(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】電動ポンプ
(51)【国際特許分類】
F04D 29/00 20060101AFI20241119BHJP
F04C 15/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
F04D29/00 B
F04C15/00 K
F04C15/00 L
(21)【出願番号】P 2021009801
(22)【出願日】2021-01-25
【審査請求日】2023-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】小林 喜幸
(72)【発明者】
【氏名】坂田 智洋
(72)【発明者】
【氏名】永井 友三
(72)【発明者】
【氏名】永井 秀雄
【審査官】中村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-066821(JP,A)
【文献】特開2019-180172(JP,A)
【文献】特開2019-178648(JP,A)
【文献】国際公開第2012/093678(WO,A1)
【文献】特開2010-090776(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/00
F04C 15/00
F04D 29/42
H02K 11/30
H01G 9/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定対象に取り付けられる電動ポンプであって、
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータと、
前記ロータに連結されたポンプ機構と、
前記モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向く回路基板と、
前記回路基板の板面に取り付けられた電解コンデンサと、
前記モータ、前記ポンプ機構、前記回路基板、および前記電解コンデンサを内部に収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記所定対象に取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、径方向外側を向く面であり、
前記回路基板の板面は、前記取付面と交差する方向に沿って配置され、
前記電解コンデンサは、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸
および前記電動ポンプの重心よりも前記取付面に近い位置に配置されている、電動ポンプ。
【請求項2】
所定対象に取り付けられる電動ポンプであって、
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータと、
前記ロータに連結されたポンプ機構と、
前記モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向く回路基板と、
前記回路基板の板面に取り付けられた電解コンデンサと、
前記モータ、前記ポンプ機構、前記回路基板、および前記電解コンデンサを内部に収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記所定対象に取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、径方向外側を向く面であり、
前記回路基板の板面は、前記取付面と交差する方向に沿って配置され、
前記電解コンデンサは、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されており、
前記回路基板は、前記ハウジングに固定された複数の固定部を有し、
前記電解コンデンサは、複数設けられ、
前記複数の電解コンデンサのうち2つ以上の電解コンデンサは、前記回路基板の板面と直交する方向に見て、前記複数の固定部のうち1つの固定部を中心とする仮想円弧に沿って配置されている、電動ポンプ。
【請求項3】
所定対象に取り付けられる電動ポンプであって、
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータと、
前記ロータに連結されたポンプ機構と、
前記モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向く回路基板と、
前記回路基板の板面に取り付けられた電解コンデンサと、
前記モータ、前記ポンプ機構、前記回路基板、および前記電解コンデンサを内部に収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記所定対象に取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、径方向外側を向く面であり、
前記回路基板の板面は、前記取付面と交差する方向に沿って配置され、
前記電解コンデンサは、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されており、
前記回路基板は、前記ハウジングに固定された複数の固定部を有し、
前記複数の固定部は、前記回路基板の板面と直交する方向に見て、前記電解コンデンサの少なくとも一部を挟んで配置された一対の固定部を含む、電動ポンプ。
【請求項4】
所定対象に取り付けられる電動ポンプであって、
軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータと、
前記ロータに連結されたポンプ機構と、
前記モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向く回路基板と、
前記回路基板の板面に取り付けられた電解コンデンサと、
前記モータ、前記ポンプ機構、前記回路基板、および前記電解コンデンサを内部に収容するハウジングと、
を備え、
前記ハウジングは、前記所定対象に取り付けられる取付面を有し、
前記取付面は、径方向外側を向く面であり、
前記回路基板の板面は、前記取付面と交差する方向に沿って配置され、
前記電解コンデンサは、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されており、
前記回路基板の板面に取り付けられたシャント抵抗をさらに備え、
前記シャント抵抗は、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されている、電動ポンプ。
【請求項5】
前記取付面は、軸方向に延びている、請求項1
から4のいずれか一項に記載の電動ポンプ。
【請求項6】
前記電解コンデンサは、複数設けられ、
前記電解コンデンサは、軸方向に沿って並んで配置された2つ以上の電解コンデンサを含む、請求項1から
5のいずれか一項に記載の電動ポンプ。
【請求項7】
前記回路基板の板面に取り付けられ、前記電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品をさらに備え、
前記電子部品は、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の電動ポンプ。
【請求項8】
前記電子部品は、インダクタである、請求項7に記載の電動ポンプ。
【請求項9】
前記電子部品は、前記電解コンデンサと軸方向に沿って並んで配置されている、請求項7または8に記載の電動ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
所定対象に取り付けられる電動ポンプが知られている。例えば、特許文献1には、自動車の自動変速機に搭載される電動オイルポンプが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような電動ポンプは、内部に電解コンデンサが取り付けられた回路基板を備える場合がある。この場合において、電動ポンプが取り付けられる所定対象が、自動車の自動変速機などのように振動が生じる対象であると、所定対象から伝わる振動によって、電動ポンプにおける電解コンデンサに、損傷するなどの不具合が生じる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、電解コンデンサに不具合が生じることを抑制できる構造を有する電動ポンプを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の電動ポンプの一つの態様は、所定対象に取り付けられる電動ポンプであって、軸方向に延びる中心軸を中心として回転可能なロータを有するモータと、前記ロータに連結されたポンプ機構と、前記モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向く回路基板と、前記回路基板の板面に取り付けられた電解コンデンサと、前記モータ、前記ポンプ機構、前記回路基板、および前記電解コンデンサを内部に収容するハウジングと、を備える。前記ハウジングは、前記所定対象に取り付けられる取付面を有する。前記取付面は、径方向外側を向く面である。前記回路基板の板面は、前記取付面と交差する方向に沿って配置されている。前記電解コンデンサは、前記取付面と直交する方向において、前記中心軸よりも前記取付面に近い位置に配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、電動ポンプにおいて、電解コンデンサに不具合が生じることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の電動ポンプの一部を示す断面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の電動ポンプの一部を示す部分断面斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の回路基板を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態の回路基板を上側から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1および
図2に示す本実施形態の電動ポンプ100は、車両に搭載される機器Mに取り付けられる電動ポンプである。つまり、機器Mは、電動ポンプ100が取り付けられる所定対象に相当する。機器Mは、特に限定されず、自動変速機であってもよいし、車両の車軸を駆動する駆動装置であってもよい。電動ポンプ100は、例えば、機器Mに対してオイルを供給する電動オイルポンプである。
【0010】
本実施形態において電動ポンプ100は、機器Mに対して鉛直方向と直交する方向に取り付けられる。機器Mに対して電動ポンプ100が取り付けられる方向は、電動ポンプ100の後述するモータ20の中心軸Jが延びる方向と直交する。
図1、
図2、および
図4に示す中心軸Jは、鉛直方向と直交する方向に延びる仮想線である。
【0011】
各図において、鉛直方向は、Z軸と平行な方向である。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)は、上側である。鉛直方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)は、下側である。各図において、機器Mに対して電動ポンプ100が取り付けられる方向は、Z軸と直交するY軸と平行な方向である。以下の説明においては、Y軸と平行な方向を「取付方向」と呼ぶ。取付方向のうちY軸の矢印が向く側(+Y側)を「取付方向一方側」と呼ぶ。取付方向のうちY軸の矢印が向く側と逆側(-Y側)を「取付方向他方側」と呼ぶ。
【0012】
各図において、中心軸Jが延びる方向は、Z軸およびY軸の両方と直交するX軸と平行な方向である。以下の説明においては、中心軸Jが延びる方向、つまりX軸と平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。軸方向のうちX軸の矢印が向く側(+X側)を「フロント側」と呼ぶ。軸方向のうちX軸の矢印が向く側と逆側(-X側)を「リア側」と呼ぶ。
【0013】
図1に示すように、電動ポンプ100は、ハウジング10と、モータ20と、ポンプ機構30と、回路基板40と、バスバーアッシー50と、を備える。ハウジング10は、モータ20、ポンプ機構30、回路基板40、およびバスバーアッシー50を内部に収容している。
【0014】
ハウジング10は、ハウジング本体11と、モータカバー12と、ポンプカバー13と、基板カバー14と、を有する。ハウジング本体11とモータカバー12とポンプカバー13と基板カバー14とは、互いに別部材である。モータカバー12は、ハウジング本体11のリア側(-X側)に取り付けられている。ポンプカバー13は、ハウジング本体11のフロント側(+X側)に取り付けられている。基板カバー14は、ハウジング本体11の下側に取り付けられている。
【0015】
図2に示すように、ハウジング本体11は、モータハウジング15と、ポンプハウジング16と、基板ハウジング17と、取付部18と、を有する。本実施形態において、モータハウジング15とポンプハウジング16と基板ハウジング17と取付部18とは、互いに同一の単一部材の一部である。
【0016】
本実施形態においてモータハウジング15は、軸方向に延びる円筒状である。
図1に示すように、モータハウジング15は、リア側(-X側)に開口する凹部からなる第1収容凹部11aを有する。第1収容凹部11aのリア側の開口は、モータカバー12によって塞がれている。
【0017】
ポンプハウジング16は、モータハウジング15のフロント側(+X側)に繋がっている。ポンプハウジング16は、フロント側に開口する凹部からなる第2収容凹部11bを有する。第2収容凹部11bのフロント側の開口は、ポンプカバー13によって塞がれている。
【0018】
基板ハウジング17は、モータハウジング15およびポンプハウジング16の下側に位置する。基板ハウジング17は、軸方向に延びている。基板ハウジング17のフロント側(+X側)の端部は、ポンプハウジング16およびポンプカバー13よりもフロント側に突出している。基板ハウジング17は、下側に開口する凹部からなる第3収容凹部11cを有する。第3収容凹部11cの下側の開口は、基板カバー14によって塞がれている。第3収容凹部11cの内部には、例えば、回路基板40の後述する上板面40aに取り付けられた電子部品の少なくとも一部が収容されている。
【0019】
図2に示すように、取付部18は、モータハウジング15およびポンプハウジング16の取付方向一方側(+Y側)に位置する。取付部18は、軸方向に延びている。取付部18は、モータハウジング15およびモータカバー12よりもリア側(-X側)に突出している。取付部18は、ポンプハウジング16およびポンプカバー13よりもフロント側(+X側)に突出している。
【0020】
取付部18は、取付部18を取付方向に貫通する貫通孔18a,18b,18cを有する。貫通孔18aは、取付部18のうちモータハウジング15およびモータカバー12よりもリア側(-X側)に突出する部分に設けられている。貫通孔18bおよび貫通孔18cは、取付部18のうちポンプハウジング16およびポンプカバー13よりもフロント側(+X側)に突出する部分に設けられている。貫通孔18bと貫通孔18cとは、鉛直方向に間隔を空けて並んで配置されている。各貫通孔18a,18b,18cには、機器Mに設けられた図示しないネジ穴に締め込まれるボルトBが、取付方向他方側(-Y側)から通される。本実施形態において取付部18は、3つのボルトBによって機器Mに取り付けられる。これにより、電動ポンプ100が機器Mに取り付けられる。電動ポンプ100は、機器Mに片持ち支持された状態で取り付けられる。
【0021】
取付部18の取付方向一方側(+Y側)の面は、機器Mに取り付けられる取付面19である。つまり、ハウジング10は、所定対象としての機器Mに取り付けられる取付面19を有する。取付面19は、ハウジング10の取付方向一方側の面である。取付面19は、径方向外側を向く面である。取付面19は、取付方向と直交している。本実施形態において取付面19は、鉛直方向および軸方向の両方と平行である。
図3および
図4に示すように、本実施形態において取付面19は、軸方向に延びている。
図4に示すように、取付面19は、機器Mと接触する。より詳細には、取付面19は、機器Mの被取付面Maと接触する。被取付面Maは、取付方向他方側(-Y側)を向く面である。被取付面Maには、ボルトBが締め込まれる図示しないネジ穴が設けられている。
【0022】
図1に示すように、ハウジング本体11は、第1収容凹部11aの内部と第2収容凹部11bの内部とを軸方向に繋ぐ第1貫通孔11dを有する。第1貫通孔11d内には、第1貫通孔11dの内周面と後述するシャフト21の外周面との間をシールするオイルシール24が保持されている。ハウジング本体11は、第1収容凹部11aの内部と第3収容凹部11cの内部とを径方向に繋ぐ第2貫通孔11eを有する。
【0023】
基板カバー14は、上側に向かって開口する箱状の部材である。基板カバー14は、軸方向に延びている。基板カバー14は、ハウジング本体11の下側に取り付けられた基板カバー本体部14aと、基板カバー本体部14aからフロント側(+X側)に突出するコネクタ部14bと、を有する。
【0024】
モータ20は、第1収容凹部11a内に収容されている。モータ20は、シャフト21を有するロータ22と、ステータ23と、第1ベアリング27および第2ベアリング28と、を有する。ロータ22は、軸方向に延びる中心軸Jを中心として回転可能である。シャフト21は、中心軸Jを中心として軸方向に延びる円柱状である。シャフト21は、第1ベアリング27および第2ベアリング28によって中心軸J回りに回転可能に支持されている。本実施形態において第1ベアリング27および第2ベアリング28は、転がり軸受である。第1ベアリング27は、モータカバー12に保持されている。第2ベアリング28は、第1貫通孔11d内に保持されている。シャフト21のフロント側(+X側)の端部は、第1貫通孔11dを介して第2収容凹部11b内に突出し、ポンプ機構30に連結されている。ステータ23は、ロータ22の径方向外側に位置する。ステータ23は、第1収容凹部11aの内周面に固定されている。ステータ23は、コイル23cを有する。
【0025】
ポンプ機構30は、第2収容凹部11b内に収容されている。ポンプ機構30は、インナーロータ31と、アウターロータ32と、を有する。インナーロータ31は、シャフト21のうち第2収容凹部11b内に突出した部分に連結されている。これにより、ポンプ機構30は、ロータ22に連結されている。アウターロータ32は、インナーロータ31を囲む環状である。インナーロータ31とアウターロータ32とは、互いに噛み合っている。シャフト21によってインナーロータ31が回転させられることで、アウターロータ32も回転する。
【0026】
バスバーアッシー50は、第1収容凹部11a内においてステータ23のリア側(-X側)に位置する。バスバーアッシー50は、第1バスバー51aと、第2バスバー51bと、バスバーホルダ52と、を有する。バスバーホルダ52は、ステータ23のリア側に位置する。第1バスバー51aは、バスバーホルダ52に保持されている。第1バスバー51aは、ステータ23のコイル23cに電気的に接続されている。第2バスバー51bは、第1バスバー51aに電気的に接続されている。第2バスバー51bは、第1バスバー51aから下側に延びている。第2バスバー51bは、第2貫通孔11eを通って、回路基板40まで延びている。第2バスバー51bは、回路基板40に電気的に接続されている。これにより、ステータ23は、第1バスバー51aおよび第2バスバー51bを介して、回路基板40に電気的に接続されている。
【0027】
回路基板40は、モータ20の径方向外側に位置する。本実施形態において回路基板40は、モータ20の下側に位置する。回路基板40は、基板ハウジング17と基板カバー14との鉛直方向の間に位置する。回路基板40は、板面が径方向を向く板状である。回路基板40の板面は、上側を向く上板面40aと、下側を向く下板面40bと、を含む。
図3に示すように、上板面40aおよび下板面40bは、取付面19と交差する方向に沿って配置されている。本実施形態において上板面40aおよび下板面40bは、取付面19と直交する取付方向に沿って配置されている。より詳細には、上板面40aおよび下板面40bは、取付方向および軸方向に広がっている。上板面40aと下板面40bとは、鉛直方向と直交する。図示は省略するが、上板面40aおよび下板面40bには、配線パターンが設けられている。
【0028】
図3および
図4に示すように、回路基板40は、軸方向に延びる矩形板状である。本実施形態において回路基板40は、鉛直方向に見て、軸方向に沿った長辺と取付方向に沿った短辺とを有する角丸の長方形状である。
図4に示すように、本実施形態において回路基板40の取付方向の中心位置は、中心軸Jの取付方向の位置と同じである。言い換えれば、鉛直方向に見て、中心軸Jは、回路基板40の取付方向の中心と重なっている。
【0029】
回路基板40は、ハウジング10に固定された複数の固定部47を有する。各固定部47は、回路基板40の外周縁部に設けられている。本実施形態において固定部47は、6つ設けられている。6つの固定部47は、長方形板状の回路基板40のうち取付方向一方側(+Y側)の2つの角部にそれぞれ設けられた固定部47c,47dと、回路基板40のうち取付方向他方側(-Y側)の2つの角部にそれぞれ設けられた固定部47e,47fと、固定部47cと固定部47dとの軸方向の間における中央部に設けられた固定部47gと、固定部47eと固定部47fとの軸方向の間における中央部に設けられた固定部47hと、を含む。固定部47cは、固定部47dよりもフロント側(+X側)に位置する。固定部47eは、固定部47fよりもフロント側に位置する。本実施形態において固定部47gは、固定部47hに対して、僅かにフロント側にずれて配置されている。固定部47gは、回路基板40の軸方向中心よりも僅かにフロント側にずれて配置されている。固定部47hは、回路基板40の軸方向中心に配置されている。
【0030】
各固定部47は、回路基板40を鉛直方向に貫通する貫通孔47aと、貫通孔47aを囲む周縁部47bと、を有する。本実施形態において貫通孔47aは、円形状の孔である。
図3に示すように、貫通孔47aには、下側からボルト46が通されている。ボルト46は、貫通孔47aに下側から通されて、ハウジング10に設けられたネジ穴17bに締め込まれている。これにより、固定部47は、ボルト46によってハウジング10に固定されている。本実施形態においてネジ穴17bは、基板ハウジング17に設けられたボス部17aの下端部に設けられている。ボス部17aは、下側に突出する円柱状である。ネジ穴17bは、ボス部17aの下側の面から上側に窪んでいる。ボス部17aは、6つ設けられている。
【0031】
周縁部47bは、円環状である。周縁部47bの下側の面には、ボルト46の頭部が接触している。周縁部47bの上側の面には、ボス部17aの下側の面が接触している。周縁部47bの上側の面および下側の面には、例えば、配線パターンが設けられていない。
【0032】
電動ポンプ100は、電解コンデンサ41と、チョークコイル42と、インダクタ43と、ダイオード44と、シャント抵抗45と、を備える。電解コンデンサ41、チョークコイル42、インダクタ43、ダイオード44、およびシャント抵抗45は、回路基板40の板面に取り付けられた電子部品である。電解コンデンサ41、チョークコイル42、インダクタ43、およびダイオード44は、回路基板40の板面のうち上板面40aに取り付けられている。シャント抵抗45は、回路基板40の板面のうち下板面40bに取り付けられている。電解コンデンサ41、チョークコイル42、インダクタ43、ダイオード44、およびシャント抵抗45は、回路基板40とともに、ハウジング10の内部に収容されている。
【0033】
電解コンデンサ41は、上板面40aから上側に突出する円柱状である。電解コンデンサ41の種類は、特に限定されない。
図4に示すように、電解コンデンサ41は、取付面19と直交する取付方向(Y軸方向)において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。本実施形態において電解コンデンサ41は、取付面19と直交する取付方向において、電動ポンプ100の重心Gよりも取付面19に近い位置に配置されている。言い換えれば、電解コンデンサ41は、鉛直方向に見て重心Gを通り軸方向に延びる仮想線ILよりも取付面19に近い位置に配置されている。本実施形態において重心Gおよび仮想線ILは、中心軸Jよりも取付方向一方側(+Y側)に位置する。つまり、本実施形態において重心Gおよび仮想線ILは、取付方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。重心Gの軸方向位置は、例えば、回路基板40の軸方向中央部の軸方向位置と同じである。
【0034】
本明細書において「或る対象が、取付面と直交する取付方向において、他の対象よりも取付面に近い位置に配置されている」とは、或る対象の取付方向の中心位置が、他の対象の取付方向の中心位置よりも、取付面の取付方向の位置に近ければよい。つまり、「電解コンデンサ41が取付方向において中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている」とは、電解コンデンサ41の取付方向の中心位置が、中心軸Jの取付方向の位置よりも、取付面19の取付方向の位置に近ければよい。また、「電解コンデンサ41が取付方向において重心Gよりも取付面19に近い位置に配置されている」とは、電解コンデンサ41の取付方向の中心位置が、重心Gの取付方向の位置よりも、取付面19の取付方向の位置に近ければよい。本実施形態において電解コンデンサ41の全体は、中心軸J、重心G、および仮想線ILよりも取付方向一方側(+Y側)に位置する。
【0035】
本実施形態において電解コンデンサ41は、複数設けられている。電解コンデンサ41は、電解コンデンサ41Aと、電解コンデンサ41Bと、電解コンデンサ41Cとの3つ設けられている。電解コンデンサ41A、電解コンデンサ41B、および電解コンデンサ41Cは、回路基板40の上板面40aのうち取付方向一方側(+Y側)の部分における軸方向の中央部に位置する。電解コンデンサ41Aと電解コンデンサ41Bと電解コンデンサ41Cとは、軸方向に沿って並んで配置されている。電解コンデンサ41Bは、電解コンデンサ41Aのフロント側(+X側)に位置する。電解コンデンサ41Cは、電解コンデンサ41Aと電解コンデンサ41Bとの軸方向の間に位置する。
【0036】
本明細書において「複数の或る対象が軸方向に沿って並んで配置されている」とは、複数の或る対象を軸方向に見た際に、複数の或る対象同士が少なくとも一部において重なり合っていればよい。本実施形態において電解コンデンサ41Cは、電解コンデンサ41Aおよび電解コンデンサ41Bに対して取付方向他方側(-Y側)にずれて配置されている。電解コンデンサ41Cの取付方向一方側(+Y側)の部分は、軸方向に見て、電解コンデンサ41Aの取付方向他方側の部分および電解コンデンサ41Bの取付方向他方側の部分と重なっている。電解コンデンサ41Aと電解コンデンサ41Bとは、取付方向において同じ位置に配置されている。電解コンデンサ41Aの全体と電解コンデンサ41Bの全体とは、例えば、軸方向に見て、互いに重なり合っている。
【0037】
本実施形態において複数の電解コンデンサ41A,41B,41Cは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、複数の固定部47のうち1つの固定部47gの周囲に配置されている。固定部47gは、回路基板40のうち取付方向一方側(+Y側)の縁部における軸方向の中央部に位置する固定部47である。鉛直方向に見て、複数の電解コンデンサ41A,41B,41Cの各中心は、固定部47gの中心から同じ距離の位置にそれぞれ配置されている。つまり、本実施形態において3つの電解コンデンサ41A,41B,41Cは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、固定部47gを中心とする仮想円弧Cに沿って配置されている。鉛直方向に見て、仮想円弧Cの中心は、固定部47gにおける貫通孔47aの中心と重なっている。鉛直方向に見て、複数の電解コンデンサ41A,41B,41Cの各中心は、仮想円弧C上に位置する。
【0038】
電解コンデンサ41Aと電解コンデンサ41Bとは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、固定部47gを軸方向に挟んで配置されている。より詳細には、電解コンデンサ41Aの取付方向一方側(+Y側)の部分と電解コンデンサ41Bの取付方向一方側の部分とは、鉛直方向に見て、固定部47gの取付方向他方側(-Y側)の部分を軸方向に挟んで配置されている。電解コンデンサ41Cは、固定部47gの取付方向他方側に位置する。
【0039】
電解コンデンサ41Aの取付方向一方側(+Y側)の部分は、鉛直方向に見て、固定部47dの取付方向他方側(-Y側)の部分と固定部47gの取付方向他方側の部分との軸方向の間、および固定部47cの取付方向他方側の部分と固定部47dの取付方向他方側の部分との軸方向の間に位置する。つまり、本実施形態において固定部47d,47gと固定部47c,47dとのそれぞれは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、電解コンデンサ41Aの少なくとも一部を挟んで配置された一対の固定部47に相当する。
【0040】
電解コンデンサ41Bの取付方向一方側(+Y側)の部分は、鉛直方向に見て、固定部47cの取付方向他方側(-Y側)の部分と固定部47gの取付方向他方側の部分との軸方向の間、および固定部47cの取付方向他方側の部分と固定部47dの取付方向他方側の部分との軸方向の間に位置する。つまり、本実施形態において固定部47c,47gと固定部47c,47dとのそれぞれは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、電解コンデンサ41Bの少なくとも一部を挟んで配置された一対の固定部47に相当する。
【0041】
電解コンデンサ41Cは、鉛直方向に見て、固定部47gと固定部47hとの取付方向の間に位置する。つまり、本実施形態において固定部47g,47hは、回路基板40の板面と直交する鉛直方向に見て、電解コンデンサ41Cの少なくとも一部を挟んで配置された一対の固定部47に相当する。
【0042】
チョークコイル42は、電解コンデンサ41よりも質量が大きい電子部品である。チョークコイル42は、インダクタである。本実施形態においてチョークコイル42の質量は、回路基板40に取り付けられる各電子部品の質量のうちで最も大きい。チョークコイル42は、取付面19と直交する取付方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。本実施形態においてチョークコイル42は、取付方向において、重心Gよりも取付面19に近い位置に配置されている。チョークコイル42の全体は、中心軸Jおよび重心Gよりも取付方向一方側(+Y側)に位置する。本実施形態においてチョークコイル42は、複数の電解コンデンサ41A,41B,41Cと軸方向に沿って並んで配置されている。チョークコイル42は、電解コンデンサ41Bのフロント側(+X側)に位置する。
【0043】
チョークコイル42は、電解コンデンサ41A,41Bに対して、取付方向他方側(-Y側)にずれて配置されている。チョークコイル42の取付方向一方側(+Y側)の部分と電解コンデンサ41Cの取付方向一方側の部分とは、鉛直方向に見て、電解コンデンサ41Bの取付方向他方側の部分を軸方向に挟んで配置されている。本実施形態において電解コンデンサ41Aと電解コンデンサ41Cと電解コンデンサ41Bとチョークコイル42とは、鉛直方向に見て、リア側(-X側)からフロント側(+X側)に向かってこの順にジグザグに配置されている。
【0044】
本実施形態においてインダクタ43は、電動ポンプ100に外部から供給される電源の昇圧用に用いられるインダクタである。インダクタ43は、電解コンデンサ41Bの取付方向他方側(-Y側)に位置する。インダクタ43は、取付面19と直交する取付方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。インダクタ43は、鉛直方向に見て、仮想線ILと重なる位置に配置されている。
【0045】
本実施形態においてダイオード44は、サージ電圧から回路基板40上の電子部品などを保護する保護回路に用いられる双方向のTVS(Transient Voltage Suppressor)ダイオードである。ダイオード44は、チョークコイル42の取付方向他方側(-Y側)に位置する。ダイオード44は、インダクタ43のフロント側(+X側)に位置する。ダイオード44は、取付面19と直交する取付方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。ダイオード44は、鉛直方向に見て、中心軸Jと仮想線ILとの間に位置する。
【0046】
本実施形態においてシャント抵抗45は、下板面40bのうち鉛直方向に見て電解コンデンサ41Aと重なる部分に取り付けられている。シャント抵抗45は、電解コンデンサ41Aとの鉛直方向の間で回路基板40を挟んでいる。シャント抵抗45は、取付面19と直交する取付方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。本実施形態においてシャント抵抗45は、取付方向において、重心Gよりも取付面19に近い位置に配置されている。シャント抵抗45の全体は、中心軸Jおよび重心Gよりも取付方向一方側(+Y側)に位置する。
【0047】
電動ポンプ100は、機器Mから伝わる振動によって、取付面19を支点として、取付方向と直交する方向に振動する場合がある。この場合において回路基板40の板面が取付面19と交差する方向に沿って配置される場合、機器Mの振動によって回路基板40に生じる振動は、回路基板40のうち取付方向において取付面19から遠い部分、つまり取付方向他方側(-Y側)に位置する部分ほど大きくなりやすい。そのため、機器Mからの振動によって回路基板40が板厚方向に振動する場合、回路基板40に生じる振動の振幅は、取付面19から取付方向に遠い部分ほど大きくなりやすい。一方、回路基板40に生じる振動の振幅は、取付面19に対して取付方向に近い部分ほど小さくなりやすい。
【0048】
本実施形態によれば、電解コンデンサ41は、取付面19と直交する方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。そのため、電解コンデンサ41を回路基板40のうちで取付面19に比較的近い部分に配置することができる。つまり、回路基板40に生じる振動の振幅が比較的小さい部分に電解コンデンサ41を配置できる。これにより、電解コンデンサ41に加えられる振動を小さくしやすい。したがって、電解コンデンサ41に、損傷するなどの不具合が生じることを抑制できる。電解コンデンサ41は、他の電子部品に比べて比較的振動によって損傷しやすい電子部品である。そのため、上述したようにして電解コンデンサ41に不具合が生じることを抑制できることで、電動ポンプ100の信頼性を向上できる。
【0049】
また、本実施形態によれば、電解コンデンサ41は、取付面19と直交する方向において、電動ポンプ100の重心Gよりも取付面19に近い位置に配置されている。重心Gよりも取付面19から遠い位置では、回路基板40に生じる振動の振幅は特に大きくなりやすい。そのため、重心Gよりも取付面19に近い位置に電解コンデンサ41を配置することで、回路基板40に生じる振動の振幅がより小さい部分に電解コンデンサ41を配置できる。これにより、電解コンデンサ41に加えられる振動をより小さくしやすい。したがって、電解コンデンサ41に不具合が生じることをより抑制できる。
【0050】
また、本実施形態によれば、取付面19は、軸方向に延びている。そのため、取付面19の軸方向の寸法が、取付面19の鉛直方向の寸法よりも大きい。この場合、軸方向および取付方向の両方と直交する鉛直方向に延びる軸回りには、電動ポンプ100が振動しにくい。一方、鉛直方向および取付方向の両方と直交する軸方向に延びる軸回りには、電動ポンプ100が振動しやすい。ここで、本実施形態において、回路基板40の板面は、径方向を向いている。そのため、回路基板40の板面は、軸方向に沿っている。また、回路基板40は、取付面19と交差する方向に沿って配置されている。これにより、回路基板40の板厚方向は、軸方向および取付方向の両方と直交する鉛直方向または鉛直方向に近い方向になりやすい。この場合において、上述したように電動ポンプ100が鉛直方向および取付方向の両方と直交する軸方向に延びる軸回りに振動しやすいと、回路基板40が板厚方向に振動しやすく、回路基板40に生じる振動の振幅が大きくなりやすい。このように、本実施形態の電動ポンプ100は、回路基板40に生じる振動の振幅が大きくなりやすい構造となっている。
【0051】
これに対して、本実施形態によれば、上述したようにして、機器Mから電動ポンプ100に振動が伝わっても、電解コンデンサ41に加えられる振動を小さくしやすく、電解コンデンサ41に不具合が生じることを抑制できる。つまり、取付面19が軸方向に延びている構成では、電解コンデンサ41に不具合が生じることを抑制できるという効果をより有用に得られる。なお、回路基板40を上述したような配置とすることで、電動ポンプ100が軸方向および取付方向に大型化することを抑制できる。つまり、本実施形態によれば、回路基板40の配置を電動ポンプ100が軸方向および取付方向に大型化することを抑制できる配置にしつつ、回路基板40に取り付けられた電解コンデンサ41に不具合が生じることを抑制できる。
【0052】
また、本実施形態によれば、電解コンデンサ41は、軸方向に沿って並んで配置された2つ以上の電解コンデンサ41を含む。そのため、2つ以上の電解コンデンサ41が取付方向に沿って並んで配置されるような場合に比べて、2つ以上の電解コンデンサ41をいずれも、より取付面19に近づけて配置することができる。これにより、2つ以上の電解コンデンサ41に不具合が生じることをより抑制できる。本実施形態では、3つの電解コンデンサ41A,41B,41Cが軸方向に沿って並んで配置されているため、3つの電解コンデンサ41A,41B,41Cのいずれにおいても不具合が生じることをより抑制できる。
【0053】
また、本実施形態によれば、複数の電解コンデンサ41のうち2つ以上の電解コンデンサ41は、回路基板40の板面と直交する方向に見て、複数の固定部47のうち1つの固定部47gを中心とする仮想円弧Cに沿って配置されている。そのため、2つ以上の電解コンデンサ41を固定部47gの周囲に配置することができる。本実施形態では、すべての電解コンデンサ41A,41B,41Cが、鉛直方向に見て仮想円弧Cに沿って配置され、固定部47gの周囲に配置されている。ここで、回路基板40のうち固定部47の周囲においては、回路基板40に生じる振動の振幅がより小さくなりやすい。そのため、2つ以上の電解コンデンサ41を1つの固定部47の周囲に配置することで、2つ以上の電解コンデンサ41に加えられる振動をより小さくしやすい。これにより、2つ以上の電解コンデンサ41に不具合が生じることをより抑制できる。本実施形態ではすべての電解コンデンサ41A,41B,41Cに不具合が生じることをより抑制できる。また、1つの固定部47gの周囲にまとめて2つ以上の電解コンデンサ41を配置することで、2つ以上の電解コンデンサ41を回路基板40上にまとめて配置することができ、回路基板40上において各電子部品を効率的に配置できる。
【0054】
また、本実施形態によれば、複数の固定部47は、回路基板40の板面と直交する方向に見て、電解コンデンサ41の少なくとも一部を挟んで配置された一対の固定部47を含む。上述したように、回路基板40のうち固定部47の周囲においては、回路基板40に生じる振動の振幅がより小さくなりやすい。そのため、固定部47と固定部47との間においても、回路基板40に生じる振動の振幅が小さくなりやすい。これにより、一対の固定部47同士の間に電解コンデンサ41の少なくとも一部を配置することで、電解コンデンサ41に加えられる振動をより小さくしやすい。これにより、電解コンデンサ41に不具合が生じることをより抑制できる。
【0055】
また、本実施形態によれば、電動ポンプ100は、回路基板40の板面に取り付けられ、電解コンデンサ41よりも質量が大きい電子部品としてチョークコイル42をさらに備える。チョークコイル42は、取付面19と直交する方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。比較的質量が大きい電子部品が取付面19から遠くに配置されているほど、当該電子部品の質量によって、回路基板40に生じる振動の振幅がより大きくなりやすい。そのため、質量が比較的大きい電子部品であるチョークコイル42を中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置することで、回路基板40に生じる振動の振幅がチョークコイル42の質量によって大きくなることを抑制できる。これにより、回路基板40に生じる振動の振幅を小さくしやすく、電解コンデンサ41に加えられる振動をより小さくしやすい。したがって、電解コンデンサ41に不具合が生じることをより抑制できる。
【0056】
また、本実施形態によれば、電解コンデンサ41よりも質量が大きい電子部品は、インダクタであるチョークコイル42である。チョークコイル42は、回路基板40に取り付けられる電子部品の中でも、最も質量が大きくなりやすい。そのため、チョークコイル42を中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置することで、回路基板40に生じる振動の振幅をより好適に小さくしやすい。これにより、電解コンデンサ41に加えられる振動をより好適に小さくしやすい。したがって、電解コンデンサ41に不具合が生じることをより好適に抑制できる。
【0057】
また、本実施形態によれば、電解コンデンサ41よりも質量が大きい電子部品であるチョークコイル42は、電解コンデンサ41と軸方向に沿って並んで配置されている。そのため、チョークコイル42が電解コンデンサ41と取付方向に沿って並んで配置される場合に比べて、チョークコイル42をより取付面19に近づけて配置することができる。これにより、回路基板40に生じる振動の振幅をより好適に小さくしやすい。したがって、電解コンデンサ41に不具合が生じることをより好適に抑制できる。
【0058】
また、本実施形態によれば、電動ポンプ100は、回路基板40の板面に取り付けられたシャント抵抗45をさらに備える。シャント抵抗45は、取付面19と直交する方向において、中心軸Jよりも取付面19に近い位置に配置されている。そのため、上述した電解コンデンサ41と同様に、シャント抵抗45に加えられる振動を小さくしやすい。したがって、シャント抵抗45に、損傷するなどの不具合が生じることを抑制できる。シャント抵抗45は、電解コンデンサ41と同様に、他の電子部品に比べて比較的振動によって損傷しやすい電子部品である。そのため、シャント抵抗45に不具合が生じることを抑制できることで、電動ポンプ100の信頼性をより向上できる。
【0059】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。回路基板は、モータの径方向外側に位置し、板面が径方向を向き、かつ、板面が取付面と交差する方向に沿って配置されるならば、どのように配置されてもよい。回路基板の板面は、取付面と直交する方向に対して傾いていてもよい。回路基板の板面は、鉛直方向と直交しなくてもよい。回路基板における固定部の数および位置は、特に限定されない。固定部が複数設けられる場合、複数の固定部は、回路基板の板面と直交する方向に見て電解コンデンサの少なくとも一部を挟む一対の固定部を含まなくてもよい。
【0060】
電解コンデンサは、取付面と直交する方向において、中心軸よりも取付面に近い位置に配置されるならば、どのような位置に配置されてもよい。電解コンデンサは、取付面と直交する方向において、電動ポンプの重心と同じ位置に配置されてもよいし、電動ポンプの重心よりも取付面から遠い位置に配置されてもよい。電解コンデンサは、回路基板に設けられた固定部の周囲に配置されなくてもよい。
【0061】
電解コンデンサの数は、特に限定されない。電解コンデンサは、1つのみ設けられていてもよいし、2つのみ設けられていてもよいし、4つ以上設けられていてもよい。電解コンデンサが複数設けられる場合、複数の電解コンデンサのうち一部の2つ以上の電解コンデンサが軸方向に沿って並んで配置され、複数の電解コンデンサのうち他の一部の1つ以上の電解コンデンサが軸方向に沿って並んで配置されなくてもよい。複数の電解コンデンサのすべてが軸方向に沿って配置されなくてもよい。複数の電解コンデンサは、回路基板の板面と直交する方向に見て、1つの固定部を中心とする仮想円弧に沿って配置されない1つ以上の電解コンデンサを含んでもよい。
【0062】
電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品は、インダクタ以外の電子部品であってもよい。電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品がインダクタである場合、当該電子部品は、チョークコイル以外のインダクタであってもよい。電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品の配置は、特に限定されない。電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品は、取付面と直交する方向において、中心軸と同じ位置に配置されてもよいし、中心軸よりも取付面から遠い位置に配置されてもよい。電解コンデンサよりも質量が大きい電子部品は、設けられなくてもよい。
【0063】
シャント抵抗の配置は、特に限定されない。シャント抵抗は、取付面と直交する方向において、中心軸と同じ位置に配置されてもよいし、中心軸よりも取付面から遠い位置に配置されてもよい。シャント抵抗は、設けられなくてもよい。
【0064】
本発明が適用される電動ポンプの用途は、特に限定されない。電動ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、水などであってもよい。電動ポンプが取り付けられる所定対象は、どのような対象であってもよい。電動ポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。電動ポンプは、鉛直方向に対して、どのように配置されていてもよい。電動ポンプのモータにおける中心軸は、鉛直方向と直交せずに鉛直方向に対して傾いた方向に延びてもよいし、鉛直方向と平行に延びてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0065】
10…ハウジング、19…取付面、20…モータ、22…ロータ、23c…コイル、30…ポンプ機構、40…回路基板、40a…上板面(板面)、40b…下板面(板面)、41,41A,41B,41C…電解コンデンサ、42…チョークコイル(電子部品,インダクタ)、45…シャント抵抗、47,47c,47d,47e,47f,47g,47h…固定部、100…電動ポンプ、C…仮想円弧、G…重心、J…中心軸、M…機器(所定対象)