(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】表示装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
G06F3/01 570
(21)【出願番号】P 2021055933
(22)【出願日】2021-03-29
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】野村 一真
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-348429(JP,A)
【文献】特開2008-250823(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111913561(CN,A)
【文献】国際公開第2018/150831(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0041624(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/01
G06F3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
ユーザーのジェスチャーを検出する検出部と、
予め定められた画像を前記表示部の表示領域に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検出部の検出結果に基づいて、予め定められた輪形状、及び、前記輪形状内に位置する前記ユーザーの目を検出すると、当該検出時点における、前記輪形状の大きさに対する前記ユーザーの目の相対的な大きさを、基準サイズとして算出し、
前記検出部の検出結果に基づいて前記相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の前記相対的な大きさが、前記基準サイズを超える場合、前記表示部に対し、前記相対的な大きさの前記基準サイズからの変化量に応じて前記予め定められた画像を拡大させ、
前記検出部の検出結果に基づいて前記相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の前記相対的な大きさが、前記基準サイズ未満である場合、前記表示部に対し、前記相対的な大きさの前記基準サイズからの変化量に応じて前記予め定められた画像を縮小させる、表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示部に対し、前記予め定められた画像として、異なる指示をそれぞれ入力するための複数のキー画像を含む操作画面を表示させる、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記予め定められた画像の一部を前記表示部の表示領域に表示させる、請求項1又は請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示装置と、
画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び画像形成装置に関し、特に、表示画像の拡大又は縮小を行なうための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
表示画像を拡大する技術が知られている。例えば、特許文献1は、操作パネル上の特定の操作スイッチが操作者により押下された場合であって、検出された指の大きさが所定値より大きい場合に、表示画像の一部を拡大する技術を開示している。
【0003】
また、特許文献2は、近接操作により検出された指先の滞留時間が所定の閾値以上である場合に、指先の位置に応じたアイコンを拡大表示させ、滞留時間が所定の閾値未満である場合に、上記拡大表示を行なわない技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-87380号公報
【文献】特開2012-226691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
新型コロナウィルスの流行に伴い、表示部を備える装置においても感染対策が求められている。特許文献1に開示されている技術では、表示画像の拡大を行なうためには接触操作を行なう必要があり、感染リスクが伴う。特許文献2に開示されている技術では、非接触操作により表示画像を拡大できるものの、表示画像を拡大するための操作が感覚的に判り難いという問題がある。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、感覚的な非接触操作によって表示画像を拡大したり縮小したりできる、操作性に優れる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る表示装置は、表示部と、ユーザーのジェスチャーを検出する検出部と、予め定められた画像を表示部の表示領域に表示させる制御部と、を備える。制御部は、検出部の検出結果に基づいて、予め定められた輪形状、及び、輪形状内に位置するユーザーの目を検出すると、当該検出時点における、輪形状の大きさに対するユーザーの目の相対的な大きさを、基準サイズとして算出し、検出部の検出結果に基づいて相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の相対的な大きさが基準サイズを超える場合、表示部に対し、相対的な大きさの基準サイズからの変化量に応じて予め定められた画像を拡大させ、検出部の検出結果に基づいて相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の相対的な大きさが基準サイズ未満である場合、表示部に対し、相対的な大きさの基準サイズからの変化量に応じて予め定められた画像を縮小させる。
【0008】
本発明の他の一局面に係る画像形成装置は、上記した表示装置と、画像を記録媒体に形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ユーザーは、手で輪形状を形成し、当該輪形状に対して目を近づけたり遠ざけたりするといった、孔から覗くような動作に似た感覚的な非接触操作を行なうことによって、表示画像を拡大したり縮小したりできる。したがって、ユーザーの操作性に優れる表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
【
図2】画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図5】ユーザーのジェスチャーの一例を示す図である。
【
図6】ユーザーのジェスチャーの他の一例を示す図である。
【
図7】ホーム画面が拡大されたときの様子を示す図である。
【
図8】ユーザーのジェスチャーの他の一例を示す図である。
【
図9】ホーム画面が縮小されたときの様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る表示装置を備える画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構造を示す正面断面図である。
図2は、画像形成装置の内部構成を示すブロック図である。
【0012】
図1及び
図2を参照して、画像形成装置1は、コピー機能、送信機能、プリンター機能、及びファクシミリ機能等の複数の機能を備える複合機である。画像形成装置1の筐体には、画像形成装置1の様々な機能を実現するための複数の機器が収容されている。例えば、筐体には、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14等が収容されている。
【0013】
画像形成装置1は、制御ユニット100を含む。制御ユニット100は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0014】
制御ユニット100は、ROM又はHDD18に記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、制御部10として機能する。制御部10は、画像形成装置1の全体制御を司る。より詳細には、制御部10は、画像形成装置1の各部の動作、及び、ネットワークを介して接続されているPC(Personal Computer)23等との通信を制御する。
【0015】
制御部10はまた、後述する拡大縮小プログラムにしたがって動作することによって、ユーザーの手によって形成された予め定められた輪形状及び当該輪形状内に位置するユーザーの目を検出すると、当該検出時点における、輪形状の大きさに対するユーザーの目の相対的な大きさを基準サイズとして算出し、上記相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の当該相対的な大きさが基準サイズを超える場合、表示部15に対し操作画面を拡大させ、上記相対的な大きさが変化したことを検出した場合であって、変化後の当該相対サイズが基準サイズ未満である場合、表示部15に対し操作画面を縮小させる拡大縮小処理を実行する。なお、制御部10は、上記制御プログラムに基づく動作によらず、ロジック回路により構成されていてもよい。
【0016】
制御ユニット100は、原稿搬送部6、画像読取部11、画像形成部12、定着部13、給紙部14、表示部15、操作部16、搬送部17、HDD18、画像処理部19、画像メモリー20、ファクシミリ通信部21、通信部22、ジェスチャーセンサー24、撮像部25、及び、人感センサー26等と電気的に接続されている。表示部15、ジェスチャーセンサー24、撮像部25、人感センサー26、及び制御ユニット100は、表示装置2を構成する。
【0017】
画像読取部11は、原稿台に載置されている原稿を搬送する原稿搬送部6と、原稿搬送部6によって搬送されてくる原稿又はプラテンガラス7に載置されている原稿を光学的に読み取るスキャナーと、を含むADF(Auto Document Feeder)である。画像読取部11は、光照射部により原稿を照射し、その反射光をCCD(Charge-Coupled Device)センサーで受光することによって、原稿を読取って、原稿画像を示す画像データを生成する。
【0018】
画像形成部12は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、及び転写装置を含む。画像形成部12は、画像読取部11によって生成された画像データ、又は、通信部22を介して入力された画像データ等に基づいて、搬送部17によって搬送路Tに沿って搬送されてくる記録紙Pに、トナー像によって構成されている画像を形成する。
【0019】
定着部13は、画像形成部12によってトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧することによってトナー像を記録紙Pに定着させる。定着部13によってトナー像が定着された記録紙Pは、排出トレイ8に排出される。
【0020】
給紙部14は、手差しトレイ、及び複数の給紙カセットを備える。給紙部14は、複数の給紙カセットのいずれかに収容されている記録紙P、又は手差しトレイに載置されている記録紙をピックアップローラーによって一枚ずつ引出して、搬送路Tに給紙する。
【0021】
表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Organic Light-Emitting Diode)ディスプレイ等によって構成される表示装置である。表示部15は、制御部10の制御にしたがって、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての各種の画面等を表示領域に表示する。
【0022】
操作部16は、画像形成装置1の正面側に設けられている。操作部16は、各処理の実行開始を指示するためのスタートキー等の複数のハードキーを含む。操作部16はまた、表示部15の表示領域に重ねて配置されているタッチパネルを含む。ユーザーは、操作部16を介して、画像形成装置1によって実行可能な各機能についての指示等の各種の情報を入力する。
【0023】
搬送部17は、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と、搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等と接続されている搬送モーターとを含む。制御部10は、搬送モーターを駆動させて搬送ローラー対17A及び排出ローラー対17B等を回転させることによって、画像形成部12及び排出トレイ8に向けて、給紙部14によって給紙された記録紙Pを搬送路Tに沿って搬送させる。
【0024】
HDD18は、画像読取部11によって生成された画像データ等の各種データを記憶するための大容量の記憶装置である。HDD18は、画像形成装置1の一般的な動作を実現するための各種制御プログラムを記憶する。HDD18は、各種制御プログラムの1つとして、本発明の一実施形態に係る拡大縮小処理を実行するための拡大縮小プログラムを記憶している。
【0025】
画像処理部19は、画像読取部11によって生成された画像データに対して、必要に応じて画像処理を実行する。画像メモリー20は、画像読取部11によって生成された画像データを一時的に記憶する領域を含む。ファクシミリ通信部21は、公衆回線への接続を行ない、公衆回線を介して画像データの送受信を行なう。
【0026】
通信部22は、LAN(Local Area Network)ボード等の通信モジュールを含む。画像形成装置1は、通信部22を介して、ネットワークを介して接続されているPC23等とデータ通信を行なう。
【0027】
ジェスチャーセンサー24は、操作部16に設けられている。ジェスチャーセンサー24は、表示部15の表示領域に対して垂直方向に、検出領域を有する。ジェスチャーセンサーとしては、ユーザーの手の形を検出可能なセンサーであれば一般的なものを使用できるが、例えば、赤外線カメラを使用できる。
【0028】
撮像部25は、撮像素子及びレンズ等によって構成されるデジタルカメラである。撮像部25は、操作部16に設けられる。撮像部25は、予め定められた時間間隔でジェスチャーセンサー24の検出領域内のユーザーを撮像して、撮像画像を示す画像データ(以下、単に「撮像画像」と記す。)を複数生成する。
【0029】
制御部10は、ジェスチャーセンサー24の検出結果及び撮像部25の撮像結果に基づき、ユーザーの手とユーザーの目とで形成されるジェスチャーを検出する。制御部10、ジェスチャーセンサー24、及び撮像部25は、特許請求の範囲における検出部を構成する。
【0030】
人感センサー26は、画像形成装置1の正面側に設けられている。人感センサー26は、画像形成装置1近傍の予め定められた領域に存在する人を検出する。人感センサー26としては、一般的に使用されるものであればよく特に限定されないが、例えば、赤外線センサーを使用できる。
【0031】
本実施形態では、制御部10は、操作部16のハードキー又はタッチパネルに対するタッチ操作に応じた指示の入力を行なうための接触モード、及び、ジェスチャーセンサー24によって検出されたジェスチャーに応じた指示の入力を行なうための非接触モードのうちのいずれかをユーザーの指示にしたがって設定する。非接触モードを設定している場合、制御部10は、例えば、ジェスチャーセンサー24が、表示部15に表示されている操作画面にユーザーの指を近づけるジェスチャーを検出すると、当該ユーザーの指の位置に応じたキー画像に対応する指示を受付ける。
【0032】
画像形成装置1の各部には電源が接続されており、当該電源から電力が供給されることによって、画像形成装置1の各部が動作する。
【0033】
[画像形成装置1の動作]
図3は、拡大縮小処理を示すフローチャートである。
図4は、ホーム画面の一例を示す図である。
図5は、ユーザーのジェスチャーの一例を示す図である。
図6は、ユーザーのジェスチャーの他の一例を示す図である。
図7は、ホーム画面40が拡大されたときの様子を示す図である。
図8は、ユーザーのジェスチャーの他の一例を示す図である。
図9は、ホーム画面40が縮小されたときの様子を示す図である。
【0034】
以下、
図3乃至
図9等を参照して、拡大縮小処理の実行時における画像形成装置1の動作について説明する。
【0035】
ユーザーは、画像形成装置1の電源を投入したものとする。画像形成装置1の電源が投入されると、制御部10は、操作画面として、
図4に示すホーム画面40を表示部15の表示領域に表示させる。この場合、制御部10は、ホーム画面40の全体を表示領域に表示できないため、ホーム画面40の一部を当該表示領域に表示させている。
【0036】
制御部10は、表示部15に対し、異なる指示をそれぞれ入力するための複数のキー画像を、ホーム画面40に表示させる。ここでは、制御部10は、コピー機能を選択するための指示を入力するためのキー画像41、及び、ファクシミリ機能を選択するための指示を入力するためのキー画像42等をホーム画面40に表示させている。
【0037】
このような状況で、ユーザーが、画像形成装置1の正面に近づいたものとする。人感センサー26が予め定められた領域内のユーザーを検出すると、制御部10は、人感センサー26がユーザーを検出しなくなるまで、ジェスチャーセンサー24に、ユーザーの手の形を検出するための検出動作を行なわせるとともに、撮像部24に、上記検出領域内におけるユーザーを予め定められた時間間隔で撮像させて、複数の撮像画像を生成させる。
【0038】
このような状況で、ユーザーは、
図5に示すように、ジェスチャーセンサー24の検出領域内において、右手の親指と人差し指とを用いて輪形状51を形成したものとする。ジェスチャーセンサー24が、予め定められた輪形状としての輪形状51を検出すると、制御部10は、
図3に示す拡大縮小処理の実行を開始する。拡大縮小処理の実行を開始すると、制御部10は、生成された複数の撮像画像に基づいて、検出された輪形状を示す画像内に位置するユーザーの目を示す画像を検出するまで、ユーザーの目を検出していないと判定する処理(ステップS11にてNO)を繰返す。
【0039】
このような状況で、ユーザーは、輪形状51内に右目52が位置するように、顔を移動させたものとする。制御部10は、複数の撮像画像を解析して、検出された輪形状(この場合、輪形状51)を示す画像内に位置するユーザーの目(この場合、右目52)を示す画像を検出すると(ステップS11にてYES)、当該検出時点における、輪形状を示す画像の大きさに対するユーザーの目を示す画像の相対的な大きさ(以下、単に「相対サイズ」と記す。)を、基準サイズとして算出する(ステップS12)。
【0040】
相対サイズの算出方法としては、特に限定されないが、制御部10は、例えば、輪形状51を示す画像の輪郭線によって囲まれる領域の面積に対する、右目52を示す画像の輪郭線によって囲まれる領域の面積の割合を、相対サイズとして算出する。又は、制御部10は、輪形状51を示す画像の直径に対する、右目52を示す画像の横幅(目頭から目尻までの距離)の割合を、相対サイズとして算出する。
【0041】
ステップS12の処理後、制御部10は、複数の撮像画像に基づいて相対サイズを逐次算出し、算出された相対サイズが変化したか否かを判定する(ステップS13)。
【0042】
(1)相対サイズが基準サイズを超える場合
このような状況で、ユーザーは、
図5に示す位置から、右目52をさらに輪形状51に近づけたものとする。これによって、
図6に示すように、輪形状51を示す画像に対する右目52を示す画像の相対的な大きさが
図5に示す場合よりも大きくなり、制御部10は、複数の撮像画像に基づいて、基準サイズよりも大きい値を示す相対サイズを算出する。
【0043】
この場合、制御部10は、相対サイズが変化したと判定するとともに(ステップS13にてYES)、変化後の相対サイズが基準サイズを超えると判定し(ステップS14にてYES)、
図7に示すように、表示部15に対し、相対サイズの基準サイズからの変化量に応じて、ホーム画面40を拡大させる(ステップS15)。ステップS15の処理後、制御部10は、ステップS13の処理に戻る。
【0044】
(2)相対サイズが基準サイズ未満である場合
一方、ユーザーは、
図5に示す位置から、右目52をさらに輪形状51から遠ざけたものとする。これによって、
図8に示すように、輪形状51を示す画像に対する右目52を示す画像の相対的な大きさが
図5に示す場合よりも小さくなり、制御部10は、複数の撮像画像に基づいて、基準サイズよりも小さい値を示す相対サイズを算出する。
【0045】
この場合、制御部10は、相対サイズが変化したと判定するとともに(ステップS13にてYES)、変化後の相対サイズが基準サイズを超えない、すなわち、変化後の相対サイズが基準サイズ未満であると判定し(ステップS14にてNO)、
図9に示すように、表示部15に対し、相対サイズの基準サイズからの変化量に応じて、ホーム画面40を縮小させる(ステップS16)。ステップS16の処理後、制御部10は、ステップS13の処理に戻る。
【0046】
ステップS13において、制御部10は、相対サイズが変化していないと判定した場合(ステップS13にてNO)、ステップS11と同様にして、検出された輪形状内に位置するユーザーの目を検出したか否かを判定する(ステップS17)。ユーザーがジェスチャーの状態を維持している場合、制御部10は、複数の撮像画像に基づいて、検出された輪形状(この場合、輪形状51)を示す画像内に位置するユーザーの目(この場合、右目52)を示す画像を検出したと判定し(ステップS17にてYES)、ステップS13の処理に戻る。
【0047】
ユーザーは、ホーム画面40の拡大又は縮小後、顔を輪形状51から離すとともに、親指と人差し指とを元に戻して輪形状51を解除したものとする。この場合、制御部10は、複数の撮像画像に基づく相対サイズの算出が不可能となるので、相対サイズが変化していないと判定するとともに(ステップS13にてNO)、検出された輪形状内に位置するユーザーの目を検出しないと判定し(ステップS17にてNO)、拡大縮小処理を終了する。
【0048】
上記実施形態によれば、制御部10は、ジェスチャーセンサー24の検出結果及び撮像部25によって生成された複数の撮像画像に基づき輪形状51及び輪形状51内に位置する右目52を検出すると、当該検出時点における相対サイズを、基準サイズとして算出する。制御部10は、複数の撮像画像に基づいて相対サイズが変化したことを検出した場合であって、変化後の相対サイズが基準サイズを超える場合、表示部15に対し、相対サイズの基準サイズからの変化量に応じてホーム画面40を拡大させる。制御部10は、複数の撮像画像に基づいて相対サイズが変化したことを検出した場合であって、変化後の相対サイズが基準サイズ未満である場合、表示部15に対し、相対サイズの基準サイズからの変化量に応じてホーム画面40を縮小させる。
【0049】
これによって、ユーザーは、手で輪形状を形成し、当該輪形状に対して目を近づけたり遠ざけたりするといった、孔から覗くような動作に似た感覚的な非接触操作(ジェスチャー)を行なうことによって、ホーム画面40を拡大したり縮小したりできる。したがって、ユーザーの操作性に優れる表示装置を提供できる。
【0050】
また上記実施形態によれば、制御部10は、表示部15に対し、異なる指示をそれぞれ入力するための複数のキー画像41,42等を含むホーム画面40を表示させる。したがって、ユーザーは、上記した感覚的な非接触操作によりホーム画面40を拡大させることによって、キー画像に応じた指示を容易に入力できるようになる。
【0051】
また上記実施形態によれば、制御部10は、ホーム画面40の一部を表示部15の表示領域に表示させる。したがって、ユーザーは、上記した感覚的な非接触操作によりホーム画面40を縮小させることによって、表示領域に表示されていなかった他の部分についても、容易に確認できるようになる。
【0052】
また上記実施形態によれば、画像形成装置1は、表示装置2と、画像形成部12と、を備える。これにより、ユーザーは、上記した感覚的な非接触操作を行なうことによって、画像形成を実行するための指示等を入力するための操作画面を拡大したり縮小したりできる。したがって、ユーザーの操作性に優れる画像形成装置を提供できる。
【0053】
(その他の変形例)
上記実施形態では、操作画面としてホーム画面40を例示したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、操作画面は、コピー機能又はファクシミリ機能等の設定を行なうための設定画面であってもよい。
【0054】
また上記実施形態では、ユーザーは、親指と人差し指とで輪形状51を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、ユーザーは、親指と、その他の4本の指とを用いて輪形状を形成してもよい。
【0055】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成装置として、カラー複合機である画像形成装置1を用いているが、これは一例に過ぎず、モノクロ複合機、コピー機、又はファクシミリ装置等の他の画像形成装置が用いられてもよい。
【0056】
また上記実施形態では、表示装置として、画像形成装置1に備えられた表示装置2を用いているが、これは一例に過ぎず、タブレット端末、又は、スマートフォン等の他の表示装置が用いられてもよい。
【0057】
また上記実施形態では、画像形成部12等は、記録紙Pに画像を形成したが、本発明はそのような実施形態に限定されない。画像形成部12等は、記録紙に限らず、他の記録媒体に画像を形成してもよい。他の記録媒体としては、例えば、OHP(Overhead Projector)シートを例示できる。
【0058】
また、
図1乃至
図9を用いて示した上記実施形態の構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0059】
1 画像形成装置
2 表示装置
10 制御部
12 画像形成部
15 表示部
24 ジェスチャーセンサー
25 撮像部