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  • 特許-配管の設置方法および配管構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】配管の設置方法および配管構造
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/00 20060101AFI20241119BHJP
   F16L 5/02 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
F16L5/00 Q
F16L5/02 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022138573
(22)【出願日】2022-08-31
(65)【公開番号】P2024034378
(43)【公開日】2024-03-13
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】岩田 淳
(72)【発明者】
【氏名】河野 寛太
【審査官】井古田 裕昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-254564(JP,A)
【文献】特開2000-002370(JP,A)
【文献】特開2016-223190(JP,A)
【文献】特開2008-241027(JP,A)
【文献】特開2000-199584(JP,A)
【文献】特開2004-313393(JP,A)
【文献】特開2006-234140(JP,A)
【文献】特開2019-217290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 5/00
F16L 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
み方向に貫通する貫通穴であるカット部を有し引き延ばされることで融着する自己融着テープにより、両端が開口する管体の屋外側が予め封止され、上記管体の室内側において、円筒形状であって外径寸法が建物の壁の貫通孔の最大開口寸法より大きく上記管体の外周面から径方向の外向きに広がる環状のフランジを有する鞘管を、上記室内側から建物の壁の貫通孔に上記フランジが上記室内の壁に当接するように嵌め込む工程と、
最大開口寸法が配管の外径寸法よりも小さい上記カット部に上記配管を密着するように挿する工程と、
上記鞘管を上記貫通孔に嵌め込む工程及び上記カット部に上記配管を挿通する工程の後、上記管体の内面と上記配管との隙間に上記管体の室内側からシール材が埋められる工程とを含む配管の設置方法。
【請求項2】
上記シール材は粘土質である請求項1に記載の配管の設置方法。
【請求項3】
上記カット部は複数であり、
上記鞘管を上記貫通孔に嵌め込む工程において、複数の上記カット部それぞれに上記配管を挿通する請求項1又は2に記載の配管の設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁に設けられる穴に配管を設置する方法とその配管構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1において、床暖房、エアコン一体型システムの接続部材が開示されている。接続部材としては、壁に形成された円形のスリーブ穴に柱状の本体部が嵌合するものが特許文献1に例示されている。本体部には、複数の貫通孔があり、貫通孔にはエアコンの配管パイプが挿通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-71458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本体部の貫通孔の内径は、エアコンの配管パイプが容易に挿通できるように、配管パイプの外径よりも大きい。したがって、配管パイプと本体部の貫通孔との隙間から外の空気が建物内に進入しないように、隙間に粘土質のシール材が充填される。しかし、貫通孔の一方側から隙間にシール材を押し込むと、貫通孔の反対側においてシール材が本体部の端面から盛り上がり美観がよくない。また、貫通孔の一方側からシール材を押し込んだ後に、貫通孔の他方側において本体部の端面から盛り上がったシール材を削除することは作業性が悪い。また、シール材を隙間に充填することによる気密性の確保は、作業者の熟練度に依存するため、気密性が安定しない。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、配管を位置決めしつつ、建物の気密性を確保できる鞘管を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 請求項1は、両端が開口する管体の一端が、厚み方向に貫通するカット部を有する膜により封止された鞘管を、建物の壁の貫通孔に嵌め込む工程と、上記カット部に配管を挿通する工程とを含む配管の設置方法である。
【0007】
配管が、鞘管を封止する膜のカット部に挿通されるため、配管が膜によって支持される。これにより、配管を位置決めしつつ建物の気密性を確保できる。
【0008】
(2) 請求項2は、上記管体の内面と上記配管との隙間に、上記管体の他端側からシール材を充填する工程を更に含む請求項1に記載の配管の設置方法である。
【0009】
管体に充填されたシール材が膜でとどまるため管体の他方側から盛り上がるのが抑制される。また、鞘管内をシール材で埋めることが容易になることで気密性が安定して確保される。
【0010】
(3) 請求項3は、上記カット部が複数であり、上記鞘管を上記貫通孔に嵌め込む工程において、複数の上記カット部それぞれに上記配管を挿通する請求項1または2に記載の配管の設置方法である。
【0011】
複数の配管のそれぞれを位置決めできる。
【0012】
(4) 請求項4は、貫通孔を有する壁と、両端が開口する管体の一端が、厚み方向に貫通するカット部を有する膜によって封止される鞘管と、配管と、を備えており、上記鞘管は、上記貫通孔に嵌め込まれており、上記配管は、上記カット部に挿通されている配管構造である。
【0013】
配管が、鞘管を封止する膜のカット部に挿通されているため、配管が膜で支持されている。このため、配管を位置決めしつつ建物の気密性を確保できる。
【0014】
(5) 請求項5は、上記管体の内面と上記配管との隙間に充填されたシール材を更に備えた請求項4に記載の配管構造である。
【0015】
(6) 請求項6は、上記カット部は複数であり、上記複数のカット部に複数の上記配管がそれぞれ挿通されている請求項4または5に記載の配管構造。
【0016】
(7) 請求項7は、上記管体は、円筒形状であって、他端において外周面から径方向の外向きに広がる環状のフランジを有しており、上記フランジは、外径寸法が上記貫通孔の最大開口寸法よりも大きい請求項4から6のいずれかに記載の配管構造。
【0017】
壁の貫通孔をフランジによって隠すことができる。
【0018】
(8) 請求項8は、上記カット部は、上記膜に形成された貫通穴である請求項4から6のいずれかに記載の配管構造。
【0019】
配管と貫通穴との隙間の発生が抑制される。
【0020】
(9) 請求項9は、両端が開口する管体と、上記管体の一端を封止しており、厚み方向に貫通するカット部を有する膜と、を備えた配管用の鞘管。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、配管を位置決めしつつ、建物の気密性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明の一実施形態にかかる配管構造18を模式的に示す図である。
図2図2は、図1の配管構造18を拡大して示す図である。
図3図3は、図2の断面図である。
図4図4は、鞘管21の斜視図である。
図5図5は、膜33を左方から視た図である。
図6図6は、配管22の設置方法を説明する図である。
図7図7は、配管22の設置方法を説明する図である。
図8図8は、配管22の設置方法を説明する図である。
図9図9は、配管22の設置方法を説明する図である。
図10図10は、変形例1に係る膜33Aの切り込み50を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は、本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0024】
以下では、鞘管21が建物10の壁11に設置された状態(図1参照)を基準として上下方向1が定義される。また、鞘管21が取り付けられる壁11の厚み方向を左右方向2と定義する。上下方向1および左右方向2に直交する方向を前後方向3と定義する。
【0025】
図1に示されるように、建物10には壁11に沿って空調機15が設置されている。空調機15は、室内12に設置された室内機16と屋外13に設置された室外機17とが配管構造18によって接続されている。なお、建物10の階層数は特に限定されない。配管構造18はいずれの階に設置されていてもよく、階を跨がって設置されてもよい。
【0026】
壁11は、建物10の室内12と屋外13とを隔てている。建物10の左方に位置する壁11は、上下方向1および前後方向3に拡がっている。貫通孔20は、壁11を左右方向2に貫通する(図3参照)。貫通孔20は、建物10の室内12と屋外13とを連通する開口である。貫通孔20は、左右方向2から視て略円形である。本実施形態においては1枚の壁11に貫通孔20が貫通している場合を想定しているが、壁11については、図示は省略するが一般的なものであってもよく、柱と柱の間において所定間隔で配置される複数の間柱と、間柱の室内側に位置する内壁と、間柱の屋外側に位置する外壁とを有していてもよい。このとき、貫通孔は内壁と外壁とを貫通する。
【0027】
図2図3に示されるように、配管構造18は、貫通孔20を有する壁11と、貫通孔20に嵌め込まれる鞘管21と、鞘管21に挿通される配管22と、鞘管21に充填される粘土質のシール材23とを備えている。
【0028】
配管22は、室内機16と室外機17との間において冷媒を流通可能な一対の冷媒配管25a,25bと、室内機16から水を排出する排水管26とを有している。また、本実施形態においては、配線27が、配管22に沿うように鞘管21内に挿通されている。一対の冷媒配管25a,25bは、鞘管21に挿通された状態において、管体31内の上寄りに位置する。一対の冷媒配管25a,25bのそれぞれは、前後方向3に離間して位置している。排水管26および配線27は、管体31内の下よりに位置する。排水管26および配線27は、互いに前後方向3に離間して位置している。
【0029】
鞘管21は、合成樹脂製である。鞘管21は、貫通孔20に嵌め込み可能である。貫通孔20に鞘管21が嵌め込まれた状態において、フランジ30の左方を向く面は、壁11の右方を向く面と当接する。鞘管21内には、一対の冷媒配管25a,25b、排水管26および配線27(以下、各配管とも称する。)が挿通されている。各配管25a,25b,26,27は管状である。管体31の内面32と各配管25a,25b,26,27との間には隙間Sが形成されている(図8参照)。鞘管21は、フランジ30と、管体31と、膜33とを有している。
【0030】
図3図4に示されるように、フランジ30は環状であり、管体31の右方の端部(管体の他端の一例)35において外周面36から径方向の外向きに延びている。フランジ30は、外径寸法D1が貫通孔20の最大開口寸法D2よりも大きい。
【0031】
管体31は、中心軸が左右方向2に沿って延びる円筒形状である。管体31の左右方向2おける寸法は、壁11の左右方向2の寸法とほぼ同じである。管体31の左方の端部(管体の一端の一例)38は、膜33によって封止されている。具体的には、膜33の縁が管体31の左方の端部38に接着されている。膜33はフィルム状であり、可撓性を有している。膜33には、粘着性を有する未加硫のブチルゴムに薄膜状の皮膜が積層された所謂自己融着テープが使用される。
【0032】
膜33は、各配管25a,25b,26,27を挿通するためのカット部40を有している。カット部40は、膜33の厚み方向に貫通する貫通穴である。カット部40は、左右方向2から視て円形である。カット部40には、一対の冷媒配管25a,25b、排水管26、および配線27がそれぞれ挿通されている。カット部40は、膜33において、各配管25a,25b,26,27と交差する位置に配置されている。カット部40は、各配管25a,25b,26,27が左右方向2に沿うように支持する。
【0033】
より具体的には、カット部40は、図5に示されるように、一対の冷媒配管25a,25bを挿通する一対の第1貫通穴40a,40bと、排水管26を挿通する第2貫通穴40cと、配線27を挿通する第3貫通穴40dとを有している。第1貫通穴40a,40b、第2貫通穴40c、および第3貫通穴40dの膜33における位置は、管体31内における一対の冷媒配管25a,25b、排水管26、および配線27の位置と左右方向2から視て一致する。これにより、各配管25a,25b,26,27は、一対の第1貫通穴40a,40b、第2貫通穴40cおよび第3貫通穴40d(以下、各貫通穴とも称する)に挿通されることによって互いに離間した状態で鞘管21内に支持される。
【0034】
各貫通穴40a,40b,40c,40dは、各配管25a,25b,26,27に対して密着する。つまり、一対の第1貫通穴40a,40bは、最大開口寸法D3が一対の冷媒配管25a,25bの外径寸法D4(図2参照)よりも小さい。また、第2貫通穴40cは、最大開口寸法D5が排水管26の外径寸法D6(図2参照)よりも小さい。第3貫通穴40dは、最大開口寸法D7が配線27の外径寸法D8(図2参照)よりも小さい。
【0035】
シール材23は、管体31の内面32と各配管25a,25b,26,27との隙間に充填されている。シール材23は、粘土質である。シール材23は、例えば、ポリブデン樹脂及び合成接着剤を基材とする。シール材23は、鞘管21の膜33の右方に位置する。
【0036】
[配管22の設置方法]
以下、配管22を壁11に設置する方法について説明される。図6に示されるように、配管22を設置する際には、まず、鞘管21が貫通孔20に嵌め込まれる。貫通孔20に嵌め込まれた鞘管21は、図7に示されるように、フランジ30の左向きの面が壁11の右向きの面に当接する位置まで挿入される。なお、図7図8図9においては、冷媒配管25b、配線27は現れていないが以下において冷媒配管25b、配線27も含めて説明される。
【0037】
次に、図8に示されるように、鞘管21が貫通孔20に保持された状態で鞘管21に各配管25a,25b,26,27が挿通される。具体的には、各配管25a,25b,26,27は、管体31内においてそれぞれが離間した状態で膜33の各貫通穴40a,40b,40c,40dに挿通される。挿通された各配管25a,25b,26,27は、膜33によって支持される。
【0038】
図9に示されるように、管体31の右方の端部35から管体31の内面32と各配管25a,25b,26,27との隙間にシール材23が充填される。シール材23は、管体31内に押し込まれると膜33に当接してとどまる。このため、シール材23は、膜33の右方に溜まる。シール材23がさらに充填されると、膜33の右方において、管体31の内面32と各配管25a,25b,26,27との隙間が埋められる(図3参照)。
【0039】
[実施形態の作用効果]
配管22は、管体31の左方の端部38を封止する膜33のカット部40に挿通される。このため、配管22は、膜33によって支持される。これにより、配管22を管体31内において位置決めしつつ、配管22周りを囲むことで建物10の気密性を確保できる。
【0040】
本実施形態では、管体31の左方の端部35から充填されたシール材23が膜33に当接してとどまる。このため、管体31の右方の端部38から盛り上がるのが抑制される。また、鞘管21内をシール材23で埋めることが容易になるため、配管22と貫通孔20との間に隙間があった場合であっても、気密性が安定して確保される。
【0041】
本実施形態では、管体31内に位置する複数の配管22のそれぞれを位置決めできる。これにより、配管22が曲がるのを防ぐことができる。また、各配管25a,25b,26,27同士の位置が互いにずれたりするのを防ぐことができる。
【0042】
本実施形態では、貫通孔20の加工後における外観が良くない場合であってもフランジ30で隠すことができる。このため、簡単な作業で配管構造18を設置できる。
【0043】
本実施形態では、膜33に配管22の外形に合わせた貫通穴を設けることができる。このため、配管22とカット部40との隙間の発生が抑制される。
【0044】
[変形例1]
上述の実施形態においては、膜33において、厚み方向に貫通するカット部40が位置している場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。カット部40は、例えば図10に示されるように、膜33Aにおいて、上下方向1と前後方向3とに沿って十字に切り込まれた切り込み50であってもよい。各配管25a,25b,26,27は、切り込み50に押し当てられることによって膜33Aに挿通される。
【0045】
切り込み50は、切り込み幅が調整されることで各配管25a,25b,26,27の外形に容易に合わせることができる。なお、切り込み50は、各配管25a,25b,26,27が膜33に密着した状態で支持できるものであればよく、上記した十字の他、一直線に沿って切り込まれてもよく、また、曲線状に切り込まれてもよい。
【0046】
[その他の変形例]
上述の実施形態においては、鞘管21が壁11の貫通孔20に保持された状態で各配管25a,25b,26,27が挿通される場合を例にあげて説明したが、この設置方法に限らない。鞘管21は、各配管25a,25b,26,27が壁11の貫通孔20に挿通された後において、各貫通穴40a,40b,40c,40dに各配管25a,25b,26,27が挿通されつつ貫通孔20に嵌め込まれてもよい。
【0047】
上述の実施形態においては、貫通孔20に挿通される管体31は、中心軸が左右方向2に沿って延びる円筒形状である場合を例にあげて説明したが、一つの円筒形状の部材で構成されるものでなくてもよい。管体31は、中心軸に沿って2以上の円筒形状の部材が連結されてもよい。
【0048】
上述の実施形態においては、管体31が合成樹脂製の円筒形状である場合を例にあげて説明したが、これに限らない。管体31は、所謂ボイドなどの紙製の型枠でもよく、断面形状が矩形形状などの角筒形状であってもよい。
【0049】
上述の実施形態においては、膜33において各配管25a,25b,26,27を挿通するため、膜33の厚み方向に貫通する4つのカット部40を有している場合を例にあげて説明したが、カット部40は、4つより多くてもよいし、少なくてもよい。
【0050】
上述の実施形態においては、鞘管21が管体31の左方の端部35において径方向の外向きに延びるフランジ30を有する場合を例にあげて説明したが、これに限らない。鞘管は、フランジ30を有しなくてもよい。
【0051】
上述の実施形態においては、配管構造18が空調機15に適用される場合を例にあげて説明したが、この構成に限らない。配管構造18は、電気配線、アンテナ配線、電話配線、インターネット配線、インターホン配線などの各種配線の設置に適用されてもよい。
【0052】
[請求項1]
両端が開口する管体の一端が、厚み方向に貫通するカット部を有する膜により封止された鞘管を、建物の壁の貫通孔に嵌め込む工程と、
上記カット部に配管を挿通する工程と、を含む配管の設置方法。
【0053】
[請求項2]
上記管体の内面と上記配管との隙間に、上記管体の他端側からシール材を充填する工程を更に含む請求項1に記載の配管の設置方法。
【0054】
[請求項3]
上記カット部は複数であり、
上記鞘管を上記貫通孔に嵌め込む工程において、複数の上記カット部それぞれに上記配管を挿通する請求項1または2に記載の配管の設置方法。
【0055】
[請求項4]
貫通孔を有する壁と、
両端が開口する管体の一端が、厚み方向に貫通するカット部を有する膜によって封止される鞘管と、
配管と、を備えており、
上記鞘管は、上記貫通孔に嵌め込まれており、
上記配管は、上記カット部に挿通されている配管構造。
【0056】
[請求項5]
上記管体の内面と上記配管との隙間に充填されたシール材を更に備えた請求項4に記載の配管構造。
【0057】
[請求項6]
上記カット部は複数であり、
上記複数のカット部に複数の上記配管がそれぞれ挿通されている請求項4または5に記載の配管構造。
【0058】
[請求項7]
上記管体は、円筒形状であって、他端において外周面から径方向の外向きに広がる環状のフランジを有しており、
上記フランジは、外径寸法が上記貫通孔の最大開口寸法よりも大きい請求項4または5に記載の配管構造。
【0059】
[請求項8]
上記カット部は、上記膜に形成された貫通穴である請求項4または5に記載の配管構造。
【0060】
[請求項9]
両端が開口する管体と、
上記管体の一端を封止しており、厚み方向に貫通するカット部を有する膜と、を備えた配管用の鞘管。
【符号の説明】
【0061】
10・・・建物
11・・・壁
18・・・配管構造
20・・・貫通孔
21・・・鞘管
22・・・配管
23・・・シール材
30・・・フランジ
31・・・管体
32・・・内面
33・・・膜
40・・・カット部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10