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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】記録材処理装置および画像形成システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 31/38 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B65H31/38
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020057593
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021155188
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【弁理士】
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】米山 武志
(72)【発明者】
【氏名】大橋 史郎
(72)【発明者】
【氏名】浜端 直人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 大輝
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-070024(JP,A)
【文献】米国特許第08246034(US,B2)
【文献】特開2007-099430(JP,A)
【文献】特開2004-001983(JP,A)
【文献】特開2009-190835(JP,A)
【文献】特開2008-094586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0088081(US,A1)
【文献】特開2013-049572(JP,A)
【文献】特開2001-240295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 31/00- 31/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載される記録材を下方から支持する記録材支持部と、
前記記録材支持部に積載される記録材の側方に配置され、当該記録材の縁部が押し当てられる被押し当て部材であって、当該記録材が位置する側とは反対側への移動が可能に設けられた被押し当て部材と、
記録材の前記縁部が押し当てられる前記被押し当て部材からの荷重を受ける弾性部材と、
前記記録材支持部に積載される記録材と非接触の状態で配置され、前記被押し当て部材を支持する部材支持部と、
を備え、
前記被押し当て部材の下縁部の厚みが、当該被押し当て部材の上縁部の厚みよりも小さくなっており
前記部材支持部は、前記被押し当て部材を挟み、前記記録材支持部に積載される記録材とは反対側に配置され、
前記被押し当て部材と前記部材支持部との間に、前記弾性部材が設けられている、
記録材処理装置。
【請求項2】
前記弾性部材は、複数設けられ、
複数設けられた前記弾性部材は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が延びる方向における位置が互いに異なるように配置されている請求項に記載の記録材処理装置。
【請求項3】
前記部材支持部は、前記記録材支持部に新たに積載される記録材の縁部が前記被押し当て部材に押し当てられる際、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材が有する上面の対向位置に配置される請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項4】
前記部材支持部は、前記既積載記録材が有する前記上面の上方に位置し当該上面から離間した状態で配置される請求項に記載の記録材処理装置。
【請求項5】
前記被押し当て部材は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる面である被押し当て面と、当該被押し当て面とは反対側に位置する面である反対面とを有し、
前記反対面には、鉛直方向に対して傾斜し上方に向かうに従い前記被押し当て面からの距離が次第に大きくなる傾斜面が設けられている請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項6】
前記傾斜面は、前記被押し当て部材の下縁部を始点として上方に向かって延びている請求項に記載の記録材処理装置。
【請求項7】
前記被押し当て部材および前記部材支持部は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が延びる方向に沿って配置され、
前記縁部が延びる方向と交差する方向における厚さを比べた場合に、前記被押し当て部材の厚さと、前記部材支持部の厚さとが異なる請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項8】
前記記録材支持部に積載される記録材を挟み、前記被押し当て部材の設置側とは反対側に配置され、当該被押し当て部材に向けて、当該記録材を押圧する押圧部材と、
記録材を押圧する前記押圧部材からの荷重を受ける弾性部材と、
を更に備える請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項9】
前記押圧部材からの荷重を受ける前記弾性部材、および、前記被押し当て部材からの荷重を受ける前記弾性部材の各々は、コイルばねにより構成され、
前記押圧部材が、前記記録材支持部に積載される記録材を前記被押し当て部材に向けて押圧する際、当該押圧部材からの荷重を受ける前記コイルばねの軸中心が、当該被押し当て部材からの荷重を受ける前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する請求項に記載の記録材処理装置。
【請求項10】
前記記録材支持部に積載される記録材を挟み、前記被押し当て部材の設置側とは反対側に配置され、当該被押し当て部材に向けて、当該記録材を押圧する押圧部材をさらに備え、
前記押圧部材が、前記被押し当て部材に向けて前記記録材を押圧する際、当該押圧部材の下縁部が、当該被押し当て部材の下縁部よりも下方に位置する請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項11】
前記被押し当て部材は、上下方向への移動が可能に設けられている請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項12】
前記被押し当て部材は、前記記録材支持部に記録材が新たに積載される際、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材の上面に接触配置され、
前記記録材支持部に新たに積載される記録材の枚数が予め定められた枚数を超える場合、前記被押し当て部材が上方へ移動し、及び/又は、当該記録材支持部が下降し、当該被押し当て部材が前記既積載記録材から離間する請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項13】
前記被押し当て部材が有する下縁部および上縁部のうちの当該下縁部に近い側に、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項14】
前記被押し当て部材と前記部材支持部との間に配置された前記弾性部材は、コイルばねにより構成され、
前記被押し当て部材のうちの、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する部分に、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項に記載の記録材処理装置。
【請求項15】
前記記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材に、前記被押し当て部材の下縁部が接触した状態で、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する前記部分に、当該記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項14に記載の記録材処理装置。
【請求項16】
前記記録材支持部に積載される記録材が、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材の上に新たに積載されると、当該記録材支持部に新たに積載される当該記録材が、既積載記録材となり、その後、当該既積載記録材の上に、新たな記録材の積載がさらに行われ、
新たな記録材の積載が行われる度に、当該新たな記録材の積載位置が順次ずらされ、一方向における下流側に、当該積載位置が順次ずれていく請求項1に記載の記録材処理装置。
【請求項17】
記録材への画像の形成を行う画像形成装置と、記録材に対する処理を行う記録材処理装置とを備え、当該記録材処理装置が請求項1乃至16の何れかに記載の記録材処理装置を含んで構成された画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材処理装置および画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、排出手段から排出されたシート状媒体がトレイ上に完全に積載された後、シート状媒体の排出方向と平行な該シート状媒体の端面に揃え部材を接離させて端面の位置を揃える処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-240295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
記録材を揃えるにあたっては、記録材の縁部が押し当てられる被押し当て部材を設け、この被押し当て部材に対して、記録材を押し当てることで、記録材を揃えることができる。
ところで、記録材の揃えを行う際には、記録材に負荷がかかり、この負荷が大きいと、記録材が波打ち変形したり、この負荷が解除された際に記録材が跳ねて揃えが乱れたりするおそれがある。また、記録材に作用する負荷が大きいと、記録材の縁部が折れたりするおそれもある。
本発明の目的は、記録材が押し当てられる被押し当て部材が移動しない場合に比べ、記録材の揃えを行う際に記録材に作用する負荷を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、積載される記録材を下方から支持する記録材支持部と、前記記録材支持部に積載される記録材の側方に配置され、当該記録材の縁部が押し当てられる被押し当て部材であって、当該記録材が位置する側とは反対側への移動が可能に設けられた被押し当て部材と、記録材の前記縁部が押し当てられる前記被押し当て部材からの荷重を受ける弾性部材と、前記記録材支持部に積載される記録材と非接触の状態で配置され、前記被押し当て部材を支持する部材支持部と、を備え、前記被押し当て部材の下縁部の厚みが、当該被押し当て部材の上縁部の厚みよりも小さくなっており前記部材支持部は、前記被押し当て部材を挟み、前記記録材支持部に積載される記録材とは反対側に配置され、前記被押し当て部材と前記部材支持部との間に、前記弾性部材が設けられている、記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記弾性部材は、複数設けられ、複数設けられた前記弾性部材は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が延びる方向における位置が互いに異なるように配置されている請求項に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記部材支持部は、前記記録材支持部に新たに積載される記録材の縁部が前記被押し当て部材に押し当てられる際、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材が有する上面の対向位置に配置される請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記部材支持部は、前記既積載記録材が有する前記上面の上方に位置し当該上面から離間した状態で配置される請求項に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記被押し当て部材は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる面である被押し当て面と、当該被押し当て面とは反対側に位置する面である反対面とを有し、前記反対面には、鉛直方向に対して傾斜し上方に向かうに従い前記被押し当て面からの距離が次第に大きくなる傾斜面が設けられている請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記傾斜面は、前記被押し当て部材の下縁部を始点として上方に向かって延びている請求項に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記被押し当て部材および前記部材支持部は、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が延びる方向に沿って配置され、前記縁部が延びる方向と交差する方向における厚さを比べた場合に、前記被押し当て部材の厚さと、前記部材支持部の厚さとが異なる請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記記録材支持部に積載される記録材を挟み、前記被押し当て部材の設置側とは反対側に配置され、当該被押し当て部材に向けて、当該記録材を押圧する押圧部材と、記録材を押圧する前記押圧部材からの荷重を受ける弾性部材と、を更に備える請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項に記載の発明は、前記押圧部材からの荷重を受ける前記弾性部材、および、前記被押し当て部材からの荷重を受ける前記弾性部材の各々は、コイルばねにより構成され、前記押圧部材が、前記記録材支持部に積載される記録材を前記被押し当て部材に向けて押圧する際、当該押圧部材からの荷重を受ける前記コイルばねの軸中心が、当該被押し当て部材からの荷重を受ける前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する請求項に記載の記録材処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記記録材支持部に積載される記録材を挟み、前記被押し当て部材の設置側とは反対側に配置され、当該被押し当て部材に向けて、当該記録材を押圧する押圧部材をさらに備え、前記押圧部材が、前記被押し当て部材に向けて前記記録材を押圧する際、当該押圧部材の下縁部が、当該被押し当て部材の下縁部よりも下方に位置する請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記被押し当て部材は、上下方向への移動が可能に設けられている請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記被押し当て部材は、前記記録材支持部に記録材が新たに積載される際、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材の上面に接触配置され、前記記録材支持部に新たに積載される記録材の枚数が予め定められた枚数を超える場合、前記被押し当て部材が上方へ移動し、及び/又は、当該記録材支持部が下降し、当該被押し当て部材が前記既積載記録材から離間する請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記被押し当て部材が有する下縁部および上縁部のうちの当該下縁部に近い側に、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項14に記載の発明は、前記被押し当て部材と前記部材支持部との間に配置された前記弾性部材は、コイルばねにより構成され、前記被押し当て部材のうちの、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する部分に、前記記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項に記載の記録材処理装置である。
請求項15に記載の発明は、前記記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材に、前記被押し当て部材の下縁部が接触した状態で、前記コイルばねの軸中心よりも下方に位置する前記部分に、当該記録材支持部に積載される記録材の前記縁部が押し当てられる請求項14に記載の記録材処理装置である。
請求項16に記載の発明は、前記記録材支持部に積載される記録材が、当該記録材支持部に既に積載されている記録材である既積載記録材の上に新たに積載されると、当該記録材支持部に新たに積載される当該記録材が、既積載記録材となり、その後、当該既積載記録材の上に、新たな記録材の積載がさらに行われ、新たな記録材の積載が行われる度に、当該新たな記録材の積載位置が順次ずらされ、一方向における下流側に、当該積載位置が順次ずれていく請求項1に記載の記録材処理装置である。
請求項17に記載の発明は、記録材への画像の形成を行う画像形成装置と、記録材に対する処理を行う記録材処理装置とを備え、当該記録材処理装置が請求項1乃至16の何れかに記載の記録材処理装置を含んで構成された画像形成システムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、記録材が押し当てられる被押し当て部材が移動しない場合に比べ、記録材の揃えを行う際に記録材に作用する負荷を軽減することができ、また、記録材が位置する側とは反対側への被押し当て部材の移動を可能にしつつ、被押し当て部材を記録材側に付勢することができる。
請求項の発明によれば、弾性部材が単数である場合に比べ、弾性部材による被押し当て部材の支持を安定化させることができる。
請求項の発明によれば、既積載記録材が有する上面の対向位置から部材支持部が外れ、既積載記録材の外周縁よりも外側に部材支持部が配置される場合に比べ、被押し当て部材に部材支持部が近づき、部材支持部による被押し当て部材の支持をより安定的に行うことができる。
請求項の発明によれば、既積載記録材の上面に、部材支持部が接触配置される場合に比べ、既積載記録材の積載乱れを抑制できる。
請求項の発明によれば、被押し当て面とは反対側に位置する反対面に、上方に向かうに従い被押し当て面からの距離が次第に大きくなる傾斜面が設けられていない場合に比べ、記録材が位置する側とは反対側への被押し当て部材の倒れを起きやすくすることができる。
請求項の発明によれば、傾斜面の始点が、被押し当て部材の下縁部よりも上方に位置する場合に比べ、記録材が位置する側とは反対側への被押し当て部材の倒れを起きやすくすることができる。
請求項の発明によれば、被押し当て部材の厚さと部材支持部の厚さとが等しい場合に比べ、被押し当て部材に対して、部材支持部が有する機能とは異なる機能を付与しやすくなる。
請求項の発明によれば、記録材から退避が可能な押圧部材で、この記録材を押圧することができる。
請求項の発明によれば、押圧部材からの荷重を受けるコイルばねの軸中心が、被押し当て部材からの荷重を受けるコイルばねの軸中心よりも上方に位置する構成に比べ、被押し当て部材よりも下方に配置された押圧部材のコイルばねによる支持を安定化させることができる。
請求項10の発明によれば、押圧部材の下縁部が被押し当て部材の下縁部よりも上方に位置する場合に比べ、既に積載されている記録材に被押し当て部材が接触配置されている状態にて、新たに積載される記録材を押圧部材で押圧する際のこの押圧をより安定化させることができる。
請求項11の発明によれば、被押し当て部材のうちの、記録材の押し当てが行われる箇所を変更できる。
請求項12の発明によれば、新たに積載される記録材の枚数が予め定められた枚数を超えても、被押し当て部材が既積載記録材に接触し続ける場合に比べ、被押し当て部材の特定の箇所への記録材の押し当てを継続して行えるようになる。
請求項13の発明によれば、被押し当て部材が有する上縁部に近い側に、記録材の縁部が押し当てられる場合に比べ、記録材の積載乱れを低減できる。
請求項14の発明によれば、被押し当て部材のうちの、コイルばねの軸中心よりも上方に位置する部分に記録材の縁部が押し当てられる場合に比べ、記録材の積載乱れを低減できる。
請求項15の発明によれば、被押し当て部材の下縁部が既積載記録材に接触しておらず且つ被押し当て部材のうちのコイルばねの軸中心よりも上方に位置する部分に対して記録材の押し当てが行われる場合に比べ、記録材の積載乱れを低減できる。
請求項16の発明によれば、支持部上に積載される記録材が一方向に並ぶように記録材の積載を行うことができる。
請求項17の発明によれば、記録材が押し当てられる被押し当て部材が移動しない場合に比べ、記録材の揃えを行う際に記録材に作用する負荷を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成システムの全体構成を示した図である。
図2】第1後処理装置の構成を説明する図である。
図3図2の矢印IIIで示す方向から第1積載部を見た場合の図である。
図4図3の矢印IVで示す方向から第1進出部材等を見た場合のである。
図5図4の矢印Vで示す方向から、第1進出部材および接触部材を見た場合の図である。
図6図3の矢印VIで示す方向から支持部、第1進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図7】支持部、用紙、第1進出部材、接触部材の他の配置例を示した図である。
図8図7の矢印VIIIで示す方向から、支持部、用紙、第1進出部材、第2進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図9】用紙が互い違いで積載される際の処理例を説明する図である。
図10図9の矢印Xで示す方向から、支持部、用紙、第2進出部材、接触部材を見た場合の図である。
図11】(A)、(B)は、移動機構を説明する図である。
図12】(A)、(B)は、接触部材等の他の構成例を示した図である。
図13】支持部における、用紙の他の積載例を示した図である。
図14】支持部における、用紙の他の積載例を示した図である。
図15】支持部における、用紙の他の積載例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、画像形成システム1の全体構成を示した図である。
図1に示す画像形成システム1は、記録材の一例としての用紙Pに対して画像を形成する画像形成装置2と、画像形成装置2によって画像が形成された用紙Pに対して予め定められた処理を施す用紙処理装置3とを備える。
ここで、画像形成装置2は、電子写真方式やインクジェット方式を用いて、用紙Pへの画像の形成を行う。
【0009】
記録材処理装置の一例としての用紙処理装置3には、画像形成装置2から出力された用紙Pを下流側に搬送する搬送装置10、搬送装置10により搬送される用紙Pに対して厚紙や窓空き用紙P等の合紙を供給する合紙供給装置20が設けられている。
また、用紙処理装置3には、搬送装置10から搬送された用紙Pに対して内三折り(C折り)や外三折り(Z折り)等の折り処理を施す折り装置30が設けられている。
【0010】
また、用紙処理装置3には、折り装置30の下流側に設けられ、用紙Pに穴あけや端綴じ、中綴じ等を行う第1後処理装置40が設けられている。
付言すると、折り装置30の下流側は、画像形成装置2により画像が形成された複数枚の用紙Pによりなる用紙束(記録材束の一例)に対する処理を行ったり、一枚の用紙P毎に用紙Pに対する処理を行ったりする第1後処理装置40が設けられている。
【0011】
また、用紙処理装置3には、第1後処理装置40の下流側に設けられ、中折りや中綴じされた用紙束に対する処理をさらに行う第2後処理装置500が設けられている。
また、用紙処理装置3には、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)により構成され、用紙処理装置3の各機能部の制御を行う制御部100が設けられている。
【0012】
第1後処理装置40には、用紙Pに穴あけ(パンチ)を施す穿孔ユニット41、用紙束の端を綴じる端綴じステープラユニット42が設けられている。
また、端綴じステープラユニット42を経た用紙Pが積載される第1積載部43、第1後処理装置40での処理が行われない用紙Pまたは穴あけだけが施された用紙Pが積載される第2積載部45が設けられている。第1積載部43および第2積載部45は装置の外部に開放されており、操作者が第1積載部43や第2積載部45上に積載された用紙Pを手で取り除く。
さらに、第1後処理装置40には、用紙束を中折り/中綴じして見開き状の冊子を作製する中綴じユニット44が設けられている。
【0013】
図2は、第1後処理装置40の構成を説明する図である。
第1後処理装置40には、折り装置30から搬送されてきた用紙Pを受け入れる受け入れ口49が設けられている。
受け入れ口49の直後には、穿孔ユニット41が設けられている。穿孔ユニット41は、第1後処理装置40へ搬送されてきた用紙Pに対して、2穴や4穴等の穴あけ(パンチ)を施す。
【0014】
また、この受け入れ口49から端綴じステープラユニット42にかけて設けられ、受け入れ口49にて受け入れられた用紙Pの端綴じステープラユニット42への搬送に用いられる第1用紙搬送経路R1が設けられている。
さらに、第1分岐部B1にて、第1用紙搬送経路R1から分岐し、第2積載部45への用紙Pの搬送に用いられる第2用紙搬送経路R2が設けられている。
【0015】
また、第2分岐部B2にて、第1用紙搬送経路R1から分岐し、中綴じユニット44への用紙Pの搬送に用いられる第3用紙搬送経路R3が設けられている。
また、用紙Pの搬送先を、第1用紙搬送経路R1~第3用紙搬送経路R3の何れかに切り替える(設定する)切り替えゲート70が設けられている。
【0016】
端綴じステープラユニット42には、用紙Pを必要枚数だけ集積させて用紙束を生成する用紙集積部60が設けられている。
用紙集積部60には、水平方向に対して傾斜して配置され、搬送されてきた用紙Pを下方から支持する支持板67が設けられている。本実施形態では、この支持板67の上に、用紙束が生成される。
【0017】
さらに、端綴じステープラユニット42には、用紙集積部60にて生成された用紙束の端部に対して綴じ(端綴じ)を実行する綴じ処理装置50が設けられている。
また、端綴じステープラユニット42には、回転駆動を行い、用紙集積部60にて生成された用紙束を装置外部に設けられた第1積載部43へ送り出す排出ロール61が設けられている。
さらに、排出ロール61から退避した位置、および、排出ロール61に圧接する位置へ移動可能な可動ロール62が設けられている。
【0018】
ここで、端綴じステープラユニット42による処理が行われる際には、まず、受け入れ口49にて、搬送されてきた用紙Pが受け入れられる。
その後、この用紙Pは、第1用紙搬送経路R1に沿って搬送され、端綴じステープラユニット42に達する。
そして、この用紙Pは、支持板67の上方まで搬送された後に支持板67に落下する。また、この用紙Pは、支持板67によって下方から支持されるとともに、支持板67に付与された傾斜および回転部材63によって、支持板67の上をスライド移動する。
【0019】
その後、この用紙Pは、支持板67の端部に取り付けられたエンドガイド64に突き当たる。付言すると、本実施形態では、支持板67の端部に対し、図中上方に向かって延びるエンドガイド64が設けられており、支持板67上を移動した用紙Pは、このエンドガイド64に突き当たる。
これにより、本実施形態では、用紙Pの移動が停止される。以後、用紙Pが上流側から搬送されてくる度にこの動作が行われ、支持板67上には、用紙Pが揃えられた用紙束が生成される。
【0020】
なお、本実施形態では、用紙束の幅方向における位置を揃える用紙幅位置揃え部材65がさらに設けられている。
本実施形態では、支持板67上に用紙Pが供給される度に、用紙Pの幅方向における端部(側部)が用紙幅位置揃え部材65により押圧され、用紙P(用紙束)の幅方向における位置も揃えられる。
【0021】
予め定められた枚数の用紙Pが支持板67上に積載されると、綴じ処理装置50によって、用紙束の端部に対する綴じが実行される。
その後、本実施形態では、可動ロール62が排出ロール61に向かって進出し、可動ロール62および排出ロール61により用紙束が挟まれる。その後、排出ロール61が回転駆動を行い、用紙束が第1積載部43へ搬送される。
【0022】
なお、綴じ処理装置50は、図中紙面の奥側および手前側に向かって移動可能に設けられており、本実施形態では、複数の箇所にて、用紙Pに対する綴じ処理を行えるようになっている。
また、綴じ処理装置50による綴じ処理が行われない場合もあり、この場合は、綴じ処理が行われていない状態の用紙Pが、用紙集積部60から第1積載部43へ送られることになる。
【0023】
図3は、図2の矢印IIIで示す方向から第1積載部43を見た場合の図である。
第1積載部43には、記録材支持部の一例としての支持部300が設けられている。本実施形態では、この支持部300の上に、積載される用紙Pが載る。この用紙Pは、支持部300により下方から支持される。また、支持部300は、水平方向に対して傾斜している。
さらに、第1積載部43には、支持部300により支持されている用紙Pの側方からこの用紙Pへ進出する進出部材600が設けられている。
【0024】
ここで、本実施形態では、進出部材600として、第1進出部材610、第2進出部材620が設けられている。
第1進出部材610は、用紙Pの一方の側方から用紙Pに進出し、第2進出部材620は、用紙Pの他方の側方から用紙Pに進出する。
図5に示すように、第1進出部材610は、回転軸612と、回転軸612を中心にして回転するアーム部613と、アーム部613が回転し下方に位置した際に、用紙Pの側方から用紙Pに進出する進出部614とからなる。また、本実施形態では、進出部614のうち回転軸612に近い側を回転軸610A側とし先端側を先端610B側とする。
【0025】
付言すると、第1進出部材610、第2進出部材620の各々は、用紙Pの搬送方向と直交する方向(用紙Pの幅方向)へ移動して、用紙Pの側方から用紙Pへ進出する。
ここで、第1積載部43へ用紙Pが積載されてくる際、用紙Pは、図3の矢印3Aで示す方向へ搬送される。
本実施形態では、この搬送方向と直交する方向に、第1進出部材610、第2進出部材620の各々が移動する。
【0026】
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の各々は、鉛直方向と交差する方向へ移動して、用紙Pの側方から用紙Pへ進出する。
さらに、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の各々に、用紙Pに接触する接触部材700が取り付けられている。
【0027】
接触部材700は、第1進出部材610のうちの用紙P側に位置する部位、第2進出部材620のうちの用紙P側に位置する部位に取り付けられ、第1進出部材610、第2進出部材620の用紙Pへの進出に伴いこの用紙Pの縁部PBに接触する。
付言すると、接触部材700は、進出部材600よりも用紙P側に設けられており、用紙Pへの第1進出部材610、第2進出部材620の進出に伴い用紙Pの縁部PBに接触する。
また、本実施形態では、後述するように、接触部材700の各々は、第1進出部材610、第2進出部材620の進出方向とは反対方向へ移動を行えるようになっている。また、本実施例では、接触部材700の各々は、鉛直方向に垂直な方向で用紙Pに進出し、用紙Pに接触した後、用紙Pの側方に配置されている第1進出部材610、第2進出部材620に向かって移動し、第1進出部材610、第2進出部材620の用紙Pの鉛直方向に対し垂直な方向で同じ位置にある面がコイルばねKB(図5参照)を介して接触部材700の衝撃を受け止める。
【0028】
図4は、図3の矢印IVで示す方向から第1進出部材610等を見た場合のである。なお、図4では、支持部300の図示を省略している。
第1進出部材610、第2進出部材620は、第1後処理装置40の装置本体40Aから突出するように設けられている。
また、本実施形態では、第1進出部材610および第2進出部材620を移動させる移動機構730が設けられている。
【0029】
本実施形態では、この移動機構730により、第1進出部材610、第2進出部材620は、図3の符号3Xで示す回転中心を中心として、図4の矢印4Aで示す方向への回転を行えるようになっている。
言い換えると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620は、上下方向への移動を行えるようになっている。
第1積載部43は、外部に開放されており、操作者が支持部300に積載された用紙Pを取り除く際には、第1進出部材610および第2進出部材620が上方向の位置にあり、取り出そうとする用紙Pからは退避している。
【0030】
また、本実施形態では、移動機構730により、第1進出部材610、第2進出部材620は、図4の矢印4Xで示す方向への移動を行えるようになっている。
付言すると、本実施形態では、上記のとおり、用紙P(図4では不図示)の縁部PBに対する、第1進出部材610、第2進出部材620の移動を行えるようになっている。
また、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620よりも用紙P(図4では不図示)に近い側に、接触部材700が位置する構成となっている。
【0031】
図5は、図4の矢印Vで示す方向から、第1進出部材610および接触部材700を見た場合の図である。なお、本実施形態では、第2進出部材620側は、第1進出部材610側と同様に構成されている。
接触部材700には、第1進出部材610側に向かって突出した二つの突起740が設けられ、本実施形態では、この突起740が設けられた箇所を中心として、接触部材700が傾く(後述)。
【0032】
言い換えると、本実施形態では、2つの突起740が、軸となる構造となっており、本実施形態では、この軸の各々を中心として、接触部材700が傾くようになっている。
なお、本実施形態では、突起740として、第1進出部材610の先端610B側に位置する先端側突起741と、第1進出部材610の根本610A側に位置する根本側突起742とが設けられている。
【0033】
ここで、2つ設けられた突起740は、接触部材700の長手方向における位置が互いに異なるように配置されている。
また、第1進出部材610には、接触部材700に設けられた突起740が入る2つの穴部750が設けられている。
【0034】
さらに、本実施形態の接触部材700は、第1進出部材610の根本610A側に位置する根本側端部700Aと、この根本側端部700Aとは反対側(第1進出部材610の先端610B側)に位置する反対側端部700Bとを有する。
本実施形態では、一方の突起740である根本側突起742と根本側端部700Aとの距離L1よりも、他方の突起740である先端側突起741と反対側端部700Bとの距離L2の方が大きくなっている。
【0035】
ここで、本実施形態では、第1進出部材610の先端610B側に位置する穴部750である先端部側穴部751は、長穴により構成されている。ここで、この長穴は、接触部材700の長手方向に沿うように配置されている。
一方で、第1進出部材610の根本610A側に位置する穴部750である根本側穴部752は、丸穴により構成されている。
ここで、本実施形態では、2つの穴部750のうちの一方の穴部750である先端部側穴部751の断面積(穴部750の軸方向と直交する面における断面積)の方が、他方の穴部750である根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0036】
本実施形態では、第1進出部材610が用紙Pへ進出すると、接触部材700のうちの予め定められた接触箇所(後述)が用紙Pに接触する。
本実施形態では、2つの穴部750のうち、この接触箇所に近い側に位置する先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0037】
さらに、本実施形態では、接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材の一例としてのコイルばねKBが設けられている。
なお、本明細書では、コイルばねKBを一例に説明するが、弾性部材としては、コイルばねKBの他に、板バネやゴムなどの部材も挙げられる。
【0038】
本実施形態では、コイルばねKBは、複数設けられている。
具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の先端610B側に設けられた先端側コイルばねKB1、および、第1進出部材610の根本610A側に設けられた根本側コイルばねKB2の2つのコイルばねKBが設けられている。
本実施形態では、先端側突起741の周囲に、先端側コイルばねKB1が設けられ、根本側突起742の周囲に、根本側コイルばねKB2が設けられている。
【0039】
また、本実施形態では、第1進出部材610から離れる方向への接触部材700の移動を規制するための規制用ねじ220が設けられている。
付言すると、第1進出部材610から離れる方向への接触部材700の移動を規制し、この接触部材700の離脱を防止するための規制用ねじ220が設けられている。
【0040】
規制用ねじ220の各々は、先端側突起741の先端部、根本側突起742の先端部に取り付けられている。
第1進出部材610から離れる方向へ接触部材700が移動しようとすると、この規制用ねじ220の頭部221が、第1進出部材610に突き当たるようになる。これにより、第1進出部材610からの接触部材700の離脱が防止される。
【0041】
本実施形態では、図5に示すように、用紙P(図3参照)へ接触部材700が進出する際の進出方向における厚みを比べた場合に、接触部材700の厚さW5の方が、進出部614の厚さW6よりも小さくなっている。
【0042】
言い換えると、本実施形態では、用紙Pの縁部PB(図3参照)が延びる方向と交差する方向における厚さを比べた場合に、接触部材700の厚さW5と、進出部614の厚さW6とが異なっている。本実施形態では、接触部材700の厚さW5の方が、進出部614の厚さW6よりも小さくなっている。
接触部材700および進出部614は、支持部300に積載される用紙Pの縁部PB(図3)が延びる方向に沿って配置される。この延びる方向と交差する方向における厚さを比べた場合に、接触部材700の厚さW5の方が、進出部614の厚さW6よりも小さくなっている。
【0043】
ここで、厚さとは、板状に形成された本体部分の厚さを指し、突出部の存在によって厚さが部分的に大きくなっている箇所の厚さや、凹部の存在によって部分的に厚さが小さくなっている箇所の厚さを指すものではない。
【0044】
例えば、本実施形態では、図5に示すように、進出部614に、突出部614Aが設けられているが、進出部614の厚さW6とは、この突出部614Aを除いた部分における厚さを指す。
同様に、接触部材700にも、突起740が設けられているが、接触部材700の厚さW5とは、この突起740を除いた部分における厚さを指す。
【0045】
図12(A)、(B)は、接触部材700等の他の構成例を示した図であり、図12(A)に示すように、この構成例でも、進出部614に、突出部614Bが設けられているが、進出部614の厚さW6とは、この突出部614Bを除いた部分における厚さを指す。
なお、この構成例では、図5にて示した突出部614Aは、設けられておらず、規制用ねじ220の頭部221は、板状の進出部614の側面614Xに突き当たる。
また、図12(A)にて示すこの構成例では、接触部材700に、図5には示されていない突出部789が設けられているが、接触部材700の厚さW5とは、この突出部789を除いた部分における厚さを指す。
【0046】
図12(B)は、図12(A)における矢印XIIBで示す方向から、進出部614を見た場合の図である。この進出部614では、接触部材700(図12(A)参照)側を向く面に、複数の凹部700Yが設けられている。
進出部614の厚さW6とは、この凹部700Yが設けられていない部分における厚さを指す。言い換えると、進出部614の厚さW6とは、この凹部700Yが設けられていない状態を想定した場合における進出部614の厚さを指す。
【0047】
図6は、図3の矢印VIで示す方向から支持部300、第1進出部材610、接触部材700を見た場合の図である。
本実施形態では、支持部300に対して用紙Pが搬送されてくる度に、第1進出部材610が、この用紙Pに進出し、用紙Pの縁部PBにこの接触部材700が押し当てられる。
なお、このとき、第2進出部材620(図6では不図示)も用紙Pに進出し、用紙Pの縁部PBに対して、第2進出部材620側に設けられた接触部材700が押し当てられる。
【0048】
用紙Pの縁部PBにこの接触部材700が押し当てられる際、本実施形態では、接触部材700の予め定められた接触箇所780が、用紙Pに接触する。
ここで、本実施形態では、この接触箇所780に近い側に、先端部側穴部751(図5参照)が位置し、本実施形態では、この先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも大きくなっている。
【0049】
これにより、本実施形態では、先端部側穴部751の断面積が、根本側穴部752の断面積よりも小さい場合に比べ、接触部材700の接触箇所780(図6参照)が動きやすくなる。
付言すると、接触部材700のうちの、接触箇所780が位置する側が、第1進出部材610側へ退避しやすくなる。本実施例では接触箇所780の領域が接触部材の一部になっていたが、接触部材のより多くの領域が接触するように構成してもよい。その場合接触箇所780が図6より広くなり、図6の方向から見て穴の両方にかかるような場合は、より接触箇所の中心に近い位置にある穴部のほうが、接触箇所に近い側となる。
【0050】
また、図6では、第1進出部材610の進出方向における上流側から、第1進出部材610、接触部材700を見た場合の状態を示している。
このように、第1進出部材610の進出方向における上流側から、第1進出部材610、接触部材700を見ると、本実施形態では、接触部材700の方が、第1進出部材610よりも大きくなっている。
【0051】
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の突出方向において、接触部材700が有する端部701の方が、第1進出部材610が有する先端部611よりも、第1進出部材610の突出方向における下流側に位置する。
【0052】
また、本実施形態では、第1進出部材610の幅よりも、接触部材700の幅の方が大きくなっている。
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610の突出方向と直交する方向における幅を比べた場合に、第1進出部材610の幅W1よりも、接触部材700の幅W2の方が大きくなっている。
また、本実施形態では、接触部材700の下縁部709の方が、第1進出部材610の下縁部610Eよりも下方に位置している。
【0053】
また、本実施形態では、第1進出部材610が用紙Pに進出する際、図6に示すように、複数設けられたコイルばねKBが、縁部PBが延びる方向における位置が互いに異なるように配置される。
より具体的には、この場合、根本側コイルばねKB2が用紙Pの搬送方向における上流側に位置し、先端側コイルばねKB1が、用紙Pの搬送方向における下流側に位置する。
【0054】
なお、本実施形態では、第1進出部材610、接触部材700と、支持部300との干渉を避けるため、支持部300の上面300Aには凹部300Bが形成されている。
また、本実施形態では、第1進出部材610に対する用紙Pの位置をずらせるようになっている。より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610に対する相対的な用紙Pの移動であって上下方向への用紙Pの移動を行えるようになっている。
【0055】
第1進出部材610に対する用紙Pの相対的な移動は、例えば、支持部300を上下動させることにより行う。
より具体的には、例えば、第1進出部材610に対する用紙Pの移動であって、上下方向への用紙Pの移動は、支持部300を上下動させて、用紙Pの積載位置を上方または下方へ移動させることにより行う。
なお、本実施例では接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材を設けている。なお、接触部材700と第1進出部材610との間に、弾性部材を設けたうえで、更に回転軸612(図5参照)にもバネを配置して、二重で衝撃を吸収してもよい。
一方比較例として、回転軸612のみにバネを設けて接触部材700と第1進出部材610全体を一体とした接触可動部(不図示)で構成した場合でも、用紙Pに対して接触部分は進出可能にはなるが、一体とした接触可動部とした場合は、用紙の側方で受けた衝撃を用紙の側方で吸収するのではなく、回転支点である回転軸612で吸収するので、接触可動部の剛性が必要になる。この場合、回転軸612での負荷が大きくなるという状況になるので、適さない。
【0056】
図7は、支持部300、用紙P、第1進出部材610、接触部材700の他の配置例を示した図である。
この配置例では、図6にて示した状態よりも支持部300が下降し、接触部材700のうちの、下縁部709により近い部分が、用紙Pに接触する。
より具体的には、この配置例では、接触部材700のうち、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
付言すると、この配置例では、接触部材700のうち、先端側コイルばねKB1の軸中心Cよりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
【0057】
図8は、図7の矢印VIIIで示す方向から、支持部300、用紙P、第1進出部材610、第2進出部材620、接触部材700を見た場合の図である。
図7図8にて示すこの配置例では、接触部材700のうちの、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触する。
この場合、図8に示すように、接触部材700が傾斜し、用紙Pの縁部PBに対して接触部材700が覆いかぶさるようになる。
【0058】
接触部材700のうちの、先端側コイルばねKB1よりも下方に位置する部分が用紙Pに接触すると、接触部材700のうちの用紙Pを押圧する面が斜め下方を向く。この場合、用紙Pの縁部PBに対して接触部材700が覆いかぶさるようになる。
この場合、縁部PBの上方からも用紙Pに対して荷重が作用する。付言すると、この場合、用紙Pの側方からのみではなく、用紙Pの上方からも荷重が作用し、用紙Pを上方から押さえつける荷重が用紙Pに作用する。
【0059】
次に、用紙Pが互い違いで積載される際の処理例を説明する。言い換えると、用紙Pがオフセットされて積載される場合の処理例を説明する。
本実施形態では、図9(用紙Pが互い違いで積載される際の処理例を説明する図)に示すように、予め定められた枚数の用紙Pが積載される度に、用紙Pの幅方向における積載位置をずらして用紙Pを積載し、互い違いでの用紙Pの積載を行えるようになっている。
より具体的には、第1の位置にて積載される用紙Pと、用紙Pの幅方向における位置がこの第1の位置とは異なる第2の位置にて積載される用紙Pとを、交互に積載できるようになっている。
【0060】
付言すると、本実施形態では、支持部300上に既に積載されている用紙Pである既積載用紙PXの上に新たな用紙Pの積載を行えるようになっており、さらに、この既積載用紙PXに対する位置がずらされた状態で、この新たな用紙Pの積載を行えるようになっている。
このように、用紙Pが互い違いで積載される場合は、図9に示すように、例えば、第1進出部材610が用紙Pに進出する一方で、他方の進出部材である第2進出部材620は、この第1進出部材610により押圧され移動してくる用紙Pを受ける。
【0061】
ここで、用紙Pの押圧する側である第1進出部材610側では、用紙Pの縁部PBに対して、接触部材700(以下、「押圧側接触部材700E」と称する)が押し当てられる。
また、用紙Pの受け側である第2進出部材620側は、その位置が固定され、固定されたこの第2進出部材620側に向かって用紙Pが移動し、この第2進出部材620側によって用紙Pの移動が停止される。
また、この第2進出部材620側では、既積載用紙PXの上面に、第2進出部材620側に設けられた接触部材700(以下、「受け側接触部材700G」と称する)が接触配置される。
【0062】
ここで、本実施形態では、第2進出部材620側が受け部として機能し、本実施形態では、第1進出部材610の進出に伴い移動してくる用紙Pを、第2進出部材620側で受ける。
より具体的には、第2進出部材620に取り付けられた受け側接触部材700Gがこの用紙Pを受ける。
【0063】
より具体的には、本実施形態では、移動してくる用紙Pの縁部PBがこの受け側接触部材700Gに接触して、この用紙Pの移動が規制され、用紙Pが予め定められた位置にて停止する。
なお、このとき、本実施形態では、この受け側接触部材700Gと第2進出部材620との間に配置された、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2により、この受け側接触部材700Gが支持される。
【0064】
本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた受け側接触部材700Gは、被押し当て部材の一例であり、本実施形態では、この受け側接触部材700Gに対して、移動してくる用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
より具体的には、本実施形態では、押圧部材の一例としての押圧側接触部材700Eが、被押し当て部材としての機能する受け側接触部材700Gに向けて用紙Pを押圧する。これにより、受け側接触部材700Gに対し、この用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
【0065】
本実施形態では、支持部300に新たに積載される用紙Pを挟み、受け側接触部材700Gの設置側とは反対側に、押圧側接触部材700Eが設けられる。
本実施形態では、この押圧側接触部材700Eが、支持部300に新たに積載される用紙Pを、受け側接触部材700Gに向けて押圧する。
【0066】
押圧側接触部材700Eが用紙Pを押圧する際、押圧側接触部材700Eには、この用紙Pからの荷重が作用する。
このとき、本実施形態では、押圧側接触部材700Eの背後に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2が、押圧側接触部材700Eに作用するこの荷重を受ける。
【0067】
受け側接触部材700Gは、支持部300に新たに積載される用紙Pの側方に配置される。本実施形態では、この受け側接触部材700Gに対して、この用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
受け側接触部材700Gと第2進出部材620との間には、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2が配置されている。
弾性部材の一例としてのこの先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2は、用紙Pの縁部PBが押し当てられる受け側接触部材700Gからの荷重を受ける。
【0068】
また、本実施形態では、符号9Gで示すように、第1進出部材610に設けられた進出部614により、押圧側接触部材700Eが支持されている。進出部614は、部材支持部の一例であり、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2を介して、押圧側接触部材700Eを支持する。
ここで、本実施形態では、第1進出部材610に設けられた進出部614は、支持部300に積載される用紙Pと非接触の状態で配置される。
【0069】
また、同様に、第2進出部材620側については、符号9Hで示すように、この第2進出部材620側に設けられた進出部614により、受け側接触部材700Gが支持される。
ここで、第2進出部材620側に設けられた進出部614も、部材支持部の一例であり、この進出部614は、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2を介して、受け側接触部材700Gを支持する。
さらに、上記と同様、第2進出部材620側に設けられたこの進出部614も、支持部300に積載される用紙Pと非接触の状態で配置される。
【0070】
また、受け側接触部材700Gは、用紙Pが位置する側とは反対側への移動が可能に設けられている。具体的には、受け側接触部材700Gは、図中右方向への移動が可能に設けられている。
これにより、例えば、押圧側接触部材700Eにより用紙Pが過度に押圧されても、受け側接触部材700Gが退避し、この用紙Pの変形等が抑制される。
【0071】
より具体的には、押圧側接触部材700Eにより用紙Pが過度に押圧された場合、受け側接触部材700Gは、下縁部709を中心として、矢印9Fで示す方向へ回転しやすい。
言い換えると、受け側接触部材700Gは、矢印9Fで示す方向へ倒れやすい。これにより、用紙Pに作用する負荷が減り、この用紙Pの変形等が抑制される。
【0072】
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gの下縁部709については、既積載用紙PXに接触し用紙Pから抗力を受け移動しにくい。その一方で、受け側接触部材700Gのうちの下縁部709よりも上方に位置する部分は、新たな用紙Pにより押圧され、矢印9Fで示す方向へ倒れやすい。
この場合、上記の通り、用紙Pに作用する負荷が減り、この用紙Pの変形等が抑制される。
また、本実施形態では、上記の通り、受け側接触部材700Gの下縁部709については移動しにくい。この場合、受け側接触部材700Gの下方に位置する既積載用紙PXは、移動しにくくなり、既積載用紙PXの位置ずれが起きにくくなる。
【0073】
また、本実施形態では、受け側接触部材700Gに対して、テーパ面TMが付されており、これにより、受け側接触部材700Gがさらに倒れやすくなっている。
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gのうち、受け側接触部材700Gが倒れる側に位置する面にテーパ面TMが付されており、受け側接触部材700Gがさらに倒れやすくなっている。
また、本実施形態では、受け側接触部材700Gの下縁部709の厚みD1の方が、上縁部710の厚みD2よりも小さくなっており、下縁部709の厚みD1の方が、上縁部710の厚みD2よりも大きい場合に比べ、受け側接触部材700Gがさらに倒れやすくなっている。
【0074】
ここで、用紙Pのサイズには、ばらつきが存在することも多く、規定値よりも大きい用紙Pが存在することもある。
この場合、この規定値よりも大きい用紙Pは、第1進出部材610や第2進出部材620により過度に押圧され、この場合、用紙Pの変形が生じたり、用紙Pが乱れたりするおそれがある。
【0075】
これに対して、本実施形態では、規定値よりも大きい用紙Pが存在する場合、受け側接触部材700Gが退避する。
これにより、用紙Pに対して過度な荷重が作用することが抑制され、用紙Pの変形や、用紙Pの乱れが抑えられる。
【0076】
なお、本実施形態では、受け側接触部材700Gが退避した後に、この受け側接触部材700Gは退避する前の位置に戻る。これにより、用紙Pが押し戻され、用紙Pが予め定められた揃え位置にて停止する。
より具体的には、押圧側接触部材700Eによる用紙Pの押圧が解除されると、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2により押圧されている受け側接触部材700Gは、退避する前の位置に戻る。これにより、用紙Pが予め定められた揃え位置へ戻る。
【0077】
ここで、本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた進出部614は、受け側接触部材700Gを挟み、支持部300に積載される用紙Pとは反対側に配置されている。
そして、本実施形態では、用紙Pとは反対側に配置されるこの進出部614と、受け側接触部材700Gとの間に、弾性部材の一例としての先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2が設けられている。
言い換えると、本実施形態では、受け側接触部材700Gと、この受け側接触部材700Gの対向位置に配置された進出部614との間に、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2が設けられている。
【0078】
本実施形態では、上記の通り、規定値よりも大きい用紙Pにより、受け側接触部材700Gが押圧された場合などには、受け側接触部材700Gが進出部614側へ退避する。
その後、受け側接触部材700Gと進出部614との間に位置する、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2からの付勢力によって、受け側接触部材700Gは、元の位置に戻る。これにより、用紙Pの揃えが行われる。
ここで、本実施形態では、受け側接触部材700Gが進出部614側へ退避する際、押圧側接触部材700Eについても、第1進出部材610に設けられた進出部614側へ退避する。
【0079】
なお、図9では、第1進出部材610が進出し、第2進出部材620が用紙Pを受ける場合を示したが、用紙Pの積載位置がもう一方の積載位置に変更されたうえで用紙Pの積載が行われる場合には、第2進出部材620が用紙Pに進出し、第1進出部材610側が用紙Pを受ける。
【0080】
また、本実施形態では、用紙Pの積載位置の変更は、支持部300を、用紙Pの幅方向に移動させることにより行う。
但し、これに限られず、第1積載部43に向けて用紙Pを排出する排出口を、用紙Pの幅方向に移動させるなど、他の方法を用いて、用紙Pの積載位置を変更してもよい。
【0081】
ここで、本実施形態では、図9に示すように、用紙Pを押圧する側である第1進出部材610は、用紙Pを受ける側である第2進出部材620よりも下方に配置される。
また、用紙Pを押圧する側である第1進出部材610は、上記の図6図7にて示した状態で配置される。
この場合、この第1進出部材610側では、上記にて説明したように、接触箇所780(図6、7参照)が、用紙Pに接触する。
【0082】
一方で、用紙Pを受ける側である第2進出部材620側については、図9に示すように、既積載用紙PXの上方に配置される。
より具体的には、本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた受け側接触部材700Gが、既積載用紙PXの上に載るようになる。より具体的には、第2進出部材620側に設けられたこの受け側接触部材700Gは、既積載用紙PXに接触配置される。
【0083】
その一方で、本実施形態では、第2進出部材620側に設けられた進出部614は、既積載用紙PXよりも上方に配置され、既積載用紙PXに対して非接触の状態で配置される。
さらに、本実施形態では、既積載用紙PXの上に新たな用紙Pが積載されると、矢印9Aで示すように、この新たな用紙Pを挟んで第2進出部材620とは反対側から、この新たな用紙Pに向かって第1進出部材610が進出する。これにより、受け側接触部材700Gに対して、この用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
【0084】
また、本実施形態では、図9に示すように、押圧側接触部材700E側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cが、受け側接触部材700G側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する。
より具体的には、押圧側接触部材700Eからの荷重を受ける先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cの方が、受け側接触部材700Gからの荷重を受ける先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する。
【0085】
また、本実施形態では、押圧側接触部材700Eの下縁部709が、受け側接触部材700Gの下縁部709よりも下方に位置する。
押圧側接触部材700E、受け側接触部材700Gの各々は、上下方向への移動が設けられており、本実施形態では、押圧側となる押圧側接触部材700Eの方が、受け側となる受け側接触部材700Gよりも下方に配置される。
【0086】
また、本実施形態では、図9に示すように、受け側接触部材700Gが有する下縁部709および上縁部710のうちのこの下縁部709に近い側に、支持部300に新たに積載される用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
また、本実施形態では、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2(図中、右側に位置する先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2)の軸中心Cよりも下方に位置する部分に、用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
【0087】
また、本実施形態では、受け側接触部材700Gに対して、用紙Pの縁部PBが押し当てられる際、受け側接触部材700Gの下縁部709が、既積載用紙PXに接触した状態とされる。
また、本実施形態では、既積載用紙PXに、受け側接触部材700Gの下縁部709が接触した状態で、受け側接触部材700Gのうちの、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する部分に対して、用紙Pの縁部PBが押し当てられる。
【0088】
本実施形態では、このように、第2進出部材620側に設けられた受け側接触部材700Gが、既積載用紙PXに接触する場合、受け側接触部材700Gの下縁部709がこの既積載用紙PXに接触する。
また、本実施形態では、上記の通り、受け側接触部材700Gの下縁部709の厚みD1が、上縁部710の厚みD2よりも小さくなっている。
【0089】
より具体的には、本実施形態の受け側接触部材700Gは、板状に形成され、且つ、用紙Pの搬送方向に沿うように配置されているが、この板状の受け側接触部材700Gでは、下縁部709の厚みD1の方が、上縁部710の厚みD2よりも小さくなっている。
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620の移動方向における厚みを比べた場合に、下縁部709の厚みの方が上縁部710の厚みよりも小さくなっている。
なお、押圧側接触部材700Eについても同様であり、押圧側接触部材700Eの下縁部709の厚みが、上縁部710の厚みよりも小さくなっている。
【0090】
また、本実施形態では、上記の通り、受け側接触部材700Gに対して、テーパ面TMが付されており、これにより、上記の通り、受け側接触部材700Gが倒れやすくなっている。
本実施形態では、図9に示すように、受け側接触部材700Gのうちの下側に位置する下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い厚みが小さくなっている。
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gのうちの、第2進出部材620が位置する側の面に、テーパが付されており、受け側接触部材700Gの下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い受け側接触部材700Gの厚みが次第に小さくなる。
【0091】
より具体的には、本実施形態は、受け側接触部材700Gが有する、第2進出部材620側を向く面のうち、下側に位置する部分には、下方に向かうに従い第2進出部材620から次第に離れる傾斜が付与されている。これにより、上記の下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い受け側接触部材700Gの厚みが小さくなる。
より具体的には、受け側接触部材700Gが有する、第2進出部材620側を向く面のうち、下側に位置する部分には、テーパ面TMが設けられており、下側部位700Fでは、下縁部709に向かうに従い受け側接触部材700Gの厚みが小さくなる。
【0092】
より具体的には、受け側接触部材700Gは、用紙Pの縁部PBが押し当てられる面である被押し当て面M1と、この被押し当て面M1とは反対側に位置する面である反対面M2とを有する。
本実施形態では、この反対面M2に、傾斜面の一例としてのテーパ面TMが設けられている。このテーパ面TMは、鉛直方向に対して傾斜し上方に向かうに従い被押し当て面M1からの距離が次第に大きくなる。
また、本実施形態のテーパ面TMは、受け側接触部材700Gの下縁部709を始点として上方に向かって延びている。
【0093】
また、本実施形態では、受け側接触部材700Gのうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1に接触しない箇所に、テーパ面TMが設けられている。
付言すると、本実施形態では、図中矢印9Xに示す方向へ向けて、テーパ面TM、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1を投影した場合に、テーパ面TMと根本側コイルばねKB2、テーパ面TMと先端側コイルばねKB1との間に重なりが生じないようになっている。
【0094】
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gの厚み方向に向けて且つこの受け側接触部材700Gに平行な面9Zに向けて、テーパ面TM、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1を投影した場合に、テーパ面TMと根本側コイルばねKB2、テーパ面TMと先端側コイルばねKB1との間に重なりが生じないようになっている。
これにより、本実施形態では、受け側接触部材700Gにテーパの形状を付与しつつ、受け側接触部材700Gの変形を抑えられるようになる。
【0095】
ここで、受け側接触部材700Gのうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1が接触する箇所に、上記のテーパ面TMがあると、テーパ面TMが形成された部分では、受け側接触部材700Gの厚みが小さいために、受け側接触部材700Gが変形しやすくなる。
これに対し、上記のように、受け側接触部材700Gのうちの、根本側コイルばねKB2、先端側コイルばねKB1に接触しない箇所に、上記のテーパ面TMがあると、受け側接触部材700Gの変形が抑制される。
【0096】
図10は、図9の矢印Xで示す方向から、支持部300、用紙P、第2進出部材620、受け側接触部材700Gを見た場合の図である。
本実施形態では、用紙Pを受ける側である第2進出部材620は、上記のとおり、既積載用紙PXの上方に配置される。
さらに、上記のとおり、本実施形態では、受け側接触部材700Gが、既積載用紙PXの上に載り、さらに、受け側接触部材700Gの下縁部709が、この既積載用紙PXに接触する。
【0097】
ここで、本実施形態では、下縁部709は、既積載用紙PXの表面に沿って配置され、下縁部709と既積載用紙PXとは線接触する。
また、本実施形態では、下縁部709が既積載用紙PXに接触している際、この下縁部709と既積載用紙PXとの平行度の方が、第2進出部材620の下縁部610Eと既積載用紙PXとの平行度よりも高くなっている。
【0098】
ここで、本実施形態では、用紙Pを押圧する側である、第1進出部材610は、例えば、図6に示す状態で配置される。
また、用紙Pを受ける側である、第2進出部材620は、図10で示す状態で配置され、第2進出部材620は、第1進出部材610よりも、既積載用紙PXに沿った状態で配置される。
【0099】
付言すると、本実施形態では、第1進出部材610側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の各々の軸中心C2同士を結ぶ線L11と用紙Pの縁部PBとのなす角度が、図6に示すように、角度αとなる。
これに対し、第2進出部材620側に設けられた先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の各々の軸中心C21同士を結ぶ線L21と用紙Pの縁部PBとのなす角度が、図10に示すように、角度βとなる。
本実施形態では、角度αの方が、角度βよりも大きくなるように、第1進出部材610、第2進出部材620が配置される。
【0100】
また、本実施形態では、第2進出部材620(図10参照)側では、新たに供給された用紙P(図10では不図示)からこの第2進出部材620側に作用する荷重を、コイルばねKBで受けるが、このとき、本実施形態では、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の2つのコイルばねKBで、この荷重を受ける。
これに対し、第1進出部材610(図6参照)側でも、用紙Pからの反作用に起因する荷重を、コイルばねKBにより受けるが、このとき、本実施形態では、この荷重を、主に、先端側コイルばねKB1で受ける。
【0101】
ここで、受け側である第2進出部材620(図10参照)側では、上記のように、2個のコイルばねKBで荷重を受けるため、個々のコイルばねKBに作用する荷重は小さくなる。この場合、第2進出部材620側に設けられた受け側接触部材700Gは移動しにくくなり、この受け側接触部材700Gによる用紙Pの位置決めがより安定的になされる。
また、受け側接触部材700Gが移動しにくい構成であると、この受け側接触部材700Gの下方に位置しこの受け側接触部材700Gが接触している既積載用紙PXが移動しにくくなる。
【0102】
また、本実施形態では、用紙Pを受ける受け部として機能するこの受け側接触部材700Gに対して、用紙Pが押し当てられると、上記の通り、この受け側接触部材700Gは、下縁部709(図9参照)を中心として、矢印9Fで示す方向へ回転しやすい。
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gの下縁部709については、既積載用紙PXに接触し用紙Pから抗力を受け移動しにくい。その一方で、受け側接触部材700Gのうちの下縁部709よりも上方に位置する部分は、新たな用紙Pにより押圧され、矢印9Fで示す方向へ倒れやすい。
この場合、受け側接触部材700Gの下方に位置する既積載用紙PXは、移動しにくくなる。そして、この場合、受け側接触部材700Gの下縁部709が移動することによる、既積載用紙PXの位置ずれが起きにくくなる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、受け側接触部材700Gに対して、テーパ面TMが付されており、これにより、受け側接触部材700Gがさらに倒れやすくなっている。
付言すると、本実施形態では、受け側接触部材700Gのうち、受け側接触部材700Gが倒れる側に位置する面にテーパ面TMが付されており、受け側接触部材700Gがさらに倒れやすくなっている。
【0104】
一方で、第1進出部材610(図6参照)側では、用紙Pからの反作用に起因する荷重を、主に、先端側コイルばねKB1で受ける。
この場合、この先端側コイルばねKB1の縮み量は大きくなり、押圧側接触部材700Eは大きく移動する。この場合、第1進出部材610側から用紙Pに作用する負荷が軽減される。
【0105】
ここで、用紙Pに作用する負荷が大きいと、用紙Pが波打ち変形したり、この負荷が解除された際に用紙Pが跳ねて揃えが乱れたりするおそれがある。また、用紙Pに作用する負荷が大きいと、用紙Pの縁部PBが折れたりするおそれもある。
これに対し、本実施形態では、用紙Pに作用する負荷が軽減され、用紙Pに大きな負荷を作用させた際に生じる不具合が起こりにくくなる。
【0106】
ここで、上記の通り、用紙Pのサイズには、ばらつきが存在することも多く、規定値よりも大きい用紙Pが存在することもある。
この場合、この規定値よりも大きい用紙Pは、押圧側接触部材700Eにより過度に押圧され、この場合、用紙Pの変形が生じたり、用紙Pが乱れたりするおそれがある。
【0107】
これに対して、本実施形態では、規定値よりも大きい用紙Pが存在する場合、押圧側接触部材700E、受け側接触部材700Gが用紙Pから退避する。
これにより、用紙Pに対して過度な荷重が作用することが抑制され、用紙Pの変形や、用紙Pの乱れが抑えられる。
【0108】
本実施形態では、進出側に設けられた押圧側接触部材700Eの移動量(用紙Pからの退避量)の方が、受け側に設けられた受け側接触部材700Gの移動量よりも大きくなる。
この場合、受け側では、用紙Pの位置決めをより精度よく行えるようになり、進出側では、用紙Pから作用する負荷を逃がせるようになる。
【0109】
なお、本実施形態では、図8に示したように、用紙Pに対して、第1進出部材610、第2進出部材620の両者を進出させる場合も、同様に、用紙Pの両側に設けられた接触部材700の各々が用紙Pから退避し、用紙Pに作用する負荷が軽減される。
【0110】
また、本実施形態では、第1進出部材610、第2進出部材620を用いて用紙Pの揃え処理を行っている最中に上流側から搬送されてくる用紙Pを蓄積する蓄積部が設けられている。
より具体的には、本実施形態では、第1進出部材610および第2進出部材620の一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に、上流側から支持部300に向かっての新たな用紙Pが搬送されることがあり、この場合、本実施形態では、この新たな用紙Pは、蓄積部に一時的に蓄積される。
【0111】
具体的には、本実施形態では、用紙集積部60(図2参照)が蓄積部として機能しており、上記の一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に、複数枚の新たな用紙Pが用紙集積部60に蓄積される。
付言すると、本実施形態では、一方又は両方の進出部材600の進出が開始されてからこの進出部材600が元の位置に戻るまでの間に用紙集積部60へ達した複数枚の用紙Pが、この用紙集積部60に蓄積される。
そして、本実施形態では、進出した進出部材600が元の位置に戻ると、用紙集積部60に蓄積されている複数枚の用紙Pが、第1積載部43へ送られる。
【0112】
ここで、例えば、用紙集積部60に複数枚の用紙Pが蓄積されない構成であると、画像形成装置2(図1参照)における画像形成処理を一時的に停止させるなどの処理を行う必要が生じる。
より具体的には、第1積載部43にて用紙Pの揃え処理を行っている最中には、第1積載部43に向かう用紙Pの搬送が滞るため、この場合、画像形成装置2がこの影響を受け、画像形成処理を一時的に停止させるなどの処理を行う必要が生じる。
これに対して、本実施形態のように、用紙集積部60に複数枚の用紙Pを蓄積する場合、蓄積しない場合に比べ、画像形成装置2に与える影響が小さくなり、画像形成システム1の全体における処理効率を高められる。
【0113】
なお、上記では、第1進出部材610、第2進出部材620の両者に、用紙Pを押圧する機能と、用紙Pを受ける機能とを持たせたが、一方の進出部材600に、用紙Pを押圧する機能のみを持たせ、他方の進出部材600に、用紙Pを受ける機能のみを持たせてもよい。
付言すると、上記では、第1進出部材610、第2進出部材620の両者に、用紙Pに対して進退する機能を持たせた。ところで、これに限らず、第1進出部材610、第2進出部材620の一方の進出部材600のみに、用紙Pに対して進退する機能を付与し、他方の進出部材600には進退する機能を付与せず、この他方の進出部材600は固定した状態で設けてもよい。
また、用紙Pを受ける側では、上記の受け側接触部材700Gのような部材を設けず、例えば、鉛直方向に沿った壁部を設け、この壁部に用紙Pを突き当ててもよい。
【0114】
図13は、支持部300における、用紙Pの他の積載例を示した図である。
この図13に示す積載例では、図9にて示した積載例と同様、用紙Pがオフセットされて用紙Pの積載が行われる。
ここで、この積載例では、図9にて示した積載態様に比べ、オフセット量が大きくなっている。言い換えると、既積載用紙PXの積載位置と、新たに積載される用紙Pの積載位置との水平方向におけるずれ量が大きくなっている。
【0115】
この場合、符号13Aで示すように、用紙Pの受け側に位置する進出部614は、既積載用紙PXの上面UMの対向位置に配置される。
言い換えると、用紙Pの受け側に位置する進出部614は、新たに積載される用紙Pの縁部PBが、受け側接触部材700Gに押し当てられる際、既積載用紙PXの上面UMの対向位置に配置される。
さらに、受け側に位置するこの進出部614は、既積載用紙PXから離間した状態で配置される。より具体的には、この進出部614は、既積載用紙PXが有する上面UMの上方に位置しさらにこの上面UMから離間した状態で配置される。
【0116】
図14は、支持部300における、用紙Pの他の積載例を示した図である。
図14では、受け側接触部材700Gが、既積載用紙PXから離間した状態を示している。
本処理例では、既積載用紙PX上に、新たな用紙Pが積載される最初の段階では、受け側接触部材700Gは、上記と同様、既積載用紙PXの上面に接触した状態で配置される。
【0117】
そして、この処理例では、支持部300に新たに積載される用紙Pの枚数が予め定められた枚数を超えると、支持部300が下降する。これにより、既積載用紙PXも下降し、受け側接触部材700Gが、既積載用紙PXから離間する。
これにより、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する部分に対する用紙Pの押し当てを継続して行えるようになる。
より具体的には、受け側接触部材700Gのうち、図中右側に位置する先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する部分に対する用紙Pの押し当てを継続して行えるようになる。
【0118】
ここで、例えば、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも上方に位置する部分に対して、用紙Pの押し当が行われる場合を想定する。より具体的には、図14の符号14Aで示す部分に対して、用紙Pの押し当が行われる場合を想定する。
この場合、受け側接触部材700Gの下縁部709側が、矢印14Bで示すように、用紙P側へ移動し、用紙Pの積載乱れが生じるようになる。
【0119】
言い換えると、支持部300が下降しない場合、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも上方に位置する部分に対して、用紙Pの押し当てが行われることが起こりうる。
より具体的には、用紙Pの積載量が増えるに従い、用紙Pがより上方にて積載されるようになり、支持部300が下降しない場合、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも上方に位置する部分に対して、用紙Pの押し当てが行われることが起こりうる。
この場合、受け側接触部材700Gの下縁部709側が、矢印14Bで示すように、用紙P側へ移動し、用紙Pの積載乱れが生じるようになる。
【0120】
これに対し、本実施形態のように、支持部300を下降させると、上記の通り、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する部分に対して、用紙Pの押し当てを行えるようになる。
この場合、受け側接触部材700Gの下縁部709側が、矢印14Bで示す方向へ移動することに起因する用紙Pの積載乱れが抑制される。
【0121】
なお、図14にて示した積載例にて、規定値よりも大きい用紙Pが、受け側接触部材700Gに押し当てられると、受け側接触部材700Gの下縁部709が、矢印14Cで示す方向へ移動する。
より具体的には、受け側接触部材700Gのうち、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2の軸中心Cよりも下方に位置する部分に対し、規定値よりも大きい用紙Pが押し当てられると、下縁部709が矢印14Cで示す方向へ移動する。
【0122】
その後、先端側コイルばねKB1、根本側コイルばねKB2から、この受け側接触部材700Gに作用する付勢力によって、下縁部709は、元の位置に戻る。言い換えると、矢印14Cで示す方向へ移動した下縁部709は、図中、左方向へ移動する。これにより、用紙Pは、予め定められた積載位置にて停止する。
なお、図14にて示した処理例では、支持部300を下降させたが、これに限らず、受け側接触部材700Gを上昇させてもよい。また、支持部300の下降、受け側接触部材700Gの上昇の両者を行ってもよい。
【0123】
図15は、支持部300における、用紙Pの他の積載例を示した図である。
図15では、新たな用紙Pの積載が行われる度に、この新たな用紙Pの積載位置が一方向にずらされる態様を示している。より具体的には、図中左側方向に、積載位置がずらされる態様を示している。
より具体的には、この積載態様では、用紙束毎に、用紙Pの積載が行われるが、新たな用紙束の生成が行われる度に、この新たな用紙束の積載位置がずらされ、一方向における下流側に、この積載位置がずれる。
【0124】
より具体的には、この積載態様では、支持部300に新たに積載される用紙Pが、支持部300に既に積載されている既積載用紙PXの上に積載されると、新たに積載されるこの用紙Pが、既積載用紙PXとなる。その後、この既積載用紙PXの上に、新たな用紙Pの積載がさらに行われる。
この積載態様では、新たな用紙Pの積載が行われる度に、この新たな用紙Pの積載位置が順次ずらされ、一方向における下流側に、積載位置が順次ずれる。
この結果、本実施形態では、図15に示すように、用紙Pが階段状に積載される。
なお、図15では、押圧側接触部材700Eと受け側接触部材700Gの両方にコイルバネがあるが、受け側接触部材700Gのみコイルバネで支え、押圧側接触部材700Eのコイルバネを削除してもよい。
【0125】
図11(A)、(B)は、移動機構730(図4参照)を説明する図である。
図11(A)は、移動機構730の上面図であり、図11(B)は、図11(A)の矢印XIB方向から移動機構730の一部を見た場合の図である。
本実施形態では、上記の通り、第1進出部材610、第2進出部材620を移動させる移動機構730が設けられている。
図11(A)に示すように、この移動機構730には、第1進出部材610、第2進出部材620の進退方向に沿って配置され、第1進出部材610、第2進出部材620の案内を行う案内部材910が設けられている。
【0126】
さらに、本実施形態では、第1進出部材610を移動させる第1移動機構921が設けられている。また、第2進出部材620を移動させる第2移動機構922が設けられている。
第1移動機構921には、第1進出部材610の進退方向に沿う部分を有した環状のベルト部材921Aが設けられている。さらに、このベルト部材921Aを移動させる第1駆動モータM101が設けられている。
【0127】
本実施形態では、ベルト部材921Aに対して第1進出部材610が固定されており、本実施形態では、第1駆動モータM101を駆動することで、第1進出部材610が用紙Pの幅方向に沿って進退する。
同様に、第2移動機構922にも、第2進出部材620の進退方向に沿う部分を有した環状のベルト部材922A、このベルト部材922Aを移動させる第2駆動モータM102が設けられており、この第2駆動モータM102を駆動することで、第2進出部材620が用紙Pの幅方向に沿って進退する。
【0128】
また、本実施形態では、図11(A)に示すように、回転機構950が設けられている。
この回転機構950は、第1進出部材610の根本610Aの部分を中心として第1進出部材610を回転させ、第2進出部材620の根本620Aの部分を中心として第2進出部材620を回転させる。
【0129】
回転機構950には、第1進出部材610、第2進出部材620の進退方向に沿って延び、第1進出部材610、第2進出部材620を下方から支持する支持部材951が設けられている。
さらに、回転機構950には、この支持部材951を上下動させる上下動機構952が設けられている。
【0130】
上下動機構952には、第3駆動モータM103が設けられている。また、上下動機構952には、第3駆動モータM103により回転し、一端954Aが上下動する回転部材954が設けられている。本実施形態では、回転部材954のこの一端954Aに対して、支持部材951に取り付けられている。
本実施形態では、第3駆動モータM103を駆動し、図11(B)に示すように、回転部材954を回転させると、支持部材951が上下動し、これに伴い、第1進出部材610、第2進出部材620が上下動する。
【0131】
ここで、本実施形態では、図8にて示したように、第1進出部材610、第2進出部材620を用い、用紙Pの両側から用紙Pを押圧する際には、第3駆動モータM103を駆動し、支持部300により支持されている用紙Pの側方まで、第1進出部材610、第2進出部材620を下降させる。
次いで、本実施形態では、第1駆動モータM101、第2駆動モータM102を駆動して、第1進出部材610、第2進出部材620を用紙Pに向けて移動させる。
【0132】
また、第1進出部材610、第2進出部材620を、図9のように配置するには、同様に、第3駆動モータM103を駆動する。これにより、支持部300により支持される用紙Pの側方まで、第1進出部材610が下降する。
さらに、本実施形態では、第1進出部材610が下降している途中で、第2進出部材620の移動が既積載用紙PXにより規制され、既積載用紙PXの上方に、第2進出部材620が位置するようになる。
そして、第1駆動モータM101を駆動して、第1進出部材610を用紙Pに向けて進出させる。
【符号の説明】
【0133】
1…画像形成システム、2…画像形成装置、3…用紙処理装置、300…支持部、610…第1進出部材、614…進出部、620…第2進出部材、700…接触部材、700E…押圧側接触部材、700G…受け側接触部材、709…下縁部、710…上縁部、C…軸中心、KB…コイルばね、M1…被押し当て面、M2…反対面、P…用紙、PB…縁部、PX…既積載用紙、TM…テーパ面、UM…上面
図1
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