(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241119BHJP
G06Q 10/0834 20230101ALI20241119BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/0834
(21)【出願番号】P 2021065506
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2023-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(72)【発明者】
【氏名】駒嶺 聡史
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 功一
(72)【発明者】
【氏名】王 磊
(72)【発明者】
【氏名】辛島 潤
(72)【発明者】
【氏名】山田 健一
(72)【発明者】
【氏名】藤井 宏光
(72)【発明者】
【氏名】南 翔太
【審査官】成瀬 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-017050(JP,A)
【文献】特開2002-063395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在
中の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得し、
前記スケジュール情報
に含まれる、前記第1店舗付近を通過後のスケジュールに基づいて、
前記第1店舗付近を通過後の行き先、及び前記第1店舗付近を通過後のルートの少なくともいずれかを推定し、
推定した前記行き先又は前記ルートに基づいて、前記第1店舗付近を通過した後に前記第2店舗付近を通過すると推定されるユーザを、前記商品の運送を依頼するユーザ
として、前記少なくとも1人のユーザから選択し、
選択した前記ユーザの端末装置に、
前記ユーザが前記第1店舗に滞在しているときに、前記商品の運送を依頼する情報を送信する、制御部、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、選択した前記ユーザの端末装置にインセンティブを送信する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項
2に記載の情報処理装置において、
前記インセンティブは、前記第2店舗で使用可能なクーポンを含む、情報処理装置。
【請求項4】
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在
中の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記スケジュール情報
に含まれる、前記第1店舗付近を通過後のスケジュールに基づいて、
前記第1店舗付近を通過後の行き先、及び前記第1店舗付近を通過後のルートの少なくともいずれかを推定することと、
推定した前記行き先又は前記ルートに基づいて、前記第1店舗付近を通過した後に前記第2店舗付近を通過すると推定されるユーザを、前記商品の運送を依頼するユーザ
として、前記少なくとも1人のユーザから選択することと、
選択した前記ユーザの端末装置に、
前記ユーザが前記第1店舗に滞在しているときに、前記商品の運送を依頼する情報を送信することと、
を含む動作をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項5】
請求項
4に記載のプログラムにおいて、
選択した前記ユーザの端末装置にインセンティブを送信すること、をさらに含む動作をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項6】
請求項
5に記載のプログラムにおいて、
前記インセンティブは、前記第2店舗で使用可能なクーポンを含む、プログラム。
【請求項7】
情報処理装置における情報処理方法であって、
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在
中の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記スケジュール情報
に含まれる、前記第1店舗付近を通過後のスケジュールに基づいて、
前記第1店舗付近を通過後の行き先、及び前記第1店舗付近を通過後のルートの少なくともいずれかを推定することと、
推定した前記行き先又は前記ルートに基づいて、前記第1店舗付近を通過した後に前記第2店舗付近を通過すると推定されるユーザを、前記商品の運送を依頼するユーザ
として、前記少なくとも1人のユーザから選択することと、
選択した前記ユーザの端末装置に、
前記ユーザが前記第1店舗に滞在しているときに、前記商品の運送を依頼する情報を送信することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理方法において、
選択した前記ユーザの端末装置にインセンティブを送信すること、をさらに含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の運送を依頼する場合、通常は運送業者に依頼することが多いが、運送業者に依頼すると、商品の運送には最低でも1日程度の時間がかかる。
【0003】
例えば、特許文献1は、商品の運送を、運送業者ではなくタクシーに依頼する宅配サービスシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムのようにタクシーに商品の運送を依頼すると、短時間で商品を運送してもらうことができる。しかしながら、タクシーに商品の運送を依頼する場合、ある程度の制約がある。例えば、長距離の商品の運送をタクシーに依頼することは、コストの面から現実的ではない。
【0006】
本開示の目的は、運送業者以外に商品の運送を依頼する際の利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る情報処理装置は、
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在中又は前記第1店舗付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得し、
前記スケジュール情報に基づいて、前記商品の運送を依頼するユーザを、前記少なくとも1人のユーザから選択し、
選択した前記ユーザの端末装置に、前記商品の運送を依頼する情報を送信する、制御部、
を備える。
【0008】
本開示に係るプログラムは、
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在中又は前記第1店舗付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記スケジュール情報に基づいて、前記商品の運送を依頼するユーザを、前記少なくとも1人のユーザから選択することと、
選択した前記ユーザの端末装置に、前記商品の運送を依頼する情報を送信することと、
を含む動作をコンピュータに実行させる。
【0009】
本開示に係る情報処理方法は、
情報処理装置における情報処理方法であって、
第1店舗の商品を第2店舗へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、前記第1店舗付近に滞在中又は前記第1店舗付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得することと、
前記スケジュール情報に基づいて、前記商品の運送を依頼するユーザを、前記少なくとも1人のユーザから選択することと、
選択した前記ユーザの端末装置に、前記商品の運送を依頼する情報を送信することと、
を含む。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、運送業者以外に商品の運送を依頼する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る第1端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る第2端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る情報処理システムの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成を示す図である。
図1を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理システム1の構成及び概要を説明する。
【0014】
情報処理システム1は、情報処理装置10と、第1端末装置20と、第2端末装置30とを備える。情報処理装置10と、第1端末装置20と、第2端末装置30とは、ネットワーク40を介して通信可能に接続されている。ネットワーク40は移動体通信網及びインターネットなどを含むネットワークであってよい。
【0015】
図1では、情報処理装置10、第1端末装置20及び第2端末装置30をそれぞれ1台ずつ示しているが、情報処理装置10、第1端末装置20及び第2端末装置30は、それぞれ2台以上であってもよい。
【0016】
第1端末装置20は、車両4に搭乗して移動する予定があるユーザが所有している端末装置である。なお、
図1においては、ユーザが車両4に搭乗している状態を示しているが、ユーザは、車両4に搭乗していなくてもよい。第1端末装置20は、特許請求の範囲に記載の「端末装置」に対応する。
【0017】
ユーザは、運送業者などではなく、車両4に搭乗して移動する一般の人物である。ユーザは、例えば、車両4に搭乗して移動する旅行者などであってよい。
【0018】
ユーザは、商品の運送の依頼を受けたときに、商品の運送を行うことが可能な人物である。ユーザは、依頼を受けた商品を車両4に積み込んで、商品の運送を行うことが可能である。ユーザは、商品の運送を行うことが可能であることを、予め情報処理装置10に登録している。
【0019】
ユーザは、商品の運送の依頼を第1端末装置20によって受信する。ユーザは、第1端末装置20が受信した依頼に応じて商品の運送を行うことが可能である場合、第1端末装置20を操作して、商品の運送を行うことが可能であることを示す情報を、情報処理装置10に送信する。その後、ユーザは、第1端末装置20が受信した依頼に基づいて、商品を運送する。
【0020】
車両4は、例えば、ユーザの自家用車などであってよい。車両4は、例えば、ガソリン車、ディーゼル車、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)、EV(Electric Vehicle)、又はFCV(Fuel Cell Vehicle)などの任意の種類の自動車である。車両4は、任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。
【0021】
第1店舗2は、ある商品の販売を行っている店舗である。第1店舗2が販売している商品は、どのような種類の商品であってもよい。第1店舗2は、例えば、地方に位置する店舗であってよい。第1店舗2は、例えば、第1店舗2が位置する地域の特産品を商品として販売していてよい。
【0022】
第2店舗3は、ある商品の販売を行っている店舗である。第2店舗3が販売している商品は、どのような種類の商品であってもよい。第2店舗3は、例えば、都心に位置する店舗であってよい。第2店舗3は、例えば、第1店舗2が販売している特産品を、第2店舗3の商品として販売しようと計画している店舗である。
【0023】
第2端末装置30は、第2店舗3に設置されている端末装置、又は第2店舗3の従業員が所有している端末装置である。第2端末装置30は、例えば、第2店舗3の従業員が操作する。
【0024】
第2店舗3の従業員は、第1店舗2の商品を入手したい場合、第2端末装置30を操作して、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を、情報処理装置10に送信する。
【0025】
情報処理装置10は、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を第2端末装置30から取得すると、第1店舗2の付近に滞在中又は第1店舗2の付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得する。情報処理装置10は、取得したスケジュール情報に基づいて、第1店舗2から第2店舗3への商品の運送を依頼するユーザを、少なくとも1人のユーザから選択する。情報処理装置10は、第1店舗2から第2店舗3への商品の運送を依頼するユーザとして選択したユーザの第1端末装置20に、商品の運送を依頼する情報を送信する。
【0026】
情報処理装置10は、第1端末装置20及び第2端末装置30と、ネットワーク40を介して通信可能である。情報処理装置10は、例えば、サーバとして機能するように構成された専用のコンピュータである。情報処理装置10は、汎用のPC(Personal Computer)であってもよい。
【0027】
第1端末装置20は、情報処理装置10とネットワーク40を介して通信可能である。第1端末装置20は、車両4に搭乗して移動する予定があるユーザが所有している端末装置である。第1端末装置20は、例えば、スマートフォン又はタブレットなどであってよい。
【0028】
第2端末装置30は、情報処理装置10とネットワーク40を介して通信可能である。第2端末装置30は、第2店舗3に設置されている端末装置、又は第2店舗3の従業員が所有している端末装置である。第2端末装置30は、例えば、汎用のPC、スマートフォン又はタブレットなどであってよい。
【0029】
図2を参照して、本開示の実施形態に係る情報処理装置10の構成を説明する。
【0030】
情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、入力部13と、出力部14と、制御部15とを備える。
【0031】
通信部11は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部11は、LAN(Local Area Network)に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、情報処理装置10は、通信部11を介してネットワーク40に接続されている。通信部11は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部11は、ネットワーク40を介して、第1端末装置20及び第2端末装置30と通信可能である。
【0032】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部12は、情報処理装置10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部11によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部12に記憶された情報は、例えば通信部11を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部12の一部は、情報処理装置10の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部12の一部は、任意のインタフェースを介して情報処理装置10と接続されてよい。
【0033】
入力部13は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部13は、物理キー、静電容量キー、出力部14のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等を含むが、これに限定されない。
【0034】
出力部14は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部14は、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0035】
制御部15は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部15は、情報処理装置10の各部を制御しながら、情報処理装置10の動作に関わる処理を実行する。
【0036】
図3を参照して、本開示の実施形態に係る第1端末装置20の構成を説明する。
【0037】
第1端末装置20は、通信部21と、記憶部22と、入力部23と、出力部24と、制御部25と、位置情報取得部26とを備える。
【0038】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部21は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、第1端末装置20は、通信部21を介してネットワーク40に接続されている。通信部21は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部21は、ネットワーク40を介して、情報処理装置10と通信可能である。
【0039】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部22は、第1端末装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部21によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部22の一部は、第1端末装置20の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部22の一部は、任意のインタフェースを介して第1端末装置20と接続されてよい。
【0040】
入力部23は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部23は、物理キー、静電容量キー、出力部24のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限定されない。
【0041】
出力部24は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部24は、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0042】
制御部25は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部25は、第1端末装置20の各部を制御しながら、第1端末装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0043】
位置情報取得部26は、任意の衛星測位システムに対応する1つ以上の受信機を含む。例えば、位置情報取得部26は、GPS(Global Positioning System)受信機を含んでもよい。位置情報取得部26は、第1端末装置20の位置の測定値を位置情報として取得する。位置情報は、例えば住所、緯度、経度、及び高度等を含む。
【0044】
図4を参照して、本開示の実施形態に係る第2端末装置30の構成を説明する。
【0045】
第2端末装置30は、通信部31と、記憶部32と、入力部33と、出力部34と、制御部35とを備える。
【0046】
通信部31は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。例えば、通信部31は、LANに対応する通信モジュールを含んでもよい。一実施形態において、第2端末装置30は、通信部31を介してネットワーク40に接続されている。通信部31は、ネットワーク40を介して多様な情報を送信及び受信する。通信部31は、ネットワーク40を介して、情報処理装置10と通信可能である。
【0047】
記憶部32は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等であるが、これらに限定されない。記憶部32は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部32は、第2端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部32は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び通信部31によって受信された各種情報等を記憶してもよい。記憶部32に記憶された情報は、例えば通信部31を介してネットワーク40から受信される情報で更新可能であってもよい。記憶部32の一部は、第2端末装置30の外部に設置されていてもよい。その場合、外部に設置されている記憶部32の一部は、任意のインタフェースを介して第2端末装置30と接続されてよい。
【0048】
入力部33は、ユーザ入力を検出して、ユーザの操作に基づく入力情報を取得する1つ以上の入力用インタフェースを含む。例えば、入力部33は、物理キー、静電容量キー、出力部34のディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイク等であるが、これらに限定されない。
【0049】
出力部34は、情報を出力してユーザに通知する1つ以上の出力用インタフェースを含む。例えば、出力部34は、情報を画像で出力するディスプレイ、情報を音声で出力するスピーカ等を含むが、これに限定されない。
【0050】
制御部35は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部35は、第2端末装置30の各部を制御しながら、第2端末装置30の動作に関わる処理を実行する。
【0051】
(情報処理システムの動作)
図1に示す情報処理システム1の動作を、
図1~
図4を参照して説明する。
【0052】
商品の運送の依頼を受けたときに商品の運送を行うことが可能なユーザは、商品の運送を行うことが可能であることを、予め情報処理装置10に登録している。
【0053】
ユーザは、商品の運送を行うことが可能であることを予め情報処理装置10に登録するとき、商品の運送を行うことが可能である旨を示す情報を、第1端末装置20の入力部23に入力する。制御部25は、ユーザが商品の運送を行うことが可能である旨を示す情報を、通信部21を介して情報処理装置10に送信する。
【0054】
情報処理装置10の通信部11は、第1端末装置20が送信した、商品の運送を行うことが可能である旨を示す情報を受信する。制御部15は、第1端末装置20が送信した、商品の運送を行うことが可能である旨を示す情報を、通信部11を介して取得する。制御部15は、商品の運送を行うことが可能である旨を示す情報を第1端末装置20によって送信したユーザの情報を、記憶部12に記憶する。
【0055】
商品の運送を行うことが可能であることを情報処理装置10に登録したユーザの第1端末装置20は、位置情報取得部26が取得した第1端末装置20の位置情報を、通信部21を介して情報処理装置10に定期的に送信する。
【0056】
情報処理装置10の通信部11は、第1端末装置20が送信した、第1端末装置20の位置情報を受信する。制御部15は、第1端末装置20が送信した、第1端末装置20の位置情報を、通信部11を介して取得する。制御部15は、商品の運送を行うことが可能であるユーザの第1端末装置20の位置情報を、記憶部12に記憶する。
【0057】
情報処理装置10は、商品の運送を行うことが可能であるユーザのスケジュール情報を取得可能である。例えば、情報処理装置10の制御部15は、ユーザが使用しているスケジュール管理用のアプリケーションのデータを保存しているサーバから、ユーザのスケジュール情報を取得してよい。
【0058】
商品の運送を行うことが可能であることを情報処理装置10に登録しているユーザの人数は、1人以上の任意の人数であってよい。ユーザが複数人いる場合、情報処理装置10の記憶部12は、それぞれのユーザの情報を記憶している。記憶部12は、それぞれのユーザの第1端末装置20の位置情報を記憶している。
【0059】
第2店舗3の従業員は、例えば、遠方にある第1店舗2で販売している商品を第2店舗3において販売したい場合などに、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を、第2端末装置30の入力部33に入力する。第1店舗2で販売している商品は、例えば、第1店舗2が位置する地域のみで販売されている特産品などであってよい。
【0060】
第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報は、第1店舗2の情報、第2店舗3の情報、商品の種類、商品の数量、商品の第2店舗3への希望到着時刻、商品を運送した場合にユーザに付与されるインセンティブなどの情報を含んでよい。以後、「第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報」を、単に「ニーズに関する情報」と称して説明する場合がある。
【0061】
制御部35は、入力部33が入力を受け付けた、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を、通信部31を介して情報処理装置10に送信する。
【0062】
情報処理装置10の通信部11は、第2端末装置30が送信したニーズに関する情報を受信する。制御部15は、ニーズに関する情報を、通信部11を介して取得する。
【0063】
制御部15は、ニーズに関する情報を取得すると、第1店舗2付近に滞在中又は第1店舗2付近を通過予定のユーザのスケジュール情報を取得する。制御部15は、第1店舗2付近に滞在中又は第1店舗2付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得してよい。
【0064】
制御部15は、記憶部12に記憶している、複数のユーザの第1端末装置20の位置情報を参照して、第1店舗2付近に滞在中のユーザを抽出し、抽出したユーザのスケジュール情報を取得してよい。
【0065】
制御部15は、例えば、予め取得していた複数のユーザのスケジュール情報に基づいて、第1店舗2付近を通過予定のユーザを抽出し、抽出したユーザのスケジュール情報を取得してよい。
【0066】
ここで、第1店舗2付近とは、第1店舗2から所定の距離以内であることを意味する。所定の距離は、予め設定された値であってよい。また、第1店舗2付近に滞在中との表現は、第1店舗2に滞在中の場合も含む。また、第1店舗2付近を通過予定との表現は、第1店舗2を通過予定の場合も含む。
【0067】
制御部15は、取得した複数のユーザのスケジュール情報に基づいて、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザを選択する。
【0068】
制御部15が取得するスケジュール情報は、ユーザが第1店舗付近を通過後のスケジュール情報を含む。制御部15は、第1店舗付近を通過後のスケジュール情報に基づいて、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザを選択してよい。第1店舗2付近を通過後のスケジュール情報との表現は、第1店舗2を出発した後のスケジュール情報との意味も含む。また、第1店舗2付近を通過後のスケジュール情報との表現は、第1店舗2に到着した後のスケジュール情報との意味を含んでもよい。
【0069】
制御部15は、取得したスケジュール情報に基づいて、ユーザが第1店舗2付近を通過する時間、ユーザが第1店舗2付近を通過した後の行き先、及び、ユーザが第1店舗2付近を通過した後のルートの少なくともいずれかを推定する。
【0070】
制御部15は、推定したこれらの情報のいずれか又は組合せに基づいて、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザを選択してよい。
【0071】
制御部15は、例えば、スケジュール情報に基づいて推定した、ユーザが第1店舗2付近を通過する時間に基づいて、ユーザが第2店舗3に到着可能な時刻を推定する。制御部15は、推定した、ユーザが第2店舗3に到着可能な時刻に基づいて、ニーズに関する情報に含まれる、商品の第2店舗3への希望到着時刻までに、第2店舗3に到着可能と推定されるユーザを、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして選択してよい。
【0072】
制御部15は、例えば、スケジュール情報に基づいて推定した、ユーザが第1店舗2付近を通過した後の行き先に基づいて、第1店舗2付近を通過した後に第2店舗3付近を通過すると推定されるユーザを、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして選択してよい。
【0073】
制御部15は、例えば、スケジュール情報に基づいて推定した、ユーザが第1店舗2付近を通過した後のルートに基づいて、第1店舗2付近を通過した後に第2店舗3付近を通過すると推定されるユーザを、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして選択してよい。
【0074】
制御部15は、取得した複数のユーザのスケジュール情報に基づいて、商品の運送をすることによって受ける影響が最も少ないユーザを、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして選択してよい。制御部15は、例えば、第1店舗2付近を通過した後の推定されるルートが、最も第2店舗3の近くを通過するユーザを、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして選択してよい。
【0075】
制御部15は、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼することを選択したユーザの第1端末装置20に、商品の運送を依頼する情報を送信する。
【0076】
商品の運送を依頼する情報は、第1店舗2の情報、第2店舗3の情報、商品の種類、商品の数量、商品の第2店舗3への希望到着時刻、商品を運送した場合にユーザに付与されるインセンティブなどの情報を含んでよい。インセンティブは、例えば、第2店舗3で使用可能なクーポン、運送した商品の一部をユーザが受け取ることができることなどであってよい。
【0077】
制御部15は、商品の運送を依頼する情報を第1端末装置20に送信する際、所定の条件を満たしたときに、商品の運送を依頼する情報を第1端末装置20に送信してよい。
【0078】
例えば、制御部15は、ユーザが第1店舗2に滞在しているときに、商品の運送を依頼する情報を第1端末装置20に送信してよい。このように、ユーザが実際に第1店舗2に滞在しているときに商品の運送を依頼する情報を第1端末装置20に送信することにより、実際に第1店舗2に立ち寄ったユーザに商品の運送を依頼することができる。これにより、ユーザが商品の運送を引き受ける可能性を高くすることができる。
【0079】
第1端末装置20の通信部21は、情報処理装置10が送信した、商品の運送を依頼する情報を受信する。制御部25は、情報処理装置10が送信した、商品の運送を依頼する情報を、通信部21を介して取得する。制御部15は、商品の運送を依頼する情報を、出力部24に出力させる。これにより、ユーザは、商品の運送を依頼する情報を確認することができる。
【0080】
ユーザは、商品の運送を依頼する情報に含まれる、第1店舗2の情報、第2店舗3の情報、商品の種類、商品の数量、商品の第2店舗3への希望到着時刻、商品を運送した場合にユーザに付与されるインセンティブなどの情報を確認し、商品の運送の依頼を引き受けるか否かを判断する。
【0081】
商品の運送の依頼を引き受ける場合、ユーザは、商品の運送の依頼を引き受ける旨の情報を、入力部23に入力する。制御部25は、商品の運送の依頼を引き受ける旨の情報を、通信部21を介して情報処理装置10に送信する。
【0082】
商品の運送の依頼を引き受けない場合、ユーザは、商品の運送の依頼を引き受けない旨の情報を、入力部23に入力する。制御部25は、商品の運送の依頼を引き受けない旨の情報を、通信部21を介して情報処理装置10に送信する。
【0083】
情報処理装置10の制御部15は、商品の運送の依頼を引き受けない旨の情報を取得した場合、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザとして別のユーザを選択し、別のユーザの第1端末装置20に、商品の運送を依頼する情報を、通信部11を介して送信する。
【0084】
図5に示すフローチャートを参照して、情報処理システム1の動作を説明する。
【0085】
ステップS101において、情報処理装置10の制御部15は、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得する。
【0086】
ステップS102において、制御部15は、第1店舗2付近に滞在中又は第1店舗2付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得する。
【0087】
ステップS103において、制御部15は、取得したスケジュール情報に基づいて、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを依頼するユーザを選択する。
【0088】
ステップS104において、制御部15は、選択したユーザの第1端末装置20に、商品の運送を依頼する情報を送信する。
【0089】
上述のように、本実施形態に係る情報処理装置10において、制御部15は、第1店舗2の商品を第2店舗3へ運送することを要望するニーズに関する情報を取得すると、第1店舗2付近に滞在中又は第1店舗2付近を通過予定の少なくとも1人のユーザのスケジュール情報を取得する。制御部15は、取得したスケジュール情報に基づいて、商品の運送を依頼するユーザを、少なくとも1人のユーザから選択する。制御部15は、商品の運送を依頼するユーザとして選択したユーザの第1端末装置20に、商品の運送を依頼する情報を送信する。これにより、第2店舗3の従業員は、商品の運送を、運送業者以外の一般のユーザに依頼することができる。一般のユーザが例えば旅行者であれば、長距離の商品の運送を依頼することができる。また、少なくとも1人のユーザのスケジュール情報に基づいて、商品の運送を依頼するユーザを選択することで、商品の運送を引き受けてくれる可能性が高いユーザに、商品の運送を依頼することができる。したがって、本実施形態に係る情報処理装置10は、運送業者以外に商品の運送を依頼する際の利便性を向上させることができる。
【0090】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【0091】
例えば、上述した実施形態において情報処理装置10において実行される一部の処理動作が、第1端末装置20又は第2端末装置30において実行されてもよい。また、上述した実施形態において第1端末装置20において実行される一部の処理動作が、情報処理装置10において実行されてもよい。また、上述した実施形態において第2端末装置30において実行される一部の処理動作が、情報処理装置10において実行されてもよい。
【0092】
例えば、スマートフォン又はコンピュータ等の汎用の電子機器を、上述した実施形態に係る情報処理装置10として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る情報処理装置10等の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、電子機器のメモリに格納し、電子機器のプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、一実施形態に係る開示は、プロセッサが実行可能なプログラムとしても実現可能である。
【0093】
例えば、上述した実施形態において、ユーザが車両4に商品を積み込んで運送する場合を例に挙げて説明したが、ユーザは、車両4以外の交通手段によって商品を運送してもよい。例えば、ユーザは、公共交通機関を利用して、第1店舗2の商品を第2店舗3まで運んでもよい。商品の量が多くない場合、ユーザは、公共交通機関を利用して商品を運ぶことが可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 情報処理システム
2 第1店舗
3 第2店舗
4 車両
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
13 入力部
14 出力部
15 制御部
20 第1端末装置
21 通信部
22 記憶部
23 入力部
24 出力部
25 制御部
26 位置情報取得部
30 第2端末装置
31 通信部
32 記憶部
33 入力部
34 出力部
35 制御部
40 ネットワーク