(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241119BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/00 Z
H04N1/00 838
(21)【出願番号】P 2021030314
(22)【出願日】2021-02-26
【審査請求日】2024-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】新田 竜一
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226298(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
タッチパネルを有する操作部と、
画像データを記憶する記憶部と、
前記画像形成部、前記操作部、及び前記記憶部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、原稿画像データを二次元バーコード画像データに変換し、原稿画像の中の二次元バーコード画像の位置及び向きをランダムに決定して前記二次元バーコード画像データを前記位置及び前記向きの情報とともに前記記憶部に記憶し、前記位置及び前記向きの情報についてユーザーが前記タッチパネルを介して正答をした場合に限り、前記二次元バーコード画像データを前記原稿画像データに逆変換して前記原稿画像のプレビュー表示を実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記タッチパネルを介して前記位置及び前記向きの情報を前記ユーザーに提示し、前記ユーザーの承認を得た場合に限り、前記二次元バーコード画像データを前記記憶部に記憶する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記プレビュー表示を実行した場合に限り、前記原稿画像を対象とした前記画像形成部による画像形成を許可するように制御する、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記原稿画像を読み取る読取部を更に備え、
前記制御部は、前記読取部から前記原稿画像データを受け取る、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の画像処理装置は、画像の複写に関するユーザー設定が、読み取られた原稿画像の中に埋め込まれた許可条件と一致する場合に限り、複写を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の画像処理装置では、セキュリティー対策の設定が煩雑であった。
【0005】
本発明は、セキュリティー対策の設定を容易に実行することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、画像形成部と、操作部と、記憶部と、制御部とを備える。前記画像形成部は、記録媒体に画像を形成する。前記操作部は、タッチパネルを有する。前記記憶部は、画像データを記憶する。前記制御部は、前記画像形成部、前記操作部、及び前記記憶部を制御する。前記制御部は、原稿画像データを二次元バーコード画像データに変換し、原稿画像の中の二次元バーコード画像の位置及び向きをランダムに決定して前記二次元バーコード画像データを前記位置及び前記向きの情報とともに前記記憶部に記憶し、前記位置及び前記向きの情報についてユーザーが前記タッチパネルを介して正答をした場合に限り、前記二次元バーコード画像データを前記原稿画像データに逆変換して前記原稿画像のプレビュー表示を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、セキュリティー対策の設定を容易に実行することができる画像形成装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の構造の一例を示す概略図である。
【
図2】画像形成装置の回路構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】制御部が決定した二次元バーコード画像の位置及び向きをユーザーに提示するための画面の一例を示す図である。
【
図4】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】制御部の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、実施形態に係る画像形成装置100について説明する。
図1は、画像形成装置100の構成の一例を示す概略図である。画像形成装置100は、例えば、複写機、プリンター、ファクシミリ、又はこれらの機能を兼ね備えた複合機である。以下では、画像形成装置100がモノクロ複合機である実施形態について説明する。
【0011】
図1に示されるように、画像形成装置100は、読取部1と、給送部2と、搬送部3と、画像形成部4と、定着部5と、排出部6とを備える。
【0012】
読取部1は、原稿Gの画像を読み取る。読取部1は、読み取った画像から画像データを生成する。給送部2は、複数のシートSを収容し、搬送部3へシートSを給送する。シートSは、例えば紙製又は合成樹脂製である。搬送部3は、複数の搬送ローラー対を含み、画像形成部4にシートSを搬送する。シートSは、「記録媒体」の一例に相当する。
【0013】
画像形成部4は、電子写真方式によってシートSにトナー像を形成する。画像形成部4は、感光体ドラムと、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、補給装置と、転写装置と、クリーニング装置と、除電装置とを含む。トナー像は、例えば原稿Gの画像を示す。定着部5は、トナー像を加熱及び加圧して、トナー像をシートSに定着させる。搬送部3は、トナー像の定着されたシートSを排出部6に搬送する。排出部6は、画像形成装置100の外部にシートSを排出する。
【0014】
次に、
図1及び
図2を参照して、画像形成装置100の回路構成について説明する。
図2は、画像形成装置100の回路構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図2に示されるように、画像形成装置100は、操作部10と、制御部60と、記憶部70とを更に備える。
【0016】
操作部10は、種々のユーザー操作のための入力デバイスである。操作部10は、タッチパネル11を含む。操作部10は、操作ボタンを更に含んでもよい。ユーザー操作を示す情報は、制御部60へ供給される。
【0017】
記憶部70は、記憶装置を含み、データ及びコンピュータープログラムを記憶する。記憶部70は、半導体メモリーのような主記憶装置と、ハードディスクドライブのような補助記憶装置とを含む。
【0018】
制御部60は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含み、記憶部70に記憶されたコンピュータープログラムを実行することにより、画像形成装置100の各構成を制御する。
【0019】
制御部60は、読取部1が生成した原稿画像データを二次元バーコード画像データ71に変換し、原稿画像の中の二次元バーコード画像の位置及び向きをランダムに決定して、二次元バーコード画像データ71を位置及び向きの情報とともに記憶部70に記憶する。
【0020】
次に、
図3を参照して、二次元バーコード画像について説明する。
図3は、制御部60が決定した二次元バーコード画像の位置及び向きをユーザーに提示するための画面の一例を示す図である。
【0021】
図3によれば、タッチパネル11の画面の中央に二次元バーコード画像が表示され、その周囲に第1位置D1~第8位置D8の枠がユーザーに提示される。更に、制御部60は、第1位置D1~第8位置D8のいずれかの枠の中に、決定した向きに従って二次元バーコード画像を更に表示する。二次元バーコード画像の向きの選択肢は、時計回りの回転角度0度、90度、180度、270度の4通りである。枠の選択と向きの選択との組合せは、32通りである。例えば、第4位置D4の枠の中に時計回りに90度回転させた二次元バーコード画像が表示される。
【0022】
次に、
図1~
図4を参照して、制御部60の動作について説明する。
図4は、制御部60の動作の一例を示すフローチャートである。
【0023】
ステップS101:制御部60は、
図4に示されるように、原稿Gの画像を読み取るように読取部1を制御する。ステップS101の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS103へ進む。
【0024】
ステップS103:制御部60は、原稿Gの画像データを二次元バーコード画像データ71に変換する。ステップS103の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS105へ進む。
【0025】
ステップS105:制御部60は、二次元バーコード画像の位置及び向きを、32通りの組合せの中からランダムに決定する。ステップS105の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS107へ進む。
【0026】
ステップS107:制御部60は、
図3で説明したように、決定した二次元バーコード画像の位置及び向きをユーザーに提示する。ステップS107の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS109へ進む。
【0027】
ステップS109:制御部60は、提示した二次元バーコード画像の位置及び向きをユーザーが承認したか否かを判定する。位置及び向きをユーザーが承認したと制御部60が判定した場合(ステップS109でYes)には、制御部60の処理がステップS111へ進む。位置及び向きをユーザーが承認しないと制御部60が判定した場合(ステップS109でNo)には、制御部60の処理が終了する。
【0028】
ステップS111:制御部60は、決定した位置及び向きに従って、二次元バーコード画像データ71を記憶部70に記憶する。制御部60は、決定した位置及び向きを反映した二次元バーコード画像データ71を記憶部70に記憶することができる。制御部60は、二次元バーコード画像データ71とは別に、決定した位置及び向きを示す情報を記憶部70に記憶してもよい。ステップS111の処理が完了すると、制御部60の処理が終了する。
【0029】
次に、
図1~
図5を参照して、制御部60の動作について更に説明する。
図5は、制御部60の動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】
ステップS201:ユーザーからの要求があったとき、制御部60は、
図5に示されるように、二次元バーコード画像データ71を記憶部70から読み出す。ステップS201の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS203へ進む。
【0031】
ステップS203:制御部60は、二次元バーコード画像の位置及び向きをプレビュー用に変更する。つまり、ステップS105で決定された位置及び向きにかかわらず、プレビュー用にユーザーに提示される二次元バーコード画像の位置及び向きは、
図3の画面の中央位置、かつ回転角度0度に固定される。ステップS203の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS205へ進む。
【0032】
ステップS205:制御部60は、ステップS203で変更した位置及び向きに従って、タッチパネル11を介して二次元バーコード画像をユーザーに提示する。つまり、
図3における第1位置D1~第8位置D8の枠の中には、位置を識別する記号のみが表示される。ステップS205の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS207へ進む。
【0033】
ステップS207:制御部60は、先にユーザーが承認した位置及び向きをユーザーに問い合わせる。ステップS207の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS209へ進む。
【0034】
ステップS209:制御部60は、タッチパネル11を介して得られたユーザー回答が正しいか否かを判定する。ユーザー回答が正しいと制御部60が判定した場合(ステップS209でYes)には、制御部60の処理がステップS211へ進む。ユーザー回答が正しくないと制御部60が判定した場合(ステップS209でNo)には、制御部60の処理が終了する。
【0035】
ステップS211:制御部60は、二次元バーコード画像データ71を元の原稿画像データに逆変換する。ステップS211の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS213へ進む。
【0036】
ステップS213:制御部60は、タッチパネル11を介して元の原稿画像をプレビュー表示する。ステップS213の処理が完了すると、制御部60の処理がステップS215へ進む。
【0037】
ステップS215:制御部60は、タッチパネル11を介してユーザーから印刷要求を受け付けたか否かを判定する。印刷要求を受け付けたと制御部60が判定した場合(ステップS215でYes)には、制御部60の処理がステップS217へ進む。印刷要求を受け付けていないと制御部60が判定した場合(ステップS215でNo)には、制御部60の処理が終了する。
【0038】
ステップS217:制御部60は、元の原稿画像を印刷するように画像形成部4を制御する。ステップS217の処理が完了すると、制御部60の処理が数量する。
【0039】
実施形態によれば、二次元バーコード画像の位置及び向きの情報をセキュリティー条件とすることで、セキュリティー対策の設定を容易に実行することができる画像形成装置100が提供される。
【0040】
特に、実施形態によれば、制御部60は、タッチパネル11を介して二次元バーコード画像の位置及び向きの情報をユーザーに提示し、ユーザーの承認を得た場合に限り、二次元バーコード画像データ71を記憶部70に記憶させる。
【0041】
また、実施形態によれば、制御部60は、二次元バーコード画像の位置及び向きの情報についてユーザーがタッチパネル11を介して正答をした場合に限り、二次元バーコード画像データ71を原稿画像データに逆変換して原稿画像のプレビュー表示を実行させる。
【0042】
また、実施形態によれば、制御部60は、プレビュー表示を実行した場合に限り、原稿Gの画像を対象とした画像形成部4による画像形成を許可するように制御する。
【0043】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の個数等は、図面作成の都合から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
実施形態では、画像形成装置100が電子写真方式であった。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置100はインクジェット方式でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 読取部
4 画像形成部
10 操作部
11 タッチパネル
60 制御部
70 記憶部
71 二次元バーコード画像データ
100 画像形成装置
S シート(記録媒体)