(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】システムキッチンおよびシステムキッチンの施工方法
(51)【国際特許分類】
A47B 77/00 20060101AFI20241119BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
A47B77/00
A47B97/00 L
(21)【出願番号】P 2020203665
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(72)【発明者】
【氏名】杉澤 剛
(72)【発明者】
【氏名】喜多 智
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-164049(JP,A)
【文献】特開2011-206119(JP,A)
【文献】特開昭61-064207(JP,A)
【文献】実開昭57-076540(JP,U)
【文献】特開2007-222460(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/00-77/18
A47B 67/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納可能
であるとともに、コンロを収納可能なコンロ収納空間を有するコンロキャビネットと、
前記
コンロキャビネットの上方に設けられ物品を載置可能なカウンターと、
前記コンロ収納空間の左側方に位置する第1側板と、前記コンロ収納空間の右側方に位置する第2側板との、間において前記コンロ収納空間の間口方向を繋ぐように設けられ、前記カウンターを下方から支持する補強桟と、
前記
コンロキャビネットに設けられた前記補強桟の設置高さを変更可能な
第1高さ調整手段及び前記第1高さ調整手段から所定の距離離れた位置に設けられた第2高さ調整手段と、を備え
、
前記コンロ収納空間は、前記コンロキャビネットの前方に向けて開口した開口部を有し、前記開口部から前記第1高さ調整手段および前記第2高さ調整手段の少なくとも一方を操作することにより、前記間口方向における前記補強桟の高さを調整し、前記カウンターと前記補強桟との間の隙間を調整できることを特徴とするシステムキッチン。
【請求項2】
物品を収納可能
であるとともに、コンロを収納可能なコンロ収納空間を有するコンロキャビネットと、
前記
コンロキャビネットの上方に設けられ物品を載置可能なカウンターと、
前記コンロ収納空間の左側方に位置する第1側板と、前記コンロ収納空間の右側方に位置する第2側板との、間において前記コンロ収納空間の間口方向を繋ぐように設けられ、前記カウンターを下方から支持する補強桟と、
前記コンロキャビネットに設けられた前記補強桟の設置高さを変更可能な
第1高さ調整手段及び前記第1高さ調整手段から所定の距離離れた位置に設けられた第2高さ調整手段と、を有するシステムキッチンの施工方法であって、
前記
コンロキャビネットに前記補強桟を取付ける第1工程と、
前記カウンターを前記
コンロキャビネットの上方に載置する第2工程と、
前記コンロキャビネットの前方に向けて開口した開口部から前記第1高さ調整手段および前記第2高さ調整手段の少なくとも一方を操作し、前記間口方向における前記補強桟の設置高さを上方に持ち上げることによって前記カウンターと前記補強桟との間に形成された
前記間口方向の隙間を埋める第3工程と、を備えたことを特徴とするシステムキッチンの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的にシステムキッチンおよびシステムキッチンの施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、システムキッチンのカウンターの前端部には、カウンターからキャビネットの内
部へ水が入ることを抑制するために、カウンターの上面から上方に盛り上がる水返しや、
カウンターの前端から下方に延びる前垂れが設けられている。このような水返しや前垂れ
を設けると、カウンターの見かけ上の厚さが大きくなってしまう。
【0003】
そこで、特許文献1では、水返しや前垂れがない平板状のカウンターを用いることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、システムキッチンのデザイン性を向上させるために、カウンターの厚さを従来よりも小さくすることを検討した。
しかしながら、特許文献1のような構成では、カウンターの厚さを小さくすると、カウンターの強度が不足し、上方から荷重がかかった際にカウンターに下方への撓みが発生しやすいという問題が発生した。
【0006】
そこで、キャビネットに載置したカウンターを下方から支持するための補強桟を設けることが考えられるが、例えば、施工現場で作業者が補強桟をキャビネットに取り付ける際に補強桟の設置高さが所望の高さからずれ、カウンターと補強桟との間に隙間が形成されることがあった。隙間が形成された場合、カウンターが補強桟に向かって下方へ撓む問題が発生する虞があった。
【0007】
また、仮に、カウンターとキャビネットの側板とが接触していたとしても、キャビネットの側板同士の間であるキャビネットの間口方向において、カウンターが補強桟に向かって下方へ撓む問題が発生する虞があった。
【0008】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、キャビネットの上方に設けたカウンターと、キャビネットに設けたカウンターを下方から支持する補強桟と、の間に隙間が形成されることによりカウンターが撓んだ状態となることを抑制するシステムキッチンおよびシステムキッチンの施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、物品を収納可能なキャビネットと、前記キャビネットの上方に設けられ物品を載置可能なカウンターと、前記キャビネットの上部に設けられ前記キャビネットの間口方向において前記カウンターを下方から支持する補強桟と、前記キャビネットに設けられた前記補強桟の設置高さを変更可能な高さ調整手段と、を備えたことを特徴とするシステムキッチン。
【0010】
このシステムキッチンによれば、システムキッチンのデザイン性を向上させるためにカウンターの厚さを小さくした際において、例えば、施工現場で作業者が補強桟をキャビネットに取り付ける際に補強桟の設置高さが所望の高さからずれ、カウンターとカウンターを下方から支持する補強桟との間に隙間が形成されたとしても、高さ調整手段により補強桟を上方に持ち上げることによってカウンターと補強桟との間に形成された隙間を埋めることができる。また、カウンターと補強桟との間に隙間が形成されることにより、カウンターに補強桟へ向かう方向へ撓みが発生したとしても、高さ調整手段により補強桟を上方に持ち上げることによって、キャビネットの間口方向に設けられた補強桟によってカウンターの撓み部分を上方に向かって変形させカウンターの水平状態を保つことができる。
【0011】
第2の発明は、物品を収納可能なキャビネットと、前記キャビネットの上方に設けられ物品を載置可能なカウンターと、前記キャビネットに設けられ前記カウンターの間口方向において前記カウンターを下方から支持する補強桟と、前記補強桟の設置高さを変更可能な高さ調整手段と、を有するシステムキッチンの施工方法であって、前記キャビネットに前記補強桟を取付ける第1工程と、前記カウンターを前記キャビネットの上方に載置する第2工程と、前記高さ調整手段により前記補強桟の設置高さを上方に持ち上げることによって前記カウンターと前記補強桟との間に形成された隙間を埋める第3工程と、を備えたことを特徴とするシステムキッチンの施工方法。
【0012】
このシステムキッチンの施工方法によれば、システムキッチンのデザイン性を向上させるためにカウンターの厚さを小さくした際において、例えば、施工現場で作業者が補強桟をキャビネットに取り付ける際に補強桟の設置高さを厳密に調整しなくとも、第3工程を実施した際に補強桟を高さ調整手段により上方に持ち上げることによってカウンターと補強桟との間に形成された隙間を埋めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の態様によれば、システムキッチンのデザイン性を向上させるためにカウンターの厚さを小さくした際において、例えば、施工現場で作業者が補強桟をキャビネットに取り付ける際に補強桟の設置高さが所望の高さからずれ、カウンターとカウンターを下方から支持する補強桟との間に隙間が形成されたとしても、高さ調整手段により補強桟を上方に持ち上げることによってカウンターと補強桟との間に形成された隙間を埋めることができる。また、カウンターと補強桟との間に隙間が形成されることにより、カウンターに補強桟へ向かう方向へ撓みが発生したとしても、高さ調整手段により補強桟を上方に持ち上げることによって、キャビネットの間口方向に設けられた補強桟によってカウンターの撓み部分を上方に向かって変形させカウンターの水平状態を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係るシステムキッチンを模式的に表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るシステムキッチンを模式的に表す分解斜視図である。
【
図3】実施形態に係るコンロキャビネットの上部を化粧カバーを除いた状態で正面から見た部分拡大図である。
【
図4】
図3において化粧カバーを設けた状態でのA1-A2線断面を表す部分断面図である。
【
図5】
図4において補強桟とカウンターとの間に形成された隙間を高さ調整手段により調整した後の状態を表す説明図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(c)は、実施形態に係るシステムキッチンの施工方法を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様
の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るシステムキッチンを模式的に表す斜視図である。
図2は、実施形態に係るシステムキッチンを模式的に表す分解斜視図である。
図3は、実施形態に係るコンロキャビネットの上部を化粧カバーを除いた状態で正面から見た部分拡大図である。
実施形態に係るコンロキャビネットの一部を模式的に表す部分拡大図である。
図1乃至
図3に示すようにシステムキッチン1は、キャビネット10と、カウンター20と、シンク30と、コンロ40と、補強桟50と、化粧カバー60と、高さ調整手段70と、を備えている。
【0016】
以下、本願明細書においては、システムキッチン1と対面する使用者からみた上方、下方、前方、後方、右側方、及び左側方を、それぞれ「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」とする。
【0017】
キャビネット10は、物品を収納可能な収納空間を有する。キャビネット10は、いわゆるフロアキャビネットである。キャビネット10は、キャビネット本体110と、前板120と、を有する。キャビネット本体110は、前方及び上方が開放された箱状であり、キッチンの床面に載置されている。
【0018】
キャビネット本体110は、区画された複数の収納空間を有している。この例では、シンク30が上方に位置するシンクキャビネット112と、コンロ40が上方に位置するコンロキャビネット114と、シンクキャビネット112とコンロキャビネット114との間に設けられたサブキャビネット116と、を備えている。
キャビネット本体110の複数の収納空間には、それぞれ、前板120を有する引出しが設けられている。前板120は、引出しの前板である。以下、単に「前板」という場合には、コンロ40の前方に設けられた前板120を指すものとする。
【0019】
前板120は、キャビネット本体110の前方に設けられている。前板120は、キャビネット本体110の前側の開口を開閉可能に設けられている。つまり、前板120は、キャビネット110の扉として機能する。例えば、使用者は、前板120を前方に移動させてキャビネット110を開けることで、キャビネット本体110の内部に物品を収納したり、キャビネット本体110の内部から物品を取り出すことができる。
【0020】
キャビネット本体110の上方には、薄型のカウンター20が設けられている。カウンター20の厚さ(上下方向の長さ)は、例えば、30mm以下であり、好ましくは25mm以下、より好ましくは21mm程度である。カウンター20の上面には、水返しなどが設けられていない。つまり、カウンター20は、いわゆるフラットカウンターである。
【0021】
シンクキャビネット112の上方に位置するカウンター20の一部には、シンク30が設けられている。この例では、シンク30は、カウンター20と一体に設けられている。シンク30は、カウンター20から下方に窪むように設けられている。シンク30の後部には、吐水装置(図示せず)が取り付けられる。吐水装置は、シンク30に向けて湯水を吐出する。シンク30は、吐水装置から吐出された湯水を受ける。
【0022】
コンロキャビネット114の上方に位置するカウンター20の一部には、開口部22が形成されており、この開口部22の周囲に載置される形でコンロ40が設けられている。コンロ40は、例えば、ガスコンロ、電気コンロ、または電磁調理器などである。
【0023】
コンロキャビネット114は、前板120を有する物品収納空間(図示せず)と、収納空間の上方に位置するコンロ収納空間S1を有しており、コンロ収納空間S1の左側方に位置する第1側板114aと、コンロ収納空間S1の右側方に位置する第2側板114bと、の間に、補強桟50が設けられている。
つまり、補強桟50は、第1側板114aの内面と第2側板114bの内面とを繋ぐように設けられている。
補強桟50は、例えば、後方が開放されたコの字状であって、第1側板114aの内面と第2側板114bの内面とに夫々設けられた高さ調整手段70に固定されることで、コンロキャビネット114に固定されている。
この補強桟50は、コンロキャビネット114の上方に載置されたカウンター20と接触することによりカウンター20を下方から支持する。
【0024】
補強桟50の前面には、取付金具50aを介して化粧カバー60が取り付けられている。化粧カバー60は、補強桟50の前方に位置し、コンロキャビネット114の前方側に立つ使用者から補強桟50の前面を隠している。化粧カバー60は、例えば、金属製である。
【0025】
次に、
図4及び
図5を用いて、高さ調整手段70による補強桟50とカウンター20との間に形成された隙間Dへの対策について説明する。
図4は、
図3において化粧カバーを設けた状態でのA1-A2線断面を表す部分断面図である。
図5は、
図4において補強桟とカウンターとの間に形成された隙間を高さ調整手段により調整した後の状態を表す説明図である
【0026】
図4及び
図5に示すように、本実施形態においてカウンター20は、カウンター本体20aとカウンター本体20aの裏面において、カウンター本体20aに直接接着された第1補助補強材20bと、第2補助補強材20cと、によって構成されている。
第1補助補強材20bは、例えば、金属製である。第1補助補強部20bは、例えば、アルミニウム製である。第2補助補強材20cは、例えば、木製である。第2補助補強材20cは、第1補助補強材20bの後方に位置し、例えば、パーティクルボードからなる。第2補助補強材20cは、平板状である。
【0027】
また、第1補助補強材20bを金属製とすることにより、第1補助補強材20bの上下方向の長さを第2補助補強材20cより小さく設けることが可能となり、前板12とカウンター20との間の隙間をより小さくすることができる。その場合、第2補助補強材20cよりも第1補助補強材20bの厚さの方が小さくなり、例えば、補助補強材20cがコンロキャビネット114に載置されていたとしても、補助補強材20bとコンロキャビネット114との間に約1mm程度の僅かな隙間が形成されることがある。
なお、第1補助補強部20b及び第2補助補強材20cは必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0028】
高さ調整手段70は、螺子72と、固定部材74と、を有する。
螺子72は、頭部72aと、先部72bと、を有する。螺子72は、補強桟50の下面に設けられた貫通孔(図示せず)を貫通した状態で、先部301bを上向きにして固定部材74に螺合されている。
【0029】
コンロキャビネット114に固定された状態での補強桟50の高さの調整は、螺子72を回転させることで行われる。すなわち、螺子72を回転させることにより、頭部72aが上方若しくは下方に変位し、頭部72aの裏面に載置された補強桟50を上方若しくは下方に高さを調整することができる。この高さ調整により、第1補助補強材20b(カウンター20)と補強桟50との間に形成された隙間Dをコンロキャビネット114(キャビネット10)の間口方向において埋めることができる。
【0030】
このため、カウンター20をキャビネット10の上に載置した後でもカウンター20をキャビネット10から持ち上げることなく、下方から螺子72を回転させることで補強桟50の設置高さを上方に持ち上げ、補強桟50とカウンター20との間に形成される隙間Dを埋め、コンロキャビネット114(キャビネット10)の間口方向においてカウンター10に撓みが発生することを抑制できる。また、仮に補強桟50とカウンター20との間に形成される隙間Dが形成されることにより、カウンター20に下方へ向かう撓みが発生した場合においても、補強桟50を上方に持ち上げることによって撓んだ個所を上方に変形させコンロキャビネット114(キャビネット10)の間口方向においてカウンター20が水平となるように調整できる。
【0031】
固定部材74は、コンロキャビネット114の第1側板114a及び第2側板114bの上部内側面に固定される。固定部材74の固定には、例えば、固定用螺子74aが用いられる。固定部材74は、螺子72を回転可能に支持する。固定部材74には、螺子72と螺合する螺子孔が設けられている。固定部材74は、例えば、断面L形状のブラケットである。
【0032】
次に、システムキッチン1の施工手順について説明する。
図6(a)~
図6(c)は実施形態に係るシステムキッチンの施工方法を表す説明図である。
【0033】
まず、コンロキャビネット114への補強桟50の固定工程について
図6(a)を用いて説明する。
図6(a)に示すように、固定工程では、まず、補強桟50の下面に形成された貫通孔に向けて螺子72を下方から挿入した状態で、第1側板114a及び第2側板114bの内面の前部に夫々固定されている固定部材74に形成されたねじ孔に螺子72を螺合する。そして、補強桟50を一対の固定部材74に螺子72にて固定し、補強桟50の上面がコンロキャビネット114の上面を超えないように調整する。
その際、補強桟50の上面がコンロキャビネット114の上面と面一となるように設置することが好ましい。
【0034】
次に、コンロキャビネット114へのカウンター20及びコンロ40の載置工程について説明する。載置工程では、まず、キャビネット10の上方へカウンター20を載置する。その後、コンロキャビネット114の上方に形成されている開口部22に向けてコンロ40をカウンター20へ載置する。
【0035】
次に、補強桟50の高さ調整工程について
図6(b)を用いて説明する。
図6(b)では、便宜上、コンロ40を省略して説明する。
図6(b)に示すように、高さ調整工程では、カウンター20の間口方向において、第1補助補強材20b(カウンター20)と補強桟50との間に形成された隙間Dを埋めるために、螺子72を回転させ、補強桟50を上方に持ち上げる。
本工程は、キャビネット1へカウンター20を載置後に実施してもよいし、キャビネット1へカウンター20及びコンロ40を載置後に実施してもよい。
【0036】
最後に、補強桟50の前面に対し化粧カバー60を嵌め込む仕上げ工程について
図6(c)を用いて説明する。
図6(c)に示すように、仕上げ工程では、補強桟50の前面に形成されたねじ穴に対して取付金具50aをねじ固定する。その後、化粧カバー60を取付金具50aに対して嵌合させる。
なお、化粧カバー60は、必要に応じ設けられ省略可能であり、その場合、本工程は省略される。
【0037】
上述した実施形態によれば、システムキッチン1のデザイン性を向上させるためにカウンター20の厚さを小さくした際において、例えば、施工現場で作業者が補強桟50をキャビネット10に取り付ける際に補強桟50の設置高さが所望の高さからずれ、カウンター20とカウンター20を下方から支持する補強桟50との間に隙間Dが形成されたとしても、高さ調整手段70により補強桟50を上方に持ち上げることによってカウンター20と補強桟50との間に形成された隙間Dを埋めることができる。また、カウンター20と補強桟50との間に隙間Dが形成されることにより、カウンター20に補強桟50へ向かう方向へ撓みが発生したとしても、高さ調整手段70により補強桟50を上方に持ち上げることによって、コンロキャビネット114(キャビネット10)の間口方向に設けられた補強桟50によってカウンター20の撓み部分を上方に向かって変形させカウンター20の水平状態を保つことができる。
【0038】
また、上述した実施形態によれば、システムキッチン1のデザイン性を向上させるためにカウンター20の厚さを小さくした際において、例えば、施工現場で作業者が補強桟50をキャビネット10に取り付ける際に補強桟50の設置高さを厳密に調整しなくとも、第3工程を実施した際に補強桟50を高さ調整手段70により上方に持ち上げることによってカウンター20と補強桟50との間に形成された隙間Dを埋めることができる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、コンロキャビネット114に設けた補強桟50を用いて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばシンクキャビネット112やサブキャビネット116に上方若しくは下方に調整可能な高さ調整手段を設けてもよい。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、システムキッチン1などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 システムキッチン
10 キャビネット
20 カウンター
20a カウンター本体
20b 第1補助補強材
20c 第2補助補強材
30 シンク
40 コンロ
50 補強桟
50a 取付金具
60 化粧カバー
70 高さ調整手段
72 螺子
72a 頭部
72b 先部
74 固定部材
110 キャビネット本体
112 シンクキャビネット
114 コンロキャビネット
114a 第1側板
114b 第2側板
116 サブキャビネット
120 前板
S1 コンロ収納空間
D 隙間