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特許7589634自動隊列走行システムにおけるライティング方法及び自動隊列走行システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】自動隊列走行システムにおけるライティング方法及び自動隊列走行システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/50 20060101AFI20241119BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20241119BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20241119BHJP
   B60Q 1/34 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z
G08G1/00 X
G08G1/16 A
B60Q1/34 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021074394
(22)【出願日】2021-04-26
(65)【公開番号】P2022168727
(43)【公開日】2022-11-08
【審査請求日】2024-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 隆哉
(72)【発明者】
【氏名】井戸口 隆一
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 淳一
(72)【発明者】
【氏名】大谷 友希
【審査官】土谷 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-189776(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206262(US,A1)
【文献】国際公開第2019/012690(WO,A1)
【文献】特開2010-221874(JP,A)
【文献】特開2013-84147(JP,A)
【文献】特開2000-293799(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
隊列状態に応じて前記隊列を構成する各車両のウインカーを点灯し、前記ウインカーの点灯態様として、右左折または車線変更することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有し、
前記自動隊列点灯では、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯態様で前記ウインカーを点灯させ
隣接する車線から前記隊列に参入する参入車は、前記隊列に参入するまでの間は参入方向側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行い、前記隊列参入後に前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯に切り替える、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項2】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
隊列状態に応じて前記隊列を構成する各車両のウインカーを点灯し、前記ウインカーの点灯態様として、右左折または車線変更することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有し、
前記自動隊列点灯では、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯態様で前記ウインカーを点灯させ、
前記隊列から離脱する離脱車は、前記隊列から離脱する前に前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯から前記方向指示点灯に切り替え、離脱が完了するまでの間、離脱方向側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行う、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項3】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
隊列状態に応じて前記隊列を構成する各車両のウインカーを点灯し、前記ウインカーの点灯態様として、右左折または車線変更することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有し、
前記自動隊列点灯では、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯態様で前記ウインカーを点灯させ、
前記隊列全体が車線変更または右左折する場合、前記隊列を構成する各車両は、前記隊列が車線変更または右左折を開始する前に、前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯から前記方向指示点灯に切り替え、前記隊列を構成するすべての車両が車線変更または右左折を完了するまでの間、車線変更または右左折する側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行う、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項4】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
隊列状態に応じて前記隊列を構成する各車両のウインカーを点灯し、前記ウインカーの点灯態様として、右左折または車線変更することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有し、
前記自動隊列点灯では、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯態様で前記ウインカーを点灯させ、
前記隊列を構成する車両が手動操作により前記ハザード点灯された場合、前記隊列を構成する車両のうち、前記ハザード点灯された車両よりも後方の車両は前記ハザード点灯を行い、前記ハザード点灯された車両よりも前方の車両は前記自動隊列点灯を継続する、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項5】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
隊列状態に応じて前記隊列を構成する各車両のウインカーを点灯し、前記ウインカーの点灯態様として、右左折または車線変更することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有し、
前記自動隊列点灯では、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯態様で前記ウインカーを点灯させ、
前記自動隊列走行中に前記隊列が複数の車両群に分断された場合、分断された複数の車両群はそれぞれ隊列を組むとともに前記自動隊列点灯を新たに開始し、
分断された車両群が再度合流した場合、合流後の車両群は再び1つの隊列を構成するとともに前記自動隊列点灯を新たに開始する、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の自動隊列走行システムにおけるライティング方法であって、
前記自動隊列点灯は、前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる点灯周期または異なる点灯パターン、もしくは当該異なる点灯周期及び異なる点灯パターンを組合わせた態様で前記ウインカーを点灯させる、
自動隊列走行システムにおけるライティング方法。
【請求項7】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムであって、
前記隊列を構成する各車両のウインカーの点灯態様を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ウインカーにより、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を実行可能に構成されるとともに、前記自動隊列点灯を前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる態様で行い、
隣接する車線から前記隊列に参入する参入車において、前記隊列に参入するまでの間は参入方向側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行い、前記隊列参入後に前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯に切り替える、
自動隊列走行システム。
【請求項8】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムであって、
前記隊列を構成する各車両のウインカーの点灯態様を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ウインカーにより、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を実行可能に構成されるとともに、前記自動隊列点灯を前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる態様で行い、
前記隊列から離脱する離脱車において、前記隊列から離脱する前に前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯から前記方向指示点灯に切り替え、離脱が完了するまでの間、離脱方向側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行う、
自動隊列走行システム。
【請求項9】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムであって、
前記隊列を構成する各車両のウインカーの点灯態様を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ウインカーにより、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を実行可能に構成されるとともに、前記自動隊列点灯を前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる態様で行い、
前記隊列全体が車線変更または右左折する場合、前記隊列を構成する各車両において、前記隊列が車線変更または右左折を開始する前に、前記ウインカーの点灯態様を前記自動隊列点灯から前記方向指示点灯に切り替え、前記隊列を構成するすべての車両が車線変更または右左折を完了するまでの間、車線変更または右左折する側のウインカーにおいて前記方向指示点灯を行う、
自動隊列走行システム。
【請求項10】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムであって、
前記隊列を構成する各車両のウインカーの点灯態様を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ウインカーにより、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を実行可能に構成されるとともに、前記自動隊列点灯を前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる態様で行い、
前記隊列を構成する車両が手動操作により前記ハザード点灯された場合、前記隊列を構成する車両のうち、前記ハザード点灯された車両よりも後方の車両において前記ハザード点灯を行い、前記ハザード点灯された車両よりも前方の車両において前記自動隊列点灯を継続する、
自動隊列走行システム。
【請求項11】
先頭車と前記先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムであって、
前記隊列を構成する各車両のウインカーの点灯態様を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記ウインカーにより、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を実行可能に構成されるとともに、前記自動隊列点灯を前記方向指示点灯及び前記ハザード点灯とは異なる態様で行い、
前記自動隊列走行中に前記隊列が複数の車両群に分断された場合、分断された複数の車両群においてそれぞれ隊列を構成させて前記自動隊列点灯を新たに開始し、
分断された車両群が再度合流した場合、合流後の車両群において再び1つの隊列を構成させて前記自動隊列点灯を新たに開始する、
自動隊列走行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動隊列走行システムにおけるライティング方法及び自動隊列走行システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車間距離を一定に保つ運転支援機能等を利用し、先頭車に対して複数の追従車を自動追従走行させる自動隊列走行システムが提案されている。特許文献1には、運転者により運転される有人の先頭車に対して複数の無人の追従車を自動追従走行させる自動追従システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4076670号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動隊列走行システムを用いて隊列走行する場合、隊列を構成する各車両間の車間距離は、一般的に通常(隊列走行していない場合)よりも短く設定される。例えば特許文献1でも、夜間に隊列走行する際、車間距離が通常よりも短いことを前提に、追従車のヘッドライトをオフにする技術が記載されている。
【0005】
しかしながら、車間距離を短くして走行する場合、それが隊列走行であるのか、またはいわゆる煽り運転であるのか、第三者からは区別がつかない。このため、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、煽り運転であるとの誤解を与えてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みたものであり、隊列走行中であることを明確に認識させることのできる自動隊列走行システムにおけるライティング方法及び自動隊列走行システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、先頭車と先頭車に追従する追従車が隊列を組んで自動隊列走行するように制御される自動隊列走行システムにおけるライティング方法が提供される。このライティング方法では、隊列状態に応じて隊列を構成する各車両のウインカーを点灯する。ウインカーの点灯態様として、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯を有している。自動隊列点灯では、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる点灯態様でウインカーを点灯させる。隣接する車線から隊列に参入する参入車は、隊列に参入するまでの間は参入方向側のウインカーにおいて方向指示点灯を行い、隊列参入後にウインカーの点灯態様を自動隊列点灯に切り替える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自動隊列走行システムにおけるライティング方法によれば、自動隊列点灯では、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる態様でウインカーを点灯させる。これにより、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、隊列走行中であることを明確に認識させることができ、第三者に煽り運転であるとの誤解を与えることが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、各実施形態に共通する自動隊列走行システムの主要構成を示す概略構成図である。
図2図2は、方向指示点灯及びハザード点灯の点灯周期を示すタイミングチャートである。
図3図3は、自動隊列点灯の点灯周期及び点灯パターンを示すタイミングチャートである。
図4図4は、自動隊列点灯の点灯パターンの一例を説明する図である。
図5図5は、第1実施形態による自動隊列走行システムにおけるライティング制御を説明するフローチャートである。
図6図6は、割り込みによる隊列参入時における点灯態様を説明する図である。
図7図7は、第2実施形態による自動隊列走行システムにおけるライティング制御を説明するフローチャートである。
図8図8は、隊列離脱時における点灯態様を説明する図である。
図9図9は、第3実施形態による自動隊列走行システムにおけるライティング制御を説明するフローチャートである。
図10図10は、車両群全体の車線変更時における点灯態様を説明する図である。
図11図11は、車両群全体の右左折時における点灯態様を説明する図である。
図12図12は、第4実施形態による自動隊列走行システムにおけるライティング制御を説明するフローチャートである。
図13図13は、ハザード点灯時における点灯態様を説明する図である。
図14図14は、隊列分断時及び隊列再構成時における点灯態様を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面等を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、各実施形態に共通する自動隊列走行システム100の主要構成を示す概略構成図である。自動隊列走行システム100は、隊列を構成する各車両1に搭載される。隊列とは、車間距離等の走行状態の調節について自車両または他の車両の機能による支援を受けることにより、複数の車両が全体として統制された走行状態となっている車両群をいう。隊列は、基本的に同一の車線を走行する複数の車両によって形成されるが、異なる車線を走行する車両が車線変更して隊列に参入する場合や、隊列内の車両が異なる車線に車線変更することで隊列から離脱する場合がある。また、隊列全体として車線変更や右左折する場合などもあり、この場合、隊列が複数の車線に跨ることもある。以下では、複数の車両が隊列を形成した走行状態を隊列走行という。
【0012】
図1に示すように、車両1に搭載される自動隊列走行システム100は、車両駆動系10、撮影装置20、検出器30、車車間通信機40、情報提供装置50、記憶装置60、ライティングデバイス70、ライティングコントローラ80及びコントローラ90等を備える。なお、車両1は、ドライバ(運転者)によって運転されてもよく、また、コントローラ90の制御によって自動運転または運転支援されてもよい。また、有人車両であっても無人車両であってもよい。但し、隊列走行時においては、少なくとも先頭車に追従する追従車はコントローラ90の制御によって運転支援される。
【0013】
車両駆動系10は、車両1が走行するための基礎的な構成である。車両駆動系10は、例えば、エンジン及び/または電動モータ、バッテリ、パワートレイン、及び、車輪等から構成される。また、車両駆動系10には、車両1の運転者が車両1の走行その他の制御状態について指示を与えるための構成を含む。例えば、車両駆動系10には、ステアリングホイール、アクセルペダル、及び、ブレーキペダル等が含まれる。
【0014】
撮影装置20は、前方カメラ21及び後方カメラ22を有し、前方カメラ21は、車両1の前方の視野を、後方カメラ22は、車両1の後方を撮影する。これらの各カメラによって、撮影された車両1の撮影情報(画像)はコントローラ90に送信される。なお、撮影装置20には、車両1の側方を撮影する側方カメラ(図示しない)を含んでもよい。
【0015】
検出器30は、車両1の状態、車両1を構成する各部の状態、及び/または、車両1の周辺にある物体(以下、周辺物という)を検出する1または複数の検出器によって構成される。車両1の状態とは、例えば、車両1の速度、加速度、または姿勢等である。車両1を構成する各部の状態とは、例えば、エンジンやモータの動作状態等である。周辺物とは、車両1の周辺にある物または人等である。例えば、車両、自転車、もしくは歩行者等、路面もしくはその端部、道路標識、路面標示、及び/または、その他建造物等が車両1の周辺物である。車両1の周辺とは、例えば、検出器30が検出することによって、または、隊列車両等の車両もしくは道路設備等と通信することによって、車両1がその存在(位置、速度、もしくは形状等)を取得し得る範囲をいう。
【0016】
本実施形態では、検出器30は、具体的に、周辺物検出器31と、自車位置検出器32と、を含む。周辺物検出器31は、車両1の周辺にある物体の相対位置を検出するセンサである。周辺物検出器31は、例えば、ソナー、レーダ、またはレーザレーダ(LiDAR)等である。自車位置検出器32は、自車両である車両1の位置を検出するセンサである。自車位置検出器32は、例えば、GPS(Global Positioning System)センサ、または、オドメータ等である。また、検出器30は、例えば、前方を走行する車両との車間距離を計測する車間距離計測器(図示しない)を含む。検出器30により検出された情報(検出情報)はコントローラ90に送信される。
【0017】
車車間通信機40は、他の車両と通信するための通信設備である。車両1は、車車間通信機40を用いた他の車両との通信(以下、車車間通信とする)により、通信相手の車両から情報を取得し、または、通信相手の車両に情報を提供する(以下、取得と提供を合わせて共有とする)。本実施形態では、車両1は、車車間通信機40によって隊列車両と情報を共有する。例えば、車両1は、隊列を形成または維持するための情報を隊列車両と適宜に共有する。これにより、車両1は隊列走行をする。但し、車両1は、隊列車両以外の車両とも車車間通信を行うことができる。
【0018】
情報提供装置50は、車両1の運転者または同乗者(以下、乗員とする)に対して、各種の情報を提供するための設備である。情報について提供とは、表示または発報等することにより、その内容の一部または全部を明示的または黙示的に知得し得る状態にすることをいう。情報提供装置50は、例えば、ディスプレイ等による画像もしくは映像の表示、ランプその他のインジケータによる表示、スピーカ等による音もしくは音声の発報、または、振動の発生等によって、各種の情報を提供する。なお、情報提供装置50が提供する各種の情報とは、車両1の乗員に対して提示する情報であって、例えば、車両1の車速、エンジンやモータ等の回転数、バッテリの充電量、地図、または、経路等である。
【0019】
記憶装置60は、隊列走行開始時刻と隊列走行終了時刻を記録するための装置である。記憶装置60は、例えばマイクロSDカード等であり、隊列走行が開始または終了されると、後述するコントローラ90により、隊列走行開始または終了時刻が記録される。なお、図1では、記憶装置60は車両1内においてコントローラ90とは別に設けられているが、記憶装置60はコントローラ90内のメモリであってもよく、また、コントローラ90と通信可能な外部のサーバに設けられていてもよい。記憶装置60に、隊列開始及び終了時刻が記録されることで、事後に隊列走行中の期間を証明することができる。
【0020】
ライティングデバイス70は、車内または車外を照明する、或いは隊列外の車両や車両1の周囲の第三者等に対し車両1の進路方向や車両1の走行形態を示すための装置であり、車内灯71、前照灯72、尾灯73、方向指示器(ウインカー)74等を含む。ライティングデバイス70の動作は、ライティングコントローラ80により制御される。なお、ウインカー74は複数のLEDランプから構成される。
【0021】
ライティングコントローラ80は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RΑM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたコンピュータで構成される。ライティングコントローラ80は、後述するコントローラ90と通信可能に構成され、コントローラ90からの指令または乗員の操作(以下、コントローラ90からの指令等とする)に基づき、ライティングデバイス70の動作を制御する。ライティングコントローラ80は、例えばコントローラ90からの指令等に基づき、車内灯71、前照灯72、尾灯73、方向指示器(ウインカー)74を点灯または消灯する。
【0022】
また、本実施形態においては、ライティングコントローラ80は、隊列走行中の車両1の隊列状態に応じて、コントローラ90からの指示等に基づき、各種の点灯態様でウインカー74を点灯させる。ウインカー74の点灯態様には、右左折することを示すための方向指示点灯、停止することを示すまたは注意喚起するためのハザード点灯及び自動隊列走行中であることを示すための自動隊列点灯が含まれる。
【0023】
コントローラ90は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RΑM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたコンピュータで構成され、車両1の統合的な制御を行う。コントローラ90を複数のマイクロコンピュータで構成することも可能である。コントローラ90は、特定のプログラムを実行することにより、車両1全体を制御するための処理を実行する。例えば、コントローラ90は、後述する自動隊列走行システム100におけるライティング制御を実行する。
【0024】
またコントローラ90は、情報取得部91、運転支援制御部92、画像処理部93等を含む。
【0025】
情報取得部91は、車車間通信機40または検出器30等を用いて、自車両である車両1及び他の車両に関する情報を取得する。自車両に関する情報とは、車両1の制御状態を表すパラメータ等、車両1の制御もしくは表示に用いる情報、または、車車間通信等により他の車両からの要求に応じて提供すべき車両1の情報である。情報取得部91は、例えば、撮影装置20や検出器30等の設備の有無、撮影装置20による撮影情報、自車両の車種やサイズ等の車両データ(カメラの取り付け位置等の情報を含む)、自車両の位置もしくは速度等、または、周辺物の位置、車両データ、もしくは速度等を、自車両に関する情報として取得する。一方、他の車両に関する情報とは、他の車両によって取得され、車両1と共有される情報である。情報取得部91は、例えば、他の車両に係る車両データ、他の車両が有する設備、他の車両の位置もしくは速度等、他の車両で撮影された画像、他の車両が検出等した周辺物(他の車両の周辺物)の位置、車両データ、もしくは速度等を、他の車両に関する情報として取得する。
【0026】
なお、情報取得部91は、隊列車両もしくは隊列車両の周辺物に関する情報を取得し得る他、隊列走行をしない車両から、その車両もしくはその車両の周辺物に関する情報を取得し得る。また、情報取得部91は、隊列走行をしない車両との直接的な車車間通信または隊列車両を介した間接的な車車間通信によって、隊列走行をしない車両から情報を取得できる。
【0027】
運転支援制御部92は、情報取得部91によって取得された自車両及び/または他の車両に関する情報を用いて車両駆動系10の動作を制御または制限することにより、車両1を自動運転または運転支援する(以下、自動運転及び運転支援を合わせて運転支援等とする)。例えば、他車両からの接続要求に応じて車両1が隊列走行を開始すると、運転支援制御部92による車両駆動系10の制御等が開始され、隊列走行中における車両1の速度や進行方向が調整される。その結果、例えば、車両1と車両1の直前にいる隊列車両との車間距離は、予め定められた所定の車間距離に維持される。なお、隊列走行中以外においては運転支援制御部92による運転支援等を実行するか否かは任意であるが、少なくとも隊列走行中は運転支援制御部92による運転支援等(自動隊列走行制御)が実行される。
【0028】
画像処理部93は、撮影装置20から取得した撮影情報(画像)を画像処理して、ディスプレイ等に表示する。
【0029】
以上のように構成された自動隊列走行システム100を搭載する車両1は、運転支援制御部92の制御により他車との間に設定された車間距離を保ちつつ隊列走行する。
【0030】
ところで、自動隊列走行システムにおいては、一般的に、隊列走行する各車両間の車間距離が隊列走行していない場合(以下、通常の場合とする)よりも短く設定される。しかしながら、車間距離を通常の場合よりも短くして走行する場合、それが隊列走行であるのか、またはいわゆる煽り運転であるのか、第三者からは区別がつかない。このため、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、煽り運転であるとの誤解を与えてしまう虞がある。
【0031】
これに対し、本実施形態においては、隊列走行中は、車両1のウインカー74を方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる点灯態様の自動隊列点灯により点灯させることとした。これにより、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、隊列走行中であることを明確に認識させることができ、第三者に煽り運転であるとの誤解を与えることが防止される。また、自動隊列点灯は、ハザード点灯と点灯態様が異なるため、隊列外の車両や周囲の第三者が自動隊列点灯をハザード点灯と誤認してしまうことが防止される。
【0032】
以下、ウインカー74の点灯態様を説明する。
【0033】
前述のとおり、ライティングコントローラ80は、車両1の隊列走行中、隊列状態に応じて車両1のウインカー74を点灯させる。ウインカー74の点灯態様には、方向指示点灯、ハザード点灯及び自動隊列点灯が含まれる。
【0034】
方向指示点灯は、車両1が右左折または車線変更することを示すために車両1の進行方向側のウインカー74を点滅させる点灯態様である。また、ハザード点灯は、車両1が停止することを示すまたは注意喚起するために左右両側のウインカー74を点滅させる点灯態様である。
【0035】
図2は、方向指示点灯及びハザード点灯の点灯周期を示すタイミングチャートである。
【0036】
図2に示すように、方向指示点灯及びハザード点灯の場合、一定の周期Tで点灯及び消灯(即ち、点滅)が繰り返される。なお、日本の法令では、方向指示点灯及びハザード点灯は、毎分60回以上120回以下の一定の周期で点滅するもの、とされている。以下、点灯及び消灯が一定の時間で規則的に繰り返される(循環する)場合における1回の循環時間を点滅周期Tとする。
【0037】
自動隊列点灯は、車両1が自動隊列走行中であることを示すために左右両側のウインカー74を点滅(点灯及び消灯)させる点灯態様であり、方向指示点灯及びハザード点灯とは点灯態様が異なる。具体的には、自動隊列点灯では、方向指示点灯及びハザード点灯(以下、ハザード点灯等とする)とは異なる点灯周期または異なる点灯パターン、もしくは当該異なる点灯周期及び異なる点灯パターンを組合わせた態様でウインカー74が点灯される。ここでの異なる点灯周期とは、点滅周期Tの長さがハザード点灯等と異なる場合、点滅周期Tの一周期内における点灯時間の割合(以下、点灯割合とする)がハザード点灯等と異なる場合、及び点滅周期Tの一周期内における点灯回数(以下、点灯回数とする)がハザード点灯等と異なる場合等を含む。また、異なる点灯パターンとは、ウインカー74を点灯または消灯する際のLEDランプの点灯または消灯速度が(以下、点灯速度等とする)ハザード点灯等とは異なる場合と、時間ごとに点灯させるウインカー74のLEDランプの箇所(以下、ランプ点灯様式とする)がハザード点灯等とは異なる場合とを含む。
【0038】
図3は、自動隊列点灯の点灯周期及び点灯パターンを示すタイミングチャートであり、図4は、ランプ点灯様式がハザード点灯等とは異なる場合の例を説明する図である。図3の(a)~(g)及び図4は自動隊列点灯による点灯態様の例であり、自動隊列点灯では図3の(a)~(g)及び図4のいずれの態様でウインカー74を点灯させてもよい。また、ハザード点灯等と異なる点灯態様であれば、図3の(a)~(g)及び図4で例示した点灯態様以外の態様でウインカー74を点灯させてもよい。
【0039】
図3の(a)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも長く、点灯割合がハザード点灯等よりも大きく、且つ点灯または消灯時におけるウインカー74の照度は時間の経過に従って徐々に高くまたは低くなる(即ち、ハザード点灯等と点灯速度等が異なる)。(b)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも短く、点灯割合がハザード点灯等よりも大きく、且つハザード点灯等と点灯速度等が異なる。(c)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも短く、点灯割合がハザード点灯等よりも小さい。(d)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも長く、点灯割合がハザード点灯等よりも小さい。(e)の点灯態様では、点灯割合はハザード点灯等と同一であるが、点滅周期Tがハザード点灯等よりも長く、且つハザード点灯等と点灯速度等が異なる。(f)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも長く、且つハザード点灯等よりも点灯回数が多い。(g)の点灯態様では、点滅周期Tがハザード点灯等よりも長く、ハザード点灯等よりも点灯回数が多く、点灯割合がハザード点灯等よりも大きく且つハザード点灯等と点灯速度等が異なる。
【0040】
図4は、自動隊列点灯の点灯パターンの一例を説明する図であり、ランプ点灯様式がハザード点灯等と異なる場合の図である。図4では、時間tがt1からt4まで経過していく際における左右のウインカー74のLEDランプ(以下、ランプとする)点灯箇所を示している。
【0041】
図示しないが、ハザード点灯等においては、ウインカー74のすべてのランプが同時に点灯及び消灯(点滅)するか、若しくは、点灯の際、ウインカー74における車両1の車幅方向外側のランプから順に車幅方向の中央に向かってランプが点灯されていく。これに対し、本例の自動隊列点灯においては、図4に示すように、時間がt1からt4に進むにつれて左右のウインカー74は、ウインカー74の中央から車両1の車幅方向の中央側及び車幅方向の外側に向かって順々にランプが点灯されていく。なお、t4においてウインカー74のすべてのランプが点灯すると、t1に戻り、ウインカー74のすべてのランプが消灯し、再びウインカー74の中央から順にランプが点灯されていく。
【0042】
以上のとおり、本実施形態の自動隊列点灯では、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる点灯態様でウインカー74が点灯されるため、車両1が隊列走行中であることは、隊列外の車両や周囲の第三者に明確に認識される。
【0043】
図5は、自動隊列走行システム100におけるライティング制御を説明するフローチャートである。なお、以下の制御は、いずれもコントローラ90により実行される。また、コントローラ90は、情報取得部91等により、自車両である車両1及び他の車両に関する情報等を常に繰り返し取得する。
【0044】
車両1のイグニッションスイッチがONにされる等すると、自動隊列走行システム100が起動する。
【0045】
ステップS101において、他車両が、車車間通信機等を用いて自車両である車両1に対して隊列走行に接続するように求めてくると、コントローラ90は、ステップS102の処理を実行する。
【0046】
ステップS102において、コントローラ90は、自動運転または運転支援中は接続を許可するか否か判断し、運転者による運転中の場合はディスプレイ19等への表示等を通じて、乗員に対し接続を許可するか否かの決定を促す。コントローラ90による接続を許可するか否かの判断は、車両1の目的地までのルート、自車両である車両1に関する情報、接続要求している他車両に関する情報等に基づき行われる。
【0047】
ステップS102において、乗員が隊列走行への接続を許可する設定操作を行った場合、またはコントローラ90が隊列走行への接続を許可した場合、コントローラ90は車両1の自動隊列走行制御を開始するステップS103の処理を実行する。一方、ステップS102において、コントローラ90が隊列走行への接続を許可しない場合、または乗員が隊列走行への接続を許可する設定操作を行わない場合、車両1は隊列走行を開始しない。
【0048】
ステップS103において、コントローラ90は、自動隊列走行制御及びライティング制御を開始し、車両1の隊列走行が開始される。
【0049】
自動隊列走行制御及びライティング制御が開始されると、ステップS104において、コントローラ90は、ライティングコントローラ80を通じて、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる点灯態様である自動隊列点灯によりウインカー74を点灯させる。即ち、コントローラ90は、ハザード点灯等とは異なる点灯周期または点灯パターン、もしくはハザード点灯等とは異なる点灯周期及び点灯パターンを組合わせた態様でウインカー74を点灯させる。
【0050】
ステップS104において、ウインカー74が自動隊列点灯されると、ステップS105において、コントローラ90は、記憶装置60に車両1の隊列走行開始時刻を記録する。
【0051】
ステップS106において、車両1が所定の目的地に到達する、または乗員の操作により隊列走行の運転モードが解除されると、コントローラ90は、自動隊列走行制御を終了する。なお、車両1の目的地までのルートが途中から隊列走行車の走行ルートとは異なっているような場合等には、コントローラ90は、車線変更等をすることにより車両1を隊列から離脱させる。このような場合にも、コントローラ90は、自動隊列走行制御を終了する。
【0052】
ステップS106において、自動隊列走行制御を終了すると、ステップS107において、コントローラ90は、自動隊列点灯によるウインカー74の点灯を終了する。
【0053】
自動隊列点灯によるウインカー74の点灯を終了すると、ステップS108において、コントローラ90は、記憶装置60に車両1の隊列走行終了時刻を記録し、自動隊列走行システム100におけるライティング制御を終了する。
【0054】
上記した第1実施形態の自動隊列走行システム100及び自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0055】
自動隊列走行システム100及び自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、自動隊列点灯では、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる態様でウインカー74を点灯させる。これにより、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、隊列走行中であることを明確に認識させることができ、第三者に煽り運転であるとの誤解を与えることが防止される。また、隊列走行中は、ハザード点灯とは異なる点灯態様の自動隊列点灯によりウインカー74を点灯するため、隊列外の車両や周囲の第三者が自動隊列点灯をハザード点灯であると誤認してしまうことが防止される。
【0056】
また、ウインカー74を用いて自動隊列点灯を行うため、別途の装置を用いることなく、既存の車両システムのソフトウェアを交換するだけで自動隊列走行システム100を構築し、ライティング制御を実行することができる。このように、既存の車両に対し部品数を増やさずにライティング制御を実行できるため、軽量化、低コスト化が可能となる。
【0057】
自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、自動隊列点灯は、方向指示点灯及びハザード点灯とは異なる点灯周期または異なる点灯パターン、もしくは当該異なる点灯周期及び異なる点灯パターンを組合わせた態様でウインカー74を点灯させる。これにより、隊列外の車両や周囲の第三者に対し、隊列走行中であることを明確に認識させることができ、第三者に煽り運転であるとの誤解を与えることが防止される。また、隊列走行中は、ハザード点灯とは少なくとも点灯周期または点灯パターンが異なる自動隊列点灯によりウインカー74を点灯するため、隊列外の車両や周囲の第三者が自動隊列点灯をハザード点灯であると誤認してしまうことが防止される。
【0058】
なお、本実施形態においては、ライティングコントローラ80をコントローラ90とは別の構成としたが、これに限られず、ライティングコントローラ80がコントローラ90内に含まれる構成であってもよい。
【0059】
また、本実施形態のように、自動隊列走行システム100は記憶装置60を備えることが好ましいが、必ずしもこれに限られず、記憶装置60を備えない構成であってもよい。
【0060】
(第2実施形態)
図6及び図7を参照して、第2実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法を説明する。なお、第1実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
第1実施形態は、他車両からの接続要求に応じて車両1が隊列走行を開始するものであった。これに対し、第2実施形態は、車両1が隣接する車線から割り込みにより隊列に参入する場面における制御である点が第1実施形態と異なる。
【0062】
図6は、車両1の隊列参入時におけるウインカー74の点灯態様を説明する図である。図6の(a)に示すように、隊列Aの走行車線と隣接する車線を走行する車両1が、車線変更して隊列走行車の間に割り込むことで隊列Aに参入する場合、車両1は参入方向側(車線変更する側)のウインカー74を点滅させる方向指示点灯を行う。
【0063】
そして隊列Aへの参入が完了すると、図6の(b)に示すように、車両1はウインカー74の点灯態様を他の隊列走行車と同期した自動隊列点灯に切り替える。
【0064】
ここで、車両1が隊列走行車の間に割り込むことで隊列Aに参入する場合に、ウインカー74の点灯態様を割り込み前から自動隊列点灯にしてしまうと、車両1後方を走行するバイク2の運転者等の第三者は、2車線並走での隊列走行であるのか否かを判別することができない。このため、2車線並走での隊列走行である誤認して、バイク2等が車両1と隊列走行車との間をすり抜けてくる可能性がある。この場合、車両1が隊列Aへスムーズに参入できなくなる虞がある。これに対し、本実施形態では、車両1は隊列への参入が完了するまでの間、方向指示点灯を行うため、バイク2の運転者等の第三者に対し、車両1が車線変更することを明確に認識させることができる。従って、バイク2等によるすり抜け等が抑制され、車両1は隊列Aへスムーズに参入することができる。
【0065】
図7は、第2実施形態による自動隊列走行システム100におけるライティング制御を説明するフローチャートである。
【0066】
ステップS201において、隊列Aの走行車線と隣接する車線を走行する車両1のコントローラ90は、車車間通信機等を用いて隊列Aを構成する隊列走行車に対して割り込みによる隊列Aへの接続を許可するように求める(割り込みによる接続許可要求)。
【0067】
ステップS202において、隊列走行車が車両1の隊列Aへの接続を許可すると、ステップS203においてコントローラ90は、自動隊列走行制御及びライティング制御を開始する。一方、隊列走行車が隊列Aへの接続を許可しない場合、車両1は隊列走行に参入しない。
【0068】
隊列Aへの接続が許可されると、ステップS204において、車両1の割り込み予定先における隊列走行車間の車間距離が割り込み可能な程度まで開かれる。
【0069】
隊列走行車間の車間距離が開かれ、割り込みスペースが確保されると、ステップS205において、コントローラ90は、ライティングコントローラ80を通じて、車両1の隊列参入方向側(車線変更する側)のウインカー74を点滅させる方向指示点灯を行う。
【0070】
ステップS206において、コントローラ90は、車両1を隊列A側の車線に車線変更させ、車両1を隊列Aに参入させる。
【0071】
ステップS207において車両1の隊列Aへの参入(車線変更)が完了すると、ステップS208において、コントローラ90は、車両1の自動隊列走行を開始するとともに、ウインカー74の点灯態様を方向指示点灯から自動隊列点灯に切り替える。
【0072】
ステップS209において、車両1が所定の目的地に到達する、または車両1が隊列走行から離脱する、或いは乗員の操作により隊列走行の運転モードが解除されると、コントローラ90は、自動隊列走行制御を終了する。
【0073】
ステップS209において、自動隊列走行制御を終了すると、ステップS210において、コントローラ90は、自動隊列点灯によるウインカー74の点灯を終了するとともに、自動隊列走行システム100におけるライティング制御を終了する。
【0074】
上記した第2実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0075】
自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、隣接する車線から隊列Aに参入する車両1(参入車)は、隊列に参入するまでの間は参入方向側のウインカー74において方向指示点灯を行い、隊列参入後にウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯に切り替える。このように、車両1(参入車)は隊列Aへの参入が完了するまでの間、方向指示点灯を行うため、第三者に対し、車両1(参入車)が車線変更することを明確に認識させることができる。従って、車両1(参入車)の後方を走行するバイク2等によるすり抜け等が抑制され、車両1(参入車)が隊列Aへスムーズに参入することができる。
【0076】
(第3実施形態)
図8及び図9を参照して、第3実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0077】
第3実施形態は、隊列走行中の車両1が隊列から離脱する場面における制御である点が他の実施形態と異なる。
【0078】
図8は、隊列走行中の車両1が隊列Aから離脱する際におけるウインカー74の点灯態様を説明する図である。
【0079】
図8の(a)に示すように、隊列走行中の車両1が隊列Aからの離脱を予定している場合、車両1は、隊列Aから離脱するよりも前にウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯から方向指示点灯に切り替え、離脱方向側のウインカー74を点滅させる。
【0080】
そして隊列Aからの離脱が完了すると、図8の(b)に示すように、車両1はウインカー74を消灯する。
【0081】
ここで、車両1が隊列Aから離脱する場合に、ウインカー74の点灯態様を離脱開始時や離脱開始時以降まで自動隊列点灯にしてしまうと、隊列Aの後方を走行するバイク2の運転者等は、車両1が隊列Aから離脱する予定であることを認識できない。このため、バイク2等が車両1の離脱先の車線からすり抜けてくる虞がある。この場合、車両1が隊列Aからスムーズに離脱できなくなる虞がある。これに対し、本実施形態では、車両1は、隊列Aから離脱するよりも前にウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯から方向指示点灯に切り替え、離脱方向側のウインカー74を点滅させる。このため、バイク2の運転者等の第三者に対し、車両1が隊列Aから離脱(車線変更)することを明確に認識させることができる。従って、車両1の離脱予定車線側からのバイク2等によるすり抜け等が抑制され、車両1は隊列Aからスムーズに離脱することができる。
【0082】
図9は、第3実施形態による自動隊列走行システム100におけるライティング制御を説明するフローチャートである。
【0083】
ステップS301において、他車両からの接続要求に応じて、または隊列走行車両が車両1の隊列Aへの参入を許可して車両1の隊列走行が開始されると、コントローラ90は、自動隊列走行制御及びライティング制御を開始する。
【0084】
ステップS302において、コントローラ90は、自動隊列点灯によりウインカー74を点灯する。
【0085】
ステップS303において、車両1の隊列Aからの離脱予定地点が近づくと、コントローラ90は、隊列Aからの離脱前にウインカー74の点灯態様を方向指示点灯に切り替え、離脱方向側のウインカー74を点滅させる。なお、前述の通り、車両1の目的地までのルートが途中から隊列走行の走行ルートとは異なっている場合等に、車両1は隊列Aから離脱する。
【0086】
ステップS304において、コントローラ90は、車両1を車線変更し、隊列Aから離脱させる。
【0087】
ステップS305において、隊列Aからの離脱が完了すると、コントローラ90は、自動隊列走行制御を終了し、ステップS306において、ウインカー74を消灯し、自動隊列走行システム100におけるライティング制御を終了する。
【0088】
上記した第3実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0089】
自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、隊列Aから離脱する車両1(離脱車)は、隊列Aから離脱するよりも前にウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯から方向指示点灯に切り替え、離脱方向側のウインカー74において方向指示点灯を行う。これにより、離脱前に、第三者に対し、車両1が隊列Aから離脱(車線変更)することを明確に認識させることができる。従って、車両1の離脱予定車線側からのバイク2等によるすり抜け等が抑制され、車両1は隊列Aからスムーズに離脱することができる。
【0090】
(第4実施形態)
図10図12を参照して、第4実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
第4実施形態は、隊列を構成する車両群全体が車線変更または右左折する場合における制御である点が他の実施形態と異なる。
【0092】
図10は、隊列Aを構成する車両群全体が車線変更する際におけるウインカー74の点灯態様を説明する図である。
【0093】
図10の(a)に示すように、隊列Aを構成する各車両1(車両群)が一車線上を走行している間は、各車両1のウインカー74は、自動隊列点灯により点灯される。
【0094】
ここで隊列Aを構成する車両群が隊列全体として車線変更する場合、車線変更前に隊列Aを構成する各車両1のウインカー74の点灯態様が自動隊列点灯から方向指示点灯に同時に切り替えられ、車線変更する側のウインカー74が点滅される。
【0095】
各車両1のウインカー74の点灯態様が方向指示点灯に切り替えられると、図10の(b)に示すように、隊列Aの先頭車両から順に車線変更される。車線変更中は、隊列Aを構成するすべての車両のウインカー74が方向指示点灯により点灯される。
【0096】
隊列Aを構成するすべての車両の車線変更が完了すると、図10の(c)に示すように、ウインカー74の点灯態様が方向指示点灯から自動隊列点灯に切り替えられる。
【0097】
ここで隊列Aが全体として車線変更する場合に、隊列Aを構成する車両群の一部の車両のみが方向指示点灯を行うと、隊列Aの後方を走行するバイク2の運転者等の第三者は、隊列A全体が車線変更することを認識できない。このためバイク2等が、方向指示点灯を行っていない車両1の脇を隊列Aの車線変更先の車線側からすり抜けてくる虞がある。この場合、隊列Aはスムーズに車線変更できなくなる虞がある。これに対し、本実施形態では、隊列Aが全体として車線変更する場合に、車線変更開始前から車線変更が完了するまでの間、隊列Aを構成する各車両1のウインカー74が方向指示点灯により点灯される。このため、隊列Aの後方を走行するバイク2の運転者等の第三者に対し、隊列Aが全体として車線変更することを明確に認識させることができる。これにより、バイク2等が、隊列Aの車線変更先の車線からすり抜けてくることを抑制でき、隊列A全体がスムーズに車線変更できる。
【0098】
また、隊列Aを構成する車両群の一部の車両のみが方向指示点灯を行う場合、第三者はどこからどこまでが隊列走行中の車両であるのか判別できず、第三者に不安を与える虞がある。これに対し本実施形態では、車線変更開始前から車線変更が完了するまでの間、隊列Aを構成するすべての車両が同時に方向指示点灯を行う。このため、隊列Aの車線変更中においても、第三者はどこからどこまでが隊列走行中の車両であるのかを明確に認識できる。従って、第三者に不安を与えることが防止される。
【0099】
図11は、隊列Aを構成する車両群全体が右折または左折(以下、右左折とする)する際におけるウインカー74の点灯態様を説明する図である。
【0100】
図11の(a)に示すように、隊列Aを構成する各車両1(車両群)が一車線上を走行している間は、各車両1のウインカー74は、自動隊列点灯により点灯される。
【0101】
ここで隊列Aを構成する車両群が隊列全体として右左折する場合、右左折前に隊列Aを構成する各車両1のウインカー74の点灯態様が自動隊列点灯から方向指示点灯に同時に切り替えられ、右折または左折する側のウインカー74が点滅される。
【0102】
各車両1のウインカー74の点灯態様が方向指示点灯に切り替えられると、図11の(b)に示すように、隊列Aの先頭車両から順に右折または左折していく。右左折中は、隊列Aを構成するすべての車両のウインカー74が方向指示点灯により点灯される。
【0103】
隊列Aを構成するすべての車両の右左折が完了すると、図11の(c)に示すように、ウインカー74の点灯態様が方向指示点灯から自動隊列点灯に切り替えられる。
【0104】
ここで隊列Aが全体として右左折する場合に、隊列Aを構成する車両群の一部の車両のみが方向指示点灯を行うと、隊列Aの後方を走行するバイク2の運転者等の第三者は、隊列A全体が右左折することを認識できない。このためバイク2等が、方向指示点灯を行っていない車両1が右左折する側の方向からすり抜けて交差点等を直進してくる虞がある。この場合、隊列Aはスムーズに右左折できなくなる虞がある。これに対し、本実施形態では、隊列Aが全体として右左折する場合に、右左折前から右左折が完了するまでの間、隊列Aを構成する各車両1のウインカー74が方向指示点灯により点灯される。このため、隊列Aの後方を走行するバイク2の運転者等の第三者に対し、隊列Aが全体として右左折することを明確に認識させることができる。これにより、バイク2等が、隊列Aが右左折する側の方向からすり抜けてくることを抑制でき、隊列A全体がスムーズに右左折できる。
【0105】
また、隊列Aを構成する車両群の一部の車両のみが方向指示点灯を行う場合、第三者はどこからどこまでが隊列走行中の車両であるのか判別できず、第三者に不安を与える虞がある。これに対し本実施形態では、右左折前から右左折が完了するまでの間、隊列Aを構成するすべての車両が同時に方向指示点灯を行う。このため、隊列Aの右左折中においても、第三者はどこからどこまでが隊列走行中の車両であるのかを明確に認識できる。従って、第三者に不安を与えることが防止される。
【0106】
図12は、第4実施形態による自動隊列走行システム100におけるライティング制御を説明するフローチャートである。
【0107】
ステップS401において、他車両からの接続要求に応じて、または隊列走行車両が車両1の隊列Aへの参入を許可して車両1の隊列走行が開始されると、コントローラ90は、自動隊列走行制御及びライティング制御を開始する。
【0108】
ステップS402において、コントローラ90は、自動隊列点灯によりウインカー74を点灯する。
【0109】
次に、隊列A全体が車線変更または右左折する場合、ステップS403において、隊列Aを構成する各車両1のコントローラ90は、車線変更前にウインカー74の点灯態様を方向指示点灯に切り替え、車線変更または右左折する側のウインカー74を点滅させる。このとき、隊列Aを構成するすべての車両1は、方向指示点灯による点灯を同時に開始する。
【0110】
ステップS404において、各車両1のコントローラ90は、隊列Aの先頭車から順に隊列Aの車線変更または右左折を開始する。
【0111】
ステップS405において、隊列Aを構成するすべての車両の車線変更または右左折が完了すると、ステップS406において、コントローラ90は、ウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯に切り替える。
【0112】
ステップS407において、車両1が所定の目的地に到達する、または車両1が隊列走行から離脱する、或いは乗員の操作により隊列走行の運転モードが解除されると、コントローラ90は、自動隊列走行制御を終了する。
【0113】
自動隊列走行制御を終了すると、ステップS408において、コントローラ90は、自動隊列点灯によるウインカー74の点灯を終了するとともに、自動隊列走行システム100におけるライティング制御を終了する。
【0114】
上記した第4実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0115】
自動隊列走行システム100におけるライティング方法によれば、隊列A全体が車線変更または右左折する場合、隊列Aを構成する各車両1は、隊列Aが車線変更または右左折を開始する前に、ウインカー74の点灯態様を自動隊列点灯から方向指示点灯に切り替える。そして、隊列Aを構成するすべての車両が車線変更または右左折を完了するまでの間、車線変更または右左折する側のウインカー74において方向指示点灯を行う。これにより、第三者に対し、隊列Aが全体として右左折することを明確に認識させることができる。従って、バイク2等が、隊列Aが車線変更または右左折する側の方向からすり抜けてくることを抑制でき、隊列A全体がスムーズに車線変更または右左折できる。
【0116】
また、車線変更または右左折前から車線変更または右左折が完了するまでの間、隊列Aを構成するすべての車両が方向指示点灯を行う。このため、隊列Aの車線変更中または右左折中においても、第三者はどこからどこまでが隊列走行中の車両であるのかを明確に認識できる。従って、第三者に不安を与えることが防止される。
【0117】
なお、隊列A全体が車線変更または右左折する場合、隊列Aを構成するすべての車両が同時に方向指示点灯を行うことが好ましいが、必ずしもこれに限られず、各車両1が異なるタイミングで方向指示点灯を開始してもよい。
【0118】
(第5実施形態)
図13を参照して、第5実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0119】
第5実施形態は、隊列を構成する車両のうちの一車両が手動操作によりハザード点灯を行った場合における制御である点が他の実施形態と異なる。
【0120】
図13は、隊列を構成する車両の一つがハザード点灯した際における点灯態様を説明する図である。
【0121】
図13の(a)に示すように、隊列走行中、隊列Aを構成する各車両1のウインカー74は、自動隊列点灯により点灯される。
【0122】
ここで、隊列走行中に、何らかの理由により、隊列Aを構成する車両の一つである車両1のウインカー74の点灯態様が、車両1の乗員の手動操作によりハザード点灯に切り替えられたとする。この場合、図13の(b)に示すように、隊列Aを構成する車両のうち、車両1よりも後方の車両は、車両1と同様にウインカー74の点灯態様をハザード点灯に切り替えられる。一方、隊列Aを構成する車両のうち、手動操作によりハザード点灯された車両1よりも前方の車両は自動隊列点灯を継続する。
【0123】
これにより、車両1及び車両1よりも後方の車両は、ハザード点灯をしながら走行することになるため、第三者に対し、ハザードランプを用いるような車両や周囲状態であることを明確に認識させることができる。
【0124】
(第6実施形態)
図14を参照して、第6実施形態の自動隊列走行システム100におけるライティング方法を説明する。なお、他の実施形態と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0125】
第6実施形態は、隊列が分断された場合における制御である点が他の実施形態と異なる。
【0126】
図14は、隊列分断時及び隊列再構成時における点灯態様を説明する図である。
【0127】
図14の(a)に示すように、隊列走行中、隊列Aを構成する各車両1のウインカー74は、自動隊列点灯により点灯される。
【0128】
ここで、図14の(b)に示すように、信号やETCなどにより、隊列Aを構成する車両が複数の車両群に分断されたとする。この場合、分断された複数の車両群はそれぞれ隊列を組むとともに、自動隊列点灯を新たに開始する。なお、分断された各車両群は、車両群ごとにそれぞれ異なるタイミングで自動隊列点を行ってよく、また、車両群ごとに異なる態様で自動隊列点灯を行ってもよい。
【0129】
信号やETC、渋滞などの要因により、分断された車両群が再度合流した場合、図14(c)に示すように、合流後の車両群は再び1つの隊列Aを構成するとともに、自動隊列点灯を新たに同期して開始する。
【0130】
このように、隊列Aが分断された場合には、分断された複数の車両群がそれぞれ隊列を組むとともに、それぞれ自動隊列点灯を新たに開始し、分断された車両群が再度合流して隊列Aを再構成する場合、自動隊列点灯を新たにする。これにより、第三者に対し、どの車両までが隊列走行中であるのか明確に認識させることができる。
【0131】
なお、第2~第6実施形態で説明した各場面における制御は、好ましい実施形態を示したものであり、必ずしもこれらに限られない。即ち、隊列Aへの参入及び離脱、隊列Aの車線変更及び右左折、ハザード点灯、隊列の分断及び再構成等に関する制御は、第2~第6実施形態で説明した制御方法に限られず、既知の如何なる方法を用いてもよい。
【0132】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0133】
上記した各実施形態はそれぞれ単独の実施形態として説明したが、適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0134】
1、車両,40、車車間通信機,60、記憶装置,70、ライティングデバイス,74、ウインカー,80、ライティングコントローラ,90、コントローラ
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