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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】シート収納箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/08 20060101AFI20241119BHJP
   B65D 5/02 20060101ALI20241119BHJP
   B65D 5/54 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B65D83/08 A BSE
B65D5/02 H BSL
B65D5/02 BRL
B65D5/54 301A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020195660
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084065
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】夘野 絢子
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-154381(JP,A)
【文献】特開2010-168095(JP,A)
【文献】特開2020-019490(JP,A)
【文献】特開2011-240941(JP,A)
【文献】国際公開第2015/122263(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 5/02
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの取出口が設けられた天面、底面、一対の側面、及び一対の妻面を有し、
前記妻面は、
前記天面の端縁から延出する天面側フラップと、
前記底面の端縁から延出する底面側フラップと、
前記各側面の端縁から延出する一対の側面側フラップと、を有し、
前記天面側フラップは、前記底面側フラップ及び前記側面側フラップの外側に配置され、
前記底面側フラップは、前記側面側フラップの外側に配置され、
前記天面側フラップが前記底面側フラップと前記側面側フラップに接合され、
前記底面側フラップと前記側面側フラップとは接合されず、
前記底面側フラップの前記天面側に、前記底面側フラップの一部を切り欠いた切欠部が形成され、
前記切欠部に対応する前記底面側フラップの一部が、前記底面側フラップに接続する切欠フラップを構成し、
前記切欠フラップは、前記底面側フラップの前記天面側の端縁から前記底面側に延びる基端を有し、
前記切欠フラップが前記基端に沿って前記側面側フラップの内側に傾斜可能に形成され、
前記天面側フラップが前記底面側フラップの外側に配置された状態で前記切欠フラップの一部に重なる、シート収納箱。
【請求項2】
前記切欠フラップの基端に、山折りの折筋が形成されている、請求項1に記載のシート収納箱。
【請求項3】
前記底面側フラップに、開裂用切目線が形成され、
前記切欠フラップは、前記開裂用切目線が開裂して形成される、請求項1または2に記載のシート収納箱。
【請求項4】
前記開裂用切目線が、前記底面側フラップの前記天面側の端縁寄りから前記基端の前記底面側の端部に向かって延びる、請求項3に記載のシート収納箱。
【請求項5】
前記開裂用切目線が、前記開裂用切目線の前記底面側フラップの前記天面側の端部が前記底面側フラップの前記天面側の端縁から所定の間隔をあけて配置されている、請求項4に記載のシート収納箱。
【請求項6】
前記開裂用切目線の形状が、L字状である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項7】
前記開裂用切目線の形状が、前記基端から離れる方向に凸となる曲線状である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項8】
前記開裂用切目線の形状が、直線状である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項9】
前記開裂用切目線の形状が、逆T字状である、請求項3乃至5のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項10】
前記切欠フラップが、前記底面側フラップの前記天面側の端縁から前記底面側に延びる一対の基端を有する、請求項9に記載のシート収納箱。
【請求項11】
前記天面側フラップの前記切欠フラップの一部に重なる部分の前記底面側の端縁が、前記天面側に湾曲する、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【請求項12】
前記側面側フラップの前記天面側フラップに接合される部分が、前記天面側フラップ側に突出する、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のシート収納箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
シート収納箱は、ティシューペーパーなどのシートが、厚紙等で作られた箱(カートンともいう)に収納され、該箱の天面に開口する取出口から引き出される構造になっている。従来のシート収納箱は、使用後にそのままの状態で廃棄すると嵩張るため、使用後に解体できるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5920962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、少ない力で解体できるシート収納箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様に係るシート収納箱は、シートの取出口が設けられた天面、底面、一対の側面、及び一対の妻面を有し、前記妻面は、前記天面の端縁から延出する天面側フラップと、前記底面の端縁から延出する底面側フラップと、前記各側面の端縁から延出する一対の側面側フラップと、を有し、前記天面側フラップは、前記底面側フラップ及び前記側面側フラップの外側に配置され、前記底面側フラップは、前記側面側フラップの外側に配置され、前記天面側フラップが前記底面側フラップと前記側面側フラップに接合され、前記底面側フラップと前記側面側フラップとは接合されず、前記底面側フラップの前記天面側に、前記底面側フラップの一部を切り欠いた切欠部が形成され、前記切欠部に対応する前記底面側フラップの一部が、前記底面側フラップに接続する切欠フラップを構成し、前記切欠フラップは、前記底面側フラップの前記天面側の端縁から前記底面側に延びる基端を有し、前記切欠フラップは、前記基端に沿って前記側面側フラップの内側に傾斜可能に形成され、前記天面側フラップが前記底面側フラップの外側に配置された状態で、前記切欠フラップの一部に重なる。
【0006】
第1の態様では、天面側フラップが底面側フラップの外側に配置された状態で切欠フラップの一部に重なることで、切欠フラップの天面側フラップが重ならない部分に、シート収納箱を解体するための開口(以下、解体用の開口という)を形成することができる。また、解体用の開口に手指(指)を挿入することで、天面側フラップに指を掛けることができ、天面側フラップに掛けた指を手前に引くことで、シート収納箱を容易に解体することができる。
【0007】
また、第1の態様では、切欠フラップが基端に沿って側面側フラップの内側に傾斜可能に形成されていることで、切欠フラップがシート収納箱の内側に押し込み易く、少ない力で解体用の開口を形成することができる。また、天面側フラップが底面側フラップと側面側フラップに接合され、底面側フラップと側面側フラップとが接合されないことで、少ない力でシート収納箱を解体することができる。
【0008】
さらに、第1の態様では、基端に沿って側面側フラップの内側に傾斜する切欠フラップが、底面側フラップに接続するため、シート収納箱の解体時に破断片等のごみが発生しない。そのため、第1の態様では、シート収納箱の使用後の廃棄が容易である。
【0009】
第2の態様に係るシート収納箱は、前記切欠フラップの基端に、山折りの折筋が形成されている。第2の態様では、切欠フラップの基端に山折りの折筋を設けることで、基端を起点として切欠フラップが折れ曲がりやすくなる。これにより、切欠フラップがシート収納箱の内側に押し込んで解体用の開口を形成する際に、切欠フラップが撓んだり、切欠フラップが予期せぬ部分で折れ曲がることを抑制することができる。
【0010】
第3の態様に係るシート収納箱は、前記底面側フラップに、開裂用切目線が形成され、前記切欠フラップは、前記開裂用切目線が開裂して形成される。本明細書において、開裂用切目線は、カットとタイ(2つのカット間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイが破断すると両隣のカットが連続したカットになる切目線を示す。
【0011】
第3の態様では、底面側フラップに開裂用切目線が形成され、開裂用切目線が開裂すると切欠フラップが形成されることで、シート収納箱の解体前(シート収納箱の使用前及び使用中)は、開裂用切目線を開裂しない限り、妻面に解体用の開口が形成されにくい。また、シート収納箱の使用後は、各開裂用切目線を開裂することで、シート収納箱を解体することができる。
【0012】
第4の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線が、前記底面側フラップの前記天面側の端縁寄りから前記基端の前記底面側の端部に向かって延びる。第4の態様では、底面側フラップの天面側の端縁寄りから基端の底面側の端部に向かって延びる開裂用切目線を設けることで、開裂用切目線が開裂しやすい。また、開裂用切目線を開裂させたときに、基端に沿って側面側フラップの内側に傾斜し得る切欠フラップを形成しやすくなる。
【0013】
第5の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線が、前記開裂用切目線の前記底面側フラップの前記天面側の端部が前記底面側フラップの前記天面側の端縁から所定の間隔をあけて配置されている。第5の態様では、開裂用切目線の底面側フラップの天面側の端部が底面側フラップの天面側の端縁から所定の間隔をあけて開裂用切目線が配置されていることで、シート収納箱の解体前に予期しない開裂用切目線の開裂を防ぐことができる。
【0014】
第6の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線の形状が、L字状である。第6の態様では、開裂用切目線の形状をL字状にすることで、開裂用切目線の開裂方向が2方向になるため、開裂用切目線が開裂しやすい。また、開裂用切目線が開裂した後に底面側フラップに形成される切欠部の形状が略矩形状になる。そのため、第6の態様では、解体用の開口面積が広くなり、シート収納箱の解体時に解体用の開口に指が挿入しやすくなる。
【0015】
第7の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線の形状が、前記基端から離れる方向に凸となる曲線状である。第7の態様では、開裂用切目線の形状を曲線状にすることで、開裂用切目線を開裂する力が開裂用切目線に沿って伝わりやすくなる。そのため、第7の態様では、少ない力で解体用の開口を形成することができる。
【0016】
また、第7の態様では、開裂用切目線の形状が、前記基端から離れる方向に凸となる曲線状にすることで、開裂用切目線が開裂した後に底面側フラップに形成される切欠部の形状が略扇形状になる。そのため、第7の態様では、解体用の開口面積が広くなり、シート収納箱の解体時に解体用の開口に指が挿入しやすくなる。
【0017】
第8の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線の形状が、直線状である。第8の態様では、開裂用切目線の形状を直線状にすることで、切欠フラップの基端に対する開裂用切目線の位置決めが容易になる。また、開裂用切目線が開裂した後に底面側フラップに形成される切欠部の形状が略三角形状になる、そのため、第8の態様では、解体用の開口面積が広くなり、シート収納箱の解体時に解体用の開口に指を挿入することができる。
【0018】
第9の態様に係るシート収納箱は、前記開裂用切目線の形状が、逆T字状である。第9の態様では、開裂用切目線の形状を逆T字状にすることで、開裂用切目線が開裂したときに最大で2つの切欠フラップを形成することができる。これにより、2つの切欠フラップのうち少なくとも一方の切欠フラップが形成されるだけで、解体用の開口を形成することができる。
【0019】
また、第9の態様では、開裂用切目線の形状を逆T字状にすることで、2つの切欠フラップが形成されることにより、解体用の開口面積を大きくすることができる。また、回転方向が異なる2つの切欠フラップを形成することができるため、利き手を問わず切欠フラップをシート収納箱の内側に押し込むことができる。
【0020】
第10の態様に係るシート収納箱は、前記切欠フラップが、前記底面側フラップの前記天面側の端縁から前記底面側に延びる一対の基端を有する。第10の態様では、切欠フラップが、前記底面側フラップの前記天面側の端縁から前記底面側に延びる一対の基端を有することで、上述のように逆T字状の開裂用切目線を開裂して形成された2つの切欠フラップがそれぞれ基端に沿って側面側フラップの内側に傾斜することができる。そのため、2つの切欠フラップはいずれも、シート収納箱の内側に押し込み易くなる。
【0021】
第11の態様に係るシート収納箱は、前記天面側フラップの前記切欠フラップの一部に重なる部分の前記底面側の端縁が、前記天面側に湾曲する。第11の態様では、天面側フラップの切欠フラップの一部に重なる部分の底面側の端縁を天面側に湾曲させることで、解体用の開口面積を天面側に広げることができる。これにより、解体用の開口に指を挿入する際、または天面側フラップに指を掛ける際に、指への負担を少なくすることができる。
【0022】
第12の態様に係るシート収納箱は、前記側面側フラップの前記天面側フラップに接合される部分が、前記天面側フラップ側に突出する。第12の態様では、側面側フラップの天面側フラップに接合される部分を天面側フラップ側に突出させることで、側面側フラップの高さと底面側フラップの高さを天面側フラップに対して面一にすることができる。
【0023】
これにより、第12の態様では、天面側フラップと側面側フラップとの間の距離を短くすることができるため、天面側フラップと側面側フラップとの接合に必要な接着剤の量を少なくすることができる。また、このように天面側フラップと側面側フラップとの接合に必要な接着剤の量が少なくなることで、天面側フラップと側面側フラップとの接合が解けやすくなるため、少ない力でシート収納箱を解体することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、シート収納箱を少ない力で解体することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態のシート収納箱を示す図。
図2】第1実施形態のシート収納箱の展開図である。
図3】第1実施形態のシート収納箱を側面(一方の妻面)側から見た図。
図4】第1実施形態のシート収納箱の側面(一方の妻面)の一部(天面側フラップ)を展開した図である。
図5】第1実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図。
図6図3のA-A線断面図。
図7図3のB-B線断面図。
図8】第1実施形態のシート収納箱で開裂用切目線が開裂した図。
図9】第1実施形態のシート収納箱が解体された状態を示す図。
図10】第1実施形態の変形例における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図。
図11】第2実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図。
図12】第3実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図。
図13】第4実施形態のシート収納箱を示す図。
図14】第4実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図。
図15】第4実施形態のシート収納箱で開裂用切目線が開裂した図。
図16】第4実施形態のシート収納箱が解体された状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。また、各図において、各部材の縮尺は実際とは異なる場合がある。
【0027】
本明細書では、3軸方向(X方向、Y方向、Z方向)の3次元直交座標系を用い、シート収納箱の長手方向をX方向とし、短手方向をY方向とし、高さ方向をZ方向とする。また、上方とは、シート収納箱の高さ方向(Z方向)において、箱体の天面の上側を示す。
【0028】
図1は、第1実施形態のシート収納箱を示す図である。図2は、第1実施形態のシート収納箱の展開図である。図3は、第1実施形態のシート収納箱を側面(一方の妻面)側から見た図である。第1実施形態のシート収納箱の側面(一方の妻面)の一部(天面側フラップ)を展開した図である。なお、図2において、符号G1、G2、G3は、シート収納箱を製造する際に用いられる接着剤を示す。
【0029】
第1実施形態に係るシート収納箱1は、シートSの取出口20が設けられた天面11、底面12、一対の側面13、14、及び一対の妻面15、16を有する。具体的には、シート収納箱1複数枚のシートSが収容される箱体10と、複数枚のシートSが取り出し可能な取出口20とを有する。
【0030】
箱体10は、シートSが収容される容器である。本実施形態では、図1に示すように、箱体10が略直方体(立方体を含む)状に形成されている。具体的には、箱体10は、天面11、底面12、側面13、14、および側面(妻面)15、16を有する。天面11と底面12は、高さ方向(Z方向)に対向し、側面13、14は、短手方向(Y方向)に対向し、妻面15、16は、長手方向(X方向)に対向する。
【0031】
箱体10は、図2に示すように、底面12の端縁12Cに接着剤G1が設けられた貼代17が接続され、この貼代17が側面13の端縁13C側に接合される。妻面15は、天面側フラップ151、底面側フラップ152、側面側フラップ153、側面側フラップ154とで構成され、妻面16は、天面側フラップ161、底面側フラップ162、側面側フラップ163、側面側フラップ164とで構成されている。
【0032】
具体的には、図2に示すように、天面11の端縁11Aから天面側フラップ151が延出し、天面11の端縁11Bから天面側フラップ161が延出する。底面12の端縁12Aから底面側フラップ152が延出し、底面12の端縁12Bから底面側フラップ162が延出する。側面13の端縁13A、13Bから側面側フラップ153、163がそれぞれ延び、側面14の端縁14A、14Bから側面側フラップ154、164がそれぞれ延びる。
【0033】
なお、天面11の端縁11A、11B、底面12の端縁12A、12B、側面13の端縁13A、13B、及び側面14の端縁14A、14Bには、天面11に対して天面側フラップ151、161が、底面12に対して底面側フラップ152、162が、側面13に対して側面側フラップ153、163が、及び側面14に対して側面側フラップ154、164が、いずれも折り曲げ可能に図示しない折り目が設けられている。
【0034】
天面側フラップ151は、底面側フラップ152及び側面側フラップ153、154、の外側に配置され、天面側フラップ161は、底面側フラップ162及び側面側フラップ163、164の外側に配置される。底面側フラップ152は、側面側フラップ153、154の外側に配置され、底面側フラップ162は、側面側フラップ163、164の外側に配置される。
【0035】
天面側フラップ151は、底面側フラップ152と側面側フラップ153、154に接合され、天面側フラップ161は、底面側フラップ162と側面側フラップ163、164に接合される。また、底面側フラップ152、162と側面側フラップ153、154、163、164とは接合されない。
【0036】
具体的には、接着剤G2を介して、天面側フラップ151と底面側フラップ152とが接合され、天面側フラップ161と底面側フラップ162とが接合される。また、接着剤G3を介して、天面側フラップ151と側面側フラップ153、154とが接合され、天面側フラップ161と側面側フラップ163、164とが接合される(図2)。この状態で、妻面15、16が形成される(図1図2)。
【0037】
接着剤G2は、天面側フラップ151では端縁151A寄り且つ端縁151B寄りと端縁151A寄り且つ端縁151C寄りに設けられ、天面側フラップ161では端縁161A寄り且つ端縁161B寄りと端縁161A寄り且つ端縁161C寄りに設けられる。また、接着剤G2は、底面側フラップ152では端縁152A寄り且つ端縁152B寄りと端縁152A寄り且つ端縁152C寄りに設けられ、底面側フラップ162では端縁162A寄り且つ端縁162B寄りと端縁162A寄り且つ端縁162C寄りに設けられる(図2)。
【0038】
接着剤G3は、天面側フラップ151では天面11の端縁11Aと端縁151Aとの中間の端縁151B寄りと端縁11Aと端縁151Aとの中間の端縁151C寄りに設けられる。また、天面側フラップ161では天面11の端縁11Aと端縁161Aとの中間の端縁161B寄りと端縁11Bと端縁161Aとの中間の端縁161C寄りに設けられる。また、接着剤G3は、底面側フラップ152では端縁152A寄り且つ端縁152B寄りと端縁152A寄り且つ端縁152C寄りに設けられ、底面側フラップ162では端縁162A寄り且つ端縁162B寄りと端縁162A寄り且つ端縁162C寄りに設けられる(図2)。
【0039】
なお、妻面15、16では、天面側フラップ151、161の全体が露出する。また、底面側フラップ152、162は、天面側フラップ151、161と重なる部分が隠蔽され、該重なる部分を除く部分が露出する。さらに、側面側フラップ153、154、163、164は、隠蔽される(図1図2図3)。
【0040】
また、妻面15では、側面側フラップ153、154の端縁153A、154Aが短手方向(Y方向)に対向し、端縁153B、154Bが天面11側に配置され、端縁153C、154Cが底面12側に配置される。また、妻面16では、側面側フラップ163、164の端縁163A、164Aが短手方向(Y方向)に対向し、端縁163B、164Bが天面11側に配置され、端縁163C、164Cが底面12側に配置される(図3)。
【0041】
箱体10の材質は、限定されず、例えば、パルプを主原料とする原紙Jが用いられる。ここで、原紙は、箱体10を組み立てるための材料となる堅くて厚い紙を示す。原紙のパルプ組成は、箱体における公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。本実施形態では、原紙としてバージンパルプ、古紙パルプなどを原料とするコートボール紙が用いられている。
【0042】
箱体10の寸法は、限定されず、収納されるシートSの量や寸法などにより定めることができる。なお、箱体10の寸法は、例えば、箱体10の長手方向(X方向)の長さを、100mm以上300mm以下にすることができ、好ましくは150mm以上280mm以下にする。また、短手方向(Y方向)の幅を100mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは100mm以上130mm以下にする。さらに、高さ方向(Z方向)の高さを、30mm以上150mm以下にすることができ、好ましくは40mm以上100mm以下にする。
【0043】
箱体10の坪量は、限定されないが、使用に耐えうる十分な強度を確保する観点から、原紙の坪量が200g/m以上500g/m以下にすることができ、好ましくは230g/m以上450g/m以下であり、より好ましくは270g/m以上430g/m以下である。なお、本明細書において、坪量とは、JIS P 8124(1998)の坪量測定方法に準じて測定したものである。
【0044】
箱体10の厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、箱体10がコートボール紙の場合、箱体10の紙厚は、0.1mm以上3mm以下にすることができ、好ましくは0.3mm以上2mm以下、より好ましくは0.5mm以上1mm以下である。
【0045】
本実施形態では、箱体10に収容される複数枚のシートSは、複数枚のシートSが高さ方向(Z方向)に積層されたシート積層体SLで構成されている(図4)。
【0046】
シートSの材質は、特に限定されず、例えば、紙、不織布または布等のシートを用いることができ、好ましくは紙のシート(以下、紙シートという)である。パルプ組成は、紙シートにおける公知の組成を用いることができる。例えば、パルプの配合割合を、50質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは100質量%とすることができる。
【0047】
また、シートSの坪量は、特に限定されないが、プライ数に応じて、紙の場合は5g/m以上80g/m以下、不織布の場合は20g/m以上100g/m以下のものが望ましい。なお、坪量は、JIS P 8124の規定に準拠して測定することができる。
【0048】
また、シートSの厚みは、特に限定されず、JIS P 8111(1998)の環境下で測定された紙厚を採用することができる。例えば、シートSを構成する紙シートの紙厚は、2プライあたり、50μm以上500μm以下にすることができ、好ましくは60μm以上330μm以下である。
【0049】
シートSの用途は、ティシューペーパーに限定されず、例えば、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル、ベビー用または介護用の紙おむつ、生理用ナプキン等の物品に適用可能である。なお、ティシューペーパー等の衛生薄葉紙には、保湿成分を含んだ衛生薄葉紙(例えば、ローションティシュー等)も含まれる。また、シートSは、産業用、家庭用、携帯用のいずれにも適用できる。なお、本実施形態では、これらの中でも、家庭用のティシューペーパーが好適に用いられる。
【0050】
シートSのプライ数は、1プライ以上にすることができ、好ましくは1プライ、より好ましくは2プライ(2枚重ね)である。また、シートSの形状は、特に限定されず、例えば、2プライのシートが折り畳まれた状態の形状が平面視で長方形であることが好ましい。
【0051】
シート積層体SLの形態は、特に限定されず、例えば、各シートSが折り込まれた状態で互い違いに積層されたもの(いわゆるポップアップ式のシート積層体SL)、複数枚(または複数組)のシートSが単に積層されたもの、各シートSが折り畳まれた状態で積層されたもの等が挙げられる。なお、シートSを1枚または1組ずつ引き出す観点から、シート積層体SLの形態は、ポップアップ式のシート積層体SLが好ましい。
【0052】
シート積層体SLの寸法は、例えば、ティシューペーパーの場合、長手方向(X方向)の長さが150mm以上250mm以下であり、短手方向(Y方向)の長さが60mm以上130mm以下であり、高さ方向(Z方向)の高さ20mm以上110mm以下である。このようなシート積層体は、例えば、ロータリー式又はマルチスタンド式インタフォルダによって製造することができる。
【0053】
取出口20は、箱体10の天面11に形成され、箱体10に収容されているシート(ティシューペーパー)Sを天面11側から取り出すことができる形状になっている。取出口20は、天面11の長手方向(X方向)の中央に形成され、天面11の長手方向(X方向)に沿う方向が取出口20の長手方向となる略長方形状の開口を構成する。
【0054】
なお、取出口20の長手方向(X方向)の長さや短手方向(Y方向)の幅は、シートSの大きさ等に基づいて適宜定めることができる。また、本実施形態では、取出口20は、シート収納箱1の天面11の短手方向(Y方向)の中間に長手方向(X方向)に沿って長方形状に形成されているが、これに限定されず、シートSを取り出すことができれば、他の形状でもよい。
【0055】
シート収納箱1は、使用前の段階では、天面11に、ミシン目等の破断用切目線21を介してシート収納箱1と一体に形成された蓋22を有する。使用時には、蓋22を破断用切目線21に沿って切り離し、天面11に取出口20を形成する。これにより、収容空間内のシートSは、取出口20から上方に取り出すことができる。なお、本実施形態において、破断用切目線21は、使用時において蓋22を切り離す切り取り線を示す。
【0056】
また、天面11の取出口20には、取出口20を天面11の裏面(シート収納箱1の内側)から覆うように長手方向(X方向)にスリット31を有する樹脂フィルム(いわゆる窓貼フィルム)30が設けられている。なお、樹脂フィルム30は、天面11の裏面に、取出口20の周囲に塗布された接着剤などにより固定されている。シートSは、このスリット31を通して外部に取り出される。なお、樹脂フィルム30の材質としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどを用いることができるが、これらに限定されない。
【0057】
本実施形態では、底面側フラップ152の天面11側に、底面側フラップ152の一部を切り欠いた切欠部40Bが形成される。また、底面側フラップ162の天面11側には、底面側フラップ162の一部を切り欠いた切欠部70Bが形成される。
【0058】
この切欠部40Bに対応する底面側フラップ152の一部は、底面側フラップ152に接続する切欠フラップ155を構成する。また、切欠部70Bに対応する底面側フラップ162の一部は、底面側フラップ162に接続する切欠フラップ165を構成する。
【0059】
切欠フラップ155は、底面側フラップ152の天面11側の端縁152Aから底面12側に延びる基端50を有する。切欠フラップ165は、底面側フラップ162の天面11側の端縁162Aから底面12側に延びる基端80を有する。
【0060】
切欠フラップ155は、基端50に沿って側面側フラップ153、154の内側に傾斜可能に形成される。切欠フラップ165は、基端80に沿って側面側フラップ163、164の内側に傾斜可能に形成される。
【0061】
天面側フラップ151は、底面側フラップ152の外側に配置された状態で、切欠フラップ155の一部155Aに重なる。天面側フラップ161は、底面側フラップ162の外側に配置された状態で、切欠フラップ165の一部165Aに重なる。
【0062】
本実施形態のシート収納箱1において、切欠フラップ155の基端50には、端部50Aから端部50Bに延びる山折りの折筋Fが形成されていることが好ましい。また、切欠フラップ165の基端80には、端部80Aから端部80Bに延びる山折りの折筋Fが形成されていることが好ましい。
【0063】
本実施形態のシート収納箱1において、底面側フラップ152には、開裂用切目線40が形成されている。また、底面側フラップ162には、開裂用切目線70が形成されている。そして、切欠フラップ155は、開裂用切目線40が開裂して形成される。また、切欠フラップ165は、開裂用切目線70が開裂して形成される。
【0064】
ここで、開裂用切目線40、70は、カットCとタイT(2つのカットC間のカットされていない部分)が交互に配置され、タイTが破断すると両隣のカットCが連続したカットになる切目線である(図5)。切欠フラップ155は、開裂用切目線40が開裂して形成される。切欠フラップ165は、開裂用切目線70が開裂して形成される。
【0065】
なお、開裂用切目線40、70において、各カットCの長さは、0.3mm以上40mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上35mm以下であり、より好ましくは1mm以上30mm以下である。また、各タイTの長さは、0.3mm以上2.5mm以下とすることができ、好ましくは0.5mm以上1.5mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上1.2mm以下である。
【0066】
本実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40は、底面側フラップ152の天面11側の端縁152A寄りから基端50の底面12側の端部50Bに向かって延びる。また、開裂用切目線70は、底面側フラップ162の天面11側の端縁162A寄りから基端80の底面12側の端部80Bに向かって延びる。
【0067】
本実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40は、開裂用切目線40の底面側フラップ152の天面11側の端部(後述する第1ミシン目41の端部41A)が底面側フラップ152の天面11側の端縁152Aから所定の間隔Dをあけて配置されている。所定の間隔Dは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以上6mm以下、より好ましくは1mm以上5mm以下、さらに好ましくは2mm以上4mm以下である。
【0068】
また、開裂用切目線70は、開裂用切目線70の底面側フラップ162の天面11側の端部71Aが底面側フラップ162の天面11側の端縁162Aから所定の間隔Dをあけて配置されている。所定の間隔Dは、特に限定されないが、好ましくは0.5mm以上6mm以下、より好ましくは1mm以上5mm以下、さらに好ましくは2mm以上4mm以下である。
【0069】
本実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40、70の形状は特に限定されない。第1実施形態では、開裂用切目線40、70の形状が、L字状である(図1図5)。
【0070】
L字状の開裂用切目線40は、妻面15の高さ方向(Z方向)に延びる第1ミシン目41と短手方向(Y方向)に延びる第2ミシン目42とで構成されている。第1ミシン目41の端部41Aは、開裂用切目線40の底面側フラップ152の天面11側の端部を構成する。第1ミシン目41の端部41Bは、第2ミシン目42の端部42Aと接続する。第2ミシン目42は、基端50の端部50Bに接続する。第2ミシン目42の端部42Bは、基端50の端部50Bよりも側面14側に位置する(図2図3図5)。
【0071】
L字状の開裂用切目線70は、妻面16の高さ方向(Z方向)に延びる第1ミシン目71と短手方向(Y方向)に延びる第2ミシン目72とで構成されている。第1ミシン目71の端部71Aは、開裂用切目線70の底面側フラップ162の天面11側の端部を構成する。第1ミシン目71の端部71Bは、第2ミシン目72の端部72Aと接続する。第2ミシン目72は、基端80の端部80Bに接続する。第2ミシン目72の端部72Bは、基端80の端部80Bよりも側面13側に位置する(図2)。
【0072】
本実施形態のシート収納箱1において、天面側フラップ151の切欠フラップ155の一部155Aに重なる部分151Dの底面12側の端縁が、天面11側に湾曲し、天面側フラップ161の切欠フラップ165の一部165Aに重なる部分161Dの底面12側の端縁が、天面11側に湾曲する。
【0073】
具体的には、部分151Dの底面12側の端縁が、湾曲部60を構成し、部分161Dの底面12側の端縁が、湾曲部90を構成する(図1図5)。また、湾曲部60の端部61は、基端50の交点50Cに重なり、湾曲部60の端部62は、第1ミシン目41の交点41Cに重なる。湾曲部90の端部91は、第1ミシン目71の交点71Cに重なり、湾曲部90の端部92は、基端80の交点80Cに重なる(図2図5)。
【0074】
なお、湾曲部60の端部61および端部62の位置は、この形態に限定されず、切欠フラップ155の内側または外側でもよい。また、湾曲部90の端部91および端部92の位置は、この形態に限定されず、切欠フラップ165の内側または外側でもよい。
【0075】
本実施形態のシート収納箱1において、側面側フラップ153、154の天面側フラップ151に接合される部分153D、154Dは、天面側フラップ151側に突出し、側面側フラップ163、164の天面側フラップ161に接合される部分163D、164Dが、天面側フラップ161側に突出する。具体的には、接着剤G3が塗布される部分が、突出部153D、154D、163D、164Dを構成する(図2図6図7)。
【0076】
以下、第1実施形態の効果について、説明する。第1実施形態のシート収納箱1では、上述のように、天面側フラップ151が底面側フラップ152の外側に配置された状態で切欠フラップ155の一部155Aに重なる。また、天面側フラップ161が底面側フラップ162の外側に配置された状態で切欠フラップ165の一部165Aに重なる。
【0077】
これにより、本実施形態では、切欠フラップ155の天面側フラップ151が重ならない部分155Bに、シート収納箱1を解体するための開口(解体用の開口)40Aを形成することができる。また、切欠フラップ165の天面側フラップ161が重ならない部分165Bに、シート収納箱1を解体するための開口(解体用の開口)70Aを形成することができる(図8)。
【0078】
また、本実施形態では、解体用の開口40Aに手指(指P)を挿入することで、天面側フラップ151に指Pを掛けることができ、天面側フラップ151に掛けた指Pを手前に引くことで、シート収納箱1を容易に解体することができる。また、解体用の開口70Aに手指(指P)を挿入することで、天面側フラップ161に指Pを掛けることができ、天面側フラップ161に掛けた指Pを手前に引くことで、シート収納箱1を容易に解体することができる(図8図9)。
【0079】
また、本実施形態では、切欠フラップ155が基端50に沿って側面側フラップ153、154の内側に傾斜可能に形成されていることで、切欠フラップ155がシート収納箱1の内側に押し込み易く、少ない力で解体用の開口40Aを形成することができる。また、切欠フラップ165が基端80に沿って側面側フラップ163、164の内側に傾斜可能に形成されていることで、切欠フラップ165がシート収納箱1の内側に押し込み易く、少ない力で解体用の開口70Aを形成することができる(図8)。
【0080】
また、本実施形態では、天面側フラップ151が底面側フラップ152と側面側フラップ153、154に接合され、底面側フラップ152と側面側フラップ153、154とが接合されないことで、少ない力でシート収納箱1を解体することができる。また、天面側フラップ161が底面側フラップ162と側面側フラップ163、164に接合され、底面側フラップ162と側面側フラップ163、164とが接合されないことで、少ない力でシート収納箱1を解体することができる(図9)。
【0081】
さらに、本実施形態では、基端50に沿って側面側フラップ153、154の内側に傾斜する切欠フラップ155が、底面側フラップ152に接続するため、シート収納箱1の解体時に破断片等のごみが発生しない。また、基端80に沿って側面側フラップ163、164の内側に傾斜する切欠フラップ165が、底面側フラップ162に接続するため、シート収納箱1の解体時に破断片等のごみが発生しない。そのため、本実施形態では、シート収納箱1の使用後の廃棄が容易である(図9)。
【0082】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、切欠フラップ155の基端50に山折りの折筋Fを設けることで、基端50を起点として切欠フラップ155が折れ曲がりやすくなる。これにより、切欠フラップ155がシート収納箱1の内側に押し込んで解体用の開口40Aを形成する際に、切欠フラップ155が撓んだり、切欠フラップ155が予期せぬ部分で折れ曲がることを抑制することができる(図2図8)。
【0083】
また、切欠フラップ165の基端80に山折りの折筋Fを設けることで、基端80を起点として切欠フラップ165が折れ曲がりやすくなる。これにより、切欠フラップ165がシート収納箱1の内側に押し込んで解体用の開口70Aを形成する際に、切欠フラップ165が撓んだり、切欠フラップ165が予期せぬ部分で折れ曲がることを抑制することができる(図2)。
【0084】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、底面側フラップ152に開裂用切目線40が形成されることで、開裂用切目線40が開裂すると切欠フラップ155が形成される。これにより、シート収納箱1の解体前(シート収納箱1の使用前及び使用中)は、開裂用切目線40を開裂しない限り、妻面15に解体用の開口40Aが形成されにくい。また、シート収納箱1の使用後は、開裂用切目線40を開裂することで、シート収納箱1を解体することができる(図2図8図9)。
【0085】
また、上述のように、底面側フラップ162に開裂用切目線70が形成されることで、開裂用切目線70が開裂すると切欠フラップ165が形成される。これにより、シート収納箱1の解体前(シート収納箱1の使用前及び使用中)は、開裂用切目線70を開裂しない限り、妻面16に解体用の開口70Aが形成されにくい。また、シート収納箱1の使用後は、開裂用切目線70を開裂することで、シート収納箱1を解体することができる(図2)。
【0086】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、底面側フラップ152の天面11側の端縁152A寄りから基端50の底面12側の端部50Bに向かって延びる開裂用切目線40を設けることで、開裂用切目線40が開裂しやすい。また、開裂用切目線40を開裂させたときに、基端50に沿って側面側フラップ153、154の内側に傾斜し得る切欠フラップ155を形成しやすくなる(図2図8図9)。
【0087】
また、底面側フラップ162の天面11側の端縁162A寄りから基端80の底面12側の端部80Bに向かって延びる開裂用切目線70を設けることで、開裂用切目線70が開裂しやすい。また、開裂用切目線70を開裂させたときに、基端80に沿って側面側フラップ163、164の内側に傾斜し得る切欠フラップ165を形成しやすくなる(図2)。
【0088】
本実施形態のシート収納箱1では、開裂用切目線40の底面側フラップ152の天面11側の端部41Aが底面側フラップ152の天面11側の端縁152Aから所定の間隔Dをあけて開裂用切目線40が配置されていることで、シート収納箱1の解体前に予期しない開裂用切目線40の開裂を防ぐことができる(図2図3図8)。
【0089】
また、開裂用切目線70の底面側フラップ162の天面11側の端部71Aが底面側フラップ162の天面11側の端縁162Aから所定の間隔Dをあけて開裂用切目線70が配置されていることで、シート収納箱1の解体前に予期しない開裂用切目線70の開裂を防ぐことができる(図2)。
【0090】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、開裂用切目線40、70の形状をL字状にすることで、開裂用切目線40、70の開裂方向が2方向になるため、開裂用切目線40、70が開裂しやすい。また、開裂用切目線40、70が開裂した後に底面側フラップ152、162に形成される切欠部40B、70Bの形状が略矩形状になる。そのため、本実施形態では、解体用の開口40A、70Aの面積が広くなり、シート収納箱1の解体時に解体用の開口40A、70Aに指Pが挿入しやすくなる(図2図8図9)。
【0091】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、天面側フラップ151の切欠フラップ155の一部155Aに重なる部分151Dの底面12側の端縁を天面11側に湾曲させることで、解体用の開口40Aの面積を天面11側に広げることができる。これにより、解体用の開口40Aに指Pを挿入する際、または天面側フラップ151に指Pを掛ける際に、指Pへの負担を少なくすることができる(図2図8図9)。
【0092】
天面側フラップ161の切欠フラップ165の一部165Aに重なる部分161Dの底面12側の端縁を天面11側に湾曲させることで、解体用の開口70Aの面積を天面11側に広げることができる。これにより、解体用の開口70Aに指Pを挿入する際、または天面側フラップ161に指Pを掛ける際に、指Pへの負担を少なくすることができる(図2)。
【0093】
なお、本実施形態では、開裂用切目線40の第2ミシン目42が基端50の端部50Bに接続し、第2ミシン目42の端部42Bが基端50の端部50Bよりも側面14側に位置することで、基端50に対する開裂用切目線40の位置決めが容易になる(図2図3図5)。また、開裂用切目線40が基端50の端部50Bまで開裂しやすくなるため、基端50を起点とする切欠フラップ155の形成が容易である。
【0094】
また、開裂用切目線70の第2ミシン目72が基端80の端部80Bに接続し、第2ミシン目42の端部42Bが基端50の端部50Bよりも側面14側に位置させることで、基端80に対する開裂用切目線70の位置決めが容易になる(図2)。また、開裂用切目線70が基端80の端部80Bまで開裂しやすくなるため、基端80を起点とする切欠フラップ165の形成が容易である。
【0095】
本実施形態のシート収納箱1では、上述のように、側面側フラップ153、154の天面側フラップ151に接合される部分を天面側フラップ151側に突出させることで、側面側フラップ153、154の高さH1と底面側フラップ152の高さH2を天面側フラップ151に対して面一にすることができる(図2図7図6)。
【0096】
また、側面側フラップ163、164の天面側フラップ161に接合される部分を天面側フラップ161側に突出させることで、側面側フラップ163、164の高さH1と底面側フラップ162の高さH2を天面側フラップ161に対して面一にすることができる(図2)。
【0097】
これにより、本実施形態では、天面側フラップ151と側面側フラップ153、154との間の距離Lを短くすることができるため、天面側フラップ151と側面側フラップ153、154との接合に必要な接着剤の量を少なくすることができる。また、このように、天面側フラップ151と側面側フラップ153、154との接合に必要な接着剤の量が少なくなることで、天面側フラップ151と側面側フラップ153、154との接合が解けやすくなるため、少ない力でシート収納箱1を解体することができる(図7図6)。
【0098】
また、天面側フラップ161と側面側フラップ163、164との間の距離Lを短くすることができるため、天面側フラップ161と側面側フラップ163、164との接合に必要な接着剤の量を少なくすることができる。また、このように天面側フラップ161と側面側フラップ163、164との接合に必要な接着剤の量が少なくなることで、天面側フラップ161と側面側フラップ163、164との接合が解けやすくなるため、少ない力でシート収納箱1を解体することができる(図2)。
【0099】
図10は、第1実施形態の変形例における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図である。なお、図10において、第1実施形態と共通する部分は、図5に付した符号を付して説明を省略する。
【0100】
第1実施形態の変形例において、L字状の開裂用切目線40は、第1ミシン目41の端部41Bと第2ミシン目42の端部42Aとの間に、基端50から離れる方向に凸となる曲線状の第3ミシン目43が形成されている。また、L字状の開裂用切目線70には、第1ミシン目71の端部71Bと第2ミシン目72の端部72Aとの間に、基端80から離れる方向に凸となる曲線状の第3ミシン目73が形成されている(図2図10)。
【0101】
第1実施形態の変形例では、L字状の開裂用切目線40において、第1ミシン目41と第2ミシン目42の間に、基端50から離れる方向に凸となる曲線状の第3ミシン目43が形成されていることで、開裂用切目線40を開裂する力が開裂用切目線40全体に伝わりやすくなる。そのため、第1実施形態の変形例では、解体用の開口40Aの面積が広くしながら、少ない力で解体用の開口40Aを形成することができる(図2図10)。
【0102】
また、L字状の開裂用切目線70において、第1ミシン目71と第2ミシン目72の間に、基端80から離れる方向に凸となる曲線状の第3ミシン目73が形成されている。これにより、開裂用切目線70を開裂する力が開裂用切目線70全体に伝わりやすくなる。そのため、第1実施形態の変形例では、解体用の開口70Aの面積が広くしながら、少ない力で解体用の開口70Aを形成することができる(図2)。
【0103】
図11は、第2実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図である。なお、図11において、第1実施形態と共通する部分は、図5に付した符号を付して説明を省略する。
【0104】
第2実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40の形状は、基端50から離れる方向に凸となる曲線状である。また、開裂用切目線70の形状は、基端80から離れる方向に凸となる曲線状である。
【0105】
第2実施形態では、開裂用切目線40の端部41Aは、開裂用切目線40の底面側フラップ152の天面11側の端部を構成する。開裂用切目線40の端部41Bは、基端50の端部50Bに接続する(図11)。また、開裂用切目線70の端部71Aは、開裂用切目線70の底面側フラップ162の天面11側の端部を構成する。開裂用切目線70の端部71Bは、基端80の端部80Bに接続する。
【0106】
第2実施形態では、開裂用切目線40、70の形状を曲線状にすることで、開裂用切目線40、70を開裂する力が開裂用切目線40、70に沿って伝わりやすくなる。そのため、第2実施形態では、少ない力で解体用の開口40A、70Aを形成することができる(図11)。
【0107】
また、第2実施形態では、開裂用切目線40、70の形状が、基端50、80から離れる方向に凸となる曲線状にすることで、開裂用切目線40、70が開裂した後に底面側フラップ152、162に形成される切欠部40Bの形状が略扇形状になる。そのため、第2実施形態では、解体用の開口40A、70Aの面積が広くなり、シート収納箱1の解体時に解体用の開口40A、70Aに指Pが挿入しやすくなる(図11)。
【0108】
図12は、第3実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図である。なお、図12において、第1実施形態と共通する部分は、図5に付した符号を付して説明を省略する。
【0109】
第3実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40、70の形状が、直線状である(図12)。第3実施形態では、第1ミシン目41の交点41Cは、湾曲部60の端部62に重ならず、湾曲部60の端部61と端部62の間に位置する。また、第1ミシン目7の交点71Cは、湾曲部90の端部91に重ならず、湾曲部60の端部91と端部92の間に位置する。
【0110】
なお、湾曲部60の端部62の位置は、この形態に限定されず、第1ミシン目41の交点41Cに重なっていてもよく、また切欠フラップ155の内側でもよい。また、湾曲部90の端部91の位置は、この限定されず、第1ミシン目71の交点71Cに重なっていてもよく、また切欠フラップ165の内側でもよい。
【0111】
第3実施形態のシート収納箱1では、このように、開裂用切目線40、70の形状を直線状にすることで、切欠フラップ155、165の基端50、80に対する開裂用切目線40、70の位置決めが容易になる(図12)。
【0112】
また、第3実施形態では、開裂用切目線40、70が開裂した後に底面側フラップ152、162に形成される切欠部40Bの形状が略三角形状になる、そのため、第3実施形態では、解体用の開口40A、70Aの面積が広くなり、シート収納箱1の解体時に解体用の開口40A、70Aに指Pを挿入することができる(図12)。
【0113】
図13は、第4実施形態のシート収納箱を示す図である。図14は、第4実施形態のシート収納箱における切欠フラップおよびその周辺付近を拡大した図である。図15は、第4実施形態のシート収納箱で開裂用切目線が開裂した図である。図16は、第4実施形態のシート収納箱が解体された状態を示す図である。なお、図13において、第1実施形態と共通する部分は、図1図5図9、及び図10と同一のまたは対応する符号を付して説明を省略する。
【0114】
第4実施形態のシート収納箱1において、開裂用切目線40、70の形状は、逆T字状である。第4実施形態のシート収納箱1では、開裂用切目線40の形状を逆T字状にすることで、開裂用切目線40が開裂したときに最大で2つの切欠フラップ155(1551、1552)を形成することができる。また、開裂用切目線70の形状を逆T字状にすることで、開裂用切目線70が開裂したときに最大で2つの切欠フラップ165(1651、1652)を形成することができる(図13図16)。
【0115】
第4実施形態のシート収納箱1では、天面側フラップ151が底面側フラップ152の外側に配置された状態で切欠フラップ1551の一部1551Aと切欠フラップ1552の一部1552Aに重なる。切欠フラップ155の天面側フラップ151が重ならない部分1551B、1552Bは、解体用の開口40Aの一部を構成する(図14図15)。
【0116】
また、天面側フラップ161が底面側フラップ162の外側に配置された状態で切欠フラップ1651の一部1651Aと切欠フラップ1652の一部1652Aに重なる。切欠フラップ165の天面側フラップ161が重ならない部分1651B、1652Bは、解体用の開口70Aの一部を構成する(図14図15)。
【0117】
これにより、妻面15では、2つの切欠フラップ155(1551、1552)のうち少なくとも一方の切欠フラップ1551または1552が形成されるだけで、解体用の開口40Aを形成することができる。また、妻面16では、2つの切欠フラップ165(1651、1652)のうち少なくとも一方の切欠フラップ1651または1652が形成されるだけで、解体用の開口70Aを形成することができる(図15)。
【0118】
また、第4実施形態では、開裂用切目線40の形状を逆T字状にすることで、2つの切欠フラップ155(1551、1552)が形成されるため、解体用の開口40A、の面積を大きくすることができる。また、開裂用切目線70の形状を逆T字状にすることで、2つの切欠フラップ165(1651、1652)が形成されるため、解体用の開口70Aの面積を大きくすることができる(図16)。
【0119】
さらに、妻面15では、回転方向が異なる2つの切欠フラップ155(1551、1552)を形成することができるため、利き手を問わず切欠フラップ155をシート収納箱1の内側に押し込むことができる。また、妻面16では、回転方向が異なる2つの切欠フラップ165(1651、1652)を形成することができるため、利き手を問わず切欠フラップ165をシート収納箱1の内側に押し込むことができる(図15)。
【0120】
また、第4実施形態のシート収納箱1において、上述のように、開裂用切目線40、70の形状を逆T字状にすることで、妻面15では、切欠フラップ155(1551、1552)が、底面側フラップ152の天面11側の端縁152Aから底面12側に延びる一対の基端50が形成される。また、妻面16では、切欠フラップ165(1651、1652)が、底面側フラップ162の天面11側の端縁162Aから底面12側に延びる一対の基端80が形成される(図13図14)。
【0121】
第4実施形態のシート収納箱1では、妻面15の切欠フラップ155(1551、1552)が、底面側フラップ152の天面11側の端縁152Aから底面12側に延びる一対の基端50を有することで、上述のように逆T字状の開裂用切目線40を開裂して形成された2つの切欠フラップ155(1551、1552)がそれぞれ基端50に沿って側面側フラップ153、154の内側に傾斜することができる。
【0122】
また、妻面16の切欠フラップ165(1651、1652)は、底面側フラップ162の天面11側の端縁162Aから底面12側に延びる一対の基端80を有することで、上述のように逆T字状の開裂用切目線70を開裂して形成された2つの切欠フラップ165(1651、1652)がそれぞれ基端80に沿って側面側フラップ163、164の内側に傾斜することができる。
【0123】
そのため、第4実施形態では、妻面15の2つの切欠フラップ155(1551、1552)はいずれも、シート収納箱1の内側に押し込み易くなる。また、妻面16の2つの切欠フラップ155(1551、1552)、165(1651、1652)はいずれも、シート収納箱1の内側に押し込み易くなる。
【実施例
【0124】
以下、本発明について、さらに実施例を用いて具体的に説明する。実施例、比較例、実験例の評価は、以下の試験により行った。
【0125】
[シート収納箱(試験体)]
坪量310g/mの原紙J(裏ネズコートボール紙)を用いて、寸法が高さ約44mm、幅約229mm、奥行き約110mmの箱体10を作製した。箱体10の天面11には、取出口20を形成するためのミシン目21を形成し、取出口20を天面11の裏面から覆うように長手方向(X方向)にスリット31を有する窓貼フィルム30を設けた。妻面15は、天面側フラップ151、底面側フラップ152、側面側フラップ153、側面側フラップ154とで構成し、妻面16は、天面側フラップ161、底面側フラップ162、側面側フラップ163、側面側フラップ164とで構成した。天面側フラップ151、161を底面側フラップ152、162と側面側フラップ153、163に接合し、底面側フラップ152、162と側面側フラップ153、154、163、164とは接合しなかった。妻面15の底面側フラップ152に、切欠フラップ155を形成する開裂用切目線40と基端50を形成し、妻面16の底面側フラップ162に、切欠フラップ165を形成する開裂用切目線70と基端80を形成した。側面側フラップ153、側面側フラップ154の接着剤G3が塗布される部分に、突出部153D、154Dを形成し、側面側フラップ163、側面側フラップ164の接着剤G3が塗布される部分に、突出部163D、164Dを形成した(図1図7)。
【0126】
[破断強度]
プッシュプルゲージ(IMADA社製、商品名「デジタルフォースゲージ Z2-20N」に「標準付属アタッチメント 円錐 A-4」を取り付け、測定するミシン目の縦方向は中心部分、横方向はミシン目から内側に3mm離した部分をアタッチメントの先端で押し込み、押し込み時の一番高い破断強度を測定した。測定は6回行い、平均値(kgf)を破断強度とした。破断強度は、2kgf以下は良好と評価した。
【0127】
[押し込み易さ]
指を押し込んでミシン目を破断するまでの押し込み易さを測定した。押し込み易さは、以下の5段階で評価を行った。押し込み易さは、5人行った平均値について、以下のように評価を行った。なお、押し込む部分の面積が広い実施例2、破断強度が低い実施例4の評価が高くなった。
5:「押し込み易い」
4:「やや押し込み易い」
3:「どちらでもない」
2:「やや押し込みにくい」
1:「押し込みにくい」
◎:4.6以上
〇:4.1~4.5
△:3.6~4.0
×:3.5以下
【0128】
[持ち上げ易さ]
天面側フラップの持ち上げ易さを測定した。持ち上げ易さは、以下の5段階で評価を行った。持ち上げ易さは、5人行った平均値について、以下のように評価を行った。なお、天面側フラップの中心部を破断する実施例1、実施例2、実施例3の評価が高くなった。
5:「持ち上げやすい」
4:「やや持ち上げやすい」
3:「どちらでもない」
2:「やや持ち上げにくい」
1:「持ち上げにくい」
◎:4.6以上
〇:4.1~4.5
△:3.6~4.0
×:3.5以下
【0129】
[方向依存性]
指を押し込む際の方向依存性を確認した。左右どちらの方向でも破断できるものを◎、どちらか一方向のみで破断できるものを〇と評価した。
【0130】
[破断片発生]
試験体を解体した際に破断片の発生の有無を確認した。破断片が発生しなかった場合は○、破断片が発生した場合は×と評価した。
【0131】
以下、実施例、比較例について、説明する。
【0132】
[実施例1]
開裂用切目線の形状が直線状の試験体を作製した(図12)。結果を表1に示す。
【0133】
[実施例2]
開裂用切目線の形状をL字状にした以外は、実施例1と同様に試験体を作製し(図5)、評価した。結果を表1に示す。
【0134】
[実施例3]
開裂用切目線の形状を基端から離れる方向に凸となる曲線状にした以外は、実施例1と同様に試験体を作製し(図11)、評価した。結果を表1に示す。
【0135】
[実施例4]
開裂用切目線の形状を逆T字状にした以外は、実施例1と同様に試験体を作製し(図114)、評価した。結果を表1に示す。
【0136】
[比較例1]
特許文献1の構造を有するシート収納箱を作製した。結果を表1に示す。
【0137】
【表1】
【0138】
表1より、妻面の底面側に、切欠フラップを形成する開裂用切目線と基端を形成したシート収納箱は、破断強度、押し込み易さ、持ち上げ易さ、破断片発生は、いずれも良好であった(実施例1~4)。これに対して、切欠フラップを形成しない従来のシート収納箱は、破断強度、押し込み易さ、持ち上げ易さ、破断片発生は、いずれも不良であった(比較例1)。
【0139】
また、 開裂用切目線の形状を逆T字状にした試験体は、左右どちらの方向でも破断できるものとなり、汎用性が高いものであった。
【0140】
これらの結果から、天面側フラップが底面側フラップと側面側フラップに接合され、底面側フラップと側面側フラップとは接合されず、底面側フラップの前記天面側に、底面側フラップの一部を切り欠いた切欠部が形成され、切欠部に対応する底面側フラップの一部が、底面側フラップに接続する切欠フラップを構成し、切欠フラップは、底面側フラップの天面側の端縁から底面側に延びる基端を有し、切欠フラップは、基端に沿って側面側フラップの内側に傾斜可能に形成され、天面側フラップが底面側フラップの外側に配置された状態で、切欠フラップの一部に重なるシート収納箱は、解体時の手指への負担が少ないことが判った。
【0141】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0142】
1 シート収納箱
S シート(ティシューペーパー)
SL シート積層体
10 箱体
11 天面
11A、11B 端縁
12 底面
12A、12B、12C 端縁
13 側面
13A、13B、13C 端縁
14 側面
14A、14B 端縁
15 側面(妻面)
151 天面側フラップ
151A、151B、151C 端縁
151D 部分
152 底面側フラップ
152A、152B、152C 端縁
153D 突出部
153 側面側フラップ
153A、153B、153C 端縁
153D 突出部
154 側面側フラップ
154A、154B、154C 端縁
154D 突出部
155 切欠フラップ
155A 一部
155B 部分
1551 第1フラップ
1551A 一部
1551B 部分
1552 第2フラップ
1552A 一部
1552B 部分
16 側面(妻面)
161 天面側フラップ
161A、161B、161C 端縁
161D 部分
162 底面側フラップ
162A、162B、162C 端縁
163D 突出部
163 側面側フラップ
163A、163B、163C 端縁
164 側面側フラップ
164A、164B、164C 端縁
164D 突出部
165 切欠フラップ
165A 一部
165B 部分
1651 第1フラップ
1651A 一部
1651B 部分
1652 第2フラップ
1652A 一部
1652B 部分
17 貼代
G1、G2、G3 接着剤
20 取出口
21 破断用切目線(ミシン目)
22 蓋
30 樹脂フィルム(窓貼フィルム)
31 スリット
40 開裂用切目線(ミシン目)
C カット
T タイ
40A 開口
40B 切欠部
41 第1ミシン目
41A、41B 端部
41C 交点
42 第2ミシン目
42A、42B 端部
43 第3ミシン目
50 基端
F 折筋
50A、50B 端部
50C 交点
60 湾曲部
61、62 端部
70 開裂用切目線(ミシン目)
C カット
T タイ
70A 開口
70B 切欠部
71 第1ミシン目
71A、71B 端部
71C 交点
72 第2ミシン目
72A、72B 端部
73 第3ミシン目
80 基端
F 折筋
80A、80B 端部
80C 交点
90 湾曲部
91、 92 端部
D 間隔
H1、H2 高さ
L 距離
P 指
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16