(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】管理装置、車両、管理サーバ、管理システム、プログラム及び方法
(51)【国際特許分類】
B60R 16/037 20060101AFI20241119BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20241119BHJP
G06F 9/44 20180101ALI20241119BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20241119BHJP
【FI】
B60R16/037
B60R16/02 660B
G06F9/44
G06Q30/0645
(21)【出願番号】P 2020215495
(22)【出願日】2020-12-24
【審査請求日】2023-07-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 剛
(72)【発明者】
【氏名】池田 淳
【審査官】浅野 麻木
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-022599(JP,A)
【文献】特開2007-030568(JP,A)
【文献】特開2008-074313(JP,A)
【文献】特開2008-307998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0197674(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110588551(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第111583444(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/037
B60R 16/02
G06F 9/44
G06Q 30/0645
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得部と、
既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて
、前記設定情報を変換するための変換ロジックを用いて新たな設定情報に変換する変換部と、
前記変換部により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供部と、
を備え、
前記変換部は、
前記取得部が、前記新たな設定情報が適用された前記新たな車両の車載機器から、前記車載機器の前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報を取得した場合、前記新たな車両の前記設定情報を、前記変更された設定情報に基づいて補正して新たな設定情報に変換し、
前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報と、前記設定変更の前の設定情報とを比較してその比較結果を記憶し、
同様の比較結果が複数記憶された場合、
前記変換ロジックを変換する、管理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記車種情報として前記車載機器の可動範囲の情報を取得し、
前記変換部は、前記設定情報のパラメータを前記車載機器の可動範囲に対する比率とすることで、前記設定情報を前記新たな設定情報に変換する、請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記設定情報に係るパラメータとして第1座標の位置、及び前記第1座標と交差する第2座標の位置を取得し、
前記変換部は、前記第1座標の位置を前記第1座標上の可動範囲に対する比率とし、前記第2座標の位置を前記第2座標上の可動範囲に対する比率とすることで、前記設定情報を前記新たな設定情報に変換する請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記新たな車両の車種情報をさらに取得し、
前記変換部は、前記車種情報に基づく変換において、前記新たな車両の車種情報をさらに用いることで、既に取得している前記設定情報を前記新たな車両の車載機器に適用される設定情報に変換し、
前記提供部は、前記新たな車両の車載機器に適用される設定情報を、前記新たな車両の車載機器に提供する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項5】
前記変換部は、前記車両の車種情報と前記新たな車両の車種情報とが同じ場合には、前記設定情報の変換処理を実行せず、前記提供部は、前記設定情報を前記新たな車両の車載機器に提供する、請求項4に記載の管理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の前記管理装置を備える、車両。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の前記管理装置と、前記管理装置と通信を行う複数の車両とを備える管理システムであって、
前記取得部は、前記車両から通信により前記車種情報と、前記設定情報と、前記識別情報と、を取得するとともに、前記新たな車両から通信により前記新たな車両の車種情報と、前記識別情報と、を取得し、
前記提供部は、前記新たな車両と通信することで前記変換部によって変換された前記新たな設定情報を前記新たな車両の車載機器に提供する、管理システム。
【請求項8】
車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得処理と、
既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて
、前記設定情報を変換するための変換ロジックを用いて新たな設定情報に変換する変換処理と、
前記変換処理により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供処理と、
をコンピュータが実行する方法であって、
前記変換処理は、
前記取得処理において、前記新たな設定情報が適用された前記新たな車両の車載機器から、前記車載機器の前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報が取得された場合、前記新たな車両の前記設定情報を、前記変更された設定情報に基づいて補正して新たな設定情報に変換し、
前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報と、前記設定変更の前の設定情報とを比較してその比較結果を記憶し、同様の比較結果が複数記憶された場合、
前記変換ロジックを変換する、方法。
【請求項9】
車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得処理と、
既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて
、前記設定情報を変換するための変換ロジックを用いて新たな設定情報に変換する変換処理と、
前記変換処理により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供処理と、
をコンピュータが実行させるためのプログラムであって、
前記変換処理は、
前記取得処理において、前記新たな設定情報が適用された前記新たな車両の車載機器から、前記車載機器の前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報が取得された場合、前記新たな車両の前記設定情報を、前記変更された設定情報に基づいて補正して新たな設定情報に変換し、
前記ユーザによる設定変更に伴う変更された設定情報と、前記設定変更の前の設定情報とを比較してその比較結果を記憶し、同様の比較結果が複数記憶された場合、
前記変換ロジックを変換する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理装置、車両、管理サーバ、管理システム、プログラム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カーシェアリングシステムにおいて、ユーザのマイカーにおける車載機器の設定やソフトウェア情報を、シェアリングカーに引き継ぐ車載機器制御システムが開示されている。車載機器の設定は、例えば座席の位置、ドアミラーの角度の情報や、座席位置の情報等を引き継ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1に記載システムの場合、車載機器の設定を引き継ぐ車両間で車種が異なる場合であっても設定がそのまま引き継がれるため、適切にドライビングポジションを再現できない。
【0005】
本開示は、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る管理装置は、車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得部と、既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて新たな設定情報に変換する変換部と、前記変換部により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の管理装置は、ユーザが使用する車載機器の設定情報を車種情報に基づいて新たな設定情報に変換して新たな車両に提供する。ここで、設定情報とは、ユーザが使用する車載機器の設定情報であって、例えば座席の調整位置を示す位置情報や、ステアリングコラムの調整位置を示す位置情報である。車種情報とは、車種を識別するための情報であり、例えば車種コードである。識別情報とは、ユーザを識別するための情報であり、例えば、予め登録されたユーザIDや、ユーザアカウントなどの情報である。請求項1に記載の管理装置によれば、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0008】
請求項2に係る管理装置は、請求項1に記載の管理装置において、前記取得部は、前記車種情報として前記車載機器の可動範囲の情報を取得し、前記変換部は、前記設定情報のパラメータを前記車載機器の可動範囲に対する比率とすることで、前記設定情報を前記新たな設定情報に変換する。
【0009】
請求項2に記載の管理装置によれば、車載機器の設定情報を車載機器の可動範囲に対する比率とすることで、車種によって異なる可動範囲の車載機器であっても車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0010】
請求項3に係る管理装置は、請求項2に記載の管理装置において、前記取得部は、前記設定情報に係るパラメータとして第1座標の位置、及び前記第1座標と交差する第2座標の位置を取得し、前記変換部は、前記第1座標の位置を前記第1座標上の可動範囲に対する比率とし、前記第2座標の位置を前記第2座標上の可動範囲に対する比率とすることで、前記設定情報を前記新たな設定情報に変換する。
【0011】
請求項3に記載の管理装置は、設定情報を互いに交差する第1座標と第2座標に分けて、それぞれの座標上における可動範囲に対する比率とすることで新たな設定情報に変換する。これにより、2次元の方向に可動範囲を持つ車載機器においても、車種による可動範囲の違いを考慮した新たな設定情報に変換することができる。例えば、2方向の可動方向を持つ車載機器の調整位置に対して、それぞれの可動方向に対して第1座標と第2座標とを設定することができる。その場合、車種によって異なる可動方向ごとの可動範囲を考慮して、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。あるいは、可動方向によらず、車載機器に対して独自の座標系を設定してもよい。その場合、車種によって異なる独自の座標系ごとの可動範囲を考慮して、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0012】
請求項4に係る管理装置は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の管理装置において、前記取得部は、前記新たな車両の車種情報をさらに取得し、前記変換部は、前記車種情報に基づく変換において、前記新たな車両の車種情報をさらに用いることで、既に取得している前記設定情報を前記新たな車両の車載機器に適用される設定情報に変換し、前記提供部は、前記新たな車両の車載機器に適用される設定情報を、前記新たな車両の車載機器に提供する、を備えている。
【0013】
請求項4に記載の管理装置は、一の車両において設定された車載機器の設定情報を、該一の車両の車種情報に加えて、設定情報を引き継ぐ先の新たな車両の車種情報を考慮して新たな車両に適用される設定情報に変換する。これによって、新たな車両において、新たな車両に適用される設定情報を変換する処理を行わなくとも、管理装置から提供された設定情報をそのまま車載機器に再現させることができる。
【0014】
請求項5に係る管理装置は、請求項4に記載の管理装置において、前記変換部は、前記車両の車種情報と前記新たな車両の車種情報とが同じ場合には、前記設定情報の変換処理を実行せず、前記提供部は、前記設定情報を前記新たな車両の車載機器に提供する。
【0015】
請求項5に記載の管理装置によれば、車両の車種情報と新たな車両の車種情報が同じ場合には設定情報の変換処理を実行することなく新たな車両の車載機器へ設定情報を引き継ぐ。これにより、管理装置の演算負荷を軽減することができる。
【0016】
請求項6に係る管理装置は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の管理装置において、前記変換部は、前記取得部が前記新たな設定情報が適用された前記新たな車両の車載機器から前記車載機器の設定変更に伴う変更された設定情報を取得した場合、前記変更された設定情報に基づいて変換ロジックを更新する。
【0017】
請求項6に記載の管理装置によれば、異なる車種の間で車載機器の設定情報を変換して引き継いだのちに、ユーザによってさらに車載機器の設定情報が変更された場合には、変換ロジックを更新する。これにより、管理装置はユーザによる車載機器の設定情報の変更に基づき最適化された変換ロジックによって、ユーザが再調整する手間を軽減することができる。
【0018】
請求項7に記載の車両は、請求項1乃至6に記載の管理装置を備えている。
【0019】
請求項7に記載の管理装置によれば、車両において、ユーザの使用する車載機器の設定情報を、車両の車種情報を用いて新たな設定情報に変換する。これにより、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0020】
請求項8に係る管理システムは、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の前記管理装置と、前記管理装置と通信を行う複数の前記車両とを備える管理システムであって、前記取得部は、前記車両から通信により前記車種情報と、前記設定情報と、前記識別情報と、を取得するとともに、前記新たな車両から通信により前記新たな車両の車種情報と、前記識別情報と、を取得し、前記提供部は、前記新たな車両と通信することで前記変換部によって変換された前記新たな設定情報を前記新たな車両の車載機器に提供する。
【0021】
請求項8に記載の管理システムによれば、管理装置は異なる車両間において、一の車両における車載機器の設定情報を車種情報に基づきへ変換するとともに、一の車両と異なる新たな車両へ変換された設定情報を提供できる。これにより、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0022】
請求項9に係る方法は、コンピュータが実行する方法であって、車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得処理と、既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて新たな設定情報に変換する変換処理と、前記変換部により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供処理と、を含んでいる。
【0023】
請求項9に記載の管理方法は、コンピュータが、ユーザが使用する車載機器の設定情報を車種情報に基づいて新たな設定情報に変換する。これにより、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【0024】
請求項10に係るプログラムは、車両においてユーザが使用する車載機器の設定情報、前記車両の車種情報及び前記ユーザの識別情報を取得する取得処理と、既に取得している前記設定情報を、前記車種情報に基づいて新たな設定情報に変換する変換処理と、前記変換部により変換された前記新たな設定情報を、新たな前記車両において前記識別情報に対応するユーザが使用する車載機器に提供する提供処理と、を備える。
【0025】
請求項10に記載のプログラムは、コンピュータによりユーザが使用する車載機器の設定情報を車種情報に基づいて新たな設定情報に変換させる。これにより、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本開示に係る管理装置、車両、管理サーバ、管理システム、プログラム及び方法によれば、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】第1実施形態に係る管理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】第1実施形態の車両のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態の管理サーバのストレージに記憶される車載機器の設定データの概略図である。
【
図5】第1実施形態の管理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
【
図6】第1実施形態の管理処理の流れを示すシステムシーケンス図である。
【
図7】第1実施形態の取得処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態の車両の座席の可動範囲を示す模式図である。
【
図10】第1実施形態の車両の座席の座標系を示す模式図である。
【
図11】第1実施形態の補正処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】第2実施形態のボデーECUのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図13】第2実施形態のボデーECUの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図14】第2実施形態の管理処理の流れを示すシステムシーケンス図である。
【
図15】第2実施形態の第1変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図16】第2実施形態の第2変換処理の流れを示すフローチャートである。
【
図17】第3実施形態の管理処理の流れを示すシステムシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。なお、各図において、前後、上下、左右と表記する場合は、車両前後方向、車両上下方向、車両幅方向左右を指すものとする。本実施形態に記載されている構成部品の配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0029】
[第1の実施形態]
以下、第1の実施形態に係る管理システム1について説明する。
図1は、本実施形態に係る管理システムの概略構成を示す図である。管理システム1は、管理サーバ10と、管理サーバ10とネットワークNによって通信可能に構成されたDCM230(Data Communication Module)を備える複数の車両20を備える。ネットワークNは、無線通信であって、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。
【0030】
<車両の構成>
図2を参照して、車両20の構成を説明する。車両20は、車載機器210としての座席調整装置211と、ステアリング調整装置212と、車載機器210を制御する制御装置としてのボデーECU220と、DCM230とを備える。
【0031】
車載機器210としての座席調整装置211とステアリング調整装置212について以下に説明する。
【0032】
座席調整装置211は、車両20の座席SEの位置を調整する装置である。座席調整装置211は、シートECU211aと、モータ211bと、位置調整レバー211dと、位置検出センサ211cを備える。モータ211b、位置調整レバー211d及び位置検出センサ211cは、それぞれ、シートECU211aに対して電気的に接続されている。座席全体は、前後の方向及び上下の方向に移動可能である。座席SE内部のモータ211bは、シートECU211aによって制御され、座席SEを前後の方向、上下の方向へ移動させる。
【0033】
位置調整レバー211dは、ユーザによって前後の方向と、上下の方向それぞれの方向に対応する向きに押引き可能に構成されるスイッチである。ユーザによる位置調整レバー211dの操作量は、シートECU211aに入力され、シートECU211aはユーザからの位置調整レバー211dの操作量に対応してモータ211bを制御する。あるいは、位置調整レバー211dによる位置調整は、モータ211bを用いずに手動で調整可能に構成されていてもよい。
【0034】
座席SEの位置検出センサ211cは、前後の位置と上下の位置とを検出する。位置検出センサ211cが検出した位置は、シートECU211aへ出力される。シートECU211aは座席SEの前後の位置と上下の位置とを位置情報としてボデーECU220へ出力する。位置情報は、例えば、基準位置からの座席SEスライド前後方向の変位と、上下方向の変位である。
【0035】
ステアリング調整装置212は、ステアリングコラムSTの位置を調整する装置であり、ステアリング調整装置212は、チルト&テレスコピックECU212aと、モータ212bと、位置調整レバー212dと、位置検出センサ212cを備える。モータ212b、位置調整レバー212d及び位置検出センサ212cは、それぞれ、チルト&テレスコピックECU212aに対して電気的に接続されている。ステアリングコラムSTは、チルト位置(上下左右方向の傾き)及び、テレスコピック位置(前後進方向の位置)を移動可能である。ステアリングコラムST内部のモータ212bは、チルト&テレスコピックECU212aにより制御されて駆動し、ステアリングコラムSTのチルト位置及びテレスコピック位置を移動させる。
【0036】
位置調整レバー212dは、ユーザの入力によりステアリングコラムSTの位置が、チルト位置、テレスコピック位置に対応する向きに押引き可能に構成されるスイッチである。ユーザによる位置調整レバー212dの操作量は、チルト&テレスコピックECU212aに入力され、チルト&テレスコピックECU212aはユーザからの位置調整レバー212dの操作量に対応してモータ212bを制御する。あるいは、位置調整レバー212dによる位置調整は、モータ212bを用いずに手動で調整可能に構成されていてもよい。
【0037】
ステアリングコラムSTの位置検出センサ212cは、ステアリングコラムSTのチルト位置、テレスコピック位置を検出する。位置検出センサ212cが検出した位置は、チルト&テレスコピックECU212aへ出力される。チルト&テレスコピックECU212aはステアリングコラムSTのチルト位置とテレスコピック位置とを位置情報としてボデーECU220へ出力する。位置情報は、例えば、基準位置からのチルト方向の変位と、テレスコピック方向の変位である。
【0038】
ボデーECU220は、座席SEの位置情報と、ステアリングコラムSTの位置情報とを管理する機能を有している。以降、座席SEの位置情報を座席位置情報、ステアリングコラムSTの位置情報をコラム位置情報と称する。管理とは、例えば、シートECU211a及びチルト&テレスコピックECU212aと、DCM230との間での座席SE及びコラム位置情報の取得と提供や、記憶である。
【0039】
ボデーECU220は、ユーザの識別情報としてのユーザIDと、車両20の車種情報としての車種コードを記憶する。ユーザIDは、ユーザごとに予め決められた、ユーザを識別するための情報である。ユーザIDは、例えばユーザの所持する端末装置から無線通信を通じて取得される。あるいは、ボデーECU220に車両20購入時に記憶させておいてもよい。車種コードは、車両20の車種ごとに予め決められた、車両20の車種を識別するための情報である。例えば、車種コードは、車両20の製造時に、ボデーECU220に記憶されている。ボデーECU220は後述のDCM230に対してユーザIDと、車種コードとを出力する。なお、本実施形態ではユーザIDと車種コードとがボデーECU220に記憶される構成を示したが、後述のDCM230に記憶されていてもよい。
【0040】
DCM230は、ネットワークNを介して管理サーバ10と通信を行うための車載用の通信ユニットであり、車載通信装置の一例である。
【0041】
DCM230は、管理サーバ10との間で、ユーザID、車種コード、及び位置情報を送受信する機能を有する。
【0042】
<管理サーバのハードウェア構成>
図3を参照して、管理サーバ10のハードウェア構成を説明する。管理サーバ10は、通信I/F110、CPU120、RAM130、ROM140及びストレージ150を含んで構成されている。通信I/F110、CPU120、RAM130、ROM140及びストレージ150は、内部バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0043】
CPU120は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU120は、ROM140からプログラムを読み出し、RAM130を作業領域としてプログラムを実行する。本実施形態では、ROM140に実行プログラム140aが記憶されている。RAM130は、作業領域として一時的に実行プログラム140a又はデータを記憶する。
【0044】
本実施形態のストレージ150には、車載機器210の設定データ150aと、可動範囲データ150bと、比較データ150cとが記憶されている。ここで、車載機器210の設定データ150aの一例の概略図を
図4に示す。車載機器210の設定データ150aは、車両20から通信I/F110によって受信された、ユーザIDと、車種コードと、座席位置情報及びコラム位置情報とを対応付けた情報である。
図4に示すように、項番1には、ユーザIDがxxxxxxx1であるユーザの、車種コード00Aに対応する座席位置情報及びコラム位置情報が記憶されている。また、項番2には、項番1と同じユーザIDのユーザによる、車種コード00Aに対応する座席位置情報及びコラム位置情報が記憶されている。可動範囲データ150bとは、車両20の車種ごとに予め決められた、座席SEの可動範囲と、ステアリングコラムSTの可動範囲に関する情報である。比較データ150cとは、新たな車両20へ提供した位置情報と、提供後に新たな車両20において変更された位置情報とを比較した情報である。
【0045】
通信I/F110は、ネットワークNに接続するためのインタフェースである。
【0046】
本実施形態の、CPU120は、ROM140から実行プログラム140aを読み出し、RAM130を作業領域として実行プログラム140aを実行する。
【0047】
<管理サーバの機能構成>
図5を参照して、管理サーバ10の機能構成を説明する。管理サーバ10は、取得部1001と、提供部1002と、変換部1003と、記憶指示部1004とを備える。取得部1001と、提供部1002と、変換部1003と、記憶指示部1004とは、ROM140に記憶された実行プログラム140aをRAM130に読み出して、CPU120上で実行することにより実現される機能的な構成要素である。
【0048】
取得部1001及び提供部1002は、通信I/F110を介して、車両20との通信を行い情報の取得と提供を行う。取得部1001は、車両20から、ユーザIDと、車種コードと、車両20の座席位置情報及びコラム位置情報とを取得する。また、新たな車両20からユーザIDと、車種コードとを取得する。提供部1002は、後述の変換部1003によって変換された新たな車両20の座席位置情報及びコラム位置情報を新たな車両20へ提供する。
【0049】
記憶指示部1004は、取得部1001によって車両20から取得されたユーザIDと、車両20の車種コードと、車両20の座席位置情報及びコラム位置情報と、をストレージ150に記憶させる。
【0050】
変換部1003は、後述する変換ロジックを用いて、車両20の座席位置情報及びコラム位置情報を新たな車両20の座席位置情報及びコラム位置情報に変換する変換処理を実行する。
【0051】
また、取得部1001は、新たな車両20へ新たな車両20の座席位置情報及びコラムの位置情報を送信したのち、新たな車両20から座席位置情報及びコラム位置情報を取得する。新たな車両20から取得された新たな車両20における座席位置情報及びコラム位置情報が、変換部1003によって変換され提供した座席位置情報及びコラム位置情報と異なる場合、変換部1003は、変換ロジックを補正する補正処理を実行する。
【0052】
<制御の流れ>
つづいて、
図6乃至11を用いて、本実施形態に係る管理システムの制御シークエンスについて説明する。
図6は、本実施形態の管理処理の流れを示すシステムシーケンス図である。
図7は、本実施形態の取得処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、本実施形態の変換処理の流れを示すフローチャートである。
図9及び10は、本実施形態の変換処理を説明する模式図である。
図11は、本実施形態の補正処理を説明する模式図である。
【0053】
図6を用いて、本実施形態の管理処理の流れを説明する。
図6において、説明の便宜上最初に乗車する車両20を第1車両20Aと称し、次に乗車する新たな車両20を第2車両20Bと称する。第1車両20A及び第2車両20Bは、車両の一例であって、ともにユーザが使用する車両20である。たとえば、第1車両20Aはユーザのマイカーで、第2車両20Bはユーザの旅先で借りたレンタカーである。あるいは、第1車両20Aはユーザのマイカーで、第2車両20Bはユーザが第1車両20Aから乗り換えた新たなマイカーでもよい。
【0054】
S501において、第1車両20AはDCM230によって管理サーバ10と通信を行い、第1車両20Aの備える座席位置情報及びコラム位置情報と、車種コードと、ユーザIDとを送信する。これは、ユーザが第1車両20Aの入力装置へ、座席位置情報及びコラム位置情報を引き継ぐ制御を開始する指示を入力することで開始される。なお、開始トリガはあくまで一例であり、適宜他の開始トリガを適用できる。
【0055】
S502において、第2車両20BはDCM230によって管理サーバ10と通信を行い、車種コードと、ユーザIDとを送信する。これは、ユーザが第2車両20Bの入力装置へ、座席位置情報及びコラム位置情報を引き継ぐ制御を開始する指示を入力することで開始される。なお、開始トリガはあくまで一例であり、適宜他の開始トリガを適用できる。
【0056】
S503において、管理サーバ10は、第1車両20Aと第2車両20Bとからそれぞれ情報を取得する取得処理を実行する。取得処理の詳細については、後述する。
【0057】
S504において、管理サーバ10は、第1車両20Aにおける座席位置情報及びコラム位置情報を、第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報へ変換する変換処理を実行する。
【0058】
S505において、管理サーバ10は、変換処理によって得られた第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報を第2車両20Bへ提供する。
【0059】
S506において、第2車両20Bでは、適用処理が実行される。具体的に、第2車両20Bでは、DCM230により管理サーバ10から受信した座席位置情報及びコラム位置情報を第2車両20Bの車載機器210に適用させる。第2車両20BのDCM230により受信された座席位置情報及びコラム位置情報は、ボデーECU220を介してシートECU211aと、チルト&テレスコピックECU212aへ提供される。第2車両20BのシートECU211aは取得した座席位置情報に基づき、モータ211bを制御して座席SEを移動させる。チルト&テレスコピックECU212aにおいても同様に実施する。
【0060】
S507において、第2車両20Bは、座席位置情報及びコラム位置情報を車載機器に適用したのちに座席SEの位置やステアリングコラムSTの位置が変更された場合、ボデーECU220により管理される座席位置情報及びコラム位置情報を変更する。これは、例えばユーザが位置調整レバー211dに操作入力することで座席SEの位置が調整された場合に行われる。ステアリングコラムSTについても、同様である。
【0061】
S508において、第2車両20BはDCM230によって管理サーバ10と通信を行い、第2車両20Bの備える座席位置情報及びコラム位置情報と、車種コードと、ユーザIDとを送信する。これは、ユーザが第2車両20Bの入力装置へ、管理サーバへ変換処理のフィードバックを行う指示を入力することで開始される。なお、開始トリガはあくまで一例であり、適宜他の開始トリガを適用できる。なお、本実施形態では変更後の座席位置情報及びコラム位置情報を管理サーバ10へ送信する例を示した。別の例として、第2車両のボデーECU220において、管理サーバ10から提供された座席位置情報及びコラム位置情報と、管理サーバ10から提供された座席位置情報及びコラム位置情報を適用したのちに変更された座席位置情報及びコラム位置情報とを比較して、差分情報を送信してもよい。
【0062】
S509において、管理サーバ10は第2車両20Bから取得された座席位置情報及びコラム位置情報に基づいて変換ロジックを補正する補正処理を実行する。補正処理の詳細は後述する。
【0063】
<取得処理>
図7を用いて、本実施形態の取得処理の流れを説明する。管理サーバ10は、第1車両20Aや第2車両20Bなどの車両から情報を受信した場合に取得処理を開始する。
【0064】
S601において、管理サーバ10のCPU120は、車両から情報を受信した場合に、座席位置情報及びコラム位置情報が含まれているか否かを判定する。CPU120は、座席位置情報及びコラム位置情報が含まれていると判定した場合、S602に進む。一方、CPU120は、座席位置情報及びコラム位置情報が含まれていないと判定した場合、S603に進む。なお、S601において、座席位置情報及びコラム位置情報が含まれていると判定された場合には、次の変換処理を実行しない。
【0065】
S602において、CPU120は、座席位置情報及びコラム位置情報と、車種コードと、ユーザIDとをストレージ150の車載機器210の設定データ150aへ蓄積する。S602を実行したのち、CPU120は取得処理を終了する。
【0066】
S603において、CPU120は受信されたユーザIDに対応する座席位置情報及びコラム位置情報と車種コードとを設定データ150aから取得する。S604において、CPU120は取得した車種コードに対応する車載機器210の可動範囲を可動範囲データ150bから取得する。
【0067】
以降の例では、車載機器210の設定情報として座席位置情報を例に説明するが、コラム位置情報や、他の車載機器に適用する場合にも同様の処理を実行すればよい。
【0068】
<変換処理>
続いて、本実施形態の変換処理を説明する。
図8は、本実施形態の変換処理の流れを示すフローチャートである。
図9乃至
図10は、本実施形態の変換処理を説明する模式図である。
【0069】
まず、変換処理において用いられる変換ロジックを説明する。一般に、車載機器210は、車種によって調整可能な範囲が異なる。例えば、座席SEは、車高や、周辺の部品などによって可動範囲が異なる。そこで、本開示においては車載機器210の設定情報を、車種ごとの可動範囲に対する比率に基づいて変換する。可動範囲が1方向のみの場合は、1方向の可動範囲の長さに対する比率が等しくなるようにすればよい。可動範囲が2方向の場合は、互いに交差する2方向の可動範囲の長さに対する比率がそれぞれ等しくなるようにすればよい。また、可動範囲が3方向の場合は、互いに交差する3方向の長さに対する比率がそれぞれ等しくなるようにすればよい。方向は、デカルト座標系によらず、任意の方向でとればよい。
【0070】
本実施形態では、CPU120は座席位置情報を、可動範囲に対する比率に基づいて変換する。具体的には、まず第1車両20Aにおける座席位置情報から、可動範囲に対する比率を導出する。さらに、可動範囲に対する比率が等しくなるように、第2車両20Bにおける座席位置情報を導出する。
【0071】
次に、本実施形態における可動範囲の方向の取り方を、
図9、
図10を用いて説明する。座席位置情報を、以降で定義する第1座標、第2座標として表す。
【0072】
図9に、第1車両20Aの座席SEを側面から見た場合の模式図を示す。なお、第2車両20Bについても同様である。第1車両20Aの座席SEは、車両の上下、前後方向に移動可能である。座席SEの代表位置を点Gとした場合の点Gの可動範囲をAとする。可動範囲Aは、車両の上下前後方向を基準面として、車両前方上方が鋭角の平行四辺形の形状となる。各平行四辺形の頂点を、それぞれa,b,c,dとする。可動範囲Aの車両前方上方の頂点を点a、車両前方下方の頂点を点b、車両後方下方の頂点を点c、車両後方上方の頂点を点dとする。また、点a,cを結ぶ対角線を対角線ac、点Gから対角線acへ引いた垂線の交点を点Oとする。
【0073】
図10は、可動領域の各頂点及び線を説明する模式図である。対角線acの長さをL1、対角線acの垂線の長さをL2とする。また、点aと点Oの間の長さをD1、点Oと点Gの長さをD2とする。対角線acの方向を第1方向とし、点Oで対角線と直交する方向を第2方向とする座標系であらわすと、座席SEの代表点である点Gの座標は(D1,D2)で表すことができる。点Gの座標において、D1を第1座標、D2を第2座標と称する。
【0074】
ここで、第1座標はユーザの体格による調整方向である。ユーザの体格が小柄であるほど、座席SEの位置は高く、ステアリングコラムSTへ近づくよう移動され、大柄であるほど、ステアリングコラムSTから離れる位置へ移動される。すなわち、ユーザの体格が小柄であるほど、座席SEの可動範囲のうち、前方かつ上方に座席SEの位置が移動され、ユーザの体格が大柄であるほど、後方かつ下方に座席SEの位置が移動される傾向にある。したがって、座席SEの可動範囲のうち、前方かつ上方の頂点である点aと後方かつ下方の頂点dである点cを結んだ対角線acを第1座標とすることで、ユーザの体格が反映された座標を得ることができる。他方、第2座標はユーザの好みを反映した調整方向である。第1座標及び第2座標を以上のように定義することで、座席SEの位置を、ユーザの体格によるユーザの好みによる方向に分解して、各座標を得ることができる。
【0075】
なお、本実施形態では第1座標、第2座標を以上のように定義したが、座席SEの可動方向によって座標を設定してもよい。座標系を任意に設定する場合は、座席SEの位置に反映させるため、座標系から座席SEの可動方向へ修正する必要があるが、座席SEの可動方向によって座標を設定すれば、修正を省略することができる。
【0076】
以上に定義した点を用いて、座席位置情報を第1車両20Aに対応する位置情報から、第2車両20Bに対応する位置情報へ変換する変換処理が実行される。
図8を用いて、変換処理を説明する。
【0077】
S701において、管理サーバ10のCPU120は、第1車両20Aと第2車両20Bとが同じ車種であるかどうかを判定する。同じ車種であるかどうかは、車種コードの比較に基づいて、判定すればよい。第1車両20Aと第2車両20Bとの車種が同一の場合(S701においてYES)、CPU120は変換処理を終了する。第1車両20Aと第2車両20Bとの車種が同一でない場合(S701においてNO)、S702へ進む。
【0078】
S702において、管理サーバ10のCPU120は、第1車両20Aの座席位置情報から第1座標D1と第2座標D2とを取得する。
【0079】
S703においてCPU120は、ストレージ150から第2車両20Bの座席SEの可動範囲Aを取得する。具体的にCPU120は、対角線acの長さL1と対角線acの垂線の長さL2とを取得する。
【0080】
S704において、CPU120は第1車両20Aの第1座標D1と第2座標D2とから、第2車両20Bにおける第1座標D1と第2座標D2とを導出する。第1車両20Aにおける第1座標D1の、対角線acの長さL1に対する比率を導出し、導出した比率に、第2車両20Bの対角線acの長さL1を乗することで、第2車両20Bにおける第1座標D1を導出する。同様にして、第1車両20Aにおける第2座標D2の対角線acの垂線の長さL2に対する比率を導出し、導出した比率に第2車両20Bにおける対角線acの垂線の長さL2を乗することで、第2車両20Bにおける第2座標D2を導出する。
【0081】
以上の構成によって、CPU120は、第1車両20Aに対応する位置情報から、第2車両20Bに対応する位置情報へ変換することができる。
【0082】
<補正処理>
図11を用いて、本実施形態の補正処理の流れを説明する。管理サーバ10は、提供処理を実行したのちに、第2車両20Bから座席位置情報が取得された場合に補正処理を開始する。
【0083】
S1101において、CPU120は、第2車両20Bへ提供した座席位置情報と、第2車両20Bから取得された変更後の座席位置情報とを比較する。これにより、第2車両20Bで行われた座席SEの位置の変更による可動方向と移動距離とを得る。
【0084】
S1102において、CPU120は、ストレージ150に比較結果を比較データ150cとして記憶させる。一例として、比較結果は、S1101において得られた座席SEの可動方向と移動距離とを、可動方向を前後、上下の2方向で分類して保存する。さらに、変換処理を行った、変換前後の車種コードの組合せに基づいて分類してもよい。なお、分類方法はあくまで一例である。例えば、変換後の車種コードによってのみ分類してもよい。
【0085】
S1103において、CPU120は、同様の比較結果が所定台数以上記憶されたかを判定する。例えば、CPU120は、同じ車種コードの組合せで、かつ同じ可動方向へ移動された比較結果が所定台数記憶されたかを判定する。S1103においてYESの場合、S1104に進む。S1103においてNOの場合、補正処理を終了する。
【0086】
S1104において、CPU120は比較結果に基づいて変換ロジックを補正する。例えば、CPU120は、変換処理に比較結果に基づいた追加処理を加える。例えば、座席位置情報を提供した後に、ユーザが座席SEを前方向へ移動する傾向が多い場合、変換処理のS704を実行したのちに、第2車両20Bにおける第1座標及び第2座標を、前方向への移動に対応して変更する追加処理を行う。移動量は、記憶された比較データ150cのうち、同様の傾向を示すデータの移動量を平均して得ればよい。あるいは、平均値ではなく、所定の定数の移動量としてもよい。さらに、S702の後に、第1車両20Aの第1座標及び第2座標に処理を加えてもよいし、S704によって導出された第2車両20Bの第1座標及び第2座標に追加処理を加えてもよい。また、座席SEの可動範囲や、S704の導出処理そのものを変更してもよい。S1104の処理が実行されたのち、補正処理は終了して、管理処理に戻る。
【0087】
以上の補正処理によって、変換処理の変換ロジックが補正される。これにより、車種にとう可動範囲に基づいた変換に加えて、ユーザによる車載機器の変更結果を変換ロジックに反映させることができる。
【0088】
(作用・効果)
本実施形態において、管理サーバ10のCPU120は、第1車両20Aの車種コードと第2車両20Bの車種コードとに基づいて、第1車両20Aにおける座席位置情報及びコラム位置情報を、第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報に変換して、第2車両20Bへ提供する。これにより、異なる車両間で車載機器の設定を引き継ぐ場合において、車種によらず車載機器の設定を提供することができる。さらに、第2車両20Bにおいて、第2車両20Bに適用される座席位置情報及びコラム位置情報を変換する処理を行わなくとも、管理サーバから提供された座席位置情報及びコラム位置情報をそのまま座席SE及びステアリングコラムSTに再現させることができる。
【0089】
また、本実施形態の管理サーバ10のCPU120は、第1車両20Aにおける座席位置情報を、座席SEの可動範囲Aに対する比率に基づき第2車両20Bにおける座席位置情報へ変換する。これにより、車種によって異なる可動範囲の座席SEであっても車種によらず座席SEの設定を再現することができる。
【0090】
また、本実施形態の管理サーバ10は、第1車両20Aにおける座席位置情報を互いに交差する第1座標D1と第2座標D2とに分けて、それぞれの座標上の可動範囲である長さL1、L2に対する比率とすることで第2車両20Bにおける座席位置情報に変換する。これにより、二次元の方向に可動範囲を持つ座席SEにおいては、車種による可動範囲の違いを考慮した第2車両20Bの座席位置情報に変換することができる。
【0091】
特に本実施形態では、座席SEの可動範囲の前側上方と後側下方とを結ぶ対角方向と、対角方向に垂直な方向の2方向の座標系を設定している。これにより、乗員の体格による方向と、乗員の好みによる方向に分けて座標系を設定することができる。
【0092】
また、本実施形態において、第1車両20Aの車種コードと第2車両20Bの車種コードが同じ場合には、座席位置情報及びコラム位置情報の変換処理を実行することなく第2車両20Bへ引き継ぐ。これにより管理サーバ10の演算負荷を軽減することができる。
【0093】
また、本実施形態において、座席位置情報やコラム位置情報を変換して引き継いだのちに、ユーザによってさらに座席SEやステアリングコラムSTの位置が変更された場合には、管理サーバ10は変換ロジックを補正する。これにより、管理装置はユーザによる車載機器の設定情報の変更に基づき最適化された変換ロジックによって、ユーザが再調整する手間を軽減することができる。
【0094】
[第1の実施形態の変形例]
上記実施形態では、変換処理を第2車両20Bから座席位置情報やコラム位置情報が受信されなかった場合に、第1車両20Aの車載機器210の設定情報を、第1車両20Aの車載機器210の可動範囲に対する比率として変換した。変形例として、第1車両20Aから座席位置情報やコラム位置情報が受信された場合に変換処理を実行してもよい。この場合、管理サーバ10はストレージ150にユーザIDと、座席位置情報やコラム位置情報の可動範囲に対する比率を蓄積するのみでよい。その後第2車両20BからユーザIDと車種コードを取得した場合に、ストレージに蓄積した座席位置情報やコラム位置情報の可動範囲に対する比率を、第2車両20Bの車種に対応する車載機器210の設定情報に変換してもよい。
【0095】
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る管理システム1は、座席位置情報やコラム位置情報を、車両において変換する。以下、第1の実施形態との相違点について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付しており、詳細な説明については割愛する。
【0096】
<ボデーECUのハードウェア構成>
図12を参照して、車両20のボデーECU220のハードウェア構成を説明する。ボデーECU220は、通信I/F221、CPU222、RAM223、ROM224及びストレージ225を含んで構成されている。通信I/F221、CPU222、RAM223、ROM224及びストレージ225は、内部バスを介して相互に通信可能に接続されている。
【0097】
CPU222は、ROM224から実行プログラム224aを読み出し、RAM223を作業領域として実行プログラム224aを実行する。
【0098】
本実施形態のストレージ225には、車載機器210の設定データ225aと、可動範囲データ225bとが記憶されている。ここで、設定データ225aは、自車両(車両20)の座席SEの位置情報と、ステアリングコラムSTの位置情報である。可動範囲データ225bとは、自車両(車両20)の座席SEの可動範囲と、ステアリングコラムSTの可動範囲に関する情報である。
【0099】
通信I/F221は、DCM230、シートECU211a及びチルト&テレスコピックECU212aに電気的に接続するためのインタフェースである。
【0100】
本実施形態の、CPU222は、ROM224から実行プログラム224aを読み出し、RAM223を作業領域として実行プログラム224aを実行する。
【0101】
<ボデーECUの機能構成>
図13を参照して、ボデーECU220の機能構成を説明する。ボデーECU220は、取得部2201と、提供部2202と、変換部2203と、記憶指示部2204とを備える。取得部2201と、提供部2202と、変換部2203と、記憶指示部2204とは、ROM224に記憶された実行プログラム224aをRAM223に読み出して、CPU120上で実行することにより実現される機能的な構成要素である。
【0102】
取得部2201及び提供部2202は、DCM230、シートECU211a及びチルト&テレスコピックECU212aと、座席位置情報及びコラム位置情報の授受を行う。記憶指示部2204は、取得部2201より取得された座席位置情報及びコラム位置情報をストレージ225に記憶させる。
【0103】
変換部2203は、第1変換ロジックを用いて第1変換処理を実行し、第2変換ロジックを用いて第2変換処理を実行する。第1変換ロジックは、自車両の座席位置情報及びコラム位置情報から、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報に変換する。第2変換ロジックは車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報から自車両に適用した座席位置情報及びコラム位置情報に変換する。
【0104】
<管理サーバのハードウェア構成>
第2実施例に係る管理サーバ10のストレージ150は、車載機器の設定データ150aを記憶する。車載機器の設定データ150aは、車両において変換された、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報をユーザIDごとに記憶した情報である。本実施形態においては、車載機器の設定データ150aにおいて、車種情報は省略される。
【0105】
<制御の流れ>
つづいて、
図14乃至16を用いて、本実施形態に係る管理システムの制御シークエンスについて説明する。
図14は、本実施形態の管理処理の流れを示すシステムシーケンス図である。
図15は、本実施形態の第1変換処理の流れを示すフローチャートである。
図16は、本実施形態の第2変換処理の流れを示すフローチャートである。
【0106】
図14を用いて、本実施形態の管理処理の流れを説明する。第1実施例と同様、第1車両20A、第2車両20Bを用いて説明する。
図14は、第1車両において第1変換処理が実行され、第2車両において第2変換処理が実行される例を示す。
【0107】
S1401において、第1車両20Aは第1変換処理を実行する。これにより、第1車両は自車両の座席位置情報及びコラム位置情報に基づいて、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報を得る。S1402において、第1車両20AはDCM230によって管理サーバ10と通信を行い、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報と、ユーザIDとを送信する。
【0108】
S1403において、第2車両20BはDCM230によって管理サーバ10と通信を行い、ユーザIDを送信する。
【0109】
S1404において管理サーバ10は、第2車両20Bから受信されたユーザIDに対応する、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報を第2車両20Bへ提供する。
【0110】
S1405において、第2車両20Bは第2変換処理を実行する。これにより、第2車両20Bは、取得された車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報に基づいて、第2車両20Bの座席位置情報及びコラム位置情報を得る。S506において、第2車両20Bは、第2変換処理により得られた座席位置情報及びコラム位置情報を第2車両20Bの座席SE及びステアリングコラムSTのそれぞれに適用させる。
【0111】
<第1変換処理>
続いて、本実施形態の第1変換処理を説明する。第1変換処理は、第1車両20Aにより実行される。
図15は、本実施形態の第1変換処理の流れを示すフローチャートである。なお、車載機器210の設定情報として座席位置情報を例に説明するが、コラム位置情報や、他の車載機器に適用する場合にも同様の処理を実行すればよい。
【0112】
S702において、ボデーECU220のCPU222は、座席位置情報から第1座標D1と第2座標D2とを取得する。S1501において、CPU222は、第1車両20Aの座席SEの可動範囲Aを取得する。具体的にCPU222は、対角線acの長さL1と対角線acの垂線の長さL2とを取得する。
【0113】
S1502において、CPU222は、CPU120は第1車両20Aの第1座標D1と第2座標D2とから、車種によらない第1座標D1と第2座標D2とを導出する。具体的には、第1車両20Aにおける第1座標D1の、対角線acの長さL1に対する比率、すなわち車種によらない第1座標D1を導出する。同様にして、第1車両20Aにおける第2座標D2の、対角線acの垂線の長さL2に対する比率、すなわち車種によらない第2座標D2を導出する。
【0114】
以上の構成によって、CPU120は、第1車両20Aに対応する座席位置情報から、車種によらない座席位置情報を導出する。
【0115】
<第2変換処理>
続いて、本実施形態の第2変換処理を、
図16を用いて説明する。第2変換処理は、第2車両20Bにより実行される。
【0116】
S1601において、ボデーECU220のCPU222は、DCM230を介して管理サーバ10から取得された、車種によらない座席位置情報から車種によらない第1座標D1と第2座標D2とを取得する。S1602において、CPU222は、第2車両20Bの座席SEの可動範囲Aを取得する。具体的にCPU222は、対角線acの長さL1と対角線acの垂線の長さL2とを取得する。
【0117】
S1603において、CPU222は、CPU120は車種によらない第1座標D1と第2座標D2とから、第2車両20Bにおける第1座標D1と第2座標D2とを導出する。具体的には、車種によらない第1座標D1に、第2車両20Bにおける対角線acの長さL1を乗じて、第2車両20Bにおける第1座標D1を導出する。同様にして、車種によらない第2座標D2に、第2車両20Bにおける対角線acの垂線の長さL2を乗じて、第2車両20Bにおける第2座標D2を導出する。
【0118】
本実施形態においては、車両において、自車両の座席位置情報及びコラム位置情報と、車種によらない座席位置情報及びコラム位置情報との間で変換する、第1変換ロジック及び第2変換ロジックの双方を備える。これにより、管理サーバ10において車種コードと車種ごとの可動範囲とを管理する必要がなくなり、管理サーバ10のストレージ150の容量を低減できる。
【0119】
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る管理システム1は、第1車両20Aにおいて、第1車両20Aの座席位置情報やコラム位置情報を、第2車両20Bの座席位置情報やコラム位置情報に変換する。なお、車両のハードウェア構成、機能構成、管理サーバのハードウェア構成、機能構成はそれぞれ第2の実施形態と同様であるため、詳細な説明については割愛する。
【0120】
<制御の流れ>
つづいて、
図17を用いて、本実施形態に係る本実施形態の管理処理の流れを説明する。S502において、第2車両20BはユーザIDと車種コードとを管理サーバへ送信する。S1701において、管理サーバは、第2車両20Bから取得されたユーザIDに対応する第1車両20Aへ、第2車両20Bの車種コードを提供する。S504において、第1車両20Aは変換処理を実行する。具体的には、第1車両20AのCPUは、第1車両20Aにおける座席位置情報とコラム位置情報とを、第2車両20Bにおける座席位置情報とコラム位置情報へ変換する(
図8参照)。また、S1702において、第1車両20Aは、ユーザIDと、変換した座席位置情報及びコラム位置情報を管理サーバへ送信する。S505において、管理サーバは、第1車両20Aから取得されたユーザIDに対応する第2車両へ、第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報を提供する。S506において、第2車両20Bでは、適用処理が実行される。
【0121】
本実施形態においては、第1車両20Aにおいて、第1車両20Aにおける座席位置情報及びコラム位置情報を、第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報に変換する。また、管理サーバ10を介して第2車両20Bへ第2車両20Bにおける座席位置情報及びコラム位置情報を提供する。これにより、第2車両20Bにおいて、第2車両20Bに適用される座席位置情報及びコラム位置情報を変換する処理を行わなくとも、提供された位置情報をそのまま座席SE及びステアリングコラムSTに再現させることができる。
【0122】
なお、本実施形態では、管理サーバ10を介した通信により、第1車両20Aと第2車両20Bとの間で情報が提供されていたが、これに限らず、第1車両20Aと第2車両20Bとで直接、情報を提供してもよい。
【0123】
[備考]
たとえば、上記実施形態で、管理サーバが複数のユーザの車載機器の設定情報を管理する例を示したが、管理サーバは、個々のユーザは所有するスマートフォンなどの携帯端末であってもよい。これにより、管理サーバはユーザIDごとの管理が不要になり、ストレージの容量を低減することができる。
【0124】
上記実施形態で、管理サーバの通信I/F110と車両20のDCM230がネットワークNを介して無線通信する実施例を示したが、個々のユーザが所有するスマートフォンなどの携帯端末と有線通信をして各種情報の授受を行ってもよい。これにより、無線通信の環境によらず情報の授受を実行できる。
【0125】
上記実施形態で、車載機器210の一例として座席SEとステアリングコラムSTを説明したが、車載機器の種類はこれに限定されない。また、上述の実施例では、ボデーECU220にて座席位置情報及びコラム位置情報を記憶、管理する構成としたが、シートECU211a、チルト&テレスコピックECU211bによりそれぞれ記憶してもよい。また、設定データ、可動範囲データ、比較データと別々に記憶させる例を示したが、データ構造はあくまでも一例である。
【0126】
なお、上記実施形態でCPU120、CPU222がそれぞれ実行プログラム140a、224aを読み込んで実行した各処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0127】
また、上記実施形態において、実行プログラム140a、224aはコンピュータが読み取り可能な非一時的記録媒体に予め記憶(インストール)されている態様で説明した。例えば、管理サーバ10やボデーECU220において、実行プログラム140a、224aは、それぞれROM140、224に予め記憶されている。しかしこれに限らず、各プログラムは、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、各プログラムは、ネットワークNを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0128】
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。上記実施形態で説明した処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。また、以上までに示した実施形態の特徴の一部を組合せてもよい。すなわち、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0129】
1 管理システム
10 管理サーバ(管理装置)
20 車両
20A 第1車両
20B 第2車両
140a 実行プログラム(プログラム)
1001 取得部
1002 提供部
1003 変換部
1004 記憶指示部
SE 座席(車載機器)
ST ステアリングコラム(車載機器)