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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】供給ユニットおよび液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B41J2/175 151
B41J2/175 153
B41J2/175 175
B41J2/175 161
B41J2/175 121
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2020198134
(22)【出願日】2020-11-30
(65)【公開番号】P2022086229
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】丸山 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 友之
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-021398(JP,A)
【文献】特開2017-056629(JP,A)
【文献】特開2020-138430(JP,A)
【文献】特開2006-150804(JP,A)
【文献】特開2020-146991(JP,A)
【文献】特開2017-227593(JP,A)
【文献】特開2003-054008(JP,A)
【文献】特開2006-306114(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0297366(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109318590(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/175
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給ユニットであって、前記供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着
脱可能に装着されるように構成され、
鉛直線と交差する案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位
置する先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、
前記鉛直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置され
る回動軸と、
前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するよう
に構成される液体導入部と、
前記支持部材の回動を制限するロック位置と、前記支持部材の回動を許容する解除位置
との間で変位可能なロックレバーと、を備え、
前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って案内する案内位置と
、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で、前記回動
軸を中心に回動するように構成され、
前記ロックレバーは、前記液体収容体が前記案内経路の前記終端に到達するときに前記
液体収容体と係合することにより、前記ロック位置から前記解除位置へ変位するように構
成されることを特徴とする供給ユニット。
【請求項2】
前記支持部材は、前記液体収容体を案内する1以上の案内部を有することを特徴とする
請求項1に記載の供給ユニット。
【請求項3】
前記支持部材を前記接続位置から前記案内位置に向けて付勢する第1付勢部材をさらに
備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の供給ユニット。
【請求項4】
前記支持部材が前記接続位置にあるときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体
に係合するように配置された係合レバーと、
前記係合レバーを前記支持部材に向けて付勢する第2付勢部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の供給
ユニット。
【請求項5】
前記係合レバーは、前記支持部材が前記接続位置から前記案内位置に向けて回動すると
きに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合する傾斜面を有することを特徴と
する請求項4に記載の供給ユニット。
【請求項6】
前記液体収容体は回路基板を有し、
前記回路基板は、接続端子と、前記液体収容体に関する情報を記憶する記憶媒体と、を
有し、
前記支持部材は、前記基端領域に、前記接続端子と電気的に接続されるように構成され
た電気接続部を有することを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の
供給ユニット。
【請求項7】
前記支持部材に支持された前記液体収容体を前記始端に向けて付勢するように構成され
た押出機構をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項6のうち何れか一項に記
載の供給ユニット。
【請求項8】
供給ユニットであって、前記供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着
脱可能に装着されるように構成され、
鉛直線と交差する案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位
置する先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、
前記鉛直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置され
る回動軸と、
前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するよう
に構成される液体導入部と、を備え、
前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って案内する案内位置と
、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で、前記回動
軸を中心に回動するように構成され、
前記液体収容体は回路基板を有し、
前記回路基板は、接続端子と、前記液体収容体に関する情報を記憶する記憶媒体と、を
有し、
前記支持部材は、前記基端領域に、前記接続端子と電気的に接続されるように構成され
た電気接続部を有することを特徴とする供給ユニット。
【請求項9】
前記支持部材は、前記液体収容体を案内する1以上の案内部を有することを特徴とする
請求項8に記載の供給ユニット。
【請求項10】
前記支持部材を前記接続位置から前記案内位置に向けて付勢する第1付勢部材をさらに
備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の供給ユニット。
【請求項11】
前記支持部材が前記接続位置にあるときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体
に係合するように配置された係合レバーと、
前記係合レバーを前記支持部材に向けて付勢する第2付勢部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項8から請求項10のうち何れか一項に記載の供
給ユニット。
【請求項12】
前記係合レバーは、前記支持部材が前記接続位置から前記案内位置に向けて回動すると
きに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合する傾斜面を有することを特徴と
する請求項11に記載の供給ユニット。
【請求項13】
前記支持部材の回動を制限するロック位置と、前記支持部材の回動を許容する解除位置
との間で変位可能なロックレバーをさらに備え、
前記ロックレバーは、前記液体収容体が前記案内経路の前記終端に到達するときに前記
液体収容体と係合することにより、前記ロック位置から前記解除位置へ変位するように構
成されることを特徴とする請求項8から請求項12のうち何れか一項に記載の供給ユニッ
ト。
【請求項14】
前記支持部材に支持された前記液体収容体を前記始端に向けて付勢するように構成され
た押出機構をさらに備えることを特徴とする請求項8から請求項13のうち何れか一項に
記載の供給ユニット。
【請求項15】
供給ユニットであって、前記供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着
脱可能に装着されるように構成され、
鉛直線と交差する案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位
置する先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、
前記鉛直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置され
る回動軸と、
前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するよう
に構成される液体導入部と、
前記支持部材に支持された前記液体収容体を前記始端に向けて付勢するように構成され
た押出機構と、を備え、
前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って案内する案内位置と
、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で、前記回動
軸を中心に回動するように構成されることを特徴とする供給ユニット。
【請求項16】
前記支持部材は、前記液体収容体を案内する1以上の案内部を有することを特徴とする
請求項15に記載の供給ユニット。
【請求項17】
前記支持部材を前記接続位置から前記案内位置に向けて付勢する第1付勢部材をさらに
備えることを特徴とする請求項15または請求項16に記載の供給ユニット。
【請求項18】
前記支持部材が前記接続位置にあるときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体
に係合するように配置された係合レバーと、
前記係合レバーを前記支持部材に向けて付勢する第2付勢部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項15から請求項17のうち何れか一項に記載の
供給ユニット。
【請求項19】
前記係合レバーは、前記支持部材が前記接続位置から前記案内位置に向けて回動すると
きに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合する傾斜面を有することを特徴と
する請求項18に記載の供給ユニット。
【請求項20】
前記支持部材の回動を制限するロック位置と、前記支持部材の回動を許容する解除位置
との間で変位可能なロックレバーをさらに備え、
前記ロックレバーは、前記液体収容体が前記案内経路の前記終端に到達するときに前記
液体収容体と係合することにより、前記ロック位置から前記解除位置へ変位するように構
成されることを特徴とする請求項15から請求項19のうち何れか一項に記載の供給ユニ
ット。
【請求項21】
前記液体収容体は回路基板を有し、
前記回路基板は、接続端子と、前記液体収容体に関する情報を記憶する記憶媒体と、を
有し、
前記支持部材は、前記基端領域に、前記接続端子と電気的に接続されるように構成され
た電気接続部を有することを特徴とする請求項15から請求項20のうち何れか一項に記
載の供給ユニット。
【請求項22】
供給ユニットであって、前記供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着
脱可能に装着されるように構成され、
水平方向の案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位置する
先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、
直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置される回
動軸と、
前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するよう
に構成される液体導入部と、を備え、
前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って水平方向に案内する
案内位置と、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で
、前記回動軸を中心に回動するように構成されることを特徴とする供給ユニット。
【請求項23】
前記支持部材は、前記液体収容体を案内する1以上の案内部を有することを特徴とする
請求項22に記載の供給ユニット。
【請求項24】
前記支持部材を前記接続位置から前記案内位置に向けて付勢する第1付勢部材をさらに
備えることを特徴とする請求項22または請求項23に記載の供給ユニット。
【請求項25】
前記支持部材が前記接続位置にあるときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体
に係合するように配置された係合レバーと、
前記係合レバーを前記支持部材に向けて付勢する第2付勢部材と、
をさらに備えることを特徴とする請求項22から請求項24のうち何れか一項に記載の
供給ユニット。
【請求項26】
前記係合レバーは、前記支持部材が前記接続位置から前記案内位置に向けて回動すると
きに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合する傾斜面を有することを特徴と
する請求項25に記載の供給ユニット。
【請求項27】
前記支持部材の回動を制限するロック位置と、前記支持部材の回動を許容する解除位置
との間で変位可能なロックレバーをさらに備え、
前記ロックレバーは、前記液体収容体が前記案内経路の前記終端に到達するときに前記
液体収容体と係合することにより、前記ロック位置から前記解除位置へ変位するように構
成されることを特徴とする請求項22から請求項26のうち何れか一項に記載の供給ユニ
ット。
【請求項28】
前記液体収容体は回路基板を有し、
前記回路基板は、接続端子と、前記液体収容体に関する情報を記憶する記憶媒体と、を
有し、
前記支持部材は、前記基端領域に、前記接続端子と電気的に接続されるように構成され
た電気接続部を有することを特徴とする請求項22から請求項27のうち何れか一項に記
載の供給ユニット。
【請求項29】
前記支持部材に支持された前記液体収容体を前記始端に向けて付勢するように構成され
た押出機構をさらに備えることを特徴とする請求項22から請求項28のうち何れか一項
に記載の供給ユニット。
【請求項30】
前記液体導入部は前記案内経路に対して傾斜した姿勢で配置されることを特徴とする請
求項1から請求項29のうち何れか一項に記載の供給ユニット。
【請求項31】
前記支持部材の下方に配置される貯留部であって、前記液体収容体から供給された液体
を貯留するように構成された貯留部と、
前記貯留部の上部に配置される大気開放路であって、前記貯留部内を大気に開放するよ
うに構成された大気開放路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項30のうち何れか一項に記載の供
給ユニット。
【請求項32】
前記貯留部は第1貯留部であり、
前記第1貯留部と連通する第2貯留部であって、前記第1貯留部内の前記液体が流入す
るように構成された第2貯留部と、
前記第1貯留部と前記第2貯留部との間に設けられ、前記第1貯留部から前記第2貯留
部への前記液体の流れを許容し、前記第2貯留部から前記第1貯留部への液体の流れを制
限するように構成された一方向弁と、
をさらに備えることを特徴とする請求項31に記載の供給ユニット。
【請求項33】
前記液体収容体は、前記支持部材が前記接続位置に位置する場合、平方向に対して傾
斜していることを特徴とする請求項1から請求項32のうち何れか一項に記載の供給ユニ
ット。
【請求項34】
請求項1から請求項33のうち何れか一項に記載の供給ユニットと、
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記供給ユニットから前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項35】
前記供給流路内の前記液体を加圧するように構成された加圧機構をさらに備えることを
特徴とする請求項34に記載の液体吐出装置。
【請求項36】
前記液体吐出ヘッド内の前記液体を前記供給ユニット内に向けて流動させるための回収
流路をさらに備えることを特徴とする請求項34または請求項35に記載の液体吐出装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、供給ユニットおよび液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、液体収容体の一例であるメインタンクを開示している。このメインタンクは、液体吐出装置の一例であるプリンターに着脱可能に装着される。メインタンク内のインクは、インクタンクから下方に延びる連結管を通じて流下して、プリンター内に供給される。そのため、メインタンクは、プリンターの上方から下方にあるプリンターに向けて移動する動作により、プリンターに装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-161645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、液体吐出装置の上方から液体収容体を装着する場合、作業者は、目の高さより上に液体収容体を持ち上げつつ装着位置を目視するか、あるいは、装着位置を目視しない状態で、液体収容体を目的の位置に下ろす必要がある。そのため、特にその装着位置が作業者の目の高さから外れている場合、または、液体収容体が重い場合などには、着脱の作業がしにくいことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着脱可能に装着されるように構成され、鉛直線と交差する案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位置する先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、前記鉛直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置される回動軸と、前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するように構成される液体導入部と、を備え、前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って案内する案内位置と、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で、前記回動軸を中心に回動するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る液体吐出装置の斜視図。
図2】実施形態に係る液体収容体の斜視図。
図3図2の液体収容体の背面図。
図4】実施形態に係る供給ユニットの概略図。
図5図4の供給ユニットに液体収容体が挿入されたときの支持部材の先端領域を示す断面図。
図6図5の支持部材が接続位置に配置されたときの断面図。
図7図4の液体収容体が案内経路の始端付近にあるときの支持部材の先端領域を示す模式図。
図8図7の液体収容体が案内経路の終端に到達したときの支持部材の先端領域を示す模式図。
図9図4の支持部材の基端領域を示す断面図。
図10図1の液体吐出装置が備える、供給ユニットと駆動機構の模式図。
図11】液体充填ルーチンを示すフローチャート。
図12】液体循環ルーチンを示すフローチャート。
図13】印刷ルーチンを示すフローチャート。
図14】加圧排出ルーチンを示すフローチャート。
図15】蓄圧排出ルーチンを示すフローチャート。
図16】微加圧排出ルーチンを示すフローチャート。
図17】ヘッド交換ルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、供給ユニット25および液体吐出装置11の実施形態を説明する。液体吐出装置11は、例えば、用紙のような媒体に液体の一例であるインクを吐出して印刷するインクジェット式のプリンターである。
【0008】
図面では、液体吐出装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、およびZ軸は、互いに直交する。使用者が液体吐出装置11の正面に向き合った場合に、Y軸は液体吐出装置11の奥行き方向を示し、X軸は液体吐出装置11の幅方向を示す。
【0009】
A.液体吐出装置の全体構成
図1に示すように、液体吐出装置11は、1以上の媒体収容部13と、スタッカー14と、操作部15と、を備えてもよい。各媒体収容部13は、例えば、1以上の媒体12を収容可能なカセットである。スタッカー14は、印刷された媒体12を受容するように配置される。操作部15は、例えば、液体吐出装置11を操作するためのタッチパネルである。タッチパネルは、液体吐出装置11の正面を向くように配置されてもよい。
【0010】
液体吐出装置11は、原稿の画像を読み取る画像読取部16と、画像読取部16に原稿を送る自動給送部17と、を備えてもよい。画像読取部16および自動給送部17は、例えば、スタッカー14の上方に配置される。
【0011】
液体吐出装置11は、液体吐出装置11で実行される各種動作を制御する制御部19を備える。制御部19は、1)コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、2)各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、3)それらの組み合わせ、を含む回路(circuitry)として構成し得る。プロセッサは、CPU並びに、RAMおよびROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリすなわちコンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。
【0012】
液体吐出装置11は、供給ユニット25を備える。供給ユニット25は、1以上の液体収容体24が着脱可能に装着される装着部28を備えてもよい。装着部28は、複数の液体収容体24にそれぞれ対応する複数のスロットを有してもよい。装着部28は、液体収容体24を挿入するための挿入口28oを有する。挿入口28oは、例えば液体吐出装置11の正面に向けて開口する。液体吐出装置11は、挿入口28oを覆う図示しないカバーを備えてもよい。このカバーは、挿入口28oを覆う位置と挿入口28oを開放する位置との間で移動可能であってもよい。
【0013】
挿入口28oは、例えば、液体吐出装置11の正面に開口するように配置される。この場合、液体収容体24は、挿入口28oを通じて、例えば、液体吐出装置11の正面からY軸に沿う方向に挿入される。
【0014】
複数の液体収容体24(24C,24M,24Y,24K)には、それぞれ、種類の異なる複数の液体、例えば色の異なるインクが収容されてもよい。例えば、液体収容体24C,24M,24Y,24Kには、それぞれ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインクが収容される。複数の液体収容体24は、互いに液体の収容量が異なってもよい。例えば、ブラックのインクを収容する液体収容体24Kは、他の液体収容体24C,24M,24Yよりも液体の収容量が多くてもよい。液体収容体24Kは、他の液体収容体24C,24M,24Yよりも幅、すなわちX軸に沿う長さが長くてもよい。
【0015】
B.液体収容体の構成
図2および図3に示すように、液体収容体24は、例えば、第1端壁142、上壁143、底壁144、第1側壁145、第2側壁146、および第2端壁147を有するカートリッジである。液体収容体24が液体吐出装置11に装着されるときには、第1端壁142から先に挿入され始める。
【0016】
図2に示すように、液体収容体24は、底壁144に、その液体収容体24の種類を識別するための識別部430を有してもよい。識別部430は、例えば、幅方向にならぶ複数の突部であってもよい。
【0017】
液体収容体24は、底壁144に、位置決め穴448を有してもよい。位置決め穴448は、底壁144に開口する凹部であってもよい。液体収容体24は、底壁144に開口する導出部30を有してもよい。液体収容体24に収容された液体は、導出部30を通じて液体収容体24から導出される。液体収容体24は、底壁144から下方に突出するリリース部241を有してもよい。リリース部241、位置決め穴448、および導出部30は、第2端壁147から第1端壁142に向けてこの順番に並んでいてもよい。
【0018】
図2に示すように、液体収容体24は、底壁144と第1端壁142とが交差する角を切り欠いた部分に回路基板150を有してもよい。回路基板150は、接続端子521と記憶媒体525とを有してもよい。記憶媒体525は、液体収容体24に関する情報、例えば、液体収容体24に収容される液体に関する情報を記憶してもよい。
【0019】
液体収容体24は、Y軸に沿って延びる2つの受け部447をそれぞれ第1側壁145および第2側壁146に有してもよい。各側壁145,146において、受け部447は、高さの異なる第1受け部447aおよび第2受け部447bを含んでもよい。第1受け部447aは、底壁144に沿って延びる溝であってもよい。第2受け部447bは、第1受け部447aより高い位置にあり、第1受け部447aよりもY軸に沿う長さが短い。第2受け部447bは回路基板150の近くに配置されてもよい。
【0020】
図3に示すように、液体収容体24は、第2端壁147に係合部497を有する。係合部497は、例えば、リリース部241の上方に配置されて、第2端壁147に開口する凹部である。係合部497は、第2端壁147の幅方向の中央に配置されてもよい。
【0021】
C.装着部の構成
図4の示すように、装着部28は、箱状のフレーム80と、支持部材90と、回動軸91と、液体導入部60とを備える。支持部材90、回動軸91、および液体導入部60は、フレーム80内に配置される。液体収容体24は、挿入口28oを通じてフレーム80内に挿入されて、フレーム80の奥に向けて移動する。このときの液体収容体24の移動方向、すなわち装着部28への挿入方向は、Y軸に沿う。
【0022】
支持部材90は、鉛直線(Z軸)と交差する直線状の案内経路82(図4に白抜き矢印で示す)に沿って延びる。案内経路82は移動方向(Y軸)に沿って延びる。支持部材90は、案内経路82の始端が位置する先端領域と、案内経路82の終端が位置する基端領域とを有する。支持部材90の基端領域および回動軸91は、フレーム80の内奥、すなわち挿入口28oから離れた位置に配置される。支持部材90は、底板90aと、2つのサイドリブ90bとを有してもよい。2つのサイドリブ90bは、幅方向において底板90aの両端にそれぞれ配置される。
【0023】
回動軸91は、鉛直線(Z軸)および案内経路82(Y軸)の双方と交差する軸線を有して支持部材90の基端領域に配置される。回動軸91の軸線はX軸に沿って延びる。支持部材90は、液体収容体24を案内経路82に沿って案内する案内位置(図4に一点鎖線で示す)と、液体収容体24が液体導入部60に接続される接続位置(図4に二点鎖線で示す)と、の間で、回動軸91を中心に回動するように構成される。
【0024】
液体導入部60は、支持部材90の下方に配置されている。支持部材90が接続位置に配置されると、液体導入部60が液体収容体24に接続する。液体導入部60は案内経路82(水平)に対して傾斜した姿勢で配置されていてもよい。より詳細には、液体導入部60は、その先端(上端)が基端(下端)よりも挿入口28oの近くに配置されるように、傾斜してもよい。例えば、液体導入部60は、その中心線が鉛直線(Z軸)に対して0°より大きく15°以下の範囲の角度をなしてもよい。
【0025】
支持部材90は、液体収容体24の移動を案内する1以上の案内部247を有してもよい。案内部247は、例えば、対をなすサイドリブ90bに配置される1対のガイドレールであってもよいし、底板90aに配置される1本のガイドレールであってもよい。
【0026】
案内部247は、第1受け部447aおよび第2受け部447bにそれぞれ係合するように配置された第1案内部247aおよび第2案内部247bを有してもよい。案内部247a,247bは、例えば、支持部材90の長手方向に延びる突部であってもよい。第2案内部247bは、第1案内部247aより高い位置にあり、第1案内部247aよりも長手方向に沿う長さが短い。第2案内部247bは第1案内部247aより回動軸91の近くに配置されてもよい。第1案内部247aは、液体収容体24の移動方向において、液体導入部60と対応する位置に配置してもよい(図7参照)。
【0027】
装着部28は、支持部材90を接続位置から案内位置に向けて付勢する第1付勢部材83を備えてもよい。第1付勢部材83は、例えば、コイルばねである。液体収容体24が装着部28内にない初期状態では、支持部材90は第1付勢部材83に付勢されることにより案内位置に配置される。
【0028】
図5に示すように、装着部28は、液体導入部60の近くに、上方に向けて突出する位置決め突部248を有してもよい。液体収容体24は、位置決め穴448が位置決め突部248に係合することにより、位置決めされる。位置決め突部248は、液体導入部60と同じ角度で傾斜していてもよい。底板90aは、位置決め突部248および液体導入部60の上方にあたる部分が切り欠かれている(図7参照)。
【0029】
図5および図6に示すように、装着部28は、支持部材90の先端と向き合うように配置された係合レバー84を備えてもよい。係合レバー84、位置決め突部248、および液体導入部60は、Y軸に沿ってこの順に並んでもよい。係合レバー84は、フレーム80に固定された基端(下端)と、先端(上端)とを有してもよい。装着部28は、係合レバー84の先端を支持部材90に向けて付勢する第2付勢部材85を備えてもよい。
【0030】
係合レバー84は、支持部材90が接続位置にあるときに、支持部材90に支持された液体収容体24に係合するように配置される。係合レバー84は、先端から斜め下に延びる第1傾斜面86と、第1傾斜面86の下端から斜め下に延びる第2傾斜面87とを有してもよい。第1傾斜面86および第2傾斜面87は、支持部材90に向けて突出する突起を画定している。
【0031】
第1傾斜面86は、支持部材90が案内位置(図5に示す位置)から接続位置(図6に示す位置)に向かう回動経路に沿って回動するときに、液体収容体24に係合する。第2傾斜面87は、支持部材90が接続位置にあるときと、支持部材90が接続位置から案内位置に向けて回動するときに、液体収容体24に係合する。
【0032】
図7及び図8に示すように、装着部28は、支持部材90の回動を制限するロック位置(図7に示す位置)と、支持部材90の回動を許容する解除位置(図8に示す位置)との間で変位可能なロックレバー92を備えてもよい。ロックレバー92は、例えば、液体収容体24の移動方向において、係合レバー84(図5参照)と位置決め突部248との間に配置されてもよい。ロックレバー92は、液体収容体24が案内経路82の終端に到達するときにリリース部241に係合することにより、ロック位置から解除位置へ変位するように構成される。
【0033】
支持部材90は、その先端から下方に延びる延設部93を有する。延設部93は、その先端に、幅方向に延びるストッパー98を有する。ロックレバー92は延設部93に、軸94を中心に回動可能に支持されている。
【0034】
ロックレバー92は、軸94から上方に延びる第1アーム95と、軸94から下方に延びる第2アーム96と、軸94から斜め下に延びる第3アーム97とを備える。第3アーム97は、第2アーム96より装着部28の奥側に配置される。装着部28は、第1アーム95の先端を装着部28の外側に向けて付勢する第3付勢部材99を有してもよい。第3付勢部材99は、例えば板ばねである。
【0035】
フレーム80は、第3アーム97より装着部28の奥において幅方向に延びるロックバー81を有する。図7に示すロック位置において、第3付勢部材99に付勢された第1アーム95は、軸94を中心に図7では時計方向に付勢されるが、第3アーム97がストッパー98に接触することにより、それ以上の回動が制限される。このとき、第3アーム97の真下には、ロックバー81がある。ロック位置において、第3アーム97の下端とロックバー81との間には、わずかな距離があってもよい。
【0036】
液体収容体24の先端(第1端壁142)が装着部28に挿入されるとき、ロックレバー92はロック位置にある。仮に、フレーム80内に入った液体収容体24が前下がりに傾くと、液体収容体24は底板90aにぶつかる。これにより、ロックレバー92を保持する支持部材90が下方に回動しようとすると、第3アーム97がロックバー81に接触する。これにより、支持部材90の回動が制限される。したがって、液体収容体24が案内経路の途中で前下がりに傾いて、液体導入部60に接触することが避けられる。
【0037】
図8に示すように、液体収容体24が移動経路の終端まで到達すると、リリース部241が第1アーム95を移動方向に押す。すると、ロックレバー92が第3付勢部材99の付勢力に抗して図8に矢印で示すように反時計回りに回動する。これにより、第3アーム97のロックバー81に対する係合が解除される。このとき、第3アーム97の真下にロックバー81は位置していない。そのため、支持部材90はロックレバー92とともに、接続位置への回動が許容される。
【0038】
図9に示すように、支持部材90は、基端領域に、1以上の電気接続部721と、コネクター739とを有してもよい。1以上の電気接続部721は、液体収容体24の接続端子521と電気的に接続されるように構成される。電気接続部721は、例えば、金属製の板であり、液体収容体24に向けて突出する先端を有する。電気接続部721は、先端に外力を受けた場合に弾性変形してもよい。コネクター739は、1以上の電気接続部721と電気的に接続されている。コネクター739は、図示しない配線を介して液体吐出装置11の制御部19(図1参照)と電気的に接続されている。
【0039】
装着部28は、電気接続部721およびコネクター739を保持する保持部材782と、付勢ばね780とを有してもよい。付勢ばね780は、支持部材90に係合する第1端(図9では左端)と、保持部材782に係合する第2端(図9では右端)とを有してもよい。
【0040】
支持部材90は、液体収容体24の識別部430と対応する形状を有する識別形状630を有してもよい。識別形状630は、案内経路の終端近く、例えば、電気接続部721の手前に配置してもよい。識別形状630は、液体収容体24が適切なスロットに挿入されたか否かを識別するために用いられる。識別形状630は、液体収容体24が収容する液体の種類(例えば、色)に応じて異なる形状を有するリブであってもよい。誤った液体収容体24が挿入されると、識別部430が識別形状630と嵌め合わないので、その挿入が阻止される。これにより、誤った種類の液体収容体24が装着される可能性を低減できる。
【0041】
装着部28は押出機構273を備えてもよい。押出機構273は、支持部材90に支持された液体収容体24を案内経路の始端に向けて付勢するように構成される。押出機構273は、例えば、1以上の第4付勢部材274と、押出部材275とを有する。1以上の第4付勢部材274は、例えば幅方向に並ぶ2つの第4付勢部材274を含んでもよい。第4付勢部材274は、例えばコイルばねである。第4付勢部材274は、支持部材90の基端領域に固定される第1端(図9では左端)と、押出部材275に固定される第2端(図9では右端)とを有してもよい。第4付勢部材274の付勢力は、接続端子521が電気接続部721から外れるまで液体収容体24を案内経路に沿って移動させるように、設定してもよい。
【0042】
図9に示すように、液体収容体24が案内経路の終端に到達するとき、液体収容体24が押出部材275を押す。これにより第4付勢部材274が圧縮されると、押出機構273は液体収容体24を案内経路の始端に向けて付勢する。
【0043】
液体収容体24が案内経路の終端に到達するとき、液体収容体24の接続端子521が電気接続部721を押す。これにより付勢ばね780が圧縮される。圧縮された付勢ばね780の液体収容体24に対する付勢力をFaで示す。この付勢力Faにより、電気接続部721は回路基板150に押し当てられる。その結果、電気接続部721は接続端子521との接触が良好に維持される。さらに、電気接続部721自体が弾性変形することにより、電気接続部721は接続端子521と適切な圧力で接触する。
【0044】
D.供給ユニットの構成
図4に示すように、供給ユニット25は、支持部材90の下方に配置される第1貯留部33を備えてもよい。液体導入部60は第1貯留部33から上方に突出している。液体導入部60が液体収容体24に接続すると、液体収容体24内の液体が液体導入部60を通じて第1貯留部33内に導入されて、第1貯留部33内に一時的に貯留される。供給ユニット25は、第1貯留部33内を大気に開放するように構成された大気開放路50を備えてもよい。大気開放路50は第1貯留部33の上部に配置されてもよい。
【0045】
供給ユニット25は、支持部材の下方に配置される第2貯留部35と、連通路34と、連通路34を閉鎖可能な一方向弁36とを備えてもよい。連通路34は、第1貯留部33に連通する上流端と、第2貯留部35に連通する下流端とを有する。第2貯留部35は、連通路34を通じて第1貯留部33と連通している。第1貯留部33内の液体は、連通路34を通じて第2貯留部35に流入する。
【0046】
一方向弁36は、連通路34を開閉するように、第1貯留部33と第2貯留部35との間に配置されている。一方向弁36は、連通路34と第1貯留部33との間に配置されてもよい。一方向弁36は、第1貯留部33から第2貯留部35への液体の流れを許容し、第2貯留部35から第1貯留部33への液体の流れを制限するように構成されてもよい。一方向弁36は、制御により開閉される開閉弁であってもよい。
【0047】
E.供給ユニットおよび駆動機構の構成
図10に示すように、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23と、供給ユニット25から液体吐出ヘッド23に液体を供給する供給流路37と、供給ユニット25を駆動する駆動機構26と、を備える。液体吐出ヘッド23は、1以上のノズル22と、これらノズル22が開口するノズル面21とを有する。供給ユニット25は、液体収容体24に収容される液体を、第1貯留部33、連通路34、第2貯留部35、および供給流路37を通じて、液体吐出ヘッド23に供給するように構成される。液体吐出ヘッド23は、供給された液体をノズル22から吐出するように構成される。
【0048】
液体吐出装置11は、異なる色に対応する複数の供給ユニット25を備えれば、複数色のインクを吐出してカラー印刷を行うことができる。1つの駆動機構26は、複数の供給ユニット25をまとめて駆動してもよい。液体吐出装置11は、複数の供給ユニット25を個別に駆動する複数の駆動機構26を備えてもよい。
【0049】
液体吐出ヘッド23は、液体吐出装置11の本体に対して着脱可能に設けられてもよい。液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平に対して傾斜する傾斜姿勢となるように配置されてもよい。液体吐出ヘッド23は、傾斜姿勢で媒体12に対して液体を吐出することで印刷を実行してもよい。液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に亘って設けられるラインタイプであってもよい。液体吐出ヘッド23は、媒体12の幅方向に移動しながら印刷を行うシリアルタイプであってもよい。
【0050】
液体収容体24は、液体を収容する収容室29を備えてもよい。収容室29に収容される液体は、導出部30を通じて導出される。導出部30は、導出バルブ31を有してもよい。収容室29は、例えば、大気と連通していない密閉空間である。装着部28に装着される前の液体収容体24は、供給ユニット25が保持可能な液体の量より多い量の液体を収容してもよい。
【0051】
供給ユニット25は、供給流路37を閉鎖可能な供給バルブ38と、回収流路39と、回収流路39を開閉可能な循環バルブ40と、液室41と、を備えてもよい。液室41は、回収流路39の途中に配置される。回収流路39は、液体吐出ヘッド23に接続される上流端と、第1貯留部33に接続される下流端とを有する。回収流路39は、液体吐出ヘッド23内の液体を供給ユニット25内に向けて流動させるための流路である。
【0052】
液室41は、回収流路39の途中、すなわち、液体吐出ヘッド23と循環バルブ40との間に配置される。液室41の一部は可撓性部材42によって画定される。可撓性部材42が撓み変形することにより、液室41の容積が変化する。
【0053】
液体吐出ヘッド23は、回収流路39が接続される第1接続部44と、供給流路37が接続される第2接続部45と、を有してもよい。回収流路39は、第1接続部44に接続される上流端と、第1貯留部33に接続される下流端とを有する。供給流路37は、第2貯留部35に接続される上流端と、第2接続部45に接続される下流端とを有する。液体吐出ヘッド23が傾斜姿勢のときに、第1接続部44は第2接続部45よりも高い位置に配置されてもよい。
【0054】
駆動機構26は、第2貯留部35内を加圧する加圧部47を備える。駆動機構26は、加圧部47に接続される切替機構48と、圧力を検出する圧力センサー49と、を備えてもよい。駆動機構26は、第1貯留部33に接続される大気開放路50と、第2貯留部35に接続される加圧流路51と、大気開放路50および加圧流路51を加圧部47に接続する接続流路52と、を備えてもよい。駆動機構26は、液室41と可撓性部材42を介して隔てられた空気室53と、空気室53内に設けられるばね54と、空気室53に接続される空気流路55と、を備えてもよい。ばね54は、可撓性部材42を押すことで、回収流路39および液体吐出ヘッド23内の液体の圧力変動を低減する。
【0055】
加圧部47は、例えばローラーおよびチューブを有するチューブポンプである。この場合、ローラーがチューブを押し潰しながら回転することによって、空気を送り出す。加圧部47が有する図示しないチューブは、空気流路55に接続される第1端と、接続流路52に接続される第2端とを有する。加圧部47は、正転駆動した場合に空気流路55から取り入れた空気を接続流路52に送り出す。加圧部47は、逆転駆動した場合に接続流路52から取り入れた空気を空気流路55に送り出す。
【0056】
供給ユニット25は供給流路37内の液体を加圧するように構成された加圧機構57を備えてもよい。加圧機構57は、例えば、加圧部47と、空気室53と、空気流路55と、を含む。供給ユニット25は、回収流路39の途中であって、液体吐出ヘッド23と循環バルブ40との間に配置された微加圧部58を備えてもよい。微加圧部58は、加圧機構57および液室41を含んで、回収流路39内の液体を加圧するように構成される。より詳細には、加圧機構57は、可撓性部材42を液室41の外側から加圧する。
【0057】
次に、第1貯留部33について説明する。
第1貯留部33は、液体導入部60と、第1貯留室62と、液量センサー63と、第1気液分離膜64と、を有してもよい。液体導入部60は導入バルブ61を有してもよい。液量センサー63は、第1貯留室62に貯留された液体の量を検出する。第1気液分離膜64は、第1貯留室62と大気開放路50とを隔てる。第1気液分離膜64は、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する。
【0058】
液体収容体24の装着が完了すると、導出バルブ31と導入バルブ61とが開弁する。液体収容体24が装着部28に装着されている間は、バルブ31,61は開弁した状態が維持される。液体収容体24が装着部28に装着されるとき、導入バルブ61が導出バルブ31より先に開弁してもよい。そうすると、液体収容体24から液体が漏れにくくなる。
【0059】
液体導入部60は、第1貯留部33の上部に配置される。液体導入部60は、例えば、第1貯留室62の天井65を貫通している。液体導入部60の下端は、第1貯留室62の中で配置されて、天井65よりも下方に位置する。液体導入部60の上端は、第1貯留室62の外に配置されて、天井65よりも上方に位置する。
【0060】
液体導入部60の下端は、ノズル面21よりも下方に位置する。そのため、第1貯留部33内に貯留される液体の第1液面66は、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。具体的には、液体収容体24内の液体は、第1貯留部33内の液体との水頭差により、導出部30および液体導入部60を介して第1貯留部33に流入する。
【0061】
このとき、第1貯留部33に流入した液体の量に相当する量の空気が、液体導入部60および導出部30を介して、第1貯留部33から液体収容体24に流動する。同時に、第1液面66は、流入した液体の分だけ上昇する。第1液面66が液体導入部60の下端に達すると、第1貯留部33から液体収容体24への空気の流入が止まる。収容室29は密閉されているため、空気の流入が止まると、流入した液体の分だけ収容室29内の圧力は低下する。収容室29内の負圧が、収容室29内の液体の水頭より大きくなると、液体収容体24から第1貯留部33への液体の流入が止まる。
【0062】
第1貯留部33から第2貯留部35に液体が流動すると、第1液面66は下降する。このとき、液体導入部60および導出部30を介して収容室29に空気が流入して、収容室29内の負圧が小さくなる。収容室29内の負圧が収容室29内の液体の水頭より小さくなると、液体収容体24内の液体が第1貯留部33内に流入する。その結果、液体収容体24内に液体がある間、第1液面66は、液体導入部60の下端付近の位置である標準位置に維持される。液体収容体24内の液体がなくなると、第1液面66は、標準位置より下に下がる。
【0063】
液量センサー63は、第1液面66が標準位置に位置すること、第1液面66が標準位置より下方に位置すること、および、第1液面66が満杯位置に位置すること、を検知してもよい。満杯位置は、標準位置より上方の位置である。第1液面66が満杯位置に位置するとき、第1貯留部33は、最大量の液体を貯留している。制御部19は、第1液面66が標準位置より下方に位置することを液量センサー63が検出した場合に、液体収容体24が空になったと判断し、液体収容体24の交換をユーザーに指示してもよい。
【0064】
標準位置は、例えば、第1貯留室62において、回収流路39の下流端より上方に設定される。この場合、第1液面66が標準位置にあるとき、第1貯留部33内の液体は、回収流路39を通じて液体吐出ヘッド23内に流動することができる。
【0065】
次に、第2貯留部35について説明する。
第2貯留部35は、第2貯留室68と、第2貯留室68と加圧流路51とを隔てる第2気液分離膜69と、を有してもよい。第2気液分離膜69は、第1気液分離膜64と同様、気体を通過させる一方で液体を通過させない性質を有する。
【0066】
第1貯留部33内の液体は、第2貯留部35内の液体との水頭差によって、第2貯留部35内に流動する。第1貯留室62内、および第2貯留室68内の圧力が大気圧の場合、第2貯留部35内に貯留された液体の第2液面70は、第1液面66と同じ高さになる。換言すると、第2液面70は、液体導入部60の下端とほぼ同じ高さである標準位置に維持され、ノズル面21よりも低い範囲で変動する。液体吐出ヘッド23内の液体は、第1貯留部33内の液体および第2貯留部35内の液体との水頭差によって負圧に維持される。液体吐出ヘッド23で液体が消費されると、第2貯留部35内に貯留された液体が液体吐出ヘッド23に供給される。
【0067】
一方向弁36は、第2貯留部35内の圧力が第1貯留部33内の圧力より大きい場合に連通路34を閉鎖する。そのため、加圧部47が第2貯留部35内を加圧した時に、一方向弁36は連通路34を閉塞する。
【0068】
制御部19(図1参照)は、供給バルブ38および循環バルブ40の開閉動作を制御する。供給バルブ38は、加圧部47による加圧時に供給流路37を開閉可能である。循環バルブ40は、回収流路39を開閉可能である。
【0069】
次に、切替機構48について説明する。
切替機構48は、接続流路52の一部である細管部72と、第1選択弁73a~第11選択弁73kと、を備える。細管部72は、空気の流動に対し、液体の流動が大きく制限される程度に細く、且つ蛇行した管である。
【0070】
第1選択弁73aが開弁すると、空気流路55が大気に連通する。第2選択弁73bが開弁すると、空気流路55が圧力センサー49と連通する。第3選択弁73cが開弁すると、空気流路55が開いて、加圧部47が空気室53と連通する。
【0071】
第4選択弁73dが開弁すると、加圧部47と第8選択弁73hとの間の接続流路52が大気に連通する。第5選択弁73eが開弁すると、接続流路52が圧力センサー49と連通する。第6選択弁73fおよび第7選択弁73gが開弁すると、接続流路52が大気に連通する。第8選択弁73hが開弁すると、接続流路52が開く。第9選択弁73iが開弁すると、細管部72が大気と連通する。第10選択弁73jが開弁すると、大気開放路50が開いて、第1貯留部33が接続流路52と連通する。第11選択弁73kが開弁すると、加圧流路51が開いて、第2貯留部35が接続流路52と連通する。
【0072】
空気室53内の圧力を変更する場合、切替機構48は、第2選択弁73b~第4選択弁73dを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空気室53内の空気は、空気流路55および接続流路52を通じて排出され、空気室53内の圧力が低下する。この状態で加圧部47が逆転駆動すると、接続流路52および空気流路55を通じて空気室53に空気が送り込まれ、空気室53内の圧力は上昇する。このとき、圧力センサー49は、空気流路55および空気室53内の圧力を検出してもよい。制御部19(図1参照)は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
【0073】
第1貯留部33を大気開放する場合、切替機構48は、第6選択弁73fおよび第10選択弁73jを開弁する。第1貯留室62は、大気開放路50および接続流路52を通じて大気に連通する。
【0074】
第2貯留部35を大気開放する場合、切替機構48は、第7選択弁73gおよび第11選択弁73kを開弁する。第2貯留室68は、加圧流路51および接続流路52を通じて大気に連通する。
【0075】
第2貯留部35内を加圧する場合、切替機構48は、第1選択弁73a、第5選択弁73e、第8選択弁73h、および第11選択弁73kを開弁し、その他の選択弁を閉弁する。この状態で加圧部47が正転駆動すると、空気流路55、接続流路52、および加圧流路51を通じて第2貯留室68内に空気が流入し、第2貯留室68内の圧力は上昇する。このとき圧力センサー49は、接続流路52、加圧流路51、および第2貯留室68内の圧力を検出してもよい。制御部19は、圧力センサー49の検出結果に基づいて加圧部47の駆動を制御してもよい。
【0076】
F.供給ユニットの作用
液体収容体24を供給ユニット25に装着する場合の作用を説明する。
図4に示すように、液体収容体24は、挿入口28oからフレーム80内に挿入される。フレーム80内で液体収容体24の第1受け部447aが第1案内部247aに係合すると、液体収容体24は第1案内部247aに案内されることにより、Y軸に沿う案内経路82に沿って水平に移動する。このとき、液体収容体24の幅方向への移動は、幅方向に並ぶ2つの第1案内部247aによって制限される。また、案内経路の途中において、液体収容体24の上方への移動はフレーム80によって制限され、液体収容体24の下方への移動はロックレバー92(図7参照)によって制限される。
【0077】
液体収容体24が案内経路82の終端近くに至ると、第2受け部447bが第2案内部247bに係合する。鉛直方向において、電気接続部721は第1案内部247aと第2案内部247bとの間に配置されてもよい。この場合、接続端子521が電気接続部721に向けて鉛直方向において適切に位置決めされる。電気接続部721の近くに配置された識別形状630によって、液体収容体24の幅方向における位置決めをすることもできる。
【0078】
液体収容体24が案内経路82の終端に到達すると、接続端子521が電気接続部721と接触する。これにより、回路基板150と制御部19(図1参照)との間でデータ通信が可能になる。このとき、液体収容体24の第2端壁147はフレーム80の外に露出しているか、フレーム80の外から操作可能な位置にある。
【0079】
続いて、作業者が液体収容体24を第4付勢部材274の付勢力に抗して挿入方向に押しつつ、液体収容体24の後端(図4では右端)を下方に押す。すると、支持部材90が第1付勢部材83の付勢力に抗して、回動軸91を中心に図4における時計方向に回動する。液体収容体24が回動する過程では、まず、位置決め穴448(図2参照)に位置決め突部248が入り、続いて、導出部30が液体導入部60に接続される。
【0080】
このとき、付勢ばね780(図9参照)が伸縮することで、接続端子521と電気接続部721との接続を維持しつつ、Y軸に沿う液体収容体24の微少な変位が許容される。位置決め突部248は、液体導入部60の近くに配置されていて、かつ、液体導入部60と同じ角度で傾斜しているので、導出部30は液体導入部60に向けて適切に案内される。
【0081】
支持部材90が接続位置に回動する過程で、支持部材90に支持された液体収容体24が係合レバー84の第1傾斜面86に接触する。液体収容体24に押された係合レバー84の上端は、第2付勢部材85の付勢力に抗して、支持部材90の回動経路から外側(図5では右側)に外れるように変位する。係合レバー84の突起が液体収容体24の係合部497に係合すると、支持部材90は第2付勢部材85の付勢力により、接続位置に留まる。これにより、液体収容体24の装着が完了する。
【0082】
図6に示すように、液体収容体24の装着が完了すると、導出部30が液体導入部60に接続される。液体収容体24は液体導入部60の上方に配置されるので、水頭差により、液体収容体24内の液体が液体導入部60を通じて第1貯留部33内に導入される。
【0083】
次に、液体収容体24を供給ユニット25から取り外す場合の作用を説明する。
液体収容体24を装着部28から取り外す場合には、液体収容体24の後端(図4では右端)を第2付勢部材85の付勢力に抗して、上方に引き上げる。このとき、係合部497が第2傾斜面87に係合するので、支持部材90は液体収容体24とともに滑らかに回動する。係合レバー84の突起が係合部497から外れると、支持部材90が第1付勢部材83の付勢力により、回動軸91を中心に接続位置から案内位置まで回動する。
【0084】
支持部材90が接続位置から案内位置に回動する過程で、導出部30が液体導入部60から離れ、位置決め穴448から位置決め突部248が抜ける。また、支持部材90が案内位置に到達すると、液体収容体24が第4付勢部材274の付勢力により、案内経路の始端に向けて押し出される。このとき、液体収容体24は第1案内部247aおよび第2案内部247bに案内されるので、接続端子521は拗れることなく、電気接続部721から速やかに離れる。同時に、リリース部241が第1アーム95から離れ、第3付勢部材99に付勢されたロックレバー92がロック位置に戻る。
【0085】
その後、作業者が液体収容体24をフレーム80の外に向けて引っ張ると、液体収容体24は第1案内部247aに案内される。このとき、支持部材90の回動はロックレバー92によって制限されるので、液体収容体24は液体導入部60に接触することなく、Y軸に沿って水平に移動する。
【0086】
G.液体吐出装置の制御方法
図11図17に示すフローチャートを参照し、液体吐出装置11の制御方法について説明する。ここで、各制御方法のステップ順は、各制御方法の目的から逸脱しない範囲で任意に入れ替え可能である。
【0087】
図11に示す液体充填ルーチンは、液体収容体24が最初に装着部28に装着されたタイミングで実行されてもよい。液体充填ルーチンは、液体吐出ヘッド23が交換された後、液体収容体24が装着部28に装着されたタイミングで実行されてもよい。初期状態では、供給バルブ38、循環バルブ40、および切替機構48が有する全ての選択弁は閉弁している。
【0088】
ステップS101において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS102において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS103において、制御部19は、第1液面66が標準位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が標準位置に位置しない場合、ステップS103がNOになり、制御部19は、第1液面66が標準位置に位置するまで待機する。第1液面66が標準位置に位置すると、ステップS103がYESになり、制御部19は、処理をステップS104に移行する。
【0089】
ステップS104において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS105において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させる。ステップS106において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
【0090】
ステップS107において、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が満杯位置に位置しない場合、ステップS107がNOになり、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するまで待機する。第1液面66が満杯位置に位置すると、ステップS107がYESになり、制御部19は、処理をステップS108に移行する。
【0091】
ステップS108において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁する。ステップS109において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁してから充填時間が経過したか否かを判断する。充填時間とは、供給流路37からノズル22まで液体を充填するために必要な時間である。充填時間が経過していない場合、ステップS109がNOになり、制御部19は、充填時間が経過するまで待機する。充填時間が経過すると、ステップS109がYESになり、制御部19は、処理をステップS110に移行する。ステップS110において、制御部19は、加圧部47の駆動を停止させる。ステップS111において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、液体充填ルーチンを終了する。
【0092】
ここで、ステップS104およびステップS105はそれぞれ、ステップS106と同時、またはステップS106の後に行ってもよい。また、ステップS110はステップS111と同時、またはステップS111の後に行ってもよい。
【0093】
次に、液体充填を行う場合の作用について説明する。
装着部28に液体収容体24が装着され、第1貯留部33が大気開放されると、液体収容体24から第1貯留部33に液体が供給される。このとき第2貯留部35も大気開放されているため、第1貯留部33に供給された液体は、第2貯留部35にも流入する。第1液面66と第2液面70は、標準位置まで上昇する。
【0094】
液量センサー63により第1液面66が標準位置に位置することが検出されると、制御部19は供給バルブ38および循環バルブ40を開弁させると共に、加圧部47を駆動する。一方向弁36は、第2貯留部35の圧力が第1貯留部33の圧力より高い場合は閉弁し、連通路34を閉鎖する。そのため、第2貯留部35内の液体は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、および回収流路39を介して第1貯留部33に流入する。
【0095】
液量センサー63により第1液面66が満杯位置に位置することが検出されると、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。これにより、第1貯留部33への液体の流入が止まる。第2貯留部35内の液体は、液体吐出ヘッド23内に充填されると共に、ノズル22から排出される。
【0096】
液体吐出ヘッド23に液体が充填されると、制御部19は、第2貯留部35を大気開放する。これにより、一方向弁36は開弁し、連通路34を開放する。第1貯留部33内の液体は、連通路34を介して第2貯留部35に供給される。制御部19は、供給バルブ38を閉弁させてもよい。
【0097】
図12に示す液体循環ルーチンは、液体循環の実行が指示されたタイミングで実行されてもよい。液体循環は、例えば、液体充填が実行された後であって、印刷などが行われない待機中に実行が指示される。制御部19は、液体循環ルーチンを定期的に実行してもよい。
【0098】
ステップS201において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS202において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させる。ステップS203において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS204において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
【0099】
ステップS205において、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するか否かを判断する。第1液面66が満杯位置に位置しない場合、ステップS205がNOになり、制御部19は、第1液面66が満杯位置に位置するまで待機する。第1液面66が満杯位置に位置すると、ステップS205がYESになり、制御部19は、処理をステップS206に移行する。ステップS206において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS207において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、液体循環ルーチンを終了する。
【0100】
ここで、ステップS201およびステップS202はそれぞれ、ステップS203と同時、またはステップS203の後に行ってもよいし、ステップS204と同時、またはステップS204の後に行ってもよい。また、ステップS206はステップS207と同時、またはステップS207の後に行ってもよい。
【0101】
次に、液体循環を行う場合の作用について説明する。
制御部19は、供給バルブ38を開弁させ、供給バルブ38により供給流路37を開放する。制御部19は、循環バルブ40を開弁させ、循環バルブ40により回収流路39を開放する。
【0102】
液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35から第1貯留部33まで液体吐出ヘッド23を通じて液体を流動させる。このとき、第2貯留部35の圧力は、第1貯留部33の圧力より高くなる。そのため、一方向弁36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35内を加圧することで、一方向弁36により連通路34を閉鎖する。
【0103】
図13に示す印刷ルーチンは、印刷が指示されたタイミングで実行されてもよい。
ステップS301において、制御部19は、第1貯留部33を大気開放させる。ステップS302において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS303において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。
【0104】
ステップS304において、制御部19は、印刷に伴ってノズル22から液体を吐出させることにより生じる液体の吐出流量が閾値以上であるか否かを判断する。制御部19は、吐出流量を印刷データから算出してもよい。吐出流量が閾値以上の場合、ステップS304がYESになり、制御部19は、処理をステップS305に移行する。ステップS305において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させる。
【0105】
ステップS304において、吐出流量が閾値よりも少ない場合、ステップS304がNOになり、制御部19は、処理をステップS306に移行する。ステップS306において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。ステップS307において、制御部19は、印刷を実行させ、印刷ルーチンを終了する。
【0106】
ここで、ステップS301とステップS302はそれぞれ、ステップS303と同時またはステップS303の後に行ってもよいし、ステップS305と同時またはステップS305の後に行ってもよいし、ステップS306と同時またはステップS306の後に行ってもよい。
【0107】
次に、印刷ルーチンを実行する場合の作用について説明する。
液体吐出ヘッド23が媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値よりも少ない場合には、制御部19は、供給バルブ38を開弁させると共に、循環バルブ40を閉弁させる。すなわち、制御部19は、供給バルブ38により供給流路37を開放するとともに循環バルブ40により回収流路39を閉鎖した状態で印刷を実行する。そのため、液体吐出ヘッド23には、第2貯留部35から供給流路37を介して液体が供給される。
【0108】
液体吐出ヘッド23が媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値以上である場合には、制御部19は、供給バルブ38および循環バルブ40を開弁させる。すなわち、制御部19は、供給バルブ38により供給流路37を開放するとともに循環バルブ40により回収流路39を開放した状態で印刷を実行する。そのため、液体吐出ヘッド23には、第2貯留部35から供給流路37を介して液体が供給されると共に、第1貯留部33からも回収流路39を介して液体が供給される。
【0109】
図14に示す加圧排出ルーチンは、加圧排出の実行が指示された場合、ノズル22から液体を正常に吐出することができない吐出不良が生じた場合などに実行される。
ステップS401において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS402において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。ステップS403において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS404において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧してから加圧排出時間が経過したか否かを判断する。加圧排出時間は、第2貯留部35を加圧する圧力が供給流路37を介してノズル22まで伝わり、ノズル22から液体を排出させてノズル22の状態を回復させるために必要な時間である。
【0110】
加圧排出時間が経過するまでは、ステップS404がNOになり、制御部19は、加圧排出時間が経過するまで待機する。加圧排出時間が経過すると、ステップS404がYESになり、制御部19は、処理をステップS405に移行する。ステップS405において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS406において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、加圧排出ルーチンを終了する。
【0111】
ここで、ステップS401およびステップS402はそれぞれ、ステップS403と同時、またはステップS403の後に行ってもよい。また、ステップS405は、ステップS406と同時、またはステップS406の後に行ってもよい。
【0112】
次に、加圧排出を行う場合の作用について説明する。
液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧してノズル22から液体を排出する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、一方向弁36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、一方向弁36により連通路34を閉鎖する。
【0113】
第2貯留部35内を加圧してから加圧排出時間が経過すると、制御部19は、供給バルブ38を閉弁する。これによりノズル22からの液体の排出が停止される。第2貯留部35が大気開放されると、一方向弁36は開弁し、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給される。
【0114】
図15に示す蓄圧排出ルーチンは、蓄圧排出の実行が指示された場合、加圧排出を実行しても吐出不良が改善しない場合などに実行されてもよい。
ステップS501において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS502において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。ステップS503において、制御部19は、蓄圧排出のうち、第1蓄圧排出の実行が指示されたか、第1蓄圧排出より蓄える圧力が小さい第2蓄圧排出の実行が指示されたかを判断する。第1蓄圧排出を実行する場合、ステップS503がYESになり、制御部19は、処理をステップS504に移行する。ステップS504において、制御部19は、蓄圧時間を第1の時間に設定する。
【0115】
ステップS503において、第2蓄圧排出を実行する場合、ステップS503がNOになり、制御部19は、処理をステップS505に移行する。ステップS505において、制御部19は、蓄圧時間を第1の時間よりも短い第2の時間に設定する。
【0116】
ステップS506において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS507において、制御部19は、第2貯留部35内の加圧を開始させてから蓄圧時間が経過したか否かを判断する。蓄圧時間が経過していない場合、ステップS507がNOになり、制御部19は、蓄圧時間が経過するまで待機する。蓄圧時間が経過すると、ステップS507がYESになり、制御部19は、処理をステップS508に移行する。
【0117】
ステップS508において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS509において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させてから蓄圧排出時間が経過したか否かを判断する。蓄圧排出時間は、第2貯留部35に蓄えた圧力が供給流路37を介してノズル22まで伝わり、ノズル22から液体を排出させるために必要な時間である。
【0118】
蓄圧排出時間が経過するまでは、ステップS509がNOになり、制御部19は、蓄圧排出時間が経過するまで待機する。蓄圧排出時間が経過すると、ステップS509がYESになり、制御部19は、処理をステップS510に移行する。ステップS510において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS511において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させ、蓄圧排出ルーチンを終了する。
【0119】
ここで、ステップS501およびステップS502はそれぞれ、ステップS506の加圧開始と同時、またはステップS506の加圧を開始した直後に行ってもよい。また、ステップS510は、ステップS511と同時、またはステップS511の後に行ってもよい。また、ステップS510は行わなくてもよい。
【0120】
次に、蓄圧排出を行う場合の作用について説明する。
制御部19は、供給バルブ38を閉弁させ、供給バルブ38により供給流路37を閉鎖する。液体吐出装置11は、加圧部47により、第2貯留部35内を加圧する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、一方向弁36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、一方向弁36により連通路34を閉鎖する。
【0121】
液体吐出装置11は、加圧部47により、第2貯留部35内を加圧した後に供給バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2貯留部35に蓄えられる圧力の大きさは、連通路34および供給流路37を閉塞した状態で第2貯留部35内を加圧する時間に比例する。第1蓄圧排出は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する時間が第1の時間である。第2蓄圧排出は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する時間が第1の時間よりも短い第2の時間である。第1蓄圧排出で蓄えられる圧力は、第2蓄圧排出で蓄えられる圧力より大きい。すなわち、第1蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力で加圧されているときに供給バルブ38により供給流路37を開放する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力よりも低い第2の圧力で加圧されているときに供給バルブ38により供給流路37を開放する。
【0122】
第2貯留部35内を加圧してから蓄圧排出時間が経過すると、制御部19は、供給バルブ38を閉弁する。これによりノズル22からの液体の排出が停止される。第2貯留部35が大気開放されると、一方向弁36は開弁し、第1貯留部33から第2貯留部35に液体が供給される。
【0123】
図16に示す微加圧排出ルーチンは、微加圧排出の実行が指示された場合に実行されてもよい。
ステップS601において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS602において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させる。ステップS603において、制御部19は、空気室53を減圧させる。ステップS604において、制御部19は、空気室53を減圧させてから減圧時間が経過したか否かを判断する。減圧時間は、可撓性部材42を変形させ、液室41の容積を最大にするために必要な時間である。
【0124】
減圧時間が経過するまでは、ステップS604がNOになり、制御部19は、減圧時間が経過するまで待機する。減圧時間が経過すると、ステップS604がYESになり、制御部19は、処理をステップS605に移行する。ステップS605において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS606において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。ステップS607において、制御部19は、空気室53を加圧させる。
【0125】
ステップS608において、制御部19は、空気室53を加圧させてから微加圧時間が経過したか否かを判断する。微加圧時間は、空気室53を加圧する圧力が液室41および回収流路39を介してノズル22まで伝わるために必要な時間である。
【0126】
微加圧時間が経過するまでは、ステップS608がNOになり、制御部19は、微加圧時間が経過するまで待機する。微加圧時間が経過すると、ステップS608がYESになり、制御部19は、処理をステップS609に移行する。ステップS609において、制御部19は、空気室53を大気開放させ、微加圧排出ルーチンを終了する。
【0127】
ここで、ステップS601およびステップS602はそれぞれ、ステップS603と同時、またはステップS603の後に行ってもよい。また、ステップS605およびステップS606はそれぞれ、ステップS603の最中に行ってもよいし、ステップS603の終了と同時に行ってもよいし、ステップS603を終了した後に行ってもよい。また、ステップS605およびステップS606はそれぞれ、ステップS607と同時、またはステップS607の後に行ってもよい。
【0128】
次に、微加圧排出を行う場合の作用について説明する。
制御部19は、供給バルブ38および循環バルブ40を開弁することにより、供給流路37および回収流路39を開放する。制御部19は、空気室53を減圧し、可撓性部材42を変形させて液室41の容積を大きくする。液室41には、第1貯留部33から回収流路39を介して液体が流入すると共に、第2貯留部35から供給流路37および回収流路39を介して液体が流入する。
【0129】
液室41の容積が最大になると、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させ、供給バルブ38により供給流路37を閉鎖する。制御部19は、循環バルブ40を閉弁させ、循環バルブ40により回収流路39を閉鎖する。この状態で、液体吐出装置11は、加圧部47で空気室53に加圧空気を送ることにより可撓性部材42を加圧する。すなわち、液体吐出装置11は、加圧機構57により、可撓性部材42を加圧してノズル22から液体を排出する。加圧機構57は、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す圧力で液室41を加圧する。微加圧排出により液体吐出ヘッド23から排出される液体の量は、加圧排出により液体吐出ヘッド23から排出される液体の量より少ない。
【0130】
図17に示すヘッド交換ルーチンは、液体吐出ヘッド23の交換を行う場合に実行されてもよい。
ステップS701において、制御部19は、液体収容体24が装着部28から取り外されたか否かを判断する。液体収容体24が装着部28に装着されている場合、ステップS701がNOになり、制御部19は、液体収容体24が取り外されるまで待機する。液体収容体24が取り外されると、ステップS701がYESになり、制御部19は、処理をステップS702に移行する。
【0131】
ステップS702において、制御部19は、供給バルブ38を開弁させる。ステップS703において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。ステップS704において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。ステップS705において、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させてから第1排出時間が経過したか否かを判断する。第1排出時間は、第2貯留部35に貯留される液体を供給流路37および液体吐出ヘッド23を介して排出させるために必要な時間である。
【0132】
第1排出時間が経過するまでは、ステップS705がNOになり、制御部19は、第1排出時間が経過するまで待機する。第1排出時間が経過すると、ステップS705がYESになり、制御部19は、処理をステップS706に移行する。ステップS706において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させる。
【0133】
ステップS707において、制御部19は、循環バルブ40を開弁させてから第2排出時間が経過したか否かを判断する。第2排出時間は、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収するために必要な時間である。
【0134】
第2排出時間が経過するまでは、ステップS707がNOになり、制御部19は、第2排出時間が経過するまで待機する。第2排出時間が経過すると、ステップS707がYESになり、制御部19は、処理をステップS708に移行する。ステップS708において、制御部19は、供給バルブ38を閉弁させる。ステップS709において、制御部19は、循環バルブ40を閉弁させる。
【0135】
ステップS710において、制御部19は、第2貯留部35を大気開放させる。ステップS711において、制御部19は、液体吐出ヘッド23が交換されたか否かを判断する。液体吐出ヘッド23が交換されていない場合は、ステップS711がNOになり、制御部19は、液体吐出ヘッド23が交換されるまで待機する。液体吐出ヘッド23が交換されると、ステップS711がYESになり、制御部19は、ヘッド交換ルーチンを終了する。
【0136】
ここで、ステップS702およびステップS703はそれぞれ、ステップS704の加圧開始と同時、またはステップS704の加圧を開始した直後に行ってもよい。また、ステップS708およびステップS709はそれぞれ、ステップS710と同時、またはステップS710の後に行ってもよい。
【0137】
次に、ヘッド交換ルーチンについて説明する。
液体吐出ヘッド23の交換を行う場合、作業者は、ヘッド交換ルーチンを実行させると共に、装着部28から液体収容体24を取り外す。続いて、制御部19は、供給バルブ38を開弁させ、供給バルブ38により供給流路37を開放する。制御部19は、循環バルブ40を閉弁させ、循環バルブ40により回収流路39を閉鎖する。この状態で制御部19は、第2貯留部35内を加圧させる。
【0138】
具体的には、液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧して、第2貯留部35から液体吐出ヘッド23までの液体をノズル22から排出する。このとき、第2貯留部35の圧力は第1貯留部33の圧力より高くなるため、一方向弁36は閉弁する。すなわち、液体吐出装置11は、第2貯留部35を加圧することで、一方向弁36により連通路34を閉鎖する。
【0139】
第2貯留部35、供給流路37、および液体吐出ヘッド23内の液体が排出されると、制御部19は、循環バルブ40を開弁させ、循環バルブ40により回収流路39を開放する。すなわち、液体吐出装置11は、加圧部47により第2貯留部35内を加圧して、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収する。作業者は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、回収流路39から液体が抜かれた状態で、液体吐出ヘッド23を交換する。
【0140】
次に、液体吐出装置11およびその制御方法の作用について説明する。
第2貯留部35には、第1貯留部33に連通する連通路34と、液体吐出ヘッド23に連通する供給流路37と、が接続される。連通路34は、加圧部47が第2貯留部35内を加圧するとき、一方向弁36により閉鎖可能である。そのため、加圧された第2貯留部35内の液体は、供給流路37を介して液体吐出ヘッド23に供給される。したがって、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内の液体を加圧することでノズル22から液体を排出することができる。そのため、液体吐出ヘッド23がノズル22から液体を引き込むことに起因するノズル抜け、すなわち吐出不良が生じにくい。
【0141】
一方向弁36が連通路34を閉鎖すると共に、供給バルブ38が供給流路37を閉鎖した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、第2貯留部35に加圧力が蓄えられる。そのため、第2貯留部35内の圧力が高まった状態で供給バルブ38を開くことで、高い圧力を液体吐出ヘッド23に伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくなる。
【0142】
循環バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッド23から排出される。循環バルブ40が回収流路39を開放した状態で加圧部47が第2貯留部35内を加圧すると、液体吐出ヘッド23内の液体は回収流路39を通って第1貯留部33に回収される。したがって、例えば供給流路37内の気泡の状態、およびノズル22の状態などに合わせてメンテナンスを選択して行うことができる。
【0143】
循環バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧機構57が液室41を加圧すると、液体は、液体吐出ヘッド23から排出される。このとき排出される液体の量は、液室41の大きさによって決まる。そのため、加圧部47で第2貯留部35内を加圧する場合に比べ、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッド23に精度よく加えることができる。
【0144】
加圧機構57は、第2貯留部35内を加圧する加圧部47を含む。加圧部47は、空気流路55を介して空気室53を加圧することで可撓性部材42を押し、液室41を加圧する。そのため、加圧部47により第2貯留部35内の液体と、液室41内の液体と、を加圧することができる。
【0145】
回収流路39が接続される第1接続部44は、供給流路37が接続される第2接続部45より高い位置に配置される。液体吐出ヘッド23内の気泡は、浮力により高い位置に集まりやすいため、第2接続部45よりも第1接続部44に集まりやすい。そのため、液体吐出ヘッド23内の液体を回収流路39を介して第1貯留部33に回収することで、液体吐出ヘッド23から容易に気泡を排出できる。
【0146】
例えば、一方向弁36を駆動して連通路34を閉鎖させる場合、一方向弁36を駆動するための駆動源が必要になる。その点、一方向弁36は、逆止弁を有する。具体的には、一方向弁36は、水頭差によって第1貯留部33から第2貯留部35に供給される液体の流れは許容するのに対し、第2貯留部35内が加圧された場合に、第2貯留部35から第1貯留部33への液体の流れを制限する。そのため、一方向弁36は、駆動が不要であり、駆動源を削減することができる。
【0147】
液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平に対して傾斜する。そのため、液体吐出ヘッド23の配置の自由度を向上することができる。
加圧排出は、一方向弁36により連通路34を閉鎖し、加圧部47により第2貯留部35内を加圧する。加圧された第2貯留部35内の液体は、供給流路37を介して液体吐出ヘッド23に供給される。したがって、液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内の液体を加圧することでノズル22から液体を排出することができ、液体吐出ヘッド23がノズル22から液体を引き込む虞を低減できる。
【0148】
蓄圧排出は、一方向弁36が連通路34を閉鎖すると共に、供給バルブ38が供給流路37を閉鎖した状態で加圧部47により第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35に加圧力を蓄える。蓄圧排出は、第2貯留部35内を加圧した後に、供給バルブ38を開くため、蓄えられた高い圧力を液体吐出ヘッド23に伝えることができ、例えば増粘した液体などを排出しやすくできる。
【0149】
第1蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力で加圧されているときに供給バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内が第1の圧力より低い第2の圧力で加圧されているときに供給バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。そのため、例えば供給流路37の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路37に効率よく液体を充填できる。
【0150】
連通路34と供給流路37を閉鎖した状態での加圧部47の駆動は、駆動する時間が長いほど蓄えられる圧力が高くなる。その点、第1蓄圧排出は、第2貯留部35内を第1の時間加圧した後に供給バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。第2蓄圧排出は、第2貯留部35内を第1の時間より短い第2の時間加圧した後に供給バルブ38により供給流路37を開放してノズル22から液体を排出する。そのため、例えば供給流路37の構成に合わせて第1蓄圧排出と第2蓄圧排出とを組み合わせて行うことにより、供給流路37に効率よく液体を充填できる。
【0151】
液体循環を行うと、液体は、第2貯留部35から供給流路37、液体吐出ヘッド23、および回収流路39を経由して第1貯留部33に回収される。供給流路37内および液体吐出ヘッド23内の気泡は、液体と共に移動する。そのため、液体吐出ヘッド23から液体を排出させずに気泡を回収することができる。
【0152】
微加圧排出は、供給バルブ38が供給流路37を閉鎖すると共に、循環バルブ40が回収流路39を閉鎖した状態で加圧機構57により可撓性部材42を加圧することで、液室41内の液体を加圧し、液体吐出ヘッド23から液体を排出させる。このとき排出される液体の量は、液室41の大きさによって決まる。そのため、加圧部47で第2貯留部35内を加圧する場合に比べ、ノズル22に形成されるメニスカスを壊す程度の微加圧を液体吐出ヘッド23に精度よく加えることができる。
【0153】
微加圧排出は、加圧部47が空気流路55を介して空気室53を加圧し、可撓性部材42を加圧する。そのため、加圧部47により第2貯留部35内の液体と、液室41内の液体と、を加圧することができる。
【0154】
ヘッド交換ルーチンは、連通路34および回収流路39を閉鎖し、供給流路37を開放した状態で第2貯留部35内を加圧することで、第2貯留部35、供給流路37、および液体吐出ヘッド23内の液体をノズル22から排出する。その後、連通路34を閉鎖し、回収流路39および供給流路37を開放した状態で第2貯留部35内を加圧することで、回収流路39内の液体を第1貯留部33に回収する。したがって、液体吐出ヘッド23の交換は、供給流路37、液体吐出ヘッド23、および回収流路39から液体が排出された状態で行われるため、供給流路37、液体吐出ヘッド23、および回収流路39からの液体の垂れを抑制できる。
【0155】
媒体12に対して液体を吐出する際の吐出流量が閾値以上である場合、供給流路37および回収流路39を開放する。液体吐出ヘッド23には、供給流路37に加え、回収流路39からも液体が供給されるため、要求される量の液体を容易に供給できる。
【0156】
H.他の実施形態
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0157】
・液体吐出装置11は、ノズル面21を払拭する図示しない払拭部材を備えてもよい。液体吐出装置11は、ノズル22から液体を排出させた後、払拭部材によりノズル面21を払拭させてもよい。液体吐出装置11は、作業者に液体吐出ヘッド23を取り外させる前にノズル面21を払拭させてもよい。
【0158】
・制御部19は、一方向弁36の開閉を制御してもよい。制御部19は、第2貯留部35内を加圧する前に一方向弁36により連通路34を閉塞してもよい。
・第2蓄圧排出は、一方向弁36および供給バルブ38を閉弁した状態で第2貯留部35内を第1の時間加圧して第2貯留部35内の圧力を第1の圧力にしたあと、一方向弁36を開放して第2貯留部35内の圧力を第2の圧力にまで下げてから供給バルブ38を開放して行ってもよい。
【0159】
・微加圧排出は、ばね54により可撓性部材42を押すことで液室41内の液体を加圧してもよい。この場合、制御部19は、空気室53を減圧させて液室41の容積を増大させたあと、空気室53を大気開放させる。空気室53が大気圧になると、ばね54は、液室41内の液体を押し、液体吐出ヘッド23から液体を排出させる。ばね54で可撓性部材42を押す構成の場合には、ばね54が加圧機構57に含まれることになる。
【0160】
・液体吐出装置11は、吐出流量に関係なく循環バルブ40により回収流路39を開放した状態で印刷を実行してもよい。
・液体吐出ヘッド23は、複数のノズル22と個別に連通する複数の圧力室と、複数の圧力室が連通する共通液室と、フィルターが収容されるフィルター室と、を有してもよい。第1接続部44および第2接続部45は、圧力室、共通液室、およびフィルター室のうち、少なくとも1つに接続される。例えば、第1接続部44および第2接続部45をフィルター室に接続する場合、液体吐出装置11は、液体循環を行うことでフィルターに捕捉された気泡を液体と共に第1貯留部33に回収することができる。液体吐出装置11は、液体吐出ヘッド23内に気泡が生じた場合に、液体循環を行ってもよい。
【0161】
・液体吐出装置11の待機時および電源オフ時には、供給バルブ38および循環バルブ40は閉弁し、供給流路37および回収流路39を閉鎖してもよい。供給流路37および回収流路39を閉鎖することで、例えば液体吐出装置11に振動もしくは衝撃などが加わった場合でも、液体吐出ヘッド23から液体が漏れる虞を低減できる。
【0162】
・第2貯留部35が貯留可能な液体の量は、加圧排出に必要な液体の量より少なくてもよい。この場合、制御部19は、第2貯留部35内を加圧させて第2貯留部35から液体吐出ヘッド23への液体の供給と、第2貯留部35を大気開放させて第1貯留部33から第2貯留部35への液体の供給と、を交互に実行してもよい。
【0163】
・液量センサー63は、第1液面66が標準位置より下方のエンド位置に位置することを検知してもよい。制御部19は、液量センサー63により第1液面66がエンド位置に位置することが検知されると、第1貯留部33が空であることを報知してもよい。エンド位置は、第1液面66と第2液面70がエンド位置に位置するときに第1貯留部33と第2貯留部35が貯留する液体の合計量が、1つの媒体12の印刷に必要な液体の量より多くすると、1つの媒体12への印刷を完了させることができる。
【0164】
・液体収容体24が収容する液体の量は、供給ユニット25が保持可能な液体の量より少なくてもよい。この場合は、供給ユニット25に液体を充填する液体充填を行う途中で液体収容体24を交換してもよい。
【0165】
・蓄圧排出は、一方向弁36により連通路34を閉鎖し、供給バルブ38により供給流路37を閉鎖した状態で第2貯留部35内を加圧した後、圧力センサー49が所定圧力になったことを検出すると、供給バルブ38により供給流路37を開放してもよい。このとき、制御部19は、圧力センサー49が第1の圧力になったことを検出した場合に供給流路37を開放する第1蓄圧排出と、第1の圧力より小さい第2の圧力になったことを検出した場合に供給流路37を開放する第2蓄圧排出と、を行ってもよい。第1の圧力および第2の圧力は、加圧排出の際に第2貯留部35を加圧する加圧力より大きい。
【0166】
・制御部19は、回収流路39から第1貯留部33に液体を流入させる際に、第1貯留部33内を減圧させてもよい。例えば大気開放路50は、空気流路55に接続してもよい。加圧部47を正転駆動させることで、第2貯留部35内を加圧すると共に、空気流路55および大気開放路50を介して第1貯留部33内を減圧してもよい。
【0167】
・制御部19は、第1貯留部33内を減圧し、第1貯留部33に貯留される液体中に含まれる気泡を膨張させることで、液体から気泡を除去してもよい。
・液体充填、加圧排出、微加圧排出、および液体循環は、複数回行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。第1貯留部33に貯留可能な液体の量が、供給流路37、回収流路39、および液体吐出ヘッド23に充填される液体の量より少ない場合は、液体充填を複数回行うことで供給流路37、回収流路39、および液体吐出ヘッド23に液体を充填してもよい。例えば、液体充填のあとに微加圧排出を行ってもよい。液体充填と微加圧排出とを組み合わせることで、液体充填のみを行う場合に比べ、吐出不良の発生を低減することができる。
【0168】
・第1貯留部33と第2貯留部35は、一体で構成してもよい。
・可撓性部材42は、ゴム膜、エラストマ膜、フィルムなどによって形成してもよい。
・液室41は、供給流路37に設けてもよい。加圧機構57は、供給流路37に設けられた液室を加圧してもよい。
【0169】
・加圧部47は、ダイヤフラムポンプ、ピストンポンプ、およびギアポンプなどを用いてもよい。
・液体導入部60と導出部30は、複数の流路を有してもよい。例えば、1つの流路が液体収容体24から第1貯留部33に液体を流入させ、他の流路が第1貯留部33から液体収容体24に空気を流入させてもよい。
【0170】
・液体吐出ヘッド23は、ノズル面21が水平になる水平姿勢で液体を吐出して媒体12に印刷してもよい。液体吐出ヘッド23は、水平姿勢と傾斜姿勢とに姿勢を変更可能に設けられてもよい。
【0171】
・液体吐出装置11は、第2貯留部35を大気開放させる大気開放路を加圧流路51とは別に備えてもよい。
図17に示すヘッド交換ルーチンにおいて、制御部19は、ステップS710を実行した後、再度ステップS702~ステップS705を実行してもよい。これにより第1貯留部33に回収された液体を液体吐出ヘッド23から排出することができる。
【0172】
・液体吐出装置11は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体吐出装置であってもよい。液体吐出装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体吐出装置から吐出させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体吐出装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を吐出する装置がある。液体吐出装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を吐出する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体吐出装置は、時計やカメラ等の精密機械に突部ポイントで潤滑油を吐出する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に吐出する装置であってもよい。液体吐出装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を吐出する装置であってもよい。
【0173】
I.本開示の効果
以下に、上述した実施形態および変更例から把握される本開示の技術的側面と、その効果を記載する。
【0174】
(1)供給ユニットは、液体を収容する1以上の液体収容体が着脱可能に装着されるように構成され、鉛直線と交差する案内経路に沿って延びる支持部材であって、前記案内経路の始端が位置する先端領域と、前記案内経路の終端が位置する基端領域とを有する支持部材と、前記鉛直線および前記案内経路の双方と交差する軸線を有して前記基端領域に配置される回動軸と、前記支持部材の下方に配置される液体導入部であって、前記液体収容体に接続するように構成される液体導入部と、を備え、前記支持部材は、前記1以上の液体収容体を前記案内経路に沿って案内する案内位置と、前記1以上の液体収容体が前記液体導入部に接続される接続位置と、の間で、前記回動軸を中心に回動するように構成される。
【0175】
この構成によれば、液体収容体を供給ユニットの正面から水平に挿入した後、液体収容体を支持部材とともに下方に回動させることにより、液体収容体を液体導入部に接続することができる。このように、供給ユニットの正面から液体収容体の着脱をすることができるので、操作性がよい。
【0176】
(2)上記供給ユニットにおいて、前記支持部材は、前記液体収容体を案内する1以上の案内部を有してもよい。
この構成によれば、液体収容体の移動を案内部によって案内することができるので、操作性がよい。
【0177】
(3)上記供給ユニットは、前記支持部材を前記接続位置から前記案内位置に向けて付勢する第1付勢部材をさらに備えてもよい。
この構成によれば、第1付勢部材の付勢力によって支持部材を案内位置に向けて回動させることができる。
【0178】
(4)上記供給ユニットは、前記支持部材が前記接続位置にあるときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合するように配置された係合レバーと、前記係合レバーを前記支持部材に向けて付勢する第2付勢部材と、をさらに備えてもよい。
【0179】
この構成によれば、液体収容体に係合した係合レバーを第2付勢部材が付勢することにより、液体収容体を接続位置に保持することができる。
(5)上記供給ユニットにおいて、前記係合レバーは、前記支持部材が前記接続位置から前記案内位置に向けて回動するときに、前記支持部材に支持された前記液体収容体に係合する傾斜面を有する。
【0180】
この構成によれば、支持部材が接続位置から案内位置に向けて回動するときに、傾斜面に沿って液体収容体をスムーズに移動させることができる。
(6)上記供給ユニットは、前記支持部材の回動を制限するロック位置と、前記支持部材の回動を許容する解除位置との間で変位可能なロックレバーを備え、前記ロックレバーは、前記液体収容体が前記案内経路の前記終端に到達するときに前記液体収容体と係合することにより、前記ロック位置から前記解除位置へ変位するように構成される。
【0181】
この構成によれば、案内経路の途中にある液体収容体が支持部材を押しても、支持部材の回動はロックレバーによって制限される。そのため、装着途中の液体収容体が液体導入部に衝突することを抑制することができる。
【0182】
(7)上記供給ユニットにおいて、前記液体収容体は回路基板を有し、前記回路基板は、接続端子と、前記液体収容体に関する情報を記憶する記憶媒体と、を有し、前記支持部材は、前記基端領域に、前記接続端子と電気的に接続されるように構成された電気接続部を有してもよい。
【0183】
この構成によれば、電気接続部を通じて記憶媒体に記憶された情報を取得することができる。
(8)上記供給ユニットは、前記支持部材に支持された前記液体収容体を前記始端に向けて付勢するように構成された押出機構をさらに備える。
【0184】
この構成によれば、支持部材が案内位置にあるときに、押出機構の付勢力により液体収容体を押して、接続端子を電気接続部から適切に離すことができる。
(9)上記供給ユニットにおいて、前記液体導入部は前記案内経路に対して傾斜した姿勢で配置されてもよい。
【0185】
この構成によれば、回動する液体収容体をスムーズに液体導入部に接続することができる。
(10)上記供給ユニットは、前記支持部材の下方に配置される貯留部であって、前記液体収容体から供給された液体を貯留するように構成された貯留部と、前記貯留部の上部に配置される大気開放路であって、前記貯留部内を大気に開放するように構成された大気開放路と、をさらに備えてもよい。
【0186】
この構成によれば、液体収容体が貯留部より上方に配置されるので、水頭差によって液体収容体内の液体を貯留部内に流動させることができる。
(11)上記供給ユニットにおいて、前記貯留部は第1貯留部であり、前記第1貯留部と連通する第2貯留部であって、前記第1貯留部内の前記液体が流入するように構成された第2貯留部と、前記第1貯留部と前記第2貯留部との間に設けられ、前記第1貯留部から前記第2貯留部への前記液体の流れを許容し、前記第2貯留部から前記第1貯留部への液体の流れを制限するように構成された一方向弁と、をさらに備えてもよい。
【0187】
この構成によれば、第2貯留部から液体を供給している間に液体収容体を交換することができる。これにより、液体収容体を交換する間にも、液体の供給を停止する必要がない。
【0188】
(12)液体吐出装置は、上記供給ユニットと、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記供給ユニットから前記液体吐出ヘッドに液体を供給する供給流路と、を備える。
この構成によれば、液体収容体を液体吐出装置の正面から水平に挿入した後、液体収容体を支持部材とともに下方に回動させることにより、液体収容体を液体導入部に接続することができる。このように、液体吐出装置の正面から液体収容体の着脱をすることができるので、操作性がよい。
【0189】
(13)液体吐出装置は、前記供給流路内の前記液体を加圧するように構成された加圧機構をさらに備えてもよい。
この構成によれば、加圧機構が液体を加圧することにより、液体吐出ヘッドから液体を排出する加圧クリーニングを行うことができる。
【0190】
(14)液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッド内の前記液体を前記供給ユニット内に向けて流動させるための回収流路をさらに備えてもよい。
この構成によれば、液体吐出ヘッドと供給ユニットとの間で液体を循環させることができる。
【符号の説明】
【0191】
11…液体吐出装置、12…媒体、13…媒体収容部、14…スタッカー、15…操作部、16…画像読取部、17…自動給送部、19…制御部、21…ノズル面、22…ノズル、23…液体吐出ヘッド、24,24C,24K,24M,24Y…液体収容体、25…供給ユニット、26…駆動機構、28…装着部、28o…挿入口、29…収容室、30…導出部、31…導出バルブ、33…第1貯留部、34…連通路、35…第2貯留部、36…一方向弁、37…供給流路、38…供給バルブ、39…回収流路、40…循環バルブ、41…液室、42…可撓性部材、44…第1接続部、45…第2接続部、47…加圧部、48…切替機構、49…圧力センサー、50…大気開放路、51…加圧流路、52…接続流路、53…空気室、54…ばね、55…空気流路、57…加圧機構、58…微加圧部、60…液体導入部、61…導入バルブ、62…第1貯留室、63…液量センサー、64…第1気液分離膜、65…天井、66…第1液面、68…第2貯留室、69…第2気液分離膜、70…第2液面、72…細管部、73a…第1選択弁、73b…第2選択弁、73c…第3選択弁、73d…第4選択弁、73e…第5選択弁、73f…第6選択弁、73g…第7選択弁、73h…第8選択弁、73i…第9選択弁、73j…第10選択弁、73k…第11選択弁、80…フレーム、81…ロックバー、82…案内経路、83…第1付勢部材、84…係合レバー、85…第2付勢部材、86…第1傾斜面、87…第2傾斜面、90…支持部材、90a…底板、90b…サイドリブ、91…回動軸、92…ロックレバー、93…延設部、94…軸、95…第1アーム、96…第2アーム、97…第3アーム、98…ストッパー、99…第3付勢部材、142…第1端壁、143…上壁、144…底壁、145…第1側壁、146…第2側壁、147…第2端壁、150…回路基板、241…リリース部、247…案内部、247a…第1案内部、247b…第2案内部、248…位置決め突部、273…押出機構、274…第4付勢部材、275…押出部材、430…識別部、447…受け部、447a…第1受け部、447b…第2受け部、448…位置決め穴、497…係合部、521…接続端子、525…記憶媒体、630…識別形状、721…電気接続部、739…コネクター、780…付勢ばね、782…保持部材。
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