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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】距離通知装置、および距離通知方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/00 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021030749
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2022131682
(43)【公開日】2022-09-07
【審査請求日】2023-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】深澤 正臣
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-108460(JP,A)
【文献】特開2002-333338(JP,A)
【文献】国際公開第2016/006040(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0146205(US,A1)
【文献】特開2008-305043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの位置情報を所定時間間隔ごとに取得する第1位置情報取得部と、
前記ユーザの周辺に存在する、前記ユーザと同一のグループに属する複数の周辺ユーザの位置情報を前記所定時間間隔ごとに取得する第2位置情報取得部と、
前記ユーザの位置情報と、前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、前記ユーザと、複数の前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離を算出して更新する距離算出部と、
前記ユーザと、前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離が所定距離以上であるか否かを判定する距離判定部と、
前記ユーザの位置情報と、複数の前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、集合地点の座標情報を算出する座標情報算出部と、
複数の前記周辺ユーザのうち、前記ユーザとの間の距離が所定距離以上であると判定された前記周辺ユーザが所定数以上の特定条件の場合に、前記ユーザに対して前記ユーザが属するグループの前記集合地点に向かう方向情報を逐次更新して通知し、前記特定条件を満たさなくなった場合に、前記通知が行われていれば前記通知を消去する通知部と、
を備える、距離通知装置。
【請求項2】
前記座標情報算出部は、前記ユーザと複数の前記周辺ユーザの全ての位置情報である座標値の重心として求められる座標値を集合地点として算出する、
請求項1に記載の距離通知装置。
【請求項3】
複数の前記周辺ユーザのうち、前記ユーザとの間の距離が所定距離以上であると判定された前記周辺ユーザが所定数以上の前記特定条件を満たした場合に、所定距離以上離れたことを示す情報を他の無線通信装置に対して送信、または、他の無線通信装置から受信
前記特定条件を満たさず、かつ前記通知が行われている場合は、前記特定条件を満たさなくなったことを示す情報を他の無線通信装置に対して送信、または、他の無線通信装置から受信する、
請求項1または請求項2に記載の距離通知装置。
【請求項4】
前記通知部は、前記方向情報を表示部に矢印で表示させる、
請求項1から3のいずれか1項に記載の距離通知装置。
【請求項5】
ユーザの位置情報を所定時間間隔ごとに取得するステップと、
前記ユーザの周辺に存在する、前記ユーザと同一のグループに属する複数の周辺ユーザの位置情報を前記所定時間間隔ごとに取得するステップと、
前記ユーザの位置情報と、前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、前記ユーザと、福栖の前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離を算出して更新するステップと、
前記ユーザと、前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離が所定距離以上であるか否かを判定するステップと、
前記ユーザの位置情報と、複数の前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、集合地点の座標情報を算出するステップと、
複数の前記周辺ユーザのうち、前記ユーザとの間の距離が所定距離以上であると判定された前記周辺ユーザが所定数以上の特定条件の場合に、前記ユーザに対して前記ユーザが属するグループの前記集合地点に向かう方向情報を逐次更新して通知し、前記特定条件を満たさなくなった場合に、前記通知が行われていれば前記通知を消去するステップと
を含む、距離通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離通知装置、および距離通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の端末装置の間の距離を保ちつつ、監視領域を移動する監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-328484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チームで行方不明者やモノの探索を行う場合、チームのメンバーはある程度の距離を保って探索を行う。しかしながら、探索中にチームのメンバーがチームから所定距離以上離れてしまっても、そのことにチームの他のメンバーは気づかず、メンバーが行方不明になるなどの二次災害を引き起こしてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、チームを組んで探索する際の二次災害の発生を抑制することのできる距離通知装置、および距離通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る距離通知装置は、ユーザの位置情報を取得する第1位置情報取得部と、前記ユーザの周辺に存在する、前記ユーザと同一のグループに属する複数の周辺ユーザの位置情報を取得する第2位置情報取得部と、前記ユーザの位置情報と、前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、前記ユーザと、複数の前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離を算出する距離算出部と、前記ユーザと、前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離が所定距離以上であるか否かを判定する距離判定部と、前記ユーザの位置情報と、複数の前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、集合地点の座標情報を算出する座標情報算出部と、複数の前記周辺ユーザのうち、前記ユーザとの間の距離が所定距離以上であると判定された前記周辺ユーザが所定数以上の場合に、前記ユーザに対して前記ユーザが属するグループの前記集合地点に向かう方向情報を通知する通知部と、を備える。
【0007】
本発明に係る距離通知方法は、ユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザの周辺に存在する、前記ユーザと同一のグループに属する複数の周辺ユーザの位置情報を取得するステップと、前記ユーザの位置情報と、前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、前記ユーザと、福栖の前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離を算出するステップと、前記ユーザと、前記周辺ユーザそれぞれとの間の距離が所定距離以上であるか否かを判定するステップと、前記ユーザの位置情報と、複数の前記周辺ユーザの位置情報とに基づいて、集合地点の座標情報を算出するステップと、複数の前記周辺ユーザのうち、前記ユーザとの間の距離が所定距離以上であると判定された前記周辺ユーザが所定数以上の場合に、前記ユーザに対して前記ユーザが属するグループの前記集合地点に向かう方向情報を通知するステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、チームを組んで探索する際の二次災害の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係る無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図4図4は、第1実施形態に係るユーザの周辺ユーザとの間の距離を算出する方法について説明するための図である。
図5図5は、集合地点の座標を算出する方法を説明するための図である。
図6図6は、集合地点の方向情報を表示する方法を説明するための図である。
図7図7は、第1実施形態に係る無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8図8は、第2実施形態に係る無線通信システムの処理を説明するための図である。
図9図9は、第2実施形態に係る無線通信システムの処理を説明するための図である。
図10図10は、第2実施形態に係る無線通信システムの処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態では距離通知装置を無線通信装置により実施するものとして説明するが、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0011】
[第1実施形態]
[無線通信システム]
図1を用いて、第1実施形態に係る無線通信システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、無線通信システム1は、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dと、無線通信装置10eと、を含む。第1実施形態では、無線通信装置10aを使用するユーザのことを、単にユーザと呼び、無線通信装置10bから無線通信装置10eを使用するユーザのことを、周辺ユーザと呼ぶこともある。無線通信装置10aから無線通信装置10eを区別する必要のない場合には、無線通信装置10と総称することもある。
【0013】
無線通信装置10としては、業務用無線通信装置、スマートフォン、タブレット端末などの携帯可能な無線通信装置を挙げることができる、これらに限定されない。無線通信装置10は、例えば、ゲーム機などであってもよい。
【0014】
以下では、主に、無線通信装置10aが処理を行うものとして説明するが、無線通信装置10bから無線通信装置10eについても同様の処理を行う。
【0015】
無線通信装置10aは、ユーザ(無線通信装置10a)の位置情報と、周辺ユーザ(無線通信装置10bから無線通信装置10e)の位置情報とを取得する。無線通信装置10aは、ユーザ(無線通信装置10a)の位置情報と、周辺ユーザ(無線通信装置10bから無線通信装置10e)の位置情報とに基づいて、ユーザ(無線通信装置10a)と、周辺ユーザ(無線通信装置10bから無線通信装置10e)との間の距離を算出する。無線通信装置10aは、ユーザ(無線通信装置10a)と、周辺ユーザ(無線通信装置10bから無線通信装置10e)との間の距離が所定以上である場合に、ユーザに通知を行う。これにより、本実施形態は、チームを組んで探索する際の二次災害の発生を抑制する。
【0016】
[無線通信装置]
図2を用いて、第1実施形態に係る無線通信装置の構成例について説明する。図2は、第1実施形態に係る無線通信装置の構成例を示すブロック図である。
【0017】
図2に示すように、無線通信装置10は、入力部20と、表示部22と、音声出力部24と、記憶部26と、通信部28と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部30と、制御部32と、を備える。
【0018】
入力部20は、無線通信装置に対する各種の入力操作を受け付ける入力装置である。入力部20は、例えば、ボタン、スイッチ、レバー、テンキー、タッチパネル、およびPTT(Push to Talk)ボタンなどを含む。
【0019】
表示部22は、各種映像を表示する。表示部22は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含むディスプレイを含む。表示部22は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などの発光部を含んでもよい。なお、タッチパネル等を用いて、入力部20と、表示部22とを一体に構成してもよい。
【0020】
音声出力部24は、各種音声を出力する。音声出力部24は、例えば、ユーザに対して他のユーザとの距離が所定以上となったことを知らせる旨の音声および通知音の少なくとも一方を出力する。音声出力部24は、例えば、スピーカで実現される。
【0021】
記憶部26は、各種の情報を記憶するメモリである。記憶部26は、例えば、制御部32の演算内容、およびプログラムなどの情報を記憶する。記憶部26は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0022】
通信部28は、無線通信装置10と、外部装置との間で各種の情報の送受信を行う通信装置である。通信部28は、例えば、無線通信装置10と、他の無線通信装置10との間で互いの位置情報の送受信を行う。
【0023】
GNSS受信部30は、図示しないGNSS衛星から、位置情報を特定するための情報を含むGNSS信号を受信する。GNSS受信部30は、受信したGNSS信号を制御部32に出力する。GNSS受信部30は、例えば、GNSS受信回路またはGNSS受信装置で実現することができる。
【0024】
制御部32は、無線通信装置10の各部の動作を制御する。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、記憶部26などに記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部32は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0025】
制御部32は、第1位置情報取得部40と、第2位置情報取得部42と、距離算出部44と、距離判定部46と、座標情報算出部48と、通知部50と、表示制御部52と、通信制御部54と、を備える。
【0026】
第1位置情報取得部40は、GNSS受信部30からGNSS信号を取得する。第1位置情報取得部40は、GNSS信号に基づいて、無線通信装置10の現在の位置情報を算出する。第1位置情報取得部40は、例えば、無線通信装置10の現在の位置を地球座標で算出する。
【0027】
第2位置情報取得部42は、他の無線通信装置10の位置情報を取得する。第2位置情報取得部42は、例えば、他の無線通信装置10の現在の位置の地球座標を示す情報を取得する。
【0028】
距離算出部44は、無線通信装置10と、他の無線通信装置10との間の距離を算出する。距離算出部44は、例えば、第1位置情報取得部40が取得した位置情報と、第2位置情報取得部42が取得した位置情報とに基づいて、無線通信装置10と、他の無線通信装置10との間の距離を算出する。
【0029】
距離判定部46は、無線通信装置10と、他の無線通信装置10との間の距離が、所定距離以上であるか否かを判定する。所定距離は、無線通信装置10を持つユーザと、他の無線通信装置10を持つ周辺ユーザとが、逸れた可能性のある距離である。逸れた可能性のある距離は、探索を行う場所などに応じてユーザが任意に設定してよい。すなわち、距離判定部46は、ユーザと、周辺ユーザとが逸れたか否かを判定する。
【0030】
座標情報算出部48は、ユーザと、周辺ユーザとの集合地点の座標を算出する。座標情報算出部48は、例えば、距離判定部46がユーザと周辺ユーザとの間の距離が所定以上であると判定された場合、ユーザの位置情報と、周辺ユーザの位置情報とに基づいて、集合地点の座標を算出する。
【0031】
通知部50は、表示部22を制御して通知を行う。通知部50は、例えば、ユーザと、周辺ユーザとの間の距離が所定距離以上となった場合に、表示部22を制御して、集合地点を示す情報を表示部22に表示させる。集合地点を示す情報は、予め定められた集合地点の座標情報であってもよいし、座標情報算出部48が算出した座標情報であってもよい。
【0032】
表示制御部52は、表示部22を制御して、各種の情報を表示部22に表示させる。
【0033】
通信制御部54は、通信部28を制御して、無線通信装置10と、外部装置との間の通信を制御する。通信制御部54は、例えば、通信部28を制御して、無線通信装置10と、他の無線通信装置10との間の通信を制御する。
【0034】
[処理内容]
図3を用いて、第1実施形態に係る無線通信装置の処理内容について説明する。図3は、第1実施形態に係る無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0035】
図3に示す処理は、複数のユーザが無線通信装置10を所持してチームを組み、行方不明者やモノの探索を行う際に、各無線通信装置10により実施される。
【0036】
制御部32は、ユーザの位置情報を取得する(ステップS10)。具体的には、第1位置情報取得部40は、GNSS受信部30が受信したGNSS信号に基づいて、無線通信装置10の位置情報を算出することで、ユーザの位置情報を算出する。そして、ステップS12に進む。
【0037】
制御部32は、周辺ユーザの位置情報を取得する(ステップS12)。具体的には、第2位置情報取得部42は、通信部28を介して、他の無線通信装置10の位置情報を取得することで、周辺ユーザの位置情報を取得する。第2位置情報取得部42は、例えば、所定時間間隔ごとに、周辺ユーザの位置情報を取得する。所定時間間隔は、例えば、10秒であるが、これに限定されない。そして、ステップS14に進む。
【0038】
制御部32は、ユーザと、周辺ユーザとの間の距離を算出する(ステップS14)。具体的には、距離算出部44は、ステップS10で取得されたユーザの位置情報と、ステップS12で取得された周辺ユーザの位置情報とに基づいて、ユーザと、周辺ユーザとの間の距離を算出する。
【0039】
図4を用いて、第1実施形態に係るユーザと周辺ユーザとの間の距離を算出する方法について説明する。図4は、第1実施形態に係るユーザの周辺ユーザとの間の距離を算出する方法について説明するための図である。
【0040】
図4に示すように、無線通信システム1は、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dと、無線通信装置10eと、を含むとする。
【0041】
無線通信装置10aの距離算出部44は、無線通信装置10aの位置情報と、無線通信装置10bとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの間の距離L1を算出する。無線通信装置10aの距離算出部44は、無線通信装置10aの位置情報と、無線通信装置10cとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10cとの間の距離L2を算出する。無線通信装置10aの距離算出部44は、無線通信装置10aの位置情報と、無線通信装置10dとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10dとの間の距離L3を算出する。無線通信装置10aの距離算出部44は、無線通信装置10aの位置情報と、無線通信装置10eとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10eとの間の距離L4を算出する。
【0042】
無線通信装置10bから無線通信装置10eも、各無線通信装置との間の距離を算出する。
【0043】
無線通信装置10bの距離算出部44は、無線通信装置10bの位置情報と、無線通信装置10aとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの間の距離L1を算出する。無線通信装置10bの距離算出部44は、無線通信装置10bの位置情報と、無線通信装置10cとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10cとの間の距離L5を算出する。無線通信装置10bの距離算出部44は、無線通信装置10bの位置情報と、無線通信装置10dとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10dとの間の距離L6を算出する。無線通信装置10bの距離算出部44は、無線通信装置10bの位置情報と、無線通信装置10eとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10eとの間の距離L7を算出する。
【0044】
無線通信装置10cの距離算出部44は、無線通信装置10cの位置情報と、無線通信装置10aとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10cとの間の距離L2を算出する。無線通信装置10cの距離算出部44は、無線通信装置10cの位置情報と、無線通信装置10bとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10cとの間の距離L5を算出する。無線通信装置10cの距離算出部44は、無線通信装置10cの位置情報と、無線通信装置10dとの位置情報に基づいて、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとの間の距離L8を算出する。無線通信装置10cの距離算出部44は、無線通信装置10cの位置情報と、無線通信装置10eとの位置情報に基づいて、無線通信装置10cと、無線通信装置10eとの間の距離L9を算出する。
【0045】
無線通信装置10dの距離算出部44は、無線通信装置10dの位置情報と、無線通信装置10aとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10dとの間の距離L3を算出する。無線通信装置10dの距離算出部44は、無線通信装置10dの位置情報と、無線通信装置10bとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10dとの間の距離L6を算出する。無線通信装置10dの距離算出部44は、無線通信装置10dの位置情報と、無線通信装置10cとの位置情報に基づいて、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとの間の距離L8を算出する。無線通信装置10dの距離算出部44は、無線通信装置10dの位置情報と、無線通信装置10eとの位置情報に基づいて、無線通信装置10dと、無線通信装置10eとの間の距離L10を算出する。
【0046】
無線通信装置10eの距離算出部44は、無線通信装置10eの位置情報と、無線通信装置10aとの位置情報に基づいて、無線通信装置10aと、無線通信装置10eとの間の距離L4を算出する。無線通信装置10eの距離算出部44は、無線通信装置10eの位置情報と、無線通信装置10bとの位置情報に基づいて、無線通信装置10bと、無線通信装置10eとの間の距離L7を算出する。無線通信装置10eの距離算出部44は、無線通信装置10eの位置情報と、無線通信装置10cとの位置情報に基づいて、無線通信装置10cと、無線通信装置10eとの間の距離L9を算出する。無線通信装置10eの距離算出部44は、無線通信装置10eの位置情報と、無線通信装置10dとの位置情報に基づいて、無線通信装置10dと、無線通信装置10eとの間の距離L10を算出する。
【0047】
すなわち、無線通信システム1に含まれる各無線通信装置10は、他の無線通信装置10それぞれとの間の距離を算出することで、ユーザと周辺ユーザとの間の距離を算出する。
【0048】
以下では、無線通信装置10aが実施する処理として説明するが、無線通信装置10bから無線通信装置10eが実施する処理についても同様なので、説明を省略する。
【0049】
図3に戻る。制御部32は、所定距離以上の周辺ユーザが所定数以上いるか否かを判定する(ステップS16)。具体的には、無線通信装置10aの距離判定部46は、図4に示す例において、距離L1から距離L4のうち、所定距離以上である距離が、所定数以上であるか否かを判定する。所定距離は、例えば、100mであるが、これに限定されず、任意に設定されてよい。所定数は、1台であってもよいし、複数台であってもよい。所定距離以上のユーザが所定数以上いると判定された場合(ステップS16;Yes)、ステップS18に進む。所定距離以上のユーザが所定数以上いると判定されない場合(ステップS16;No)、ステップS26に進む。
【0050】
ステップS16でYesと判定された場合、制御部32は、他の無線通信装置10に対して、所定距離以上離れていることを示す情報を送信する(ステップS18)。具体的には、無線通信装置10aの通信制御部54は、通信部28を介して、無線通信装置10bから無線通信装置10eに対して、所定距離以上離れたことを示す情報を送信する。そして、ステップS20に進む。
【0051】
制御部32は、通知を行う(ステップS20)。具体的には、通知部50は、音声出力部24を制御して、警告音を発することで所定距離以上離れたユーザがいることを通知する。警告音は、例えば、「ピピピ・・・」といった連続的に出力される効果音であるが、これに限定されない。そして、ステップS22に進む。
【0052】
制御部32は、集合地点の座標を算出する(ステップS22)。具体的には、無線通信装置10aの座標情報算出部48は、無線通信装置10aから無線通信装置10eの位置情報に基づいて、集合地点の座標を算出する。
【0053】
図5を用いて、集合地点の座標を算出する方法を説明する。図5は、集合地点の座標を算出する方法を説明するための図である。
【0054】
図5に示すように、座標情報算出部48は、無線通信装置10aから無線通信装置10eの位置情報に基づいて、集合地点の座標Cを算出する。座標Cは、例えば、無線通信装置10aから無線通信装置10eの中心座標である。例えば、位置情報が経度と緯度で表現される場合に、2次元平面上に配置された無線通信装置10aから無線通信装置10eの5つの点全ての経度と緯度の重心(平均)である座標Cを求める。座標Cは、無線通信装置10aから無線通信装置10eの中心座標に限定されず、無線通信装置10aから無線通信装置10eのうち、チームのリーダーが持つ無線通信装置の座標であってもよい。座標Cは、予め定められた集合地点の座標であってもよい。すなわち、集合地点は、設計に応じて任意に定めてよい。
【0055】
図3に戻る。制御部32は、集合地点の方向情報を表示する(ステップS24)。具体的には、無線通信装置10aの通知部50は、表示部22を制御して、集合地点の方向情報を表示する。
【0056】
図6を用いて、集合地点の方向情報を表示する方法について説明する。図6は、集合地点の方向情報を表示する方法を説明するための図である。
【0057】
図6に示すように、無線通信装置10aの通知部50は、集合地点の方向情報として、無線通信装置10aの表示部22に矢印A1を表示させる。矢印A1は、集合地点である座標Cの方向を示す矢印である。これにより、ユーザは矢印A1に従うことで、集合地点に移動することができる。図6に示すように、無線通信装置10bの表示部22には矢印A2が表示され、無線通信装置10cの表示部22には矢印A3が表示され、無線通信装置10dの表示部22には矢印A4が表示され、無線通信装置10eの表示部22には矢印A5が表示される。矢印A2から矢印A5は、それぞれ、無線通信装置10bから無線通信装置10eから見た集合地点の方向を示す矢印である。すなわち、本実施形態では、チームで探索を行っている際に、1台のみの無線通信装置10が所定距離以上判定された場合であっても、チーム全員の無線通信装置10に集合地点への方向情報が表示される。
【0058】
図3に戻る。ステップS16でNoと判定された場合、制御部32は、集合地点の方向表示を表示中であるか否かを判定する(ステップS26)。集合地点の方向表示を表示中であると判定された場合(ステップS26;Yes)、ステップS28に進む。集合地点の方向表示を表示中であると判定されない場合(ステップS26;No)、ステップS34に進む。
【0059】
ステップS26でYesと判定された場合、制御部32は、集合地点の方向情報を消灯する(ステップS28)。具体的には、無線通信装置10aの通知部50は、無線通信装置10aの表示部22を消灯させて、方向情報を非表示にする。そして、ステップS30に進む。
【0060】
制御部32は、所定距離未満となったことを示す情報を送信する(ステップS30)。具体的には、無線通信装置10aの通信制御部54は、通信部28を介して、無線通信装置10bから無線通信装置10eに対して、所定距離未満となったことを示す情報を送信する。そして、ステップS32に進む。
【0061】
ステップS24の後、ステップS26でNoと判定された場合、またはステップS30の後、制御部32は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS32)。具体的には、制御部32は、電源をオフにする操作を受け付けた場合や、処理を終了する旨の操作を受け付けた場合に、処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定された場合(ステップS32;Yes)、図3の処理を終了する。処理を終了すると判定されない場合(ステップS32;No)、ステップS10に進む。
【0062】
図7を用いて、第1実施形態に係る無線通信装置の処理内容について説明する。図7は、第1実施形態に係る無線通信装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示す処理は、複数のユーザが無線通信装置10を所持してチームを組み、行方不明者やモノの探索を行う場合に、他の無線通信装置から所定距離以上離れていることを示す情報を受信した場合の通知処理である。ただし、図7の処理は必ずしも必要ではなく、図7の処理を行わない場合は、図3の処理でチームから所定距離以上離れてしまった無線通信装置10のみに通知と集合地点の方向が表示される。
【0064】
制御部32は、他の無線通信装置10から所定距離以上離れていることを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS40)。具体的には、無線通信装置10aの通信制御部54は、無線通信装置10bから無線通信装置10eの少なくとも1台から所定距離以上離れていることを示す情報を受信したか否かを判定する。他の無線通信装置10から所定距離以上離れていることを示す情報を受信したと判定された場合(ステップS40;Yes)、ステップS42に進む。他の無線通信装置10から所定距離以上離れていることを示す情報を受信したと判定されない場合(ステップS40;No)、ステップS48に進む。
【0065】
ステップS42からステップS46の処理は、図3に示すステップS20からステップS24の処理と同一なので、説明を省略する。
【0066】
ステップS40でNoと判定された場合、制御部32は、他の無線通信装置10から所定距離未満となったことを示す情報を受信したか否かを判定する(ステップS48)。具体的には、無線通信装置10aの通信制御部54は、無線通信装置10bから無線通信装置10eのうち、ステップS40で所定以上離れていることを示す情報を受信したと判定された無線通信装置から、所定距離未満となったことを示す情報を受信したか否かを判定する。他の無線通信装置10から所定距離未満となったことを示す情報を受信したと判定された場合(ステップS48;Yes)、ステップS50に進む。他の無線通信装置10から所定距離未満となったことを示す情報を受信したと判定されない場合(ステップS48;No)、ステップS52に進む。
【0067】
ステップS50およびステップS52の処理は、図3に示すステップS30およびステップS34の処理と同一なので、説明を省略する。
【0068】
上述のとおり、第1実施形態は、チームを組んで探索を行っている際に、チームから所定距離以上離れてしまったユーザがいると判定された場合には、集合場所の方向を示す方向情報を表示する。これにより、第1実施形態では、チームのメンバーは、集合場所に移動することができるので、メンバーが行方不明になるなどの二次災害の発生を抑制することができる。
【0069】
[第2実施形態]
図8と、図9と、図10とを用いて、第2実施形態に係る無線通信システムの処理について説明する。図8から図10は、第2実施形態に係る無線通信システムの処理を説明するための図である。
【0070】
第2実施形態では、チームでフォーメーションを組みながら探索を行う際に、探索を行う場所の見晴らしの良し悪しに応じて、チームのメンバー間の距離を変更しながら、探索を行うことを可能にする。
【0071】
図8から図10に示すように、第2実施形態では、無線通信システム1Aは、無線通信装置10aと、無線通信装置10bと、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとを含む。第2実施形態に係る無線通信装置10の構成は、図2に示す無線通信装置10の構成と同一なので、説明を省略する。第2実施形態では、無線通信装置10aから無線通信装置10dのうち、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとを基準端末として設定する。第2実施形態では、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの間の距離に応じて、フォーメンションにおける無線通信装置間の距離を変更する。
【0072】
図8は、通常時のフォーメーションを示す。フォーメンションは、例えば、略四角形の領域R11の頂点付近に、それぞれ、無線通信装置10aから無線通信装置10dを配置する形態である。図8に示す例では、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの距離は、距離L11であるものとする。この場合、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとは、距離L11を超えることがないように、制御される。例えば、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとの距離が距離L11を超えた場合には、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとから警告音を発して、無線通信装置10cおよび無線通信装置10dのユーザに対して距離を近づけるように促す。なお、無線通信装置10aと無線通信装置10cとの間の距離、および無線通信装置10bと無線通信装置10dとの間の距離は、各無線通信装置のユーザが相手を視認できる距離であることが好ましい。
【0073】
図9は、見晴らしのよい場所を探索する際のフォーメーションを示す。図9に示す例では、見晴らしのよい場所では、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの間の距離を距離L11から距離L12に変更する。距離L12は、図8に示す距離L11よりも長い距離である。距離L12は、見晴らしのよさの度合いに応じて、変更してもよい。図9に示すように、見晴らしのよい場所ではR11よりも面積が大きい略四角形の領域R12の頂点付近に、それぞれ、無線通信装置10aから無線通信装置10dを配置する形態となる。この場合、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとの距離が距離L12を超えた場合には、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとから警告音を発して、無線通信装置10cおよび無線通信装置10dのユーザに対して距離を近づけるように促す。なお、無線通信装置10aと無線通信装置10cとの間の距離、および無線通信装置10bと無線通信装置10dとの間の距離は、図8に示す例と同じでもよいし、図8に示す例よりも長くしてもよい。
【0074】
図10は、見晴らしの悪い場所を探索する際のフォーメーションを示す。図10に示す例では、見晴らしの悪い場所では、無線通信装置10aと、無線通信装置10bとの間の距離を距離L11から距離L13に変更する。距離L13は、図8に示す距離L11よりも長い距離である。距離L12は、見晴らしのよさの度合いに応じて、変化してもよい。図10に示すように、見晴らしの悪い場所ではR11よりも面積が小さい略四角形の領域R13の頂点付近に、それぞれ、無線通信装置10aから無線通信装置10dを配置する形態となる。この場合、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとの距離が距離L13を超えた場合には、無線通信装置10cと、無線通信装置10dとから警告音を発して、無線通信装置10cおよび無線通信装置10dのユーザに対して距離を近づけるように促す。なお、無線通信装置10aと無線通信装置10cとの間の距離、および無線通信装置10bと無線通信装置10dとの間の距離は、図8に示す例と同じでもよいし、図8に示す例よりも長くしてよい。
【0075】
上述のとおり、第2実施形態では、フォーメンションを組んでチームで探索を行う際に、2つの基準端末を設定することで、探索を行う場所の見晴らしの良し悪しに応じて、チームのメンバー間の距離を適切な距離に保つことができる。これにより、第2実施形態では、フォーメーションを組んで探索を行う際に、チームのメンバーが行方不明になるなどの二次災害の発生を抑制することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。例えば、第1実施形態における所定距離を、第2実施形態の基準端末間の距離と連動して随時設定を変更することも可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
1 無線通信システム
10 無線通信装置
20 入力部
22 表示部
24 音声出力部
26 記憶部
28 通信部
30 GNSS受信部
32 制御部
40 第1位置情報取得部
42 第2位置情報取得部
44 距離算出部
46 距離判定部
48 座標情報算出部
50 通知部
52 表示制御部
54 通信制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10