(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0834 20230101AFI20241119BHJP
【FI】
G06Q10/0834
(21)【出願番号】P 2022043834
(22)【出願日】2022-03-18
【審査請求日】2023-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 豊和
(72)【発明者】
【氏名】相良 俊介
(72)【発明者】
【氏名】岡 尚哉
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-109146(JP,A)
【文献】特開2012-008671(JP,A)
【文献】特開2013-061701(JP,A)
【文献】特開2021-103501(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111170(WO,A1)
【文献】特開2011-048529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求をユーザの端末から受信することと、
前記要求に対応して、前記商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報であって、前記商品を購入するユーザが選択可能な項目に対応する、前記商品を配送する車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力することと、
を実行する制御部を備え
、
前記商品を配送する前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報には、二酸化炭素の排出量の基準値からの差に関する情報が含まれ、
前記二酸化炭素の排出量の基準値には、前記商品を配送するときに前記ユーザが不在のために前記商品を再度配達するときに前記車両から排出される二酸化炭素の量が含まれる、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記商品を購入するユーザが前記商品の配送方法に関して選択可能な項目と、前記項目に対応する二酸化炭素の排出量に関連する値と、を前記ユーザの端末に表示させる指令を前記ユーザの端末に送信する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送日に関する情報が含まれ、
前記制御部は、前記ユーザが選択可能な前記配送日の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する
、
請求項1
または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザが前記配送日を指定した場合には、指定しない場合よりも、前記車両から排出される二酸化炭素の量が多くなるように、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送事業者に関する情報が
含まれ、
前記制御部は、前記ユーザが選択可能な前記配送事業者の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項1から
4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送時間帯に関する情報が含まれ、
前記制御部は、前記ユーザが選択可能な前記配送時間帯の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項1から
5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記ユーザが前記配送時間帯を指定した場合には、指定しない場合よりも、前記車両から排出される二酸化炭素の量が多くなるように、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な前記商品の受け取り方法に関する情報が含まれ、
前記制御部は、前記ユーザが選択可能な前記商品の受け取り方法に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項1から
7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記ユーザが対面での受け取り方法を選択した場合には、非対面での受け取り方法を選択した場合よりも、前記車両から排出される二酸化炭素の量が多くなるように、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求をユーザの端末から受信することと、
前記要求に対応して、前記商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報であって、前記商品を購入するユーザが選択可能な項目に対応する、前記商品を配送する車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力することと、
を実行する情報処理方法
であって、
前記商品を配送する前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報には、二酸化炭素の排出量の基準値からの差に関する情報が含まれ、
前記二酸化炭素の排出量の基準値には、前記商品を配送するときに前記ユーザが不在のために前記商品を再度配達するときに前記車両から排出される二酸化炭素の量が含まれる、
情報処理方法。
【請求項11】
前記コンピュータが、前記商品を購入するユーザが前記商品の配送方法に関して選択可能な項目と、前記項目に対応する二酸化炭素の排出量に関連する値と、を前記ユーザの端末に表示させる指令を前記ユーザの端末に送信する、
請求項
10に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送日に関する情報が含まれ、
前記コンピュータが、前記ユーザが選択可能な前記配送日の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する
、
請求項
10または11に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送事業者に関する情報が含まれ、
前記コンピュータが、前記ユーザが選択可能な前記配送事業者の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
10から
12の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な配送時間帯に関する情報が含まれ、
前記コンピュータが、前記ユーザが選択可能な前記配送時間帯の夫々に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
10から
13の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記ユーザが選択可能な項目には、前記ユーザが選択可能な前記商品の受け取り方法に関する情報が含まれ、
前記コンピュータが、前記ユーザが選択可能な前記商品の受け取り方法に対応する、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
10から
14の何れか1項に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記コンピュータが、前記ユーザが対面での受け取り方法を選択した場合には、非対面での受け取り方法を選択した場合よりも、前記車両から排出される二酸化炭素の量が多くなるように、前記車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力する、
請求項
15に記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の調理方法とその調理方法により調理した場合の温室効果ガスの排出量とをユーザに提示することが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、商品の配送時に車両から排出される二酸化炭素の量を減少させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様の一つは、
商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求をユーザの端末から受信することと、
前記要求に対応して、前記商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報であって、前記商品を購入するユーザが選択可能な項目に対応する、前記商品を配送する車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力することと、
を実行する制御部を備える、
情報処理装置である。
【0006】
本開示の他の態様の一つは、
コンピュータが、
商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求をユーザの端末から受信することと、
前記要求に対応して、前記商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報であって、前記商品を購入するユーザが選択可能な項目に対応する、前記商品を配送する車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力することと、
を実行する情報処理方法である。
【0007】
また、本開示の他の態様は、上記の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、そのプログラムを非一時的に記憶した記憶媒体である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、商品の配送時に車両から排出される二酸化炭素の量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【
図2】実施形態に係るシステムを構成するユーザ端末、配送サーバ、及び、販売サーバのそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るユーザ端末、配送サーバ、及び、販売サーバの機能構成要素の一例を示した図である。
【
図4】ユーザが商品購入時に配送方法を指定する画面の一例を示した図である。
【
図5】CO
2情報DBに格納されるデータの構成を例示した図である。
【
図6】実施形態に係る商品の配送方法に対応するCO
2排出量の基準量からの増減量を表示させる処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の態様の一つである情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求をユーザの端末から受信することと、前記要求に対応して、前記商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報であって、前記商品を購入するユーザが選択可能な項目に対応する、前記商品を配送する車両から排出される二酸化炭素の量に関する情報を出力することと、を実行する。
【0011】
商品は、例えばオンラインショップ(商品を販売するWebサイト)で購入可能な商品である。商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報は、例えば、ユーザの端末に表示させる情報である。商品を購入するユーザが選択可能な項目は、配送に関してユーザが指定可能な項目であり、例えば、配送日、配送時間帯、配送事業者、置き配若しくは宅配ボックスでの受け取りなどを指定する項目である。制御部は、これらの項目をユーザが選択した場合にどれだけの二酸化炭素が排出されるのかについてユーザに提示する。
【0012】
例えば、ユーザが、オンラインショップで商品を購入すると、商品が配送元から発送され、配送先に配達される。商品は車両によって配送される。車両から排出される二酸化炭素は、内燃機関の作動に伴って排出される物質であり、内燃機関からの排気に含まれる物質である。二酸化炭素は、排出量を低減することが望まれている物質である。二酸化炭素の排出量は、例えば、車両の走行距離を短くしたり、車両の付加を低減したりすることによって低減できる。また、二酸化炭素の排出量は、車両の種類と相関している。したがって、配送事業者が所有する車両によって、荷物を配送するときの二酸化炭素の排出量が変わり得る。商品購入時に配送事業者を指定できる場合には、二酸化炭素の排出量が少ない車両を多く所有する配送事業者を指定することにより、商品配送時の二酸化炭素の排出量を低減し得る。
【0013】
また、商品の配達時にユーザが不在であると、再配達の必要が生じる場合がある。商品を再配達すると、その商品を車両で運ぶ距離が長くなるので、その商品を運ぶために排出される二酸化炭素の量が多くなる。配達日及び配達日時を指定することによりユーザが在宅しているときに配達される可能性は高くなるが、急に外出する用事ができたり、自宅で手が離せない状況になり荷物を受け取ることができなくなったりすることも考えられる。この場合、二酸化炭素の排出量が増加し得る。また、ユーザが指定した日または時間帯によっては、渋滞の発生により二酸化炭素の排出量が増加することもあり得る。
【0014】
一方、配送先に宅配ボックスが配置されていたり、置き配の指定がされていたりする場合には、ユーザが不在であっても再配達をする必要がなくなる。したがって、商品の購入時に非対面での商品の受け取り(例えば、宅配ボックスまたは置き配での受け取り)を指定すれば、二酸化炭素の排出量を低減し得る。
【0015】
そこで、制御部は、例えば、商品の配送に関する選択を行う画面に、ユーザが選択可能な項目に対応する、二酸化炭素の量に関する情報を表示させる。そうすると、ユーザは、商品を購入する前に、商品を配送するときに排出される二酸化炭素の量を知ることができる。例えば、ユーザが指定する荷物の受け取り方法、ユーザが指定する配送事業者、ユーザが指定する日、及び、ユーザが指定する時間帯などによって、二酸化炭素の排出量が変わり得るため、ユーザの画面に表示させる二酸化炭素の排出量も変わり得る。
【0016】
ユーザが、二酸化炭素の排出量を減少させようと意識している場合には、二酸化炭素の排出量が少なくなるように商品の配送方法を指定することが考えられる。例えば、置き配を指定することにより、二酸化炭素の排出量を低減することができる。また、二酸化炭素の排出量が少ない日または時間帯を選択することも考えられる。また、日または時間帯を指定しないことにより二酸化炭素の排出量が少なくなる場合には、それらを指定しないことも考えらえる。また、二酸化炭素の排出量が少ない配送事業者を選択することも考える。そうすると、配送事業者にとっては、二酸化炭素の排出量が少ない車両を導入する契機にもなり得る。これによっても二酸化炭素の排出量を低減させることができる。
【0017】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。また、以下の実施形態は可能な限り組み合わせることができる。
【0018】
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係るシステム1の概略構成を示す図である。システム1には、ユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40が備わる。システム1は、例えば、Web上の店舗においてユーザが商品を購入しようとするときに、その商品の配送時に配送車両から排出される二酸化炭素の量(以下、CO
2排出量ともいう。)の基準量からの増減量を、ユーザの選択する項目に応じてWebページに表示させるシステムである。この基準量は、平均値としてもよい。
【0019】
販売サーバ40は、電子商取引を行うコンピュータであり、ユーザ端末20と商品の取引を行う。販売サーバ40は、ユーザ端末20から商品の注文を受ける処理を行い、注文を受け付けた商品をユーザへ配送するための処理を行う。また、販売サーバ40は、配送サーバ30に、配送する商品名及び配送先を通知すると共に、商品の配送を依頼する処理を行う。
【0020】
販売サーバ40は、Web上の店舗(オンラインショップ)を管理する。販売サーバ40は、ユーザ端末20からの要求に対応して、ユーザ端末20に商品を購入するためのWebページ(商品ページ)を表示させる。また、販売サーバ40は、ユーザ端末20からの要求に対応して、ユーザ端末20に、商品の検索結果を表示させたり、買い物かごページを表示させたりする。
【0021】
また、販売サーバ40は、ユーザ端末20から取得する情報に基づいて、例えばオンライン決済を実行する。なお、別法として、商品の代金を着払いにしたり、後払いにしたりすることもできる。また、販売サーバ40は、ユーザが購入した商品をユーザの指定する場所に配送するように、配送サーバ30に依頼する。商品の購入時の決済および配送の手配については、公知の技術を用いることができる。
【0022】
販売サーバ40は、ユーザが商品を購入するときに、ユーザに対して配送についての入力を求める。例えば、販売サーバ40は、配送日、配送事業者、配送時間帯、及び、受け取り方法の夫々についての選択肢をユーザ端末20に表示させる。このときに、選択肢に対応するCO2排出量の基準量からの増減量をユーザ端末20に表示させる。これについては後述する。
【0023】
次に、配送サーバ30は、販売サーバ40から商品の配送の依頼を受けると、その商品の配送元から配送先に商品を運ぶように、車両の運行計画を生成する。なお、車両は、自律走行可能な車両であってもよく、運転者が手動で運転する車両であってもよい。運転者が手動で運転する車両の場合には、運行計画を車両の運転者の端末または車両の端末に送
信し、例えば、その端末においてルートを表示させる。また、自律走行可能な車両の場合には、車両に運行計画を送信すると、この運行計画にしたがって車両が自律走行する。なお、車両による配送は、宅配サービス等の既存の手段が利用できるため説明を省略する。
【0024】
ユーザ端末20は、ユーザが使用する端末であり、オンラインショップで商品を購入可能な機能を有する端末である。ユーザは、例えばウェブブラウザを介してオンラインショップに商品を注文することができる。また、ユーザ端末20は、商品を購入するときにユーザに対して配送に対応したCO2排出量に関する情報を提示する。この情報は、販売サーバ40から取得する。
【0025】
ユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40は、ネットワークN1によって相互に接続されている。なお、ネットワークN1は、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網でありWAN(Wide Area Network)やその他の通信網が採用されてもよい。また、ネットワークN1は、携帯電話等の電話通信網、Wi-Fi(登録商標)等の無線通信網を含んでもよい。
図1には、例示的に1つの配送サーバ30を図示しているが、配送サーバ30は複数存在し得る。配送サーバ30は、配送事業者ごと、または、配送事業者の営業所ごとに配置されていてもよい。また、ユーザ及びユーザ端末20も複数存在し得る。
【0026】
次に、
図2に基づいて、ユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施形態に係るシステム1を構成するユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40のそれぞれの構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0027】
販売サーバ40は、コンピュータの構成を有している。販売サーバ40は、プロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、及び、通信部44を有する。これらは、バスにより相互に接続される。なお、プロセッサ41は、制御部の一例である。
【0028】
プロセッサ41は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等である。プロセッサ41は、販売サーバ40を制御し、様々な情報処理の演
算を行う。主記憶部42は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等である。補助記憶部43は、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハード
ディスクドライブ(HDD、Hard Disk Drive)、リムーバブルメディア等である。補助
記憶部43には、オペレーティングシステム(Operating System :OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納される。補助記憶部43に格納されたプログラムをプロセッサ41が主記憶部42の作業領域にロードして実行し、このプログラムの実行を通じて各構成部等が制御される。これにより、所定の目的に合致した機能を販売サーバ40が実現する。主記憶部42および補助記憶部43は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体である。なお、販売サーバ40は、単一のコンピュータであってもよいし、複数台のコンピュータが連携したものであってもよい。また、補助記憶部43に格納される情報は、主記憶部42に格納されてもよい。また、主記憶部42に格納される情報は、補助記憶部43に格納されてもよい。
【0029】
通信部44は、ネットワークN1経由でユーザ端末20、及び、配送サーバ30と通信を行う手段である。通信部44は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、無線通信のための無線通信回路である。LANインターフェースボードや無線通信回路は、ネットワークN1に接続される。
【0030】
なお、販売サーバ40で実行される一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0031】
次に、ユーザ端末20について説明する。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、個人情報端末、ウェアラブルコンピュータ(スマートウォッチ等)、パーソナルコンピュータ(Personal Computer、PC)といった小型のコンピュータである。ユーザ端末20は、プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23、入力部24、ディスプレイ25、及び、通信部26を有する。これらは、バスにより相互に接続される。プロセッサ21、主記憶部22、補助記憶部23については、販売サーバ40のプロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43と同様であるため、説明を省略する。
【0032】
入力部24は、ユーザが行った入力操作を受け付ける手段であり、例えば、タッチパネル、マウス、キーボード、または、押しボタン等である。ディスプレイ25は、ユーザに対して情報を提示する手段であり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、または、EL(Electroluminescence)パネル等である。入力部24及びディスプレイ25は、
1つのタッチパネルディスプレイとして構成してもよい。
【0033】
通信部26は、ユーザ端末20をネットワークN1に接続するための通信手段である。通信部26は、例えば、移動体通信サービス(例えば、5G(5th Generation)、4G(4th Generation)、3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の電話
通信網)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網を利用して、ネットワークN1経由で他の装置(例えば販売サーバ40等)と通信を行うための回路である。
【0034】
また、配送サーバ30は、コンピュータの構成を有している。配送サーバ30は、プロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34を有する。配送サーバ30のプロセッサ31、主記憶部32、補助記憶部33、及び、通信部34は、販売サーバ40のプロセッサ41、主記憶部42、補助記憶部43、及び、通信部44と同様のため説明を省略する。
【0035】
次に、ユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40の機能構成要素について説明する。
図3は、本実施形態に係るユーザ端末20、配送サーバ30、及び、販売サーバ40の機能構成要素の一例を示した図である。販売サーバ40は、機能構成要素として、制御部401、ユーザ情報DB411、商品情報DB412、車両情報DB413、及び、CO
2情報DB414を含む。販売サーバ40のプロセッサ41は、主記憶部42上のコンピュータプログラムにより、制御部401の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0036】
ユーザ情報DB411、商品情報DB412、車両情報DB413、及び、CO2情報DB414は、プロセッサ41によって実行されるデータベース管理システム(Database
Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部43に記憶されるデータを管理することで構築される。ユーザ情報DB411、商品情報DB412、車両情報DB413、及び、CO2情報DB414は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0037】
制御部401は、オンラインショップ(ECサイトとしてもよい。)にアクセスしたユーザ端末20に対して、商品に関する情報(以下、商品情報ともいう。)を送信する。商品情報は、ユーザ端末20のディスプレイ25に商品ページを表示させる情報である。商品情報には、商品の説明、及び、商品の値段の夫々に関する情報を含む。さらに、ユーザ端末20において商品が買い物かごに入れられ、その後、その商品を購入するための所定の購入ボタンがタップされると、ユーザ端末20から販売サーバ40に対して、商品を購入するためのページ(購入ページ)を表示させる要求が送信される。購入ページは、商品
の配送先、決済方法、及び、配送方法などを入力するためのページである。この要求を受信すると制御部401は、ユーザ端末20に対して、購入ページを表示させるための情報を送信する。ユーザは、購入ページにおいて配送情報を入力(選択としてもよい。)する。配送情報は、配送日、配送事業者、配送時間帯、及び、受け取り方法などを指定するときに用いる情報である。
【0038】
配送情報を入力する画面には、ユーザが指定可能な配送日、配送事業者、配送時間帯、及び、受け取り方法に対応する、CO2排出量に関する情報が表示される。このCO2排出量に関する情報には、例えば、配送元である商品が保管されている倉庫から、配送先であるユーザが指定した地点までに商品を運ぶために排出されるCO2の量の平均値との差に関する情報が含まれる。すなわち、ユーザが選択した配送方法で商品が配送された場合に、CO2排出量が平均値からどれだけ多くなるのか、または、どれだけ少なくなるのかを、ユーザに知らせている。
【0039】
なお、商品は複数の拠点を経由して配送されることがあるが、ユーザが配送方法を選択することによってCO2排出量が影響を受けるのは、主に、ユーザの最寄りの営業所から商品の配送先(例えばユーザの自宅)までの間であるため、本実施形態では、この間のCO2排出量の平均値からの増減量を、CO2排出量に関する情報として、ユーザ端末20のディスプレイ25に表示させる。商品の配送元から最寄りの営業所までのCO2排出量は一定であると仮定する。これにより、計算を簡略化することもできる。
【0040】
また、制御部401は、CO2排出量の平均値からの増減量は、商品の実際の配送先ではなく、地域全体としての平均値を算出して提供する。したがって、例えば、同じ地域に住んでいる複数のユーザには、同じCO2排出量に関する情報が提供される。この地域は、例えば、行政区画、メッシュで区分される地域、配送事業者によって区分される地域、または、配送事業者の各営業所が担当する地域などに応じて定められる。
【0041】
図4は、ユーザが商品購入時に配送方法を指定する画面の一例を示した図である。この画面で入力する項目は、配送希望日、配送希望会社、配送希望時間帯、及び、受け取り方法の4つである。この画面は、商品の購入ページの一部であってもよく、購入ページからリンクされたページであってもよい。
【0042】
配送希望日の項目には、日付、曜日、または、「希望なし」が表示される。「希望なし」は、配送希望日を限定しないことを意味している。ユーザは、例えば、プルダウンメニュー(ユーザがタップすることにより選択肢が現れるメニュー)の中から希望する配送日をタップする。希望する配送日がない場合には、「希望なし」をタップすればよい。このようにして、ユーザは、商品を購入するときに、商品を配達する曜日または日を選択することができる。
【0043】
ここで、曜日または日によっては渋滞が発生し易かったり、渋滞が発生しなかったりする場合もある。したがって、ユーザが指定する曜日または日によって、商品を配送する車両のCO2排出量が変化し得る。そこで、本実施形態では、配送日に対応するCO2排出量の基準量からの増減量をユーザ端末20に表示させている。例えば、全時間帯のCO2排出量の平均値(すなわち、全体としてのCO2排出量の平均値)と、各曜日におけるCO2排出量の平均値とを比較することにより、各曜日に対応するCO2排出量の増減量を算出する。そして、その日が何曜日なのかに基づいて、CO2排出量の増減量を当てはめる。
【0044】
図2に示した例では、例えば、配送希望日の項目で「希望なし」を選択することにより、その右横に「CO
2 -0.1g」の文字が表示されている。これは、配送希望日を限
定しないことにより、CO
2排出量が基準量から0.1g少なくなることを示している。基準量は、例えば、全ての配送についてのCO
2排出量の平均値である。配送希望日に「希望なし」を選択すると、配送事業者は、例えば渋滞が発生しない日を選んで商品を配送することができる。これにより、CO
2排出量を低減することができる。また、例えば、CO
2排出量の少ない車両またはCO
2を排出しない車両が空いているときに商品を配送することができる。これによってもCO
2排出量を低減することができる。したがって、配送希望日において「希望なし」を選択することにより、CO
2排出量が最も少なくなる。
【0045】
また、ユーザが、配送希望日に所定の日を選択しても、例えば、渋滞が発生し得る日ではCO2排出量が多くなり、渋滞が発生し得ない日にはCO2排出量が少なくなる。したがって、配送希望日に応じてCO2排出量の基準量からの差を販売サーバ40が算出して、ユーザに提示する。
【0046】
次に、配送希望会社の項目には、商品を配送可能な配送事業者の名称が表示される。ユーザは、例えば、希望する配送事業者に対応するラジオボタンをタップすることで、配送事業者を選択できる。ユーザが配送希望会社を選択すると、その配送希望会社に応じて、CO2排出量の基準値からの差が表示させる。
【0047】
ここで、配送事業者によって所有する車両の種類が異なるため、選択した配送事業者によってCO2排出量が変わり得る。例えば、配送事業者の車両が電気自動車(BEV:Battery Electric Vehicle)または燃料電池自動車(FCEV:Fuel Cell Electric Vehicle)だけで構成されている場合には、配送時のCO2排出量は0になる。一方、内燃機関だけを駆動源とする車両(内燃機関自動車)だけで構成されている場合には、配送時のCO2排出量が比較的多くなる。ハイブリッド自動車(HEV:Hybrid Electric Vehicle
)およびプラグインハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle
)であっても、内燃機関を作動させる場合にはCO2が排出される。内燃機関の燃料には、例えば、ガソリン、軽油、及び、天然ガスを例示できる。なお、本実施形態では、水素を燃料とする内燃機関(水素エンジン)は含まない。ただし、別法として、配送事業者が水素エンジンを有する車両を所有している場合には、その車両のCO2排出量は例えば0としてもよい。
【0048】
このように、車両の種類によってCO2排出量は異なるが、商品の注文時には商品の配送時に使用する車両が確定していないこともある。そこで、本実施形態では、配送事業者が配送に用いる車両の平均値を用いている。そのため、例えば、BEVの割合が高い配送事業者では、CO2排出量が少なくなり、例えば、内燃機関自動車の割合が高い配送事業者では、CO2排出量が多くなる。
【0049】
制御部401は、ユーザが複数の配送事業者の中から、商品の配送を依頼する配送事業者を選択するときに、選択する配送事業者によってどれだけCO
2排出量が変わるのかをユーザに知らせる。そのため、夫々の配送事業者に対応する、CO
2排出量の基準量からの増減量をユーザ端末20に表示させる。
図2に示した例では、配送希望会社の項目において、「AAA運輸 CO
2 -2g」の文字が表示されている。これは、AAA運輸を選択することにより、CO
2排出量が基準量から2g少なくなることを意味している。
【0050】
なお、同じ配送事業者であっても、地域が異なると車両の構成が異なる場合がある。したがって、商品を配送する地域に応じた各配送事業者の車両の構成に基づいてCO2排出量の基準値を算出する。例えば、その地域における全配送事業者のCO2排出量の平均値(すなわち、全体としてのCO2排出量の平均値)と、各配送事業者におけるCO2排出量の平均値とを比較することにより、各配送事業者に対応するCO2排出量の増減量を算
出する。
【0051】
なお、CO2排出量は燃料消費量と相関関係にあるため、各配送事業者の燃料消費量の平均値に基づいてCO2排出量を算出してもよいし、過去に実際に走行した際に検出されたCO2排出量の平均値を配送サーバ30から取得して、販売サーバ40の補助記憶部43に記憶しておいてもよい。例えば、所定の期間に配送した荷物の個数と、所定の期間に消費した燃料量とに基づいて、所定の期間において荷物を1つ配送したときのCO2排出量の平均値を算出してもよい。また、例えば、各配送事業者が所有する車両の種類及び台数に基づいて、各配送事業者に対応するCO2排出量の平均値からの増減量を算出してもよい。この場合、内燃機関を搭載した車両の割合が多いほど、その配送事業者に対応するCO2排出量の平均値からの増減量が多くなるように、簡易的にCO2排出量の平均値からの増減量を算出してもよい。
【0052】
次に、配送希望時間帯の項目には、複数の時間帯、及び、「希望なし」が表示され、その中の対応するラジオボタンをタップすることにより、ユーザは配送希望時間帯を選択できる。「希望なし」は、配送時間帯を限定しないことを意味している。
【0053】
また、配送希望時間帯の項目には、夫々の時間帯に対応するCO2排出量の基準量からの差が表示される。基準量からの差がない、若しくは、差があったとしても無視し得るほど小さい場合には、CO2排出量の基準量からの差は表示されない。ここで、商品を配送する時間帯によってもCO2排出量が異なる場合がある。例えば、通勤時間帯では、渋滞の発生によりCO2排出量が増加することある。そこで、本実施形態では、時間帯に対応するCO2排出量の基準量からの増減量をユーザ端末20に表示させている。例えば、全時間帯のCO2排出量の平均値(すなわち、全体としてのCO2排出量の平均値)と、各時間帯におけるCO2排出量の平均値とを比較することにより、各時間帯に対応するCO2排出量の増減量を算出する。
【0054】
なお、配送希望時間帯に「希望なし」を選択すると、配送事業者は、例えば渋滞が発生しない時間帯を選んで商品を配送することができる。これにより、CO2排出量を低減することができる。また、例えば、CO2排出量の少ない車両またはCO2を排出しない車両が空いているときに商品を配送することができる。これによってもCO2排出量を低減することができる。したがって、「希望なし」を選択した場合には、CO2排出量が最も少なくなる。制御部401は、配送希望時間帯に応じてCO2排出量の基準量からの差を算出して、ユーザに提示する。
【0055】
また、ユーザは、商品を購入するときに、商品の受け取り方法を選択することができる。例えば、置き配、宅配ボックス、または、対面の何れかを選択できる。置き配が指定された場合には、玄関の前などに荷物を置くことで、非対面で荷物が配達される。宅配ボックスは、家または集合住宅に設けられ荷物を入れることができる箱である。宅配ボックスに荷物を入れることで、非対面で荷物が配達される。なお、車両のトランクを宅配ボックスとして利用することもできる。置き配または宅配ボックスが指定された場合には、ユーザが不在であっても荷物を配達することができる。一方、対面が選択された場合には、対面で荷物を渡す必要があるため、ユーザが不在の場合には、荷物を配達することができなくなる。したがって、再配達をする必要が生じ得る。そのため、置き配または宅配ボックスが指定された場合よりも対面での配達が指定されたほうが、CO2排出量が多くなり得る。
【0056】
制御部401は、例えば、全受け取り方法のCO2排出量の平均値(すなわち、全体としてのCO2排出量の平均値)と、各受け取り方法におけるCO2排出量の平均値とを比較することにより、各受け取り方法に対応するCO2排出量の増減量を算出する。
【0057】
以上のように、制御部401は、配送日、配送事業者、配送時間帯、及び、受け取り方法に対応する、CO2排出量の基準量からの増減量を夫々算出して、ユーザが商品の配送方法などを選択するWebページに表示させる指令を生成して、ユーザ端末20に送信する。
【0058】
また、制御部401は、ユーザ端末20において購入手続きが完了した場合には、商品の配送を配送サーバ30に依頼する。このときに、制御部401は、配送サーバ30に配送依頼を送信する。配送依頼は、商品に関する情報、商品の数または大きさに関する情報、及び、配送先に関する情報を含む。
【0059】
ユーザ情報DB411は、ユーザに関する情報(ユーザ情報)を保持する。ユーザ情報には、商品をユーザの指定する位置へ配送するために必要な情報を含む。ユーザ情報には、例えば、ユーザの識別子、ユーザの氏名、ユーザの住所、ユーザの電話番号、ユーザが指定する配送先などに関する情報が含まれる。
【0060】
また、商品情報DB412は、商品に関する情報(商品情報)を保持する。商品情報には、商品の配送元、商品の大きさ、商品の質量、商品の説明、商品の写真、商品の値段、及び、商品の配送事業者などに関する情報が含まれる。
【0061】
また、車両情報DB413は、配送事業者ごとの車両構成に関する情報(車両情報)を保持する。車両情報には、各地域の各配送事業者が所有する、BEV、FCEV、PHEV、HEV、及び、内燃機関自動車の数が含まれる。車両情報DB413に格納される情報は、各配送サーバ30から取得する。
【0062】
また、CO
2情報DB414は、
図4に示した各項目に対応するCO
2排出量の基準量からの増減量を保持する。この情報は、制御部401によって、例えば、ユーザ端末20から配送情報について送信する要求があったとき、または、所定時間毎(例えば、24時間毎)に算出され、CO
2情報DB414に格納される。
図5は、CO
2情報DB414に格納されるデータの構成を例示した図である。CO
2情報DB414は、各地域に対応する、配送希望日、配送希望会社、配送希望会社、及び、受け取り方法を選択した場合のCO
2排出量の基準量からの増減量を記憶している。
【0063】
次に、ユーザ端末20は、機能構成要素として、制御部201を含む。ユーザ端末20のプロセッサ21は、主記憶部22上のコンピュータプログラムにより、制御部201の処理を実行する。ただし、制御部201の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。制御部201は、ユーザ情報を生成する。制御部201は、ディスプレイ25にユーザ情報の入力を促す操作画面を表示し、ユーザによる入力部24への入力に応じたユーザ情報を生成する。生成されたユーザ情報は、制御部201によって販売サーバ40に送信される。例えば、ユーザ登録を行うときにユーザ情報を生成して販売サーバ40に送信してもよい。
【0064】
また、制御部201が、ユーザ端末20にインストールされているアプリケーションソフトウェアを実行することにより、ユーザがオンラインショップで商品を購入することができる。このときに、制御部201は、販売サーバ40にアクセスする。制御部201は、例えば、ユーザが入力した商品検索のためのキーワードを取得すると、そのキーワードを販売サーバ40に送信する。そして、販売サーバ40から検索結果に関する情報を受信すると、その検索結果をディスプレイ25に表示させる。さらに、ユーザが例えばディスプレイ25に表示された商品の写真をタップすると、制御部201は、対応する商品ページを表示させるための情報(商品情報)を販売サーバ40に要求する。そして、制御部2
01は、販売サーバ40から商品情報を受信すると、ディスプレイ25に商品ページを表示させる。そして、ユーザが例えば「買い物かごに入れる」ボタンをタップするとその情報を販売サーバ40に送信する。
【0065】
また、ユーザが例えば「買い物かごを見る」ボタンをタップすると、その情報を販売サーバ40へ送信する。販売サーバ40から買い物かごページを表示させるための情報を受信すると、ディスプレイ25に買い物かごページを表示させる。そして、ユーザが例えば「購入手続き」ボタンをタップすると、商品の購入手続きに必要となる処理を実行する。この処理により商品が販売サーバ40に発注される。購入手続きを行う際に、制御部201は、
図4に示す画面をディスプレイ25に表示させる。そして、ユーザが入力部24を介し各項目を選択し、「決定」ボタンをタップすると、配送情報が販売サーバ40に送信される。
【0066】
ユーザは、配送方法を選択するページにおいて、商品配送時のCO2排出量の基準量からの増減量を知ることができる。したがって、ユーザは、例えば、CO2排出量がより少ない配送方法を選ぶことができる。
【0067】
次に、配送サーバ30は、機能構成要素として、制御部301、配送情報DB311、及び、車両情報DB312を含む。配送サーバ30のプロセッサ31は、主記憶部32上のコンピュータプログラムにより、制御部301の処理を実行する。ただし、各機能構成素のいずれか、またはその処理の一部がハードウェア回路により実行されてもよい。
【0068】
配送情報DB311、及び、車両情報DB312は、プロセッサ31によって実行されるデータベース管理システム(Database Management System、DBMS)のプログラムが、補助記憶部33に記憶されるデータを管理することで構築される。配送情報DB311、及び、車両情報DB312は、例えば、リレーショナルデータベースである。
【0069】
配送情報DB311には、商品の配送に必要な情報が保持される。配送情報DB311には、例えば、商品の配送先、商品の大きさ、商品の質量、配送希望日、配送希望時間帯、及び、受け取り方法などについての情報が保持される。
【0070】
また、車両情報DB312には、販売サーバ40の車両情報DB413と同等の情報が格納されている。制御部301は、車両情報DB312に格納されている情報を、販売サーバ40からの要求に応じて販売サーバ40に送信する。
【0071】
制御部301は、例えば各地域に配置されている車両の種類及び各車種の台数に関する情報を取得する。制御部301は、例えば、各地域の営業所に配置されている端末から車両の種類及び各車種の台数に関する情報を取得してもよい。そして、制御部301は、販売サーバ40からの要求に応じて、地域ごとに配置されている車両の種類及び各車種の台数に関する情報を送信する。
【0072】
また、制御部301は、販売サーバ40から商品の配送を依頼されると、商品を配送する計画(以下、配送計画ともいう。)を生成する。配送計画は、配送元の位置から配送先の位置までを車両が移動するルートを生成することを含む。また、制御部301は、各商品を配送する車両を選定する。車両は、例えば、CO2排出量が少ない順に選定してもよいし、ランダムに選定してもよい。また、走行するルートに応じて配車されるようにしてもよい。
【0073】
次に、販売サーバ40の制御部401が、ユーザ端末20のディスプレイ25に、商品の配送方法に対応するCO
2排出量の基準量からの増減量を表示させる処理について説明
する。
図6は、第1実施形態に係る商品の配送方法に対応するCO
2排出量の基準量からの増減量を表示させる処理のフローチャートである。
図6に示した処理は、所定の時間ごとに販売サーバ40において実行される。
【0074】
ステップS101では、制御部401が、ユーザ端末20から配送情報送信要求を受信したか否か判定する。配送情報送信要求は、配送情報を送信する要求である。配送情報送信要求は、「商品の配送に関する選択を行う画面に表示させる情報を送信する要求」の一例である。配送情報送信要求には、ユーザID、及び、商品IDなど、商品を配送するために必要となる情報が含まれる。ユーザがユーザ端末20において配送方法を選択するためのページを表示させる入力をした場合(例えば、ユーザが買い物かごページ又は購入ページにおいて配送方法を選択するためのボタンをタップした場合)に、配送情報送信要求がユーザ端末20から販売サーバ40へ送信されるため、本ステップS101では、この配送情報送信要求を受信したか否か判定している。ステップS101で肯定判定された場合にはステップS102へ進み、否定判定された場合には本ルーチンを終了させる。
【0075】
ステップS102では、制御部401が、ユーザ情報を取得する。制御部401は、配送情報送信要求に含まれるユーザIDに対応するレコードをユーザ情報DB411から抽出する。これにより、商品を配送する地域が分かる。
【0076】
ステップS103では、制御部401が、商品情報を取得する。制御部401は、配送情報送信要求に含まれる商品IDに対応するレコードを商品情報DB412から抽出する。ステップS104では、制御部401が、配送可能会社を取得する。制御部401は、配送先、配送元、及び、商品に基づいて、配送可能会社を取得する。配送可能会社は、配送先を含む地域において、商品を配達可能な配送事業者である。例えば、商品情報DB412に記憶されている、商品の配送事業者を取得してもよい。また、別法として、例えば、各地域に対応する配送可能会社を補助記憶部43に記憶させておき、この情報と商品の配送先とから配送可能会社を取得してもよい。なお、配送可能会社は複数あってもよい。
【0077】
ステップS105では、制御部401が、選択可能な配送可能会社に対応するCO2増減量を算出する。本ステップS105では、ステップS104で取得された配送可能会社毎にCO2排出量の基準量からの増減量を算出する。制御部401は、配送会社毎に、所定の期間に配送した荷物の個数と、所定の期間に消費した燃料量とに基づいて、所定の期間において荷物を1つ配送したときのCO2排出量の平均値を算出してもよい。そして、その平均値とCO2排出量の基準量との差を算出する。なお、配送先が属する地域の全ての配送会社のCO2排出量の平均値、すなわち、基準排出量は、予め求めて補助記憶部43に記憶させておいてもよい。そして、配送会社毎に、CO2排出量から基準排出量を減算することにより、CO2排出量の基準量からの増減量を算出する。制御部401は、算出したCO2排出量の基準量からの増減量を、CO2情報DB414に格納する。
【0078】
ステップS106では、制御部401が、配送可能日を取得する。配送可能日は、例えば、商品の発送日、及び、配送事業者が商品の配送に要する日数に基づいて算出する。例えば、注文完了から発送までに要する日数を予め補助記憶部43に記憶させておき、現在の日付に、注文完了から発送までに要する日数を加算することにより、商品の発送日を算出することができる。また、商品の発送日に、配送事業者が商品の配送に要する日数を加算することにより、最短の配送可能日を取得することができる。この最短の配送可能日以降の日を取得する。
【0079】
ステップS107では、制御部401が、配送可能日の夫々に対応するCO2増減量を算出する。制御部401は、例えば、過去のCO2排出量を曜日毎に取得して、曜日毎のCO2増減量のデータを補助記憶部43に記憶させておいてもよい。そして、制御部40
1は、補助記憶部43に記憶されているデータに基づいて、配送可能日の夫々に対応するCO2増減量を取得してもよい。なお、配送希望日の指定がない場合に対応するCO2排出量の平均値からの増減量は、例えば、CO2排出量が最も少ない日と同じ値にしてもよく、それよりも更に少ない値にしてもよい。制御部401は、算出したCO2排出量の基準量からの増減量を、CO2情報DB414に格納する。
【0080】
ステップS108では、制御部401が、配送可能時間帯を取得する。配送可能時間帯は、例えば配送事業者によって定められ、配送サーバ30から販売サーバ40へ送信されて、補助記憶部43に記憶されている。
【0081】
ステップS109では、制御部401が、配送可能時間帯の夫々に対応するCO2増減量を算出する。制御部401は、例えば、過去のCO2排出量を配送時間帯毎に取得して、配送時間帯毎のCO2増減量のデータを補助記憶部43に記憶させておいてもよい。そして、制御部401は、補助記憶部43に記憶されているデータに基づいて、配送可能時間帯の夫々に対応するCO2増減量を取得してもよい。なお、配送希望時間帯の指定がない場合に対応するCO2排出量の増減量は、例えば、CO2排出量が最も少ない時間帯と同じ値にしてもよく、それよりも更に少ない値にしてもよい。制御部401は、算出したCO2排出量の基準量からの増減量を、CO2情報DB414に格納する。
【0082】
ステップS110では、制御部401が、各「受け取り方法に対応するCO2増減量を算出する。制御部401は、例えば、過去のCO2排出量を受け取り方法毎に取得して、受け取り方法毎のCO2増減量のデータを補助記憶部43に記憶させておいてもよい。そして、制御部401は、補助記憶部43に記憶されているデータに基づいて、受け取り方法の夫々に対応するCO2増減量を取得してもよい。制御部401は、算出したCO2排出量の基準量からの増減量を、CO2情報DB414に格納する。
【0083】
ステップS111では、制御部401が、表示データを生成する。表示データは、ユーザが配送方法を選択するページを表示させるためのデータである。すなわち、表示データは、
図4に示した画面を表示させるためのデータである。表示データには、配送可能会社、配送可能日、配送可能時間帯、受け取り方法、及び、それらに対応するCO
2排出量の基準量からの増減量の夫々に関する情報が含まれる。なお、表示データには、これらのデータをユーザ端末20に表示させる指令が含まれていてもよい。そして、ステップS112では、制御部401が、生成した表示データをユーザ端末20に送信する。
【0084】
以上説明したように本実施形態によれば、ユーザが商品の配送方法を選択しようとするときに、選択した配送方法に対応するCO2排出量の基準量からの増減量を知ることができる。したがって、ユーザは、CO2排出量が少ない配送方法を選ぶことができる。また、ユーザが、CO2排出量が少ない配送事業者を選択するようになれば、配送事業者にとっては、CO2排出量が少ない車両を導入する契機になる。したがって、CO2排出量が少ない車両の購入を促進させることができる。また、ユーザが配送希望日または配送希望時間帯を指定しないことも増えるため、配送事業者は効率よく商品を配送することができる。また、ユーザにとっては、受け取り方法として宅配ボックスを選択するために、宅配ボックスを購入する契機になり得る。したがって、宅配ボックスの購入を促進させることができる。このようにして、商品の配送に利用される車両からのCO2の排出量を減少させることができる。
【0085】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0086】
本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0087】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。例えば、配送サーバ30の機能の一部または全部を販売サーバ40が有していてもよい。
【0088】
第1実施形態では、CO2排出量の基準量からの増減量をユーザに提示しているが、これに代えて、CO2排出量そのものをユーザに提示してもよい。すなわち、相対量ではなく絶対量を提示してもよい。
【0089】
また、第1実施形態では、配送先が属する地域のみのCO2排出量に対する増減量をユーザに提示しているが、これに代えて、配送元から配送先までのCO2排出量に対する増減量をユーザに提示してもよいし、配送先から配送先までのCO2排出量そのものをユーザに提示してもよい。
【0090】
また、第1実施形態では、CO2排出量の基準量からの増減量をユーザに提供するときに、配送先が属する地域の平均値をユーザに提供しているが、これに代えて、商品の実際の配送先までのCO2排出量の基準量からの増減量をユーザ毎に算出して提供してもよい。
【0091】
また、上記の実施形態では、CO2排出量をグラムで表記しているが、これに限らず他の表現を用いてもよい。例えば、木がCO2を吸収するのに要する時間、CO2を吸収するのに木が何本必要か、配送のために木が何本必要か、配送のために木が何本切り倒されたか、配送のためにどれだけの広さの森林が失われるか、配送のために南極の氷がどれだけ融けるかなどの表現を用いてもよい。
【0092】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0093】
1 システム
20 ユーザ端末
30 配送サーバ
40 販売サーバ
41 プロセッサ
42 主記憶部
43 補助記憶部
44 通信部
401 制御部