(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】プログラム、及び、システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/53 20140101AFI20241118BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20241118BHJP
A63F 13/67 20140101ALI20241118BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20241118BHJP
【FI】
A63F13/53
A63F13/79
A63F13/67
A63F13/49
(21)【出願番号】P 2024109509
(22)【出願日】2024-07-08
(62)【分割の表示】P 2023128733の分割
【原出願日】2023-08-07
【審査請求日】2024-07-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509070463
【氏名又は名称】株式会社コロプラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古山 恵介
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-058345(JP,A)
【文献】特開2021-135945(JP,A)
【文献】ツイートから『DARK SOULS』アイテム説明風文章を生成するbotが登場―ゲムスパはどんな感じに?,GameSpark [online],2022年01月27日,[2023年12月21日検索],<https://www.gamespark.jp/article/2022/01/27/115426.html>
【文献】GPT-4にChatGPTをゲーム開発に応用する良いアイデアを100個聞いてみた話,note [online],2023年04月13日,[2023年12月21日検索],<https://note.com/miya19/n/nf3b9b6c4c831>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザによって操作されるキャラクタの仮想空間内での行動を示すデータをログデータとして記憶可能な記憶手段と、
前記キャラクタが前記仮想空間内で所定のオブジェクトを入手した場合に、少なくとも前記ログデータを含む学習データに基づいて学習した学習済みモデルに、前記所定のオブジェクトの入手に係る未知のログデータを入力することで、
前記ユーザが参照可能な情報であって、前記オブジェクトに関連する説明、又は、前記オブジェクトの入手過程に関する特別情報を出力する出力手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記所定のオブジェクトの入手態様が、通常とは異なる特徴的な要素に基づく特殊態様であった場合に、前記特徴的な要素を含んだ形で前記特別情報を出力する
プログラム。
【請求項2】
ユーザによって操作されるキャラクタの仮想空間内での行動を示すデータをログデータとして記憶可能な記憶手段と、
前記キャラクタが前記仮想空間内で所定のオブジェクトを入手した場合に、少なくとも前記ログデータを含む学習データに基づいて学習した学習済みモデルに、前記所定のオブジェクトの入手に係る未知のログデータを入力することで、
前記ユーザが参照可能な情報であって、前記オブジェクトに関連する説明、又は、前記オブジェクトの入手過程に関する特別情報を出力する出力手段と、
を備え、
前記出力手段は、
前記所定のオブジェクトの入手態様が、通常とは異なる特徴的な要素に基づく特殊態様であった場合に、前記特徴的な要素を含んだ形で前記特別情報を出力する
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゲームにおいて、ユーザがセーブを行う技術が知られている。また、セーブによって生成されるセーブデータに対し、ユーザは、任意のテキスト情報(「メモ情報」という。)を対応付けて入力する。このようにして、複数のセーブデータの管理を容易にする技術が知られている(例えば、特許文献1等である)。
【0003】
また、ゲームにおいて、プレイヤの入力に基づき、第1のキャラクタが生成される。次に、第1のキャラクタとは別にゲームに登場させる第2のキャラクタもプレイヤが事前に設定する。そして、第2のキャラクタに関する設定に基づき、ゲームのストーリー展開を変化させる技術が知られている(例えば、特許文献2等である)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-188862号公報
【文献】特開2022-184656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の技術は、ゲームにおいてアイテム等のオブジェクトを取得した場合に、ユーザにとって魅力的な出力ができない。
【0006】
本発明は、ゲームにおいてアイテム等のオブジェクトを取得した場合に、ユーザにとって魅力的な出力を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するため、プログラムは、
コンピュータを、
ユーザによって操作されるキャラクタの仮想空間内での行動を示すデータをログデータとして記憶可能な記憶手段と、
前記キャラクタが前記仮想空間内で所定のオブジェクトを入手した場合に、少なくとも前記ログデータを含む学習データに基づいて学習した学習済みモデルに、前記所定のオブジェクトの入手に係る未知のログデータを入力することで、前記所定のオブジェクトに関する特別情報を出力する出力手段として機能させ、
前記出力手段は、
前記所定のオブジェクトの入手態様が、通常とは異なる特徴的な要素に基づく特殊態様であった場合に、前記特徴的な要素を含んだ形で前記特別情報を出力する
プログラムである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ゲームにおいてアイテム等のオブジェクトを取得した場合に、ユーザにとって魅力的な出力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るシステム構成例を示す図である。
【
図4】AIの学習、及び、実行の全体処理例を示す図である。
【
図5】情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[システム構成例]
図1は、本実施形態に係るシステム構成例を示す図である。例えば、
図1に示すように、システム1は、ユーザ端末20A、20B、20C(以下、これらを総称して、「ユーザ端末20」と表記することがある。)と、サーバ11とを主に備える。
【0012】
以下、サーバ11を管理する者を「管理者5」という。また、ユーザ端末20A、20B、及び、20Cを操作するそれぞれの者を「ユーザ4A」、「ユーザ4B」、「ユーザ4C」(以下、これらを総称して、「ユーザ4」と表記することがある。)という。
【0013】
管理者5は、システム1による情報処理サービスを運営する役割の者である。一方で、ユーザ4は、システム1による情報処理サービスを利用する者である。また、管理者5、及び、ユーザ4は、管理装置の例であるサーバ11、又は、ユーザ端末20のどちらの情報処理装置を操作するかが異なる。以下、ユーザ4がゲームのプレイヤとなり、管理者5がゲーム、及び、サーバ11を管理する。
【0014】
なお、
図1に示す例は、ユーザ端末20が3つ、かつ、サーバ11が1つの例であるが、サーバ11の台数、ユーザ端末20の台数、管理者5の人数、及び、ユーザ4の人数は問わない。
【0015】
サーバ11、及び、ユーザ端末20は、通信ネットワーク2を介して相互通信可能に接続する。例えば、通信ネットワーク2は、インターネット、移動体通信システム(例えば、4G(4th Generation、第4世代移動通信規格)、又は、5G(5th Generation、第5世代移動通信規格)等による公衆回線である。)、Wi-Fi(登録商標)等の無線ネットワーク、又は、これらの組み合わせである。
【0016】
ユーザ端末20は、サーバ11からゲームをプレイするためのプログラム(以下、「ゲームプログラム」という。)をダウンロード、又は、サーバ11にアクセスしてゲームサービスを提供する。なお、ゲームをプレイする上でサーバ11と通信がなくともよい。すなわち、ユーザ端末20は、プログラムをダウンロード、又は、メディアからインストールしてゲームをプレイする環境を構築してもよい。
【0017】
[AI(人工知能、Artificial Intelligence)の学習、及び、実行の例]
以下、AIは、「事前処理」によって学習する。学習段階、すなわち、「事前処理」におけるAIを「学習モデルA1」という。そして、学習モデルA1は、ある程度、学習が進むと、「学習済みモデルA2」となる。以下、学習済みモデルA2を用いて出力処理を実行する実行段階を「実行処理」とする。
【0018】
「事前処理」は、「実行処理」より前に行われる。ただし、「実行処理」をする上で引き続き「事前処理」、すなわち、学習済みモデルA2が学習を行ってもよい。
【0019】
[事前処理例]
図2は、事前処理例を示す図である。例えば、事前処理は、サーバ11で行われる。
【0020】
学習モデルA1は、学習データD1を入力して学習を行う。すなわち、学習モデルA1は、所謂「教師あり」の学習を行う。
【0021】
学習データD1は、既知のログデータ等を含み、このログデータに対する「正解」が対応付けされたデータである。具体的には、学習データD1は、第11データD11、第12データD12、第13データD13・・・のように、ゲームのプレイ結果、及び、プレイ過程を示すログデータ(第11データD11、第12データD12、及び、第13データD13等の複数のデータをまとめたデータ群の場合を含む。以下単に「ログデータ」という。)と、正解データD20を含む。
【0022】
学習モデルA1は、学習データD1の入力に基づき、ログデータの入力に対し、正解データD20の出力をする対応関係を学習する。
【0023】
なお、ログデータの詳細は、後述する。
【0024】
更に、学習モデルA1は、ビッグデータD4で学習するのが望ましい。例えば、ビッグデータD4は、インターネット上のデータ等である。ただし、ビッグデータD4は、管理者5等が入力するデータでもよい。
【0025】
[実行処理例]
図3は、実行処理例を示す図である。例えば、実行処理は、ユーザ端末20、又は、ユーザ端末20とサーバ11が協働して行う。
【0026】
学習済みモデルA2は、事前処理による学習によって学習モデルA1が学習した状態である。すなわち、
図2に示す事前処理が実行されると、学習済みモデルA2が生成される。このように、ビッグデータD4を学習データとして学習した学習済みモデルA2は、所謂「生成AI」である。
【0027】
学習済みモデルA2は、入力データD2が入力されると、入力データD2に対して、出力データD3を生成する。
【0028】
入力データD2は、未知のログデータ、すなわち、ログデータに対する「正解」が入力の時点では不明なデータである。具体的には、入力データD2は、第21データD21、第22データD22、第23データD23、・・・のように、ゲームのプレイ結果、及び、プレイ過程を示す未知のログデータ(第21データD21、第22データD22、及び、第23データD23等の複数のデータをまとめたデータ群の場合を含む。)を含む。例えば、入力データD2は、学習データD1と同じ種類のデータで構成される。
【0029】
出力データD3が生成されると、出力データD3は、例えば、ユーザ端末20に送信される。その後、ユーザ端末20は、出力データD3に基づき、ユーザ4に対して出力画面等を出力する。
【0030】
出力データD3、及び、出力データD3に基づく出力の詳細は後述する。
【0031】
図4は、AIの学習、及び、実行の全体処理例を示す図である。
図2に示す事前処理、及び、
図3に示す実行処理の関係は、
図4に示すような関係となる。
【0032】
なお、事前処理、及び、実行処理を図に例示するような連続する順序で実行しなくともよい。したがって、事前処理によって準備を行う期間と、その後、実行処理を行う期間を連続させることは必須ではない。ゆえに、実行処理は、学習済みモデルA2を一旦作成した後であれば、事前処理から時間が経過した後に実行処理を行うようにしてもよい。また、学習済みモデルA2が一度生成された後であれば、学習済みモデルA2を転用して実行処理が行われてもよい。
【0033】
学習処理と実行処理では、学習データD1と入力データD2が異なる。また、AIは、学習段階では、学習モデルA1であったのが、ある程度学習が進むと、学習済みモデルA2となる。
【0034】
学習データD1に含まれる第11データD11と、入力データD2に含まれる第21データD21(以下、第12データD12と第22データD22等も同様の関係である。)は、同じデータ種類である。すなわち、第11データD11と第21データD21は、どちらもログデータである。
【0035】
学習データD1は、既知データであるのに対し、入力データD2が未知データとなる。具体的には、学習データD1は、正解データD20を含むのに対し、入力データD2は、正解データD20を含まない。したがって、学習データD1は、ログデータと正解データD20の関係が既知である。
【0036】
一方で、入力データD2には、正解データD20が含まれず、入力データD2に対する「正解」が未知である。そして、学習済みモデルA2は、事前処理で学習した学習データD1と正解データD20の相関関係に基づき、入力データD2に対して出力データD3を生成する。
【0037】
実行処理は、その一部をテーブル等を用いた処理に代替してもよい。このように、テーブル等を用いる処理(所謂ルールベースによる処理である。)における事前処理は、テーブル(ルックアップテーブル(Look Up Table、LUT)等ともいう。)、又は、数式等を入力する準備を行う処理である。
【0038】
[情報処理装置のハードウェア構成例]
図5は、情報処理装置のハードウェア構成図である。情報処理装置は、サーバ11、及び、ユーザ端末20等である。以下、情報処理装置は、サーバ11と同じハードウェア構成であるとする。例えば、情報処理装置は、ワークステーション、又は、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータである。ただし、それぞれの情報処理装置は、ハードウェア構成が異なってもよい。
【0039】
サーバ11は、プロセッサ111と、メモリ112と、ストレージ113と、入出力インタフェース114と、通信インタフェース115とを主に備える。また、サーバ11の各構成要素は、通信バス116に接続する。
【0040】
プロセッサ111は、メモリ112又はストレージ113に格納されているサーバプログラム11Pに含まれる一連の命令を実行することによって、処理、及び、制御を実現する。
【0041】
プロセッサ111は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又は、これらの組み合わせ等の演算装置、及び、制御装置である。
【0042】
メモリ112は、サーバプログラム11P、及び、データ等を記憶する主記憶装置(揮発性である。)である。例えば、サーバプログラム11Pは、ストレージ113からロードされる。また、データは、サーバ11に入力されたデータと、プロセッサ111によって生成されたデータとを含む。例えば、メモリ112は、RAM(Random Access Memory)、又は、その他の揮発メモリである。
【0043】
ストレージ113は、サーバプログラム11P、及び、データ等を記憶する補助記憶装置(不揮発性である。)である。ストレージ113は、例えば、ROM(Read-Only Memory)、ハードディスク装置、フラッシュメモリ、又は、その他の不揮発記憶装置である。また、ストレージ113は、メモリカードのように着脱可能な記憶装置でもよい。更に、他の例として、ストレージ113は、外部記憶装置であってもよい。このような構成によれば、例えば、アミューズメント施設のように複数のユーザ端末20が使用される場面において、サーバプログラム11P、又は、データの更新等を一括して行うことが可能になる。
【0044】
入出力インタフェース114は、モニタ、入力装置(例えば、キーボード、又は、ポインティングデバイス等である。)、外部記憶装置、スピーカ、カメラ、マイク、及び、センサ等の外部装置をサーバ11に接続するインタフェースである。
【0045】
また、プロセッサ111は、入出力インタフェース114を通じて外部装置と通信する。入出力インタフェース114は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、DVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、無線、及び、その他の端子である。
【0046】
通信インタフェース115は、通信ネットワーク2に接続する他の装置(例えば、ユーザ端末20等である。)と通信する。例えば、通信インタフェース115は、LAN(Local Area Network)等の有線通信インタフェース、Wi-Fi(Wireless Fidelity)、Bluetooth(登録商標)、又は、NFC(Near Field Communication)等の無線通信インタフェースである。
【0047】
ただし、情報処理装置は、上記のハードウェア構成に限られない。例えば、ユーザ端末20は、カメラ等のセンサを更に備えてもよい。そして、ユーザ端末20がセンサで取得する様々なデータがサーバ11に送信されてもよい。
【0048】
[学習モデル、及び、学習済みモデルの構成例]
図6は、AIの構成例を示すネットワーク図である。学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2は、例えば、以下のようなネットワークで示す構成のAIである。
【0049】
以下、学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2は、サーバ11上、すなわち、クラウド上に実装される例で説明する。ただし、学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2の一部、又は、全部は、ユーザ端末20等に実装されてもよい。
【0050】
ネットワーク300は、例えば、入力層L1、中間層L2(「隠れ層」等ともいう。)、及び、出力層L3等を有する構成である。
【0051】
入力層L1は、データを入力する層である。
【0052】
中間層L2は、入力層L1で入力するデータを重み(例えば、乗算に用いる係数である。)、及び、バイアス(例えば、定数を加算する。)等に基づいて変換する。このように中間層L2で処理された結果が出力層L3へ伝えられる。
【0053】
出力層L3は、出力内容等を出力する層である。
【0054】
そして、学習により、重みの係数(例えば、入力する文字、又は、画像に対する係数を学習において変化させる。)、及び、学習で変化させるパラメータ等が最適化される。なお、ネットワーク300は、図示するネットワーク構造に限られない。つまり、AIは、他の機械学習によって実現されてもよい。
【0055】
例えば、AIは、「教師なし」の機械学習等により、次元削減(例えば、3次元以上の関係を3次元以下程度の簡略な計算で求まる関係に変える処理である。)等の前処理を行う構成等でもよい。入力と出力の関係は、1次式等の単純な計算で処理されるのが望ましい。このような計算であると、計算コストを少なできる。
【0056】
また、AIは、ドロップアウト等といった過学習(「過剰適合」又は「過適合」等ともいう。)(overfitting)を軽減化させる処理が行われてもよい。ほかにも、次元削減、及び、正規化等の前処理が行われてもよい。
【0057】
AIは、CNN(畳み込みニューラルネットワーク、Convolution Neural Network)のネットワーク構造等があってもよい。他にも、例えば、ネットワーク構造は、LLM(Large Language Model 大規模言語モデル)、RNN(再帰型ニューラルネットワーク、Recurrent Neural Network)又はLSTM(Long Short-Term Memory)等の構成を有してもよい。すなわち、AIは、ディープラーニング以外のネットワーク構造等であってもよい。
【0058】
また、AIは、ハイパパラメータを有する構成であってもよい。すなわち、AIは、一部の設定をユーザ等が行う構成でもよい。更に、AIは、学習対象とする特徴量を特定してもよいし、ユーザが学習対象とする一部又は全部の特徴量を設定してもよい。
【0059】
更に、学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2は、他の機械学習を利用してもよい。例えば、学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2は、教師なしのモデルにより、正規化等を前処理で行ってもよい。更に、学習は、強化学習(Reinforcement Learning、AIに選択をさせ、選択に対する評価(報酬)を与えて、評価が大きくなるような学習方法をいう。)等であってもよい。
【0060】
学習では、データの拡張等が行われてもよい。すなわち、学習モデルA1の学習に用いる学習データを増やすため、1つの実験データ等を拡張させて、複数の学習データにする前処理が行われてもよい。このようにして、学習データを増やせると、より学習モデルA1の学習を進めることができる。
【0061】
また、学習モデルA1、及び、学習済みモデルA2は、転移学習(Transfer Learning)、又は、ファインチューニング(Fine tuning)等を行う構成でもよい。すなわち、ユーザ端末20は、装置ごとに異なる実行環境となる場合が多いため、実行環境に合わせて装置ごとに設定が異なってもよい。例えば、AIの基本構成は、別の情報処理装置で学習する。その後、各々の情報処理装置は、各々の実行環境に最適化するため、追加して学習、又は、設定等がされてもよい。
【0062】
[ログデータの例]
ログデータは、ユーザ端末20においてゲームがプレイされると、ゲームの進行に合わせて生成される。なお、入力データD2は、ユーザ4による操作(例えば、ゲームをセーブする操作等である。)に基づいて生成されてもよいし、ユーザ端末20がゲームの進行に合わせてバックグランドで自動的に生成してもよい。
【0063】
ログデータは、ゲームにおけるプレイ過程を示すデータである。
【0064】
以下、事前処理における第11データD11、及び、実行処理における第21データD21が第1データである例で説明する。
【0065】
第1データは、ゲームにおいて登場するキャラクタのプロフィールを示すデータである。又は、第1データは、ゲームに対して操作を行うユーザ4のプロフィールを示すデータである。例えば、第1データは、ゲーム開始の際に、ユーザ4が入力する。ただし、第1データは、ユーザ端末20、又は、他のデータベース等から取得されてもよい。
【0066】
具体的には、第1データは、名前、生い立ち、職業、及び、友人関係等の設定項目である。
【0067】
名前は、ユーザ4の本名、略称、又は、変名等である。また、名前は、キャラクタに設定するニックネーム等の識別情報である。
【0068】
生い立ちは、ユーザ4の経歴、又は、キャラクタに設定するゲーム上の経歴である。
【0069】
職業は、ユーザ4の職業、又は、職歴等である。また、職業は、キャラクタに設定するゲーム上の職業である。
【0070】
友人関係は、ユーザ4、又は、キャラクタに関与する、又は、関与したことがある他者との関係である。
【0071】
第2データは、ゲームにおいて、アイテムを入手するまでに生じたイベント情報、又は、ゲームにおいてアイテムを入手するまでの過程を示すデータである。例えば、第2データは、ゲームをユーザ4がプレイしていると、バックグラウンドで生成される。
【0072】
具体的には、第2データは、ユーザ4によるプレイを示す画面(画面は、ユーザ4の視点でもよいし、他ユーザの視点、又は、俯瞰した視点等の他の視点でもよい。)を録画した画像データ(画像データは、静止画、又は、動画である。)、又は、関連した画像データ等である。また、第2データは、ユーザ4がプレイしたイベントの内容、プレイ結果、成績、総プレイ時間、又は、他の参加者等の過程情報である。
【0073】
例えば、アイテムをゲームにおける宝石とする。このアイテムを取得するイベントを攻略するプレイをした場合では、第2データは、「アイテムを取得するまで25時間」、「友人6人と共同して取得」、及び、「宝石のサイズは10ct」等の情報である。
【0074】
第3データは、ゲームにおいてアイテムを入手するまでに出力された出力画面を示すデータである。例えば、第3データは、ユーザ4がプレイした際に出力された出力画面を録画した画像データ等である。
【0075】
また、第3データは、ゲームにおいてアイテムを入手するまでに出力されたプレイ過程を示す画像データであってもよい。特に、第3データは、ゲームにおいてアイテムを入手するまでに見どころとなるプレイ過程を中心に生成されるのが望ましい。
【0076】
[RPGにおける実行処理例]
以下、ゲームの種類をRPG(role-playing game)とする。また、ゲームを進行する上で、セーブを行うと、セーブを行った地点からゲームが開始されるとする。
【0077】
以下、オブジェクトを「アイテム」とする例で説明する。ただし、オブジェクトは、アイテムに限られない。例えば、オブジェクトは、武器、防具、アクセサリ等の装備品、又は、プレイヤのキャラクタが使用できる道具(「薬草」、若しくは、「毒消し草」等のようにキャラクタの生命力、若しくは、ステータスを回復する効力があるものいう。又は、戦闘に使用できて攻撃をする効力があるものでもよい。他にも、敵、若しくは、味方に、バフ、若しくは、デバフの効果を付与、若しくは、打ち消す補助の効力があるものでもよい。)である。
【0078】
他に、オブジェクトは、プレイヤのキャラクタの見た目を変更するスキン(装備品等とは異なり見た目だけ変更するものである。)、ゲーム内における通貨(例えば、「ゴールド」等の単位である。ただし、通貨の単位、呼称は様々である。)、ゲームを進める上で必要なアイテム、合成の素材として用いられる素材、又は、キャラクタのカード(デッキを構成する、又は、キャラクタのプロフが記載される等である。)等である。又は、オブジェクトは、プレイヤの仲間となるキャラクタ等でもよい。
【0079】
以上のように、オブジェクトは「アイテム」以外の呼称であるものでもよい。
【0080】
以下、前回、セーブを行って再開した時点から、イベントにおいて宝石のアイテムを取得するまでを区切りとし、出力がされる例とする。ただし、出力が対応する区切りは、ユーザ4が設定する、又は、ゲームのスタート時点等でもよい。
【0081】
図7は、第1例における入力例を示す図である。例えば、
図2に示す事前処理によって生成された学習済みモデルA2が実装されたサーバ11に対し、ユーザ端末20でゲームを行うと、入力データD2がサーバ11に送信される。
【0082】
また、学習済みモデルA2は、事前処理、すなわち、学習により、ビッグデータD4によって、実在する宝石の事例を学習した状態である。したがって、学習済みモデルA2は、宝石をどのように紹介するかが理解できている状態である。
【0083】
入力データD2は、例えば、ゲームをプレイし、宝石のアイテムを取得した時点でサーバ11に送信される。ただし、入力データD2は、一括で送信されず、構成するデータがサーバ11に分割してゲーム進行中等に送信されてもよい。
【0084】
第1例では、入力データD2は、過程テキストデータD201、及び、動画データD202を含み、サーバ11に送信される。
【0085】
過程テキストデータD201は、「アイテムを取得するまで25時間」、「友人6人と共同して取得」、及び、「宝石のサイズは10ct」等といったアイテムを取得するのにかかった時間、アイテムの特徴、又は、他の参加者数等を示すテキスト情報である。例えば、過程テキストデータD201は、ユーザ4が入力、又は、アイテムを取得した時点のパラメータ等から抽出されて生成される。
【0086】
図8は、動画例を示す図である。例えば、動画データD202は、
図8に示すように、RPGにおける攻略シーン等を中心に録画した出力画面である。
【0087】
具体的には、動画データD202は、イベント中にアイテムを取得するまでに、イベント用の対戦相手と対戦するシーン等が含まれる。所謂「ボス戦」等である。
【0088】
例えば、動画データD202には、キャラクタに特別な行動をさせた出力画面等が含まれる。動画データD202において、実行された特別な行動の行動名(以下「特別行動名D203」という。)が出力される。特別行動名D203は、所謂「必殺技」、又は、「魔法」等の名称を示す。
【0089】
また、動画データD202には、特別行動名D203の行動を実行したキャラクタがクローズアップされたキャラクタ強調D204等が出力される。例えば、キャラクタ強調D204は、所謂「カットイン」形式での出力である。
【0090】
このように、動画データD202には、特別行動名D203、又は、キャラクタ強調D204等が出力される見どころとなるシーンが含まれる。
【0091】
図9は、プロフィール例を示す図である。例えば、プロフィール等は、設定データD205等で学習済みモデルA2に入力される。
【0092】
具体的には、設定データD205には、キャラクタデータD206等が含まれる。キャラクタデータD206は、キャラクタの名前、状態、パラメータ、装備、及び、参加者を示すデータである。キャラクタデータD206は、所謂「レベル」、「キャラクタの強さ」等を示す。
【0093】
設定データD205には、特徴データD207等が含まれる。例えば、特徴データD207は、イベントに対して特別な設定を行う、又は、他のプレイヤ等と比較して特徴的な特性等を示すデータである。具体的には、特徴データD207は、イベント用に、キャラクタに新たな装備をつける等のユーザ4による工夫である。他に、特徴データD207は、所謂「推奨レベル」、又は、他のプレイヤが攻略した「平均レベル」と比較して、低いレベルでイベントに挑む等を抽出する。なお、「レベル」は、キャラクタの総合的な強さを示す数値である。例えば、キャラクタを経験値、又は、アイテム等で強化させると、レベルが高い値になる。また、「推奨レベル」は、管理者5等が事前に設定する、イベントに対して設定され、イベントの難易度に基づいてイベントを攻略可能と推定されるレベルである。「平均レベル」は、イベントを攻略した他のプレイヤのデータを平均する処理を行って算出される平均値、又は、中央値等である。
【0094】
なお、プロフィール等は、ユーザ4が直接見えないデータが含まれてもよい。例えば、プレイ時間、又は、キャラクタの移動範囲等のバックグラウンドで利用されるデータがプロフィールとして含まれてもよい。
【0095】
[出力例]
以下、オブジェクトに関連付けして出力する情報を「特別情報」という。例えば、特別情報は、以下に示す出力データによって出力される。なお、特別情報は、キャラクタが仮想空間内においてアイテムを入手した場合(入手後はユーザの操作等によりいつでも参照可能であってもよい。)にユーザ4が参照可能となる情報である。
【0096】
特別情報は、オブジェクトに関連する情報である。例えば、特別情報は、アイテムに関連する説明をテキスト形式で示す。ただし、特別情報の内容、情報量、又は、出力形式等はユーザ4又は管理者5が設定(一部を設定する場合を含む。)できてもよい。
【0097】
図10は、出力データの第1例を示す図である。例えば、学習済みモデルA2は、実行処理によって、第1出力データD31を生成する。
【0098】
第1出力データD31は、例えば、テキスト形式で生成される。なお、第1出力データD31は、テキスト形式に限られず、画像を含む形式で生成されてもよい。また、出力は、テキスト、及び、画像に限られず、音声が出力される形式でもよいし、これらを組み合わせた形式としてもよい。
【0099】
第1出力データD31には、第1説明テキストD311、第2説明テキストD312、第3説明テキストD313、及び、第4説明テキストD314等の説明テキストが含まれる。
【0100】
第1説明テキストD311は、宝石の名称等を説明するテキストである。第1説明テキストD311が説明する項目は、ビッグデータD4、すなわち、実際の宝石を説明する文章(例えば、現実世界において、歴史等において実際に存在し、その存在を基に、宝石が登場した歴史上の出来事、その宝石に関わった有名人、宝石の名称の由来、宝石の行方、又は、宝石の特徴等を説明する解説サイトに記載される文章等である。)に含まれる項目である。なお、項目は、アイテムの種類によって異なる。そして、アイテムは、種類に応じて、実際に存在する同じ、又は、類似の種類の説明を参考にして説明される。例えば、アイテムが武具であれば、実際に存在する刀、剣、又は、その他の武具を説明する解説サイト、又は、説明する資料を参考にして、第1説明テキストD311が生成される。また、アイテムの名称、及び、仕様等も、第1説明テキストD311と一緒に生成されるのが望ましい。
【0101】
このように、ゲーム内に登場するアイテムを実際に存在する実在品と同様な項目で説明ができると、ゲーム内のアイテムにリアリティを持たせることができる。
【0102】
第2説明テキストD312は、ログデータに基づき、アイテムを取得するまでのプレイ結果、及び、プレイ過程が反映されたテキストである。具体的には、第2説明テキストD312は、ログデータが示すアイテムを取得する際に協力していたプレイヤの数、及び、アイテムを取得するまでにかかった時間等の特徴を盛り込んで生成されたデータである。なお、第2説明テキストD312は、他の特徴が盛り込まれてもよい。例えば、第2説明テキストD312は、アイテムを取得するのに苦労した特徴(例えば、アイテムを取得する上で強い敵に何度も挑んだ場合には、「〇回も挑んでやっと取得できた!」のように、時間がかかった点、又は、繰り返し行われた点等である。)等でもよい。
【0103】
又は、他ユーザと比較して、短時間でアイテムを取得している等のように、第2説明テキストD312は、優れた特徴を盛り込んで生成されてもよい。他にも、第2説明テキストD312は、定量的な表現に限られず、例えば、「友達6人」を「多くの友人」とするように定性的な表現にしてもよい。このように、アイテムを取得するのに苦労した特徴、又は、優れた特徴等が盛り込まれると、ユーザ4がアイテムを取得するまでの苦労等を思い出すことができる。
【0104】
第3説明テキストD313は、ログデータに基づき、アイテムの特徴を説明するテキストである。例えば、宝石のサイズがプロフィール、又は、プレイごとに変化する場合、第3説明テキストD313は、サイズに応じてテキストが変化する。具体的には、プレイごとに宝石の名称が変化してもよい。そして、宝石の名称が変化した場合には、宝石の名称の由来を説明するテキストも名称に合わせて変化する。
【0105】
第3説明テキストD313は、ビッグデータD4等に基づき、実際の宝石を説明する文章と同じ特徴を説明するように生成されるのが望ましい。例えば、ビッグデータD4、例えば、インターネット上における宝石の解説サイト等において、宝石を説明するのに、宝石の名称、サイズ、宝石の名称の由来、宝石の今までの所有者という説明項目があるのが多い場合には、第3説明テキストD313は、宝石の名称、サイズ、宝石の名称の由来、及び、宝石の今までの所有者といった項目を含むように生成されるのが望ましい。
【0106】
また、宝石の各設定も、実際の宝石を参考に設定されるのが望ましい。例えば、サイズは、実際の宝石で存在する範囲の重量、又は、寸法で設定されるのが望ましい。そして、第3説明テキストD313は、実際に存在する宝石を基準にして、「大きい」、「重い」、「価値が高い」、又は、「硬い」といった比較をする表現等を含むのが望ましい。
【0107】
このように、実際の宝石を説明する文章が参考にされると、ゲームにおける設定のリアリティを高めることができる。また、プレイごとに説明、及び、設定が変化すると、毎回の設定が異なるため、色々なパターンを楽しむことができる。
【0108】
また、第3説明テキストD313は、ゲーム内におけるアイテムを取得する位置の環境等を考慮して生成されるのが望ましい。例えば、ログデータを参照すると、アイテムを取得するゲームにおける地域特性等が特定できる。そして、雪国等のように低温な地域であれば、アイテムは「寒さ」に因んだアイテムであるのが望ましい。したがって、第3説明テキストD313は、地域特性等が反映されて生成されるのが望ましい。
【0109】
第4説明テキストD314は、共通に出力されるアイテムの特徴を説明するテキストである。すなわち、第4説明テキストD314は、宝石がプロフィール、又は、プレイごとに変化する場合であっても、固定して出力されるテキストである。例えば、第4説明テキストD314は、管理者5等が事前に設定する。
【0110】
具体的には、アイテムによっては以降のストーリー上、必須な機能が設定されている場合がある。ただし、アイテムによっては、必須な機能がなくともよい。
【0111】
例えば、「鍵」のようなアイテムであれば、ある種の扉に対応し、アイテムを取得すると、新たな地域に進むことができる、又は、イベントを進行させる役割を担うアイテムである。このように、後段のイベントに影響する機能等は、何回目のプレイであっても、必ずアイテムに持たせる機能となる。すなわち、必須の機能がないアイテムを取得する回が出てしまうと、以降のイベントを攻略できない等のストーリー上における障害となってしまう場合がある。
【0112】
以上の必須な機能を説明するテキストは、固定、すなわち、必ず説明に含まれるのが望ましい。ただし、第4説明テキストD314は、必須な機能だけでなく、ストーリー上の重要なヒント、又は、管理者5のこだわり等を示す文章でもよい。
【0113】
第1出力データD31は、アイテムの説明欄、又は、アイテムの取得したタイミング等に画面に出力される。
【0114】
図11は、出力データの第2例を示す図である。例えば、学習済みモデルA2は、実行処理によって、第2出力データD32を生成する。
【0115】
以下、
図11に示すセーブを行う操作画面に、第2出力データD32を出力する例で説明する。ただし、第2出力データD32を出力する画面は、セーブを行う操作画面に限られず、スタート画面、又は、セーブデータのロード画面等でもよい。
【0116】
第2出力データD32は、動画データD202に基づいて生成される要約画像D321、及び、要約テキストD322等を含む。例えば、要約画像D321は、アイテムを取得するまでのストーリーを動画データD202から抜粋して示す画像である。要約画像D321は、静止画でも、動画でもよい。
【0117】
要約画像D321は、見どころとなるシーン、又は、アイテムを取得するまでに生じたイベントの概要が分かる特徴的なシーン等を出力する。なお、要約画像D321は、数枚程度の静止画、又は、数秒程度の動画であるのが望ましい。
【0118】
要約テキストD322は、アイテムを取得するまでの要約、キーワード、特徴、又は、見出し等を示す。すなわち、要約テキストD322は、アイテムを取得するまでにどのようなイベントが生じたか、又は、特別なアイテムを取得した等の特徴を示す。したがって、要約テキストD322は、キーワードを中心に生成されるのが望ましい。
【0119】
なお、要約テキストD322は、数文字程度の単語、又は、短い文章が望ましい。ゆえに、要約テキストD322は、見出し、又は、要約程度の長さとなるように生成されるのが望ましい。
【0120】
図12は、出力データの第3例を示す図である。例えば、学習済みモデルA2は、実行処理によって、第3出力データD33を生成する。第3出力データD33は、所謂「プレイ日誌」を画面上に出力させる例である。「プレイ日誌」、すなわち、第3出力データD33に基づいて出力される
図12に示す画面は、例えば、ユーザ4が「プレイ日誌」を開く操作を行った場合、イベントが終了した場合、ゲームを進行中に一定時間が経過した場合、又は、セーブポイントに到着した場合等に出力される。また、「プレイ日誌」は、他にゲームが一区切りされた場合に出力されてもよい。
【0121】
「プレイ日誌」は、ゲームの進行状況を示す資料である。例えば、
図12に示すように、「プレイ日誌」は、説明文のテキストで構成される。ただし、「プレイ日誌」は、画像、又は、グラフ等が含まれてもよい。また、「プレイ日誌」は、日誌の構成でなく、箇条書き、画像のみ、又は、新聞等の構成でもよい。
【0122】
具体的には、「プレイ日誌」は、見出しD331、又は、アドバイスD332等によって、要約、ゲームを進行させるためのヒント、又は、直近の象徴的な出来事等を示す。なお、「プレイ日誌」は、ユーザ4の設定等によって構成が個別に異なってもよい。すなわち、ユーザ4によっては、「プレイ日誌」で見たくない情報がある。例えば、ゲームを進行させるためのヒントは、今後の展開等が分かってしまう、所謂「ネタバレ」になるのでユーザ4が見たくないとする場合がある。このような場合を考慮して、ユーザ4は、ゲームを進行させるためのヒントが「プレイ日誌」において表示されないように設定できてもよい。
【0123】
他にも、「プレイ日誌」は、文章で表示される情報以外に、プレイ時間、ゲームの攻略率、又は、他のプレイヤとの比較等を示す統計情報、又は、解析情報等を含んでもよい。
【0124】
また、「プレイ日誌」は、ユーザ4ごと、及び、表示されるごとに異なる内容となる。つまり、「プレイ日誌」は、定型文だけでなく、ログデータ等に基づき、ユーザ4ごとの事情が反映されるように生成される。
【0125】
第3出力データD33は、第1出力データD31等を含む。すなわち、第3出力データD33は、ログデータに基づき、ユーザ4、又は、プレイごとに、アイテムを取得するまでのストーリーに応じた要約等を示す。
【0126】
第3出力データD33には、見出しD331、又は、アドバイスD332等が含まれるのが望ましい。
【0127】
見出しD331は、数文字程度の短い文章で要約、又は、キーワードを示す。例えば、見出しD331は、第1出力データD31内に登場する回数が最も多い単語を中心に生成される。具体的には、第1出力データD31は、「ダイヤモンド」、「宝石」等の単語が登場し、「宝石」のアイテムを中心とした文章である。したがって、見出しD331は、「宝石」をキーワードにして生成される。このように、見出しD331は、短い文章で「プレイ日誌」の中心的な内容を示す。なお、見出しD331は、文章だけでなく、記号、絵文字、又は、画像等があってもよい。また、見出しD331は、1つに限られず、複数あってもよい。
【0128】
見出しD331があると、ユーザ4は、「プレイ日誌」の文章を読まなくとも大まかな内容を把握できる。
【0129】
アドバイスD332は、ゲームを進行する上でのヒント等を示す。具体的には、
図12に示すように、ログデータを用いて直近のプレイを分析し、苦戦しているような状態が認められる場合には、苦戦する内容に対する対策(例えば、効果的なアイテムを提示する等である。)を示す。
【0130】
他にも、アドバイスD332は、ログデータに基づいて、現状(例えば、RPGにおいて特定の地域にいるという位置情報である。)において手に入れやすいアイテム等を示してもよい。
【0131】
このようにアドバイスD332が現状に合わせて出力されると、ユーザ4は、ゲームで苦戦しているような場合が解消でき、ゲームを進行させることができる。
【0132】
上記のような出力データは、直近のセーブを行った時点からアイテムを取得するまでの期間のログデータに絞って生成されてもよい。
【0133】
[全体処理例]
図13は、全体処理例を示す図である。以下の例では、全体処理は、事前処理と実行処理を連続して行う。具体的には、事前処理は、ステップS01である。また、実行処理は、ステップS02乃至ステップS04である。ただし、全体処理には、これら以外の処理が含まれてもよい。
【0134】
ステップS01では、サーバ11は、ログデータ、及び、正解データを含む学習データD1を入力して、学習モデルA1を学習させる。そして、ステップS01が行われると、学習済みモデルA2が生成される。このように、学習モデルA1が学習して学習済みモデルA2となると、学習済みモデルA2を用いて実行処理が実行される。
【0135】
ステップS02では、サーバ11は、アイテムが取得されたか否かを判断する。次に、アイテムが取得された場合(ステップS02でYES)には、サーバ11は、ステップS03に進む。一方で、アイテムがまだ取得されていない場合(ステップS02でNO)には、サーバ11は、ステップS02を繰り返す。すなわち、ステップS03以降は、アイテムが取得されたのをトリガ(Trigger)に実行される。
【0136】
ステップS03では、サーバ11は、入力データD2を入力する。例えば、ステップS03は、ゲームの進行と並列にバックグラウンドで実行、すなわち、ユーザ4に意識させず、ユーザ端末20からサーバ11に送信される。なお、入力データD2は、サーバ11に生じるデータが含まれてもよい。
【0137】
ステップS04では、サーバ11は、出力データD3を生成する。例えば、出力データD3を生成するタイミング、すなわち、ステップS04を実行するタイミングは、事前に設定される。
【0138】
ステップS05では、サーバ11は、出力データD3に基づいて出力を行う。例えば、出力させるタイミング、又は、出力させる画面、すなわち、ステップS05を実行するタイミング、及び、対象等は、事前に設定される。
【0139】
なお、パラメータは、例えば、ゲームを開始する前等に設定される。ただし、パラメータの種類等によっては、ゲームの途中でパラメータを変更、追加、又は、削除等の設定ができてもよい。
【0140】
ログデータは、例えば、ゲームの進行に応じて記憶される。なお、ログデータは、ユーザ4がログデータを記憶させる指示が操作できてもよい(すなわち、特別情報に用いるログデータをユーザ4が選べてもよい)。他にも、ログデータの記憶は、周期的、又は、場面の切り替わり等に行われてもよい。
【0141】
[機能構成例]
図14は、機能構成例を示す図である。例えば、システム1は、学習装置31、及び、ゲームストーリー出力装置32を備えるゲームストーリー出力システムである。
【0142】
学習装置31は、学習データ入力手段1F1、及び、学習手段1F2を備える。
【0143】
学習データ入力手段1F1は、ログデータ、及び、正解データD20を含む学習データD1を入力する学習データ入力手順を行う。例えば、学習データ入力手段1F1は、通信インタフェース115等で実現する。
【0144】
学習手段1F2は、学習データD1を用いて学習モデルA1を学習させて、学習済みモデルA2を生成する学習手順を行う。例えば、学習手段1F2は、プロセッサ111等で実現する。
【0145】
ゲームストーリー出力装置32は、設定手段1F10、記憶手段1F11、入力データ入力手段1F3、生成手段1F4、及び、出力手段1F5を備える。なお、設定手段1F10、及び、記憶手段1F11は学習装置31に更に備えられてもよい。又は、設定手段1F10、及び、記憶手段1F11は、学習装置31とゲームストーリー出力装置32で兼用でもよい。
【0146】
設定手段1F10は、ユーザ4の操作に基づき、仮想空間内のキャラクタのパラメータを設定する設定手順を行う。例えば、設定手段1F10は、通信インタフェース115等で実現する。
【0147】
記憶手段1F11は、キャラクタの仮想空間内での行動をログデータとして記憶する記憶手順を行う。例えば、記憶手段1F11は、ストレージ113等で実現する。
【0148】
入力データ入力手段1F3は、学習手段1F2が生成した学習済みモデルA2に対して、未知のログデータを含む入力データD2を入力する入力データ入力手順を行う。例えば、入力データ入力手段1F3は、通信インタフェース115等で実現する。
【0149】
生成手段1F4は、学習データD1に基づいて学習した学習済みモデルA2に基づき、キャラクタが仮想空間内で、オブジェクトを入手した場合に、特別情報を生成する生成手順を行う。例えば、生成手段1F4は、プロセッサ111等で実現する。
【0150】
出力手段1F5は、出力データD3に基づき、ユーザ端末20に出力を行う出力手順を行う。例えば、出力手段1F5は、通信インタフェース115等で実現する。
【0151】
学習装置31、及び、ゲームストーリー出力装置32は、例えば、サーバ11である。ただし、学習装置31、及び、ゲームストーリー出力装置32は、異なる情報処理装置でもよい。
【0152】
以上のような構成であると、ゲームにおいて、オブジェクトに対する特別情報を変化させて生成できる。例えば、ユーザ4が異なると、ユーザ4ごとにキャラクタのパラメータ等が異なるため、生成されるストーリーも、ユーザ4が変わると変化する。また、ユーザ4が同じであっても、アイテムを取得するまでのプレイ結果、及び、プレイ過程が異なると、ログデータが異なるため、生成されるストーリーも、プレイごとに変化する。
【0153】
このように、人によって異なる、又は、プレイするごとに異なったストーリーが生成される。そして、生成されたストーリーは、アイテムに対応して出力される。
【0154】
毎回、アイテムのストーリーが異なると、ユーザ4は、アイテムを取得するプレイを何回も楽しく行うことができ、魅力的である。同様に、ユーザ4が違うと、ユーザ4は、他人とは異なるストーリーが見れるため、魅力的である。また、ストーリーは、プレイ結果、及び、プレイ過程が反映されるため、オリジナリティがあり、ユーザ4に対して魅力的な出力を行うことができる。
【0155】
なお、ゲームの種類は、RPGに限られない。ゲームの進行において、アイテムの取得があるものであれば、ゲームの種類は限定されない。例えば、ゲームの種類は、スポーツ、アクション、パズル、又は、格闘等を含むゲームでもよい。
【0156】
[変形例]
入力データD2は、前処理がされてもよい。前処理は、入力データD2を限定する処理等があってもよい。例えば、前処理は、入力データD2で入力される第3データである動画データD202を重要な時点のデータに絞るのが望ましい。特に、動画データD202は、長時間であるとデータ容量が大きくなりやすい。したがって、動画データD202を絞ると、データ容量を少なくできる。
【0157】
例えば、入力データD2には、スタート時点からアイテムの取得までのすべての出力画面が含まれるとする。そこで、前処理は、入力データD2から、アイテムの取得から所定時間前(例えば、10分等である。)に絞るため、所定時間前のデータを排除する処理である。このように、入力データD2を直近のデータに絞る前処理が行われると、新しい情報を中心にした出力ができる。
【0158】
他にも、見どころを抽出する場合には、前処理は、プロフィールが急激に変化した時点、又は、キャラクタがピンチな時点等を中心(例えば、特定する時点の前後10分間である。)に入力データD2を絞る処理等である。このように前処理が行われると、処理対象となるデータが少なくなるため、実行処理が高速化できる。
【0159】
例えば、所謂「ヒットポイント(HP)」が急激に減少した時点は、キャラクタがピンチな時点である場合が多い。他にも、所謂「戦闘」が長い場合は、キャラクタがピンチな時点である場合が多い。このような時点をログデータ等で検索できると、キャラクタがピンチな時点が特定できる。
【0160】
プロフィールが急激に変化した時点は、ユーザ4がキャラクタのパラメータを一時的に強化する工夫等を行った時点である場合が多い。このような時点の後には、強化されたキャラクタが活躍する見どころになる場合が多い。このような時点をログデータ等で検索できると、キャラクタが活躍する時点が特定できる。
【0161】
このように入力データD2がすべて学習済みモデルA2に入力されず、学習済みモデルA2に厳選されたデータが入力される前処理が行われるのが望ましい。
【0162】
[その他の実施形態]
上記の例では、情報処理装置は、学習モデルに対する事前処理、及び、学習済みモデルを用いて実行処理の両方を行う。ただし、事前処理、及び、実行処理は、同じ情報処理装置が行わなくともよい。また、事前処理、及び、実行処理も、1つの情報処理装置で一貫して実行しなくともよい。すなわち、各処理、及び、データの記憶等は、複数の情報処理装置で構成する情報システム等で行ってもよい。
【0163】
なお、学習処理は、実行処理の後、又は、実行処理の前に追加して更に行われてもよい。
【0164】
上記のような処理は、サーバ11、及び、ユーザ端末20以外の情報処理装置が補助的に行ってもよい。
【0165】
図15は、補助装置を用いる構成例を示す図である。
図1に示す例と比較すると、
図15に示す構成は、補助装置60が加わる点が異なる。なお、補助装置60は、一時的に用いる構成でもよい。
【0166】
補助装置60は、ユーザ端末20(この例では、ユーザ端末20A付近に設置しているが、他の装置近くにあってもよい。)等の近くに設置される情報処理装置である。そして、補助装置60は、特定の処理をユーザ端末20、又は、サーバ11に代わって一部又は全部を実行する。
【0167】
例えば、補助装置60は、グラフィック処理に特化したデバイスを備えて、グラフィック処理を高速で行う。このように、補助装置60等を設置して、所謂エッジコンピューティング(Edge Computing)等が行われてもよい。このように、前述する処理は、様々な情報処理装置のハードウェアリソースを活用して実行されてもよい。したがって、前述する処理は、前述したのとは異なる情報処理装置が実行してもよい。
【0168】
前述の処理、及び、本実施形態で実行される処理に用いるデータは、情報処理システムによって実行、及び、記憶されてもよい。例えば、情報処理システムは、処理又は記憶を冗長、分散、並列、又は、これらの組み合わせを実現するため、複数の情報処理装置で実行又は記憶してもよい。したがって、本発明は、前述に示すハードウェア構成以外の装置、及び、前述に示す装置以外のシステムで実現されてもよい。
【0169】
また、本発明に係るプログラムは、単一のプログラムに限定されず、複数のプログラムの集合体でもよい。また、本発明に係るプログラムは、単一の装置で実行されるものに限定されず、複数の情報処理装置で分担して実行されてもよい。更に、各情報処理装置の役割分担は、前述の例に限定されない。すなわち、前述した処理の一部、又は、全部が前述した情報処理装置とは異なる情報処理装置が実行してもよい。
【0170】
更に、プログラムによって実現される各手段の一部、又は、全部は、集積回路等のハードウェアで実現することもできる。更に、プログラムは、コンピュータによって読み出し可能な非一過性の記録媒体に記録されて提供されてもよい。記録媒体とは、例えば、ハードディスク、SDカード(登録商標)、DVD等の光学ディスク、又は、インターネット上のサーバ等を指す。したがって、プログラムは、インターネット等の電気通信回線を介して配信されでもよい。
【0171】
また、情報処理システムを構成する情報処理装置等は、海外にあってもよい。
【0172】
なお、本発明は、前述に例示する各実施形態に限定されない。したがって、本発明は、技術的な要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の追加、又は、変形が可能である。ゆえに、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項のすべてが本発明の対象となる。なお、前述に例示する実施形態は、実施において好適な具体例である。そして、当業者であれば、開示した内容から様々な変形例を実現可能であって、このような変形例は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0173】
1 :システム
1F1 :学習データ入力手段
1F2 :学習手段
1F3 :入力データ入力手段
1F4 :生成手段
1F5 :出力手段
1F10 :設定手段
1F11 :記憶手段
4 :ユーザ
5 :管理者
11 :サーバ
20 :ユーザ端末
31 :学習装置
32 :ゲームストーリー出力装置
60 :補助装置
D1 :学習データ
D11 :第11データ
D12 :第12データ
D13 :第13データ
D2 :入力データ
D20 :正解データ
D201 :過程テキストデータ
D202 :動画データ
D203 :行動名
D204 :キャラクタ強調
D205 :設定データ
D206 :キャラクタデータ
D207 :特徴データ
D21 :第21データ
D22 :第22データ
D23 :第23データ
D3 :出力データ
D31 :第1出力データ
D311 :第1説明テキスト
D312 :第2説明テキスト
D313 :第3説明テキスト
D314 :第4説明テキスト
D32 :第2出力データ
D321 :要約画像
D322 :要約テキスト
D33 :第3出力データ
D331 :見出し
D332 :アドバイス
D4 :ビッグデータ
A1 :学習モデル
A2 :学習済みモデル
【要約】
【課題】ゲームにおいてアイテムを取得した場合に、ユーザにとって魅力的な出力を行う。
【解決手段】プログラムは、コンピュータを、ユーザによって操作されるキャラクタの仮想空間内での行動を示すデータをログデータとして記憶可能な記憶手段と、前記キャラクタが前記仮想空間内で所定のオブジェクトを入手した場合に、少なくとも前記ログデータを含む学習データに基づいて学習した学習済みモデルに、前記所定のオブジェクトの入手に係る未知のログデータを入力することで、前記所定のオブジェクトに関する特別情報を出力する出力手段として機能させ、前記出力手段は、前記所定のオブジェクトの入手態様が、通常とは異なる特徴的な要素に基づく特殊態様であった場合に、前記特徴的な要素を含んだ形で前記特別情報を出力する。
【選択図】
図14