(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電磁流量計の配管接続構造、電磁流量計及びアースリング
(51)【国際特許分類】
G01F 1/58 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
G01F1/58 H
(21)【出願番号】P 2020195502
(22)【出願日】2020-11-25
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】栗原 泰隆
(72)【発明者】
【氏名】横松 広太
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-166122(JP,U)
【文献】特開2005-084040(JP,A)
【文献】特開平10-048015(JP,A)
【文献】特表平05-501916(JP,A)
【文献】実公昭60-038182(JP,Y2)
【文献】実開昭58-140424(JP,U)
【文献】米国特許第04454766(US,A)
【文献】米国特許第05458003(US,A)
【文献】中国特許出願公開第103857165(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁流量計の配管接続構造であって、
前記電磁流量計の測定管と、
前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジと、
各々が前記2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材と、を有し、
前記測定管が、導電性の外周面を備える測定管本体と、非導電性のガスケットと、アースリングと、を有し、
前記アースリングが、前記測定管本体の端面に前記ガスケットを押し付ける導電性のリング部と、複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、
前記周壁部
は、当該周壁部における各々の前記切り欠きが、径方向から見たときに、当該切り欠きの全体が、対応する前記軸部材に重なる位置に設けられることにより、前記ガスケットによって前記測定管本体の前記外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を前記複数の軸部材との協働により径方向外側から全周に亘って覆う、
構造。
【請求項2】
各々の前記軸部材は、当該軸部材に対応する前記切り欠きに入り込む、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記周壁部の内周面は、前記測定管本体の前記外周面に当接する、請求項1又は2に記載の構造。
【請求項4】
いずれかの前記切り欠きにおいて、前記周壁部と前記軸部材との間に隙間が形成される、請求項1~3の何れか1項に記載の構造。
【請求項5】
電磁流量計であって、
導電性の外周面を備える測定管本体と、非導電性のガスケットと、アースリングと、を備える測定管を有し、
前記アースリングが、前記測定管本体の端面に前記ガスケットを押し付ける導電性のリング部と、複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、
前記周壁部
は、当該周壁部における各々の前記切り欠きが、径方向から見たときに、当該切り欠きの全体が、対応する軸部材に重なる位置に設けられることにより、前記ガスケットによって前記測定管本体の前記外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を、各々が前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の
前記軸部材との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、
電磁流量計。
【請求項6】
アースリングであって、
電磁流量計の測定管の測定管本体の端面に非導電性のガスケットを押し付ける導電性のリング部と、
複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、
前記周壁部
は、当該周壁部における各々の前記切り欠きが、径方向から見たときに、当該切り欠きの全体が、対応する軸部材に重なる位置に設けられることにより、前記ガスケットによって前記測定管本体の導電性の外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を、各々が前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の
前記軸部材との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、
アースリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電磁流量計の配管接続構造、電磁流量計及びアースリングに関する。
【背景技術】
【0002】
2つの配管の間に接続されて流体の流量を測定する電磁流量計として、電磁流量計の測定管が2つの配管のフランジ(以下、配管フランジともいう)に挟まれた状態で、通しボルトなどの複数の軸部材で2つの配管フランジを互いに連結することにより、配管に接続されるウェハー型と呼ばれる型式のものが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
ウェハー型電磁流量計の測定管は、配管や流体を通じて侵入してくるノイズを除去し、安定した測定を行うため、アースリングを有する。また、測定管本体とアースリングとの間には、液体の漏れを抑制するため、ガスケットが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
測定管本体の外周面とアースリングは導電性であり、ガスケットは非導電性である。このため、ウェハー型電磁流量計が配管に接続されたときに、ガスケットにより、測定管本体の外周面とアースリングとの間に非導電性の隙間が形成される場合がある。ノイズがその隙間を通って測定管の内部に侵入すると、電磁流量計の測定値が不安定になる虞がある。
【0006】
本開示の目的は、電磁流量計の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる電磁流量計の配管接続構造、電磁流量計及びアースリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る電磁流量計の配管接続構造は、前記電磁流量計の測定管と、前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジと、各々が前記2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材と、を有し、前記測定管が、導電性の外周面を備える測定管本体と、非導電性のガスケットと、アースリングと、を有し、前記アースリングが、前記測定管本体の端面に前記ガスケットを押し付けるリング部と、複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、前記周壁部が、前記ガスケットによって前記測定管本体の前記外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を前記複数の軸部材との協働により径方向外側から全周に亘って覆う、構造である。このような構成によれば、非導電性の隙間が、複数の軸部材とアースリングの周壁部とを合わせた導電性の部材で径方向外側から全周に亘って覆われるので、ノイズが非導電性の隙間を通って測定管の内部に侵入することを抑制することができる。したがって、電磁流量計の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる。また、このように複数の軸部材を利用することで、アースリングの周壁部を少量の部材で形成することを可能にすることができる。したがって、低コストを実現することができる。
【0008】
一実施形態において、各々の前記軸部材は、当該軸部材に対応する前記切り欠きに入り込む。このような構成によれば、アースリングを配管フランジに対して容易に芯合わせすることができる。
【0009】
一実施形態において、前記周壁部の内周面は、前記測定管本体の前記外周面に当接する。このような構成によれば、アースリングを測定管本体に対して容易に芯合わせすることができる。
【0010】
一実施形態において、各々の前記軸部材は、当該軸部材に対応する前記切り欠きに入り込み、前記周壁部の内周面は、前記測定管本体の前記外周面に当接する。このような構成によれば、測定管本体を配管フランジに対して容易に芯合わせすることができる。
【0011】
一実施形態において、いずれかの前記切り欠きにおいて、前記周壁部と前記軸部材との間に隙間が形成される。このような構成によれば、当該隙間を通してガスケットの形状、割れ、硬さなどの状態を確認し、ガスケットの交換時期や、複数の軸部材による2つの配管フランジの連結状態などを確認する目安とすることができる。
【0012】
一実施形態において、前記リング部は、前記周壁部の各々の前記切り欠きに連なる切り欠きを有する。このような構成によれば、アースリングのリング部を少量の部材で形成することができるので、コストを低減することができる。
【0013】
一実施形態において、前記リング部は、前記周壁部の各々の前記切り欠きに連なる切り欠きを有し、いずれかの前記周壁部の前記切り欠きにおいて、前記周壁部と前記リング部との連結部と前記軸部材との間に隙間が形成される。このような構成によれば、当該隙間とリング部の切り欠きを通してガスケットの形状、割れ、硬さなどの状態を容易に確認し、ガスケットの交換時期や、複数の軸部材による2つの配管フランジの連結状態などを確認する目安とすることができる。
【0014】
幾つかの実施形態に係る電磁流量計は、導電性の外周面を備える測定管本体と、非導電性のガスケットと、アースリングと、を備える測定管を有し、前記アースリングが、前記測定管本体の端面に前記ガスケットを押し付ける導電性のリング部と、複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、前記周壁部が、前記ガスケットによって前記測定管本体の前記外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を、各々が前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、電磁流量計である。このような構成によれば、電磁流量計の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる。また、低コストを実現することができる。
【0015】
幾つかの実施形態に係るアースリングは、電磁流量計の測定管の測定管本体の端面に非導電性のガスケットを押し付ける導電性のリング部と、複数の切り欠きを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部と、を有し、前記周壁部が、前記ガスケットによって前記測定管本体の導電性の外周面と前記リング部との間に形成される非導電性の隙間を、各々が前記測定管を挟んで配置される2つの配管フランジを互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材の各々に対応する複数の軸部材との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、アースリングである。このような構成によれば、電磁流量計の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる。また、低コストを実現することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、電磁流量計の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる電磁流量計の配管接続構造、電磁流量計及びアースリングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係る電磁流量計を示す平面図である。
【
図2】
図1に示す一方のアースリングの平面図である。
【
図4】
図1に示す電磁流量計を配管に接続した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本開示に係る実施形態について詳細に例示説明する。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る電磁流量計1は、検出器として機能する測定管2と、変換器3と、を有する。電磁流量計1は、測定管2と変換器3とが連なる一体型である。なお、電磁流量計1は、測定管2と変換器3とが分離した分離型であってもよい。電磁流量計1は、プラントなどで使用されるフィールド機器である。測定管2は、測定管本体4、2つのガスケット5、及び2つのアースリング6(
図1~
図3参照)を有する。
【0020】
図4に示すように、電磁流量計1は、測定管2が2つの配管フランジ7に挟まれた状態で複数の軸部材8で2つの配管フランジ7を互いに連結することにより、2つの配管9の間に接続されて流体の流量を測定する。つまり、電磁流量計1は、ウェハー型である。配管9(配管フランジ7)、測定管本体4及びアースリング6は、芯合わせされた状態、つまり管軸方向(流体の流れ方向)に沿う中心軸線Oが合わされた状態で互いに固定される。
【0021】
なお、以下の説明において、中心軸線Oに直交する直線に沿う方向を径方向といい、中心軸線Oを周回する方向を周方向という。
【0022】
各々の配管フランジ7は、円環状をなす。軸部材8の数は8個である。したがって、配管フランジ7は、軸部材8が通る8個の取り付け穴を有する。しかし、軸部材8及び取り付け穴の数はこれに限らず、2個以上であればよい。
【0023】
各々の軸部材8は、2つの配管フランジ7を互いに連結するとともに導電性である。各々の軸部材8は、通しボルト8aと2つのナット8bを有する締結具で構成される。なお、各々の軸部材8は、通しボルト8aと2つのナット8bを有する締結具以外の締結具で構成してもよい。また、各々の軸部材8は、締結具以外の構成部品(例えば、後述する周壁部13と通しボルト8aとの間に介在する丸ナットなど)を有してもよい。
【0024】
本実施形態に係る電磁流量計の配管接続構造10は、測定管2、2つの配管フランジ7及び複数の軸部材8を有する。
【0025】
図1に戻り、測定管本体4は、内部に流路を有する円筒状をなす。測定管本体4は、導電性の外周面4aと、管軸方向の両側に位置する2つの円環状の端面4bと、を有する。図示はしないが、測定管本体4は、測定管本体4の内部に管軸方向と垂直な所定方向に磁界を発生させる磁界発生器と、測定管本体4の内部における管軸方向と前記所定方向との両方に垂直な方向の電位差を検出する電界測定器と、を有する。したがって、測定管2は、流路内の流体の流量に応じた電気信号を生じさせることができる。
【0026】
各々のガスケット5は、円環状をなし、測定管本体4の端面4bとアースリング6との間に配置されて、液体の漏れを抑制する。各々のガスケット5は、非導電性である。各々のガスケット5は、例えば非金属の弾性部材で構成される。
【0027】
各々のアースリング6は、導電性であり、配管9や配管9内の流体などを通じて測定管本体4の内部に侵入してくるノイズを除去し、それにより、流量の安定した測定を可能にする。各々のアースリング6は、流体に接触する接液部6aと、測定管本体4の外周面4aに接触する接触部6bと、を有する。各々のアースリング6は、例えば、測定管本体4の外周面4aを介し、又はアースリング6にねじ等で固定された接地線等を介し、大地に接続される。各々のアースリング6は、例えば金属部材で構成される。
【0028】
図1~
図4に示すように、各々のアースリング6は、測定管本体4の端面4bにガスケット5を押し付ける導電性のリング部11と、複数の切り欠き12a(以下、周壁部切り欠き12aともいう)を備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部13と、を有する。
【0029】
各々のリング部11は、円環平板状をなす。各々のリング部11の内周縁は、接液部6aを構成する。電磁流量計1が配管フランジ7に接続された接続状態において、各々のリング部11と測定管本体4の外周面4aとの間には、ガスケット5によって非導電性の隙間G1(
図4参照)が形成される。
【0030】
各々の周壁部13は、軸部材8と同数(つまり8個)の周壁部切り欠き12aを備えることで周方向に間欠状に延びる間欠円筒状をなしている。各々の周壁部13は、リング部11の外周縁から管軸方向の片側に延びる。各々の周壁部13における各々の周壁部切り欠き12aは、管軸方向に沿って延びる帯状をなす。
【0031】
図4~
図5に示すように、各々の周壁部13は、非導電性の隙間G1を複数の軸部材8との協働により径方向外側から全周に亘って覆う。つまり、各々の周壁部13における各々の周壁部切り欠き12aは、径方向から見たときに、当該周壁部切り欠き12aの全体が、対応する軸部材8に重なる位置(つまり、
図5において2つの二点鎖線の間)に設けられる。
【0032】
図5に示すように、各々の軸部材8は、各々の周壁部13における、当該軸部材8に対応する周壁部切り欠き12aに入り込む。また、各々の周壁部13における各々の周壁部切り欠き12aにおいて、周壁部13と軸部材8との間に隙間G2(以下、所定の隙間G2ともいう)が形成される(
図5参照)。所定の隙間G2は、周壁部13の管軸方向の一端(周壁部13とリング部11との連結部)から管軸方向の他端まで延びる。
【0033】
図2~
図3などに示すように、各々のリング部11は、周壁部13の各々の周壁部切り欠き12aに連なる切り欠き12b(以下、リング部切り欠き12bともいう)を有する。以下、周壁部切り欠き12aとそれに連なるリング部切り欠き12bとを合わせた切り欠き全体を、外周部切り欠き12ともいう。各々のアースリング6における各々の外周部切り欠き12の形状は、管軸方向から見たときに、円弧状をなす。なお、各々のアースリング6における各々の外周部切り欠き12の形状は、円弧状に限らない。
【0034】
図1及び
図4に示すように、各々の周壁部13の内周面は、測定管本体4の外周面4aに当接する。したがって、各々の周壁部13の内周面は、アースリング6の接触部6bを構成する。各々の周壁部13は、径方向に互いに対向する2箇所において、測定管本体4の外周面4aにねじ止めされる。なお、
図1は、測定管2の一方の端部(
図1で左側の端部)をガスケット5とアースリング6の組み付け前の状態で示す一方、測定管2の他方の端部を組み付け後の状態で示す。なお、各々の周壁部13は、1箇所のみ又は3箇所以上において測定管本体4の外周面4aにねじ止めされる構成であってもよいし、測定管本体4の外周面4aにねじ止めされない構成であってもよい。
【0035】
本実施形態によれば、各々の非導電性の隙間G1が、複数の軸部材8とアースリング6の周壁部13とを合わせた導電性の部材で径方向外側から全周に亘って覆われるので、ノイズが各々の非導電性の隙間G1を通って測定管2の内部に侵入することを抑制することができる。また、このように複数の軸部材8を利用することで、各々のアースリング6の周壁部13を少量の部材で形成することを可能にすることができる。したがって、低コストで、電磁流量計1の耐ノイズ性能を向上させ、測定の安定性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、各々の軸部材8が各々の周壁部13における当該軸部材8に対応する周壁部切り欠き12aに入り込むので、各々のアースリング6を配管9に対して容易に芯合わせすることができる。また、本実施形態によれば、各々の周壁部13の内周面が測定管本体4の外周面4aに当接するので、各々のアースリング6を測定管本体4に対して容易に芯合わせすることができる。したがって、測定管本体4を配管9に対して容易に芯合わせすることができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、各々の周壁部13の周壁部切り欠き12aにおいて周壁部13と軸部材8との間に所定の隙間G2が形成されるので、所定の隙間G2を通してガスケット5の形状、割れ、硬さなどの状態を確認し、ガスケット5の交換時期や、複数の軸部材8の締付け状態などを確認する目安とすることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、各々のリング部11がリング部切り欠き12bを有し、所定の隙間G2が周壁部13の管軸方向の一端から管軸方向の他端まで延びるので、所定の隙間G2(特に周壁部13とリング部11との連結部)を通してガスケット5の形状、割れ、硬さなどの状態を容易に確認することができる。
【0039】
前述した実施形態は本開示の一例であり、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0040】
例えば、前述した実施形態に係る電磁流量計の配管接続構造10、電磁流量計1及びアースリング6は、以下に述べるような種々の変更が可能である。
【0041】
前述した実施形態に係る電磁流量計の配管接続構造10は、電磁流量計1の測定管2と、測定管2を挟んで配置される2つの配管フランジ7と、各々が2つの配管フランジ7を互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材8と、を有し、測定管2が、導電性の外周面4aを備える測定管本体4と、非導電性のガスケット5と、アースリング6と、を有し、アースリング6が、測定管本体4の端面4bにガスケット5を押し付けるリング部11と、複数の切り欠き12aを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部13と、を有し、周壁部13が、ガスケット5によって測定管本体4の外周面4aとリング部11との間に形成される非導電性の隙間G1を複数の軸部材8との協働により径方向外側から全周に亘って覆う、構造である限り、種々の変更が可能である。
【0042】
しかし、各々の軸部材8は、当該軸部材8に対応する切り欠き12aに入り込むことが好ましい。
【0043】
また、周壁部13の内周面は、測定管本体4の外周面4aに当接することが好ましい。
【0044】
また、各々の軸部材8は、当該軸部材8に対応する切り欠き12aに入り込み、周壁部13の内周面は、測定管本体4の外周面4aに当接することが好ましい。
【0045】
また、いずれかの切り欠き12aにおいて、周壁部13と軸部材8との間に隙間G2が形成されることが好ましい。
【0046】
また、リング部11は、周壁部13の各々の切り欠き12aに連なる切り欠き12bを有することが好ましい。
【0047】
また、リング部11は、周壁部13の各々の切り欠き12aに連なる切り欠き12bを有し、いずれかの周壁部13の切り欠き12aにおいて、周壁部13とリング部11との連結部と軸部材8との間に隙間G2が形成されることが好ましい。
【0048】
前述した実施形態に係る電磁流量計1は、導電性の外周面4aを備える測定管本体4と、非導電性のガスケット5と、アースリング6と、を備える測定管2を有し、アースリング6が、測定管本体4の端面4bにガスケット5を押し付ける導電性のリング部11と、複数の切り欠き12aを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部13と、を有し、周壁部13が、ガスケット5によって測定管本体4の外周面4aとリング部11との間に形成される非導電性の隙間G1を、各々が測定管2を挟んで配置される2つの配管フランジ7を互いに連結するとともに導電性である軸部材8との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、電磁流量計1である限り、種々の変更が可能である。
【0049】
前述した実施形態に係るアースリング6は、電磁流量計1の測定管2の測定管本体4の端面4bに非導電性のガスケット5を押し付ける導電性のリング部11と、複数の切り欠き12aを備えることで周方向に間欠状に延びる導電性の周壁部13と、を有し、周壁部13が、ガスケット5によって測定管本体4の導電性の外周面4aとリング部11との間に形成される非導電性の隙間G1を、各々が測定管2を挟んで配置される2つの配管フランジ7を互いに連結するとともに導電性である複数の軸部材8との協働により、径方向外側から全周に亘って覆う、アースリング6である限り、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 電磁流量計
2 測定管
3 変換器
4 測定管本体
4a 外周面
4b 端面
5 ガスケット
6 アースリング
6a 接液部
6b 接触部
7 配管フランジ
8 軸部材
8a 通しボルト
8b ナット
9 配管
10 配管接続構造
11 リング部
12 切り欠き(外周部切り欠き)
12a 切り欠き(周壁部切り欠き)
12b 切り欠き(リング部切り欠き)
13 周壁部
G1 非導電性の隙間
G2 所定の隙間
O 中心軸線