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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20241119BHJP
   B60Q 1/24 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B60Q1/04 E
B60Q1/04 A
B60Q1/24 E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021196604
(22)【出願日】2021-12-03
(65)【公開番号】P2023082733
(43)【公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】弁理士法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】稲葉 博隆
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-172109(JP,A)
【文献】特開2018-172049(JP,A)
【文献】登録実用新案第3121029(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102020118486(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/00-1/56
B60Q 3/00-3/88
F21S 8/02
F21L 2/00
F21L 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
所定の機能を発揮する機能部を有し、前記車体に着脱可能に取り付けられる機能部品とを備えた車両であって、
前記機能部は、前記機能部品が前記車体に取り付けられた状態と、前記車体から取り外された状態とにおいて前記機能を発揮可能であり、
前記車体は、前記機能部の作動制御を行う制御装置を有し、
前記機能部品は、前記機能部品の使用者によって操作され、前記機能部の作動と停止とを切り替え可能な第1スイッチ部と、
前記制御装置によって制御され、前記機能部の作動と停止とを切り替え可能な第2スイッチ部と、
前記機能部品が前記車体に取り付けられることによって第1状態となる一方、機能部品が前記車体から取り外されることによって前記第1状態から第2状態に切り替わる第3スイッチ部とを有し、
前記第3スイッチ部は、前記第1状態では前記使用者による第1スイッチ部の操作を無効化し、前記第2状態では前記使用者による前記第1スイッチ部の操作を有効化することを特徴とする車両。
【請求項2】
前記機能部は点灯部であり、前記機能部品はランプ装置である請求項1記載の車両。
【請求項3】
前記車体は、前記機能部品を収容しつつ前記機能部品を前記車体に取り付け可能な収容部を有し、
前記機能部品は、前記収容部に収容されて車外に位置する請求項1又は2記載の車両。
【請求項4】
前記第2スイッチ部は、前記機能部品が前記車体に取り付けられることにより、前記制御装置と無接点接続される請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の車両が開示されている。この車両は、車体と、機能部品とを備えている。車体には車室が形成されている。機能部品は機能部及び第1スイッチ部を有している。同文献において、機能部品は、具体的にはルームランプである。また、機能部は、ルームランプ部及びスポットライト部である。第1スイッチ部は、車両の運転手等の使用者が操作を行うことにより、スポットライト部を点灯及び消灯させる。
【0003】
このルームランプは、車室の天井に着脱可能に取り付けられる。また、天井には第2スイッチ部が設けられている。第2スイッチ部は、ルームランプが天井に取り付けられた状態で使用者が操作を行うことにより、ルームランプ部を点灯及び消灯させる。
【0004】
この車両では、天井にルームランプが取り付けられた状態においてルームランプ部を点灯させることにより、車室内の照明を行うことが可能となっている。また、この車両では、天井からルームランプが取り外された状態においてスポットライト部を点灯させることにより、ルームランプを懐中電灯や非常灯として用いることが可能となっている。こうして、この車両では利便性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-278673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来の車両では、第1スイッチ部によって機能部を作動させた状態において機能部品を車体に取り付けた場合、第2スイッチ部によっては機能部を停止させることができない。このため、機能部を停止させるに当たって、使用者は、一旦、車体から機能部品を取り外したうえで第1スイッチ部の操作を行い、再び機能部品を車体に取り付ける必要がある。このため、この車両では利便性を十分に高くすることができない問題がある。特に、車体に取り付けられた状態で機能部品が車外に配置される場合等、車体に取り付けられた機能部品が使用者から離れた位置に配置されれば、上記の問題がより顕著となる。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、車体に着脱可能な機能部品を備えつつ、優れた利便性を発揮可能な車両を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両は、車体と、
所定の機能を発揮する機能部を有し、前記車体に着脱可能に取り付けられる機能部品とを備えた車両であって、
前記機能部は、前記機能部品が前記車体に取り付けられた状態と、前記車体から取り外された状態とにおいて前記機能を発揮可能であり、
前記車体は、前記機能部の作動制御を行う制御装置を有し、
前記機能部品は、前記機能部品の使用者によって操作され、前記機能部の作動と停止とを切り替え可能な第1スイッチ部と、
前記制御装置によって制御され、前記機能部の作動と停止とを切り替え可能な第2スイッチ部と、
前記機能部品が前記車体に取り付けられることによって第1状態となる一方、機能部品が前記車体から取り外されることによって前記第1状態から第2状態に切り替わる第3スイッチ部とを有し、
前記第3スイッチ部は、前記第1状態では前記使用者による第1スイッチ部の操作を無効化し、前記第2状態では前記使用者による前記第1スイッチ部の操作を有効化することを特徴とする。
【0009】
本発明の車両では、機能部品を車体に着脱可能に取り付け可能である。ここで、この車両では、機能部品が車体に取り付けられることにより、第3スイッチ部が第1状態となる。この第1状態では、第1スイッチ部による機能部の作動が無効化されるため、たとえ機能部品が車体に取り付けられた状態で使用者が第1スイッチ部を操作しても、機能部は作動しない。このため、この車両では、機能部品が車体に取り付けられた状態においては、制御装置によって第2スイッチ部の制御を行うことにより、機能部の作動及び停止を切り替える。こうして、この車両では、機能部品を車体に取り付けた状態において、機能部品を使用することができる。
【0010】
一方、この車両では、機能部品が車体から取り外されることにより、第3スイッチ部が第2状態となる。この第2状態では、使用者による第1スイッチ部の操作が有効化されるため、機能部品が車体から取り外された状態であっても、使用者が第1スイッチ部の操作を行うことにより、機能部の作動及び停止を切り替えることができる。こうして、この車両では、機能部品を車体から取り外した状態であっても、機能部品を使用することができる。
【0011】
このように、この車両では、第3スイッチ部が第1状態となることで使用者による第1スイッチ部の操作を無効化できるため、たとえ第1スイッチ部によって機能部が作動している状態のまま機能部品を車体に取り付けた場合であっても、第2スイッチ部によって、機能部の作動を停止させることができる。これにより、この車両では、第1スイッチ部によって作動した機能部を停止させるに当たって、機能部品を車体から取り外す必要がない。
【0012】
したがって、本発明の車両は、車体に着脱可能に取り付け可能な機能部品を備えつつ、優れた利便性を発揮する。
【0013】
本発明の車両において、機能部は点灯部であり、機能部品はランプ装置であることが好ましい。この場合、ランプ装置を車体に取り付けることにより、ランプ装置を車両の補助灯として用いたり、車内の照明として用いたりすることができる。また、ランプ装置を車体から取り外すことにより、懐中電灯等の持ち運び可能な照明機器としてランプ装置を用いることができる。これにより、この車両では、より優れた利便性を発揮できる。
【0014】
また、車体は、機能部品を収容しつつ機能部品を車体に取り付け可能な収容部を有し得る。そして、機能部品は、収容部に収容されて車外に位置することが好ましい。この場合、収容部に機能部品を収容することにより、機能部品を車体に好適に取り付けることが可能となる。
【0015】
ここで、機能部品が上記のランプ装置である場合には、現行の法規では、状況によってはランプ装置を作動させた状態での車両の走行、すなわち、点灯部を点灯させた状態での車両の走行が禁止される。この点、この車両では、第1スイッチ部によって点灯部を点灯させた状態のままランプ装置を車体に取り付けた場合であっても、使用者は、点灯部を消灯させるために車外に移動する必要がない。
【0016】
また、第2スイッチ部は、機能部品が車体に取り付けられることにより、制御装置と無接点接続されることが好ましい。ここで、制御装置によって第2スイッチ部の制御を行うに当たっては、例えば第2スイッチ部と制御装置とを接続端子によって接続させることも考えられる。しかし、この場合には、接続端子の劣化による第2スイッチ部と制御装置との接続不良が懸念される。この点、この車両では、第2スイッチ部と制御装置とが接続端子に依らずに無接点接続されるため、第2スイッチ部と制御装置との接続不良が生じ難い。このため、この車両では、制御装置によって第2スイッチ部を好適に制御することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の車両は、車体に着脱可能に取り付け可能な機能部品を備えつつ、優れた利便性を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施例の車両を示す側面図である。
図2図2は、実施例の車両に係り、機能部品を示す斜視図である。
図3図3は、実施例の車両に係り、機能部品を示す正面図である。
図4図4は、実施例の車両に係り、機能部品が車体から取り外されることで第3スイッチ部が第2状態となり、かつ、第1スイッチ部によって機能部の作動が停止している状態における図3のA-A断面を示す断面図である。
図5図5は、実施例の車両に係り、機能部品が車体から取り外されることで第3スイッチ部が第2状態となり、かつ、第1スイッチ部によって機能部が作動している状態における図3のA-A断面を示す断面図である。
図6図6は、実施例の車両に係り、図1のX1部分を示す拡大図である。
図7図7は、実施例の車両に係り、車体と機能部品との着脱時における図6のB-B断面を示す断面図である。
図8図8は、実施例の車両に係り、機能部品が車体に取り付けられることで第3スイッチ部が第1状態となり、かつ、第2スイッチ部によって機能部の作動が停止している状態における図7と同様の断面図である。
図9図9は、実施例の車両に係り、機能部品が車体に取り付けられることで第3スイッチ部が第1状態となり、かつ、第2スイッチ部によって機能部が作動している状態における図7と同様の断面図である。
図10図10は、実施例の車両に係り、第3スイッチ部が第1状態となることによって、第1スイッチ部の操作が無効化されている状態を示す図7と同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施例を図面を参照しつつ説明する。
【0020】
図1に示すように、実施例の車両は、車体1と、複数のランプ装置3とを備えている。 各ランプ装置3は、本発明における「機能部品」の一例である。
【0021】
本実施例では、図1に示す実線矢印によって車体1、ひいては車両の上下方向及び前後方向を規定している。また、図2では、図1に対応して車両の上下方向を規定している他、車両を前方側から見た際における車両の左右方向を規定している。そして、図3以降では、図1及び図2に対応して車体1の上下方向、前後方向及び左右方向を規定している。これらの上下方向、前後方向及び左右方向は互いに直交する関係にある。
【0022】
図1に示すように、車体1は天井1aを有している。また、車体1には車室CRが形成されている。また、車体1は、フロントバンパ7及びリヤバンパ9を有している他、インスツルメントパネル11、フロントサイドドア13、リヤサイドドア14、バックドア15、ルーフラック17及びヘッドランプ24を有している。フロントバンパ7は、車体1の前部に位置しており、左右方向に延びている。リヤバンパ9は、車体1の後部に位置しており、左右方向に延びている。インスツルメントパネル11は車室CR内に配置されている。フロントサイドドア13は、車体1の左右にそれぞれ配置されている。リヤサイドドア14は、車体1の左右であってフロントサイドドア13の後方にそれぞれ配置されている。バックドア15は車体1の後部であって、リヤバンパ9の上方に配置されている。フロントサイドドア13、リヤサイドドア14及びバックドア15は、それぞれ車体1に開閉可能に取り付けられており、車室CRと車外とを連通させている。ルーフラック17は、車体1の天井1aに設けられている。ヘッドランプ24は、車体1の前部に位置しており、車両の前方を照射可能となっている。
【0023】
また、インスツルメントパネル11には、車室CR内からランプ装置3の操作が可能な操作装置11aが設けられている。具体的には、操作装置11aは、ランプ装置3の点灯部41を点灯させる点灯モードと、点灯部41を消灯させる消灯モードとに切り替え可能である。さらに、車体1は、車両用バッテリ21及び制御装置23を有している。車両用バッテリ21及び制御装置23は車体1の内部に配置されている。制御装置23は、図7図10に示す電磁ソレノイド61を有している。なお、点灯部41及び電磁ソレノイド61については後述する。
【0024】
また、詳細な図示を省略するものの、車体1には、車両の走行に必要な動力装置等が設けられている。車両用バッテリ21は公用品であり、制御装置23を含め、車両に対して給電を行う。また、車両用バッテリ21は、車体1に取り付けられたランプ装置3に対して給電を行う。制御装置23は、車両を走行させるに当たって、動力装置等の作動制御を行う他、ヘッドランプ24の作動制御を行う。また、制御装置23は、車体1に取り付けられたランプ装置3の作動制御を行う。なお、図1では説明を容易にするため、ランプ装置3等の形状を簡略化して図示している。また、車両用バッテリ21によるランプ装置3への給電と、制御装置23によるランプ装置3の作動制御については後述する。
【0025】
図2~5に示すように、ランプ装置3は、ケース31と動作基板33とを有している。図2及び図3に示すように、ケース31は、第1ケース31aと第2ケース31bとを有している。これらの第1ケース31a及び第2ケース31bは樹脂製である。第1ケース31aには、無色透明をなす樹脂製のカバー31cが取り付けられている。なお、第1ケース31a及び第2ケース31bを樹脂製としても良い。また、カバー31cを無機ガラス等で形成したり、カバー31cを省略したりしても良い。
【0026】
第2ケース31bは、矩形の筒状に形成されており、図2に示す上壁311と、図4及び図5に示す左側壁312と、右側壁313と、後壁314とを有している他、底壁(図示略)とを有している。上壁311と底壁とは上下方向で対向している。左側壁312と右側壁313とは左右方向で対向している。
【0027】
また、図2及び図3に示すように、第2ケース31bには、4つの把持凹部300が形成されている。把持凹部300は、それぞれ第2ケース31bの上壁311、左側壁312、右側壁313及び底壁に配置されている。また、第2ケースの上壁311には、操作部31dが設けられている。操作部31dは、後述する第1スイッチ本体51cを作動させる。
【0028】
図4及び図5に示すように、第1ケース31aと第2ケース31bとは、内部に動作基板33を収容した状態で前後方向に接合されることにより、ケース31を形成している。つまり、第1ケース31aはケース31の前方部分を構成しており、第2ケース31bはケース31の後方部分を構成している。また、カバー31cはケース31の前端に位置しており、第2ケース31bの後壁314は、ケース31の後端に位置している。
【0029】
ここで、このケース31では、上下方向の寸法と、前後方向の寸法と、左右方向の寸法とが、いずれも等しい長さに設定されている。つまり、ランプ装置3は、略立方体形状をなしている。そして、この車両では、ランプ装置3について、車体1から取り外した状態で、車両の運転手や同乗者等の使用者(図示略)が手に持って使用することを想定している。このため、本実施例においては、ケース31の上下方向、前後方向及び左右方向の各寸法は、使用者が手に持って使用できる範囲の大きさ(例えば約7cm程度)で設定することが好ましい。なお、上述のケース31の形状は一例であり、ケース31の上下方向、前後方向及び左右方向の各寸法を含め、ケース31の形状は適宜設定可能である。
【0030】
図4及び図5に示すように、動作基板33には、点灯部41、ランプ用バッテリ42、通電回路43、充電用コイル44、保護回路45及び充電回路46が設けられている他、第1スイッチ部51、第2スイッチ部52及び第3スイッチ部53が設けられている。点灯部41は本発明における「機能部」の一例である。
【0031】
詳細な図示を省略するものの、点灯部41はLED(light emitting diode)によって構成されている。点灯部41は、動作基板33において、カバー31cの近傍となる箇所に配置されている。ランプ用バッテリ42は、自己に蓄えられた電力を点灯部41に供給可能である。通電回路43は、点灯部41とランプ用バッテリ42とを通電可能に接続している。また、通電回路43には、抵抗43aが設けられている。この抵抗43aの性能は、点灯部41の性能等に基づいて適宜設計可能である。充電用コイル44はランプ用バッテリ42に接続されている。充電用コイル44は、ランプ用バッテリ42と通電されることにより、ランプ用バッテリ42の充電を行う。なお、ランプ用バッテリ42の充電については後述する。
【0032】
保護回路45及び充電回路46は通電回路43に接続されている。保護回路45は、ランプ用バッテリ42の充電時にランプ用バッテリ42の保護を行う。充電回路46は、交流電流を直流電流に変換する。
【0033】
第1スイッチ部51、第2スイッチ部52及び第3スイッチ部53は、それぞれ通電回路43に設けられている。第1スイッチ部51、第2スイッチ部52及び第3スイッチ部53は、通電回路43を通じた点灯部41とランプ用バッテリ42の通電と、非通電と切り替える。
【0034】
第1スイッチ部51は、第1接点51aと、第2接点51bと、第1スイッチ本体51cと、図2に示す操作部31dとを有している。第1接点51a及び第2接点51bは、互いに離隔しつつ通電回路43に接続されている。第1スイッチ本体51cは操作部31dと接続されている。
【0035】
第1スイッチ部51では、使用者が操作部31dを押圧操作することにより、図4及び図5に示すように第1スイッチ本体51cが作動する。ここで、第1スイッチ部51では、図5に示すように、第1スイッチ本体51cが第1接点51aと第2接点51bと接続する状態がON状態であり、図4に示すように、第1スイッチ本体51cが第1接点51aと第2接点51bとを非接続とする状態がOFF状態である。つまり、この第1スイッチ部51では、OFF状態において使用者が操作部31dを押圧操作すれば、OFF状態からON状態に切り替わる。また、第1スイッチ部51では、ON状態において使用者が操作部31dを押圧操作すれば、ON状態からOFF状態に切り替わる。なお、押圧操作に換えて、スライド操作等によって使用者が操作部31dの操作を行う構成としても良い。
【0036】
第2スイッチ部52は、第3接点52aと、第4接点52bと、第2スイッチ本体52cと、第1マグネット52dと、第1コイルばね52eと、第2コイルばね52fとを有している。第3接点52a及び第4接点52bは、互いに離隔しつつ通電回路43に接続されている。この際、第3接点52a及び第4接点52bは、第1接点51a及び第2接点51bとは異なる位置に配置されている。
【0037】
第2スイッチ本体52cは、第1マグネット52dに固定されている。第2スイッチ本体52cは、第3接点52a及び第4接点52bと当接可能となっている。第1マグネット52dは、板状に形成されており、互いに極性が異なる第1面521と第2面522とを有している。第2面522は、第1面521の反対側に位置している。
【0038】
ここで、第1マグネット52dでは、第1面521がS極とされており、第2面522がN極とされている。また、第1マグネット52dでは、第1面521に第2スイッチ本体52cが固定されている。そして、第1マグネット52dは、第2面522、すなわちN極を左側壁312に向けた状態で配置されている。
【0039】
第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fは、第1マグネット52dと左側壁312との間に設けられている。第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fは、それぞれ一端が第2面522に接続されており、他端が左側壁312に接続されている。これにより、第1マグネット52dは、第2面522を左側壁312に向けた状態でケース31に取り付けられている。そして、第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fは、第1マグネット52dが左側壁312に対して右方に離隔するように付勢している。これにより、第2スイッチ本体52cは、第3接点52a及び第4接点52bに当接しつつ、第3接点52a及び第4接点52bを接続する。
【0040】
ここで、第2スイッチ部52では、第2スイッチ本体52cによって第3接点52aと第4接点52bとが接続されている状態がON状態である。一方、図8に示すように、第2スイッチ本体52cによって第3接点52aと第4接点52bとが接続されていない状態がOFF状態である。つまり、第2スイッチ部52では、ON状態を維持するように、第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fが第1マグネット52dを付勢している。
【0041】
図4及び図5に示すように、第3スイッチ部53は、第5接点53aと、第6接点53bと、第3スイッチ本体53cと、第2マグネット53dと、第3コイルばね53eと、第4コイルばね53fとを有している。第5接点53a及び第6接点53bは、互いに離隔しつつ通電回路43に接続されている。この際、第5接点53a及び第6接点53bは、第1接点51a、第2接点51b、第3接点52a及び第4接点52bとは異なる位置に配置されている。
【0042】
第3スイッチ本体53cは、第2マグネット53dに固定されている。第3スイッチ本体53cは、第5接点53a及び第6接点53bと当接可能となっている。第2マグネット53dは、板状に形成されており、互いに極性が異なる第3面531と第4面532とを有している。第4面532は、第3面531の反対側に位置している。
【0043】
ここで、第2マグネット53dでは、第3面531がS極とされており、第4面532がN極とされている。また、第2マグネット53dでは、第3面531に第3スイッチ本体53cが固定されている。そして、第2マグネット53dは、第4面532、すなわちN極を左側壁312に向けた状態で配置されている。
【0044】
第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fは、第2マグネット53dと左側壁312との間に設けられている。第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fは、それぞれ一端が第4面532に接続されており、他端が左側壁312に接続されている。これにより、第2マグネット53dは、第4面532を左側壁312に向けた状態でケース31に取り付けられている。そして、第2コイルばね53e及び第4コイルばね53fは、第3スイッチ本体53cが第5接点53a及び第6接点53bに対して左方に離隔するように第2マグネット53dを付勢している。
【0045】
ここで、第3スイッチ部53では、第3スイッチ本体53cが第5接点53a及び第6接点53bから左方に離隔しており、第3スイッチ本体53cによって第5接点53aと第6接点53bとが接続されていない状態が第2状態である。一方、図8図10に示すように、第3スイッチ本体53cが第5接点53a及び第6接点53bに当接し、第3スイッチ本体53cによって第5接点53aと第6接点53bとが接続されている状態が第1状態である。つまり、第3スイッチ部53では、図4及び図5に示す第2状態を維持するように、第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fが第2マグネット53dを付勢している。
【0046】
図1に示すように、フロントバンパ7には、ラックハウジング19が設けられている。このラックハウジング19は、フロントバンパ7の左右にそれぞれ配置されている。図6に示すように、ラックハウジング19には、同一形状をなす2つの収容凹部25が設けられている。収容凹部25は、本発明における「収容部」の一例である。なお、フロントバンパ7に設けられるラックハウジング19の個数や位置の他、ラックハウジング19に設けられる収容凹部25の個数等は適宜設計可能である。
【0047】
収容凹部25は、ラックハウジング19に対して前方から後方に向かって略矩形状に凹設されている。これにより、収容凹部25はラックハウジング19、ひいては車両の前方に開口している。また、収容凹部25は、第1内壁25a、第2内壁25b、第3内壁25c、第4内壁25d及び第5内壁25e(図7図10参照)を有している。図6に示すように、第1内壁25aは収容凹部25の上面を構成しており、第2内壁25bは収容凹部25の底面を構成している。また、第3内壁25cは収容凹部25の左側面を構成しており、第4内壁25dは収容凹部25の右側面を構成している。そして、図7図10に示すように、第5内壁25eは収容凹部25の後面を構成している。
【0048】
ここで、収容凹部25は上下方向及び左右方向がランプ装置3よりも大きく形成されている。つまり、収容凹部25における上下方向及び左右方向の寸法は、ランプ装置3の上下方向及び左右方向の寸法よりも長く設定されている。これに対し、図8図10に示すように、収容凹部25における前後方向の寸法は、ランプ装置3における前後方向の寸法よりも短く設定されている。これにより、収容凹部25は、ランプ装置3の一部を前方に突出させた状態でランプ装置3を内部に収容可能となっている。
【0049】
また、図示を省略するものの、収容凹部25内には保持部材が設けられている。保持部材は、収容凹部25内において、ランプ装置3の保持を行う。なお、保持部材としては、例えば、ケース31と係合可能な係合爪等を採用することができる。
【0050】
図7図10に示すように、ラックハウジング19の内部には、電磁ソレノイド61、第3マグネット63、第4マグネット65、充電装置67が設けられている。ここで、これらの電磁ソレノイド61、第3マグネット63、第4マグネット65及び充電装置67は、収容凹部25の個数に対応してラックハウジング19の内部に設けられている。つまり、ラックハウジング19には、2つの収容凹部25が形成されているため、電磁ソレノイド61、第3マグネット63、第4マグネット65、充電装置67は、それぞれラックハウジング19の内部に2つずつ設けられている。
【0051】
これらの電磁ソレノイド61、第3マグネット63、第4マグネット65及び充電装置67は、収容凹部25の近傍に配置されている。具体的には、電磁ソレノイド61、第3マグネット63及び第4マグネット65は、収容凹部25の左方に配置されている。一方、充電装置67は、収容凹部25の後方に配置されている。つまり、電磁ソレノイド61、第3マグネット63及び第4マグネット65は、収容凹部25にランプ装置3が収容された際にケース31の左方となる位置に配置されており、充電装置67は、収容凹部25にランプ装置3が収容された際にケース31の後方となる位置に配置されている。
【0052】
電磁ソレノイド61は制御装置23(図1参照)と電気的に接続されているとともに、車両用バッテリ21と電気的に接続されている。これにより、電磁ソレノイド61は制御装置23によって制御されることにより、左右方向に伸縮することが可能となっている。具体的には、この車両では、操作装置11aを消灯モードから点灯モードに切り替えれば、制御装置23は電磁ソレノイド61の制御を行い、図9に示すように電磁ソレノイド61を縮小させる。一方、操作装置11aを点灯モードから消灯モードに切り替えれば、制御装置23は電磁ソレノイド61の制御を行い、図7及び図8等に示すように、電磁ソレノイド61を伸長させる。
【0053】
第3マグネット63は、板状に形成されており、互いに極性が異なる第5面63aと第6面63bとを有している。第6面63bは、第5面63aの反対側に位置している。ここで、第3マグネット63では、第5面63aがS極とされており、第6面63bがN極とされている。また、第3マグネット63では、第6面63bに電磁ソレノイド61が固定されている。そして、第3マグネット63は、第5面63a、すなわちS極を収容凹部25の第3内壁25cに向けた状態で配置されている。第3マグネット63は、図7及び図8等に示すように、電磁ソレノイド61が伸長している状態では、第3内壁25c、ひいては収容凹部25に接近する。一方、第3マグネット63は、図9に示すように、電磁ソレノイド61が縮小している状態では、収容凹部25から左方に離隔する。
【0054】
第4マグネット65は、板状に形成されており、互いに極性が異なる第7面65aと第8面65bとを有している。第8面65bは、第7面65aの反対側に位置している。ここで、第4マグネット65では、第7面65aがN極とされており、第8面65bがS極とされている。また、第4マグネット65は、ラックハウジング19に形成された保持部19aに保持されつつ、ラックハウジング19に取り付けられている。この際、第4マグネット65は第7面65a、すなわちN極を第3内壁25cに向けた状態でラックハウジング19に取り付けられている。
【0055】
図8図10に示すように、充電装置67は、送電用コイル67aと充電コントローラ67bとを有している。送電用コイル67aと充電コントローラ67bとは通電可能に接続されている。そして、送電用コイル67aは、収容凹部25の第5内壁25eと対向した状態で配置されている。また、充電コントローラ67bは、車両用バッテリ21に接続されているとともに、制御装置23に接続されている。
【0056】
充電装置67は、車両用バッテリ21から供給された電力をランプ用バッテリ42に供給する。より具体的には、充電装置67は、送電用コイル67aを通じて充電用コイル44に電力を供給する。これにより、充電装置67は、ランプ用バッテリ42の充電を行う。また、充電コントローラ67bは、ランプ用バッテリ42に供給する電力量及び供給時間を制御する。
【0057】
図1に示すように、ルーフラック17の左側面に対しても、ラックハウジング19と同様に複数の収容凹部25が設けられている。ここで、ルーフラック17の左側面では、収容凹部25が車両の左方に開口する状態で設けられている。また、図示を省略するものの、ルーフラック17の右側面に対しても収容凹部25が形成されている。そして、ルーフラック17の右側面では、収容凹部25が車両の右方に開口する状態で設けられている。なお、ルーフラック17における収容凹部25の配置の他、ルーフラック17に設けられる収容凹部25個数は適宜設計可能である。
【0058】
また、図示を省略するものの、ルーフラック17の内部にもラックハウジング19と同様に、収容凹部25に対応して電磁ソレノイド61、第3マグネット63、第4マグネット65及び充電装置67がそれぞれ設けられている。
【0059】
以上のように構成された車両では、ルーフラック17やラックハウジング19に対してランプ装置3を着脱可能に取り付けることが可能となっている。そして、この車両では、ルーフラック17やラックハウジング19に取り付けることにより、ランプ装置3が車外に配置される。また、ランプ装置3では、ルーフラック17やラックハウジング19に取り付けられた状態であっても、ルーフラック17やラックハウジング19から取り外された状態であっても、点灯部41を点灯及び消灯させることが可能となっている。以下、ラックハウジング19にランプ装置3を取り付ける場合と、ラックハウジング19からランプ装置3を外す場合とを例に挙げつつ、具体的に説明する。また、以下の説明では、ラックハウジング19にランプ装置3を取り付ける際、ランプ装置3の第1スイッチ部51がOFF状態にあり、かつ、インスツルメントパネル11の操作装置11aが消灯モードにある場合を例示する。
【0060】
ラックハウジング19にランプ装置3を取り付けるに当たっては、使用者は、ランプ装置3の各把持凹部300(図3参照)を指で把持する。この際、図7に示すように、使用者は、ランプ装置3について、カバー31cをラックハウジング19の反対方向、すなわち車両の前方側に向けるとともに、ケース31の左側壁312を車両の左方に向けた姿勢とする。
【0061】
また、操作装置11aが消灯モードであるため、制御装置23は電磁ソレノイド61を伸長させている。このため、ラックハウジング19内において、第3マグネット63は、収容凹部25に接近した状態となっている。
【0062】
そして、使用者は、各把持凹部300を把持しつつ、図7の黒色矢印で示すように、ランプ装置3を車両の前方側から収容凹部25内に進入させる。ここで、上述のように、ランプ装置3では、第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fの付勢力によって、第2スイッチ部52がON状態となっており、第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fの付勢力によって、第3スイッチ部53が第2状態となっている。
【0063】
そして、ランプ装置3を収容凹部25内に進入させるにつれて、ランプ装置3内の第1マグネット52dと、ラックハウジング19内の第4マグネット65とが接近する。ここで、第1マグネット52dは、N極である第2面522を左側壁312に向けた状態でケース31に取り付けられている。一方、第4マグネット65は、N極である第7面65aを第3内壁25cに向けた状態でラックハウジング19に取り付けられている。これにより、第1マグネット52dと第4マグネット65とが反発することから、第2スイッチ部52はON状態を維持する。
【0064】
そして、ランプ装置3を収容凹部25内に更に進入させることにより、図8に示すように、第1マグネット52dは、第4マグネット65に対して後方に離隔する一方、ラックハウジング19内の第3マグネット63に接近する。この第3マグネット63は、S極である第5面63aを第3内壁25cに向けた状態で電磁ソレノイド61に固定されている。また、上述のように電磁ソレノイド61は伸長した状態となっているため、第3マグネット63は、収容凹部25に接近している。これにより、第1マグネット52dは、第3マグネット63に磁着しようとして、第1コイルばね52e及び第1コイルばね52fの付勢力に抗しつつケース31の左側壁312に接近する。このため、第2スイッチ部52では、第2スイッチ本体52cが第3接点52aと第4接点52bから離隔し、第3接点52aと第4接点52bの接続を解除する。この結果、第2スイッチ部52はON状態からOFF状態に切り替わる。
【0065】
また、ランプ装置3内の第2マグネット53dと、ラックハウジング19内の第4マグネット65とが接近する。ここで、第2マグネット53dは、N極である第4面532を左側壁312に向けた状態でケース31に取り付けられている。これにより、第2マグネット53dと第4マグネット65とが反発する。このため、第3スイッチ部53では、第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fの付勢力に抗して、第2マグネット53dが第5接点53a及び第6接点53bに接近する。この結果、第3スイッチ本体53cが第5接点53aと第6接点53bとを接続することで、第3スイッチ部53は第2状態から第1状態に切り替わる。
【0066】
そして、このようにランプ装置3を収容凹部25内に深く進入させることにより、保持部材がランプ装置3を収容凹部25内に保持する。こうして、ラックハウジング19、ひいては車体1にランプ装置3が取り付けられ、ランプ装置3は、車外において車両の前方に配置される。なお、ルーフラック17にランプ装置3を取り付ける場合も同様の手順で行う。つまり、ルーフラック17にランプ装置3を取り付ける際には、ランプ装置3のカバー31cがルーフラック17とは反対方向に向いた状態で収容凹部25に進入させる。
【0067】
このように、車体1にランプ装置3が取り付けられることにより、この車両では、第2スイッチ部52と制御装置23とが第1マグネット52d、第3マグネット63及び電磁ソレノイド61を通じて無接点接続されている。これにより、この車両では、制御装置23が第2スイッチ部52を制御可能となる。つまり、制御装置23は、第2スイッチ部52をON状態とOFF状態とに切り替え可能となる。
【0068】
また、車体1にランプ装置3が取り付けられることにより、ランプ装置3内の充電用コイル44が第5内壁25e及びケース31を介してラックハウジング19内の送電用コイル67aに隣接する状態となる。
【0069】
そして、このように車体1にランプ装置3が取り付けられた状態において、車両用バッテリ21を作動させることにより、車両用バッテリ21から充電装置67に給電が行われる。このため、送電用コイル67aから充電用コイル44へ電磁誘導が行われることで、充電装置67はランプ用バッテリ42に充電を行う。このように、この車両では、充電装置67からランプ用バッテリ42への無接点充電が行われる。
【0070】
また、車体1にランプ装置3が取り付けられた状態において、ランプ装置3の点灯部41を作動させる場合、つまり点灯部41を点灯させる場合には、使用者は、インスツルメントパネル11の操作装置11aを消灯モードから点灯モードに切り替える。これにより、図9に示すように、制御装置23が電磁ソレノイド61を縮小させる。このため、第3マグネット63は、収容凹部25、ひいてはランプ装置3から左方に離隔することで、第1マグネット52dと第3マグネット63とが離隔する。
【0071】
これにより、第2スイッチ部52では、第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fの付勢力によって、第1マグネット52dが第3接点52a及び第4接点52bに接近する。このため、第2スイッチ本体52cが第3接点52aと第4接点52bと当接し、第3接点52aと第4接点52bとを接続させる。こうして、第2スイッチ部52は、制御装置23の制御によって、OFF状態からON状態に切り替わる。
【0072】
ここで、上述のように、ランプ装置3を収容凹部25内に進入させることにより、第3スイッチ部53は第1状態となっている。このため、図9の破線矢印で示すように、ランプ装置3の通電回路43では、第2スイッチ部52及び第3スイッチ部53によって、ランプ用バッテリ42と点灯部41との間が通電する。この結果、点灯部41が点灯する。
【0073】
こうして、ランプ装置3がラックハウジング19に取り付けられた状態で点灯部41が点灯することにより、このランプ装置3は、車両の前方を照射することが可能となる。また、ルーフラック17に取り付けられたランプ装置3の点灯部41が点灯することにより、このランプ装置は、車両の左側方及び右側方を照射することが可能となる。このように、この車両では、ランプ装置3によって車体の周囲の照明を行うことができる。また、ランプ装置3の他にヘッドランプ24を点灯させることにより、この車両では、ランプ装置3を走行時の補助灯として用いることも可能となっている。
【0074】
また、点灯部41の点灯を停止させる場合には、使用者は、インスツルメントパネル11の操作装置11aを点灯モードから消灯モードに切り替える。これにより、図8に示すように、制御装置23が電磁ソレノイド61を伸長させる。こうして、第2スイッチ部52は、制御装置23によって再び制御され、ON状態からOFF状態に切り替わる。このため、通電回路43では、ランプ用バッテリ42と点灯部41との間が非通電となり、点灯部41の点灯が停止、つまり点灯部41が消灯する。
【0075】
こうして、この車両では、車体1にランプ装置3が取り付けられた状態においては、制御装置23が第2スイッチ部52をON状態とOFF状態とに切り替えることにより、点灯部41の点灯と消灯とを切り替えることが可能となっている。
【0076】
一方、ラックハウジング19からランプ装置3を取り外すに当たっては、使用者は、ランプ装置3の各把持凹部300を指で把持しつつ、図7の白色矢印で示すように、収容凹部25からランプ装置3を前方に引き抜く。これにより、ラックハウジング19、ひいては車体1からランプ装置3が取り外され、ランプ装置3は車体1から分離独立する。なお、ルーフラック17からランプ装置3を取り外す場合についても、ラックハウジング19からランプ装置3を取り外す場合と同様に行う。
【0077】
そして、このように車体1からランプ装置3を取り外すことにより、ランプ装置3内の第1マグネット52d及び第2マグネット53dは、それぞれラックハウジング19内の第3マグネット63及び第4マグネット65と離隔する。また、ランプ装置3内の充電用コイル44と、ラックハウジング19内の充電装置67とが離隔する。
【0078】
このため、図4及び図5に示すように、第1マグネット52dは、第1コイルばね52e及び第2コイルばね52fの付勢力によって、左側壁312に対して右方に離隔する。これにより、第2スイッチ本体52cによって第3接点52aと第4接点52bとが接続され、第2スイッチ部52はON状態となる。
【0079】
また、第2マグネット53dは、第3コイルばね53e及び第4コイルばね53fの付勢力によって、左側壁312に接近する。これにより、第3スイッチ本体53cと第5接点53aと第6接点53bとが非接続となるため、第3スイッチ部53は第2状態となる。
【0080】
そして、車体1からランプ装置3が取り外された状態で使用者がランプ装置3の操作部31dを押圧操作すれば、第1スイッチ部51において、第1スイッチ本体51cが第1接点51aと第2接点51bと接続する。このため、第1スイッチ部51がON状態となる。
【0081】
このため、図5の破線矢印で示すように、ランプ装置3の通電回路43では、第2スイッチ部52及び第1スイッチ部51によって、ランプ用バッテリ42と点灯部41との間が通電する。この結果、点灯部41が点灯する。
【0082】
また、このように点灯部41が点灯している状態において、使用者がランプ装置3の操作部31dを再び押圧操作すれば、第1スイッチ部51がON状態からOFF状態に切り替わる。このため、図4に示すように、通電回路43では、ランプ用バッテリ42と点灯部41との間が非通電となり、点灯部41が消灯する。
【0083】
このように、この車両では、ランプ装置3を車体1から取り外した状態においても、ランプ用バッテリ42に充電された電力によって、点灯部41を点灯させることが可能となっている。これにより、この車両では、車体1から取り外されたランプ装置3を懐中電灯等の持ち運び可能な照明機器として使用することが可能となっている。
【0084】
ところで、この車両では、点灯部41を点灯させた状態のまま、すなわち、第1スイッチ部51をON状態としたままで使用者がランプ装置3を収容凹部25に収容して車体1に取り付けてしまう場合があり得る。この点、この車両では、第1スイッチ部51がON状態にあるランプ装置3を収容凹部25内に収容した場合であっても、図10に示すように、収容凹部25内にランプ装置3が収容されれば、第3スイッチ部53が第2状態から第1状態に切り替わる。
【0085】
これにより、上述のように、制御装置23が電磁ソレノイド61を伸長させていれば、すなわち、制御装置23によって第2スイッチ部52がOFF状態となっていれば、ランプ用バッテリ42と点灯部41との間が非通電となり、点灯部41が消灯する。この結果、第1スイッチ部51がON状態にあるランプ装置3を収容凹部25内に収容した場合であっても、操作装置11a及び制御装置23によって、点灯部41を消灯させることができる。
【0086】
一方、この状態で制御装置23が第2スイッチ部52をOFF状態からON状態に切り替えれば、第1スイッチ部51及び第2スイッチ部52の双方がON状態となるため、ランプ用バッテリ42と点灯部41とが通電され、点灯部41が点灯する。
【0087】
このように、この車両では、第3スイッチ部53が第1状態となることによって、使用者による第1スイッチ部51の操作が無効化される。このため、この車両では、たとえ第1スイッチ部51をON状態のままで使用者がランプ装置3を車体1に取り付けた場合であっても、第2スイッチ部52をOFF状態に切り替えることで点灯部41を消灯させることができる。換言すれば、この車両では、第1スイッチ部51をOFF状態に切り替えたうえで使用者がランプ装置3を車体1に取り付けた場合においても、OFF状態の第1スイッチ部51は無効化される。このため、第2スイッチ部52をON状態に切り替えれば、点灯部41を点灯させることができる。
【0088】
こうして、この車両では、使用者が車外から車室CR内移動した後に、第1スイッチ部51をON状態のままでランプ装置3を車体1に取り付けことに気付いた場合であっても、使用者は再び車外に出て車体1からランプ装置3を取り外して操作部31dの操作を行う必要がない。つまり、この車両では、点灯部41を消灯させるに当たり、使用者は、車室CR内において操作装置11aを消灯モードに切り替えれば足りる。
【0089】
したがって、実施例の車両は、車体1に着脱可能に取り付け可能なランプ装置3を備えつつ、優れた利便性を発揮する。
【0090】
特に、この車両では、ランプ装置3が車体1に取り付けられることによって、ランプ装置3が車外に配置される。ここで、現行の法規では、状況によっては点灯部41を点灯させた状態での車両の走行が禁止されている(例えば、ヘッドランプ24を点灯させずに、点灯部41のみを点灯させて走行する等)。この点、この車両では、使用者は、点灯部41を消灯させるために、車外に移動する必要がない。また、この車両では、使用者が気付かずに点灯部41を点灯させたまま車両を走行させることを好適に防止可能となっている。
【0091】
また、この車両では、収容凹部25にランプ装置3を収容することによって、車体1にランプ装置3を取り付けることが可能となっている。このため、この車両では、車体1に対するランプ装置3の取り付けが容易となっている。また、収容凹部25にランプ装置3を収容することによって、ランプ装置3が保持部材によって保持される。このため、この車両では、走行時にランプ装置3が車体1から脱落し難くなっている。
【0092】
さらに、この車両では、収容凹部25にランプ装置3を収容した際、第2スイッチ部52と制御装置23とが無接点接続される。ここで、例えば、接続端子によって第2スイッチ部52と制御装置23を接続することも考えられる。しかし、この車両では、収容凹部25が車外に存在するため、接続端子は劣化が不可避となる。このため、接続端子によって第2スイッチ部52と制御装置23を接続する場合には、通電不良が懸念される。この点、この車両では、接続端子に依らずに、第2スイッチ部52と制御装置23とが無接点接続されるため、通電不良が生じ難く、制御装置23によって第2スイッチ部52をON状態とOFF状態とに好適に切り替えることが可能となっている。
【0093】
また、この車両では、収容凹部25にランプ装置3を収容することによって、ランプ用バッテリ42を充電装置67によって充電することが可能となっている。これにより、この車両では、ランプ用バッテリ42の充電を行うための専用の装置が不要となっている。また、この車両では、使用者がランプ用バッテリ42の充電を失念し難くなっている。
【0094】
さらに、ランプ用バッテリ42は、充電装置67によって無接点充電されるため、接続端子を介してランプ用バッテリ42の充電を行う場合に比べて、ランプ用バッテリ42の充電不良も生じ難くなっている。
【0095】
以上において、本発明を実施例に即して説明したが、本発明は上記実施例に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0096】
例えば、実施例では、本発明における「機能部品」としてランプ装置3を挙げているが、これに限らず、本発明における「機能部品」は、スピーカやLIDAR(Light Detection and Ranging)装置等であっても良い。また、ランプ装置3、スピーカ、及びLIDAR装置等を適宜組み合わせて、本発明における「機能部品」としても良い。
【0097】
また、ランプ装置3は車体1に取り付けられることによって、車室CR内に配置されても良い。
【0098】
さらに、収容凹部25を省略し、ランプ装置3を直接車体1に着脱可能に取り付ける構成としても良い。
【0099】
また、接続端子によって、第2スイッチ部52と制御装置23とを接続する構成としても良い。
【0100】
さらに、接続端子によって、ランプ用バッテリ42と充電装置67とが充電可能に接続されても良い。また、充電装置67を省略しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、乗用自動車の他、運送車両や産業車両等の車両に利用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1…車体
3…ランプ装置(機能部品)
23…制御装置
25…収容凹部(収容部)
41…点灯部(機能部)
51…第1スイッチ部
52…第2スイッチ部
53…第3スイッチ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10