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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】鎖骨セグメント化プレートシステム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/80 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A61B17/80
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022525719
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-11
(86)【国際出願番号】 IB2020059281
(87)【国際公開番号】W WO2021090084
(87)【国際公開日】2021-05-14
【審査請求日】2023-08-17
(31)【優先権主張番号】16/673,655
(32)【優先日】2019-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513069064
【氏名又は名称】デピュイ・シンセス・プロダクツ・インコーポレイテッド
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive, Raynham MA 02767-0350 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ツェンカー・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ガルム・アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】バンメルリン・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァイツァー・マーセル
(72)【発明者】
【氏名】フォンタナ・アラベラ
(72)【発明者】
【氏名】アンデルマット・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー・マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ニジュス・ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ランバート・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】ホイエン・ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・チュンヤン
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-149297(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0059424(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0172020(US,A1)
【文献】特表2013-504390(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0184414(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105012000(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105361939(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107007342(CN,A)
【文献】中国実用新案第202027696(CN,U)
【文献】登録実用新案第3146826(JP,U)
【文献】特表2018-513752(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/56
17/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鎖骨の内側骨折を治療するための内側プレートであって、
鎖骨の骨の内側部分に沿って位置付けられるようにサイズ決め及び形状決めされたプレート本体であって、前記プレート本体が、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部に延在する長手方向構成要素と、前記長手方向軸から離れて、前記第2の端部から延在する延長部と、を含み、前記第2の端部が、鎖骨の骨の内側頭部の上に取り付けられるように構成され、前記プレート本体が、動作位置において、前記鎖骨の骨から離れる方に面する上部表面と、前記動作位置において、前記鎖骨の骨に向かって面する下部表面と、を介して画定されている、プレート本体と、
前記長手方向構成要素の前記第2の端部を含む前記長手方向構成要素の一部分及び前記延長部を通って延在する第1のセットのねじ穴であって、前記第1のセットのねじ穴の各々が、前記上部表面から前記下部表面に前記プレート本体を通って延在し、その結果、骨ねじが前記第1のセットのねじ穴を通して挿入可能である、第1のセットのねじ穴と、
前記第1のセットのねじ穴の外側に、前記長手方向構成要素を通って延在する複数の組み合わせ穴であって、前記複数の組み合わせ穴の各々が、係止骨ねじを受容するように構成された第1の部分と、前記第1の部分と連通し、中に非係止ねじを受容するように構成された第2の部分と、を含む、複数の組み合わせ穴と、を含んでおり、
前記延長部と前記長手方向構成要素との間に延在する前記プレート本体の一部分が、それに沿って延在する溝を含み、それにより、前記延長部が、前記溝に沿って前記長手方向構成要素に対して屈曲可能である、内側プレート。
【請求項2】
記動作位置において、前記長手方向構成要素の前記第2の端部が、鎖骨の内側端部の前方表面を越えて、前記鎖骨の上位表面に向かって延在する、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項3】
前記長手方向構成要素の前記第1の端部が、前記長手方向構成要素の前記第2の端部に対して前記長手方向軸の周りに回転される、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項4】
前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの1つが、前記上部表面を前記下部表面に接続して、挿入を容易にするための角度付き表面を含む、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項5】
前記延長部が、前記動作位置において、前記延長部が前記鎖骨の上位表面に向かって延在するように、前記長手方向軸から離れて延在する、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項6】
前記第1のセットのねじ穴が、前記内側プレートの内側縁部に沿って延在している、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項7】
前記第1のセットのねじ穴が、可変角度穴を含み、その結果、骨ねじが、前記第1のセットの可変角度穴の中心軸に対してユーザー選択された角度で前記可変角度穴を通して挿入可能である、請求項に記載の内側プレート。
【請求項8】
前記複数の組み合わせ穴の外側に、前記第1の端部を含む前記長手方向構成要素の一部分を通って延在する第2のセットのねじ穴をさらに含み、前記第2のセットのねじ穴の各々が、前記上部表面から前記下部表面に前記長手方向構成要素を通って延在し、その結果、骨ねじが前記第2のセットのねじ穴を通して挿入可能である、請求項1に記載の内側プレート。
【請求項9】
前記第2のセットのねじ穴の各々が、前記長手方向軸の周りに互いに対して互い違いに配置されている、請求項に記載の内側プレート。
【請求項10】
前記第2のセットのねじ穴が、可変角度穴を含み、その結果、骨ねじが、前記第2のセットの可変角度穴の中心軸に対してユーザー選択された角度で前記可変角度穴を通して挿入可能である、請求項に記載の内側プレート。
【請求項11】
前記第1のセットのねじ穴と前記第2のセットのねじ穴との間の前記プレート本体の一部分に沿って前記プレート本体の屈曲を容易にするように構成された屈曲ゾーンをさらに含む、請求項に記載の内側プレート。
【請求項12】
前記屈曲ゾーンが、前記長手方向構成要素の長手方向側面に延在する凹部を介して画定されて、前記プレート本体の縮小された幅の部分を形成する、請求項11に記載の内側プレート。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
鎖骨に沿った骨折は非常に一般的であり、骨の任意の部分に沿って生じ得る。現在のインプラントは、鎖骨の特定の部分のみを治療するために設計されている。例えば、現在、内側鎖骨骨折を治療するために専用の実用的なインプラントはない。加えて、場合によっては、既存の鎖骨プレートは患者固有の解剖学的構造にあまり適していない場合があり、痛み及び/又はプレートの早期除去につながる可能性のある軟部組織の炎症を引き起こす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本開示は、鎖骨の骨の内側部分に沿って位置付けられるようにサイズ決め及び形状決めされたプレート本体を含む、鎖骨の内側骨折を治療するための内側プレートに関する。プレート本体は、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部に延在する長手方向構成要素と、長手方向軸から離れて第2の端部から延在する延長部と、を含み、第2の端部が、鎖骨の骨の内側頭部の上に取り付けられるように構成され、プレート本体が、動作位置において鎖骨の骨から離れる方に面する上部表面と、動作位置において鎖骨の骨に向かって面する下部表面と、を介して画定されている。第1のセットの可変角度穴が、長手方向構成要素の第2の端部を含む長手方向構成要素の一部分及び延長部を通って延在し、第1のセットの可変角度穴の各々は、中心軸に沿って上部表面から下部表面にプレート本体を通って延在し、その結果、骨ねじが、可変の第1のセットの各々の中心軸に対してユーザー選択の角度で可変角度穴を通して挿入可能である。複数の組み合わせ穴が、第1のセットの可変角度穴の外側に、長手方向構成要素を通って延在し、複数の組み合わせ穴の各々は、その中心軸に対してユーザー選択の角度で骨ねじを受容するように構成された第1の部分と、圧縮ねじを受容するように構成された第2の部分と、を含む。
【0003】
本開示はまた、治療される鎖骨の骨の5つのセクションのうちの1つに対する骨折の場所を識別することと、識別された骨折の場所に基づいて骨折を治療するためのプレートタイプを決定することと、を含む、鎖骨骨折を治療するための方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示の例示的な実施形態による、骨折に特化した鎖骨治療システムのための骨の概略図を示す。
図2図1のシステムに含まれるプレートの最適な寸法を特定するためのデータを含む例示的な表を示す。
図3図1のシステムによる、第1の外側プレートの斜視図を示す。
図4図3の第1の外側プレートの上面図を示す。
図5図3の第1の外側プレートの側面図を示す。
図6図3の第1の外側プレートの外側部分の断面斜視図を示す。
図7図3の第1のプレートの外側部分の別の断面斜視図を示す。
図8図3の第1の外側プレートの外側部分の別の断面斜視図を示す。
図9図3の第1の外側プレートの内側部分の断面図を示す。
図10図1のシステムによる、第2の外側プレートの斜視図を示す。
図11図10の第2の外側プレートの上面図を示す。
図12図10の第2の外側プレートの側面図を示す。
図13図1のシステムによる、第3の外側プレートの斜視図を示す。
図14図13の第3の外側プレートの上面図を示す。
図15図13の第3の外側プレートの側面図を示す。
図16図1のシステムによる、第1のシャフトプレートの斜視図を示す。
図17図16の第1のシャフトプレートの上面図を示す。
図18図16の第1のシャフトプレートの側面図を示す。
図19図1のシステムによる、第2のシャフトプレートの斜視図を示す。
図20図19の第2のシャフトプレートの上面図を示す。
図21図19の第2のシャフトプレートの側面図を示す。
図22図1のシステムによる、第3のシャフトプレートの斜視図を示す。
図23図22の第3のシャフトプレートの上面図を示す。
図24図22の第3のシャフトプレートの側面図を示す。
図25図1のシステムによる、第4のシャフトプレートの上面図を示す。
図26図25の第4のシャフトプレートの側面図を示す。
図27図1のシステムによる、内側プレートの上面図を示す。
図28図27の内側プレートの底面図を示す。
図29図27の内側プレートの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、以下の説明及び添付の図面を参照して理解することができ、類似の構成要素は同じ参照番号で言及される。本実施形態は、鎖骨骨折の治療に関し、特に、外側、中央シャフト及び内側鎖骨骨折、変形治癒及び非結合の治療のための鎖骨骨接合システムに関する。例示的な実施形態は、複数のプレートを含む骨折に特化したプレートシステムを説明するが、その各々は、骨折の特定のサブセットに対処するように設計されている。骨プレートの各々は、鎖骨の特定の部分を治療するように具体的にサイズ決定、成形及び構成され、患者の背丈(例えば、身長)に基づいて様々なサイズの鎖骨に対応するように複数の形状で利用可能である。例えば、より大きな患者は、比例的に小さい患者よりも長い及び/又はより大きいプレートを必要とする。本明細書で使用される場合、外側及び内側という用語は、それぞれ、鎖骨の骨に対して外側及び内側方向を指すことが意図されることが当業者によって理解されるであろう。
【0006】
図1に示されるように、本開示の鎖骨骨接合システムによれば、鎖骨は、セクションに分割され得、それにより、セクションの各々に沿った骨折がシステムによって提供される少なくとも1つのプレートを使用して治療され得る。言い換えれば、各プレートタイプは、骨折の特定のサブセットに対処するように設計されている。鎖骨は、外側端部から内側端部に延在し、外側端部から内側端部まで、等しい長さの5つのセクション(セクション1~セクション5として指定される)を画定する5分の1に分割され得る。第1のセクション(すなわち、骨の最も外側のセクション)で発生する骨折は、外側プレート100~300のうちの1つを使用して治療され得、一方、第5のセクション(すなわち、最も内側のセクション)で発生する骨折は、内側プレート800を使用して治療され得る。第3のセクション(すなわち、鎖骨の中央部分)で発生する骨折は、シャフトプレート400~700のうちの1つを使用して治療され得る。
【0007】
しかしながら、第2のセクション及び第4のセクションは、外側プレート100~300又は内側プレート800のうちの1つ、かつ、骨折の特定の場所に応じてシャフトプレート400~700を使用して治療され得る。例えば、第2のセクションで発生する骨折は、骨折場所に応じて、外側プレート100~300のうちの1つ、又はシャフトプレート400~700を使用して治療され得る。第4のサブセクションで発生する骨折は、骨折場所に応じて、シャフトプレート400~700のうちの1つ、又は内側プレート800を使用して治療され得る。これらの専用プレートソリューションは、患者特有の解剖学的構造に最も適したプレートが選択され得るように、複数の形状で利用可能である。
【0008】
図2に示されるように、本明細書に記載の外側、シャフト及び内側プレートの最適なサイズ、形状及び構成を決定するために、様々な背丈の患者の鎖骨の骨のデータベースを含む例示的な実施形態が編集され、分析された。特に、一実施形態では、骨サイズは、概して、小、中及び大の母集団に指定された3つのカテゴリに分割された。小さな骨には、134mm未満の長さを有する鎖骨が含まれていた。中程度の骨には、134~155mmの範囲の長さを有する鎖骨が含まれていた。大きな骨には、155mmを超える長さを有する鎖骨が含まれていた。編集されたデータの骨の寸法を使用して、多項式の方程式を使用して、様々な背丈の患者に最適に合致する様々な形状のプレートのプレート長とともに、最適な横断及び冠状曲率を決定した。
【0009】
本開示のシステムによる外側プレート100~300は、例えば、患者の背丈に基づく鎖骨の長さ及び曲率の違いを考慮に入れるために、3つのサイズで利用可能であり得る。例えば、より小さい背丈の患者は、より小さい寸法を有するより小さい鎖骨の骨を有するが、より大きな背丈の患者の鎖骨の骨と比較してより強い曲率を有する。一実施形態では、外側プレート100~300の各々の冠状及び/又は横断曲率及び/又はプレート長は、患者の身長と相関し得る。以下に記載される外側プレート100~300の寸法は、様々なサイズの患者の骨の分析に基づいて決定された。医師又は他のユーザーは、患者のサイズ及び鎖骨の外側部分に沿った骨折の場所に基づいて、3つの外側プレート100~300のうちの1つを選択し得る。
【0010】
図3図9に示されるように、本開示の例示的な実施形態による第1の外側プレート100は、第1の端部104から第2の端部106に延在し、第1の外側プレート100が動作位置にあるとき、鎖骨から離れて面する上部表面108と、第1の外側プレート100が動作位置にあるとき、鎖骨に向かって面する内側、骨に面する表面110とを含む、プレート本体102を含む。動作位置では、第1の端部104は、鎖骨の外側端部の上に位置付けられ、その結果、プレート本体102が、図1に関して上述したように、鎖骨の第1のセクション及び第2のセクションの少なくとも一部分に対応するその長さに沿って鎖骨の上位表面に沿って延在し、第2の端部106は、鎖骨の内側端に向かって延在している。本明細書で説明される3つの外側プレート100~300の中で最小である第1の外側プレート100は、非常に外側の単純な骨折を伴う小さな鎖骨を治療するためにユーザーによって選択され得る。以下でさらに詳細に説明するように、第1の外側プレート100は、外側の鎖骨骨折を最適に治療するために選択された構成でプレート本体102の部分を通って延在する、複数の可変角度穴112、114を含む。
【0011】
プレート本体102は、鎖骨の外側部分に沿った曲線に対応する曲線に沿って長手方向に延在し、第1の端部104から第2の端部106へ減少する幅(すなわち、プレート本体102の長手方向側面132間の距離)を有する。プレート本体102はまた、鎖骨の周りで長手方向に延在するように湾曲し得る。一実施形態では、プレート本体102は、およそ40mm~70mmの範囲の長さを有する。別の実施形態では、プレート本体102は、およそ45mm~65mmの範囲の長さを有し、より具体的な実施形態では、プレート長は、およそ50mm~60mmの範囲である。一実施形態では、プレート本体102は、40mm~50mmの範囲の曲率半径を含み、一特定の実施形態では、およそ44mmの曲率半径を含む。この実施形態によるプレート本体102の幅は、第1の端部104で、およそ10mm~20mmの範囲であり、より具体的な実施形態では、およそ15mm~16mmの範囲である。一実施形態では、第1の端部104は、鎖骨の外側頭部の周りに延在するように湾曲している。第2の端部106は、上部表面108を下部表面110に接続する角度付き表面120を含み得、角度付き表面120は、経皮的挿入を容易にするために、第2の端部106でプレート本体102のプロファイルを低減するように角度付けされている。一実施形態では、角度付き表面120は、10度~30度拡張する角度で延在し得る。一例では、角度付き表面120は、下部表面110に対しておよそ20度の角度で延在し得る。
【0012】
一実施形態では、第1の外側プレート100は、第1の端部104に近接しているプレート本体102の第1の部分116を通って延在する複数の可変角度穴112を含む。可変角度穴112の各々は、プレート本体102を通って上部表面108から下部表面110に延在する。動作構成では、第1の部分116は、鎖骨の外側断片の上に延在するように構成されている。可変角度穴112の各々は、中心軸に沿ってプレート本体102を通って延在し、示されるように図6図7及び図8の断面における三角形を介して、中心軸に対して許容される角度範囲内で、ユーザー選択の角度でそこを通る骨ねじを受容するように構成されている。一実施形態では、第1の部分116は、そこを通って延在する6つの可変角度穴を含み、可変角度穴112は、外側断片にそこを通って挿入され得るねじの数を最大化するように互いに対して位置付けられている。
【0013】
一例では、可変角度穴112のうちの2つは、プレート本体102の長手方向軸に沿って位置付けられている。図6に示されるように、これらの穴の中心軸は、上部表面108に対してプレート本体102の長手方向軸を通って垂直に延在する中心面Cに沿って延在する。この実施形態における可変角度穴112のうちの2つは、長手方向軸の反対側に、かつ長手方向軸に沿った穴112のうちの最も外側の1つに対して外側に、プレート本体102の外側縁部130に近接して位置付けられている。
【0014】
図7に示されるように、これらの可変角度穴112のうちの1つ又は2つ以上の中心軸は、中心軸が下部表面110の遠位の点で中心面と交差するように、およそ5度の角度で中心面Cに向かって収束し得る。一実施形態では、図7に示される可変角度穴112の後方の1つは、中心面Cに向かって収束する中心軸に沿って延在し、一方、図7に示される可変角度穴112の前方の1つは、中心面Cに実質的に平行に延在する中心軸に沿って延在する。この実施形態では、可変角度穴112の2つは、中心軸に沿った2つの穴112の間の長手方向軸の反対側に位置付けられている。
【0015】
図8に示されるように、これらの可変角度穴のうちの1つ又は2つ以上は、中心面Cから離れて広がり、中心軸が上部表面108の近位の中心面と交差するように、中心面Cに対して最大5度の角度で角度付けられた中心軸に沿って延在し得る。一実施形態では、図8に示された可変角度穴の後方の1つは、中心面Cに実質的に平行な中心軸に沿って延在し、一方、図8に示される可変角度穴の前方の1つは、中心軸Cから離れて広がる中心軸に沿って延在する。プレート100は、特定の構成で互いに対して位置付けられた可変角度穴112を有するものとして具体的に示され、説明されているが、第1の部分116は、骨ねじがそれを通して鎖骨の外側断片の様々な部分に挿入可能である限り、様々な構成のうちのいずれかにおいて互いに対して位置付けられた任意の数の可変角度穴112を含み得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0016】
第2の端部106に近接するプレート本体102の第2の部分118は、複数の可変角度穴114を含み、可変角度穴114の各々は、上部表面108に実質的に垂直な中心軸に沿って上部表面108から下部表面110に可変角度穴114を通って延在する。第2の部分118は、図1に関して識別された鎖骨の第2のセクションの部分にわたって延在するように構成されている。この実施形態では、第2の端部106に近接する可変角度穴の第1の1つの中心軸は、中心面Cに沿ってプレート本体を通って延在する。残りの可変角度穴114は、プレート本体102の長手方向軸の周りで互いに対して互い違いに配置されている。図9に示されるように、これらの可変角度穴の中心軸は、この実施形態では、中心軸が下部表面110の遠位の点に収束するように、中心面Cに対しておよそ5度で角度付けされている。一実施形態では、上部表面108は、可変角度穴114の中心軸が上部表面108に実質的に垂直であり得るように、プレート本体102の長手方向軸の周りで湾曲され得る。可変角度穴114は、上記の穴112と実質的に同様であり得、当業者によって理解されるように、事前定義された角度範囲内で、中心軸に対してユーザーが選択した角度で可変角度穴114を通して骨ねじを受容するように構成されている。
【0017】
プレート100は、第1の部分116と第2の部分118との間のプレート本体102の中央部分134を通って延在する1つ又は2つ以上の組み合わせ穴122をさらに含み得る。組み合わせ穴122は、プレート本体102を通って上部表面108から遠位表面に延在し、可変角度穴として構成された第1の部分124と、圧縮穴として構成された第2の部分126と、を含む。組み合わせ穴122を含む中央部分134は、プレート本体102の一部分に沿って位置付けられるが、これは、プレート100が動作位置にあるとき、烏口鎖骨靭帯の上に延在するように構成される。
【0018】
第1の外側プレート100はまた、上部表面108から下部表面110に第1の外側プレート100を通って延在する複数の縫合穴128を含み得る。縫合穴128は、外側縁部130に沿って、及び長手方向側面132に沿って延在するプレート本体102の一部分を通って延在する。縫合穴128は、当業者によって理解されるように、プレートを組織に縫合するための、及び/又は骨へのプレート100の一時的固定のためのkワイヤを受け入れるための針を受け入れるように構成されている。
【0019】
第1の外側プレート100は、上記のように鎖骨に沿って位置付けられた小さな経皮的切開を通して挿入され得ることは、当業者によって理解されるであろう。次いで、第1の断片及び第2の断片の整列時に、第1の部分116は、骨の第1の(外側の)断片の上に位置付けられ得、一方、第2の部分118は、骨の第2の断片の上に位置付けられる。プレート本体102は、必要に応じて、組み合わせ穴122及び可変角度穴112、114を通るねじの挿入を介して骨に固定される。ねじは、皮膚の小さな切開を通して挿入され得る。
【0020】
図10図12に示されるように、第2の外側プレート200は、第1の外側プレート100と実質的に同様であり得るが、第1の外側プレート100よりも大きな鎖骨の骨を治療するように、及び/又はさらに骨の外側端部から骨の一部分に沿って延在する外側骨折のためにサイズ決めされ、成形され、構成されている。第2の外側プレート200は、以下に記載されている場合を除き、第1の外側プレート100と同じ特徴を含む。第1の外側プレート100と同様に、第2の外側プレート200は、第1の端部204から第2の端部206に延在するプレート本体202を含む。
【0021】
複数の可変角度穴212が、第1の端部204に近接するプレート本体202の第1の部分216を通って延在し、複数の可変角度穴214が、第2の端部206に近接するプレート本体202の第2の部分218を通って延在する。しかしながら、プレート本体202は、およそ70mm~100mmの範囲の長さを有し得る。一実施形態では、プレート本体202は、およそ75~95mmの範囲の長さを有し、より特定の実施形態では、長さは、およそ80~90mmの範囲である。プレート本体102に対してプレート本体202の長さがより長いため、プレート200は、第1の部分216と第2の部分218との間のプレート本体202の中央部分234を通って延在する2つの組み合わせ穴222を含み得る。
【0022】
可変角度穴212を含む第1の部分216及び組み合わせ穴222を含むプレートの中央部分234が、鎖骨の外側曲線に対応する曲線に沿って延在する。一実施形態では、第1の部分216及び中央の部分234は、およそ45mmの曲率半径を有する。第2の部分218は、動作位置において、図1において識別されるように、鎖骨の第2のセクションの内側端部まで延在し得、その結果、第2の部分218は、鎖骨の内側曲線の一部分に対応する曲線に沿って延在する。一実施形態では、第2の部分218は、およそ75mm~85mmの範囲の半径を有する曲線に沿って延在する。一特定の実施形態では、第2の部分218は、およそ80mmの曲率半径を有する。第2の部分218は、この実施形態ではまた、プレート本体202の長手方向軸の周りに互い違いに配置された複数の可変角度穴214を含む。一実施形態では、第2の部分218は、4つの可変角度穴214を含む。しかしながら、可変角度穴214の数は、第2の部分218の長さ及び/又は第2の部分218を通る可変角度穴214の所望の構成に応じて変化し得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0023】
プレート本体202はまた、患者特有の解剖学的構造のためにプレート200の形状及び構成を最適化するための面内曲げのための専用ゾーンを含み得る。言い換えれば、プレート本体202は、プレート本体202が延在するのと同じ平面内で曲げられ得る。曲げのためのゾーンは、例えば、中央部分234と第2の部分218との間に延在するプレート本体202の縮小された幅部分236として構成され得、中央部分234及び第2の部分218が互いに対して曲げられることを可能にする。縮小された幅部分236は、プレート本体202の長手方向縁部232に延在する一対の凹部238を含み得る。
【0024】
図13図15に示されるように、第3の外側プレート300は、第2の外側プレート200と実質的に同様であり得るが、より大きな背丈の患者のために寸法決めされている。第2の外側プレート200と同様に、プレート本体302は、図1において識別されるように、鎖骨の第2のセクションの内側端部まで延在するように構成されている。一実施形態では、プレート本体302は、およそ80mm~110mmの範囲の長さを有し得る。別の実施形態では、プレート本体302は、およそ85mm~105mmの範囲の長さを有し得、より特定の実施形態では、プレート本体302は、およそ90mm~100mmの長さを有し得る。プレート本体302の第1の端部304は、12mm~23mmの幅を有し得、特定の実施形態では、およそ17~18mmの幅を有し得る。
【0025】
鎖骨の外側曲率に沿って延在するように構成された、プレート本体302の第1の部分316及び中央部分334は、およそ44mm~54mmの曲率半径を有し得、一特定の実施形態では、およそ49mmの曲率半径を有し得る。第2のセクション内の内側曲線の一部分に沿って延在するように構成されている第2の部分318は、一実施形態では、およそ91mm~101mmの曲率半径を有し得、一特定の実施形態では、およそ96mmの曲率半径を有し得る。
【0026】
第2の外側プレート200と同様に、第1の部分316は、複数の可変角度穴312を含む。しかしながら、第1の部分316は、より広くより長いプレート本体302を収容するために、より多くの可変角度穴312を含む。第2の部分318は、同様に、プレート本体302の長手方向軸の周りに互い違いに配置された可変角度の穴314を含む。しかしながら、第2の部分318は、第2の部分318の外側端部を通って延在する1つ又は2つ以上の追加の組み合わせ穴322をさらに含み、その結果、中央部分334と第2の部分318との間に延在する屈曲ゾーン336が、2つの隣接する組み合わせ穴322の間に延在する。
【0027】
上記のように、3つの外側プレート100~300のうちの1つが、患者の背丈(例えば、患者の鎖骨の骨の寸法)及び/又は骨に沿った骨折の場所に基づいて、患者を治療するために選択され得ることが、当業者によって理解されるであろう。例示的な実施形態は、様々なサイズ及び構成の3つの外側プレートを具体的に説明及び示すが、本開示のシステムは、異なる寸法の鎖骨の骨を収容するための3つを超える外側プレートを含み得る。
【0028】
本開示の鎖骨システムはまた、図1に識別されるように、鎖骨の第2、第3及び/又は第4のセクションに沿った骨折を治療するためのシャフトプレート400~700を含む。特に、シャフトプレート400~600の各々は、第2のセクションの内側部分に沿って第3のセクションの内側端部までの骨折を治療することが意図されている。3つのシャフトプレート400~600の各々は、様々なサイズの鎖骨の骨を通って延在するシャフト骨折を治療するために、サイズ及び形状が変化する。シャフトプレート700は、拡張骨折を治療するように具体的に構成され得、鎖骨の第4のセクションに沿って延在するように構成されている。小さな骨に沿った拡張骨折はまた、例えば、中程度のプレート(例えば、プレート500)を使用して治療され得、一方、中程度の骨に沿った拡張骨折はまた、大きなシャフトプレート(例えば、プレート600)を使用して治療され得る。
【0029】
図16図18に示されるように、第1のシャフトプレート400は、第1の端部404から第2の端部406に延在するプレート本体402を含み、動作位置において、骨から離れて面する近位表面408を介して、動作位置において、骨に向かって面する遠位表面410に対して画定される。上記の外側プレートの第2の端部と同様に、プレート本体402の第1の端部404及び第2の端部406の両方は、近位表面408を遠位表面410に接続する角度付き表面420を含み、経皮的挿入によるプレートの挿入を容易にするために、第2の端部406でプレート400のプロファイルを低減する。
【0030】
上記のように、動作位置において、プレート本体402は、鎖骨の骨の第2のセクションの一部分に沿って、第3のセクションの内側端部まで延在する。特に、プレート本体402は、プレート400が動作位置にあるときに、鎖骨の骨の外側曲線の一部分に沿って延在するようにサイズ決めされ、成形され、かつ構成された第1の部分416と、鎖骨の骨の内側曲線の一部分の上に延在するようにサイズ決めされ、成形され、構成された第2の部分418と、を含む。以下でより詳細に説明するように、第1の部分416及び第2の部分418の各々は、それぞれ、第1のセットの可変角度穴412及び第2のセットの可変角度穴414を含み、近位表面408から遠位表面410まで、それを通って延在する組み合わせ穴422を伴う。
【0031】
一実施形態では、プレート本体402は、およそ80mm~115mmの範囲の長さを有し得る。別の実施形態では、プレート本体402の長さは、およそ85mm~110mmの範囲であり得、より特定の実施形態では、プレート本体402の長さは、90mm~105mmの範囲であり得る。一実施形態では、第1の部分416は、およそ40mm~50mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在し、特定の実施形態では、曲率半径は、およそ45mmであり得る。第2の部分418は、およそ70~80mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在し得、一特定の実施形態では、74mmの曲率半径を有し得る。
【0032】
一実施形態では、第1の部分416は、第1の端部404から第1の部分416に沿って延在する第1のセットの可変角度穴412を含む。第1の端部404に近接する可変角度穴412の最初の1つは、その長手方向軸に沿ってプレート本体402を通って延在する。後続の可変角度穴412は、長手方向軸の周りで、互いに対して互い違いに配置され得る。一実施形態では、第1の部分416は、4つの可変角度穴412を含む。第1の部分416と同様に、第2の部分418は、第2の端部406から第2の部分418に沿って延在する複数の可変角度穴414を含み得る。第2の端部406に近接する可変角度穴414の最初の1つは、長手方向軸に沿ってプレート本体402を通って延在する。後続の可変角度穴414は、長手方向軸の周りで互いに対して互い違いに配置され得る。第1のセットの可変角度穴412及び第2のセットの可変角度穴414は、図3図9に関して上記で説明した可変角度穴114と実質的に同様であり得る。特に、穴412、414の各々は、中心軸が遠位表面410の遠位で中心面と収束するように、中心面に対して角度付けられた中心軸に沿って延在する。
【0033】
プレート400はまた、第1のセットの可変角度穴412及び第2のセット可変角度穴414の間でプレート本体402を通って延在する複数の組み合わせ穴422を含む。一実施形態では、プレート400は、4つの組み合わせ穴422を含み得る。組み合わせ穴422は、実質的に長手方向軸に沿ってプレート本体402を通って延在する。一実施形態では、第1の部分416及び第2の部分418に沿った穴の構成は、実質的に互いにミラーリングしている。特に、第2の部分418は、同様に、4つの可変角度穴を有し得る。加えて、第1の部分416に沿って延在する組み合わせ穴422は、圧縮穴部分426の内側に延在する可変角度穴部分424を有し得、一方、第2の部分418に沿って延在する組み合わせ穴422は、圧縮穴部分426の外側に延在する可変角度部分424を有し得る。したがって、第1のねじ及び第2のねじが、プレート400が植え込まれる骨の骨折を圧縮するために、第1の部分416に沿った組み合わせ穴422及び第2の部分418に沿った組み合わせ穴422を通して最初に挿入され得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0034】
図19図21に示されるように、第2のシャフトプレート500は、第1のシャフトプレート400と実質的に同様であり得る。しかしながら、第2のシャフトプレート500は、第1のシャフトプレート400よりも大きい寸法を有する鎖骨の骨を治療するようにサイズ決めされ、成形され、構成されている。第2のシャフトプレート500は、同様に、鎖骨の外側曲線の一部分に沿って延在するように構成された第1の部分516と、鎖骨の内側曲線の一部分に沿って延在するように構成された第2の部分518と、を含むプレート本体502を含む。この実施形態では、プレート本体502は、およそ95mm~125mmの範囲の長さを有する。別の実施形態では、プレート本体502の長さは、およそ100mm~120mmの範囲であり、より特定の実施形態では、プレート本体502の長さは、およそ105mm~115mmで延在する。
【0035】
第1の部分516は、一実施形態では、およそ45mm~55mmの範囲の曲率半径を有し、一特定の実施形態では、およそ50mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在する。第2の部分518は、一実施形態では、およそ82mm~92mmの曲率半径を有し、一特定の実施形態では、およそ87mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在する。第1のセットの可変角度穴512及び第2のセットの可変角度穴514は、組み合わせ穴522とともに、プレート400と実質的に同様に、第1の部分516及び第2の部分516を通ってそれに沿って延在する。
【0036】
図22図24に示されるように、第3のシャフトプレート600は、第1のシャフトプレート400及び第2のシャフトプレート500と実質的に同様であり得るが、より大きな鎖骨の寸法を有する患者に特に適し得る。同様に、第3のシャフトプレート600は、鎖骨の外側曲線の一部分に沿って延在するように構成された第1の部分616と、一方で、鎖骨の内側曲線の一部分に沿って延在するように構成されている第2の部分618と、を含むプレート本体602を含む。この実施形態では、プレート本体602は、およそ110mm~140mmの範囲の長さを有し得る。特定の実施形態では、プレート本体102の長さは、およそ125mm~135mmの範囲であり得、より特定の実施形態では、およそ120mm~130mmの範囲であり得る。
【0037】
第1の部分616は、一実施形態では、およそ54mm~64mmの範囲の曲率半径を有し、別のより特定の実施形態では、およそ59mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在する。第2の部分618は、一実施形態では、93mm~103mmの範囲の曲率半径を有し、より特定の実施形態では、およそ98mmの曲率半径を有する曲線に沿って延在する。第3のシャフトプレート600は、同様に、組み合わせ穴622とともに、第1の部分616及び第2の部分618を通って延在する可変角度穴612、614の第1のセット及び第2のセットを含む。しかしながら、第3のシャフトプレート600は、プレート本体602のより長い長さを覆うための追加の穴612、614、622を含む。
【0038】
図25図26に示されるように、第4のシャフトプレート700は、シャフトプレート400~600と実質的に同様であり得る。特に、第4のシャフトプレート700は、プレート本体602と同様に成形されたプレート本体702を含み、第1の部分716及び第2の部分718に沿って実質的に同様の曲率半径を有する。しかしながら、プレート本体702は、延長されたシャフトの骨折に適応するように特に設計されたより長い長さを有する。一実施形態では、第4のシャフトプレート700は、図1に示されるように、鎖骨の第2のセクションの一部分に沿って、鎖骨の第4のセクションの内側端部まで延在するように構成されている。この実施形態では、プレート本体702は、およそ130mm~160mmの範囲の長さを有し得る。別の実施形態では、プレート本体702の長さは、およそ135mm~155mmの範囲であり得、より特定の実施形態では、およそ140mm~150mmの範囲である。
【0039】
上述のように、従来の鎖骨システムは、指定された内側プレートを含まない。内側骨折は現在、例えば、遠位上腕骨プレート及び遠位橈骨プレートなどの適応外プレートを使用して治療されることが多く、これは、場合によっては、鎖骨上に最適にフィットしない。図27図29に示されるように、内側プレート800は、鎖骨の内側骨折を治療するために特別にサイズ決定され、成形され、構成されている。内側プレート800は、第1の端部804から第2の端部806まで延在し、動作位置において、鎖骨の骨から離れて面する近位表面808と、動作位置において、鎖骨に向かって面する遠位表面810とを介して画定されるプレート本体802を含む。
【0040】
プレート本体802は、動作位置において、第2の端部806が、鎖骨の内側端部の前方表面を越えて延在し、プレート本体802の長さが、鎖骨の第5のセクションを通って、鎖骨の第4のセクションの一部分に沿って上位表面に向かって延在するように、サイズ決め及び形状決めされている。したがって、図29に示されるように、プレート本体802の第1の端部804は、第2の端部806に対してプレート本体802の長手方向軸の周りに回転される。この実施形態では、第1の端部804は、近位表面808と遠位表面810とを接続して、経皮的切開を通してプレート800の挿入を容易にするために低プロファイルを形成する角度付き表面820を含む。
【0041】
この実施形態では、プレート本体802は、長手方向に延在する構成要素840と、第2の端部806から延在する延長部842と、を含み、それにより、プレート800が動作位置にあるとき、延長部842は鎖骨の上位表面に向かって延在する。延長部842は、長手方向に延在する構成要素840から横に延在し、長手方向に延在する構成要素840の長手方向軸から離れる。プレート本体802の遠位表面810に沿って、プレート800は、延長部842と長手方向構成要素840との間に延在する溝844をさらに含み、それにより、延長部842は、プレート800を患者の特定の解剖学的構造により良好に適合させるために、溝844に沿って長手方向構成要素840に対して曲げられ得る。
【0042】
延長部842を含むプレート本体802の第2の端部806は、それを通して第1のセットの可変角度穴812が延在するプレート本体802の第2の部分818を画定する。一実施形態では、可変角度穴812の第1の対は、長手方向構成要素840の内側縁部807に近接して近位表面808から遠位表面810に延在する。別の可変角度穴812はまた、内側エッジ807に近接して延在する可変角度穴812及び延長部が、実質的に整列するように、延長部842を通っても延在する。この実施形態では、可変角度穴812の第2の対は、可変角度穴812の第1の対のすぐ外側に位置付けられている。これらの可変角度穴812は、鎖骨の内側部分への骨ねじの挿入を可能にするように構成されている。
【0043】
第2のセットの可変角度穴814は、第1の端部804を含むプレート本体802の第1の部分816に沿って延在する。可変角度穴814の最初の1つは、第1の端部804に近接するプレート本体802を通って延在する。可変角度穴814のうちの最初の1つの中心軸は、プレート本体802の長手方向軸を通って、近位表面808に実質的に垂直な長手方向軸を通って延在する中心面に沿って延在する。可変角度穴114~714と同様に、残りの可変角度穴814は、プレート本体802の第1の部分816に沿って、プレート本体802の長手方向軸の周りで互いに対して互い違いに配置されている。組み合わせ穴822は、第1の部分816と第2の部分818との間に延在するプレート本体802の長手方向構成要素840の一部分に沿って延在する。
【0044】
外側プレート200~300と同様に、内側プレート800は、特定の患者の解剖学的構造により良好に適合するようにプレート本体802の屈曲を容易にするための屈曲ゾーン836を含む。この実施形態における屈曲ゾーン836は、隣接する組み合わせ穴822の間に位置付けられ、例えば、長手方向構成要素840に沿って長手方向側面832に延在する一対の凹部838を介して画定される縮小された幅部分として形成されている。単一の内側プレート800が説明及び示されているが、本開示のシステムは、1つを超える内側プレートを含み得、内側プレートの各々は、異なる骨寸法を有する患者を治療するのに適した異なるサイズ、形状及び/又は構成を有することが、当業者によって理解されるであろう。
【0045】
本開示のシステムの例示的な方法によれば、ユーザーは、図1に関して上述したように、5つのセクションのうちの1つに対して鎖骨骨折の場所を識別する。セクションの識別に基づいて、ユーザーは、どのプレートタイプ(例えば、外側、シャフト、及び/又は内側)を、骨折を治療する際に使用するかを決定する。ユーザーが使用されるプレートタイプを決定すると、識別されたプレートタイプのサイズ(例えば、外側プレート100~300)が、患者の背丈に基づいて選択され得る。使用されるプレートのサイズを識別するのを助けるために、ユーザーは、各利用可能なプレートサイズに従ってサイズ決め及び形状決めされたテンプレートを利用して、選択されたプレートサイズが患者に良好にフィットするかどうかを判定し得る。
【0046】
例示的な実施形態は、特定の寸法を有するプレートを示し、説明しているが、本開示のシステムは、様々な背丈を有する患者の骨寸法に対応する寸法を含むように設計された追加のプレートを含み得ることが、当業者によって理解されるであろう。例えば、例示的な実施形態は、概して3つのカテゴリ(小さい、中程度、及び大きい)に分類された鎖骨の骨のデータベースのプレートに基づいて説明しているが、システムは、3つのカテゴリよりも多くに分類された骨の寸法に基づくプレートを含み得ることが、当業者によって理解されるであろう。
【0047】
これらの実施形態の趣旨又は範囲から逸脱せずにこれらの実施形態の構造及び方法に改変及び変更を加えることが可能であることを当業者は理解するであろう。したがって、本発明は、これらの実施形態の修正物及び変更物を、それらが添付の「特許請求の範囲」及びそれらの等価物の範囲内に含まれるならば包含するものとする。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) 鎖骨の内側骨折を治療するための内側プレートであって、
鎖骨の骨の内側部分に沿って位置付けられるようにサイズ決め及び形状決めされたプレート本体であって、前記プレート本体が、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部に延在する長手方向構成要素と、前記長手方向軸から離れて、前記第2の端部から延在する延長部と、を含み、前記第2の端部が、鎖骨の骨の内側頭部の上に取り付けられるように構成され、前記プレート本体が、動作位置において、前記鎖骨の骨から離れる方に面する上部表面と、前記動作位置において、前記鎖骨の骨に向かって面する下部表面と、を介して画定されている、プレート本体と、
前記長手方向構成要素の前記第2の端部を含む前記長手方向構成要素の一部分及び前記延長部を通って延在する第1のセットのねじ穴であって、前記第1のセットのねじ穴の各々が、中心軸に沿って前記上部表面から前記下部表面に前記プレート本体を通って延在し、その結果、骨ねじが前記第1のセットのねじ穴を通して挿入可能である、第1のセットのねじ穴と、
前記複数のねじ穴の外側に、前記長手方向構成要素を通って延在する複数の組み合わせ穴であって、前記複数の組み合わせ穴の各々が、係止骨ねじを受容するように構成された第1の部分と、中に非係止ねじを受容するように構成された第2の部分と、を含む、複数の組み合わせ穴と、を含む、内側プレート。
(2) 前記プレート本体が、前記動作位置において、前記長手方向構成要素の前記第2の端部が、鎖骨の内側端部の前方表面を越えて延在するように構成され、前記長手方向構成要素の長さが、前記鎖骨の上位表面に向かって延在する、ようにサイズ決め及び形状決めされている、実施態様1に記載の内側プレート。
(3) 前記長手方向構成要素の前記第1の端部が、前記長手方向構成要素の前記第2の端部に対して前記長手方向軸の周りに回転される、実施態様1に記載の内側プレート。
(4) 前記第1の端部及び前記第2の端部のうちの1つが、前記上部表面を前記下部表面に接続して、挿入を容易にするための低プロファイルを形成する角度付き表面を含む、実施態様1に記載の内側プレート。
(5) 前記延長部が、前記動作位置において、前記延長部が前記鎖骨の前記上位表面に向かって延在するように、前記長手方向軸から離れて延在する、実施態様1に記載の内側プレート。
【0049】
(6) 前記延長部と前記長手方向構成要素との間に延在する前記プレート本体の一部分が、それに沿って延在する溝を含み、それにより、前記延長部が、前記溝に沿って前記長手方向構成要素に対して屈曲可能である、実施態様1に記載の内側プレート。
(7) 前記第1のセットのねじ穴が、前記内側プレートの内側縁部に沿って延在し、互いに対して整列されている、実施態様1に記載の内側プレート。
(8) 前記第1のセットのねじ穴が、可変角度穴を含み、その結果、骨ねじが、前記第1のセットの可変角度穴の前記中心軸に対してユーザー選択された角度で前記可変角度穴を通して挿入可能である、実施態様7に記載の内側プレート。
(9) 前記第1の端部を含む前記長手方向構成要素の一部分を通って延在する第2のセットのねじ穴をさらに含み、前記第2のセットのねじ穴の各々が、中心軸に沿って前記上部表面から前記下部表面に前記長手方向構成要素を通って延在し、その結果、骨ねじが前記第2のセットのねじ穴を通して挿入可能である、実施態様1に記載の内側プレート。
(10) 前記第2のセットのねじ穴の各々が、前記長手方向軸の周りに互いに対して互い違いに配置されている、実施態様9に記載の内側プレート。
【0050】
(11) 前記第2のセットのねじ穴が、可変角度穴を含み、その結果、骨ねじが、前記第2のセットの可変角度穴の前記中心軸に対してユーザー選択された角度で前記可変角度穴を通して挿入可能である、実施態様9に記載の内側プレート。
(12) 前記第1のセットのねじ穴と前記第2のセットのねじ穴との間の前記プレート本体の一部分に沿って前記プレート本体の屈曲を容易にするように構成された屈曲ゾーンをさらに含む、実施態様9に記載の内側プレート。
(13) 前記屈曲ゾーンが、前記長手方向構成要素の長手方向側面に延在する凹部を介して画定されて、前記プレート本体の縮小された幅の部分を形成する、実施態様12に記載の内側プレート。
(14) 鎖骨骨折を治療するための方法であって、
治療される鎖骨の骨の5つのセクションのうちの1つに対する骨折の場所を識別することと、
前記骨折の前記識別された場所に基づいて、前記骨折を治療するためのプレートタイプを決定することと、を含む、方法。
(15) 治療される前記鎖骨の骨のサイズに基づいて、前記プレートタイプのプレート形状を識別することをさらに含む、実施態様14に記載の方法。
【0051】
(16) 前記プレート形状が、治療される前記鎖骨の骨の長さを介して識別される、実施態様15に記載の方法。
(17) 治療される前記鎖骨の骨の前記サイズが、鎖骨の骨が治療される患者の背丈に基づく、実施態様15に記載の方法。
(18) 前記プレート形状を識別することが、サイズ及び形状が前記プレート形状に対応するテンプレートを、治療される前記鎖骨の骨に対して位置付けることを含む、実施態様15に記載の方法。
(19) 前記鎖骨の骨が、前記骨折の前記場所を識別するために5つの等しいセクションに分割され、前記5つの等しいセクションが、前記鎖骨の外側端部から前記鎖骨の骨の前記内側端部まで、1から5に番号付けされている、実施態様14に記載の方法。
(20) 前記プレートタイプが、外側プレート、シャフトプレート及び内側プレートを含む、実施態様19に記載の方法。
【0052】
(21) 前記外側プレートが、前記鎖骨の骨の第1のセクション及び第2のセクションに沿った骨折を治療するために使用される、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記シャフトプレートが、前記鎖骨の骨の第2のセクション、第3のセクション及び第4のセクションに沿った骨折を治療するために使用される、実施態様20に記載の方法。
(23) 前記内側プレートが、前記鎖骨の骨の第4のセクション及び第5のセクションに沿った骨折を治療するために使用される、実施態様20に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29