(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】空気圧作動バルブの制御された流量のための構成および方法
(51)【国際特許分類】
F15B 11/10 20060101AFI20241118BHJP
【FI】
F15B11/10
(21)【出願番号】P 2024110441
(22)【出願日】2024-07-09
(62)【分割の表示】P 2022520783の分割
【原出願日】2020-10-09
【審査請求日】2024-07-09
(32)【優先日】2019-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518337784
【氏名又は名称】スウェージロック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】グリム,ウィリアム,エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】キーパー,ブランデン,ダブリュー.
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-234902(JP,A)
【文献】特開平01-227807(JP,A)
【文献】特開2001-304439(JP,A)
【文献】特開2012-107695(JP,A)
【文献】米国特許第4585207(US,A)
【文献】米国特許第4054156(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0054205(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/10 -11/12
F16K 31/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動バルブアセンブリであって、前記作動バルブアセンブリは、
流路および前記流路を通る流体の流れを選択的に制御するように軸方向に移動可能なバルブ要素を画定するバルブ本体を含むバルブと、
前記バルブと共に組み立てられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、
入口ポートを画定するハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたピストンであって、前記ピストンは、閉位置と完全流れ位置との間での前記バルブ要素の軸方向移動のために前記バルブ要素と動作可能に接続されている、ピストンと、
前記ハウジング内に配置され、かつ、前記ピストンに第1の付勢力を加えて、前記ピストンを、前記バルブ要素の閉位置に対応するばね戻り位置に移動させるように構成された戻りばねと、
弾性変形可能要素と、
を備える、アクチュエータと、
を備え、
前記入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、前記ピストンを、前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して、前記バルブ要素の部分流れ位置に対応する第1の作動位置に移動させ、前記第1の作動位置では、前記ピストンは、前記ハウジングの止め部に、少なくとも前記弾性変形可能要素を通して間接的に係合し、
前記入口ポートに加えられた、前記第1の流体圧力よりも大きい第2の流体圧力は、前記ピストンを、前記弾性変形可能要素の第2の付勢力に対抗して移動させて、前記弾性変形可能要素を圧縮し、前記ピストンを、前記第1の作動位置を超えかつ前記バルブ要素の完全流れ位置に対応する第2の作動位置に移動させ、
前記弾性変形可能要素は、前記戻りばねのばね定数の少なくとも10倍のばね定数を有し、それによって、前記弾性変形可能要素は、前記第1の流体圧力と前記第2の流体圧力との間の前記入口ポートに加えられた流体圧力の増分増加に応じて、前記ピストンの前記第1の作動位置と前記第2の作動位置との間での予測可能な比例的な増分移動をもたらし、
前記第1の流体圧力の前記入口ポートへの印加は、前記ピストンを、前記弾性変形可能要素の圧縮を伴うことなく前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して移動させる、作動バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記バルブ要素の完全流れ位置は、前記バルブ要素の部分流れ位置によって提供される流れよりも最大約10%大きい流れを提供する、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項3】
前記弾性変形可能要素は、少なくとも1つの皿ばね座金を備える、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項4】
前記弾性変形可能要素のばね定数は、前記戻りばねのばね定数の少なくとも20倍である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項5】
前記弾性変形可能要素のばね定数は、前記戻りばねのばね定数の最大約100倍である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の流体圧力は、前記第1の流体圧力の最大約2倍である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項7】
前記ばね戻り位置から前記第1の作動位置への前記ピストンの移動は、第1の距離の前記ピストンの軸方向移動を備え、前記第1の作動位置から前記第2の作動位置への前記ピストンの移動は、前記第1の距離の約20%未満の第2の距離の前記ピストンの軸方向移動を備える、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項8】
前記ばね戻り位置から前記第1の作動位置への前記ピストンの移動は、第1の距離の前記ピストンの軸方向移動を備え、前記第1の作動位置から前記第2の作動位置への前記ピストンの移動は、前記第1の距離よりも大きい第2の距離の前記ピストンの軸方向移動を備える、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項9】
前記ピストンは、前記ハウジングの入口ポート内に延在するステム部、および前記ステム部から径方向外側に延在するディスク部を備え、前記止め部は、前記入口ポートの内面によって画定され、前記弾性変形可能要素は、前記入口ポートの内面と前記ステム部の端部との間に配置される、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項10】
前記ピストンは第1のピストンであり、前記アクチュエータはさらに、前記ハウジング内に配置された第2のピストンを備え、前記入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、前記第2のピストンを、前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して、前記第2のピストンの第1の作動位置に移動させ、前記止め部は、前記入口ポートの端面によって画定され、前記弾性変形可能要素は、前記第1のピストンと前記第2のピストンとの間に配置される、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項11】
前記ピストンは、出力を前記バルブ要素に加えるように前記ハウジング内の出口ポートを通って延在する出力軸を備え、前記止め部は前記出口ポートによって画定され、前記弾性変形可能要素は、前記出力軸と前記出口ポートとの間に配置される、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項12】
前記弾性変形可能要素は、前記ピストンと前記ハウジングの止め部との間に配置される、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項13】
前記弾性変形可能要素は、前記ピストンと一体である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項14】
前記弾性変形可能要素は、前記ハウジングの止め部と一体である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項15】
前記弾性変形可能要素は、前記ばね戻り位置と前記第1の作動位置との間で前記ピストンと共に移動するように構成されている、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項16】
前記弾性変形可能要素のばね定数は、前記第1の作動位置と前記第2の作動位置との間での圧縮の範囲全体にわたって、前記戻りばねのばね定数の少なくとも10倍である、請求項1に記載の作動バルブアセンブリ。
【請求項17】
作動バルブアセンブリであって、前記作動バルブアセンブリは、
流路および前記流路を通る流体の流れを選択的に制御するように軸方向に移動可能なバルブ要素を画定するバルブ本体を含むバルブと、
前記バルブと共に組み立てられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、
入口ポートを画定するハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたピストンであって、前記ピストンは、前記バルブ要素の軸方向移動のために前記バルブ要素と動作可能に接続されている、ピストンと、
前記ハウジング内に配置され、かつ、前記ピストンに第1の付勢力を加えて、前記ピストンをばね戻り位置に移動させるように構成された戻りばねと、
弾性変形可能要素と、
を備える、アクチュエータと、
を備え、
前記入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、前記ピストンを、前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して第1の作動位置に移動させ、前記第1の作動位置では、前記ピストンは、前記ハウジングの止め部に、少なくとも前記弾性変形可能要素を通して間接的に係合し、
前記入口ポートに加えられた、前記第1の流体圧力よりも大きい第2の流体圧力は、前記ピストンを、前記弾性変形可能要素の第2の付勢力に対抗して移動させて、前記弾性変形可能要素を圧縮し、前記ピストンを、前記第1の作動位置を超える第2の作動位置に移動させ、
前記弾性変形可能要素は、前記第1の流体圧力と前記第2の流体圧力との間の前記入口ポートに加えられた流体圧力の増分増加に応じて、前記ピストンの前記第1の作動位置と前記第2の作動位置との間での比例的な増分移動をもたらすばね定数を有し、
前記ピストンは、前記ハウジングの入口ポート内に延在するステム部、および前記ステム部から径方向外側に延在するディスク部を備え、前記止め部は、前記入口ポートの内面によって画定され、前記弾性変形可能要素は、前記入口ポートの内面と前記ステム部の端部との間に配置される、作動バルブアセンブリ。
【請求項18】
作動バルブアセンブリであって、前記作動バルブアセンブリは、
流路および前記流路を通る流体の流れを選択的に制御するように軸方向に移動可能なバルブ要素を画定するバルブ本体を含むバルブと、
前記バルブと共に組み立てられたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、
入口ポートを画定するハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたピストンであって、前記ピストンは、前記バルブ要素の軸方向移動のために前記バルブ要素と動作可能に接続されている、ピストンと、
前記ハウジング内に配置され、かつ、前記ピストンに第1の付勢力を加えて、前記ピストンをばね戻り位置に移動させるように構成された戻りばねと、
弾性変形可能要素と、
を備える、アクチュエータと、
を備え、
前記入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、前記ピストンを、前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して第1の作動位置に移動させ、前記第1の作動位置では、前記ピストンは、前記ハウジングの止め部に、少なくとも前記弾性変形可能要素を通して間接的に係合し、
前記入口ポートに加えられた、前記第1の流体圧力よりも大きい第2の流体圧力は、前記ピストンを、前記弾性変形可能要素の第2の付勢力に対抗して移動させて、前記弾性変形可能要素を圧縮し、前記ピストンを、前記第1の作動位置を超える第2の作動位置に移動させ、
前記弾性変形可能要素は、前記第1の流体圧力と前記第2の流体圧力との間の前記入口ポートに加えられた流体圧力の増分増加に応じて、前記ピストンの前記第1の作動位置と前記第2の作動位置との間での比例的な増分移動をもたらすばね定数を有し、
前記ピストンは第1のピストンであり、前記アクチュエータはさらに、前記ハウジング内に配置された第2のピストンを備え、前記入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、前記第2のピストンを、前記戻りばねの第1の付勢力に対抗して、前記第2のピストンの第1の作動位置に移動させ、前記止め部は、前記入口ポートの端面によって画定され、前記弾性変形可能要素は、前記第1のピストンと前記第2のピストンとの間に配置される、作動バルブアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全開示が参照によって本明細書に援用される2019年10月11日に出願された「ARRANGEMENTS AND METHODS FOR CONTROLLED FLOW RATE OF PNEUMATIC ACTUATED VALVES」と題する米国仮特許出願第62/913,769号に基づく優先権およびあらゆる利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータは、バルブおよび他の流体システム構成要素の動作を制御するのに用いられることが多い。アクチュエータは、空気圧、油圧、電気などを含む様々な異なる設計のものであり得る。流体駆動アクチュエータは、バルブを通過するシステム流体を制御(例えば、遮断、計量、方向制御)するためバルブ要素(例えば、回転バルブステム、プラグ、ダイヤフラム、および/またはベローズ)を移動させるために1つ以上の流体駆動アクチュエータ部材(例えば、ピストン、ダイヤフラム、ベローズなど)を動かすのに、空気などの加圧流体を用いる。
【0003】
従来の作動バルブアセンブリは、付勢ばねに打ち勝ちアクチュエータピストンおよび接続されたバルブ部材を移動させるようなアクチュエータ入口ポートの加圧に応じた作動位置と、アクチュエータ入口圧力の放出とアクチュエータピストンおよびバルブ部材のばねの動きに応じたノーマルまたは戻り位置の間のバルブの2-位置動作のために、ばね付勢空気圧アクチュエータを用いる。
【0004】
バルブ構成要素の寸法公差、バルブシートの摩耗および/または変形、ならびに他のそうした状況により、例えば、経時的に1つのバルブにおいて、またはシステム内のバルブ間(例えば、並列設置された)で、開状況におけるバルブ流れ力にばらつきが生じ得る。結果として生じた流れ偏向により、一貫性のないかつ/または望ましくない状況が生じ得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の例示的な実施形態では、アクチュエータは、入口ポートを画定するハウジングと、ハウジング内に配置されたピストンおよび戻りばねと、弾性変形可能要素とを含む。戻りばねは、ピストンに付勢力を加えてピストンをばね戻り位置に移動させるように構成されている。入口ポートに加えられた第1の流体圧力は、ピストンを戻りばねの付勢力に対抗して第1の作動位置に移動させ、第1の作動位置では、ピストンは、アクチュエータハウジングの止め部に間接的に係合する。入口ポートに加えられた、第1の流体圧力よりも大きい第2の流体圧力は、ピストンを弾性変形可能要素に対抗して移動させて、弾性変形可能要素を圧縮してピストンを第1の作動位置を超える第2の作動位置に移動させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】従来のばね負荷式空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線の図である。
【
図1B】ばね定数が増大した戻りばねを備えた例示的な空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線の図である。
【
図1C】調整可能な流れ力を提供する弾性変形可能要素を備えた例示的な「ノーマルクローズの」空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線の図である。
【
図2】ばね戻り位置に示される、本開示の例示的な実施形態による作動バルブアセンブリの概略図である。
【
図3】第1の作動位置に示される、
図2の作動バルブアセンブリの概略図である。
【
図4】第2の作動位置に示される、
図2の作動バルブアセンブリの概略図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による、圧力依存流れ調整のための弾性変形可能要素を含む空気圧アクチュエータの側部断面図である。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、圧力依存流れ調整のための弾性変形可能要素を含む別の空気圧アクチュエータを備えた作動バルブアセンブリの側部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の様々な発明の態様、概念、および特徴が例示的な実施形態と併せて具体化されるように本明細書中に記載かつ例示され得るが、これらの様々な態様、概念、および特徴は、個々にまたはそれらの様々な組み合わせおよびサブ組み合わせで、多くの代替実施形態で用いられ得る。本明細書中で明示的に除外されない限り、かかるすべての組み合わせおよびサブ組み合わせは、本発明の範囲内に在ることが意図される。さらに、本発明の様々な態様、概念、および特徴に関する様々な代替実施形態-代替の材料、構造、構成、方法、回路、デバイス、および構成要素、フォーム、フィット、ファンクションに関する代替など-が本明細書中に記載され得るが、そうした記載は、現在既知であるか今後開発されるかに関わらず利用可能な代替実施形態の完全なまたは包括的なリストであることは意図していない。当業者は、発明の態様、概念、または特徴のうちの1つ以上を追加実施形態へと容易に導入し、そうした実施形態が本明細書中に明示的に開示されていなくても、本発明の範囲内で用い得る。さらに、本発明のいくつかの特徴、概念、または態様が好ましい構成または方法として本明細書中に記載され得るが、明示されない限り、そうした記載は、そうした特徴が必須または必要であることを示唆することを意図しない。さらに、例示的なまたは代表的な値および範囲が本開示の理解を助けるために含まれ得るが、そのような値および範囲は、限定的な意味で解釈されるものではなく、明示されている場合に限り、臨界値または範囲であると意図される。特定された値の「概ね」または「約」として特定されるパラメータは、特段の記載がない限り、その特定された値と特定された値の10%内の値の両方を含むことが意図される。さらに、本開示に添付された図面は、縮尺通りであり得るがそうであることは必須ではないと理解され、したがって、図面において明らかである様々な比率および割合を教示しているとして理解され得る。さらに、様々な態様、特徴、および概念が本発明の発明的な部分または形成部分として本明細書中に明示的に特定され得るが、そうした特定は包括的であることを意図するのではなく、むしろ、本明細書中に完全に記載されているがそうしたものとしてまたは特定の発明の一部として明示的に特定されていない発明の態様、概念、および特徴が在り得、発明は、代わりに、添付の特許請求の範囲に記載される。例示的な方法またはプロセスの記載は、全ステップをいずれの場合にも必須であるとして含むことに限定されるものではなく、ステップが提示される順序も、明示的に記載されない限り必須または必要であるとして理解されるものではない。
【0008】
本開示は、例えば、システムにおける複数のバルブでの流れの均一性を確立するために、または、経時的な(例えば、バルブシートの摩耗または変形による)流れ力の変化を補正するために、または、プロセスもしくは位置フィードバックと併せて用いられるときにある程度の流れ制御能力をもたらすために、作動遮断バルブを通る流れ力を変動させるための構成および方法を検討している。
【0009】
従来の空気圧または流体駆動リニアアクチュエータの場合、加圧流体は、入口ポートを通ってアクチュエータに加えられて、ピストン(複数可)を作動位置まで軸方向運動させるために1つ以上の流体駆動ピストンを加圧して、例えばアクチュエータが一緒に組み立てられているバルブのバルブ要素(例えば、ダイヤフラム、ステム先端部)の線形運動を提供する。アクチュエータに加えられた作動流体圧力は、例えばアクチュエータばね力(例えば、「ノーマルクローズの」ばね付勢アクチュエータにおける)、ピストン(複数可)とアクチュエータハウジングの間の摩擦、および/またはバルブ要素の抵抗力を含む、アクチュエータおよび/またはバルブ内の複数の抵抗力に打ち勝つのに十分なものである。
【0010】
従来のばね負荷式(例えば、「ノーマルクローズの」)空気圧アクチュエータは、一般に、第1の非加圧または「ノーマル」位置(例えば、閉)と第2の加圧または「作動」位置(例えば、開)を有する2-位置アクチュエータであると考えられる。アクチュエータおよびバルブを完全作動させるのに必要な空気圧を下回るアクチュエータ圧力の変動は、アクチュエータピストン(複数可)およびバルブ要素の部分的な作動をもたらし得るが、戻りばねのばね定数ならびにピストン(複数可)および他のアクチュエータ/バルブ構成要素の摩擦抵抗の変動により、加えられたアクチュエータ圧力の変動を介してアクチュエータの部分的な作動を正確にかつ予想通りに制御することは難しくなる。
図1Aは、従来のばね負荷式空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線を示し、ばね戻り位置s1と完全作動位置s2(例えば、アクチュエータピストンが機械的止め部と係合)の間のアクチュエータ圧力駆動作動は、作動ストロークを開始するのに必要とされる第1の圧力p1と完全作動に必要とされる第2の圧力p2の間の狭い圧力範囲で行われる。
【0011】
一実施形態では、ばね戻りアクチュエータには、1つ以上の部分的な流れ位置が1つ以上の所定の加えられたアクチュエータ入口圧力とより予測可能に対応し得るように、ばね定数が増大した(例えば、より硬いばねおよび/または追加ばねを、並列にかつ/または直列に設けることによって)付勢ばね構成が設けられ得る。一例として、ばね戻りアクチュエータには、閉位置におけるばね力より3倍未満の従来のバルブアクチュエータばね定数と比較して、閉位置におけるばね力より約5倍大きいばね定数が設けられ得る。このばね定数の増大により、アクチュエータピストンおよびバルブ要素を、バルブのノーマル位置と作動(例えば、開)位置の間の1つ以上の増分位置に移動させるのに必要とされるアクチュエータ圧力の著しく、測定可能な、かつ予測可能な差がもたらされ得る。そうした構成の1つは、「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROL AND MONITORING OF ACTUATED VALVES」と題された共有する米国特許出願公開第2019/0226937号(「937出願」)に記載されており、その全開示は参照によって本明細書に援用される。
図1Bは、ばね定数が増大した戻りばねを備えた例示的な空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線を示し、ばね戻り位置s1と完全作動位置s2(例えば、アクチュエータピストンが機械的止め部と係合)の間のアクチュエータ圧力駆動作動は、作動ストロークを開始するのに必要とされる第1の圧力p1と完全作動に必要とされる第2の圧力p2の間のより広くかつより予測可能な圧力範囲で行われて、所望の部分的なアクチュエータストロークsiが、第1の圧力p1と第2の圧力p2の間の対応するアクチュエータ圧力piを加えることによってなされ得るようにする。
【0012】
本開示の例示的な態様によると、空気圧アクチュエータには、バルブ要素(例えば、ダイヤフラム、ステム先端部)の、第1の流れ力を有する第1の開位置への対応する移動のために、流体駆動ピストンを第1の作動位置に移動するように第1の空気圧動作圧力がアクチュエータに加えられる(例えば、アクチュエータの戻りばねのばね付勢力に対抗して)ときの要素の変形に抵抗またはそれを防ぐのに十分であるばね定数または圧縮強度を備えた弾性変形可能(例えば、弾性圧縮可能)要素(例えば、1つ以上のコイルばね、ガスケット、および/もしくは、皿ばね座金、または、弾性変形可能タブ、フランジもしくは他の構造)が設けられ得る。アクチュエータに加えられる空気圧が第1の空気圧動作圧力を超えるまでに増大されると、弾性変形可能要素は軸方向かつ弾性的に変形されて、ピストン(それと共に、バルブ要素)の、第2の作動位置へのさらなる軸方向移動を可能にして、第1の流れ力よりも大きい流れ力を有するより増大したすなわち第2の開位置を提供する。弾性変形可能要素のかなり大きな所定のばね定数または圧縮強度はまた、加えられたアクチュエータ圧力に基づく第1の作動位置を超えるピストンの予測可能な軸方向移動をもたらす。
図1Cは、調整可能な流れ力を提供する弾性変形可能要素を備えた例示的な「ノーマルクローズの」空気圧アクチュエータの場合のアクチュエータストローク-圧力曲線を示し、ばね戻り位置s1と第1の作動位置s2(例えば、アクチュエータピストンが機械的止め部と係合)の間のアクチュエータ圧力駆動作動は、第1の作動圧力を加えることによってなされ、作動ストロークを開始するのに必要とされる第1の圧力p1と完全作動に必要とされる第2の圧力p2の間の狭い圧力範囲で行われる。
【0013】
いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、流体駆動ピストンとアクチュエータの軸方向固定止め部の間に軸方向に配置され得る。
図2~4は、バルブ110と共に組み立てられたアクチュエータ120を含む作動バルブアセンブリ100を概略的に示す。バルブ110は、流路112、および、バルブ流路112を通る流体の流れを選択的に制御する(例えば、遮断または通す)ためにばね戻り(例えば、バルブ閉)位置と第1の作動(例えば、開)位置の間でバルブシート114に対して軸方向に移動可能なバルブ要素113を画定するバルブ本体111を含む。アクチュエータ120は、バルブ要素の第1の(例えば、閉)位置と第2の(例えば、開)位置の間での移動のためバルブ要素113に動作可能に接続された流体駆動ピストン123を受ける空洞122を画定するハウジング121を含む。アクチュエータ空洞122内の戻りばね124(または他の係る付勢部材)は、アクチュエータが非加圧の(または非減圧の)とき、ピストン123(それと共に、バルブ要素113)をばね戻り位置に付勢する(
図2)。第1の動作流体圧力が(例えば、加圧流体の源Sから)アクチュエータ120に(入口ポート125において)加えられると、バルブ要素113の、第1の流れ力を有する第1の開位置までの対応する移動のために、流体駆動ピストン123は、戻りばね124に対抗して、第1の作動位置に移動され(
図3)、アクチュエータの止め部126によって制限される。
【0014】
127に概略的に表される弾性変形可能要素は、ピストン123とアクチュエータ止め部126の間で、アクチュエータ空洞122内に軸方向に配置される。アクチュエータ入口ポート125に加えられた圧力が基本動作圧力を超えるまでに増大されると、弾性変形可能要素127は、軸方向に圧縮されて、ピストン(それと共に、バルブ要素)のさらなる軸方向移動を可能にし、例えば、第1の流れ力よりも大きい流れ力を有する第2の作動(例えば、さらなる開)位置をもたらす(
図4)。
【0015】
他の例示的な実施形態では、弾性変形可能要素は、追加的にまたは代替的に、ピストンと一体(例えば、ピストン123の弾性変形可能ウェブまたはピストンの弾性圧縮可能軸/ステム)かつ/またはアクチュエータ止め部と一体(例えば、アクチュエータ止め部126の弾性変形可能タブまたはフランジ)であり得る。
【0016】
弾性変形可能要素127は、流体駆動ピストンを第1の作動位置に移動させるように第1のまたは基本の動作圧力がアクチュエータに加えられたときの要素の圧縮に抵抗または実質的にそれを防ぐのに十分であるばね定数または圧力強度を有し得る。そうした実施形態の1つでは、弾性変形可能要素127は、戻りばね124のばね定数よりも著しく大きい(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも50倍、最大100倍、または約10倍と約100倍の間)ばね定数を有し得、要素127が、基本動作圧力よりも大きいアクチュエータ圧力が加えられるまでは明らかな圧縮をし始めないようにする。1つの例示的な実施形態では、アクチュエータ戻りばねは、約200lbs/inのばね定数を有し得、弾性変形可能要素は、約10,000lbs/inの有効ばね定数を有し得る。そうした構成の1つでは、戻りばね124は、第1の流体圧力(例えば、約40psig)で基本的作動(例えば、最小の所望流れ力に対応する)を提供し得、一方、弾性変形可能要素127は、第1の流体圧力と第2の流体圧力(例えば、約80psig、または第1の流体圧力の最大約2倍)の間の作動圧力で、基本的作動と最大作動の間のさらなる作動を提供し得る。弾性変形可能要素127が異なる量の流れ力調整を提供し得る一方、一実施形態では、ばね戻り位置から第1の作動位置へのピストンの移動は、第1の距離のピストンの軸方向移動を備え、第1の作動位置から第2の作動位置へのピストンの移動は、第1の距離の約20%未満である第2の距離のピストンの軸方向移動を備え、したがって、第1の開位置と第2の開または最大流れ位置の間の流れ力調整は、合計最大流れ力のごく一部(例えば、10%未満)に限定される(例えば、基本的作動Cvが約0.59、最大作動Cvが約0.64)。他の実施形態では、第2の距離は、第1の距離よりも大きくあり得(例えば、第1の距離の約5倍大きい、または第1の距離の約20倍大きい)、したがって、バルブ流量は、閉位置と完全開位置の間で流量範囲の大部分すなわちほぼ全体または全体にわたる選択された流量に調整され得る。
【0017】
ピストンの第1の作動位置と第2の作動位置の間で実質的に一定であるばね定数をもたらす、弾性変形可能要素127の相対的に高いばね定数は、相対的に小さな流れ力範囲にわたって流れ力の正確な制御を可能にし得、第1の流体圧力と第2の流体圧力の間の流体圧力の増分増加は、ピストンの第1の作動位置と第2の作動位置の間での比例的な増分移動を生じさせる。
【0018】
使用中、弾性変形可能要素の制御された圧縮のために、流れ力が、アクチュエータへの流体圧力を調整することによって遠隔にかつ/または自動的に調整され得る。アクチュエータへの流体圧力を制御または調整するのに、例えば従来の圧力調整器を含む多くの様々なデバイスおよび構成が用いられ得る。上記の援用される‘937出願は、加圧流体供給と排気バルブのパルス状動作を制御することによって、アクチュエータ入口圧力を調整するのに用いられ得るパイロット弁構成を記載している。
【0019】
図5は、アクチュエータ入口圧力の調整に応じて調整可能な流れ力を提供するように構成された1つ以上の弾性変形可能要素を含むように適合された例示的なアクチュエータ200を示す。アクチュエータアセンブリ200は、入口ポート211、ならびに第1の力伝達ピストン220および第2の力伝達ピストン240を受ける第1のピストン室212および第2のピストン室214(例えば、仕切り板230で分けられた)を画定するハウジング210を含む。第2のピストン240は、出力をアクチュエータ200がそれと共に組み立てられているバルブ(図示せず)のバルブ要素に加えるために、アクチュエータハウジング210における出力ポート215を通って延在する出力軸245と一体である。第1のピストン室212も、第1のピストン220と係合して第1のピストン220および第2のピストン240を下方に押し下げる付勢ばね250を保持する。アクチュエータ200を動作するには、入口ポート211に加えられた加圧アクチュエータ流体(例えば空気)が、第1のピストン220および第2のピストン240の通路223、243を通過して、ピストン室212、214の下部を加圧し、ピストンを付勢ばね250に対抗して押し上げて、出力軸245を上方に移動させ、第1のピストン220と第2のピストン240のうちの1つをアクチュエータハウジング210の止め部と直接的にまたは間接的に係合させる(以下により詳しく記載)。
【0020】
図5に示すように、弾性変形可能要素は、第2のピストン240と止め部の間の様々な位置に設けられ得る。一例として、1つ以上の皿ばね座金260a(または他のそうした弾性変形可能要素(複数可))が、上方の第1のピストン220と下方の第2のピストン240の間に設けられ得る(例えば、第1のピストン220の下部座ぐり226aに)。そのような構成では、座金260aは、第1の作動位置への作動中、圧縮されることなく第1のピストン220および第2のピストン240と共に移動する。第1の作動位置において、第1のピストン220がアクチュエータ止め部218aと係合または接触すると、ピストンを戻りばね力に対抗して保持するのに必要とされる力を超える、アクチュエータに加えられたさらなる流体圧力により、皿ばね座金260aは圧縮されて、第2のピストン240および出力軸245を、第1のピストン220および止め部218aに対して軸方向に前進させ、バルブ要素がバルブシート(図示せず)からさらに遠くに移動しバルブを通る流れ力を増大させることを可能にする。
【0021】
別の例として、1つ以上の皿ばね座金(または他のそのような弾性変形可能要素(複数可))が、追加的にまたは代替的に、上方の第1のピストン220とアクチュエータ止め部218の間に設けられ得る。そのような例示的な構成の1つでは、皿ばね座金260bが、第1のピストン220の上部ステム222上の係合部228bとアクチュエータ入口ポート211内の内周リブ止め部218bの間に配置され得る。別の例示的な構成では、皿ばね座金260cが、追加的にまたは代替的に、第1のピストン220の上部肩部224上の係合部228cとアクチュエータ入口ポート211の端面止め部218cの間に配置され得る。そのような構成では、第1のピストン220の係合部228b、228cは、第1のピストン220および第2のピストン240が第1の作動位置に作動されたとき、アクチュエータ止め部218b、218cと間接的に係合する。ピストンを戻りばね力に対抗して保持するのに必要とされる力を超える、アクチュエータに加えられたさらなる流体圧力により、皿ばね座金260b、260cが圧縮されて、ピストン220、240および出力軸245を、止め部218b、218cに対して軸方向に前進させ、バルブ要素がバルブシート(図示せず)からさらに遠くに移動しバルブを通る流れ力を増大させることを可能にする。
【0022】
別の例として、1つ以上の皿ばね座金(または他のそのような弾性変形可能要素(複数可))が、追加的にまたは代替的に、下方の第2のピストン240と仕切り板230によって画定されるアクチュエータ止め部218dの間に設けられ得る。そのような構成では、第2のピストン240の上部肩部244上の係合部248dは、第1のピストン220および第2のピストン240が第1の作動位置に作動されたとき、アクチュエータ止め部218dと間接的に係合する。ピストンを戻りばね力に対抗して保持するのに必要とされる力を超える、アクチュエータに加えられたさらなる流体圧力により、皿ばね座金260dが圧縮されて、ピストン220、240および出力軸245を、止め部218dに対して軸方向に前進させ、バルブ要素がバルブシート(図示せず)からさらに遠くに移動しバルブを通る流れ力を増大させることを可能にする。
【0023】
図6は、バルブ380と共に組み立てられたアクチュエータ300を含む例示的な作動バルブアセンブリ301を示し、アクチュエータは、アクチュエータ入口圧力の調整に応じて調整可能な流れ力を提供するように構成された1つ以上の弾性変形可能要素を含むように適合されている。バルブ380は、流路382、および、ねじ式ボンネットナット389によってバルブ本体に固定されかつバルブ流路382を通る流体の流れを選択的に制御する(例えば、遮断するまたは通す)ためにバルブシート384に対して閉位置と開位置の間を軸方向に移動可能なバルブ要素383(例えば、ダイヤフラム)を画定するバルブ本体381を含む。アクチュエータ300は、入口ポート311、ならびに第1の力伝達ピストン320および第2の力伝達ピストン340を受ける第1のピストン室312および第2のピストン室314(例えば、示すように第2のハウジング部材310-2によって画定され得る仕切り板330で分けられた)を画定するハウジング310(例えば、螺合された第1の、第2の、かつ第3のハウジング部材310-1、310-2、310-2)を含む。第2のピストン340は、出力をバルブ380のバルブ要素383に加えるために、アクチュエータハウジング310における出力ポート315を通って延在する出力軸345と一体である。例示の実施形態に示されるように、アクチュエータ300は、バルブ380から(例えば、アクチュエータを極端なシステム流体温度から防護するために)、アクチュエータ出力ポート315とバルブボンネットナット389の間に組み立てられたボンネット延長部390および出力軸345とダイヤフラム383の間に配置された力伝達軸392によって離間され得る。他の実施形態では(図示せず)、アクチュエータ出口ポートは、バルブに直接組み立てられ得る(例えば、ボンネットナットに装着される)。
【0024】
第1のピストン室312はまた、第1のピストン320と係合して第1のピストン320および第2のピストン340を下方に押し下げる付勢ばね350を保持する。アクチュエータ300を動作させるのに、入口ポート311に加えられた加圧アクチュエータ流体(例えば空気)は、第1のピストン320および第2のピストン340の通路323、343を通過して、ピストン室312、314の下部を加圧し、ピストンを付勢ばね350に対抗して押し上げて、出力軸345を上方に移動させかつ第1のピストン320と第2のピストン340のうちの1つをアクチュエータハウジング310の止め部と直接的にまたは間接的に係合させる(以下により詳しく記載)。
【0025】
図6に示すように、弾性変形可能要素は、ピストン320、340のうちの1つとアクチュエータハウジングの止め部の間の様々な位置に設けられ得る。一例として、1つ以上の皿ばね座金360a(または他のそうした弾性変形可能要素(複数可))が、下方の第2のピストン340と仕切り板330によって画定されたアクチュエータ止め部318aの間に設けられ得る。そのような構成では、第1のピストン320および第2のピストン340が第1の作動位置に作動されたとき、第2のピストン340の外径ディスク部347上の係合部348aが、弾性変形可能要素360aを通してアクチュエータ止め部318aと間接的に係合する。ピストンを戻りばね力に対抗して保持するのに必要とされる力を超える、アクチュエータ入口ポート311に加えられたさらなる流体圧力により、弾性変形可能要素360aが圧縮され、ピストン320、340および出力軸345を止め部318aに対して軸方向に前進させ、バルブ要素383がバルブシート384からさらに遠くに移動しバルブ380を通る流れ力を増大させることを可能にする。
【0026】
別の例として、1つ以上の皿ばね座金360b(または他のそのような弾性変形可能要素(複数可))が、出力軸345(例えば、出力軸とともに組み立てられた保持リング346bと係合している)と、アクチュエータ出力ポート315(例えば、アクチュエータ出力ポートの端面)によって画定されたアクチュエータ止め部318bの間に設けられ得る。そのような構成では、第1のピストン320および第2のピストン340が第1の作動位置に作動されたとき、出力軸345上の係合部348bは、弾性変形可能要素360bを通してアクチュエータ止め部318bと間接的に係合する。ピストン320、340を戻りばね力に対抗して保持するのに必要とされる力を超える、アクチュエータ入口ポート311に加えられたさらなる流体圧力により、弾性変形可能要素360bが圧縮されて、ピストン320、340および出力軸345を止め部318bに対して軸方向に前進させ、バルブ要素383がバルブシート384からさらに遠くに移動しバルブ380を通る流れ力を増大させることを可能にする。
【0027】
他の実施形態では、他の弾性変形可能要素の構成が、追加的にまたは代替的に、用いられ得る。例えば、
図5に示され上記された例と同様に、1つ以上の弾性変形可能要素が、上部ピストンステム部とアクチュエータ入口ポート止め部の間に(例えば、
図6における位置360cに)、上部ピストンディスク部327とアクチュエータ入口ポート端面の間に(位置360dに)、または上部ピストン320と下部ピストンの間に(位置360eに)設けられ得る。
【0028】
さらに他の例示的な実施形態では、弾性変形可能要素は、追加的にまたは代替的に、ピストンと一体(例えば、ピストン(複数可)の弾性変形可能ウェブまたはピストンの弾性圧縮可能軸/ステム)かつ/またはアクチュエータ止め部と一体(例えば、アクチュエータ止め部の弾性変形可能タブまたはフランジ)であり得る。
【0029】
発明は、特定の例示的な実施形態に関して開示かつ記載されてきたが、特定の変形および変更は、本明細書を閲読した当業者に対して生じ得る。任意のそのような変形および変更は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の定義的限定にかかわらず、発明の範囲内に在る。したがって、出願人の一般的発明概念の精神または範囲から逸脱することなく、そのような詳細から発展がなされ得る。