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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
B65D5/52 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021207085
(22)【出願日】2021-12-21
(65)【公開番号】P2023092087
(43)【公開日】2023-07-03
【審査請求日】2024-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】袴田 亮平
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0023449(US,A1)
【文献】特開2016-216107(JP,A)
【文献】特開2019-014483(JP,A)
【文献】国際公開第2018/235789(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/52-5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後一対の端壁と、
左右一対の側壁と、
前記端壁および前記側壁の下縁部に連設された底板と、
前記端壁および前記側壁の上縁部に連設された頂板と、を備え、
前記端壁には、
左右の縁部に亘って形成された第一切断誘導線と、
前記第一切断誘導線の中間部に形成された第一開封開始部と、が形成され、
前記側壁には、前記第一切断誘導線に連続して前後の縁部に亘って形成された第二切断誘導線が形成されており、
前記第一切断誘導線は、上向きの凸形状に湾曲し
前記第二切断誘導線の中間部は、前記側壁の上縁部に形成され、
前記第二切断誘導線の前部および後部は、前記側壁の前後の縁部から上縁部に向けて斜め上向きに延びていることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
請求項1に記載の包装箱であって、
前記第二切断誘導線の前部および後部は、下向きの凸形状に湾曲していることを特徴とする包装箱。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の包装箱であって、
前記端壁において、前記第一開封開始部と上縁部との間には、上下方向に延びている左右の開封補助罫線が形成されており、
前記両開封補助罫線の左右方向の間隔は、上方に向かうに連れて大きく形成されていることを特徴とする包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
段ボール製の包装箱としては、前後の端壁には開封開始部から左右の縁部に亘って左右の第一切断誘導線が形成され、左右の側壁には第一切断誘導線に連続して第二切断誘導線が形成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような包装箱では、開封開始部から第一切断誘導線および第二切断誘導線を切り開いて、包装箱を上下に分離させて開封する。そして、開封後は包装箱の下部がトレイになるため、内容物をトレイに収容した状態で陳列できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-034842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記した従来の包装箱では、第一切断誘導線および第二切断誘導線が水平方向に直線状に延びているため、開封後の下部の外観が良くないとともに、第一切断誘導線および第二切断誘導線を上下方向に切り開き難いという問題がある。
【0005】
本発明は、前記した問題を解決し、開封後の下部の外観を良くするとともに、切断誘導線をスムーズに切り開いて容易に開封できる包装箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、包装箱であって、前後一対の端壁と、左右一対の側壁と、前記端壁および前記側壁の下縁部に連設された底板と、前記端壁および前記側壁の上縁部に連設された頂板と、を備えている。前記端壁には、左右の縁部に亘って形成された第一切断誘導線と、前記第一切断誘導線の中間部に形成された第一開封開始部と、が形成されている。前記側壁には、前記第一切断誘導線に連続して前後の縁部に亘って形成された第二切断誘導線が形成されている。前記第一切断誘導線は、上向きの凸形状に湾曲している。前記第二切断誘導線の中間部は、前記側壁の上縁部に形成され、前記第二切断誘導線の前部および後部は、前記側壁の前後の縁部から上縁部に向けて斜め上向きに延びている。
【0007】
本発明の包装箱を開封するときは、第一開封開始部に指を掛けて、端壁の上部を引き上げて、第一切断誘導線を切り開く。そして、第一切断誘導線を切り開くと、開封後の包装箱の下部の上縁部が上向きの凸形状に湾曲した形状となるため、開封後の包装箱の下部の外観が良くなる。また、第一切断誘導線が直線状である場合に比べて、弧状の第一切断誘導線をスムーズに切り開くことができる。
【0008】
前記した包装箱において、前記第二切断誘導線の中間部、前記側壁の上縁部に形成されており、側壁の前後方向の中間部が第二切断誘導線によって上下に区画されないため、側壁の強度を高めることができる。
【0009】
前記した包装箱において、前記第二切断誘導線の前部および後部を、下向きの凸形状に湾曲させた場合には、第一切断誘導線に連続して第二切断誘導線を、側壁の上縁部に向けてスムーズに切り開くことができる。
【0010】
本発明の参考例としては、前記した包装箱において、前記第二切断誘導線の中間部に第二開封開始部を形成し、前記第二切断誘導線を上向きの凸形状に湾曲させてもよい。
この構成では、第二開封開始部に指を掛けて、側壁の上部を引き上げて、第二切断誘導線を切り開く。そして、第二断誘導線を切り開くと、開封後の下部の前後左右の上縁部が上向きの凸形状に湾曲した形状となるため、開封後の下部の外観が良くなる。また、第二切断誘導線が直線状である場合に比べて、弧状の第二切断誘導線をスムーズに切り開くことができる。
【0011】
前記した包装箱の前記端壁において、前記第一開封開始部と上縁部との間に、上下方向に延びている左右の開封補助罫線を形成し、前記両開封補助罫線の左右方向の間隔を、上方に向かうに連れて大きく形成することが好ましい。
この構成では、包装箱を開封するときに、開封開始部に指を掛けて、端壁の上部を前方または後方に向けて引き出すと、開封補助罫線において端壁が折れ曲がる。このようにすると、端壁の上部を大きく引き出し易くなる。そして、端壁の上部を大きく引き出すと、第一切断誘導線の破断が進行し易くなるため、第一切断誘導線を横方向に容易に切り開くことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の包装箱では、切断誘導線が上向きの凸形状に湾曲しているため、開封後の下部の上縁部が上向きの凸形状に湾曲した形状となり、開封後の下部の外観を良くするとともに、切断誘導線をスムーズに切り開いて容易に開封できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第一実施形態に係る包装箱を前方左上から見た斜視図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る包装箱を後方右上から見た斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
図4】本発明の第一実施形態に係る包装箱を開封する手順を示した図で、端壁の上部を引き出した状態の斜視図である。
図5】本発明の第一実施形態に係る包装箱を開封する手順を示した図で、包装箱の上部を引き上げた状態の斜視図である。
図6】本発明の参考例に係る包装箱を前方左上から見た斜視図である。
図7】本発明の参考例に係る包装箱を後方右上から見た斜視図である。
図8】本発明の参考例に係る包装箱のブランクシートを示した図である。
図9】本発明の参考例に係る包装箱を開封する手順を示した図で、端壁の上部を引き出した状態の斜視図である。
図10】本発明の参考例に係る包装箱を開封する手順を示した図で、包装箱の上部を引き上げた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態および参考例について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、実施形態および参考例の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態および参考例の包装箱を説明する上で便宜上設定したものであり、本発明の包装箱の構成や使用状態を限定するものではない。
【0015】
[第一実施形態]
第一実施形態の包装箱1Aは、図1および図2に示すように、角筒状に形成された胴部10と、胴部10の下側の開口部に設けられた底板20と、胴部10の上側の開口部に設けられた頂板30と、を備えている。第一実施形態の包装箱1Aは、A式の段ボール箱である。
【0016】
第一実施形態の包装箱1Aは、図3に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図3に示すブランクシートS1は内面側が見えるように配置されている。
ブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0017】
ブランクシートS1に形成された各切断誘導線は、切れ込みを断続的に形成したミシン目状の線である。なお、切れ込みの形状や長さは限定されるものではない。また、ブランクシートS1から組み立てた包装箱1Aを示した各図では、包装箱1Aの構造を分かり易く図示するために、各切断誘導線の切れ込みの形状は簡略化して示している。
【0018】
胴部10は、図1および図2に示すように、前後一対の端壁11,11と、左右一対の側壁12,12と、を備えている。前後の端壁11,11および左右の側壁12,12は四角形に形成されている。
第一実施形態では、右側の側壁12の後縁部に帯状の接合片13が連設されている(図3参照)。接合片13は、後側の端壁11の内面に貼り付けられている。
【0019】
ブランクシートS1(図3参照)を各罫線で折り曲げつつ、接合片13を後側の端壁11の内面に接合すると、前後の端壁11,11および左右の側壁12,12によって平面視で四角形の筒状の胴部10が形成される。
【0020】
底板20は、図3に示すように、前後の端壁11,11の上縁部にそれぞれ連設された前後一対の内フラップ21,21と、左右の側壁12,12の上縁部にそれぞれ連設された左右一対の外フラップ22,22と、を備えている。両内フラップ21,21の下面に両外フラップ22,22を重ねることで、図1に示す底板20が形成されている。
【0021】
頂板30は、図3に示すように、前後の端壁11,11の上縁部にそれぞれ連設された前後一対の内フラップ31,31と、左右の側壁12,12の上縁部にそれぞれ連設された左右一対の外フラップ32,32と、を備えている。両内フラップ31,31の下面に両外フラップ32,32を重ねることで、図1に示す頂板30が形成されている。
【0022】
前側の端壁11には、図1に示すように、左右の縁部に亘って形成された第一切断誘導線L10と、第一開封開始部50と、左右の第一開封補助罫線L50,L50と、が形成されている。
【0023】
第一切断誘導線L10は、端壁11の上下方向の略中央部に形成されている。第一切断誘導線L10は、端壁11の左右の縁部に亘って形成されている。端壁11は、第一切断誘導線L10を境界線として上部と下部とに区画されている。
第一切断誘導線L10は、上向きの凸形状となるように全体が緩やかに弧状に湾曲している。
【0024】
第一開封開始部50は、第一切断誘導線L10の頂部(左右方向の中央部)を下方に窪ませた凹部である。第一開封開始部50は、包装箱1Aを開封するときに指を掛ける穴部となる部位である(図4参照)。第一実施形態の第一開封開始部50は、四角形の形状であるが、その形状は限定されるものではなく、指を掛け易いように適宜に形状や大きさが形成される。
【0025】
開封前の包装箱1Aの第一開封開始部50は、蓋板51によって塞がれている。蓋板51の上縁部は、罫線を介して第一開封開始部50の上縁部に連設されている。蓋板51の上縁部以外の縁部は、切断誘導線を介して第一開封開始部50の縁部に連設されている。
【0026】
左右の第一開封補助罫線L50,L50は、端壁11において第一開封開始部50と端壁11の上縁部との間に配置されている。第一開封補助罫線L50は、上下方向に延びている罫線であり、端壁11の内面に形成されている。
左右の第一開封補助罫線L50,L50は、第一開封開始部50よりも左右両側に配置されている。左右の第一開封補助罫線L50,L50の左右方向の間隔は、上方に向かうに連れて大きく形成されている。
【0027】
第一実施形態では、第一開封補助罫線L50の上端部が端壁11の上縁部から離れているが、第一開封補助罫線L50の上端部を端壁11の上縁部に接続してもよい。また、第一実施形態では、第一開封補助罫線L50の下端部が第一開封開始部50の縁部から離れているが、第一開封補助罫線L50の下端部を第一開封開始部50の縁部に接続してもよい。
【0028】
後側の端壁11にも、図2に示すように、前側の端壁11(図1参照)と同様に、左右の縁部に亘って形成された第一切断誘導線L10と、第一開封開始部50と、左右の第一開封補助罫線L50,L50と、が形成されている。
【0029】
左側の側壁12には、図1に示すように、第二切断誘導線L20が形成されている。第二切断誘導線L20は、側壁12の前後の縁部に亘って形成されている。
第二切断誘導線L20の前端部は、前側の端壁11の第一切断誘導線L10の左端部に接続されている。また、第二切断誘導線L20の後端部は、図3に示すように、後側の端壁11の第一切断誘導線L10の左端部に接続されている。
【0030】
図1に示すように、第二切断誘導線L20の中間部L23は、側壁12の上縁部に形成されている。第二切断誘導線L20の前部L21および後部L22は、側壁12の前後の縁部から上縁部に向けて斜め上向きに延びており、下向きの凸形状となるように弧状に湾曲している。
【0031】
右側の側壁12にも、図2に示すように、左側の側壁12(図1参照)と同様に、第二切断誘導線L20が形成されている。
右側の側壁12の第二切断誘導線L20の後端部は、後側の端壁11の第一切断誘導線L10の右端部に接続されている。また、右側の側壁12の第二切断誘導線L20の前端部は、図3に示すように、前側の端壁11の第一切断誘導線L10の右端部に接続されている。
【0032】
第一本実施形態の包装箱1Aを開封するときには、まず、図1に示す前側の端壁11の第一開封開始部50内の蓋板51を外側から指で押し込み、蓋板51を端壁11の内側に折り曲げることで、第一開封開始部50を開口させる(図4参照)。同様に、図2に示す後側の端壁11の第一開封開始部50内の蓋板51を外側から指で押し込み、蓋板51を端壁11の内側に折り曲げることで、第一開封開始部50を開口させる。
【0033】
続いて、図4に示すように、前側の端壁11の第一開封開始部50に指を差し込んで、前側の端壁11の上部を前方(外側)に引き出すとともに、後側の端壁11の第一開封開始部50(図2参照)に指を差し込んで、後側の端壁11の上部を後方(外側)に引き出す。
このとき、端壁11の上部は、左右の第一開封補助罫線L50,L50において外側から見て山折りに折れ曲がる。これにより、端壁11の上部を大きく引き出すことができる。端壁11の上部を大きく引き出すと、第一切断誘導線L10の破断が進行し易くなるため、第一切断誘導線L10を横方向に容易に切り開くことができる。このようにして、第一切断誘導線L10を切り開くと、端壁11が上下に分離される。
【0034】
続いて、図5に示すように、前後の端壁11,11の上部を引き上げて、左右の側壁12,12の各第二切断誘導線L20,L20を横方向に切り開くことで、左右の側壁12,12が上下に分離される。
【0035】
このようにして、両端壁11,11および両側壁12,12を上下に分離し、包装箱1Aの上部を下部から切り取って開封すると、包装箱1Aの下部はトレイとなるため、内容物をトレイに収容した状態で陳列できる。
【0036】
以上のような包装箱1Aでは、図5に示すように、端壁11の第一切断誘導線L10を切り開くと、開封後の端壁11の下部の上縁部が上向きの凸形状に湾曲した形状となる。また、側壁12の第二切断誘導線L20を切り開くと、開封後の側壁12の下部の上縁部の前部および後部が下向きに凸形状に湾曲した形状となる。これにより、開封後の包装箱1Aの下部の外観が良くなる。
【0037】
第一実施形態の包装箱1Aでは、第一切断誘導線L10が湾曲しているため、第一切断誘導線L10が直線状である場合に比べて、弧状の第一切断誘導線L10をスムーズに切り開くことができる。
また、第一実施形態の包装箱1Aでは、第二切断誘導線L20の前部L21および後部L22が、下向きの凸形状に湾曲しているため、第一切断誘導線L10に連続して第二切断誘導線L20を、側壁12の上縁部に向けてスムーズに切り開くことができる。
このように、第一実施形態の包装箱1Aでは、第一切断誘導線L10および第二切断誘導線L20をスムーズに切り開いて容易に開封できる。
【0038】
第一実施形態の包装箱1Aでは、図1に示すように、第二切断誘導線L20の中間部L23が、側壁12の上縁部に形成されており、側壁12の前後方向の中間部L23は第二切断誘導線L20によって上下に区画されていない。これにより、開封前の包装箱1Aの側壁12の強度を高めることができる。
【0039】
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、本発明は前記第一実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
第一実施形態の包装箱1Aでは、図1に示すように、第二切断誘導線L20の中間部が側壁12の上縁部に形成されているが、本発明の参考例としては、第二切断誘導線L20全体が側壁12の上縁部よりも下方に形成されていてもよい。
【0040】
本発明の包装箱において、第一開封開始部、第一切断誘導線および第二切断誘導線の高さは限定されるものではなく、内容物の収容状態に応じて、その高さが設定される。
【0041】
第一実施形態の包装箱1Aでは、底板20および頂板30が複数のフラップを重ねることで構成されているが、底板および頂板の構成は限定されるものではない。
第一実施形態の包装箱1Aは、A式の段ボール箱であるが、本発明は各種形状の包装箱に適用可能である。
第一実施形態の包装箱1Aは、段ボール製であるが、各種公知の板紙によって包装箱を形成できる。
【0042】
参考例
次に、参考例の包装箱1Bについて説明する。参考例の包装箱1Bは、図6に示すように、第一実施形態の包装箱1A(図1参照)と略同様な構成であり、第二切断誘導線の構成が異なる。
【0043】
参考例の包装箱1Bは、図8に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS2を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。図8に示すブランクシートS2は内面側が見えるように配置されている。
【0044】
参考例の包装箱1Bの左側の側壁12には、図6に示すように、第二切断誘導線L30と、第二開封開始部60と、前後の第二開封補助罫線L60,L60と、が形成されている。
【0045】
参考例の第二切断誘導線L30は、側壁12の上下方向の略中央部に形成されている。第二切断誘導線L30は、側壁12の前後の縁部に亘って形成されている。側壁12は、第二切断誘導線L30を境界線として上部と下部とに区画されている。
第二切断誘導線L30の前端部は、前側の端壁11の第一切断誘導線L10の左端部に接続されている。また、第二切断誘導線L20の後端部は、図3に示すように、後側の端壁11の第一切断誘導線L10の左端部に接続されている。
【0046】
参考例の第二切断誘導線L30は、図6に示すように、上向きの凸形状となるように全体が緩やかに弧状に湾曲している。
第二切断誘導線L20の頂部(前後方向の中央部)には、第一切断誘導線L10の第一開封開始部50と同様に、第二開封開始部60が形成されている。第二開封開始部60も蓋板61によって塞がれている。
【0047】
前後の第二開封補助罫線L60,L60は、側壁12において第二開封開始部60と側壁12の上縁部との間に配置されている。第二開封補助罫線L60は、上下方向に延びている罫線であり、側壁12の内面に形成されている。
前後の第二開封補助罫線L60,L60は、第二開封開始部60よりも前後両側に配置されている。前後の第二開封補助罫線L60,L60の前後方向の間隔は、上方に向かうに連れて大きく形成されている。
【0048】
参考例では、第二開封補助罫線L60の上端部が側壁12の上縁部から離れているが、第二開封補助罫線L60の上端部を側壁12の上縁部に接続してもよい。また、参考例では、第二開封補助罫線L60の下端部が第二開封開始部60の縁部から離れているが、第二開封補助罫線L60の下端部を第二開封開始部60の縁部に接続してもよい。
【0049】
右側の側壁12にも、図7に示すように、左側の側壁12(図6参照)と同様に、前後の縁部に亘って形成された第二切断誘導線L30と、第二開封開始部60と、前後の第二開封補助罫線L60,L60と、が形成されている。
【0050】
参考例の包装箱1を開封するときには、図6および図7に示す前後の端壁11,11の第一開封開始部50,50を開口させるとともに、左右の側壁12,12の第二開封開始部60,60を開口させる。
【0051】
続いて、図9に示すように、前側の端壁11の第一開封開始部50に指を掛けて、前側の端壁11の上部を前方(外側)に引き出すとともに、後側の端壁11の第一開封開始部50(図7参照)に指を掛けて、後側の端壁11の上部を後方(外側)に引き出す。
また、左側の側壁12の第二開封開始部60に指を掛けて、左側の側壁12の上部を左方(外側)に引き出すとともに、右側の側壁12の第二開封開始部60(図7参照)に指を掛けて、右側の側壁12の上部を右方(外側)に引き出す。
このとき、端壁11の上部は、左右の第一開封補助罫線L50,L50において外側から見て山折りに折れ曲がるとともに、側壁12の上部は、前後の第二開封補助罫線L60,L60において外側から見て山折りに折れ曲がる。
このようにして、端壁11および側壁12の上部を大きく引き出して、第一切断誘導線L10および第二切断誘導線L20を横方向に切り開くことで、端壁11および側壁12を上下に分離させて、包装箱1の上部を下部から切り取って開封する。
【0052】
以上のような包装箱1Bでは、図10示すように、開封後の端壁11および側壁12の下部の上縁部が上向きの凸形状に湾曲した形状となるため、開封後の包装箱1Bの下部の外観が良くなる。
【0053】
以上、本発明の参考例について説明したが、本発明は前記参考例に限定されることなく、前記第一実施形態と同様に、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
【符号の説明】
【0054】
1A 包装箱(第一実施形態)
1B 包装箱(参考例
10 胴部
11 端壁
12 側壁
13 接合片
20 底板
21 内フラップ
22 外フラップ
30 頂板
31 内フラップ
32 外フラップ
50 第一開封開始部
51 蓋板
60 第二開封開始部
61 蓋板
L10 第一切断誘導線
L20 第二切断誘導線(第一実施形態)
L21 前部
L22 後部
L23 中間部
L30 第二切断誘導線(参考例
L50 第一開封補助罫線
L60 第二開封補助罫線
S1 ブランクシート(第一実施形態)
S2 ブランクシート(参考例
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10