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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】補助テープカセット
(51)【国際特許分類】
   B41J 17/32 20060101AFI20241119BHJP
   B41J 3/36 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B41J17/32 A
B41J3/36
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020164714
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2022056777
(43)【公開日】2022-04-11
【審査請求日】2023-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】東 紘右
(72)【発明者】
【氏名】村山 健太郎
【審査官】加藤 昌伸
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-156188(JP,A)
【文献】実開平04-046063(JP,U)
【文献】特開2014-008661(JP,A)
【文献】特開平10-194254(JP,A)
【文献】実開平05-000459(JP,U)
【文献】米国特許第05355152(US,A)
【文献】特開昭60-078778(JP,A)
【文献】実開昭62-185059(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 17/00 - 17/42
B41J 27/00 - 27/22
B41J 31/00 - 35/38
B41J 3/01 - 3/54
B41J 3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷用テープの印刷に供される補助テープと、
前記補助テープの少なくとも一部を収容するケースと、
を備え、
前記ケースは、
前記印刷用テープを外部へ排出する排出口と、
前記ケースの外部から供給される前記印刷用テープを前記排出口に向けて案内する案内部と、
を有し、
前記案内部は、前記印刷用テープに接触することによって、前記印刷用テープの幅方向における一部が厚み方向に膨らむように前記印刷用テープを湾曲させる湾曲形成部材を有する、補助テープカセット。
【請求項2】
前記案内部は、前記印刷用テープが前記ケースの内部に挿入される挿入口を有し、
前記湾曲形成部材は、前記挿入口に配置される、請求項1に記載の補助テープカセット。
【請求項3】
前記案内部は、
前記印刷用テープを搬送する第1搬送路と、
前記第1搬送路の前記印刷用テープの排出方向下流側において前記印刷用テープを搬送すると共に、前記第1搬送路よりも前記印刷用テープの厚み方向に対する路幅が小さい第2搬送路と、
を有し、
前記湾曲形成部材は、前記第1搬送路に配置される、請求項1又は請求項2に記載の補助テープカセット。
【請求項4】
前記湾曲形成部材は、前記案内部に案内される前記印刷用テープの表面及び裏面の少なくとも一方と接触する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の補助テープカセット。
【請求項5】
前記湾曲形成部材は、
前記印刷用テープの前記表面に接触する第1接触部と、
前記印刷用テープの前記裏面に接触する第2接触部及び第3接触部と、
を有し、
前記第1接触部は、前記印刷用テープの幅方向において前記第2接触部と前記第3接触部との間に配置される、請求項4に記載の補助テープカセット。
【請求項6】
前記第1接触部、前記第2接触部、及び前記第3接触部は、前記印刷用テープの排出方向において同じ位置に配置される、請求項5に記載の補助テープカセット。
【請求項7】
前記第1接触部、前記第2接触部、及び前記第3接触部は、それぞれ、前記ケースの壁から前記印刷用テープの厚み方向に突出したリブであり、
前記第1接触部、前記第2接触部、及び前記第3接触部それぞれの突出量は、前記印刷用テープの排出方向下流側に向かって大きくなる、請求項5又は請求項6に記載の補助テープカセット。
【請求項8】
前記印刷用テープの前記裏面は、印刷面である、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の補助テープカセット。
【請求項9】
前記印刷用テープの前記表面は、印刷面である、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の補助テープカセット。
【請求項10】
前記案内部は、案内される前記印刷用テープを幅方向及び厚み方向から囲うトンネル部を有し、
前記湾曲形成部材は、前記トンネル部に配置される、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の補助テープカセット。
【請求項11】
前記トンネル部は、前記印刷用テープを直線状に搬送するストレート部を有し、
前記湾曲形成部材は、前記ストレート部に配置される、請求項10に記載の補助テープカセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補助テープカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷用テープに印刷を行う印刷装置では、印刷用テープを収容したカセットを印刷装置本体に着脱することで、印刷用テープの交換及び供給が行われる。このようなカセットとして、インクリボンを収容したインクリボンカセットと、印刷用テープを収容した印刷用テープカセットとを重ね合わせたものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開昭63-156762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のカセットでは、印刷用テープをフィルムゲートからインクリボンカセット内に挿入し、インクリボンと重ね合わせる必要がある。しかし、印刷用テープは長尺かつ柔軟であるため、インクリボンカセットへの挿通が容易ではないことがある。
【0005】
本開示の一局面は、印刷用テープの挿通が比較的容易に行える補助テープカセットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、印刷用テープの印刷に供される補助テープと、補助テープの少なくとも一部を収容するケースと、を備える補助テープカセットである。ケースは、印刷用テープを外部へ排出する排出口と、ケースの外部から供給される印刷用テープを排出口に向けて案内する案内部と、を有する。
【0007】
案内部は、印刷用テープに接触することによって、印刷用テープの幅方向における一部が厚み方向に膨らむように印刷用テープを湾曲させる湾曲形成部材を有する。
【0008】
このような構成によれば、湾曲形成部材によって印刷用テープの幅方向における一部が膨らむように湾曲することで、印刷用テープの長手方向と直交する断面における断面二次モーメントが増加する。その結果、印刷用テープの剛性が向上するため、補助テープカセット内への印刷用テープの挿通が比較的容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態における印刷装置本体を示す模式的な斜視図である。
図2図2A及び図2Bは、実施形態における印刷用カセットの模式的な斜視図である。
図3図3A及び図3Bは、図2Aの印刷用テープカセットの模式的な斜視図である。
図4図4は、図2Aの印刷用カセットの模式的な分解斜視図である。
図5図5A及び図5Bは、図2Aの補助テープカセットの模式的な斜視図である。
図6図6は、図5Aの補助テープカセットの模式的な側面図である。
図7図7Aは、図6のVIIA-VIIA線での模式的な断面図であり、図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線での模式的な断面図である。
図8図8は、図6とは異なる実施形態における補助テープカセットの模式的な側面図である。
図9図9Aは、図5Aとは異なる補助テープカセットにおける第4ケース部の模式的な斜視図であり、図9Bは、図9Aの第4ケース部の模式的な平面図である。
図10図10は、図2Aとは異なる印刷用カセットの模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す印刷装置本体100は、図2A,2Bに示す印刷用カセット10と共に印刷装置を構成する。この印刷装置は、テープ状の印刷媒体に印刷を行う装置である。
【0011】
本実施形態では、出力ギア21の軸方向を上下方向とし、上下方向と垂直な方向のうち出力ギア21と巻取スプール16とが並ぶ方向を前後方向とし、上下方向と前後方向との双方に垂直な方向を左右方向とする。
【0012】
<印刷装置本体>
印刷装置本体100は、図1に示すように、カセット収納部101と、印刷ヘッド102と、プラテンローラ103と、プラテンギア104と、駆動シャフト105と、駆動源107と、筐体110とを備える。
【0013】
(カセット収納部)
カセット収納部101は、印刷用カセット10が装着される凹部である。カセット収納部101は、印刷用カセット10の位置決め機能を有する。カセット収納部101は、筐体110に設けられている。
【0014】
(印刷ヘッド)
印刷ヘッド102は、カセット収納部101の内部に配置されている。印刷ヘッド102は、個別に発熱が制御される複数の発熱素子を有する。
【0015】
(プラテンローラ)
プラテンローラ103は、カセット収納部101の内部において、印刷ヘッド102と対向するように印刷ヘッド102の近傍に配置されている。プラテンローラ103は、印刷ヘッド102に対し、近づく方向又は離れる方向に揺動可能である。プラテンローラ103の回転軸心L1は、上下方向と平行である。
【0016】
(プラテンギア)
プラテンギア104は、プラテンローラ103に連結されている。本実施形態では、プラテンギア104の回転軸心L2は、プラテンローラ103の回転軸心L1と同一線上に配置されている。プラテンギア104は、プラテンローラ103と共に揺動可能である。
【0017】
(駆動シャフト)
駆動シャフト105は、印刷用カセット10の巻取スプール16と入力ギア22とに挿入される。駆動シャフト105は、巻取スプール16と入力ギア22とを回転させる。
【0018】
駆動シャフト105は、カセット収納部101の内部に配置されている。駆動シャフト105の回転軸心L3は、上下方向と平行である。駆動シャフト105は、駆動源107によって回転軸心L3を中心に回転する。
【0019】
(駆動源)
駆動源107は、駆動シャフト105を回転駆動させる。駆動源107としては、例えばモータとギアとを組み合わせた機構が使用できる。
【0020】
<印刷用カセット>
図2A,2Bに示す印刷用カセット10は、印刷媒体(つまり印刷用テープ11A)を備えている。印刷用カセット10は、印刷装置本体100への装着及び印刷装置本体100からの脱離が可能である。印刷用カセット10の交換により、印刷媒体の補給、及び印刷媒体の種類(例えば、サイズ、色、材質等)の変更ができる。
【0021】
印刷用カセット10は、印刷用テープカセット30と、補助テープカセット40とを備える。印刷用カセット10は、印刷用テープカセット30と、補助テープカセット40とが連結された状態で、印刷装置本体100へ装着される。
【0022】
(印刷用テープカセット)
図3A,3Bに示す印刷用テープカセット30は、印刷用テープ11Aの少なくとも一部を収容する印刷用テープケース35を備える。また、印刷用テープカセット30は、図4に示すように、印刷用テープロール11と、第1供給スプール12と、スペーサフィルム13A,13Bとを備える。
【0023】
(印刷用テープロール)
印刷用テープロール11は、印刷が行われる印刷用テープ11Aを第1供給スプール12に巻回したものである。印刷用テープ11Aの表面には、印刷装置本体100の印刷ヘッド102及びインクリボン14A(補助テープの一例)によって印刷が行われる。
【0024】
印刷用テープロール11の上下方向の外側には、印刷用テープロール11を挟むように2つのスペーサフィルム13A,13Bが配置されている。スペーサフィルム13A,13Bは、印刷用テープロール11と第1ケース部31との間と、印刷用テープロール11と第2ケース部32との間とに配置されている。
【0025】
(第1供給スプール)
第1供給スプール12は、回転軸心L4周りに回転可能である。第1供給スプール12は、印刷装置本体100のプラテンローラ103による印刷用テープ11Aの搬送に伴って回転することで、印刷用テープ11Aを印刷ヘッド102に供給する。第1供給スプール12の回転軸心L4は、上下方向と平行であり、印刷用テープロール11の巻回軸心と一致している。
【0026】
(印刷用テープケース)
印刷用テープケース35は、第1ケース部31と、第2ケース部32と、第1ガイド面35A(図3A,3B参照)と、第1排出口35B(図3A,3B参照)とを有する。
【0027】
第1ケース部31は、印刷用テープケース35の上端部を構成している。第2ケース部32は、印刷用テープケース35の下端部を構成している。第2ケース部32は、第1ケース部31の下方に配置され、第1ケース部31と上下方向に連結されている。印刷用テープロール11は、第1ケース部31と第2ケース部32とで囲まれた空間に配置されている。
【0028】
第1ケース部31は、第1側壁31Aと、第1切欠き31Bとを有する。第2ケース部32は、第2側壁32Aと、第2切欠き32Bと、第1位置決め部32Cとを有する。
【0029】
第1側壁31A及び第2側壁32Aは、印刷用テープケース35の外面のうち、印刷用
テープロール11を周方向に取り囲む側面を構成している。第1切欠き31Bは、第1側壁31Aの前方部に設けられている。第2切欠き32Bは、第2側壁32Aの前方部に設けられている。第1切欠き31B及び第2切欠き32Bは、互いに連結されて印刷用テープ11Aの第1排出口35Bを構成する。
【0030】
図2A,2Bに示すように、印刷用テープケース35の側面の一部は、印刷用テープケース35の第1排出口35Bから排出された印刷用テープ11Aをガイドする第1ガイド面35Aを構成している。
【0031】
第1排出口35Bは、印刷用テープケース35の側面に設けられると共に、印刷用テープ11Aを印刷用テープケース35の外部へ排出する。第1排出口35Bから印刷用テープロール11の径方向に排出された印刷用テープ11Aは、上下方向と平行な中心軸を有する螺旋状に第1ガイド面35Aに巻回されながら、第1排出口35Bから下方に(つまり補助テープカセット40に向かって)搬送される。
【0032】
図3Aに示すように、第1位置決め部32Cは、印刷用テープケース35がカセット収納部101に挿入された状態で下方に位置する補助テープカセット40と、対向及び接触する第1連結面35Cに設けられた孔である。第1位置決め部32Cは、印刷用テープケース35の補助テープカセット40に対する位置決めをする。第1位置決め部32Cには、補助テープカセット40の第2位置決め部41Eが挿入される。
【0033】
第1連結面35Cは、印刷用テープケース35の外面のうち、上下方向と交差する(具体的には直交する)平面である。第1連結面35Cには、補助テープカセット40が配置可能である。
【0034】
(補助テープカセット)
図5A,5Bに示す補助テープカセット40は、印刷用テープカセット30に着脱可能である。補助テープカセット40は、インクリボン14Aの少なくとも一部及び駆動伝達部20の少なくとも一部を収容する補助テープケース45を備える。
【0035】
本実施形態の補助テープカセット40は、ギアを収容するギアカセットでもある。補助テープカセット40は、図4に示すように、インクリボンロール14と、第2供給スプール15と、巻取スプール16と、クラッチバネホルダ17と、駆動伝達部20と、を備える。
【0036】
(インクリボンロール)
インクリボンロール14は、印刷用テープ11Aの印刷に用いられるインクリボン14Aを第2供給スプール15に巻回したものである。
【0037】
インクリボン14Aは、ヘッド開口42Bにおいて、搬送される印刷用テープ11Aと重ね合わされ、印刷ヘッド102による印刷に供される。印刷に使用されたインクリボン14Aは、巻取スプール16に巻き取られる。
【0038】
インクリボンロール14には、クラッチバネホルダ17に保持されたクラッチバネ(図示省略)によって回転抵抗が付される。インクリボンロール14の少なくとも一部は、上下方向において、印刷用テープロール11と重なる位置に配置されている。
【0039】
(第2供給スプール)
第2供給スプール15は、回転軸心L5周りに回転可能である。第2供給スプール15の回転軸心L5は、第1供給スプール12の回転軸心L4と平行、つまり上下方向と平行
であり、インクリボンロール14の巻回軸心と一致している。第2供給スプール15は、インクリボン14Aの巻取スプール16による巻き取りに伴って回転することで、インクリボン14Aをヘッド開口42Bに供給する。
【0040】
(巻取スプール)
巻取スプール16は、回転軸心L6周りに回転可能である。巻取スプール16の回転軸心L6は、第2供給スプール15の回転軸心L5と平行である。
【0041】
巻取スプール16は、円筒状であり、内周面16Aで規定される中空部を有する。巻取スプール16の内周面16Aにはスプライン歯16Bが設けられている。スプライン歯16Bには、印刷装置本体100の駆動シャフト105が連結される。巻取スプール16は、駆動シャフト105によって回転され、印刷に使用されたインクリボン14Aを巻き取る。
【0042】
(駆動伝達部)
駆動伝達部20は、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された際に、駆動シャフト105から伝達される駆動源107の駆動力をプラテンローラ103に伝達すると共に、プラテンローラ103を印刷用カセット10ごとに設定された回転速度で回転させる。
【0043】
駆動伝達部20は、出力ギア21と、入力ギア22と、アイドルギア23とを有する。駆動伝達部20は、インクリボンロール14よりも上方(つまり印刷用テープカセット30の近く)に配置されている。つまり、出力ギア21及び入力ギア22は、補助テープケース45内においてインクリボンロール14と上下方向に離れて配置されている。
【0044】
(出力ギア)
出力ギア21は、印刷用テープ11Aの搬送に供される駆動力を外部に出力するための外歯ギアである。具体的には、出力ギア21は、印刷装置本体100のプラテンギア104に外部からの駆動力を伝達する。出力ギア21の回転軸心L7は、第2供給スプール15の回転軸心L5と平行である。出力ギア21は、ヘッド開口42Bと連通する空間に一部が露出している。
【0045】
出力ギア21は、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態(つまり、補助テープケース45がカセット収納部101に収納された状態)で、ヘッド開口42Bと連通した空間においてプラテンギア104に係合する。
【0046】
(入力ギア)
入力ギア22は、アイドルギア23を介して出力ギア21と間接的に係合し、駆動力を出力ギア21に伝達する。
【0047】
入力ギア22は、外歯ギア22Aと、外歯ギア22Aの一方の側面に固定されると共に、内周面にスプライン歯を有する円筒状の内歯ギアであるスプール22Bとを有する。外歯ギア22Aは、スプール22Bに入力された駆動源107の駆動力によってスプール22Bと一体回転する。
【0048】
入力ギア22の回転軸心L8(つまり、外歯ギア22Aの回転軸心、及びスプール22Bの回転軸心)は、巻取スプール16の回転軸心L6と同一線上に配置されている。入力ギア22の少なくとも一部は、上下方向において、印刷用テープロール11と重なる位置に配置されている。
【0049】
入力ギア22の回転軸心L8は、上下方向において、巻取スプール16の中空部と重なる。また、入力ギア22のスプール22Bの下端部は、巻取スプール16の中空部に上方から挿入されている。
【0050】
そのため、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態では、駆動シャフト105が巻取スプール16と入力ギア22とに同時に挿通される。その結果、入力ギア22は、巻取スプール16と直接連結はされないが、巻取スプール16と共に駆動シャフト105によって回転される。
【0051】
(アイドルギア)
アイドルギア23は、入力ギア22と出力ギア21とに駆動連結され(つまり係合し)、入力ギア22に入力された駆動力を出力ギア21に伝達する。つまり、駆動シャフト105は、入力ギア22及びアイドルギア23を介して、出力ギア21に間接的に駆動力を入力する。
【0052】
アイドルギア23は、入力ギア22に係合した上流ギア23Aと、出力ギア21に係合した下流ギア23Bとが同軸上に並んで配置された段ギアである。下流ギア23Bは、上流ギア23Aよりも径が小さい。また、上流ギア23Aは、上下方向において、下流ギア23Bよりも印刷用テープカセット30に近い位置(つまり上方)に配置されている。
【0053】
アイドルギア23は、入力ギア22に入力された駆動力の回転速度を減速して出力ギア21に伝達する。つまり、駆動伝達部20は、入力ギア22の回転速度を出力ギア21の回転速度で除した伝達比を減速比とする減速機構を含んでいる。
【0054】
(補助テープケース)
補助テープケース45は、第3ケース部41と、第4ケース部42と、第5ケース部43と、案内部46(図5A参照)とを有する。
【0055】
第3ケース部41は、補助テープケース45の上端部を構成している。第5ケース部43は、補助テープケース45の下端部を構成している。第4ケース部42は、第3ケース部41の下方かつ第5ケース部43の上方に配置され、第3ケース部41及び第5ケース部43と上下方向に連結されている。
【0056】
インクリボンロール14、第2供給スプール15及び巻取スプール16は、第4ケース部42と第5ケース部43とで囲まれた空間に配置されている。出力ギア21の一部、入力ギア22、及びアイドルギア23は、第3ケース部41と第4ケース部42とで囲まれた空間に配置されている。
【0057】
第3ケース部41は、第3側壁41Aと、第1ギア支持部41Bと、第2ギア支持部41Cと、第3ギア支持部41Dと、第2位置決め部41E(図5B参照)とを有する。
第3側壁41Aは、補助テープケース45の外面のうち、印刷用テープケース35の側面と連続する側面を構成している。
【0058】
第1ギア支持部41Bは、出力ギア21を回転可能に支持する。第2ギア支持部41Cは、入力ギア22を回転可能に支持する。第3ギア支持部41Dは、アイドルギア23を回転可能に支持する。
【0059】
図5Bに示す第2位置決め部41Eは、補助テープケース45がカセット収納部101に挿入された状態で上方に位置する印刷用テープカセット30と、対向及び接触する第2連結面45Bに設けられている。
【0060】
第2連結面45Bは、補助テープケース45の外面のうち、上下方向と交差する(具体的には直交する)平面であり、印刷用テープケース35の第1連結面35Cと平行である。第2連結面45Bには、印刷用テープカセット30が配置可能である。
【0061】
第2位置決め部41Eは、第2連結面45Bから上方に突出する筒状又は柱状の部位である。補助テープカセット40と印刷用テープカセット30との連結時に、第2位置決め部41Eが印刷用テープケース35の第1位置決め部32Cに挿入されることで、印刷用テープカセット30に対する補助テープカセット40の前後方向及び左右方向の位置決めが行われる。
【0062】
図4に示す第4ケース部42は、第4側壁42Aと、ヘッド開口42Bと、第2排出口42Cと、ガイド内壁42Dと、第1規制部42Eと、天井壁42Fとを有する。
第4側壁42Aは、補助テープケース45の外面のうち、インクリボンロール14を周方向に取り囲む側面を構成している。
【0063】
ヘッド開口42Bは、第4側壁42Aの一部を切り欠いた部位である。ヘッド開口42Bは、印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、内部に印刷ヘッド102が配置される空間である。
【0064】
ヘッド開口42Bにおいて、印刷ヘッド102による印刷用テープ11Aの印刷が行われる。ヘッド開口42Bは、印刷ヘッド102が下方から挿入可能なように、補助テープカセット40の下方に開口している。
【0065】
ヘッド開口42Bにおいて、印刷用テープ11A及びインクリボン14Aが左右方向に架け渡される。印刷用テープ11Aは、ヘッド開口42Bによって、第2排出口42Cよりも印刷用テープ11Aの排出方向上流側において露出する。
【0066】
第2排出口42Cは、印刷が行われた印刷用テープ11Aを印刷用カセット10の外部へ排出する。つまり、第2排出口42Cは、印刷用テープ11Aを補助テープケース45の内部から外部へ排出する。印刷後の印刷用テープ11Aは、第2排出口42Cから印刷装置の外部に排出される。
【0067】
ガイド内壁42Dは、補助テープケース45内において左右方向に印刷用テープ11Aをガイドする(つまり後方から印刷用テープ11Aに接触する)前面を有する板状の部位である。ガイド内壁42Dは、印刷用テープ11Aを第2排出口42Cに向けてガイドする第2ガイド面45Aの一部を構成している。
【0068】
ガイド内壁42Dは、第4側壁42Aから連続して設けられている。また、ガイド内壁42Dは、印刷用テープ11Aの排出方向においてヘッド開口42Bよりも上流側、かつ、ヘッド開口42Bよりも前方に配置されている。
【0069】
ガイド内壁42Dは、少なくとも一部が上下方向において第2排出口42Cと同じ位置に配置されている。つまり、ガイド内壁42Dの少なくとも一部は、上下方向と直交する方向において第2排出口42Cと重なっている。ガイド内壁42D上において、印刷用テープ11Aは、上下方向と直交する方向(具体的には左右方向)に搬送される。
【0070】
第1規制部42Eは、ガイド内壁42Dによって構成される第2ガイド面45Aに沿って搬送される印刷用テープ11Aの幅方向の移動を規制する。具体的には、第1規制部42Eは、ガイド内壁42Dの上方に配置され、上下方向と直交する下面を有する。
【0071】
天井壁42Fは、ガイド内壁42Dの前方に、ガイド内壁42Dと離れて配置されている。天井壁42Fは、ガイド内壁42Dとの間に、印刷用テープ11Aの搬送路を構成している。天井壁42Fは、第1規制部42Eと連結されている。天井壁42Fの内面(つまり後面)は、ガイド内壁42Dと対向するように配置された規制面を構成している。
【0072】
第5ケース部43は、第5側壁43Aと、第2規制部43Bとを有する。
第5側壁43Aは、第4ケース部42の第4側壁42Aと共に、インクリボンロール14を周方向に取り囲む補助テープケース45の側面を構成している。
【0073】
第2規制部43Bは、第1規制部42Eと共に、第2ガイド面45Aに沿って搬送される印刷用テープ11Aの幅方向の移動を規制する。具体的には、第2規制部43Bは、第4ケース部42のガイド内壁42Dの下方に配置され、上下方向と直交する上面を有する。第2規制部43Bは、第4ケース部42の第1規制部42Eと、上下方向に対向している。
【0074】
ガイド内壁42D、天井壁42F、第1規制部42E及び第2規制部43Bは、図2Bに示すように、補助テープケース45の第2ガイド面45Aに沿って搬送される印刷用テープ11Aが内部を通過する空間を有するアーム部45Cを構成する。
【0075】
アーム部45Cは、印刷用テープ11Aを幅方向及び厚み方向から囲うトンネル部を構成している。アーム部45Cにおける印刷用テープ11Aの入り口は、印刷用テープカセット30から供給された印刷用テープ11Aが補助テープケース45の内部に挿入される挿入口45Fを構成している。
【0076】
アーム部45C内では、ガイド内壁42D及び天井壁42Fによって印刷用テープ11Aの前後方向(つまり厚み方向)の移動が規制されると共に、第1規制部42E及び第2規制部43Bによって印刷用テープ11Aの上下方向(つまり幅方向)の移動が規制される。アーム部45Cを通過した印刷用テープ11Aは、ヘッド開口42Bに供給される。
【0077】
図2A,2Bに示すように、補助テープケース45の側面の一部は、補助テープケース45の外部から(つまり印刷用テープカセット30から)供給される印刷用テープ11Aを第2排出口42Cに向けてガイドする第2ガイド面45Aを構成している。第2ガイド面45Aは、印刷用テープケース35の第1ガイド面35Aによってガイドされた印刷用テープ11Aを第2排出口42Cに向けてさらにガイドする。
【0078】
案内部46は、補助テープケース45の外部から供給される印刷用テープ11Aを第2排出口42Cに向けて案内する。案内部46は、第2ガイド面45Aと、アーム部45Cと、挿入口45Fと、湾曲形成部材45H(図6参照)とを含む。
【0079】
挿入口45Fは、補助テープケース45の挿入側面45Gに設けられている。挿入側面45Gは、補助テープケース45の外面のうち、左右方向と交差する(具体的には上下方向と平行である)と共に、上下方向においてインクリボンロール14と重ならない位置(具体的にはインクリボンロール14の前方に)配置された面である。挿入口45Fにおいて、印刷用テープ11Aは、右方向に挿入される。
【0080】
図6に示す湾曲形成部材45Hは、印刷用テープ11Aに接触することによって、印刷用テープ11Aの幅方向における一部が厚み方向に膨らむように印刷用テープ11Aを湾曲させる。
【0081】
本実施形態では、湾曲形成部材45Hは、印刷用テープ11Aの幅方向の中央部が後方に膨らむように印刷用テープ11Aを湾曲させる。アーム部45C内では、印刷用テープ11Aは、印刷面(つまりインクリボン14Aが重ね合わされる表面)が後側、非印刷面(つまり印刷面とは反対側の裏面)が前側となる向きに搬送される。
【0082】
そのため、印刷用テープ11Aは、印刷面が外側、非印刷面が内側となるように厚み方向に湾曲する。印刷用テープ11Aはこのように湾曲した状態で、アーム部45C内を通過する。
【0083】
このように湾曲した印刷用テープ11Aでは、補助テープケース45の内面との衝突によって生じる、厚み方向の外力による曲げ、及び長手方向(つまり搬送方向)の外力による座屈に対する強度が高まる。
【0084】
図7A,7Bに示すように、案内部46は、アーム部45C内において、第1搬送路R1と、第2搬送路R2とを有する。
【0085】
第1搬送路R1は、挿入口45Fから連続して印刷用テープ11Aを搬送する。第1搬送路R1では、印刷用テープ11Aは、天井壁42Fとガイド内壁42Dとの間を通過する。第1搬送路R1は、トンネル部(つまりアーム部45C)において、印刷用テープ11Aを直線状に搬送するストレート部を構成している。
【0086】
第2搬送路R2は、第1搬送路R1の印刷用テープ11Aの排出方向下流側において印刷用テープ11Aを搬送すると共に、第1搬送路R1よりも印刷用テープ11Aの厚み方向に対する路幅が小さい。
【0087】
第2搬送路R2では、天井壁42Fから後方に突出する凸部42Gによって、搬送路の印刷用テープ11Aの厚み方向に対する路幅が狭められている。第2搬送路R2では、印刷用テープ11Aは、凸部42Gと、ガイド内壁42Dとの間を通過する。
【0088】
湾曲形成部材45Hは、挿入口45Fに配置されると共に、アーム部45C内の第1搬送路R1(つまりストレート部)に配置されている。また、湾曲形成部材45Hは、案内部46に案内される印刷用テープ11Aの印刷面及び非印刷面と印刷用テープ11Aの厚み方向に接触し、これらの面を押圧する。具体的には、湾曲形成部材45Hは、第1接触部45Iと、第2接触部45Jと、第3接触部45Kとを有する。
【0089】
第1接触部45Iは、天井壁42Fから印刷用テープ11Aの厚み方向(具体的には後方)に突出したリブである。第1接触部45Iは、印刷用テープ11Aの非印刷面における幅方向中央部分に接触する。
【0090】
第1接触部45Iの後方への突出量は、印刷用テープ11Aの排出方向下流側に向かって大きくなっている。つまり、第1接触部45Iは、左前方から右後方に延伸する傾斜面を有する。
【0091】
第2接触部45J及び第3接触部45Kは、それぞれ、ガイド内壁42Dから印刷用テープ11Aの厚み方向(具体的には前方)に突出したリブである。第2接触部45Jと第3接触部45Kとは、印刷用テープ11Aの幅方向(つまり上下方向)に離れて配置されている。
【0092】
第2接触部45Jは、印刷用テープ11Aの印刷面における幅方向の一方の端部(具体的には下端部)に接触する。第3接触部45Kは、印刷用テープ11Aの印刷面における
幅方向の他方の端部(具体的には上端部)に接触する。
【0093】
第2接触部45J及び第3接触部45Kの前方への突出量は、印刷用テープ11Aの排出方向下流側に向かって大きくなっている。つまり、第2接触部45J及び第3接触部45Kは、それぞれ、左後方から右前方に延伸する傾斜面を有する。
【0094】
第1接触部45Iは、印刷用テープ11Aの幅方向(つまり上下方向)において第2接触部45Jと第3接触部45Kとの間に配置されている。また、第1接触部45I、第2接触部45J、及び第3接触部45Kは、印刷用テープ11Aの排出方向における同じ位置に配置されている。
【0095】
したがって、印刷用テープ11Aをアーム部45C内に挿通させる際に、印刷用テープ11Aの先端は、第1接触部45I、第2接触部45J、及び第3接触部45Kに同時に接触する。
【0096】
<印刷装置本体による印刷用テープの搬送及び印刷>
印刷用カセット10の印刷装置本体100への装着時において、印刷用テープ11Aは、螺旋部分11Bを構成するように、印刷用テープケース35の第1ガイド面35A及び補助テープケース45の第2ガイド面45Aに巻回される。
【0097】
搬送される印刷用テープ11Aの螺旋部分11Bは、印刷用テープケース35の側面と補助テープケース45の側面とに跨って巻き掛けられる。具体的には、螺旋部分11Bは、印刷用テープケース35の第1排出口35Bから挿入口45Fまで延伸している。
【0098】
このように印刷用テープ11Aがガイド面に巻き掛けられた印刷用カセット10が印刷装置本体100に装着された状態で、印刷ヘッド102は、ヘッド開口42Bにおいて、印刷用テープ11A及びインクリボン14Aと前後方向に重なる位置に配置される。
【0099】
印刷用テープ11Aは、プラテンローラ103によってヘッド開口42Bに搬送されると共に、プラテンローラ103によってインクリボン14Aを介して発熱素子が発熱した印刷ヘッド102に押し付けられる。これにより、インクリボン14Aの表面に配置されたインクの一部が印刷用テープ11Aに転写され、印刷用テープ11Aに文字、記号等が印刷される。
【0100】
プラテンローラ103は、印刷後の印刷用テープ11Aを印刷用カセット10内から外部に向けて搬送する。プラテンローラ103は、出力ギア21と係合されたプラテンギア104によって回転する。プラテンローラ103及びプラテンギア104は、印刷用カセット10と離れた位置と、プラテンギア104が出力ギア21に係合した位置との間で揺動可能である。
【0101】
印刷用カセット10の補助テープケース45がカセット収納部101に挿入された状態では、駆動シャフト105が入力ギア22に係合すると共にプラテンギア104が出力ギア21に係合する。
【0102】
具体的には、駆動シャフト105が印刷用カセット10の巻取スプール16及び入力ギア22に挿入された状態で、プラテンローラ103及びプラテンギア104が印刷用カセット10のヘッド開口42Bに向けて揺動することで、プラテンギア104が出力ギア21に係合する。
【0103】
印刷用カセット10が装着された状態で駆動シャフト105により入力ギア22が回転
されることで出力ギア21が回転される。さらに、出力ギア21の回転によりプラテンギア104が回転し、プラテンギア104の回転によりプラテンローラ103が回転する。
【0104】
<第1実施形態の変形例>
本実施形態の湾曲形成部材45Hにおいて、図8に示すように、第1接触部45Iがアーム部45C内の後面から前方に突出し、第2接触部45J及び第3接触部45Kがアーム部45C内の前面から後方に突出してもよい。
【0105】
つまり、第1接触部45Iが印刷用テープ11Aの印刷面に接触し、第2接触部45J及び第3接触部45Kが印刷用テープ11Aの非印刷面に接触してもよい。この場合、印刷用テープ11Aは、湾曲形成部材45Hによって幅方向の中央部が前方に膨らむように湾曲する。つまり、印刷用テープ11Aは、印刷面が内側、非印刷面が外側となるように厚み方向に湾曲する。
【0106】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)湾曲形成部材45Hによって印刷用テープ11Aの幅方向における一部が膨らむように湾曲することで、印刷用テープ11Aの長手方向と直交する断面における断面二次モーメントが増加する。その結果、印刷用テープ11Aの剛性が向上するため、補助テープカセット40内への印刷用テープ11Aの挿通が比較的容易に行える。
【0107】
(1b)挿入口45Fに湾曲形成部材45Hが配置されることで、補助テープカセット40への挿通と同時に印刷用テープ11Aを湾曲できる。そのため、印刷用テープ11Aの挿通のし易さを高められる。
【0108】
(1c)第1搬送路R1に湾曲形成部材45Hが配置されることで、路幅が小さくなる手前で印刷用テープ11Aを湾曲できる。そのため、印刷用テープ11Aの挿通時に印刷用テープ11Aの先端が第2搬送路R2の内面(例えば凸部42G)へ衝突した際の印刷用テープ11Aの変形を抑制できる。
【0109】
(1d)湾曲形成部材45Hが印刷用テープ11Aの印刷面及び非印刷面の少なくとも一方と接触することで、印刷用テープ11Aを比較的容易に、かつ的確に湾曲させることができる。
【0110】
(1e)湾曲形成部材45Hがアーム部45Cのストレート部に配置されることで、ねじりのない状態で印刷用テープ11Aを湾曲することができる。そのため、印刷用テープ11Aを比較的容易に、かつ的確に湾曲させることができる。
【0111】
(1f)湾曲形成部材45Hが第1接触部45I、第2接触部45J及び第3接触部45Kを有することで、印刷用テープ11Aを比較的剛性の高い湾曲形状に変形させることができる。
【0112】
また、第1接触部45I、第2接触部45J及び第3接触部45Kによって、印刷用テープ11Aに適切な搬送抵抗を付すことができる。その結果、非印刷時における印刷用テープ11Aの引き込み、及び印刷用カセット10の印刷装置本体100への装着時における印刷用テープ11Aの補助テープカセット40内からの脱落が抑制される。
【0113】
(1g)第1接触部45I、第2接触部45J及び第3接触部45Kそれぞれの傾斜面によって、これらの接触部の間へ印刷用テープ11Aを誘導できる。そのため、印刷用テープ11Aを湾曲させることが容易となる。
【0114】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0115】
(2a)上記実施形態の印刷装置は、インクリボンを用いて印刷するものに限定されない。印刷装置は、印刷用テープの代わりとして帯状の感熱紙を用いてもよい。この場合、補助テープとしては、例えばラミネートテープが用いられる。
【0116】
(2b)上記実施形態の補助テープカセットにおいて、第1接触部、第2接触部及び第3接触部は、必ずしも傾斜面を有しなくてもよい。つまり、図9A,9Bに示すように、第1接触部45I、第2接触部45J及び第3接触部45Kは、前後方向の突出量(つまり厚み)が一定のリブで構成されてもよい。
【0117】
(2c)上記実施形態の補助テープカセットは、必ずしも駆動伝達部を備えなくてもよい。例えば、図10に示す印刷用カセット210は、駆動伝達部20を備える印刷用テープカセット230と、駆動伝達部20を備えない補助テープカセット240とで構成される。また、印刷用カセットは、印刷用テープカセット及び補助テープカセットと独立した、駆動伝達部を備えるギアカセットを備えてもよい。
【0118】
(2d)上記実施形態の補助テープカセットにおいて、湾曲形成部材は必ずしも第1接触部、第2接触部及び第3接触部を有しなくてもよい。例えば、湾曲形成部は、印刷用テープの幅よりも小さい幅(つまり、印刷用テープを湾曲させないと挿入できない幅)を有する挿入口自身で構成されてもよい。湾曲形成部としての挿入口は、湾曲させた印刷用テープの断面形状に沿った形状とされてもよい。
【0119】
(2e)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0120】
10…印刷用カセット、11…印刷用テープロール、11A…印刷用テープ、
14…インクリボンロール、14A…インクリボン、16…巻取スプール、
20…駆動伝達部、21…出力ギア、22…入力ギア、23…アイドルギア、
30…印刷用テープカセット、40…補助テープカセット、42…第4ケース部、
42A…第4側壁、42B…ヘッド開口、42C…第2排出口、42D…ガイド内壁、
42E…第1規制部、42F…天井壁、42G…凸部、45…補助テープケース、
45A…第2ガイド面、45C…アーム部、45F…挿入口、45G…挿入側面、
45H…湾曲形成部材、45I…第1接触部、45J…第2接触部、
45K…第3接触部、46…案内部、100…印刷装置本体、102…印刷ヘッド、
103…プラテンローラ、104…プラテンギア、105…駆動シャフト。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10