71は画像解析部75の解析結果に基づいて発光体1501~1505ごとの発光色を決定する。例えば、プリンタ100の前側から見て最も左側にある発光体1501には、解析した1ライン分のデータを5分割し、その最も左側の領域の色に応じた発光色が割り当てられる。つまり、発光体1501~1505のそれぞれが、対応する領域に応じた色で発光する。
【0058】
なお、色の割り当て方は適宜設計可能である。一例として、画像解析部75は、読み出した記録画像のデータから色情報として領域内の各画素のRGB値を取得し、その平均値を発光色として割り当ててもよい。また例えば、複数の発光色を予め設定しておき、画像解析部75は、領域内の各画素の色がどの発光色に近いかを判定してもよい。そして、画像解析部75は、各画素の色に近いと最も多く判定された発光色をその発光体の発光色として割り当ててもよい。
【0059】
S503で、キャリッジ駆動制御部73は、記録ヘッド205の位置が、用紙幅を発光体数分に分割したとき(本実施形態では5分割)のどの位置に該当するかを検出する。そしてS504で、発光制御部71は、検出された位置に対応する発光体1501-150をS502で割り当てられた発光色で発光させる。すなわち、S503で記録ヘッド205がN番目の位置にあると検出された場合、発光制御部はでN番目の発光体150N(Nは1~5)を発光させる。
【0060】
そしてS505で、画像解析部75は、データ・エンド(記録画像データの全ライン分の読み出し完了)か否かを判定し、データ・エンドでないと判定したときは(S505No)、S501に戻る。S501に戻る処理において1ライン分のデータについて処理が完了していた場合、画像解析部75は、次のラインのデータを読み出してS502以降の処理を実行する。一方、S505で、CPU201は、データ・エンドと判定したときは(S505Yes)、フローを終了する。
【0061】
以上説明したように、第二実施形態では、発光体の発光色を制御することにより、ユーザが、記録中は記録ヘッド205が走査されていると感じつつ、どのような色の画像が記録されているかを遠方からも認識することができる。さらに、どのような色の画像が記録されているかをユーザが遠方から認識できるので、例えば複数のユーザでプリンタを共用する場合、記録中の記録物が自己の記録指示によるものかをユーザが認識することができる。
【0062】
なお、第二実施形態では、1ラインごとに記録画像のデータを分析して発光色が決定されているが、画像データ全体の色調を解析してその色調と同系の色により発光体1501~1505が発光してもよい。このような場合でも、どのような色の記録物が記録されているかをユーザが遠方から認識できる。また、例えば、記録画像の色調に加え、写真、テキスト等、記録画像の種類を含めた記録画像のコンテンツに応じて発光体の発光色が決定されてもよい。
【0063】
<<その他の実施形態>>
上述した実施形態では、印刷ジョブに基づく記録動作時の発光制御について説明したが、スキャンジョブに基づくスキャン動作時に発光制御部71が発光体の発光制御を行っても良い。
【0064】
プリンタの電源ONがされた場合、発光制御部71は電源ONを示す発光制御を行い、プリンタの電源がOFFにされた場合、発光制御部71は電源OFFを示す発光制御を行ってから発光体1501~1504を消灯させても良い。
【0065】
上述した実施形態では、印刷制御に使用される発光体とエラー時に使用される発光体を共用しているが、他の形態でも構わない。例えば、プリンタ100を前側から見て発光体1505の右隣にエラー用の発光体を設けても良い。そして発光制御部71は、エラーが発生した場合、エラー用の発光体の状態をエラーが発生していない時の状態からエラーが発生しているときの状態に遷移させても良い。
【0066】
上述した実施形態では、記録ヘッドが主走査方向に往復移動するプリンタ100を例に説明したが、他の方式のプリンタにおいて上述した実施形態の処理が実行されても良い。例えば、印刷可能な用紙幅以上のサイズを持つ記録ヘッドを使って印刷するプリンタにおいて上述した実施形態の処理が適用されても良い。
【0067】
上述した実施形態では、カートリッジを装着可能なプリンタ100を用いて説明したが、固定されたインクタンクにインクを補充するようなプリンタ100において上述した実施形態の処理が適用されても良い。
【0068】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0069】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0070】
100 プリンタ、201 CPU、1501~1505 発光体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7