(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】外科用器具用のRFID識別システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/128 20060101AFI20241119BHJP
A61B 90/98 20160101ALI20241119BHJP
【FI】
A61B17/128 100
A61B90/98
(21)【出願番号】P 2021577552
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 IB2020055740
(87)【国際公開番号】W WO2020261068
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-23
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン・ザ・フォース・フレデリック・イー
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-109089(JP,A)
【文献】特開2011-172931(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0135224(US,A1)
【文献】特開2017-074358(JP,A)
【文献】特表2017-512527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/128
A61B 90/90
A61B 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップを適用するための外科用装置であって、前記外科用装置は、
ハウジングから延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
第1のジョーと、
第2のジョーと、を備え、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
カートリッジであって、
収容チャンバと、
前記収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える、カートリッジと、
圧着ストローク中に前記第1のジョー及び前記第2のジョーを前記閉鎖位置へと移動させるように構成された圧着駆動装置であって、前記複数のクリップのうちの1つは、前記圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される、圧着駆動装置と、
記憶データを含むRFIDタグであって、前記RFIDタグは、前記複数のクリップのうちの第1のクリップ上に位置付けられており、前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記第1のクリップの識別特性に関連する、RFIDタグと、
前記RFIDタグに質問信号を送信し、前記質問信号に応答して前記RFIDタグから第1の信号を受信するように構成されたRFIDスキャナであって、前記第1の信号は、前記RFIDタグ上の前記記憶データを含む、RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナと通信するコントローラであって、前記コントローラは、
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データを、前記コントローラのメモリに記憶された適合性データセットと比較すること、及び
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データに基づいて、前記外科用装置の動作パラメータを変化させること、を行うように構成されている、コントローラと、を備える、外科用装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記カートリッジが前記外科用装置で使用するのに適合すると前記コントローラが判定すると、変化させた前記動作パラメータを使用して前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを許可するように更に構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項3】
前記コントローラは、前記コントローラが前記外科用装置で使用するのに適合するものとして前記カートリッジを認識できないと、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを阻止するように更に構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データ及び前記メモリに記憶された前記適合性データセットに基づいて、前記外科用装置の前記動作パラメータを変化させるように構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項5】
前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記
第1のクリップを構成する材料の種類を含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項6】
前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内
の前記
第1のクリップのサイズを含む、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項7】
前記動作パラメータは最大負荷閾値である、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項8】
前記動作パラメータはロックアウト負荷閾値であり、前記ロックアウト負荷閾値を超えた場合、前記コントローラは、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを阻止する、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項9】
電動モータと、電源と、を更に備え、前記電源は前記電動モータに電力を供給し、前記コントローラは、前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データに基づいて前記電動モータに供給される前記電力を変化させるように構成されている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項10】
前記RFIDタグは、前記圧着ストローク中に屈曲しない、前記第1のクリップの部分に位置付けられている、請求項1に記載の外科用装置。
【請求項11】
クリップを適用するための外科用装置であって、前記外科用装置は、
ハウジングから延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
第1のジョーと、
第2のジョーと、を備え、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
カートリッジであって、
収容チャンバと、
前記収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える、カートリッジと、
圧着ストローク中に前記第1のジョー及び前記第2のジョーを前記閉鎖位置へと移動させるように構成された圧着駆動装置であって、前記複数のクリップのうちの1つは、前記圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される、圧着駆動装置と、
記憶データを含むRFIDタグであって、前記RFIDタグは、前記複数のクリップのうちの第1のクリップ上に位置付けられており、前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記第1のクリップの識別特性に関連する、RFIDタグと、
前記RFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナであって、前記RFIDスキャナは、前記RFIDタグから前記記憶データを受信するように構成されている、RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナと通信するコントローラであって、前記コントローラは、
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データを真正性データセットと比較すること、
前記第1のクリップが真正であると前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が前記第1のクリップで前記圧着ストロークを実行することを許可すること、及び
前記第1のクリップが真正ではないと前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が前記第1のクリップで前記圧着ストロークを実行することを阻止すること、を行うように構成されている、コントローラと、を備える、外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年6月28日に出願された米国特許仮出願第62/868,457号、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」の利益を主張するものであり、この仮特許の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、外科用器具に関し、様々な実施形態において、組織の切断及びステープル留めを行うように設計されている外科用切断及びステープル留め器具、並びに外科用切断及びステープル留め器具用のステープルカートリッジに関する。様々な実施形態において、RFID技術を使用して、例えば、ステープルカートリッジなど外科用器具の構成要素を識別することができる。RFID技術を使用する外科用システムの例は、2011年6月14日に発行された米国特許第7,959,050号、発明の名称「ELECTRICALLY SELF-POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH MANUAL RELEASE」、及び2015年2月26日に公開された米国特許出願公開第2015/0053743号、発明の名称「ERROR DETECTION ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENT ASSEMBLIES」に見出すことができ、両特許は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
様々な実施形態において、クリップを適用するための外科用装置を開示する。外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、カートリッジと、圧着駆動装置と、記憶データを含むRFIDタグと、質問信号をRFIDタグに送信し、質問信号に応答してRFIDタグから第1の信号を受信するように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を含む。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョー及び第2のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。カートリッジは、収容チャンバと、収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を含む。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されている。複数のクリップのうちの1つは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内の複数のクリップのうちの少なくとも1つの識別特性に関連する。第1の信号は、RFIDタグ上の記憶データを含む。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを、コントローラのメモリに記憶された適合性データセットと比較し、RFIDスキャナで受信した記憶データに基づいて外科用装置の動作パラメータを変化させるように構成されている。
【0004】
様々な実施形態において、クリップを適用するための外科用装置を開示する。外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、RFIDタグを含むクリップと、圧着駆動装置と、RFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を含む。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第2のジョーは、第1のジョーに対して、開位置と閉位置の間で移動可能である。RFIDタグは、記憶データを含む。RFIDタグ上の記憶データは、クリップを表す。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されている。クリップは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDスキャナは、RFIDタグ上の記憶データを受信するように構成されている。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを適合性データセットと比較することによって、クリップが外科用装置で使用するのに適合するかどうかを判定し、クリップが外科用装置で使用するのに適合するとコントローラが判定すると、外科用装置が機能を実行することを許可し、クリップが外科用装置で使用するのに適合しないとコントローラが判定すると、外科用装置が機能を実行することを阻止するように構成されている。
【0005】
様々な実施形態において、クリップを適用するための外科用装置を開示する。外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、カートリッジと、圧着駆動装置と、記憶データを含むRFIDタグと、RFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を含む。エンドエフェクタは、第1のジョー及び第2のジョーを含む。第1のジョー及び第2のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。カートリッジは、収容チャンバと、収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を含む。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されている。複数のクリップのうちの1つは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内の複数のクリップの識別特性に関連する。RFIDスキャナは、RFIDタグから記憶データを受信するように構成されている。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを真正性データセットと比較し、複数のクリップが真正であるとコントローラが判定すると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを許可し、複数のクリップが真正ではないとコントローラが判定すると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
【
図1】外科用器具で使用するための様々な外科用器具及び補助構成要素の概略図である。
【
図2】パッケージの斜視図であり、パッケージは、その中に収容された補助構成要素の識別特性を備える。
【
図3】取り付け部材と、補助構成要素と、を備える外科用ステープル留め器具システムの部分断面図であり、取り付け部材はRFIDタグを備える。
【
図4】本明細書に開示する外科用器具で使用するためのRFIDシステムの図である。
【
図5】識別した補助構成要素に基づいて少なくとも1つの動作パラメータを修正するためのコントローラのプロセスを表すフロー図である。
【
図6】RFIDを備える外科用クリップアプライヤの部分斜視図である。
【
図7】RFIDタグの検出に基づいて圧着ストロークの動作を制御するためのコントローラのプロセスを表すフロー図である。
【
図8】複数のRFIDタグの監視に基づいて圧着ストロークの動作を制御するためのコントローラのプロセスを表すフロー図である。
【
図9】取り付けられたクリップの適合性を検出するためのコントローラのプロセスを表すフロー図である。
【
図10】クリップカートリッジに残存するクリップの数を監視するためのコントローラのプロセスを表すフロー図である。
【
図11】RFIDシステムを備える外科用縫合装置の部分斜視図である。
【
図12】ハンドルと、シャフトと、関節運動可能なエンドエフェクタと、を備える、外科用器具の斜視図である。
【
図14】
図12のハンドル内に定置された発射部材及びピニオンギアの斜視図である。
【
図15】
図14の発射部材及びピニオンギア、並びにそのピニオンギアと動作可能に係合した歯車減速機組立体の斜視図である。
【
図16】
図12のハンドルの斜視図であり、
図14の発射部材及びピニオンギア、
図15の歯車減速機組立体、並びに電気モータが回転される方向に応じて遠位側及び/又は近位側に発射部材を駆動するように構成された電気モータを示すために各部分が取り除かれている。
【
図18】取り外し可能なクリップカートリッジと、クリップを連続的に前進させるための往復発射駆動装置と、クリップを受容するためのレシーバと、クリップを変形させるための圧着駆動装置と、を備える、
図17のクリップアプライヤのエンドエフェクタの断面図である。
【
図19】開放構成にある、
図17のクリップアプライヤの部分断面図である。
【
図20】閉鎖構成にある、
図17のクリップアプライヤの部分断面図である。
【
図21】未発射状態にある、
図18のエンドエフェクタの断面図である。
【
図22】発射駆動装置の発射部材がクリップをレシーバ内へと前進させた、一部発射済み状態にある発射駆動装置を図示する、
図18のエンドエフェクタの断面図である。
【
図23】圧着駆動装置と係合する発射駆動装置を図示する、
図18のエンドエフェクタの断面図である。
【
図24】少なくとも一部発射済み状態にある圧着駆動装置を図示する、
図18のエンドエフェクタの断面図である。
【
図26】複数のクリップを備える、
図18に図示するカートリッジの正面図であり、カートリッジの一部は、カートリッジに収容されたクリップを図示するために除去されている。
【
図27】カートリッジに収容されたクリップを図示するために一部が除去された状態で図示する、
図26のカートリッジの側面図である。
【
図29】ハンドルと、シャフトと、エンドエフェクタと、を備える、外科用縫合器具の斜視図である。
【
図31】エンドエフェクタが関節運動状態である、
図29の外科用縫合器具の部分平面図である。
【
図33】エンドエフェクタが関節運動状態かつ回転状態である、
図29の外科用縫合器具の部分斜視図である。
【
図34】モータを備える外科用縫合器具ハンドルの斜視図である。
【
図35】外科用縫合システムで使用するための縫合糸カートリッジの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9145USNP1/190235-1M、発明の名称「METHOD FOR AUTHENTICATING THE COMPATIBILITY OF A STAPLE CARTRIDGE WITH A SURGICAL INSTRUMENT」;
・代理人整理番号END9146USNP1/192036、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM COMPRISING AN RFID SYSTEM」;
・代理人整理番号END9147USNP1/190237、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN RFID SYSTEM FOR TRACKING A MOVABLE COMPONENT」;
・代理人整理番号END9148USNP1/190238、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ALIGNED RFID SENSOR」;
・代理人整理番号END9123USNP1/192039、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION DECRYPTION PROTOCOL」;
・代理人整理番号END9124USNP/190240、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING AN INFORMATION ENCRYPTION PROTOCOL」;
・代理人整理番号END9125USNP/190241、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A LOCKOUT MECHANISM FOR AN INCOMPATIBLE CARTRIDGE」;
・代理人整理番号END9126USNP/192042、発明の名称「SURGICAL STAPLING SYSTEM HAVING A FRANGIBLE RFID TAG」;及び
・代理人整理番号END9127USNP/192043、発明の名称「PACKAGING FOR A REPLACEABLE COMPONENT OF A SURGICAL STAPLING SYSTEM」。
【0008】
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・代理人整理番号END9119USNP1/190245-1M、発明の名称「METHOD OF USING MULTIPLE RFID CHIPS WITH A SURGICAL ASSEMBLY」;
・代理人整理番END9120USNP1/192046、発明の名称「MECHANISMS FOR PROPER ANVIL ATTACHMENT SURGICAL STAPLING HEAD ASSEMBLY」;
・代理人整理番号END9121USNP1/192047、発明の名称「MECHANISMS FOR MOTOR CONTROL ADJUSTMENTS OF A MOTORIZED SURGICAL INSTRUMENT」;
・代理人整理番号END9122USNP1/190248、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH BATTERY COMPATIBILITY VERIFICATION FUNCTIONALITY」;
・代理人整理番号END9131USNP1/190249、発明の名称「SURGICAL SYSTEM WITH RFID TAGS FOR UPDATING MOTOR ASSEMBLY PARAMETERS」;
・代理人整理番号END9132USNP1/190250、発明の名称「SURGICAL SYSTEMS WITH MULTIPLE RFID TAGS」;
・代理人整理番号END9150USNP1/190252、発明の名称「RFID IDENTIFICATION SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」;
・代理人整理番号END9151USNP1/192053、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR DISPLAY AND COMMUNICATION」;
・代理人整理番号END9152USNP1/190254、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR COMPATIBILITY DETECTION」;及び
・代理人整理番号END9153USNP1/192505、発明の名称「SURGICAL RFID ASSEMBLIES FOR INSTRUMENT OPERATIONAL SETTING CONTROL」。
【0009】
本願の出願人は、2018年5月1日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許仮出願第62/665,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING SYSTEMS」;
・米国特許仮出願第62/665,139号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING CONTROL SYSTEMS」;
・米国特許仮出願第62/665,177号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」;
・米国特許仮出願第62/665,128号、発明の名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」;
・米国特許仮出願第62/665,192号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS」;及び
・米国特許仮出願第62/665,134号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER」。
【0010】
本願の出願人は、2018年8月24日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/112,129号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT CONFIGURED TO MANIPULATE TISSUE USING MECHANICAL AND ELECTRICAL POWER」;
・米国特許出願第16/112,155号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A CAPTURE WIDTH WHICH IS LARGER THAN TROCAR DIAMETER」;
・米国特許出願第16/112,168号、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」;
・米国特許出願第16/112,180号、発明の名称「ELECTRICAL POWER OUTPUT CONTROL BASED ON MECHANICAL FORCES」;
・米国特許出願第16/112,193号、発明の名称「REACTIVE ALGORITHM FOR SURGICAL SYSTEM」;
・米国特許出願第16/112,099号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ADAPTIVE ELECTRICAL SYSTEM」;
・米国特許出願第16/112,112号、発明の名称「CONTROL SYSTEM ARRANGEMENTS FOR A MODULAR SURGICAL INSTRUMENT」;
・米国特許出願第16/112,119号、発明の名称「ADAPTIVE CONTROL PROGRAMS FOR A SURGICAL SYSTEM COMPRISING MORE THAN ONE TYPE OF CARTRIDGE」;
・米国特許出願第16/112,097号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING BATTERY ARRANGEMENTS」;
・米国特許出願第16/112,109号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING HANDLE ARRANGEMENTS」;
・米国特許出願第16/112,114号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING FEEDBACK MECHANISMS」;
・米国特許出願第16/112,117号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT SYSTEMS COMPRISING LOCKOUT MECHANISMS」;
・米国特許出願第16/112,095号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A LOCKABLE END EFFECTOR SOCKET」;
・米国特許出願第16/112,121号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SHIFTING MECHANISM」;
・米国特許出願第16/112,151号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A SYSTEM FOR ARTICULATION AND ROTATION COMPENSATION」;
・米国特許出願第16/112,154号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING A BIASED SHIFTING MECHANISM」;
・米国特許出願第16/112,226号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENTS COMPRISING AN ARTICULATION DRIVE THAT PROVIDES FOR HIGH ARTICULATION ANGLES」;
・米国特許出願第16/112,062号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS AND MANUFACTURING TECHNIQUES」;
・米国特許出願第16/112,098号、発明の名称「SURGICAL DISSECTORS CONFIGURED TO APPLY MECHANICAL AND ELECTRICAL ENERGY」;
・米国特許出願第16/112,237号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」;
・米国特許出願第16/112,245号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN EMPTY CLIP CARTRIDGE LOCKOUT」;
・米国特許出願第16/112,249号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING AN AUTOMATIC CLIP FEEDING SYSTEM」;
・米国特許出願第16/112,253号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE FIRING CONTROL」;及び
・米国特許出願第16/112,257号、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER COMPRISING ADAPTIVE CONTROL IN RESPONSE TO A STRAIN GAUGE CIRCUIT」。
【0011】
本願の出願人は、2018年10月26日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらは各々、それぞれの全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/172,130号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING INTERCHANGEABLE CLIP RELOADS」;
・米国特許出願第16/172,066号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOVABLE CLIP MAGAZINE」;
・米国特許出願第16/172,078号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A ROTATABLE CLIP MAGAZINE」;
・米国特許出願第16/172,087号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING CLIP ADVANCING SYSTEMS」;
・米国特許出願第16/172,094号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A CLIP CRIMPING SYSTEM」;
・米国特許出願第16/172,128号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A RECIPROCATING CLIP ADVANCING MEMBER」;
・米国特許出願第16/172,168号、発明の名称「CLIP APPLIER COMPRISING A MOTOR CONTROLLER」;
・米国特許出願第16/172,164号、発明の名称「SURGICAL SYSTEM COMPRISING A SURGICAL TOOL AND A SURGICAL HUB」;及び
・米国特許出願第16/172,303号、発明の名称「METHOD FOR OPERATING A POWERED ARTICULATING MULTI-CLIP APPLIER」。
【0012】
本願の出願人は、2018年12月4日に出願された以下の米国特許出願を所有しており、これらの各々の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
・米国特許出願第16/209,385号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,STORAGE AND DISPLAY」;
・米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」;
・米国特許出願第16/209,403号、発明の名称「METHOD OF CLOUD BASED DATA ANALYTICS FOR USE WITH THE HUB」;
・米国特許出願第16/209,407号、発明の名称「METHOD OF ROBOTIC HUB COMMUNICATION,DETECTION,AND CONTROL」;
・米国特許出願第16/209,416号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION,PROCESSING,DISPLAY,AND CLOUD ANALYTICS」;
・米国特許出願第16/209,423号、発明の名称「METHOD OF COMPRESSING TISSUE WITHIN A STAPLING DEVICE AND SIMULTANEOUSLY DISPLAYING THE LOCATION OF THE TISSUE WITHIN THE JAWS」;
・米国特許出願第16/209,427号、発明の名称「METHOD OF USING REINFORCED FLEXIBLE CIRCUITS WITH MULTIPLE SENSORS TO OPTIMIZE PERFORMANCE OF RADIO FREQUENCY DEVICES」;
・米国特許出願第16/209,433号、発明の名称「METHOD OF SENSING PARTICULATE FROM SMOKE EVACUATED FROM A PATIENT,ADJUSTING THE PUMP SPEED BASED ON THE SENSED INFORMATION,AND COMMUNICATING THE FUNCTIONAL PARAMETERS OF THE SYSTEM TO THE HUB」;
・米国特許出願第16/209,447号、発明の名称「METHOD FOR SMOKE EVACUATION FOR SURGICAL HUB」;
・米国特許出願第16/209,453号、発明の名称「METHOD FOR CONTROLLING SMART ENERGY DEVICES」;
・米国特許出願第16/209,458号、発明の名称「METHOD FOR SMART ENERGY DEVICE INFRASTRUCTURE」;
・米国特許出願第16/209,465号、発明の名称「METHOD FOR ADAPTIVE CONTROL SCHEMES FOR SURGICAL NETWORK CONTROL AND INTERACTION」;
・米国特許出願第16/209,478号、発明の名称「METHOD FOR SITUATIONAL AWARENESS FOR SURGICAL NETWORK OR SURGICAL NETWORK CONNECTED DEVICE CAPABLE OF ADJUSTING FUNCTION BASED ON A SENSED SITUATION OR USAGE」;
・米国特許出願第16/209,490号、発明の名称「METHOD FOR FACILITY DATA COLLECTION AND INTERPRETATION」;及び
・米国特許出願第16/209,491号、発明の名称「METHOD FOR CIRCULAR STAPLER CONTROL ALGORITHM ADJUSTMENT BASED ON SITUATIONAL AWARENESS」。
【0013】
外科用装置及びシステムの様々な態様を詳細に説明する前に、例示される実施例は、適用又は用途において、添付の図面及び説明で示される部品の構造及び配置の詳細に限定されないことに留意すべきである。例示的な実施例は、他の態様、変形形態、及び修正で実施されるか、又はそれらに組み込まれてもよく、様々な方法で実施又は実行されてもよい。更に、特に明記しない限り、本明細書で用いられる用語及び表現は、読者の便宜のために例示の実施例を説明する目的で選択されたものであり、それらを限定するためのものではない。更に、以下に記述される態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち1つ以上を、以下に記述される他の態様、態様の表現、及び/又は実施例のうち任意の1つ以上と組み合わせることができるものと理解されたい。
【0014】
様々な外科用システム及び器具(例えば、外科用ステープル留め器具、外科用クリップアプライヤ、外科用縫合器具)は、本開示に関連して説明する。外科用システム及び/又は器具は、以下でより詳細に論じるように、1つ以上の無線自動識別(radio-frequency identification、RFID)スキャナ及び1つ以上のRFIDタグを含むRFIDシステムを備える。RFID技術を使用する外科用システムの例は、米国特許第7,959,050号及び米国特許出願公開第2015/0053743号に記載されており、両特許は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0015】
無線自動識別(RFID)は、物体を追跡及び識別するために、様々な産業で使用される。RFIDは、無線波に依存して、RFIDタグからRFIDリーダ又は情報を受信するように構成された受信機へとデジタル的に記憶された情報を転送する。RFID技術は、時にはチップと呼ばれ、電子的に記憶された情報を含むRFIDタグ、及びRFIDタグを識別し、RFIDタグと通信するのに役立つRFIDリーダを使用する。2つの異なるタイプのRFIDシステム(アクティブRFIDシステム及びパッシブRFIDシステム)が存在する。アクティブRFIDシステムは、オンボード電源を備えて信号をブロードキャストするRFIDタグを含む。アクティブRFIDタグは、RFIDタグ内に電池を含むことができ、これにより、アクティブRFIDタグは、RFIDリーダから独立して機能することができる。したがって、アクティブRFIDシステム内のRFIDタグは、情報の送信前にRFIDリーダからの信号の受信を待機する必要はない。代わりに、アクティブRFIDタグは、信号又はビーコンを連続的に自由に送信することができる。多くの市販のアクティブRFIDシステムは、2つの主周波数範囲(433MHz及び915MHz)のうちの1つで動作することが多いが、任意の適切な周波数範囲を使用することができる。典型的には、RFIDタグは、その対応するRFIDリーダによって識別されるために、特定の距離内又は周波数範囲内に位置する必要がある。
【0016】
パッシブRFIDシステムは、オンボード電源を備えないが、その代わりに、動作に必要なエネルギーをRFIDリーダから受けるRFIDタグを含む。アクティブRFIDタグとは対照的に、パッシブRFIDシステム内のRFIDタグは、プロンプトの受信前に信号を能動的に送信しない。代わりに、パッシブRFIDタグは、信号の送信前にRFIDリーダから情報を受信するように待機する。多くの市販のパッシブRFIDシステムは、多くの場合、3つの周波数範囲(低周波数(「LF」)、高周波(「HF」)及び近距離無線通信(「NFC」)、及び極超短波(「UHF」))内で動作する。LF帯域幅は125~134KHzであり、およそ1~10センチメートルの狭い読み取り範囲を有する、より長い波長を含む。HF及びNFC帯域幅は13.56MHzであり、1センチメートル~1メートルの典型的な読み取り範囲を有する中波長を含む。UHF帯域幅は865~960MHzであり、広い読み取り範囲につながる、1メートルの高エネルギーの短波長を含む。上述したように、任意の好適な周波数を使用することができる。
【0017】
異なるサイズのRFIDタグを備える、様々なRFIDシステムが存在する。しかしながら、一部のシステムは、非常に小さな物体の追跡を必要とする技術分野での使用に適している。例えば、Hitachi Chemical Co.Ltd.は、RFID技術分野におけるトップレベルの製造業者である。Hitachi Chemical Co.Ltd.製のUltra SmallサイズのUHF RFIDタグは、典型的には、1.0~13mm以下であり、数センチメートル以上の距離にあるRFIDタグとRFIDリーダとの間の通信を可能にする。そのコンパクトな性質により、Hitachi RFIDタグは、識別されることを必要とする、非常に小さな製品に適している。各Hitachi RFIDタグは、アンテナと、アンテナに接続されたICチップと、ICチップ及びアンテナを密閉するシーリング材と、を備える。Hitachi RFIDタグは、単一ユニットにアンテナ及びICチップを組み込んでいるため、Hitachi RFIDタグは、例えば、接着剤又はテープを使用して、任意の小さな物体に容易に固定するのに十分に使いやすい。
【0018】
Hitachi RFIDタグは、正方形のステンレス鋼プレートと、金属アンテナと、を備える。アンテナは、LC共振回路又は任意の他の好適な回路を備え、プレートに電気的に接続されている。プレート及びアンテナが互いに接続された後に、アンテナ及びプレートは、シーリング材を用いて単一ユニット内に共に密閉される。シーリング材は、主としてエポキシ、炭素、及びシリカで構成されて、Hitachi RFIDタグの耐熱性を向上させる。すなわち、RFIDタグの耐熱性は、大いにシーリング材の耐熱能力に依存する。シーリング材は、数秒などより短い期間に最大250~300℃の温度に耐える高い耐熱性を有し、より長い期間では最大150℃の熱に対して耐熱性である。したがって、Hitachi RFIDタグは従来のRFIDタグよりも高い耐熱性を有し、高温であっても通常どおり動作することができる。Hitachi RFIDタグに関する追加情報は、米国特許第9,171,244号に見出すことができ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0019】
様々な外科手術中、少なくとも1つの交換可能な構成要素を備える外科用器具が使用される。そのような交換可能な構成要素は、動作する構成要素、及び/又は適合する構成要素と交換されることが重要である。本明細書でより詳細に説明する様々な識別システムは、とりわけ、外科用器具との構成要素の適合性を検証し、及び/又は当該構成要素の作動状態を検証する。例えば、コントローラ及び/又は識別システムは、例えば、交換可能な構成要素を含むパッケージが破壊されていない、及び/若しくは手を加えられていないことを確認する、構成要素が外科用器具に適合するか、若しくは適合しない場合に臨床医に警告する、交換可能な構成要素が期限切れである場合に臨床医に警告する、並びに/又は交換可能な構成要素の特定の製造バッチ及び/若しくはタイプに対するリコールが存在する場合に臨床医に警告する役割を果たし得る。
【0020】
本明細書に記載の識別システムは、アクティブシステム又はパッシブシステムのいずれかであり得る。様々な実施形態において、アクティブ識別システム及びパッシブ識別システムの組み合わせが使用される。パッシブシステムとしては、例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、及び/又は無線自動識別(RFID)タグが挙げられ得る。パッシブシステムは内部電源を備えず、本明細書に記載のパッシブシステムは、例えば、質問信号などの第1の信号を送信するためにリーダ及び/又はスキャナを必要とする。
【0021】
パッシブ無線自動識別(RFID)システムは、無線周波数を使用することによって情報を通信する。そのようなパッシブRFIDシステムは、RFIDスキャナと、内部電源を有さないRFIDタグと、を備える。RFIDタグは、RFIDスキャナから伝送される電磁エネルギーによって給電される。各RFIDタグは、交換可能な構成要素及び/又は交換可能な構成要素が適合する外科用器具に関する情報を記憶するチップ、例えばマイクロチップなどを備える。チップは、識別番号のみを含み得、様々な例において、チップは、例えば、製造データ、出荷データ、及び/又はメンテナンス履歴など追加情報を記憶することができる。各RFIDタグは、RFIDタグとRFIDスキャナとの通信を可能にする無線アンテナを備える。無線アンテナは、RFIDタグがRFIDスキャナから信号を受信し、応答信号をRFIDスキャナに送り返すことができる範囲を拡張する。パッシブRFIDシステムでは、RFIDスキャナはまた、それ自身のアンテナを備えており、所定範囲内に位置付けられたRFIDタグをアクティブにする無線信号を送信する。RFIDスキャナは、RFIDタグから「返送された」応答信号を受信するように構成されており、RFIDスキャナが、交換可能な構成要素を表す識別情報を捕捉できるようにする。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号から修正された信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナはまた、RFIDタグに対して直接的に情報を書き込むか、又は符号化することができる。いずれにせよ、RFIDスキャナは、交換可能な構成要素に関する情報を、外科用器具の制御システム及び/又はリモート外科用システムなどコントローラに伝えることができる。RFIDタグは無線信号によってアクティブにされるため、RFIDスキャナは、複数のRFIDタグを一度に読み取るように構成されている。加えて、特定の例では、RFIDスキャナは、RFIDスキャナとの信号範囲内にあるRFIDタグに記憶された情報を更新すること又は書き換えることができる。更新内容は、例えば、外科用ハブ、又は任意の好適なサーバからRFIDスキャナに送信され得る。様々な外科用ハブについては、2018年4月12日に出願された米国特許出願第16/209,395号、発明の名称「METHOD OF HUB COMMUNICATION」に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
アクティブ無線自動識別(RFID)システムはまた、RFIDタグと、RFIDスキャナと、を備える。しかしながら、アクティブRFIDシステム内のRFIDタグは、内部電源を備える。アクティブRFIDシステムは、自身の信号を連続的にブロードキャストするように構成されている、電池式RFIDタグを利用する。あるタイプのアクティブRFIDタグは、一般に「ビーコン」と呼ばれる。そのようなビーコンRFIDタグは、RFIDスキャナからの第1の信号の受信を待機しない。代わりに、ビーコンRFIDタグは、その記憶情報を連続的に送信する。例えば、ビーコンは、3~5秒ごとの間隔でその情報を送信することができる。別のタイプのアクティブRFIDタグは、トランスポンダを備える。そのようなシステムでは、RFIDスキャナは、最初に信号を送信する。次いで、RFIDトランスポンダタグは、関連情報を含む信号をRFIDスキャナに返送する。このようなRFIDトランスポンダタグシステムは、例えばRFIDタグがRFIDスキャナの範囲外にあるときには電池寿命を節約するため、効率的である。様々な例において、アクティブRFIDタグは、環境パラメータを追跡するためにオンボードセンサを備える。例えば、オンボードセンサは、関連し得る水分レベル、温度、及び/又は他のデータを追跡することができる。
【0023】
図1は、外科手術中に交換可能である様々な補助構成要素を受容するように構成されている、様々な外科用器具を示す。このような外科用器具は、RFIDシステムなど本明細書に記載の識別システムのうちの少なくとも1つを含むことから利益を得ることができる。例えば、外科用ステープル留め器具6100は、ハンドル6110と、ハンドル6110から延在する細長いシャフト6120と、細長いシャフト6120から延在するエンドエフェクタ6130と、を備える。エンドエフェクタ6130は、第1のジョー6132と、第2のジョー6134と、を備え、第2のジョー6134は、交換可能なステープルカートリッジ6140を受容するように構成されている。特定の外科手術中、臨床医は、様々な補助構成要素をエンドエフェクタ6130に取り付けることを望む場合がある。このような補助構成要素、又は補助材料は、ステープルを補強し、及び/又はステープルの機能を補うために使用される。例えば、バットレス、すなわち組織厚さコンペンセータ6165は、様々な組織厚さに対応するために、第1のジョー6132及び/又は第2のジョー6134に取り付けられ得る。バットレス6165をエンドエフェクタ6130に付加することは、例えば、患者組織上に均一なステープルラインを形成することを支援し得る。バットレス6165のエンドエフェクタ6130への取り付けを容易にするために、及び/又は保管するために、バットレス6165は、取り付け部材6160上に支持され得る。様々な例において、臨床医は、とりわけ、急速な血液凝固を促進するために、エンドエフェクタ6130の第1のジョー6132及び/又は第2のジョー6134に止血剤6175の層を取り付けることができる。止血剤6175の層は、例えば、ステープルによって形成された封止部を改善することができる。止血剤6175の層のエンドエフェクタ6130への取り付けを容易にするために、及び/又は保管するために、止血剤6175の層は、取り付け部材6170上に支持され得る。様々な例において、臨床医は、とりわけ、治療された組織の治癒を促進する、及び/又は2つの組織層間の接続を増強するために、エンドエフェクタ6130の第1のジョー6132及び/又は第2のジョー6134に接着剤6185の層を取り付けることができる。接着剤6185の層は、例えば、ステープルによって形成された封止部を改善することができる。接着剤の層の取り付けを容易にするために、接着剤の層は、取り付け部材6180上に支持され得る。
【0024】
本明細書でより詳細に説明するように、第1のRFIDタグ6162は、取り付け部材6160上に位置付けられている。第1のRFIDタグ6162は記憶情報を含み、記憶情報は、取り付け部材6160上に支持されたバットレス6165の特性を識別するデータを含む。第2のRFIDタグ6172は、取り付け部材6170上に位置付けられている。第2のRFIDタグ6172は記憶情報を含み、記憶情報は、取り付け部材6170上に支持された止血剤6175の層の特性を識別するデータを含む。第3のRFIDタグ6182は、取り付け部材6180上に位置付けられている。第3のRFIDタグ6182は記憶情報を含み、記憶情報は、取り付け部材6180上に支持された接着剤6185の層の特性を識別するデータを含む。外科用ステープル留め器具6100は、RFIDスキャナ6150を更に備える。本明細書でより詳細に論じるように、RFIDスキャナ6150は、補助構成要素がエンドエフェクタ6130に取り付けられているとき、及び/又は補助構成要素がエンドエフェクタ6130に取り付けられた後に、RFIDスキャナ6150が第1のRFIDタグ6162、第2のRFIDタグ6172、及び/又は第3のRFIDタグ6182と通信することを可能にする、外科用器具6100上の任意の好適な位置に位置付けられ得る。
【0025】
外科用クリップアプライヤ6200は、ハンドル6210と、ハンドル6210から延在する細長いシャフト6220と、細長いシャフト6220から延在するエンドエフェクタ6230と、を備える。エンドエフェクタ6230は、第1のジョー6232と、第2のジョー6234と、を備え、第1のジョー6232及び第2のジョー6234のうちの少なくとも1つは、クリップ圧着ストローク中に互いに対して移動可能である。特定の外科手術中、臨床医は、様々な補助構成要素をエンドエフェクタ6230に取り付けることを望む場合がある。例えば、第1の厚さを備えるクリップ6260は、外科用クリップアプライヤ6200に装填され得る。クリップ6260は、外科用クリップアプライヤ6200に個々に装填され得る、及び/又はクリップ6260は、クリップカートリッジの一部として外科用クリップアプライヤ6200に装填され得る。外科用クリップアプライヤ6200へのクリップ6260の取り付けは、例えば、患者組織が厚い、及び/又は高密度であるときに有益であり得る。様々な例において、臨床医は、第2の厚さを備えるクリップ6290を外科用クリップアプライヤ6200に取り付けることができる。様々な例において、クリップ6290の第2の厚さは、クリップ6260の第1の厚さよりも小さい。外科用クリップアプライヤ6200へのクリップ6290の取り付けは、例えば、患者組織が薄い、及び/又は繊細であるときに有益であり得る。様々な例において、臨床医は、複数の突起部6275を備えるクリップ6270を外科用クリップアプライヤ6200に取り付けることができる。クリップ6270の突起部6275は、とりわけ、クリップ6270と患者組織との間の把持力を高めること、及び/又は患者組織上の圧着されたクリップ6270の位置を維持することに役立ち得る。クリップ6270に示すように、突起部6275は、薄型クリップに取り付けられ得る。薄型クリップ上の突起部6275を用いることは、例えば、患者組織が薄い、及び/又は繊細であるときに有益である。様々な例において、臨床医は、複数の突起部6285を備えるクリップ6280を外科用クリップアプライヤ6200に取り付けることができる。クリップ6280の突起部6285は、とりわけ、クリップ6280と患者組織との間の把持力を高めること、及び/又は患者組織上の圧着されたクリップ6280の位置を維持することに役立ち得る。クリップ6280に示すように、突起部6285は、厚型クリップに取り付けられ得る。厚型クリップ上の突起部6285を用いることは、例えば、患者組織が厚い、及び/又は高密度であるときに有益である。
【0026】
本明細書でより詳細に説明するように、第1のRFIDタグ6262は、第1のクリップ6260上に位置付けられている。第1のRFIDタグ6162は記憶情報を含み、記憶情報は、クリップ6260の特性を識別するデータを含む。第2のRFIDタグ6272は、第2のクリップ6270上に位置付けられている。第2のRFIDタグ6272は記憶情報を含み、記憶情報は、第2のクリップ6270の特性を識別するデータを含む。第3のRFIDタグ6282は、第3のクリップ6280上に位置付けられている。第3のRFIDタグ6282は記憶情報を含み、記憶情報は、第3のクリップ6280の特性を識別するデータを含む。第4のRFIDタグ6292は、第4のクリップ6290上に位置付けられている。第4のRFIDタグ6292は記憶情報を含み、記憶情報は、第4のクリップ6290の特性を識別するデータを含む。外科用クリップアプライヤ6200は、RFIDスキャナ6250を更に備える。本明細書でより詳細に論じるように、RFIDスキャナ6250は、補助構成要素が縫合装置6200に取り付けられているとき、及び/又は補助構成要素が縫合装置6200に取り付けられた後に、RFIDスキャナ6250が第1のRFIDタグ6262、第2のRFIDタグ6272、第3のRFIDタグ6282、及び/又は第4のRFIDタグ6292と通信することを可能にする、外科用器具6200上の任意の好適な位置に位置付けられ得る。
【0027】
外科用縫合装置6300は、ハンドル6310と、ハンドル6310から延在する細長いシャフト6320と、細長いシャフト6320から延在するエンドエフェクタ6330と、を備える。エンドエフェクタ6330は、交換可能な針の一部を受容するように構成された針トラックを備える。特定の外科手術中、臨床医は、様々な補助構成要素をエンドエフェクタ6330に取り付けることを望む場合がある。様々な結び目形成機構及び/又は様々な縫合糸終端要素を使用して、腹腔鏡的に結び目を形成する代わりに一連の縫合糸を終端させることができる。例えば、第1の厚さを備える針6360は、エンドエフェクタ6330に装填され得る。針6360は、第1の端部6364と第2の端部6366と、を備える。第1の端部6364は、第1の鋭利度を備える尖った先端部を備える。第2の端部6366は、それに取り付けられた縫合材6365を備える。エンドエフェクタ6330へのシャフト針6360の取り付けは、例えば、患者組織が厚い、及び/又は高密度であるときに有益であり得る。様々な例において、臨床医は、第2の厚さを備える針6370をエンドエフェクタ6330に取り付けることができる。様々な例において、クリップ6370の第2の厚さは、クリップ6360の第1の厚さよりも小さい。クリップ6370は、第2の鋭利度を備える尖った先端部を備える第1の端部6374を更に備える。様々な例において、クリップ6370の第2の鋭利度は、クリップ6360の第1の鋭利度よりも低い。第2の端部6376は、それに取り付けられた縫合材6375を備える。エンドエフェクタ6330への針6370の取り付けは、例えば、患者組織が薄い、及び/又は繊細であるときに有益であり得る。様々な例において、臨床医は、交換可能な針に取り付けられる特定の縫合材を選択することができる。例えば、第1の縫合材6385は、第1の材料で作製され得、第1の長さを備え得る、及び/又は第1の厚さを備え得る。第1の縫合材6385は、交換可能な針への取り付け前に、第1のパッケージ6380に収容され得る。第2の縫合材6395は、第2の材料で作製され得、第2の長さを備え得る、及び/又は第2の厚さを備え得る。第2の縫合材6395は、交換可能な針への取り付け前に、第2のパッケージ6390に収容され得る。
【0028】
本明細書でより詳細に説明するように、第1のRFIDタグ6362は、第1の交換可能な針6360上に位置付けられている。第1のRFIDタグ6362は記憶情報を含み、記憶情報は、交換可能な針6360、及び/又は交換可能な針6360に取り付けられた縫合材6365の特性を識別するデータを含む。第2のRFIDタグ6372は、第2の交換可能な針6370上に位置付けられている。第2のRFIDタグ6372は記憶情報を含み、記憶情報は、第2の交換可能な針6370、及び/又は第2の交換可能な針6370に取り付けられた縫合材6375の特性を識別するデータを含む。第3のRFIDタグ6382は、第3の縫合材6385のパッケージ6380上に位置付けられている。第3のRFIDタグ6382は記憶情報を含み、記憶情報は、第3の縫合材6385の特性を識別するデータを含む。第4のRFIDタグ6392は、第4の縫合材6395のパッケージ6390上に位置付けられている。第4のRFIDタグ6392は記憶情報を含み、記憶情報は、第4の縫合材6390の特性を識別するデータを含む。外科用縫合装置6300は、RFIDスキャナ6350を更に備える。本明細書でより詳細に論じるように、RFIDスキャナ6350は、交換可能な針6360、6370のうちの1つがエンドエフェクタ6330の針トラック内に位置付けられているとき及び/若しくは位置付けられた後に、RFIDスキャナ6350が第1のRFIDタグ6362、及び/若しくは第2のRFIDタグ6372と通信すること、並びに/又はパッケージ6380、6390がRFIDスキャナ6300から事前に定義された距離内に持ち込まれたときに、第3のRFIDタグ6382及び/若しくは第4のRFIDタグ6392と通信することを可能にする、外科用器具6300上の任意の好適な位置に位置付けられ得る。
【0029】
例えば、バットレス6165、止血剤6175、及び/又は接着剤6185など補助構成要素は、パッケージが手術室で開封されるまで、製造後に密閉されたパッケージ内に収容される。様々な例において、補助構成要素は、例えば、保管を容易にするため、及び/又は外科用器具への補助構成要素の取り付けを容易にするために、パッケージ内の取り付け部材上で支持される。様々な形態のパッケージとしては、例えば、剥離パウチ、織布及び/又は不織布材料の包み紙、及び剛性容器が挙げられる。
【0030】
図2は、密閉パッケージ7000の一例を示す。示したパッケージ7000は、剥離パウチである。パッケージ7000は、第1の層7010と、第2の層7020と、を備える。第1の層7010及び第2の層7020は、外科用ステープルカートリッジに取り付けられるように構成されている止血剤7175の層の周囲に保護バリアを形成する。止血剤7175の層は、止血剤7175の層を外科用器具に取り付ける前に、取り付け部材7170上で支持される。取り付け部材7170は、止血剤7175の層の一部を受容し、例えば、止血剤7175の層の整列を容易にするように構成された保持部材7171を備える。接着剤は、第1の層7010と第2の層7020とを共に結合して、止血剤7175の層の周囲に気密及び/又は液密シール及び/又はパウチを形成する。接着剤は、折り目、しわ、及び/又は隙間のないシールを形成する。接着剤によって形成されたシールは、例えば、汚染物質が止血剤7175の層と接触しないようにし、及び/又は止血剤7175の層の構成要素が、誤配置されないようにする。様々な例において、止血剤7175は、パッケージ7000内に密閉される。様々な例において、パッケージ7000は、完全な液密かつ気密のシールを提供する。
【0031】
第1の層7010及び第2の層7020は、例えば、積層内面を有する紙などの材料で構成される。積層内面は、汚染物質がパッケージ7000の密閉部分に入らないようにするバリアを提供する。様々な例において、第1の層7010及び第2の層7020はプラスチックで構成される。第1の層7010及び第2の層7020は、例えば、シールの破断前に、臨床医がシールを破断する前にパッケージ7000の内容物を観察できるようにするために、特定の程度の透明度を有する材料で構成され得る。上記のように、任意の好適な材料及び/又は材料の組み合わせが、第1の層7010及び/又は第2の層7020に使用され得る。第1の層7010は、シールの外側に位置付けられた第1の部分を備え、第2の層7020は、シールの外側に位置付けられた第2の部分を備える。臨床医は、第1の部分及び第2の部分を別々の手に保持し、第2の層7020から離れる方向に第1の部分を引っ張ることによって、止血剤7175の密閉層を露出させることができる(ただし、任意の好適な開封方法を使用することができる)。
【0032】
図2は、パッケージ7000と一体化したRFIDシステム7500を示す。RFIDシステム7500は、RFIDタグ7172と、絶縁体7050と、を備える。RFIDタグ7172は、例えば、パッケージ7000及び/又はパッケージ7000の内容物に関する情報を記憶するチップ、例えば、マイクロチップなどを備える。様々な例において、チップは識別番号を含む。このような識別番号は、チップの存在をRFIDスキャナに通信することができるチップに割り当てられ得る。様々な例において、チップは、例えば、製造データ、出荷データ、及び/又は適合性データなど追加情報を含む。RFIDタグ7172は、RFIDタグ7172とRFIDスキャナとの間の通信を容易にするように構成された無線アンテナ7173を更に備える。
【0033】
絶縁体7050は、パッケージ7000の第1の層7010に取り付けられ、RFIDタグ7172は、止血剤7175の層を支持する取り付け部材7170に取り付けられる。パッケージ7000が密閉構成にあるとき、絶縁体7050は、RFIDタグ7172の一体型電池7176に固定されるか、ないしは別の方法で接続される。一体型電池7176は、パッケージ7000が開封されるとアクティブになる。パッケージ7000の開封前は、絶縁体7050と一体型電池7176との間の界面が、一体型電池7176によるRFIDタグ7172への電力供給を阻止する。このような例では、RFIDタグ7172は、信号を発することができない。臨床医が、第2の層7020から第1の層7010を剥がすことによってパッケージ7000のシールを破断すると、絶縁体7050は、RFIDタグ7172の一体型電池7176から切断される、ないしは別の方法で切り離される。絶縁体7050が一体型電池7176から切り離されると、一体型電池7176とRFIDタグ7172との間の回路が閉じられ、RFIDタグ7172は通電される。
図2に示すように、RFIDタグ7172は、通電されると信号7174を発し始める。RFIDタグ7172は、任意の適切な周波数で、及び/又は任意の適切な期間にわたって信号7174を発するように構成されている。例えば、RFIDタグ7172は、信号7174を連続的に発することができる、又はRFIDタグ7172は、3~5秒ごとに信号7174を発することができる。信号7174は、RFIDタグ7172のチップに記憶された情報の一部又は全てを含む。様々な例において、信号7174は、例えば、パッケージ7000が出荷及び/若しくは保管中に手を加えられた、又は単にパッケージ7000が開封されたことを外科用器具に警告するのに役立ち得る。
【0034】
図4は、外科用ステープル留め器具及び/又はツール7100のRFIDシステム及び/又は制御システム7400のブロック図を示す。しかしながら、制御システム7400は、本明細書でより詳細に説明する外科用クリップアプライヤ7200及び/又は外科用縫合装置7300など代替の外科用器具及び/又はツールで使用するように適合され得る。制御システム7400は、RFIDスキャナ7408aなどRFIDスキャナと一体化され得る、又はRFIDスキャナ7408aに結合されるが、RFIDスキャナ7408aとは別個に位置付けられ得る制御回路1210を含む。制御回路1210は、補助構成要素7175に関する、RFIDタグ7406aに記憶された情報、及び/又は補助構成要素7175のパッケージ7000に関する情報を示す、RFIDスキャナ7408からの入力を受信するように構成され得る。様々な例において、RFIDシステム7400は、2つ以上のRFIDスキャナ7408b~h及び/又は2つ以上のRFIDタグ7406b~hを備える。RFIDスキャナ7408a~hは、以下に記載するように、制御回路1210がRFIDスキャナ7408a~hからデータを受信し、次いで読み取りデータに基づいて様々なアクションを実行することができるように通信可能に結合される。
【0035】
少なくとも1つの例において、制御回路1210は、プロセッサ1214と、例えばメモリ1212など記憶媒体と、を有するマイクロコントローラ1213を含む。メモリ1212は、例えば、同一性検証など様々なプロセスを実行するためのプログラム命令を記憶する。プログラム命令は、プロセッサ1214によって実行されると、例えば、RFIDタグ7406a~hから受信した識別情報を、識別データベース又はルックアップテーブルの形式でメモリ1212に記憶された識別情報と比較することによって、プロセッサ1214にパッケージ7000及び/又は補助構成要素7175の識別情報を検証させる。様々な例において、メモリ1212は、器具7100のローカルメモリを備える。他の例において、同一性データベース若しくはテーブル及び/又は適合性データベース若しくはテーブルをリモートサーバからダウンロードすることができる。様々な態様において、器具7100は、リモートで同一性確認及び/又は適合性確認を実行するために、RFIDタグ7406a~7406hから受信した情報を、データベース又はテーブルを記憶するリモートサーバに伝送し得る。
【0036】
RFIDタグ7172は、RFIDスキャナと通信するように構成されている。絶縁体7050が取り外されると、RFIDタグ7172の一体型電池7176は、RFIDタグ7172がRFIDスキャナからの質問信号など第1の信号を受信する前に、信号7174を発することを可能にする。RFIDスキャナは、RFIDタグ7172から無線信号7174を送受信するように構成されたスキャナアンテナを備える。様々な例において、RFIDスキャナは、読み取り能力及び書き込み能力を備える。RFIDスキャナは、収集した情報をRFIDタグ7172から外科用器具のコントローラに渡して、更に解釈するように構成されている。様々な例において、コントローラは、補助構成要素が特定の外科用器具に適合するかどうかを判定するように構成されている。様々な例において、コントローラが補助構成要素は特定の外科用器具、及び/又は特定の外科手術中での使用に適合しないとコントローラが判定する場合、ロックアウトアセンブリ7179をアクティブにして、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で、例えば、ステープル発射ストローク、縫合糸発射ストローク、及び/又はクリップ圧着ストロークなど機能を実行することを阻止するように構成されている。様々なロックアウトアセンブリは、2006年12月5日に発行された米国特許第7,143,923号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A FIRING LOCKOUT FOR AN UNCLOSED ANVIL」;米国特許第7,044,352号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SINGLE LOCKOUT MECHANISM FOR PREVENTION OF FIRING」(2006年5月16日発行)、米国特許第7,000,818号、「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」(2006年2月21日発行)、2006年1月24日に発行された米国特許第6,988,649号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING A SPENT CARTRIDGE LOCKOUT」;及び2005年12月27日に発行された米国特許第6,978,921号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT INCORPORATING AN E-BEAM FIRING MECHANISM」により詳細に説明されており、これらの開示は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。RFIDスキャナは、RFIDスキャナがRFIDタグ7172によって送信された、放射信号7174を受信することを可能にする、RFIDタグ7172の所定の範囲内に位置付けられている。用途に応じて、RFIDスキャナは、外科用器具上に、パッケージの内容物上に位置付けることができ、及び/又は外科用器具と通信するリモート外科用システムなどのコンソール上にリモート配置することができる。更に、コントローラは、例えば、外科用器具又はリモートコンソール上など任意の好適な位置に位置することができる。
【0037】
様々な例において、パッケージ7000の開封時、及び/又はパッケージ7000の開封後にRFIDタグ7172のタグアンテナは破壊される、及び/又は別の方法で動作不能にされる。RFIDタグ7172は、タグアンテナが動作不能であると、RFIDスキャナから通信及び/又は信号を送受信することができない。そのような例では、RFIDスキャナは、パッケージの開封前にRFIDタグ7172から第1の信号を受信するように構成されている。RFIDスキャナが第1の信号を受信すると、外科用器具のコントローラは、パッケージ7000及びパッケージ7000の内容物を認証するように構成されている。RFIDスキャナがRFIDタグ7172から第1の信号を受信しない場合、コントローラは、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で機能を実行することを阻止するように構成されている。RFIDスキャナが第1の信号を受信できないことは、とりわけ、手を加えられたパッケージ及び/又は真正ではないパッケージを示す。様々な例において、タグアンテナは、パッケージ7000の開封後も動作可能である。しかしながら、タグアンテナの通信範囲は狭まる。そのような例では、通信範囲が狭まったことにより、RFIDタグ7172は、RFIDスキャナに対する通信を送受信できなくなる。
【0038】
様々な例において、RFIDタグ7172と電源との間にスイッチが位置付けられている。絶縁体7050は、パッケージ7000が密閉構成にあるときにスイッチを開放し、電源はRFIDタグ7172に電力を供給することができない。そのような状況では、RFIDタグ7172は、RFIDスキャナと通信することができない。パッケージ7000が非密閉構成であるとき、絶縁体7050は、RFIDタグ7172から切り離され、スイッチは閉鎖される。そのような状況では、電源は、RFIDタグ7172に電力を供給することができ、RFIDタグ7172は、RFIDスキャナと通信することができる。
【0039】
様々な例において、パッケージ7000の第2の層7020に取り付けられたRFIDタグを備えるRFIDシステムが使用され得る。上記に加えて、RFIDタグは、パッケージ7000の第2の層7020上に位置付けられた内部電源を備える。絶縁体7050に類似の絶縁体は、パッケージ7000に取り付けられ、パッケージ7000の開封時に第2の層7020上のRFIDタグがアクティブになる。絶縁体は、パッケージ7000の第1の層7010に取り付けられるか、ないしは別の方法で関連付けられる。パッケージ7000が密閉構成にあるとき、絶縁体7050は、パッケージ7000の第2の層7020上のRFIDタグに取り付けられるか、ないしは別の方法で結合され、一体型電源とRFIDタグとの間の回路を開放状態に保つ。絶縁体7050とRFIDタグとの間の界面は、電源がRFIDタグをアクティブにさせないようにし、RFIDタグは信号を発することができない。臨床医が、第1の層7010を剥がすことによってパッケージ7000のシールを破断すると、絶縁体7050は、RFIDタグから切断される、ないしは別の方法で切り離され、電源とRFIDタグとの間の回路は閉鎖される。そのような時点で、RFIDタグは通電され、信号を発し始める。
【0040】
様々な態様において、RFIDシステム7500は、トランスポンダを更に備える。トランスポンダは、RFIDスキャナからの第1の通信を受信する。様々な例において、RFIDスキャナからの第1の通信は、トランスポンダがRFIDタグと通信するのに十分な程度にトランスポンダを通電する。様々な例において、トランスポンダは、RFIDスキャナから第1の通信を受信する前に通電される。いずれにしても、トランスポンダは、RFIDスキャナからの第1の通信を聴取する、ないしは別の方法で受信すると、RFIDタグに信号を自動的に送信するように構成されている。RFIDタグの電源は、トランスポンダから信号を受信するとRFIDタグを通電させ、RFIDタグは、RFIDスキャナによって伝送された通信に応答することができる。トランスポンダは、とりわけ、例えばRFIDタグがRFIDスキャナの範囲内にあるときまでRFIDタグの電池寿命を維持するのに役立つ。
【0041】
本明細書でより詳細に説明するように、臨床医が、特定の外科用器具で使用する、及び/又は特定の外科手術中に使用する補助構成要素の適合性を検証可能であることは重要である。様々な理由で、臨床医が、補助構成要素は未使用であること及び/又は手を加えられていないことを確認可能であることも重要である。臨床医はまた、例えば、補助構成要素が汚染されていないこと、補助構成要素が無傷であること、並びに/又は補助構成要素が、許容可能な組成及び/又は寸法を備えることを確認することを望む場合がある。
【0042】
図3は、外科用ステープル留め器具7100の一部を図示する。本明細書の他の場所でより詳細に論じるように、外科用ステープル留め器具7100は、外科用ステープル留め器具7100の細長いシャフト7120から延在するエンドエフェクタ7130を備える。エンドエフェクタ7130は、第1のジョー7132を備え、第1のジョー7132はアンビルである。第1のジョー7132は、複数のステープル形成ポケットを備える。エンドエフェクタ7130は、交換可能なステープルカートリッジ7140を受容するように構成されたチャネルを備える、第2のジョー7134を更に備える。交換可能なステープルカートリッジ7140は、カートリッジ本体と、カートリッジ本体内に取り外し可能に収容された複数のステープルと、を備える。複数のステープルは、ステープル発射ストローク1163中にカートリッジ本体から押し出される。例えば、ステープル発射及び組織切断ストローク1163中に影響を受けた患者組織の急速な血液凝固を促進しようとして、臨床医は、ステープル発射ストローク1163の実行前に、止血剤7175の層をエンドエフェクタ7130に取り付けることができる。様々な例において、止血剤7175の層は、カートリッジ本体のデッキ表面に取り付けられている。様々な例において、止血剤7175の層は、アンビルの組織支持面に取り付けられている。いずれにせよ、止血剤7175の層は、ステープル発射ストローク1163中、及び/又はステープル発射ストローク1163後に、患者組織と接触している。
【0043】
上記のように、止血剤7175の層は、外科用器具への取り付け前に、パッケージ内に密閉されている。パッケージ内では、止血剤7175の層は、止血剤7175の層の保管及び取り付けを容易にするように構成された、取り付けアセンブリの一部である。取り付けアセンブリは、取り付け部材7170を備える。様々な例において、取り付け部材7170は、パッケージの層と止血剤7175との間に物理的バリアを提供し、パッケージの層が止血剤7175と接触しないようにする。例えば、取り付け部材7170は、止血剤7175の層がパッケージの一方の層又は両方の層に粘着する、及び/又は別の方法で付着することを阻止する。止血剤7175の層は、取り付け部材7170の側壁7177、7188によって画定される取り付け部材7170内の開口部の間に位置付けられている。取り付け部材7170は、止血剤7175の層の一部を受容する保持部材7171を備える。保持部材7171は、止血剤7175の層の整列を維持し、止血剤7175の層を取り付け部材7170に固定する。取り付け部材7170はまた、臨床医が、外科用器具のエンドエフェクタ7130に取り付けるために止血剤7175の層を位置合わせする際に保持するための表面を提供する。取り付け部材7170によって提供される表面により、臨床医は、止血剤7175の層に触れるか、ないしは別の方法で接触することを必要とせずに、止血剤7175の層をエンドエフェクタ7130に取り付けることができる。
【0044】
取り付け部材7170は、RFIDタグ7172を更に備える。RFIDタグ7172は、取り付け部材7170、及び/又は止血剤7175の層に関する情報を記憶するチップ、例えばマイクロチップを備える。様々な例において、RFIDチップに記憶された記憶情報セットは、取り付け部材7170が支持している補助構成要素のタイプを識別するデータを含む。図示の実施形態では、取り付け部材7170は、止血剤7175の層を支持している。しかしながら、取り付け部材7170は、例えば、組織厚さコンペンセータ及び/又は接着剤など任意の好適な形態の補助構成要素を支持することができる。
図3に示すように、RFIDタグ7172は、取り付け部材7170の側壁7178に取り付けられている。しかしながら、RFIDタグ7172は、任意の好適な方法によって、取り付け部材7170内に埋め込まれ得る、及び/又は取り付けられ得る。様々な場合において、RFIDタグ7172は、止血剤7175の層上に位置付けられ得る。
【0045】
取り付け部材7170内のRFIDタグ7172は、外科用器具にロックアウト7179を提供する。外科用器具は、RFIDタグ7172に記憶された情報が外科用器具のコントローラで受信されない場合、例えば、ステープル発射ストローク及び/又はジョー閉鎖ストロークなど発射駆動アセンブリ1163による機能を実行しない。様々な例において、外科用器具は、止血剤7175の層がエンドエフェクタ7130に取り付けられた後にRFIDタグ7172がRFIDスキャナ7150と依然として通信している場合、発射駆動アセンブリ1163で機能を実行しない。そのようなロックアウト7179は、取り付け部材7170が止血剤7175の層に依然として取り付けられている、及び/又は止血剤7175の層がエンドエフェクタ7130に不適切に取り付けられているときに、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で機能を実行することを阻止する。
【0046】
本明細書でより詳細に述べるように、外科用ステープル留め器具7100は、近傍のRFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナ7150を備える。RFIDスキャナ7150は、無線信号を送信するように構成されたスキャナアンテナを備える。無線信号は、RFIDスキャナ7150の所定の範囲内に位置付けられたRFIDタグをアクティブにする。次いで、RFIDスキャナ7150は、RFIDタグから「返送された」1つ以上の応答信号を受信する。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号から修正された信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナ7150は、読み取り能力及び書き込み能力を含む。次いで、RFIDスキャナ7150は、収集した情報をRFIDタグからコントローラに渡して、更に解釈することができる。コントローラは、外科用器具内、リモートコンソール内、又は任意の好適な位置に位置付けられ得る。RFIDスキャナ7150及び/又はコントローラは、特定の外科用器具、及び/又は特定の外科手術中での使用に適合する、外科用ステープル留めアセンブリに対応する記憶情報セットを含み得る。
【0047】
より具体的には、外科用システムは、取り付け部材7170に取り付けられたRFIDタグ7172と相互作用するように構成されたRFIDスキャナ7150を備える。RFIDスキャナ7150は、様々な位置に存在し得る。例えば、RFIDスキャナ7150は、ステープルカートリッジ7140によって保持され得る。様々な例において、RFIDスキャナは、外科用器具の電池及び/又は電源によって給電される。図示の実施形態では、RFIDスキャナ7150は、エンドエフェクタ7130の第2のジョー7134上に位置付けられている。しかしながらRFIDスキャナ7150は、取り付け部材7170がエンドエフェクタ7130の所定の範囲内に存在するときに、外科用システム内の別の位置、及び/又はRFIDタグ7172とRFIDスキャナ7150との間の通信を可能にする任意の他の好適な位置に位置し得る。RFIDスキャナ7150及び/又はRFIDタグ7172は、発した信号が限られた半径内でのみ検出され得るように給電される。したがって、止血剤7175の層をエンドエフェクタ7130に取り付けた後に、取り付け部材7170が止血剤7175の層から取り外されると、RFIDタグ7172は、RFIDスキャナ7150と通信することができない。
【0048】
様々な例において、エンドエフェクタ7130は、エンドエフェクタ7130の遠位端上に位置付けられたRFIDスキャナを備える。RFIDタグは、取り付け部材7170の後壁7177によって保持される。補助構成要素7175がエンドエフェクタ7130に適切に取り付けられている間、エンドエフェクタ7130の遠位端は、取り付け部材7170の後壁7177に近づけられ、整列され、及び/又は接触させられる。様々な例において、RFIDスキャナの通信範囲は、エンドエフェクタ7130が後壁7177に近づけられ、及び/又は接触させられるときに、取り付け部材7170の後壁7177のRFIDタグのみを含む距離にわたる。そのような通信範囲により、補助構成要素7175がエンドエフェクタ7130と完全に整列したときにのみRFIDタグがRFIDスキャナと通信できるようになる。RFIDタグとRFIDスキャナとの間の通信は、補助構成要素7175がエンドエフェクタ7130と完全に整列し、外科用器具の発射駆動アセンブリ1163による機能が実行され得ることを臨床医に警告することができる。RFIDスキャナがRFIDタグから通信を受信しない場合、補助構成要素7175は、例えば、整列していない、及び/又はエンドエフェクタ7130に完全に取り付けられてはいない場合があり、このことは、例えば、不均一なステープルラインの形成をもたらし得る。様々な例において、外科用器具のコントローラは、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で、例えば、ステープル発射ストロークなど機能を実行することを阻止する。様々な例において、臨床医が補助構成要素7175はエンドエフェクタに取り付けられたと考えるときにRFIDスキャナがRFIDタグから通信を受信し続ける場合、コントローラは、外科用器具の発射駆動アセンブリ1163での機能を阻止するように構成されている。継続的な通信は、取り付け部材7170が依然として補助構成要素7175に取り付けられていることを示す。そのような状況では、通信の欠如は、取り付け部材7170が取り外された、並びに/又はエンドエフェクタ7130及び/若しくは補助構成要素7175からの通信距離外に移動されたことを示す。
【0049】
取り付け部材7170はRFIDタグを備えない、及び/又はRFIDタグ7172は外科用器具に適合しないという情報を含む場合、外科用器具の補助構成要素検証システムは、外科用器具が、ステープル発射ストローク又はジョー閉鎖ストロークなど発射駆動アセンブリ1163での機能を実行することを許可することはできない。RFIDスキャナ7150が、適合する補助コンポーネントの記憶セット内に見出されない質問信号に対する応答を受信する場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。同様に、RFIDスキャナ7150が質問信号に対する応答を受信しない場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。様々な例において、コントローラでエラーを検出することにより、その特定の補助構成要素で外科用器具を使用できないようになり得る。様々な例において、エラーが検出されると、外科用器具は、ステープル発射ストローク、ジョー閉鎖ストローク、及び/又は組織切断ストロークを実行できなくなり得る。様々な例において、外科用器具は、臨床医が、緊急時に任意のシステムロックアウト7179を無効にし、外科用器具の動作機能を利用できるようにアクティブにされ得る、手動オーバーライドを更に備える。上記のように、コントローラは、エラーが検出されたことをインジケータ1209によって臨床医に警告するように構成されている。そのようなアラートは、例えば、触覚フィードバック、音響フィードバック、及び/又は視覚フィードバックなど様々な形態のフィードバックを介して通信され得る。少なくとも1つの例において、フィードバックは、音声フィードバックを含み、外科用器具は、エラーが検出されると、例えばビープなど音を発するスピーカを備え得る。特定の例において、フィードバックは、視覚的フィードバックを含み、外科用器具は、例えば、エラーが検出されると点滅する、発光ダイオード(light emitting diode、LED)を備え得る。様々な例において、フィードバックは、触覚フィードバックを含み、外科用器具は、エラーが検出されると振動する偏心要素を備える電動モータ1160を備え得る。アラートは、個別又は汎用であり得る。例えば、アラートは、取り付け部材7170上のRFIDタグ7172を検出できないと具体的に述べることができる、又はアラートは、RFIDタグ7172が、適合しない及び/又は正常に機能しない補助構成要素7175を表す情報を含むと具体的に述べることができる。
【0050】
様々な例において、コントローラは、RFIDタグ7172に記憶された情報を使用した止血剤7175の層の識別に基づいて、様々な動作パラメータを選択する、及び/又は修正するように構成され得る。そのような識別は、とりわけ、止血剤7175の層を構成する材料、及び/又は止血剤7175の層の厚さ含み得る。止血剤7175の層の識別後、コントローラは、修正された動作パラメータを使用して、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で所望の機能を実行することを許可するように構成されている。
【0051】
例えば、
図5は、制御回路1210の例示的なプロセス6400を示す。上記のように、制御回路1210は、止血剤7175の層など補助構成要素に対応するRFIDタグ7172に記憶された情報を受信する(6410)ように構成されている。受信した情報を使用して、制御回路1210は、受信した情報を使用して補助構成要素7175の特性を識別する(6420)ように構成されている。制御回路1210は、補助構成要素7175の識別した特性に対応する1つ以上の適切な動作パラメータを選択する(6430)ように構成されている。制御回路1210は、選択した動作パラメータを用いて、ステープル発射ストロークなどの機能を実行するように発射アセンブリに指示する(6440)ように構成されている。
【0052】
様々な例において、また上記のように、RFIDタグ7172は一体型電源を備え、パッケージ7000の開封時にアクティブになり得る。そのような例では、RFIDタグ7172は、記憶情報セットを継続的に送信することができ、RFIDタグ7172は、RFIDスキャナ7300からの質問信号を待機して、記憶情報セットを送信する必要がない。
【0053】
図6は、外科用クリップアプライヤ7200の一部を図示する。本明細書でより詳細に論じるように、外科用クリップアプライヤ7200は、エンドエフェクタ7230を備える。エンドエフェクタ7230は、第1のジョー7232と、第2のジョー7234と、を備える。第1のジョー及び第2のジョーのうちの少なくとも1つは、圧着ストローク中に互いに向かって移動可能である。外科用クリップアプライヤ7200は、少なくとも1つのクリップを更に備える。様々な例において、外科用クリップアプライヤ7200は、複数のクリップを備えるカートリッジを受容するように構成されている。他の例では、外科用スリップアプライヤ7200は、一度に1つのクリップを受容するように構成されている。各クリップは、圧着ストローク中に、患者組織Tの周囲に1つずつ圧着されるように構成されている。
【0054】
外科用クリップアプライヤ7200は、第1のクリップ7260と、第2のクリップ7260’と、を備える、クリップカートリッジを受容するように構成されている。第1のジョー7260は、第1のRFIDタグ7262を備える。第1のRFIDタグ7262は、外科用クリップアプライヤ7200、第1のクリップ7260、及び/又は外科用クリップアプライヤ7200に取り付けられたカートリッジに関する情報を記憶するチップ、例えばマイクロチップなどを備える。様々な例において、RFIDチップに記憶された情報セットは、外科用器具7200に取り付けられたクリップ7260及び/又はクリップカートリッジのタイプを識別するデータを含む。
図6に示すように、第1のRFIDタグ7262は、第1のクリップ7260の外面に取り付けられている。第1のRFIDタグ7262は、第1のクリップ7260が圧着されたときに第1のRFIDタグ7262が患者組織Tと接触しないように、第1のクリップ7260の外面に位置付けられている。そのような配置は、例えば、患者組織Tへの損傷及び/又は外傷を最小限に抑えることができる。第1のRFIDタグ7262は、圧着ストローク中に屈曲しない、第1のクリップ7260の部分に位置付けられている。そのような配置は、例えば、圧着ストローク中の第1のRFIDタグ7262の損傷を回避する。したがって、第1のRFIDタグ7262は、任意の好適な方法によって、及び/又は任意の好適な位置において第1のクリップ7260に埋め込まれ得る、及び/又は第1のクリップ7260に取り付けられ得る。
【0055】
第1のクリップ7260上の第1のRFIDタグ7262は、例えば、ロックアウト7179など外科用器具のロックアウトを提供する。クリップアプライヤは、第1のRFIDタグ7262に記憶された情報が外科用器具のコントローラで受信されない場合、例えば、第1のクリップ7260での圧着ストロークなど発射駆動アセンブリ1163での機能を実行しない。様々な例において、外科用器具は、第1のクリップ7260で圧着ストロークが実行された後に第1のRFIDタグ7262が依然としてRFIDスキャナ7250と通信している場合、発射駆動アセンブリ1163で機能を実行しない。本明細書でより詳細に説明するように、圧着ストロークが第1のクリップ7260で実行された後の第1のRFIDタグ7262とRFIDスキャナ7250との間での継続的な通信は、とりわけ、クリップアプライヤが、形成された第1のクリップ7260に過度に近接して位置付けられていることを示す。様々な例において、クリップアプライヤは、例えば、形成された第1のクリップ7260に対するクリップアプライヤの検出位置について臨床医に警告して、クリップアプライヤがクリップを共に過度に近接して適用することを阻止することができる。
【0056】
例えば、制御回路1210のプロセス6700を
図7に図示する。制御回路1210は、圧着ストロークが第1のクリップで実行された後に、第1のクリップの存在を検出する(6710)ように構成されている。コントローラが、RFIDスキャナを介して、第1のクリップによって支持される第1のRFIDタグから通信及び/又は信号を受信する(6720)場合、コントローラは、外科用器具7200が第2のクリップで圧着ストロークを実行することを阻止する(6730)ように構成されている。コントローラが、RFIDスキャナを介して、第1のクリップによって支持される第1のRFIDタグから通信及び/又は信号を受信できない(6740)場合、コントローラは、外科用器具7200が第2のクリップで圧着ストロークを実行することを許可する(6750)ように構成されている。
【0057】
制御回路1210の追加のプロセス6600を
図8に示す。制御回路1210は、第1のクリップ6610によって支持される第1のRFIDタグの存在を検出するように構成されている。制御回路1210が、RFIDスキャナを介して、第1のRFIDタグから通信を受信することができない(6620)場合、コントローラは、外科器具7200が第1のクリップで圧着ストロークなど機能を実行することを阻止する(6630)ように構成されている。制御回路1210は、コントローラが第1のRFIDタグから通信を受信する(6640)まで、第1のRFIDタグの存在を検出し続ける(6610)。RFIDスキャナを介して第1のRFIDタグから通信を受信する(6640)と、制御回路1210は、外科器具7200が第1のクリップで圧着ストロークなど機能を実行することを許可するように構成されている。第1のクリップで圧着ストロークが実行された後、コントローラが第1のRFIDタグから通信を受信し続ける(6660)場合、コントローラは、外科用器具7200が第2のクリップで圧着ストロークを実行することを阻止する(6670)ように構成されている。第1のクリップで圧着ストロークが実行された後、コントローラが第1のRFIDタグから通信を受信しなくなる(6680)場合、コントローラは、外科用器具7200が第2のクリップで圧着ストロークを実行することを許可する(6690)ように構成されている。
【0058】
本明細書でより詳細に述べるように、外科用クリップアプライヤ7200は、近傍のRFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナ7250を備える。RFIDスキャナ7250は、無線信号を送信するように構成されたスキャナアンテナを備える。無線信号は、RFIDスキャナ7250の所定の範囲内に位置付けられたRFIDタグをアクティブにする。次いで、RFIDスキャナ7250は、RFIDタグから「返送された」1つ以上の応答信号を受信する。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号から修正された信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナ7250は、読み取り能力及び書き込み能力を含む。次いで、RFIDスキャナ7250は、収集した情報をRFIDタグからコントローラに渡して、更に解釈することができる。コントローラは、外科用器具7200内、リモートコンソール内、又は任意の好適な位置に位置付けられ得る。RFIDスキャナ7250及び/又はコントローラは、特定の外科用器具、及び/又は特定の外科手術中での使用に適合するクリップカートリッジ及び/又はクリップに対応する記憶された適合性情報セットを含み得る。
【0059】
より具体的には、外科用システム7200は、第1のクリップ7262に取り付けられたRFIDタグ7262と相互作用するように構成されたRFIDスキャナ7250を備える。RFIDスキャナ7250は、様々な位置に存在し得る。図示の実施形態では、RFIDスキャナ7250は、エンドエフェクタ7230の第2のジョー7234上に位置付けられている。しかしながらRFIDスキャナ7250は、外科用システム7200内の別の位置、及び/又は第1のRFIDタグ7262とRFIDスキャナ7250との間の通信を可能にする任意の他の適切な位置に位置し得る。RFIDスキャナ7250及び/又は第1のRFIDタグ7262は、発した信号が限られた半径によって画定される通信範囲7252内でのみ検出され得るように給電される。したがって、外科用クリップアプライヤ7200が、第1のクリップ7260が適用される患者組織Tから離れる方向に移動するとき、第1のRFIDタグ7262は、RFIDスキャナ7250と通信することができない。そのような状況では、RFIDタグ7262は、RFIDスキャナ7250の通信範囲7252の外側に移動する。RFIDタグ7262は、RFIDタグ7262が通信範囲7252の外側に位置付けられているときに、RFIDスキャナ7250から信号を送受信することができない。
【0060】
第1のクリップ7260はRFIDタグを備えない、及び/又は第1のRFIDタグ7262は外科用器具7200に適合しないという情報を含む場合、外科用器具7200の補助構成要素検証システムは、外科用器具が、圧着ストロークなど発射駆動アセンブリ1163で機能を実行することを許可することはできない。RFIDスキャナ7250が、適合する補助コンポーネントの記憶セット内に見出されない質問信号に対する応答を受信する場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。同様に、RFIDスキャナ7250が質問信号に対する応答を受信しない場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。様々な例において、コントローラでエラーを検出することにより、外科用器具は、その特定のクリップカートリッジ及び/又はクリップ7260で使用できないようになり得る。様々な例において、エラーが検出されると、外科用器具は、クリップ適用ストローク、及び/又は圧着ストロークを実行できなくなり得る。様々な例において、外科用器具は、臨床医が、緊急時に任意のシステムロックアウト7179を無効にし、外科用器具の動作機能を利用できるようにアクティブにされ得る、手動オーバーライドを更に備える。上記のように、コントローラは、エラーが検出されたことをインジケータ1209によって臨床医に警告するように構成されている。そのようなアラートは、例えば、触覚フィードバック、音響フィードバック、及び/又は視覚フィードバックなど様々な形態のフィードバックを介して通信され得る。アラートは、個別又は汎用であり得る。例えば、アラートは、第1のクリップ7260上の第1のRFIDタグ7262を検出できないと具体的に述べることができる、又はアラートは、第1のRFIDタグ7262が適合しない及び/又は正常に機能しないクリップカートリッジ及び/又はクリップ7260を表す情報を含むと具体的に述べることができる。
【0061】
例えば、外科用器具7200に取り付けられたクリップ及び/又はクリップカートリッジの真正性及び/又は適合性を判定するための制御回路1210のプロセス6500を
図9に示す。各クリップがRFIDタグを備える場合、制御回路1210は、第1のクリップ6510によって支持された第1のRFIDタグの存在を、RFIDスキャナを介して検出するように構成されている。RFIDスキャナが第1のRFIDタグから通信を受信することができない場合、RFIDスキャナは、制御回路1210に通信を伝達することができない。そのような例では、制御回路1210は、第1のRFIDタグ6520に記憶された情報を受信することができず、制御回路1210は、外科器具7200が第1のクリップ6530上で圧着ストロークを実行することを阻止する。RFIDスキャナが第1のRFIDタグを検出できないことは、とりわけ、真正ではないクリップ、正常に機能しないクリップ、及び/又は不適切に整列されたクリップなど様々なシナリオに起因し得る。RFIDスキャナが第1のRFIDタグから通信を受信する場合、RFIDスキャナは、受信した情報を制御回路1210に通信するように構成されている。制御回路1210は、第1のクリップが外科用器具7200で、及び/又は外科手術中に使用するのに適合するかどうかを判定する(6550)。第1のクリップが使用するのに適合すると制御回路1210が判定した場合、制御回路1210は、外科器具7200が第1のクリップで圧着ストロークなど機能を実行することを許可する(6560)。第1のクリップが使用に適合しないと制御回路1210が判定した場合、制御回路1210は、外科器具7200が圧着ストロークなど機能を実行することを阻止する(6570)。
【0062】
様々な例において、コントローラは、第1のRFIDタグ7262に記憶された情報を使用したクリップカートリッジ及び/又はクリップ7260の識別に基づいて、様々な動作パラメータを修正することができる。そのような識別は、とりわけ、第1のクリップ7260の構成材料、クリップカートリッジに残存するクリップ7260の数、クリップ7260のサイズ、及び/又は第1のクリップ7260の厚さなどが挙げられ得る。第1のクリップ7260の識別後、コントローラは、修正された動作パラメータを使用して、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で所望の機能を実行することを許可するように構成されている。
【0063】
上記のように、RFIDスキャナ7250は、RFIDスキャナ7250から距離Dにわたる通信範囲7252を備える。第1のクリップ7260上の第1のRFIDタグ7262が、距離D未満でRFIDスキャナ7250から離れる方向に位置する場合、RFIDスキャナ7250は、第1のRFIDタグ7262に対して信号7265を送受信することができる。上記のように、
図6に示す外科用クリップアプライヤ7200は、第2のRFIDタグ7260’を備える第2のクリップ7260’を更に備える。第2のRFIDタグ7260’は、RFIDチップ及びタグアンテナを備え、第2のRFIDタグ7260’は、第1のRFIDタグ7260と機能及び構造の点で類似している。RFIDスキャナ7250が第1のRFIDタグ7260及び第2のRFIDタグ7260’の両方から信号を受信すると、外科用クリップアプライヤ7200のコントローラは、臨床医に警告するように構成されている。そのようなアラートは、例えば、外科用クリップアプライヤ7200が、第1の形成されたクリップ7260に過度に近接した位置で、第2のクリップ7260’を圧着しようとしていることを臨床医に通知し得る。次いで、コントローラは、RFIDスキャナ7250が第1のクリップ7260上の第1のRFIDタグ7262に対して通信及び/又は信号を送受信することが不可能になるまで、クリップアプライヤ7200が第2のクリップ7260’で圧着ストロークを実行することを阻止することができる。
【0064】
様々な例において、第1のRFIDタグ7262に記憶された情報は、第1のクリップ7260に固有の第1のシリアル番号であり、第2のRFIDタグ7262’に記憶された情報は、第2のクリップ7260’に固有の第2のシリアル番号である。RFIDスキャナ7250で受信した情報に基づいて、コントローラは、例えば、外科用クリップアプライヤ7200との適合性及び/又は真正性について個々のクリップ7260、7260’を監視することができる。様々な例において、コントローラは、装填されたクリップカートリッジに残存するクリップの数を更に維持することができる。そのような例では、コントローラは、臨床医がクリップアプライヤ7200に取り付ける新しいクリップカートリッジを準備することができるように、クリップカートリッジに残存するクリップの数を臨床医に警告するように構成されている。
【0065】
例えば、制御回路1210のプロセス6800を
図10に図示する。制御回路1210は、外科用器具7200に取り付けられたクリップカートリッジ6810の特性を識別するように構成されている。制御回路1210は、識別した特性を使用して、クリップカートリッジに収容された、及び/又は残存するクリップの数を決定する(6820)ように構成されている。制御回路1210は、各圧着ストローク後にクリップカートリッジに収容された、及び/又は残存するクリップの数を更新する(6830)ように構成されている。制御回路1210は、所定の数のクリップがクリップカートリッジに残存するときに、臨床医6840に警告するように更に構成されている。例えば、臨床医は、クリップカートリッジに1つのクリップのみが残存する場合に警告され得る。様々な例において、臨床医は、継続的にクリップ数について警告され得る。
【0066】
様々な例において、クリップアプライヤ6200及び7200など個々の外科用クリップアプライヤは、クリップ及び/又はクリップカートリッジの様々な構成で交換可能に使用されるように構成されている。例えば、クリップは、異なる寸法、異なる強度、異なるハーネス、及び/又は異なる材料組成を備え得る。更に、エンドエフェクタ6230は、細長いシャフト6220に取り外し可能に取り付けられて、クリップアプライヤ6200への様々なエンドエフェクタ構成の取り付けを可能にし得る。そのようなモジュール性は、クリップアプライヤのコントローラが、取り付けられたクリップ、取り付けられたクリップカートリッジ、及び/又は取り付けられたエンドエフェクタのタイプごとに異なる動作パラメータを実行することを必要とする。
【0067】
外科用クリップアプライヤ7200は、電源からの電気エネルギーの流れを含む、モータ1160の動作を制御するように構成された電動モータ1160及びドライバ1161を更に備える。コントローラは、モータ制御プログラムを介して電動モータ1160のパラメータを変える、及び/又は修正する。モータ制御プログラムは、RFIDスキャナで受信した情報に基づいて、適切な動作パラメータを決定するように構成されている。モータ制御プログラムは、RFIDタグから受信した情報を、メモリ1212などメモリ内に記憶されたルックアップテーブル及び/又はデータベースと比較することができる。そのようなルックアップテーブル及び/又はデータベースは、検出した、取り付けられた構成要素に基づいてモータ制御プログラムを実行するための推奨動作パラメータを含み得る。識別した交換可能な構成要素の識別に基づいて調整され得る動作パラメータは、例えば、総モータ速度、圧着ストローク中にエンドエフェクタのジョーによってクリップに加えられる装着力、圧着ストロークの期間、圧着速度、及び/又は圧着ストロークの完了時に、エンドエフェクタのジョーが閉鎖構成で保持される期間を含む。そのような動作パラメータは、例えば、患者組織を切断せずに、確実にクリップを適切に閉鎖するために、取り付けられたクリップに基づいて変更されるべきである。
【0068】
様々な例において、モータ制御プログラムは、取り付けられたクリップ及び/又はクリップカートリッジ上に位置付けられたRFIDタグから受信した情報に基づいて最大負荷閾値を設定するように構成されている。そのような例では、モータ制御プログラムは、最大負荷閾値を超えたときに電動モータ1160に供給する電源の能力を遮断することによって、クリップアプライヤ7200が圧着ストロークを実行することを阻止する。様々な例において、モータ制御プログラムは、とりわけ、処理負荷及び/又は細長いシャフトのねじれ負荷など他の閾値を超えたときに、クリップアプライヤ7200が機能1163を実行することを阻止するように構成されている。モータ制御プログラムは、圧着ストロークの完了後であるが、エンドエフェクタのジョーの開放前に、電源が電動モータ1160に電力を供給することを阻止するように実行され得る。モータ1160への電力供給のそのような一時停止により、ジョーは、所定の時間にわたって圧着されたクリップを所定の位置に保持することができる。様々な例において、クリップアプライヤ7200は、電力がモータ1160に供給されなくなると、ジョーを閉鎖構成に保持するロック部材を備える。そのようなロック部材は、電力がモータ1160に供給されなくなると、ジョーが開放構成に戻ることを阻止する。様々な例において、モータ制御プログラムは、圧着ストロークの完了後に、電源がモータ1160に対して最小量の電力を供給させるように構成されており、最小量の電力は、ジョーを閉鎖構成に保持するのに十分である。
【0069】
エンドエフェクタ7230がクリップアプライヤ7200の細長いシャフトに交換可能に取り付けられる能力は、器具コントローラに、例えば、クリップカートリッジ内に収納されたクリップから圧着位置へと個々のクリップを分離するために、前進部材を並進させなければならない長さを変化させる及び/又は別の方法で調整させることを必要とする。コントローラは、クリップを適切に圧着するために、モジュール式エンドエフェクタ7330の第1のジョーと第2のジョーとの間の距離の差を考慮するように構成されている。動作パラメータはまた、例えば、クリップの材料組成及び患者組織に基づいて、クリップのスプリングバック及び/又は他の反応を補償するために、取り付けられたクリップに基づいて修正されるべきである。クリップアプライヤ7200のコントローラがクリップ材料及び/若しくはサイズの識別、クリップカートリッジの側部及び構成、並びに/又はエンドエフェクタの構成及び/若しくは能力を判定する能力により、制御システムは、とりわけ、閾値の上限、並びに/又は圧着ストロークを実行する速度(rates)及び/又は速度(speeds)を設定することによって適切に適合することができる。
【0070】
図11は、外科用縫合装置7300の一部を図示する。本明細書でより詳細に論じるように、外科用縫合装置7300は、エンドエフェクタ7330を備える。エンドエフェクタ7330は、交換可能な針7360を誘導するように構成された針トラック7335を備える。交換可能な針7360は、患者組織を貫通するように構成された尖った先端部を備える第1の端部7364を備える。交換可能な針7360は、第2の端部7366を備え、第2の端部7366は、それに取り付けられた縫合材7365を備える。交換可能な針7360は、針トラック7335によって誘導され、発射ストロークの間中、発射駆動装置によって作動される。
【0071】
上記のように、エンドエフェクタ7330の針トラック7335は、交換可能な針7360を受容するように構成されている。交換可能な針7360は、RFIDタグ7362を備える。RFIDタグ7362は、外科用縫合装置7300、交換可能な針7360、及び/又は交換可能な針7360に取り付けられた縫合材7365に関する情報を記憶するチップ、例えばマイクロチップなどを備える。様々な例において、RFIDチップに記憶された情報セットは、針トラック7335内に位置付けられた針7360のサイズ、針7360の構成材料、及び/又は縫合材7365の構成材料を識別するデータを含む。
図11に示すように、RFIDタグ7362は、交換可能な針7362内に成形される。RFIDタグ7362は、例えば、針7362が妨げられることなく針トラック7335を通り抜けることができるように、交換可能な針7362内に成形される。更に、RFIDタグ7362は、針7362が円滑な経路で患者組織Tを通り抜けることができるように、交換可能な針7362内に成形される。換言すると、RFIDタグ7362は、発射ストローク中に動けなくなることはない、並びに/又は発射ストローク中に患者組織及び/若しくは針トラック7335を通って交換可能な針を発射するために追加の力を必要としない。したがって、RFIDタグ7362は、任意の好適な方法によって、及び/又は任意の好適な位置において交換可能な針7360に埋め込まれ得る、及び/又は交換可能な針7360に取り付けられ得る。
【0072】
交換可能な針7360上のRFIDタグ7362は、外科用器具7300にロックアウト7179を提供する。縫合装置7300は、RFIDタグ7362に記憶された情報が外科用器具のコントローラで受信されない場合、例えば、発射駆動アセンブリ1163で針発射ストロークなど機能を実行しない。本明細書でより詳細に述べるように、外科用縫合装置7300は、近傍のRFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナ7350を備える。RFIDスキャナ7350は、無線信号を送信するように構成されたスキャナアンテナを備える。無線信号は、RFIDスキャナ7350の所定の範囲内に位置付けられたRFIDタグをアクティブにする。次いで、RFIDスキャナ7350は、RFIDタグから「返送された」1つ以上の応答信号を受信する。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号と同じ信号を含む。様々な例において、1つ以上の応答信号は、質問信号から修正された信号を含む。様々な例において、RFIDスキャナ7350は、読み取り能力及び書き込み能力を備える。次いで、RFIDスキャナ7350は、収集した情報をRFIDタグからコントローラに渡して、更に解釈することができる。コントローラは、外科用器具7300内、リモートコンソール内、又は任意の好適な位置に位置付けられ得る。RFIDスキャナ7350及び/又はコントローラは、特定の外科用器具及び/又は特定の外科手術中での使用に適合する交換可能な針及び/又は縫合材に対応する、記憶された適合性情報セットを含み得る。
【0073】
より具体的には、外科用システム7300は、交換可能な針7360に取り付けられたRFIDタグ7362と相互作用するように構成されたRFIDスキャナ7350を備える。RFIDスキャナ7350は、様々な位置に存在し得る。図示の実施形態では、RFIDスキャナ7350は、エンドエフェクタ7330の遠位端に位置付けられている。より具体的には、RFIDスキャナ7350は、交換可能な針7360が針トラック7335に適切に位置付けられると、交換可能な針7360の第2の端部7366に隣接する針トラック7335の第1の端部に位置付けられる。しかしながらRFIDスキャナ7350は、外科用システム7300内の別の位置、及び/又はRFIDタグ7362とRFIDスキャナ7350との間の通信を可能にする任意の他の好適な位置に位置し得る。RFIDスキャナ7350及び/又はRFIDタグ7362は、発した信号が限られた半径内でのみ検出され得るように給電される。
【0074】
交換可能な針7360はRFIDタグを備えない、及び/又はRFIDタグ7362は外科用器具7300に適合しないという情報を含む場合、外科用器具7300の補助構成要素検証システム及び/又はコントローラは、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で、例えば発射ストロークなど機能を実行することを阻止する。RFIDスキャナ7350が、適合する補助コンポーネントの記憶セット内に見出されない質問信号に対する応答を受信する場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。同様に、RFIDスキャナ7350が質問信号に対する応答を受信しない場合、外科用器具のコントローラは、臨床医にエラーを伝えるようにプログラムされる。様々な例において、コントローラでエラーを検出することにより、その特定の交換可能な針7360で外科用器具を使用できないようになり得る。様々な例において、エラーが検出されると、外科用器具は、発射ストロークを実行できなくなり得る。様々な例において、外科用器具は、臨床医が、緊急時に任意のシステムロックアウト7179を無効にし、外科用器具の動作機能を利用できるようにアクティブにされ得る、手動オーバーライドを更に備える。上記のように、コントローラは、エラーが検出されたことをインジケータ1209によって臨床医に警告するように構成されている。そのようなアラートは、例えば、触覚フィードバック、音響フィードバック、及び/又は視覚フィードバックなど様々な形態のフィードバックを介して通信され得る。アラートは、個別又は汎用であり得る。例えば、アラートは、交換可能な針7360上のRFIDタグ7362を検出できないと具体的に述べることができる、又はアラートは、RFIDタグ7362が適合しない及び/又は正常に機能しない針7360及び/又は縫合材7365を表す情報を含むと具体的に述べることができる。
【0075】
様々な例において、コントローラは、RFIDタグ7362に記憶された情報を使用した、交換可能な針7360及び/又は縫合材7365の識別に基づいて、様々な動作パラメータを修正することができる。そのような識別としては、とりわけ、針7360及び/若しくは縫合材7365の構成材料、縫合材7365の長さ、並びに/又は交換可能な針7360及び/若しくは縫合材7365の厚さを挙げられ得る。交換可能な針7360の特性の識別後、コントローラは、修正された動作パラメータを使用して、外科用器具が発射駆動アセンブリ1163で所望の機能を実行することを許可するように構成されている。
【0076】
本明細書に開示する実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/200、111号(現在の米国特許第9,629,629号)、発明の名称「CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」などに開示される外科用クリップアプライヤ及びシステムで使用するために構成されている。
図12及び
図13は、モータ駆動の外科用切断及び締結器具12310を示す。この例示の実施形態は内視鏡器具を示し、概して、器具12310は、内視鏡外科用切断及び締結器具として本明細書に記載するが、本発明はそのように限定されるものではないこと、また、他の実施形態により、本明細書で開示する任意の器具は、非内視鏡外科用切断及び締結器具を含み得ることに留意されたい。
図12及び
図13に示す外科用器具12310は、ハンドル12306と、シャフト12308と、シャフト12308に結合されたエンドエフェクタ12312と、を備える。種々の実施形態において、エンドエフェクタ12312は、関節運動継手12314の周囲でシャフト12308に対して関節運動させられ得る。エンドエフェクタ12312を関節運動させるための様々な手段、及び/又はエンドエフェクタ12312がシャフト12308に対して関節運動することを可能にするための手段は、2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」、及び2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」に開示されており、これらの特許の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。エンドエフェクタ12312を関節運動させるための他の様々な手段については、以下でより詳細に論じる。上記と同様に、エンドエフェクタ12312は、組織をクランプ嵌め、切断、及び/又はステープル留めするための外科用ステープル留め器具として機能するように構成されているが、他の実施形態において、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用され得る。いくつかのRF装置は、1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日に出願された、米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」に見出され得、これらの開示全体は、参照することによりその全体が組み込まれる。
【0077】
エンドエフェクタ12312は、とりわけ、ステープルチャネル12322と、例えばアンビル12324など旋回並進式クランプ部材と、を含み得る。器具12310のハンドル12306は、エンドエフェクタ12312を作動させるための閉鎖トリガ12318及び発射トリガ12320を含み得る。異なる外科的手技を対象とするエンドエフェクタを有する器具は、エンドエフェクタ12312を操作するために異なる数若しくは種類のトリガ又は他の好適な制御部を有し得ることが理解されるであろう。ハンドル12306は、下向きに延在するピストルグリップ12326を備えることができ、このピストルグリップ12326に向かって閉鎖トリガ12318が臨床医によって旋回式で引き寄せられて、エンドエフェクタ12312のステープルチャネル12322に向かってアンビル12324の圧着又は閉鎖が生じ、それによって、アンビル12324とチャネル12322との間に位置する組織が圧着される。他の実施形態において、種々の種類のクランプ部材が、アンビル12324に加えて、あるいはそれに代わって使用され得る。ハンドル12306は、閉鎖トリガ12318を閉位置に解放可能に保持するように構成され得るロックを更に含み得る。閉鎖トリガ12318を後退させることによってエンドエフェクタ12312のアンビル12324を閉鎖(又は圧着)する例示的な閉鎖システムの実施形態に関する更なる詳細は、2006年2月21日に発行された、米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」、2008年9月9日に発行された、米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR-DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」、並びに、2008年12月16日に発行された、米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO-MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」に示されており、これらの特許の開示全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0078】
臨床医がエンドエフェクタ12312の位置決めに満足すると、臨床医は、閉鎖トリガ12318をピストルグリップ12326に近接した完全閉鎖ロック位置に引き戻すことができる。次いで、発射トリガ12320が作動又は発射され得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、発射トリガ12320は、閉鎖トリガ12318の更に外側にあり得、閉鎖トリガ12318を閉じることで、発射トリガ12320をピストルグリップ12326に向かって移動又は回転させることができ、そのため、発射トリガ12320に、操作者が片手で触れることができる。その後、操作者は、ピストルグリップ12312に向かって発射トリガ12320を旋回式で引き寄せて、エンドエフェクタ12312内の圧着された組織をステープル留め及び切断することができる。その後、発射トリガ12320は、発射トリガ12320に加えられている力を臨床医が軽減又は解放した後に、非作動、すなわち非発射位置に戻され得る。ハンドル12306上の解放ボタンは、押下されると、ロックした閉鎖トリガ12318を解放し得る。開放ボタンは、例えば、2006年1月31日に出願された、公開された米国特許出願公開第2007/0175955号、名称「閉鎖トリガーロック機構を有する手術用切断及び締結器具(SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM)」に開示されるものなど、様々な形態で実施され得、これらの全開示内容が本明細書において参照として全体的に組み込まれる。
【0079】
上記に加えて、エンドエフェクタ12312は、例えば、発射トリガ12320がユーザによって後退させられたときに、エンドエフェクタ12312に圧着された組織を切断するために、ナイフなど切断器具を備え得る。更に上記に加えて、エンドエフェクタ12312はまた、例えば、ステープル、RF電極、及び/又は接着剤など、切断器具によって切断された組織を締結するための手段を備え得る。器具12310のシャフト12308内に位置する長手方向移動式駆動シャフトは、エンドエフェクタ12312内で切断器具及び締結手段を駆動/作動させ得る。器具12310のハンドル12306内に位置する電動モータは、本明細書で更に説明するように、駆動シャフトを駆動するために使用され得る。様々な実施形態では、モータは、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モータであってもよい。他の実施形態では、モータは、ブラシレスモータ、コードレスモータ、同期モータ、ステッピングモータ、又は任意の他の好適な電動モータであってよい。例えばリチウムイオン電池など電池(又は「電源」又は「電池パック」)は、モータに隣接してハンドル12306のピストルグリップ部分12326に設けられ得、この電池はモータ制御回路を介してモータに電力を供給することができる。様々な実施形態によれば、直列に接続されている多数の電池セルが、モータに電力を供給するための電源として使用されてもよい。加えて、電源は、交換可能及び/又は再充電可能であってもよい。
【0080】
上に概説したように、器具12310のハンドル12306内の電動モータは、シャフト12308内に位置付けられた長手方向に移動可能な駆動部材と動作可能に係合され得る。ここで
図14~
図16を参照すると、電動モータ12342は、ハンドル12306のピストルグリップ部分12326に取り付けられ、位置付けられ得る。電動モータ12342は、歯車減速機アセンブリ12370と動作可能に結合された回転式シャフトを含み得、歯車減速機アセンブリ12370は、とりわけ、ハウジング12374と、出力ピニオンギア12372とを備え得る。特定の実施形態において、出力ピニオンギア12372は、長手方向に移動可能な駆動部材12382と動作可能に直接係合され得る、又はそれに代わって、1つ以上の中間歯車12386を介して駆動部材12382と動作可能に係合され得る。中間歯車12386は、少なくとも1つのそのような実施形態において、駆動部材12382に画定された駆動歯12384のセット又はラックと噛合い係合され得る。使用の際、電動モータ12342は、電動モータ12342が中間歯車12386を回転させる方向に応じて、矢印D(
図9)で示す遠位方向及び/又は矢印D(
図10)で示す近位方向に、駆動部材を駆動することができる。使用の際に、電池によって与えられる電圧極性により、電動モータ12342を時計回り方向に動作させることができるが、電池によって電動モータに付与される電圧極性は、電動モータ12342を反時計回り方向に動作させるために、逆転され得る。ハンドル12306は、電池によって電動モータ12342に付与される極性を逆転させるように構成され得るスイッチを含み得る。ハンドル12306はまた、駆動部材12382の位置及び/又は駆動部材12382の移動方向を検出するように構成されたセンサ12330を含み得る。
【0081】
本明細書に開示する実施形態は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年8月24日に出願された、米国特許出願第16/112,237号(現在の米国特許出願第2019/0125347号)、発明の名称「SURGICAL CLIP APPLIER CONFIGURED TO STORE CLIPS IN A STORED STATE」などに開示される外科用クリップアプライヤ及びシステムで使用するために構成されている。
図17を参照すると、例えば、クリップアプライヤ13100などの外科用器具は、患者の手術部位内に位置する組織に1つ以上のクリップを適用するように構成され得る。概して、ここで
図25を参照すると、クリップアプライヤ13100は、クリップ13140内の組織を圧迫するために組織に対してクリップ13140を位置付けるように構成され、配置され得る。クリップアプライヤ13100は、例えば
図19及び
図20に図示し、以下で更に詳述するように、クリップ13140を変形させるように構成され得る。各クリップ13140は、基部13142と、基部13142から延在する、対向する脚部13144と、を備え得る。基部13142及び脚部13144は、任意の好適な形状を備えることができ、例えば、実質的にU字形構成及び/又は実質的にV字形構成を画定し得る。基部13142は、接合部13143によって結合される角部13141を備え得る。使用する際、クリップ13140の脚部13144は、組織の両側に位置付けられ得、脚部13144を互いに押し付け合って、脚部13144の間に位置付けられた組織を圧迫することができる。接合部13143は、基部13142の角部13141及びそこから延在する脚部13144が内側に変形できるように構成され得る。様々な状況において、クリップ13140は、クリップ13140が十分に圧迫されると、ある程度の弾性変形又はスプリングバックが変形したクリップ13140内で生じることがあるものの、塑性的に屈曲する、又は変形するように構成され得る。
【0082】
ここで
図17及び
図18を参照すると、クリップアプライヤ13100は、シャフト13110と、エンドエフェクタ13120と、交換可能なクリップカートリッジ(すなわち、マガジン)13130と、を備え得る。
図26~
図28を参照すると、クリップカートリッジ13130は、ハウジング13132と、ハウジング13132内に位置付けられた複数のクリップ13140と、を備え得る。ハウジング13132は、クリップ13140を積み重ねることができる収容チャンバ13134を画定し得る。収容チャンバ13134は、クリップ13140の外周を囲むように、又は少なくとも実質的に囲むように延在する側壁を備え得る。再び
図25を参照すると、各クリップ13140は、クリップ13140の両側の上面13145及び下面13146など対向する面を備え得、クリップ13140がハウジング13132内に積み重ねられると、クリップ13140の上面13145は、隣接するクリップ13140の下面13146に接触して位置付けられ得、クリップ13140の下面13146は、別の隣接するクリップ13140の上面13145に接触して位置付けられ得る。様々な状況において、クリップ13140の下面13146は、ハウジング13132内に画定された1つ以上の支持シェルフ(すなわち、プラットフォーム)13135に向かって下向きであり得、クリップ13140の上面13145は、支持シェルフ13135から離れるように上向きであり得る。場合によっては、クリップ13140の上面13145及び下面13146は同一であるか、少なくとも実質的に同一であり得、他の場合においては、上面13145及び下面13146は異なり得る。
図26~
図28に示すクリップ13140のスタックは、例えば、5個のクリップ13140を備えるが、クリップ13140のスタックが5個を超えるクリップ13140又は5個未満のクリップ13140を含み得る他の実施形態が想定される。いずれにしても、クリップカートリッジ13130は、例えば、ハウジング13132とクリップ13140のスタック内で一番上のクリップ13140との中間に位置付けられた、付勢部材13136など、少なくとも1つの付勢部材を更に備え得る。以下に詳述するように、付勢部材13136は、ハウジング13132内に画定された支持シェルフ13135に対して、クリップ13140のスタック内で一番下のクリップ13140、又はより具体的には、一番下のクリップ13140の下面13146を付勢するように構成され得る。付勢部材13136は、バネ、及び/又は、例えば、クリップ13140に付勢力を加える、若しくはクリップ13140のスタックを通じて下向きに伝達される付勢力を一番上のクリップ13140に少なくとも加えるように構成され得る任意の好適な圧縮弾性要素を備え得る。
【0083】
上記のようにクリップ13140が支持シェルフ13135に接して位置付けられると、クリップ13140は、クリップ13140が前進してカートリッジ13130から押し出され得る発射位置で支持されることができる。様々な状況において、支持シェルフ13135は、クリップ13140が連続して発射位置に位置付けられ得る、発射チャンバ13149の少なくとも一部を画定し得る。場合によっては、発射チャンバ13149は、カートリッジ13130内で完全に画定され得る。他の場合においては、発射チャンバ13149は、シャフト13110及びカートリッジ13130内、並びに/又はそれらの間に画定され得る。いずれにしても、以下で更に詳述するように、クリップアプライヤ13100は、発射部材をカートリッジ13130内へと前進させ、支持シェルフ13135に接して位置付けられたクリップ13140の発射位置からクリップアプライヤ13100のエンドエフェクタ13120内でクリップが受容される発射済み位置へとクリップを押し出すことができる発射駆動装置を備え得る。主として
図26~
図28を参照すると、カートリッジ13130のハウジング13132は、近位開口部(すなわち、窓)13133を備え得る。この近位開口部13133は、発射部材が近位開口部13133を通ってカートリッジ13130に入ることができ、クリップ13140を前進させてカートリッジ13130から遠位に出すように支持シェルフ13135と整列するか、少なくとも実質的に整列し得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、ハウジング13132は、遠位(すなわち、吐出)開口部(すなわち、窓)13137を更に備え得る。この遠位開口部13137はまた、クリップ13140が、例えば、近位開口部13133、発射チャンバ13149、及び遠位開口部13137を通って延在する発射軸13139に沿って遠位に前進する(すなわち、発射する)ことができるように支持シェルフ13135と整列している。
【0084】
クリップ13140を前進させてカートリッジ13130から出すためには、上記に加えて、カートリッジハウジング13132内、様々な状況においては発射チャンバ13149内へと発射駆動装置の発射部材を前進させることができる。以下で更に詳細に開示するように、発射部材は、クリップ13140をエンドエフェクタ13120内のその発射済み位置へと前進させるために、カートリッジ13130を完全に通り抜けることができる。発射チャンバ13149内に位置付けられたクリップ13140が発射部材によって遠位に前進させられると、これまでに概説したように、発射部材は、付勢部材13136が別のクリップ13140を支持シェルフ13135に接触させて位置付けることができるように、十分に後退することができる。様々な状況において、発射部材がハウジング13132内に位置付けられている間、付勢部材13136は、発射部材に対してクリップ13140を付勢することができる。かかるクリップ13140は、待機クリップと呼ばれることがある。発射部材が十分に後退し、摺動して待機クリップ13140の下から出ると、付勢部材13136は、往復発射部材の次のストロークが実行される支持シェルフ13135に対してクリップ13140を付勢することができる。主として
図18及び
図26~
図28を参照すると、カートリッジ13130は、例えば、供給軸13138など所定の経路に沿ってクリップ13140を発射チャンバ13149に供給するように構成され得る。供給軸13138は、発射部材が発射チャンバ13149を通過する方向とは異なる方向でクリップ13140が発射チャンバ13149内へと供給されるように、発射軸13139を横断し得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、供給軸13138は、例えば、発射軸13139に対して垂直であるか、少なくとも実質的に垂直であり得る。
【0085】
再び
図18を参照すると、シャフト13110は、例えば、その中にクリップカートリッジ13130を受容する寸法であり、そのように構成され得るカートリッジ(すなわち、マガジン)開口部13131を備え得る。カートリッジ開口部13131は、カートリッジ13130のハウジング13132がカートリッジ開口部13131内で密接に受容される寸法であり、そのように構成され得る。カートリッジ開口部13131を画定する側壁は、シャフト13110に対するカートリッジ13130の横移動を制限し得るか、少なくとも実質的に制限し得る。シャフト13110及び/又はカートリッジ13130は、カートリッジ開口部13131でカートリッジ13130を解放可能に保持するように構成され得る1つ以上のロックを更に備え得る。
図18に示すように、カートリッジ13130は、少なくとも1つの実施形態において、供給軸13138と平行であるか、同一線上にある軸に沿ってカートリッジ開口部13131に装填され得る。これもまた
図18に示すように、シャフト13110は、シャフト13110の側壁13111から延在するパッド(すなわち、台座)13118を更に備え得、パッド13118は、カートリッジ13130のハウジング13132内に受容される、及び/又はそれと係合されるように構成され得る。パッド13118は、パッド13118が、シャフト13110に対するカートリッジ13130の横移動を制限できるか、少なくとも実質的に制限できるように、カートリッジハウジング内に画定される陥凹部13148内で密接に受容される寸法であり、そのように構成され得る。パッド13118は、シャフト13110内でカートリッジ13130と整列する、及び/又はカートリッジハウジング13132を支持する寸法であり、そのように構成され得る。
【0086】
ここで
図21及び
図22を参照すると、クリップカートリッジ13130がシャフト開口部13131内に位置付けられ、そこに固定されると、クリップアプライヤ13100の発射駆動装置13160は、作動して、上記のようにクリップカートリッジ13130からクリップ13140を前進させることができる。発射駆動装置13160は、例えば、打込ねじ13161など回転駆動入力部と、打込ねじ13161と動作可能に係合する、変位可能な発射ナット13163と、を備え得る。打込ねじ13161は、発射ナット13163全体に延在する、ねじ付き開口部と螺合できる少なくとも1つの打込ねじ山13162を備え得る。様々な実施形態において、クリップアプライヤ13100は、例えば、打込ねじ13161と動作可能に連結された電動モータを更に備え得る。様々な場合において、打込ねじ13161は、例えば、手持ち式の器具又はロボットアームを備える外科用器具システムのモータと動作可能に連結され得る。いずれにしても、シャフト13110内での発射ナット13163の移動は、打込ねじ13161がモータによって長手方向軸13164の周りを回転する場合、発射ナット13163が長手方向軸13164に沿って移動するように制限され得る。例えば、打込ねじ13161がモータによって第1の方向に回転する場合、打込ねじ13161は、
図22に図示するように、発射ナット13163をエンドエフェクタ13120に向けて遠位に前進させることができる。打込ねじ13161がモータによって第1の方向とは反対の方向に回転する場合、打込ねじ13161は、発射ナット13163をエンドエフェクタ13120から離れるように近位に後退させることができる。シャフト13110は、打込ねじ13161を回転可能に支持するように構成され得る、1つ以上の軸受を備え得る。例えば、軸受13159は、例えば、
図21及び
図22に図示すように、打込ねじ13161の遠位端を回転可能に支持するように構成され得る。
【0087】
発射駆動装置13160は、以下で更に詳述するように、発射ナット13163を使用して遠位に前進し、近位に後退することができる、発射ナット13163から延在する発射部材13165を更に備え得る。
図21及び
図22を比較すると、読者は、発射ナット13163及び発射部材13165が近位の未発射位置(
図21に図示)から遠位の発射済み位置(
図22に図示)へと前進させられており、発射部材13165がクリップカートリッジ13130からエンドエフェクタ13120へとクリップ13140を前進させたことを認めるであろう。主として
図21を参照すると、クリップカートリッジ13130は、その中に収容されている複数のクリップ13140を備えるものとして図示されており、上記のように、クリップ13140のうちの1つが発射位置に位置付けられている。
図21及び
図22に図示するように、発射部材13165は、発射部材13165及び発射ナット13163が遠位に前進させられると、発射軸13167に沿ってステープルカートリッジ13130内へと前進し、発射位置に位置付けられたクリップ13140を係合することができる遠位部13166を含み得る。場合によっては、発射部材13165は、線状部材を備え得るが、他の場合においては、発射部材13165の遠位端13166は、例えば、発射部材13165から上向きに延在し得る。上記に加えて、発射部材13165は、発射軸13167に沿って遠位にクリップカートリッジ13130から出て、エンドエフェクタ13120内に画定された受容キャビティ13122に入るようにクリップ13140を前進させることができる。
【0088】
様々な場合において、発射部材13165は、発射ナット13163に取り付けられ、そこから遠位に延在し得るが、他の場合において、発射部材13165及び発射ナット13163は、発射アクチュエータ13168によって互いに動作可能に接続され得る。発射アクチュエータ13168は、ピボット13169において発射部材13165に枢動可能に取り付けられ得、シャフト13110のハウジング13112内に画定された長手方向スロット13113と係合し得る遠位アーム13170a及び近位アーム13170bを備え得る。少なくとも1つのかかる実施形態において、アーム13170a、13170bのそれぞれは、長手方向スロット13113内を摺動するように構成され得る、それらから延在する突起部13171a及び13171bなど突起部をそれぞれ含み得る。上記に加えて、発射ナット13163は、そこから延在し、上記のように、アクチュエータ13168及び発射部材13165を遠位に前進させるために、遠位アーム13170aと係合するように構成され得る発射ピン13172を更に備え得る。使用する際、
図21及び
図22に図示する進行状況を再び参照すると、発射ナット13163は、打込ねじ13161によって遠位に前進させられることができ、遠位アーム13170aと近位アーム13170bとの中間に位置付けられた発射ピン13172は、遠位アーム13170aと接触し、アクチュエータ13168及び発射部材13165を遠位に駆動させることができる。アクチュエータ13168が遠位に前進すると、アクチュエータ13168が
図22に図示する位置に達するまでは、シャフトスロット13113内の突起部13171a及び13171bの1つ又はその両方が長手方向シャフトスロット13113に対して横移動させないようにできるため、アクチュエータ13168は、ピボットピン13169の周りを回転しないようにされ得る。
【0089】
クリップ13140が受容キャビティ13122内に位置付けられると、上記に加えて、クリップ13140は、例えば、圧着駆動装置13180によって変形させられ得る。ここで
図19及び
図20を参照すると、クリップアプライヤ13100のエンドエフェクタ13120は、第1のジョー13123aと、第2のジョー13123bと、を更に備え得、第1のジョー13123a及び第2のジョー13123bは、少なくとも部分的に受容チャンバ13122を画定し得る。
図19及び
図20に示すように、第1のジョー13123aは第1のチャネル13124aを備え得、第2のジョー13123bは第2のチャネル13124bを備え得、これらは、クリップ13140の少なくとも一部を内部に受容し、支持するようにそれぞれ構成され得る。第1のジョー13123aは、ピン13125aによってシャフト13110のフレーム13111に枢動可能に連結され得、第2のジョー13123bは、ピン13125bによってフレーム13111に枢動可能に連結され得る。使用する際、圧着駆動装置13180は、第1のジョー13123aと第2のジョー13123bとの間に位置付けられたクリップ13140を圧迫するために、第1のジョー13123aを第2のジョー13123bに向けて回転させる、及び/又は第2のジョー13123bを第1のジョー13123aに向けて回転させるように構成され得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、圧着駆動装置13180は、第1のジョー13123a及び第2のジョー13123bを互いに向けて旋回させるために、第1のジョー13123a上に画定された第1のカム面13126a及び第2のジョー13123b上に画定された第2のカム面13126bを係合するように構成され得る、カムアクチュエータ13181を備え得る。カムアクチュエータ13181は、少なくとも部分的に第1のジョー13123a及び第2のジョー13123bを包囲するカラーを備え得る。少なくとも1つのそのような実施形態において、カラーは、ジョー13123aのカム面13126a及びジョー13123bのカム面13126bと接触し、これらを互いに向けて内側に押し込むように輪郭形成され得る、内側カム面13182を備え得る。様々な状況において、エンドエフェクタ13120に画定された受容チャンバ13122内に位置付けられたクリップ13140は、圧着駆動装置13180の作動前に組織に対して位置付けられることができる。いくつかの状況において、圧着駆動装置13180は、少なくとも部分的にクリップ13140を圧迫するために、組織に対してクリップ13140を位置付ける前に少なくとも部分的に作動され得る。特定の状況において、クリップ13140及び受容チャンバ13122は、
図19に図示するように、エンドエフェクタ13120が非作動状態にあるときに、クリップ13140が内側に付勢され得るか、屈曲され得る寸法であり、そのように構成され得る。様々な状況において、圧着する第1のジョー13123a及び第2のジョー13123bは、これらの間に位置付けられたクリップ13140を弾性的に圧着する、及び/又は永続的に圧着するために作動され得る。
【0090】
上記に加えて、発射ナット13163は、圧着駆動装置13180を作動させるように構成され得る。より具体的には、ここで
図23を参照すると、圧着駆動装置13180は、カムアクチュエータ13181と動作可能に連結された圧着アクチュエータ13188を備え得、上記のように発射ナット13163が遠位に進められると、圧着アクチュエータ13188は、発射ナット13163によって選択的に係合され得る。少なくとも1つのかかる実施形態において、発射ナット13163は、発射ナット13163が発射アクチュエータ13168を前進させると、圧着アクチュエータ13188を係合するように構成され得る、例えば、そこから延在する発射ピン13184など、第2の発射ピンを更に備え得る。再び
図23を参照すると、圧着アクチュエータ13188は、非作動位置に位置付けられており、発射ナット13163が十分に前進させられて圧着アクチュエータ13188の遠位アーム13190aを係合すると、発射ナット13163は、
図24に図示するように、圧着アクチュエータ13188を上向きに回転させて、作動位置に入れることができる。これもまた
図24に図示するように、遠位アーム13190a及び近位アーム13190bは、例えば、スロット13115など、シャフト13110に画定された第2の長手方向スロット内に位置付けられ得、それぞれこれらから延在する突起部13191a及び突起部13191bなど突起部を備え得る。圧着アクチュエータ13188がその非作動位置からピボット13189の周りを上向きに回転すると、突起部13191a及び13191bは、長手方向スロット13115の近位湾曲端13116から移動して、実質的に線状である、長手方向スロット13115の部分に入ることができる。上記と同様に、長手方向スロット13115の側壁は、長手方向経路に沿った圧着アクチュエータ13188の移動を制限するように構成され得、上記のように、圧着アクチュエータ13188が上向きに回転して少なくとも部分的に作動位置に入ると、圧着アクチュエータ13188の回転を制限するか、阻止するように構成され得る。読者には理解されるように、発射駆動装置13160の発射ピン13172及び圧着駆動装置13180の発射ピン13184は、どちらも発射ナット13163から延在する。便宜性及び実証のために、発射ピン13172及び13184は、発射ナット13163の同じ側から延在するように示している。しかしながら、発射ピン13172は、発射ナット13163の第1の外側部から延在することができ、一方で、発射ピン13184は、発射ナット13163のもう一方の外側部から延在することができる、と想定される。かかる状況において、発射アクチュエータ13168は、打込ねじ13161の第1の側面と平行して位置付けられ得、圧着アクチュエータ13188は、打込ねじ13161の反対側面と平行して位置付けられ得る。それに応じて、長手方向スロット13113は、シャフトハウジング13112の第1の側面に画定され得、一方、長手方向スロット13115は、シャフトハウジング13112の反対側面に画定され得る。
【0091】
上記に加えて、カムアクチュエータ13181は、
図24に図示するように、圧着アクチュエータ13188が発射ナット13163によって遠位に前進させられると、遠位アーム13190aから延在する遠位突起部13191aが長手方向スロット13115の遠位端13117に達するまでカムアクチュエータ13181が遠位に前進させられ得るように動作可能に圧着アクチュエータ13188と連結され得る。かかる遠位位置において、カムアクチュエータ13181は十分に前進させられた位置にあってよく、受容チャンバ13122内に位置付けられたクリップ13140は、十分に変形された、又は圧着された構成であり得る。その後、カムアクチュエータ13181は後退してよく、エンドエフェクタ13120は再開放されてよい。より具体的には、打込ねじ13161は、発射ナット13163を近位に移動させ、カムアクチュエータ13181を後退させるために反対方向に回転することができ、特定の場合において、エンドエフェクタ13120は、第1のジョー13123及び第2のジョー13123bを付勢して、
図20に図示する閉鎖(すなわち、発射済み)位置から
図19に図示する開放(すなわち、未発射)位置にするように構成され得る、付勢部材を更に備え得る。
【0092】
本明細書に開示する実施形態は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2018年8月24日に出願された特許出願第16/112,168号(現在の米国特許出願公開第2019/0125336号)、発明の名称「SURGICAL SUTURING INSTRUMENT COMPRISING A NON-CIRCULAR NEEDLE」;米国特許出願第13/832、786号、(現在の米国特許第9,398,905号)、発明の名称「CIRCULAR NEEDLE APPLIER WITH OFFSET NEEDLE AND CARRIER TRACKS」;米国特許出願第14/721,244号(現在の米国特許出願公開第2016/0345958号)、発明の名称「SURGICAL NEEDLE WITH RECESSED FEATURES」;及び米国特許出願第14/740,724号(現在の米国特許出願公開第2016/0367243号)、発明の名称「SUTURING INSTRUMENT WITH MOTORIZED NEEDLE DRIVE」に開示されている外科用縫合器具及びシステムなど外科用縫合器具及びシステムで使用するために構成されている。本明細書に記載される実施形態はまた、それらの全体において本明細書に組み込まれる、2018年2月28日に出願された米国特許出願第15/908,021号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH REMOTE RELEASE」、2018年2月28日に出願された同第15/908,012号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING DUAL ROTATABLE MEMBERS TO EFFECT DIFFERENT TYPES OF END EFFECTOR MOVEMENT」、2018年2月28日に出願された同第15/908,040号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、2018年2月28日に出願された同第15/908,057号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH ROTARY DRIVE SELECTIVELY ACTUATING MULTIPLE END EFFECTOR FUNCTIONS」、2018年2月28日に出願された同第15/908,058号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH MODULAR POWER SOURCES」、及び2018年2月28日に出願された同第15/908,143号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT WITH SENSOR AND/OR CONTROL SYSTEMS」に開示されている器具、システム、及び方法で使用可能である。一般に、これらの外科用縫合器具は、とりわけ、シャフトと、シャフトに取り付けられたエンドエフェクタと、シャフト内に位置付けられて、源運動からエンドエフェクタに運動を伝達する駆動システムと、を備える。運動源は、手動で駆動されるアクチュエータ、電気モータ、及び/又はロボット外科用システムを含むことができる。エンドエフェクタは、本体部分と、本体部分内に画定されたニードルトラックと、回転発射ストロークにわたってニードルを駆動するように構成されたニードルドライバと、を含む。ニードルは、ニードルトラックによって本体部分内の回転発射ストロークにわたってガイドされるように構成されている。様々な例において、ニードルドライバは、ラチェットシステムのものと同様である。少なくとも1つの例において、ニードルドライバは、ニードルをハンドオフ位置、すなわちニードルの組織穿刺端部が標的組織を通過し、エンドエフェクタの本体部分に再び入る位置、に配置する回転発射ストロークの第1の半分を通じて、ニードルを駆動するように構成されている。かかる時点で、ニードルドライバを、元の位置に戻して、ニードルの組織穿刺端部を拾い上げ、ニードルをその回転発射ストロークの第2の半分にわたって駆動することができる。ニードルドライバがニードルをその回転発射ストロークの第2の半分を通じて引くと、ニードルドライバはその後、その元の未発射位置に戻されて、別の回転発射ストロークのためにニードルを掴む。駆動システムは、1つ以上のモータ駆動作動システム及び/又は手動駆動作動システムによって駆動され得る。ニードルは、例えば糸など、そこに取り付けられた縫合材料を含む。縫合材料は、例えば、ニードルがその回転発射ストロークにわたって前進して、組織を封止する、かつ/又は組織を別の構造体に取り付ける際に、組織を通じて引き出されるように構成されている。
【0093】
図29~
図33は、患者の組織を縫合するように構成された外科用縫合器具94000を示す。外科用縫合器具94000は、ハンドル94100と、ハンドル94100から遠位に延在するシャフト94200と、関節運動継手94210を介してシャフト94200に取り付けられたエンドエフェクタ94300と、を備える。ハンドル94100は、外科用縫合器具94000の発射駆動部を作動させるように構成された発射トリガ94110と、関節運動継手94210によって画定される関節運動軸AAを中心にエンドエフェクタ94300を関節運動させるように構成された第1の回転アクチュエータ94120と、エンドエフェクタ94300によって画定された長手方向軸LAを中心にエンドエフェクタ94300を回転させるように構成された第2の回転アクチュエータ94130と、を備える。外科用縫合器具94000は、フラッシュポート94140を更に備える。外科用縫合装置、システム、及び方法の例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/832,786号、現在は米国特許第9,398,905号、発明の名称「CIRCULAR NEEDLE APPLIER WITH OFFSET NEEDLE AND CARRIER TRACKS」、米国特許出願第14/721,244号(現在の米国特許出願公開第2016/0345958号)、発明の名称「SURGICAL NEEDLE WITH RECESSED FEATURES」;及び米国特許出願第14/740,724号(現在の米国特許出願公開第2016/0367243号)、発明の名称「SUTURING INSTRUMENT WITH MOTORIZED NEEDLE DRIVE」に開示されている。
【0094】
図34は、外科用縫合器具を使用するように動作可能なハンドルアセンブリ95200を示す。ハンドルアセンブリ95200は、シャフトの近位端に接続されている。ハンドルアセンブリ95200は、モータ95202及びトランスミッションアセンブリ95210を含む。モータ95202は、ニードルドライバを介して外科用縫合端エンドエフェクタのニードルを作動させ、エンドエフェクタを関節運動させ、トランスミッションアセンブリ95210を介して、エンドエフェクタを回転させるように構成されている。トランスミッションアセンブリ95210は、二重作用型ソレノイドによって3つの状態の間でシフトされ、例えば、モータ95202を使用して外科用縫合エンドエフェクタのニードルを作動させ、エンドエフェクタを関節運動させ、及び/又はエンドエフェクタを回転させる。少なくとも1つの実施形態において、ハンドルアセンブリ95200は、例えば、ロボットインターフェース又は歯車、プーリ、及び/又はサーボ機構を備えるハウジングの形態を採ることができる。このような構成は、ロボット外科用システムと共に使用することができる。
【0095】
図35は、下側本体93581と、上側本体93582と、針カバー93583と、を備える、縫合糸カートリッジ93590を示す。カートリッジ93590は、ニードルドライバ93586と、回転入力93594と、ニードルドライバ93586及び回転入力93594を接続するリンク93585と、を含む駆動システムを更に備える。ニードルドライバ93586、回転入力93594、及びリンク93585は、下部本体93581と上部本体93582との間に捕捉されている。ニードルドライバ93586、リンク93585及び回転入力93594は、例えば、モータ駆動システム、手動駆動ハンドヘルドシステム、及び/又はロボットシステムによってニードル発射ストロークを通してニードル93570を駆動するように作動されるように構成されている。下部本体93581及び上部本体93582は、カートリッジ本体を形成するために、例えば、溶接、ピン、接着剤などの任意の好適な適切な技術を使用して互いに取り付けられる。ニードル93570は、組織を穿刺するように構成された前端部93571と、後端部93572と、後端部93572から延在して後端部93572に取り付けられた長さの縫合糸93573とを備える。ニードル93570は、ニードルトラック93584によって画定される円形経路内で回転するように構成されている。ニードルトラック93584は、カートリッジ本体内に画定される。ニードル93570は、ニードル発射ストローク中に、カートリッジ本体の第1のアーム95393A及び第2のアーム95393Bのうちの一方を出て、第1のアーム95393A及び第2のアーム95393Bのうちの他方に入るように構成されている。陥凹特徴部93574は、ニードルドライバ93586が、ラチェット様運動でニードル発射ストロークを通してニードル93570と係合し、それを駆動することができるように提供される。ニードル93570は、ニードルトラック93584とニードルカバー93583との間に位置付けられる。縫合糸カートリッジ93590は、針カバー93583を下側本体93581に取り付けるためにカートリッジ本体の上方を摺動するように構成されているケージ93587を更に備える。
【0096】
本明細書で記載される主題の様々な態様を、以下の実施例において説明する。
【0097】
実施例セット1.
実施例1.クリップを適用するための外科用装置であって、外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、カートリッジと、圧着駆動装置と、記憶データを含むRFIDタグと、質問信号をRFIDタグに送信し、質問信号に応答してRFIDタグから第1の信号を受信するように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を備える。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、を備え、第1のジョー及び第2のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。カートリッジは、収容チャンバと、収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されており、複数のクリップのうちの1つは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内の複数のクリップのうちの少なくとも1つの識別特性に関連する。第1の信号は、RFIDタグ上の記憶データを含む。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを、コントローラのメモリに記憶された適合性データセットと比較すること、及びRFIDスキャナで受信した記憶データに基づいて外科用装置の動作パラメータを変化させること、を行うように構成されている。
【0098】
実施例2.コントローラは、カートリッジが外科用装置で使用するのに適合するとコントローラが判定すると、外科用装置が変化させた動作パラメータを使用して圧着ストロークを実行することを許可するように更に構成されている、実施例1に記載の外科用装置。
【0099】
実施例3.コントローラは、コントローラが外科用装置で使用するのに適合するものとしてカートリッジを認識できないと、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止するように更に構成されている、実施例1又は2に記載の外科用装置。
【0100】
実施例4.コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データ及びメモリに記憶された適合性データセットに基づいて、外科用装置の動作パラメータを変化させるように構成されている、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0101】
実施例5.RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内に収容されたクリップの数を含む、実施例1~4のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0102】
実施例6.RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内の複数のクリップを構成する材料の種類を含む、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0103】
実施例7.RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内に位置付けられた複数のクリップのサイズを含む、実施例1~6のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0104】
実施例8.動作パラメータは最大負荷閾値である、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0105】
実施例9.動作パラメータはロックアウト負荷閾値であり、コントローラは、ロックアウト負荷閾値を超えると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止する、実施例1~7のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0106】
実施例10.電動モータと、電源と、を更に備え、電源は電動モータに電力を供給し、コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データに基づいて電動モータに供給される電力を変化させるように構成されている、実施例1~9のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0107】
実施例11.RFIDタグは、カートリッジ上に位置付けられている、実施例1~10のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0108】
実施例12.RFIDタグは、複数のクリップのうちの1つの上に位置付けられている、実施例1~10のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0109】
実施例13.RFIDタグは、圧着ストローク中に屈曲しない、クリップの部分に位置付けられている、実施例12に記載の外科用装置。
【0110】
実施例14.クリップを適用するための外科用装置であって、外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、RFIDタグを備えるクリップと、圧着駆動装置と、RFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を備える。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、を備え、第1のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で第2のジョーに対して移動可能である。RFIDタグは記憶データを含み、RFIDタグ上の記憶データはクリップを表す。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されており、クリップは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDスキャナは、RFIDタグ上の記憶データを受信するように構成されている。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを適合性データセットと比較することによって、クリップが外科用装置で使用するのに適合するかどうかを判定すること、クリップが外科用装置で使用するのに適合するとコントローラが判定すると、外科用装置が機能を実行することを許可すること、及びクリップが外科用装置で使用するのに適合しないとコントローラが判定すると、外科用装置が機能を実行することを阻止すること、を行うように構成されている。
【0111】
実施例15.コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データが適合性データセット内で見出されないと、クリップが外科用装置で使用するのに適合しないと判定する、実施例14に記載の外科用装置。
【0112】
実施例16.コントローラは、RFIDスキャナがRFIDタグ上の記憶データを受信できないと、クリップが外科用装置で使用するのに適合しないと判定する、実施例14又は15に記載の外科用装置。
【0113】
実施例17.電動モータと、電源と、を更に備え、電源は電動モータに電力を供給するように構成されており、コントローラは、RFIDタグから受信した記憶データに基づいて電動モータの動作条件を変化させるように構成されている、実施例14~16のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0114】
実施例18.RFIDタグは、圧着ストローク中に屈曲しない、クリップの部分に位置付けられている、実施例14~17のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0115】
実施例19.クリップは、内面と、外面と、を備え、内面は、圧着ストローク後に患者の組織と接触し、RFIDタグは、クリップの外面に位置付けられている、実施例14~17のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0116】
実施例20.クリップを適用するための外科用装置であって、外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、カートリッジと、圧着駆動装置と、記憶データを含むRFIDタグと、RFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を備える。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、を備え、第1のジョー及び第2のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。カートリッジは、収容チャンバと、収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されており、複数のクリップのうちの1つは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。RFIDタグ上の記憶データは、カートリッジ内の複数のクリップの識別特性に関連する。RFIDスキャナは、RFIDタグから記憶データを受信するように構成されている。コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データを真正性データセットと比較すること、複数のクリップが真正であるとコントローラが判定すると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを許可すること、及び複数のクリップが真正ではないとコントローラが判定すると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止すること、を行うように構成されている。
【0117】
実施例セット2.
実施例1.細長いシャフトと、発射駆動装置と、細長いシャフトから遠位に延在するエンドエフェクタと、を備える、外科用縫合システムであって、エンドエフェクタは、針トラックと、針トラックによって誘導され、発射ストロークを介して発射駆動装置によって作動される、交換可能な針と、を備え、交換可能な針は、取り付けられた縫合材と、記憶データを含むRFIDタグと、を備える。外科用縫合システムは、RFIDスキャナを更に備え、RFIDスキャナは、記憶データを含むRFIDタグから信号を受信し、信号は、記憶データを示す。外科用縫合システムは、RFIDスキャナと通信するコントローラを更に備え、コントローラは、RFIDスキャナで受信した記憶データに基づいて、交換可能な針と外科用縫合システムとの間での適合性を判定すること、交換可能な針が外科用縫合システムと適合性がないと、外科用縫合システムが発射ストロークを実行することを阻止すること、を行うように構成されている。
【0118】
実施例2.コントローラは、RFIDスキャナがRFIDタグから信号を受信することができないときに、外科用縫合システムが発射ストロークを実行することを阻止するように更に構成されている、実施例1に記載の外科用縫合システム。
【0119】
実施例3.RFIDスキャナは読み取り能力及び書き込み能力を備える、実施例1又は2に記載の外科用縫合システム。
【0120】
実施例4.RFIDタグは、交換可能な針上に位置付けられている、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用縫合システム。
【0121】
実施例5.RFIDタグは、縫合材上に位置付けられている、実施例1~3のいずれか1つに記載の外科用縫合システム。
【0122】
実施例6.RFIDタグは一体型電池を備える、実施例1~5のいずれか1つに記載の外科用縫合システム。
【0123】
実施例7.交換可能な針は、外科用縫合システムへの取り付け前にパッケージに収容され、パッケージは、第1の層と、第2の層と、を備え、第1の層及び第2の層は、交換可能な針の周囲にシールを形成し、RFIDタグは、パッケージ上に位置付けられている、実施例6に記載の外科用縫合システム。
【0124】
実施例8.RFIDタグから一体型電池を電気的に分離する第2の層に取り付けられた絶縁体を更に備え、RFIDタグは、パッケージの第1の層に取り付けられ、絶縁体は、第1の層が第2の層から取り外されると一体型電池から分離し、RFIDタグは、絶縁体が一体型電池から取り外されるとアクティブになり、記憶データを送信する、実施例7に記載の外科用縫合システム。
【0125】
実施例9.クリップを適用するための外科用装置であって、外科用装置は、ハウジングから延在する細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、カートリッジと、圧着駆動装置と、第1の情報セットを含むRFIDタグと、RFIDタグから第1の信号を受信するように構成されたRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を備える。エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、を備え、第1のジョー及び第2のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である。カートリッジは、収容チャンバと、収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える。圧着駆動装置は、圧着ストローク中に第1のジョー及び第2のジョーを閉鎖位置へと移動させるように構成されており、複数のクリップのうちの1つは、圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される。第1の情報セットは、カートリッジに対応する。第1の信号は、第1の情報セットを含む。コントローラは、RFIDスキャナで受信した第1の情報セットを、コントローラのメモリに記憶された適合性データセットと比較することによって、カートリッジが外科用装置に適合するかどうかを判定し、カートリッジが外科用装置で使用するのに適合するとコントローラが判定すると、外科用装置が圧着ストロークを実行することを許可し、コントローラが、外科用装置で使用するのに適合するものとしてカートリッジを認識できないと、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止し、RFIDスキャナが第1の信号を受信しないと、外科用装置が圧着ストロークを実行することを阻止するように構成されている。
【0126】
実施例10.RFIDタグは、カートリッジ上に位置付けられている、実施例9に記載の外科用装置。
【0127】
実施例11.RFIDタグは、複数のクリップからの第1のクリップ上に位置付けられ、第2のRFIDタグは、複数のクリップからの第2のクリップ上に位置付けられ、第2のRFIDタグは第2の情報セットを含む、実施例9に記載の外科用装置。
【0128】
実施例12.コントローラは、RFIDスキャナが、RFIDタグからの第1の信号及び第2のRFIDタグからの第2の信号を受信すると、圧着ストロークを阻止するように構成されている、実施例11に記載の外科用装置。
【0129】
実施例13.RFIDスキャナは通信範囲を備え、RFIDスキャナは、通信範囲内に位置付けられたRFIDタグとのみ通信することができ、コントローラは、RFIDスキャナが2つ以上のRFIDタグから信号を受信する場合に圧着ストロークを阻止するように構成されている、実施例11に記載の外科用装置。
【0130】
実施例14.電動モータと、電源と、を更に備え、電源は電動モータに電力を供給するように構成されており、コントローラは、RFIDスキャナで受信した第1の情報セットに基づいて電動モータの動作パラメータを変化させるように構成されている、実施例9~13のいずれか1つに記載の外科用装置。
【0131】
実施例15.外科用器具と、交換可能な構成要素アセンブリと、通信範囲を備えるRFIDスキャナと、RFIDスキャナと通信するコントローラと、を備える、外科用ステープル留めシステム。外科用器具は、細長いシャフトと、細長いシャフトから延在するエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1のジョーと、第2のジョーと、第2のジョー内に交換可能に固定されたステープルカートリッジと、を備え、ステープルカートリッジは、カートリッジデッキを備えるカートリッジ本体と、カートリッジ本体内に取り外し可能に位置付けられたステープルと、を備える。交換可能な構成要素アセンブリは、取り付け部材と、ステープルカートリッジのカートリッジデッキ上に位置付けられるように構成された交換可能な構成要素と、を備え、交換可能な構成要素は、交換可能な構成要素がカートリッジデッキに取り付けられているときに取り付け部材上に支持され、RFIDタグは第1のデータセットを備える。RFIDスキャナは、交換可能な構成要素が通信範囲内に持ち込まれたときに第1の信号をRFIDタグに送信し、RFIDタグから第2の信号を受信するように構成されており、第2の信号は、第1のデータセットを含む。コントローラは、第2のデータセットを含むメモリを備え、コントローラは、RFIDスキャナで受信した第1のデータセットをコントローラのメモリに記憶された第2のデータセットと比較することによって、交換可能な構成要素が外科用器具に適合するかどうかを判定すること、交換可能な構成要素が外科用器具で使用するのに適合するとコントローラが判定すると、外科用器具が機能を実行することを許可すること、コントローラが、外科用器具で使用するのに適合するものとして交換可能な構成要素を認識できないと、外科用器具が機能を実行することを阻止すること、及びRFIDスキャナが第1の信号に応答して第2の信号を受信しないと、外科用器具が機能を実行することを阻止すること、を行うように構成されている。
【0132】
実施例16.取り付け部材は後壁を備え、RFIDタグは後壁上に位置付けられ、RFIDスキャナはエンドエフェクタの遠位端上に位置付けられている、実施例15に記載の外科用ステープル留めシステム。
【0133】
実施例17.RFIDタグは、エンドエフェクタ及び交換可能な構成要素が整列されると、RFIDスキャナの通信範囲内にある、実施例16に記載の外科用ステープル留めシステム。
【0134】
実施例18.機能はステープル発射ストロークを含む、実施例15~17のいずれか1つに記載の外科用ステープル留めシステム。
【0135】
実施例19.交換可能な構成要素は、組織厚さコンペンセータを備える、実施例15~18のいずれか1つに記載の外科用ステープル留めシステム。
【0136】
実施例20.電動モータと、電動モータに電力を供給するように構成された電源と、を更に備え、コントローラは、RFIDスキャナで受信した第1のデータセットに基づいて電動モータの動作パラメータを変化させるように構成されている、実施例15~19のいずれか1つに記載の外科用ステープル留めシステム。
【0137】
いくつかの形態が例示され説明されてきたが、添付の「特許請求の範囲」をそのような詳述に制限又は限定することは、本出願人が意図するところではない。多くの修正、変形、変更、置換、組み合わせ及びこれらの形態の等価物を実装することができ、本開示の範囲から逸脱することなく当業者により想到されるであろう。更に、記述する形態に関連した各要素の構造は、その要素によって実施される機能を提供するための手段として代替的に説明することができる。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。したがって、上記の説明文及び添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、組み合わせ、及び変形を、開示される形態の範囲に含まれるものとして網羅することを意図としたものである点を理解されたい。添付の特許請求の範囲は、全てのそのような修正、変形、変更、置換、修正、及び等価物を網羅することを意図する。
【0138】
上記の詳細な説明は、ブロック図、フロー図及び/又は実施例を用いて、装置及び/又はプロセスの様々な形態について記載してきた。そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例が1つ若しくは2つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、当業者に理解されたいこととして、そのようなブロック図、フロー図及び/又は実施例に含まれる各機能及び/又は動作は、多様なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの事実上の任意の組み合わせによって、個々にかつ/又は集合的に実装することができる。当業者には、本明細書で開示される形態のうちのいくつかの態様の全部又は一部が、1台若しくは2台以上のコンピュータ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1台若しくは2台以上のコンピュータシステム上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、1つ若しくは2つ以上のプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして(例えば、1つ若しくは2つ以上のマイクロプロセッサ上で稼働する1つ若しくは2つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実質的に任意の組み合わせとして集積回路上で等価に実装することができ、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを記述することは、本開示を鑑みれば当業者の技能の範囲内に含まれることが理解されよう。加えて、当業者には理解されることとして、本明細書に記載した主題の機構は、多様な形態で1つ又は2つ以上のプログラム製品として配布されることが可能であり、本明細書に記載した主題の具体的な形態は、配布を実際に実行するために使用される信号搬送媒体の特定のタイプにかかわらず適用される。
【0139】
様々な開示された態様を実施するように論理をプログラムするために使用される命令は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、キャッシュ、フラッシュメモリ又は他のストレージなどのシステム内メモリに記憶され得る。更に、命令は、ネットワークを介して、又は他のコンピュータ可読媒体によって配布され得る。したがって、機械可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で情報を記憶又は送信するための任意の機構が挙げられ得るが、フロッピーディスケット、光ディスク、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD-ROM)、並びに磁気光学ディスク、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、磁気若しくは光カード、フラッシュメモリ又は、電気的、光学的、音響的、若しくは他の形態の伝播信号(例えば、搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)を介してインターネットを介した情報の送信に使用される有形機械可読ストレージに限定されない。したがって、非一時的コンピュータ可読媒体としては、機械(例えば、コンピュータ)によって読み出し可能な形態で電子命令又は情報を記憶又は送信するのに好適な任意のタイプの有形機械可読媒体が挙げられる。
【0140】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、用語「制御回路」は、例えば、ハードワイヤード回路、プログラマブル回路(例えば、1つ以上の個々の命令処理コアを含むコンピュータプロセッサ、処理ユニット、プロセッサ、マイクロコントローラ、マイクロコントローラユニット、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブル論理アレイ(PLA)、又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA))、状態機械回路、プログラマブル回路によって実行される命令を記憶するファームウェア、及びこれらの任意の組み合わせを指すことができる。制御回路は、集合的に又は個別に、例えば、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、スマートフォンなどの、より大きなシステムの一部を形成する回路として具現化され得る。したがって、本明細書で使用されるとき、「制御回路」は、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータプログラムによって構成された汎用コンピューティング装置(例えば、本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成された汎用コンピュータ、又は本明細書で説明したプロセス及び/若しくは装置を少なくとも部分的に実行するコンピュータプログラムによって構成されたマイクロプロセッサ)を形成する電気回路、メモリ装置(例えば、ランダムアクセスメモリの形態)を形成する電気回路及び/又は通信装置(例えばモデム、通信スイッチ、又は光-電気設備)を形成する電気回路を含むが、これらに限定されない。当業者は、本明細書で述べた主題が、アナログ形式若しくはデジタル形式、又はこれらのいくつかの組み合わせで実装されてもよいことを認識するであろう。
【0141】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「論理」という用語は、前述の動作のいずれかを実施するように構成されたアプリケーション、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は回路を指し得る。ソフトウェアは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記録されたソフトウェアパッケージ、コード、命令、命令セット、及び/又はデータとして具現化されてもよい。ファームウェアは、メモリ装置内のコード、命令、若しくは命令セット、及び/又はハードコードされた(例えば、不揮発性の)データとして具現化されてもよい。
【0142】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「構成要素」、「システム」、「モジュール」などという用語は、ハードウェア、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせ、ソフトウェア、又は実行中のソフトウェアのいずれかであるコンピュータ関連エンティティを指すことができる。
【0143】
本明細書の任意の態様で使用されるとき、「アルゴリズム」とは、所望の結果につながるステップの自己無撞着シーケンスを指し、「ステップ」とは、必ずしも必要ではないが、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作されることが可能な電気信号又は磁気信号の形態をとることができる物理量及び/又は論理状態の操作を指す。これらの信号を、ビット、値、要素、記号、文字、用語、番号などとして言及することが一般的な扱い方である。これらの及び類似の用語は、適切な物理量と関連付けられてもよく、また単に、これらの量及び/又は状態に適用される便利な標識である。
【0144】
ネットワークとしては、パケット交換ネットワークが挙げられ得る。通信装置は、選択されたパケット交換ネットワーク通信プロトコルを使用して、互いに通信することができる。1つの例示的な通信プロトコルとしては、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)を使用して通信を可能にすることができるイーサネット通信プロトコルを挙げることができる。イーサネットプロトコルは、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)によって発行された2008年12月発行の表題「IEEE802.3 Standard」、及び/又は本規格の後のバージョンのイーサネット規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、X.25通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。X.25通信プロトコルは、International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector(ITU-T)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、通信装置は、フレームリレー通信プロトコルを使用して互いに通信することができる。フレームリレー通信プロトコルは、Consultative Committee for International Telegraph and Telephone(CCITT)及び/又はthe American National Standards Institute(ANSI)によって公布された規格に準拠するか、又は互換性があり得る。代替的に又は追加的に、送受信機は、非同期転送モード(ATM)通信プロトコルを使用して互いに通信することが可能であり得る。ATM通信プロトコルは、ATM Forumによって「ATM-MPLS Network Interworking 2.0」という題で2001年8月に公開されたATM規格及び/又は本規格の後のバージョンに準拠するか、又は互換性があり得る。当然のことながら、異なる及び/又は後に開発されたコネクション型ネットワーク通信プロトコルは、本明細書で等しく企図される。
【0145】
様々な態様では、本開示による制御回路のマイクロコントローラは、Texas Instruments製のARM Cortexの商品名で知られているものなど、任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであり得る。一態様では、主マイクロコントローラ461は、例えば、その詳細が製品データシートで入手可能である、最大40MHzの256KBのシングルサイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ、性能を40MHz超に改善するためのプリフェッチバッファ、32KBのシングルサイクルSRAM、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部ROM、2KBのEEPROM、1つ若しくは2つ以上のPWMモジュール、1つ若しくは2つ以上のQEIアナログ、及び/又は12個のアナログ入力チャネルを備える1つ若しくは2つ以上の12ビットADCを含む、Texas Instrumentsから入手可能なLM4F230H5QR ARM Cortex-M4Fプロセッサコアであってもよい。
【0146】
別段の明確な定めがない限り、前述の開示から明らかなように、前述の開示全体を通じて、「処理すること(processing)」、「計算すること(computing)」、「算出すること(calculating)」、「判定すること(determining)」、「表示すること(displaying)」などの用語を使用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表現されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶、伝送、若しくは表示装置内で物理量として同様に表現される他のデータへと操作し変換する、コンピュータシステム又は類似の電子計算装置のアクション及び処理を指していることが理解されよう。
【0147】
1つ又は2つ以上の構成要素が、本明細書中で、「ように構成される(configured to)」、「ように構成可能である(configurable to)」、「動作可能である/ように動作する(operable/operative to)」、「適合される/適合可能である(adapted/adaptable)」、「ことが可能である(able to)」、「準拠可能である/準拠する(conformable/conformed to)」などと言及され得る。当業者は、「ように構成される」は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンバイ状態の構成要素を包含し得ることを理解するであろう。
【0148】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハウジング部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は、臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
【0149】
当業者は、一般に、本明細書で使用され、かつ特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して「オープンな」用語として意図されるものである(例えば、「含む(including)」という用語は、「~を含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という用語は「~を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「~を含むが、それらに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであるなど)ことを理解するであろう。更に、導入された請求項記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、かかる意図は当該請求項中に明確に記載され、またかかる記載がない場合は、かかる意図は存在しないことが、当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲は、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ又は2つ以上の(one or more)」という導入句を、請求項記載を導入するために含むことがある。しかしながら、かかる句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞によって請求項記載を導入した場合に、たとえ同一の請求項内に「1つ又は2つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句及び「a」又は「an」という不定冠詞が含まれる場合であっても、かかる導入された請求項記載を含むいかなる特定の請求項も、かかる記載事項を1つのみ含む請求項に限定されると示唆されるものと解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つの」又は「1つ又は2つ以上の」を意味するものと解釈されるべきである)。定冠詞を使用して請求項記載を導入する場合にも、同様のことが当てはまる。
【0150】
加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示されている場合であっても、かかる記載は、典型的には、少なくとも記載された数を意味するものと解釈されるべきであることが、当業者には認識されるであろう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、一般的に、少なくとも2つの記載事項、又は2つ又は3つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が使用される場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般に、かかる構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方及び/又はAとBとCの全てなどを有するシステムを含む)。更に、典型的には、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、典型的には、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解されよう。
【0151】
添付の特許請求の範囲に関して、当業者は、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施され得ることを理解するであろう。また、様々な動作のフロー図がシーケンスで示されているが、様々な動作は、示されたもの以外の順序で実施されてもよく、又は同時に実施されてもよいことが理解されるべきである。かかる代替の順序付けの例は、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除いて、重複、交互配置、割り込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆又は他の異なる順序付けを含んでもよい。更に、「~に応答する」、「~に関連する」といった用語、又は他の過去時制の形容詞は、一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、かかる変化形を除外することが意図されるものではない。
【0152】
「一態様」、「態様」、「例示」、「一例示」などへの任意の参照は、その態様に関連して記載される特定の機構、構造又は特性が少なくとも1つの態様に含まれると意味することは特記に値する。したがって、本明細書の全体を通じて様々な場所に見られる語句「一態様では」、「態様では」、「例示では」及び「一例示では」は、必ずしも全てが同じ態様を指すものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の態様において任意の好適な様態で組み合わせることができる。
【0153】
本明細書で参照され、かつ/又は任意の出願データシートに列挙される任意の特許出願、特許、非特許刊行物、又は他の開示資料は、組み込まれる資料が本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、また必要な範囲で、本明細書に明示的に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0154】
要約すると、本明細書に記載した構想を用いる結果として得られる多くの利益が記載されてきた。1つ又は2つ以上の形態の上述の記載は、例示及び説明を目的として提示されているものである。包括的であることも、開示された厳密な形態に限定することも意図されていない。上記の教示を鑑みて、修正又は変形が可能である。1つ又は2つ以上の形態は、原理及び実際の応用について例示し、それによって、様々な形態を様々な修正例とともに、想到される特定の用途に適するものとして当業者が利用することを可能にするようにするために、選択及び記載されたものである。本明細書とともに提示される特許請求の範囲が全体的な範囲を定義することが意図される。
【0155】
〔実施の態様〕
(1) クリップを適用するための外科用装置であって、前記外科用装置は、
ハウジングから延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
第1のジョーと、
第2のジョーと、を備え、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
カートリッジであって、
収容チャンバと、
前記収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える、カートリッジと、
圧着ストローク中に前記第1のジョー及び前記第2のジョーを前記閉鎖位置へと移動させるように構成された圧着駆動装置であって、前記複数のクリップのうちの1つは、前記圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される、圧着駆動装置と、
記憶データを含むRFIDタグであって、前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記複数のクリップのうちの少なくとも1つの識別特性に関連する、RFIDタグと、
前記RFIDタグに質問信号を送信し、前記質問信号に応答して前記RFIDタグから第1の信号を受信するように構成されたRFIDスキャナであって、前記第1の信号は、前記RFIDタグ上の前記記憶データを含む、RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナと通信するコントローラであって、前記コントローラは、
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データを、前記コントローラのメモリに記憶された適合性データセットと比較すること、及び
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データに基づいて、前記外科用装置の動作パラメータを変化させること、を行うように構成されている、コントローラと、を備える、外科用装置。
(2) 前記コントローラは、前記カートリッジが前記外科用装置で使用するのに適合すると前記コントローラが判定すると、前記変化させた動作パラメータを使用して前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを許可するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用装置。
(3) 前記コントローラは、前記コントローラが前記外科用装置で使用するのに適合するものとして前記カートリッジを認識できないと、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを阻止するように更に構成されている、実施態様1に記載の外科用装置。
(4) 前記コントローラは、前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データ及び前記メモリに記憶された前記適合性データセットに基づいて、前記外科用装置の前記動作パラメータを変化させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用装置。
(5) 前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内に収容されたクリップの数を含む、実施態様1に記載の外科用装置。
【0156】
(6) 前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記複数のクリップを構成する材料の種類を含む、実施態様1に記載の外科用装置。
(7) 前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内に位置付けられた前記複数のクリップのサイズを含む、実施態様1に記載の外科用装置。
(8) 前記動作パラメータは最大負荷閾値である、実施態様1に記載の外科用装置。
(9) 前記動作パラメータはロックアウト負荷閾値であり、前記ロックアウト負荷閾値を超えた場合、前記コントローラは、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを阻止する、実施態様1に記載の外科用装置。
(10) 電動モータと、電源と、を更に備え、前記電源は前記電動モータに電力を供給し、前記コントローラは、前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データに基づいて前記電動モータに供給される前記電力を変化させるように構成されている、実施態様1に記載の外科用装置。
【0157】
(11) 前記RFIDタグは、前記カートリッジ上に位置付けられている、実施態様1に記載の外科用装置。
(12) 前記RFIDタグは、前記複数のクリップのうちの1つの上に位置付けられている、実施態様1に記載の外科用装置。
(13) 前記RFIDタグは、前記圧着ストローク中に屈曲しない、前記クリップの部分に位置付けられている、実施態様12に記載の外科用装置。
(14) クリップを適用するための外科用装置であって、前記外科用装置は、
ハウジングから延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
第1のジョーと、
第2のジョーと、を備え、前記第1のジョーは、開放位置と閉鎖位置との間で前記第2のジョーに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
RFIDタグを備えるクリップであって、前記RFIDタグは記憶データを含み、前記RFIDタグ上の前記記憶データは前記クリップを表す、クリップと、
圧着ストローク中に前記第1のジョー及び前記第2のジョーを前記閉鎖位置へと移動させるように構成された圧着駆動装置であって、前記クリップは、前記圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される、圧着駆動装置と、
前記RFIDタグ上の前記記憶データを受信するように構成されたRFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナと通信するコントローラであって、前記コントローラは、
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データを適合性データセットと比較することによって、前記クリップが前記外科用装置で使用するのに適合するかどうかを判定すること、
前記クリップが前記外科用装置で使用するのに適合すると前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が機能を実行することを許可すること、及び
前記クリップが前記外科用装置で使用するのに適合しないと前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が前記機能を実行することを阻止すること、を行うように構成されている、コントローラと、を備える、外科用装置。
(15) 前記コントローラは、前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データが前記適合性データセット内で見出されないと、前記クリップが前記外科用装置で使用するのに適合しないと判定する、実施態様14に記載の外科用装置。
【0158】
(16) 前記コントローラは、前記RFIDスキャナが前記RFIDタグ上の前記記憶データを受信できないと、前記クリップが前記外科用装置で使用するのに適合しないと判定する、実施態様14に記載の外科用装置。
(17) 電動モータと、電源と、を更に備え、前記電源は前記電動モータに電力を供給するように構成されており、前記コントローラは、前記RFIDタグから受信した前記記憶データに基づいて前記電動モータの動作条件を変化させるように構成されている、実施態様14に記載の外科用装置。
(18) 前記RFIDタグは、前記圧着ストローク中に屈曲しない、前記クリップの部分に位置付けられている、実施態様14に記載の外科用装置。
(19) 前記クリップは、内面と、外面と、を備え、前記内面は、前記圧着ストローク後に前記患者の前記組織と接触し、前記RFIDタグは、前記クリップの前記外面に位置付けられている、実施態様14に記載の外科用装置。
(20) クリップを適用するための外科用装置であって、前記外科用装置は、
ハウジングから延在する細長いシャフトと、
前記細長いシャフトから延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、
第1のジョーと、
第2のジョーと、を備え、前記第1のジョー及び前記第2のジョーが、開放位置と閉鎖位置との間で互いに対して移動可能である、エンドエフェクタと、
カートリッジであって、
収容チャンバと、
前記収容チャンバ内に取り外し可能に位置付けられた複数のクリップと、を備える、カートリッジと、
圧着ストローク中に前記第1のジョー及び前記第2のジョーを前記閉鎖位置へと移動させるように構成された圧着駆動装置であって、前記複数のクリップのうちの1つは、前記圧着ストローク中に患者の組織の周囲に圧着される、圧着駆動装置と、
記憶データを含むRFIDタグであって、前記RFIDタグ上の前記記憶データは、前記カートリッジ内の前記複数のクリップの識別特性に関連する、RFIDタグと、
前記RFIDタグと通信するように構成されたRFIDスキャナであって、前記RFIDスキャナは、前記RFIDタグから前記記憶データを受信するように構成されている、RFIDスキャナと、
前記RFIDスキャナと通信するコントローラであって、前記コントローラは、
前記RFIDスキャナで受信した前記記憶データを真正性データセットと比較すること、
前記複数のクリップが真正であると前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを許可すること、及び
前記複数のクリップが真正ではないと前記コントローラが判定すると、前記外科用装置が前記圧着ストロークを実行することを阻止すること、を行うように構成されている、コントローラと、を備える、外科用装置。